研究成果報告書

Similar documents
学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ

るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を

能性を示した < 方法 > M-CSF RANKL VEGF-C Ds-Red それぞれの全長 cdnaを レトロウイルスを用いてHeLa 細胞に遺伝子導入した これによりM-CSFとDs-Redを発現するHeLa 細胞 (HeLa-M) RANKLと Ds-Redを発現するHeLa 細胞 (HeL

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans

く 細胞傷害活性の無い CD4 + ヘルパー T 細胞が必須と判明した 吉田らは 1988 年 C57BL/6 マウスが腹腔内に移植した BALB/c マウス由来の Meth A 腫瘍細胞 (CTL 耐性細胞株 ) を拒絶すること 1991 年 同種異系移植によって誘導されるマクロファージ (AIM

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 森脇真一 井上善博 副査副査 教授教授 東 治 人 上 田 晃 一 副査 教授 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independe

結果 この CRE サイトには転写因子 c-jun, ATF2 が結合することが明らかになった また これら の転写因子は炎症性サイトカイン TNFα で刺激したヒト正常肝細胞でも活性化し YTHDC2 の転写 に寄与していることが示唆された ( 参考論文 (A), 1; Tanabe et al.

-119-

研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する 免疫力の低下は感染を引き起こしやすくなり 健康を損ないやすくなる そこで 2 10W/kgのSARで電波ばく露を行い 免疫細胞

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http

研究成果報告書

( 続紙 1 ) 京都大学 博士 ( 薬学 ) 氏名 大西正俊 論文題目 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( 論文内容の要旨 ) 脳内出血は 高血圧などの原因により脳血管が破綻し 脳実質へ出血した病態をいう 漏出する血液中の種々の因子の中でも 血液凝固に関

Microsoft Word - FHA_13FD0159_Y.doc

Wnt3 positively and negatively regu Title differentiation of human periodonta Author(s) 吉澤, 佑世 Journal, (): - URL Rig

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形

博士の学位論文審査結果の要旨

の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産

Untitled

モノクローナル抗体とポリクローナル抗体の特性と

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 野上彩子 論文審査担当者 主査神奈木真理 副査北川昌伸 東田修二 論文題目 FLT3-ITD confers resistance to the PI3K/Akt pathway inhibitors by protecting the mtor/4ebp1/m

学位論文の要約 Clinical Significance Of Platelet-Derived Growth Factor 5 Receptor-β Gene Expression In Stage II/III Gastric Cancer With S-1 Adjuvant Chemothe

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

平成14年度研究報告

Untitled

糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する

大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム

Untitled

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子

<4D F736F F D F4390B38CE3816A90528DB88C8B89CA2E646F63>

Untitled

ASC は 8 週齢 ICR メスマウスの皮下脂肪組織をコラゲナーゼ処理後 遠心分離で得たペレットとして単離し BMSC は同じマウスの大腿骨からフラッシュアウトにより獲得した 10%FBS 1% 抗生剤を含む DMEM にて それぞれ培養を行った FACS Passage 2 (P2) の ASC

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 松尾祐介 論文審査担当者 主査淺原弘嗣 副査関矢一郎 金井正美 論文題目 Local fibroblast proliferation but not influx is responsible for synovial hyperplasia in a mur

血漿エクソソーム由来microRNAを用いたグリオブラストーマ診断バイオマーカーの探索 [全文の要約]

研究成果報告書

子として同定され 前立腺癌をはじめとした癌細胞や不死化細胞で著しい発現低下が認められ 癌抑制遺伝子として発見された Dkk-3 は前立腺癌以外にも膵臓癌 乳癌 子宮内膜癌 大腸癌 脳腫瘍 子宮頸癌など様々な癌で発現が低下し 癌抑制遺伝子としてアポトーシス促進的に働くと考えられている 先行研究では ヒ

法医学問題「想定問答」(記者会見後:平成15年  月  日)

研究成果報告書

論文の内容の要旨

Peroxisome Proliferator-Activated Receptor a (PPARa)アゴニストの薬理作用メカニズムの解明

八村敏志 TCR が発現しない. 抗原の経口投与 DO11.1 TCR トランスジェニックマウスに経口免疫寛容を誘導するために 粗精製 OVA を mg/ml の濃度で溶解した水溶液を作製し 7 日間自由摂取させた また Foxp3 の発現を検討する実験では RAG / OVA3 3 マウスおよび

妊娠認識および胎盤形成時のウシ子宮におけるI型IFNシグナル調節機構に関する研究 [全文の要約]

<4D F736F F D20322E CA48B8690AC89CA5B90B688E38CA E525D>

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

Untitled

学位論文の要約

報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号添加物 ( キャップ色等 ) 採取容器採取材料採取量測定材料ノ他材料 DNA 検体ラベル ( 単項目オーダー時 ) ホンハ ンテスト 注 JAK2/CALR. 外 N60 氷 採取容器について その他造血器 **-**

抑制することが知られている 今回はヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸のプロテ アーゼ活性に対する効果を検討することとした コレステロール硫酸の着床期特異的な発現の機序を解明するために 合成酵素であるコ レステロール硫酸基転移酵素 (SULT2B1b) に着目した ヒト子宮内膜は排卵後 脱落膜 化

博第265号

Untitled

Microsoft PowerPoint - 2_(廣瀬宗孝).ppt

cover

1 分子標的治療薬概論 分子生物学の進歩により, がんの特性が徐々に明らかになるにつれ, がん薬物療法における新しい抗悪性腫瘍薬の開発戦略は大きく変わってきている. 本邦においても 2001 年に CD20 に対する抗体であるリツキシマブが B 細胞リンパ腫の治療薬として認可されて以来, 様々な分子

H27_大和証券_研究業績_C本文_p indd

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 神谷綾子 論文審査担当者 主査北川昌伸副査田中真二 石川俊平 論文題目 Prognostic value of tropomyosin-related kinases A, B, and C in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) < 要旨

様式 C-19 科学研究費補助金研究成果報告書 平成 21 年 6 月 2 日現在 研究種目 : 若手研究 (B) 研究期間 :26 ~ 28 課題番号 : 研究課題名 ( 和文 ) 炭酸ガスおよび半導体レーザーによるオーラルアンチエイジング 研究課題名 ( 英文 ) Oral an

上原記念生命科学財団研究報告集, 30 (2016)

析は抗 ERK p-erk MEK p-mek SAPK/JNK p-sapk/jnk p38 p-p38 Akt p-akt Bax Esrp1/2 -actin 抗体を使用した 野生型可溶性 FGFR2 および sfgfr2iiic S252W の精製を以下のように行った COS-7 細胞に F

報告にも示されている. 本研究では,S1P がもつ細胞遊走作用に着目し, ヒト T 細胞のモデルである Jurkat 細胞を用いて血小板由来 S1P の関与を明らかにすることを目的とした. 動脈硬化などの病態を想定し, 血小板と T リンパ球の細胞間クロストークにおける血小板由来 S1P の関与につ

Untitled

RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果

<4D F736F F D DC58F4994C A5F88E38A D91AE F838A838A815B835895B68F FC189BB8AED93E089C82D918189CD A2E646F63>

学位論文内容の要旨 Abstract Background This study was aimed to evaluate the expression of T-LAK cell originated protein kinase (TOPK) in the cultured glioma ce

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

論文の内容の要旨

Microsoft Word - 学位論文内容の要旨 .doc

今後の展開現在でも 自己免疫疾患の発症機構については不明な点が多くあります 今回の発見により 今後自己免疫疾患の発症機構の理解が大きく前進すると共に 今まで見過ごされてきたイントロン残存の重要性が 生体反応の様々な局面で明らかにされることが期待されます 図 1 Jmjd6 欠損型の胸腺をヌードマウス

Untitled

Untitled

の基軸となるのは 4 種の eif2αキナーゼ (HRI, PKR, または ) の活性化, eif2αのリン酸化及び転写因子 の発現誘導である ( 図 1). によってアミノ酸代謝やタンパク質の折りたたみ, レドックス代謝等に関わるストレス関連遺伝子の転写が促進され, それらの働きによって細胞はス

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 P EDTA-2Na( 薄紫 ) 血液 7 ml DNA 検体ラベル ( 単項目オーダー時 ) ホンハ ンテスト 注 JAK2/CALR. 外 N60 氷 採取容器について

PowerPoint プレゼンテーション

Folia Pharmacol. Jpn mg/14 ml mg/ ml Genentech, Inc. Genentech HER human epidermal growth factor receptor type HER - HER HER HER HER

イルスが存在しており このウイルスの存在を確認することが診断につながります ウ イルス性発疹症 についての詳細は他稿を参照していただき 今回は 局所感染疾患 と 腫瘍性疾患 のウイルス感染検査と読み方について解説します 皮膚病変におけるウイルス感染検査 ( 図 2, 表 ) 表 皮膚病変におけるウイ

Powered by TCPDF ( Title 造血器腫瘍のリプログラミング治療 Sub Title Reprogramming of hematological malignancies Author 松木, 絵里 (Matsuki, Eri) Publisher P

難病 です これまでの研究により この病気の原因には免疫を担当する細胞 腸内細菌などに加えて 腸上皮 が密接に関わり 腸上皮 が本来持つ機能や炎症への応答が大事な役割を担っていることが分かっています また 腸上皮 が適切な再生を全うすることが治療を行う上で極めて重要であることも分かっています しかし

ヒト慢性根尖性歯周炎のbasic fibroblast growth factor とそのreceptor

学位論文の要旨 Clinical significance of platelet-derived growth factor 5 receptor-β gene expression in stage II/III gastric cancer with S-1 adjuvant chemothe

するものであり 分子標的治療薬の 標的 とする分子です 表 : 日本で承認されている分子標的治療薬 薬剤名 ( 商品の名称 ) 一般名 ( 国際的に用いられる名称 ) 分類 主な標的分子 対象となるがん イレッサ ゲフィニチブ 低分子 EGFR 非小細胞肺がん タルセバ エルロチニブ 低分子 EGF

スライド 1


平成 28 年 2 月 1 日 膠芽腫に対する新たな治療法の開発 ポドプラニンに対するキメラ遺伝子改変 T 細胞受容体 T 細胞療法 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長 髙橋雅英 ) 脳神経外科学の夏目敦至 ( なつめあつし ) 准教授 及び東北大学大学院医学系研究科 ( 研究科長 下瀬川徹

■リアルタイムPCR実践編

第6号-2/8)最前線(大矢)

センシンレンのエタノール抽出液による白血病細胞株での抗腫瘍効果の検討

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

東邦大学学術リポジトリ タイトル別タイトル作成者 ( 著者 ) 公開者 Epstein Barr virus infection and var 1 in synovial tissues of rheumatoid 関節リウマチ滑膜組織における Epstein Barr ウイルス感染症と Epst

Microsoft Word - 最終:【広報課】Dectin-2発表資料0519.doc

EBウイルス関連胃癌の分子生物学的・病理学的検討

1. 背景血小板上の受容体 CLEC-2 と ある種のがん細胞の表面に発現するタンパク質 ポドプラニン やマムシ毒 ロドサイチン が結合すると 血小板が活性化され 血液が凝固します ( 図 1) ポドプラニンは O- 結合型糖鎖が結合した糖タンパク質であり CLEC-2 受容体との結合にはその糖鎖が

<4D F736F F D EA95948F4390B3817A938C91E F838A838A815B835895B68F F08BD682A082E8816A5F8C6F8CFB939C F

Transcription:

様式 C-19 F-19 Z-19( 共通 ) 1. 研究開始当初の背景血管肉腫はヒトおよび犬の難治性悪性腫瘍である ヒトでは発生率は低く, 研究が進んでいない rare tumor の一種であるが, 犬の発生率はヒトに比べ数十倍高い ヒトの血管肉腫の研究は症例報告がほとんどであり, 犬では病理組織学的な研究報告は散見されるものの, ヒトと同様に実験的手法を用いた研究は多くはない それゆえに, ヒトで得られた研究成果を犬に応用することも不可能である これらの原因のひとつには, 腫瘍再現モデル, つまり in vivo 移植モデルや in vitro の培養細胞株が乏しいことが挙げられ, モデルの作製が医学, 獣医学あるいは比較腫瘍学的観点からも切望されている 2. 研究の目的本研究では, 我々が作出したヌードマウス可移植犬血管肉腫から in vitro モデルとして利用可能な培養細胞株を樹立し, 実験的に血管肉腫の異常増殖の分子メカニズムの解明を目指す 解析する点は以下の 2 つである (1) 増殖因子 / 受容体阻害剤により, 犬血管肉腫の培養細胞株で主となる増殖因子 / 受容体経路を明らかにする (2) 培養細胞株をヌードマウスに移植し, in vivo での増殖因子 / 受容体経路を明らかにする 3. 研究の方法 (1) 犬血管肉腫細胞株の樹立肝臓, 右心房, 脾臓に発生した 3 例の犬血管肉腫の腫瘍組織をヌードマウスの背部皮下へ移植し作製した可移植犬血管肉腫の組織片から細胞を分散さ,10% 牛胎仔血清 (FCS) 含 M199 培地で 60 代以上継代した後, 細胞株を樹立した また,10%FCS 含 M199 培地に 5000 個 /ml の濃度で細胞を培養し, 増殖曲線を作製した 血管内皮細胞の表現型を確認するため,DiI 標識アセチル化低密度タンパク質 (DiI-Ac-LDL) の取り込み能を調べた また, 犬特異的プライマーを用い,CD31,vWF,VEGF-A, Flt-1,Flk-1,bFGF,FGFR-1,HGF,c-Met, IGF-I,IGF-IR,EGF,EGFR,PDGFB,PDGFRα, PDGFRβ の mrna の発現を RT-PCR 法にて調べた (2) 樹立腫細胞株の VEGF と bfgf の分泌能次に培養上清中の VEGF および bfgf の濃度を, 犬との交差性が確認されている human VEGF ELISA kit あるいは human bfgf ELISA kit (R&D Systems,MN,USA) を用いて測定した (3) 樹立腫細胞株の腫瘍形成能の評価腫瘍形成能を調べるために, 各細胞 10 6 をヌードマウス (4 週齢, ) の左右背部皮下 に接種した (5 匹, 計 10 カ所 / 細胞株 ) 形成された腫瘍組織について, 血管内皮マーカーである CD31 および vwf, 増殖マーカーで, マウスとは交差せず犬と反応する抗 Ki-67 抗原 (MIB-1) 抗体を用いた免疫染色を行った (4) 樹立腫細胞株に対する増殖因子の影響およびシグナル伝達系の解析樹立犬血管肉腫細胞株に対する増殖因子の影響を調べ, さらにこの増殖に関与するシグナル伝達経路の解明を目的とし, 犬血管肉腫細胞株を用い, 細胞株を 10%FCS 含 M199 培地で 24 時間培養後 1%FCS 含 M199 培地に交換し, 血清飢餓の状態で 24 時間培養した その後, recombinant human VEGF-A(rhVEGF-A),rhbFGF, rhhgf,rhigf-i,rhegf,rhpdgf-bb を 0,1, 10,50,100ng/ml, あるいは 10%FCS を加えた その後,72 時間培養し,WST-1 法で細胞増殖活性を評価した また, 血清依存性に活性化するシグナル伝達経路の解析のために,10%FCS 含 M199 培地で細胞株を培養後,1%FCS 含 M199 培地に交換し, 血清飢餓の状態で 24 時間培養した その後, 培地を 10%FCS 含 M199 培地, あるいは 1%FCS 含 M199 培地に交換し,30 分後に総タンパク質を抽出し, ウエスタンブロット法で Erk,Akt,4E-BP1 および p70s6k のリン酸化の変化を調べた (5) 樹立腫細胞株における mtorc2/akt /4E-BP1 経路の恒常的活性化に対する阻害犬血管肉腫細胞株では,mTORC2/Akt Ser 473 /4E-BP1 経路が恒常的に活性化していることが示唆され, 治療のターゲットとして有用であると考えられた そこで, この経路に対する分子標的阻害剤を用いて, 細胞増殖抑制効果とこの経路に関わる種々のタンパク質のリン酸化の変化を検討した 10%FCS 含 M199 培地で 24 時間培養した細胞株に,PI3K 阻害剤の LY294002 を 0,0.1,1, 10,20,50,100μM, あるいは mtorc1 阻害剤の rapamycin を 0,0.1,1,10,20,50,100 nm 加え,48 時間後に W WST-1 法で細胞増殖活性の評価を行った また,10%FCS 含 M199 培地で 24 時間培養した細胞に,50μM の LY294002 を, あるいは 20nM の rapamycin を加え,LY294002 では 2 時間後,rapamycin は 24 時間後に総タンパク質を抽出し, ウェスタン ブロット法で Akt,4E-BP1,p70S6K のリン酸化の変化を調べた (6)in vivo での PI3K/Akt/mTOR 経路の活性化の確認 in vivo での PI3K/Akt/mTOR 経路の活性化を確認するために, ヌードマウス移植腫瘍および自然発生の犬血管肉腫における

PI3K/Akt/mTOR 経路に関わるリン酸化 Akt Ser 473 (p-akt Ser 473 ) および Thr 308,p-4E-BP1 Thr 37/46 を免疫染色した (7) 自然発生血管肉腫における PDGF/PDGF 受容体の発現と PDGF 受容体の遺伝子変異の解析増殖因子のうち,PDGF/PDGF 受容体の発現に焦点を絞り, 犬の自然発生血管肉腫における PDGF と PDGF 受容体の発現を免疫組織化学的に検討した また,PDGF 受容体は膜貫通部近傍に変異がみられると恒常的な自己リン酸化が起こることが知られているので, 同様に犬の自然発生血管肉腫のホルマリン固定パラフィン切片からゲノム DNA を抽出し,PDGFα および β 受容体遺伝子の細胞膜近傍部の変異の有無を PCR- 直接塩基配列決定法による解析を行った 4. 研究成果 (1) 犬血管肉腫細胞株の樹立肝臓原発血管肉腫 Ju 株から形態的に異なる 3 株 (JuA1,JuB2,JuB4), 右心房原発血管肉腫 Re 株から,2 株 (Re12,Re21), 脾臓原発血管肉腫 Ud 株から,2 株 (Ud2,Ud6) の計 7 株の犬血管肉腫細胞株を作製した ( 図 1) 全ての細胞株は DiI-Ac-LDL の取り込み能を有し,CD31 の mrna を発現していたが,vWF の mrna は発現していなかった 図 1 樹立した細胞株の形態と DiI-Ac-LDL の取り込み ( 右下 ) 増殖曲線を作製したところ,Ju 系,Ud 系では速い増殖を示したが,Re 系は増殖が緩徐であった ( 図 2) 図 2 増殖曲線 増殖因子とその受容体の mrna の発現は細胞株によって様々であった ( 図 3) VEGF-A, bfgf,hgf,igf-i,pdgf-b は増殖因子と共に受容体の mrna も発現していたことから, 自己分泌 / 傍分泌機構で働く可能性が示唆された 図 3 樹立した細胞株における各種増殖因子, 受容体の発現 (PC: 正常犬脾臓 cdna) (2) 樹立細胞株の VEGF および bfgf の分泌 Re12 でのみ, 培養上清中に VEGF の産生がみられたが, そのほかの細胞,bFGF では ELISA で測定限界以下であった (3) 樹立腫細胞株の腫瘍形成能 JuA1(8/10 カ所 ),Re21(9/10) では全て, JuB2(3/10),JuB4(2/10) では一部のヌードマウスに腫瘍を形成した Re12,Ud2 および Ud6 は腫瘍を形成しなかった 形成された腫瘍は,CD31,vWF および MIB-1 抗体に陽性を示した MIB-1 抗体はマウス組織に反応しないので, 形成された腫瘍は犬血管肉腫に由来する組織と考えられた (4) 樹立腫細胞株に対する増殖因子の影響およびシグナル伝達系の解析 JuB4 では,IGF-I を除く全ての増殖因子と血清下で, 用量依存性に増殖が促進された JuA1,Re11 および Re21 では血清下で増殖が促進されたが, いずれの増殖因子でも促進されなかった JuB2,Ud2 および Ud6 では増殖因子と血清のいずれにも増殖促進効果を示さなかった これらの株ではシグナル伝達経路の恒常的活性化が疑われたため, 血清添加によるシグナル伝達経路の活性を検索したところ,JuB4, Re12 では血清によって, Erk Thr 202 /Tyr 204 のリン酸化が増加した よって, これらの株の血清による増殖促進には,Erk 経路が関与している可能性が示唆された 一方, Akt Ser 473 とその下流の eif4e-binding protein 1 (4E-BP1) の 4E-BP1 Thr 37/46,Thr 70,Ser 65 は, 6 株で S6 kinase(p70s6k) の p70s6k Thr 389

は血清飢餓でリン酸化が増加した ( 図 4) 2 種類の異なる複合体として存在するセリン / スレオニンキナーゼである mtor は mtor complex 1(mTORC1) は主に mtor,raptor,gβl 等から構成される mtorc1 は PI3K,PDK1 を介した Akt Thr 308 のリン酸化によって活性化され, 下流の 4E-BP1 と p70s6k のリン酸化を介して, 標的遺伝子の翻訳調節を行い, 細胞増殖に関与している 一方,mTORC2 は mtor, Rictor,GβL 等から構成され,Akt の上流に位置し,Akt Ser 473 を活性化させることが知られているが,mTORC1 に比べ, 解明されていない点も多い 4E-BP1 と p70s6k は共に mtorc1 の下流に共に位置しているが, 今回の結果から, 犬血管肉腫細胞株では,mTORC2 による Akt Ser 473 の活性化は 4E-BP1 を制御し,Akt Thr 308 による mtorc1 の活性化は p70s6k を制御するという別の経路である可能性が示唆された 図 4MAP/Erk and AKT/mTOR 経路に対する血清の影響ウェスタンブロット法.24 時間の血清飢餓後の 10% あるいは 1% 牛胎仔血清加 M199 培地に 30 分インキュベートした細胞株の総タンパク抽出液を 10μg 泳動 β アクチンは内部標準たんぱく質 (5) 樹立腫細胞株における mtorc2/akt /4E-BP1 経路の恒常的活性化に対する阻害 LY294002 処置後, 全ての細胞株で用量依存性に細胞増殖が抑制され,Akt Ser 473,4E-BP1 Thr 37/36,Thr70,Ser 65 のリン酸化レベルが低下した p70s6k Thr 389 は 2 株のみでリン酸化が検出されたが,LY294002 によってこのレベルが低下した rapamycin 処置では,3 株で用量依存性に細胞増殖が抑制され,4E-BP1 Thr 37/36,Thr 70,Ser 65 のリン酸化が低下した このうち,2 株は p70s6k Thr 389 のリン酸化が検出されない株であったため,p70S6K Thr 389 のリン酸化は増殖には必須ではない可能性が示唆された また,rapamycin で増殖が抑制されない株では,4E-BP1 Thr37/46 と Thr 70 のリン酸化レベルは低下したが,Ser 65 のリン酸化は変化しなかった これから, 細胞増殖に もっとも関与しているのは,4E-BP1 Ser 65 である可能性が示唆された これらの細胞株では,mTORC1 を介さずに 4E-BP1 Ser 65 へシグナルを伝達している可能性が示唆された 更に mtorc1 の上流の Akt Ser 473 のリン酸化を調べたところ,rapamycin 処置により増殖が抑制された 3 株のうち,2 株でリン酸化レベルが低下していた ゆえに細胞増殖の抑制には,mTORC1 の阻害だけではなく, 上流の Akt Ser 473 の阻害が関与している可能性が示唆された また増殖が抑制されなかった株のうち, 1 株では rapamycin 処置によって Akt Ser 473 のリン酸化レベルが上昇していた このため, 細胞株によっては,rapamycin の耐性にも Akt Ser 473 が関与している可能性が示唆された 同様の結果が rapamycin の長期投与による mtorc2 の阻害や, 反対に長期投与による p70s6k のフィードバックを介した,PI3K/Akt 経路の活性化による耐性の獲得が報告されている 以上の結果から, 犬血管肉腫細胞株の増殖には,mTORC2/ 4E-BP1 経路が最も関与しており, 治療標的としての可能性が示唆された (6)in vivo での PI3K/Akt/mTOR 経路の活性化の確認ヌードマウス移植腫瘍および自然発生犬血管肉腫の免疫組織学的検索では, いずれの細胞株でも p-akt Ser 473 および p-4e-bp1 Thr 37/46 が強く染色されたが,p-Akt Thr 308 の染色は弱かった ( 図 5) また自然発生犬血管肉腫においても同様の結果が得られた 以上からヌードマウス移植腫瘍や自然発生犬血管肉腫でも, 細胞株と同様な異常が起きていることが示唆された 図 5 ヌードマウスに形成された腫瘍の形態と免疫組織化学 A-D:HE 染色.A: JuA1, B: JuB2, C: JuB4,D: Re21 E-S: 免疫染色 E:CD31(JuA1), F:vWF(Re21), G:Ki-67 (JuB2),H-K:p-Akt Ser 473 (H:JuA1, I:JuB2, J:JuB4, K:Re21),L-O:p-Akt Thr 308 (L:JuA1, M:JuB2, N:JuB4), N:Re21 は陰性 P-S:p-4E-BP1 Thr 37/46 (P:JuA1, Q:JuB2, R:JuB4, S:Re21)

(7) 自然発生血管肉腫における PDGF/PDGF 受容体の発現と PDGF 受容体の遺伝子変異の解析 47 例の犬の血管肉腫,21 例の皮膚血管腫を検索したところ, 血管肉腫における PDGFβ 受容体の強陽性率は皮膚血管腫に比べて有意に高かった (p<0.01)( 図 6) 図 6 犬血管肉腫と血管腫の PDGF および PDGF 受容体の発現の比較 また,PDGF 受容体遺伝子の膜近傍部 (α: exon 10,12,14,17,18 および 19,β:exon 10,12,13,14,17 および 18) を PCR- 直接塩基配列決定法による解析を行った結果, 血管肉腫では PDGRβ 受容体で exon 14 および 17 に, 血管腫では PDGFα 受容体で exon 18,PDGR β 受容体で exon 14,17 においてアミノ酸置換を伴う点突然変異がそれぞれ 1 例づつ認められたが, そのほかにはアミノ酸置換を伴う変異は見られなかった ( 表 1) 表 1 血管肉腫および血管腫における PDGF 受容体の変異 以上より, 血管肉腫や血管腫では,PDGF 受容体の膜近傍部のゲノム変異は受容体の活性化にあまり関与しないことが示唆された 5. 主な発表論文等 ( 研究代表者に下線 ) 雑誌論文 ( 計 14 件 ) 1) Abou Asa, S., Mori, T., Maruo, K., Khater, A., El-Sawa,k A., Abd El-Aziz, E., Yanai, T., and Sakai, H. Analysis of genomic mutation and immunohistochemistry of platelet-derived growth factor receptors in canine vascular tumours. Vet. Comp. Oncol. in press, 2014, 査読有 2) 井上紗季, 酒井洋樹, 米丸加余子, 柳井徳磨. ミニチュア ダックスフンドの炎症性結直腸ポリープの細胞学的 特徴と多核巨細胞の診断的意義. 日本獣医師会雑誌,67,193-198,2014, 査読有 3) Sakai H., Hajiri, Y., Kobayashi, M., Ohta, G., and Yanai, T. Polypiod eosinophilic ureteritis in a dog. Aust. Vet. Practitioner, 43, 527-529, 2013, 査読有 4) Noguchi, S., Iwasaki, J., Kumazaki, M., Mori, T., Maruo, K., Saka,i H., Yamada, N., Shimada, K., Naoe, T., Kitade, Y., and Akao, Y. Chemically Modified Synthetic microrna-205 Inhibits the Growth of Melanoma Cells In Vitro and In Vivo. Mol. Ther. 21(6):1204-11, 2013, 査読有 5) Kato, Y., Murakami, M., Hoshino, Y., Mori, T., Maruo, K., Hirata, A., Nakagawa, T. L. D. R., Yanai, T., and Sakai, H.: The Class A macrophage scavenger receptor CD204 is a useful immunohistochemical marker of canine histiocytic sarcoma. J. Comp. Pathol. 148:188-96,2013, 査読有 6) Murai, A., Abou, A. S., Kodama, A., Sakai, H., Hirata, A., Yanai, T.: ImmunohistochemicalAnalysis of the Akt/mTOR/4E-BP1 signalling pathway in canine haemangiomas and haemangiosarcomas. J. Comp. Pathol., 147:430-440,2012, 査読有 7) Yamada, N., Mori, T., Murakami, M., Noguchi, S., Sakai, H., Akao, Y., Maruo, K.: Fascin-1 expression in canine cutaneous and oral melanocytic tumours. Vet. Comp. Oncol. 10:303-311,2012, 査読有 8) Murai, A., Asa, S. A., Kodama, A., Hirata, A., Yanai, T., and Sakai, H.: Constitutive phosphorylation of the mtorc2/akt/4e-bp1 pathway in newly derived canine hemangiosarcoma cell lines. BMC Vet. Res., 8, 128, 2012, 査読有 9) Sakai, H., Murakami, M., Mishima, H., Hoshino, Y., Mori, T., Maruo, K. and Yanai, T.: Cytologically atypical anal sac gland carcinoma in a dog. Vet. Clin. Pathol. 41, 291-294 2012, 査読有 10) Hoshino, Y., Mori, T., Sakai, H., Murakami, M., and Maruo, K.: Palliative radiation therapy in a dog with malignant trichoepithelioma. Aust. Vet. J. 90, 210-213. 2012, 査読有

11) Abou Asa, S., Murai, A., Murakami, M., Hoshino, Y., Mori, T., Maruo, K., Khater, A., El-sawak, A., Abd el-aziz, E., Yanai, T., and Sakai, H.: Expression of platelet-derived growth factor and its receptors in spontaneous canine hemangiosarcoma and cutaneous hemangioma. Histol. Histopathol. 27, 601-607, 2012, 査読有 12) 関根一哉, 星野有希, 森崇, 酒井洋樹, 野口俊助, 山田名美, 山瀬新悟, 丸尾幸嗣 : 犬の鼻腔内に発生した血管肉腫の 1 例. 日本獣医師会雑誌, 64, 893-895, 2011, 査読有 13) Sakai, H., Yonemaru, K., Takeda, M., Niimi, K., Murakami, M., Hirata, A., and Yanai, T.: Ganglioneuroma in the urinary bladder of a dog. J. Vet. Med. Sci., 73,801-803, 2011, 査読有 学会発表 ( 計 21 件 ) 1) 酒井洋樹 : 耳の腫瘍診断と腫瘍特徴の解説. 第 34 回動物臨床医学会年次大会, 大阪,2013.11.15 2) 駒澤敏, 酒井洋樹, 森崇, 村上麻美, 伊藤祐典, 山崎美史, 丸尾幸嗣 : 岐阜県におけるイヌの飼育頭数に対する腫瘍の発生比率の分析. 第 156 回日本獣医学会学術集会, 岐阜,2013.9.21 3) 村上麻美, 森崇, 伊藤祐典, 酒井洋樹, 山瀬新悟, 川部美史, 丸尾幸嗣 :MRI によりメラノーマと誤診した虹彩血管肉腫の一例. 第 54 回日本獣医画像診断学会, 岐阜,2013.9.20 4) 星野有希, 森崇, 西谷由莉, 酒井洋樹, 奥村正裕, 丸尾幸嗣 : 分子標的治療を目指した犬膀胱移行上皮癌細胞株の樹立. 第 154 回日本獣医学会学術集会, 盛岡,2012.8 5) 船戸里紗, 米丸加余子, 村上麻美, 森崇, 丸尾幸嗣, 平田暁大, 柳井徳麿, 酒井洋樹 : 犬組織球肉腫における Matrix metalloproteinase(mmp) の免疫組織学的検索. 日本獣医学会学術集会講演要旨集第 154 回日本獣医学会学術集会, 盛岡,2012.8 6) 村井厚子, Samah Salem, 平田暁大, 酒井洋樹, 柳井徳磨 : 血管系腫瘍における Akt/mammalian target of rapamycin(mtor)/eif 4E-binding protein 1(4EBP1) の免疫組織学的解析. 第 153 回日本獣医学会学術集会, 東京, 2012.03 7) 加藤祐樹, 酒井洋樹, 平田暁大, 森崇, 丸尾幸嗣, 村上麻美, 柳井徳 磨 : 細胞診標本を用いた CD204 に対する免疫染色による犬組織球肉腫の診断. 第 153 回日本獣医学会学術集会, 東京, 2012.03 8) 酒井洋樹 : 猫の腫瘍. 第 32 回動物臨床医学会年次大会, 大阪,2011.11 9) 加藤祐樹, 酒井洋樹, Nakagawa Tizianne, 森崇, 星野有希, 丸尾幸嗣, 村上麻美, 柳井徳磨 : 犬の組織球肉腫における Macrophage scavenger receptor 1(CD204) の発現. 第 152 回日本獣医学会学術集会, 大阪,2011.8 10) 村井厚子, 酒井洋樹, 児玉篤史, 星野有希, 森崇, 丸尾幸嗣, 柳井徳磨 : 犬血管肉腫細胞株の細胞増殖に対する phosphatidyl-inositol-3 kinase(pi3k)/akt/mammalian target of rapamycin(mtor) シグナル伝達経路の関与. 第 152 回日本獣医学会学術集会, 大阪,2011.8 11) Salem Abou Asa Samah, 酒井洋樹, 村井厚子, 村上麻美, 柳井徳磨 : イヌ血管腫瘍における血小板由来成長因子とその受容体の発現 (Expression of platelet derived growth factor and its receptors in canine vascular tumors). 第 151 回日本獣医学会学術集会,2011.3 図書 ( 計 1 件 ) 1) 丸尾幸嗣, 森崇, 酒井洋樹 : インターズー, 犬と猫の臨床腫瘍学,2013,265 ページ 6. 研究組織 (1) 研究代表者 酒井洋樹 (SAKAI, Hiroki) 岐阜大学 応用生物科学部 准教授研究者番号 :40283288