重度肢体不自由教育における視線入力装置活用の現状と課題 Status Quo of Using Eye-Gaze Control Technology in Education for Children with Severe Physical Disabilities * 1 * 2 塩塚敬介 /

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重度肢体不自由教育における視線入力装置活用の現状と課題 Status Quo of Using Eye-Gaze Control Technology in Education for Children with Severe Physical Disabilities * 1 * 2 塩塚敬介 / 本吉大介 肢体不自由児の教育に視線入力装置が利用されるようになってきている. 重度の肢体不自由や, 重度 重複障がいがある場合にも, 視線入力の有効性が確認されている一方で, その普及は十分であるとは思えない. その要因を探ることを目的とし, 重度の肢体不自由児が在籍する可能性のある国内の特別支援学校に視線入力装置の認知や利活用についてのアンケート調査を実施した. 回答からは視線入力装置の教育効果への実感や期待の高さがあげられたとともに, 装置の導入や導入後のメンテナンス, 使用方法についての課題も示された. また, 視線入力装置の使用の有無や, 使用を想定する児童生徒の実態の違いによって, 視線入力装置を使って身につけさせたい力や課題の感じ方に違いがあることが明らかとなった. <キーワード> 特別支援教育, 肢体不自由教育, 重度 重複障がい, 視線入力装置 1. はじめに (1) 肢体不自由者と視線入力装置の活用視線入力装置は, 筋ジストロフィーや筋萎縮性側索硬化症 ( A L S ), 脊髄性筋萎縮症 ( S M A ) 等, 知的な遅れはないが身体を思うように動かすことが難しい肢体不自由者にとって非常に有用なツールの一つである. 重度の肢体不自由がある場合, 随意的に動かせる身体の部位や機能を活用してコミュニケーションを図れるよう, 人的配慮や工学的支援が行われる.ALS では四肢麻痺になっても眼球運動障がいが起きにくい ( 中島,2017) という報告 [1] をはじめ, 眼球運動は, 肢体不自由が重度であっても比較的に障がいの影響を受けにくい ( 鈴木 藤田,1 9 9 7 ) [2]. 透明文字盤等はこれを活用した支援だ が, 当事者と支援者の関係性に依存する傾向が強い. そこで視線入力装置を用いれば, 支援者との関係性に関わらない意思の表出に繋がると考えられる. 同様に知的な遅れのある肢体不自由児においても有効な機器である. 待木 ( 2 0 1 7 ) は, 主体的に見ることで教師を動かし, 要求がかなえられる経験をすることで, 自分から教師へ働きかける等コミュニケーションについても受動的なものから主体的なものに変化を遂げると述べ, 重度 重複障がい児のコミュニケーション指導において有効であることを示唆した [3]. しかし視線入力装置は導入後すぐにうまく使用できるわけではない.Tobii 社は視線入力の上達の過程を7 段階に表した曲線である Eye Gaze Learning Curve( 図 1) を作成した [4]. 知的な遅れを伴う場合には初期段階の Sensory や Early Eye Tracking のように見る 論文受理日 :2019 年 1 月 23 日 *1 SHIOTSUKA Keisuke: 熊本大学大学院教育学研究科 ( 860-8790 熊本県熊本市中央区黒髪 2 丁目 40-1) *2 MOTOYOSHI Daisuke: 熊本大学教育学部 ( 860-8790 熊本県熊本市中央区黒髪 2 丁目 40-1) 3

教育情報研究第 35 巻第 2 号 図 1 The Tobii Eye Gaze Learning Curve(Tobii 社,2012) ことに対して変化を起こし感覚的な気付きを引き出す段階や, 自分が見ることによって変化が起きるという因果関係に気付く段階が必要となる. また,Tobii 社は視線をコミュニケーション及び学習に使うためのステップを 6つの段階で整理した Eye Gaze Pathway(Tobii 社, 2017) [5] も作成し, 視線入力は学習やコミュニケーションの手段の一つとして考えられていることが分かる. 我が国の学校現場での視線入力装置を用いた指導に多く用いられるソフトの一つとして島根大学の E y e MoT シリーズ ( 伊藤,2017) がある. Eye MoT はゲーム形式の視線入力訓練ソフトである [6]. これらは E y e Gaze Software Curveの初期段階にあたり, マウスオーバーによって児童生徒の気付きを引き出すものや, 注視への発展を引き出すもの等がある. ゲーム形式であることや失敗経験をできるだけしないように配慮されて作成されていること, 無料で使用できること等から視線入力装置を使用した指導の初期段階において活用されている. ( 2 ) 重度肢体不自由教育と視線入力装置の活用肢体不自由のある児童生徒は幼い頃から援助を受けて生活していることから様々な面で経験が不足していることが多く, 主体性に欠ける部分が多くみられる ( 海老沢,2 0 1 3 ) [7]. 肢体不自由と知的障がいを併せもつ重度 重複障がい児の初期段階での指導においては, 外界のものや人へのかかわりを起こさせることが大切 ( 石川,2 0 0 5 ) であり [8], 金森 (2012) は本人が主体的に生きるために環境整備としてのアシスティブテクノロジー ( 以下,AT) が必要と述べている [9]. 近年, 肢体不自由児の教育に活用されるようになった視線入力装置は, 眼球の動きをとらえ, 使用者が画面を見ることによって PCの操作を可能にする. 平成 30 年 3 月告示の特別支援学校学習指導要領解説においては, 身体活動に制限がある児童生徒の実態に応じて教材 教具や入力支援機器等の補助用具を工夫し, 学習を効果的に行えるようすることが重要であるとし, 支援機器の例として視線入力装置を挙げている [10]. この視線入力装置が教育や福祉の場面で用いられるようになった要因として, 視線入力装置が安価に購入できるようになったことがあげられる. 以前は画面一体型のものが非常に高額であったが, 現在ではPCにUSB 経由で接続し, 装置を画面に取り付けるタイプのものが2 万円前後で入手できるようになり, 個人で購入するというハードルが大きく引き下げられた. (3) 視線入力装置を活用した教育の普及上の課題視線入力装置を活用した教育は実践や研究のさらなる積み重ねが必要であるが, 大杉 ( 2 0 1 4 ) は ICT コンピュータ利用実践の規模は 個人ベースで実施 (61.1%) が最も多いことを示し [11], 野尻 川崎 (2014) は,AAC やATが十分に理解 活用されているとは言い難く, 学校間で利用状況や活用頻度等に大きな差があること, その差は専門的知識を有する教員の存在やA AC ATを推進するための専門部署の有無等が大きな要因であることを述べている [12].I C T 実践は, 精通した教員の有無に大きく影響を受けるが, 視線入力 4

重度肢体不自由教育における視線入力装置活用の現状と課題 装置も同様で, 認知度が高くないため実践は一層個人ベースに偏ると考えられる. より多くの教員が情報やスキルを得ることで, 児童生徒の学習活動や生活がさらに豊かになるきっかけになると考えられる. 以上の背景を踏まえ, 本稿では, 視線入力装置の普及の重要性から, 本装置が肢体不自由を対象とした学校教育の中にどの程度普及しているのか, その効果や課題をアンケート調査から明らかにする. 2. 方法 (1) 対象国内の公私立の特別支援学校のうち肢体不自由部門または病弱部門を設置している398 校 ( 分校 分教室含む ) に対して, 重度肢体不自由のある児童生徒の視線入力装置を活用した教育 について質問紙調査を行った. 病弱部門も対象とした理由は,S M A や筋ジストロフィー等を罹患する児童生徒は病弱部門に在籍していることもあるためである. 回答者は各学校のICT 教育 情報教育担当の教員または校内で最も ICT 実践に詳しい教員 1 名に依頼した. ( 2 ) 調査票の構成大杉 (2014) の重度 重複障がいにおけるICT 活用についての調査 [11] の質問項目及び, 待木 ( 2 0 1 7 ), 塩塚 (2017) [13] の先行研究をもとに視線入力装置の活用に焦点を当て, その現状とニーズ 課題を引き出すことを目的として質問項目を検討し作成した. 質問項目は本文末に示した図 2のとおりである. (3) 調査手続き 2 0 1 8 年 6 月 ~ 7 月に, 郵送法によって調査を行った. 3. 結果と考察 (1) 回収率 185 校から回答を得た. 有効回答率は182/398 校で 45.7% であった. うち 3 校は質問紙をコピーして複数名の回答が得られたが, 学校ごとの活用状況を尋ねた質問 ( 質問項目 2-1,2-2) では結果から除外した. その他の質問ではすべての回答を集計した. また, 無回答の項目 や回答方法に従っていない回答については集計の対象 外とした. (2) 全体の集計結果と考察 1 単純集計の結果 視線入力装置の経験について表 1 に示す ( 以下, 表の ( ) 内は % ). その他 は I C T 機器紹介研修で知って いる があげられた. 視線入力装置について何らかの経験があるとしたも ののうち, それを知ったきっかけについて表 2 に示す. そ の他は 福祉機器展示会 業者のデモ カタログ 資 料 大学 O T( 作業療法 ) 講演会 等の回答が あった. 表 1 視線入力装置をどの程度知っているか =198 実際に学校の教育活動で使っている 64 (32.3) 使ってみたことがある 40 (20.2) 視線入力装置の実物またはそれを使った 実践を見たことがある 38 (19.2) 映像や資料で見たことがある 39 (19.7) 聞いたことがある 10 (5.1) 知らない 6 (3.0) その他 1 (0.5) 表 2 視線入力装置をどこで知ったか ( 複数回答有り ) =192 研修 110 (57.3) インターネット 42 (21.9) テレビ 28 (14.6) 同僚が使っている 28 (14.6) 研究発表会 21 (10.9) 書籍 18 (9.4) SS 14 (7.3) 学会 9 (4.7) その他 17 (9.4) 表 3 視線入力装置を用いて指導している ( 指導したい ) 児童生徒の実態 ( 複数回答有り ) =185 知的な遅れのない肢体不自由 37 (19.8) 知的な遅れのある肢体不自由 123 (66.8) 想定される幼児児童生徒がいない 20 (10.7) その他 7 (3.7) 5

教育情報研究第 35 巻第 2 号 質問 2-1,2-2 の回答より, 全体のうち重度肢体不自 由児の教育に ICT コンピュータ等を使っている学校は 1 6 2 / 1 8 2 校 ( 8 9. 0 % ) であった. そのうち視線入力装置を 活用している学校は 63/161 校 (39.1%) であった. 視線入力装置を使用して指導している, 又はしてみた い児童生徒の実態について,1 名を想定してもらった. 結果を表 3 に示す. その他は 知的な遅れの有無にかか わらず重度の肢体不自由に有効 や, 対象となるもの を見ることができる 等があげられた. 視線入力装置を活用している学校は, どのような活 動で使用しているかを表 4 に示す. 各教科の内訳上位 3 つは国語 10 件, 算数が 3 件, 情報が 2 件だった. 自立活動 の内容には EyeMoT が 10 件, コミュニケーションに関 連する回答が 8 件あった. この他, 意思の表出, 選択 決 定,PC の操作, 追視 注視の練習等があげられた. 今後視線入力装置を使いたい活動を表 5 に示す. 各 教科は国語が 17 件, 音楽と国 算 ( 数 ) が各 5 件だった. 表 4 視線入力装置を使っている活動 ( 複数回答有り ) =79 各教科 17 (21.5) 自立活動 67 (84.8) 各教科 領域を合わせた指導 6 (7.6) その他 4 (5.1) 表 5 視線入力装置を使いたい活動 ( 複数回答有り ) =178 各教科 44 (24.7) 自立活動 109 (61.2) 各教科 領域を合わせた指導 37 (20.8) その他 29 (16.3) 表 6 視線入力装置を使用する理由 ( 複数回答有り ) =77 視線入力装置を使った児童 生徒への学習 53 (68.8) 効果が高いから他のスイッチ等の ICT 機器の利用がうまく 33 (42.9) いかなかったから ICT 活用の必要性を感じているから 26 (33.8) 保護者から ICT 活用 コンピュータ利用 19 (24.7) 教育 の要望があるから教育課程に ICT 等を利用した学習の授業が 2 (2.6) 設けられているからその他 7 (9.1) 自立活動の具体的な活動は, コミュニケーション が 30 件, 意思表出 が 23 件あった. この他, 文字の入力, 選択, 余暇活用があげられた. 視線入力装置を使う理由を表 6 に示す. その他 は, 生徒の自主性や主体性を伸ばす 等があげられた. 児童生徒の視線入力の操作方法について表 7 に示 す. 別にスイッチを使用する場合, 使用する部位はすべ て手指であった. スイッチは ピエゾニューマティックス イッチ マイクロスイッチ 等があげられた. 視線入力装置を用いた指導の学習効果を表 8 に示 す. その他 は使い始めたばかりで効果はまだわか らない等の内容だった. 実践を継続しているのは 7 0 件 (90%), 継続していないのは 8 件 (10%) だった. 継続していない理由は 入力がうまくいかなかった, 固定 ポジショニングが難しい であった. 視線入力装置を活用して身に付けさせたい力を 3 つ選 んでもらった. 結果を表 9 に示す. 視線入力装置を利用して教育を行う上で, 課題と考え られることについて表 10 に示す. その他には 学習計画 のデザイン例の少なさ, 本人の疲労度の軽減 等が あげられた. 2 単純集計の考察 重度肢体不自由児に対して,ICT 等を利用した教育 を実施している学校は 88.4%, うち視線入力装置を活用 表 7 視線入力装置の操作方法 ( 複数回答有り ) =77 視線のみ ( マウスオーバーのみ ) 40 (51.9) 視線のみ ( 視線停留等による決定 ) 40 (51.9) 視線と 1 スイッチ 8 (10.4) 視線と 2 スイッチ 1 (1.3) その他 1 (1.3) 表 8 視線入力装置を用いた指導の学習効果 =80 非常に効果が高かった 29 (36.3) まあまあ効果が高かった 34 (42.5) どちらともいえない 9 (11.3) あまり効果が見られなかった 3 (3.8) ほとんど効果が見られなかった 0 (0.0) その他 5 (6.3) 6

重度肢体不自由教育における視線入力装置活用の現状と課題 している学校は 38.8% となった. 有効回答数のうち視線 入力装置を活用している学校は 34.3% であった. 本調 査の有効回答率は 45.7% であり, 重度肢体不自由児へ の ICT 活用, 視線入力装置の活用に関心が高い学校か らの回答と考えられることに留意する必要がある. 視線入力装置を知らないと回答した学校は 6 校 (3.3%) であり, ほとんどの回答者が本装置を知ってい た. 情報源には 108 名が 研修 をあげた. 肢体不自由 表 9 視線入力を通して身に付けたい力 ( 複数回答有り ) =173 コミュニケーションの力 111 (64.2) 要求の伝達 104 (60.1) 主体性 88 (50.9) 余暇を楽しむ力 63 (36.4) 外界への興味 関心 54 (31.2) 文字 言語理解 24 (13.9) 因果関係の理解 23 (13.3) 機器の操作能力 19 (11.0) 役割 ( 朝の会等 ) 10 (5.8) 学力 6 (3.5) 数 形の理解 2 (1.2) その他 2 (1.2) にかかわる研修で本装置が取り上げられるようになってきたことがうかがえる. 視線入力装置を使って指導したい児童生徒の実態は, 知的な遅れのある肢体不自由(66.5%) が最も多かった. 本装置は知的な遅れのない肢体不自由児へ使用する方が, 効果はイメージしやすい. 一方で本結果となったのは, 教員が重度 重複障がい児に効果的に指導する多様な手段のニーズを感じており, 視線入力装置はその一つとして期待されていると考えられる. 実際に視線入力装置を用いて指導している活動と今後使ってみたい活動の両方で, 自立活動 が最も多かった. 目的は コミュニケーション や 意思の表出, 選択 決定 が多くみられた. 各教科では 国語 が最も多く, 活動内容は言葉及び文字の学習, それを発展させた文章作成があげられ, 自立活動の回答と合わせて, 重度肢体不自由児の表出支援のツールとして考えられていることがわかる. 加えて実際に視線入力装置を使用している学校の回答の中には EyeMoT や 目の動かし方, 追視 注視の練習 等があり, 実用にあ 表 10 視線入力装置を用いた教育の課題 ( 複数回答有り ) (=188) 経済的 金銭的に導入が難しいこと 148(78.7) 実際に使っている人が周囲に少ないこと 102(54.3) 実践に関する情報が少ないこと 91(48.4) 子どもの身体や姿勢に合わせた画面の設置 調整が難しいこと 86(45.7) 専門家との連携に関すること 76(40.4) 児童生徒に合った適切な教材 ソフトが少ないこと 73(38.8) 研修の機会がない / 少ないこと 72(38.3) 使用する子どもが限定される / 少ないこと 72(38.3) 視線入力装置を使うための教材 ソフトウェアが分からないこと 69(36.7) 視線入力装置を使う上で必要な児童生徒の実態把握に関すること 69(36.7) 教材 ソフトに関する情報が少ないこと 67(35.6) 設置に時間がかかる / かかりそうなこと 61(32.4) 機器の動作が安定しないこと 48(25.5) 機器利用計画の策定に関すること 37(19.7) 認知度が低くニーズが出てきにくいこと 36(19.1) 実践を行う場所の確保が難しいこと 34(18.1) 学習効果があるのかわからないこと 33(17.6) 個別の指導計画への位置付けに関すること 27(14.4) 使用に抵抗がある / 示されることがあること 20(10.6) その他 9(4.8) 7

教育情報研究第 35 巻第 2 号 たっては眼球運動の訓練をすることや視線入力の成功体験を積むことの必要性が認識されていることがわかる. 指導に視線入力装置を活用する理由は, 学習効果が高いから が最も多く, 学習効果について尋ねた質問においても 非常に効果が高かった または まあまあ効果が高かった との回答が全体の78.5% あり, 多くの場合で教員が効果を実感している. 視線入力装置の操作方法は, 本装置を指導に使っているとした多くの回答者が 視線のみ での操作を取り入れており, 他の身体の部位を活用した支援の方法が難しい児童生徒にも効果が期待されている. また, 他のスイッチと併用しているとした回答が10% 程度あり, 視線でポインタを動かして選択し, 他のスイッチで決定することで目の疲労や誤操作を減らす等, 負担を軽減していると考えられる. 視線入力装置を活用して児童生徒に身に付けさせたい力は, コミュニケーションの力 ( 6 4. 3 % ), 要求の伝達 ( 6 0. 2 %), 主体性 ( 5 1. 5 %) の順で多く, 重度肢体不自由のある児童生徒が主体的に他者や環境とかかわっていくための機器として期待されている. 視線入力装置を利用して教育を行う上での課題には, 経済的 金銭的な課題 (78.1%) が最も多く, 次いで 実際に使っている人が少ないこと (53.5%), 実践に関する情報が少ないこと (48.7%), 設置 調整が難しいこと (46%) があげられた. 金銭的負担, 情報不足, 教員のスキル等の課題を解決することが普及 活用促進のために必要であることが明らかとなった. (3) クロス集計の結果と考察視線入力装置の使用の有無と, 対象とする児童生徒の知的障がいの有無に着目し, クロス集計を行った. その後, 単一回答の質問項目には質問項目全体に対して, 複数回答があった質問項目は選択肢一つ一つに対して χ 2 検定を行った. いずれも回答数が 0の選択肢があった場合はその選択肢を除外して統計処理を行うか, その選択肢に対して統計処理を行わないものとした. 有意差が見られた質問項目のみについて以下に示す. 1 現状の視線入力装置の使用の有無による比較視線入力装置を既に指導に活用している回答者とそうでない回答者の間で, 認識の差があるかどうかを分析するため, 質問 2-2 視線入力装置を利用した教育の有無 (2 択 ) と, 他の質問項目とのクロス集計を行った. 以下, 視線入力装置を 使用している と回答したものを 使用, 使用していない としたものを 未使用 と示す. 視線入力装置をどこで知ったかについて, 同僚が使っている で 使用 と 未使用 の間に 5% 水準で有意な差が見られた ( 表 11). 実際に視線入力装置を活用して指導を行っている人が同じ職場内にいることは, 新しく視線入力装置を導入することと密接な関連があると考えられる. その要因の一つとして実感を伴った情報が得られることがある. 設置 調整の仕方, 使用している児童生徒の活動の様子や学習効果を実際に見ることができること, 活用上の相談もできること等から導入しやすくなっていると考える. テレビを通じて知った回答者は 未使用 が 1% 水準で有意に多かった ( 表 1 1 ). テレビの情報は普及に関して一定の情報源となっているが視線入力装置の導入には繋がりにくいことがうかがわれた. その要因としてはテレビでの事例の紹介は, 視線入力装置を活用する効果が視聴者にも分かりやすい 知的な遅れのない肢体不自由 児 者を対象としていることが多いことが予想され, ともに多数が 知的な遅れのある肢体不自由児 に 表 11 質問 2-2 と質問 1-2 のクロス集計表 テレビ同僚が使っている回答した回答しなかった回答した回答しなかった 使用 78 2(2.6) 76(97.4) 18(23.1) 60(76.9) 未使用 114 26(22.8) 88(77.2) 10(8.8) 104(91.2) χ 2 (1)=13.653, p<.01 χ 2 (1)=6.503, p<.05 8

重度肢体不自由教育における視線入力装置活用の現状と課題 使用したいと考えている中でニーズに合致していないことが考えられる. また導入の仕方や使用方法についての情報等はマスメディアでは提供されづらく, 主体的に情報にアクセスする必要があることも要因であろう. 視線入力装置を使っている ( 使いたい ) 児童生徒の実態では 2 項目で有意な差が見られた ( 表 1 2 ). 知的な遅れのない肢体不自由 では 5% 水準で 未使用 が有意に多く, 視線入力を利用していない回答者は既に利用している回答者に比べて知的な遅れのない肢体不自由児への有効性に期待していることが示唆された. 知的な遅れのある肢体不自由 と回答したのは 使用 が 1% 水準で有意に多かった ( 表 12). 知的な遅れを伴わない場合には他の表出方法で代替できる場合があり, 使ってみたいが導入には至っていない可能性がある. 知的な遅れがある場合にも, 興味のあるものに視線を向けることが多くあり, それを有効活用したいという思いから導入までつながっていると考えられる. 視線入力装置を使って 各教科 を指導したいとしたものは 使用 が 未使用 に比べて 5% 水準で有意に 多く, 反対に 自立活動 と回答したものは 未使用 が 使用 より 1% 水準で有意に多かった ( 表 13). 使用 は既に多くが自立活動の中で視線入力装置を活用してほとんどの回答者が学習効果を実感しており, そこから各教科の活動にも発展させようとしていることがうかがえる. 未使用 はまず視線入力装置を導入するにあたり, 自立活動の中で使用方法を学ばせたいと考えていることがわかる. 視線入力を用いて身に付けさせたい力について, 要求の伝達で 未使用 が 1% 水準で有意に多かった ( 表 1 4 ). 未使用 でイメージされやすい活動は, 好きなものを見て選ぶなど, 要求を伝えるようなコミュニケーションの基礎となる, わかりやすい活動を想定していると考えられる. 因果関係の理解では 使用 が 5% 水準で有意に多かった ( 表 14). 未使用 の回答者は視線入力装置を使用して因果関係の理解を促すという学習活動がイメージし難い可能性がある. すでに視線入力装置を学習に取り入れている回答者の多くが, 知的な遅れを伴う児童生徒を対象としていることから, 主体的な表出 表 12 質問 2-2 と質問 3 のクロス集計表 知的な遅れのない肢体不自由知的な遅れのある肢体不自由回答した回答しなかった回答した回答しなかった 使用 76 9(11.8) 67(88.2) 65(85.5) 11(14.5) 未使用 111 28(24.8) 83(75.2) 60(53.1) 51(46.9) χ 2 (1)=4.283, p<.05 χ 2 (1)=18.767, p<.01 表 13 質問 2-2 と質問 4-3 のクロス集計表 各教科自立活動回答した回答しなかった回答した回答しなかった 使用 72 25(34.7) 47(65.3) 34(47.2) 38(52.8) 未使用 106 19(17.9) 87(82.1) 75(70.8) 31(29.2) χ 2 (1)=4.283, p<.05 χ 2 (1)=18.767, p<.01 表 14 質問 2-2 と質問 8 のクロス集計表 要求の伝達因果関係の理解回答した回答しなかった回答した回答しなかった 使用 72 35(48.6) 37(51.4) 15(20.8) 57(79.1) 未使用 101 71(70.3) 30(29.7) 9(8.9) 92(91.1) χ 2 (1)=7.442, p<.01 χ 2 (1)=4.053, p<.05 9

教育情報研究第 35 巻第 2 号 の基礎的な力として, 自分が見たことで何らかの変化が起こること を理解することを目指していると考えられる. 視線入力装置を取り入れる上での課題において 経済的 金銭的に導入が難しいこと は 使用 と 未使用 とともに最も多くの学校が課題と感じている. しかし比較すると 未使用 が 使用 より 5% 水準で有意に多く, 視線入力装置を現状使用していない学校の方がより経済的 金銭的な課題が大きいと感じている ( 表 1 5 ). 視線入力装置を使うための教材 ソフトウェアがわからないこと は 未使用 が 5% 水準で有意に多かった ( 表 15). 使用 は視線入力装置を導入するための初期のソフト等の問題を多くの回答者は解決しているためであると考えられる. 視線入力装置を使用するためには視線入力専用のソフトやアプリを使用する. 通常の PC 操作や視線入力専用以外のソフト アプリの操作には, 視線でマウス操作をするためのソフト等が必要にな るが, それらについての情報提供が十分でない, または情報は発信されていてもアクセスできていないと考えられる. 児童生徒の幅広い実態に対応できる使いやすいソフトの充実, 又は自作教材開発環境の提供や教材自作のための情報提供が広く求められていると考えられる. 認知度が低くニーズが出てきにくいこと では 使用 が 未使用 よりも 5% 水準で有意に多かった ( 表 15). 使用 は実際に視線入力装置を使用してその指導の効果を実感しており, 未使用 の教員よりもそれを利用できる児童生徒はまだ多くいると感じていると考えられる. 学習効果があるのかわからないこと では 5% 水準の有意な差が見られた ( 表 15). 未使用 は実際に使用したことがないためその効果に不安を感じており, 導入の困難を強くしていると考えられる. 2 使用したい児童生徒の実態の違いによる比較視線入力装置を使用したい児童生徒の実態によっ 経済的 金銭的に導入が難しいこと 表 15 質問 2-2 と質問 9 のクロス集計表 視線入力装置を使うための教材 ソフトウェアが分からないこと 認知度が低くニーズが出てきにくいこと 学習効果があるのか分からないこと 回答した 回答回答回答回答回答した回答した回答したしなかったしなかったしなかったしなかった 使用 77 3 5( 4 8. 6)3 7( 51. 4)15(20.8)57( 7 9.1)3 5( 4 8. 6)3 7( 51. 4)15(20.8)57( 7 9.1) 未使用 111 71( 7 0. 3)3 0( 2 9.7) 9( 8. 9) 9 2( 91.1) 71( 7 0. 3)3 0( 2 9.7) 9( 8. 9) 9 2( 91.1) χ 2 (1)=3.976, p<.05 χ 2 (1)=6.283, p<.05 χ 2 (1)=5.603, p<.05 χ 2 (1)=5.501, p<.05 表 16 質問 3 と質問 2-2 のクロス集計表 視線入力装置を使っている 視線入力装置を使っていない 肢体不自由 33 9(29.0) 22(71.0) 知肢重複 118 65(55.1) 53(44.9) χ 2 (1)=6.908 p<.01 表 17 質問 3 と質問 4-1 のクロス集計表 各教科に使用している自立活動に使用している回答した回答しなかった回答した回答しなかった 肢体不自由 9 5(55.6) 4(44.4) 5(55.6) 4(44.4) 知肢重複 65 12(18.5) 53(81.5) 57(87.7) 8(12.3) χ 2 (1)=4.230, p<.05 χ 2 (1)=3.877, p<.05 10

重度肢体不自由教育における視線入力装置活用の現状と課題 て, 認識に差があるかどうかを分析するため, 質問 3 視線入力装置を用いて指導している ( 指導している ) 児童生徒の実態 と, 他の質問項目とのクロス集計を行った. 以下, 知的な遅れのない肢体不自由 児に使いたいとしたものを 肢体不自由, 知的な遅れのある肢体不自由 児に使いたいとしたものを 知肢重複 と示す. 視線入力装置を使用した教育の有無についての質問では1% 水準で有意差が見られた ( 表 16). 残差分析の結果より視線入力装置を教育活動に利用していると回答したのは 知肢重複 が 1% 水準で有意に多かった. 視線入力装置が知的な遅れのある肢体不自由児への指導の手段の一つとして期待されており, 知的な遅れのある肢体不自由を対象として想定した学校, 回答者の方が視線入力装置の導入までつながりやすいと言える. 視線入力装置を活用している教育活動では, 各教科の指導において 肢体不自由 が, 自立活動の指導において 知肢重複 が 5% 水準で有意に多かった ( 表 17). 知的な遅れを伴わない肢体不自由児については, 小 中 高等学校に準ずる教育を施すと規定されてい る. しかし, 肢体不自由の程度が重度である場合, 話したり書いたりすることに困難がある場合が多い. 従って, 各教科の指導における児童生徒の表出の手段の一つとして視線入力装置を捉えていると考えられる. 知的な遅れを伴う重度肢体不自由児は, 自立活動を主とした教育課程に在籍している児童生徒が多く, 自立活動における使用が多い結果となったと考えられる. 視線入力装置活用の継続の有無の質問では1% 水準で有意差が見られた ( 表 18). 継続している のは 知肢重複 が 1% 水準で有意に多く, 継続していない のは 肢体不自由 が 1% 水準で有意に多かった. 継続していない理由は 後天性の肢体不自由であることから身体が動かないだけで意思をもっているものと期待していたが, 左側臥位で下向き ( 左向き ) にしか視線が向かなかったため使用を断念した や 将来に向けて利用してみたが, 現実的な利用となる前に本人の疲れの方が大きくなってしまった, 訪問教育児童でなかなかスクーリングができない があげられた. 視線入力を用いて身に付けさせたい力において, 学力 のみ 肢体不自由 と 知肢重複 の間に 1% 水準で有意な差が見られた ( 表 19). 肢体不自由 は知的 表 18 質問 3 と質問 7-2 のクロス集計表 継続している 継続していない 肢体不自由 9 6(66.7) 3(33.3) 知肢重複 64 60(93.8) 4(6.3) χ 2 (1)=3.917, p<.05 表 19 質問 3 と質問 8 のクロス集計表 学力回答した回答しなかった 肢体不自由 32 5(15.6) 27(84.4) 知肢重複 115 1(0.9) 114(99.1) χ 2 (1)=10.408, p<.01 表 20 質問 3 と質問 9 のクロス集計表 学習効果があるのかわからないこと回答した回答しなかった 肢体不自由 35 12(34.3) 23(65.7) 知肢重複 122 14(11.5) 108(88.5) χ 2 (1)=8.657, p<.01 11

教育情報研究第 35 巻第 2 号 な遅れがなく, 基本的に小 中 高等学校に準ずる教育課程で学習をしているため教科の学習が中心となる. 肢体不自由 で学力と回答した人は視線入力装置を使用している又は今後使用したい活動のすべてで各教科を選択しており, 視線入力装置を学習中のアウトプットの手段として考えていることがわかる. 視線入力装置を使用する上での課題では, 学習効果があるのかわからないこと のみ 1% 水準での有意な差が認められた ( 表 20). 知的な遅れのある肢体不自由児ではすでにいくつかの実践事例があるとともに, 何らかの表出につながる可能性に期待がもたれていると考えられる. 知的な遅れのない肢体不自由児については知的な遅れのある肢体不自由児への実践に比べると数は少ない. また最終的には視線での文字入力によるコミュニケーション等を目指していることが予想され, 求める課題水準が高いことも考えられる. 4. 総合考察調査対象になった学校において, 視線入力装置が研修で多く取り上げられるようになり, 回答の多くが研修を通して視線入力装置を知ったとしている. しかしクロス集計の結果からは, 使用 ( 視線入力装置を使用している ) と 未使用 ( 視線入力装置を使用していない ) の間に有意差は見られなかった. 研修のような一時的な情報提供だけでは視線入力装置の情報を得ることはできても, 導入に繋がる直接的な要因とはなりにくいことが分かった. 研修に加えて必要な者にはさらなる情報提供や支援が必要であることが示された. 未使用 は 使用 と比べるとテレビから視線入力装置についての情報を得た者の割合が有意に高かったが, 情報を得ていても実際に導入するには至っていない. 対して 使用 は同僚が使っていて装置について知ったという回答が 未使用 より有意に多かった. 単純集計での視線入力装置を活用する上での課題についての質問でも, 実際に使っている人が周囲に少ないこと が 2 番目に多く選択されている. クロス集計においては2 通りの比較において有意差は見られず, 視線入力装置の使用の有無 や想定する児童生徒の実態に関わらず 実際に使用している人が周囲に少ないこと を課題と感じている. 実際に視線入力装置を使い始めるためには, 情報源が何かではなく情報の内容 質が現場のニーズに合っていること, 一時的な情報提供ではなくその情報を必要なタイミングで身近に得ることができることが重要であることが明らかとなった. すでに視線入力の活用が広がりつつある学校や地域ではさらに普及が進むが, 活用されていない学校や地域では活用は広がりにくいことが予想される. そのため校内や地域のコミュニティ内だけではなく, 地域を超えた研修を行うことによる情報提供の場が必要である. 視線入力装置の学習効果については使用した者の 8 割程度の回答者が 高い と感じているが, 使用していない者は既に使用しているものに比べて, 学習効果に不安を抱えており導入に踏み切ることができないことが予想される. 視線入力装置を使用しての具体的なエピソードでは 見る ことによって何かを変化させようと自分から注視する等して働きかけるようになった や 活動を楽しみにしている様子が見られる といった回答があった. また多くの回答者が子どもの視線に意思を感じられるようになったり, 子どもが視線入力以外の活動にも意欲的に取り組むようになったと述べている. このような実感を共有し, 使用の際の疑問等を解消できる場を設けたり, 具体的な実践をアクセスしやすい情報として提供したりするとよいと考えられる. 視線入力装置の使用が想定される児童生徒は, 重度の肢体不自由があることが前提とされることがほとんどである. その中でも実態は多様であり, 提供される実践の情報も多様である必要がある. 特に視線入力装置の活用に期待されているのは, 知的な遅れを伴う肢体不自由児である. このような実態の子どもに接する機会が頻繁にある者は, 彼らの思いを読み取ろうとして関わるが, 一般的には 何もわかっていない 子どもと捉えられる傾向があると感じる. 視線入力装置が彼らの微細な動きを表出として活用できる手段のひとつとして発展していくことが望まれる. 12

重度肢体不自由教育における視線入力装置活用の現状と課題 5. まとめ視線入力装置は, 重度肢体不自由のある児童生徒への指導に効果が期待されていることが示唆された. 特に知的な遅れを伴う児童生徒への支援機器としての期待は大きいと考えられる. 視線入力装置を導入する上での課題としては, 身近に装置を実際に使用している人がいるかどうかが大きく影響していることがわかり, 広く普及を進めていくためには学校や地域を超えた研修による情報提供 交換を行うことによって解決されていくと考えられる. また使用する上での課題としては, 機器の設置 調整や児童生徒の個々の実態に即した指導を行うための教材 ソフトの不足等があり, 教材を教員が手軽に自作するための環境の製作や情報の発信が求められる. また様々な専門機関との連携を進め, 様々な実態に即したソフトが開発されることが期待される. 謝辞 本研究を進めるにあたり, アンケートにご協力いただきました特別支援学校の先生方に心より深く感謝申し上げます. 引用文献 [ 1] 中島孝 ( 2 0 1 7 ), 難治性神経 筋疾患に対するコミュニケーション支援技術 : 透明文字盤, 口文字法から最新のサイバニックインターフェースまで, 保健医療科学,66,5,491-496 [2] 鈴木由美子 藤田和弘 (1997) 表出手段に制限のある脳性まひ幼児の eye poijntingを用いた選択的行動の形成, 特殊教育学研究,34(4),1-10 [3] 待木浩一 (2017), 知的障がいを併せ有する肢体不自由児のコミュニケーション支援における実践研究 視線入力装置の活用を通して, 特別支援教育研究論文集 [4] Tobii 社 (2012), https://linkassistive.com/ resources/eye-gaze-learning-curve/( 最終閲覧 日 :2019/8/8) [5] Tobii 社 (2017), https://www.tobiidynavox.com/ eye-gaze-pathway/( 最終閲覧日 :2019/8/8) [ 6 ] 伊藤史人 ( 2 0 1 7 ), 視線入力装置入門, はげみ 2017/6 7/Vol.374,4-17 [7] 海老沢ひとみ (2013), 実践報告 児童生徒が主体性を身につけるための学習環境の整備 地域との連携を生かした実践, 筑波大学特別支援教育実践と研究 7,8 7-9 1 [8] 石川政孝 (2005), 重複障がいのある児童生徒の実態把握と指導, 重複障がいのある児童生徒のための教育課程の構築に関する実際的研究報告書, 国立特殊教育総合研究所 [9] 金森克浩 (2012), 実践 特別支援教育とAT 第 1 集, 明治図書 [10] 文部科学省 (2018), 特別支援学校学習指導要領解説各教科等編 ( 小学部 中学部 ) [11] 大杉成喜 (2014), 重度 重複障害教育における ICT 活用の現状と課題, 熊本大学教育学部紀要, 63,151-158 [12] 野尻智之 川崎聡大 (2014), 学校現場における支援機器の導入並びに適切な利用と選定のための実態調査, 教育情報研究,3 0,3,1 1-2 2 [13] 塩塚敬介 (2017), 重度 重複障害児に対する個に応じた視線入力教材の検討, 日本教育情報学会第 33 回年会論文集,116-119 13

第2号 配布した質問紙 第 35 巻 図2 教育情報研究 14