広島電鉄 路面電車の博物館 出典 :http://www.hiroden.co.jp/train/rosenzu/ 広電アベニュー電車路線図より引用 1. 概要広島電鉄は 広電 の愛称で親しまれており 広島県を中心に路線バスや高速乗合バスを運行している会社です 主となる鉄道事業は 広島市を中心に 35 キロほどに及ぶ路線を営業している日本最大の路面電車です また 京阪神や西日本鉄道 ( 以下 西鉄 )( 福岡を中心に運行する大手私鉄会社 ) の車両を多く譲り受けており 路面電車の博物館 とも呼ばれています 大きく 2 つに分けると 広島市内を走る市内線と広島市内と宮島を結ぶ宮島線に分けられ 合わせて 9 つの系統を運行しています 1912 年の開業以来 1945 年 8 月 6 日午前 8 時 15 分の原爆投下や 自家用車の普及により廃止の危機に追い込まれることがありながらも 今日も走り続けています 2. 路線広島電鉄には 7 路線あり 6 路線ある市内線は軌道法を適用し 宮島線は鉄道法を適用しています 全路線複線で 市内線の営業最高速度は 45 km /h 宮島線は 60 km /h です また 運賃は市内線 ( 白島線除く ) が均一 160 円 白島線内が均一 110 円 宮島線は対キロ区間制運賃になっています
ア 本線 ( 広島駅 ~ 広電西広島 ( 己斐 ))5.4 kmほぼ全区間路面で広島駅から広電西広島までの路線です 八丁堀や紙屋町など広島の繁華街を通ります 広島駅から出るメイン路線になるため すべての系統がどこかの区間を通っています 的場町から十日市町までは相生通りという広島のメインストリートを 西観音町から西広島までは平和大通りを通ります ナンバリングの頭は宮島線と共通で宮島の M イ 宮島線 ( 広電西広島 ( 己斐 )~ 広電宮島口 )16.1 km前述の通り 広島電鉄で唯一鉄道法を適用している路線です 2 系統のみの運行で 広島のベッドタウンである五日市や廿日市と広島市街を結ぶ通勤路線であり 本線の沿線にある原爆ドームと終点の広電宮島口が最寄りの観光地宮島を結ぶ観光路線でもあるという 2 つの役割を担っています また 1991 年までは広電西広島 ( 己斐 ) と宮島口の間で大型高床の車両で運転がされていましたが 広電西広島 ( 以下 : 西広島 ) の配線変更により全列車が市内線と直通し 全国でも珍しい鉄軌直通運転を開始しました そのため 今も一部の駅には高床電車が走っていた頃の少し高めのホームが残っています なお 単車は運用に入れず すべて連接車で運転されています ウ 宇品線 ( 紙屋町東 紙屋町西 ~ 広島港 ( 宇品 ))5.9 km全区間路面で 紙屋町から広電本社前を経由して広島港までの路線です 紙屋町から鷹野橋交差点までは鯉城通り 鷹野橋交差点から皆実町六丁目までは千田通り 皆実町六丁目から海岸通付近までは国道 487 号線を通っていて 海岸通から広島港までは環境にやさしい芝生軌道になっています ナンバリングの頭は宇品 ( うじな ) の U エ 江波線 ( 土橋 ~ 江波 )2.6 km全区間路面で舟入通りを通っています 1943 年に 当時江波にあった造船所への輸送を目的に建設されました 終点の江波には車庫があり 6 8 9 系統の車両が所属しています ナンバリングの頭は江波 ( えば ) の E オ 横川線 ( 十日市町 ~ 横川駅 )1.4 km全区間路面で寺町通りを通っています 1917 年に開業し 7 系統 8 系統が運行しています 終点の横川駅は 2004 年に大改良工事を行い JRとの接続の利便性が向上しています ナンバリングの頭は横川の Y
カ 皆実線 ( 的場町 ~ 皆実町六丁目 )2.5 km全区間路面で比治山通りを通っています 5 系統 1 本のみが通っています 路線名は皆実線ですが 一般では比治山線と呼ばれているので ナンバリングの頭は比治山 ( ひじやま ) の H になっています キ 白島線 ( 八丁堀 ~ 白島 )1.2 km全区間路面で白島通りを通っています 沿線には裁判所や合同庁舎などの官公庁が集中していて ワンマン運転やICカード導入試験を行うなど新しい試みも多くしています ナンバリングの頭は白島の白 (White) の W 3. 運行系統広島電鉄では乗客のニーズに合わせて 9 つの系統を運行しています また それぞれの駅 系統にナンバリングとラインカラーを設定し 外国人観光客にも分かりやすくしています ア 1 系統 ( 広島駅 ~ 紙屋町東 ~ 広島港 ) ラインカラー : オレンジ広島駅から紙屋町東まで本線 宇品線を通っています 早朝 深夜を除いて ほぼ 10 分サイクルで運行されています 基本は連接車での運行ですが 朝ラッシュ時には単車も運用に入ります イ 2 系統 ( 広島駅 ~ 紙屋町 ~ 西広島 ~ 宮島線 ) ラインカラー : 赤本線と宮島線を通ります 全列車連接車として運転されています ラッシュ時には少々バラつきがあるものの日中は 10 分間隔で運転されています また 宮島線の商工センター入口付近には荒手車庫があり 入出庫の関係で商工センター入口発着の列車が その他折り返し設備のある広電廿日市 JA 広島病院前 西広島発着の列車も運転されます ウ 3 系統 ( 西広島 ~ 広電本社前 ~ 広島港 ) ラインカラー : 青紙屋町西まで本線 宇品線を通ります 2010 年に開設されました 朝ラッシュ時は広島港行ですが 宇品二丁目 ~ 広島港間は需要が少ないのにかかわらず 1 3 5 系統の 3 つの系統が通っていたので 3 系統が削除され 日中は宇品二丁目で折り返し運転になります
エ 5 系統 ( 広島駅 ~ 比治山下 ~ 広島港 ) ラインカラー : 緑的場町から皆実線に入り 皆実町六丁目から宇品線に入ります 基本は単車での運転ですが 皆実線区間は前述のとおり5 系統 1 本のみでさらに平行するバス路線がなく ラッシュ時には相当な混雑となるため単車だけではさばけず連接車も運用に入ります そのため 日中は 10 分間隔ですが ラッシュ時にはおおよそ 5 分間隔で運行されています オ 6 系統 ( 広島駅 ~ 紙屋町 ~ 江波 ) ラインカラー : 黄十日市町まで本線 そこから江波線に入ります 全列車単車で運行されています 日中は 10 分間隔 ラッシュ時は 8~10 分間隔で運行されています カ 7 系統 ( 横川駅 ~ 紙屋町西 ~ 広電本社前 ) ラインカラー : 深緑横川線 本線 宇品線を通ります 2003 年に開設されました 宇品線の途中にある広電本社前で折り返します 全列車単車で運転されます キ 8 系統 ( 横川駅 ~ 土橋 ~ 江波 ) ラインカラー : ピンク横川線 本線 江波線を通ります 朝ラッシュ時に連接車も運用に入りますが ほぼ単車での運行です 前述のとおり 100 形と 200 形が運行される系統です ク 9 系統 ( 江波 ~ 八丁堀 ~ 白島 ) ラインカラー : グレー元々 白島線を往復するだけの系統でしたが 本線との分岐駅である八丁堀での乗り換えが不便だということで 2013 年 2 月 15 日のダイヤ改正で本線 江波線との直通運転を開始しました 現在もほとんどの列車が八丁堀止まりですが 1 時間に 1 本程度直通運転しています ケ 0 系統 ( 回送 入出庫関係など ) 前述の 9 系統までのどの系統にも当てはまらないルートで運行される列車と回送列車 臨時列車や千田車庫 荒手車庫への入出庫の関係で運行される列車は 0 系統になります そのため 基本全区間のどこかで運転されます 千田車庫に入庫する列車は 広電本社前 ( 幕は広電前 ) 日赤病院前 行き
荒手車庫に入庫する列車は 商工センター入口 行きとして運行されます また 西広島 広島港などに留置される車両は 0 系統の回送が表示されます その他 臨時の黒文字幕もあります 出典 :5 8 9 系統は広電方向幕写真館 http://train.sakura.ne.jp/train/hiroden/houkou/index.html より引用 4. 車両現在 広島電鉄には単車が 70 両 連接車が 62 編成在籍しています それぞれの車両で運行される系統がおおよそ決まっており 車内の路線図も決まっている系統の路線図が貼られています ア 100 形 ( 大正型電車 ) 100 形は 1984 年の広島県観光キャンペーンのために 1925 年に製造された 150 形 ( すでに営業運転終了 ) を改造し 広島電鉄が開業した当時の 100 形を再現した車両です 現在は 101 号 1 両のみ在籍しており 前述のとおり 8 系統で運行していますが オープンデッキのため雨天時と冬の間は運休します ちなみに 後述しますがドラマ 一番電車が走った でも登場しています イ 200 形 ( 元ハノーバー市電 ) 1928 年に製造され 1988 年に広島市とハノーバー市の姉妹都市提携 5 周年を記念して 1989 年にドイツのハノーバー市から譲渡された車両です また 譲渡するに当たって 日本の保安基準に合わせるために少し改造したうえで登場しました 現在 238 号 1 両のみ在籍しています 前述の 100 形と合わせて レトロ電車 と呼ばれており 100 形と同様に 8 系統で運行されていますが 車両にクーラーがないため夏は運休し 11 月 ~3 月の日曜 祝日に 8 系統で運行されています また 12 月にはクリスマス電車として使用され サンタクロースが乗車します
ウ 350 形 1958 年に製造された車両で上がベージュで下がグリーンという広電オリジナルカラーで 3 両在籍しています 市内線で運用されていますが 宮島線の直通にも対応しています 当初は 850 形でしたが 途中で宮島線直通色に塗り替えられたりしながらも 1971 年に 350 形に改番され現在の姿になりました エ 570 形 ( 元神戸市電 ) 神戸市電が廃止された 1972 年に購入されました 車両は 1926 年 ~1931 年に製造された車両を 1959 年に改造されたものです 神戸市電の当時の塗装のまま活躍しています 広電に譲渡されてからは 17 両が在籍していましたが 徐々に廃車されて現在では 582 号 1 両のみになっています オ 600 形 ( 元西鉄北九州市内線 ) 600 形は 1975 年に廃止された北九州市内線を走っていた車両で 1976 年に購入されました 西鉄在籍時代のカラーのまま活躍しています また 西鉄在籍時は両端に 2 扉でしたが 広電譲渡後 扉の位置を他の車両に合わせて改造されました 現在 602 号 1 両のみが在籍し 平日朝ラッシュを中心に 7 8 系統で活躍しています カ 650 形 ( 被爆電車 ) 1942 年に製造された車両で 350 形と同じく広電オリジナルカラーで運行されています 全車両が被爆しており 修理をして復活を遂げています 当初は 5 両在籍していましたが 655 号は事故で廃車になり 現在は 3 両が在籍しています その他 654 号は ヌマジ交通ミュージアム に展示されています
651 号と 652 号は 主にラッシュ時に 1 3 5 系統で運行されています 653 号は原爆投下時 江波付近で被爆しましたが 復帰して 2006 年まで運行した後 休車になりました また 現在では製造当時の部品がないため 工場で自作しています ( 写真は筆者撮影 ) キ 700 形 1982 年 ~1985 年に製造された車両で 11 両在籍しています 1 次車 2 次車と 3 次車は電動機の種類が異なるため 3 次車は 710 番台となっており 708 号 ~710 号がありません また 単車のため 市内線の主力車両として 2 系統を除く 筆者撮影すべての系統で活躍しています ク 750 形 ( 元大阪市電 ) 1940 年と 1950 年に製造された車両で 1969 年に大阪市電が廃止されたため 1965 年から 1968 年の間に購入されました また 購入に当たって 大阪市電時代の様々な形式を 1 形式にしたため 各車両それぞれ微妙に異なっています 現在 大阪市電時代のカラーのまま 2 両在籍しています ケ 800 形 筆者撮影 800 形は 1983 年から1997 年にかけて製造され 後術する 3500 形をベースに設計された車両です また 長期間にわたり製造されたため 5 次車まであります 市内線を中心に活躍していて 14 両所属しています コ 900 形 ( 元大阪市電 ) 1957 年に製造されましたが 750 形と同様に 1969 年に広島電鉄に購入されました また 広島電鉄初のワンマン運転の試験車として白島線を走ったりしました 全車両 江波車庫に所属しています
サ 1150 形 ( 元神戸市電 ) 570 形 1100 形 ( 全廃 ) と共に 1971 年に購入されました しかし その後に取り付けられたカード読み取り機を設置すると 車内がとても狭くなったため 利用しにくいということで徐々に廃車されています 現在は 1156 号 1 両のみが動物の絵をまとって活躍しています シ 1900 形 ( 元京都市電 ) 1957 年に製造された車両で 1978 年に京都市電が廃止されたため 1977 年から購入されました 15 両購入され 1 両も廃車されることなく全車京都市電時代のカラーのまま 現役で活躍しています また 各車両には一般公募さ 筆者撮影れた愛称がつけられています ス 3000 形 ( 元西鉄福岡市内線 ) 1954 年 ~1964 年に製造された車両で元々 2 連接車だった 1100 1200 1300 形を購入して 3 連接車化改造を実施し 広島電鉄初の 3 連接車となりました 移籍当初は宮島線への直通運用に多く使用されましたが 市内線輸送力 筆者撮影アップのため 3950 形の導入と共に千田車庫への転籍がはじめられ 全車がピンク色の宮島線直通カラーで市内線で活躍しています 現在 5 編成在籍しています 1000 形の導入により 廃車も発生しています セ 3100 形 ( ぐりーんらいなー ) 1961 年と 1964 年に製造された初の 2 連接車 2500 形を 1985 年に改造し導入されました 元々 3000 形と同じ宮島線直通カラーでしたが 3700 形と同じ ぐりーんらいなー 色に塗り替えられました 新車の増備により現在は朝ラッシュ時のみ運用されています
ソ 3500 形 3700 形 ( ぐりーんらいなー ) 3500 形は 1980 年に製造された次世代の路面電車を目指し 日本鉄道技術協会によって開発された車両で その後広島電鉄が購入しました 登場当時は 軽快電車 と呼ばれていました この技術は その後に製造された 800 形 3700 形にも多くの影響を与えています 試験車両の意味合いが強いため 1 編成のみ在籍しています 3700 形は 1984 年から 1987 年にかけて製造された 3500 形の量産車両です 3 次車まであり 2 編成が市内線 3 編成が 2 系統で活躍しています チ 3800 形 ( ぐりーんらいなー ) 1987 年 ~1989 年に製造された広島電鉄初の VVVFインバータを搭載した車両です 運転台や車内設備は 3700 形をベースとしています 現在は 9 編成在籍し全編成 2 系統で活躍しています ツ 3900 形 ( ぐりーんらいなー ) 1990 年 ~1996 年に製造された車両で 3800 形に少し変更が加えられています また 最終増備車の 3907 号と 3908 号はバリアフリーに対応しています 現在 8 編成在籍しており 全車が 2 系統で活 筆者撮影躍しています テ 3950 形 (Green Liner) 3950 形は宮島線の輸送力改善を目的に 1997 年と 1998 年に製造された車両で 3900 形をモデルチェンジし 近代化を図った車両です 元々 宮島線直通運用が中心でしたが 5000 形が導入されるとそれまで所属していた荒手車庫が容量オーバーしたため 一部編成が市内線運用に転属しています 現在 6 編成が在籍しており 3 編成ずつ市内線や 2 系統で活躍しています
ト 5000 形 ( グリーンムーバー ) 5000 形は 1999 年から 2002 年にかけてドイツのシーメンス社 デュワグ社と日本のアルナ車両で製造された超低床車両です 広島電鉄の近代化を進めるために導入されました また 5001 号は納入時期の関係でロシアから空輸され 試運転の時は黒く塗装されていました 現在 12 編成が在籍していて 2 系統を中心に運行されていますが 最終増備編成である 5012 号は 1 系統で運用されています ナ 5100 形 (Green mover max) 5100 形は 2005 年から 2008 年に導入された車両で 5000 形を改良したものです 国産初の完全超低床車両で 近畿車輛 三菱重工業 東洋電機製造の 3 社と共同開発しました 現在 10 編成所属していて 5101 号は 2 系統で 5102 筆者撮影号からは 1 系統で活躍しています また 5101 号は 広島観光インフォメーション電車 になっています ニ 1000 形 (GeenmoverLEX PICCOLO PICCOLA) GeenmoverLEX 1000 形は老朽化の進む市内線旧型車両の置き換えを目的に 2013 年から製造されているワンマン使用の超低床車両です ワンマン使用を目的としているため 今までの車両とは違い 車掌台が設置されていせん また 2 台車 3 連接車になっているので 市内線全線で運用できるようになっています 今後も増備される予定で 2015 年 8 月の時点で 8 両導入されています 1001 号は PICCOLO( ピッコロ ) 1002 号は PICCOLA( ピッコラ ) それ以降の導入された車両は GeenmoverLEX という名称があります 出典 ( 特に何もなければ ): 広島電鉄車両紹介 http://www.hiroden.co.jp/train/sharyo/index.html
ヌ 他都市の車両が多い理由 1950 年代後半から 1960 年代前半にかけて日本全国に路面電車が走っていました しかし 1960 年代後半から 1970 年代にかけて モータリゼーション ( 車の台頭 ) によって 需要が減り路面電車の軌道内に車が走るようになり電車が走る場所がなくなっていったため 徐々に廃止されていきました しかし 1972 年に道路交通法で車の軌道内の走行が禁止されたことにより 路面電車が走れるようになったため 再び需要が増えていきました しかし 当時の広島電鉄の財収難のため新車が導入できなかったので 他都市で徐々に廃止されていた路面電車の車両を譲り受けようという話になりました 結果 路面電車の博物館 になっていきました ちなみに 関東の車両と関西の車両では規格に少し差があることから 関東の車両は譲渡されていません 出典 : 広電 100 周年記念サイト http://www.hiroden.co.jp/100th/history/history06.html より引用 5. 宮島と広島電鉄 ア アクセス 宮島へのアクセスは宮島線が中心で 前述のとおり 2 系統のみの運行です イ お得な切符宮島へのアクセスの切符には一日乗車乗船券があります 一日乗車乗船券は 広島電鉄全線と宮島松大汽船 ( 宮島口 ~ 宮島 ) が乗り放題の切符です また 宮島ロープーウェイは切符を呈示すると特別割引運賃で利用でき 宮島口もみじ本陣 でもサービスを受けられます 大人は 840 円 子供は 420 円です 出典 ( 前のページの切符 ): 広島電鉄お得な乗車券について http://www.hiroden.co.jp/train/joshaken/otoku.htm より引用 6. 広島東洋カープ サンフレッチェ広島 広島交響楽団応援企画広島電鉄では 広島を本拠地とするスポーツチームの 広島東洋カープ ( プロ野球 ) サンフレッチェ広島 (J リーグ ) や オーケストラ 広島交響楽団 に毎年 応援企画を行っています 主としては カープ電車 (5109 号 ) サンフレッチェ電車 (5108 号 ) 広響電車 (5110 号 ) の運行があります カープ電車 サンフレッチェ電車 では 1 系統での運用時のみ 実際にチームに所属する選手の声で車内放送が
行われます また その他 IC カード PASPY で路面電車 広電バスに乗車した乗客を対象に試合の観戦チケットなどが当たるキャンペーンを実施しています サンフレッチェ電車 ( 筆者撮影 ) 7. 被爆 70 年プロジェクト ア 原爆投下と広島電鉄 1 原爆投下時の状況 1945 年 8 月 6 日午前 8 時 15 分に投下された原子爆弾は広島の街に多くの被害を引き起こしました 広島電鉄も例外ではありません 午前 8 時 15 分当時 広島電鉄全線には 63 両の電車が運行しており 60 両が車庫で留置されていました そのうち 108 両が被害を受け また 支柱の倒壊や変電所の破損によって 市内線全線が運行出来ない状態となりました 2 全線復旧への道のり 1945 年 8 月 6 日午前 8 時 15 分原爆投下全線で甚大な被害 8 月 9 日比較的被害の少なかった己斐 ( 西広島 )~ 天満町間で復旧 ( 単線 ) 千田町変電所と櫓下変電所が被害をうけていたため 廿日市変電所から送電 また 運賃は無料 1947 年 11 月 1 日江波線全線復旧 1948 年都市計画道路の建設に合わせて経路変更していた白島線を除き 広島電鉄全線復旧 1949 年車両の復旧完了 1952 年白島線運行再開 イ 被爆 70 年企画 1RCC 被爆電車特別運行プロジェクト (653 号 ) このプロジェクトは 中国放送 (RCC) と共同事業として行われていたもので 70 年前の 8 月 6 日に走っていた 653 号を当時の塗装に復元し 70 年
前の被爆の惨禍 と 広島の街が いかに復興を成し遂げたか を実際に電車に乗って 知ることで未来の世代へ伝えていくことが目的になっています そのために被爆者の方々の証言や様々な復興エピソードなどを車内に設置された大型モニターに流せるようになっています 653 号の復刻塗装は 2015 年 6 月 7 日に千田車庫にて行われた 第 20 回路面電車まつり にて公開され 出発式が行われました その後 6 月 13 日 ~8 月 30 日の間の土曜 日曜 祝日 (7 月 25 日は除く ) に運行されました 広島駅 ~ 西広島の間を往復するルートで 1 日 2 往復運行され 申込み制でした そのため 車両の幕は 0 系統の 貸切 でした 出典 : 裏辺研究所イベント列車 & 珍しい列車紹介 http://www.uraken.net/rail/train/tr_1240.html より引用 2ドラマ 一番電車が走った への製作協力 (101 号 ) 2015 年 8 月 10 日に NHK で放送されたドラマ 一番電車が走った は原爆投下時 当時運転を任されていた家政女学校の生徒たちと鉄道の復旧に力を注いだ広島電鉄社員の己斐 ~ 西広島間の 一番電車 復旧までの物語です このドラマ制作に際し 車内シーンなどは江波車庫で 101 号を使用して撮影が行われました 3 広島ピースパスの発売広島ピースパスは被爆 70 年記念の年に 平和への想いの共有 被爆体験の継承 を目的としています 2015 年 7 月 28 日 ~12 月 31 日の間に発売され 大人 700 円 子供 350 円です 広島電鉄全線と指定範囲内の路線バス 6 社で有効です また このように広島電鉄と他の事業者をまたいで使えるフリー切符はこれが初めてです 8. 交通系 IC カード PASPY
PASPY( パスピー ) は広島周辺で運行されているバス 路面電車 ( 広島電鉄 ) アストラムラインで利用できる国交省管轄の IC カードです パス (PASS) と 幸せ(HAPPY) の造語で 発売する各事業者によって カードのシンボルカラーの色が異なっています 広島だけで 130 万枚発行されており 1 県だけでの発行枚数は日本一です また JR 西日本の ICOCA とのみ相互利用できます 広島電鉄の場合 市内線に1 回乗車すると運賃は 10% 引きの 150 円になります ( 白島線は普通運賃で均一 110 円です ) 出典 ( 前のページ PASPY ):PASPY ホームページ http://www.paspy.jp/ より引用 9. 広島駅 1 現状 現在 広島駅は 1 2 5 6 系統が発着していて 広島電鉄の中心駅です 4 つの系統が発着しているにもかかわらず 乗り場が 2 つしかなく 1 2 6 系統と 5 系統で分かれています その他 折り返し及び降車用ホームが 3 本あり そのうち 1 本は 5 系統の発着ホームと共用です そのため 5 系統が発車し 次の列車が到着する前までに折り返さねばならず なかなか忙しいです 1 2 6 系統のホームは 1 つのホームで 3 つの系統を捌かなければならないので 混雑が激しく 酷いときには列車待ちの行列が JR の構内まで続くといわれています しかし 線路容量もほぼ限界に近い状況ですが 駅のある土地は広島市のものであり 拡張は困難です ちなみに 系統ごとに乗り場が分かれているのは 利便性向上のためです 1 2 6 系統は広島駅から繁華街の八丁堀 紙屋町方面に向かいます また 広島駅から紙屋町方面への需要が高く 1 2 6 系統いずれに乗っても行くことができる ということで 比治山方面に向かう 5 系統とは別の乗り場になっています しかし 少しわかりにくい という声もあります 2 改善策 ( 広島駅南口再整備計画 駅前大橋ルート 循環ルート ) 1のような広島電鉄のみならず バスや乗用車も同じような状況で これを解決するために広島駅南口広場の再整備事業が行われています そこで 広島電鉄は現在の場所から広島駅直結の 2 階ホームに移転する予定で JR との乗り換えの利便性が向上します また 駅を高架化することで駅前広場などを建設できる空間が増えるなどのメリットがあります また 駅を高架化するに当たって 稲荷町電停から駅前大橋を通って広島駅に乗り入れる 駅前大橋ルート での建設が予定されています このルー
トが建設されると 猿猴橋町 的場町 段原一丁目電停が廃止される予定で 比治山線も稲荷町電停に向かうルートに変更が行われることになります このため 廃止される予定の的場町と段原一丁目への利便性を考慮し この 2 つの電停を経由し本線 宇品線 比治山線を循環運転する新ルートの開設が予定されていますが 線路容量オーバーなどのリスクがあるため検討中です 出典 ( 前のページ 現在の広島駅 の写真 ):http://www.uraken.net/rail/travel-urabe10.html 日本最大の路面電車 ~ 広島電鉄 ~ 裏辺研究所より引用 10. 最後に長々となりましたが 最後まで読んでいただき有り難うございました 是非 広島に行く際には 魅力的な路面電車でのんびりと観光してみてはいかがでしょうか 11. 参考文献 出典 広島電鉄ホームページ http://www.hiroden.co.jp/ 広電 100 周年記念サイト http://www.hiroden.co.jp/100th/index.html 広島電鉄最新情報 http://www.hiroden.co.jp/what/new/topic.htm 広電の車両たち http://railstar.sakura.ne.jp/hiroden/hiroden.htm 日本最大の路面電車 ~ 広島電鉄 ~ 裏辺研究所 http://www.uraken.net/rail/travel-urabe10.html PASPY ホームページ http://www.paspy.jp/ 広島ピースパス公益社団法人広島県バス協会 http://www.bus-kyo.or.jp/peace-pass 広島市広島駅南口広場の再整備等に係る基本方針の決定について http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1285563671308/index.html RCC 被爆 70 年プロジェクト http://www.rcc.jp/70/tram.htm 広島電鉄様から頂いた資料と貴重なお話広島県様から頂いた資料