(第10報)東日本大震災レポート――震災時におけるCSR(企業の社会的責任)事例



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東京事務所BCP【実施要領】溶け込み版

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

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社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

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●幼児教育振興法案

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17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農


目 次 第 1 章 総 則 第 1 節 計 画 の 目 的... 1 第 1 計 画 の 目 的 1 第 2 計 画 の 策 定 1 第 3 計 画 の 構 成 2 第 4 用 語 の 意 義 2 第 2 節 計 画 の 前 提 条 件... 3 第 1 自 然 条 件 3 第 2 社 会 条 件

課 税 ベ ー ス の 拡 大 等 : - 租 税 特 別 措 置 の 見 直 し ( 後 掲 ) - 減 価 償 却 の 見 直 し ( 建 物 附 属 設 備 構 築 物 の 償 却 方 法 を 定 額 法 に 一 本 化 ) - 欠 損 金 繰 越 控 除 の 更 な る 見 直 し ( 大

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公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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(2) 就 業 規 則 の 状 況 就 業 規 則 は 90.0%の 事 業 所 が 整 備 している このうち 就 業 規 則 を 周 知 している 事 業 所 は 84.0%で 周 知 の 方 法 ( 複 数 回 答 )については 常 時 掲 示 または 備 え 付 け が 最 も 多 く 64

4 調 査 の 対 話 内 容 (1) 調 査 対 象 財 産 の 土 地 建 物 等 を 活 用 して 展 開 できる 事 業 のアイディアをお 聞 かせく ださい 事 業 アイディアには, 次 の 可 能 性 も 含 めて 提 案 をお 願 いします ア 地 域 の 活 性 化 と 様 々な 世

有 料 老 ホーム ( ) ( 主 として 要 介 護 状 態 にある を 入 居 させるも のに 限 る ) 第 29 条 ( 届 出 等 ) 第 二 十 九 条 有 料 老 ホーム( 老 を 入 居 させ 入 浴 排 せつ 若 しくは 食 事 の 介 護 食 事 の 提 供 又 はその 他 の


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人 同 意 第 49 回 宇 和 島 定 例 決 結 果 一 覧 表 番 号 件 名 決 結 果 報 告 第 1 号 専 決 処 分 した 件 報 告 即 日 受 理 専 決 第 1 号 道 おける 故 和 解 即 日 受 理 専 決 第 2 号 車 両 接 触 故 和 解 即 日 受 理 案 第

平 成 24 年 4 月 1 日 から 平 成 25 年 3 月 31 日 まで 公 益 目 的 事 業 科 目 公 1 公 2 公 3 公 4 法 人 会 計 合 計 共 通 小 計 苦 情 相 談 解 決 研 修 情 報 提 供 保 証 宅 建 取 引 健 全 育 成 Ⅰ. 一 般 正 味 財

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資料3 家電エコポイント制度の政策効果等について

公 営 企 業 職 員 の 状 況 1 水 道 事 業 1 職 員 給 与 費 の 状 況 ア 決 算 区 分 総 費 用 純 利 益 職 員 給 与 費 総 費 用 に 占 める ( 参 考 ) 職 員 給 与 費 比 率 22 年 度 の 総 費 用 に 占 A B B/A める 職 員 給 与

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2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 135, , ,900 2

などは 別 の 事 業 所 とせず その 高 等 学 校 に 含 めて 調 査 した 5 調 査 事 項 単 独 事 業 所 調 査 票 全 産 業 共 通 事 項 ( 単 独 事 業 所 ) ア 名 称 及 び 電 話 番 号 イ 所 在 地 ウ 経 営 組 織 ( 協 同 組 合 においては 協

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

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(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

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(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用

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入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

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再 生 可 能 エネルギー 等 導 入 推 進 基 金 事 業 計 画 書 ( 各 年 度 計 画 書 ) ( 事 業 計 画 の 概 要 ) 計 画 の 名 称 京 都 府 地 球 温 暖 化 対 策 等 推 進 基 金 計 画 の 期 間 交 付 対 象 京 都 府 府 内 市 町 村 民 間

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疑わしい取引の参考事例

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・モニター広告運営事業仕様書

就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

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(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

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埼 玉 県 入 間 郡 三 芳 町 大 字 藤 久 保 1100 番 地 1 三 芳 町 役 場 本 庁 舎 4 階 ウ 提 出 方 法 : 持 参 または 郵 送 による 提 出 とする ただし 提 出 期 限 必 着 とし 郵 送 の 場 合 は 必 ず 到 着 を 確 認 するものとする (3

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 三郷市市街化調整区域の整備及び保全の方針(案)

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( 新 ) 医 療 提 供 の 機 能 分 化 に 向 けたICT 医 療 連 携 導 入 支 援 事 業 費 事 業 の 目 的 医 療 政 策 課 予 算 額 58,011 千 円 医 療 分 野 において あじさいネットを 活 用 したICT したICT 導 入 により により 医 療 機 能

(5) 給 与 改 定 の 状 況 事 委 員 会 の 設 置 なし 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 民 間 給 与 公 務 員 給 与 較 差 勧 告 A B A-B ( 改 定 率 ) 給 与 改 定 率 ( 参 考 ) 国 の 改 定 率 24 年 度 円 円 円 円 ( ) 改

3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協

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(3) 福 祉 施 設 から 一 般 就 労 への 移 行 本 市 の 福 祉 施 設 利 用 者 の 中 で 平 成 24 年 度 に 一 般 就 労 により 退 所 した 人 は 3 人 です ここでいう 福 祉 施 設 とは 生 活 介 護 事 業 自 立 訓 練 事 業 ( 生 活 訓 練

5 民 間 事 業 者 における 取 扱 いについて( 概 要 資 料 P.17~19) 6 法 人 番 号 について( 概 要 資 料 P.4) (3) 社 会 保 障 税 番 号 制 度 のスケジュールについて( 概 要 資 料 P.20) 1 平 成 27 年 10 月 から( 施 行 日 は

は し が き

する ( 評 定 の 時 期 ) 第 条 成 績 評 定 の 時 期 は 第 3 次 評 定 者 にあっては 完 成 検 査 及 び 部 分 引 渡 しに 伴 う 検 査 の 時 とし 第 次 評 定 者 及 び 第 次 評 定 者 にあっては 工 事 の 完 成 の 時 とする ( 成 績 評 定

4 松 山 市 暴 力 団 排 除 条 の 一 部 風 俗 営 業 等 の 規 制 及 び 業 務 の 適 正 化 等 に 関 する 法 律 等 の 改 正 に 伴 い, 公 共 工 事 から 排 除 する 対 象 者 の 拡 大 等 を 図 るものです 第 30 号 H H28.1

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公表表紙

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七 の 二 自 然 公 園 法 ( 昭 和 三 十 二 年 法 律 第 百 六 十 一 号 ) 第 二 十 条 第 一 項 に 規 定 する 国 立 公 園 又 は 国 定 公 園 の 特 別 地 域 のうち 同 法 第 二 十 一 条 第 一 項 に 規 定 する 特 別 保 護 地 区 その 他

(3) 調 査 の 進 め 方 2 月 28 日 2 月 28 日 ~6 月 30 日 平 成 25 年 9 月 サウンディング 型 市 場 調 査 について 公 表 松 戸 市 から 基 本 的 な 土 地 情 報 サウンディングの 実 施 活 用 意 向 アイデアのある 民 間 事 業 者 と

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損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

資料2-2 定時制課程・通信制課程高等学校の現状

(2) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 17 年 4 月 1 日 現 在 ) 初 任 給 2 年 後 の 給 料 初 任 給 2 年 後 の 給 料 一 般 行 政 職 技 能 労 務 職 大 学 卒 171,1 151,5 19,2 164,7 17,7 184,4 中 学 卒 1

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03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

通 知 カード と 個 人 番 号 カード の 違 い 2 通 知 カード ( 紙 )/H27.10 個 人 番 号 カード (ICカード)/H28.1 様 式 (おもて) (うら) 作 成 交 付 主 な 記 載 事 項 全 国 ( 外 国 人 含 む)に 郵 送 で 配 布 希 望 者 に 交

とする ( 減 免 額 の 納 付 ) 第 6 条 市 長 は 減 免 を 受 け た 者 が 偽 り そ の 他 不 正 な 方 法 に よ り 減 免 の 決 定 を 受 け た こ と を 知 っ た と き 前 の 申 告 が あ っ た と き 又 は 同 条 第 2 項 の 規 定 によ

平 成 27 年 11 月 ~ 平 成 28 年 4 月 に 公 開 の 対 象 となった 専 門 協 議 等 における 各 専 門 委 員 等 の 寄 附 金 契 約 金 等 の 受 取 状 況 審 査 ( 別 紙 ) 専 門 協 議 等 の 件 数 専 門 委 員 数 500 万 円 超 の 受

Transcription:

NKSJ-RM 56 東 日 本 大 震 災 レポート ( 第 10 報 ) 震 災 時 における CSR( 企 業 の 社 会 的 責 任 ) 事 例 吉 崎 敦 子 Atsuko Yoshizaki 研 究 開 発 部 主 任 研 究 員 はじめに 3 月 11 日 に 発 生 した 東 日 本 大 震 災 は 戦 後 最 大 規 模 の 死 者 行 方 不 明 者 を 出 す 未 曾 有 の 大 災 害 であり 現 在 でも 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 を 巡 る 状 況 は 予 断 を 許 さない 状 態 が 続 いています こうした 中 で 企 業 による 被 災 地 への 緊 急 援 助 や 復 興 に 向 けた 支 援 に 対 する 期 待 が 高 まっています すでに 震 災 発 生 直 後 から 数 多 くの 企 業 が 義 援 金 の 拠 出 や 募 金 活 動 の 実 施 を 表 明 しています また 携 帯 電 話 各 社 や 大 手 スーパーマーケット 食 料 品 メーカーなどは 自 社 製 品 を 中 心 とした 物 資 の 提 供 を 行 うなど 各 企 業 の 本 業 に 関 連 した 支 援 が 実 施 されています 本 稿 では 各 企 業 が 具 体 的 にどのような 支 援 を 実 施 発 表 しているのか 紹 介 すると 共 に 今 後 組 織 の 社 会 的 責 任 に 関 する 国 際 規 格 である ISO26000 の 観 点 からどのような 対 応 が 求 められているのかを 述 べます 1. 企 業 による 支 援 の 概 要 震 災 発 生 後 多 くの 企 業 が 数 日 の 間 に 何 らかの 支 援 体 制 を 打 ち 出 しました 企 業 による 支 援 活 動 の 中 心 となるのは 義 援 金 や 社 内 での 募 金 活 動 といった 金 銭 的 な 支 援 や 救 援 物 資 の 提 供 ですが 地 域 に 根 ざした 支 援 活 動 を 実 施 する 例 もあり 本 業 を 活 かした 支 援 活 動 も 数 多 く 見 られます また 震 災 を 機 にボランティア 休 暇 制 度 を 新 設 活 用 し 社 員 のボランティア 活 動 を 後 押 しする 企 業 も 相 次 いでい ます ここでは 具 体 的 な 支 援 内 容 別 に 各 企 業 の 対 応 事 例 を 紹 介 します 1.1. 義 援 金 等 金 銭 的 な 支 援 活 動 震 災 発 生 後 の 企 業 の 対 応 は 素 早 く 多 くの 企 業 が 震 災 発 生 から 数 日 以 内 に 義 援 金 の 拠 出 決 定 を 発 表 しまし た その 後 さらに 追 加 の 資 金 援 助 を 発 表 する 企 業 も 数 多 くありました 特 に ユニクロを 傘 下 に 擁 するフ ァースト リテイリングの 支 援 規 模 は 突 出 しており グループでの 義 援 金 やヒートテックなど 同 社 商 品 の 提 供 に 加 えて 会 長 兼 社 長 の 柳 井 正 氏 が 個 人 で 10 億 円 の 寄 付 を 申 し 出 たことは 話 題 になりました こうした 支 援 は 普 段 からトップが 率 先 して CSR の 取 組 みに 力 を 入 れてきたからこそできる 支 援 内 容 であり 企 業 オ ーナー 双 方 から 支 援 を 行 うという 考 え 方 は 今 後 のオーナー 経 営 のひとつのモデルケースになるとの 見 方 もあ ります( 参 考 資 料 1) また 従 業 員 からの 寄 付 を 募 って 集 まった 資 金 を 被 災 地 へ 送 付 する 動 きも 多 く 見 られます 従 業 員 からの Copyright 2011 NKSJ Risk Management, Inc. All rights reserved. 1

募 金 を 実 施 した 企 業 の 中 には 集 まった 金 額 に 対 して 企 業 側 が 金 額 の 上 乗 せを 行 う マッチングギフト 1 と いう 制 度 を 取 り 入 れて さらに 資 金 を 拠 出 した 企 業 もありました 義 援 金 等 の 送 付 先 は 日 本 赤 十 字 社 や 中 央 共 同 募 金 国 際 的 な 人 道 支 援 組 織 であるジャパン プラットフ ォーム(JPF)が 中 心 となっていますが 中 には 県 や 自 治 体 に 直 接 寄 付 を 行 うケースも 見 られました また 三 菱 商 事 では 自 ら 三 菱 商 事 東 日 本 大 震 災 復 興 支 援 基 金 を 設 立 し 奨 学 金 の 給 付 や NGO NPO 等 への 寄 付 を 行 うことを 発 表 しています 義 援 金 や 募 金 のほかにも 小 売 業 などを 中 心 として 店 頭 での 募 金 活 動 やポイントを 利 用 した 寄 付 プログラ ムを 実 施 しているケースも 見 られました 銀 行 各 社 は 被 災 した 個 人 または 法 人 向 けに 低 金 利 などの 優 遇 措 置 を 盛 り 込 んだ 復 興 支 援 融 資 の 実 施 を 発 表 しています 表 1. 銀 行 大 手 3 行 による 復 旧 支 援 融 資 の 取 り 扱 い 状 況 銀 行 名 みずほ 銀 行 内 容 個 人 向 けの 災 害 復 旧 ローンおよび 法 人 向 けの 災 害 復 興 支 援 融 資 の 取 り 扱 いを3 月 14 日 から 実 施 三 井 住 友 銀 行 個 人 向 けの 特 別 金 利 ローン( 住 宅 ローン 住 み 替 えローン リフォームローン)および 法 人 向 けの 特 別 ファンドの 取 り 扱 いを3 月 14 日 から 実 施 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 個 人 向 けの 住 宅 ローン 無 担 保 証 貸 しローン 無 担 保 カードローンおよび 法 人 向 けの 災 害 復 旧 支 援 資 金 融 資 の 取 り 扱 いを3 月 14 日 から 実 施 1.2. 本 業 に 関 連 した 支 援 活 動 金 銭 的 な 支 援 に 加 えて 多 くの 企 業 は 本 業 に 関 連 した 支 援 活 動 も 実 施 しています 各 種 メーカーや 小 売 業 者 等 を 中 心 とした 食 料 品 日 用 品 医 薬 品 等 の 提 供 に 加 えて 医 療 機 器 発 電 機 建 設 機 械 の 提 供 などとい った 物 資 の 援 助 を 打 ち 出 す 企 業 が 目 立 ちます また 自 社 の 業 務 を 通 して 培 ったノウハウを 提 供 して 被 災 者 支 援 に 活 用 する 事 例 も 見 られました ここでは 本 業 に 関 連 した 支 援 活 動 を 物 資 援 助 とその 他 の 援 助 に 分 けて 見 ていきます 1.2.1. 物 資 援 助 表 2 に 主 な 企 業 が 打 ち 出 した 物 資 支 援 の 事 例 を 公 表 日 順 に 示 しています(5 月 18 時 点 で 企 業 のホームペー ジに 公 表 されている 情 報 を 元 に 作 成 ) まず 目 立 つのは 食 料 品 メーカーや 製 紙 メーカー 電 気 機 器 メーカーなどが 自 社 製 品 を 提 供 する 動 きです 食 品 飲 料 紙 おむつ トイレットペーパーや 発 電 機 ラジオ 懐 中 電 灯 乾 電 池 などの 提 供 がいち 早 く 発 表 されており 被 災 地 ですぐに 必 要 となる 物 資 を 迅 速 に 提 供 する 内 容 となっています 1 企 業 や 団 体 が 社 会 貢 献 のために 寄 付 を 募 る 際 に 集 まった 金 額 に 対 して 企 業 団 体 側 が 金 額 の 上 乗 せを 行 った 上 で 寄 付 を 行 う 取 組 みのこと 企 業 が 従 業 員 に 対 して 寄 付 を 募 る 場 合 の 制 度 として 導 入 されることが 多 いが 最 近 では 企 業 が 一 般 個 人 からマッチングギフトの 方 式 で 寄 付 や 義 援 金 を 募 る 例 も 登 場 し 注 目 を 集 めています Copyright 2011 NKSJ Risk Management, Inc. All rights reserved. 2

メーカー 以 外 の 企 業 でも 食 料 および 飲 料 紙 おむつや 生 理 用 品 医 療 や 毛 布 医 薬 品 など 震 災 直 後 に 被 災 地 で 不 足 していた 物 資 の 提 供 を 決 めた 企 業 も 多 数 ありました 表 2. 物 資 援 助 の 状 況 3 月 11 日 ( 地 震 発 生 当 日 ) 小 売 業 A 建 設 業 A ミネラルウォーター2L 3 万 本 菓 子 パン1000 個 緊 急 支 援 物 資 ( 非 常 食 飲 料 水 簡 易 トイレ シート 発 電 機 工 具 等 )を 送 付 3 月 12 日 食 料 品 メーカーA 小 売 業 A 電 気 機 器 メーカーA 小 売 業 B おかゆ5000 食 とスープ10 万 食 を 提 供 毛 布 10,000 枚 ごはん200g 4,800 個 給 水 車 1 台 食 パン 4,225 袋 ロールパン 1,693 袋 を 追 加 提 供 ラジオ1 万 台 懐 中 電 灯 1 万 個 乾 電 池 50 万 個 を 提 供 水 (2L) 11520 本 菓 子 パン6000 個 3 月 13 日 電 気 機 器 メーカーB パソコン 通 信 機 器 ITネットワーク 関 連 機 器 を 提 供 飲 食 料 メーカーC 市 役 所 や 避 難 所 などに 随 時 茶 系 飲 料 やミネラルウォーターなどの 飲 料 水 の 提 供 ( 約 60 万 本 ) 飲 食 料 メーカーD 電 気 機 器 メーカーC 食 料 品 メーカーE 自 社 製 品 の 飲 料 2,304ケース (55,296 本 )を 岩 手 県 災 害 対 策 本 部 向 けに 発 送 ラジオ3 万 台 寄 贈 飲 料 30 万 ケース 提 供 3 月 14 日 化 学 メーカーA 子 ども 用 紙 おむつや 生 理 用 品 などの 緊 急 支 援 物 資 の 提 供 を 開 始 金 融 業 A 被 災 地 区 に 向 けて 支 援 物 資 ( 第 1 便 )を 発 送 (4 月 6 日 までに 合 計 18 便 実 施 ) 化 学 メーカーB 食 品 包 装 用 ラップ50 万 本 パルプ 紙 業 A 食 料 品 メーカーF 機 械 メーカーA 紙 おむつ トイレットペーパー ミネラルウォーター トイレ 用 衛 生 固 化 剤 絆 創 膏 など 清 涼 飲 料 約 20 万 本 など 飲 料 食 品 を 提 供 小 型 建 設 機 械 20 台 (オペレーター 派 遣 含 む)の 提 供 機 械 メーカーB 診 察 所 集 会 所 用 プレハブハウスの 寄 贈 建 設 機 械 フォークリフト 仮 設 ハウス 発 電 機 など 保 有 する 機 材 の 無 償 貸 与 食 料 品 メーカーG 化 学 メーカーC 電 気 機 器 メーカーD ミネラルウォーター550ml 100 万 本 提 供 水 のいらないシャンプー 10,000 個 ハンドソープ 10,000 個 速 乾 性 手 指 消 毒 剤 大 10,000 個 避 難 場 所 への 液 晶 テレビ 寄 贈 を 検 討 Copyright 2011 NKSJ Risk Management, Inc. All rights reserved. 3

3 月 14 日 続 き 化 学 メーカーD 医 薬 品 メーカーA 繊 維 製 品 メーカーA 輸 送 用 機 器 メーカーA 化 学 メーカーE ゴム 製 品 メーカーA 輸 送 用 機 器 メーカーB 化 学 メーカーF 化 学 メーカーG 水 や 食 糧 14,000 食 分 カセットコンロ100 台 カセットボンベ600 本 毛 布 130 枚 などを 各 被 災 地 災 害 対 策 拠 点 に 向 けて 発 送 を 開 始 医 薬 品 の 提 供 災 害 対 策 用 小 型 造 水 機 6 台 シート 等 を 提 供 救 援 車 両 (トラックおよびフォークリフト)の 無 償 貸 与 生 活 医 療 物 資 ( 毛 布 消 毒 液 マスク)の 提 供 献 血 活 動 の 推 進 サポート 医 療 用 機 器 マスク100 万 枚 を 寄 付 自 転 車 及 び 寝 具 (1 億 円 相 当 )を 被 災 者 の 皆 様 に 寄 贈 ガソリン 発 電 機 を 家 庭 用 ガスセットを 使 用 する 発 電 機 を 合 計 100 台 カセットガスボンベ5000 本 に 加 えて 発 電 機 の 操 作 説 明 をする 要 員 を 派 遣 携 行 型 太 陽 電 池 充 電 器 200 台 食 品 包 装 用 ラップフィルム10 万 本 ソーラー 充 電 式 LEDライト2,000 個 を 提 供 子 供 用 大 人 用 の 紙 おむつ 生 理 用 品 マスク ペットフード 等 自 社 製 品 を 提 供 3 月 15 日 食 料 品 メーカーA 電 気 機 器 メーカーA 輸 送 用 機 器 メーカーC 清 涼 飲 料 水 500mlペットボトル 19 万 2 千 本 スポーツ 飲 料 500mlペットボトル 4 万 8 千 本 ソーラーランタン4000 個 を 提 供 インバーター 発 電 機 500 台 ペットボトル 飲 料 水 (1.5リットル) 4,000 本 アルファ 米 / 缶 詰 パン/ 豚 汁 など 5,000 食 サージカルマスク 30 万 枚 3 月 16 日 食 料 品 メーカーC ミネラルウォーターなどの 飲 料 水 40 万 本 電 気 機 器 メーカーE 家 庭 用 体 温 計 計 125,000 本 家 庭 用 血 圧 計 計 5,000 台 医 科 向 け 体 温 計 40,000 本 生 体 情 報 モニタ 20セット 携 帯 型 心 電 計 50 台 食 料 品 メーカーD 食 料 品 メーカーH 自 社 製 品 の 飲 料 2,304ケース (55,296 本 )を 宮 城 県 青 葉 合 同 庁 舎 宛 に 発 送 菓 子 111,500 個 カレー 幼 児 食 などのレトルト 食 品 および 常 温 保 存 可 能 なソーセージ 47,460 個 粉 ミルク 4,800 缶 Copyright 2011 NKSJ Risk Management, Inc. All rights reserved. 4

3 月 17 日 電 気 機 器 メーカーD 化 学 メーカーD 輸 送 用 機 器 メーカーC 中 小 型 液 晶 テレビ200 台 中 型 冷 蔵 庫 200 台 全 自 動 洗 濯 機 200 台 単 機 能 電 子 レンジ200 台 ジャー 炊 飯 器 200 台 空 気 清 浄 機 200 台 被 災 地 向 けソーラー 発 電 システム250セット 提 供 プラスチック 製 バケツ1 万 個 ポリタンク1 万 個 敷 物 として 使 用 可 能 な 樹 脂 発 泡 体 約 2500 畳 分 防 塵 マスク10 万 枚 提 供 飲 料 水 ペットボトル 飲 料 水 (1.5リットル) 4,000 本 毛 布 170 枚 簡 易 トイレ 5,400ヶ 電 動 アシスト 自 転 車 139 台 3 月 18 日 金 融 業 A 電 気 機 器 メーカーF 機 械 メーカーB 化 学 メーカーG タオルやティッシュペーパー など 生 活 用 品 の 物 品 支 援 置 時 計 掛 時 計 診 察 所 集 会 所 用 プレハブハウスの 寄 贈 建 設 機 械 フォークリフト 仮 設 ハウス 発 電 機 などを 提 供 マスク300 万 枚 犬 猫 用 ペットフード10トン(8 万 個 )を 提 供 3 月 19 日 から3 月 25 日 小 売 業 A 婦 人 衣 料 (コート セーター 等 ) 約 30,000 点 紳 士 衣 料 (ジャンパー スエット 等 ) 約 85,000 点 子 ども 衣 料 (ジャンパー パジャマ 等 ) 約 28,000 点 肌 着 関 連 ( 婦 人 紳 士 子 ども 用 ) 約 163,000 点 靴 下 タイツ 約 235,000 点 小 売 業 C 電 気 機 器 メーカーE 食 料 品 メーカーD 電 気 機 器 メーカーG 金 属 製 品 メーカーA 食 料 品 メーカーI 食 料 品 メーカーD 化 学 メーカーC 電 気 機 器 メーカーC 肌 着 タオル 衣 類 等 を 寄 贈 トレーナー ダウンジャケットおよびタオルなどの 衣 料 類 をJOC 経 由 で 提 供 自 社 製 品 の 飲 料 27,576ケース (661,824 本 )を 農 林 水 産 省 宛 に 発 送 食 糧 日 用 品 テレビ パソコン 乾 電 池 ラジオ 洗 濯 機 照 明 器 具 などの 物 資 提 供 に 加 えて 医 療 機 器 を 提 供 1000 万 円 相 当 の 救 援 物 資 を 提 供 飲 料 水 約 48 万 本 加 工 食 品 約 5 万 食 防 寒 着 家 庭 用 医 薬 品 使 い 捨 てカイロ 等 5000 万 円 相 当 自 社 製 品 の 飲 料 10,799ケース (265,176 本 )を 農 林 水 産 省 他 に 発 送 洗 顔 ボディーシート 91,000 個 ハンドクリーム 10,000 個 マスク 40,000 個 を 追 加 提 供 キャラクター 毛 布 1,200 枚 を 送 付 し 子 ども 向 けアニメーションDVD400 枚 を 準 備 Copyright 2011 NKSJ Risk Management, Inc. All rights reserved. 5

3 月 26 日 以 降 電 気 機 器 メーカーH 電 気 機 器 メーカーI 医 療 用 機 器 ステンレス 製 魔 法 瓶 300 本 建 設 機 械 や 薄 型 テレビ 乾 電 池 自 治 体 向 け 被 災 者 支 援 システムの 無 償 提 供 などを 含 む 総 額 6 億 円 相 当 の 支 援 を 決 定 化 学 メーカーG 海 外 のパートナー 企 業 からの 支 援 物 資 提 供 輸 送 用 機 器 メーカーD 車 両 50 台 を 宮 城 県 内 の 自 治 体 団 体 に 無 償 で 提 供 電 気 機 器 メーカーA ライフイノベーションコンテナ1 台 を 追 加 提 供 (ソーラーパネルと 蓄 電 池 を 備 えた 発 電 機 ) 電 気 機 器 メーカーA 懐 中 電 灯 4 万 個 を 追 加 提 供 電 気 機 器 メーカーJ ポータブルX 線 デジタル 撮 影 システム 5セットを 提 供 卸 売 業 A 電 気 自 動 車 30 台 その 他 緊 急 支 援 物 資 の 提 供 1.2.2. その 他 の 援 助 (ホンダ&グーグルの 例 資 生 堂 の 例 など) 物 資 援 助 以 外 に 本 業 に 関 連 した 支 援 を 行 った 事 例 としては グーグルと 協 力 して 被 災 地 周 辺 の 通 行 可 能 な 道 路 マップを 公 開 したホンダの 例 避 難 所 で 化 粧 やマッサージ 等 を 行 うビューティーボランディアを 実 施 し た 資 生 堂 の 例 が 挙 げられます ホンダは 3 月 14 日 からカーナビゲーションシステムから 収 集 した 走 行 軌 跡 データを 基 に 被 災 地 周 辺 で 前 日 の 間 に 通 行 実 績 があった 道 路 や 渋 滞 が 発 生 していた 道 路 を グーグルの 運 営 する Google マップ Google Crisis Response 2 上 に 公 開 し 毎 日 更 新 しています ホンダの 技 術 力 が 発 揮 された 情 報 提 供 手 段 であると 同 時 に 1 社 単 独 では 実 現 が 難 しいことが 他 社 と 協 力 して 実 現 されたという 点 で 特 徴 的 な 取 組 みであると 言 えます 資 生 堂 は 福 島 仙 台 盛 岡 の 避 難 所 においてビューティーコンサルタントが 無 料 で 化 粧 サービスを 行 う ビューティーボランティア 活 動 を 行 っています 女 性 のみならず 男 性 や 子 供 にはハンドマッサージを 行 った り 女 性 にはフェースマッサージ 男 性 にはドライシャンプーの 実 習 を 行 ったりするなど 化 粧 品 会 社 なら ではの 活 動 を 展 開 しています ここで 紹 介 した 支 援 活 動 は 各 企 業 の 本 業 を 活 かした 事 例 であり 企 業 の 持 つノウハウや 人 的 資 源 を 効 果 的 に 活 用 した 社 会 貢 献 活 動 と 言 えます 1.3. 地 域 に 根 ざした 支 援 活 動 企 業 が 所 在 する 地 域 の 地 元 住 民 への 支 援 に 乗 り 出 すケースも 見 られました 液 状 化 被 害 が 深 刻 だった 千 葉 県 浦 安 市 では オリエンタルランドが 運 営 する 東 京 ディズニーシーの 施 設 メ ディテレーニアンハーバー の 水 を 近 隣 の 小 中 学 校 のトイレ 用 水 として 使 用 することを 発 表 しました 浦 安 市 では 断 水 が 発 生 しており トイレは 地 域 住 民 にも 解 放 されたということです デンソーは 完 成 間 近 だった 福 島 県 のデンソー 東 日 本 の 建 屋 を 地 域 住 民 約 2000 人 が 避 難 する 避 難 所 として 開 放 しました 加 えて 防 災 備 蓄 食 料 と 毛 布 の 提 供 も 実 施 しました また 東 芝 は 被 災 地 に 近 い 岩 手 東 芝 エレクトロニクス 株 式 会 社 や 北 芝 電 気 株 式 会 社 の 社 有 寮 の 入 浴 施 設 を 避 難 住 民 に 提 供 することを 発 表 しています 企 業 にとっては 地 元 地 域 が 大 事 なステークホルダーのひとつであり 上 記 のような 支 援 は 地 域 に 根 ざし た CSR の 取 組 みとして 地 域 住 民 から 大 いに 評 価 されることと 思 われます 2 http://www.google.co.jp/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011_traffic.html Copyright 2011 NKSJ Risk Management, Inc. All rights reserved. 6

1.4. 社 員 のボランティア 活 動 震 災 をきっかけに 企 業 の 間 ではボランティア 休 暇 制 度 を 新 設 する 動 きが 広 がっています 各 企 業 が CSR を 前 面 に 打 ち 出 すと 同 時 に 社 員 からの 要 望 も 相 次 いでおり 企 業 が 果 たす 新 たな 役 割 に 期 待 が 高 まっていま す トリンプや SMBC 日 興 證 券 富 士 重 工 業 などでは 震 災 を 受 けてボランティア 休 暇 が 新 設 されました ま た オリックスグループではゴールデンウィーク 中 にボランティア 休 暇 も 組 み 合 わせたボランティアを 募 集 しました これは 会 社 側 が 費 用 や 備 品 の 準 備 や 現 地 での 手 配 を 行 っており 企 業 の 後 押 しが 際 立 った 事 例 です ボランティア 休 暇 制 度 自 体 は 以 前 から 導 入 している 企 業 もありますが 大 手 企 業 が 中 心 となっているのが 現 状 です 厚 生 労 働 省 が 実 施 した 平 成 19 年 就 労 条 件 総 合 調 査 3 ( 図 1)によると ボランティア 休 暇 があ ると 答 えた 企 業 は 4178 社 中 約 2.8%にとどまりました 従 業 員 1000 人 以 上 の 規 模 の 企 業 では 約 17.7%ですが 100 人 未 満 の 企 業 では 約 1.8%と 10 倍 近 い 開 きがありました また 平 成 21 年 に 厚 生 労 働 省 が 実 施 した 労 働 時 間 等 の 設 定 の 改 善 の 促 進 を 通 じた 仕 事 と 生 活 の 調 和 に 関 する 意 識 調 査 4 の 結 果 ( 図 2)を 見 ると 労 働 者 の 約 3 分 の 2 が 年 次 有 給 休 暇 取 得 にためらいを 感 じていることが 分 かり 休 暇 が 取 得 しづらい 環 境 にあるこ とも 問 題 視 されています 今 回 の 震 災 で 高 まったボランティア 活 動 への 関 心 をきっかけとして 企 業 側 も 従 業 員 が 積 極 的 にボランテ ィア 活 動 に 取 り 組 める 環 境 を 整 備 することが 望 まれます 従 業 員 数 30~99 人 1.80% 従 業 員 数 100~299 人 3.30% 従 業 員 数 300~999 人 6.60% 従 業 員 数 1000 人 以 上 17.70% 全 企 業 計 (4178 社 ) 2.80% 図 1. ボランティア 休 暇 制 度 の 導 入 状 況 0% 5% 10% 15% 20% 3 http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/07/index.html 4 http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201008/7.html Copyright 2011 NKSJ Risk Management, Inc. All rights reserved. 7

あまりためらいを 感 じない 25.6% まったくためらい を 感 じない 9.8% 無 回 答 0.5% ためらいを 感 じる 22.0% ややためらいを 感 じる 42.1% 図 2. 有 給 休 暇 取 得 に 対 する 意 識 について 1.5. その 他 上 記 以 外 にも 継 続 的 な 支 援 策 や 被 災 地 域 での 雇 用 創 出 を 打 ち 出 して 中 長 期 的 にわたる 復 興 支 援 に 乗 り 出 す 事 例 も 見 られました 1.1 でも 挙 げた 三 菱 商 事 の 三 菱 商 事 東 日 本 大 震 災 復 興 支 援 基 金 は 2015 年 3 月 末 までの 4 年 間 にわた る 復 興 支 援 計 画 を 発 表 しています キリンホールディングスでも 同 様 に 今 後 3 年 間 にわたる 資 金 提 供 を 発 表 し 被 災 地 の 復 興 にグループを 挙 げて 継 続 的 かつ 柔 軟 に 取 り 組 む 方 針 を 打 ち 出 しています また 日 興 ア セットマネジメントでは 2012 年 3 月 までの 間 運 用 する 投 資 信 託 ふるさと 紀 行 2020/ 正 式 名 称 : 日 本 公 共 債 ファンド 2020 から 受 け 取 る 委 託 者 報 酬 のすべてと 一 部 の 日 本 株 投 信 の 委 託 者 報 酬 の 50%を 支 援 金 とし て 供 出 することを 決 定 しました すかいらーくグループのように 震 災 発 生 後 から 継 続 的 に 避 難 所 への 食 料 支 援 活 動 を 行 う 例 もあります 被 災 地 において 雇 用 創 出 に 乗 り 出 す 企 業 も 現 れています 東 芝 は 東 北 地 方 でのコールセンター 機 能 の 強 化 などを 含 めて 様 々な 形 態 での 雇 用 を 創 出 するとしています また 住 友 林 業 やクボタなどが 被 災 地 支 援 の 一 環 として 被 災 地 域 での 採 用 枠 を 設 けて 雇 用 を 創 出 することを 発 表 しました 多 くの 企 業 が 相 次 いで 支 援 を 打 ち 出 したことは 社 会 的 責 任 社 会 貢 献 に 対 する 意 識 が 高 まっていること の 現 れであると 考 えられます また 多 くの 企 業 が 迅 速 な 対 応 策 を 打 ち 出 した 背 景 には 平 時 から 緊 急 事 態 に 備 えた 準 備 や 体 制 整 備 を 行 ってきたことがうかがえます 2. 今 後 企 業 に 求 められる 災 害 支 援 体 制 の 整 備 について 2010 年 11 月 に 組 織 の 社 会 的 責 任 に 関 する 規 格 である ISO26000 が 発 行 されました 規 格 の 名 称 は 社 会 的 責 任 に 関 する 手 引 き(Guidance on social responsibility) であり 企 業 に 限 らずあらゆる 種 類 の 組 織 が 推 奨 すべき 事 項 を 記 載 した 手 順 書 となっています この 中 で 組 織 が 果 たすべき 社 会 的 責 任 は 7 つの 中 核 主 題 ( 1. 組 織 統 治 2. 人 権 3. 労 働 慣 行 4. 環 境 5. 公 正 な 事 業 慣 行 6. 消 費 者 課 題 7. コミュニテ ィへの 参 画 及 びコミュニティの 発 展 )に 分 類 して 示 されています 災 害 時 の 復 興 支 援 活 動 も 企 業 が 果 たすべき 社 会 的 責 任 のひとつと 考 えることができます 企 業 は 災 害 の 状 況 を 的 確 に 把 握 し 被 災 地 のニーズに 柔 軟 かつ 継 続 的 な 支 援 を 行 うことが 求 められます また 自 社 の 本 業 と 関 連 した 支 援 活 動 を 行 うことで 被 災 地 と 企 業 双 方 にとって 効 果 的 な 対 応 を 行 うことが 可 能 となり 企 Copyright 2011 NKSJ Risk Management, Inc. All rights reserved. 8

業 のさらなる 発 展 信 頼 向 上 につながります ここでは ISO26000 の 考 え 方 に 則 り 今 後 企 業 に 求 められる 災 害 支 援 体 制 の 整 備 について 7 つの 中 核 主 題 のうち 特 に 関 わりの 深 い 組 織 統 治 労 働 慣 行 コミュニティへの 参 画 及 びコミュニティの 発 展 の 3 側 面 から 述 べていきます 2.1. 組 織 統 治 と 災 害 支 援 ISO26000 で 示 されている 組 織 統 治 とは 組 織 の 意 思 決 定 および 実 施 する 際 に 従 うシステムであり 組 織 が 社 会 的 責 任 を 果 たす 上 での 基 本 です 組 織 には 透 明 性 や 説 明 責 任 を 果 たすための 意 思 決 定 を 行 うことが 求 められています 今 回 の 震 災 においては 前 述 した 通 り 様 々な 企 業 が 様 々な 形 態 の 災 害 支 援 策 を 発 表 しました 多 くの 企 業 が 震 災 後 迅 速 に 何 らかの 対 応 を 打 ち 出 したことは 企 業 の 体 制 や 意 思 決 定 プロセスが 整 備 され 緊 急 時 にも 迅 速 に 対 応 できることの 現 れであると 言 えます 普 段 からトップが CSR を 意 識 し その 実 現 体 制 が 構 築 され ているからこそ 迅 速 かつ 的 確 な 対 応 が 可 能 となるのです 透 明 性 や 説 明 責 任 という 点 から 考 えると 企 業 には 拠 出 した 義 援 金 や 物 資 がどこでどのように 利 用 され それが 本 当 に 被 災 者 のためになったのか 効 果 を 測 定 し ステークホルダーに 対 して 情 報 提 供 を 行 うことが 重 要 になります 多 くの 企 業 は 義 援 金 や 物 資 の 規 模 や 送 付 先 をホームページ 上 などで 公 表 していますが 中 には 具 体 的 な 送 付 先 を 明 言 していないケースも 見 られました また 支 援 を 打 ち 出 したものの その 支 援 が どのような 影 響 を 与 えたのか インパクトを 評 価 したり 結 果 を 公 表 したりする 動 きは 現 時 点 では 見 られませ ん 大 々 的 に 支 援 を 表 明 したものの 後 から 振 り 返 るとただやみくもに 資 源 をばらまいていただけ という 結 果 になっては 本 末 転 倒 ですので 透 明 性 や 説 明 責 任 を 意 識 した 意 思 決 定 が 求 められます 自 然 災 害 が 多 発 する 地 域 で 操 業 する 企 業 の 中 には あらかじめ 災 害 の 際 に 寄 付 をする 金 額 や 送 付 先 を 決 め ておくなど 緊 急 事 態 に 対 応 する 体 制 を 事 前 に 整 備 している 例 があります 緊 急 事 態 に 適 切 な 支 援 策 を 指 示 するためのマニュアルや 仕 組 みが 事 前 に 整 えられていること 支 援 によってもたらされる 効 果 を 把 握 してス テークホルダーに 説 明 する 体 制 が 整 えられていることが 企 業 がこの 先 CSR に 取 り 組 む 中 でますます 重 要 視 されていくでしょう また 平 時 にもどのように 緊 急 事 態 に 取 り 組 むべきかを NPO 等 様 々な 組 織 と 意 見 交 換 し 準 備 することも 重 要 です 2.2. 労 働 慣 行 と 災 害 支 援 災 害 時 に 労 働 慣 行 の 面 から 企 業 が 対 応 すべき 課 題 は 社 員 のボランティア 参 加 を 推 奨 するなどといった 人 事 面 での 仕 組 みづくりや 被 災 地 での 雇 用 創 出 が 例 として 挙 げられます ボランティア 休 暇 制 度 については 1.4 でも 触 れた 通 り 企 業 がボランティア 休 暇 制 度 を 新 設 して 社 員 のボ ランティア 活 動 を 後 押 しする 動 きが 見 られたことは 喜 ばしいことです しかし 一 方 では 今 までも 制 度 は あるものの 一 部 企 業 のみでの 導 入 にとどまって 普 及 が 進 んでいなかった 実 態 や 休 暇 をとりづらい 雰 囲 気 が あることも 現 実 です 震 災 を 機 にボランティアに 対 する 意 識 は 高 まったことと 思 われますが これが 一 時 的 なものではなく この 先 震 災 復 興 支 援 以 外 のボランティア 活 動 にも 広 まるきっかけとなることが 望 まれま す そのためには 企 業 の 理 解 と 後 押 しが 重 要 となります また 被 災 地 の 復 興 には 雇 用 の 確 保 が 重 要 な 課 題 となります 1.5 でも 挙 げた 通 り 被 災 地 でのオペレー ション 強 化 という 意 味 も 含 めた 雇 用 創 出 や 被 災 地 域 での 採 用 枠 を 設 けて 雇 用 支 援 を 打 ち 出 す 企 業 も 現 れて います 今 後 復 興 関 連 産 業 の 需 要 拡 大 に 連 動 して 被 災 地 での 雇 用 が 拡 大 されていくことを 期 待 します Copyright 2011 NKSJ Risk Management, Inc. All rights reserved. 9

2.3. コミュニティと 災 害 支 援 自 らの 活 動 場 所 であるコミュニティと 良 好 な 関 係 をもつことやコミュニティの 発 展 に 貢 献 することは 組 織 にとって 重 要 な 課 題 です ISO26000 では コミュニティなど 組 織 と 関 わりのあるステークホルダーを 特 定 し コミュニティへの 参 画 教 育 および 文 化 の 振 興 雇 用 創 出 と 技 能 開 発 富 や 所 得 の 創 出 健 康 増 進 社 会 的 投 資 の 促 進 といった 具 体 的 なアクションが 求 められています 1.3 で 示 した 地 域 に 根 ざした 支 援 活 動 は 地 域 コミュニティと 良 好 な 関 係 を 築 いてコミュニティの 発 展 に 貢 献 した 例 です このほかにも 資 金 援 助 や 物 的 援 助 など 支 援 活 動 の 全 般 は 広 い 目 で 見 ればコミュニティへ の 貢 献 であると 言 えます 企 業 には 今 後 も 継 続 的 な 復 興 支 援 が 求 められます 震 災 直 後 は 資 金 援 助 や 物 的 援 助 など 被 災 地 の 窮 状 を 救 う 支 援 策 が 必 要 ですが 将 来 的 にはコミュニティの 自 立 発 展 を 後 押 しする 姿 勢 が 望 まれます 今 後 コ ミュニティの 要 望 調 査 を 行 うなどして 自 身 に 何 が 求 められているのか 本 業 で 培 ったノウハウをいかに 役 立 てることができるのかを 把 握 した 上 で 適 切 な 復 興 支 援 を 行 っていくことが 重 要 です おわりに 東 日 本 大 震 災 をきっかけに 企 業 として 社 会 に 貢 献 できることは 何 か という 課 題 を 強 く 意 識 した 企 業 が 多 いことと 思 われます 震 災 後 の 企 業 の 対 応 からは 多 くの 企 業 の 間 に 本 業 を 通 じた 支 援 活 動 を 行 うという 考 え 方 が 根 付 いていることがうかがえ CSR に 対 する 意 識 が 広 く 浸 透 していることが 分 かりました 今 回 の 震 災 は 地 震 津 波 原 発 事 故 の 多 重 災 害 であり 復 興 には 相 当 の 期 間 を 要 することが 予 測 されることから 今 後 とも 継 続 的 に 支 援 を 行 っていくことを 期 待 します 海 外 では 企 業 の 社 会 貢 献 活 動 をチャリティ( 慈 善 )ではなくコミュニティへの 投 資 と 考 え コミュニテ ィが 活 性 化 することが 様 々な 分 野 でリターンを 生 むとする コミュニティ 投 資 という 考 え 方 が 浸 透 してい ますが 今 回 の 震 災 で 企 業 が 行 った 支 援 活 動 も コミュニティ 投 資 のひとつであると 考 えることができます 企 業 がその 資 源 を 使 って 投 資 を 行 うからには 資 本 の 使 い 道 や 資 本 投 入 の 効 果 についての 透 明 性 や 説 明 責 任 が 重 要 な 課 題 となります 企 業 には 地 域 のニーズや 課 題 を 把 握 した 上 で 継 続 的 な 支 援 活 動 を 実 施 すること により 社 会 的 責 任 を 果 たすという 役 割 が 期 待 されます 参 考 資 料 : 1. 東 洋 経 済 オンライン, 経 営 実 務 災 害 時 に 見 る CSR のあり 方 1/2(2011 年 3 月 24 日 掲 載 ) (http://www.toyokeizai.net/business/management_business/detail/ac/8279a570715e15a65f1363b99c505e8c/page/3/) 2. 関 正 雄, 2011 年 4 月, ISO26000 を 読 む, 日 科 技 連 出 版 社 3. 日 本 経 団 連 社 会 貢 献 推 進 委 員 会 編, 2008 年 7 月, CSR 時 代 の 社 会 貢 献 活 動, 日 本 経 団 連 出 版 4. サンケイビズ, 東 日 本 大 震 災 ボランティア 休 暇 続 く 需 要 企 業 の 対 応 必 要 (2011 年 5 月 18 日 掲 載 ) (http://www.sankeibiz.jp/econome/news/110512/ecd1105120837000-n1.htm) 5. 東 洋 経 済 オンライン, ただ 寄 付 するだけではダメ! 企 業 の 社 会 貢 献 にはコミュニティ 投 資 という 考 え 方 が 必 要 (2011 年 5 月 6 日 掲 載 ) (http://www.toyokeizai.net/business/management_business/detail/ac/3fe17fd7b7463c5a4aa373d330dc9e3a/) Copyright 2011 NKSJ Risk Management, Inc. All rights reserved. 10

執 筆 者 紹 介 吉 崎 敦 子 Atsuko Yoshizaki 研 究 開 発 部 主 任 研 究 員 専 門 は CSR, 自 然 災 害 リスク 評 価 NKSJ リスクマネジメントについて NKSJ リスクマネジメント 株 式 会 社 は 損 保 ジャパンと 日 本 興 亜 損 保 を 中 核 とする NKSJ グループのリスクコンサルティ ング 会 社 です 全 社 的 リスクマネジメント(ERM) 事 業 継 続 (BCM BCP) 火 災 爆 発 自 然 災 害 CSR 環 境 セ キュリティ 製 造 物 責 任 (PL) 労 働 災 害 医 療 介 護 安 全 および 自 動 車 事 故 防 止 などに 関 するコンサルティング サー ビスを 提 供 しています 詳 しくは NKSJ リスクマネジメントのウェブサイト(http://www.nksj-rm.co.jp/)をご 覧 くださ い 本 レポートに 関 するお 問 合 わせ 先 NKSJ リスクマネジメント 株 式 会 社 研 究 開 発 部 160-0023 東 京 都 新 宿 区 西 新 宿 1-24-1 エステック 情 報 ビル TEL:03-3349-6828 Copyright 2011 NKSJ Risk Management, Inc. All rights reserved. 11