表 計 算 1 はじめに 日 常 のデータ 処 理 では, 与 えられたデータとその 処 理 結 果 を 表 の 形 式 でまとめ ることが 少 なくありません. 画 面 上 に 表 を 作 成 し,キーボードからデータや 計 算 式 を 直 接 書 き 込 んで, 会 話 的 に 処 理 結 果 を 求 めることができるように 作 られたのが 表 計 算 ソ フトです.Excel は 世 界 中 で 最 も 広 く 使 用 されている 表 計 算 ソフトの1つです. 表 計 算 機 能 の 他 に, 結 果 をグラフで 表 示 するグラフ 機 能 や 特 定 の 条 件 のデータを 検 索 する などのデータベース 機 能 があります. 私 達 の 身 近 な 例 では, 実 験 データの 統 計 表 や 理 論 式 による 計 算 表 の 作 成,グラフ 表 示 などに Excel を 活 用 することができます.こ の 章 では, 例 題 の 表 を 作 成 しながら,Excel の 基 本 的 な 使 い 方 を 説 明 します. 2 EXCELの 起 動 と 終 了 2.1 EXCELの 起 動 [スタート],[すべてのプログラム],[Microsoft Office 2013],[Excel 2013]の 順 に クリックします. 図 1 Excelの 起 動 1
Excel が 起 動 すると, 図 2が 表 示 されます.[ 空 白 のブック]をクリックします. 図 2 Excel 起 動 直 後 のウインドウ 次 に, 図 3が 表 示 されます. 中 央 がワークシート( 作 業 用 紙 )と 呼 ばれる 部 分 で, 縦 横 のセル(マス 目 )で 区 切 られています.それぞれのセルに 数 値 や 計 算 式, 文 字 デー タなどを 入 力 して, 表 を 作 成 します. 上 部 のA,B,C...はセルの 列 を 表 す 記 号 であり, 左 端 の1,2,3...は 行 を 表 す 番 号 です. 数 式 バー メニューバー ツールバー ボックス アクティブセル 図 3 Excel 起 動 直 後 のウインドウ 2
それぞれのセルの 番 地 ( 位 置 )を, 行 記 号 と 列 番 号 で 表 します. 例 えばC 列 4 行 にあ るセルの 番 地 をC4と 表 現 します.A1のセルを 囲 む 枠 が 太 くなっています.これはこ のセルにマウスポインタがあることを 示 しています.その 時 点 でポインタがあるセルを アクティブセルと 呼 びます.ボックスにA1の 表 示 がありますが,この 行 には 一 般 にア クティブセルの 番 地 とその 内 容 が 表 示 されます. 最 初 は 空 なので 番 地 だけが 表 示 さ れています.マウスポインタは の 矢 印 キーで 移 動 させることができま す. 画 面 には,ワークシートの 一 部 が 表 示 されます. 2.2 EXCELの 終 了 Excel を 終 了 するためには,[ファイル][ 閉 じる(C)]の 順 にクリックします.なお,ワー クシートをファイルに 保 存 しないで 終 了 すると,その 内 容 はどこにも 記 憶 されないで 消 えてしまいます. 3 練 習 1 練 習 1 和 と 平 均 2つの 変 量 (x,y)の4 組 みのデータについてxとyの 和,およびそれぞれの 平 均 値 を 求 めるために, 図 4の 表 を 作 成 する. 図 4 和 と 平 均 3
ここから 具 体 的 に 図 4の 表 の 作 成 に 入 ります.まず 図 5の 裸 の 表 を 作 ることに します. 図 5 データ 入 力 3.1 数 値 データの 入 力 まずXのデータをB4からB7のセルに 入 力 します.データの 入 力 は 基 本 的 には, (a) 目 的 のセルにマウスを 移 動 し,クリックする(セルをアクティブセルにする). 矢 印 キーを 使 う 場 合 は, 矢 印 キーでカーソルを 移 動 する. (b)キーボードからデータを 入 力 する. の 繰 返 しで 行 ないます. 具 体 的 には,まずマウスをセルB4に 合 わせクリックし, 次 に 20.1]をキーボード から 入 力 します. 最 後 に Enter を 押 します.この 結 果,B 4のセルに 20.1 が 表 示 されます. 数 値 はすべて 右 詰 めで 表 示 されます.また,ボ ックスおよび 数 式 バーの 表 示 が, 図 6のように 変 わります( 最 初 はセルの 内 容 が 空 な ので 番 地 だけが 表 示 されていました). 図 6 数 式 バー 以 下 の 説 明 では,B4セルへ 移 動 し,キーボードから 20.1 を 入 力 し Enter を 4
押 す 操 作 を B4 20.1 のように 記 述 することにします. 続 いて B5 22.3, B 6 24.0,.. と 続 けます. B6 24.0 と 入 力 してもセルには 24 とだけ 表 示 さ れます.セルにデータを 入 力 するときに Enter の 代 わりに 矢 印 キーを 使 ってもかま いません.このときはセルへの 入 力 と 同 時 にポインタが 移 動 します. 連 続 するセルに 続 けてデータを 入 力 するときはこの 方 が 便 利 でしょう. 誤 ってデータを 入 力 した 場 合 の 修 正 方 法 は,セルにデータを 入 力 する 前 と 後 で 違 います. (a)セルにデータを 入 力 する 前 Back Space で1 文 字 ずつ 消 去 し, 入 力 しなおします. または Esc を 押 して 全 体 を 消 去 し, 最 初 から 入 力 しなおします. (b)セルにデータを 入 力 した 後 (b1)そのセルにポインタを 移 動 し,データを 入 力 しなおします. 新 しいデータが 古 いデータと 入 れ 替 わります. (b2)そのセルにポインタを 移 動 し, 編 集 ( F2 )を 押 すと, 修 正 できます. ここで,XとYのデータをすべてワークシートに 入 力 します. 3.2 式 データの 入 力 セルD4にはB4とC4の 数 値 データの 和 が 入 ります.ここに, 数 値 データ 46.1 を そのまま 入 力 したのでは 表 計 算 の 機 能 を 使 うことになりません. 数 値 ではなく 和 を 求 める 式 をD4に 入 力 します. 具 体 的 には 次 のように 入 力 します. D4 =B4+C4 (=b4+c4と 小 文 字 でもよい) この 結 果,ワークシートのセルD4にはB4とC4の 値 の 和 が 表 示 されます. 一 方 数 式 バーの 表 示 を 見 ると, =B4+C4 であり,セルD4の 内 容 はここで 入 力 した 式 デ ータであることがわかります. 以 下 同 様 に D5 =B5+C5, D6 =B6+C6,.. と 入 力 します. 正 しくない 式 を 入 力 すると#NAME?が 出 ます. 誤 りを 訂 正 します. 先 頭 の = を 除 いて 式 の 意 味 は 明 らかでしょう( = の 意 味 はすぐ 後 でわかりま す).セル 番 地 を 変 数 のように 使 うことを 除 けば,プログラミングの 式 と 同 じように, 加 減 乗 除 (+,-,*,/) 演 算 子 や 括 弧,さらには 関 数 (9 参 照 ) を 使 って 式 を 書 くこと ができます.したがって,B8に 平 均 を 求 めるためには, B8 =(B4+B5+B6+ B7)/4 と 入 力 します. 式 の 中 でセル 番 地 を 入 力 するときに,ポインタの 移 動 を 使 っ た 別 の 方 法 があります. 例 えばB8に 上 記 の 式 を 入 力 するには, 次 のようにします.ま ず 式 を 入 力 するセルB8にマウスポインタを 移 動 し 先 頭 の =( だけをキーボード か ら 入 力 します. 次 にマウスをB4に 移 動 し,クリックします.このとき 操 作 パネルの ( の 後 ろにセル 番 地 が 表 示 され,マウスをセルに 移 動 しクリックに 合 わせて 変 化 します. 5
(B4 となった 段 階 でキーボード から 次 の + を 入 力 します. この 操 作 を 繰 り 返 し, =(B4+B5+B6+B7) となった 段 階 でキーボードから 残 りの )/4 を 入 力 し, 最 後 に Enter を 押 せば, 式 が 入 力 できます.ワークシート 上 で 確 認 しながらセル 番 地 を 入 力 できるので,こうすることによって 誤 りが 少 なくなりま す. 同 様 に C8 =(C4+C5+C6+C7)/4, D8 =(D4+D5+D6+D7) /4 と 入 力 します.D8は 式 で 計 算 された 値 をさらに 式 で 利 用 していることになります. この 結 果, 画 面 にはすべて 数 値 が 表 示 されていますが,D 列 と8 行 にあるセルの 表 示 はそれぞれのセルの 式 にしたがって 計 算 された 値 です.したがって, 例 えばB4の 数 値 を 変 更 するとただちに 再 計 算 されて,その 値 が 関 連 するD4とB8,およびD8の 表 示 が 変 化 します.これが 表 計 算 の 基 本 的 な 機 能 です. 画 面 で 試 してみてください. 3.3 文 字 データの 入 力 ここでは 文 字 ( 列 )データを, 単 に 項 目 名 やタイトルとして 使 うことにします( 一 般 に は 文 字 列 処 理 の 表 計 算 もできます).Excelでは 文 字 と 文 字 列 の 区 別 はありません. 文 字 は 全 角 でも 半 角 でもかまいません.セルの 中 の 位 置 は,ホームメニューのツール バーの 中 にある で 調 整 します. 具 体 的 には, 次 のように 入 力 します. B 3 X, C3 Y, D3 X + Y, A4 1, A5 2,, A8 平 均 3.4 入 力 データの 自 動 判 別 最 初 の 文 字 から 数 値 や 式 ではないと 判 断 される 入 力 データは,すべて 文 字 データ とみなされ,ます.D4の 式 の 入 力 で 単 に B4+C4 と 入 力 すると, 式 ではなく 文 字 列 データとみなされます. 先 頭 に = をつけたのはこの 理 由 によります.このように, Excel はデータ 入 力 において 最 初 にキーボードから 入 力 された 文 字 ( 押 されたキー) で, 数 値 データか 式 データか,または 文 字 データであるかを 自 動 的 に 判 断 します.す なわち, 数 字 キーが 最 初 に 押 されると 数 値 データの 入 力 の 始 まりと 判 断 します. 式 デ ータでも 同 様 です.これで 図 5の 裸 の 表 が, 完 成 です. 4 ワークシートの 保 存 と 読 み 込 み ワークシートに 作 成 された 表 はメモリ 上 にあるので Excel を 終 了 すると 消 えてしま います. 後 で 利 用 するためにはワークシートをファイルとしてディスクに 保 存 する 必 要 があります. 6
4.1 ファイルへの 保 存 [ファイル] メニューをクリックした 後,[ 名 前 を 付 けて 保 存 (A)][コンピュータ][ 参 照 ] の 順 にクリックします.この 様 子 を 図 7に 示 します. 図 7 ワークシートの 保 存 [H:]をクリックし,ファイル 名 は rensyu0 と 入 力 します.この 様 子 を 図 8に 示 します. 図 8 ファイル 名 の 入 力 7
4.2 ファイルの 読 み 込 み 保 存 されたワークシートを 画 面 に 呼 び 出 すには,[ファイル]メニューをクリックした 後, [ 開 く(O)][コンピュータ][ 参 照 ]の 順 にクリックします. この 様 子 を 図 9に 示 します. 図 9 ワークシートの 読 み 込 み 図 10に 示 すファイル 一 覧 が 表 示 されます.ファイル 名 をクリックし,[ 開 く]をクリッ クします. 図 10 ファイル 名 の 入 力 8
4.3 上 書 き 保 存 上 書 き 保 存 する 場 合 は をクリックします. 別 の 名 前 で 保 存 する 場 合 は,[ファイ ル][ 名 前 を 付 けて 保 存 する(A)]をクリックします. 5 セル 範 囲 の 指 定 Excel の 命 令 や 処 理 には,セルの 集 まり,すなわち セル 範 囲 を 指 定 して 実 行 す るものが 数 多 くあります.セル 範 囲 の 指 定 方 法 を, 罫 線 を 引 く 命 令, 数 値 の 表 示 形 式 を 指 定 する 命 令 を 例 に 説 明 することにします. 5.1 罫 線 の 指 定 Excel のセル 範 囲 とは 全 体 が 長 方 形 になるセルの 集 まりを 指 します.そのセル 範 囲 を 指 定 するときは, 長 方 形 の 対 角 線 の 始 点 と 終 点 となるコーナ( 角 )のセル 番 地 の 組 合 せで 表 現 します. 例 えば,A3:C10 は,A 列 からC 列 の3 行 から10 行 までの,3 8 個 のセルからなる 長 方 形 の 範 囲 を 表 現 します. 長 方 形 の 特 殊 な 場 合 として,1 列 (A3:A10),1 行 (A3:C3),あるいは1つのセル(A3:A3)もセル 範 囲 です.まず, マウスを A3 に 移 動 します.マウスをドラッグし D8 まで 移 動 します( 図 11). 図 11 罫 線 の 表 示 ここで の 矢 印 をクリックすると 図 12の 表 示 が 現 れます.これは 罫 線 をどの ように 引 くかを 選 択 します. 格 子 状 に 引 くときは, をクリックします. 9
図 12 罫 線 パレット 5.2 表 示 形 式 の 変 更 数 値 データが 実 験 の 測 定 値 である 場 合 などは, 有 効 数 字 を 明 示 するために 表 示 形 式 を 整 える 必 要 があります.Excel では, 一 定 のセル 範 囲 に 対 して, 何 種 類 かの 表 示 形 式 を 指 定 することができます.ここではB4:D7の 範 囲 を 小 数 点 以 下 1 桁 固 定 で 表 示 することにします.まず, 次 のようにします. マウスを B4 に 移 動 します.マウスをドラッグし D8 まで 移 動 しマウスのボタンを 放 します. 次 に をクリックすると, 小 数 点 以 下 の 桁 が1つ 増 えます. 反 対 に をクリックすると, 小 数 点 以 下 の 桁 が1つ 減 ります.B4:D7の 範 囲 が 小 数 点 以 下 1 桁 に,B8:D8の 範 囲 が 小 数 点 以 下 3 桁 になるよう 調 整 してください.これらは, 表 示 形 式 の 変 更 であって,セル 内 容 の 変 更 ではありません.これで,の 表 が 完 成 しました. rensyu1 として, 保 存 します. 6 表 の 印 刷 印 刷 プレビューは, 紙 に 印 刷 したときの 状 態 を 画 面 に 表 示 する 機 能 です.むだな 印 刷 を 行 なわないために, 必 ず 印 刷 を 行 う 前 に 確 認 しましょう. 図 13に 示 すように,[フ ァイル][ 印 刷 (P)]の 順 にクリックします. 印 刷 したときの 状 態 が, 表 示 されます. 10
図 13 印 刷 プレビュー 印 刷 を 行 う 場 合 は, 図 14のように[ 印 刷 ]をクリックします. 図 14 印 刷 11
7 練 習 2 練 習 2 (X,Y)について 新 しく2 組 のデータを 追 加 し,6 組 のデータについて 平 均 と 分 散 を 求 める. rensyu0.xlsx を 読 み 込 み,これを 変 更 することによって 図 15を 作 成 します( 罫 線 や 表 示 形 式 の 設 定 など 表 を 整 える 作 業 は, 最 後 に 一 括 して 行 うほうがいいでしょう. 以 下,このような 操 作 については 説 明 を 省 きます). 図 15 練 習 2 rensyu0.xlsx を 読 み 込 んだら,まず2 組 のデータを 追 加 します.このため7 行 と8 行 の 間 に2 行 の 空 白 行 を 挿 入 します.マウスを8 行 に 移 動 し,9 行 までドラッグします. 図 16 行 の 挿 入 12
続 いて,[ホーム][ 挿 入 ][シートの 行 を 挿 入 ]を 選 びます.この 結 果, 図 17に 示 す ように2 行 の 空 白 行 が 挿 入 されます.ここで, 項 目 名 5, 6 とそれぞれの 数 値 を 入 力 します. 図 17 行 の 挿 入 8 セルの 複 写 と 相 対 参 照 次 にD8,D9に 和 を 求 める 式 を 入 力 します. 形 式 的 にはすでにある 他 のD 行 の 式 と 同 じですので, 複 写 命 令 を 使 って, 例 えばD7のセルを 次 のようにしてD8,D9に 複 写 してみます. 手 順 は, 複 写 するセルをマウスでクリックします. [ 編 集 (E)][コピー(C)] ( Ctrl + C と 同 じ) を 選 択 します.マウスを 複 写 先 に 移 動 し(この 場 合 D8),ドラッグしてD9を 指 定 しま す. [ 編 集 (E)][ 貼 り 付 け(P)] ( Ctrl + V と 同 じ) を 選 択 すると 複 写 されます.この 結 果,D7の 式 がそのまま 複 写 されるのではなく, D8: =B8+C8 D9: =D9+C9 となることがわかります.すなわち, 式 の 複 写 では,セル 番 地 が 自 動 的 に 調 整 されて 複 写 されることがわかります.このことは, 式 の 中 のセル 番 地 は 式 が 記 憶 されている セルからの 相 対 的 な 位 置 情 報 を 表 していることを 意 味 します.したがってこれを 相 対 13
参 照 と 呼 びます( 絶 対 的 な 番 地 を 指 定 することもできます). 相 対 参 照 は 行 や 列 を 挿 入 / 削 除 したときにも 自 動 的 に 調 整 されます. ( 補 足 ) 複 写 元 のセルをクリックし,セルの 右 下 にマウスを 移 動 します.マウスカーソ ルの 形 状 が+に 変 化 したらドラッグを 行 い, 複 写 先 全 体 を 指 定 します.マウ スのボタンから 指 をはなすと, 複 写 が 完 了 します. 9 関 数 の 利 用 平 均 を 求 めるB10,C10,D10も 変 更 する 必 要 があります. 練 習 1と 同 じような 式 を 入 力 してもいいのですが,データ 数 が 多 くなると 入 力 に 手 間 がかかります.Excel には 統 計 処 理 のための 関 数 を 含 め 多 数 の 関 数 が 用 意 されています.B10にB4から B9までのセルの 平 均 を 求 めるには,B10に =average(b4:b9) と 入 力 します(こ の 場 合,1 個 の 関 数 だけからなる 式 です). 同 様 にB11に 分 散 を 求 めるには, 単 に, =var(b4:b9) と 入 力 するだけです. 不 偏 分 散 は,count(B4:B9)/(count(B 4:B9)-1)*var(B4:B9)とします.countは 範 囲 のセル 数 を 与 える 関 数 です.こ こでは,たまたま 引 数 がセル 範 囲 の 関 数 だけを 使 用 しました. 引 数 の 範 囲 指 定 はマ ウスカーソルの 移 動 でも 入 力 できます.C 列,D 列 にも 同 様 に 入 力 するので,ここでも 次 のようにしてセルの 複 写 命 令 が 使 えます. B10にマウスを 移 動 し,B11までドラッグし Ctrl + C を 押 します.C10にマウ スを 移 動 し,D11までドラッグし 複 写 先 を 指 定 します. 最 後 に Ctrl + V を 押 すと 複 写 されます.この 場 合 も, 範 囲 を 表 すセル 番 地 が 調 整 されて 複 写 されます.あとは タイトルを 変 更 して, 罫 線 や 表 示 形 式 を 整 えれば 完 成 です.[ファイル] [ 名 前 を 付 けて 保 存 (A)]の 順 にクリックし, 必 要 に 応 じてHドライブへ 切 り 換 えた 後, rensyu2 で 保 存 します. ( 補 足 )オートサムの 機 能 を 使 うと 便 利 です. 例 えば, B4 と C4 の 合 計 を 求 める ときは,セル 範 囲 を 指 定 し,ツールバーから のアイコンをクリックしま す. 合 計 が 自 動 的 に 計 算 され, 結 果 が D4 に 格 納 されます( 図 18). 図 18 オートサム1 14
その 他 の 方 法 として, 結 果 を 格 納 するセル(この 場 合 D4 )を 先 にクリックしておき, ツールバーの をクリックすると, 集 計 する 範 囲 が 点 線 で 囲 まれて 表 示 されます. 以 下 の 例 では, A4 から C4 までを 合 計 するように 解 釈 されていま す.マウスで B4 から C4 をドラッグし, Enter を 押 すと 正 しい 結 果 が 表 示 されま す. 図 19 オートサム2 10 グラフ 機 能 A 列 の1,2,3...が 例 えば 等 間 隔 の 時 刻 を 表 しており,XとYの 時 間 変 化 を 折 れ 線 グラフで 表 示 したいものとします.まず,グラフ 表 示 するデータの 範 囲 を 指 定 します. マウスポインタをA3へ 移 動 し,C9までドラッグします.[ 挿 入 ][ 折 れ 線 ][マーカー 付 き 折 れ 線 ]の 順 にクリックします( 図 20). 図 21に 示 すグラフが 表 示 されます. 15
図 20 グラフの 表 示 グラフ タイトル 45.0 40.0 35.0 30.0 25.0 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 1 2 3 4 5 6 X Y 図 21 グラフの 表 示 16
11 練 習 3 図 22のように(x,y)の 相 関 係 数 rと, 最 小 2 乗 法 による 回 帰 直 線 y=a+b*xの 係 数 a,bを 求 め,グラフを 描 きます. 練 習 3: 相 関 係 数 と 線 形 回 帰 S ( x y ) r S ( x x ) S ( y y ) Sxx ( ) xの 分 散 Syy ( ) yの 分 散 {( Sx y) Sxx ( ) Syy ( )} Sxy ( ) xy, の 共 分 散 2 a y x b Sxy ( ) b Sxx ( ) グラフ タイトル 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 Y a + b * x 図 22 練 習 3 17
12 絶 対 参 照 ここで 絶 対 参 照 の 使 い 方 の 一 例 を 示 します. 練 習 2の 表 を 修 正 して, 次 のように 入 力 します. A13 共 分 散, B13 =(D11-B11-C11)/2 A14 相 関 係 数, B14 =B13/sqrt(B11*C11) D13 a =, E13 =C10-B10*E14 D14 b =, E14 =B13/B11 これでr,a,bは 表 に 求 められましたが,グラフを 画 くためには 回 帰 式 から 計 算 され るyの 値 を 表 に 求 める 必 要 があります.まず, E3 a+b*x, E4 =$E$13+$E$14*B4 とし,これを E5:E9 に 複 写 します. この 結 果 E5:=$E$13+$E$14*B5... となります.E4の 式 のセル 番 地 のうち 最 初 の $E$13 と $E$14 は 行 記 号 と 列 番 号 の 先 頭 に $] がついて います.これが 絶 対 参 照 です. 複 写 しても 相 対 参 照 と 異 なり,そのまま 複 写 されます. E4の 式 を 単 に =E13+E14*B4 として 複 写 すると, E5:=E14+E15*B5... と,1つずつずれて 目 的 の 式 になりません.グラフの 表 示 は, 散 布 図 を 使 います. 表 示 するセルを 選 択 した 後,[ 挿 入 ][ 散 布 図 ]の 順 にクリックします. 図 23 散 布 図 の 表 示 18
13 連 続 データ 作 成 と 数 表 練 習 4 SinとCosの 数 表 図 24 数 表 連 続 データ 作 成 の 機 能 を 使 うと 便 利 です.A4からA13までの 数 値 は,この 機 能 を 使 って, 次 のように 入 力 することができます.A4にマウスポインタを 移 動 し0を,A5に マウスポインタを 移 動 し5を 入 力 します.A4からA5をマウスでドラッグします. 図 25 オートフィルの 準 備 A5のセルの 右 下 にあるフィルハンドル(+)を,A13までドラッグします( 図 26). 19
オートフィルが 完 了 します( 図 27). 図 26 オートフィル 図 27 オートフィルの 完 了 20
B4およびC4に 以 下 の 式 を 入 力 します. B4 =SIN(A4*PI()/180)] C4 =COS(A4*PI()/180)] 複 写 元 にB4とC4を 指 定 し, 複 写 先 をB5からC13にして 複 写 します. A 列 の 列 幅 を 変 更 してありますが,これはA 列 とB 列 の 境 界 をマウスでドラッグする と, 自 由 に 幅 を 変 えられます. 14 終 わりに メニューの 豊 富 さからもわかるように,これまで 説 明 した 機 能 は Excel のほんの 一 部 にすぎません. 操 作 を 自 動 化 するマクロ 機 能 やデータベース 機 能 を 除 けば,これま で 説 明 した 操 作 の 延 長 線 上 で 大 体 理 解 できるものと 思 われます.メニューの 説 明 で ある 程 度 推 測 できますが, 詳 しくはヘルプ 機 能 を 使 うかマニュアルを 参 考 にしてくださ い.ヘルプを 参 照 するには,メニュー 選 択 の 途 中 など 説 明 がほしい 時 点 で をクリッ クします. 21