Microsoft Word - 05編_建築物被害.doc

第 5 編 建 築 物 被 害 の 想 定 5-1 5.1 被 害 基 準 5-1 5.2 現 況 データ 5-5 5.3 揺 れによる 被 害 5-13 5.3.1 予 測 方 針 5-13 5.3.2 予 測 手 法 5-14 5.3.3 予 測 結 果 5-16 5.4 液 状 化 による 被 害 5-20 5.4.1 予 測 方 針 5-20 5.4.2 予 測 手 法 5-21 5.4.3 予 測 結 果 5-23 5.5 急 傾 斜 地 崩 壊 による 被 害 5-26 5.5.1 予 測 方 針 5-26 5.5.2 予 測 手 法 5-26 5.5.3 予 測 結 果 5-31 5.6 津 波 による 被 害 5-33 5.6.1 予 測 方 針 5-33 5.6.2 予 測 手 法 5-34 5.6.3 予 測 結 果 5-35

第 5 編 建 築 物 被 害 の 想 定 5.1 被 害 基 準 本 調 査 における 建 築 物 被 害 の 算 出 は 震 災 特 別 委 員 会 調 査 指 標 である 大 破 または 全 壊 を 大 破 と 読 み 替 え 中 程 度 の 損 傷 を 中 破 と 読 み 替 えて 算 出 し 一 方 で 自 治 体 基 準 (り 災 )の 全 壊 半 壊 数 を 算 出 した 各 被 害 基 準 を 次 に 示 す 1 構 造 的 基 準 ( 日 本 建 築 学 会 調 査 ) 構 造 的 被 害 に 基 づく 調 査 主 として 建 築 構 造 系 の 方 々が 調 査 したもの 2 震 災 復 興 都 市 づくり 特 別 委 員 会 基 準 再 使 用 再 利 用 可 能 性 に 基 づく 調 査 主 として 建 築 計 画 系 の 方 々が 調 査 したもの 3 自 治 体 基 準 建 物 の 財 産 的 価 値 に 基 づく 調 査 主 として 自 治 体 の 職 員 が 調 査 したもの 図 5.1-1 1995 年 兵 庫 県 南 部 地 震 における 被 災 度 指 標 の 対 応 関 係 ( 宮 腰 他 2000) 1) 5-1

表 5.1-1 日 本 建 築 学 会 による 構 造 的 な 被 害 による 被 災 度 判 定 基 準 5-2

表 5.1-2 震 災 復 興 都 市 づくり 特 別 委 員 会 による 被 災 度 判 定 基 準 5-3

表 5.1-3 平 成 13 年 6 月 内 閣 府 政 策 統 括 官 ( 防 災 担 当 ) 通 知 による 災 害 の 被 害 認 定 基 準 2) ( 自 治 体 基 準 ) 被 害 種 類 死 者 行 方 不 明 者 重 傷 者 軽 傷 者 認 定 基 準 当 該 災 害 が 原 因 で 死 亡 し 死 体 を 確 認 したもの または 死 体 を 確 認 することができないが 死 亡 したことが 確 実 なもの とする 当 該 災 害 が 原 因 で 所 在 不 明 となり かつ 死 亡 の 疑 いのあ るものとする 災 害 のため 負 傷 し 医 師 の 治 療 を 受 けまたは 受 ける 必 要 のあるもののうち 重 傷 者 とは1 月 以 上 の 治 療 を 要 する 見 込 みの 者 とし 軽 傷 者 とは 1 月 未 満 で 治 療 できる 見 込 みの 者 とする 住 家 全 壊 ( 全 焼 全 流 失 ) 住 家 がその 居 住 のための 基 本 的 機 能 を 喪 失 したもの す なわち 住 家 全 部 が 倒 壊 流 失 埋 没 焼 失 したもの また は 住 家 の 損 壊 が 甚 だしく 補 修 により 元 通 りに 再 使 用 する ことが 困 難 なもので 具 体 的 には 住 家 の 損 壊 焼 失 若 しく は 流 失 した 部 分 の 床 面 積 がその 住 家 の 延 床 面 積 の70% 以 上 に 達 した 程 度 のもの または 住 家 の 主 要 な 構 成 要 素 の 経 済 的 被 害 を 住 家 全 体 に 占 める 損 害 割 合 で 表 し その 住 家 の 損 害 割 合 が50% 以 上 に 達 した 程 度 のものとする 住 家 半 壊 ( 半 焼 ) 住 家 非 住 家 住 家 がその 居 住 のための 基 本 的 機 能 の 一 部 を 喪 失 したも の すなわち 住 家 の 損 壊 が 甚 だしいが 補 修 すれば 元 通 りに 再 使 用 できる 程 度 のもので 具 体 的 には 損 壊 部 分 が その 住 家 の 延 床 面 積 の20% 以 上 70% 未 満 のもの また は 住 家 の 主 要 な 構 成 要 素 の 経 済 的 被 害 を 住 家 全 体 に 占 める 損 害 割 合 で 表 し その 住 家 の 損 害 割 合 が20% 以 上 5 0% 未 満 のものとする 現 実 に 居 住 のため 使 用 している 建 物 をいい 社 会 通 念 上 の 住 家 であるかどうかを 問 わない 住 家 以 外 の 建 築 物 をいうものとする なお 官 公 署 学 校 病 院 公 民 館 神 社 仏 閣 等 は 非 住 家 とする ただし これらの 施 設 に 常 時 人 が 居 住 している 場 合 には 当 該 部 分 は 住 家 とする ( 注 ) (1) 住 家 被 害 戸 数 については 独 立 して 家 庭 生 活 を 営 むことができるよう に 建 築 された 建 物 または 完 全 に 区 画 された 建 物 の 一 部 を 戸 の 単 位 と して 算 定 するものとする (2) 損 壊 とは 住 家 が 被 災 により 損 傷 劣 化 傾 斜 等 何 らかの 変 化 を 生 じ ることにより 補 修 しなければ 元 の 機 能 を 復 元 し 得 ない 状 況 に 至 った ものをいう (3) 主 要 な 構 成 要 素 とは 住 家 の 構 成 要 素 のうち 造 作 等 を 除 いたものであ って 住 家 の 一 部 として 固 定 された 設 備 を 含 む 5-4

5.2 現 況 データ 建 物 データは 平 成 20 年 3 月 時 点 での 固 定 資 産 データより 町 丁 目 毎 に 現 況 を 把 握 し 都 市 計 画 図 よりその 分 布 を 把 握 した 図 5.2-1 にメッシュごとの 棟 数 分 布 を 示 した さらに 前 回 調 査 (H9)で 利 用 したデータと 比 較 し 建 物 の 変 化 の 確 認 を 試 みた その 結 果 全 建 物 棟 数 は 僅 かに 減 少 しているが 住 家 棟 数 は 20% 程 度 増 えている この 傾 向 は 住 宅 土 地 統 計 調 査 5) の 結 果 や 最 近 の 川 崎 市 の 人 口 増 とも 整 合 する しかし 非 住 家 に 関 しては 大 幅 に 減 少 している この 結 果 が 建 物 現 況 を 正 確 に 反 映 していると は 考 えがたく 原 因 としては 旧 被 害 想 定 データで 本 調 査 では 除 外 しているような 狭 小 建 物 や 用 途 区 分 の 建 物 が H9 時 点 では 細 かなデータが 分 かれてなく 除 外 していなかった 可 能 性 が 考 えられ る 新 耐 震 基 準 の 割 合 は 約 10 年 間 の 自 然 更 新 の 影 響 が 大 きく 25% 増 であった 表 5.2-1 に 新 旧 被 害 想 定 建 物 データ 比 較 一 覧 を 示 した 表 5.2-2~ 表 5.2-4 図 5.2-2~ 図 5.2-7 に 各 区 の 建 物 棟 数 一 覧 を 示 した ここでは 建 物 の 建 築 年 代 ごとの 棟 数 を 示 した なお 建 築 年 代 の 区 分 は 建 築 基 準 法 の 改 正 等 の 時 期 ( 区 分 の 違 いに よって 耐 震 性 能 が 異 なる)に 則 して 区 分 した 表 5.2-1 新 旧 被 害 想 定 建 物 データ 比 較 一 覧 全 建 物 住 家 非 住 家 RC S 新 耐 震 基 準 割 合 住 宅 土 地 統 計 調 査 S63 3) 232,526 170,840 61,686 年 H9 4) 年 251,116 173,758 77,358 195,212 15,749 40,155 34% 184,970 (H10) H20 年 242,638 207,502 35,136 166,376 23,890 52,372 59% 198,710 (H15) 増 減 8,478 33,744 42,222 28,836 15,821 28,932 25% 13,740 ( 3%) (19%) ( 55%) ( 15%) (52%) (30%) (7%) 5-5

図 5.2-1 建 物 棟 数 分 布 5-6

表 5.2-2 建 物 棟 数 一 覧 ( 上 :H9 年 下 :H20 年 ) 区 名 RC 造 S 造 S46~S55 S56 以 降 合 計 合 計 合 計 合 計 川 崎 区 2,632 18,366 10,750 6,759 38,507 1,569 1,015 1,314 3,898 3,143 3,689 6,306 13,138 55,543 幸 区 838 10,788 6,519 4,757 22,902 449 298 619 1,366 593 1,119 2,737 4,449 28,717 中 原 区 1,305 12,440 9,370 7,120 30,235 644 599 1,439 2,682 767 1,750 4,171 6,688 39,605 高 津 区 716 7,667 9,646 7,213 25,242 345 403 1,225 1,973 513 1,319 2,970 4,802 32,017 宮 前 区 278 4,329 10,424 8,705 23,736 180 669 1,265 2,114 165 1,196 2,253 3,614 29,464 多 摩 区 790 8,589 10,893 9,475 29,747 259 546 1,348 2,153 230 1,198 3,174 4,602 36,502 麻 生 区 413 4,888 9,867 9,675 24,843 237 467 859 1,563 155 878 1,829 2,862 29,268 合 計 6,972 67,067 67,469 53,704 195,212 3,683 3,997 8,069 15,749 5,566 11,149 23,440 40,155 251,116 区 名 RC 造 S 造 S46~S55 S56 以 降 合 計 合 計 合 計 合 計 川 崎 区 1,171 8,277 6,728 10,252 26,428 1,131 1,037 2,343 4,511 2,270 3,071 9,414 14,755 45,694 幸 区 420 4,975 4,141 6,947 16,483 247 344 1,144 1,735 394 998 4,364 5,756 23,974 中 原 区 622 5,557 5,672 11,026 22,877 392 648 2,801 3,841 532 1,488 6,703 8,723 35,441 高 津 区 405 3,698 5,984 12,148 22,235 233 412 2,741 3,386 375 1,306 4,984 6,665 32,286 宮 前 区 207 2,474 6,785 14,894 24,360 127 845 2,635 3,607 134 1,116 3,957 5,207 33,174 多 摩 区 420 4,507 6,577 15,263 26,767 237 580 2,931 3,748 156 1,105 5,400 6,661 37,176 麻 生 区 199 2,802 6,408 17,817 27,226 205 586 2,271 3,062 112 794 3,699 4,605 34,893 合 計 3,444 32,290 42,295 88,347 166,376 2,572 4,452 16,866 23,890 3,973 9,878 38,521 52,372 242,638 表 5.2-3 住 家 棟 数 一 覧 ( 上 :H9 年 下 :H20 年 ) 区 名 RC 造 S 造 S46~S55 S56 以 降 合 計 合 計 合 計 合 計 川 崎 区 1,936 12,183 8,621 5,510 28,250 90 178 302 570 136 784 1,842 2,762 31,582 幸 区 660 7,640 5,417 3,829 17,546 67 91 198 356 80 443 1,091 1,614 19,516 中 原 区 948 8,929 7,489 5,464 22,830 52 198 417 667 87 759 1,514 2,360 25,857 高 津 区 409 5,980 7,993 5,690 20,072 49 125 357 531 71 477 1,108 1,656 22,259 宮 前 区 51 3,849 9,182 7,455 20,537 56 291 425 772 60 685 974 1,719 23,028 多 摩 区 360 7,126 9,166 7,446 24,098 63 240 316 619 68 597 1,193 1,858 26,575 麻 生 区 92 4,489 9,248 8,682 22,511 97 295 308 700 104 591 1,035 1,730 24,941 合 計 4,456 50,196 57,116 44,076 155,844 474 1,418 2,323 4,215 606 4,336 8,757 13,699 173,758 区 名 RC 造 S 造 S46~S55 S56 以 降 合 計 合 計 合 計 合 計 川 崎 区 917 6,632 6,194 9,896 23,639 197 331 1,371 1,899 192 1,030 5,567 6,789 32,327 幸 区 366 4,146 3,815 6,714 15,041 104 202 833 1,139 72 562 3,419 4,053 20,233 中 原 区 487 4,713 5,327 10,705 21,232 149 356 2,205 2,710 74 838 5,216 6,128 30,070 高 津 区 287 3,297 5,654 11,788 21,026 81 250 2,231 2,562 63 600 3,565 4,228 27,816 宮 前 区 124 2,308 6,536 14,579 23,547 94 655 2,248 2,997 50 713 2,943 3,706 30,250 多 摩 区 343 4,115 6,313 14,910 25,681 161 432 2,415 3,008 44 738 4,439 5,221 33,910 麻 生 区 144 2,680 6,247 17,547 26,618 146 489 1,908 2,543 70 584 3,081 3,735 32,896 合 計 2,668 27,891 40,086 86,139 156,784 932 2,715 13,211 16,858 565 5,065 28,230 33,860 207,502 表 5.2-4 非 住 家 (その 他 含 む) 棟 数 一 覧 ( 上 :H9 年 下 :H20 年 ) 区 名 RC 造 S 造 S46~S55 S56 以 降 合 計 合 計 合 計 合 計 川 崎 区 696 6,183 2,129 1,249 10,257 1,479 837 1,012 3,328 3,007 2,905 4,464 10,376 23,961 幸 区 178 3,148 1,102 928 5,356 382 207 421 1,010 513 676 1,646 2,835 9,201 中 原 区 357 3,511 1,881 1,656 7,405 592 401 1,022 2,015 680 991 2,657 4,328 13,748 高 津 区 307 1,687 1,653 1,523 5,170 296 278 868 1,442 442 842 1,862 3,146 9,758 宮 前 区 227 480 1,242 1,250 3,199 124 378 840 1,342 105 511 1,279 1,895 6,436 多 摩 区 430 1,463 1,727 2,029 5,649 196 306 1,032 1,534 162 601 1,981 2,744 9,927 麻 生 区 321 399 619 993 2,332 140 172 551 863 51 287 794 1,132 4,327 合 計 2,516 16,871 10,353 9,628 39,368 3,209 2,579 5,746 11,534 4,960 6,813 14,683 26,456 77,358 区 名 RC 造 S 造 S46~S55 S56 以 降 合 計 合 計 合 計 合 計 川 崎 区 254 1,645 534 356 2,789 934 706 972 2,612 2,078 2,041 3,847 7,966 13,367 幸 区 54 829 326 233 1,442 143 142 311 596 322 436 945 1,703 3,741 中 原 区 135 844 345 321 1,645 243 292 596 1,131 458 650 1,487 2,595 5,371 高 津 区 118 401 330 360 1,209 152 162 510 824 312 706 1,419 2,437 4,470 宮 前 区 83 166 249 315 813 33 190 387 610 84 403 1,014 1,501 2,924 多 摩 区 77 392 264 353 1,086 76 148 516 740 112 367 961 1,440 3,266 麻 生 区 55 122 161 270 608 59 97 363 519 42 210 618 870 1,997 合 計 776 4,399 2,209 2,208 9,592 1,640 1,737 3,655 7,032 3,408 4,813 10,291 18,512 35,136 5-7

6% 3% 3% 1% 20% 1% 13% 25% 10% 総 数 173800 173,800 棟 90% 29% S46 4% 以 前 1% 24% 総 数 207,500 207500 棟 76% 19% 33% 42% 図 5.2-2 住 家 における 構 造 建 築 年 代 別 割 合 ( 左 :H9 年 右 :H20 年 ) 27% 12% 49% 3% 総 数 77,400 棟 77400 51% 22% 13% 40% 2% 13% 27% 総 数 35,100 35100 棟 73% 6% 14% 6% 11% 12% 19% 図 5.2-3 非 住 家 における 構 造 建 築 年 代 別 割 合 ( 左 :H9 年 右 :H20 年 ) 5-8

17% 7% S46 以 3% 前 1% 27% 11% 6% 川 崎 31,600 棟 31600 89% 39% 4% 1% 21% 27% 31% 3% 川 崎 32,300 32300 棟 73% 21% 19% 3% 7% 3% 1% 21% 2% 20% 20% 10% 幸 19,500 棟 19500 90% 38% S46 4% 以 前 1% 26% 幸 20,200 20200 棟 74% 19% 28% 33% 7% 4% S46 以 4% 前 1% 24% 2% 16% 21% 12% 中 原 25900 25,900 棟 88% 34% S46 4% 以 前 1% 29% 中 原 30,100 30100 棟 71% 18% 29% 35% 26% S57 以 S25 降 以 前 2% 7% 1% 3% 10% 高 津 22300 22,300 棟 90% 26% S46 3% 以 前 1% 21% 24% 1% 12% 高 津 27,800 27800 棟 76% 20% 35% 42% 図 5.2-4 各 区 の 住 家 における 構 造 建 築 年 代 別 割 合 ( 左 :H9 年 右 :H20 年 ) 5-9

S57 以 S25 降 以 前 6% 0% S46 以 4% 前 17% 1% 17% 0% 8% 32% 11% 宮 前 23000 23,000 棟 89% 40% S46 以 5% 前 0% 22% 宮 前 30,300 30300 棟 48% 78% 22% 28% S57 以 S25 降 以 前 6% 1% 3% 0% 9% 多 摩 26600 26,600 棟 91% 27% S46 3% 以 前 1% 20% 24% 1% 12% 多 摩 33,900 33900 棟 76% 19% 35% 44% 35% S57 以 S25 降 以 前 0% S46 以 4% 前 5% 1% 10% 麻 生 24900 24,900 棟 90% 18% 37% S46 以 3% 前 1% 15% 19% 0% 8% 麻 生 32,900 32900 棟 54% 81% 19% 図 5.2-5 各 区 の 住 家 における 構 造 建 築 年 代 別 割 合 ( 左 :H9 年 右 :H20 年 ) 5-10

16% 23% 57% 3% 川 崎 24000 24,000 棟 19% 43% 25% 9% 5% 35% 2% 12% 川 崎 13,400 13400 棟 79% 21% 21% 4% 3% 23% 10% 22% 2% 幸 9,200 9200 棟 34% 35% 1% 42% 幸 58% 61% 3,700 3700 棟 39% 22% 9% 10% 10% 12% 15% 12% 6% 26% 10% 46% 9% 3% 中 原 13700 13,700 棟 12% 54% 26% 14% 38% 69% 3% 中 原 5,400 5400 棟 18% 31% 16% 13% 6% 6% 28% 11% 47% 3% 高 津 9800 9,800 棟 17% 53% 17% 44% 73% 3% 9% 27% 高 津 4,500 4500 棟 7% 8% 10% 8% 16% 19% 図 5.2-6 各 区 の 非 住 家 における 構 造 建 築 年 代 別 割 合 ( 左 :H9 年 右 :H20 年 ) 5-11

33% 50% 4% 7% 宮 前 6400 6,400 棟 50% 19% 47% 72% 3% 6% 9% 28% 宮 前 2,900 2900 棟 11% 4% 14% 4% 19% 20% 31% 43% 4% 多 摩 9900 9,900 棟 15% 57% 17% 45% 67% 2% 12% 多 摩 3,300 棟 3300 33% 8% 11% 9% 4% 20% 16% 6% 32% 46% 11% 4% 麻 生 4,300 4300 棟 7% 9% 54% 23% 14% 49% 70% 3% 6% 8% 麻 生 2,000 2000 棟 30% 15% 14% 5% 図 5.2-7 各 区 の 非 住 家 における 構 造 建 築 年 代 別 割 合 ( 左 :H9 年 右 :H20 年 ) 5-12

5.3 揺 れによる 被 害 5.3.1 予 測 方 針 メッシュごとの 建 物 データ( 構 造 年 代 階 数 )に 地 震 動 液 状 化 危 険 度 を 入 力 して 過 去 の 被 害 地 震 調 査 より 求 まる 被 害 率 曲 線 を 適 用 して 被 害 量 を 推 定 した 本 調 査 では 液 状 化 危 険 度 により 液 状 化 発 生 面 積 率 を 設 定 し メッシュ 内 で 液 状 化 が 発 生 する 地 域 には 液 状 化 による 被 害 のみを 考 慮 した 次 に 各 想 定 手 法 のフローを 示 す 地 震 動 強 さ 建 物 データ 液 状 化 危 険 度 非 液 状 化 地 域 液 状 化 地 域 被 害 率 被 害 率 揺 れによる 被 害 液 状 化 による 被 害 図 5.3-1 揺 れによる 建 築 物 の 想 定 フロー 5-13

5.3.2 予 測 手 法 村 尾 ら(2002) 6) では 1995 年 兵 庫 県 南 部 地 震 の 神 戸 市 灘 区 における 震 災 復 興 都 市 づくり 特 別 委 員 会 の 調 査 より 被 害 関 数 を 設 定 し 既 往 研 究 での 自 治 体 調 査 より 求 められた 被 害 関 数 と 比 較 している その 結 果 自 治 体 による 建 物 被 害 調 査 の 判 定 基 準 は 震 災 復 興 都 市 づくり 特 別 委 員 会 調 査 のも のよりも 緩 い という 傾 向 を 確 認 している 兵 庫 県 南 部 地 震 での 記 録 により 作 成 された 被 害 率 曲 線 には 地 震 動 が 小 さなところでの 立 ち 上 がりについて 課 題 が 多 いことが 指 摘 されている よって 本 調 査 では 境 ほか(2006) 7) でまとめら れている 過 去 の 被 害 事 例 を 追 加 して 村 尾 らの 提 案 式 の 妥 当 性 を 検 証 した その 結 果 構 造 的 な 指 標 での 立 ち 上 がりはほぼ 妥 当 であることを 確 認 した 自 治 体 判 定 基 準 によるものは 地 震 動 が 小 さなところで 実 際 の 被 害 より 被 害 率 曲 線 が 若 干 大 きめである しかし この 問 題 点 を 補 正 す るほどの 被 害 調 査 データがない 現 状 である よって 兵 庫 県 南 部 地 震 の 基 準 であることを 念 頭 に 安 全 側 の 予 測 ( 大 きめの 被 害 量 )として 今 回 は 村 尾 らの 提 案 式 をそのまま 利 用 することとした 村 尾 らの 式 を 構 築 する 際 には 揺 れの 比 較 的 小 さな 大 阪 でのデータなども 利 用 していることも このような 判 断 に 至 った 一 つの 理 由 である 図 5.3-2 神 戸 市 調 査 に 基 づく 建 物 被 害 関 数 ( 左 )と 震 災 復 興 都 市 づくり 特 別 委 員 会 調 査 に 基 づく 建 物 被 害 関 数 ( 右 )( 構 造 建 築 年 代 別 ) 5-14

表 5.3-1 震 災 復 興 都 市 づくり 特 別 委 員 会 調 査 に 基 づく 灘 区 の 建 物 被 害 棟 数 表 5.3-2 灘 区 における 震 災 復 興 都 市 づくり 特 別 委 員 会 調 査 に 基 づく 建 物 被 害 関 数 の 回 帰 係 数 < 震 災 復 興 都 市 づくり 特 別 委 員 会 に 基 づく 建 物 被 害 関 数 > < 神 戸 市 調 査 に 基 づく 建 物 被 害 関 数 > 構 造 被 害 罹 災 被 害 大 破 および 全 壊 率 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 構 造 RC 構 造 S 構 造 全 建 物 大 破 及 び 全 壊 ( 芸 予 まで) 全 建 物 大 破 及 び 全 壊 ( 中 越 ) 全 壊 率 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 罹 災 RC 罹 災 S 罹 災 全 建 物 全 壊 ( 芸 予 まで) 全 壊 ( 中 越 ) 0.2 0.2 0.1 0.1 0.0 0 50 100 150 200 PGV(cm/s) 0.0 0 50 100 150 200 PGV(cm/s) 図 5.3-3 過 去 の 被 害 地 震 記 録 との 比 較 ( 左 ) 自 治 体 基 準 と( 右 ) 構 造 基 準 5-15

5.3.3 予 測 結 果 表 5.3-3 に 揺 れによる 被 害 結 果 一 覧 図 5.3-4 と 図 5.3-5 に 被 害 分 布 を 示 す 南 関 東 地 震 と 東 京 湾 北 部 地 震 の 被 害 のオーダーは 概 ね 同 じである また 川 崎 市 だけで 比 較 す るとこの 二 つの 地 震 は 同 規 模 であり 被 害 エリアも 似 かよっている しかし 周 辺 においては 被 害 が 広 がるエリアはまったく 異 なることに 注 意 する 必 要 がある 表 5.3-3 揺 れによる 被 害 結 果 一 覧 構 造 基 準 川 崎 市 直 下 の 地 震 南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 自 治 体 基 準 川 崎 市 直 下 の 地 震 南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 RC 造 S 造 合 計 大 破 中 破 大 破 中 破 大 破 中 破 大 破 中 破 10,029 10,716 370 875 1,871 2,735 12,271 14,326 6% 6% 2% 4% 4% 5% 5% 6% 1,730 2,815 125 345 867 1,355 2,723 4,514 1% 2% 1% 1% 2% 3% 1% 2% 1,378 2,259 84 266 687 1,135 2,149 3,661 1% 1% 0% 1% 1% 2% 1% 2% RC 造 S 造 合 計 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 27,979 44,583 889 2,540 4,075 7,584 32,942 54,707 17% 27% 4% 11% 8% 14% 14% 23% 6,058 22,971 322 1,045 2,006 3,973 8,387 27,988 4% 14% 1% 4% 4% 8% 3% 12% 4,838 19,226 229 829 1,605 3,429 6,673 23,485 3% 12% 1% 3% 3% 7% 3% 10% 5-16

表 -5.3-4 揺 れによる 構 造 基 準 被 害 RC 造 S 造 軽 量 S 造 合 計 区 名 川 崎 市 直 下 の 地 震 南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 川 崎 市 直 下 の 地 震 南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 川 崎 市 直 下 の 地 震 南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 川 崎 市 直 下 の 地 震 南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 川 崎 区 幸 区 中 原 区 高 津 区 宮 前 区 多 摩 区 麻 生 区 合 計 大 破 中 破 大 破 中 破 大 破 中 破 大 破 中 破 大 破 中 破 大 破 中 破 大 破 中 破 大 破 中 破 大 破 中 破 大 破 中 破 大 破 中 破 大 破 中 破 2,191 2,370 1,150 1,560 948 1,299 98 207 92 177 58 132 627 918 604 842 470 706 2,916 3,495 1,846 2,579 1,476 2,137 8% 9% 4% 6% 4% 5% 2% 5% 2% 4% 1% 3% 4% 6% 4% 6% 3% 5% 6% 8% 4% 6% 3% 5% 1,516 1,536 204 394 90 218 36 78 7 28 4 18 226 326 69 126 44 88 1,777 1,941 280 548 138 324 9% 9% 1% 2% 1% 1% 2% 5% 0% 2% 0% 1% 4% 6% 1% 2% 1% 2% 7% 8% 1% 2% 1% 1% 2,414 2,270 154 346 207 420 84 182 10 47 12 51 401 556 78 150 87 163 2,899 3,008 242 542 306 635 11% 10% 1% 2% 1% 2% 2% 5% 0% 1% 0% 1% 5% 6% 1% 2% 1% 2% 8% 8% 1% 2% 1% 2% 2,124 1,996 116 249 89 201 73 160 7 35 6 30 322 444 55 107 49 97 2,519 2,600 178 392 143 328 10% 9% 1% 1% 0% 1% 2% 5% 0% 1% 0% 1% 5% 7% 1% 2% 1% 1% 8% 8% 1% 1% 0% 1% 953 1,172 49 109 24 58 43 116 4 22 2 15 136 213 24 49 16 35 1,132 1,501 77 180 42 109 4% 5% 0% 0% 0% 0% 1% 3% 0% 1% 0% 0% 3% 4% 0% 1% 0% 1% 3% 5% 0% 1% 0% 0% 484 782 34 96 15 47 19 71 3 21 2 13 96 167 23 49 14 31 599 1,021 60 166 31 91 2% 3% 0% 0% 0% 0% 1% 2% 0% 1% 0% 0% 1% 3% 0% 1% 0% 0% 2% 3% 0% 0% 0% 0% 348 589 23 61 5 16 17 61 2 15 1 7 63 111 15 31 6 14 427 761 39 107 12 37 1% 2% 0% 0% 0% 0% 1% 2% 0% 0% 0% 0% 1% 2% 0% 1% 0% 0% 1% 2% 0% 0% 0% 0% 10,029 10,716 1,730 2,815 1,378 2,259 370 875 125 345 84 266 1,871 2,735 867 1,355 687 1,135 12,271 14,326 2,723 4,514 2,149 3,661 6% 6% 1% 2% 1% 1% 2% 4% 1% 1% 0% 1% 4% 5% 2% 3% 1% 2% 5% 6% 1% 2% 1% 2% 表 -5.3-5 揺 れによる 自 治 体 基 準 被 害 RC 造 S 造 軽 量 S 造 合 計 区 名 川 崎 市 直 下 の 地 震 南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 川 崎 市 直 下 の 地 震 南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 川 崎 市 直 下 の 地 震 南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 川 崎 市 直 下 の 地 震 南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 川 崎 区 幸 区 中 原 区 高 津 区 宮 前 区 多 摩 区 麻 生 区 合 計 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 6,356 8,152 3,790 7,629 3,125 6,899 249 565 227 470 154 371 1,463 2,391 1,412 2,096 1,114 1,847 8,069 11,108 5,429 10,195 4,393 9,118 24% 31% 14% 29% 12% 26% 6% 13% 5% 10% 3% 8% 10% 16% 10% 14% 8% 13% 18% 24% 12% 22% 10% 20% 4,205 5,022 800 3,385 386 2,685 87 220 21 92 12 63 483 917 149 435 95 318 4,775 6,159 969 3,912 493 3,066 26% 30% 5% 21% 2% 16% 5% 13% 1% 5% 1% 4% 8% 16% 3% 8% 2% 6% 20% 26% 4% 16% 2% 13% 6,286 6,976 631 3,762 818 3,946 197 512 29 158 35 169 832 1,508 167 541 187 576 7,315 8,996 827 4,461 1,040 4,691 27% 30% 3% 16% 4% 17% 5% 13% 1% 4% 1% 4% 10% 17% 2% 6% 2% 7% 21% 25% 2% 13% 3% 13% 5,441 6,961 448 2,991 346 2,668 163 457 20 118 16 101 664 1,197 117 390 105 354 6,269 8,616 585 3,499 467 3,124 24% 31% 2% 13% 2% 12% 5% 14% 1% 3% 0% 3% 10% 18% 2% 6% 2% 5% 19% 27% 2% 11% 1% 10% 2,821 6,552 175 1,848 84 1,253 100 358 10 78 6 55 281 638 59 190 43 141 3,202 7,548 244 2,116 133 1,448 12% 27% 1% 8% 0% 5% 3% 10% 0% 2% 0% 2% 5% 12% 1% 4% 1% 3% 10% 23% 1% 6% 0% 4% 1,679 5,834 134 2,003 60 1,232 49 230 10 74 5 45 207 581 59 203 39 136 1,936 6,645 202 2,281 104 1,414 6% 22% 0% 7% 0% 5% 1% 6% 0% 2% 0% 1% 3% 9% 1% 3% 1% 2% 5% 18% 1% 6% 0% 4% 1,190 5,085 82 1,353 19 543 44 197 7 55 2 25 144 352 43 117 21 57 1,377 5,634 131 1,525 42 624 4% 19% 0% 5% 0% 2% 1% 6% 0% 2% 0% 1% 3% 8% 1% 3% 0% 1% 4% 16% 0% 4% 0% 2% 27,979 44,583 6,058 22,971 4,838 19,226 889 2,540 322 1,045 229 829 4,075 7,584 2,006 3,973 1,605 3,429 32,942 54,707 8,387 27,988 6,673 23,485 17% 27% 4% 14% 3% 12% 4% 11% 1% 4% 1% 3% 8% 14% 4% 8% 3% 7% 14% 23% 3% 12% 3% 10% 5-17

図 5.3-4 揺 れによる 構 造 的 建 物 被 害 ( 中 破 以 上 ) 棟 数 分 布 5-18

図 5.3-5 揺 れによる 自 治 体 判 定 建 物 被 害 ( 半 壊 以 上 ) 棟 数 分 布 5-19

5.4 液 状 化 による 被 害 5.4.1 予 測 方 針 メッシュごとの 建 物 データ( 構 造 年 代 階 数 )に 地 震 動 液 状 化 危 険 度 を 入 力 して 過 去 の 被 害 地 震 調 査 より 求 まる 被 害 率 を 適 用 して 被 害 量 を 推 定 した 本 調 査 では 液 状 化 危 険 度 により 液 状 化 発 生 面 積 率 を 設 定 し メッシュ 内 で 液 状 化 が 発 生 する 地 域 には 液 状 化 による 被 害 のみを 考 慮 した 次 に 各 想 定 手 法 のフローを 示 す 地 震 動 強 さ 建 物 データ 液 状 化 危 険 度 非 液 状 化 地 域 液 状 化 地 域 被 害 率 被 害 率 揺 れによる 被 害 液 状 化 による 被 害 図 5.4-1 液 状 化 よる 建 築 物 の 想 定 フロー 5-20

5.4.2 予 測 手 法 表 5.4-1 に 示 す 微 地 形 ごとの 液 状 化 面 積 率 と 低 減 係 数 により メッシュ 毎 に 対 象 となる 建 物 割 合 を 算 出 し 表 5.4-2 表 5-4.3 に 示 す の 被 害 率 を 掛 け 合 わせることで 全 壊 半 壊 棟 数 を 算 出 した その 際 揺 れと 液 状 化 のダブルカウントを 防 ぐため 液 状 化 面 積 率 を 用 いて 被 害 数 を 区 別 した 表 5.4-1 微 地 形 区 分 の 1km メッシュ 平 均 液 状 化 面 積 率 及 び P L 値 による 低 減 係 数 ( 損 害 保 険 料 率 算 出 機 構 2006) 8) 微 地 形 区 分 埋 立 地 自 然 堤 防 旧 河 道 砂 丘 末 端 緩 斜 面 砂 丘 間 低 地 砂 丘 砂 州 砂 礫 州 後 背 湿 地 三 角 州 海 岸 低 地 扇 状 地 型 谷 底 低 地 デルタ 型 谷 底 低 地 急 勾 配 扇 状 地 緩 勾 配 扇 状 地 干 拓 地 1kmメッシュ 平 均 液 状 化 根 拠 面 積 率 (%) 20 兵 庫 県 南 部 地 震 の 値 10 日 本 海 中 部 地 震 新 潟 県 中 越 地 震 の 値 25 新 潟 地 震 の 値 太 平 洋 側 : 5 ( 砂 丘 と 同 じとする) 日 本 海 側 : 15 日 本 海 中 部 地 震 新 潟 県 中 越 地 震 の 値 太 平 洋 側 : 5 日 本 海 中 部 地 震 新 潟 県 中 越 地 震 の 値 日 本 海 側 : 5 ( 砂 丘 と 同 じとする) 5 砂 州 砂 礫 洲 砂 丘 間 低 地 と 同 程 度 と 仮 定 5 日 本 海 中 部 地 震 新 潟 県 中 越 地 震 の 値 3 日 本 海 中 部 地 震 新 潟 県 中 越 地 震 の 値 太 平 洋 側 : 2 千 葉 県 東 方 沖 地 震 兵 庫 県 南 部 地 震 の 値 日 本 海 側 : 10 日 本 海 中 部 地 震 新 潟 県 中 越 地 震 の 値 3 日 本 海 中 部 地 震 新 潟 県 中 越 地 震 の 値 3 日 本 海 中 部 地 震 新 潟 県 中 越 地 震 の 値 1 兵 庫 県 南 部 地 震 の 値 1 兵 庫 県 南 部 地 震 の 値 15 日 本 海 中 部 地 震 新 潟 県 中 越 地 震 の 値 PL 値 の 範 囲 PL 値 による 低 減 係 数 PL=0 0.0 0<PL 5 0.2 5<PL 15 0.6 15<PL 1.0 ( 損 害 保 険 料 率 算 出 機 構 : 地 震 保 険 研 究 15) 5-21

建 物 液 状 化 の 発 生 状 況 埋 立 地 顕 著 な 流 動 化 が 予 測 される 地 域 ( 日 本 海 側 の 砂 丘 末 端 緩 斜 面 ) 上 記 以 外 の 地 域 表 5.4-2 液 状 化 による 建 物 の 被 害 率 ( 千 葉 県 2008) 9) 住 宅 基 礎 の 状 況 基 礎 が 全 般 的 に 強 い (1971 年 以 降 の 住 宅 ) 基 礎 が 全 般 的 に 弱 い (1970 年 以 前 の 住 宅 ) 基 礎 が 全 般 的 に 強 い (1971 年 以 降 の 住 宅 ) 基 礎 が 全 般 的 に 弱 い (1970 年 以 前 の 住 宅 ) 全 壊 率 (%) 半 壊 率 (%) 5 65 根 拠 1995 年 兵 庫 県 南 部 地 震 ( 芦 屋 浜 ) 2000 年 鳥 取 県 西 部 地 震 ( 安 倍 彦 名 + 富 益 団 地 ) 2007 年 新 潟 県 中 越 沖 地 震 ( 山 本 団 地 ) 45 45 1983 年 日 本 海 中 部 地 震 ( 砂 丘 性 平 坦 地 等 ) 1 30 2007 年 新 潟 県 中 越 沖 地 震 ( 橋 場 地 区 ) 25 25 1983 年 日 本 海 中 部 地 震 ( 砂 丘 地 等 ) 表 5.4-3 液 状 化 による 建 物 の 被 害 率 ( 千 葉 県 2008) 9) 基 礎 の 状 況 全 壊 率 (%) 半 壊 率 (%) 建 物 杭 なし 23 30 杭 あり (4 階 以 上 の 建 物 1960 年 以 降 の1~3 階 の20% の 建 物 ) 0 0 5-22

5.4.3 予 測 結 果 表 5.4-4 に 液 状 化 による 被 害 結 果 一 覧 図 5.4-2 に 被 害 分 布 を 示 す 揺 れによる 被 害 と 異 なり 3つの 地 震 とも 被 害 に 大 きな 差 はない これは 液 状 化 するエリア が 沿 岸 部 に 比 較 的 限 定 され かつどの 地 震 も 液 状 化 が 発 生 するには 十 分 に 大 きな 揺 れが 想 定 され ているためである 表 5.4-4 液 状 化 による 被 害 結 果 一 覧 想 定 地 震 川 崎 市 直 下 の 地 震 南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 RC 造 S 造 合 計 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 255 840 60 79 325 424 640 1,343 0.2% 0.5% 0.3% 0.3% 0.6% 0.8% 0.3% 0.6% 197 642 52 67 275 359 524 1,068 0.1% 0.4% 0.2% 0.3% 0.5% 0.7% 0.2% 0.4% 194 633 51 66 269 350 513 1,050 0.1% 0.4% 0.2% 0.3% 0.5% 0.7% 0.2% 0.4% 5-23

表 -5.4-5 液 状 化 による 自 治 体 基 準 被 害 RC 造 S 造 軽 量 S 造 合 計 区 名 川 崎 市 直 下 の 地 震 南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 川 崎 市 直 下 の 地 震 南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 川 崎 市 直 下 の 地 震 南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 川 崎 市 直 下 の 地 震 南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 川 崎 区 幸 区 中 原 区 高 津 区 宮 前 区 多 摩 区 麻 生 区 合 計 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 98 290 84 250 79 235 38 50 36 47 34 45 198 258 184 240 175 228 335 598 304 538 288 508 0% 1% 0% 1% 0% 1% 1% 1% 1% 1% 1% 1% 1% 2% 1% 2% 1% 2% 1% 1% 1% 1% 1% 1% 67 210 50 155 45 138 8 10 6 7 5 7 50 66 37 48 34 44 125 286 92 210 83 188 0% 1% 0% 1% 0% 1% 0% 1% 0% 0% 0% 0% 1% 1% 1% 1% 1% 1% 1% 1% 0% 1% 0% 1% 80 288 57 201 63 224 12 16 9 11 10 13 65 85 47 61 52 68 158 389 112 273 125 305 0% 1% 0% 1% 0% 1% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 1% 1% 1% 1% 1% 1% 0% 1% 0% 1% 0% 1% 8 41 5 28 6 30 2 2 1 1 1 2 9 12 6 8 6 8 19 55 12 37 14 40 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0 2 0 2 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 2 1 2 0 2 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 2 9 1 6 1 5 0 0 0 0 0 0 1 2 1 1 1 1 4 12 2 8 2 7 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 255 840 197 642 194 633 60 79 52 67 51 66 325 424 275 359 269 350 640 1,343 524 1,068 513 1,050 0% 1% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 1% 1% 1% 1% 1% 1% 0% 1% 0% 0% 0% 0% 5-24

図 5.4-2 液 状 化 による 建 物 被 害 棟 数 分 布 5-25

5.5 急 傾 斜 地 崩 壊 による 被 害 5.5.1 予 測 方 針 急 傾 斜 地 崩 壊 による 建 物 被 害 は 急 傾 斜 地 の 地 震 時 危 険 度 ランク 別 の 崩 壊 確 率 と 人 家 被 害 率 より 予 測 した なお 建 物 被 害 の 計 算 単 位 は 急 傾 斜 地 崩 壊 の 起 こりうる 箇 所 毎 に 行 う 5.5.2 予 測 手 法 表 5.5-1 に 地 震 時 危 険 度 ランク 別 の 崩 壊 確 率 を 示 し 表 5.5-2 に 震 度 別 人 家 被 害 率 を 示 す 表 5.5-1 震 度 による 危 険 度 ランク 別 崩 壊 確 率 1 ( 鳥 取 県 (2005) 10) ) 震 度 による 危 崩 壊 確 率 険 度 ランク 2 A 59% B 12% 1 1978 年 宮 城 県 沖 地 震 の 被 害 データを 基 に 設 定 2 震 度 による 危 険 度 ランク A B C の 説 明 について は 第 4 編 4.2 節 4.2.2 を 参 照 C 0% 表 5.5-2 震 度 別 人 家 被 害 率 3 ( 静 岡 県 (2001) 11) ) 被 害 率 震 度 5 弱 震 度 5 強 震 度 6 弱 震 度 6 強 震 度 7 全 壊 率 6% 12% 18% 24% 30% 半 壊 率 14% 28% 42% 56% 70% 3 1978 年 宮 城 県 沖 地 震 伊 豆 大 島 近 海 地 震 の 被 害 を 基 に 設 定 崩 壊 確 率 については 鳥 取 県 (2005) 10) を 参 考 に 1978 年 宮 城 県 沖 地 震 の 斜 面 災 害 データを 用 い て 設 定 した 次 に 設 定 の 考 え 方 を 示 す 11978 年 宮 城 県 沖 地 震 における 急 傾 斜 地 危 険 箇 所 における 自 然 斜 面 の 崩 壊 は 98 箇 所 地 すべり 土 石 流 危 険 箇 所 を 含 む 斜 面 山 腹 崩 壊 危 険 箇 所 における 全 山 崩 れ 数 は 453 箇 所 である これらについては 斜 面 の 危 険 度 ランク 区 分 ( 前 出 のA B Cの 区 分 )ごとの 箇 所 数 は 示 されていない 2 一 方 当 時 の 宮 城 県 内 におけるの 急 傾 斜 地 危 険 箇 所 及 び 斜 面 山 腹 崩 壊 危 険 箇 所 の 危 険 度 ランク 別 の 箇 所 数 は それぞれ 図 5.5-1(1) 図 5.5-1(2)のとおりである 3これらのデータを 基 に まず 1978 年 宮 城 県 沖 地 震 における 自 然 斜 面 の 崩 壊 98 箇 所 は 全 て 図 5.5-1(1)の 急 傾 斜 地 危 険 箇 所 のAランク 斜 面 で 生 じたものと 想 定 してその 崩 壊 確 率 を 求 めると 59%(=98/166)となる これは Aランク 斜 面 の 崩 壊 危 険 度 評 価 としては 安 全 側 の 値 である 4 次 に Bランク 斜 面 の 崩 壊 危 険 度 を 評 価 するために 図 5.5-1(2)のデータを 用 いた この 図 の 全 斜 面 のうち 1978 年 宮 城 県 沖 地 震 での 全 山 崩 れ 数 は 453 箇 所 である これは Aランク 斜 面 の 総 数 より 大 きいので 相 当 数 のBランク 斜 面 が 含 まれるものと 考 えられる そこで Aランク 斜 面 の 崩 壊 危 険 度 として 前 出 の 値 を 用 いて 総 数 291 箇 所 のうちの 59%=172 箇 所 が 5-26

崩 壊 したものと 推 定 した この 値 を 用 いると Bランク 斜 面 の 崩 壊 箇 所 数 は 453-172=281 箇 所 と 推 定 できる これより Bランク 斜 面 の 崩 壊 確 率 を 求 めると 12%(=281/2,311)となる 5なお 図 5.5-1(1)において 98 箇 所 の 崩 壊 が 全 てBランク 斜 面 で 生 じたと 仮 定 すると その 崩 壊 確 率 は 16%(=98/611)となる これは Bランク 斜 面 の 評 価 としては かなり 安 全 側 と 考 えられるが これを 先 に 求 めた 崩 壊 確 率 12%と 比 べてみると 後 者 の 値 は おおむね 妥 当 なものと 考 えてよいと 思 われる 以 上 のような 考 え 方 で 表 5.5-1 の 危 険 度 ランク 別 の 崩 壊 確 率 を 設 定 した 厳 密 にいえば これらの 崩 壊 確 率 は 宮 城 県 沖 地 震 における 震 度 5 弱 程 度 以 上 の 範 囲 全 体 につ いての 評 価 であり 震 度 別 の 違 いは 表 現 できていない しかしながら 震 度 別 に 地 域 区 分 して 崩 壊 確 率 を 算 出 する 作 業 は 現 時 点 で 使 用 できるデータでは 困 難 であるので この 表 の 値 を 全 震 度 に 適 用 することとした 5-27

急 傾 急 斜 傾 地 斜 危 地 険 危 箇 険 所 箇 ( 所 自 ( 然 自 斜 然 面 斜 ):1,062 面 ):1062 箇 所 700 600 500 611 箇 所 数 設 定 した 崩 壊 箇 所 数 箇 所 数 400 300 崩 壊 箇 所 は 全 てAランクと 設 定 285 200 100 166 98 0 A B C 斜 面 の 危 険 度 ランク 図 5.5-1(1) 1978 年 宮 城 県 沖 地 震 自 然 斜 面 の 崩 壊 数 (98 箇 所 )と 斜 面 危 険 度 ランク A の 数 (166 箇 所 )( 宮 城 県 (1986) 12) を 参 考 に 作 成 ) 3,602 3602 箇 所,,うち 実 際 に 崩 壊 453 箇 所 2500 2000 2311 箇 所 数 設 定 した 崩 壊 箇 所 数 箇 所 数 1500 1000 1,000 1000 <1978 年 宮 城 県 沖 地 震 による 被 害 > 1) 自 然 斜 面 の 崩 壊 98 箇 所 2) 山 ( 崖 )くずれ 箇 所 数 453 箇 所 500 0 1) '78 宮 城 県 沖 地 震 災 害 の 教 訓 453-172= ( 自 然 斜 面 被 害 位 置 図 あり) 291 291 59% = 281 172 宮 城 県,1980 0 2) 1978 年 宮 城 県 沖 地 震 の 被 害 報 告 書 A B C ( 位 置 図 なし) 斜 面 の 危 険 度 ランク 自 治 省 消 防 庁,1979 図 5.5-1(2) 1978 年 宮 城 県 沖 地 震 山 ( 崖 )くずれ 総 箇 所 数 (453 箇 所 )と 斜 面 山 腹 崩 壊 危 険 箇 所 などの 危 険 度 ランク A の 数 (291 箇 所 ) ( 宮 城 県 (1986) 12) を 参 考 に 作 成 ) 5-28

また 人 家 被 害 率 については 静 岡 県 (2001) 11) により 1978 年 宮 城 県 沖 地 震 と 1978 年 伊 豆 大 島 近 海 地 震 の 被 害 を 用 いて 設 定 されたものである 図 5.5-2 に 示 すように 安 全 側 にみて 最 大 限 の 家 屋 全 壊 率 半 壊 率 を 見 積 もったものである 図 5.5-2 震 度 別 家 屋 全 壊 率 及 び 半 壊 率 ( 愛 知 県 (2003) 13) ) 図 5.5-2 に 用 いられた 家 屋 被 害 の 詳 細 は 不 明 であるが 図 5.5-3 の 1978 年 宮 城 県 沖 地 震 の 斜 面 被 災 事 例 に 示 すように 崖 下 から 至 近 距 離 に 家 屋 があることがうかがえる また 図 5.5-4 に 示 すように 地 震 による 斜 面 被 害 では 崩 壊 土 砂 の 到 達 距 離 は 約 80%の 斜 面 で 崩 壊 高 の 半 分 (0.5) 未 満 で 止 まっている 一 方 降 雨 による 崖 崩 れについては 図 5.5-5 に 示 すように 崩 壊 土 砂 到 達 距 離 と 崩 壊 高 の 比 が 1.0 以 上 のものが 約 25%もある これらの 点 からみて 今 回 の 被 害 予 測 で 用 いた 静 岡 県 の 想 定 手 法 は 崖 下 から 崖 高 のほぼ1 倍 以 内 の 家 屋 被 害 を 評 価 しているものと 考 えた 5-29

図 5.5-3 1978 年 宮 城 県 沖 地 震 松 島 町 高 山 下 地 区 がけ 崩 れ 被 災 状 況 及 び 横 断 図 ( 土 木 学 会 東 北 支 部 (1980) 14) ) 図 5.5-4 1968 年 えびの 地 震 の 崩 壊 土 砂 到 達 距 離 と 崩 壊 高 ( 斜 面 の 下 端 から 崩 壊 地 の 最 上 部 までの 高 低 差 )の 比 の 度 数 分 布 ( 反 町 (1978) 15) ) 図 5.5-5 降 雨 による 崩 壊 土 砂 到 達 距 離 と 崩 壊 高 の 比 の 度 数 分 布 ( 反 町 (1978) 15) ) 5-30

5.5.3 予 測 結 果 図 5.5-6 に 急 傾 斜 地 崩 壊 による 建 物 被 害 ( 全 壊 棟 数 )を 示 し 表 5.5-3 に 区 ごとの 建 物 被 害 数 を 示 した 南 関 東 地 震 及 び 東 京 湾 北 部 地 震 については 建 物 被 害 ( 全 壊 数 )は 80 棟 程 度 であるが 川 崎 市 直 下 の 地 震 については 建 物 被 害 ( 全 壊 数 )は 279 棟 と 被 害 数 が 多 くなっている 表 5.5-3 急 傾 斜 地 崩 壊 による 建 物 被 害 区 名 川 崎 市 直 下 の 地 震 南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 人 家 戸 数 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 全 壊 半 壊 ( 戸 ) ( 棟 ) ( 棟 ) ( 棟 ) ( 棟 ) ( 棟 ) ( 棟 ) 川 崎 区 0 0 0 0 0 0 0 幸 区 63 0 0 0 0 0 0 中 原 区 126 14 32 2 5 1 1 高 津 区 2,122 98 230 40 94 40 94 宮 前 区 559 50 116 16 38 16 36 多 摩 区 1,200 52 122 7 17 8 18 麻 生 区 1,051 65 151 14 32 10 23 合 計 5,119 279 651 80 186 74 173 小 数 点 以 下 を 四 捨 五 入 しているため 区 ごとの 数 字 と 合 計 が 一 致 しない 場 合 がある 図 5.5-6(1) 急 傾 斜 地 崩 壊 による 全 壊 棟 数 分 布 図 ( 川 崎 市 直 下 の 地 震 ) 5-31

図 5.5-6(2) 急 傾 斜 地 崩 壊 による 全 壊 棟 数 分 布 図 ( 南 関 東 地 震 ) 図 5.5-6(3) 急 傾 斜 地 崩 壊 による 全 壊 棟 数 分 布 図 ( 東 京 湾 北 部 地 震 ) 5-32

5.6 津 波 による 被 害 5.6.1 予 測 方 針 本 来 津 波 による 被 害 は 流 速 などが 複 合 的 に 影 響 するものである しかし 被 害 想 定 における 評 価 手 法 が 確 立 されていないため 本 調 査 では 浸 水 深 と 建 物 被 害 の 関 係 により 全 壊 半 壊 棟 数 床 上 床 下 浸 水 棟 数 を 算 出 した 被 害 算 出 の 条 件 は 基 本 的 には 堤 防 が 機 能 した 場 合 を 想 定 した 図 5.6-1 津 波 による 建 築 物 の 想 定 フロー 5-33

5.6.2 予 測 手 法 首 藤 による 津 波 高 と 各 種 被 害 の 関 係 を 表 5.6-1 それを 整 理 したものを 表 5.6-2 に 示 した 被 害 量 の 予 測 は 想 定 される 津 波 浸 水 範 囲 と 都 市 計 画 図 からわかる 建 物 分 布 を 重 ねること によって 被 害 を 算 出 した 図 5.6-2 に 津 波 浸 水 範 囲 を 示 す 表 5.6-1 津 波 高 と 被 害 程 度 ( 首 藤 (1992) 16) ) 津 波 強 度 0 1 2 3 q4 5 津 波 高 (m) 1 2 4 8 16 32 津 岸 で 盛 上 がる 沖 でも 水 の 壁 先 端 に 第 一 波 でも 緩 斜 面 波 第 二 波 砕 波 砕 波 を 伴 う 卷 き 波 砕 波 を 形 速 い 潮 汐 速 い 潮 汐 ものが 増 え 起 こす 急 斜 面 状 る 前 面 砕 波 による 連 続 音 音 ( 海 鳴 り 暴 風 雨 ) 浜 での 卷 き 波 砕 波 による 大 音 響 ( 雷 鳴 遠 方 では 認 識 されない) 響 崖 に 衝 突 する 大 音 響 ( 遠 雷 発 破 かなり 遠 くまで 聞 こえる) 家 屋 部 分 的 破 壊 全 面 破 壊 石 造 家 屋 持 ちこたえる ( 資 料 無 し) 全 面 破 壊 鉄 コン ヒ ル 持 ちこたえる ( 資 料 無 し) 全 面 破 壊 漁 船 被 害 発 生 被 害 率 50% 被 害 率 100% 防 潮 林 被 害 被 害 軽 微 部 分 的 被 害 全 面 的 被 害 防 潮 林 効 果 津 波 軽 減 漂 流 物 阻 止 漂 流 物 阻 止 無 効 果 養 殖 筏 被 害 発 生 沿 岸 集 落 被 害 発 生 被 害 率 50% 被 害 率 100% 打 上 高 (m) 1 2 4 8 16 32 注 : 表 中 津 波 高 (m)は 船 舶 養 殖 筏 など 海 上 にあるものに 対 しては 汀 線 における 津 波 の 高 さ 家 屋 防 潮 林 など 陸 上 にあるものに 関 しては 地 面 から 測 った 浸 水 深 となっている 最 下 段 は 一 集 落 全 体 を 対 象 とした 表 現 となっており その 集 落 の 浸 水 域 内 で 発 生 した 最 高 遡 上 高 ( 最 高 打 ち 上 げ 高 )(m)と 浸 水 域 内 全 体 としての 家 屋 被 害 率 の 被 害 程 度 との 関 係 になっている 表 5.6-2 浸 水 深 から 予 測 される 被 害 区 分 被 害 区 分 浸 水 深 (H) 全 壊 2.0m H - 半 壊 1.0m H<2.0m - 床 上 浸 水 0.5m H<1.0m 0.5m H 床 下 浸 水 H<0.5m H<0.5m 5-34

南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 川 崎 市 直 下 の 地 震 も 同 等 とする 図 5.6-2 津 波 浸 水 範 囲 5.6.3 予 測 結 果 表 5.6-3 に 津 波 による 被 害 結 果 一 覧 を 示 す 南 関 東 地 震 では 一 部 の 地 域 で 床 上 浸 水 が 起 こる 結 果 となった なお 浸 水 範 囲 の 予 測 は 県 の 調 査 結 果 を 利 用 したため 川 崎 市 直 下 の 地 震 が 対 象 から 外 れて いたが 同 じプレート 境 界 で 同 規 模 の 地 震 が 起 こることを 考 慮 すると 概 ね 東 京 湾 北 部 地 震 と 同 等 の 結 果 であると 予 想 される そのため 川 崎 市 直 下 の 地 震 の 被 害 結 果 は 東 京 湾 北 部 地 震 の 被 害 結 果 を 援 用 した 地 震 川 崎 市 直 下 の 地 震 南 関 東 地 震 東 京 湾 北 部 地 震 表 5.6.3 津 波 による 被 害 結 果 一 覧 ( 棟 ) 区 名 合 計 全 壊 半 壊 床 上 床 下 床 上 床 下 全 壊 半 壊 床 上 床 下 川 崎 区 0 0 0 0 0 2 0 0 0 2 幸 区 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 合 計 0 0 0 0 0 2 0 0 0 2 川 崎 区 0 0 13 298 150 738 0 0 163 1,036 幸 区 0 0 2 1 1 1 0 0 3 2 合 計 0 0 15 299 151 739 0 0 166 1,038 川 崎 区 0 0 0 0 0 2 0 0 0 2 幸 区 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 合 計 0 0 0 0 0 2 0 0 0 2 5-35

参 考 文 献 1) 宮 腰 林 福 和 (2000): 建 物 被 害 データに 基 づく 各 種 の 被 災 度 指 標 の 対 応 関 係 の 分 析, 日 本 建 築 学 会 構 造 工 学 論 文 集, Vol.46B, pp.121-134 2) 内 閣 府 (2001): 平 成 13 年 6 月 28 日 府 政 防 第 518 号 内 閣 府 政 策 統 括 官 ( 防 災 担 当 )から 警 察 庁 警 備 局 長 消 防 庁 次 長 厚 生 労 働 省 社 会 援 護 局 長 中 小 企 業 庁 次 長 国 土 交 通 省 住 宅 局 長 あて 通 知 内 閣 府 防 災 情 報 のページ http://www.bousai.go.jp/hou/pdf/030110.pdf 3) 川 崎 市 (1988): 川 崎 市 地 震 被 害 想 定 調 査 報 告 書 4) 川 崎 市 (1997): 川 崎 市 地 震 被 害 想 定 調 査 報 告 書 近 距 離 地 震 の 追 加 検 討 5) 総 務 省 統 計 局 : 平 成 15 年 住 宅 土 地 統 計 調 査 6) 村 尾 山 崎 (2002): 震 災 復 興 都 市 づくり 特 別 委 員 会 調 査 データに 構 造 建 築 年 を 付 加 した 兵 庫 県 南 部 地 震 の 建 物 被 害 関 数, 日 本 建 築 学 会 構 造 系 論 文 集, 第 555 号, pp.185-192 7) 境 ほか(2006):2004 年 新 潟 県 中 越 地 震 で 発 生 した 地 震 動 と 建 物 被 害 の 対 応 性, 日 本 建 築 学 会 構 造 系 論 文 集, 第 601 号,pp.69-73 8) 損 害 保 険 料 率 算 出 機 構 (2006): 微 地 形 区 分 データを 用 いた 広 域 の 液 状 化 発 生 予 測 手 法 に 関 する 研 究, 地 震 保 険 研 究,No.15 9) 千 葉 県 (2008): 平 成 19 年 度 千 葉 県 地 震 被 害 想 定 調 査 報 告 書 10) 鳥 取 県 (2005): 鳥 取 県 地 震 防 災 調 査 研 究 報 告 書 11) 静 岡 県 (2001): 第 3 次 被 害 想 定 報 告 書 12) 宮 城 県 (1986): 昭 和 60 年 度 宮 城 県 地 震 被 害 想 定 調 査 業 務 報 告 書, p.44 13) 愛 知 県 防 災 会 議 地 震 部 会 (2003): 愛 知 県 東 海 地 震 東 南 海 地 震 等 被 害 予 測 調 査 報 告 書 平 成 14 年 度 版 14) 土 木 学 会 東 北 支 部 (1980):1978 年 宮 城 県 沖 地 震 調 査 報 告 書, p.90 15) 反 町 雄 二 (1978): 地 震 による 斜 面 崩 壊 の 実 態, 土 木 技 術 資 料, vol.20-12, pp.30-35 16) 首 藤 伸 夫 (1992): 津 波 強 度 と 被 害, 津 波 工 学 研 究 報 告, 第 9 号,pp.101-136 5-36