1. 第 三 者 認 証 の 現 状 と 今 後 の 展 開 ~ 海 事 分 野 における 第 三 者 認 証 のトータルサポート ~ 1. はじめに 近 年, 海 事 産 業 において 第 三 者 認 証 として,オイルメジャー 系 船 主 が 造 船 所 に 求 める 労 働 安 全 環 境 マ

技 術 トピックス

1. 第 三 者 認 証 の 現 状 と 今 後 の 展 開 ~ 海 事 分 野 における 第 三 者 認 証 のトータルサポート ~ 1. はじめに 近 年, 海 事 産 業 において 第 三 者 認 証 として,オイルメジャー 系 船 主 が 造 船 所 に 求 める 労 働 安 全 環 境 マネジメントシステム(HSE マネジメントシステム), 認 証 海 技 教 育 訓 練 認 証, 船 舶 の 環 境 パフォーマンスとして Clean Shipping Index(CSI)の 検 証, 地 球 温 暖 化 防 止 への 取 組 み(GHG 排 出 の 検 証 ) 等 様 々な 要 請 を 受 けている このような 状 況 の 中 で, 第 三 者 認 証 の 位 置 付 けと 注 目 されている 認 証 サービスについて 紹 介 する 2. 第 三 者 認 証 サービスについて 2.1 認 証 サービス 導 入 の 歴 史 品 質 マネジメントシステムの 導 入 の 歴 史 を 図 1 に 示 す 図 1 認 証 サービスの 歴 史 2.2 第 三 者 認 証 サービスの 位 置 付 け 条 約 や 法 律 は, 必 ず 守 らなければならない 最 小 要 件 (Minimum Requirements)であるが, 第 三 者 認 証 は,より 高 度 な 品 質 システムが 維 持 されていることを 対 外 的 に 示 すオプション である ClassNK における 第 三 者 認 証 サービスの 位 置 付 けを 図 2 に 示 す 148

図 2 第 三 者 認 証 サービスの 位 置 付 け 3. 総 合 マネジメント 認 証 サービス 3.1 ISO 及 び 条 約 関 係 の 主 な 認 証 サービス 複 数 の 規 格 (ISO9001,14001,OHSAS18001 など)を,より 効 果 的 に 運 用 する 認 証 サー ビスとして, 総 合 マネジメント 認 証 サービスを 提 供 している 複 数 の 認 証 サービスを One Stop にて 提 供 する 総 合 サービスである ISO 認 証 サービスの 種 類 及 び 海 技 認 証 について 図 3 に 示 す ISO9001: 品 質 マネジメントシステム ISO14001: 環 境 マネジメントシステム OHSAS18001(ISO45001): 労 働 安 全 衛 生 マネジメントシステム ISO39001: 道 路 交 通 安 全 マネジメントシステム ISO50001: エネルギーマネジメントシステム HSE( 労 働 安 全 環 境 )マネジメントシステム 海 技 教 育 訓 練 認 証 海 技 教 育 インストラクター 講 習 船 員 派 遣 会 社 MLC 適 合 認 証 図 3 ISO 認 証 サービスの 種 類 及 び 海 技 認 証 複 数 の 規 格 における 共 通 要 求 事 項 を 整 理 するとともに, 海 技 教 育 訓 練 認 証, 海 上 労 働 条 約 関 連 の 認 証 サービスを 含 めた 品 質 マネジメントサービスをプライムマネジメント( 図 4) と 呼 んでいる 149

図 4 プライムマネジメント NK では, 船 舶 など 海 上 交 通 で 得 た 労 働 安 全 環 境 に 関 する 品 質 マネジメントの 経 験, 知 識 を 生 かし, 道 路 交 通 安 全 マネジメントシステム(ISO39001)の 認 証 サービスを 実 施 し ている その 適 用 例 を 図 5 に 示 す 図 5 道 路 交 通 安 全 マネジメントシステム 4. ClassNKが 提 供 する 認 証 サービス 4.1 海 技 教 育 訓 練 認 証 海 技 教 育 訓 練 認 証 とは, 主 に 船 員 の 教 育 訓 練 について, 訓 練 コースや 教 育 プログラムが ある 基 準 を 満 たしていることを 認 証 するものである ある 基 準 とは 次 の 2 つを 示 す 150

(1) 国 際 条 約 を 基 準 とした 認 証 であり,これは IMO の STCW 条 約 が 基 準 となり, 船 員 が 取 得 しなければならない 免 状 の 要 件 にもなっており, 訓 練 については 旗 国 が 責 任 を 持 つことになっている (2) STCW 条 約 以 外 を 基 準 とした 認 証 であり, 主 に 業 界 団 体 が 設 定 する 基 準 を 使 用 する 代 表 的 なものとして,タンカーの 世 界 では INTERTANKO が,ガスの 世 界 では SIGTTO が 船 員 の 能 力 基 準 を 設 定 し,その 能 力 を 満 たした 船 員 を 配 乗 することを 業 界 基 準 とし ている またオフショアの 世 界 では OPITO という 団 体 が 訓 練 基 準 を 設 定 し, 船 員 を 含 めた 作 業 者 全 員 が 受 講 することを 標 準 としている 上 記,(1) 及 び(2)の 認 証 について, 現 在, 第 三 者 機 関 による 認 証 を 求 める 要 望 が 強 く,そ れに 応 えるべく,NK の 海 技 教 育 訓 練 認 証 は 2011 年 からスタートした 現 在 NK が 提 供 し ている 海 技 教 育 訓 練 認 証 をまとめると 図 6 のようになる 図 6 海 技 教 育 訓 練 認 証 の 種 類 具 体 的 な 船 員 の 教 育 訓 練 について,ECDIS( 電 子 海 図 情 報 表 示 システム)のトレーニン グを 例 に 説 明 する 船 員 訓 練 の 国 際 条 約 である STCW 条 約 は,2010 年 に 大 改 正 され,マニラで 採 択 会 議 が 開 催 されたことから,STCW 条 約 2010 マニラ 改 正 と 呼 ばれている この 改 正 において, 代 表 的 な 新 規 訓 練 項 目 として ECDIS の 訓 練 が 入 った 具 体 的 には 5 日 間,40 時 間 のトレーニン グが 要 求 されることとなった STCW 条 約 では 改 正 の 完 全 施 行 まで 5 年 の 移 行 期 間 が 設 けられているため, 旗 国 による トレーニングコースの 認 証 はなかなか 進 まない 状 況 である 一 方 で, 訓 練 証 明 を 要 求 する PSC( 寄 港 国 検 査 )はオーストラリアを 中 心 に 実 施 されつつある 旗 国 の 認 証 が 進 まない 中, 第 三 者 機 関 による 認 証 を 求 める 要 望 が 高 まり, 本 会 は 認 証 サ ービスを 実 施 している さらに 本 会 は ECDIS 訓 練 認 証 に 関 して,リベリア,マーシャル 諸 島 から 代 行 権 限 を 取 得 している 以 上 を 整 理 すると 次 のようになる 151

1. 2010 年 に 大 改 正 (マニラ 改 正 ) 2. 代 表 的 な 新 規 訓 練 項 目 : ECDIS( 電 子 海 図 情 報 表 示 システム)の 訓 練 (5 日 間 :40 時 間 ) 3. 問 題 点 : 旗 国 の 認 証 を 受 けた 訓 練 コースが 少 ない 中 で,PSC で 訓 練 証 明 を 要 求 され る 4. 第 三 者 機 関 による 認 証 を 求 める 要 望 5. リベリア,マーシャル 諸 島 から 旗 国 認 証 の 代 行 権 限 取 得 さらに,ECDIS の 訓 練 に 関 しては,STCW 条 約 では 要 求 されない 搭 載 機 種 別 の 訓 練 もオ イルメジャー, 一 部 の PSC では 要 求 されている 図 7 には ECDIS 搭 載 機 種 別 トレーニン グについてその 概 要 を 示 している 図 7 STCW 条 約 では 要 求 されない 海 技 教 育 訓 練 認 証 について 旗 国 は,STCW 条 約 で 要 求 されない 訓 練 については 認 証 しないことから, 必 然 的 に 第 三 者 機 関 へ 認 証 を 求 めることになり,NK としては 旗 国 やオイルメジャーの 要 求 事 項 を 踏 ま え, 認 証 基 準 を 設 定 し, 認 証 のニーズに 応 えている ガスやオイルタンカー,さらにはオフショアの 世 界 において, 旗 国 が 認 証 しない 業 界 基 準 の 船 員 訓 練 が 今 後 さらに 強 化 されることが 予 想 される 中 で,NK においては, 迅 速 な 情 報 提 供, 訓 練 の 認 証 により, 船 員 というヒューマンファクターへの 認 証 サービスを 展 開 し ている 最 後 に, 図 8 に STCW 条 約 基 本 訓 練 の 認 証 を NK から 取 得 したニッスイマリン 工 業 ( 株 ) におけるサバイバル トレーニングの 模 様 を 示 す 消 火 訓 練, 海 上 での 生 存 訓 練, 水 中 で のヘリコプターからの 脱 出 訓 練 など 実 施 される 152

図8 4.2 サバイバル トレーニング HSE 労働 安全 環境 マネジメント HSE Health, Safety & Environment Management System マネジメントとは 労働衛生 安全 環境に対する企業としての取組みを示す言葉であり 近年 オイルメジャー系船主 が企業に求めている品質システムである 造船所における HSE の位置付けを図 9 に示す HSE = 3つのマネジメントシステムの効果的な一体運営 オイルメジャー要求 品質MS 顧客 ISO 9001 HSE 造船所 監督 環境 ISO 14001 OHSAS18001 メジャーの心配 造船所の危険に慣れていない 艤装員 環境MS 労働安全衛生MS 社員 協力 事業者 用船者 メーカー 取引先 造船所で働く すべての人々の生命も守る 図9 造船所における HSE マネジメントシステムの位置付け HSE 活動事例として 共同 HSE 委員会 の様子を図 10 に示す 船主の経験に基づく HSE 活動のベストプラクティスを造船所に反映させることができるメリットもある また 具体的な HSE 活動事例 海外 として 個人保護具 及び 足場の安全 につ いて その具体的な要件を図 11 に示す 153

図 10 HSE 活 動 事 例 共 同 HSE 委 員 会 図 11 HSE 活 動 事 例 ( 個 人 保 護 具 及 び 足 場 の 安 全 ) HSE 確 立 は, 昨 今 の 激 しい 国 際 競 争 の 中 で, 造 船 所 の 正 しい 安 全 評 価 獲 得, 営 業 力 強 化, 安 全 経 営 力 向 上 に 結 びつくものと 考 えられる NK は 第 三 者 の 視 点 で HSE マネジメ ントシステムの 適 合 性 有 効 性 を 評 価 認 証 する 図 12 には HSE 証 書 の 例 を 示 している 図 12 HSEマネジメントシステムの 適 合 性 有 効 性 を 示 す 証 書 154

4.3 Clean Shipping Index( 船 舶 の 環 境 パフォーマンス 指 標 ) Clean Shipping Index( 以 下,CSI)とは, 船 舶 で 使 用 される 物 質, 或 いは 排 出 される 物 質 を 分 類 (5 分 野 )し,それぞれの 環 境 への 影 響 ( 環 境 パフォーマンス)を 評 価 するもので ある 図 13 には,CSI の 5 分 野 ( 物 質 )を 示 している CSI は,2006 年,スウェーデンの 非 営 利 団 体 Clean Shipping Project (CSP) Forum より 提 案 され,その 目 的 は, 船 舶 で 使 用 される,または 排 出 される 物 質 が,どのように 環 境 へ 影 響 するか,その 評 価 指 標 を 提 供 することであった 現 在, 荷 主 の 集 まりである Clean Shipping Network(CSN)が Clean Shipping Index(CSI) 事 務 局 を 運 営 している CSN のメンバーは,スウェーデン,オランダ,ドイツ,イギリス 等 の 自 動 車 メーカ, 化 学 メーカ, 衣 料 メーカ, 建 設 会 社, 石 油 会 社,エネルギー 会 社 等 30 社 余 りであり, 自 社 製 品 を 輸 送 する 船 舶 の 選 択 に 指 標 を 活 用 している 図 13 Clean Shipping Index としての 5 分 野 ( 物 質 ) CSI による 環 境 パフォーマンスの 評 価 例 を 図 14 に 示 す 各 分 野 30 point を 満 点 として,5 分 野 合 計 150 point を 満 点 (100 %)として 数 値 評 価 を 行 う 図 14 Clean Shipping Index による 評 価 155

4.4 GHG(Greenhouse Gas 温 室 効 果 ガス) 認 証 地 球 温 暖 化 防 止 対 策 として, 温 室 効 果 ガス(Greenhouse Gas)の 削 減 へ 関 心 が 高 まり, 低 CO 2 社 会 の 実 現 に 向 けて, 国 際 社 会 は 種 々の 取 組 みを 実 施 している この 大 きな 流 れの 中, 各 企 業 の 環 境 への 取 組 みは, 投 資 家 やステークホルダーから 企 業 評 価 基 準 の 一 つとされる 時 代 となった 温 室 効 果 ガス 排 出 量 検 証 及 び CSR 報 告 に 関 わるサ ービスを 第 三 者 認 証 として 提 供 している GHG 認 証 の 背 景 について 図 15 に 示 す GHG 排 出 量 を 明 確 にして, 認 証 ( 保 障 )され, 排 出 権 を 確 保 できる 体 制 をつくること 求 められている 図 15 GHG 認 証 の 背 景 GHG として 規 制 対 象 6 物 質 は, 二 酸 化 炭 素,メタン, 一 酸 化 二 窒 素,ハイドロフルオロ カーボン,パーフルオロカーボン, 六 フッ 化 硫 黄 であるが, 温 室 効 果 ガスとしては, 二 酸 化 炭 素 が 約 90% 占 めている NK は, 国 際 基 準 に 基 づき, 船 舶 やビルからの CO 2 排 出 量 を 算 定 し, 報 告 書 を 作 成 する 支 援 を 行 ない, 検 証 声 明 書 を 発 行 している ( 図 16 参 照 ) 図 16 NK による GHG( 温 室 効 果 ガス) 認 証 156

4.5 CDP(Carbon Disclosure Project) 対 策 支 援 カーボン ディスクロージャ プロジェクトとは, 世 界 の 大 手 投 資 家 が, 英 国 にて NGO 団 体 を 設 立 (2000 年 )し, 企 業 に 対 して, 気 候 変 動 への 対 策 や 温 室 効 果 ガスの 排 出 量 に 関 する 公 表 を 求 めるプロジェクト( 以 下 CDP プロジェクト)である CDP プロジェクトでは, 主 要 国 の 複 数 の 大 企 業 へ 気 候 変 動 対 策 について 質 問 表 が 送 付 さ れ,その 回 答 がデータベース 化 され, 開 示 される その 結 果, 主 要 企 業 の 環 境 対 策 に 関 す る 格 付 けが 行 われることとなり,NK は, 温 室 効 果 ガス 排 出 に 関 する 専 門 性 を 有 する 検 証 機 関 として, 企 業 の 環 境 対 策 や CDP プロジェクトへの 対 応 パートナーとして 支 援 を 行 って いる 5. まとめ 第 三 者 認 証 の 現 状 と 今 後 の 展 開 についてまとめると 以 下 のようになる 1 2 3 4 5 第 三 者 認 証 は, 条 約, 法 律, 規 則 を 補 完 し, 企 業 の 高 品 質 な 業 務 を 支 援, 保 障,アピ ールするものである 総 合 マネジメント 認 証 サービスは,ISO9001 を 中 核 とし,ISO14001,39001, OHSAS18001 など 同 時 に 審 査 し, 効 率 よく 認 証 を 行 うサービスである 海 技 教 育 訓 練 認 証 は, 条 約 や 業 界 要 望 に 基 づき 船 員 教 育 訓 練 分 野 で 認 証 を 行 い, 質 の 高 い 船 員 育 成 を 支 援 するサービスである HSE マネジメントシステムは, 労 働 安 全 環 境 に 関 する 一 体 化 された 取 組 みであり, 近 年 オイルメジャー 系 船 主 が 造 船 所 に 求 めている 船 舶 の 環 境 パフォーマンスを 示 す 指 標 として Clean Shipping Index(CSI), 地 球 温 暖 化 対 策 として GHG 排 出 検 証 や Carbon Disclosure Project(CDP)があり, 第 三 者 認 証 が 求 められている NK 認 証 サービス 事 業 部 では, 船 社, 造 船 所,メーカ, 教 育 機 関, 運 輸, 物 流, 代 理 店 等, 顧 客 の 要 請 に 応 じた 認 証 サービスを 実 施 している 157

2014 ClassNK 秋 季 技 術 セミナー 第 三 者 認 証 の 現 状 と 今 後 の 展 開 ~ 海 事 分 野 における 第 三 者 認 証 の トータルサポート~ 1 1. はじめに 2. 第 三 者 認 証 について 3. 総 合 マネジメント 認 証 目 次 ISO 9001, 14001, 39001, OHSAS 18001 4. 最 近 の 第 三 者 認 証 について 4.1 海 技 教 育 訓 練 の 認 証 4.2 HSE( 労 働 安 全 環 境 )マネジメント 4.3 Clean Shipping Index 4.4 GHG 認 証 4.5 CDP(Carbon Disclosure Project) 5. まとめ 2 158

1. はじめに 近 年, 海 事 産 業 において 第 三 者 認 証 として,オイルメジャ ー 系 船 主 が 造 船 所 に 求 める 労 働 安 全 環 境 マネジメント システム(HSEマネージメントシステム) 認 証, 海 技 教 育 訓 練 認 証, 船 舶 の 環 境 パフォーマンスとしてClean Shipping Index(CSI)の 検 証, 地 球 温 暖 化 防 止 対 策 の 検 証 (GHG 排 出 の 検 証 ) 等, 様 々な 要 請 を 受 けている このような 状 況 を 受 け, 第 三 者 認 証 の 位 置 付 けと 注 目 さ れている 各 種 認 証 サービスについて 紹 介 する 3 強 制 任 意 2. 第 三 者 認 証 について 国 際 条 約 (ISM,ISPS,STCW,MLC 等 ) 政 府 代 行 権 限 船 級 協 会 NK 会 社 船 舶 船 員 第 三 者 認 証 ( 検 証 ) 機 関 NK 認 証 サービス 条 約 の 補 完 (ガイドライン) 船 員 訓 練 IMO モデル ISO 国 際 規 格 ISO9001, 14001, OHSAS 等 業 界 規 格 SIGTTO HSE(オイル メジャー) NPO 提 唱 Clean Shipping Index 会 社 の 格 付 け 安 全 環 境 への 意 識 CSRでの GHG 認 証 政 府 の 審 査 を 補 完 国 際 条 約 の 先 行 実 施 159

3. 総 合 マネジメント 認 証 1947 ISO 設 立 (International Organization for Standardization) 1970 代 BS( 英 国 規 格 )が 規 制 緩 和 され,ISO9001の 基 礎 確 立 1980 代 1990 代 2000 代 ISO9000シリーズ( 品 質 マネシ メントシステム) 開 発, 展 開 ISO9001 海 事 分 野 において 導 入 環 境 (ISO14001), 労 働 安 全 衛 生 (OHSAS18001) 展 開 ISO 9001(2000 年 改 正 ) 日 本, 韓 国, 中 国,シンガポールにてHSE 導 入 2010 代 海 技 教 育 訓 練 認 証, 道 路 安 全 マネジメントシステム 導 入 ISO9001(2015 年 改 正 予 定 ) 5 ご 参 考 : ISO 00001はどのような 規 格 か? ISO 00001は, 製 品 の 幾 何 特 性 仕 様 及 び 検 証 の ための 基 準 温 度 ( 摂 氏 20 = 華 氏 68 F)につい て 定 めたものである ( 理 由 ) 製 品 の 寸 法 は, 熱 膨 長 のため, 正 確 な 長 さの 測 定 を 定 められた 温 度 で 行 う 必 要 がある 20 という 基 準 温 度 は,1931 年 4 月 1 日 に 国 際 度 量 衡 委 員 会 に 認 められ,1951 年 に 国 際 標 準 化 機 構 (ISO)の 第 1 号 の 勧 告 となった 20 という 温 度 が 選 ばれた 理 由 は,この 温 度 は 職 場 で 快 適 に 過 ごせる 温 度 であり, 摂 氏 温 度 でも 華 氏 温 度 でも 整 数 になる 値 であり, 分 かり 易 いためである 出 典 : フリー 百 科 事 典 ウィキペディア(Wikipedia) 6 160

3.1 ISO 及 び 条 約 関 係 の 主 なNKの 認 証 サービス ISO9001: 品 質 マネジメントシステム ISO14001: 環 境 マネジメントシステム OHSAS18001(ISO45001): 労 働 安 全 衛 生 マネジメントシステム ISO39001: 道 路 交 通 安 全 マネジメントシステム ISO50001: エネルギーマネジメントシステム HSE( 労 働 安 全 環 境 )マネジメントシステム 海 技 教 育 訓 練 認 証 海 技 教 育 インストラクター 講 習 船 員 派 遣 会 社 MLC 適 合 認 証 7 3.2 道 路 交 通 安 全 マネジメントシステム(ISO39001) 8 161

4.1 海 技 教 育 訓 練 認 証 (1) 国 際 条 約 を 基 準 とした 海 技 教 育 訓 練 認 証 ( 免 状 要 件 として 必 須 : 旗 国 が 責 任 ) STCW 条 約 : 船 員 の 訓 練 及 び 資 格 証 明 並 びに 当 直 の 基 準 に 関 する 国 際 条 約 (2) 国 際 条 約 以 外 を 基 準 とした 海 技 教 育 訓 練 認 証 ( 業 界 要 件 : 船 主 が 担 当 ) INTERTANKO(オイルタンカー 関 係 ), SIGTTO(ガス 関 係 ), OPITO( 海 洋 構 造 物 関 係 ) 9 国 際 条 約 を 基 準 とした 海 技 教 育 訓 練 認 証 (1) 国 際 条 約 を 基 準 とした 海 技 教 育 訓 練 認 証 ( 免 状 要 件 として 必 須 : 旗 国 が 責 任 ) STCW 条 約 1 2010 年 に 大 改 正 (マニラ 改 正 ) 2 代 表 的 な 新 規 訓 練 項 目 :ECDIS( 電 子 海 図 情 報 表 示 システム)の 訓 練 (5 日 間 :40 時 間 ) 3 問 題 点 : 旗 国 の 認 証 を 受 けた 訓 練 コース が 少 ない 中 で,PSCで 訓 練 証 明 を 要 求 さ れる 4 第 三 者 機 関 による 認 証 を 求 める 要 望 5 リベリア,マーシャル 諸 島 から 旗 国 認 証 の 代 行 権 限 取 得 10 162

国際条約以外を基準とした海技教育訓練認証 (2) 国際条約以外を基準とした海技教育訓練認証 業界要件 船主が担当 例 ECDIS搭載機種別トレーニング ① ② ③ ④ 本船に搭載されているメーカー及び機種についての訓練 STCW条約では要求されていない オイルメジャーの検船や一部のPSCで訓練証明を要求 第三者機関による認証を船主ばかりではなく ECDISメー カーからも要望 ⑤ 旗国やオイルメジャーの情報を踏まえた NK認証基準を設定 01 2014/10/1 NK海技教育訓練認証のロゴ 11 海技教育訓練認証 訓練機関の認証 訓練機関 ニッスイマリン工業 日本サバイバルトレーニングセンター 2014/10/1 01 163

4.2 HSE( 労 働 安 全 環 境 )マネジメントシステム Health, Safety & Environment Management System(HSEマネジメントシステム) オイルメジャー 系 船 主 が 造 船 所 に 求 めるHSE ( 労 働 安 全 環 境 )マネジメントシステム 認 証 13 HSEの 位 置 付 け HSE = 3つのマネジメントシステムの 効 果 的 な 一 体 運 営 +オイルメジャー 要 求 品 質 MS HSE 環 境 MS 顧 客 ISO 9001 造 船 所 ISO 14001 環 境 メジャーの 心 配 造 船 所 の 危 険 に 慣 れていない OHSAS18001 労 働 安 全 衛 生 MS 艤 装 員 監 督 社 員 協 力 事 業 者 用 船 者 メーカー 取 引 先 造 船 所 で 働 く,すべての 人 々の 生 命 も 守 る 14 164

共 同 HSE 委 員 会 HSE 活 動 事 例 月 次 トップHSE 委 員 会 船 主 HSE 経 営 層 + 造 船 所 トップ 重 要 事 項 の 決 定, 推 進 週 次 HSE 会 議 デイリー HSE 会 議 顧 客 からベストプラクティスを 学 べて 得 るところ 大 15 個 人 保 護 具 海 外 のHSE 活 動 事 例 高 所 : 足 場 架 設 者 吊 足 場 /Hand Railなし 足 場 使 用 者 Full Bodyハーネス 装 備 眼 : 保 護 ゴーグルは 必 須 要 件 海 上 : 舷 外 海 上 作 業 者 はライフジャケット 足 場 の 安 全 足 場 国 家 規 格 に 従 う(BSEN) 足 場 監 督 は 完 成 点 検 後 合 格 証 にサインして 入 口 掲 示 週 次 点 検 タグによる 安 全 使 用 禁 止 足 場 の 識 別 と 記 録 16 165

NKのHSEマネージメントシステムへの 取 組 み HSE マネジメントシステム 認 証 規 則 制 定 日 2014 年 4 月 28 日 規 則 の 適 用 の 申 込 み チェックリスト HSEチェックリストによる 自 己 診 断 と 申 告 現 地 での 確 認 (NK) OCIMF 要 求 と 整 合 + 特 別 な 項 目 設 定 HSE 証 書 の 発 行 4.3 Clean Shipping Index (CSI) 船 舶 の 環 境 パフォーマンス 指 標 1 2006 年 スウェーデンで 非 営 利 団 体 Clean Shipping Project(CSP)forumがスタート 2 目 的 : 荷 主 が 自 社 製 品 を 運 搬 する 船 舶 の 環 境 への 影 響 について 評 価 できる 指 標 を 提 供 すること 3 現 在, 荷 主 企 業 がメンバーであるClean Shipping Network(CSN)がClean Shipping Index(CSI) 事 務 局 を 運 営 4 CSNのメンバー: スウェーデン,オランダ,ドイツ, イギリス 等 の 自 動 車 メーカ, 化 学 メーカ, 衣 料 メーカ, 建 設 会 社, 石 油 会 社,エネルギー 会 社 等 30 社 余 り 18 166

Clean Shipping Indexとしての5 分 野 二 酸 化 炭 素 硫 黄 酸 化 物 及 び 粒 子 状 物 質 窒 素 酸 化 物 水 及 び 廃 棄 物 化 学 物 質 船 舶 の 運 航 から 影 響 を 受 ける 環 境 5 分 野 に おける 環 境 パフォーマンスを 個 々に 数 値 評 価 19 Clean Shipping Indexによる 評 価 5 分 野 についてそれぞれ30pointを 満 点 として 数 値 評 価 ( 全 体 として150 pointsが 満 点 (100%)) 評 価 点 は,ウエブ 上 で 荷 主 が 見 ることができる 荷 物 を 運 ぶ 船 舶 / 船 社 の 選 定 の 参 考 とする 100% Water and waste Chemicals 30 20 10 0 NOx 80% 60% 40% Good performance Medium performance CO2 評 価 例 SOx and PM 20 20% 0% Low performance 167

Clean Shipping Index(CSI) 検 証 の 流 れ 船 主 CSI 申 請 所 有 船 の 環 境 ハ フォーマン スを 自 己 評 価 本 会 による 検 証 につい て 合 意 する 旨 通 知 受 理 自 己 評 価 結 果 を Databaseに 登 録, 掲 載 船 舶 のDatabaseへ 本 会 のアクセスを 許 可 ClassNK CSI Databaseから 検 証 に 必 要 な 情 報 を 入 手 船 主 の 自 己 評 価 を 検 証 ( 含, 訪 船 など) 検 証 終 了 Certificate of Verificationを 取 得 本 会 による 検 証 結 果 を Databaseに 掲 載 ( 荷 主 が 閲 覧 可 能 ) CSI Databaseへ アップロード 船 主 にCertificate. of Verificationを 発 行 21 4.4 GHG( 温 室 効 果 ガス) 認 証 工 場, 交 通 機 関, 発 電 所,ビルなどからCO 2 排 出 地 球 温 暖 化 防 止 対 策 として, 温 室 効 果 ガス(Greenhouse Gas) の 削 減 へ 関 心 が 高 まり, 低 CO 2 社 会 の 実 現 に 向 けて, 国 際 社 会 は 種 々の 取 組 みを 行 っている この 大 きな 流 れの 中, 各 企 業 の 環 境 への 取 組 みは, 投 資 家 や ステークホルダーから 企 業 評 価 基 準 の 一 つとされる 時 代 となっ た 温 室 効 果 ガス 排 出 量 の 認 証 は,CSR(Corporate Social Responsibility: 企 業 の 社 会 的 責 任 )として 重 要 な 項 目 となって いる 国 際 基 準 に 基 づき 保 証 22 168

GHG認証の背景 ① 2011年南アフリカ COP17 ダーバン合意 すべての国を対象とした新しい法的枠組み2020年発効 実施 2020年度の日本目標 2005年度比3.8%減 日本全体でGHG削減目標の達成が必須という流れ ② IMOの議論 EEOI値のGHG認証手法策定 に日本は主導的な 役割を担っている 今後GHG認証が必須条件となる方向性を考慮し GHG算定手法を企業活動に取り入れることが重要 2014/10/1 01 GHG認証により GHG排出量を明確にして 排出権の確保できる体制をつくること 23 GHG 温室効果ガス 認証 船舶 ヤード オフィスからの CO2 排出 2014/10/1 算定 国際基準に基づき保証 CO2排出量の検証 証明書の発行 01 GHGとしての規制対象は6物質 二酸化炭素 メタン 一酸化二窒素 ハイドロフルオロカーボン パーフルオロカーボン 六フッ化硫黄 169

4.5 CDP(Carbon Disclosure Project) 1 世 界 の 大 手 投 資 家 らが, 英 国 にてNGO 団 体 を 設 立 (2000 年 )し, 企 業 に 対 して, 気 候 変 動 への 対 策 や 温 室 効 果 ガスの 排 出 量 に 関 する 公 表 を 求 めるプロジェ クト( 以 下 CDPプロジェクト)である 2 CDPプロジェクトでは, 主 要 国 の 大 企 業 へ 気 候 変 動 対 策 について 質 問 表 が 送 付 され,その 回 答 がデータ ベース 化 され, 開 示 される( 主 要 企 業 の 環 境 格 付 け が 行 われる) NKは, 専 門 性 を 有 する 検 証 機 関 として, 企 業 の 環 境 対 策 や CDPへ 対 応 パートナーとして 支 援 を 行 う 25 5. まとめ 海 技 教 育 訓 練 認 証 サービス 海 技 教 育 訓 練 認 証 海 技 教 育 訓 練 シミュレータ 認 証 海 技 インストラクター 講 習 PrimeManagement Total Management Certification Service 品 質, 安 全, 環 境 関 連 サービス ISM & ISPSコード 証 書 発 行 ISO 9001, 14001 ISO 14064, 39001,50001 OHSAS18001 CSI 海 上 労 働 条 約 関 連 サービス 船 員 派 遣 会 社 MLC 適 合 認 証 170

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