Microsoft Word - 051-064 坂野先生.doc



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[2] 控 除 限 度 額 繰 越 欠 損 金 を 有 する 法 人 において 欠 損 金 発 生 事 業 年 度 の 翌 事 業 年 度 以 後 の 欠 損 金 の 繰 越 控 除 にあ たっては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 次 ページ 以 降 で 解 説 する の 特 例 (

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特 集 時 系 列 モデル ARA 過 程 の 推 定 について 坂 野 匡 弘 Ⅰ はじめに Ⅱ 時 系 列 データの 定 常 化 概 説 経 営 戦 略 または 経 営 計 画 における 予 測 手 法 として 時 系 列 分 析 は 重 要 な 要 件 である 現 在 時 系 列 分 析 に 関 する 文 献 および 論 文 が 多 く 発 表 されソフトウェアも 専 用 パッケージ の 形 で 市 販 されている しかし 市 販 ソフト は 機 能 的 にクローズされており 企 業 のソフト の 一 部 にプラグインするようなオープンな 形 のソフトウェアは 存 在 しない ソフト 開 発 の ためには 市 販 本 からアルゴリズムを 読 み 取 る こと 自 体 大 変 困 難 である 文 献 の 大 半 は 時 系 列 の 性 質 に 関 する 学 術 的 記 述 が 主 で 実 用 化 のための 時 系 列 の 定 常 化 の 確 定 的 方 法 推 定 の 具 体 的 な 方 法 に 触 れている 文 献 が 少 ないと 思 われる 本 研 究 は 定 常 化 された 時 系 列 ARIA の 推 定 に 関 し 詳 細 に 記 述 しア ルゴリズムも 付 け 加 えた 定 常 化 の 各 論 に 関 しては 多 くの 文 献 に 紹 介 されているので 定 常 化 の 過 程 は 概 略 の 記 述 に 留 めた なお 本 研 究 で 行 った 理 論 の 実 証 のために 時 系 列 の 定 常 化 推 定 はすべて 筆 者 がVBA で 作 成 したプログラムを 用 いた 時 系 列 データの 定 常 化 の 各 々は 多 くの 文 献 に 紹 介 されているので 詳 細 は 割 愛 し 全 体 と してどのような 方 法 で 定 常 化 を 行 ったかの 概 略 を 述 べたい 時 系 列 データは 傾 向 変 動 Tred :T 循 環 変 動 Cclc lcao :C 季 節 変 動 Seasoal varao :S 不 規 則 変 動 Irreglar moo :Iの 要 素 で 結 合 されて いると 考 えられる これらの 変 動 要 素 を 含 ん だ 時 系 列 が SARIA d モデルとして 表 現 される 季 節 変 動 の 除 去 は 中 心 化 項 移 動 平 均 法 を 用 いて 除 去 する 方 法 個 のダミー 変 数 を 用 いて 季 節 指 数 を 推 定 し 原 系 列 から 除 去 する 方 法 センサス 局 法 ⅡX-による 除 去 が 考 えられる 本 研 究 では 中 心 化 ヶ 月 移 動 平 均 を 試 みたが 時 系 列 データの 両 端 に6 項 ずつ の 欠 項 が 生 じそれを 埋 めるためにセンサス 局 法 同 様 のアルゴリズムが 必 要 となるので 本 研 究 ではセンサス 局 法 ⅡX-を 用 いて 原 系 列 から 季 節 変 動 を 除 去 し ARIA d を 得 た 原 系 列 に 含 まれる 循 環 変 動 はいわゆる 景 気 時 系 列 モデル ARA 過 程 の 推 定 について 5

変 動 Bsess lcaoである 年 以 上 の 大 きな 変 動 要 素 である 循 環 変 動 の 除 去 は 周 期 も 長 く 除 去 することは 困 難 を 極 め る 本 研 究 では Blacma-Te 法 またはFFT 法 によりスペクトルを 求 め 求 まった 周 波 数 のフーリエ 級 数 を 用 いて 年 以 上 の 周 期 変 動 を 除 去 した 原 型 列 から 循 環 変 動 季 節 変 動 を 除 去 した 系 列 は 過 去 から 現 在 まで 無 限 の 和 を 持 った 時 系 列 である すなわち 次 あるいは 次 以 上 の 傾 向 を 持 った 非 定 常 な 時 系 列 データであ る d 次 の 多 項 式 を 含 んだ 系 列 の 傾 向 変 動 除 去 はd 階 の 差 分 をとることにより 傾 向 がなく なり 定 常 な 時 系 列 に 変 換 される しかし 不 規 則 変 動 を 含 む 系 列 にd 階 の 階 差 をとること により 移 動 平 均 の 繰 り 返 しで 生 ずるスラッス キー ユール 効 果 と 同 様 な 原 系 列 にはない 波 形 が 生 ずる そこで 階 差 を 用 いずd 次 の 多 項 式 回 帰 分 析 を 用 いて 傾 向 変 動 を 除 去 し 時 系 列 ARA を 得 た Ⅲ ARA モデルの 推 定. AR モデルの 同 定 AR モデルの 偏 自 己 相 関 は 次 で 切 断 c-oされ 次 以 上 では 常 に であることが 知 られている 自 己 偏 相 関 は ρ に 関 する 次 の 方 程 式 ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ を 解 き が 近 似 的 に 正 規 分 布 に 従 うことを 利 用 し 帰 無 仮 説 の 検 定 を 行 い 切 断 される 点 を 求 め AR モデルの 次 数 を 決 定 した. A モデルの 同 定 A モデルの 次 の 自 己 相 関 ρ は 自 己 相 関 を 求 め 次 で 切 断 されそれ 以 上 では 常 に になる ρ は 漸 近 的 に 正 規 分 布 に 従 うことを 利 用 し 帰 無 仮 説 の 検 定 を 行 い 切 断 点 A の を 決 定 した. ARA の 同 定 まず AR モデルの 同 定 を 行 いモデルの 次 数 を 決 定 し これを max とする 5

時 系 列 モデル ARA 過 程 の 推 定 について 5 次 数 を max > < と 変 えながら 残 差 系 列 に 対 する A モデルの 同 定 を 行 い 次 数 を 決 定 する これを 繰 り 返 し AIC Aae s Iormao Creroの 値 が 最 小 となる を 最 適 な ARA とした 4. ARA 時 系 列 モデルの 推 定 平 均 値 回 りの ARA モデル. ここに はパラメータである. 式 を 書 き 替 えると. つぎに の 推 定 値 を の 推 定 値 をとするとき 残 差 を で 表 すと. となり パラメータ R とするとき R に 対 する 二 乗 和 の 最 小 化 問 題 となる

m.4 ここで.6 さらに C とし のヤコビ 行 列 acoba arxを O O.7 とすると.4 式 の 最 小 解 は R.8 となり 非 線 形 連 立 方 程 式 を 解 く 問 題 に 帰 着 される を テーラー 展 開 すると の 近 傍 で 次 の 項 まで { } { } { }.9 である が 正 定 値 であるとすると.9 式 の 次 関 数 の 極 値 は 最 小 点 となるから! { }. この. 式 の 解 を 次 の 点 とする すなわち { } が 正 則 ならば { }. 54

として 与 えられる は におけるヘッセ 行 列 Hessaで. である.8 式 より を 求 めると. { }.4 ここで.4 式 の 次 微 分 の 右 辺 第 項 は 第 項 に 比 較 して 極 小 であると 仮 定 し 省 略 す ると.5 すなわち ガウス ニュートン 法 を 用 いることになる この.5 式 と. 式 よ り. 式 は [ { }] { }.6 として 次 の 停 止 基 準 ermao creroを 満 たすまで について 行 う 時 系 列 モデル ARA 過 程 の 推 定 について 55

56 ε : ε 収 束 判 定 定 数.7 次 に を 求 めるために を 求 める û は に 関 して 非 線 形 であるので û を で 微 分 すると.8.9 が 得 られる これらの 結 果 より による は..

時 系 列 モデル ARA 過 程 の 推 定 について 57. 最 小 二 乗 法 であるので の 値 は 観 測 されていないので これらの 値 をとおいた その 結 果 はそれぞれ 以 下 のようになる..4

58.5..4.5 式 の を 用 いて.6 式 を 表 すと { }.6 となるので 数 列 { } K を 停 止 基 準 を 満 たすまで 求 めることができる 5. ARA 推 定 アルゴリズム [se] ARA モデルの 同 定 の 決 定 [se] 初 期 値 の 設 定. [se] [se4] 残 差 の 計 算

時 系 列 モデル ARA 過 程 の 推 定 について 59 [se5] acoba arxの 計 算 O O O O [se6] Hessaの 計 算 [se7] の 更 新

[se8] 収 束 判 定 ε ε : 収 束 判 定 定 数 を 満 たしていればse9へ 満 たしていなければ を 行 ってse4へ [se9] 終 了 Ⅳ 計 算 例 本 研 究 で 用 いたデータはいささか 古 いが947 年 月 から97 年 月 までの 米 国 の 新 規 住 宅 建 設 費 である 図 は 原 データにセンサス 局 法 ⅡX-により 季 節 変 動 調 整 を 行 った 結 果 で 図 は 除 去 された 季 節 指 数 である Cess 局 法 Ⅱ X-による 季 節 変 動 調 整 5 新 規 住 宅 建 設 数 5 5 TCSI TCI 4 48 7 96 44 月 図 米 国 新 規 住 宅 建 設 費 単 位 万 ドル 出 典 米 国 商 務 省 97 Bsess Sascs 6

季 節 指 数 4 8 6 4 4 48 7 96 44 月 S 図 除 去 された 季 節 指 数 調 整 された 時 系 列 TCI 系 列 より 多 項 式 回 帰 分 析 により 傾 向 変 動 を 除 去 した 系 列 CI を 図 に 示 す 除 去 された 系 列 を 用 いて 年 以 上 の 周 期 をもつ 景 気 変 動 の 周 期 を 調 べるためにBlacma-Te 法 によりスペクトルを 求 めた 結 果 が 図 4である 横 軸 は 周 波 数 をとったが 周 波 数 の 逆 数 より 周 期 を 求 めると57.6ケ 月 であった 求 めた 周 期 のフーリエ 級 数 を 用 いてCI 系 列 の 景 気 変 動 C を 示 し たのが 図 5である 傾 向 変 動 の 除 去 5 5 5 TCI CI -5-48 96 44 9 4 88 月 図 傾 向 変 動 除 去 後 の 系 列 時 系 列 モデル ARA 過 程 の 推 定 について 6

スペクトル 分 析 8 Power Secrm 6 4 -....4.5 Freec 図 4 景 気 変 動 の 周 期 景 気 変 動 の 抽 出 周 期 57.6ヶ 月 CI 6 4 - -4-6 57.6 5. 7.8.4 88 月 CI 景 気 変 動 図 5 フーリエ 級 数 を 用 いた 景 気 変 動 の 抽 出 6

さらにCI 系 列 から 景 気 変 動 C を 除 去 したのが 図 6である 景 気 変 動 除 去 後 の 系 列 ARA - - - -4 48 96 44 9 4 88 月 ARA 図 6 景 気 変 動 を 除 去 したARA 系 列 景 気 変 動 を 除 去 した 系 列 ARA 系 列 に 本 論 分 の 推 定 を 行 い 次 の 結 果 が 得 られた すなわち ARA で AIC 6.9 R. 97.698.75.7 であった 相 関 係 数 AICとも 良 い 結 果 が 得 られた 観 測 値 と 推 定 値 がほぼ 一 致 していることが 図 7のグラフより 明 らかである ARAの 推 定 4 - - - -4 48 96 44 9 4 88 月 観 測 値 推 定 値 図 7 ARA 系 列 の 推 定 結 果 時 系 列 モデル ARA 過 程 の 推 定 について 6

Ⅴ おわりに 計 算 例 で 示 したとおり 時 系 列 モデルの 定 常 化 に 関 しては 季 節 性 の 除 去 センサス 局 法 ⅡX-を 用 いる 傾 向 変 動 の 除 去 多 項 式 回 帰 により 傾 向 を 推 定 し 除 去 する 景 気 変 動 の 除 去 Blacma-Te 法 または 高 速 フーリエ 変 換 によるスペクトルにより 景 気 変 動 の 周 期 を 求 め 求 まった 周 期 のフーリエ 級 数 を 用 いて 景 気 変 動 を 除 去 する 推 定 に 関 しては 非 線 形 最 小 二 乗 法 により 時 系 列 モデルの 推 定 を 行 う その 際 時 間 に 対 する 残 で û に 関 しては 観 測 値 が 無 いの とおくことにより 推 定 可 能 であり 正 規 方 程 式 もガウス ニュートン 法 で 十 分 良 好 な 結 果 が 得 られた 以 上 により 現 実 のデータに 対 し 時 系 列 モ デルの 定 常 化 および 定 常 化 された 時 系 列 モデ ルに 関 する 推 定 に 関 し 実 証 を 行 うことができ た 参 考 文 献 花 村 綾 坂 野 匡 弘 唐 沢 豊 SARIA 過 程 に 従 う 時 系 列 データの 定 常 化 とモデルの 推 定 日 本 ロジスティ クス システム 学 会 第 7 回 全 国 大 会 予 稿 集 4 尾 崎 統 北 川 源 四 郎 時 系 列 解 析 の 方 法 朝 倉 書 店 A C ハーベイ 著 国 友 直 人 / 山 本 拓 訳 時 系 列 モデル 入 門 東 京 大 学 出 版 会 4 W ヴァンデール 著 蓑 谷 千 凰 彦 廣 松 毅 訳 時 系 列 入 門 多 賀 出 版 5 廣 松 毅 浪 花 貞 夫 著 経 済 時 系 列 分 析 多 賀 出 版 6 R ブロックウエル R A デービス 著 逸 見 功 田 中 稔 宇 佐 美 嘉 弘 渡 辺 則 生 訳 時 系 列 解 析 と 予 測 シーエーピ ー 出 版 7 溝 口 敏 行 刈 屋 武 昭 著 経 済 時 系 列 入 門 日 本 経 済 新 聞 社 8 中 塚 利 直 著 時 系 列 解 析 の 数 学 的 基 礎 教 育 出 版 9 杉 原 左 右 一 著 時 系 列 の 統 計 的 研 究 東 洋 経 済 新 報 社 藤 井 光 昭 著 時 系 列 解 析 コロナ 社 原 田 康 平 著 経 済 時 系 列 再 考 九 州 大 学 出 版 会 北 川 源 四 郎 赤 池 弘 次 著 時 系 列 解 析 の 実 際 Ⅰ 北 川 源 四 郎 赤 池 弘 次 著 時 系 列 解 析 の 実 際 Ⅱ 64