第 5 章 社 会 構 造 の 変 化 と 消 費 第 1 節 人 口 構 造 世 帯 構 造 の 変 化 第 1 項 人 口 減 少 と 高 齢 化 の 進 行 将 来 の 消 費 構 造 を 展 望 するうえで 大 きな 要 因 となるのが 人 口 構 造 世 帯 構 造 の 変 化 である 日



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波佐見町の給与・定員管理等について

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平成29年2月期 第2四半期決算短信

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

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第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期

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厚 生 年 金 は 退 職 後 の 所 得 保 障 を 行 う 制 度 であり 制 度 発 足 時 は 在 職 中 は 年 金 を 支 給 しないこととされていた しかしながら 高 齢 者 は 低 賃 金 の 場 合 が 多 いと いう 実 態 に 鑑 み 在 職 者 にも 支 給 される 特 別

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1. 決 算 の 概 要 法 人 全 体 として 2,459 億 円 の 当 期 総 利 益 を 計 上 し 末 をもって 繰 越 欠 損 金 を 解 消 しています ( : 当 期 総 利 益 2,092 億 円 ) 中 期 計 画 における 収 支 改 善 項 目 に 関 して ( : 繰 越

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第 5 章 社 会 構 造 の 変 化 と 消 費 第 1 節 人 口 構 造 世 帯 構 造 の 変 化 第 1 項 第 2 項 人 口 減 少 と 高 齢 化 の 進 行 都 道 府 県 別 にみた 人 口 構 造 の 特 徴 第 2 節 高 齢 化 で 進 む 単 身 世 帯 と 介 護 世 帯 の 増 加 第 1 項 高 齢 単 身 世 帯 の 増 加 1. 都 道 府 県 別 にみた 高 齢 単 身 世 帯 の 状 況 第 2 項 高 齢 単 身 世 帯 の 消 費 の 特 徴 1. 支 出 の 中 身 - 外 食 中 食 への 支 出 が 目 立 つ 2. 購 買 行 動 の 特 徴 -キーワードは 距 離 と 価 格 3. 高 齢 単 身 者 のネット 利 用 の 潜 在 ニーズは 大 きい 第 3 項 介 護 世 帯 の 増 加 1. 増 える 老 老 介 護 2. 遠 距 離 介 護 で 介 護 離 職 となる 危 険 性 3. 介 護 世 帯 の 消 費 の 特 徴 第 3 節 女 性 の 社 会 進 出 第 1 項 女 性 の 就 業 状 況 1. 都 道 府 県 別 にみた 女 性 就 業 の 特 徴 2. 増 える 共 働 き 世 帯 3. 都 道 府 県 別 にみた 女 性 就 業 の 特 徴 4. 働 く 女 性 の 理 想 と 現 実 のギャップ 43

第 5 章 社 会 構 造 の 変 化 と 消 費 第 1 節 人 口 構 造 世 帯 構 造 の 変 化 第 1 項 人 口 減 少 と 高 齢 化 の 進 行 将 来 の 消 費 構 造 を 展 望 するうえで 大 きな 要 因 となるのが 人 口 構 造 世 帯 構 造 の 変 化 である 日 本 は 28 年 の1 億 288 万 人 ( 補 間 推 計 ベース)をピークに 人 口 減 少 社 会 に 突 入 している 人 口 減 少 のスピー ドは 速 く 約 2 年 後 の233 年 には 約 1 割 の 人 口 が 減 少 し その 後 さらに1 割 減 少 するのにわずか1 年 程 度 しかかからないと 見 込 まれている 周 知 の 通 り 人 口 減 少 と 同 時 に 進 行 するのが 高 齢 化 である 65 以 上 の 高 齢 者 が 全 人 口 に 占 める 割 合 ( 以 下 高 齢 化 率 )は212 年 で24.1%となり その 後 も 増 加 の 一 途 を 辿 ると 見 込 まれている 高 齢 化 率 を 上 昇 させる 要 因 となっているのが 昭 和 22(1947) 24(1949) 年 生 まれのいわゆる 団 塊 の 世 代 が65 以 上 をむかえていることである このように 日 本 の 高 齢 化 は 世 界 でも 類 をみない 速 度 で 進 行 している 日 本 は8 年 代 までは 先 進 諸 国 の 中 でも 高 齢 化 率 は 低 い 部 類 であったが 9 年 代 から 急 速 に 上 昇 し 始 め 2 年 にはドイツを 抜 いて 世 界 の 中 で 最 も 高 い 水 準 となった また 日 本 と 同 様 今 後 急 速 に 高 齢 化 が 進 行 するとみられるのがアジア 諸 国 である 特 に 中 国 と 韓 国 は 今 後 日 本 を 上 回 るペースで 高 齢 化 が 進 むとみられる 日 本 は 世 界 でも 未 踏 の 高 齢 化 市 場 におり この 経 験 を 海 外 も 注 目 している 第 2 項 都 道 府 県 別 にみた 人 口 構 造 の 特 徴 人 口 減 少 と 高 齢 化 は 都 道 府 県 によって 進 行 状 況 に 違 いがみられる 人 口 問 題 研 究 所 の 予 測 によると 21 年 から22 年 の1 年 間 で 老 年 人 口 (65 以 上 )と 人 口 全 体 がどちらも 増 加 する 都 道 府 県 は 東 京 都 愛 知 県 沖 縄 県 など 全 体 の 約 1 割 の 地 域 となる その 他 の 地 域 は 老 年 人 口 が 増 加 する 一 方 人 口 全 体 は 減 少 傾 向 となる 前 者 は 高 齢 化 が 進 む 一 方 で 消 費 市 場 が 拡 大 するエリアであり 後 者 は 高 齢 化 が 進 むうえ に 市 場 が 縮 小 するエリアと 言 える 予 測 期 間 を23 年 まで 延 ばすとさらに 別 の 姿 がみえてくる 22-23 年 の1 年 で 人 口 が 増 加 する 都 道 府 県 はなくなる 老 年 人 口 については 増 加 する 地 域 と 減 少 に 転 じる 地 域 が 出 てくる どちらも 減 少 していく 地 域 では 消 費 市 場 の 成 長 がなくなることを 意 味 している こうした 地 域 では M&A 等 を 通 じ てエリアを 越 えた 新 たな 市 場 を 確 保 することが 必 要 になる 44

第 5 章 社会構造の変化と消費 図表 人口構造の推移と見通し 図表 世界の高齢化率の推移 百万人 45 % 45 14 4 4 35 35 1 3 3 8 25 25 2 2 15 15 1 1 5 5 12 65以上 15 64 6 4 2 14 192 193 194 195 196 197 198 199 2 21 22 23 24 25 26 図表 実績値 推計値 日本 韓国 タイ シンガポール 中国 マレーシア インドネシア インド ドイ 先進地域 195 1975 フィリピン 2 225 255 都道府県の人口増加率と老年人口増加率の予測 22 年と 23 年の比較 老年人口増加率 年率 3.5 21-22 年 3 22-23 年 2.5 下図表 左 2 1.5 1 は老年人口の大きさ.5 を表す 下図表 右 すべての年齢層 が減少する地域 -.5-1 -1.7-1.2 -.7 -.2.3 人口増加率 年率 図表 都道府県の人口増加率と老年人口増加率の予測 21-22 年 22-23 年 老年人口増加率 年率 3.5 老年人口増加率 年率 1.5 は老年人口の大きさを表す 3 埼玉県 千葉県 2.5 茨城県 奈良県 福島県 青森県 1.5-1.4 静岡県 福岡県 滋賀県 愛知県 岩手県 高知県和歌山県 山形県 神奈川県 千葉県 北海道 長崎県 青森県 -.5 長野県 秋田県.1.6-1 -1.6 愛媛県 香川県 大分県 岡山県 徳島県 和歌山県 -1.2 大阪府 富山県 高知県 -1.4 福岡県 滋賀県 愛知県 静岡県 鹿児島県 広島県 宮崎県 岩手県 山形県 山口県 -.4 人口増加率 年率 兵庫県 福島県 東京都 21-22 年 -.9 東京都 は老年人口の大きさを表す.5 兵庫県 大阪府 広島県 宮崎県 香川県 熊本県 愛媛県 大分県 岡山県 山口県 鹿児島県 沖縄県 栃木県 埼玉県 長崎県 1.5 秋田県 1 神奈川県 栃木県 北海道 2 沖縄県 -1 22-23 年 -.8 -.6 -.4 人口増加率 年率 -.2 出典 国立社会保障 人口問題研究所 日本の将来推計人口 全国 国連 World Population Prospects 国立社会保障 人口問題研究所 日本の将来推計人口 全国 日本の地域別将来推計人口 45

第 2 節 高 齢 化 で 進 む 単 身 世 帯 と 介 護 世 帯 の 増 加 第 1 項 高 齢 単 身 世 帯 の 増 加 人 口 減 少 と 高 齢 化 は 核 家 族 世 帯 の 減 少 と 単 身 世 帯 の 増 加 という 現 象 をもたらしている さらに 象 徴 的 なのが 高 齢 世 帯 の 単 身 化 である 高 齢 者 (65 以 上 )のいる 世 帯 の 家 族 構 成 をみると 三 世 代 世 帯 は 減 少 の 一 途 を 辿 る 中 増 加 傾 向 にあるのが 単 独 世 帯 と 夫 婦 のみ 世 帯 であり25 年 を 境 に 三 世 代 世 帯 の 割 合 を 上 回 った 高 齢 者 が 子 や 孫 に 囲 まれて 暮 らす サザエさん 一 家 のような 姿 はもはやマジョリ ティとは 言 えない 時 代 となった 単 身 世 帯 は 家 族 や 子 供 と 離 れて 暮 らしているという 意 味 で 社 会 的 に 孤 立 しやすい 状 況 にあること が 指 摘 されている 夫 婦 のみ 世 帯 も 同 様 であり 配 偶 者 と 死 別 離 別 した 場 合 一 気 に 孤 立 が 進 む 恐 れがある 現 役 時 代 は 仕 事 中 心 であったとしても 退 職 後 は 地 域 社 会 に 移 り 人 間 関 係 も 変 化 する 変 化 に 対 応 できずにいる 人 も 少 なくないとみられ 自 治 体 ソーシャルサポートはもとより 高 齢 者 と 比 較 的 身 近 な 関 係 にある 小 売 業 にとって 高 齢 単 身 者 がどのような 実 態 にあり ニーズと 現 実 のギャップ を 明 らかにすることは 社 会 的 にも 重 要 といえる 1. 都 道 府 県 別 にみた 高 齢 単 身 世 帯 の 状 況 高 齢 世 帯 の 単 身 化 は 地 域 による 差 も 大 きい 高 齢 単 身 者 の 割 合 と 伸 び 率 について 都 道 府 県 別 にみた 場 合 高 齢 単 身 者 の 割 合 の 高 さが 目 立 つのが 東 京 都 と 大 阪 府 などの 大 都 市 圏 である 大 都 市 圏 における 高 齢 単 身 化 は 以 前 から 指 摘 されており 高 齢 未 婚 率 の 高 さ 配 偶 者 との 死 別 による 高 齢 単 身 化 などがそ の 原 因 とみられる 高 齢 単 身 世 帯 の 伸 び 率 に 注 目 すると 埼 玉 県 神 奈 川 県 千 葉 県 など 東 京 周 辺 地 域 の 伸 び 率 が 高 い 小 売 業 としては 高 齢 単 身 世 帯 の 割 合 が 高 く 伸 び 率 も 増 加 傾 向 にある 地 域 ( 大 都 市 圏 とその 周 辺 地 域 等 )に 対 し 対 応 した 商 品 やサービスを 強 化 することが 有 効 となる 高 齢 単 身 の 割 合 が 高 いが 伸 び 率 が 低 い 地 域 ( 鹿 児 島 高 知 県 など)については 留 意 が 必 要 である こう した 地 域 では 高 齢 単 身 者 の 数 は 減 少 する 一 方 若 者 がそれ 以 上 に 他 地 域 に 流 出 することで 人 口 が 減 少 するため 割 合 としては 高 止 まってしまう 状 況 である 世 帯 構 造 と 市 場 変 化 の 両 面 を 勘 案 しながら 対 応 を 進 める 必 要 がある 46

第 5 章 社 会 構 造 の 変 化 と 消 費 198 1985 199 1995 2 25 21 215 22 225 23 235 家 族 形 態 別 にみた 世 帯 構 造 の 推 移 % 1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 8% 9% 1% 19.8% 2.8% 23.1% 25.6% 27.6% 29.5% 32.4% 33.3% 34.4% 35.6% 36.5% 12.5% 13.7% 15.5% 17.4% 18.9% 19.6% 19.8% 2.5% 2.8% 2.9% 21.% 42.1% 4.% 37.3% 34.2% 31.9% 29.9% 27.9% 27.% 26.% 25.% 24.1% 37.2% 21.2% 23.3% 11.4% 6.9% 単 身 世 帯 婦 のみ 婦 と 子 とりと 子 その 他 家 族 世 帯 5.7% 6.3% 6.8% 7.1% 7.6% 8.4% 8.7% 9.4% 1.1% 1.6% 11.% 19.9% 19.2% 17.4% 15.7% 14.% 12.7% 11.1% 9.7% 8.7% 7.9% 7.3% 65 以 上 の 者 の 家 族 構 成 の 推 移 % 1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 8% 9% 1% 和 年 61 8.5% 1.1% 19.6% 22.% 52.5% 46.7% 16.5% 17.6% 平 成 年 4 7 1 13 14 15 16 17 18 19 2 21 22 23 24 11.2% 11.7% 12.6% 13.2% 13.8% 14.2% 13.8% 14.7% 15.5% 15.7% 15.7% 15.3% 16.% 16.9% 16.8% 16.1% 25.5% 27.6% 29.4% 32.3% 33.8% 35.1% 34.2% 36.% 36.1% 36.5% 36.7% 36.7% 36.9% 37.2% 37.2% 37.5% 42.3% 38.7% 35.5% 31.2% 27.4% 26.1% 26.5% 23.6% 23.3% 22.3% 19.6% 19.4% 18.4% 17.5% 16.6% 16.% 17.7% 18.4% 18.9% 19.1% 21.% 2.9% 21.3% 21.9% 21.6% 21.6% 24.% 24.7% 24.8% 24.8% 25.6% 26.4% 単 世 帯 婦 のみの 世 帯 子 供 婦 と 同 居 配 者 のいない 子 と 同 居 その 他 の 族 と 同 居 非 族 と 同 居 28% 都 道 府 県 別 にみた 高 齢 単 身 世 帯 の 割 合 と 伸 び 率 都 26% 高 齢 単 身 世 帯 比 率 24% 22% 2% 18% 16% 14% 12% 17.4 県 高 知 県 口 県 県 県 長 県 広 県 大 分 県 県 都 府 本 県 県 県 県 取 県 県 県 県 長 県 新 県 大 府 道 県 知 県 県 県 県 県 県 県 円 の 大 きさは 高 齢 単 身 者 の 数 を 表 している 県 県 1% 形 県 4.4 8% % 1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 8% 9% 高 齢 単 身 世 帯 伸 び 率 ( 25-21) 出 典 : 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 日 本 の 世 帯 数 の 将 来 推 計 / 厚 生 労 働 省 国 民 生 活 基 礎 調 査 / 総 務 省 国 勢 調 査 47

第 2 項 高 齢 単 身 世 帯 の 消 費 の 特 徴 1. 支 出 の 中 身 - 外 食 中 食 への 支 出 が 目 立 つ 人 口 減 少 や 単 身 世 帯 の 増 加 高 齢 化 などの 社 会 構 造 の 変 化 を 受 け 食 品 スーパーマーケットやコンビ ニでは 小 容 量 の 商 品 を 拡 充 する 動 きが 加 速 している 外 食 でも お 一 人 様 を 想 定 したメニューやカウン ターを 設 置 する 動 きが 増 えてきた こうした 対 応 の 念 頭 に 高 齢 単 身 世 帯 が 含 まれていることはいうまで もない 高 齢 単 身 世 帯 (65 以 上 )と 高 齢 一 般 世 帯 ( 世 帯 主 65 以 上 )の 食 品 支 出 構 成 を 比 較 すると 高 齢 単 身 世 帯 は 生 鮮 品 など 素 材 関 連 への 支 出 が 少 ない 一 方 外 食 や 惣 菜 など 調 理 食 品 への 支 出 が 多 い 同 じ 高 齢 世 帯 でも 単 身 と 一 般 世 帯 で 支 出 内 容 に 違 いがみられた 退 職 後 に 単 身 となった 男 性 は 調 理 習 慣 がない 人 も 多 いとみられ 外 食 や 調 理 食 品 への 支 出 が 高 くなるのは 自 然 である 高 齢 層 の 消 費 には 世 帯 構 成 の 影 響 を 強 く 受 けるなど 一 括 りに 出 来 ない 多 様 さがあり 顧 客 セグメントの 見 直 しなどの 対 応 が 必 要 となる 2. 購 買 行 動 の 特 徴 - キーワードは 距 離 と 価 格 高 齢 単 身 世 帯 は 買 物 を 行 う 上 でどのような 点 を 重 視 しているのだろうか 高 齢 単 身 世 帯 が 食 品 スーパー マーケットの 利 用 にあたって 重 視 する 点 は 価 格 と 距 離 であることがわかった 価 格 は 若 年 層 を 含 む 単 身 世 帯 全 体 に 共 通 する 重 要 な 要 素 であったが 特 に 高 齢 単 身 世 帯 の 回 答 比 率 が 高 かった 距 離 は 食 品 スーパーマーケットの 利 用 目 的 で 最 も 回 答 の 多 い 項 目 であり 特 に 高 齢 世 帯 では 顕 著 である 近 くのスーパーマーケットまでの 距 離 が 遠 く 高 齢 者 が 日 々の 買 物 に 苦 労 する 買 物 弱 者 は 従 前 から 指 摘 されているところである 3. 高 齢 単 身 者 のネット 利 用 の 潜 在 ニーズは 大 きい 食 品 はスーパーマーケット 以 外 に 百 貨 店 やコンビニ ドラッグストアなど 様 々な 購 入 ルートが 考 えら れる 食 品 のスーパーマーケット 以 外 の 購 入 先 高 齢 単 身 者 で 最 も 回 答 が 多 かったのがコンビニ 次 い でドラッグストア ディスカウントストアとなった コンビニやドラッグストアの 活 用 はすでに 全 年 代 的 な 傾 向 であるが インターネットを 通 じた 通 信 販 売 に 注 目 してみたい 最 も 利 用 の 多 い 世 帯 は 高 齢 単 身 者 (7.5%)であり 高 齢 既 婚 世 帯 を 大 きく 上 回 る 結 果 となった これは 若 年 単 身 者 の 結 果 も 上 回 っている(2 代 5% 3 代 6.9%) 高 齢 世 帯 にとって 買 物 における 距 離 の 短 さ は 重 要 な 要 素 の 一 つである 買 物 距 離 を 最 も 短 く 可 能 に する 方 法 がインターネットであるとも 言 える しかし 同 じ 高 齢 世 帯 でも 既 婚 者 の 回 答 は 非 常 に 低 い インターネットは 高 齢 単 身 者 とって 孤 立 を 防 ぐ 有 効 な 手 段 として 注 目 されている 同 じ 高 齢 者 でも 既 婚 者 より 単 身 者 のほうがネット 利 用 のインセンティブが 高 く ネットショップの 活 用 頻 度 の 高 さはその 延 長 線 上 にあるものと 推 察 される このように 高 齢 単 身 者 はネットショップを 多 く 活 用 する 顧 客 層 として 期 待 されるが 実 際 には 高 齢 単 身 者 のPC 普 及 率 は26%で 高 齢 一 般 世 帯 68%より 圧 倒 的 に 低 い 今 後 普 及 率 を 高 めるようなアクション を 起 こせば 高 齢 単 身 層 のネット 購 買 は 大 きく 増 加 する 可 能 性 がある 48

第 5 章 社 会 構 造 の 変 化 と 消 費 高 齢 単 身 世 帯 の 支 出 の 特 徴 7 6 5 生 鮮 介 生 鮮 支 出 のい 品 目 加 工 調 味 料 スーパーマーケットの 利 用 理 由 生 鮮 果 物 乳 主 食 的 調 理 食 品 主 食 以 外 の 調 理 食 品 支 出 のない 品 目 -4. -2.. 2. 4. 6. 8. 男 性 未 婚 計 男 性 既 婚 計 男 性 未 婚 代 男 性 既 婚 代 外 食 4 3 2 1 生 鮮 品 の 鮮 度 がよい 価 格 が 安 い ポイントカードがある ポイントがたまる 特 売 チラシをみて 高 品 質 な 商 品 がある 品 数 が その 店 にしかないものがある 食 品 以 外 も 購 入 できる 自 宅 からの 距 離 がい り 道 ( 通 り 道 )にある 場 があり で 来 店 できる 営 業 時 間 買 物 時 間 が 短 くてす っくりと 適 に 買 物 ができる 一 ですべて 買 物 ができる 25 2 食 品 スーパーマーケット 以 外 の 利 用 状 況 男 性 未 婚 計 男 性 既 婚 計 男 性 未 婚 6 代 男 性 既 婚 6 代 15 1 5 百 貨 店 (デ パ ート) コンビニエンスストア ディスカウントストア 円 ショップ 食 料 品 店 ( 百 酒 など) 薬 薬 店 ドラッグストア 通 販 売 (インターネット) 通 販 売 (インターネット 以 外 ) 食 材 宅 配 ( 生 など) 年 齢 別 にみた 単 身 世 帯 のパソコン 普 及 率 () 1 9 8 7 6 5 4 3 2 1 91.6 単 身 世 帯 81.3 73.8 66.3 68 26.7 29 以 下 3 59 以 下 6 以 上 一 般 世 帯 出 典 : 総 務 省 平 成 24 年 家 計 調 査 / 高 齢 単 身 世 帯 の 食 品 シェア - 高 齢 一 般 世 帯 の 食 品 シェア で 計 算 /( 一 社 ) 新 日 本 スーパーマーケット 協 会 消 費 者 調 査 213 / 内 閣 府 消 費 動 向 調 査 49

第 3 項 介 護 世 帯 の 増 加 1. 増 える 老 老 介 護 子 供 と 離 れて 暮 らす 高 齢 者 が 増 加 することで 急 速 に 関 心 が 高 まっているのが 老 老 介 護 と 遠 距 離 介 護 である 老 老 介 護 は 高 齢 者 が 高 齢 者 を 介 護 する 状 態 であり 介 護 疲 れにより 介 護 する 側 も 介 護 が 必 要 な 状 態 に 陥 ってしまう 危 険 性 が 指 摘 されている 介 護 者 と 要 介 護 者 が6 以 上 同 士 の 割 合 は 増 加 傾 向 にあり 21 年 で 約 63%という 高 い 割 合 を 示 し ている 75 以 上 同 士 の 割 合 も25%まで 高 まっており 介 護 の 家 族 依 存 を 減 らす 対 応 策 が 望 まれる 高 齢 単 身 世 帯 の 要 介 護 者 が 増 加 している 点 はもっと 深 刻 である いわゆる 独 居 老 人 が 増 加 していること であり 社 会 問 題 として 見 過 ごせない 状 況 となっている 2. 遠 距 離 介 護 で 介 護 離 職 となる 危 険 性 最 近 になって 問 題 視 されてきているのが 遠 距 離 介 護 である 高 齢 世 帯 の 子 供 の 居 住 地 は 最 も 多 い のは 片 道 1 時 間 以 上 で 次 いでやや 遠 い 片 道 1 時 間 未 満 である 親 から 離 れて 暮 らす 子 供 の 殆 どが 簡 単 に 親 の 介 護 に 通 うことができる 環 境 ではなく 仕 事 と 介 護 が 両 立 できない 介 護 離 職 の 原 因 ともなっ ている 個 食 に 対 応 した 商 品 や 宅 配 サービスなど 高 齢 単 身 世 帯 をターゲットとした 動 きは 浸 透 しつつある しかし 高 齢 化 に 伴 う 問 題 をみる 限 り 高 齢 世 帯 のニーズ 開 拓 はまだ 十 分 ではなく 特 に 老 老 介 護 や 遠 距 離 介 護 に 対 して 十 分 に 対 応 できているとは 言 い 難 い 新 たな 介 護 ビジネスの 創 出 には 更 なる 規 制 緩 和 が 必 要 とされるが 食 品 スーパーマーケットをはじめとする 小 売 業 がこうした 分 野 で 貢 献 できる 余 地 は 大 きい 例 えば 遠 距 離 介 護 世 帯 に 対 し 離 れて 暮 らす 子 供 を 顧 客 ターゲットとするなど 今 後 新 たな 視 点 でニーズに 対 応 することが 期 待 される 3. 介 護 世 帯 の 消 費 の 特 徴 介 護 世 帯 では 介 護 者 も 要 介 護 者 も 老 齢 化 する 傾 向 にある 消 費 支 出 の 内 容 も 高 齢 世 帯 でみられる 特 徴 と 同 じ 傾 向 を 持 つと 思 われがちである 先 の 老 老 介 護 世 帯 では 食 事 を 作 る 人 と 介 護 をする 人 が 同 じ であり 介 護 の 負 担 から 消 費 支 出 傾 向 にも 違 いがみられる 介 護 世 帯 と 一 般 高 齢 世 帯 ( 要 介 護 者 のいない 高 齢 世 帯 )で 食 品 支 出 の 内 容 を 比 較 すると 介 護 世 帯 では 生 鮮 品 など 素 材 の 支 出 が 少 ない 一 方 調 理 食 品 や 外 食 の 支 出 が 多 いという 特 徴 がある 介 護 を 行 いなが ら 食 事 を 作 るため 買 物 の 中 身 は 必 然 的 に 時 短 メニューを 想 定 したものにならざるをえない 5

第 5 章 社 会 構 造 の 変 化 と 消 費 年 齢 別 に 見 た 介 護 者 と 要 介 護 者 の 割 合 7% 6% 54.4% 58.1% 58.9% 62.7% 6 以 上 同 5% 4% 4.6% 41.1% 47.6% 45.9% 65 以 上 同 3% 2% 18.7% 19.6% 24.9% 25.5% 75 以 上 同 1% 21 24 27 21 ( 年 ) 65 以 上 世 帯 の 子 供 の 居 住 地 (28 年 ) 一 に 住 んでいる1% 不 12% 同 物 は 同 地 内 に 住 んでいる 3% 程 度 の 場 に 住 んでいる 6% 別 世 帯 の 子 はいない27% 道 時 間 未 満 の 場 に 住 んでいる 19% 道 15 分 未 満 の 場 に 住 んでいる1% 道 時 間 以 上 の 場 に 住 んでいる 22% 介 護 世 帯 の 食 品 支 出 の 特 徴 ( 一 般 高 齢 世 帯 との 比 較 ) -1.8-1.3 -.8 -.3.2.7 1.2 1.7 調 理 食 品 支 出 のい 品 目 乳 類 類 調 味 料 類 菓 子 類 飲 料 酒 類 支 出 のない 品 目 外 食 果 物 介 類 菜 出 典 : 厚 生 労 働 省 国 民 生 活 基 礎 調 査 / 平 成 24 年 家 計 調 査 介 護 世 帯 の 食 品 シェア - 一 般 高 齢 世 帯 の 食 品 シェア で 計 算 51

第 3 節 女 性 の 社 会 進 出 第 1 項 女 性 の 就 業 状 況 1. 都 道 府 県 別 にみた 女 性 就 業 の 特 徴 本 格 的 な 人 口 減 少 社 会 の 到 来 を 迎 え 少 子 高 齢 化 を 背 景 に 労 働 力 人 口 が 減 少 しつつある 中 今 後 女 性 や 高 齢 者 等 の 活 躍 推 進 のための 様 々な 政 策 が 課 題 となっている 安 倍 首 相 は 成 長 戦 略 の 柱 の 一 つに 女 性 の 活 躍 を 挙 げており 女 性 の 活 躍 は 成 長 戦 略 の 中 核 をなすもの とまで 語 っている 主 な 政 策 として 育 児 休 業 3 年 待 機 児 童 を5 年 でゼロ 上 場 企 業 に 女 性 役 員 を1 人 などが 掲 げられている 女 性 の 就 業 状 況 をみるうえで 特 徴 とされるのは 年 齢 別 にみた 有 業 率 の M 字 カーブ である 結 婚 前 に 仕 事 を 持 っていた 女 性 が 結 婚 と 出 産 で 離 職 することによってM 字 カーブが 生 まれる 平 成 14 年 の 調 査 では3-34 を 底 とするM 字 型 がはっきり 確 認 できる 1 年 後 の 平 成 24 年 の 結 果 をみると 晩 婚 化 の 影 響 などもあり M 字 の 底 は35-39 に 移 行 しているのがわかる ただし2 3 代 の 有 業 率 が 上 昇 した ことでM 字 カーブはだいぶ 緩 やかになっている 今 後 M 字 化 を 食 い 止 め 女 性 の 有 業 率 を 高 めていくには 現 在 は 就 業 意 志 のない 女 性 を 就 業 希 望 状 態 に 移 行 させることが 必 要 となる 女 性 の 非 求 職 者 ( 求 職 活 動 をしていない 人 )の 求 職 しない 理 由 で 最 も 多 いのが 出 産 育 児 のため である 障 害 となっている 要 因 が 緩 和 されれば 就 業 を 希 望 する 女 性 は 多 く 働 く 女 性 の 潜 在 的 なニーズは 大 きいと 言 える 2. 増 える 共 働 き 世 帯 2-3 代 女 性 の 有 業 率 が 低 いことで 生 まれるM 字 カーブの 問 題 は 解 消 に 向 かっており 専 業 主 婦 世 帯 は 過 去 1 年 以 上 にわたって 減 少 傾 向 にあるのに 対 し 共 働 き 世 帯 は 年 々 増 加 傾 向 を 強 めている 小 売 業 は 高 齢 者 向 けの 商 品 サービスに 力 を 注 いでいるところが 多 い 今 後 は 同 様 に 働 く 女 性 が 重 要 なターゲット 層 になる 可 能 性 がある 働 く 女 性 が 増 加 すると 家 事 や 買 物 に 費 やす 時 間 は 減 少 する 平 成 23 年 社 会 生 活 基 本 調 査 によると 女 性 の 有 業 者 ( 共 働 き)の 家 事 時 間 は 仕 事 を 持 たない 無 業 者 ( 専 業 主 婦 )と 比 べて 短 くなっている 家 事 や 買 物 に 時 間 をかけられない 顧 客 にどう 対 応 するか 働 く 女 性 層 は 高 齢 者 と 異 なるニーズも 多 く 今 後 対 応 していく 必 要 がある 52

第 5 章 社 会 構 造 の 変 化 と 消 費 女 性 の 年 齢 階 級 別 有 業 率 () 8 7 6 就 業 希 望 者 592 非 職 者 3447 出 産 のため 1134 気 けがのため 通 学 のため 5 4 3 平 成 24 年 平 成 19 年 いで 事 につく 必 要 がない 2 平 成 14 年 その 他 1 15 2 25 3 35 4 45 5 55 6 65 7 19 24 29 34 39 44 49 54 59 64 69 74 共 働 き 世 帯 と 専 業 主 婦 世 帯 の 割 合 の 推 移 ( 万 世 帯 ) 11 15 1 95 943 964 951 949 961 988 977 113 共 働 き 世 帯 111 995 112 154 9 85 8 895 883 894 87 875 863 854 851 専 業 主 婦 世 帯 825 831 797 787 75 7 2 21 22 23 24 25 26 27 28 29 21 212 女 性 の 1 週 間 の 総 平 均 時 間 時 間 ( 分 ) 3 25 272 有 業 者 ( 共 働 き) 無 業 者 ( 専 業 主 婦 ) 2 186 15 1 82 5 36 51 29 家 事 買 い 物 出 典 : 総 務 省 就 業 構 造 基 本 調 査 / 総 務 省 労 働 力 調 査 / 総 務 省 平 成 23 年 社 会 生 活 基 本 調 査 53

3. 都 道 府 県 別 にみた 女 性 就 業 の 特 徴 今 後 働 く 女 性 の 拡 大 が 予 想 される 中 高 齢 単 身 化 と 同 様 に 地 域 による 特 徴 を 把 握 しておくことが 必 要 となる 地 域 の 特 徴 を 明 らかにするため 女 性 就 業 者 の 割 合 と 女 性 就 業 者 の 伸 び 率 から 働 く 女 性 向 けの 市 場 を 都 道 府 県 別 にセグメント 化 してみる まず 女 性 就 業 者 の 割 合 と 女 性 就 業 者 の 伸 び 率 両 方 が 平 均 より 高 い 地 域 は 既 に 現 時 点 で 魅 力 的 な 成 長 市 場 と 位 置 付 けられるセグメントである 同 セグメントに 相 当 するのが 埼 玉 県 千 葉 県 愛 知 県 滋 賀 県 といった 大 都 市 圏 の 周 辺 地 域 である 次 に 女 性 就 業 率 は 平 均 より 低 いが 女 性 就 業 者 の 伸 びが 増 加 傾 向 にある 地 域 は エマージング 市 場 と 位 置 付 けられ 将 来 的 に 魅 力 ある 市 場 に 育 つ 可 能 性 が 高 い 同 セグメントには 東 京 都 神 奈 川 県 大 阪 府 兵 庫 県 福 岡 県 沖 縄 県 などが 含 まれる 特 に 女 性 就 業 者 の 数 が 多 い 東 京 大 阪 といった 大 都 市 が 同 セグメントに 含 まれ ているのは 市 場 が 将 来 的 に 大 きな 規 模 に 発 展 する 可 能 性 を 示 唆 している 一 方 女 性 就 業 率 は 平 均 より 高 いものの 女 性 就 業 者 の 伸 び 率 は 減 少 傾 向 にあるセグメントは 安 定 市 場 と 言 える こうした 地 域 では 元 来 働 く 女 性 が 多 いものの 人 口 減 に 伴 って 働 く 女 性 の 人 数 が 減 少 し ている 可 能 性 がある 地 方 の 都 道 府 県 の 多 くがこのセグメントに 属 している こうした 地 域 では 成 長 市 場 のような 市 場 の 成 長 は 期 待 できないものの 継 続 的 にニーズを 掘 り 起 こすことで 成 熟 市 場 としての 発 展 が 期 待 される またそのような 地 域 の 多 くは 既 に 高 齢 化 も 進 んでいることから 働 く 女 性 高 齢 層 を 想 定 した 商 品 サービスを 強 化 することで 新 たな 需 要 が 生 まれる 可 能 性 もある 4. 働 く 女 性 の 理 想 と 現 実 のギャップ 働 く 女 性 の 多 くは 家 事 や 買 物 に 時 間 をかけられないため 日 常 の 買 物 や 支 出 はより 時 短 を 重 視 す るものとなっている 昨 今 の 中 食 ブーム はこうした 時 短 ニーズに 沿 った 結 果 とも 言 える 一 方 で 現 実 的 なニーズに 対 応 することと 真 のニーズを 満 たすことは 必 ずしも 一 致 しない 後 者 は 消 費 者 が 本 来 は こうありたい と 願 う 潜 在 ニーズであり 日 常 の 生 活 を 踏 まえた 上 で 求 めるニーズ( 条 件 付 きニーズ)とは 異 なる 中 食 ブームは 消 費 者 の 条 件 付 きニーズを 満 たしたと 言 えるが 今 後 は 消 費 者 の 真 のニーズと 向 き 合 った 上 で 中 食 を 再 評 価 する 必 要 もある 消 費 者 調 査 213 結 果 によれば 食 事 の 方 法 について すべて 素 材 から 調 理 する と 回 答 した 女 性 の 割 合 を 比 較 すると 有 職 者 と 無 職 者 で 差 がある 休 みの 日 は 必 ず と 回 答 した 人 は 有 職 者 で3 割 無 職 者 で4 割 であり 無 職 者 のほうが 素 材 から 調 理 する 頻 度 が 高 い 54

第 5 章 社 会 構 造 の 変 化 と 消 費 都 道 府 県 別 にみた 女 性 就 業 者 の 状 況 と 成 長 マッピング 52% 5% 48% 女 46% 性 就 業 率 44% 42% 安 定 市 場 長 全 国 平 均 -.2 取 知 形 新 手 本 広 都 高 知 大 分 口 和 道 成 長 市 場 円 の 大 きさは 女 性 就 業 者 の 数 を 表 している 全 国 平 均 44.7 4% 市 場 大 エマーング 市 場 38% -2.% -1.5% -1.% -.5%.%.5% 1.% 1.5% 女 性 就 業 者 数 の 伸 び(25-21 ) すべて 素 材 から 調 理 する 食 事 の 頻 度 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 () 女 性 有 職 31.8 34.2 9.3 6 12.3 6.5 女 性 無 職 43.1 29.1 1.4 5.9 8.5 3.1 休 みの 日 は 必 ず 休 みの 日 の 回 に 回 程 度 それ 以 下 なし 休 みの 日 の 回 に 回 程 度 休 みの 日 の 回 に 回 程 度 ( 自 分 で 用 意 しないので)わからない 希 望 する 休 日 の 夕 食 の 提 供 方 法 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1() 女 性 有 職 59.8 24.6 4.4 2.5 8.4 女 性 無 職 58.7 26.6 4.2 2.2 7.6 出 来 るだけすべての 料 理 を 素 材 から 調 理 したい 素 材 からの 調 理 をメインにしたい 調 理 済 み 品 やインスタント 食 品 をメインにしたい すべての 料 理 を 調 理 済 み インスタント 食 品 にしたい 出 来 るだけすべて 外 食 で 済 ませたい その 他 出 典 : 総 務 省 国 勢 調 査 /( 一 社 ) 新 日 本 スーパーマーケット 協 会 消 費 者 調 査 213 55

第 6 章 中 食 内 食 化 傾 向 の 分 析 第 1 節 消 費 者 アンケート 213 でみる 中 食 内 食 実 態 第 1 項 第 2 項 順 調 に 成 長 をつづける 中 食 産 業 夕 食 における 内 食 中 食 の 実 態 1. 中 食 を 利 用 する 理 由 2. 属 性 別 にみる 内 食 の 頻 度 3. 属 性 別 にみる 中 食 の 頻 度 4. 属 性 別 にみる 中 食 内 食 の 頻 度 第 3 項 理 想 とする 夕 食 とのギャップ 57

第 6 章 中 食 内 食 化 傾 向 の 分 析 第 1 節 消 費 者 アンケート 213 でみる 中 食 内 食 実 態 第 1 項 順 調 に 成 長 をつづける 中 食 産 業 食 事 形 態 は 大 きく 内 食 中 食 外 食 の3つに 分 類 される 日 本 では 素 材 から 調 理 して 家 庭 内 で 食 べる 内 食 が 一 般 的 な 食 事 形 態 であるが 198 年 代 後 半 から199 年 代 初 頭 にはバブル 景 気 の 影 響 もあり ファミ リーレストランや 居 酒 屋 など 飲 食 店 が 増 加 し 店 内 で 調 理 された 食 事 を 店 内 で 食 べる 外 食 が 広 く 普 及 した そして この 内 食 と 外 食 のあいだとも 言 われるのが 中 食 で 店 舗 で 購 入 した 弁 当 惣 菜 などの 調 理 済 み 品 やインスタント 食 品 を 持 ち 帰 って 食 べる 食 事 形 態 である これらの 産 業 の 市 場 規 模 をみると 外 食 産 業 はバブル 崩 壊 後 もわずかに 増 加 したものの 1997 年 の29.1 兆 円 をピークに 減 少 の 一 途 をたどっている 一 方 中 食 産 業 の 市 場 規 模 は 右 肩 上 がりで 増 加 しており こ こ3 年 弱 で1.1 兆 円 から5.8 兆 円 と 約 5 倍 にも 成 長 している また 内 食 中 食 外 食 それぞれの 家 計 支 出 の 推 移 をみると 食 料 費 支 出 自 体 の 減 少 及 び 内 食 支 出 の 減 少 が 目 立 つ そして 外 食 支 出 も 低 迷 を 続 けてい るのに 対 し 中 食 支 出 はわずかではあるが 増 加 がみられ 堅 調 に 推 移 している この 背 景 としては 長 引 くデフレ 経 済 といった 社 会 情 勢 に 加 え 高 齢 化 の 進 行 や 働 く 女 性 の 増 加 単 身 世 帯 の 増 加 といった 社 会 構 造 の 変 化 が 指 摘 されている また デフレ 経 済 による 節 約 志 向 社 会 構 造 の 変 化 による 個 食 孤 食 の 増 加 や 家 事 の 外 部 化 といった 生 活 者 の 意 識 やライフスタイルの 変 化 が 食 事 形 態 に 大 きく 影 響 しているものと 考 えられる 第 2 項 夕 食 における 内 食 中 食 の 実 態 消 費 者 調 査 213によると 平 日 5 日 間 の 夕 食 における 内 食 中 食 外 食 の 頻 度 をみると 内 食 の 週 あたりの 平 均 利 用 回 数 が2.8 回 と 最 も 多 く 週 の 半 分 以 上 を 占 めている 中 食 も 週 あたり1. 回 ( 弁 当 惣 菜 など 調 理 済 み 品 のみ.6 回 温 め 解 凍 お 湯 を 注 ぐなどのインスタント 食 品 のみ.4 回 )での 利 用 がみられる また 中 食 であっても 調 理 済 み 品 のみに 比 べて インスタント 食 品 のみの 頻 度 はそれほど 高 くない 傾 向 にある 1. 中 食 を 利 用 する 理 由 調 理 済 み 品 やインスタント 食 品 を 中 食 として 平 日 の 夕 食 に 利 用 する 理 由 としては 調 理 の 手 間 が 少 なく なる が46.9% 調 理 の 時 間 が 短 縮 できる が38.9% 片 付 けの 手 間 が 少 なくなる が24.9%と 上 位 を 占 め ており 時 間 手 間 の 短 縮 という 点 で 中 食 が 支 持 されている 一 方 で 味 がよい 量 や 種 類 を 調 整 できる 栄 養 のバランスを 調 整 できる 安 心 して 食 べられる といった 回 答 は 少 なく 時 間 手 間 の 省 略 以 外 の ニーズへは 十 分 に 応 えきれていない 58

第 6 章 中 食 内 食 化 傾 向 の 分 析 外 食 中 食 産 業 の 市 場 規 模 の 推 移 世 帯 あたり 1 か 月 間 の 食 に 関 する 支 出 推 移 ( 円 ) 35 3 25 19.3 2 15 1 5 1.1 25.7 27.9 2.3 3.1 27. 5. 24.4 外 食 産 業 中 食 産 業 23.4 23. 5.5 5.7 5.8 1985 199 1995 2 25 21 ( 注 ) 中 食 産 業 の 市 場 規 模 は 料 理 品 小 売 業 ( 弁 当 給 食 を 除 く)の 値 外 食 産 業 の 市 場 規 模 には 中 食 産 業 の 市 場 規 模 は 含 まない ( 百 円 ) 8 74 718 712 699 696 687 681 685 69 683 676 669 673 7 6 113 5 8 4 外 食 中 食 内 食 18 18 16 16 食 料 費 15 15 16 18 15 14 11 13 81 81 81 8 81 82 81 79 79 8 82 84 3 2 415 4 394 386 382 373 368 369 374 369 362 358 357 1 2 21 22 23 24 25 26 27 28 29 21 211 212 ( 注 ) 中 食 は 弁 当 類 惣 菜 類 といった 調 理 食 支 出 を 指 す 内 食 は 食 料 費 から 外 食 ( 学 校 給 食 を 含 む) 及 び 中 食 を 除 いたもので 具 体 的 には 穀 類 魚 介 類 肉 類 などの 食 材 支 出 を 指 す 外 食 は 一 般 外 食 ( 学 校 給 食 を 除 く)の 値 結 果 は 全 国 2 人 以 上 の 全 世 帯 の 平 均 で 農 林 漁 家 を 含 む 平 日 夕 食 時 の 外 食 中 食 内 食 の 頻 度 / 全 体 % 2% 4% 6% 8% 1% 2.3 平 均 利 用 回 数 (/ 週 ) 外 食 4.2 1.6 17.6 23.8 41.5.4 回 1.7 中 食 ( 当 惣 菜 など 調 理 済 み 品 ) 8.4 13.7 15.6 18.5 35.3 6.8.6 回.9 中 食 (め 凍 おをなどのインスタント 食 品 ) 4.9 12.5 12.6 16.7 45. 7.3.4 回 内 食 ( 全 て 素 材 から 調 理 する) 38.5 27.3 3.54.3 6.5 9.4 1.5 2.8 回 ほ 回 週 回 程 度 月 回 程 度 自 分 で 用 意 しないのでわからない 週 回 程 度 月 回 程 度 それ 以 下 利 用 なし 一 週 間 の 平 均 利 用 回 数 は ほ 回 =5 回 週 2 4 回 程 度 =3 回 週 1 回 程 度 =1 回 月 2 3 回 程 度 =.625 回 月 1 回 程 度 =.25 回 として 算 出 平 日 夕 食 時 に 中 食 を 利 用 する 理 由 / 全 体 出 典 : 農 林 水 産 省 平 成 24 年 度 食 料 農 業 農 村 白 書 ( 財 ) 食 の 安 全 安 心 財 団 外 食 産 業 調 査 研 究 センター 調 べ/ 総 務 省 家 計 調 査 /( 一 社 ) 新 日 本 スーパーマーケット 協 会 消 費 者 調 査 213 59

2. 属 性 別 にみる 内 食 の 頻 度 平 日 の 夕 食 における 内 食 の 頻 度 について 帰 宅 時 間 別 にみると 帰 宅 時 間 が 遅 い 人 ほど 内 食 の 頻 度 は 低 くなっ ている 夕 食 を 素 材 から 調 理 した 内 食 にするためには 買 物 や 調 理 片 付 けなどにそれ 相 応 の 時 間 と 手 間 を 要 する そのため 帰 宅 時 間 が 内 食 にするかを 決 める 大 きな 要 因 の1つであると 考 えられる このほかに 内 食 の 頻 度 は 男 性 に 比 べ 女 性 で 高 く 性 未 既 婚 別 にみると 既 婚 女 性 が 顕 著 に 高 い 中 で も ほぼ 毎 回 が 多 く 逆 に 自 分 で 用 意 しないのでわからない の 回 答 が 小 さいことからも 既 婚 女 性 が 内 食 を 担 っていることがわかる また 男 性 女 性 ともに 未 婚 者 に 比 べ 既 婚 者 の 内 食 の 頻 度 が 高 い これは 既 婚 者 の 98.3%で 同 居 人 数 が 複 数 人 であることから 同 居 人 数 の 影 響 が 大 きいと 考 えられる 既 婚 未 婚 にかかわらず 同 居 人 数 別 にみても 一 人 暮 らしに 比 べ 複 数 人 の 場 合 に 内 食 の 頻 度 が 高 くなっており 同 居 人 数 が 複 数 で 自 分 以 外 の 食 事 を 準 備 する 必 要 があることが 内 食 頻 度 を 高 める 傾 向 がある 同 居 人 数 と 夕 食 同 伴 者 との 関 係 を みると 一 人 暮 らしが2 人 以 上 で 夕 食 をとる 割 合 はわずか6.9%にとどまっている 年 代 別 にみると 2 代 で 内 食 の 利 用 頻 度 が 最 も 低 く 年 代 が 高 くなるにつれて 内 食 の 頻 度 も 高 まる 傾 向 にある 3. 属 性 別 にみる 中 食 の 頻 度 平 日 の 夕 食 における 中 食 の 頻 度 をみると 全 体 では 週 1 回 以 上 利 用 している 割 合 は 調 理 済 み 品 のみ 23.8 % インスタント 食 品 のみ 18.3%と 調 理 済 み 品 のみ の 頻 度 が 高 い しかし 属 性 別 にみると 調 理 済 み 品 のみ インスタント 食 品 のみ ともに 同 様 の 傾 向 がみられる 帰 宅 時 間 が 遅 くなるほど 週 1 回 以 上 利 用 している 割 合 は 高 く 帰 宅 時 間 22 時 以 降 で 顕 著 に 高 い また 既 婚 者 に 比 べ 未 婚 者 の 週 1 回 以 上 利 用 している 割 合 が 高 く 未 婚 男 性 で 最 も 高 い 同 居 人 数 別 にみると 同 居 人 数 1 人 ( 一 人 暮 らし) の 週 あたりの 平 均 利 用 回 数 は 複 数 人 の 約 2 倍 である 中 食 頻 度 が 高 い 帰 宅 時 間 22 時 以 降 未 婚 男 性 同 居 人 数 1 人 の 属 性 は 平 日 の 夕 食 における 内 食 頻 度 が 低 い 属 性 と 一 致 している このことから 帰 宅 時 間 が 遅 く 調 理 時 間 が 確 保 できない 人 や 一 人 暮 らしで 自 分 だけの 夕 食 を 準 備 する 負 担 を 軽 減 したい 人 を 中 心 に 中 食 が 利 用 されていることがわかる また 年 代 別 にみると 2 代 で 中 食 の 利 用 頻 度 が 最 も 高 く 年 代 が 高 くなるにつれて 中 食 の 頻 度 は 低 下 している 4. 属 性 別 にみる 中 食 内 食 の 頻 度 内 食 の 頻 度 が 低 い 属 性 では 中 食 の 頻 度 が 高 く 内 食 の 頻 度 が 高 い 属 性 では 中 食 の 頻 度 が 低 いことから 内 食 と 中 食 の 利 用 頻 度 には 反 比 例 の 関 係 がみられる そこで 調 理 済 み 品 ( 惣 菜 など) と 素 材 から 調 理 という 中 食 と 内 食 を 組 み 合 わせた 食 事 タイプの 頻 度 を 尋 ねた この 食 事 タイプの 例 としては 主 食 と 汁 物 は 素 材 から 調 理 するが 主 菜 に 揚 げ 物 などの 惣 菜 を 利 用 する または 素 材 から 調 理 した 夕 食 に 副 菜 としてサ ラダや 煮 物 などの 惣 菜 を 利 用 するケースである 全 体 での 利 用 頻 度 をみると 週 あたりの 平 均 利 用 回 数 は.9 回 週 1 回 以 上 利 用 している 割 合 は33.5%と 調 理 済 み 品 のみ インスタント 食 品 のみ それぞれの 中 食 利 用 頻 度 より 高 い また 属 性 別 にみると 中 食 や 内 食 と 異 なり 帰 宅 時 間 や 同 居 人 数 未 既 婚 による 大 きな 違 いは 認 められない このことから 属 性 に 因 らず 多 くの 食 卓 で 惣 菜 などの 調 理 済 み 品 が 夕 食 の 主 菜 または 副 菜 として 内 食 と 組 み 合 わせて 利 用 さ れていることがうかがえる 6

第 6 章 中 食 内 食 化 傾 向 の 分 析 平 日 夕 食 時 の 内 食 の 頻 度 / 属 性 別 性 別 年 代 未 性 既 婚 人 同 数 居 宅 時 間 ほ 回 自 分 で 用 意 週 月 それ 以 下 週 1 回 以 上 計 平 均 利 用 週 回 程 度 月 回 程 度 しないので 回 程 度 回 程 度 なし わからない (%) 回 数 (/ 週 ) 全 体 n=2546) 38.5 27.3 6.5 3.5 4.3 9.4 1.5 72.3 2.8 回 男 性 n=1278) 27.2 25.7 6.8 4.9 5.3 12.7 17.4 59.7 2.2 回 女 性 n=1268) 49.8 28.9 6.2 2.1 3.2 6.1 3.5 84.9 3.4 回 2 代 n=44) 25.2 21.5 1.4 3.2 8.7 12.4 18.6 57.1 2.1 回 3 代 n=546) 33.7 27.8 7.3 3.8 4.4 1.8 12.1 68.8 2.6 回 4 代 n=575) 38.4 3.1 5.4 3.7 3.7 1.1 8.7 73.9 2.9 回 5 代 n=489) 41.9 31.1 5.3 4.3 2. 8.2 7.2 78.3 3.1 回 6 代 n=532) 5.2 24.6 5.1 2.6 3.6 6. 7.9 79.9 3.3 回 未 婚 男 性 n=533) 2.1 2.8 7.9 6.4 8.4 18.8 17.6 48.8 1.8 回 未 婚 女 性 n=468) 35. 27.1 9.8 3.6 6. 9.8 8.5 71.9 2.7 回 既 婚 男 性 n=745) 32.2 29.1 6. 3.9 3.1 8.3 17.3 67.3 2.6 回 既 婚 女 性 n=8) 58.5 3. 4.1 1.3 1.6 3.9.6 92.6 3.9 回 1 人 ( 一 人 らし)n=424) 23.3 26.2 11.1 7.3 8.7 2.3 3.1 6.6 2.1 回 複 数 人 n=2122) 41.5 27.5 5.6 2.8 3.4 7.2 12. 74.6 3. 回 12 17 時 n=747) 52.1 26.9 4.4 2.3 2.7 6.6 5.1 83.4 3.5 回 18 19 時 n=796) 32.9 29.1 8.3 4. 4.8 8.5 12.3 7.3 2.6 回 2 21 時 n=391) 2.5 31.5 7.9 3.1 6.4 13.8 16.9 59.9 2.1 回 22 時 以 降 n=18) 13.3 21.1 12.8 9.4 7.8 2. 15.6 47.2 1.5 回 その 他 n=432) 51.9 23.4 3. 2.8 2.8 7.4 8.8 78.3 3.3 回 全 体 と 比 較 し 5% 以 上 のものを -5% 以 下 のものを としてマーク 未 既 婚 別 にみた 同 居 人 数 同 居 人 数 別 にみた 平 日 夕 食 時 の 同 伴 者 人 ( 一 人 らし) 複 数 人 家 族 と 一 家 族 以 外 の かと 一 一 人 食 べない 4.1 全 体 n=2582) 16.8 83.2 全 体 n=2582) 64.4 3.2 1.4 1.6 未 婚 n=121) 39.8 6.2 人 ( 一 人 らし) n=433) 5.3 91. 2.1 1.7 3.8 既 婚 n=1561) 98.3 複 数 人 n=2149) 77. 17.9 1.3 % 2% 4% 6% 8% 1% % 2% 4% 6% 8% 1% 平 日 夕 食 時 の 中 食 ( 調 理 済 み 品 のみ)の 頻 度 / 属 性 別 性 別 年 代 未 性 既 婚 人 同 数 居 宅 時 間 全 体 ほ 回 週 回 週 回 程 度 月 回 それ 以 下 自 分 で 用 意 週 1 回 以 上 計 平 均 利 用 月 回 程 度 程 度 程 度 なし しないので (%) 回 数 ( / 週 ) わからない n=2546) 1.7 8.4 13.7 15.6 18.5 35.3 6.8 23.8.6 回 男 性 n=1278) 2.3 1.5 14.9 16.4 16.5 29. 1.4 27.7.7 回 女 性 n=1268) 1. 6.3 12.5 14.7 2.6 41.6 3.2 19.8.5 回 2 代 n=44) 1.7 12.6 13.6 15.6 15.6 27. 13.9 27.9.7 回 3 代 n=546) 2.6 8.2 12.8 16.1 21.1 31.3 7.9 23.6.7 回 4 代 n=575) 2.1 8. 15.7 15.3 19.8 33. 6.1 25.8.6 回 5 代 n=489) 1.8 8. 14.3 15.5 17.6 38.9 3.9 24.1.6 回 6 代 n=532).2 6.2 12. 15.2 17.7 44.7 3.9 18.4.5 回 未 婚 男 性 n=533) 3.4 14.8 16.7 15.9 15.8 22.5 1.9 34.9.9 回 未 婚 女 性 n=468) 2.4 12.2 14.3 14.7 14.5 35.7 6.2 28.9.8 回 既 婚 男 性 n=745) 1.6 7.4 13.6 16.6 17. 33.7 1.1 22.6.6 回 既 婚 女 性 n=8).3 2.9 11.5 14.8 24.1 45. 1.5 14.7.4 回 1 人 ( 一 人 らし) n=424) 3.3 19.8 16.7 15.6 14.2 28.8 1.7 39.8 1.1 回 複 数 人 n=2122) 1.4 6.1 13.1 15.6 19.4 36.6 7.9 2.6.5 回 12 17 時 n=747).8 4.3 12.2 13.1 22.2 43.1 4.3 17.3.4 回 18 19 時 n=796) 1.5 1.3 14.6 18.7 18.2 28.9 7.8 26.4.7 回 2 21 時 n=391) 3.6 11.8 15.6 14.6 16.1 28.4 1. 31..8 回 22 時 以 降 n=18) 4.4 17.2 21.1 12.2 12.8 25. 7.2 42.7 1.1 回 その 他 n=432).7 5.3 1. 16.2 17.4 44. 6.5 16..4 回 全 体 と 比 較 し 5% 以 上 のものを -5% 以 下 のものを としてマーク 平 日 夕 食 時 の 中 食 (インスタント 食 品 のみ)の 頻 度 / 属 性 別 性 別 年 代 未 既 性 婚 人 同 数 居 宅 時 間 ほ 回 週 回 週 回 程 度 月 回 それ 以 下 自 分 で 用 意 週 1 回 以 上 計 平 均 利 用 月 回 程 度 程 度 程 度 なし しないので (%) 回 数 (/ 週 ) わからない 全 体 n=2546).9 4.9 12.5 12.6 16.7 45. 7.3 18.3.4 回 男 性 n=1278) 1.3 6.2 15.3 12.8 15.3 38.2 11. 22.8.5 回 女 性 n=1268).6 3.6 9.7 12.5 18.2 51.8 3.6 13.9.4 回 2 代 n=44) 1.5 6.2 15.6 14.1 14.1 35.1 13.4 23.3.5 回 3 代 n=546) 1.1 5.7 12.8 13.9 21.2 37.4 7.9 19.6.5 回 4 代 n=575) 1. 5. 13.4 12.7 16.7 44.5 6.6 19.4.5 回 5 代 n=489).8 5.3 11.5 11.9 14.3 51.7 4.5 17.6.4 回 6 代 n=532).2 2.6 1. 1.9 16.4 54.5 5.5 12.8.3 回 未 婚 男 性 n=533) 1.9 8.4 18.2 13.3 14.3 33.8 1.1 28.5.6 回 未 婚 女 性 n=468).9 5.6 13.5 15. 18.2 4.2 6.8 2..5 回 既 婚 男 性 n=745).8 4.6 13.3 12.5 16. 41.3 11.5 18.7.4 回 既 婚 女 性 n=8).4 2.5 7.5 11. 18.3 58.6 1.8 1.4.3 回 1 人 ( 一 人 らし) n=424) 1.9 12. 2.8 13.9 13.7 35.6 2.1 34.7.8 回 複 数 人 n=2122).7 3.5 1.9 12.4 17.3 46.8 8.3 15.1.4 回 時 n=747).4 2.8 9.8 1.7 17.4 54.9 4. 13..3 回 時 n=796).4 5.9 13.6 15.3 19. 37.6 8.3 19.9.5 回 時 n=391) 1.5 7.4 14.8 12. 15.3 37.1 11.8 23.7.6 回 時 以 降 n=18) 2.8 7.2 22.8 14.4 13.9 3.6 8.3 32.8.7 回 その 他 n=432) 1.4 3.5 9. 1.9 13.9 54.6 6.7 13.9 全 体 と 比 較 し 5% 以 上 のものを -5% 以 下 のものを としてマーク 出 典 :( 一 社 ) 新 日 本 スーパーマーケット 協 会 消 費 者 調 査 213 61

第 3 項 理 想 とする 夕 食 とのギャップ 理 想 とする 平 日 夕 食 時 の 食 事 形 態 を 尋 ねたところ 全 体 では すべての 料 理 を 素 材 から 調 理 したい との 回 答 が59.2%と 最 も 多 く 素 材 からの 調 理 をメインにしたい 26.7%を 含 めた 素 材 からの 調 理 を 理 想 としてい る 人 はあわせて85.9%にものぼる また 中 食 利 用 が 進 む 未 婚 男 性 同 居 人 数 1 人 ( 一 人 暮 らし) 帰 宅 時 間 22 時 以 降 においても 素 材 からの 調 理 を 理 想 としている 人 の 合 計 は7% 以 上 と 高 く すべての 属 性 で 内 食 を 理 想 の 夕 食 と 考 えている このことから 食 事 における 生 活 者 の 真 のニーズは 単 に 時 間 手 間 の 省 略 で はないことがうかがえる 中 食 は 素 材 から 調 理 する 負 担 を 軽 減 し 時 間 的 な 余 裕 を 確 保 する 手 段 として 一 定 のニーズを 満 たし 市 場 規 模 を 拡 大 している そして 今 後 も 単 身 世 帯 や 共 働 き 世 帯 の 増 加 とともにさらに 中 食 の 需 要 や 市 場 規 模 は 伸 びていくことが 予 想 される しかし 中 食 は 現 在 の 社 会 構 造 ライフスタイルのもとでの 現 実 的 な 対 応 で あり 必 ずしも 生 活 者 の 真 のニーズを 満 たすことにはつながっていない こうした 実 態 に 目 を 向 け スーパー マーケットでも 理 想 の 夕 食 への 手 助 けをすることはできないだろうか 豊 かな 食 生 活 とは 依 然 として 素 材 から 調 理 した 内 食 である その 一 例 として 素 材 をはじめ 調 理 済 み 品 インスタント 食 品 を 取 り 扱 うスーパーマーケットでは 旬 の 食 材 や 目 玉 商 品 を 使 った 簡 単 なレシピ 紹 介 店 頭 での 調 理 アドバイスなどの 取 り 組 みも 積 極 的 に 行 われている また 店 舗 で 調 理 して 持 ち 帰 るサービスや 食 事 ができるスペースの 提 供 などの 取 り 組 みもはじまっている 素 材 や 商 品 の 販 売 を 通 じて 今 後 も 理 想 と するライフスタイルや 豊 かな 食 事 の 時 間 空 間 の 実 現 をサポートするサービス 提 供 がスーパーマーケットに は 期 待 されている 62

第 6 章 中 食 内 食 化 傾 向 の 分 析 平 日 夕 食 時 の 中 食 調 理 済 み 品 ( 惣 菜 など) 内 食 の 頻 度 / 属 性 別 理 想 とする 平 日 夕 食 時 の 食 事 形 態 / 属 性 別 性 別 年 代 未 既 性 婚 人 同 数 居 宅 時 間 全 体 すべての 料 理 を 素 材 から 調 理 したい 素 材 からの 調 理 を メインにしたい 調 理 済 み 品 や インスタント 食 品 を メインにしたい すべての 料 理 を 調 理 済 み 品 インスタント 食 品 にしたい 出 来 るだけ すべて 外 食 で 済 ませたい n=2546) 59.2 26.7 6.6 3. 3.3 1.1 85.9 男 性 n=1278) 54.9 26.8 8.6 4.1 3.9 1.6 81.7 女 性 n=1268) 63.4 26.7 4.7 1.9 2.8.6 9.1 2 代 n=44) 52.2 26.7 8.7 5.9 5.7.7 78.9 3 代 n=546) 57.3 24.9 8.8 3.8 4.2.9 82.2 4 代 n=575) 61.2 26.4 5.2 2.8 2.8 1.6 87.6 5 代 n=489) 59.3 28.6 6.1 1.4 3.1 1.4 87.9 6 代 n=532) 63.9 27.3 4.9 1.5 1.5.9 91.2 未 婚 男 性 n=533) 45.2 28.5 11.3 6.6 6.8 1.7 73.7 未 婚 女 性 n=468) 56.8 27.4 7.9 3.2 3.8.9 84.2 既 婚 男 性 n=745) 61.9 25.6 6.7 2.3 1.9 1.6 87.5 既 婚 女 性 n=8) 67.3 26.3 2.8 1.1 2.1.5 93.6 1 人 ( 一 人 らし) n=424) 5. 26.4 1.1 6.4 6.1.9 76.4 複 数 人 n=2122) 61. 26.8 5.9 2.3 2.8 1.2 87.8 12 17 時 n=747) 63.3 27.4 4.8 1.9 2.1.4 9.7 18 19 時 n=796) 57.9 27.3 7.8 2.8 3.3 1. 85.2 2 21 時 n=391) 51.2 29.7 7.7 4.9 4.9 1.8 8.9 22 時 以 降 n=18) 52.2 22.8 12.8 3.3 7.8 1.1 75. その 他 n=432) 64.4 23.6 4.2 3.5 2.3 2.1 88. その 他 素 材 から 調 理 計 (%) 全 体 と 比 較 し 5% 以 上 のものを -5% 以 下 のものを としてマーク 出 典 :( 一 社 ) 新 日 本 スーパーマーケット 協 会 消 費 者 調 査 213 63