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第 4 報 千 葉 県 内 の 液 状 化 - 流 動 化 現 象 と 詳 細 分 布 調 査 結 果 浦 安 地 区 でみられた 液 状 化 - 流 動 化 現 象 の 詳 細 分 布 地 震 のゆれ 方 と 液 状 化 - 流 動 化 現 象 との 関 係 千 葉 市 美 浜 区 での 人 工 地 層 および 沖 積 層 の 概 略 的 な 3 次 元 分 布 と 液 状 化 - 流 動 化 現 象 の 分 布 の 概 要 平 成 23 年 12 月 2 日 千 葉 県 環 境 研 究 センター 大 地 の 持 続 的 な 利 用 と 液 状 化 - 流 動 化 現 象 農 耕 や 定 住 がはじまり, 大 地 を 意 識 して 利 用 始 めたと 考 えられる 縄 文 時 代 より,われわれは 多 様 な 地 質 環 境 を 有 するこの 大 地 を 繰 り 返 して 使 い 続 けている.この 大 地 を 持 続 的 に 利 用 するには,その 場 所 の 地 質 環 境 ( 大 地 の 性 質 )を 調 べ, 自 然 の 法 則 を 解 き 明 かし,どのような 自 然 現 象 が 起 こっているのかを 理 解 し,さま ざまな 土 地 の 能 力 を 活 かしていくことが 賢 明 である. 短 期 的 な 目 的 だけのために 自 然 の 法 則 に 逆 らって 利 用 すればさまざまな 地 質 災 害 地 質 環 境 問 題 の 原 因 にもなり, 将 来 世 代 の 人 々が 生 活 する 支 障 となりうる. 地 質 環 境 にマッチした 大 地 の 利 用 開 発 が 求 められている. 1923 年 に 発 生 した 関 東 大 震 災 の 後 には, 帝 都 復 興 院 (のちに 復 興 局 となる)が 設 置 され, 約 4 年 間 かけて 地 質 調 査 が 行 なわれ,その 結 果 を 受 けて 災 害 に 強 い 首 都 作 りが 計 画 され 一 部 は 実 行 されてきた. 今 回 のよう な 大 きな 地 質 災 害 が 発 生 した 際 にまず 重 要 なことは,どのような 自 然 現 象 がどこで 起 こったのかを 調 べ 上 げ ることである.その 結 果 として, 従 来 知 られていない,またはあまり 注 目 されなかった 重 要 な 現 象 が 明 らか となった 場 合 には,そのメカニズムを 明 らかにすることである.このような 作 業 を 通 じて, 次 の 災 害 にどの ように 対 応 すべきかといった 復 興 の 方 向 性 がみえてくるものと 考 えられる. さて, 今 回 の 平 成 23(211) 年 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 ( 以 下 太 平 洋 沖 地 震 と 略 す)では, 震 源 から 遠 い 千 葉 県 では 首 都 圏 の 中 では 非 常 に 大 きな 被 害 を 受 けた. 中 でも 液 状 化 - 流 動 化 現 象 による 被 害 は, 首 都 圏 の 中 では 最 も 大 きい. 千 葉 県 環 境 研 究 センターの 稲 毛 地 区 では,その 被 災 地 の 中 にあり, 敷 地 内 に 液 状 化 - 流 動 化 現 象 が 発 生 し 施 設 に 被 害 もあった.しかし, 地 震 発 生 時 より 地 質 環 境 研 究 室 員 によって 液 状 化 - 流 動 化 現 象 の 把 握 調 査 を 進 め,これまで 第 1 報 ~ 第 3 報 の 被 害 報 告 ( 千 葉 県 環 境 研 究 センター,211a;211b; 211c)を 公 表 してきた.これは, 本 センター 地 質 環 境 研 究 室 はその 前 身 の 公 害 研 究 所 地 盤 沈 下 研 究 室 の 時 か ら 1978 年 の 宮 城 県 沖 地 震 より 地 震 時 の 液 状 化 - 流 動 化 現 象 に 関 する 調 査 研 究 を 続 けており, 特 に 1987 年 千 葉 県 東 方 沖 地 震 ( 以 下 東 方 沖 地 震 と 略 す)からは 同 現 象 のメカニズム 解 明 や 国 内 外 の 地 震 時 の 液 状 化 - 流 動 化 被 害 調 査 を 行 なってきた 豊 富 な 経 験 があったことによる.また,この 液 状 化 - 流 動 化 現 象 は, 地 盤 の 沈 下 を 伴 うことから,これを 未 然 に 予 測 し 予 防 することを 調 査 研 究 の 目 標 としていることにもよる. 太 平 洋 沖 地 震 による 県 内 の 液 状 化 - 流 動 化 被 害 に 関 する 本 センターのこれまでの 報 告 は, 第 1 報 では 主 に 千 葉 市 美 浜 区 の 被 害 の 概 況 を 示 した. 第 2 報 では 千 葉 県 内 の 被 害 の 概 況 を 示 した. 第 3 報 では,1 浦 安 市 の 埋 立 地 の 概 況,2 今 回 の 液 状 化 - 流 動 化 現 象 の 特 徴,3 東 方 沖 地 震 より 進 めてきた 液 状 化 - 流 動 化 に 関 する 調 査 研 究 で 得 られたその 発 生 メカニズムの 解 明 結 果 の 今 回 の 液 状 化 - 流 動 化 現 象 への 適 応,4 地 質 環 境 の 視 点 からの 今 後 の 復 旧 復 興 に 関 する 考 え 方 をまとめた. 本 第 4 報 では,1 太 平 洋 沖 地 震 の 地 震 動 と 液 状 化 - 流 動 化 現 象 の 分 布 および 東 方 沖 地 震 での 液 状 化 - 流 動 化 分 布 との 比 較 などについて,2 浦 安 地 区 の 液 状 化 - 流 動 化 被 害 の 詳 細 調 査 結 果,3 千 葉 市 美 浜 区 での 液 状 化 - 流 動 化 被 害 分 布 と 地 質 構 造 に 関 して,4 今 後 の 災 害 に 強 いまちづくりに 向 けてなどについて 報 告 する. 特 に,3に 関 しては 東 方 沖 地 震 からの 調 査 の 結 果 も 含 めれば, 液 状 化 - 流 動 化 現 象 のほとんどは 人 工 地 層 内 で 生 じていることから, 被 害 対 策 を 実 施 するための 調 査 を 行 なう 深 度 の 目 安 として 暫 定 的 ではあるが 人 工 地 層 の 等 深 度 線 を 掲 載 した. なお, 東 日 本 大 震 災 の 被 害 を 受 けて, 国 連 の 一 機 関 であるユネスコ 傘 下 の 国 際 地 質 科 学 連 合 環 境 管 理 委 員 会 (IUGS-GEM)でも, 人 工 地 層 と 液 状 化 - 流 動 化 被 害 の 関 連 の 重 要 性 に 関 する 宣 言 がなされている(IUGS- GEM,211). 4-1

Ⅰ 太 平 洋 沖 地 震 の 地 震 動 と 液 状 化 - 流 動 化 現 象 の 分 布 および 東 方 沖 地 震 での 液 状 化 - 流 動 化 分 布 との 比 較 ほか 1. 東 日 本 での 震 度 分 布 震 源 は 牡 鹿 半 島 の 沖 約 12km の 大 陸 斜 面 の 直 下 約 24km である. 強 くゆれた 東 日 本 における 震 度 分 布 は, 必 ずしも 震 源 を 中 心 とした 同 心 円 状 の 分 布 にはなっていない. 地 質 構 造 が 地 震 のゆれ 方 を 規 制 する 現 象 は, 河 角 の 震 度 階 分 布 調 査 から 角 田 ほか(1985) 長 野 県 教 師 グル ープ(1987) 飯 川 (1991)などによって 実 証 されてきた.その 後,1995 年 阪 神 - 淡 路 大 震 災 以 降 大 幅 に 増 えた 地 震 観 測 点 によって 楠 田 ほか(21) 竹 之 内 (21)は 糸 魚 川 - 静 岡 構 造 線 による 震 度 分 布 の 規 制 につ いて 報 告 している. 今 回 の 地 震 による 気 象 庁 震 度 分 布 に 主 要 な 地 質 構 造 の 位 置 を 入 れてみると, 大 局 的 には 以 下 のような 地 質 構 造 を 境 にゆれ 方 が 変 わっていることがわかる.この 主 要 な 地 質 構 造 とは 脊 梁 火 山 列 ( 中 川 ほか,1986)と 地 質 構 造 線 ( 地 質 構 造 を 支 配 する 大 きな 断 層 )の 一 つである 柏 崎 - 銚 子 線 ( 山 下,197) 糸 魚 川 - 静 岡 構 造 線 ( 矢 部,1918)であり,これを 境 にその 強 さが 変 化 している( 図 1). 図 1 211 年 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 の 震 度 分 布 図 (ADEP,211)と 地 質 構 造 との 関 係. 震 度 値 は 気 象 庁 (211) による. 4-2

2. 関 東 堆 積 盆 地 のゆれと 液 状 化 - 流 動 化 現 象 の 分 布 太 平 洋 沖 地 震 では, 震 源 が 関 東 堆 積 盆 地 の 北 東 約 4km と 離 れたところであった.この 堆 積 盆 地 の 北 の 茨 城 県 中 北 部 では, 震 度 6 弱 の 強 いゆれと 震 度 4 の 比 較 的 弱 いゆれが 混 在 している.しかし,この 南 西 の 関 東 堆 積 盆 地 内 では,5 弱 ~6 弱 が 漸 移 的 に 分 布 し, 北 東 ほど 強 いゆれとなっている.5 強 以 上 の 強 いゆれは 堆 積 盆 地 中 央 から 北 部 にみられる.そして,この 強 いゆれの 部 分 で 液 状 化 - 流 動 化 現 象 がみられている.なお, この 現 象 がみられたほとんどのところは 人 工 地 層 分 布 域 である. 図 2 211 年 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 での 震 度 分 布. 気 象 庁 (211)の 震 度 分 布 を 基 に 作 成 された 地 震 予 知 総 合 研 究 振 興 会 (211) に 加 筆. 図 3 関 東 地 下 水 盆 中 の 太 平 洋 沖 地 震 での 液 状 化 - 流 動 化 現 象 の 分 布. 図 を 作 成 するにあたり, 基 図 は 楡 井 古 野 (1988)を 使 用 した. 液 状 化 - 流 動 化 被 害 地 点 のうち 房 総 半 島 についてはこれまでの 本 センタ ーの 調 査 より, 東 京 都 の 分 布 につい ては 江 東 区 (211), 江 戸 川 区 土 木 部 沿 川 まちづくり 課 (211) 安 田 (211), 神 奈 川 県 の 分 布 について は 関 東 学 院 大 学 地 盤 防 災 工 学 研 究 室 (211), 埼 玉 県 の 分 布 について は 桑 野 ほか(211), 茨 城 県 北 部 に ついては 東 畑 ほか(211), 茨 城 大 学 工 学 部 都 市 システム 工 学 科 防 災 環 境 地 盤 工 学 研 究 室 (211a; 211b;211c;211d;211e;211f; 211g;211h), 利 根 川 沿 いの 河 川 敷 と 堤 防 については 国 土 交 通 省 利 根 川 下 流 事 務 所 (211), 荒 川 沿 い の 河 川 敷 と 堤 防 については 国 土 交 通 省 荒 川 下 流 事 務 所 (211)より 作 成 した. 4-3

3. 房 総 半 島 での 震 度 分 布 と 液 状 化 - 流 動 化 現 象 の 分 布 これまでの 当 センターによる 調 査 から, 液 状 化 - 流 動 化 現 象 は, 東 京 湾 岸 埋 立 地 利 根 川 下 流 低 地 九 十 九 里 平 野 北 部 にみられる( 図 4).これら 被 害 のあった 東 京 湾 岸 埋 立 地 利 根 川 下 流 低 地 では, 海 域 や 湖 沼 と いった 水 域 をサンドポンプにより 埋 立 た 地 域, 九 十 九 里 平 野 北 部 では 砂 鉄 採 取 のために 掘 削 し, 砂 鉄 採 取 後 の 残 渣 をその 孔 にサンドポンプで 埋 め 戻 した 場 所 であり,いずれもサンドポンプによる 埋 立 地 を 中 心 にみら れ, 盛 土 ではわずかしか 発 生 していない. 図 4 はこの 現 象 の 分 布 とゆれの 強 さを 示 す 気 象 庁 震 度 階 の 分 布 を 重 ね 合 わせた. 図 4 左 は 14 時 46 分 の 本 震 時 の 震 度 階 分 布, 右 は 15 時 15 分 の 最 大 余 震 時 の 震 度 階 分 布 を 重 ね 合 わせたものである.なお, 図 5 は, 県 内 の 強 震 観 測 点 の 位 置 図 である. 東 京 湾 岸 埋 立 地 では, 本 震 時 には 北 部 で 震 度 5 強, 南 部 で 5 弱 であり, 最 大 余 震 時 には 中 央 部 で 5 弱 がみ られるもののほぼ 全 域 が 震 度 4 であった. 液 状 化 - 流 動 化 現 象 は 5 強 のゆれがあった 北 部 でみられた. 利 根 川 低 地 では, 本 震 時 には 東 庄 町 ~ 銚 子 市 では 震 度 5 弱 であるものの,それ 以 外 は 5 強 ~6 弱 と 強 くゆ れていた. 最 大 余 震 時 には 香 取 市 ~ 銚 子 市 が 5 弱 ~5 強 のゆれであったが,この 西 では 4~5 弱 であった. 特 に 銚 子 市 若 宮 町 では 本 震 時 は 震 度 4 であったものの, 最 大 余 震 時 には 5 強 のゆれとなった. 液 状 化 - 流 動 化 現 象 は 本 震 と 最 大 余 震 のいづれかで 5 強 以 上 のゆれとなった 地 域 で 発 生 している. 九 十 九 里 平 野 では, 旭 市 萩 園 山 武 市 蓮 沼 ハ 白 子 町 関 では 5 強 であるものの, 全 域 が 5 弱 のゆれであっ た. 最 大 余 震 時 には 匝 瑳 市 今 泉 以 北 で 5 強 以 上 の 強 いゆれであった. 液 状 化 - 流 動 化 現 象 は, 本 震 と 最 大 余 震 のいづれかで 5 強 以 上 のゆれとなった 地 域 で 多 く 発 生 している. 液 状 化 が 発 生 しやすい 条 件 は 以 下 の 3 条 件 がそろうことである( 最 上 久 保,1953 英 ;Seed and Lee,1966). 1ゆる 詰 まりの 細 かい 砂 層 であること.2 地 下 水 位 が 地 表 近 くの 浅 い 深 度 にあること.3 強 いゆれがあるこ と.このことを 適 用 すれば, 東 京 湾 岸 埋 立 地 や 利 根 川 下 流 低 地 の 埋 立 地 および 九 十 九 里 平 野 内 の 埋 戻 部 分 は, 常 に1と2の 条 件 下 にあるので,3のゆれの 強 さに 液 状 化 の 発 生 は 強 く 影 響 されることになる. 今 回 の 地 震 では, 本 震 と 最 大 余 震 のいづれかで 5 強 以 上 のゆれとなった 地 域 を 中 心 に 発 生 している.ただし, 袖 ケ 浦 市 長 浦 のように 5 弱 のゆれのところでも 同 現 象 が 発 生 している 例 は 少 ないが 存 在 する. 図 4 房 総 半 島 での 震 度 分 布 と 液 状 化 - 流 動 化 現 象 の 分 布 左 が 14 時 46 分 の 本 震, 右 が 15 時 15 分 の 最 大 余 震. 震 度 値 は 気 象 庁 (211)による. 4-4

図 5 千 葉 県 内 の 強 震 観 測 点 4-5

4. 東 方 沖 地 震 と 太 平 洋 沖 地 震 の 際 の 液 状 化 - 流 動 化 分 布 の 比 較 東 方 沖 地 震 では 震 源 が 一 宮 町 の 沖 合 いの 深 さ 約 6km の 房 総 半 島 のほぼ 直 下 の 深 部 であるので, 房 総 半 島 全 体 が 広 範 囲 に 比 較 的 強 くゆれ( 図 6), 液 状 化 - 流 動 化 現 象 は 広 範 囲 でみられた( 図 7 右 ). 太 平 洋 沖 地 震 では, 震 源 が 北 東 約 4km と 離 れて いたことや 深 部 地 質 構 造 などの 影 響 から 5 強 以 上 の 強 いゆれは 房 総 半 島 北 部 にみられ, 液 状 化 - 流 動 化 現 象 はこの 半 島 北 部 を 中 心 にみられた. 房 総 半 島 北 部 をみてみると, 東 方 沖 地 震 時 にこの 現 象 がみられたほとんどの 地 点 で, 今 回 の 地 震 でも この 現 象 がみられている( 再 液 状 化 - 流 動 化 ).ま た, 今 回 の 方 がその 現 象 の 分 布 範 囲 は 広 く,その 程 度 は 大 きなものとなっている. 例 えば 神 崎 町 小 松 飛 地 では 東 方 沖 地 震 での 液 状 化 - 流 動 化 現 象 の 分 布 は 利 根 川 に 沿 う 三 日 月 湖 内 の 埋 立 部 分 に 限 られ, 噴 砂 量 も 少 なく, 地 盤 の 沈 下 もほとんどみられなかっ たが, 今 回 は 三 日 月 湖 周 囲 の 湿 地 部 分 の 造 成 地 部 分 にもおよび 噴 砂 量 ははるかに 多 く, 数 十 cm 以 上 の 地 盤 の 沈 下 も 発 生 している( 千 葉 県 環 境 研 究 センタ ー,211b). 本 報 告 で 後 に 述 べる 浦 安 地 区 でも 同 様 である. 図 6 東 方 沖 地 震 時 での 河 角 の 震 度 階 分 布 ( 楡 井 ほか, 199 英 ; 千 葉 県 地 質 環 境 研 究 室,23) 図 7 太 平 洋 沖 地 震 ( 左 )と 東 方 沖 地 震 ( 右 )との 際 の 液 状 化 - 流 動 化 分 布 の 比 較 4-6

房 総 半 島 南 部 についてみると, 東 方 沖 地 震 では 九 十 九 里 平 野 南 部 および 東 京 湾 岸 埋 立 地 南 部 において 広 く 液 状 化 - 流 動 化 現 象 がみられたが, 太 平 洋 沖 地 震 ではほとんどみられていない. 東 方 沖 地 震 時 には 県 内 には 地 震 計 がわずかしかなくゆれの 状 況 が 把 握 できず,このため 河 角 の 震 度 階 アン ケートによりゆれを 把 握 した.これにより 液 状 化 - 流 動 化 は 概 ね 河 角 の 震 度 階 7 以 上 の 地 域 で 発 生 している ものの, 必 ずしもゆれと 液 状 化 - 流 動 化 現 象 の 発 生 との 関 係 は 明 らかにはなっていなかった. 今 回 の 地 震 で は, 県 内 において 公 共 施 設 を 中 心 に 多 数 の 震 度 計 が 設 置 されており, 震 度 と 液 状 化 - 流 動 化 との 関 係 が 明 瞭 になった.すなわち 震 度 階 5 強 以 上 のゆれがあり 人 工 地 層 が 分 布 しているところでは 液 状 化 - 流 動 化 現 象 が みられている.また,5 弱 のゆれのあった 人 工 地 層 分 布 域 の 一 部 においてもこの 現 象 がみられている. そこで, 東 方 沖 地 震 時 に 液 状 化 - 流 動 化 が 起 こったものの 今 回 は 起 こらなかった 九 十 九 里 平 野 南 部 の 一 宮 町 東 浪 見 の 砂 鉄 採 取 跡 地 の 地 質 環 境 についてみてみる.ここでは 東 方 沖 地 震 から 16 年 後 の 23 年 に 調 査 を おこなった.この 場 所 は 東 方 沖 地 震 時 に 液 状 化 - 流 動 化 現 象 により 地 波 がみられ, 筑 波 丸 東 製 の 斜 面 調 査 用 簡 易 貫 入 試 験 機 により 簡 易 貫 入 試 験 をおこない,その 値 (Nc)が 1~4 といった 極 めてゆる 詰 まり 状 態 の ままであった( 図 8).これは, 同 時 に 行 なったオールコアボーリングの 結 果 とあわせ, 液 状 化 に 引 き 続 く 流 動 化 および 地 波 現 象 によって 地 層 が 擾 乱 を 受 けるためと 考 えられている( 風 岡,23; 風 岡 ほか 25). このようにゆる 詰 まり 状 態 にもかかわらず, 太 平 洋 沖 地 震 時 には 液 状 化 - 流 動 化 現 象 は 発 生 していない.こ のことから, 人 工 地 層 を 中 心 としたゆる 詰 まりの 砂 層 が 液 状 化 - 流 動 化 を 発 生 させるためには,ゆれる 時 間 が 長 いだけでなく, 震 度 5 強 程 度 の 比 較 的 強 いゆれが 必 要 と 考 えられる.このことは, 非 排 水 振 動 三 軸 試 験 ( 液 状 化 試 験 )において,ある 程 度 の 強 さで 繰 り 返 し 荷 重 をかけない 限 り,どんなに 多 くの 繰 り 返 し 荷 重 を かけても 間 隙 水 圧 の 上 昇 が 途 中 で 止 まってしまう(Seed & Lee, 1966)ことと 調 和 する. 図 8 一 宮 町 東 浪 見 における 東 方 沖 地 震 時 に 液 状 化 - 流 動 化 現 象 による 地 波 現 象 がみられた 砂 鉄 採 取 跡 地 におけ る 地 質 断 面 ( 風 岡 ほか,24). 数 字 は 地 層 の 硬 さ Nc( 斜 面 調 査 用 簡 易 貫 入 試 験 値 )を 示 す. 人 工 地 層 はほぼ 2 以 上 と 硬 い. 液 状 化 - 流 動 化 部 分 は 地 層 の 初 生 的 な 堆 積 構 造 の 乱 れの 状 況 から 6 未 満 の 部 分 と 考 えられる. 地 震 から 16 年 後 の 調 査 であるが, 液 状 化 - 流 動 化 部 分 は 緩 詰 まりのままであり, 最 も 緩 詰 ま りのところは 1 未 満 ととても 軟 らかい 状 態 のままである. 4-7

5. 南 房 総 市 池 ノ 内 での 液 状 化 - 流 動 化 現 象 と 異 常 震 域 に 関 して 今 回 液 状 化 - 流 動 化 現 象 がみられた( 図 1) 南 房 総 市 池 ノ 内 については,1923 年 関 東 地 震 時 において, 瀧 川 断 層 が 現 れたところ( 図 9; 山 崎,1925)である.ただし,この 断 層 は 幅 5m といった 非 常 に 広 い 地 溝 状 をなし, 幅 数 m~ 十 数 m の 平 行 な 亀 裂 を 伴 い 階 段 のように 中 心 に 向 かって 低 くなっている.また, 一 部 には 地 波 のような 波 状 変 形 も 伴 っている.このような 状 況 から 表 層 部 ではいわば 地 層 破 壊 が 生 じているも のと 思 われる. 約 9 年 もたったものの, 過 去 に 破 壊 された 地 層 が 今 回 の 地 震 で 液 状 化 - 流 動 化 し, 噴 砂 噴 水 および 地 波 が 発 生 したものと 思 われる.なお, 房 総 半 島 ではいすみ 市 以 南 では 震 度 4 以 下 であるものの, 1923 年 に 地 震 断 層 として 現 れた 延 命 寺 断 層 に 沿 う 館 山 市 から 南 房 総 市 の 千 倉 の 低 地 部 には 帯 状 に 震 度 5 弱 が 現 れ 異 常 震 動 域 をなしている.ここはちょうど 楡 井 (1981)の 活 地 塊 の 境 界 部 に 位 置 する. 図 9 1923 年 関 東 地 震 時 に 房 総 半 島 南 部 に 現 れた 地 震 断 層 ( 山 崎,1925) 道 路 法 面 の 小 崩 壊 アスファルトの 亀 裂 噴 砂 1 4 2 5 6 8 9 7 図 1 211 年 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 時 に 南 房 総 市 池 ノ 内 にみられた 液 状 化 - 流 動 化 現 象 の 分 布 ( 千 葉 県 環 境 研 究 センター,211b) 3 4-8

6. 埋 立 地 の 護 岸 の 被 害 に 関 して 1923 年 関 東 大 震 災 の 際 の 横 浜 港 の 波 止 場 では, 護 岸 が 海 側 へ 移 動 しこの 内 側 が 陥 没 したり, 突 堤 の 護 岸 が 海 側 へ 傾 動 したりした( 物 部,1926). 1995 年 阪 神 - 淡 路 大 震 災 では 神 戸 付 近 のほとんどの 埋 立 地 におい て 護 岸 が 海 側 へ 移 動 しこの 内 側 が 陥 没 し 噴 砂 が 出 ており, 液 状 化 - 流 動 化 現 象 にともなう 地 すべりの 結 果 と 考 えられる( 千 葉 県 地 質 環 境 研 究 室,23; 香 川 ほか,1995 など).なお, 液 状 化 - 流 動 化 に 伴 う 地 すべり による 側 方 移 動 に 関 しては,1964 年 新 潟 地 震 や 1983 年 日 本 海 中 部 地 震 の 際 に 広 範 囲 にみられ,この 側 方 移 動 が 被 害 を 拡 大 させている(Kawakami & Asada,1966;Seed,1968; 藤 田,1983). 埋 立 地 の 護 岸 は,これを 境 に 埋 立 地 側 の 地 表 と 水 域 側 の 水 底 面 との 高 低 差 があるので, 護 岸 近 傍 で 液 状 化 - 流 動 化 現 象 が 生 ずると, 何 らかの 対 策 が 行 なわれていない 場 合,これに 伴 う 地 滑 りが 発 生 する 可 能 性 が 考 えられる.ここでは,これま での 調 査 でみられた 埋 立 護 岸 の 被 害 状 況 をまとめてみた. 今 後 の 施 設 管 理 者 における 調 査 対 策 の 参 考 にな れば 幸 いである. 浦 安 市 内 においては, 北 西 方 向 に 延 びる 見 明 川 北 部 の 舞 浜 2 丁 目 の 右 岸 の 護 岸 に 沿 って 3cm を 超 える 沈 下 ( 抜 け 上 がりより 沈 下 量 を 推 定 )を 伴 う 著 しい 液 状 化 流 動 化 現 象 が 起 こっている.また, 北 西 方 向 に 延 びる 境 川 沿 いでは 左 岸 の 護 岸 に 沿 う 部 分 について,6cm を 超 える 大 きな 沈 下 を 伴 う 著 しい 液 状 化 - 流 動 化 現 象 が 美 浜 から 入 船 にかけてみられる. 右 岸 でも,6cm を 超 える 沈 下 を 伴 う 著 しい 現 象 が 富 岡 から 高 洲 に かけてみられる( 図 16).このうち 富 岡 2 丁 目 では 護 岸 の 上 部 が 内 陸 側 に 傾 いており, 液 状 化 - 流 動 化 によ り 下 部 が 水 路 側 へはらみ 出 し 円 弧 状 の 地 すべりが 生 じている 可 能 性 が 考 えられる. 船 橋 市 日 の 出 2 丁 目 では, 南 北 方 向 の 護 岸 が 西 の 海 側 へはらみ 出 し 一 部 が 倒 れ,この 内 側 に 地 滑 りを 生 じ 構 造 物 に 被 害 が 起 こっている. 船 橋 市 二 俣 新 町 南 端 の 北 東 方 向 に 延 びる 護 岸 では 一 部 が 海 側 へ 崩 落 している. この 沖 合 いの 船 橋 市 潮 見 町 のふなばし 三 番 瀬 海 浜 公 園 の 西 北 西 方 向 に 延 びる 護 岸 の 一 部 は, 南 南 西 方 向 には らみ 出 している.いずれも 被 害 のあったところでは, 噴 砂 も 出 ていることから 液 状 化 - 流 動 化 に 伴 う 地 滑 り による 被 害 と 考 えられる. 以 上 のほかに, 北 東 方 向 に 延 びる 護 岸 の 一 部 ではやや 規 模 の 大 きな 被 害 がみられている. 浦 安 市 日 の 出 ~ 明 海 にかけての 北 東 方 向 に 延 びる 護 岸 においては, 護 岸 の 内 側 5m 程 度 の 幅 にわたって 護 岸 に 平 行 な 開 口 亀 裂 が 数 列 もみられ,また 数 十 cm の 段 差 をともない, 沈 下 している.また, 千 葉 市 美 浜 区 打 瀬 の 花 見 川 右 岸 沿 いでは, 北 東 方 向 に 延 びる 護 岸 の 上 部 が 水 路 側 へ 倒 れ,この 内 側 は 一 部 5m 程 度 の 幅 にわたって 護 岸 に 平 行 な 幅 数 十 cm の 開 口 亀 裂 が 数 列 みられ,また 数 十 cm の 段 差 をともない, 沈 下 している.ここでも 噴 砂 を 伴 っていることから, 液 状 化 - 流 動 化 に 伴 う 地 滑 りによるものと 考 えられる. 一 方, 図 12~ 図 15 に 示 すように, 太 平 洋 沖 地 震 では,トランスバース 成 分 である 北 西 - 南 東 方 向 の 大 きなゆれがあったことから, このゆれも 大 規 模 な 被 害 の 一 因 になっている 可 能 性 がある. さて, 図 11 は, 東 方 沖 地 震 の 際 に 千 葉 市 美 浜 区 の 幕 張 の 浜 において 帯 状 にみられた 液 状 化 - 流 動 化 現 象 の 状 況 と,その 調 査 結 果 の 地 質 断 面 図 である. 埋 立 地 を 作 る 際 の 護 岸 が 砂 の 中 に 埋 まっており, 護 岸 の 内 側 約 5m の 幅 で 噴 砂 を 中 心 とした 液 状 化 - 流 動 化 現 象 がみられた. 調 査 の 結 果, 護 岸 はコンクリート 製 で, その 下 には 基 礎 としてシートパイルが 打 たれていた.このため,これが 地 下 ダムの 役 割 を 果 たすことになっ てしまい, 護 岸 内 側 では 地 表 に 降 った 雨 が 浸 み 込 むものの, 護 岸 の 外 への 流 動 が 遅 くなり, 地 下 水 位 が 高 い 状 態 で 維 持 される 格 好 になっていることが 明 らかとなった.サンドポンプ 工 法 で 埋 立 られた 地 層 は 護 岸 近 傍 では 砂 層 を 中 心 としているので,このように 透 水 層 を 遮 断 するような 構 造 物 が 形 成 されると, 地 下 水 の 流 動 障 害 を 起 こすことになり, 構 造 物 の 上 流 側 では 地 下 水 位 が 高 くなり, 液 状 化 - 流 動 化 を 起 こしやすい 一 因 に なってしまう. 液 状 化 対 策 として 薬 液 注 入 を 行 ったり, 地 下 壁 を 作 るのも 同 様 で, 地 下 に 構 造 物 を 作 る 際 に は, 地 下 水 流 動 を 何 らかの 方 法 で 確 保 するか, 内 側 について,ドレーン 工 法 などの 対 策 を 行 なうことが 重 要 と 考 えられる. なお, 護 岸 の 一 部 に 孔 をあけ 内 側 の 地 下 水 位 を 下 げれば 地 下 水 位 が 広 域 的 に 低 下 するので 液 状 化 しにくく なる.しかし, 第 3 報 で 述 べたように, 東 京 湾 岸 埋 立 地 ではサンドポンプの 吹 き 出 し 口 から 遠 いところでは 泥 層 が 厚 く 堆 積 しており,これら 泥 層 はあまり 圧 密 を 受 けていないので, 地 下 水 位 が 低 下 するとこの 泥 層 内 の 含 水 が 染 み 出 し 収 縮 する 可 能 性 が 高 く 不 等 沈 下 をおこしやすい.どのような 対 策 がよいのかは, 事 前 に 地 質 環 境 調 査 を 行 い, 周 囲 の 地 質 状 況 も 考 慮 し,その 場 の 地 質 環 境 に 見 合 った 対 策 が 必 要 となる. 4-9

図 11 東 方 沖 地 震 時 の 幕 張 の 浜 における 液 状 化 - 流 動 化 現 象 の 分 布 ( 左 )と 被 害 部 分 での 地 質 断 面 ( 右 )( 千 葉 県 地 質 環 境 研 究 室,23) 7. 液 状 化 - 流 動 化 現 象 の 近 傍 での 太 平 洋 沖 地 震 の 本 震 と 余 震 の 代 表 的 な 地 震 波 形 ここでは, 今 回 液 状 化 - 流 動 化 の 発 生 した 近 傍 の 地 震 観 測 点 での 代 表 的 な 本 震 と 余 震 の 地 震 波 形 について まとめて 紹 介 する.なお, 観 測 点 位 置 は 図 5 を 参 照 されたい. 扱 った 観 測 点 は, 防 災 科 学 技 術 研 究 所 観 測 点 の CHB8 浦 安 ( 浦 安 市 猫 実 の 東 小 学 校 敷 地 内 ) CHB24 稲 毛 ( 本 センター 稲 毛 地 区 敷 地 内 ), 防 災 危 機 管 理 課 が 管 理 し 本 センターがデータ 化 している 震 度 観 測 点 の うち 香 取 市 佐 原 ロ( 香 取 市 役 所 敷 地 内 ) 旭 市 萩 園 ( 旧 飯 岡 町 役 場 敷 地 内 )である.なお, 地 震 動 の 解 析 に あたっては 独 立 法 人 建 築 研 究 所 国 際 地 震 工 学 センターの 鹿 嶋 俊 英 博 士 開 発 の View Wave および 防 災 科 学 技 術 研 究 所 の SMDA2 を 利 用 した. 各 観 測 点 の 波 形 記 録 を 図 12~ 図 15 に 示 す.なお, 各 記 録 の 最 初 には 平 面 方 向 の 動 き( 変 位 )の 時 系 列 変 化 を, 次 にラディアル 成 分 ( 地 震 波 の 伝 播 方 向 ) トランスバース 成 分 ( 地 震 波 の 伝 播 方 向 と 直 交 方 向 ) 鉛 直 成 分 の 波 形 を 加 速 度, 速 度, 変 位 の 順 に 示 した.いずれの 観 測 点 も 本 震 の 際 は,トランスバース 成 分 であ る 北 西 - 南 東 方 向 の 強 いゆれがみられている. 浦 安 では, 本 震 ~ 最 大 余 震 の 際 には 近 傍 にて 液 状 化 - 流 動 化 現 象 が 連 続 してみられた. 本 震 時 は 計 測 震 度 5.2( 震 度 5 強 )でトランスバース 成 分 の 速 度 が 最 大 約 29cm/ 秒 と 十 分 大 きいものの, 余 震 時 は 計 測 震 度 4.6 ( 震 度 5 弱 ),トランスバース 成 分 の 速 度 は 約 15.5cm/ 秒 と 小 さい( 図 12). 稲 毛 では, 本 震 ~ 最 大 余 震 の 際 には 液 状 化 - 流 動 化 が 連 続 して 起 こっており, 本 震 時 は 計 測 震 度 5.3( 震 度 5 強 ), 最 大 速 度 はトランスバース 成 分 の 約 32cm/ 秒 ととても 大 きいものの, 余 震 時 は 計 測 震 度 4.4( 震 度 4)と 小 さい.なお, 最 大 余 震 の 波 形 記 録 はまだ 公 開 されていないので, 最 大 速 度 は 現 段 階 では 不 明 である ( 図 13). 佐 原 ロでは, 著 しい 液 状 化 - 流 動 化 現 象 が 発 生 した. 本 震 時 は 計 測 震 度 5.4( 震 度 5 強 )で, 最 大 速 度 は トランスバース 成 分 の 約 47cm/ 秒 とかなり 大 きい. 最 大 余 震 時 には 計 測 震 度 5.3( 震 度 5 強 ), 最 大 速 度 はラ ディアル 成 分 の 約 33cm/ 秒 と 大 きくゆれた( 図 14). 旭 市 萩 園 では, 著 しい 液 状 化 - 流 動 化 現 象 が 発 生 した. 本 震 時 には 計 測 震 度 5.( 震 度 5 強 )で, 最 大 速 度 はラディアル 成 分 の 21cm/ 秒 とそれほど 強 いゆれではなかったものの, 最 大 余 震 時 には 計 測 震 度 5.2( 震 度 5 強 ), 最 大 速 度 はラディアル 成 分 の 約 28cm/ 秒 とこちらのほうが 大 きい( 図 15). 4-1

図 12 CHB8 浦安 本震 計測震度 5.2 記録開始時刻 14 時 47 分 秒 Disp. Orbit (cm) 14 N-S 北 南 1-12 sec N-S -14 14 12-14 sec 14-16 sec 16-18 sec 2-22 sec -14-14 西 22-24 sec 東 14-14 24-26 sec 14-14 26-28 sec 14-14 Acc. (cm/s/s) Acc. (cm/s/s) Acc. (cm/s/s) 加速度 Acceleration 17 N-S+45 (peak:- 145.2 cm/s/s) ラディアル成分 -17 17 +45 (peak: 157.3 cm/s/s) トランスバース成分 -17 17 鉛直成分 U-D (peak: 75.2 cm/s/s) -17 5 1 15 Time (sec) 2 25 3 速度 Vel. (cm/s) 3 Velocity N-S+45 (peak: 25.79 cm/s) ラディアル成分 Vel. (cm/s) -3 3 Vel. (cm/s) +45 (peak: 28.8 cm/s) トランスバース成分 -3 3 鉛直成分 U-D (peak:- 7.89 cm/s) -3 5 1 変位 Disp. (cm) 12 Disp. (cm) 15 Time (sec) 2 25 3 Displacement N-S+45 (peak:- 7.947 cm) ラディアル成分 -12 12 トランスバース成分 +45 (peak:- 11.752 cm) -12 12 Disp. (cm) 18-2 sec 鉛直成分 U-D (peak: 5.14 cm) -12 5 1 15 Time (sec) 2 25 4-11 3 28-3 sec 14-14 14

Disp. (cm) Disp. (cm) Disp. (cm) Vel. (cm/s) Vel. (cm/s) Vel. (cm/s) Acc. (cm/s/s) Acc. (cm/s/s) Acc. (cm/s/s) N-S N-S CHB8 浦 安 余 震 計 測 震 度 4.6 記 録 開 始 時 刻 :15 時 13 分 16 秒 北 Disp. Orbit (cm) 7 南 -7 7 15-165 sec 165-18 sec 18-195 sec 195-21 sec 21-225 sec 225-24 sec -7-7 西 東 7 加 速 度 Acceleration 8 ラテ ィアル 成 分 24-255 sec -7 7 255-27 sec -7 7 N-S+45 (peak: 7.4 cm/s/s) 27-285 sec -7 7 285-3 sec -7 7-8 8 トランスハ ース 成 分 +45 (peak: 77.5 cm/s/s) -8 8 鉛 直 成 分 U-D (peak: 27.8 cm/s/s) -8 14 16 18 2 22 24 26 28 3 Time (sec) 速 度 Velocity 16 ラテ ィアル 成 分 N-S+45 (peak:- 14.95 cm/s) -16 16 トランスハ ース 成 分 +45 (peak:- 15.49 cm/s) -16 16 鉛 直 成 分 U-D (peak: 4.65 cm/s) -16 14 16 18 2 22 24 26 28 3 Time (sec) 変 位 Displacement 7 ラテ ィアル 成 分 N-S+45 (peak:- 6.72 cm) -7 7 トランスハ ース 成 分 +45 (peak: 6.985 cm) -7 7 鉛 直 成 分 U-D (peak:- 2.695 cm) -7 14 16 18 2 22 24 26 28 3 Time (sec) 4-12