37:37 小 柴胡 湯 に よる薬 剤 性肝 障 害 の1例 面 平 滑,硬 度 軟,脾 は 触 知 せ ず.神 経 学的 に異常 所見 を 認 め な か った. 梢 血 液 像 に は 異 常 な く,ト ラン ス ア ミナ ー ゼ と胆 道 系 酵 素 の 上 昇 を 認 め た が,ビ リル ビ ン値,脂 質 系 お よ び 蛋 白分 画 は 正 常 で あ った(Table 1).肝 炎 ウ イ ル ス検 査 で はIgM-HA抗 (PCR法)と スの 検 索 で は,E-Bウ Table 2).ま た免疫 学 的 検 査 は す べ て 正 常 範 囲 を 示 した. 入 院 時 検 査 成 績:末 HCV-RNA は,既 往 感 染 の 成 績 で あ った(Table l 体,HBs抗 も陰 性 で あ っ た.他 イ ル ス,サ Laboratory 入 院 後 経 過:入 食 事 療 法,点 し,約2週 院 後,全 間 後 肝 機 能 検 査 値 は 改 善 した(Fig. 1).ま 原, の ウィル イ トメ ガ ロ ウ イ ル ス data (I). Fig. Table 2 て の薬 剤 を 中 止 し,安 静, 滴 に よ る肝 庇 護 を 中 心 と した 治 療 を 開 始 1 Clinical course. Laboratory data (II). Fig. 2 Laparoscopic examination chronic inactivehepatitis. disclosed
38:38 た,小 肝 34巻1号(1993) 柴 胡 湯 と グ リチ ル リチ ン 製 剤 に 対 してLSTを 行 った が,陰 CT検 臓 性 で あ った.腹 部 超 音 波 検 査 お よ び腹 部 査 で は 軽 度 の 肝 腫 大 を 認 め た が,他 に異常 所 見 は み られ な か つた. 腹 腔 鏡 検 査 で は,肝 は ほ ぼ 鋭.硬 調,近 左 葉 が や や 腫 大 して お り,肝 縁 度 は 軟,肝 接 像 に て,白 表 面 は,ほ ぼ 平 滑 で淡 赤 褐 色 色紋 理 を軽度 認め たが赤 色紋理 や 細 血 管 浸 潤 は み ら れ ず 大 白 色 肝 の 所 見 で あ っ た(Fig. 2).同 時 に 施 行 した 生 検 組 織 像 は,光 顕 的 に は,肝 胞 のballooningとspotty necrosisお 細 よび門脈域 の軽 度 の リ ンパ 球 浸 潤 を 認 め た が,limiting plateは 保 た れ て お り,門 脈 域 の 開 大 な く,Nonspecific hepatitisと 診 断 した(Fig. 3).電 reactive 顕 的 に は,肝 細 胞 内 小 器 官 は 比 較 的 良 く保 持 され,mitochondriaの 膨 化や cristaeの 消 失 もみ ら れ な か っ た.毛 細 胆 管 腔 の 拡 大 な く,microvilliの 以 上 よ り,LSTで 消 失 も認 め ら れ な か っ た(Fig. 4). は 陰 性 で あ っ た が,小 柴 胡 湯 に よ る 薬 剤 性 肝 障 害 が 強 く 疑 わ れ た た め,十 フ ォー ム ド コ ン セ ン トを 得 た 上 で,小 分に イ ン 柴 胡湯 の少量 Fig. 4 no Electronmicroscopic abnormalities and in both し,好 間 後 に,全 柴 胡 湯2.5gの と 判 定 し た(Table ALP, γ-gtp 量再 投与 試験 は陽性 3). 柴 胡 湯 の 原 末 の7製 施 行 し た と こ ろ,ハ ニ ン ジ ン(Ginseng Radix)が GPT, 上 昇 が 認 め ら れ,少 さ ら に,小 投与 に よ り 身 倦 怠 感 お よ び腹 部 膨 満 感 が 出現 酸 球 増 多 と と も にGOT, お よ びIgEの LSTを revealed organelle bile canaliculi. 再 投 与 を 慎 重 に 実 施 し た.小 12 24時 observation intra-cellular Radix)お 陽 性,カ 剤 に対 して成分別 に ン ゲ(Pinelliae ン ゾ ウ(Glycyrrhizae 偽 陽 性 を 示 し た(Table 以 上 の 結 果 よ り,小 Tuber), よ び サ イ コ(Bupleuri Radix)が 4). 柴 胡 湯 の4成 分 に よ るア レル ギ ー 性 の 薬 剤 性 肝 障 害 と 確 診 し た7). Fig. 3 Microscopic examination showed nonspecific reactivehepatitis. 考 1976年 察 に漢 方 エ キ ス 製 剤 が 保 険 薬 価 基 準 に収 載 さ れ
A case of drug-induced liver damage caused by Sho-saiko-to Yoichi KADOTA, Shigeru FUJINAMI, Yasushi FUKUI, Yoshihiro TAGAWA, Taiichi NAKAGAWA, Masayuki WAKABAYASHI, Yukitoshi TAKEUCHI, Tomohiro SHIRO, Yoshihiko KAWASHIMA, Hiroyasu OKUNO, Toshihito SEKI, Yasuko SHIOZAKI, Kyoichi INOUE* and Akiharu OKAMURA**