閣議版-第3章



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平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

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Microsoft Word - 文書 3

公表表紙

18 国立高等専門学校機構


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公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

m07 北見工業大学 様式①

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調査結果の概要

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

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16 日本学生支援機構

●電力自由化推進法案

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Microsoft Word - 通達(参考).doc

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 級 の 給 料 月 額 最 高 号 級 の 給 料 月 額 1 級 ( 単 位 : ) 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 9 級 1 級 135,6 185,8 222,9 261,

企 業 の 採 用 予 定 数 採 用 予 定 数 は 増 やす と 回 答 した 企 業 が 減 らす と 回 答 した 企 業 を3 年 連 続 上 回 り 採 用 は 増 加 傾 向 にある 特 に 非 上 場 非 製 造 において 採 用 数 を 増 やす と 回 答 する 割 合 が 大

別紙3

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別 添 1 女 性 国 家 公 務 員 の 登 用 状 況 資 料 1 指 定 職 に 占 める 女 性 の 割 合 は3.0%( 平 成 27 年 11 月 1 日 現 在 ) ( 前 年 9 月 1 日 現 在 から0.2ポイント 増 ) 本 省 課 室 長 相 当 職 以 上 に 占 める 女

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Microsoft PowerPoint - 経営事項審査.ppt

Microsoft Word - 目次.doc

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労 働 市 場 における 人 材 確 保 育 成 の 変 化

新 規 学 卒 採 用 において 企 業 が 求 める 人 材 労 働 市 場 における 人 材 確 保 育 成 の 変 化 第 節 第 2 章 でみたように 日 本 経 済 を 取 り 巻 く 情 勢 や 就 業 構 造 が 変 化 する 中 で 日 本 経 済 の 競 争 の 強 化 のためには その 源 泉 である 人 材 が 重 要 である そこで 第 3 章 では 労 働 市 場 における 人 材 の 確 保 育 成 の 現 状 と 今 後 の 課 題 を 整 理 分 析 することとする まず 第 節 では 企 業 が 求 める 人 材 をどのよ うに 確 保 しているかを 大 学 生 の 新 規 学 卒 採 用 を 例 に 分 析 する 続 いて 第 2 節 では 我 が 国 企 業 におけ る 雇 用 システムの 特 徴 と 現 在 直 面 している 課 題 を 第 3 節 では 近 年 増 加 傾 向 にある 非 正 規 雇 用 労 働 者 の 家 計 面 を 含 めた 実 態 を それぞれ 分 析 する 第 節 第 節 新 規 学 卒 採 用 において 企 業 が 求 める 人 材 学 卒 者 の 入 職 離 職 状 況 本 節 では まず 全 般 的 な 入 職 の 動 向 をみた 上 で 企 業 における 労 働 配 分 で 大 きな 役 割 を 果 たし ている 学 卒 入 職 離 職 状 況 について 概 観 する 次 に 新 卒 就 職 者 の 過 半 数 を 占 める 大 卒 について 企 業 が 採 用 時 に 重 視 する 資 質 を グローバル 人 材 の 例 をあげながらみる さらに 大 学 生 の 学 低 下 の 懸 念 がある 中 で 学 生 の 就 職 活 動 の 動 向 と 企 業 の 対 応 をみることにより 学 生 の 職 業 への 移 行 におけ る 課 題 を 整 理 する 大 規 模 事 業 所 でも 増 加 傾 向 の 転 職 入 職 者 グローバル 化 国 際 競 争 の 激 化 少 子 高 齢 化 の 進 行 と 労 働 人 口 の 減 少 価 値 観 や 働 き 方 のニー ズの 多 様 化 など 企 業 を 取 り 巻 く 環 境 が 変 化 する 中 企 業 は 必 要 とする 人 材 をどのように 確 保 している のだろうか 雇 用 者 の 労 働 市 場 への 入 職 等 として 事 業 所 における 常 用 労 働 者 の 流 入 を 第 3-()- 図 によりみてみる 外 部 労 働 市 場 23 からの 流 入 として 転 職 入 職 ( 出 向 を 含 む ) 学 卒 未 就 業 入 職 一 般 未 就 業 入 職 があり 内 部 労 働 市 場 内 での 移 動 として 同 一 企 業 内 部 からの 転 入 者 ( 以 下 配 置 転 換 24 という )があるが 転 職 入 職 者 数 は98 年 以 降 一 貫 して 入 職 の 約 半 数 を 占 め 転 職 入 職 率 ( 常 用 労 働 者 に 対 する 転 職 入 職 者 の 割 合 )も 上 昇 傾 向 にあるものの 足 下 で 割 前 後 とその 水 準 は 依 然 とし て 低 い 一 方 一 般 未 就 業 入 職 者 数 25 や 配 置 転 換 は2 年 以 降 学 卒 未 就 業 入 職 者 を 上 回 っている 配 置 転 換 が 増 えてきたのは 99 年 代 終 わりや29 年 頃 であり 26 企 業 は 経 営 状 況 が 苦 しい 時 期 に 希 望 退 職 者 の 募 集 等 の 雇 用 調 整 を 増 やしており より 穏 やかな 雇 用 調 整 の 方 法 として 企 業 内 の 配 置 転 換 により 事 業 間 の 人 員 配 分 を 行 ったものと 推 測 される また 入 職 についてパートタイムを 除 いた 一 般 労 働 者 についてみると 中 小 規 模 の 企 業 では 転 職 が 23 雇 用 動 向 調 査 では 入 職 者 に 他 企 業 からの 出 向 者 出 向 復 帰 者 が 含 まれる 24 配 置 転 換 は 事 業 所 内 配 転 事 業 所 間 配 転 企 業 間 配 転 などに 区 別 されるが ここでいう 同 一 企 業 からの 移 動 は 事 業 所 間 移 動 に 限 定 している 25 入 職 者 のうち 入 職 前 年 間 に 就 業 経 験 のない 新 規 学 卒 者 以 外 の 者 をいう 26 労 働 経 済 動 向 調 査 によると 99 年 以 降 で 配 置 転 換 実 施 事 業 所 割 合 の 前 年 同 期 差 は99 年 第 4 四 半 期 ~94 年 第 2 四 半 期 998 年 第 四 半 期 ~99 年 第 2 四 半 期 2 年 第 4 四 半 期 ~2 年 第 四 半 期 28 年 第 4 四 半 期 ~9 年 第 4 四 半 期 22 年 第 ~ 第 3 四 半 期 にプラスとなっている 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析 35

労 働 市 場 における 人 材 確 保 育 成 の 変 化 第 3-()- 図 入 職 離 職 の 状 況 の 推 移 転 職 や 配 置 転 換 ( 同 一 企 業 内 からの 転 入 )は 増 加 傾 向 にある ( 千 人 ) 2, 2, 8, 6, 4, 2, -2, 転 職 率 ( 右 目 盛 ) 学 卒 未 就 業 入 職 者 ( 左 目 盛 ) 一 般 未 就 業 入 職 者 ( 左 目 盛 ) 転 職 入 職 者 ( 左 目 盛 ) 同 一 企 業 内 からの 転 入 者 ( 左 目 盛 ) 内 部 労 働 市 場 外 部 労 働 市 場 からの 入 職 8 6 4-4, -6, 離 職 者 ( 左 目 盛 ) 2-8, 98 86 9 96 2 6 ( 年 ) 資 料 出 所 厚 生 労 働 省 雇 用 動 向 調 査 をもとに 厚 生 労 働 省 労 働 政 策 担 当 参 事 官 室 にて 作 成 ( 注 ) )98 86 年 は 一 般 産 業 ( 建 設 業 以 外 )の 値 9 年 以 降 は 産 業 計 の 値 企 業 規 模 計 就 業 形 態 計 の 値 2 ) 転 職 率 = 転 職 入 職 者 数 / 常 用 労 働 者 数 ( 調 査 年 の 月 日 現 在 ) 多 いと 言 われるが, 人 以 上 の 大 規 模 企 業 において98 年 では 学 卒 入 職 者 が 入 職 の 約 半 数 を 占 め ていたが2 年 には 転 職 入 職 者 が 入 職 の 約 7 割 となり 転 職 による 入 職 が 大 勢 を 占 めるようになって おり 転 職 率 も 上 昇 傾 向 となっている( 付 3-()- 表 ) このように 転 職 など 外 部 労 働 市 場 の 活 用 や 配 置 転 換 が 増 えてきているが まずは 企 業 にとって 長 期 にわたる 人 材 育 成 とそれに 伴 う 能 開 発 コストの 回 収 が 最 も 期 待 できる 新 規 学 卒 入 職 についてみてい くこととする 若 年 採 用 で 重 要 な 位 置 を 占 める 新 卒 一 括 採 用 学 卒 入 職 の 状 況 をみると 若 年 人 口 は 減 少 してきているが 大 学 進 学 率 の 上 昇 に 伴 い 新 規 高 卒 就 職 希 望 者 は 減 少 し 新 規 大 卒 就 職 希 望 者 は 増 加 してきている 27 一 方 高 卒 大 卒 の 求 人 数 をみると 99 年 前 後 には 高 卒 求 人 数 は 大 卒 求 人 の 約 2 倍 の 規 模 であったが バブル 崩 壊 に 伴 い 高 卒 大 卒 とも に 求 人 数 は 大 きく 減 少 し 求 人 倍 率 も 低 下 した 997 年 には 大 卒 求 人 数 が 高 卒 求 人 数 を 上 回 り 学 卒 募 集 の 比 率 は 高 卒 から 大 卒 にシフトしたものの 依 然 として 求 人 倍 率 は 高 卒 の 方 が 高 かった 22 年 頃 にかけて 大 卒 求 人 数 が 急 増 し 高 卒 大 卒 の 求 人 倍 率 も 同 水 準 となった その 後 高 卒 求 人 は 大 卒 の 約 半 分 ピーク 時 の 約 8 分 の にまで 減 少 したものの 求 人 倍 率 は 大 卒 とあまり 大 きく 乖 離 していない ( 第 3-()-2 図 ) 大 卒 者 に 対 する 高 卒 者 の 賃 金 比 率 を996 年 と22 年 で 比 較 すると 産 業 計 では 高 卒 と 大 卒 の 賃 金 格 差 は 縮 まっておらず 45~49 歳 5~54 歳 層 で 格 差 は 拡 大 28 しており 高 卒 ではな 27 厚 生 労 働 省 新 規 学 卒 者 ( 高 校 )の 職 業 紹 介 状 況 及 び( 株 )リクルートワークス 研 究 所 ワークス 求 人 倍 率 調 査 によると 99 2 2 年 の 新 規 高 卒 就 職 希 望 者 は52. 万 人 2.4 万 人 5.5 万 人 新 規 大 卒 就 職 希 望 者 は29.4 万 人 42.2 万 人 45.6 万 人 28 2 時 点 の 同 一 年 齢 階 級 における 賃 金 比 率 は 労 働 者 の 大 学 進 学 時 の 進 学 率 等 置 かれた 状 況 が 異 なるため 一 概 には 比 較 できない 36 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析

新 規 学 卒 採 用 において 企 業 が 求 める 人 材 第 節 第 3-()-2 図 高 卒 大 卒 の 求 人 数 と 求 人 倍 率 の 推 移 高 卒 求 人 倍 率 は 足 下 では 大 卒 求 人 倍 率 と 同 程 度 の 水 準 となっている ( 万 人 ) ( 倍 ) 8 4. 6 4 2 8 高 卒 求 人 数 ( 左 目 盛 ) 高 卒 求 人 倍 率 ( 右 目 盛 ) 大 卒 求 人 倍 率 ( 右 目 盛 ) 大 卒 求 人 数 ( 左 目 盛 ) 3.5 3. 2.5 2. 第 節 6.5 4. 2.5. 987 88 89 9 9 92 93 94 95 96 97 98 99 2 2 3 4 5 6 7 8 9 2 3 4 ( 年 ) 資 料 出 所 厚 生 労 働 省 新 規 学 卒 者 ( 高 校 )の 職 業 紹 介 状 況 株 式 会 社 リクルートワークス 研 究 所 ワークス 大 卒 求 人 倍 率 調 査 ( 注 ) 高 卒 の 求 人 倍 率 は 各 年 6 月 末 日 までにハローワーク 及 び 学 校 で 取 り 扱 った 求 職 者 数 に 対 する 求 人 数 の 割 合 で ある く 大 卒 で 就 職 するメリットはあるものと 考 えられる しかし 医 療, 福 祉 に 従 事 する 男 性 では 年 齢 階 級 が 上 がると 比 率 は 低 下 する 傾 向 にあり 産 業 によって 賃 金 格 差 はほとんど 無 いものもある( 付 3-()- 2 表 ) 新 規 学 卒 の 求 人 採 用 数 については 自 社 の 人 材 の 過 不 足 状 況 や 今 後 の 経 済 情 勢 や 利 益 などの 見 通 しなどを 考 慮 して 決 められると 考 えられる 新 規 学 卒 採 用 数 へのこれらの 影 響 をみるため 常 用 労 働 者 数 に 対 する 新 規 学 卒 未 就 業 入 職 者 数 の 割 合 ( 以 下 新 規 学 卒 入 職 率 という )に 与 える 要 因 をみ てみると 労 働 者 が 不 足 し 若 年 人 口 割 合 が 高 いほど 新 規 学 卒 入 職 率 は 高 い という 傾 向 がみられる また 常 用 労 働 者 の 過 不 足 状 況 や 若 年 人 口 比 率 から 推 計 した 新 規 学 卒 入 職 率 と 比 較 すると 995~ 998 年 などでは 実 際 の 新 規 学 卒 入 職 率 が 企 業 の 置 かれた 状 況 を 基 にした 推 計 値 を 下 回 り 企 業 が 採 用 を 抑 制 する 傾 向 がみられたが 2~2 年 では 実 際 の 新 規 学 卒 入 職 率 が 推 計 値 を 上 回 っており 最 近 では 企 業 は 取 り 巻 く 経 営 環 境 が 厳 しい 中 でも 採 用 数 を 大 幅 に 減 少 させないようにしていることがう かがわれる( 第 3-()-3 図 ) 新 規 学 卒 については 多 くの 企 業 で 新 卒 一 括 採 用 が 行 われている 29 が その 理 由 をみると 社 員 の 年 齢 構 成 を 維 持 できる 他 社 の 風 習 などに 染 まっていないフレッシュな 人 材 を 確 保 できる 定 期 的 に 一 定 数 の 人 材 を 確 保 できる といった 点 が 多 くあげられており 3 企 業 は 育 てやすい 基 幹 的 人 材 を 定 期 的 に 確 保 するという 観 点 から 他 社 経 験 のない 新 卒 者 を 選 好 する 傾 向 にあるとされる このた 29 厚 生 労 働 省 労 働 経 済 動 向 調 査 (22 年 8 月 )によると 過 去 年 間 ( 平 成 23(2) 年 8 月 ~24(22) 年 7 月 )に 新 規 学 卒 者 採 用 枠 での 正 社 員 を 募 集 した 事 業 所 のうち 春 季 の 一 括 採 用 のみと 回 答 した 事 業 所 割 合 は 規 模 計 で7%, 人 以 上 規 模 で73% 3~999 人 規 模 で75% ~299 人 規 模 で7% 3~99 人 規 模 で55%となっている 3 内 閣 府 企 業 の 採 用 のあり 方 に 関 する 調 査 (26 年 ) 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析 37

労 働 市 場 における 人 材 確 保 育 成 の 変 化 第 3-()-3 図 新 規 学 卒 入 職 率 の 推 移 ( 大 企 業 ) 2 ~ 2 年 では 実 際 の 新 規 学 卒 入 職 率 が 推 計 値 を 上 回 っており 企 業 は 経 営 環 境 が 厳 しい 中 でも 採 用 数 を 極 端 に 減 少 させないようにしていることがうかがわれる 8 6 不 足 過 剰 6 4 2 新 規 学 卒 入 職 率 ( 右 目 盛 ) 新 規 学 卒 入 職 率 推 計 値 ( 右 目 盛 ) 5-24 歳 人 口 /5-64 歳 人 口 比 率 ( 左 目 盛 ) 5 4 3 2 常 用 労 働 者 の 過 不 足 状 況 D.I.( 左 目 盛 ) -2 987 88 89 9 9 92 93 94 95 96 97 98 99 2 2 3 4 5 6 7 8 9 ( 年 ) 資 料 出 所 厚 生 労 働 省 雇 用 動 向 調 査 労 働 経 済 動 向 調 査 (8 月 調 査 ) 総 務 省 統 計 局 労 働 調 査 をもとに 厚 生 労 働 省 労 働 政 策 担 当 参 事 官 室 にて 推 計 ( 注 ) ) 新 規 学 卒 入 職 率 は 常 用 労 働 者 のうち 一 般 労 働 者 にかかるもので 企 業 規 模, 人 以 上 987~9 年 は 一 般 産 業 ( 建 設 業 以 外 )の 値 9 年 以 降 は 産 業 計 の 値 2) 常 用 労 働 者 の 過 不 足 状 況 は 事 業 所 規 模, 人 以 上 で t 年 の 調 査 結 果 をt+ 年 の 値 として 用 いている 3) 新 規 学 卒 入 職 率 の 推 計 は 以 下 のとおり 算 出 Y=.28X+.23X2-.6 (8.222)(7.43)(-.835) adjr 2 =.845 Y: 新 規 学 卒 入 職 率, 人 以 上 規 模 の 常 用 労 働 者 のうち 一 般 労 働 者 数 ( 毎 年 月 日 現 在 )に 対 する, 人 以 上 規 模 の 新 規 学 卒 未 就 業 者 のうち 一 般 労 働 者 数 の 割 合 X: 常 用 労 働 者 の 過 不 足 状 況 D.I. X2: 各 年 における5~24 歳 人 口 /5~64 歳 人 口 め リーマンショック 後 も 企 業 の 人 材 採 用 の 動 向 は 大 手 企 業 を 中 心 に 新 卒 採 用 を 重 視 している 3 と みられる 次 に 学 卒 の 求 人 倍 率 を 大 卒 者 についてみると 2 年 から22 年 にかけて 企 業 規 模 計 の 求 人 倍 率 は 低 下 したものの, 人 以 上 大 規 模 企 業 への 希 望 者 が 減 少 しており 5, 人 以 上 や,~4,999 人 規 模 で 求 人 倍 率 は 上 昇 している しかし 24 年 では5, 人 以 上 規 模 の 求 人 倍 率 は.54 倍 就 職 希 望 者 全 体 に 対 する 学 生 の 就 職 希 望 企 業 上 位 約 5 社 の 募 集 数 の 割 合 でみると 約 8 %であり 大 規 模 企 業 や 多 くの 学 生 が 希 望 する 企 業 への 就 職 は 非 常 に 狭 き 門 となっている( 第 3-()-4 図 ) このように 規 模 別 ミスマッチは 大 きいものの 学 歴 別 の 新 卒 就 職 率 の 推 移 をみると 毎 年 度 の 変 動 はあるが 高 卒 者 大 卒 者 それぞれ 約 2 万 人 3 万 人 以 上 と 就 職 希 望 者 のうちおおむね 9 割 以 上 が 就 職 している 仮 に 新 卒 一 括 採 用 が 行 われなくなり 多 くの 欧 米 諸 国 のように 新 卒 者 も 一 般 労 働 市 場 の 中 での 競 争 となると 職 務 経 験 のない 学 生 が 職 務 経 験 者 を 相 手 に 競 争 せざるを 得 なくなるので 新 卒 一 括 採 用 の 慣 行 の 下 では 就 職 できた 新 卒 者 が 就 職 できにくくなる 可 能 性 がある なお 若 年 者 (5~ 24 歳 )の 完 全 失 業 率 を 国 際 比 較 すると 2 年 で 日 本 は8.%であるのに 対 し アメリカは7.3% 英 国 は2.% フランスは22.% ドイツは8.5% OECD 平 均 は6.2%となっており 日 本 の 若 年 者 完 3 永 野 仁 (22) 企 業 の 人 材 採 用 の 動 向 (( 独 ) 労 働 政 策 研 究 研 修 機 構 日 本 労 働 研 究 雑 誌 (No.69))で 白 い 布 仮 説 の 検 証 がなされている 白 い 布 仮 説 とは 白 い 布 は 何 色 でも 染 められるが 一 度 違 う 色 に 染 まった 布 を 染 め 変 えるのは 容 易 ではない との 比 喩 を 用 い 新 卒 者 選 考 を 企 業 が 志 向 する 際 に 用 いられる 38 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析

新 規 学 卒 採 用 において 企 業 が 求 める 人 材 第 節 第 3-()-4 図 求 人 数 就 職 希 望 者 数 の 企 業 規 模 別 推 移, 人 以 上 の 大 規 模 企 業 への 就 職 希 望 者 数 は 減 少 傾 向 であるものの 大 規 模 企 業 や 多 くの 学 生 が 希 望 する 企 業 への 就 職 は 非 常 に 狭 き 門 となっている ( 件 人 ) 8, 7, 6, 5,, 人 未 満, 人 以 上 3 人 未 満 3~ 999 人 第 節 4, 3,,~ 4,999 人 2,, 5, 人 以 上 24 年 人 気 上 位 5 社 求 人 数 996 2 5 2 3 4 996 2 5 2 3 4( 年 ) ( 求 人 数 ) ( 就 職 希 望 者 数 ) 資 料 出 所 株 式 会 社 リクルートワークス 研 究 所 ワークス 大 卒 求 人 倍 率 調 査 株 式 会 社 マイナビ 24 年 卒 大 学 生 就 職 企 業 人 気 ランキング 日 本 経 済 新 聞 社 24 年 春 入 社 の 採 用 計 画 調 査 ( 次 集 計 ) 東 洋 経 済 新 報 社 就 職 四 季 報 24 年 版 をもとに 厚 生 労 働 省 労 働 政 策 担 当 参 事 官 室 にて 作 成 ( 注 ) ) 人 気 上 位 5 社 は 文 系 及 び 理 系 の 上 位 各 社 から 重 複 を 除 外 した 上 で 採 用 計 画 数 の 公 表 のあった49 社 合 計 の 値 採 用 計 画 数 については 会 社 により 短 大 専 門 学 校 高 専 卒 を 含 むなど 大 卒 以 外 の 人 数 を 含 む 場 合 もある 2) 就 職 希 望 者 数 及 び 求 人 数 は 各 年 3 月 卒 業 予 定 の 大 学 生 大 学 院 生 を 対 象 としている 全 失 業 率 は 比 較 的 低 い 水 準 にある( 付 3-()-3 表 ) 32 このように 新 卒 一 括 採 用 慣 行 がある 中 で 比 較 的 多 くの 学 生 が 毎 年 就 職 できており 学 生 にとってもメリットがあるものといえる 33 次 に 就 いた 職 の 安 定 性 をみるために 第 3-()-5 図 により 学 歴 別 に 若 年 雇 用 者 の 正 規 比 率 の 推 移 をみると 学 歴 が 高 くなるほど 正 規 比 率 も 高 い 992 年 から22 年 にかけて 全 ての 学 歴 で 正 規 比 率 は 低 下 し 景 気 の 回 復 に 伴 い27 年 にかけて 高 校 旧 中 や 大 学 大 学 院 では 上 昇 したものの 大 学 大 学 院 卒 でも 8 割 前 後 に 止 まり 大 幅 な 回 復 には 至 っていない 後 述 第 3 節 にあるとおり 多 くの 産 業 に おける 非 正 規 雇 用 労 働 者 比 率 の 上 昇 や 離 職 後 の 非 正 規 への 再 就 職 などが 正 規 比 率 の 押 し 下 げ 要 因 と して 推 測 されるが 経 験 年 数 が 浅 い 若 年 者 は 中 途 採 用 に 求 められる 即 戦 を 強 化 するのは 難 しいこと から 入 職 時 のミスマッチを 減 らすなど 離 職 率 を 低 下 させる 方 策 が 重 要 であると 考 えられる また 学 歴 別 に 若 年 者 の 職 業 別 就 業 者 数 についてみると 高 卒 者 では 全 ての 職 業 で 減 少 し 特 に 事 務 従 事 者 や 技 能 工 等 での 減 少 が 大 きい 大 卒 者 では 専 門 的 技 術 的 職 業 従 事 者 や 販 売 従 事 者 が 減 少 事 務 従 事 者 が 増 加 し これに 加 えこれまで 就 業 者 数 が 多 くなかったサービス 職 業 従 事 者 や 技 能 工 等 で 増 加 した 技 能 工 等 は 足 下 でも 高 卒 で 就 業 者 割 合 が 最 も 高 いものの 大 卒 と 高 卒 の 合 計 での 割 合 は 低 下 した 高 卒 で 多 かった 事 務 従 事 者 はIT 化 などにより 企 業 ニーズが 低 下 したと 考 えられる( 第 3-()- 6 図 ) 32 OECDホームページより(http://www.oecd-ilibrary.org/employment/youth-unemployment-rate_2752342-table 2 ) 33 学 校 卒 業 時 の 就 職 環 境 が 厳 しい 世 代 は 将 来 の 離 職 が 増 える 可 能 性 (いわゆる 世 代 効 果 ) 等 があることにも 留 意 する 必 要 がある 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析 39

労 働 市 場 における 人 材 確 保 育 成 の 変 化 第 3-()-5 図 若 年 雇 用 者 の 学 歴 別 正 規 比 率 ( 男 女 計 ) 景 気 回 復 に 伴 い27 年 にかけて 高 校 旧 制 中 学 や 大 学 大 学 院 では 上 昇 したものの 大 学 大 学 院 卒 でも 8 割 前 後 に 止 まり 大 幅 な 回 復 には 至 っていない 大 学 大 学 院 大 学 院 8 大 学 6 4 小 学 中 学 短 大 高 専 高 校 旧 制 中 学 2 987 92 97 22 7 ( 年 ) 資 料 出 所 総 務 省 統 計 局 就 業 構 造 基 本 調 査 をもとに 厚 生 労 働 省 労 働 政 策 担 当 参 事 官 室 にて 作 成 ( 注 ) )27 年 については 専 門 学 校 卒 は 短 大 高 専 に 含 め 大 学 大 学 院 は 大 学 と 大 学 院 を 合 算 した 2) 小 学 中 学 高 校 旧 制 中 学 は5~9 歳 それ 以 外 は2~24 歳 3) 正 規 比 率 =( 正 規 の 職 員 従 業 員 ( 卒 業 者 )/ 雇 用 者 ( 卒 業 者 )) 第 3-()-6 図 99 年 と 2 年 を 比 較 すると 大 卒 大 学 院 卒 では 専 門 的 技 術 的 職 業 従 事 者 や 販 売 従 事 者 が 減 少 事 務 従 事 者 やサービス 職 業 従 事 者 技 能 工 等 で 増 加 高 卒 では 全 ての 職 業 で 減 少 しており 特 に 事 務 従 事 者 や 技 能 工 等 での 減 少 が 大 きい < 大 学 大 学 院 卒 > ( 万 人 ) 2 6 2 8 4 専 門 的 技 術 的 職 業 従 事 者 技 能 工, 採 掘 製 造 建 設 作 業 者 及 び 労 務 作 業 者 販 売 従 事 者 事 務 従 事 者 大 学 大 学 院 卒 高 卒 の 職 業 別 若 年 就 業 者 数 の 推 移 農 林 漁 業 作 業 者 管 理 的 職 業 従 事 者 運 搬 清 掃 包 装 等 従 事 者 輸 送 機 械 分 類 不 能 の 職 業 運 転 従 事 者 生 産 工 程 従 事 者 保 安 職 業 従 事 者 運 輸 通 信 従 事 者 サービス 職 業 従 事 者 建 設 採 掘 従 事 者 < 高 卒 > ( 万 人 ) 2 6 2 8 4 技 能 工, 採 掘 製 造 建 設 作 業 者 及 び 労 務 作 業 者 販 売 従 事 者 運 輸 通 信 従 事 者 生 産 工 程 従 事 者 輸 送 機 械 運 転 従 事 者 分 類 不 能 の 職 業 保 安 職 業 建 設 採 掘 従 事 者 従 事 者 サービス 運 搬 清 掃 職 業 従 事 者 包 装 等 従 事 者 専 門 的 技 術 的 管 理 的 事 務 従 事 者 職 業 従 事 者 職 業 従 事 者 99 2 ( 年 ) 99 2 ( 年 ) 資 料 出 所 総 務 省 統 計 局 国 勢 調 査 ( 注 ) 高 卒 は5~9 歳 の 値 大 学 大 学 院 卒 は25~29 歳 の 値 農 林 漁 業 作 業 者 4 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析

新 規 学 卒 採 用 において 企 業 が 求 める 人 材 第 節 新 規 大 卒 離 職 に 影 響 を 与 える 職 場 の 就 労 条 件 新 規 学 卒 者 の 早 期 離 職 については いわゆる 世 代 効 果 34 の 影 響 があると 言 われているが 新 規 大 卒 者 の 卒 業 後 3 年 目 の 離 職 率 に 影 響 を 与 える 要 因 を 分 析 すると 学 卒 入 職 時 点 に 就 職 環 境 が 厳 しかった 世 代 ほど 離 職 率 が 高 く 離 職 時 点 の 就 職 環 境 が 良 いほど 離 職 率 が 高 い 傾 向 がみられ 引 き 続 き 世 代 効 果 が 働 いていることが 分 かる( 付 注 ) 3 年 目 までの 離 職 率 は 足 下 では 低 下 傾 向 で 高 卒 は 4 割 を 大 卒 も 3 割 を 下 回 っているが 28 年 までの 入 職 時 には 比 較 的 雇 用 環 境 が 良 く 入 職 後 はリーマン ショック 後 で 雇 用 環 境 が 厳 しい 状 況 となったため 離 職 率 が 低 下 しているものと 考 えられる なお 卒 業 後 年 目 2 年 目 の 離 職 率 は 足 下 ではリーマンショック 後 の 悪 化 した 雇 用 環 境 で 入 職 したことによ り 上 昇 傾 向 にあると 考 えられ 今 後 も 上 昇 するおそれがある これらの 要 素 に 加 え 離 職 時 点 の 賃 金 が 良 い 年 ほど 離 職 率 が 高 い 傾 向 もみられる 賃 金 水 準 に 不 満 を 持 ちつつも 入 職 した 者 が 市 場 の 賃 金 水 準 が 上 がってきた 際 に 離 職 していると 推 測 される ここまで 早 期 離 職 の 世 代 効 果 の 影 響 をみたが 職 場 の 就 労 条 件 が 離 職 率 に 影 響 を 及 ぼしているかど うかをみるため 産 業 別 に 大 卒 後 3 年 目 の 離 職 率 (29 年 3 月 卒 )と 他 の 指 標 との 散 布 図 を 見 てみる まず 有 給 休 暇 取 得 率 との 関 係 をみると 有 給 休 暇 取 得 率 の 高 い 電 気 ガス 熱 供 給 水 道 業 製 造 業 運 輸 業, 郵 便 業 情 報 通 信 業 などでは 離 職 率 は 低 く 有 給 休 暇 取 得 率 の 低 い 宿 泊 業, 飲 食 サービ ス 業 教 育, 学 習 支 援 業 生 活 関 連 サービス 業, 娯 楽 業 などで 離 職 率 が 高 いことが 分 かる 離 職 率 と 他 の 指 標 との 関 係 も 同 様 で 法 定 外 福 利 費 の 高 い 電 気 ガス 熱 供 給 水 道 業 金 融 業, 保 険 業 製 造 業 運 輸 業, 郵 便 業 などでは 社 内 の 各 種 制 度 など 就 労 環 境 への 従 業 員 の 満 足 度 が 高 いこともあって か 離 職 率 は 低 く 法 定 外 福 利 費 の 低 い 医 療, 福 祉 宿 泊 業, 飲 食 サービス 業 教 育, 学 習 支 援 業 生 活 関 連 サービス 業, 娯 楽 業 などで 離 職 率 が 高 い 大 卒 の5 歳 台 前 半 と2 歳 台 前 半 の 賃 金 比 率 でみた 賃 金 の 期 待 上 昇 率 の 高 い 電 気 ガス 熱 供 給 水 道 業 金 融 業, 保 険 業 情 報 通 信 業 学 術 研 究, 専 門 技 術 サービス 業 などでは 賃 金 が 上 昇 する 期 待 に 伴 い 定 着 意 欲 が 高 まることもあってか 離 職 率 が 低 い このように 職 場 の 就 労 条 件 が 離 職 に 影 響 を 及 ぼしていることがうかがわれる( 第 3-()-7 図 ) 非 正 規 比 率 との 関 係 では 非 正 規 比 率 が 高 い 産 業 ほど 離 職 率 も 高 く 正 の 相 関 が 見 られる また ( 社 ) 日 本 能 率 協 会 23 年 度 新 入 社 員 会 社 や 社 会 に 対 する 意 識 調 査 によると 指 導 の 際 に 期 待 / 重 視 することや 会 社 員 生 活 で 大 事 なことについて 上 司 先 輩 と 新 入 社 員 の 間 で 意 識 のギャップもみら れることから 就 労 条 件 だけではなく こうした 意 識 の 違 いも 新 規 学 卒 者 の 離 職 率 の 高 さに 何 らかの 影 響 を 及 ぼしている 可 能 性 がある( 付 3-()-4 表 ) 以 上 新 規 学 卒 者 の 入 職 離 職 状 況 を 概 観 したが 以 下 においては 新 規 学 卒 者 の 中 でも 最 もウエイ トの 高 い 大 卒 者 及 び 大 学 院 卒 者 ( 以 下 大 卒 者 という )について 正 社 員 として 採 用 される 人 材 に 求 められる 能 資 質 がどのようなものか 検 討 することとする 第 節 34 厚 生 労 働 省 平 成 4 年 版 労 働 経 済 の 分 析 平 成 23 年 版 労 働 経 済 の 分 析 及 び 内 閣 府 平 成 8 年 版 国 民 生 活 白 書 を 参 考 に 分 析 なお ここでは 労 働 経 済 の 分 析 と 同 様 に 世 代 効 果 を 世 代 間 の 学 校 卒 業 者 時 や 卒 後 3 年 目 の 雇 用 環 境 の 違 いが 雇 用 の 安 定 性 に 影 響 を 与 えるという 意 味 で 用 いることとする 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析 4

労 働 市 場 における 人 材 確 保 育 成 の 変 化 第 3-()-7 図 産 業 別 の 大 卒 後 3 年 目 離 職 率 ( 平 成 2 年 3 月 卒 )と 各 指 標 の 関 係 職 場 の 就 労 条 件 が 大 卒 後 3 年 目 の 離 職 率 に 影 響 を 及 ぼしていることがうかがわれる 有 給 休 暇 取 得 率 法 定 外 福 利 費 6 6 5 ( 4 学 卒 三 年 目 3 離 職 率 ) 2 教 育, 学 習 支 援 業 宿 泊 業, 飲 食 サービス 業 生 活 関 連 サービス 業, 娯 楽 業 不 動 産 業, 物 品 賃 貸 業 医 療, 福 祉 サービス 業 ( 他 に 分 類 されないもの) 卸 売 業, 小 売 業 学 術 研 究, 専 門 技 術 サービス 業 建 設 業 産 業 計 情 報 通 信 業 運 輸 業, 郵 便 業 金 融 業, 保 険 業 5 教 育, 学 習 支 援 業 生 活 関 連 サービス 業, 娯 楽 業 y = -.3x + 42.744 医 療, 福 祉 adjr² =.67 ( 4 学 不 動 産 業, 物 品 賃 貸 業 相 関 係 数 :-.794 卒 三 卸 売 業 年 小 売 業 学 術 研 究, 専 門 技 術 サービス 業 目 3 離 産 業 計 職 サービス 業 ( 他 に 建 率 設 情 報 通 信 業 ) 分 類 されないもの) 業 2 宿 泊 業, 飲 食 サービス 業 運 輸 業, 郵 便 業 金 融 業, 保 険 業 y = -.895x + 73.947 adjr² =.56 製 造 業 製 造 業 電 気 ガス 熱 供 給 水 道 業 相 関 係 数 :-.748 電 気 ガス 熱 供 給 水 道 業 2 4 6 8 5,, 5, 2, 25, 3, 35, ( 円 ) ( 有 給 休 暇 取 得 率 ) ( 法 定 外 福 利 費 ) 非 正 規 比 率 6 6 5 ( 4 学 不 動 産 業, 物 品 賃 貸 業 卒 学 術 研 究, 専 門 三 技 術 サービス 業 年 目 3 離 職 建 設 業 率 ) 情 報 通 信 業 2 金 融 業, 保 険 業 教 育, 学 習 支 援 業 製 造 業 医 療, 福 祉 産 業 計 運 輸 業, 郵 便 業 電 気 ガス 熱 供 給 水 道 業 宿 泊 業, 飲 食 サービス 業 生 活 関 連 サービス 業, 娯 楽 業 サービス 業 ( 他 に 分 類 されないもの) 卸 売 業, 小 売 業 y =.565x + 3.646 adjr² =.55 相 関 係 数 :.74 大 卒 賃 金 比 率 (5 歳 台 前 半 / 2 歳 台 前 半 ) 5 ( 4 学 卒 三 年 目 3 離 職 率 ) 2 宿 泊 業, 飲 食 サービス 業 医 療, 福 祉 サービス 業 ( 他 に 分 類 されないもの) 教 育, 学 習 支 援 業 生 活 関 連 サービス 業, 娯 楽 業 卸 売 業, 小 売 業 建 設 業 産 業 計 運 輸 業, 郵 便 業 製 造 業 不 動 産 業, 物 品 賃 貸 業 学 術 研 究, 専 門 技 術 サービス 業 金 融 業, 保 険 業 y = -23.27x + 92.633 adjr² =.39 相 関 係 数 :-.628 情 報 通 信 業 電 気 ガス 熱 供 給 水 道 業 2 4 6 8 2. 2.5 3. 3.5 4. ( 非 正 規 比 率 ) ( 大 卒 賃 金 比 率 (5 歳 台 前 半 / 2 歳 台 前 半 ) ( 倍 ) 資 料 出 所 厚 生 労 働 省 平 成 23 年 就 労 条 件 総 合 調 査 平 成 23 年 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 厚 生 労 働 省 職 業 安 定 局 集 計 総 務 省 統 計 局 労 働 調 査 ( 詳 細 集 計 ) をもとに 厚 生 労 働 省 労 働 政 策 担 当 参 事 官 室 にて 作 成 ( 注 ) ) 大 卒 3 年 目 離 職 率 は 平 成 2 年 3 月 卒 の 者 の 値 賃 金 は 民 営 事 業 所 ( 人 以 上 ) 2) 非 正 規 比 率 = 非 正 規 の 職 員 従 業 員 数 /( 正 規 の 職 員 従 業 員 数 + 非 正 規 の 職 員 従 業 員 数 ) ただし 在 学 中 は 除 く 2 企 業 が 求 める 人 材 企 業 は 熱 意 意 欲 行 動 実 行 協 調 性 といった 人 物 要 素 を 重 視 ( 独 ) 労 働 政 策 研 究 研 修 機 構 の 構 造 変 化 の 中 での 企 業 経 営 と 人 材 のあり 方 に 関 する 調 査 (23 年 )によると 若 年 者 の 正 社 員 採 用 に 当 たり 重 視 する 資 質 として 仕 事 に 対 する 熱 意 意 欲 向 上 心 (73.6%) 積 極 性 チャレンジ 精 神 行 動 (62.%) 組 織 協 調 性 (チームワークを 尊 重 できる) (52.5%) コミュニケーション 能 (5.7%) 社 会 常 識 やマナー (48.%) 規 律 性 (ルールを 42 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析

新 規 学 卒 採 用 において 企 業 が 求 める 人 材 第 節 守 れる) (45.4%)をあげる 企 業 割 合 が 高 い 一 方 語 学 (9.8%) 学 業 成 績 (8.%) 最 終 学 歴 (5.2%)の 割 合 は 低 い 99 年 代 との 比 較 では コミュニケーション 能 (4.3%ポイント 増 加 ) 積 極 性 チャレンジ 精 神 行 動 (.%ポイント 増 加 ) 仕 事 に 対 する 熱 意 意 欲 向 上 心 (8.7%ポイント 増 加 )の 割 合 が 大 きく 増 加 した このように 熱 意 意 欲 積 極 性 行 動 協 調 性 コミュニケーション 能 が 重 視 され その 度 合 いは 強 まっている また 経 済 同 友 会 企 業 の 採 用 と 教 育 に 関 するアンケート 調 査 によれば 新 規 採 用 の 際 に 重 視 される 要 素 として 大 学 卒 大 学 院 卒 ともに 熱 意 意 欲 行 動 実 行 協 調 性 の 順 で 多 い( 第 3-()-8 表 ) 近 年 では 協 調 性 が 高 くなっているが 企 業 内 の 組 織 の 和 やチームワークの 重 要 性 が 再 認 識 されるようになった ことも 一 つの 理 由 ではないかと 考 えられる また 同 調 査 によれば 採 用 で 重 視 する 過 程 の 位 は 面 接 となっており こうした 要 素 の 有 無 や 程 度 は 学 生 がこれまでに 経 験 した 一 連 の 課 題 発 見 解 決 プロセスを 面 接 において 明 らかにすることで 見 極 められているものと 考 えられる 以 上 の 調 査 からは 企 業 が 若 年 者 を 採 用 する 過 程 においては 熱 意 行 動 協 調 性 といった 人 間 性 や 人 物 像 をより 重 視 していると 考 えられる 第 節 第 3-()-8 表 企 業 の 採 用 で 重 視 される 能 大 学 卒 大 学 院 卒 ともに 24 年 調 査 以 降 熱 意 意 欲 が 常 に 位 となっている 遅 くとも28 年 調 査 には 大 学 卒 大 学 院 卒 ともに 熱 意 意 欲 行 動 実 行 協 調 性 等 が 上 位 3 位 に 入 っており 999 年 調 査 では 大 学 卒 大 学 院 卒 ともに 3 位 以 内 にランクインしていた 論 理 的 思 考 専 門 知 識 研 究 内 容 といった 学 業 に 比 較 的 関 連 性 の 強 い 素 養 能 の 順 位 が 低 下 している 大 学 卒 999 年 24 年 26 年 28 年 2 年 22 年 位 行 動 実 行 熱 意 意 欲 熱 意 意 欲 熱 意 意 欲 熱 意 意 欲 熱 意 意 欲 2 位 熱 意 意 欲 行 動 実 行 行 動 実 行 行 動 実 行 行 動 実 行 行 動 実 行 3 位 論 理 的 思 考 協 調 性 協 調 性 協 調 性 協 調 性 4 位 創 造 性 論 理 的 思 考 問 題 解 決 論 理 的 思 考 論 理 的 思 考 チームワーク (コミュニケー ション 能 協 調 性 等 ) 誠 実 さ 明 るさ 素 直 さ 等 の 性 格 5 位 専 門 知 識 研 究 内 容 表 現 プレゼン テーション 能 論 理 的 思 考 問 題 解 決 問 題 解 決 課 題 発 見 解 決 大 学 院 卒 999 年 24 年 26 年 28 年 2 年 22 年 位 専 門 知 識 研 究 内 容 熱 意 意 欲 熱 意 意 欲 熱 意 意 欲 熱 意 意 欲 熱 意 意 欲 2 位 熱 意 意 欲 行 動 実 行 行 動 実 行 行 動 実 行 行 動 実 行 行 動 実 行 3 位 行 動 実 行 専 門 知 識 研 究 内 容 専 門 知 識 研 究 内 容 協 調 性 協 調 性 チームワーク (コミュニケー ション 能 協 調 性 等 ) 4 位 論 理 的 思 考 論 理 的 思 考 協 調 性 専 門 知 識 研 究 内 容 論 理 的 思 考 誠 実 さ 明 るさ 素 直 さ 等 の 性 格 5 位 創 造 性 協 調 性 論 理 的 思 考 論 理 的 思 考 資 料 出 所 経 済 同 友 会 教 育 委 員 会 企 業 の 採 用 と 教 育 に 関 するアンケート 調 査 ( 注 ) 22 年 調 査 では 大 学 卒 と 大 学 院 卒 は 同 じカテゴリーとされていた 専 門 知 識 研 究 内 容 課 題 発 見 解 決 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析 43

労 働 市 場 における 人 材 確 保 育 成 の 変 化 若 手 社 員 に 働 きかけ 創 造 や 主 体 性 の 発 揮 を 求 める 企 業 企 業 が 重 要 と 考 えたものの 若 手 社 員 に 不 足 しているとされた 割 合 が 多 い 資 質 について 経 済 産 業 省 企 業 の 求 める 人 材 像 調 査 27~ 社 会 人 基 礎 との 関 係 ~ によれば 第 3-()-9 図 にあるよう に 順 に 働 きかけ 35 創 造 主 体 性 課 題 発 見 発 信 計 画 があがり こ れらについて 重 要 と 考 えた 企 業 のうち 半 数 以 上 が 不 足 を 感 じていると 考 えられる 企 業 は 創 造 計 画 を 除 くこれらの 資 質 と 親 和 性 が 強 い 熱 意 意 欲 と 行 動 実 行 を 最 重 視 しつつ 若 手 社 員 や 学 生 にこれらの 資 質 の 不 足 を 感 じていると 考 えられる 他 方 で 規 律 性 傾 聴 ストレ スコントロール 柔 軟 性 実 行 情 況 把 握 を 不 足 と 考 える 企 業 の 割 合 は 相 対 的 に 小 さ い また 企 業 の 規 模 別 にみると 主 体 性 課 題 発 見 は 企 業 の 規 模 を 問 わず 過 半 数 が 不 足 とし ているが 論 理 的 思 考 や 定 型 的 認 識 能 が 発 揮 されることで 顕 在 化 する 能 と 考 えられる 計 画 情 況 把 握 柔 軟 性 は 中 堅 中 小 企 業 が 東 証 一 部 上 場 企 業 に 比 べて 特 に 不 足 を 感 じている 企 業 はどのような 経 営 環 境 においてもより 積 極 的 な 態 度 の 学 生 を 人 材 として 求 めており 若 手 社 員 に 組 織 における 熱 意 意 欲 や 行 動 実 行 さらには 協 調 性 の 発 揮 を 期 待 しているものと 考 えられる これに 関 連 して 企 業 が 人 材 として 即 戦 を 求 めるようになったとの 見 方 がある 36 が 前 出 構 第 3-()-9 図 社 会 人 基 礎 の 需 給 差 企 業 が 社 会 人 基 礎 として 重 視 するものとしてあげられた 能 で 若 手 社 員 に 特 に 半 数 以 上 の 企 業 が 欠 けている とした 能 として 働 きかけ 創 造 主 体 性 課 題 発 見 発 信 計 画 と 続 いた 企 業 が 若 手 社 員 について 不 足 していると 考 える 社 会 人 基 礎 企 業 が 感 じる 社 会 人 基 礎 の 不 足 率 ( 企 業 規 模 別 ) 9 7 8 6 東 証 一 部 企 業 7 6 5 中 堅 中 小 企 業 5 4 4 3 3 2 2 働 き か け 創 造 主 体 性 課 題 発 見 発 信 計 画 情 況 把 握 実 行 柔 軟 性 ス ト レ ス コ ン ト ロ ー ル 傾 聴 規 律 性 主 体 性 課 題 発 見 発 信 ス ト レ ス コ ン ト ロ ー ル 実 行 計 画 情 況 把 握 傾 聴 柔 軟 性 規 律 性 資 料 出 所 経 済 産 業 省 企 業 の 求 める 人 材 像 調 査 27 ~ 社 会 人 基 礎 との 関 係 ~ ( 平 成 9 年 3 月 )を 基 に 厚 生 労 働 省 労 働 政 策 担 当 参 事 官 室 で 算 出 ( 注 ) ) 同 調 査 では 働 きかけ 主 体 性 実 行 を 前 に 踏 み 出 す に 創 造 課 題 発 見 計 画 を 考 え 抜 く に その 他 6つの 能 を チームで 働 く に それぞれ 分 類 している 2) 当 該 能 について 若 手 社 員 に 不 足 が 見 られる とした 企 業 の 割 合 を 当 該 能 について 企 業 が 求 める 社 会 人 基 礎 と 考 える 企 業 の 割 合 で 除 した 35 同 調 査 によれば 他 人 に 働 きかけ 巻 き 込 む の 意 味 であり 目 的 に 向 かって 周 囲 の 人 々を 動 かしていく といった 能 要 素 である 36 岩 脇 千 裕 大 学 新 卒 者 に 求 める 能 の 構 造 と 変 容 企 業 は 即 戦 を 求 めているのか Works Review vol. (26 年 ) によると 即 戦 とは 一 般 には 採 用 後 に 教 育 訓 練 なしに 職 務 を 遂 行 できる 者 のことを 指 す 企 業 は 特 定 の 職 務 の 遂 行 に 直 接 役 立 つ 具 体 的 な 能 を 求 めるようになったのではなく あらゆる 職 務 に 必 要 な 基 礎 能 の 水 準 を 高 めたり 新 しい 基 礎 能 を 追 加 し たりすることで 新 卒 者 に 求 める 能 の 全 体 的 な 水 準 を 上 昇 させていった との 指 摘 をしている 44 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析

新 規 学 卒 採 用 において 企 業 が 求 める 人 材 第 節 造 変 化 の 中 での 企 業 運 営 と 人 材 のあり 方 に 関 する 調 査 では 付 3-()-5 表 にあるように 若 年 者 の 正 社 員 採 用 に 当 たって 即 戦 を 重 視 又 は どちらかというと 即 戦 重 視 と 回 答 した 企 業 の 割 合 はこれまでの 採 用 では33.5%であったのが 今 後 の 採 用 では2.4%と 低 下 し 他 方 (ポテンシャルと 即 戦 37 の) どちらも 同 じくらい 重 視 が27.9%から37.4%に 上 昇 している 38 また 企 業 は 大 卒 者 に 対 して 即 戦 よりも ポテンシャルを 求 めていることが 分 かっており 企 業 の 中 核 を 担 う 人 材 を 比 較 的 時 間 をかけて 育 成 していく 方 針 の 下 大 卒 者 を 採 用 しているとの 指 摘 もある 39 求 められるグローバル 人 材 わが 国 の 企 業 は 震 災 の 影 響 による 電 問 題 を 始 めとして 厳 しい 事 業 環 境 にある 中 で 生 産 や 事 業 の 海 外 展 開 が 進 行 しており 企 業 は 激 しい 国 際 競 争 に 勝 ち 抜 かなければならない 状 況 にあり 企 業 が 国 際 的 に 事 業 活 動 を 行 うためのグローバル 人 材 4 が 必 要 である 日 本 生 産 性 本 部 第 3 回 日 本 的 雇 用 人 事 の 変 容 に 関 する 調 査 によれば 人 事 制 度 に 関 し 海 外 関 連 会 社 も 含 めてグローバルで 共 通 に 運 用 している 制 度 ( 等 級 制 度 や 賃 金 制 度 評 価 制 度 )があるかとの 質 問 について ある が8.4% ないが 今 後 導 入 にむけて 検 討 中 が3.5%と 答 えている さらに 規 模 別 では 正 社 員 数 5, 人 以 上 の 企 業 の69.6% 2,~5, 人 未 満 の 企 業 の34.8%が ないが 今 後 導 入 に 向 けて 検 討 中 と 答 え ており 他 方 2, 人 未 満 の 企 業 では2% 台 であることから 規 模 の 大 きい 企 業 ほどグローバル 人 材 の 採 用 を 必 要 なものと 考 えていることがわかる ただ 企 業 のグローバル 人 材 への 需 要 は 確 かなものであるにもかかわらず 日 本 人 の 語 学 の 企 業 ニーズへの 合 致 度 は 調 査 対 象 全 57カ 国 地 域 中 55 位 留 学 経 験 やマネジメント 層 の 国 際 経 験 につい てもそれぞれ4 位 52 位 となっており 世 界 的 な 評 価 は 決 して 高 くない 4 また 将 来 の 日 本 のグ ローバル 化 を 担 う 国 内 人 材 として 期 待 される 新 入 社 員 の 海 外 志 向 が 低 下 しているとの 調 査 もあり 42 少 子 高 齢 化 の 進 展 によって 海 外 駐 在 員 の 平 均 年 齢 は 上 昇 し 993 年 に4.3 歳 だったのが26 年 には 46. 歳 へとなっている 43 44 第 節 37 ここでは ポテンシャルとは 潜 在 能 であり 入 社 後 にどれだけ 成 長 が 期 待 できるかの 意 味 であり 即 戦 とは 採 用 時 点 で 何 ができるかの 意 味 である 38 企 業 の 規 模 別 でみると これまでの 採 用 について 小 規 模 な 企 業 ほど 即 戦 志 向 となっており これは 今 後 の 採 用 においても 同 様 で ある 39 岡 部 悟 志 樋 口 健 (29) 企 業 が 採 用 時 の 要 件 として 大 卒 者 に 求 める 能 とその 評 価 方 法 採 用 担 当 責 任 者 を 対 象 とした 量 的 質 的 調 査 のデータ 分 析 から ( 大 学 教 育 学 会 第 3 回 大 会 自 由 研 究 発 表 Ⅲ 学 士 課 程 教 育 発 表 資 料 ) 同 論 文 が 引 用 したベネッセ 教 育 研 究 開 発 センター 実 施 の 文 部 科 学 省 委 託 社 員 採 用 時 の 学 評 価 に 関 する 調 査 (28 年 9 ~ 月 に 実 施 )によれば 企 業 全 体 で ポテンシャルを 重 視 やや 重 視 又 は どちらかといえば 重 視 の 合 計 が59.4% 即 戦 を 重 視 やや 重 視 又 は どちら かといえば 重 視 の 合 計 が3.8%となっている 4 産 学 人 材 育 成 パートナーシップグローバル 人 材 育 成 委 員 会 報 告 書 ~ 産 学 官 でグローバル 人 材 の 育 成 を~ (2 年 4 月 )によれば グローバル 人 材 の 定 義 は グローバル 化 が 進 展 している 世 界 の 中 で 主 体 的 に 物 事 を 考 え 多 様 なバックグラウンドを 持 つ 同 僚 取 引 先 顧 客 等 に 自 分 の 考 えを 分 かり 易 く 伝 え 文 化 的 歴 史 的 なバックグラウンドに 由 来 する 価 値 観 や 特 性 の 差 異 を 乗 り 越 えて 相 手 の 立 場 に 立 って 互 いを 理 解 し さらにはそうした 差 異 からそれぞれの 強 みを 引 き 出 して 活 用 し 相 乗 効 果 を 生 み 出 し 新 しい 価 値 を 創 造 できる 人 材 とされる また 厚 生 労 働 省 雇 用 政 策 研 究 会 報 告 書 (22 年 8 月 )においては 急 激 にグローバル 経 済 の 進 展 する 中 海 外 事 業 所 勤 務 の 場 合 は 勿 論 国 内 勤 務 の 場 合 であっても 海 外 企 業 等 との 関 係 は 避 けて 通 れない 場 合 が 多 いこ とから 勤 務 地 に 関 係 なく グローバルな 視 点 をもって 仕 事 をして 成 果 を 出 すことのできる 人 材 のことを 広 く 指 している 4 産 学 人 材 育 成 パートナーシップグローバル 人 材 育 成 委 員 会 報 告 書 ~ 産 学 官 でグローバル 人 材 の 育 成 を~ 42 産 業 能 率 大 学 第 4 回 新 入 社 員 のグローバル 意 識 調 査 の 海 外 で 働 きたいと 思 うか のアンケートについて 働 きたいとは 思 わない は2 年 度 で29.2% 24 年 度 で28.7% 27 年 度 で36.2% 2 年 度 で49.%となっており 近 年 海 外 勤 務 を 避 ける 割 合 が 顕 著 に 増 えている 43 平 賀 富 一 (2) グローバル 競 争 時 代 に 挑 む 企 業 の 人 材 育 成 活 用 によると このような 背 景 には わが 国 が 経 済 発 展 を 遂 げる 中 で 生 活 水 準 が 向 上 して 海 外 旅 行 が 気 軽 なものとなり 海 外 勤 務 の 魅 度 が 相 対 的 に 低 下 し また 日 本 国 内 での 子 女 教 育 をより 重 視 する 等 により あえて 海 外 での 勤 務 や 海 外 留 学 にチャレンジするよりも 国 内 勤 務 を 希 望 する 人 が 増 加 したことがあげられる 44 教 育 政 策 においても グローバル 人 材 の 養 成 が 課 題 となっている 第 2 期 教 育 振 興 基 本 計 画 (23 年 4 月 25 日 中 央 教 育 審 議 会 答 申 の 計 画 期 間 は23~27 年 度 )においては グローバル 人 材 を 未 来 への 飛 躍 を 実 現 する 人 材 と 位 置 付 け 実 践 的 な 英 語 をは じめとする 語 学 の 向 上 海 外 留 学 者 数 の 飛 躍 的 な 増 加 などを 目 指 すこととしている 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析 45

労 働 市 場 における 人 材 確 保 育 成 の 変 化 外 国 人 留 学 生 の 日 本 企 業 への 就 職 の 動 向 グローバル 人 材 の 需 要 に 関 連 して 来 日 留 学 生 の 日 本 企 業 等 への 就 職 状 況 についてみると 28 年 の,4 人 をピークとして リーマンショック 後 に 減 少 したものの 2 年 には8,586 人 と 毎 年 おおむ ね 万 人 前 後 で 推 移 している また 第 3-()- 図 のとおり 企 業 の 規 模 別 にみると 4 割 以 上 の 留 学 生 が 49 人 と 比 較 的 小 規 模 の 企 業 に 就 職 している 職 務 内 容 では 第 3-()- 図 のとおり 翻 訳 通 訳 (29.6%) 販 売 営 業 (22.9%) 情 報 処 理 (6.9%)の 順 に 多 く 業 種 は 製 造 業 よりも 非 製 造 業 の 方 が 多 い このように 留 学 生 の 日 本 企 業 への 就 職 が 進 んでいるが 日 本 企 業 では 本 社 機 能 が 日 本 に 置 かれて 意 思 決 定 や 業 務 遂 行 が 日 本 語 により 行 われるとともに 長 期 雇 用 を 前 提 に 社 会 人 としてのキャリアの 大 部 分 を つの 企 業 で 形 成 することが 多 い 中 で 留 学 生 と 企 業 との 適 合 の 成 否 が 人 材 育 成 と 組 織 形 成 の 観 点 から 重 要 であり 留 学 生 の 人 材 活 用 をどのような 方 法 で 行 うかを 検 討 すべきであるとの 指 摘 も ある 45 日 本 への 留 学 生 が 日 本 企 業 に 就 職 し 定 着 して 活 躍 することは 高 度 人 材 の 確 保 活 用 を 通 じ た 企 業 の 国 際 競 争 の 強 化 という 観 点 からも 重 要 であるため 外 国 人 雇 用 サービスセンター( 東 京 愛 知 大 阪 福 岡 に 設 置 している 外 国 人 版 ハローワーク)において 高 度 外 国 人 材 に 対 するマッチン グ 定 着 支 援 など 多 様 な 就 業 支 援 メニューを 提 供 している 第 3-()- 図 外 国 人 留 学 生 の 業 種 別 許 可 人 員 ( 従 業 員 規 模 別 ) 外 国 人 留 学 生 の 就 労 先 の 日 本 企 業 は4 割 以 上 が~49 人 の 規 模 となっている 28 年 の,4 人 をピークとして リーマンショック 後 に 減 少 したものの 2 年 には8,586 人 と 毎 年 お おむね 万 人 前 後 で 推 移 している ( 人 ) ( 人 ) 6, 2, 5, 人 ~49 人 ( 左 目 盛 ) 合 計 ( 右 目 盛 ), 4, 8, 3, 6, 2,, 人 ~299 人 ( 左 目 盛 ) 2, 人 ~( 左 目 盛 ) その 他 ( 左 目 盛 ) 3 人 ~999 人 ( 左 目 盛 ) 4, 2,, 人 ~,999 人 ( 左 目 盛 ) 5 人 ~99 人 ( 左 目 盛 ) 26 7 8 9 ( 年 ) 資 料 出 所 法 務 省 留 学 生 等 の 日 本 企 業 等 への 就 職 について 45 石 原 直 子 人 材 のグローバル 化 は 進 むのか 本 社 における 高 度 外 国 人 材 活 用 の 実 態 から Works Review vol.7 (22 年 ) 46 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析

新 規 学 卒 採 用 において 企 業 が 求 める 人 材 第 節 第 3-()- 図 外 国 人 留 学 生 の 職 務 内 容 別 許 可 人 員 外 国 人 留 学 生 の 就 労 先 での 職 務 内 容 は 翻 訳 通 訳 販 売 営 業 情 報 処 理 の 順 に 多 い ( 人 ) 2,, 合 計 第 節 8, 6, 4, 翻 訳 通 訳 2, 設 計 販 売 営 業 教 育 情 報 処 理 海 外 業 務 その 他 技 術 開 発 貿 易 業 務 調 査 研 究 26 7 8 9 ( 年 ) 資 料 出 所 法 務 省 留 学 生 等 の 日 本 企 業 等 への 就 職 について 3 学 卒 の 就 職 活 動 の 動 向 と 企 業 の 対 応 学 生 の 高 い 就 職 意 欲 ここからは 増 加 している 大 学 生 について 就 職 意 欲 や 就 職 と 学 との 関 係 就 職 活 動 の 実 態 をみ てみよう まず 学 生 の 就 職 活 動 についての 意 識 をみる 第 3-()-2 図 により 学 生 の 就 職 希 望 度 をみると なにがなんでも 就 職 したい とする 学 生 割 合 は2 年 卒 の7% 台 前 半 からその 後 上 昇 し 近 年 は 9% 前 後 で 推 移 している また 第 3-()-3 図 にあるように 学 生 の 大 手 志 向 は 993 年 卒 以 降 の 学 生 では 大 手 志 向 学 生 の 割 合 はおおむね 4 ~ 5 割 台 で 推 移 してきたが 大 卒 求 人 倍 率 が 上 昇 する 年 に 高 くなることが 多 くなっ ている 24 年 卒 では 文 系 男 子 で43.4% 理 系 男 子 で5.3% 文 系 女 子 で33.8% 理 系 女 子 で32.9%と いずれも23 年 卒 に 比 べて 上 昇 している 25~24 年 卒 の 年 間 の 平 均 では 文 系 男 子 で5.% 理 系 男 子 で55.3% 文 系 女 子 で42.3% 理 系 女 子 で4.7%となっている 前 出 第 3-()-4 図 のとおり 2 年 にかけて, 人 以 上 規 模 の 企 業 も 求 人 数 を 増 加 させたが 同 規 模 希 望 の 就 職 希 望 者 数 も 増 加 し 求 人 数 を 上 回 っており 中 小 企 業 を 希 望 した 学 生 の 中 には 大 手 志 向 であったにもかかわらず 中 小 企 業 を 選 んでいる 者 も 存 在 すると 考 えられる さらに 第 3-()-4 図 にあるように 同 調 査 で2 年 卒 以 降 の 学 生 の 安 定 志 向 の 推 移 をみると 学 生 全 体 では 3 割 未 満 で 男 女 別 文 理 別 でみると おおむね 男 子 が 女 子 よりも 安 定 を 重 視 する 傾 向 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析 47

労 働 市 場 における 人 材 確 保 育 成 の 変 化 にある 46 このように 大 学 生 はおおむね 就 職 への 意 欲 が 強 い また 大 手 志 向 47 がミスマッチの 原 因 であ るとの 見 方 もあるが 現 実 の 景 気 動 向 を 踏 まえて 中 堅 中 小 企 業 に 入 社 する 意 欲 を 持 つ 学 生 が 増 加 す る 傾 向 もみられる 48 さらに 業 種 別 大 卒 求 人 倍 率 をみると 第 3-()-5 図 にあるように 23 年 は 金 融 業 が.9 倍 サービス 情 報 業 が.42 倍 製 造 業 が.65 倍 流 通 業 が3.73 倍 となっており 業 種 により 人 気 の 偏 在 が 読 み 取 れる このように 企 業 の 規 模 業 種 によってはかなりの 高 倍 率 になることが 考 えられるところ 学 生 人 あたりの 平 均 エントリー 数 は 第 3-()-6 図 にあるように 前 述 の 強 い 就 職 意 欲 も 相 まって 少 な い 年 でも6 社 を 超 え 8 社 以 上 の 年 もある 就 職 活 動 において インターネットの 活 用 による 企 業 へ の 応 募 機 会 が 広 がる 中 で 学 生 において 職 業 観 を 深 め 目 指 す 社 会 人 のイメージをより 具 体 化 させる ことや その 上 で 企 業 及 び 学 生 の 双 方 にとって 効 率 的 かつ 効 果 的 なマッチングが 課 題 となっていると 考 えられる 第 3-()-2 図 95 大 学 生 の 就 職 希 望 度 大 学 生 の 就 職 希 望 度 は 全 体 で2 年 以 降 上 がり 続 け 9% 前 後 で 推 移 している 文 系 女 子 理 系 女 子 9 85 全 体 8 文 系 男 子 75 理 系 男 子 7 2 2 3 4 5 6 7 8 9 2 3 4 ( 年 ) 資 料 出 所 株 式 会 社 マイナビ 大 学 生 就 職 意 識 調 査 ( 注 ) )グラフ 中 の 年 はアンケートに 回 答 した 学 生 の 卒 業 年 2) なにがなんでも 就 職 したい 希 望 する 就 職 先 に 決 まらなければ 就 職 しなくともよい の2つの 選 択 肢 のうち 前 者 を 選 択 した 者 の 割 合 を 就 職 希 望 度 とした 46 また 2 年 卒 の 学 生 は 突 出 して 安 定 志 向 の 割 合 が 高 いが 彼 らは28 年 9 月 のリーマンショックの 直 後 に 就 職 活 動 を 開 始 した 学 生 に 相 当 し 景 気 の 大 きな 変 動 に 影 響 を 受 けたものと 考 えられる 47 HR 総 合 調 査 研 究 所 の 24 年 卒 就 職 活 動 動 向 調 査 によれば 文 系 全 体 での 大 企 業 志 向 ( 絶 対 大 手 企 業 に 行 きたい の 回 答 者 と で きれば 大 手 企 業 に 行 きたい のそれぞれの 回 答 者 の 割 合 の 合 計 従 業 員 が, 人 以 上 の 企 業 を 大 手 企 業 とする)は53%であるのに 対 し 大 学 グループによっては 大 手 志 向 が8% 近 いものもある 48 このような 者 の 割 合 は 42.5%(2 年 卒 ) 47.6%(2 年 卒 ) 53.4%(22 年 卒 ) 59.2%(23 年 卒 ) 54.2%(24 年 卒 ) と 推 移 している 48 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析

新 規 学 卒 採 用 において 企 業 が 求 める 人 材 第 節 第 3-()-3 図 大 学 生 の 大 手 志 向 25 年 ~24 年 の 全 体 の 大 手 志 向 は 全 体 で 平 均 して46.5%( 文 系 男 子 で5.% 理 系 男 子 で55.3% 文 系 女 子 で42.3% 理 系 女 子 で4.7%)であり 概 ね4~5 割 台 で 推 移 している 7 理 系 男 子 6 文 系 男 子 5 第 節 4 3 理 系 女 子 文 系 女 子 全 体 2 993 94 95 96 97 98 99 2 2 3 資 料 出 所 株 式 会 社 マイナビ 大 学 生 就 職 意 識 調 査 ( 注 ) ) 絶 対 に 大 手 企 業 がよい 自 分 のやりたい 仕 事 ができるのであれば 大 手 企 業 がよい やりがいのある 仕 事 であれば 中 堅 中 小 企 業 がよい 中 堅 中 小 企 業 がよい その 他 ( 公 務 員 Uターン 志 望 ) 自 分 で 会 社 を 起 こしたい の6つの 選 択 肢 から 前 2 者 を 選 択 した 者 の 割 合 の 和 を 大 手 志 向 者 とした 2)グラフ 中 の 年 はアンケートに 回 答 した 学 生 の 卒 業 年 4 5 6 7 8 9 2 3 ( 年 ) 4 第 3-()-4 図 大 学 生 が 企 業 選 択 に 当 たり 安 定 を 重 視 する 割 合 企 業 選 択 において 安 定 を 重 視 する 大 学 生 の 割 合 は 2 年 卒 が 最 大 となっており 全 体 で26%となっている 3 28 26 24 22 文 系 男 子 理 系 男 子 2 8 6 全 体 文 系 女 子 理 系 女 子 4 2 2 2 3 4 5 6 7 3 4 資 料 出 所 株 式 会 社 マイナビ 大 学 生 就 職 意 識 調 査 ( 注 ) ) 企 業 選 択 のポイント(2つ 選 択 )として 自 分 のやりたい 仕 事 ( 職 種 )ができる 会 社 働 きがいのあ る 会 社 社 風 が 良 い 会 社 安 定 している 会 社 これから 伸 びそうな 会 社 勤 務 制 度 住 宅 など 福 利 厚 生 の 良 い 会 社 自 分 の 能 専 門 を 活 かせる 会 社 一 生 続 けられる 会 社 親 しみのある 会 社 等 のうち 安 定 している 会 社 を 回 答 した 者 の 割 合 2)グラフ 中 の 年 はアンケートに 回 答 した 学 生 の 卒 業 年 8 9 2 2 ( 年 ) 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析 49

労 働 市 場 における 人 材 確 保 育 成 の 変 化 第 3-()-5 図 企 業 規 模 別 業 種 別 大 卒 求 人 倍 率 全 体 の 大 卒 求 人 倍 率 は 直 近 3 年 において.2 倍 台 で 推 移 している 23 年 入 社 組 は, 人 以 上 の 企 業 で.73 倍 であるのに 対 し, 人 未 満 の 企 業 では.79 倍 となっている また 金 融 業 は.9 倍 サービス 情 報 業 は.42 倍 製 造 業 は.65 倍 流 通 業 は3.73 倍 となっており 業 種 に よって 異 なる ( 倍 ) 8 流 通 業 7 6 5 全 体 (, 人 未 満 ) 4 3 製 造 業 2 金 融 業 全 体 (, 人 以 上 ) 全 体 サービス 情 報 業 996 97 98 99 2 2 3 4 5 6 7 8 9 2 3 ( 年 ) 資 料 出 所 株 式 会 社 リクルートワークス 研 究 所 大 卒 求 人 倍 率 調 査 ( 注 ) ) 年 は 入 社 年 2) 製 造 業 には 建 設 業 農 林 水 産 鉱 業 が 含 まれる 第 3-()-6 図 大 学 生 の 人 当 たりエントリー 会 社 数 近 年 大 学 生 は6 以 上 の 会 社 にエントリーしている ( 社 ) 9 8 7 6 5 4 3 2 26 7 8 9 2 3 資 料 出 所 MYCOM 学 生 就 職 モニター ( 注 ) ) 大 学 生 において 企 業 の 採 用 ホームページにアカウントを 作 成 したり 資 料 請 求 をしたりすることを ここでは エントリー とした 2) 数 値 は 当 該 年 に 卒 業 する 学 生 の 前 年 の5 月 時 点 を 基 準 とした ( 年 ) 5 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析

新 規 学 卒 採 用 において 企 業 が 求 める 人 材 第 節 大 学 生 の 学 低 下 の 懸 念 と 就 職 活 動 新 卒 採 用 において 大 学 生 の 学 も 考 慮 要 素 となり 得 ると 考 えられるが 国 公 私 立 大 学 短 期 大 学 入 学 者 選 抜 実 施 状 況 の 概 要 によれば 第 3-()-7 図 にあるように 一 般 入 試 による 入 学 者 の 割 合 が 低 下 しており 49 いわゆる 大 学 全 入 時 代 を 迎 えたことで 大 学 入 試 の 選 抜 機 能 が 低 下 し 文 部 科 学 白 書 によれば 総 じて 大 学 入 学 者 の 基 礎 学 の 担 保 が 課 題 となっている 5 第 3 -( )- 8 図 に あ る よ う に O E C D 生 徒 の 学 習 到 達 度 調 査 5 調 査 では 総 合 読 解 の 習 熟 度 別 (レベル ~ 5 レベル 未 満 の 6 段 階 )の 割 合 について 2 年 と26 年 を 比 較 すると 最 上 位 層 のレ ベル 5 の 占 める 割 合 は 約 割 と 変 わらないが 中 堅 ~ 上 位 に 区 分 できるレベル 4 とレベル 3 の 占 める 割 合 が 約 6 割 から 約 5 割 に 低 下 している 26 年 時 点 で 高 校 年 生 相 当 の 生 徒 が 調 査 対 象 であることか ら 現 在 の 新 卒 採 用 市 場 に 参 入 している 学 生 の 読 解 も この 調 査 の 結 果 を 反 映 していると 考 えられる 中 央 教 育 審 議 会 学 士 課 程 教 育 の 構 築 に 向 けて( 答 申 ) ( 平 成 2 年 2 月 24 日 )によれば 職 業 生 活 にも 必 要 な 技 能 として 日 本 語 外 国 語 での 読 み 書 き 聴 き 話 す 能 数 量 的 スキル 論 理 的 思 考 をあげている これらの 能 は 企 業 が 前 述 のようにポテンシャルを 重 視 する 中 職 業 人 として 不 可 欠 の 能 を 構 成 するものとして 重 視 されているものと 考 えられる 以 下 では 大 学 生 をマクロに 見 て 学 低 下 の 懸 念 があるとされていることが 新 卒 採 用 においてど のような 影 響 を 及 ぼしているかみることとする 第 3-()-9 表 にあるように 経 済 同 友 会 企 業 の 採 用 と 教 育 に 関 するアンケート 調 査 によれば 採 用 で 重 視 される 過 程 として 26 年 調 査 までは 筆 記 試 験 の 結 果 が 2 位 だったが 適 性 試 験 の 結 果 が 新 たな 項 目 として 置 かれた28 年 調 査 以 降 はこれが 2 位 となり 筆 記 試 験 の 結 果 は 3 位 と 後 退 した この 背 景 として 大 量 の 応 募 者 を 選 考 可 能 な 合 理 的 人 数 まで 選 別 する 手 段 として 論 理 的 思 考 や 表 現 を 測 定 する 小 論 文 や 作 文 といった 従 来 型 の 筆 記 試 験 よりも 基 礎 学 を 測 定 する 適 性 試 験 がより 重 視 されていることがうかがえる 52 53 企 業 は 筆 記 試 験 のほかにもSPI 54 などの 適 性 試 験 面 接 などの 採 用 過 程 において 読 解 のほか 論 理 的 思 考 などの 学 を 見 極 めていることが 考 えられる このように マクロでみて 大 学 生 の 学 低 下 の 懸 念 がある 中 で 面 接 の 前 段 で 適 性 試 験 や 筆 記 試 験 が 大 量 の 応 募 者 を 絞 り 込 む 過 程 としても 機 能 していることからすれば 学 生 としては 大 学 生 活 を 送 る 中 で 基 礎 学 の 向 上 等 の 自 助 努 をし 本 格 的 な 採 用 過 程 である 面 接 等 から 遠 ざからないように することが 必 要 であると 考 えられる また 大 学 の 講 義 を 受 けるのに 大 学 生 において 不 足 している 基 礎 学 を 補 うため リメディアル 教 育 55 を 行 う 大 学 もあり このような 取 組 が 奏 功 することで 大 学 生 の 学 低 下 についての 企 業 の 懸 念 を 払 拭 し 得 るとも 考 えられる 第 節 49 大 学 入 学 者 総 数 に 占 めるアドミッション オフィス 入 試 による 入 学 者 数 と 推 薦 入 試 による 入 学 者 数 の 和 の 割 合 は 平 成 8 年 度 入 学 者 以 降 4% 台 前 半 で 推 移 している 5 文 部 科 学 白 書 ( 平 成 2 年 度 版 以 降 )によれば 総 じて 大 学 入 学 者 の 基 礎 学 の 担 保 が 課 題 となっている 5 PISA(Programme for International Student Assessment) 参 加 国 が 共 同 して 国 際 的 に 開 発 した 学 習 到 達 度 問 題 を 5 歳 児 を 対 象 として 読 解 数 学 理 科 の 三 分 野 を 取 り 上 げて 実 施 52 平 野 恵 子 (2) 企 業 からみた 学 問 題 新 卒 採 用 における 学 要 素 の 検 証 (( 独 ) 労 働 政 策 研 究 研 修 機 構 日 本 労 働 研 究 雑 誌 (No.64))によれば 企 業 の 学 に 不 安 のない 学 生 をあらかじめ 面 接 可 能 な 人 数 にまで 絞 り 込 みたいとの 企 業 ニーズに インター ネット 上 又 はテストセンターでの 適 性 試 験 受 検 が 合 致 しているとされる 53 適 性 試 験 は 大 学 生 が 受 験 者 となるが 出 題 レベルは 中 学 卒 業 の 国 語 や 数 学 の 理 解 を 問 うものであり 中 学 卒 業 程 度 の 出 題 によっ て 大 学 生 の 母 集 団 において 選 抜 機 能 をある 程 度 果 たしていることになる 54 SPIとは 基 礎 学 ( 言 語 非 言 語 )や 性 格 を 検 査 する 適 性 検 査 55 参 考 : 日 本 リメディアル 教 育 学 会 (http://www.jade-web.org/jade/guidance/substance.html) ここでは 基 礎 学 の 低 下 した 大 学 生 を 対 象 に 中 等 教 育 段 階 までの 学 の 補 充 をすること 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析 5

労 働 市 場 における 人 材 確 保 育 成 の 変 化 第 3-()-7 図 大 学 入 学 者 に 占 める 非 一 般 選 抜 入 学 者 割 合 26 年 度 入 学 者 以 降 非 一 般 選 抜 入 学 者 の 割 合 は4 割 を 超 えている ( 万 人 ) 65 44 6 55 5 入 学 者 総 数 ( 左 目 盛 ) 非 一 般 選 抜 入 学 者 割 合 ( 右 目 盛 ) 42 4 45 38 4 36 35 3 AO 推 薦 合 計 ( 左 目 盛 ) 34 25 32 2 2 2 3 4 5 6 7 8 9 3 2 ( 年 度 ) 資 料 出 所 文 部 科 学 省 国 公 私 立 大 学 短 期 大 学 入 学 者 選 抜 実 施 状 況 の 概 要 ( 注 ) ) 非 一 般 選 抜 入 学 者 とは 国 公 私 立 大 学 にアドミッション オフィス 入 試 又 は 推 薦 入 試 を 経 て 入 学 した 者 を 指 す 2)グラフ 中 の 年 度 は 入 学 年 度 第 3-()-8 図 PISA 調 査 における 日 本 の5 歳 児 の 総 合 読 解 の 習 熟 度 別 割 合 の 経 年 変 化 最 も 習 熟 度 の 高 いレベル5の 全 体 に 占 める 割 合 が 割 弱 で 一 定 しているが レベル4の 割 合 が 減 少 し また 23 年 調 査 以 降 レベル4とレベル3の 合 計 の 割 合 が 2 年 調 査 の6 割 強 から5 割 へと 減 少 している レベル5 9 レベル4 8 7 6 レベル3 5 4 3 レベル2 2 レベル レベル 未 満 2 3 資 料 出 所 OECD 生 徒 の 学 習 到 達 度 調 査 (PISA) ( 注 ) )グラフの 中 の 年 は 調 査 の 実 施 年 2) 本 調 査 は 日 本 では 高 校 年 生 相 当 学 年 の 生 徒 について 実 施 されている 29 年 調 査 も 行 われたが 29 年 調 査 では 習 熟 度 が26 年 以 前 よりも 細 分 化 され 比 較 が 出 来 ないこと また 29 年 実 施 の 際 に 調 査 に 参 加 した 生 徒 は 白 書 発 行 時 点 では 就 職 活 動 をしておらず 26 年 実 施 の 際 に 調 査 に 参 加 した 生 徒 が 22 年 度 に 学 齢 22 歳 であり 最 短 で 大 学 4 年 生 として 就 職 活 動 をしていることから 26 年 調 査 以 前 で 比 較 した 6 ( 年 ) 52 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析

新 規 学 卒 採 用 において 企 業 が 求 める 人 材 第 節 第 3-()-9 表 企 業 の 採 用 で 重 視 される 過 程 大 学 卒 も 大 学 院 卒 も 最 も 重 視 される 過 程 は 常 に 面 接 であった 28 年 調 査 以 降 選 択 肢 で 筆 記 試 験 と 適 性 試 験 が 区 別 され 大 学 卒 では 同 年 調 査 以 降 常 に 適 性 試 験 又 は 適 性 検 査 が 2 位 と 重 視 される 結 果 となった 大 学 院 卒 は 2 年 調 査 以 降 適 性 試 験 又 は 適 性 検 査 が 常 に 2 位 となっている 遅 くとも2 年 調 査 以 降 適 性 試 験 又 は 適 性 検 査 が 各 社 独 自 の 筆 記 試 験 よりも 重 視 されており 応 募 する 学 生 の 学 が 全 体 的 に 低 下 していることへの 対 応 と 考 えられる 大 学 卒 999 年 24 年 26 年 28 年 2 年 22 年 位 面 接 の 結 果 面 接 の 結 果 面 接 の 結 果 面 接 の 結 果 面 接 の 結 果 面 接 2 位 筆 記 試 験 の 成 績 順 筆 記 試 験 の 成 績 順 筆 記 試 験 の 成 績 適 性 試 験 の 結 果 適 性 試 験 の 結 果 適 性 検 査 (SPI 等 ) 第 節 3 位 学 校 での 専 攻 分 野 学 校 での 専 攻 分 野 学 校 での 専 攻 分 野 筆 記 試 験 の 成 績 筆 記 試 験 の 結 果 学 校 での 専 攻 分 野 / 研 究 内 容 4 位 学 校 の 成 績 学 校 の 成 績 学 校 の 成 績 学 校 での 専 攻 分 野 学 校 での 専 攻 分 野 筆 記 試 験 5 位 その 他 その 他 その 他 その 他 その 他 その 他 大 学 院 卒 999 年 24 年 26 年 28 年 2 年 22 年 位 面 接 の 結 果 面 接 の 結 果 面 接 の 結 果 面 接 の 結 果 面 接 の 結 果 面 接 2 位 学 校 での 専 攻 分 野 学 校 での 専 攻 分 野 筆 記 試 験 の 成 績 筆 記 試 験 の 成 績 適 性 試 験 の 結 果 適 性 検 査 (SPI 等 ) 3 位 筆 記 試 験 の 成 績 順 筆 記 試 験 の 成 績 順 学 校 での 専 攻 分 野 適 性 試 験 の 結 果 筆 記 試 験 の 結 果 学 校 での 専 攻 分 野 / 研 究 内 容 4 位 学 校 の 成 績 学 校 の 成 績 その 他 学 校 での 専 攻 分 野 学 校 での 専 攻 分 野 筆 記 試 験 5 位 その 他 その 他 学 校 の 成 績 その 他 その 他 その 他 資 料 出 所 経 済 同 友 会 教 育 委 員 会 企 業 の 採 用 と 教 育 に 関 するアンケート 調 査 の 結 果 を 厚 生 労 働 省 労 働 政 策 担 当 参 事 官 室 にてまとめた ( 注 ) )22 年 調 査 では 大 学 卒 と 大 学 院 卒 は 同 じカテゴリーとされていた 2 )999 年 24 年 26 年 の 各 調 査 では 適 性 試 験 の 結 果 という 選 択 肢 が 無 かった インターネットを 活 用 した 就 職 活 動 と 企 業 の 対 応 前 出 の 企 業 の 採 用 と 教 育 に 関 するアンケート 調 査 によれば 第 3-()-2 図 にあるように 採 用 時 に 応 募 者 の 学 校 名 を 聞 かずに 面 接 採 用 試 験 を 行 っている 企 業 は 約 3 割 で 総 じて 6 割 以 上 の 企 業 が 大 学 名 を 考 慮 している 大 学 生 の 数 が 増 え 大 量 の 応 募 を 受 け 付 ける 企 業 の 中 に 応 募 学 生 の 学 校 名 を 選 抜 に 当 たって 考 慮 しているところがあると 考 えられる 56 また ディスコ 採 用 活 動 に 関 する 企 業 調 査 (22 年 2 月 )によると 採 用 活 動 の 方 向 感 として 学 内 セミナーへの 参 加 を 増 やす とする 企 業 割 合 が52.8%と 前 年 より4.2%ポイント 上 昇 しており 全 学 生 を 対 象 とした 大 規 模 合 同 企 業 セミナーで 広 く 接 点 を 持 つだけでなく 採 用 活 動 を 重 点 的 に 行 う 大 学 (ターゲット 大 学 )を 決 めてそ こに 注 する 企 業 が 増 えてきている この 背 景 として インターネットを 活 用 した 就 職 活 動 が 大 手 企 業 を 中 心 に 定 着 して 学 生 のエントリー 数 が 多 くなっていること 学 生 の 質 が 多 様 化 する 一 方 でター ゲット 大 学 からの 採 用 実 績 が 多 いことなどがあると 考 えられる 採 用 活 動 期 間 の 短 縮 など 効 率 性 が 求 められる 背 景 はあるが 学 内 セミナーは 興 味 を 持 った 全 ての 学 生 が 説 明 を 受 けられるよう 企 業 側 に は 併 せて 他 の 広 報 の 充 実 が 求 められる 56 ただし 学 校 名 が 選 抜 の 考 慮 要 素 の つとなっている 場 合 であっても 例 えば 前 述 の 大 手 志 向 の 強 い 大 学 グループの 学 生 が 大 手 企 業 に 集 中 して 応 募 する 結 果 ミスマッチが 生 じ 得 ると 考 えられる 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析 53

労 働 市 場 における 人 材 確 保 育 成 の 変 化 第 3-()-2 図 採 用 試 験 で 学 校 名 を 聞 かずに 面 接 採 用 試 験 を 行 う 企 業 の 割 合 採 用 時 に 学 校 名 を 聞 かないことを 否 定 した 割 合 が 最 も 少 ない28 年 で59.3%であり 大 半 の 企 業 は 面 接 採 用 試 験 時 に 応 募 者 の 学 校 名 を 確 認 している 9 8 7 否 定 6 5 4 3 2 部 分 的 に 肯 定 その 他 全 面 的 に 肯 定 8 ( 年 ) 997 99 24 6 資 料 出 所 経 済 同 友 会 教 育 委 員 会 企 業 の 採 用 と 学 校 教 育 に 関 するアンケート 調 査 ( 注 ) グラフ 中 の 年 は 調 査 の 実 施 年 学 生 の 職 業 への 移 行 の 課 題 新 規 学 卒 就 職 者 は かつて 中 卒 や 高 卒 が 中 心 的 存 在 であった 時 代 があったが 今 では 大 卒 者 が 新 卒 就 職 者 の 過 半 数 を 占 めており 大 卒 者 の 職 業 への 円 滑 な 移 行 がますます 大 きな 課 題 となっている 大 学 としては 学 生 の 能 の 向 上 を 実 現 していくこととともに 学 生 のインターンシップ 参 加 率 を 高 めていくため 長 期 インターンシップの 単 位 化 学 生 企 業 間 の 橋 渡 しをするだけでなく 自 ら 積 極 的 にその 促 進 を 図 っていくべきである インターンシップへの 参 加 で 学 生 が 企 業 の 求 める 人 材 を 実 感 しやすくなり 本 格 的 な 就 職 活 動 にスムーズに 入 ることができるからである また 就 職 率 の 高 い 大 学 の 中 には 安 易 に 学 生 を 進 級 卒 業 させることなく 学 生 の 基 礎 的 能 の 充 実 を 図 るものもみ られる 57 第 3-()-2 図 にあるように 体 験 型 で 採 用 非 直 結 型 のインターンシップの 導 入 企 業 割 合 は 近 年 5 2%で 推 移 しており おおむね 学 生 の 職 業 観 の 形 成 に 寄 与 するものであるので これの 充 実 が 求 めら れる また 学 低 下 に 関 しては 応 募 者 の 大 学 での 成 績 評 価 を 重 視 するということが 考 えられる 確 かに 大 学 毎 に 競 争 の 母 集 団 の 学 や 成 績 評 価 の 厳 しさも 異 なるので 様 々な 大 学 に 通 う 学 生 同 士 を 比 較 することは 難 しいと 思 われる しかし 同 じ 大 学 の 学 生 同 士 を 比 較 する 際 の 考 慮 事 項 にはなり 得 るものであり 企 業 の 合 理 的 選 択 にも 即 応 したものであると 考 えられる また いかなる 人 材 を 求 めるのかを 一 層 明 確 にすべきであると 考 える 企 業 は 望 む 人 材 についてどのくらい 明 らかにしている のか ライフネット 生 命 保 険 新 卒 採 用 関 係 者 の 意 識 調 査 によると 応 募 者 に 対 して 公 開 してい る 情 報 ( 複 数 回 答 )として 入 社 後 の 仕 事 内 容 や 福 利 厚 生 については 6 7 割 に 上 るが 採 用 予 定 人 数 は 6 割 弱 求 める 能 や 人 物 像 などの 選 考 基 準 は 5 割 を 下 回 り 採 用 フローも 4 割 となっている 効 率 的 なマッチングのために 企 業 側 にも 一 層 の 情 報 開 示 発 信 が 求 められる 企 業 がどのような 人 材 を 採 用 するかは 企 業 が 人 材 供 給 側 の 学 生 の 質 量 を 踏 まえて 決 定 するもので 57 日 本 経 済 新 聞 社 実 施 の 人 材 育 成 の 取 り 組 みで 注 目 する 大 学 の 調 査 で 上 位 となった 大 学 において 単 位 認 定 や 進 級 を 厳 格 にして いる 例 がある 大 学 側 が 学 生 の 能 充 実 を 実 現 していくことで 学 生 の 学 低 下 の 懸 念 が 払 拭 され 企 業 が 広 く 学 生 を 採 用 するこ とにつながると 考 えられる 54 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析

新 規 学 卒 採 用 において 企 業 が 求 める 人 材 第 節 第 3-()-2 図 インターンシップ( 採 用 直 結 型 採 用 非 直 結 型 )の 導 入 企 業 割 合 採 用 直 結 型 と 比 較 して 採 用 非 直 結 型 は 高 い 割 合 で 実 施 されているが 全 体 の 概 ね5~2%にとどまっている 25 2 5 第 節 非 直 結 型 直 結 型 5 22 3 4 5 6 7 8 9 2 3 4 ( 年 ) 資 料 出 所 株 式 会 社 マイナビ マイナビ 企 業 新 卒 採 用 予 定 調 査 ( 注 ) グラフ 中 の 年 はアンケートに 回 答 した 学 生 の 卒 業 年 あるが 学 生 にとっては 長 期 化 する 職 業 生 涯 においてどのようにスタートを 切 ることができるのかは 非 常 に 重 要 なことであり 政 府 としても ジョブサポーターの 全 校 担 当 制 大 学 などへのジョブサ ポーターの 相 談 窓 口 設 置 出 張 相 談 の 強 化 中 小 企 業 団 体 ハローワーク 大 学 等 間 の 連 携 強 化 情 報 共 有 化 若 者 と 中 小 企 業 とのマッチングの 強 化 などにより 若 者 の 就 職 支 援 を 推 進 することが 重 要 である 政 府 では 上 記 の 若 者 の 就 職 支 援 や 日 本 再 興 戦 略 (23 年 6 月 4 日 閣 議 決 定 )に 盛 り 込 まれた 25 年 度 卒 業 修 了 予 定 者 からの 就 職 採 用 活 動 開 始 時 期 変 更 の 円 滑 な 実 施 に 向 けた 取 組 を 含 めて 成 長 の 原 動 としての 若 者 の 活 躍 を 促 進 することとしている 平 成 25 年 版 労 働 経 済 の 分 析 55