今 月 のトピックス No.207-1(2014 年 3 月 24 日 ) 情 報 化 する 自 動 車 と 車 載 ネットワークの 動 向 ~ と 利 便 性 の 追 求 に 伴 う 高 速 通 信 への 対 応 ~ 1. 車 体 内 の 情 報 化 近 年 自 動 車 技 術 における 電 子 化 が 急 速 に 進 んでいる 特 に 制 御 系 におけるマイコンの 増 加 や 情 報 系 におけるナビ モニタの 充 実 により 車 体 内 の 通 信 需 要 は 増 加 傾 向 にあり 自 動 車 のワイヤハーネ スや 通 信 規 格 は 高 度 化 を 迫 られている 通 信 サービスと 類 似 したネットワーク 高 速 化 が 自 動 車 にお いても 見 えつつある そこで 本 稿 では 車 体 内 における 高 速 通 信 の 今 後 について 展 望 するとともに 部 素 材 や 技 術 における 日 系 の 競 争 力 や 取 り 組 みの 方 向 性 について 検 討 する 近 年 運 転 を 支 援 する 技 術 が 進 歩 し 衝 突 被 害 軽 減 ブレーキなどのADAS( 先 進 運 転 支 援 システ ム)への 取 り 組 みが 活 発 化 しており 知 覚 機 能 であるカメラや 各 種 センサ 制 御 装 置 表 示 モニタ の 車 体 への 搭 載 数 が 増 加 している( 図 表 1-1) 衝 突 被 害 軽 減 ブレーキは 国 内 で 軽 自 動 車 にも 搭 載 され 始 めているほか 2014 年 からEURO NCAPでの 評 価 項 目 として 追 加 されていることもあり 今 後 世 界 で 普 及 拡 大 とコスト 競 争 の 局 面 に 入 っていくとみられる また 車 内 での 情 報 取 得 やエンターテイメン ト 環 境 もますます 豊 富 になっている これらの 車 の と 利 便 性 の 追 求 によって 今 後 車 体 内 の 通 信 はインターネットと 同 様 に 高 速 化 し ていくと 見 られる( 図 表 1-2) 本 稿 では や 利 便 性 を 実 現 する 各 機 能 に 対 応 して 車 載 ネットワークを 系 制 御 系 情 報 系 ボディ 系 バックボーンに 区 分 して 考 える( 図 表 1-3 1-4) 図 表 1-1 増 加 する 自 動 車 の 知 覚 制 御 表 示 機 能 図 表 1-2 通 信 ネットワークの 高 速 化 の 状 況 通 信 速 度 (bps) 前 方 監 視 カメラ レーダ 後 方 監 視 カメラ レーダ 1.E+11 10 11 <インターネット > 10G Ethernet ドライバー 監 視 カメラ 車 両 位 置 センサ 1.E+10 10 10 1G Ethernet Ethernet ヘッドアップディスプレイ 1.E+09 10 9 1.E+08 100M Ethernet 車 速 加 速 度 センサ 後 側 方 側 方 車 間 距 離 障 害 物 10 8 MOST 1.E+07 10M Ethernet FlexRay ブレーキセンサ センサー 10 7 シートベルトスイッチ 1.E+06 10 6 CAN ナビ 情 報 提 供 モニタ 1.E+05 ステアリングセンサ LIN ブレーキ 制 御 装 置 1.E+04 10 5 < 車 体 の 通 信 > 車 間 距 離 障 害 物 センサ ステアリング 制 御 装 置 1.E+03 10 4 1980 ( 備 考 ) 各 種 資 料 をもとに 日 本 政 策 投 資 銀 行 作 成 1990 2000 2010 2020 ( 年 ) ( 備 考 ) 各 種 資 料 をもとに 日 本 政 策 投 資 銀 行 作 成 < 系 > カメラ レーダ 図 表 1-3 車 載 ネットワーク 系 統 の 概 要 図 表 1-4 ネットワーク 系 統 の 分 類 < 制 御 系 > エンジン ブレーキ <バックボーン> < 情 報 系 > カーナビ 映 像 音 声 <ボディー 系 > ウィンドウ ミラー ネットワーク 系 制 御 系 情 報 系 機 能 カメラシステム レーダ センサ エアバッグ エンジン ステアリング ブレーキ ( 車 の 基 本 性 能 ; 動 く 曲 がる 止 まる) ナビゲーション 映 像 や 音 声 のエンターテイメント ボディ 系 バックボーン ウインドウ ミラー ドア ワイパー 系 制 御 系 情 報 系 ボディ 系 の 各 系 統 を 連 結
今 月 のトピックス No.207-2(2014 年 3 月 24 日 ) 2. 車 体 における 通 信 規 格 の 発 展 ワイヤハーネスの 現 状 車 体 内 の 通 信 環 境 は 利 便 性 の 追 求 に 伴 って 複 雑 化 してきた 各 機 能 に 対 応 する 通 信 規 格 (プ ロトコル)もCAN LIN MOST FlexRayといった 各 種 の 規 格 が 実 用 化 されてきたが 今 後 さらなる 高 速 通 信 を 見 据 え 既 存 ネットワークの 統 合 効 率 化 が 必 要 となってきている( 図 表 2-1 2-2) その 中 で 近 年 Ethernet(イーサネット)が 注 目 されている Ethernetは 家 庭 やオフィスで 一 般 的 に 使 用 されるLANで 最 も 普 及 している 通 信 規 格 である 高 速 通 信 に 対 応 しているほか 制 御 系 系 情 報 系 の 複 数 ネットワークをEthernetで 繋 げることで ネットワーク 全 体 の 効 率 化 診 断 の 迅 速 化 などが 期 待 されている 加 えて インターネットで 成 熟 した 技 術 や 部 品 を 利 用 することにより コス トを 抑 えつつネットワーク 高 度 化 を 実 現 できる 点 もEthernetのメリットである また UTP( 非 シール ド 撚 り 対 線 )1~2ペアでの 通 信 が 可 能 となるため 機 能 拡 張 に 伴 い 増 加 するネットワーク 重 量 を 抑 制 することも 期 待 されている 今 後 Ethernetは 各 ネットワークを 繋 ぐとともに CAN の 既 存 のネット ワークを 一 部 代 替 していくものと 見 られる ただし 一 般 のインターネット 通 信 と 違 い 自 動 車 では 特 に 制 御 系 において 信 号 の 遅 延 が 致 命 的 にな るため Ethernetの 車 載 化 においては 遅 延 保 証 とフェールセーフ( 信 頼 性 確 保 ) 機 能 が 課 題 となる 通 信 規 格 とともに 高 速 通 信 を 支 えるのがワイヤハーネスである( 図 表 2-3 2-4) ワイヤハーネス の 車 体 における 総 重 量 は 標 準 的 なセダンで 約 30kgであり そのうち 通 信 用 途 は 重 量 比 で 約 1 割 を 占 める ワイヤハーネスはEthernet 導 入 により 簡 素 化 されるものの 機 能 の 付 加 により 回 路 数 が 増 えつつあり 総 重 量 はしばらくは 減 少 に 転 じないと 見 られる 今 後 のさらなる 電 装 化 においては 軽 量 化 が 課 題 と なっていくとみられる 図 表 2-1 車 体 における 各 種 通 信 規 格 図 表 2-2 各 通 信 規 格 の 特 徴 ( 備 考 )ルネサスエレクトロニクス( 株 ) HP 用 途 系 統 速 度 標 準 化 団 体 ( 代 表 的 企 業 ) CAN LIN MOST FlexRay Ethernet エンジン, ブレーキ, ABS, ワイパー, エアコン ハ ワートレイン, ボディ 33k/125k/ 250k/ 500kbps CAN in Automation (Bosch) ドアミラー, ナビ, 電 動 ウィント ウ, ビデオ ライト CANのサフ ネットワーク, ハ ックホ ーン 以 外 20kbps LIN Consortium インフォテイメント 25M/50M/ 150Mbps MOST Cooperation (Audi) エンジン, ブレーキ ハ ワートレイン, シャーシ 2M/5M/ 10Mbps FlexRay Consortium ( 備 考 ) 各 種 資 料 をもとに 日 本 政 策 投 資 銀 行 作 成 系, 制 御 系, 情 報 系, 診 断 系, ハ ックホ ーン 100M/ 1Gbps OPEN Alliance SIG (BMW) 600 500 400 300 200 100 図 表 2-3 ワイヤハーネスの 市 場 規 模 推 移 ( 億 回 路 ) ( 兆 円 ) 国 内 数 量 海 外 数 量 国 内 金 額 ( 右 目 盛 ) 海 外 金 額 ( 右 目 盛 ) ~~ ホーン,ブザー スピーカ 2% アンテナ 2% リレー 3% CAN 6% その 他 (ECU 間 ) 14% 電 源 GND 37% 0 0 ランプ 系,LED 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2020( 年 ) 5% センサ 系 スイッチ 系 ( 備 考 )1. ( 株 ) 富 士 キメラ 総 研 2012ワールドワイド 自 動 車 ソレノイド 系 モータ 系 10% 12% 部 品 マーケティング 便 覧 5% 2. 2012 年 は 見 込 み 2013 年 以 降 は 予 測 ( 備 考 )( 株 ) デンソー 資 料 5 4 3 2 1 図 表 2-4 ワイヤハーネスの 用 途 別 割 合 ( 回 路 数 ) LIN DSI
今 月 のトピックス No.207-3(2014 年 3 月 24 日 ) 3. 車 載 ネットワークの 今 後 通 信 速 度 の 推 計 どのような 要 素 が 高 速 化 要 因 となるのかを 探 る 目 的 で 今 後 普 及 が 期 待 される 機 能 別 に 車 体 における 通 信 速 度 の 推 計 を 行 い( 図 表 3-1) 通 信 高 速 化 がネットワークにもたらす 変 化 について 考 察 する カメラシステム( 系 )は 運 転 支 援 の 目 的 で 車 体 周 囲 を 撮 影 し 合 成 画 像 をモニタに 投 影 する また ADAS( 系 および 制 御 系 )ではカメラ で 取 得 した 情 報 を 解 析 して 駆 動 系 にフィードバック する 情 報 系 は エンターテイメント 映 像 をモニタに 投 影 する 主 としてこれら 機 能 において 通 信 高 速 化 が 必 要 となってきており 特 にデータを 取 得 する 各 末 端 から 中 枢 であるバックボーンまでの 区 間 にEthernetが 採 用 されると 見 られる 一 方 それより 下 流 側 の 制 御 系 アクチュエーター 付 近 や ボ ディのパワーウィンドウ においては 従 来 のCAN が 活 用 されていくと 見 られる これら 機 能 について 今 後 のさらなる 通 信 高 速 化 の 要 因 をまとめると( 図 表 3-2) カメラシステムで は 車 体 後 方 やサイドミラー へのカメラ 設 置 数 の 増 大 やカメラ 画 質 ( 画 素 数 )の 向 上 ミラー ルームモニタ 数 の 増 加 が 高 速 化 を 促 進 すると 見 られる また ADASでもカメラ 数 の 増 加 に 加 え 解 析 精 度 制 御 能 力 向 上 のためのカメラ 画 素 数 や 撮 影 フレームレート 向 上 が 高 速 化 要 因 と 考 えられる 情 報 系 では 後 部 モニタ 増 設 や 画 面 の 高 画 質 化 が 高 速 化 を 促 進 すると 見 られる 現 状 のEthernetの 物 理 的 な 通 信 線 素 材 はメタル( 金 属 ) 線 であり 100Mbpsの 通 信 速 度 を 実 現 できる 今 後 1~ 数 Gbpsまではメタル 線 で 持 ちこたえるとみられるが 上 記 の 高 速 化 要 因 の 進 展 によっては メタル 線 では 不 十 分 との 見 方 もある また バックボーン 付 近 で 各 リンクからの 通 信 を 制 御 するゲートウェイECUも 高 速 化 が 必 要 になる 加 えて 通 信 高 速 化 はノイズを 発 生 させるため 特 に 制 御 系 において 対 策 が 必 要 である さらに ネットワーク 全 体 の 重 量 は 燃 費 に 直 結 することから その 軽 量 化 の 追 求 も 進 むとみられる <カメラシステム> <ADAS> < 高 画 質 映 像 > ブレーキ 用 図 表 3-1 車 体 内 の 通 信 高 速 化 に 関 する 試 算 カメラ 数 4 個 ビット 数 24 bit カメラ 画 素 数 100 万 画 素 撮 影 フレームレート 30 fps 必 要 な 通 信 速 度 データ 圧 縮 比 5:1 0.1 Gbps 0.6 Gbps カメラ 数 2 個 カメラ: 遠 距 離 ビット 数 24 bit レーダ: 近 距 離 カメラ 画 素 数 100 万 画 素 撮 影 フレームレート 60 fps 2.9 Gbps レーダ 数 4 個 0.5 メカ bps 2.9 Gbps < 凡 例 > カメラ レーダ ECU モニタ アクチュエータ 今 後 の 高 速 化 要 因 後 部 モニタ 数 1 個 0.5 Gbps <バックボーン> 図 表 3-2 上 記 の 単 純 合 計 が 必 要 になると 仮 定 して 4.0 Gbps 各 ネットワーク 系 統 における 高 速 化 の 影 響 および 必 要 な 対 策 ( 備 考 ) 日 本 政 策 投 資 銀 行 作 成 機 能 ( 系 統 ) 高 速 化 要 因 とその 単 位 高 速 化 における 課 題 対 策 カメラシステム( 系 ) カメラ 数 144 Mbps 高 品 質 での 映 像 伝 送 カメラ 画 素 数 ( 万 ) 6 Mbps 画 質 を 維 持 する 圧 縮 技 術 カメラ 数 1,440 Mbps ADAS( 系 制 御 系 ) カメラ 画 素 数 ( 万 ) 29 Mbps ノイズ 対 策 ノイズフィルタ フレームレート 48 Mbps 高 画 質 映 像 ( 情 報 系 ) モニタ 数 500 Mbps 高 品 質 での 映 像 伝 送 画 質 を 維 持 する 圧 縮 技 術 ネットワークの 高 速 制 御 高 速 対 応 のゲートウェイECU ネットワーク 全 体 - 線 の 組 み 付 け 工 数 増 サプライヤーの 技 術 重 量 ノイズ 増 大 メタル 線 に 代 わる 素 材 の 検 討?
今 月 のトピックス No.207-4(2014 年 3 月 24 日 ) 4. 通 信 高 速 化 による 変 化 日 系 企 業 活 躍 へ 向 けた 視 点 電 気 通 信 技 術 の 急 速 な 発 展 もあり 従 来 のUTPでもGbpsのオーダーまで 通 信 可 能 との 見 方 もあるが 高 速 化 ではノイズの 増 加 がやはり 課 題 となる ノイズ 対 策 としてはノイズフィルタ-の 設 置 コネク タの 工 夫 が 検 討 されている( 図 表 4-1) また 車 載 Ethernetは 非 競 争 領 域 にしようというのが 基 本 的 な 方 向 性 であるものの 一 部 では 競 争 領 域 となる 部 分 もある 例 えば ゲートウェイはネットワークの 多 重 化 簡 素 化 によりハーネスを 省 量 化 するものであり 各 社 による 技 術 開 発 が 進 んでいる( 図 表 4-2) 次 世 代 の 通 信 規 格 の 本 命 と 見 られる 車 載 Ethernetの 標 準 化 は 独 BMWと 米 ブロードコムをはじめとす るOPEN Alliance SIGが 牽 引 している 欧 米 勢 と 日 系 企 業 の 違 いとして 開 発 や 標 準 化 におけるスピー ド 感 の 違 いが 挙 げられる 欧 米 ではOEMによる 具 体 的 なロードマップのもと サプライヤーとOEMが 密 接 に 開 発 標 準 化 を 同 時 に 進 めている 電 子 部 品 においても 欧 米 勢 が 先 行 しており これは 日 系 OEMやサプライヤーにとって 複 数 購 買 の 選 択 肢 や 部 品 のサポートの 面 で 課 題 となっている 車 載 Ethernetには インターネットでノウハウを 有 する 企 業 も 新 規 参 入 しつつあるが 車 載 に 必 要 な 機 能 ノウハウや 実 績 を 有 していない 点 が 課 題 となっている こうした 局 面 で 既 存 のサプライヤー と 新 規 参 入 企 業 による 協 業 の 可 能 性 もある( 図 表 4-3) 日 系 企 業 の 強 みとなる 可 能 性 としては 光 の 技 術 が 挙 げられる インターネットと 異 なり 車 体 重 量 ( 燃 費 )という 制 約 条 件 が 伴 う 自 動 車 において ハーネス 軽 量 化 に 貢 献 し かつノイズなく 高 速 通 信 ができる 光 ファイバーは 有 望 である POF(プラスチック 光 ファイバー)や 光 通 信 技 術 においては 日 系 企 業 が 高 いシェアと 技 術 力 を 持 つ( 図 表 4-4 4-5) 日 系 企 業 において 将 来 に 向 け 電 気 と 光 の 両 方 の 可 能 性 を 検 討 する 動 きもある ただし 光 ファイバー の 導 入 に 向 けては 高 いコストや 組 み 付 け メンテナンス における 課 題 がある 現 状 OEMは 求 める パフォーマンスを 低 コストで 実 現 できれば 素 材 は 問 わないというスタンスである ただし 今 後 高 速 化 によるノイズ 対 策 として 配 策 しづらいシールドを 避 け ノイズフィルタ の 追 加 部 品 が 増 大 した 時 OEMが 光 ファイバーを 検 討 する 可 能 性 もある なお 光 が 検 討 される 通 信 速 度 は1Gbps~10Gbpsとの 見 方 がある バックボーン ゲートウェイ 末 端 図 表 4-1 車 載 Ethernet 導 入 高 速 化 で 需 要 の 増 える 部 品 末 端 UTP ( 非 シールド 撚 り 対 線 ) ; 従 来 のハーネスの 代 替 ノイズフィルタ ゲートウェイECU 図 表 4-2 車 載 ゲートウェイの 特 許 の 出 願 件 数 上 位 ( 米 国 特 許 2001 年 以 降 ) 0 10 20 ( 件 ) 日 系 サプライヤー 独 系 サプライヤー 独 系 サプライヤー 日 系 サプライヤー 米 系 OEM ( 上 位 5 社 ) ( 備 考 )1. 知 財 情 報 サービス( 株 ) 提 供 データ 2. ゲートウェイの 技 術 コードで 車 載 関 連 語 句 (Automotive, Automobile, Vehicle ) を 含 む 特 許 図 表 4-3 車 載 Ethernet 車 載 Ethernetへの 参 入 に おける 協 力 関 係 インターネット 技 術 クロスライセンス 車 載 部 品 としての 機 能 納 入 実 績 図 表 4-4 POFの 世 界 生 産 シェア 図 表 4-5 光 コネクタで 車 載 を 販 売 地 域 割 合 (2011 年 ) 考 慮 している 特 許 の 出 願 件 数 100% 14 % 推 移 ( 日 本 特 許 出 願 年 ) 80% 28 % 日 本 50 60% 40 100 % 6 % 中 国 30 40% 他 アジア 20 日 系 3 社 52 % 20% 欧 米 10 0% 0 生 産 販 売 ( 備 考 ) 90 95 00 05 10 ( 年 ) ( 見 込 み) ( 見 込 み) ( 備 考 )( み) ( 1. 知 財 情 報 サービス( 株 ) 提 供 データ ( 株 ) 富 士 キメラ 総 研 2012 有 望 2. 光 コネクタの 技 術 コードで 車 載 関 連 電 子 部 品 材 料 調 査 総 覧 ( 下 巻 ) 語 句 ( 自 動 車, 車 両, 車 載 )を 含 む 特 許
今 月 のトピックス No.207-5(2014 年 3 月 24 日 ) 5.まとめ 自 動 車 は モビリティという 根 源 的 価 値 に 加 え エネルギー 環 境 と 次 々に 課 題 に 取 り 組 んで きた( 図 表 5-1) それら 高 次 機 能 の 普 及 拡 大 は 先 進 国 でのハイエンドモデルから 始 まってローエン ド 新 興 国 へという 順 序 であった 今 後 の 自 動 車 における 高 付 加 価 値 の 基 礎 的 インフラ といえる 高 速 ネットワークについても 同 様 に 普 及 が 進 むとみられる( 図 表 5-2) ただし 今 後 高 速 化 が 進 んで 例 えば 光 ファイバーが 有 望 視 されても 素 材 を 決 定 する 主 な 要 因 はOEM による 性 能 +コスト での 評 価 となる 可 能 性 が 高 く エンドユーザーに 直 接 訴 求 するパフォーマン スを 示 せないと 価 格 転 嫁 はしづらい その 点 例 えばパワートレインにおけるHV を 補 強 する 衝 突 被 害 軽 減 ブレーキのように エンド ユーザーにとって 費 用 対 効 果 が 分 かりやすく 手 頃 であれば 価 格 転 嫁 しやすい そこで カタログで ユーザーに 訴 求 する 指 標 として 燃 費 に 加 え 系 や 情 報 系 の 分 かりやすい 指 標 化 も 考 えられる ( 図 表 5-3) これにより ユーザーへの 普 及 と 量 産 によるコスト 削 減 に 繋 げることが 期 待 できる また 制 御 系 では 直 接 ユーザーに 訴 求 する 定 量 的 指 標 は 難 しいものの 業 界 内 で 要 求 スペック/ ネットワーク 関 連 重 量 を 指 標 とすることも 検 討 できよう 自 動 車 は 車 重 ( 燃 費 )が 制 約 条 件 である ことから 分 母 側 のネットワーク 総 重 量 の 削 減 に 加 え 分 子 側 の 性 能 向 上 など 車 載 ネットワークの 効 率 を 評 価 する 統 一 指 標 として 業 界 内 で 取 り 組 む 方 向 性 を 揃 えられるメリットが 考 えられる 車 載 ネットワークの 通 信 規 格 として 期 待 されるEthernetは 成 熟 した 技 術 であり 基 本 的 には 非 競 争 領 域 として 展 開 すると 見 られる ただし 前 述 のゲートウェイの 部 分 や Ethernetを 導 入 したネット ワーク 全 体 のシステム 構 築 などは 競 争 領 域 となり 得 る OPEN Alliance SIGを 代 表 として 欧 米 のOEM やサプライヤーは 緊 密 に 連 携 してこの 開 発 と 標 準 化 を 迅 速 に 進 めている 一 方 で 日 本 が 得 意 とする 自 動 車 半 導 体 技 術 と 光 ファイバ 技 術 を 融 合 させた 光 電 子 混 載 集 積 回 路 が 低 コストで 実 用 化 できれば 車 載 光 ファイバシステムの 劇 的 な 低 コスト 化 も 期 待 される 今 後 業 際 的 な 連 携 により 車 載 ネットワークにおける 強 みを 活 かしていくことが 期 待 される 価 値 図 表 5-1 自 動 車 の 情 報 化 による 高 付 加 価 値 化 のイメージ (エンターテイメント) ( 診 断 簡 便 化 ) ( 快 適 性 利 便 性 ) (エンターテイメント) ( 診 断 簡 便 化 ) モビリティ モビリティ モビリティ モビリティ 課 題 コスト 将 来 受 益 / 負 担 者 ユーザー ( 新 技 術 ) 社 会 次 世 代 車 次 世 代 車 次 世 代 車 衝 突 被 害 軽 減 フ レーキ ( 自 動 運 転 ) 高 速 車 載 ネットワーク 図 表 5-2 高 速 ネットワーク 搭 載 車 両 の 普 及 < 先 進 国 > 高 級 車 大 衆 車 < 新 興 国 > 高 級 車 大 衆 車 図 表 5-3 カタログ 指 標 < 系 > 死 角 率 % 物 標 認 識 率 % < 情 報 系 > HD 高 画 質 映 像 A/V 機 器 増 設 ポート 数 個 指 標 イメージ 業 界 内 の 共 通 指 標 要 求 スペック ネットワーク 関 連 重 量 産 業 調 査 部 臼 井 雅 夫
今 月 のトピックス No.207-6(2014 年 3 月 24 日 ) 本 資 料 は 著 作 物 であり 著 作 権 法 に 基 づき 保 護 されています 著 作 権 法 の 定 めに 従 い 引 用 す る 際 は 必 ず 出 所 : 日 本 政 策 投 資 銀 行 と 明 記 して 下 さい 本 資 料 の 全 文 または 一 部 を 転 載 複 製 する 際 は 著 作 権 者 の 許 諾 が 必 要 ですので 当 行 までご 連 絡 下 さい お 問 い 合 わせ 先 株 式 会 社 日 本 政 策 投 資 銀 行 産 業 調 査 部 Tel: 03-3244-1840 E-mail: report@dbj.jp