第 3 章 観 光 産 業 振 興 プランの 実 現 に 向 けて 本 プランの 計 画 期 間 である5 年 間 において より 大 きな 成 果 を 生 み 出 していくた めには 行 政 や 観 光 協 会 等 の 観 光 関 連 団 体 民 間 事 業 者 都 民 等 の 総 力 を 結 集 した 複 合 的 な 取 組 が 必 要 である そこで 本 章 では 第 2 章 の 戦 略 を 実 現 するための 各 主 体 の 役 割 と 取 組 の 視 点 につ いて 整 理 する 1 各 主 体 の 役 割 (1) 国 の 役 割 平 成 15(2003) 年 度 に 国 土 交 通 省 がビジット ジャパン キャンペーンを 開 始 し て 以 降 平 成 18(2006) 年 度 には 観 光 立 国 推 進 基 本 法 を 制 定 翌 19(2007) 年 度 には 観 光 立 国 推 進 基 本 計 画 を 閣 議 決 定 し さらに 平 成 20(2008) 年 度 には 観 光 庁 を 設 置 するなど 本 格 的 な 訪 日 外 国 人 旅 行 者 の 誘 致 を 進 めている また 翌 21 (2009) 年 度 には 訪 日 外 国 人 3,000 万 人 プログラムを 打 ち 出 すとともに 平 成 22 (2010) 年 度 に 閣 議 決 定 された 新 成 長 戦 略 ~ 元 気 な 日 本 復 活 のシナリオ~ では 観 光 が7つの 戦 略 分 野 の 一 つに 選 定 されるなど 観 光 は 国 家 戦 略 の 一 角 をな している 今 後 国 においては オールジャパンとしての 観 光 産 業 振 興 に 向 けた 施 策 を 推 進 するとともに 様 々な 法 整 備 や 規 制 緩 和 広 域 交 通 基 盤 の 整 備 地 域 における 施 策 への 支 援 など さらなる 旅 行 者 誘 致 を 図 る 取 組 の 推 進 が 望 まれる とりわけ 平 成 24(2012) 年 3 月 に 閣 議 決 定 された 新 たな 観 光 立 国 推 進 基 本 計 画 には 大 都 市 における 観 光 の 推 進 が 掲 げられていることから 国 際 的 な 注 目 度 が 高 く 観 光 産 業 振 興 のポテンシャルの 大 きな 首 都 東 京 の 取 組 に 対 する 支 援 が 強 化 されることが 期 待 される < 法 制 度 整 備 等 > 外 国 人 旅 行 者 誘 致 の 観 点 からの 査 証 手 続 きの 免 除 外 国 人 旅 行 者 入 国 管 理 の 厳 正 化 と 入 国 手 続 きの 円 滑 化 外 国 人 旅 行 者 がキャッシュレス 旅 行 を 行 えるための 環 境 整 備 観 光 資 源 としてのカジノ 実 現 のための 法 整 備 < 国 としての 施 策 展 開 > 118
外 国 語 表 示 や 無 料 の 公 衆 無 線 LANなど 外 国 人 旅 行 者 の 受 入 体 制 の 拡 充 MICE 誘 致 戦 略 や 人 材 育 成 など MICE 推 進 施 策 の 抜 本 的 な 拡 充 強 化 2020 年 オリンピック パラリンピック 競 技 大 会 の 日 本 招 致 の 推 進 日 本 の 食 文 化 の 世 界 遺 産 ( 無 形 文 化 遺 産 ) 登 録 の 推 進 観 光 施 策 に 資 する 道 路 の 景 観 整 備 観 光 統 計 の 整 備 休 暇 取 得 ワークライフバランスの 推 進 < 広 域 交 通 基 盤 の 整 備 > 羽 田 空 港 の 機 能 強 化 と 更 なる 国 際 化 の 推 進 首 都 圏 におけるビジネス 航 空 受 入 れの 推 進 横 田 基 地 の 軍 民 共 用 化 の 推 進 横 田 空 域 及 び 管 制 業 務 の 返 還 東 京 メトロと 都 営 地 下 鉄 の 一 元 化 の 推 進 首 都 圏 三 環 状 道 路 ( 圏 央 道 外 環 首 都 高 速 中 央 環 状 線 )や 国 道 等 の 整 備 促 進 リニア 中 央 新 幹 線 の 早 期 整 備 < 都 道 府 県 への 支 援 > 地 域 の 魅 力 向 上 や 旅 行 者 受 入 環 境 の 充 実 に 向 け 都 道 府 県 が 推 進 する 取 組 へ 支 援 < 危 機 管 理 体 制 の 充 実 > 耐 震 化 等 の 震 災 対 策 や 緊 急 時 災 害 時 における 対 応 など 首 都 圏 の 防 災 力 の 強 化 首 都 東 京 を 守 るテロ 対 応 力 の 強 化 < 大 都 市 における 観 光 の 推 進 > 大 都 市 ならではの 観 光 資 源 のさらなる 活 用 観 光 ルートの 設 定 外 国 人 旅 行 者 受 入 環 境 の 充 実 積 極 的 なプロモーション 等 の 取 組 の 促 進 (2) 都 の 役 割 これまで 都 は 平 成 13(2001) 年 の 東 京 都 観 光 産 業 振 興 プラン の 策 定 以 降 本 格 的 な 旅 行 者 誘 致 に 向 けたプロモーション 等 を 展 開 し 東 京 を 訪 れる 外 国 人 旅 行 者 を 大 幅 に 増 加 させるなど 大 きな 役 割 を 果 たしてきた 今 後 も 東 京 は 日 本 のゲートウェイ( 玄 関 口 ) として それ 自 体 が 成 長 産 業 で あり 幅 広 い 産 業 に 経 済 波 及 効 果 をもたらす 観 光 産 業 を しっかりと 育 てていく 必 要 がある そのため 都 は 外 国 人 旅 行 者 誘 致 を 積 極 的 に 展 開 していくとともに 魅 力 ある 資 源 の 開 発 や 旅 行 者 が 快 適 に 過 ごせる 受 入 環 境 の 充 実 など 東 京 全 体 としての 魅 力 を 119
高 める 施 策 を 戦 略 的 に 推 進 していく また 国 をはじめ 他 の 地 域 や 都 市 との 連 携 を 着 実 に 進 めるほか 地 域 の 活 性 化 に 向 けた 地 域 の 自 立 的 かつ 持 続 的 な 取 組 を 積 極 的 に 支 援 していく < 東 京 全 体 の 視 点 による 政 策 策 定 施 策 の 推 進 > 東 京 全 体 の 戦 略 的 な 観 光 産 業 振 興 政 策 の 企 画 立 案 旅 行 目 的 地 としての 東 京 の 国 際 的 地 位 の 向 上 マーケティング 機 能 の 強 化 による 効 果 的 な 外 国 人 旅 行 者 誘 致 戦 略 の 策 定 海 外 に 向 けて 東 京 の 魅 力 を 訴 求 するための 積 極 的 な 情 報 発 信 旅 行 者 の 利 便 性 満 足 度 向 上 に 資 する 都 内 全 体 に 及 ぶ 受 入 環 境 の 充 実 < 地 域 に 対 する 協 力 支 援 > 区 市 町 村 や 観 光 協 会 等 の 観 光 関 連 団 体 民 間 事 業 者 等 が 実 施 する 観 光 産 業 振 興 の 取 組 への 協 力 支 援 行 政 区 域 を 前 提 としない 地 域 における 広 域 的 な 観 光 産 業 振 興 の 促 進 < 国 内 外 における 連 携 の 推 進 > 東 京 圏 や 首 都 圏 ( 関 東 圏 )の 自 治 体 等 と 協 働 した 外 国 人 旅 行 者 誘 致 やルート 開 発 など 地 域 間 連 携 の 推 進 国 内 の 自 治 体 等 と 協 働 した 地 方 の 観 光 拠 点 や 都 市 と 東 京 を 結 ぶ 施 策 の 展 開 など 地 域 都 市 間 連 携 の 推 進 海 外 主 要 都 市 との 共 同 PRや 相 互 PRなど 国 際 的 な 都 市 間 連 携 の 推 進 < 国 との 連 携 による 大 都 市 における 観 光 の 推 進 > 国 が 掲 げる 大 都 市 における 観 光 の 推 進 に 当 たって 首 都 東 京 としてのポテ ンシャルを 発 揮 する 取 組 の 推 進 < 観 光 を 支 える 人 材 の 育 成 > 産 学 官 の 連 携 等 による 観 光 を 支 える 人 材 の 育 成 国 際 的 な 人 材 の 育 成 (3) 区 市 町 村 の 役 割 平 成 25(2013) 年 2 月 1 日 現 在 都 内 62 区 市 町 村 のうち その 名 に 観 光 を 冠 し た 組 織 を 設 置 している 区 市 町 村 は 28 自 治 体 1 であり 42 自 治 体 で 観 光 に 関 するプラ ンが 策 定 されているなど 観 光 産 業 振 興 に 向 けた 取 組 が 進 みつつある 1 ここでは 部 課 名 に 観 光 が 含 まれている 組 織 をカウントした 120
区 市 町 村 については 自 ら 観 光 産 業 振 興 を 推 進 していくだけでなく 地 域 による 取 組 を 積 極 的 に 後 押 ししていく 役 割 が 求 められる そして 各 地 域 の 観 光 協 会 等 の 観 光 関 連 団 体 民 間 事 業 者 地 域 住 民 などへの 支 援 とともに それらとの 連 携 を 進 め 地 域 の 特 色 を 活 かした 観 光 資 源 の 開 発 旅 行 者 を 温 かく 迎 える 行 動 の 実 践 観 光 の 視 点 に 立 ったまちづくり 地 域 の 魅 力 の 情 報 発 信 など 自 立 的 持 続 的 な 観 光 産 業 振 興 を 推 進 していく さらに 都 や 近 隣 の 区 市 町 村 などとの 連 携 により 行 政 区 域 を 前 提 としない 旅 行 者 の 目 線 に 立 った 施 策 を 進 め 地 域 づくりに 資 する 人 材 を 育 成 するなど 地 域 の 活 性 化 に 向 けた 施 策 を 展 開 していく < 区 市 町 村 における 政 策 の 企 画 立 案 > 区 市 町 村 それぞれの 地 域 における 観 光 産 業 振 興 に 資 する 政 策 の 企 画 立 案 < 各 地 域 における 施 策 の 推 進 > 各 地 域 における 自 立 的 持 続 的 な 取 組 の 推 進 歴 史 文 化 産 業 など 様 々な 資 源 や 特 性 を 活 かした 観 光 資 源 の 開 発 その 魅 力 や 観 光 情 報 の 発 信 提 供 地 域 に 密 着 した 受 入 環 境 の 充 実 などの 推 進 観 光 の 視 点 に 立 った 地 域 におけるまちづくり 等 の 推 進 < 広 域 的 な 施 策 の 推 進 > 都 や 近 隣 区 市 町 村 と 連 携 した 行 政 区 域 を 前 提 としない 旅 行 者 目 線 による 施 策 の 推 進 < 地 域 の 各 主 体 に 対 する 支 援 等 > 観 光 協 会 等 の 観 光 関 連 団 体 民 間 事 業 者 住 民 などによる 旅 行 者 誘 致 に 向 けた 取 組 への 支 援 や 各 主 体 による 一 体 的 な 取 組 の 促 進 地 域 の 実 施 主 体 の 育 成 や 地 域 づくりをリード コーディネートする 人 材 の 育 成 < 観 光 に 対 する 意 識 の 醸 成 > 地 域 における 観 光 への 意 識 や ホスピタリティ(おもてなしの 心 )の 醸 成 (4) 観 光 協 会 等 の 観 光 関 連 団 体 の 役 割 平 成 25(2013) 年 2 月 1 日 現 在 区 市 町 村 や 地 域 における 観 光 協 会 等 の 観 光 関 連 団 体 は 55 団 体 に 達 しており 近 年 その 設 立 や 法 人 化 が 増 加 しているなど 地 域 に おける 観 光 産 業 振 興 の 機 運 は 高 まりつつある 121
NPOなどのいわゆる 新 たな 公 を 含 むこうした 観 光 関 連 団 体 は 地 域 におけ る 様 々な 取 組 の 実 施 主 体 の 中 心 となり 地 域 の 自 立 的 かつ 持 続 的 な 取 組 の 担 い 手 と なることが 期 待 される 今 後 は それぞれの 団 体 の 特 性 を 活 かしながら 地 域 資 源 の 掘 り 起 こし 再 発 見 による 魅 力 の 創 出 と 発 信 観 光 ルートづくりや 特 産 品 の 開 発 など 旅 行 者 誘 致 を 通 じた 地 域 の 活 性 化 に 向 けた 事 業 を 推 進 していく < 各 地 域 における 取 組 の 推 進 > 各 地 域 における 自 立 的 持 続 的 な 取 組 の 推 進 再 掲 歴 史 文 化 産 業 など 様 々な 資 源 や 特 性 を 活 かした 観 光 資 源 の 開 発 その 魅 力 や 観 光 情 報 の 発 信 提 供 地 域 に 密 着 した 受 入 環 境 の 充 実 などの 推 進 再 掲 観 光 の 視 点 に 立 った 地 域 におけるまちづくり 等 の 推 進 再 掲 地 域 における 取 組 の 推 進 軸 としての 主 体 的 な 活 動 を 期 待 < 地 域 における 人 材 育 成 > 訪 れた 旅 行 者 に 地 域 の 魅 力 を 紹 介 できる 人 材 や 地 域 づくりをリード コーディ ネートする 人 材 の 育 成 < 地 域 が 一 体 となった 取 組 > 都 や 区 市 町 村 民 間 事 業 者 都 民 等 と 一 体 となって 協 働 する 枠 組 み(プラットフ ォーム)の 形 成 (5) 民 間 事 業 者 の 役 割 旅 行 事 業 者 や 交 通 事 業 者 宿 泊 事 業 者 などの 民 間 事 業 者 は 都 の 観 光 産 業 振 興 施 策 とも 連 携 し 海 外 からの 旅 行 商 品 の 開 発 をはじめ 海 外 に 向 けた 東 京 のPR 多 言 語 による 案 内 表 示 等 の 受 入 体 制 の 整 備 旅 行 者 への 観 光 情 報 の 提 供 など 国 内 外 の 旅 行 者 誘 致 に 向 けた 様 々な 取 組 を 展 開 している 今 後 は 時 代 の 変 化 や 多 様 化 する 旅 行 者 のニーズに 対 応 した 商 品 の 開 発 質 の 高 い 旅 行 の 催 行 をはじめ 観 光 施 設 や 商 業 施 設 飲 食 店 等 での 外 国 語 による 対 応 旅 行 者 に 対 する 充 実 した 観 光 情 報 の 提 供 ホスピタリティあふれる 対 応 など 旅 行 者 の 満 足 度 向 上 に 貢 献 するサービスの 提 供 を より 一 層 充 実 させていく 122
< 旅 行 者 ニーズに 対 応 した 商 品 開 発 > 旅 行 目 的 地 としての 東 京 の 魅 力 のPR 海 外 の 旅 行 市 場 旅 行 者 層 の 特 性 を 踏 ま えた 旅 行 商 品 の 開 発 東 京 を 訪 れた 旅 行 者 の 満 足 度 を 高 める 東 京 独 自 の 旅 行 商 品 の 提 供 や 旅 行 の 催 行 < 旅 行 者 の 満 足 度 を 高 めるサービス 提 供 > 外 国 語 標 記 や 異 文 化 への 適 切 な 対 応 など 外 国 人 旅 行 者 にわかりやすく 利 用 し やすいサービスの 充 実 ホスピタリティあふれるサービスの 提 供 そうしたサービスを 提 供 できる 人 材 の 育 成 地 域 における 観 光 情 報 の 提 供 など 旅 行 者 の 利 便 性 の 向 上 < 行 政 地 域 と 一 体 となった 取 組 の 推 進 > 行 政 や 観 光 協 会 等 の 観 光 関 連 団 体 都 民 等 との 連 携 による 地 域 の 特 色 を 活 かし た 観 光 まちづくりへの 参 画 地 域 資 源 の 活 用 や 新 たな 観 光 ルート 開 発 等 旅 行 者 目 線 による 資 源 開 発 への 参 画 都 市 間 地 域 間 連 携 に 向 けたコーディネートや 民 間 事 業 者 間 の 連 携 の 推 進 (6) 都 民 の 役 割 観 光 は 必 ずしも 専 門 的 な 産 業 分 野 ではなく 都 民 に 身 近 な 問 題 である 世 界 的 な 観 光 都 市 としての 地 位 を 築 いてきた 欧 米 諸 都 市 がそうであるように 人 々の 交 流 は その 都 市 において 文 化 や 思 想 芸 術 習 慣 流 行 などの 新 たな 価 値 を 創 造 する そして 観 光 による 交 流 は 旅 行 者 とともに 住 民 が 主 役 となって 成 立 するものであ る 国 際 都 市 東 京 においても 都 民 の 一 人 ひとりがホスピタリティや 寛 容 な 心 を 持 って 外 国 人 旅 行 者 に 接 することで 東 京 ファンを 世 界 中 に 増 やしていくことが 大 切 である また 都 民 自 身 が 自 らが 住 み 活 動 する 街 や 地 域 についての 理 解 を 深 め そこへの 誇 りや 愛 着 を 育 むとともに 人 々が 集 まり 賑 わいのある 魅 力 的 なまちづくりに 向 けた 取 組 に 参 加 していくことも 重 要 なことである < 各 地 域 における 取 組 の 推 進 > 各 地 域 における 自 立 的 持 続 的 な 取 組 の 推 進 再 掲 自 らの 地 域 の 活 性 化 はもとより 東 京 という 都 市 や 我 が 国 の 成 長 に 向 けて 観 光 123
が 果 たす 役 割 について 理 解 を 深 める ボランティアや 地 域 づくりへの 参 加 など 観 光 の 視 点 による 取 組 への 貢 献 < 地 域 に 対 する 誇 りや 愛 着 の 醸 成 > 自 らの 地 域 に 対 する 理 解 を 深 め その 良 さを 再 認 識 することによる 地 域 への 誇 りや 愛 着 の 醸 成 < 国 際 都 市 東 京 における 旅 行 者 の 受 入 > 日 本 人 の 特 質 である 誠 実 さ 親 切 さ 江 戸 東 京 の 伝 統 が 育 んだ 他 人 を 思 いやる 心 意 気 などを 活 かしたホスピタリティの 体 現 異 文 化 についての 理 解 を 深 めるなど 相 互 理 解 の 推 進 (7)( 公 財 ) 東 京 観 光 財 団 の 役 割 ( 公 財 ) 東 京 観 光 財 団 は 行 政 や 民 間 事 業 者 との 連 携 を 図 りながら 国 内 外 の 旅 行 者 誘 致 を 推 進 している また 各 地 の 観 光 協 会 等 の 取 組 や 連 携 を 促 進 するなど 東 京 全 体 をカバーする 都 内 唯 一 の 広 域 観 光 団 体 として 都 の 行 政 を 補 完 する 機 能 を 担 っている 東 京 の 観 光 産 業 振 興 の 推 進 においては 行 政 だけでなく 民 間 事 業 者 との 関 係 が 重 要 となることから 公 民 の 性 格 を 併 せ 持 ち 行 政 と 民 間 をつないでいる 本 財 団 の 役 割 は 極 めて 重 要 となっている 本 財 団 は 観 光 産 業 振 興 における 専 門 性 の 向 上 を 図 るとともに その 体 制 機 能 を 強 化 し 都 と 一 体 となった 効 果 的 な 事 業 を 展 開 していく <( 公 財 ) 東 京 観 光 財 団 のあり 方 > 東 京 全 体 の 広 域 的 な 視 点 による 国 内 外 の 旅 行 者 誘 致 の 推 進 観 光 産 業 振 興 全 般 における 専 門 性 の 向 上 柔 軟 かつ 機 動 的 な 組 織 運 営 体 制 の 構 築 東 京 の 観 光 における 付 加 価 値 を 生 み 出 す 調 査 分 析 機 能 の 強 化 海 外 の 旅 行 市 場 やMICE 市 場 の 動 向 外 国 人 旅 行 者 をめぐるトレンド 情 報 など 付 加 価 値 のある 情 報 提 供 による 民 間 事 業 者 に 対 するプレゼンスの 強 化 民 間 事 業 者 等 と 連 携 した 旅 行 者 誘 致 やMICE 誘 致 の 展 開 による 柔 軟 性 機 動 性 を 備 えたプラットフォーム 機 能 の 強 化 各 地 の 観 光 協 会 等 の 取 組 や 連 携 を 促 進 するなど 地 域 における 求 心 力 の 向 上 124
2 東 京 の 観 光 産 業 振 興 を 支 える 視 点 (1) 東 京 が 一 体 となった 観 光 産 業 振 興 の 推 進 東 京 では 観 光 産 業 振 興 を 推 進 するため これまで 様 々な 主 体 が 連 携 した 取 組 を 進 めてきた しかし 今 後 さらなる 旅 行 者 誘 致 を 図 っていくためには 取 組 が 不 十 分 である 点 を 見 直 すとともに より 強 固 な 連 携 関 係 を 構 築 するなど 前 項 の 役 割 分 担 を 踏 まえ 東 京 が 一 体 となった 取 組 を 進 めていかなければならない 都 の 施 策 推 進 に 当 たっては 東 京 都 観 光 事 業 審 議 会 における 観 光 施 策 に 係 る 審 議 を 十 分 に 踏 まえるとともに 庁 内 の 産 業 力 強 化 会 議 や 観 光 連 携 推 進 会 議 等 を 活 用 す るなど 関 係 部 署 との 調 整 協 議 を 深 め 幅 広 く 本 プランの 施 策 効 果 を 高 める 取 組 を 推 進 していく 平 成 20(2008) 年 に 設 置 された 観 光 庁 による 国 を 挙 げた 観 光 立 国 への 取 組 の 強 化 を 踏 まえ 外 国 人 旅 行 者 誘 致 や 大 都 市 観 光 の 推 進 等 において 国 との 関 係 を 強 化 して いく また 地 域 の 観 光 産 業 振 興 に 積 極 的 な 区 市 町 村 と 課 題 を 共 有 し 観 光 産 業 振 興 の 進 み 具 合 等 ( 発 展 段 階 )に 応 じた 協 力 支 援 など 東 京 全 体 の 観 光 産 業 振 興 に 資 す る 取 組 を 促 進 する さらに 地 域 における 観 光 産 業 振 興 の 担 い 手 としての 役 割 が 期 待 される 観 光 関 連 団 体 や 多 様 化 する 旅 行 者 ニーズへの 対 応 力 と 豊 富 な 知 識 や 経 験 の 活 用 などが 期 待 される 民 間 事 業 者 との 情 報 共 有 を 十 分 に 図 っていくなど 具 体 的 な 事 業 実 施 における 関 係 を 強 化 する 一 方 で 都 民 が 積 極 的 に 観 光 産 業 振 興 に 参 画 できるよう 旅 行 者 と 交 流 しやすい 環 境 の 整 備 を 検 討 するなど 観 光 が 身 近 に 感 じられる 土 壌 をつくっていく 都 は こうした 各 主 体 との 関 わりを 強 めることにより その 施 策 効 果 を 高 めてい くとともに 各 主 体 間 の 連 携 についても 促 進 していくなど 東 京 が 一 体 となって 観 光 産 業 振 興 を 推 進 するよう 努 めていく (2) 旅 行 者 誘 致 を 支 える 調 査 分 析 機 能 の 強 化 さらなる 旅 行 者 誘 致 の 推 進 には ターゲットとなる 海 外 の 旅 行 市 場 や 旅 行 者 層 だ けでなく 東 京 の 観 光 の 現 状 や その 潜 在 力 となる 資 源 についても 的 確 に 把 握 分 析 し 戦 略 的 な 施 策 展 開 へとつなげていくことが 重 要 である 外 国 人 旅 行 者 誘 致 については 国 地 域 ごとに 異 なる 市 場 や 旅 行 者 層 における 特 徴 的 な 行 動 パターン( 行 動 特 性 )に 踏 み 込 んだきめ 細 かなマーケティングを 展 開 し ていくほか 発 地 ( 海 外 市 場 )に 加 えて 着 地 ( 東 京 )における 調 査 も 充 実 していく また 東 京 の 現 状 を 把 握 するためには 観 光 庁 が 整 備 を 進 めている 観 光 統 計 の 活 用 や 民 間 事 業 者 との 連 携 を 図 りながら 都 内 における 旅 行 者 の 動 向 や 有 意 な 計 数 情 報 の 把 握 について 検 討 していく 125
さらに 観 光 の 視 点 からみた 東 京 の 潜 在 力 東 京 の 強 みを 活 かした 新 たな 観 光 産 業 振 興 施 策 の 可 能 性 を 追 究 するなど 東 京 自 らの 観 光 を 対 象 とした 調 査 分 析 機 能 政 策 の 立 案 機 能 の 強 化 についても 併 せて 検 討 していく 政 府 観 光 局 機 能 海 外 の 国 や 地 域 では 政 府 観 光 局 と 呼 ばれる 機 関 により 戦 略 的 な 旅 行 者 誘 致 施 策 を 展 開 している 例 が 数 多 くみられます 政 府 観 光 局 は その 国 や 地 域 の 事 情 などにより 行 政 機 関 や 民 間 組 織 あるいはその 連 合 体 など 様 々な 形 態 がみられます また 国 に 限 らず 州 や 都 市 といったレベルでも 同 様 の 組 織 を 持 ち 機 能 させているケースが 少 な くありません その 政 府 観 光 局 の 機 能 は とりわけ 国 外 からの 旅 行 者 誘 致 を 推 進 するため マーケテ ィングや 宣 伝 広 報 国 際 イベントの 誘 致 主 催 などを 主 軸 としながら 自 国 ( 地 域 ) の 観 光 政 策 を 実 施 することにあります そして その 実 施 に 当 たっては 高 い 専 門 性 や 民 間 事 業 者 等 との 緊 密 な 連 携 (パートナーシップ)を 保 つとともに より 柔 軟 で 機 動 的 な 施 策 展 開 を 図 っている 点 が 大 きな 特 徴 となっています なお 我 が 国 においては 独 立 行 政 法 人 国 際 観 光 振 興 機 構 (JNTO 通 称 日 本 政 府 観 光 局 )が 国 として その 役 割 を 担 っています 海 外 の 政 府 観 光 局 の 状 況 組 織 名 総 職 員 数 海 外 事 業 所 数 総 予 算 フランス フランス 観 光 開 発 機 構 ATOUT France 430 人 ( 平 成 21 年 12 月 ) 36 箇 所 89 億 円 ( 平 成 22 年 度 ) 英 国 英 国 政 府 観 光 庁 Visit Britain 250 人 ( 平 成 22 年 5 月 ) 32 箇 所 139 億 円 ( 平 成 20 年 度 ) オーストラリア オーストラリア 政 府 観 光 局 Tourism Australia (TA) 216 人 ( 平 成 22 年 6 月 ) 13 箇 所 126 億 円 韓 国 韓 国 観 光 公 社 Korea Tourism Organization (KTO) 613 人 ( 平 成 21 年 3 月 ) 27 箇 所 293 億 円 香 港 香 港 政 府 観 光 局 Hong Kong Tourism Board (HKTB) 325 人 ( 平 成 21 年 3 月 ) 22 箇 所 65 億 円 シンガポール シンガポール 政 府 観 光 局 Singapore Tourism Board (STB) 約 580 人 ( 平 成 22 年 8 月 ) 22 箇 所 131 億 円 ( 平 成 21 年 度 ) 台 湾 交 通 観 光 部 または 台 湾 観 光 協 会 606 人 ( 平 成 22 年 8 月 ) 11 箇 所 290 億 円 タイ タイ 国 政 府 観 光 庁 Tourism Authority of Thailand (TAT) 918 人 ( 平 成 22 年 5 月 ) 23 箇 所 178 億 円 ( 平 成 20 年 度 ) マレーシア マレーシア 政 府 観 光 局 Malaysia Tourism Promotion Board (MTPB) 約 1,000 人 ( 平 成 22 年 7 月 ) 43 箇 所 132 億 円 ニューヨーク 市 NYC & Company(NYCC) 不 明 18 箇 所 33 億 円 ( 平 成 21 年 度 ) パリ 市 パリ 観 光 局 Office de tourisme et des congrès de Paris 102 人 ( 平 成 21 年 平 均 ) - 12 億 円 ( 平 成 20 年 度 ) ロンドン 市 London & Partners 85 人 ( 平 成 22 年 ) 不 明 39 億 円 出 典 : 平 成 24 年 版 観 光 白 書 平 成 22(2010) 年 国 際 観 光 白 書 平 成 23 年 東 京 都 調 査 による 126
(3) 観 光 産 業 振 興 を 進 める 財 源 の 確 保 都 では 国 際 都 市 東 京 の 魅 力 を 高 める 観 光 産 業 振 興 を 推 進 していくため 東 京 都 税 制 調 査 会 の 答 申 を 受 けて 平 成 14(2002) 年 に 観 光 振 興 施 策 に 充 てる 財 源 確 保 を 目 的 とした 法 定 外 の 宿 泊 税 を 導 入 した 宿 泊 税 はホテル 等 の 宿 泊 者 に 一 定 の 負 担 を 求 め 税 収 の 全 額 を 観 光 案 内 所 の 運 営 や 多 言 語 による 観 光 案 内 標 識 の 設 置 ウェルカムカードの 発 行 など 旅 行 者 の 利 便 性 や 東 京 の 魅 力 向 上 などに 資 する 様 々な 施 策 の 費 用 に 充 当 している このように 宿 泊 税 は 創 設 から 10 年 余 りにわたって 都 の 観 光 振 興 施 策 を 財 政 面 から 支 えてきた 今 後 も 安 定 的 に 財 源 を 確 保 し 本 プランに 掲 げる 施 策 を 着 実 に 推 進 していく 宿 泊 税 の 概 要 区 分 具 体 的 内 容 目 的 等 納 税 義 務 者 課 税 免 除 国 際 都 市 東 京 の 魅 力 を 高 めるとともに 観 光 の 振 興 を 図 る 施 策 に 要 する 費 用 に 充 てる 都 内 のホテル 等 の 宿 泊 者 宿 泊 料 金 1 人 1 泊 1 万 円 未 満 の 宿 泊 税 率 宿 泊 料 金 1 人 1 泊 1 万 円 以 上 1 万 5 千 円 未 満 の 宿 泊 100 円 1 万 5 千 円 以 上 の 宿 泊 200 円 徴 収 方 法 ホテル 等 による 特 別 徴 収 ( 特 別 徴 収 義 務 者 288 件 施 設 数 467 件 ( 平 成 24 年 12 月 末 ) ) 施 行 日 平 成 14 年 10 月 1 日 宿 泊 税 収 の 推 移 ( 単 位 : 百 万 円 ) 年 度 14 年 度 15 年 度 16 年 度 17 年 度 18 年 度 19 年 度 20 年 度 21 年 度 22 年 度 23 年 度 24 年 度 25 年 度 税 額 496 1,154 1,163 1,193 1,291 1,410 1,316 1,010 1,037 820 1,036 1,058 年 度 は 平 成 平 成 24 年 度 は 補 正 後 予 算 額 平 成 25 年 度 は 当 初 予 算 額 127