1991 年 特 定 保 健 用 食 品 の 誕 生 2008 年 特 定 健 診 (メタボリック 健 診 )の 義 務 化 健 康 食 品 と 医 薬 品 の 併 用 率 増 加 の 可 能 性 問 題 点 医 師 が 把 握 していない 健 康 食 品 の 併 用 が 存 在 する 処 方 薬 剤 と 健 康 食 品 の 併 用 状 況 が 知 られていない 併 用 による 相 互 作 用 の 詳 細 情 報 が 不 十 分 高 齢 化 美 容 健 康 志 向 の 高 まり 1
調 剤 薬 局 における 処 方 薬 剤 と 健 康 食 品 による 併 用 状 況 の 実 態 をつかむ 処 方 薬 剤 と 健 康 食 品 の 併 用 に 対 する 適 正 使 用 の 推 進 チェック 機 能 強 化 安 全 性 確 保 相 互 作 用 の 情 報 収 集 2
調 剤 薬 局 22 店 舗 において 服 薬 指 導 時 に 以 下 の 項 目 を 調 査 した 聴 取 項 目 1 年 齢 2 性 別 3 診 療 科 4 健 康 食 品 の 摂 取 有 無 とその 品 目 調 査 期 間 平 成 21 年 4 月 30 日 ~5 月 17 日 の 期 間 に 各 薬 局 において5 日 間 調 査 を 行 った 学 会 用 アンケート 該 当 するものに または 記 入 をお 願 いします( 患 者 様 1 名 につき1 枚 ) 1 年 齢 10 歳 未 満 10 代 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 歳 以 上 2 性 別 男 女 3 受 診 中 の 科 (2 科 以 上 受 診 であれば 全 て 記 入 ) 内 科 外 科 整 形 婦 人 科 小 児 科 耳 鼻 科 精 神 科 皮 膚 科 眼 科 歯 科 他 ( ) 4サプリメント または 健 康 食 品 の 摂 取 有 無 5 4で 有 の 場 合 商 品 名 または 種 類 (いくつでも 可 ) コラーゲン グルコサミン 青 汁 ウコン 黒 ウーロン 茶 ヘルシア 緑 茶 アミノ 酸 グァバ 茶 ( 蕃 石 榴 茶 ) アミー ルS コエンザイムQ10 セント ジョンズ ワート(セイヨウオトギリソウ) 総 合 ビタミン 剤 ヒアルロン 酸 セサミン クロレラ 人 参 DHA ビタミン A B1 B2 B6 C E Mg 鉄 Ca Zn イチョウ 葉 ブルーベリー ニンニク 酢 ( 種 類 : ) 名 称 不 明 他 ( ) 店 番 : 店 名 : ご 不 明 な 点 がございましたら 担 当 者 までお 気 軽 にお 問 い 合 わせ 下 さい 3
25.3% 併 用 312 人 うち50 人 男 女 不 明 非 併 用 :48 人 併 用 : 2 人 併 用 68 人 15.6% 非 併 用 922 人 31.6% 併 用 236 人 非 併 用 369 人 併 用 率 男 女 比 1:2 非 併 用 511 人 4
併 用 率 (%) 40.0 30.0 20.0 10.0 30 代 女 性 急 激 な 併 用 率 アップ!! 60 代 女 性 最 も 併 用 率 が 高 い 35.2% 33.7% 34.5% 29.6% 21.8% 全 体 併 用 率 男 性 併 用 率 女 性 併 用 率 0.0 10 歳 未 満 10 代 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 歳 以 上 年 齢 ( 歳 ) 5
2 位 3 位 ( 各 39 人 ) 1 位 (51 人 ) 4 位 (26 人 ) 5 位 カルシウム ビタミンB 群 ( 各 24 人 ) 7 位 コエンザイムQ10 (17 人 ) 8 位 ビタミンE (16 人 ) 9 位 コンドロイチン 青 汁 ( 各 14 人 ) 11 位 ブルーベリー (13 人 ) 12 位 セサミン ローヤルゼリー( 各 11 人 ) 14 位 ウコン 鉄 ( 各 10 人 ) 16 位 葉 酸 黒 酢 ニンニク (ニンニク 卵 黄 クロニンニクを 含 む) 香 酢 ( 各 9 人 ) 17 位 ヒアルロン 酸 (8 人 ) 18 位 アミノ 酸 (6 人 ) 19 位 イチョウ 葉 プロテイン ( 各 5 人 ) 21 位 亜 鉛 クロレラ プルーン ルテイン ( 各 4 人 ) 6
人 数 ( 人 ) 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 49.3% 産 婦 人 科 49.1% 整 形 外 科 39.5% 785 39.0% 33.3% 32.1% 30.8% 306 23.3% 21.1% 16.7% 232 175 114 129 132 69 34 51 48 16 28 9 13 30 37 50 4 7 22 1 眼 内 精 歯 外 皮 耳 小 科 科 神 科 科 膚 鼻 児 科 科 科 科 診 療 科 泌 尿 器 科 2.0% 60 50 40 30 20 10 併 用 率 (%) 受 診 者 数 併 用 人 数 併 用 率 診 療 科 別 の 併 用 率 は 整 形 外 科 と 産 婦 人 科 が49%と 高 く 眼 科 内 科 精 神 科 と 続 いた 0 7
産 婦 人 科 1 位 葉 酸 2 位 鉄 3 位 カルシウム 整 形 外 科 1 位 グルコサミン 2 位 総 合 ビタミン 3 位 ビタミンC 4 位 カルシウム 5 位 コンドロイチン コラーゲン ビタミンE 眼 科 1 位 グルコサミン 2 位 総 合 ビタミン 3 位 ブルーベリー ビタミンC コエンザイムQ10 ビタミンB 群 4 位 ルテイン ヒアルロン 酸 ローヤルゼリー 青 汁 皮 膚 科 1 位 総 合 ビタミン 2 位 ビタミンC 3 位 ビタミンB 群 4 位 カルシウム コラーゲン 内 科 1 位 グルコサミン 2 位 ビタミンC 3 位 総 合 ビタミン 4 位 ビタミンB 群 5 位 コンドロイチン コラーゲン 赤 文 字 : 治 療 の 一 環 として 健 康 食 品 を 服 用 している 可 能 性 があるもの 8
併 用 上 位 品 目 ビタミンC グルコサミン 総 合 ビタミン コラーゲン カルシウム ビタミンB 郡 コンザイムQ10 ビタミンE コンドロイチン 青 汁 ブルーベリー ウコン ニンニク ヒアルロン 酸 0.0% 0.0% 0.5% 0.5% 0.5% 0.7% 0.9% 0.8% 0.7% 0.7% 0.9% 1.1% 1.4% 1.4% 1.6% 1.9% 1.7% 1.5% 1.4% 1.6% 1.5% 1.8% 2.4% 2.5% 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 併 用 率 (%) 3.5% 4.0% 4.1% 5.8% 女 性 男 性 ほとんどの 健 康 食 品 において 男 性 に 比 べて 女 性 の 併 用 率 が 上 回 った(ニンニク ウコンを 除 く) 9
ビタミンC コラーゲン 0.0% 1.4% 3.5% 5.8% 女 性 男 性 ビタミンB 群 ヒアルロン 酸 1.1% 0.9% 0.0% 2.5% いずれも 女 性 の 方 が 高 い 傾 向 を 示 した 4 品 目 の 合 計 2.5% 12.7% 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 併 用 率 (%) 10
7.0 6.0 40 代 を 境 に 上 昇 グルコサミン 併 用 率 (%) 5.0 4.0 3.0 30 代 までは 併 用 率 が 1%に 満 たない CoQ10 コンドロイチン 2.0 1.0 0.0 ブルーベリー ルテイン 20 代 未 満 n=237 20 代 n=109 30 代 n=161 40 代 n=152 年 代 50 代 n=135 60 代 n=236 70 代 n=277 11
高 齢 者 と 女 性 で 併 用 率 が 高 い 傾 向 高 齢 者 老 化 現 象 女 性 美 容 健 康 志 向 治 療 の 一 環 として 健 康 食 品 を 摂 取 していると 考 え られるケースがあるが 医 師 に 健 康 食 品 の 服 用 を 伝 えていないことも 考 えられる 治 療 効 果 への 影 響 を 考 慮 する 必 要 がある 12
健 康 食 品 名 医 薬 品 名 事 象 日 常 のポイント ビタミンC アスピリン (2) 出 血 傾 向 (SE) 歯 茎 の 出 血 内 出 血 ができやすくなったらビタミンCの 服 用 を 中 止 させる エチニルエストラジオール (2) 結 合 型 エ 静 脈 血 栓 塞 栓 症 の 既 往 歴 がある 方 は 服 用 を 避 ける ストロゲン (2 ) 血 栓 症 等 (SE) 下 肢 疼 痛 浮 腫 息 切 れ 胸 痛 が 出 たら 中 止 する マレイン 酸 トリフロペラジン (2) マレイン 統 合 失 調 症 悪 化 の 恐 れがあるので ビタミンCの 新 た 酸 フルフェナジン (2) マレイン 酸 プロクロ 作 用 減 弱 な 服 用 は 避 ける ルペラジン (2) フルフェナジン (3 ) ホスフェストロール (2) 作 用 減 弱 ホスフェストロールの 服 用 中 は 併 用 を 避 ける (3) 抗 がん 剤 作 用 減 弱 のおそれ 抗 がん 剤 による 治 療 を 優 先 すべきであるので 抗 がん (2,3) 鉄 化 合 物 製 剤 作 用 増 強 (2,4) 剤 服 用 中 は 避 ける 鉄 剤 の 吸 収 が 促 進 されるため 吐 き 気 食 欲 不 振 下 (3) アルミニウム 含 有 製 剤 吸 収 促 進 による 血 中 濃 度 上 昇 痢 などの 症 状 があればビタミンCの 服 用 を 中 止 する 腎 疾 患 既 往 のある 方 透 析 中 の 方 は 服 用 を 避 ける 痙 攣 発 作 顔 をしかめる 自 分 の 意 思 とは 関 係 なく 手 足 が 動 くことがあればビタミンCの 服 用 を 中 止 する (3g 以 上 ) アセトアミノフェン (3) 血 中 濃 度 増 加 ビタミンCは 通 常 量 を 超 えて 大 量 に 摂 取 しない ( 大 量 ) アセタゾラミド (2) 腎 尿 路 結 石 が 起 こりやすい 腰 背 下 腹 部 痛 が 発 生 した 場 合 は 受 診 を 勧 める 腎 尿 路 結 石 の 既 往 のある 場 合 は 避 ける (1) グルコサミン 糖 尿 病 薬 インスリン 抵 抗 性 を 高 める(ラット) 併 用 可 能 と 考 えられるが 念 のため 血 糖 値 の 変 化 に 注 2 型 糖 尿 病 患 者 ではBS HbA1cには 意 しながら 使 用 する 影 響 しない(ヒト) (1) 抗 がん 剤 化 学 療 法 に 耐 性 を 生 じる 可 能 性 が ある 抗 がん 剤 による 治 療 を 優 先 すべきであるので 抗 がん 剤 服 用 中 は 避 ける ワルファリンカリウム (3) 作 用 増 強 (INR 増 大 ) 併 用 状 況 を 変 更 する 場 合 は 医 師 に 伝 える 新 たに 服 用 を 開 始 する 場 合 は 避 ける コラーゲン 無 し (1,3) 出 典 1:サプリメントと 医 薬 品 の 相 互 作 用 診 療 マニュアル( 蒲 原 聖 可 著 ) 2: 医 薬 品 と 飲 食 物 サプリメントの 相 互 作 用 とマネジメント 改 訂 版 ( 大 西 憲 明 著 ) 3: 独 立 行 政 法 人 国 立 健 康 栄 養 研 究 所 ホームページ 13
店 舗 販 売 業 での 活 用 も 視 野 に 入 れて 作 成 した NR( 栄 養 情 報 担 当 者 )や 登 録 販 売 者 にとって 利 用 しやすい ことを 目 指 した 日 常 のポイント 欄 を 作 ったことで 具 体 的 に 注 意 する 事 柄 の 説 明 が 可 能 になる 必 ずしも 併 用 を 避 けるのではなく 併 用 した 上 での 安 全 性 と 有 効 性 を 説 明 する 例 えば 糖 尿 病 の 薬 を 飲 んでいて グルコサミンも 飲 みたいんですが 大 丈 夫 ですか? 早 見 表 まれに 血 糖 値 が 上 がることがあります ので 血 糖 値 に 注 意 しながら 飲 んでください 一 緒 に 飲 んで 血 糖 値 が ばらつくようになったら 相 談 してくださいね! 14
今 回 の 調 査 で 女 性 と 高 齢 者 で 健 康 食 品 の 併 用 が 高 い 傾 向 にあることが 確 認 できた 調 剤 薬 局 においては 健 康 食 品 の 併 用 チェックが 単 なる 聴 取 で 終 わらず 併 用 によるリスクとベネフィットを 説 明 できることが 重 要 である 今 後 情 報 収 集 の 継 続 および 早 見 表 の 情 報 更 新 により 処 方 薬 剤 と 健 康 食 品 の 併 用 チェック 機 能 を 強 化 する ことで 健 康 食 品 の 適 正 使 用 を 進 める 必 要 がある さらに 医 師 の 薬 物 療 法 をより 効 果 的 に 支 援 するための 役 割 を 調 剤 薬 局 において 担 っていくことが 重 要 である 15