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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

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m07 北見工業大学 様式①


Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

目 標 を 達 成 するための 指 標 第 4 章 計 画 における 環 境 施 策 世 界 遺 産 への 登 録 早 期 登 録 の 実 現 史 跡 の 公 有 地 化 平 成 27 年 度 (2015 年 度 )までに 235,022.30m 2 施 策 の 体 系 1 歴 史 的 遺 産 とこ

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている


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別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

公表表紙

(Microsoft Word - \221\346\202P\202U\201@\214i\212\317.doc)

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2. 建 築 基 準 法 に 基 づく 限 着 色 項 目 の 地 区 が 尾 張 旭 市 内 にはあります 関 係 課 で 確 認 してください 項 目 所 管 課 窓 口 市 役 所 内 電 話 備 考 がけに 関 する 限 (がけ 条 例 ) 都 市 計 画 課 建 築 住 宅 係 南 庁 舎

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

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(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

16 日本学生支援機構

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18 国立高等専門学校機構

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社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

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平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

個人住民税徴収対策会議

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

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Microsoft Word - 006第Ⅰ章第2節.doc

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預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協


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第1章 総則

市街化区域と市街化調整区域との区分

守 口 市 立 東 小 学 校 大 久 保 小 学 校 の 統 合 実 施 計 画 目 次 第 1 守 口 市 における 学 校 統 合 の 背 景 1 第 2 東 小 学 校 と 大 久 保 小 学 校 の 統 合 について 1 第 3 統 合 校 の 学 校 づくりについて 2 第 4 東 小

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中根・金田台地区 平成23年度補償説明業務

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) (H24)

「節電に対する生活者の行動・意識

能勢町市街化調整区域における地区計画のガイドライン

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貸 借 対 照 表 内 訳 表 212 年 3 月 31 日 現 在 公 益 財 団 法 人 神 奈 川 県 公 園 協 会 科 目 公 益 目 的 事 業 会 計 収 益 事 業 等 会 計 法 人 会 計 内 部 取 引 消 去 合 計 Ⅰ 資 産 の 部 1. 流 動 資 産 現 金 預 金

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用

容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

●幼児教育振興法案

はファクシミリ 装 置 を 用 いて 送 信 し 又 は 訪 問 する 方 法 により 当 該 債 務 を 弁 済 す ることを 要 求 し これに 対 し 債 務 者 等 から 直 接 要 求 しないよう 求 められたにもかか わらず 更 にこれらの 方 法 で 当 該 債 務 を 弁 済 するこ

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公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

安 芸 太 田 町 学 校 適 正 配 置 基 本 方 針 の 一 部 修 正 について 1 議 会 学 校 適 正 配 置 調 査 特 別 委 員 会 調 査 報 告 書 について 安 芸 太 田 町 教 育 委 員 会 が 平 成 25 年 10 月 30 日 に 決 定 した 安 芸 太 田

1 平 成 27 年 度 土 地 評 価 の 概 要 について 1 固 定 資 産 税 の 評 価 替 えとは 地 価 等 の 変 動 に 伴 う 固 定 資 産 の 資 産 価 値 の 変 動 に 応 じ その 価 格 を 適 正 で 均 衡 のとれたものに 見 直 す 制 度 である 3 年 ご

(Microsoft Word - \220\340\226\276\217\221.doc)

 三郷市市街化調整区域の整備及び保全の方針(案)

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●電力自由化推進法案

Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 1 人


Microsoft Word - H27概要版

別 添 1 女 性 国 家 公 務 員 の 登 用 状 況 資 料 1 指 定 職 に 占 める 女 性 の 割 合 は3.0%( 平 成 27 年 11 月 1 日 現 在 ) ( 前 年 9 月 1 日 現 在 から0.2ポイント 増 ) 本 省 課 室 長 相 当 職 以 上 に 占 める 女

130117_『高齢社会をむかえた東京23区の将来 人口と建物の関係から見て

25 年 度 アクションプラン 補 助 制 度 目 標 定 住 人 口 :198 人 増 1 九 州 大 学 学 生 への 電 動 バイクレンタル 事 業 学 研 都 市 づくり 課 進 学 糸 島 市 内 に 居 住 する 九 州 大 学 の 学 生 に 民 間 業 者 と 連 携 し て 電 動

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損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

スライド 1

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学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う文部科学省関係省令の整備に関する省令等について(通知)

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弁護士報酬規定(抜粋)

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

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Taro-08国立大学法人宮崎大学授業

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平 成 24 年 4 月 1 日 から 平 成 25 年 3 月 31 日 まで 公 益 目 的 事 業 科 目 公 1 公 2 公 3 公 4 法 人 会 計 合 計 共 通 小 計 苦 情 相 談 解 決 研 修 情 報 提 供 保 証 宅 建 取 引 健 全 育 成 Ⅰ. 一 般 正 味 財

3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

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1 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )について 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )の 構 成 構 成 記 載 内 容 第 1 章 はじめに 本 マニュアルの 目 的 記 載 内 容 について 説 明 しています 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 林 地

定款

PowerPoint プレゼンテーション

1 はじめに 計 画 の 目 的 国 は 平 成 18 年 度 に 住 生 活 基 本 法 を 制 定 し 住 まいに 関 する 基 本 的 な 計 画 となる 住 生 活 基 本 計 画 ( 全 国 計 画 )を 策 定 し 住 宅 セーフティネットの 確 保 や 住 生 活 の 質 の 向 上

市 の 人 口 密 度 は 5,000 人 を 超 え 図 4 人 口 密 度 ( 単 位 : 人 /k m2) に 次 いで 高 くなっている 0 5,000 10,000 15,000 首 都 圏 に 立 地 する 政 令 指 定 都 市 では 都 内 に 通 勤 通 学 する 人 口 が 多

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

(2) 単 身 者 向 け 以 外 の 賃 貸 共 同 住 宅 等 当 該 建 物 に 対 して 新 たに 固 定 資 産 税 等 が 課 税 される 年 から 起 算 して5 年 間 とする ( 交 付 申 請 及 び 決 定 ) 第 5 条 補 助 金 の 交 付 を 受 けようとする 者 は

する ( 評 定 の 時 期 ) 第 条 成 績 評 定 の 時 期 は 第 3 次 評 定 者 にあっては 完 成 検 査 及 び 部 分 引 渡 しに 伴 う 検 査 の 時 とし 第 次 評 定 者 及 び 第 次 評 定 者 にあっては 工 事 の 完 成 の 時 とする ( 成 績 評 定

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                         庁議案件No

Transcription:

平 成 24 年 度 調 査 研 究 事 業 富 士 山 の 世 界 文 化 遺 産 登 録 を 契 機 とする 新 しい 観 光 等 による 地 域 活 性 化 の 手 法 に 関 する 調 査 研 究 報 告 書 平 成 25 年 2 月 23 日 社 団 法 人 中 小 企 業 診 断 協 会

目 次 はじめに ページ 第 1 章 富 士 山 の 世 界 文 化 遺 産 登 録 の 見 通 しと 当 該 地 ( 静 岡 山 梨 県 )における 現 状 の 観 光 実 態 について 1. 世 界 文 化 遺 産 について 1 2. 両 県 の 現 状 における 観 光 の 実 態 8 第 2 章 富 士 山 世 界 文 化 遺 産 関 係 市 町 村 等 の 対 応 状 況 1. 調 査 方 法 の 概 要 37 2. 山 梨 県 富 士 吉 田 市 39 3. 忍 野 村 43 4. 山 中 湖 村 46 5. 鳴 沢 村 48 6. 富 士 河 口 湖 町 50 7. 富 士 五 湖 観 光 連 盟 54 8. 日 本 富 士 山 協 会 56 9. 静 岡 県 小 山 町 57 10. 御 殿 場 市 59 11. 裾 野 市 62 12. 三 島 市 64 13. 清 水 町 66 14. 長 泉 町 68 15. 沼 津 市 70 16. 富 士 市 73 17. 富 士 宮 市 76 18. 静 岡 市 ( 清 水 区 ) 79 市 町 村 別 の 観 光 についての 現 状 と 動 向 ( 関 係 先 ヒアリング 要 約 ) 82

第 3 章 富 士 山 世 界 文 化 遺 産 登 録 を 契 機 とする 地 域 活 性 化 のための 課 題 1. 富 士 山 世 界 文 化 遺 産 登 録 に 向 けての 動 き 86 2. 観 光 客 の 意 識 実 態 と 登 録 後 の 観 光 客 の 変 化 予 測 90 3. 富 士 山 世 界 文 化 遺 産 登 録 を 契 機 とする 地 域 活 性 化 への 課 題 96 第 4 章 地 域 活 性 化 のための3つの 視 点 1. 変 化 への 対 応 99 2. 観 光 戦 略 103 3. 富 士 山 地 域 のブランド 化 108 参 考 資 料 1. 新 しい 観 光 による 地 域 活 性 化 の 主 体 と 各 々の 役 割 機 能 112 2. 静 岡 県 の 富 士 山 周 辺 関 係 各 市 町 地 域 に 対 する 観 光 振 興 策 地 域 活 性 化 策 提 案 (1) 静 岡 県 小 山 町 118 (2) 御 殿 場 市 121 (3) 裾 野 市 124 (4) 三 島 市 127 (5) 清 水 町 130 (6) 長 泉 町 134 (7) 沼 津 市 137 (8) 富 士 市 141 (9) 富 士 宮 市 144 (10) 静 岡 市 ( 清 水 区 ) 147 おわりに 152 本 調 査 研 究 事 業 委 員 ( 執 筆 者 と 担 当 箇 所 ) 153

は じ め に 桜 がまだ 7 分 咲 きの 昨 年 の 4 月 初 旬 静 岡 および 山 梨 両 県 の 中 小 企 業 診 断 士 協 会 長 をはじめ 8 名 の 役 員 が 身 延 山 久 遠 寺 の 花 見 を 楽 しむとともに 地 元 の 商 工 会 館 を 借 りて 本 調 査 研 究 事 業 の 採 択 に 向 けて 議 論 を 交 わした この 時 点 において 両 県 にまたがる 名 峰 富 士 山 が 世 界 文 化 遺 産 の 登 録 に 向 って 着 々と 準 備 が 進 められており ユネスコ 世 界 遺 産 センターに 対 して 推 薦 書 が 国 から 提 出 されていたので 富 士 山 の 世 界 文 化 遺 産 登 録 と 観 光 による 地 域 の 活 性 化 といった 仮 テーマ をもとに 両 県 協 会 の 共 同 事 業 として 取 り 組 むことになったのである さて 本 調 査 研 究 をスタートさせるに 当 たって 両 県 協 会 から 数 名 ずつの 調 査 研 究 委 員 を 募 り 総 勢 10 名 の 体 制 で 臨 むこととなった 委 員 が 多 数 だと 多 様 なアイディアや 知 見 が 披 瀝 され 品 質 の 高 い 調 査 研 究 事 業 になると 期 待 されるとともに それらをどう 意 見 集 約 し 纏 め 上 げていくか また 両 県 における 文 化 遺 産 の 構 成 資 産 の 比 重 や 観 光 資 源 の 魅 力 度 などのポテンシャルの 違 いに 対 して どう 歩 調 を 合 わせ 調 整 していくのか 大 きな 課 題 を 抱 えながら 大 変 な 作 業 になると 覚 悟 してのスタートであった わが 国 社 会 がデフレ 経 済 から 何 とかして 脱 出 しようともがき 苦 しんでいる 昨 今 であるが 地 域 社 会 においてはより 深 刻 な 景 気 低 迷 が 続 いている グローバリゼーションがますます 進 む 中 で わが 国 の 稼 ぎ 頭 である 製 造 業 の 海 外 投 資 は 勢 いを 増 し 国 内 において 収 益 構 造 を 確 立 している 一 部 の 企 業 を 除 き 大 手 製 造 業 関 連 の 事 業 所 の 閉 鎖 が 目 につく このような 状 況 から 当 然 のこと として 地 域 中 小 製 造 業 の 多 くが 青 息 吐 息 の 状 態 である そこで 今 後 において 地 域 経 済 が 再 び 活 力 を 持 つためには 何 で 飯 を 食 べていくのか? を 地 方 行 政 府 や 産 業 界 に 関 わる 人 たちは 自 らに 真 剣 に 問 わなければならない 雇 用 者 だって 進 んでこ の 議 論 に 加 わってもよい 市 井 に 生 きる 地 域 住 民 だって 自 分 が 住 むまちづくりのことだから その 答 えのひとつが 観 光 による 地 域 活 性 化 である 今 回 の 調 査 研 究 事 業 のテーマについては 前 記 したように 富 士 山 の 世 界 文 化 遺 産 というトピックスを 契 機 に 観 光 資 源 に 恵 まれた 両 県 の 富 士 山 周 辺 地 域 について 国 内 ばかりでなく 海 外 にも 目 を 転 じ 外 国 からの 一 層 の 誘 客 も 視 野 に 入 れ 地 域 経 済 の 活 性 化 のため 確 固 たる 観 光 戦 略 を 打 ち 立 ててもらいたいという 願 いがあったからであ る このような 動 機 や 背 景 から 生 まれた 本 調 査 研 究 事 業 であるが その 成 果 としての 本 報 告 書 が 富 士 山 周 辺 地 域 はもとより 両 県 における 観 光 地 といわれる 他 地 域 の 観 光 施 策 や 戦 略 のヒントに 供 することができれば 幸 甚 である このことは 調 査 研 究 委 員 一 同 の 共 通 した 思 いである 平 成 25 年 2 月 静 岡 山 梨 県 調 査 研 究 事 業 委 員 会

静 岡 県 からの 富 士 山 山 梨 県 からの 富 士 山

第 1 章 富 士 山 の 世 界 文 化 遺 産 登 録 の 見 通 しと 当 該 地 ( 静 岡 山 梨 県 )における 現 状 の 観 光 実 態 について 1. 世 界 文 化 遺 産 について (1) 世 界 遺 産 2007 年 に 富 士 山 が 世 界 遺 産 暫 定 リストに 記 載 され 本 年 度 には 武 家 の 古 都 鎌 倉 とともに ユネスコ 世 界 遺 産 センターへ 登 録 に 向 けての 推 薦 書 を 提 出 した そして 今 夏 イコモス( 世 界 遺 産 委 員 会 の 諮 問 機 関 )による 現 地 調 査 が 行 われた 来 年 5 月 ごろ イコモスによる 評 価 結 果 の 勧 告 が あり その 後 の 夏 ごろに 世 界 遺 産 委 員 会 において 審 議 され 登 録 されるといわれている そもそも 世 界 遺 産 は 文 化 遺 産 自 然 遺 産 この 二 つの 資 産 を 有 する 複 合 遺 産 に 別 けられるが 共 通 価 値 は 地 球 の 生 成 と 人 類 の 歴 史 によって 生 み 出 され 過 去 から 引 き 継 がれた 貴 重 な 宝 物 であ る 世 界 遺 産 は 世 界 のさまざまな 国 や 地 域 に 住 む 人 々が 誇 る 文 化 財 や 自 然 環 境 等 である 現 在 までの 世 界 遺 産 における 文 化 遺 産 は 745 件 自 然 遺 産 188 件 複 合 遺 産 29 件 となっている ち なみに 国 別 の 世 界 遺 産 登 録 件 数 は イタリアがトップで 47 件 2 位 が 中 国 の 43 件 3 位 スペ インで 42 件 4 位 フランス 38 件 5 位 ドイツ 37 件 と 続 いている わが 日 本 は 16 件 の 登 録 で 14 位 である (2) 日 本 における 世 界 遺 産 わが 国 の 世 界 遺 産 登 録 16 件 のうち 文 化 遺 産 が 12 件 自 然 遺 産 が 4 件 である これら 世 界 遺 産 は 次 のとおりである 表 1-1 わが 国 における 登 録 世 界 遺 産 文 化 遺 産 記 載 年 自 然 遺 産 記 載 年 法 隆 寺 地 域 の 仏 教 建 造 物 1993 屋 久 島 1993 姫 路 城 1993 白 神 山 地 1993 古 都 京 都 の 文 化 財 1994 知 床 2005 白 川 郷 五 箇 山 の 合 掌 造 り 集 落 1995 小 笠 原 諸 島 2011 原 爆 ドーム 1996 厳 島 神 社 1996 古 都 奈 良 の 文 化 財 1998 日 光 の 社 寺 1999 琉 球 王 国 のグスク 及 び 関 連 遺 産 群 2000 紀 伊 山 地 の 霊 場 と 参 詣 道 2004 石 見 銀 山 遺 跡 とその 文 化 的 景 観 2007 平 泉 - 仏 国 土 ( 浄 土 )を 表 す 建 築 庭 園 及 び 考 古 学 的 遺 跡 群 2011-1 -

来 年 度 には 推 薦 書 が 提 出 されている 富 士 山 と 武 家 の 古 都 鎌 倉 がめでたく 登 録 される と 18 件 になる (3) 富 士 山 の 世 界 文 化 遺 産 への 推 薦 富 士 山 の 推 薦 について わが 国 における 世 界 遺 産 条 約 関 係 省 庁 連 絡 会 議 ( 構 成 : 外 務 省 文 化 庁 環 境 省 林 野 庁 水 産 庁 国 土 交 通 省 宮 内 庁 )において 推 薦 が 決 定 され 文 化 庁 環 境 省 及 び 林 野 庁 が 共 同 推 薦 省 庁 となった 国 では 世 界 文 化 遺 産 に 相 応 しい 富 士 山 の 顕 著 な 普 遍 的 価 値 につ いて 次 のような 概 要 を 記 載 している 富 士 山 は 日 本 を 代 表 する 日 本 最 高 峰 の 秀 麗 な 円 錐 成 層 火 山 として 世 界 的 に 著 名 であり そ の 荘 厳 で 崇 高 な 姿 形 を 基 盤 として 日 本 人 の 自 然 に 対 する 信 仰 の 在 り 方 や 海 外 に 影 響 を 与 えた 19 世 紀 後 半 の 葛 飾 北 斎 や 歌 川 広 重 などによる 顕 著 な 普 遍 的 価 値 を 持 つ 浮 世 絵 などの 日 本 独 特 の 芸 術 文 化 を 育 んだ 山 である 時 代 を 超 えて 一 国 の 文 化 の 諸 相 とも 極 めて 深 い 関 連 性 を 示 し 山 に 対 する 信 仰 の 文 化 的 伝 統 を 表 すのみならず 世 界 的 名 山 として 景 観 の 類 型 の 顕 著 な 事 例 として 顕 著 な 普 遍 的 価 値 を 持 つ 山 である 富 士 山 の 世 界 文 化 遺 産 に 値 する 登 録 基 準 は 10 の 登 録 基 準 のうち 3 4 6 の 基 準 を 満 たして いる ちなみに 1 つ 以 上 を 満 たしていればよいことになっている 3 つの 基 準 をそれぞれ 記 す ⅲ. 現 存 するか 消 滅 しているかに 関 わらず ある 文 化 的 伝 統 又 はある 文 明 の 存 在 を 伝 承 する 物 証 として 無 二 の 存 在 ( 少 なくとも 稀 有 な 存 在 )である ⅳ. 歴 史 上 の 重 要 な 段 階 を 物 語 る 建 築 物 その 集 合 体 科 学 技 術 の 集 合 体 あるいは 景 観 を 代 表 する 顕 著 な 見 本 である ⅵ. 顕 著 な 普 遍 的 意 義 を 有 する 出 来 事 ( 行 事 ) 生 きた 伝 統 思 想 信 仰 芸 術 的 作 品 あるいは 文 学 的 作 品 と 直 接 または 実 質 的 関 連 がある(この 基 準 は 他 の 基 準 と 合 わせて 用 いられることが 望 ましい) そして 評 価 基 準 (ⅲ)については 富 士 山 という 山 岳 に 対 する 固 有 の 文 化 的 伝 統 を 表 す 証 拠 評 価 基 準 (ⅳ)では 世 界 的 な 名 山 としての 景 観 の 類 型 の 顕 著 な 事 例 評 価 基 準 (ⅵ)は 顕 著 な 普 遍 的 意 義 を 持 つ 芸 術 作 品 との 直 接 的 有 形 的 な 関 連 性 を 記 述 している これらが 示 す 世 界 文 化 遺 産 を 構 成 する 資 産 は 山 梨 静 岡 両 県 に 跨 って 25 資 産 が 認 められ 資 産 の 保 護 措 置 については 文 化 保 護 法 と 自 然 公 園 法 及 び 国 有 林 の 管 理 経 営 に 関 する 法 律 によって 規 制 される 25 資 産 となってい るが NO1 の 富 士 山 域 については 更 に 9 つの 資 産 から 成 り 立 っている 富 士 山 域 の 1-1 山 頂 の 信 仰 遺 跡 群 を 除 くと 山 梨 県 側 に 属 する 資 産 は 21 静 岡 県 側 には 11 資 産 が 存 在 する 構 成 資 産 面 積 は 20,702.1ha 緩 衝 地 帯 面 積 49,627.7ha で 合 計 70,329.8ha が 対 象 になっている - 2 -

表 1-2 構 成 資 産 / 構 成 要 素 一 覧 表 1 富 士 山 域 山 梨 静 岡 県 8 富 士 御 室 浅 間 神 社 山 梨 県 富 士 河 口 湖 町 1-1 山 頂 の 信 仰 遺 跡 山 梨 静 岡 県 9 御 師 住 宅 ( 旧 外 川 家 住 山 梨 県 富 士 吉 田 市 宅 ) 1-2 大 宮 村 山 口 登 山 道 静 岡 県 10 御 師 住 宅 ( 小 佐 野 家 住 ( 現 富 士 宮 口 登 山 富 士 宮 市 宅 ) 道 ) 1-3 須 山 口 登 山 道 静 岡 県 11 山 中 湖 山 梨 県 山 中 湖 村 12 河 口 湖 山 梨 県 富 士 河 口 湖 町 ( 現 御 殿 場 口 登 山 御 殿 場 市 13 忍 野 八 海 ( 出 口 池 ) 山 梨 県 忍 野 村 道 ) 1-4 須 走 口 登 山 道 静 岡 県 小 山 町 14 忍 野 八 海 (お 釜 池 ) 1-5 吉 田 口 登 山 道 山 梨 県 富 士 吉 田 市 15 忍 野 八 海 ( 底 抜 池 ) 1-6 北 口 本 宮 富 士 浅 間 神 社 16 忍 野 八 海 ( 銚 子 池 ) 1-7 西 湖 山 梨 県 富 士 河 口 湖 17 忍 野 八 海 ( 湧 池 ) 町 1-8 精 進 湖 18 忍 野 八 海 ( 濁 池 ) 1-9 本 栖 湖 身 延 町 19 忍 野 八 海 ( 鏡 池 ) 2 富 士 山 本 宮 浅 間 神 社 静 岡 県 富 士 宮 市 20 忍 野 八 海 ( 菖 蒲 池 ) 3 山 宮 浅 間 神 社 21 船 津 胎 内 樹 型 山 梨 県 富 士 河 口 湖 町 4 村 山 浅 間 神 社 22 吉 田 胎 内 樹 型 山 梨 県 富 士 吉 田 市 5 須 山 浅 間 神 社 静 岡 県 裾 野 市 23 人 穴 富 士 講 遺 跡 静 岡 県 富 士 宮 市 6 富 士 浅 間 神 社 ( 須 走 浅 間 神 静 岡 県 小 山 町 24 白 糸 ノ 滝 社 ) 7 河 口 浅 間 神 社 山 梨 県 富 士 河 口 湖 25 三 保 松 原 静 岡 県 静 岡 市 町 本 年 度 富 士 山 を 世 界 文 化 遺 産 として 推 薦 したのであるが 平 成 19 年 1 月 において わが 国 が 推 薦 する 候 補 を 記 した 暫 定 リストに 登 録 された 静 岡 山 梨 両 県 及 び 関 係 市 町 村 では 富 士 山 を 世 界 文 化 遺 産 に 登 録 するため 世 界 遺 産 の 評 価 基 準 に 基 づいた 富 士 山 の 価 値 の 証 明 と 富 士 山 を 適 切 に 保 全 する 方 針 を 定 めた 保 存 管 理 計 画 の 策 定 に 取 り 組 み 平 成 23 年 7 月 に 推 薦 書 の 原 案 を 文 化 庁 に 提 出 したのである (1) 世 界 遺 産 で 記 したように 世 界 遺 産 条 約 の 定 める 目 的 として 文 化 遺 産 及 び 自 然 遺 産 を 人 類 全 体 のための 世 界 遺 産 として 損 傷 破 壊 等 の 脅 威 から 保 護 し 保 存 す - 3 -

ることが 重 要 であるとの 観 点 から 国 際 的 な 協 力 及 び 援 助 の 体 制 を 確 立 すること と 謳 っている こうした 世 界 遺 産 の 本 旨 を 改 めて 関 係 市 町 村 ばかりでなく 両 県 民 レベルまで 啓 蒙 し 認 識 するこ とが 求 められるのである 行 政 においては 静 岡 山 梨 両 県 の 知 事 をはじめ 市 町 村 長 環 境 省 等 の 国 の 出 先 機 関 の 長 等 で 構 成 された 富 士 山 世 界 文 化 遺 産 協 議 会 が 設 立 され 富 士 山 に 関 わる 保 存 管 理 体 制 が 築 かれ ている また 学 識 経 験 者 で 構 成 された 富 士 山 文 化 遺 産 学 術 委 員 会 も 生 まれ 学 術 的 な 調 査 を 行 い 富 士 山 世 界 文 化 遺 産 協 議 会 へ 助 言 する 仕 組 みが 整 っている 当 協 議 会 のもとに 行 政 による 保 存 管 理 計 画 の 策 定 とともに その 中 には 官 民 連 携 の 行 動 計 画 が 盛 り 込 まれている 具 体 的 には 県 民 運 動 から 国 民 運 動 への 展 開 を 狙 う 富 士 山 の 日 の 制 定 富 士 山 世 界 文 化 遺 産 両 県 県 民 会 議 の 発 足 文 化 人 や 経 済 人 等 で 組 織 された 認 定 NPO 法 人 富 士 山 を 世 界 遺 産 にする 国 民 会 議 ( 富 士 山 会 議 )とも 連 携 している この 節 の 最 後 に 富 士 山 の 世 界 文 化 遺 産 の 顕 著 な 普 遍 的 価 値 と 登 録 されることの 意 義 について まとめてみることにする 1 顕 著 な 普 遍 的 価 値 ( 富 士 山 世 界 文 化 遺 産 登 録 両 県 合 同 会 議 リーフレットより 抜 粋 ) 1) 信 仰 の 対 象 古 (いにしえ)より 日 本 人 は 噴 火 を 繰 り 返 す 富 士 山 を 神 が 宿 る 山 として 畏 れ 噴 火 を 鎮 めるために 富 士 山 の 麓 に 浅 間 神 社 を 建 立 しました 噴 火 活 動 が 沈 静 化 する 平 安 時 代 後 期 にな ると 富 士 山 は 日 本 古 来 の 山 岳 信 仰 と 密 教 等 が 習 合 した 修 験 道 の 道 場 となりました 12 世 紀 前 半 に 活 躍 した 修 行 僧 の 末 代 上 人 (まつだいしょうにん)は 山 頂 に 大 日 寺 を 築 き ました 室 町 時 代 後 半 には 修 験 者 とともに 一 般 庶 民 も 登 拝 するようになり 戦 国 時 代 に 現 れた 長 谷 川 角 行 (はせがわかくぎょう)が 新 たな 富 士 山 信 仰 を 教 義 としてまとめたとされて います 角 行 の 教 えは 弟 子 へと 引 き 継 がれ 江 戸 時 代 中 期 には 富 士 講 (ふじこう)として 関 東 を 中 心 に 大 流 行 し 多 くの 人 々が 富 士 登 山 や 富 士 五 湖 等 の 霊 地 への 巡 礼 を 行 うようになりま した 明 治 になると 女 性 の 山 頂 登 山 も 解 禁 となり また 鉄 道 や 道 路 網 の 発 達 により 多 くの 登 山 者 が 山 頂 を 目 指 すようになりました 2) 富 士 山 と 芸 術 富 士 山 は その 美 しい 姿 から 様 々な 創 作 活 動 の 題 材 となってきました 8 世 紀 に 編 纂 さ れた 日 本 最 古 の 歌 集 である 万 葉 集 (まんようしゅう)にも 富 士 山 が 詠 まれた 作 品 があ り そのひとつでは 富 士 山 を 国 の 鎮 めの 神 であり 宝 であると 詠 んでいます この 時 期 立 ちのぼっていた 噴 煙 は 燃 える 恋 の 象 徴 として 数 多 くの 文 学 作 品 に 描 かれました 竹 取 物 - 4 -

語 古 今 和 歌 集 伊 勢 物 語 などの 古 典 作 品 をはじめ 松 尾 芭 蕉 や 与 謝 蕪 村 の 俳 句 夏 目 漱 石 や 太 宰 治 の 作 品 にも 取 り 上 げられています 富 士 山 を 描 いた 最 も 有 名 な 絵 画 としては 江 戸 時 代 に 制 作 された 浮 世 絵 が 挙 げられます 浮 世 絵 では 葛 飾 北 斎 が 冨 嶽 三 十 六 景 で 歌 川 広 重 が 不 二 三 十 六 景 東 海 道 五 拾 参 次 で 様 々な 場 所 から 見 た 富 士 山 を 描 き ゴッホやモネなど 印 象 派 の 画 家 にも 影 響 を 与 え ました 近 代 日 本 画 では 群 青 富 士 で 知 られる 横 山 大 観 などが 数 多 くの 富 士 山 の 作 品 を 残 しています これらのことから 富 士 山 には 芸 術 の 源 泉 として 世 界 文 化 遺 産 にふさわしい 価 値 がある といえます 2 登 録 されることの 意 義 と 課 題 ( 山 梨 県 の 考 え 方 ) 1)その 価 値 を 日 本 人 として 大 切 に 思 い 広 く 世 界 に 伝 えられる 2) 遺 産 の 保 護 や 周 辺 の 保 全 が 図 られる 3) 住 民 の 誇 りとなり 地 域 づくりやまちづくりが 活 性 化 する 4) 知 名 度 が 上 がり 観 光 等 に 貢 献 する そして 課 題 としては 次 のようなことが 言 える 1) 適 切 な 文 化 財 保 護 と 適 切 な 土 地 利 用 が 要 求 される 2) 交 通 対 策 をはじめ 現 状 以 上 の 文 化 財 や 環 境 の 保 護 保 全 のための 費 用 がかかる - 5 -

2011 登 録 平 泉 - 仏 国 土 ( 浄 土 )を 表 す 建 築 庭 園 及 び 考 古 学 的 遺 跡 群 -を 訪 ねて 現 地 見 聞 と 行 政 関 係 者 へのインタビュー 調 査 当 調 査 研 究 事 業 の 参 考 になるように 調 査 研 究 員 のメンバーの 一 人 は 平 成 23 年 に 世 界 文 化 遺 産 に 登 録 された 平 泉 を 訪 ねた その 折 に 現 地 見 聞 したことと 行 政 関 係 者 等 にインタビューし た 内 容 を 記 す 平 泉 - 世 界 文 化 遺 産 のあらまし 薫 風 5 月 と 冬 景 色 の 中 尊 寺 金 色 堂 岩 手 県 平 泉 町 は 昔 から 日 本 で 最 も 著 名 な 観 光 地 のひとつである 平 成 13 年 (2001 年 )に 平 泉 の 文 化 遺 産 としてユネスコの 世 界 遺 産 暫 定 リストに 登 載 され 平 成 18 年 (2006 年 ) 推 薦 書 を 提 出 したが 平 成 20 年 (2008 年 ) に 登 録 延 期 の 決 議 がされた その 後 構 成 資 産 と 推 薦 書 の 主 題 の 見 直 しを 行 い 資 産 名 を 平 泉 - 仏 国 土 ( 浄 土 )を 表 す 建 築 庭 園 及 び 考 古 学 的 遺 跡 群 - として 新 しく 推 薦 書 を 提 出 し 平 成 23 年 6 月 (2011 年 )に 世 界 遺 産 委 員 会 から 世 界 文 化 遺 産 に 登 録 された 構 成 資 産 は 1 中 尊 寺 (ちゅうそんじ)2 毛 越 寺 (もうつうじ)3 観 自 在 王 院 跡 (かんじざい おういんあと)4 無 量 光 院 跡 (むりょうこういんあと)5 金 鶏 山 (きんけいさん)である 世 界 文 化 遺 産 登 録 によって 観 光 面 に 及 ぼした 影 響 ( 現 地 見 聞 から) 観 光 客 の 大 幅 な 増 加 が 顕 著 に 見 られる 平 泉 町 観 光 商 工 課 ( 課 長 補 佐 ) 世 界 遺 産 推 進 室 ( 室 長 補 佐 ) 及 び 平 泉 観 光 協 会 ( 事 務 局 長 )に 対 するインタビューから 観 光 客 入 込 数 が 平 成 23 年 は 190 万 人 平 成 24 年 は 264 万 人 となった 登 録 発 表 の 日 から 反 応 があり 東 日 本 大 震 災 の 影 響 で 減 少 していた 観 光 客 が 戻 ってきた 特 にオフシーズンである 冬 場 が 伸 びている 但 し 登 録 後 1 年 を 経 過 して 観 光 客 数 の 伸 びは 落 ち 着 いてきている とのことである その 他 に 影 響 のプラス 面 として 平 泉 には 中 尊 寺 だけでなく 毛 越 寺 などの 他 の 遺 産 もあるこ とが 認 識 してもらえたこと マイナス 面 としては 観 光 客 の 町 に 対 する 期 待 値 が 高 くなり 逆 に 顧 客 満 足 度 が 下 がってしまった 恐 れがあるという 例 えば ちょっとしたことでもクレームにな る 場 合 が 見 られる そのときには 素 早 い 対 応 を 心 がけている また 住 民 の 不 自 由 さが 増 した こともあるが やむをえないと 皆 が 感 じておりマイナスはあまりないようだ 観 光 客 数 増 加 に 対 する 具 体 的 な 対 応 策 としては 1 想 定 以 上 にマイカー 利 用 者 が 多 くなったの で 対 策 として 公 共 機 関 ( 町 役 場 や 公 民 館 )の 駐 車 場 を 無 料 で 開 放 している 2 飲 食 店 不 足 のた - 6 -

め 夜 だけの 営 業 だったお 店 が 昼 食 を 始 めている 3 町 内 の 宿 泊 施 設 の 定 員 が 少 ないため 他 地 域 の 観 光 協 会 などと 連 携 していることなどである 観 光 客 の 質 的 な 変 化 は 当 然 のことと 思 われ るが 平 泉 の 文 化 に 関 心 を 持 つ 方 がより 増 えたことである 例 えば 中 尊 寺 では 昨 秋 の 日 曜 日 には 観 光 客 に 対 する 法 話 を 行 った 毛 越 寺 の 庭 園 を 何 度 も 訪 れる 方 が 多 くなったなどである 行 政 関 係 者 等 に 対 するインタビューから 感 じた 世 界 遺 産 と 観 光 の 関 係 第 一 は 世 界 遺 産 と 観 光 の 関 係 をどう 捉 えるのかという 考 え 方 である このことは 地 域 を 豊 かにするための 手 段 が 観 光 であり そのひとつが 世 界 遺 産 である とする 考 えが 土 台 にあり 世 界 遺 産 と 観 光 とは 分 けて 考 え その 二 つのバランスが 大 事 である 登 録 は 平 泉 を 文 化 遺 産 と して 保 護 するとの 決 意 表 明 である ( 平 泉 観 光 協 会 ( 事 務 局 長 ))と 両 者 の 関 係 を 捉 えている 第 二 は 長 期 的 な 視 野 をもって 計 画 を 立 て 実 行 するという 戦 略 である 平 泉 は 国 際 観 光 地 を 目 指 しており 登 録 により 観 光 地 としてのグレードが 上 がった また 景 観 保 全 のためにインフ ラ 整 備 を 進 めてきたが 国 県 の 予 算 が 付 きやすかった ( 世 界 遺 産 推 進 室 ( 室 長 補 佐 ))と 戦 略 を 描 き 平 成 12 年 から 景 観 規 制 が 始 まった 町 と 県 国 で 協 力 して 取 り 組 んでいる 平 成 21 年 に 渋 滞 対 策 の 社 会 的 実 験 を 行 い 平 成 23 年 に 駐 車 場 の 空 き 状 況 を 表 示 する 電 気 看 板 を 設 置 した ( 平 泉 町 観 光 商 工 課 ( 課 長 補 佐 ))と 説 明 してくれた 第 三 は 事 業 者 と 住 民 の 地 元 の 文 化 に 対 する 理 解 である もともと 町 全 体 が 遺 跡 であり 歴 史 建 造 物 や 寺 院 庭 園 だけでなく 埋 蔵 文 化 財 を 大 事 にする 住 民 の 気 質 がある ( 世 界 遺 産 推 進 室 ( 室 長 補 佐 ))ことから 分 かるように 平 泉 の 文 化 遺 産 には 顕 著 な 普 遍 的 価 値 があることを 住 民 がよく 理 解 して 意 識 が 高 いのである 観 光 による 地 域 活 性 化 の 観 点 から 平 泉 に 対 する 所 見 観 光 ガイドについて 中 尊 寺 では 旗 を 持 った 有 料 の 観 光 ガイドが 活 躍 している 金 色 堂 の 内 部 ではテープによる 音 声 ガイドは 聞 こえるが 大 勢 のお 客 が 集 中 し 前 がよく 見 えない 次 の 宝 物 殿 の 説 明 文 で 納 得 し その 後 再 び 実 物 が 見 たくなった やはり その 場 でガイドの 説 明 が 必 要 ではないかと 思 う 景 観 について 中 尊 寺 境 内 では 分 別 してあるゴミ 箱 や 牛 乳 の 自 動 販 売 機 にこげ 茶 色 の 木 製 カバーがしてあ る また 毛 越 寺 通 りでは 建 物 の 色 調 がお 寺 をイメージするモノトーンに 統 一 されており 落 ち 着 いた 印 象 である 電 線 も 地 中 化 されていて 庭 園 の 広 々とした 感 じが 続 き 好 ましい こうした 景 観 の 中 で 商 いを 営 む 住 民 が 規 制 に 協 力 しながらも お 店 の 個 性 を 出 そうとしているようだ おもてなしの 精 神 について ホテルでの 夕 食 の 合 間 に 旅 の 車 中 から 見 た 関 東 とは 違 う 稲 の 干 し 方 について 宿 の 人 に 質 問 を する 給 仕 に 忙 しい 中 でも 丁 寧 に 答 えてくれる 岩 手 の 人 の 優 しい 気 風 を 知 り 嬉 しくなる おも てなしの 心 により 人 と 人 とが 触 れ 合 い 交 流 が 生 まれたのである - 7 -

2. 両 県 の 現 状 における 観 光 の 実 態 前 記 の 1-(3)-2-4)に 知 名 度 が 上 がり 観 光 等 に 貢 献 する とあるが 世 界 遺 産 の 登 録 はそ もそもその 資 産 の 保 護 を 目 指 しているものであり 開 発 が 付 き 物 の 観 光 とは 相 反 する 恐 れがつき まとう だが 世 界 遺 産 が 目 指 す 保 護 や 尊 重 という 本 旨 を 理 解 するならば 文 化 歴 史 観 光 とい うカテゴリーで 物 見 遊 山 観 光 とは 一 味 違 った 品 格 ある 観 光 のあり 方 があるものと 思 われる こ のような 視 点 を 念 頭 に 置 きながら 両 県 の 観 光 の 実 態 について 考 察 してみたい (1) 山 梨 県 が 進 めようとしている 観 光 施 策 平 成 22 年 に 政 府 が 公 表 された 産 業 構 造 ビジョン 2010 の 中 で 日 本 の 産 業 をめぐる 現 状 および 課 題 として 日 本 の 国 際 競 争 力 の 低 下 を 象 徴 する 一 人 当 たりのGDPについて 2000 年 に 3 位 であったのが 2008 年 に 23 位 まで 低 下 したと 記 述 され 特 定 グローバル 製 造 業 に 依 存 してき た 成 長 パターンの 限 界 が 語 られ 日 本 経 済 の 行 き 詰 まりという 問 題 が 提 起 された 産 業 構 造 ビジ ョン 2010 は 我 々はこれから 何 で 稼 ぎ 何 で 雇 用 するのか を 標 題 にし 自 動 車 依 存 の 一 本 足 打 法 から 5 つの 成 長 分 野 を 有 する 八 ヶ 岳 構 造 への 産 業 構 造 の 転 換 を 提 唱 している そのひとつの 分 野 に 文 化 産 業 立 国 として ファッション コンテンツ 食 とともに 観 光 が 挙 げられている また それ 以 前 より 政 府 は 観 光 立 国 の 旗 を 掲 げ 平 成 15 年 に 約 500 万 人 に 留 まっている 訪 日 外 国 人 旅 行 者 を 平 成 22 年 に 倍 増 させる 目 標 を 立 てた 観 光 立 国 行 動 計 画 の 策 定 のもと 官 民 一 体 となった 外 客 誘 致 キャンペーンである ビジット ジャパン キャンペーン が 展 開 されて きた その 後 も 平 成 18 年 に 観 光 立 国 推 進 基 本 法 の 制 定 や 観 光 庁 の 設 立 等 観 光 施 策 を 推 進 してきた だが キャンペーン 早 々にSARS( 重 症 急 性 呼 吸 器 症 候 群 ) 問 題 平 成 20 年 におけ るリーマンショック さらに 平 成 23 年 3 月 に 発 生 した 東 日 本 大 震 災 と 福 島 原 発 事 故 等 の 影 響 で 平 成 22 年 の 訪 日 外 国 人 旅 行 者 数 は 861 万 人 平 成 23 年 は 前 年 度 より 大 きく 減 少 して 622 万 人 で 1,000 万 人 という 目 標 に 達 していない ちなみに 下 記 グラフに 見 られるように 平 成 23 年 の 日 本 人 海 外 旅 行 者 数 は 1,699 万 人 である 図 1-1 訪 日 外 国 人 旅 行 者 数 及 び 日 本 人 海 外 旅 行 者 数 の 推 移 そして 山 梨 県 においても 観 光 振 興 に 力 を 入 れ 平 成 23 年 に 観 光 振 興 条 例 を 制 定 し これに 基 づいて や まなし 観 光 推 進 計 画 を 立 てた 平 成 23 年 に 山 梨 県 を 訪 れた 観 光 客 数 が 2,570 万 人 であったものを 平 成 30 年 に 21%アップの 3,110 万 人 に する 等 数 値 目 標 を 掲 げた また 平 成 23 年 に 策 定 された 山 - 8 -

梨 県 産 業 振 興 ビジョン の 中 で 成 長 が 期 待 される 分 野 のひとつとして 国 内 外 の 人 々との 多 様 な 交 流 が 生 み 出 す 産 業 分 野 を 挙 げ 具 体 的 に インバウンド 観 光 と 地 域 ブランド 産 業 とこ れを 活 用 したニューツーリズム を 産 業 領 域 として 設 定 している 1 インバウンド 観 光 山 梨 県 産 業 振 興 ビジョンの 中 で インバウンド 観 光 について 次 のように 実 態 が 記 されている 2009 年 における 各 都 道 府 県 別 の 訪 日 外 国 人 旅 行 宿 泊 数 は 山 梨 県 が 8 位 と 上 位 にいる 本 県 を 訪 れる 外 国 人 旅 行 者 を 地 域 別 にみると 中 国 をはじめ 台 湾 タイ 香 港 シンガポール 等 広 く アジアからの 旅 行 者 が 増 加 傾 向 を 示 している 本 県 に 宿 泊 する 外 国 人 の 約 半 数 は 中 国 人 旅 行 者 であり 2010 年 7 月 中 国 の 個 人 観 光 ビザの 発 給 要 件 の 緩 和 により 今 後 日 本 を 訪 れる 旅 行 者 は 更 に 増 加 すると 予 想 される ただし 当 ビジョン 策 定 後 に 起 きた 東 日 本 大 震 災 や 最 近 の 尖 閣 諸 島 問 題 等 の 影 響 で 中 国 をはじめ 外 国 人 旅 行 者 数 は 減 少 している 2 地 域 ブランド 産 業 とこれを 活 用 したニューツーリズム もうひとつ 山 梨 県 で 成 長 を 記 す 観 光 分 野 として 果 樹 農 業 やワイン 等 地 場 産 業 のブランドイ メージを 高 めるとともに 旅 行 客 に 対 しこれらの 産 業 へ 体 験 と 交 流 を 狙 った 地 域 ブラン ド ツーリズム というニューツーリズムを 提 唱 している (2) 既 存 調 査 データでみる 山 梨 県 の 観 光 について ここでは 山 梨 県 および 構 成 資 産 が 存 在 する 富 士 北 麓 地 域 の 実 態 について 既 存 の 観 光 調 査 デ ータに 基 づいて 概 観 を 述 べていきたい 1 平 成 23 年 山 梨 県 観 光 入 込 客 統 計 調 査 より 山 梨 県 では 成 23 年 1 月 ~12 月 にかけて 調 査 対 象 地 域 467 箇 所 で 観 光 入 込 客 統 計 調 査 を 行 った この 調 査 を 次 の 分 析 項 目 に 従 ってまとめたものが 報 告 書 として 公 表 されている 観 光 客 数 ( 実 人 数 延 べ 人 数 ) 宿 泊 客 数 ( ) 観 光 動 態 ( 被 調 査 者 の 属 性 旅 行 目 的 観 光 消 費 の 実 態 観 光 地 の 満 足 度 等 ) そして 本 調 査 では 圏 内 を 5 つの 圏 域 ( 峡 中 峡 東 峡 北 峡 南 富 士 東 部 )に 分 類 し 圏 域 ごとに 観 光 客 の 動 向 分 析 を 行 っている 下 記 に 本 調 査 結 果 の 概 要 を 示 す 1) 観 光 入 込 客 観 光 客 実 人 数 23,554 千 人 (イベント 行 祭 事 は 除 く) 観 光 客 延 人 数 40,822 千 人 ( ) 2) 日 帰 り 宿 泊 別 観 光 入 込 客 日 帰 り 客 実 人 数 18,133 千 人 宿 泊 客 実 人 数 5,421 千 人 - 9 -

3) 居 住 地 別 観 光 入 込 客 ( 訪 日 外 国 人 を 除 く) 県 外 客 実 人 数 18,586 千 人 県 内 客 実 人 数 4,757 千 人 4) 訪 日 外 国 人 客 日 帰 り 客 数 51 千 人 宿 泊 客 数 160 千 人 5) 目 的 別 観 光 入 込 客 ( 延 べ 人 数 ) 表 1-3 自 然 文 化 歴 史 温 泉 健 康 スポ レク 都 市 型 観 光 行 祭 事 イヘ ント そ の 他 4,608 人 8,476 人 6,074 人 9,097 千 人 4,526 千 人 2,880 千 人 5,160 千 人 6) 季 節 別 観 光 入 込 客 表 1-4 春 (3~5 月 ) 夏 (6~8 月 ) 秋 (9~11 月 ) 冬 (1~2 月 1 月 ) 4,949 千 人 7,316 千 人 7,142 千 人 4,147 千 人 7) 観 光 消 費 額 年 間 をとおしての 観 光 関 連 の 全 体 の 消 費 額 は 2,479 億 円 一 人 当 たり 平 均 消 費 額 は 10,523 円 であった 上 記 の 調 査 結 果 の 概 要 についての 分 析 を 本 調 査 報 告 書 からそのポイントを 抜 粋 すると 平 成 23 年 の 山 梨 県 における 観 光 入 込 客 数 は 実 人 数 で2,355 万 人 と 推 計 された 本 年 の 観 光 入 込 客 の 動 向 に 関 連 して 特 筆 すべき 重 大 な 出 来 事 としては 平 成 23 年 3 月 11 日 に 発 生 した 東 日 本 大 震 災 及 びこれに 伴 う 福 島 県 の 原 子 力 発 電 所 事 故 が 挙 げられる 燃 料 供 給 のひっ 迫 計 画 停 電 による 交 通 機 関 の 運 休 ダイヤ 変 更 観 光 旅 行 や 集 客 イベントの 自 粛 ムードの 広 がり 観 光 消 費 マインドの 冷 え 込 みなどの 影 響 は 本 県 観 光 にも 影 を 落 とした また 震 災 により 惹 起 され た 遠 出 への 不 安 に 長 引 く 景 気 低 迷 も 相 まって 近 場 の 観 光 スポットで 消 費 を 押 さえながら 楽 しむ 安 近 短 型 の 観 光 旅 行 を 志 向 する 傾 向 が 継 続 しているものと 見 られる と23 年 の 災 害 や 社 会 経 済 的 特 殊 要 因 の 影 響 について 述 べている また 23 年 の 宿 泊 観 光 客 数 については 平 成 23 年 の 宿 泊 観 光 客 数 ( 実 人 数 )は 542 万 人 と 推 計 された 本 年 は 観 光 庁 実 施 の 宿 泊 旅 行 統 計 調 査 に 係 る 提 供 データを 用 いており 前 年 ( 山 梨 県 観 光 宿 泊 客 統 計 調 査 結 果 )との 単 純 な 比 較 はできないが 参 考 までに 掲 げると H22:580 万 人 から 約 38 万 人 (6.5%) 程 度 の 減 少 という 見 方 もある 圏 域 別 に 見 ると 富 士 東 部 圏 域 が279 万 人 と50% 強 を 占 め 最 多 となった 次 いで 峡 東 圏 域 (102 万 人 ) 峡 中 圏 域 (76 万 人 ) 峡 北 圏 域 (71 万 人 ) 峡 南 圏 域 (15 万 人 )の 順 となっている さ らに 小 圏 域 別 に 見 ると 主 なエリアでは 河 口 湖 周 辺 の 宿 泊 施 設 群 などを 擁 する 富 士 吉 田 河 口 湖 三 つ 峠 周 辺 で168 万 人 と 群 を 抜 いて 多 く メジャーな 温 泉 観 光 地 のある 石 和 温 泉 - 10 -

果 実 郷 周 辺 で87 万 人 山 中 湖 周 辺 の 宿 泊 施 設 群 を 持 つ 山 中 湖 忍 野 周 辺 で68 万 人 八 ヶ 岳 地 域 を 含 む 八 ヶ 岳 高 原 周 辺 で61 万 人 市 街 地 の 宿 泊 施 設 群 を 有 する 芸 術 の 森 武 田 神 社 周 辺 で52 万 人 などとなっている 峡 中 峡 東 の 市 街 地 型 観 光 地 においては 年 間 を 通 して 比 較 的 客 数 の 変 動 が 小 さい 一 方 富 士 北 麓 や 峡 北 の 自 然 資 源 豊 かなエリアについては 特 に 夏 季 において 客 数 が 著 しく 増 加 するなど 季 節 的 な 変 動 が 大 きくなっている なお 外 国 人 の 宿 泊 客 について 見 ると 富 士 吉 田 河 口 湖 三 つ 峠 周 辺 (70 千 人 ) 山 中 湖 忍 野 周 辺 (37 千 人 ) 本 栖 湖 精 進 湖 西 湖 周 辺 (26 千 人 ) の 富 士 北 麓 3エリアで 全 体 の83%を 占 めており 宿 泊 を 伴 う 富 士 山 周 辺 地 域 での 観 光 志 向 が 極 めて 強 いことがうかがえ る 宿 泊 客 減 少 要 因 の 一 つとして 東 日 本 大 震 災 とこれに 伴 う 原 子 力 発 電 所 事 故 の 影 響 で 小 中 高 校 の 県 内 への 修 学 旅 行 客 が 減 少 していることが 挙 げられる 平 成 23 年 度 には 修 学 旅 行 で 県 内 に 宿 泊 した 学 校 数 や 児 童 生 徒 数 が 約 7 割 程 度 減 少 したとの 調 査 結 果 もあり 今 後 は 当 地 への 修 学 旅 行 に 関 する 不 安 の 解 消 や 魅 力 の 向 上 など 宿 泊 客 を 呼 び 戻 す 努 力 が 必 要 になるものと 考 えられる また 近 年 の 日 本 政 府 による 個 人 観 光 ビザ 要 件 緩 和 に 伴 い 外 国 人 観 光 客 の 大 宗 を 占 める 中 国 人 観 光 客 の 旅 行 形 態 が 団 体 型 から 個 人 型 にシフトしているとの 大 手 旅 行 会 社 による 分 析 も ある 当 地 への 外 国 人 宿 泊 客 誘 致 に 向 けては こうした 個 別 化 多 様 化 するニーズにきめ 細 か に 対 応 し 得 るような 旅 行 商 品 の 開 発 情 報 発 信 や 旅 行 事 業 者 等 との 連 携 強 化 が 一 層 重 要 になっ てくるものと 見 込 まれる と 結 んでいる 次 に 富 士 山 富 士 五 湖 観 光 地 にあたる 富 士 東 部 圏 域 の 入 込 客 の 実 態 を 見 てみたい 前 年 との 比 較 の 集 計 において 平 成 22 年 4 月 から 従 来 本 県 が 行 ってきた 調 査 集 計 方 法 が 国 の 共 通 基 準 と 調 査 要 領 に 変 更 されたため 22 年 と23 年 の 比 較 について4 月 から12 月 の9ヶ 月 間 で 可 能 と なった まずは 本 県 の 観 光 入 込 客 数 ( 延 べ 人 数 )についてみると 22 年 の9ヶ 月 間 37,671 千 人 だ ったが 23 年 には34,631 千 人 で8.1% 減 少 した 続 いて 富 士 東 部 の 富 士 山 富 士 五 湖 観 光 地 にある 市 町 村 の 両 年 9カ 月 の 比 較 を 下 記 表 に 示 す - 11 -

表 1-5 22 23 年 の 富 士 山 富 士 五 湖 観 光 地 市 町 村 の 観 光 入 込 客 数 の 比 較 ( 延 べ 人 数 ) 平 成 22 年 平 成 23 年 観 光 客 数 入 込 数 構 成 比 観 光 客 数 入 込 数 構 成 比 前 年 比 富 士 吉 田 市 5,331 千 人 14.2% 4,911 千 人 14.2% 92.1% 忍 野 村 143 千 人 0.4% 141 千 人 0.4% 99.2% 山 中 湖 村 1,063 千 人 2.8% 947 千 人 2.7% 89.1% 鳴 沢 村 2,752 千 人 7.3% 2,508 千 人 7.2% 91.1% 富 士 河 口 湖 町 4,967 千 人 13.2% 4,074 千 人 11.8% 82.0% 県 全 体 37,671 千 人 100.0% 34,631 千 人 100.0% 91.9% 23 年 の9ヶ 月 間 の 前 年 同 期 間 の 比 較 において 富 士 吉 田 市 と 忍 野 村 を 除 いて 全 県 の 減 少 率 を 下 回 った 富 士 吉 田 市 とともに 当 圏 域 で 入 込 客 数 が 多 い 富 士 河 口 湖 町 の 落 ち 込 みが82.0%で 気 にかかる 上 記 表 の5 市 町 村 を 含 む 富 士 東 部 圏 域 の 両 年 9ヶ 月 間 の 状 況 について 本 調 査 報 告 書 から 再 び 抜 粋 してみると 富 士 東 部 圏 域 では 対 前 年 比 86.5%と 減 少 した 小 圏 域 別 に 見 ると 富 士 山 五 合 目 は 震 災 後 から 夏 山 シーズンを 含 む 長 期 にわたり 入 込 客 数 が 大 きく 減 っ たことにより 前 年 から3 割 程 度 減 少 した 富 士 吉 田 河 口 湖 三 つ 峠 周 辺 では 客 数 を 伸 ばした 施 設 もあったものの 一 部 の 歴 史 文 化 施 設 やレクレーション 施 設 で 入 込 客 数 が 低 迷 し 地 域 全 体 としては 減 少 となった 本 栖 湖 精 進 湖 西 湖 周 辺 では リゾー ト 施 設 でやや 低 迷 したところもあるが 自 然 関 係 の 観 光 地 点 や 自 然 をテーマとしたレクレ ーション 施 設 で 客 数 を 伸 ばし 微 減 にとどまった 山 中 湖 忍 野 周 辺 では 主 力 の 温 泉 施 設 で 微 減 となったほか レクレーション 施 設 で 客 数 が 伸 びず 全 体 として15% 程 度 の 減 少 となった 大 月 北 都 留 では 一 部 のゴルフ 場 や 温 泉 施 設 で 客 数 が 伸 び 悩 み 前 年 から15% 程 度 の 減 少 となった 桂 川 道 志 川 周 辺 では 一 部 のゴルフ 場 でやや 客 数 が 伸 びたものの 温 泉 施 設 が 振 るわず 全 体 としては 減 少 となった と 分 析 している 最 後 に 県 外 客 の 山 梨 への 訪 問 頻 度 と 観 光 客 の 満 足 度 について 23 年 9カ 月 のデ ータを 使 ってまとめとしたい 県 外 客 の 訪 問 頻 度 については 1 年 に1 回 以 上 が60.1% 2~3 年 に1 回 程 度 が19.8%という 結 果 であった 観 光 客 の 満 足 度 は 非 常 に 満 足 が36.3% やや 満 足 が41.4%で 合 わせると77.7%の 人 が 満 足 しているようだ 観 光 資 源 要 素 でみると 自 然 景 観 が 最 も 満 足 度 が 高 く91.0%で 高 い 観 光 地 の 発 展 を 期 すためには 至 極 当 たり 前 のことであるが 観 光 地 のハード ソフト 面 での 受 け 入 れ 態 勢 の 充 実 度 を 向 上 させることである そこで 観 光 資 源 要 素 別 でみた 満 足 度 一 覧 表 を 記 載 する - 12 -

表 1-6 観 光 客 の 満 足 度 非 常 に 満 足 やや 満 足 普 通 やや 不 満 非 常 に 不 満 山 梨 県 全 体 の 満 足 度 36.3% 41.4% 20.9% 1.3% 0.1% 自 然 環 境 62.6% 28.4% 8.5% 0.5% - 文 化 歴 史 32.6% 32.0% 34.2% 1.2% - 温 泉 56.8% 28.2% 14.2% 0.7% - 宿 のサービス 39.5% 34.2% 24.8% 1.5% - 食 べ 物 33.4% 36.4% 27.7% 2.0% 0.5% 地 元 旅 館 等 36.2% 35.6% 26.7% 1.4% 0.1% の お 観 光 施 設 25.7% 35.4% 36.5% 2.2% 0.2% も て バス 21.1% 21.5% 41.4% 10.1% 5.9% な し タクシー 26.6% 27.3% 40.9% 3.2% 1.9% 土 産 品 店 18.1% 35.9% 43.8% 2.1% 0.2% 観 光 施 設 の 充 実 度 23.5% 38.7% 32.8% 4.8% 0.2% 道 路 整 備 22.2% 37.5% 33.5% 6.0% 0.7% 案 内 標 識 看 板 21.5% 34.1% 34.9% 8.7% 0.8% 公 共 交 通 の 便 14.1% 22.2% 33.2% 20.9% 9.6% 公 共 交 通 の 便 にみられる 満 足 度 の 合 計 36.3%をはじめ 観 光 インフラである 交 通 に 関 係 する 資 源 要 素 についての 満 足 度 評 価 が 低 い だが 県 全 体 の 満 足 度 だと77.7%であることから 山 梨 への 再 訪 意 向 について すごくそう 思 う 60.5% ややそう 思 う 35.2% 合 わせ て95%を 超 える 歓 迎 すべき 結 果 となった 2 平 成 22 年 度 関 東 商 工 会 議 所 連 合 会 プロジェクトチームの 観 光 に 関 する 調 査 より 当 プロジェクトチームは 観 光 振 興 についてPR 戦 略 を 考 えるうえで まずは 実 態 を 把 握 す るため 関 東 から 遠 い 地 域 に 居 住 する 一 般 層 1,000 名 の 関 東 に 対 する 認 知 度 イメージ 調 査 を 行 った 当 プロジェクトチームの 委 員 として 山 梨 県 で 富 士 吉 田 商 工 会 議 所 の 専 務 理 事 が 名 を 連 ねた そこで 富 士 吉 田 商 工 会 議 所 のご 協 力 により 本 県 に 関 する 調 査 データを 提 供 しても らった 以 下 に その 調 査 結 果 を 記 す 1) 地 図 に 見 る 各 都 県 の 認 知 度 ( 回 答 者 1,000 名 正 答 率 ) 表 1-7 茨 城 栃 木 群 馬 埼 玉 千 葉 東 京 神 奈 川 山 梨 静 岡 平 均 76.8% 58.0% 56.9% 78.0% 88.6% 87.2% 81.5% 68.5% 86.2% 75.7% 回 答 者 は 北 海 道 近 畿 中 国 四 国 九 州 それぞれ 200 名 である 最 も 認 知 度 が 高 いのは 僅 差 であるが 東 京 ではなく 千 葉 であったのは 驚 きである その 理 由 として 考 えられるのは - 13 -

地 図 が 苦 手 の 人 が あるいは 千 葉 には 東 京 ディズニーランドがあるからであろうか 2) 県 に 行 ってみたいですか の 問 いに 対 する はい の 回 答 率 表 1-8 茨 城 栃 木 群 馬 埼 玉 千 葉 東 京 神 奈 川 山 梨 静 岡 平 均 26.1% 35.0% 33.8% 31.6% 65.7% 70.1% 73.8% 52.9% 63.8% 50.3% 東 京 を 抜 き 神 奈 川 がトップ 山 梨 は 検 討 して 5 位 で 平 均 以 上 の 52.9%であった 3) 県 の 名 所 イベント 人 物 として 知 っているもの 知 名 度 上 位 10 表 1-9 順 位 名 所 イベント 人 物 都 県 名 度 数 % 1 上 野 物 園 東 京 922 92.2% 2 横 浜 中 華 街 神 奈 川 880 88.0% 3 幕 張 メッセ 千 葉 859 85.9% 4 東 京 スカイツリー 東 京 851 85.1% 5 富 士 山 山 梨 840 84.0% 6 富 士 急 ハイランド 山 梨 813 81.3% 7 江 の 島 神 奈 川 777 77.7% 8 箱 根 神 奈 川 763 76.3% 9 草 津 温 泉 群 馬 743 74.3% 10 隅 田 川 花 火 大 会 東 京 730 73.0% 東 京 ディズニーランドが 入 っていないのが 不 思 議 であるが 富 士 山 と 富 士 急 ハイラ ンド が 80%の 人 が 認 知 しているという 好 結 果 であった 4) 県 の 特 産 品 として 知 っているもの 知 名 度 上 位 ランク 表 1-10 順 位 特 産 品 都 県 名 度 数 % 1 ぶどう 山 梨 844 84.4% 2 雷 おこし 東 京 801 80.1% 3 うなぎパイ 静 岡 791 79.1% 4 納 豆 茨 城 789 78.9% 5 人 形 焼 東 京 782 78.2% 6 江 戸 前 寿 司 東 京 714 71.4% 11 緑 茶 静 岡 576 57.6% 12 ワイン( 甲 州 種 ) 山 梨 557 55.7% 13 もも 山 梨 528 52.8% 14 富 士 宮 やきそば 静 岡 486 48.6% - 14 -

山 梨 県 の ぶどう が 最 も 知 名 度 があり 約 85%の 人 が 知 っていた そのほか 12 位 に 古 くから 地 元 で 栽 培 されていた 甲 州 種 を 使 った ワイン 13 位 に もも が 半 数 を 超 えての 認 知 度 で 入 った 上 位 20 位 に 入 っていないが 山 梨 名 物 の 味 噌 煮 込 みうどんである ほう とう が 28.3%で 3 割 近 くの 認 知 度 があった しかし 富 士 北 麓 地 域 で 富 士 吉 田 市 の 名 物 で ある 吉 田 のうどん が 5.6% 地 場 産 業 である 繊 維 の ふじやま 織 が 1.0% 甲 斐 絹 が 0.8%とほとんどの 人 が 知 っていないという 結 果 であった 6) 山 梨 県 のイメージ 上 位 5 表 1-11 順 位 イメージ 総 ポイント 1 富 士 山 2278 2 フルーツ 王 国 1180 3 富 士 山 の 天 然 水 668 4 恵 まれた 自 然 環 境 627 5 盆 地 456 1 位 は 3 ポイント 2 位 は 2 ポイント 3 位 は 1 ポ イントにて 加 重 計 算 し その 値 の 合 計 値 でランク やはり 富 士 山 の 知 名 度 は 抜 群 で 山 梨 県 を 象 徴 するイメージである 2 番 目 には フルーツ 王 国 で ぶどう や もも 等 果 樹 の 産 地 であると 知 られていることが 確 認 できた 3 富 士 五 湖 観 光 連 盟 が 実 施 した 夏 の 富 士 五 湖 観 光 客 アンケート 調 査 より 富 士 五 湖 観 光 連 盟 は 富 士 山 と 富 士 五 湖 の 観 光 発 展 と 自 然 の 保 護 その 宣 伝 紹 介 などを 行 い 国 内 国 外 に 関 する 事 業 の 健 全 なる 振 興 を 図 り あわせて 国 際 親 善 に 寄 与 することを 目 的 として 創 立 された 会 員 は 富 士 五 湖 地 域 の 市 町 村 観 光 協 会 地 元 企 業 で 構 成 されている 当 観 光 連 盟 は 昨 年 に 引 き 続 き 夏 シーズンに 富 士 北 麓 を 訪 れた 観 光 客 に 対 し アンケート 調 査 を 実 施 した 実 施 期 間 : 平 成 24 年 7 月 20 日 ~8 月 31 日 実 施 個 所 : 道 の 駅 なるさわ 道 の 駅 かつやま 道 の 駅 ふじよしだ 等 8 箇 所 実 施 方 法 :アンケート 用 紙 と 投 函 箱 を 各 所 に 設 置 し 観 光 客 等 が 自 由 に 記 入 し 投 函 する 有 効 回 答 数 :385 枚 1)-a. 富 士 山 が 世 界 文 化 遺 産 登 録 を 目 指 していることをいつ 知 りましたか? 表 1-12 回 答 項 目 人 数 回 答 者 比 率 今 回 の 旅 行 以 前 から 知 っていた 239 63% 今 回 の 旅 行 に 来 て 知 った 141 37% 無 回 答 5 - 合 計 385 100% - 15 -

b. 回 答 者 の 居 住 地 域 別 分 析 結 果 表 1-13 山 梨 県 静 岡 県 首 都 圏 中 京 関 西 その 他 平 均 今 回 の 旅 行 以 前 から 知 っていた 81% 85% 63% 60% 42% 77% 63% 今 回 の 旅 行 で 知 った 19% 15% 37% 40% 58% 23% 37% さすがに 富 士 山 のお 膝 元 である 山 梨 県 および 静 岡 県 では 8 割 を 超 えて 以 前 より 知 って いる 人 が 多 い 逆 に 富 士 北 麓 地 域 から 遠 い 関 西 圏 から 来 た 観 光 客 は 半 分 以 上 が 今 回 の 旅 行 で 初 めて 知 ったという 結 果 であった 2)-a. 富 士 山 が 世 界 文 化 遺 産 になってほしいですか? 表 1-14 回 答 項 目 人 数 回 答 者 比 率 是 非 なってほしい 293 77% ならないよりなった 方 が 良 い 50 13% どちらでも 良 い 17 4% なる 必 要 なし 19 5% 無 回 答 6 - 合 計 385 100% b. 回 答 者 の 居 住 地 域 別 分 析 結 果 表 1-15 山 梨 県 静 岡 県 首 都 圏 中 京 関 西 その 他 平 均 是 非 なってほしい 87% 77% 72% 76% 96% 85% 77% ならないよりはなった 方 が 良 い 3% 19% 14% 10% 4% 8% 13% どちらでも 良 い 10% 0% 7% 5% 0% 8% 4% なる 必 要 なし 0% 4% 7% 10% 0% 0% 5% 全 体 でみると 是 非 なってほしい および ならないよりなった 方 が 良 い を 合 わせると 90%の 人 が 富 士 山 の 世 界 文 化 遺 産 登 録 に 賛 成 である 調 査 を 実 施 した 富 士 五 湖 観 光 連 盟 の 分 析 コメントに 関 西 の 人 は 富 士 山 が 好 き であることを 記 述 し 今 回 の 調 査 においても 関 西 には 富 士 山 ファンが 多 いことが 証 明 された 旨 のことが 書 かれている 山 梨 県 と 静 岡 県 を 比 べ ると 是 非 なってほしい の 回 答 において 10 ポイントのギャップがあり 多 少 の 温 度 差 が 気 になる - 16 -

3) 富 士 五 湖 のイメージは? 表 1-16 回 答 項 目 人 数 回 答 者 比 率 富 士 山 が 近 い 298 77% 湖 がいくつもある 169 44% 夏 でも 涼 しそう 165 43% 温 泉 がある 86 22% 観 光 施 設 が 多 い 83 22% 世 界 遺 産 が 近 い 70 18% 交 通 渋 滞 が 心 配 66 17% 普 段 からよく 行 くところ 58 15% 交 通 が 便 利 58 15% 一 番 身 近 な 観 光 地 57 15% 宿 泊 施 設 が 充 実 45 12% 上 記 表 は 回 答 者 数 が 1 割 を 超 えたものをランクアップした 富 士 山 が 近 い が 圧 倒 的 に 多 い 回 答 であった 世 界 遺 産 が 近 い が 上 位 6 番 目 で 2 割 近 い 人 が 回 答 してくれたこと は 注 目 してよいことである 4) 来 訪 時 期 の 決 定 は? 表 1-17 回 答 項 目 回 答 者 比 率 出 発 後 24% 1 週 間 以 内 17% 1 ヶ 月 以 内 23% 1 ヶ 月 以 上 前 36% 出 発 後 が 24%と 意 外 に 多 いのは 前 質 問 の 回 答 で 普 段 からよく 行 くところ 交 通 が 便 利 一 番 身 近 な 観 光 地 が 各 15%で 合 計 すると 45%に 達 することと 東 京 都 と 神 奈 川 そして 静 岡 県 居 住 の 回 答 者 が 52%と 半 数 を 占 めていることが その 理 由 と 推 測 できる 5) 利 用 交 通 機 関 は? 表 1-18 回 答 項 目 回 答 者 比 率 自 家 用 車 79% 公 共 交 通 機 関 10% レンタカー 5% バイク 1% その 他 5% 自 家 用 車 で 訪 れる 人 が 約 8 割 と 群 を 抜 いて いる - 17 -

6) 来 訪 するルートは? 表 1-19 回 答 項 目 回 答 者 比 率 大 月 方 面 ( 中 央 道 富 士 急 行 線 ) 47% 御 殿 場 方 面 ( 東 富 士 五 湖 道 路 国 道 138 号 ) 25% 甲 府 方 面 ( 国 道 137 358 号 ) 8% 富 士 方 面 ( 富 士 宮 道 路 国 道 139 号 ) 7% 道 志 方 面 ( 国 道 413 号 ) 3% その 他 10% 首 都 圏 から 中 央 道 を 利 用 す る 大 月 方 面 から 訪 れる 人 が 約 半 数 である 7)あなたのお 住 まいは? 表 -20 回 答 項 目 回 答 者 比 率 回 答 項 目 回 答 者 比 率 東 京 都 24% 静 岡 県 8% 神 奈 川 県 20% 山 梨 県 8% 埼 玉 県 7% 中 京 圏 6% 千 葉 県 7% 関 西 圏 7% その 他 関 東 8% その 他 5% 東 京 都 と 神 奈 川 県 を 合 わせると 半 数 近 くの 44%であった ちなみに 385 人 の 回 答 者 のう ち 男 性 は 39% 女 性 が 61%であった (3) 富 士 山 富 士 五 湖 観 光 圏 整 備 計 画 観 光 庁 は 平 成 20 年 に 観 光 圏 の 整 備 による 観 光 旅 客 の 来 訪 及 び 滞 在 の 促 進 に 関 する 法 律 いわゆる 観 光 圏 整 備 法 を 制 定 した この 法 律 の 目 的 は 地 域 の 活 性 化 を 通 じた 観 光 立 国 の 実 現 を 図 るため 国 内 外 の 観 光 客 が 2 泊 3 日 以 上 の 滞 在 観 光 ができるような 観 光 エリアの 整 備 を 促 進 す ることである 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 全 国 で 49 地 域 が 認 定 されている 同 年 10 月 に その ひとつである 富 士 山 富 士 五 湖 観 光 圏 が 認 定 された 富 士 吉 田 市 西 桂 町 山 中 湖 村 忍 野 村 富 士 河 口 湖 町 鳴 沢 村 が 富 士 山 富 士 五 湖 観 光 圏 整 備 推 進 協 議 会 を 設 立 し 山 梨 県 とともに 富 士 山 富 士 五 湖 観 光 圏 整 備 計 画 書 を 策 定 した 事 務 局 は 富 士 吉 田 市 の( 財 )ふじよしだ 観 光 振 興 サービス 内 にある 観 光 圏 の 認 定 を 受 けると 次 のような 支 援 が 受 けられる 観 光 圏 整 備 事 業 費 に 係 る 補 助 金 着 地 型 旅 行 商 品 の 販 売 に 係 る 旅 行 業 法 の 特 例 周 遊 割 引 券 の 導 入 に 係 る 運 送 関 係 法 令 の 手 続 緩 和 宿 泊 施 設 に 係 る 設 備 投 資 に 対 する 財 政 投 融 資 など そして 策 定 した 整 備 計 画 に 基 づき 初 年 度 において 下 記 のような 事 業 を 実 施 した 観 光 サービス ステップ セミナーの 開 催 ( 観 光 事 業 者 向 け) - 18 -

宿 泊 滞 在 プランの 開 発 ( 宿 泊 施 設 関 係 者 による 検 討 ) 体 験 プログラムの 開 発 (データベースの 作 成 観 光 事 業 者 向 けパンフレットの 作 成 ) 着 地 型 旅 行 商 品 の 開 発 ( 観 光 事 業 者 向 け 勉 強 会 の 開 催 ) 2008 年 秋 のスタンプラリーの 実 施 2009 春 のフォトラリー 開 催 (2009 年 4 月 1 日 ~) 共 通 乗 車 船 券 富 士 五 湖 周 遊 パスポート の 作 成 (2009 年 4 月 25 日 発 売 開 始 ) ホームページの 開 設 (http://www.fujigoko-net.jp/pc/) メールマガジンの 発 行 広 域 観 光 パンフレット ふじごっこ の 作 成 観 光 客 アンケート 調 査 ( 顧 客 満 足 度 調 査 CS-t )の 試 験 的 実 施 当 観 光 圏 の 整 備 計 画 は 平 成 20 年 10 月 ~26 年 3 月 31 日 までの 5.5 年 間 であるが 23 年 の 2 月 に 見 直 しを 行 い 新 たな 整 備 計 画 書 を 策 定 した 当 観 光 圏 整 備 事 業 の 推 進 に 関 わってきた( 公 財 ) 日 本 交 通 公 社 研 究 調 査 部 研 究 員 の 吉 澤 清 良 氏 が 日 本 交 通 公 社 のホームページに 次 のようなコラムを 載 せている 富 士 北 麓 地 域 では 観 光 圏 整 備 事 業 の 推 進 により 複 数 の 観 光 地 や 関 係 者 がそれぞれの 特 性 を 活 かして その 機 能 や 魅 力 を 補 完 し 連 携 することで 次 のような 効 果 が 見 込 まれています 多 様 性 の 確 保 - 個 々の 観 光 地 の 多 様 な 魅 力 がアピールできるようになる ポテンシャルの 拡 大 - 個 々の 観 光 地 の 魅 力 が 集 積 してポテンシャルが 拡 大 する 機 能 の 高 度 化 - 宿 泊 体 験 見 学 などの 選 択 肢 が 増 えて 機 能 が 高 度 化 する 課 題 を 克 服 し 広 域 観 光 の 先 進 地 へ 広 域 観 光 の 推 進 は メリットばかりではありません ある 程 度 予 想 されたことではあります が 富 士 北 麓 地 域 においても いくつかの 課 題 が 顕 在 化 しています 特 に 推 進 体 制 の 強 化 は 当 面 の 大 きな 課 題 となっています 現 在 は 協 議 会 では 責 任 担 当 制 ( 幹 事 会 メンバーが 1~2 事 業 を 責 任 者 として 担 当 する 方 式 )を 採 用 して 事 業 を 展 開 していますが 複 数 の 市 町 村 複 数 の 観 光 地 が 連 携 していくためには 連 絡 調 整 が 不 可 欠 で そのための 時 間 と 労 力 は 膨 大 なものと なっています 今 は その 連 絡 調 整 役 を 幹 事 会 メンバー( 富 士 吉 田 市 富 士 五 湖 観 光 連 盟 など) が 担 っていますが 将 来 にわたり 広 域 観 光 を 強 力 かつ 効 果 的 に 推 進 していくためには 今 後 の 推 進 体 制 のあり 方 ( 広 域 観 光 推 進 組 織 の 立 ち 上 げ 専 任 者 の 配 置 等 )に 関 する 本 格 的 な 議 論 が 待 た れるところとなっています これまで 富 士 北 麓 地 域 における 広 域 観 光 の 取 り 組 みは 必 ずしも 活 発 であったとは 言 えません しかし 平 成 20 年 度 観 光 圏 の 認 定 を 機 会 に 広 域 観 光 の 推 進 に 大 きな 一 歩 を 踏 み 出 すことと なりました いくつかの 課 題 をかかえながらも 富 士 北 麓 地 域 は 比 較 的 スムーズに 広 域 観 光 の 取 り 組 みに 着 手 することができたと 言 えましょう 国 の 支 援 は 最 大 で 平 成 25 年 度 まで 継 続 されると 言 われています この 間 に もともと 恵 ま - 19 -

れた 観 光 のポテンシャルを 有 した 富 士 北 麓 地 域 が 名 実 ともに 広 域 観 光 の 雄 ( 先 進 地 )となれる か 否 か 今 後 の 展 開 にご 注 目 ください と 色 々な 課 題 を 抱 えながらも 当 観 光 圏 の 持 つ 強 力 な ポテンシャルに 期 待 するとともに 観 光 推 進 を 担 う 人 と 組 織 にエールを 送 っていると 理 解 したい 23 年 2 月 に 見 直 し 策 定 された 整 備 計 画 書 の 中 に 観 光 圏 の 将 来 目 標 を 世 界 に 誇 る 富 士 の 自 然 と 文 化 を 活 かし 国 内 外 のお 客 様 が 行 き 交 い 集 う 観 光 交 流 文 化 圏 と 設 定 している さらに こ の 将 来 目 標 を 実 現 するために 5 つの 基 本 方 針 を 決 めている 基 本 方 針 1. 圏 域 内 連 携 住 民 交 流 を 強 化 して 富 士 山 富 士 五 湖 ブランドの 形 成 基 本 方 針 2. 連 泊 滞 在 何 度 でのリピートしたくなる 魅 力 づくり 基 本 方 針 3. 快 適 なアクセス 環 境 の 整 備 基 本 方 針 4. 的 確 な 情 報 発 信 基 本 方 針 5. 観 光 人 材 の 育 成 とネットワーク 化 以 上 の 将 来 目 標 および 基 本 方 針 を 実 現 させるための 観 光 資 源 地 域 資 源 等 当 観 光 圏 にお ける 各 地 域 共 通 の 課 題 についても 記 述 されている これらについては 第 2 章 以 下 で 市 町 村 等 に インタビュー 調 査 したデータとともに 研 究 課 題 として 考 察 を 進 めていきたい 富 士 山 富 士 五 湖 観 光 圏 整 備 計 画 に 基 づいた 実 施 事 業 のひとつである 着 地 型 観 光 2012 年 度 版 ツアー& 体 験 プログラム-こだわりオプショナルツアー が 20 企 画 されているが そのうちの 一 つである 産 業 観 光 を 次 ページに 紹 介 する - 20 -

こだわりオプショナルツアー: 富 士 山 富 士 五 湖 観 光 圏 整 備 推 進 協 議 会 2012 年 度 版 ツアー& 体 験 プログラム NO17 造 り 酒 屋 甲 斐 の 開 運 の 井 出 醸 造 店 酒 蔵 見 学 伝 統 的 地 域 製 造 業 が 観 光 分 野 にて 活 路 開 拓 に 取 り 組 む 事 例 取 組 み 企 業 の 概 要 井 出 醸 造 店 / 山 梨 県 南 都 留 郡 富 士 河 口 湖 町 船 津 姉 妹 会 社 / 井 出 酒 類 販 売 株 式 会 社 井 出 醸 造 店 は 江 戸 中 期 (1700 年 ごろ)に 始 め た 醤 油 醸 造 が 前 身 であり 富 士 北 麓 地 域 唯 一 の 日 本 酒 メーカーである 江 戸 末 期 (1850 年 ごろ) に 当 家 16 代 の 井 出 與 五 右 衞 門 が 標 高 850 mの 冷 涼 な 富 士 の 気 候 と 豊 富 に 湧 き 出 る 清 冽 な 水 に 着 目 し 従 来 の 醤 油 醸 造 に 合 わせて 清 酒 の 製 造 も 始 め 現 在 の 当 主 ( 井 出 與 五 右 衞 門 )で 21 代 となる 江 戸 末 期 皇 女 和 宮 の 婚 姻 と 同 時 期 に 製 造 を 始 めため それにちなんで 開 運 と 命 名 し その 後 開 運 正 宗 として 長 期 間 親 しまれてきたが 昭 和 60 年 より 甲 斐 の 開 運 を 正 式 名 とし 現 在 に 至 っている 酒 蔵 見 学 こだわりオプショナルツアー2012 度 版 ツア ー& 体 験 プログラム 紹 介 パンフレットには 酒 蔵 見 学 の 内 容 が 次 のように 記 載 されている 内 容 数 十 年 の 時 を 経 て 湧 き 出 した 富 士 山 湧 水 を 仕 込 み 水 とし 蔵 人 が 心 をこめて 醸 した 清 酒 甲 斐 の 開 運 をどうぞご 賞 味 ください また 普 段 あまり 目 にすることのない 酒 蔵 風 景 をご 覧 いただき 少 しでも 日 本 酒 についてのご 理 解 を 深 めていただけたらと 思 います 酒 蔵 を 見 学 しながら 製 造 工 程 を 説 明 2~3 酒 類 のお 酒 の 試 飲 酒 蔵 スイーツ 等 の 試 食 ご 購 入 商 品 へのプライベートラベルの 作 成 古 い 座 敷 や 庭 の 見 学 経 営 者 に 対 するインタビュー 当 企 業 の 経 営 者 は 山 梨 県 酒 造 組 合 14 企 業 の 中 にあって 業 界 の 苦 境 を 何 とか 打 破 しようと 頑 張 っている 人 物 である 富 士 山 富 士 五 湖 観 光 圏 整 備 推 進 協 議 会 が 企 画 した こだわりオプシ ョナルツアー に 協 賛 したのであるが それ 以 前 より 独 自 企 画 で 酒 蔵 の 開 放 を 実 施 してきた 上 記 の 写 真 のように 富 士 河 口 湖 町 は 世 界 各 地 より 観 光 客 が 訪 れるので 外 国 人 の 見 学 者 が 多 く 興 - 21 -

味 津 々に 日 本 酒 の 香 りや 味 に 接 するという 年 間 をとおしての 見 学 者 は 1,000 人 ほどで そのうち 3 割 くらいが 外 国 人 である 外 国 人 の うち 欧 米 人 が 約 7 割 と 圧 倒 的 に 多 い アジア 人 は 比 較 的 所 得 が 高 い 香 港 やシンガポールか らの 見 学 者 が 多 くを 占 める 当 企 業 の 事 務 担 当 者 に 聞 くと こだわりオプショナルツアー パ ンフレットを 見 て 訪 れた 見 学 客 は 約 20 人 と 少 ないようだ 経 営 者 曰 く 配 布 先 として 観 光 関 連 窓 口 等 どの 位 カバーしているのか 情 報 もないので 分 からないが 十 分 に 観 光 客 に 行 き 渡 ってい るのか 心 配 しているようだ 当 企 業 の 酒 蔵 見 学 は 富 士 河 口 湖 町 の 14 軒 の 旅 館 等 宿 泊 施 設 と 提 携 し 誘 客 を 図 ってもらっている そのほか 観 光 案 内 所 においても 誘 客 の 協 力 を 呼 び 掛 けて いる だが 最 も 見 学 客 がアプローチしてくる 媒 体 は 当 企 業 のホームページからであるという そして 近 隣 からの 見 学 客 については 結 構 のリピーターがいるということである 富 士 山 の 世 界 文 化 遺 産 登 録 についての 意 見 感 想 当 企 業 の 経 営 者 は これまでの 経 緯 を 見 ていると もう 一 つ 地 域 での 盛 り 上 がりに 欠 けている のではないかと 答 える かつて 自 然 遺 産 を 目 指 したがダメであったから 今 度 は 文 化 遺 産 とい うことになったようだが 文 化 遺 産 であるならば それを 保 護 していくことが 求 められる 中 で 地 域 住 民 や 観 光 関 連 業 者 等 間 で 利 害 得 失 の 問 題 が 横 たわっているのが 一 因 とみているようだ 何 れにしても 世 界 文 化 遺 産 登 録 は 間 違 いないと 思 われるので 富 士 山 および 富 士 五 湖 が 世 界 的 に 一 層 著 名 になるので この 機 会 をとおして 観 光 立 町 を 目 指 している 行 政 と 町 民 地 元 企 業 が 一 体 となり 世 界 に 誇 れる まちづくり を 考 えていきたいとのことである こうした 求 心 力 が 地 域 活 性 化 の 原 動 力 であると 話 す 産 業 観 光 分 野 で 活 路 を 開 くとともに 地 域 社 会 に 貢 献 する 当 企 業 は 酒 蔵 見 学 者 に 対 し 顧 客 満 足 度 アンケート 調 査 を 実 施 している その 調 査 結 果 を 参 考 に 新 商 品 開 発 に 活 かしたいと 考 えている すでに いくつかのアイディアが 浮 かんでいるよう だ また 酒 蔵 開 放 を 行 っての 産 業 観 光 に 力 を 入 れている 産 業 観 光 とは 日 本 では 東 海 旅 客 鉄 道 初 代 会 長 の 須 田 寛 が 初 めて 提 唱 したもので 歴 史 的 文 化 的 に 価 値 ある 工 場 や 機 械 等 の 産 業 文 化 財 や 産 業 製 品 を 通 じて ものづくりの 心 にふれることを 目 的 とした 観 光 と 定 義 されている 当 企 業 では さらに 産 業 観 光 面 の 広 がりを 考 え 隣 県 である 静 岡 の 富 士 山 周 辺 の 酒 蔵 数 社 と 連 携 し 富 士 山 の 湧 水 で 醸 しての 銘 酒 酒 蔵 巡 り をコンセプトに 競 い 合 い 酒 蔵 の 活 性 化 につなげた いという 構 想 を 抱 いている 当 企 業 のこのような 取 り 組 みは 1 次 産 業 者 が 川 下 に 進 出 する 6 次 産 業 化 のロジックと 同 様 に 2 次 産 業 と 観 光 サービスという 3 次 産 業 での 業 際 化 を 図 り 企 業 成 長 につなげようとするモデル である - 22 -

(4) 静 岡 県 が 進 めようとしている 観 光 施 策 先 出 の 産 業 構 造 ビジョン 2010 ( 平 成 22 年 政 府 公 表 )の 中 で 示 された 観 光 立 国 行 動 計 画 により 静 岡 県 は ふじのくに 観 光 アクションプラン を 平 成 23 年 3 月 に 策 定 した そしてこれを 静 岡 県 総 合 計 画 富 国 有 徳 の 理 想 郷 ふじのくに のグランドデザイン ( 平 成 22 年 度 策 定 )の 下 位 計 画 として 位 置 づけて 10 年 後 の 静 岡 県 の 姿 を 見 据 えながら 平 成 23 年 度 か ら 25 年 度 までの 3 年 間 を 計 画 期 間 とし 観 光 分 野 におけるアジアの 経 済 成 長 国 内 外 の 観 光 地 間 の 競 争 激 化 観 光 形 態 やニーズの 変 化 などに 的 確 に 対 応 するための 具 体 的 な 行 動 計 画 としてい る 静 岡 県 の 観 光 交 流 客 数 は 平 成 13 年 度 以 降 1 億 3 千 万 人 前 後 でほぼ 横 這 いであったが 平 成 21 年 度 に 1 億 4075 万 人 となり 当 初 の 目 標 を 達 成 した そのため ふじのくに 観 光 アクションプ ラン では 達 成 項 目 となっている 一 方 で 本 幹 である 静 岡 県 総 合 計 画 の 概 ね 10 年 後 の 目 標 としては 平 成 21 年 度 の 観 光 交 流 客 数 を 30% 増 加 (1 億 8300 万 人 )させるとし また 富 士 山 に 関 心 のある 人 の 割 合 を-%( 調 査 なし)から 100%に 引 き 上 げるとしている なお 静 岡 県 総 合 計 画 では ふじのくにづくりの 戦 略 体 系 として 憧 れを 呼 ぶ ふじのくに づくり 富 士 山 の 後 世 への 継 承 を 挙 げ 更 に 以 下 の 3 点 を 具 体 的 に 挙 げている 1 富 士 山 の 世 界 文 化 遺 産 登 録 の 実 現 文 化 庁 や 山 梨 県 などと 連 携 し 富 士 山 の 顕 著 な 普 遍 的 価 値 を 証 明 するとともに 適 切 に 保 護 する 措 置 について 示 した 登 録 推 薦 書 を 作 成 し ユネスコ 世 界 遺 産 委 員 会 に 提 出 する 富 士 山 の 世 界 文 化 遺 産 登 録 の 早 期 実 現 に 向 けて 地 元 理 解 の 醸 成 と 幅 広 い 気 運 の 盛 り 上 げを 図 る 2 富 士 山 世 界 遺 産 センター( 仮 称 ) の 整 備 富 士 山 の 顕 著 な 普 遍 的 価 値 を 証 明 する 上 で 不 可 欠 な 構 成 資 産 の 保 護 と 活 用 を 図 るため 文 化 財 に 指 定 した 上 で 具 体 的 な 保 存 管 理 計 画 を 策 定 し 地 域 の 住 民 や 関 係 市 町 が 行 う 施 設 整 備 を 支 援 する 富 士 山 を 一 体 的 に 保 存 管 理 するとともに 適 切 な 整 備 活 用 を 図 るため 行 政 機 関 学 識 経 験 者 関 係 団 体 などから 成 る 包 括 的 保 存 管 理 体 制 を 整 備 する 富 士 山 に 係 る 包 括 的 な 保 存 管 理 や 自 然 歴 史 文 化 周 辺 観 光 等 の 情 報 提 供 を 行 うなど 訪 れる 多 くの 人 々のニーズに 対 応 する 拠 点 として 富 士 山 世 界 遺 産 センター( 仮 称 ) の 整 備 を 推 進 する 3 富 士 山 の 日 の 県 民 運 動 の 促 進 県 民 が 富 士 山 に 関 する 文 学 や 芸 術 に 親 しむ 機 会 自 然 観 察 会 や 環 境 活 動 への 参 加 などを 通 じ それぞれの 立 場 で 富 士 山 について 想 い 考 え 学 び そして 行 動 する 富 士 山 の 日 県 民 運 動 を 促 進 する - 23 -

世 界 文 化 遺 産 登 録 を 踏 まえ 富 士 山 憲 章 の 理 念 に 基 づき 富 士 山 を 国 民 の 財 産 として 後 世 に 引 き 継 ぐための 国 民 的 運 動 への 展 開 を 図 るとともに 来 訪 者 の 増 加 等 による 自 然 環 境 への 負 荷 を 低 減 し 富 士 山 の 保 護 と 適 正 な 利 用 の 調 和 を 図 るため 利 用 者 負 担 などの 新 たな 仕 組 みの 導 入 について 検 討 を 行 う (5) 富 士 山 世 界 文 化 遺 産 登 録 推 進 両 県 合 同 会 議 における 静 岡 県 行 動 計 画 (2012 年 3 月 ) 標 記 の 会 議 は 静 岡 県 山 梨 県 及 び 富 士 山 関 係 市 町 村 が 相 互 連 携 して 富 士 山 の 世 界 文 化 遺 産 への 登 録 を 推 進 するために 平 成 17 年 12 月 に 発 足 した 組 織 である 平 成 22 年 3 月 現 在 :その 構 成 団 体 は 静 岡 県 静 岡 市 沼 津 市 三 島 市 富 士 宮 市 富 士 市 御 殿 場 市 裾 野 市 清 水 町 長 泉 町 小 山 町 山 梨 県 富 士 吉 田 市 身 延 町 西 桂 町 忍 野 村 山 中 湖 村 鳴 沢 村 富 士 河 口 湖 町 となっている なお 同 会 議 を 進 める 中 で 2012 年 3 月 に 静 岡 県 行 動 計 画 が 示 された ここではそれによ る 施 策 を 示 す 1 開 発 都 市 基 盤 施 設 の 整 備 による 影 響 への 対 応 1) 観 光 開 発 への 対 応 市 町 の 景 観 行 政 団 体 への 移 行 景 観 計 画 策 定 の 支 援 2) 都 市 基 盤 施 設 の 整 備 事 業 等 都 市 計 画 区 域 マスタープランの 策 定 2 環 境 変 化 への 対 応 3 自 然 災 害 への 対 応 4 来 訪 者 等 による 影 響 への 対 応 5 各 構 成 資 産 構 成 要 素 及 び 展 望 景 観 の 修 復 整 備 1) 構 成 資 産 及 び 構 成 要 素 の 整 備 等 史 跡 富 士 山 白 糸 ノ 滝 及 び 周 辺 地 域 三 保 松 原 等 の 整 備 等 2) 修 景 事 業 等 富 士 山 周 辺 地 域 の 修 景 への 取 組 等 6 公 開 活 用 県 民 参 加 1) 富 士 山 の 日 の 推 進 2) 富 士 山 世 界 遺 産 センター( 仮 称 ) の 設 置 3) 地 域 住 民 への 普 及 啓 発 顕 著 な 普 遍 的 価 値 を 理 解 するための 講 座 等 の 開 催 県 内 私 立 学 校 の 協 力 による 富 士 山 メッセージや 諸 活 動 の 展 示 等 の 実 施 富 士 山 ふれあいの 森 林 (もり) の 遊 歩 道 等 の 維 持 管 理 及 び 自 然 観 察 会 の 実 施 4) 来 訪 者 への 対 応 - 24 -

来 訪 者 への 価 値 の 伝 達 利 便 性 の 確 保 施 設 の 活 用 等 5) 国 内 外 への 情 報 発 信 富 士 山 の 世 界 文 化 遺 産 登 録 に 係 る 広 報 広 聴 等 (6) 既 存 調 査 データでみる 静 岡 県 の 観 光 について ここでは 静 岡 県 および 構 成 資 産 が 存 在 する 富 士 山 南 麓 地 域 の 実 態 について 既 存 の 観 光 調 査 データに 基 づいて 概 観 を 述 べる 1 平 成 23 年 度 静 岡 県 観 光 入 込 客 統 計 調 査 より 静 岡 県 では 平 成 23 年 4 月 ~ 平 成 24 年 3 月 にかけて 調 査 対 象 地 域 1303 箇 所 で 観 光 入 込 客 統 計 調 査 を 行 った 本 調 査 では 6 つの 圏 域 ( 伊 豆 富 士 駿 河 西 駿 河 奥 大 井 中 東 遠 西 北 遠 )に 分 類 しているが 調 査 報 告 書 として 公 表 されている 項 目 から 特 に 富 士 地 域 に 着 目 して 掲 載 する 1) 観 光 交 流 客 数 の 概 要 平 成 23 年 度 観 光 交 流 客 数 は 1 億 2,966 万 人 で 前 年 度 を 約 877 万 人 ( 6.3%) 下 回 っ た 内 訳 でみると 宿 泊 客 数 は 1,684 万 人 で 前 年 度 比 約 10 万 人 ( 0.6%)の 減 観 光 レク リエーション 客 数 は 1 億 1,282 万 人 で 前 年 度 比 約 868 万 人 ( 7.1%)の 減 であった 単 位 : 千 人 観 光 交 流 客 数 宿 泊 客 数 観 光 レクリエーション 客 数 (B) (A+B) (A) 学 ぶ 遊 ぶ 触 れ 合 う 23 年 度 a 129,661 16,842 112,819 34,112 57,674 21,033 22 年 度 b 138,433 16,938 121,495 34,492 58,010 28,992 増 減 a b 8,772 96 8,676 380 337 7,959 前 年 度 比 a/b 93.7% 99.4% 92.9% 98.9% 99.4% 72.5% ( 注 )それぞれ 1 千 人 未 満 を 四 捨 五 入 しているため 合 計 と 各 項 目 が 一 致 しない 場 合 がある 2) 観 光 交 流 客 数 の 推 移 平 成 18 年 度 以 降 観 光 交 流 客 数 は 微 増 傾 向 にあったが 平 成 22 年 度 から 2 年 連 続 の 減 少 となった 宿 泊 客 数 は 4 年 連 続 観 光 レクリエーション 客 数 も 2 年 連 続 の 減 少 となり 東 日 本 大 震 災 の 影 響 を 強 く 受 ける 結 果 となった 一 方 で 富 士 地 域 においては 小 山 町 や 御 殿 場 市 等 で 新 規 開 業 施 設 の 入 込 が 好 調 であり 観 光 レクリエーション 客 数 の 増 加 に 寄 与 した また 宿 泊 客 数 についても ビジネス 需 要 の 増 加 に 伴 い 新 規 宿 泊 施 設 が 開 業 するなどした 影 響 で 増 加 した そして 分 類 別 では 季 節 行 楽 行 事 が 大 きく 減 少 した 一 方 で 産 業 観 光 買 物 で 増 加 した また 富 士 地 域 の 観 光 レクリエーションの 分 野 のうち 学 ぶ と 遊 ぶ は 前 年 比 で 伸 長 し たが 触 れ 合 う については 大 幅 に 減 少 した これは 東 日 本 大 震 災 を 受 けてのイベント 自 - 25 -

粛 などによるところが 大 きい イベント 数 の 減 少 以 上 に 1 会 場 の 集 客 が 減 少 した 事 で 大 幅 な 減 少 となった 観 光 交 流 客 数 ( 宿 泊 客 数 + 観 光 レクリエーション 客 数 ) ( 単 位 : 千 人 ) 年 度 S63 H3 H18 H19 H20 H21 H22 H23 全 県 141,482 131,162 135,926 136,713 138,241 140,749 138,433 129,661 富 士 13,092 14,677 28,390 29,419 30,959 31,362 30,090 31,704 平 成 23 年 度 地 域 別 形 態 別 観 光 交 流 客 数 単 位 : 千 人 % 観 光 交 流 宿 泊 客 数 観 光 レクリエーション 客 数 (B) 客 数 (A) (A+B) 学 ぶ 遊 ぶ 触 れ 合 う 富 士 地 域 23 年 度 31,704 1,668 30,037 4,670 23,737 1,630 前 年 度 比 105.4% 121.7% 104.6% 105.6% 106.1% 85.1% 構 成 比 24.6% 9.9% 26.8% 13.7% 41.6% 7.7% 合 計 23 年 度 129,661 16,842 112,819 34,112 57,674 21,033 3) 宿 泊 客 数 について 平 成 23 年 度 の 宿 泊 客 数 は 震 災 の 影 響 を 受 けての 旅 行 客 外 国 人 観 光 客 の 減 少 で 前 年 を 下 回 ったが 年 度 後 半 より 盛 り 返 した 中 には 新 たな 宿 泊 施 設 の 開 業 や 出 張 等 を 伴 う 宿 泊 に より 増 加 した 場 所 も 少 なくない 伊 豆 地 域 (うち 富 士 山 に 関 係 する 3 市 町 )や 富 士 地 域 内 では 海 水 浴 客 が 減 少 した 沼 津 市 や 訪 日 客 減 少 した 小 山 町 ( 同 町 には 外 国 人 客 が 多 く 宿 泊 するリゾートホテルが 存 在 する) に 影 響 が 出 ている 平 成 23 年 度 市 町 別 宿 泊 客 数 ( 単 位 : 人 ) 市 町 名 22 年 度 計 23 年 度 計 前 年 度 比 県 合 計 16,938,466 16,841,873 99.4% 沼 津 市 656,666 602,897 91.8% 三 島 市 178,459 249,225 139.7% 清 水 町 25,800 25,300 98.1% 富 士 宮 市 168,523 165,489 98.2% 富 士 市 416,166 428,013 102.8% 御 殿 場 市 600,816 885,730 147.4% 裾 野 市 73,209 90,371 123.4% 長 泉 町 7,886 9,156 116.1% 小 山 町 103,546 88,960 85.9% 4) 富 士 登 山 客 数 について こちらも 震 災 の 影 響 を 受 けて 大 きく 減 少 した 但 し 御 殿 場 口 は 大 砂 走 り で 距 離 も 長 いため 普 段 から 登 山 客 が 少 ないのだが こちらへの 影 響 は 僅 少 であった これは 専 門 的 な 登 山 者 にとっては 震 災 等 の 影 響 に 関 わらず 登 山 をするのであって 客 数 も 固 定 化 されているも - 26 -

のと 分 析 される 登 山 口 別 富 士 登 山 客 数 ( 単 位 : 人 登 山 口 名 23 年 度 計 22 年 度 計 前 年 度 比 県 計 299,727 360,443 83.20% 117,021 141,729 82.60% 富 士 宮 口 御 殿 場 口 須 走 口 177,401 25,134 97,192 212,868 25,968 121,607 83.30% 96.80% 79.90% 68,764 8,078 40,179 84,779 8,754 48,196 81.10% 92.30% 83.40% 上 段 は 各 登 山 口 の 新 五 合 目 の 入 込 客 数 下 段 は 新 五 合 目 山 頂 の 登 山 客 数 5) 目 的 別 観 光 入 込 客 ( 延 べ 人 数 ) 観 光 レクリエーションを 分 類 別 に 見 ると 23 年 度 は 震 災 の 影 響 もあって 河 川 や 海 岸 への 客 数 が 減 少 した 震 災 後 に 富 士 宮 市 で 直 下 型 地 震 が 起 こったことで 登 山 客 が 大 幅 に 減 少 した 一 方 で 自 然 に 対 する 関 心 やジオパーク 構 想 も 相 まって 特 殊 地 形 や 自 然 学 習 への 集 客 が 増 加 している 平 成 23 年 度 分 類 別 観 光 レクリエーション 客 数 ( 単 位 : 人 ) 大 分 類 中 分 類 名 称 23 年 度 計 22 年 度 計 前 年 度 比 構 成 比 山 岳 265,728 366,166 72.6% 0.24 学 ぶ ( 見 る 体 験 す る) 自 然 小 計 富 士 登 山 192,168 258,956 74.2% 0.17 高 原 0 6,122 0.0% 0.00 湖 沼 82,642 82,196 100.5% 0.07 河 川 景 観 1,092,410 1,381,255 79.1% 0.97 海 岸 景 観 3,065,313 3,357,501 91.3% 2.72 特 殊 地 形 374,499 370,563 101.1% 0.33 自 然 学 習 体 験 施 設 932,931 576,655 161.8% 0.83 その 他 景 勝 地 4,849,442 4,704,748 103.1% 4.30 10,855,133 11,104,162 97.8% 9.62 また 23 年 度 は ウォークラリー といったキーワードでのレクリエーション 客 数 が 増 加 した 数 こそ 25,684 人 ( 前 年 5,894 人 )と 少 ないもののその 伸 び 率 は 435.8%となった こ れは 町 歩 きブームに 加 え 観 光 プランとして 富 士 山 周 辺 の 施 設 を 巡 るコースや 鉄 道 やバスと いった 公 共 交 通 機 関 加 えてパーク&ライドといった 手 法 によるプランが 多 く 作 られたため である その 他 に 買 い 物 として ショッピングセンターの 周 年 記 念 といったセールの 他 関 東 近 県 よりアウトレット 店 への 訪 問 が 増 加 した 6) 季 節 別 観 光 入 込 客 平 成 23 年 度 の 季 節 別 観 光 入 込 客 数 を 見 ると 県 全 体 では 海 水 浴 シーズンである 夏 季 に 客 数 が 伸 びるものの それ 以 外 の 季 節 であっても 比 較 的 安 定 した 集 客 数 となっている 市 町 村 別 に 見 ると 伊 豆 地 区 を 含 む 沼 津 市 三 島 市 は 夏 季 の 伸 びが 大 きい なお 三 島 市 の - 27 -

冬 季 における 客 数 の 伸 びは 三 嶋 大 社 への 参 拝 客 であろう また 富 士 地 域 の 夏 季 の 伸 びは 富 士 山 周 辺 の 観 光 施 設 への 客 数 が 寄 与 していると 思 われる 平 成 23 年 度 観 光 レクリエーション 客 数 ( 単 位 :1000 人 ) 春 季 夏 季 秋 季 冬 季 県 合 計 24,144 33,597 27,448 27,055 沼 津 市 437 819 636 422 三 島 市 854 1,229 789 1,304 清 水 町 108 150 99 85 富 士 宮 市 1,021 1,636 1,148 1,251 富 士 市 1,278 1,743 1,302 1,682 御 殿 場 市 2,827 3,674 3,133 2,697 裾 野 市 432 734 434 437 長 泉 町 113 103 83 65 小 山 町 1,084 1,416 1,045 698 宿 泊 客 数 において 夏 季 の 御 殿 場 市 の 伸 びは 市 内 宿 泊 施 設 に 加 えて 富 士 山 周 辺 のキャンプ 場 ロッジ 等 を 含 むものである 当 該 地 区 は 交 通 の 便 が 良 い 為 日 帰 りとなってしまうこと が 多 い 平 成 23 年 度 宿 泊 客 数 月 別 内 訳 ( 単 位 :1000 人 ) 市 町 名 春 季 夏 季 秋 季 冬 季 県 合 計 3,198 5,043 4,229 4,372 沼 津 市 123 188 145 147 三 島 市 54 69 65 61 清 水 町 5 7 7 6 富 士 宮 市 36 56 35 38 富 士 市 90 117 130 91 御 殿 場 市 183 296 217 190 裾 野 市 16 25 28 22 長 泉 町 2 3 2 2 小 山 町 8 31 25 25 7) 観 光 消 費 額 ここでは 平 成 21 年 度 静 岡 県 における 観 光 の 流 動 実 態 と 満 足 度 調 査 報 告 書 の 中 から 方 向 性 を 探 るものとする なお 同 報 告 書 の 内 満 足 度 等 については(9)にて 記 載 したい る まず 平 成 21 年 度 に 静 岡 県 を 訪 れた 旅 行 客 の1 人 当 たり 消 費 支 出 額 等 は 下 表 の 通 りであ - 28 -

1 人 当 たりの 旅 行 費 用 総 額 ( 単 位 : 円 ) 費 目 日 帰 り 客 日 帰 り 客 全 体 県 内 客 県 外 客 海 外 客 県 内 客 県 外 客 海 外 客 旅 行 費 用 総 額 11,842 2,299 6,057 5,639 18,827 25,502 60,175 交 通 費 2,630 766 2,324 5,361 2,556 4,555 1,512 宿 泊 費 5,376 - - - 12,001 15,287 41,080 飲 食 費 1,731 653 1,205 0 2,023 2,812 7,776 買 い 物 土 産 1,543 547 2,185 111 1,237 2,134 9,804 土 産 ( 食 品 類 ) 989 287 641 111 961 1,713 4,293 土 産 ( 雑 貨 類 ) 516 255 1,526 0 262 360 4,115 土 産 ( 日 用 品 類 ) 38 5 18 0 14 61 1,396 入 場 施 設 利 用 料 499 327 337 167 861 687 3 その 他 63 6 6 0 149 127 0 これは 前 回 調 査 に 比 べ リーマンショックからの 景 気 低 迷 で 消 費 者 心 理 が 落 ち 込 んでいる ためと 分 析 されている 昨 今 長 引 く 景 気 低 迷 と 震 災 による 自 粛 ムードなどにより この 減 少 傾 向 に 拍 車 がかかっているものと 推 察 される 加 えて 平 成 23 年 2 月 に 静 岡 県 が 富 士 山 静 岡 空 港 県 内 経 済 波 及 及 び 効 果 分 析 結 果 の 概 要 として 静 岡 大 学 に 調 査 委 託 した 分 析 結 果 を 示 しておきたい 同 分 析 結 果 を 見 ると 245 億 円 の 生 産 誘 発 効 果 が 得 られ 外 国 人 訪 日 客 だけでも 140 億 円 強 の 効 果 が 見 込 まれている 外 国 人 ( 特 に 韓 国 中 国 人 )においては 領 土 問 題 等 によりその 動 向 に 予 断 を 許 さないが 円 安 ウォン 高 円 安 元 高 によるインバウンドの 増 加 に 期 待 される - 29 -

富 士 山 静 岡 空 港 県 内 経 済 波 及 及 び 効 果 分 析 結 果 の 概 要 ( 単 位 : 百 万 円 ) アウトバウンド インバウンド 項 目 日 本 人 送 客 日 本 人 送 客 日 本 人 誘 客 外 国 人 誘 客 外 国 人 誘 客 ( 国 内 ) ( 海 外 ) ( 国 内 ) ( 中 国 便 ) ( 韓 国 便 ) 利 用 者 数 26.4 万 人 11.8 万 人 15.4 万 人 1.7 万 人 8.1 万 人 県 内 最 終 需 要 増 加 700 434 3,439 172 525 直 接 効 果 370 217 2,932 161 495 間 接 波 及 効 果 594 167 2,222 170 598 生 産 誘 発 効 果 965 384 5,154 331 1,093 構 成 比 (%) 3.9 1.6 21 1.3 4.5 項 目 国 内 便 航 空 運 賃 海 外 便 航 空 運 賃 見 学 送 迎 者 支 出 行 政 空 港 関 連 支 出 利 用 者 数 41.8 万 人 21.6 万 人 (115.5 万 人 ) 63.4 万 人 県 内 最 終 需 要 増 加 3,927 1,433 3,903 1,551 16,083 直 接 効 果 3,927 1,433 2,832 1,313 13,679 間 接 波 及 効 果 3,067 1,002 2,080 969 10,871 生 産 誘 発 効 果 6,994 2,435 4,912 2,282 24,550 構 成 比 (%) 29 10 20 9 100 1アウトバウンド 富 士 山 静 岡 空 港 から 出 かける 人 々 2インバウンド 他 空 港 から 静 岡 県 等 を 訪 問 する 人 々 3 県 内 最 終 需 要 増 加 空 港 利 用 者 見 学 者 等 の 県 内 での 総 支 出 額 4 直 接 効 果 3で 生 じた 県 内 最 終 需 要 ( 消 費 ) 増 のうち 県 内 で 生 産 された 生 産 額 5 間 接 波 及 効 果 直 接 効 果 として 生 じた 生 産 の 原 材 料 を 賄 うために 次 々と 誘 発 される 生 産 額 と 生 産 増 によって 生 じた 雇 用 者 所 得 の 増 加 が 消 費 に 向 かう ことによって 誘 発 される 生 産 額 を 含 めた 額 6 生 産 誘 発 効 果 経 済 波 及 効 果 のことで 直 接 効 果 と 間 接 波 及 効 果 を 合 算 した 額 (7) 平 成 22 年 度 関 東 商 工 会 議 所 連 合 会 プロジェクトチームの 観 光 に 関 する 調 査 山 梨 県 の 報 告 にもあった 標 記 の 調 査 結 果 を 静 岡 県 側 から 分 析 してみたい 1 地 図 に 見 る 各 都 県 の 認 知 度 ここでの 静 岡 県 の 認 知 度 は 86.2%で 選 択 肢 である 9 都 県 の 順 位 としては 千 葉 (88.6%) 東 京 (87.2%)についで 3 位 であった これは 地 形 的 にも 特 徴 のある 伊 豆 半 島 駿 河 湾 と 言 った 自 然 が 認 知 度 を 上 げたものと 分 析 される 2 県 に 行 ってみたいですか の 問 いに 対 する はい の 回 答 率 静 岡 県 に 行 ってみたいとの 回 答 率 は 63.8%で 4 位 であった 更 に 年 齢 や 性 別 で 見 ると 4 位 と 順 位 は 変 わらないものの 20 歳 代 では 57.6%と 全 年 齢 平 均 値 を 6.2 ポイント 下 回 った 反 対 に 50 歳 代 では 神 奈 川 (74.2%)に 次 いで 2 位 (70%)の 順 位 となり こちらは 全 年 齢 平 均 値 を 6.2 ポイント 上 回 った また 性 別 で 見 ると 男 性 における 回 答 率 62.2%は 4 位 の 千 葉 (57%)を 抜 いて 3 位 に 上 が っている なお 同 調 査 は 対 象 都 県 を 除 いた 住 民 に 調 査 したものであり 近 隣 型 観 光 地 を 抱 える 静 岡 県 にとっては 自 然 温 泉 と 言 ったキーワードでこれだけの 回 答 を 得 られたのが 特 筆 されよう 総 計 - 30 -

3 県 の 名 所 イベント 人 物 として 知 っているもの 知 名 度 上 位 20 静 岡 県 は 上 位 20 位 のうち 1 つも 該 当 していない ( 但 し 山 梨 県 として 富 士 山 が 5 位 にラ ンクしている ) 一 方 で 市 の 認 知 度 においては 静 岡 市 (3 位 :92.3%) 浜 松 市 (5 位 : 90.2%) 熱 海 市 (14 位 :79.2%)と 上 位 に 食 い 込 んだ 4 県 の 特 産 品 として 知 っているもの 知 名 度 上 位 20 静 岡 県 は 3 位 に うなぎパイ(79.1%) 11 位 に 緑 茶 (57.6%) 14 位 に 富 士 宮 やき そば(48.6%) がランクインした 中 でも 富 士 宮 やきそば は 地 域 興 しの 一 環 として 始 めら れたものであり 歴 史 的 には 浅 いものであるがその 盛 り 上 がりにより 多 くの 認 知 を 得 ること が 出 来 た 5 静 岡 県 のイメージ 上 位 5 山 梨 県 と 並 び 富 士 山 が 1 位 となったが 総 ポイント 数 では 山 梨 県 を 上 回 る 結 果 となった 一 方 で 県 内 で 知 っている 名 所 の 1 位 として 山 梨 県 が 富 士 山 であったのに 対 し 静 岡 県 は 白 糸 の 滝 と 富 士 山 周 辺 の 観 光 資 源 の 中 でも 限 定 された 場 所 であった 順 位 1 位 2 位 3 位 4 位 5 位 イメージ 富 士 山 緑 茶 伊 豆 温 泉 サッカー 王 国 みかん 総 ポイント 2311 1429 1131 399 294 1 位 は3ホ イント 2 位 は2ホ イント 3 位 は1ホ イントにて 加 重 計 算 しその 合 計 値 でランク (8) 観 光 しずおか 躍 進 計 画 (~2010 年 度 )の 進 捗 状 況 からみた 静 岡 ならではの 観 光 魅 力 づくり 静 岡 県 では 標 記 の 行 動 計 画 として 体 験 プログラム 数 を 2010 年 に 600 件 とする 計 画 を 策 定 した しかし 2009 年 の 実 績 として 342 件 に 留 まっている そのため 体 験 旅 行 商 品 作 りなどへのアドバイザー 派 遣 旅 行 商 品 企 画 の 研 修 実 際 に 造 成 さ れた 商 品 の 販 売 のための 広 報 研 修 などの 支 援 を 行 っている ここでは 富 士 山 の 眺 望 や 田 舎 暮 らし をキーワードにした 交 流 居 住 の 促 進 について 取 り 組 む 例 を 紹 介 する - 31 -

商 工 会 による 不 動 産 仲 介 と 体 験 ツアーを 通 じた 交 流 居 住 の 推 進 国 土 交 通 省 住 宅 局 一 般 社 団 法 人 すまいづくりまちづくりセンター 連 合 会 HPより 抜 粋 取 組 みの 概 要 戸 田 地 区 は 伊 豆 半 島 西 海 岸 基 部 に 位 置 し 首 都 圏 から 約 3 時 間 という 交 通 アクセスや 海 と 山 に 囲 まれた 駿 河 湾 越 しの 富 士 山 の 景 観 など 恵 まれた 資 源 を 持 った 地 区 であるが 年 々 人 口 が 減 少 し 高 齢 化 が 進 み 過 疎 化 が 深 刻 な 地 区 でもある こうした 状 況 のなか 沼 津 市 と 沼 津 市 商 工 会 戸 田 支 所 は 交 流 居 住 をテーマに 田 舎 暮 らし 体 験 ツアー を 実 施 し 定 住 に 向 けた 基 盤 づくりに 取 り 組 んでいる また 沼 津 市 商 工 会 戸 田 支 所 は 全 国 でも 珍 しい 取 り 組 みとして 商 工 会 が 戸 田 地 区 の 不 動 産 仲 介 業 務 を 担 い 空 き 家 の 情 報 提 供 やあっせんなどを 行 い 地 域 活 性 化 を 図 っている 田 舎 暮 らし 体 験 ツアー による 短 期 滞 在 型 交 流 居 住 の 実 施 過 疎 化 対 策 の 一 環 として 田 舎 暮 らし 体 験 ツア ー を 実 施 し 短 期 滞 在 型 の 交 流 居 住 を 通 じて 定 住 促 進 地 域 活 性 化 に 向 けた 基 盤 づくりを 行 ってい る これまでの 実 績 として 総 務 省 過 疎 対 策 室 主 催 に よる 海 と 山 の 魅 力 体 験 in 戸 田 を 実 施 した 首 都 圏 や 市 内 から 2 人 1 組 での 参 加 者 を 募 り 戸 田 の 名 所 を 訪 ねて 海 と 山 を 観 光 し 戸 田 ならではの 過 ご し 方 を 楽 しむ 内 容 である 商 工 会 による 空 き 家 の 売 買 賃 貸 の 斡 旋 仲 介 沼 津 市 商 工 会 戸 田 支 所 の 独 自 の 取 り 組 みとして 商 工 会 が 空 き 家 の 売 買 賃 貸 などの 情 報 提 供 やあっせん 仲 介 を 行 っている 戸 田 支 所 長 自 らが 宅 建 主 任 者 資 格 を 取 得 し 不 動 産 のあっせん 仲 介 を 始 めた 物 件 希 望 者 に 直 接 会 って 話 をしながら 移 住 が 適 切 かどうかアドバイスしている が 戸 田 のまちを 愛 し 移 住 して 生 活 できる 人 を 選 んで 物 件 紹 介 するところに 民 間 の 不 動 産 事 務 所 との 大 きな 違 いがある また 公 的 な 団 体 があっせん 仲 介 することで 不 動 産 の 物 件 所 有 者 物 件 希 望 者 双 方 の 信 頼 が 得 られている - 32 -

地 域 活 性 化 に 向 けた 新 たな 展 開 へ 移 住 支 援 は 生 活 基 盤 をセットにしなければならないた め 不 動 産 仲 介 だけでなく 就 労 支 援 の 役 割 も 担 うことが 期 待 される 商 工 会 には 求 人 情 報 が 集 まるので 不 動 産 の 仲 介 とセットにして 求 人 求 職 の 仲 介 (ハローワーク 機 能 ) が 期 待 されよう また 地 域 振 興 のために 色 々なチャレンジが 期 待 されてい る 地 域 限 定 の 募 集 型 観 光 企 画 や 観 光 体 験 を 絡 めた 企 画 も 立 案 するなど 地 域 活 性 化 に 向 けて 新 たな 展 開 を 構 想 している (9) 平 成 21 年 度 静 岡 県 における 観 光 の 流 動 実 態 と 満 足 度 調 査 報 告 書 における 分 析 同 調 査 報 告 書 は 静 岡 県 を 訪 れる 観 光 客 の 流 動 実 態 と 静 岡 県 の 観 光 に 対 する 満 足 度 を 把 握 し 行 動 計 画 に 基 づく 施 策 の 展 開 の 基 礎 資 料 とするものとして 実 施 された 調 査 時 期 : 平 成 21 年 8 月 ( 夏 季 調 査 ) 平 成 21 年 11 月 ( 秋 季 ) 平 成 22 年 1 月 ( 冬 季 ) 調 査 箇 所 : 静 岡 県 内 の 観 光 施 設 駅 など 立 寄 施 設 計 24 施 設 ( 及 び 宿 泊 施 設 計 34 施 設 ) 実 施 方 法 : 調 査 員 聞 き 取 り( 立 寄 り 施 設 ) 施 設 で 配 布 し 後 日 郵 送 ( 宿 泊 施 設 ) 有 効 回 答 : 夏 季 合 計 1,980 件 秋 季 合 計 1,783 件 冬 季 合 計 1,830 件 ( 総 計 5,593 件 ) 1 旅 行 客 の 居 住 地 静 岡 県 を 訪 れる 旅 行 客 は 静 岡 県 居 住 者 が 全 体 の 4 割 弱 と 最 も 多 く 次 いで 関 東 地 方 が 35.6% となり 県 外 客 の 6 割 を 関 東 地 方 の 客 が 占 めている 過 去 調 査 を 時 系 列 に 追 うと 関 東 や 中 部 地 方 の 居 住 者 は 減 少 傾 向 にあり 県 内 居 住 者 及 び 近 畿 やその 他 国 内 居 住 者 の 比 率 が 増 加 してい る 更 に 宿 泊 日 数 の 傾 向 をみると 平 均 宿 泊 日 数 は 1.37 日 で 前 回 調 査 より 宿 泊 数 が 減 少 した これらを 押 し 並 べて 見 ると 静 岡 県 は 交 通 の 便 が 良 く 新 幹 線 や 高 速 道 路 によって 日 帰 り 圏 内 となっていることが 良 く 判 る また 旅 行 地 域 別 にみると 富 士 地 域 では 関 東 地 方 からの 観 光 客 が 44.1% となっており 伊 豆 地 域 の 関 東 地 方 からの 客 (61.9%)に 次 いで 関 東 地 方 からの 来 客 が 多 くなっている これは 静 岡 県 西 部 地 域 における 静 岡 県 内 居 住 者 の 来 客 割 合 (63.9%)と 比 較 すると 判 るが 静 岡 県 県 東 部 の 圧 倒 的 な 集 客 力 により 県 内 居 住 者 の 割 合 が 薄 まるからであろう - 33 -