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社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

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ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

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根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部


認 し 通 常 の 立 入 検 査 に 際 しても 許 可 内 容 が 遵 守 されていることを 確 認 するこ と 2 学 校 薬 剤 師 業 務 の 兼 任 学 校 薬 剤 師 の 業 務 を 兼 任 する 場 合 の 取 扱 いは 次 のとおりとする (1) 許 可 要 件 1 薬 局 等 の

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後 にまで 及 んでおり(このような 外 部 研 究 資 金 を 以 下 契 約 理 由 研 究 という ) かつ その 者 が 退 職 後 も 引 き 続 き 研 究 代 表 者 となることを 研 究 所 が 認 める 場 合 とし 理 事 室 の 命 を 受 けて 発 議 書 ( 別 に 定 め

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係 に 提 出 する 2 財 形 担 当 係 は 前 項 の 規 定 による 財 形 貯 蓄 等 の 申 込 みがあった 場 合 には 当 該 申 込 みの 内 容 を 点 検 し 財 形 貯 蓄 等 の 契 約 の 要 件 ( 第 6 条 に 規 定 する 基 準 を 含 む )を 満 たしている

Transcription:

小 田 原 市 立 病 院 における 預 り 金 に 関 する 調 査 特 別 委 員 会 報 告 書 平 成 24 年 3 月 2 日

目 次 1 調 査 に 至 った 経 緯 1ページ 2 特 別 委 員 会 の 設 置 1ページ (1) 設 置 決 議 1ページ (2) 委 員 会 の 定 数 2ページ (3) 委 員 長 副 委 員 長 委 員 の 氏 名 2ページ 3 調 査 の 概 要 3ページ (1) 調 査 事 項 3ページ (2) 調 査 の 視 点 3ページ (3) 調 査 方 法 3ページ (4) 調 査 のため 出 席 を 求 めた 説 明 員 3ページ (5) 委 員 会 の 開 催 状 況 4ページ (6) 書 類 計 算 書 の 検 閲 及 び 資 料 の 提 出 5ページ ア 地 方 自 治 法 第 98 条 第 1 項 の 規 定 により 検 閲 した 書 類 及 び 計 算 書 イ 執 行 機 関 に 照 会 を 求 め 閲 覧 した 資 料 等 ウ 執 行 機 関 に 照 会 を 求 め 提 出 を 受 けた 資 料 等 エ 執 行 機 関 から 自 主 的 に 提 出 のあった 資 料 4 調 査 結 果 7ページ (1) 預 り 金 制 度 の 現 状 について 7ページ ア 制 度 の 概 要 イ 預 り 金 の 管 理 体 制 ウ 預 り 金 と 預 り 証 の 現 状 (2) 預 り 金 の 管 理 状 況 と 実 態 について 9ページ ア 預 り 金 盗 難 の 状 況 イ 預 り 金 の 不 足 総 額 の 状 況 (3) 盗 難 事 件 とセキュリティとの 関 連 について 10ページ (4) 病 院 の 危 機 管 理 体 制 と 職 員 の 問 題 意 識 について 11ページ 5 問 題 点 と 改 善 意 見 11ページ 6 調 査 を 終 えて 15ページ

1 調 査 に 至 った 経 緯 本 市 においては 平 成 22 年 に 発 覚 した 小 田 原 市 立 病 院 における 医 師 の 宿 日 直 手 当 の 過 払 い 問 題 を 始 め 元 農 政 課 職 員 の 贈 収 賄 事 件 など 市 民 の 信 頼 を 大 きく 失 墜 させる 不 祥 事 が 相 次 いだ そうした 中 平 成 23 年 9 月 1 日 に 本 市 職 員 が 市 立 病 院 における 現 金 窃 盗 容 疑 で 逮 捕 さ れる 事 件 が 発 生 した 盗 難 にあった 現 金 は 市 立 病 院 が 夜 間 の 受 診 などで 会 計 処 理 ができな い 場 合 に 患 者 から 一 時 的 に 預 かる 預 り 金 で この 保 管 金 額 のうち 本 市 職 員 が 窃 取 した とされる6 万 円 について 本 市 が8 月 22 日 に 被 害 届 ( 第 1 回 )を 神 奈 川 県 小 田 原 警 察 署 へ 提 出 した さらに 不 足 が 判 明 している240 万 2240 円 について 本 市 は 改 めて10 月 25 日 に 被 害 届 ( 第 2 回 )を 提 出 した これを 受 け 本 市 議 会 では 11 月 4 日 に 全 員 協 議 会 を 開 催 し 市 長 副 市 長 及 び 市 立 病 院 管 理 局 職 員 等 の 出 席 を 求 め 説 明 を 受 けた 上 で 預 り 金 の 管 理 等 の 実 態 について 質 したが 全 容 の 解 明 には 至 らなかった このため 行 政 の 活 動 を 市 民 の 立 場 から 監 視 することが 議 会 の 責 務 であるという 観 点 から 地 方 自 治 法 第 98 条 第 1 項 に 基 づく 特 別 委 員 会 を 設 置 し 原 因 究 明 と 再 発 防 止 を 目 的 として 詳 細 なる 調 査 を 行 っていくことを 確 認 した そして 11 月 10 日 に 臨 時 会 を 開 会 し 小 田 原 市 立 病 院 における 預 り 金 に 関 する 調 査 特 別 委 員 会 の 設 置 を 求 める 決 議 を 全 会 一 致 で 可 決 し 本 委 員 会 の 設 置 が 決 定 した 2 特 別 委 員 会 の 設 置 (1) 設 置 決 議 ( 平 成 23 年 11 月 10 日 ) 小 田 原 市 立 病 院 における 預 り 金 に 関 する 調 査 特 別 委 員 会 の 設 置 を 求 める 決 議 1 調 査 事 項 本 議 会 は 地 方 自 治 法 第 98 条 第 1 項 の 規 定 により 次 の 事 項 について 調 査 を 行 うもの とする (1) 小 田 原 市 立 病 院 における 預 り 金 に 関 する 事 項 2 特 別 委 員 会 の 設 置 本 調 査 は 地 方 自 治 法 第 110 条 及 び 委 員 会 条 例 第 5 条 の 規 定 により 委 員 13 人 から 1

なる 小 田 原 市 立 病 院 における 預 り 金 に 関 する 調 査 特 別 委 員 会 を 設 置 し これに 付 託 するも のとする 3 調 査 権 限 本 議 会 は 1に 掲 げる 事 項 の 調 査 を 行 うため 地 方 自 治 法 第 98 条 第 1 項 の 権 限 を 上 記 特 別 委 員 会 に 委 任 する 4 調 査 期 限 る 上 記 特 別 委 員 会 は 1に 掲 げる 調 査 が 終 了 するまで 閉 会 中 もなお 調 査 を 行 うことができ 以 上 決 議 する 地 方 自 治 法 第 98 条 第 1 項 による 検 査 権 とは 議 会 が 普 通 地 方 公 共 団 体 の 事 務 に 関 する 書 類 及 び 計 算 書 を 検 閲 し 市 長 等 へ 報 告 を 請 求 して 事 務 の 管 理 議 決 の 執 行 及 び 出 納 を 検 査 することができる 権 限 である なお 書 面 に よる 検 査 を 行 い 実 地 調 査 をすることはできない (2) 委 員 会 の 定 数 13 人 (3) 委 員 長 副 委 員 長 委 員 の 氏 名 委 員 長 小 松 久 信 ( 公 明 党 ) 副 委 員 長 木 村 信 市 ( 市 民 ク ラ ブ ) 委 員 野 坂 稔 ( 光 政 会 ) 小 澤 峯 雄 ( 誠 和 ) 佐 々 木 ナ オ ミ ( 未 来 おだわら) 鈴 木 敦 子 ( 市 民 ク ラ ブ ) 今 村 洋 一 ( 公 明 党 ) 神 永 四 郎 (フォーラム 小 田 原 ) 大 村 学 ( 誠 和 ) 田 中 利 恵 子 ( 日 本 共 産 党 ) 大 野 眞 一 (フォーラム 小 田 原 ) 俵 鋼 太 郎 ( 新 生 ク ラ ブ ) 関 野 隆 司 ( 日 本 共 産 党 ) 2

3 調 査 の 概 要 (1) 調 査 事 項 小 田 原 市 立 病 院 における 預 り 金 に 関 する 事 項 (2) 調 査 の 視 点 不 足 金 240 万 2240 円 に 係 る 調 査 預 り 金 制 度 の 現 状 預 り 金 の 管 理 と 実 態 窃 盗 事 件 とセキュリティとの 関 連 病 院 の 危 機 管 理 意 識 と 職 員 の 問 題 意 識 (3) 調 査 方 法 本 委 員 会 は 地 方 自 治 法 第 98 条 第 1 項 に 基 づく 調 査 特 別 委 員 会 であることから 預 り 金 の 事 務 に 関 する 書 類 及 び 計 算 書 を 会 議 室 に 搬 入 し それらを 各 委 員 が 検 閲 した また 調 査 の 過 程 で 必 要 と 判 断 した 資 料 を 執 行 機 関 に 請 求 した さらに 説 明 員 として 関 係 職 員 の 委 員 会 出 席 を 要 求 し 必 要 に 応 じて 説 明 を 求 め 質 疑 を 行 った なお 検 閲 する 書 類 等 の 原 本 一 式 だけでは 一 度 にすべての 委 員 が 検 閲 できないため 調 査 の 効 率 を 考 慮 した 結 果 書 類 の 写 しを 各 委 員 の 卓 上 に 用 意 し 委 員 会 を 開 催 している 間 すべての 委 員 が 同 時 に 同 じ 書 類 を 検 閲 できるようにした (4) 調 査 のため 出 席 を 求 めた 説 明 員 市 長 加 藤 憲 一 副 市 長 加 部 裕 彦 総 務 部 長 柴 田 正 光 市 立 病 院 病 院 管 理 局 長 桐 生 薫 総 務 部 副 部 長 和 田 伸 二 病 院 管 理 局 副 局 長 関 野 憲 司 行 政 管 理 課 長 豊 田 善 之 経 営 管 理 課 長 内 野 好 則 医 事 課 長 武 田 英 二 経 営 管 理 課 副 課 長 田 口 孝 一 医 事 課 副 課 長 向 笠 勝 彦 ほか 関 係 職 員 3

(5) 委 員 会 の 開 催 状 況 本 委 員 会 は 平 成 23 年 11 月 10 日 から 平 成 24 年 2 月 23 日 まで 9 回 開 催 された 開 催 状 況 は 次 のとおりである 回 数 開 催 日 主 な 内 容 第 1 回 平 成 23 年 11 月 10 日 1 委 員 長 の 互 選 について 2 副 委 員 長 の 互 選 について 3 座 席 の 指 定 について 4 今 後 の 進 め 方 について 5 次 回 の 開 催 日 程 について 第 2 回 平 成 23 年 11 月 18 日 1 会 議 の 進 め 方 について 2 小 田 原 市 立 病 院 における 預 り 金 に 関 する 書 類 及 び 計 算 書 について 関 係 資 料 及 び 預 り 金 に 係 る 事 務 処 理 及 び 管 理 方 法 の 説 明 書 類 検 閲 質 疑 応 答 資 料 請 求 3 次 回 の 開 催 日 程 について 第 3 回 平 成 23 年 11 月 24 日 1 小 田 原 市 立 病 院 における 預 り 金 に 関 する 書 類 及 び 計 算 書 について 追 加 提 出 資 料 の 説 明 書 類 検 閲 質 疑 応 答 資 料 請 求 2 次 回 の 開 催 日 程 について 第 4 回 平 成 23 年 12 月 15 日 1 小 田 原 市 立 病 院 における 預 り 金 に 関 する 書 類 及 び 計 算 書 について 追 加 提 出 資 料 の 説 明 書 類 検 閲 質 疑 応 答 資 料 請 求 2 次 回 の 開 催 日 程 について 第 5 回 平 成 24 年 1 月 10 日 1 小 田 原 市 立 病 院 における 預 り 金 に 関 する 書 類 及 び 計 算 書 について 追 加 提 出 資 料 の 説 明 書 類 検 閲 質 疑 応 答 資 料 請 求 2 次 回 の 開 催 日 程 について 第 6 回 平 成 24 年 1 月 17 日 1 小 田 原 市 立 病 院 における 預 り 金 に 関 する 書 類 及 び 計 算 書 について 追 加 提 出 資 料 の 説 明 書 類 検 閲 資 料 請 求 2 次 回 の 開 催 日 程 について 4

第 7 回 平 成 24 年 1 月 26 日 1 小 田 原 市 立 病 院 における 預 り 金 に 関 する 書 類 及 び 計 算 書 について 追 加 提 出 資 料 の 説 明 書 類 検 閲 質 疑 応 答 資 料 請 求 2 次 回 の 開 催 日 程 について 第 8 回 平 成 24 年 2 月 13 日 1 小 田 原 市 立 病 院 における 預 り 金 に 関 する 調 査 につ いて 総 括 質 疑 2 次 回 の 日 程 等 について 第 9 回 平 成 24 年 2 月 23 日 1 委 員 長 報 告 について (6) 書 類 計 算 書 の 検 閲 及 び 資 料 の 提 出 ア 地 方 自 治 法 第 98 条 第 1 項 の 規 定 により 検 閲 した 書 類 及 び 計 算 書 No. 検 閲 した 書 類 及 び 計 算 書 請 求 先 1 預 り 金 関 係 書 類 一 覧 (1) 預 り 証 様 式 小 田 原 市 長 加 藤 憲 一 病 院 控 え 患 者 控 え (2) 出 納 帳 (1) 預 り 金 精 算 現 金 明 細 書 預 り 時 ~2ヶ 月 間 の 出 納 帳 (3) 出 納 帳 (2) 預 り 後 3~4ヶ 月 間 の 出 納 帳 (4) 預 り 証 ( 控 ) 綴 り( 封 筒 ) 年 次 締 め 処 理 分 ( 平 成 10~21 年 度 分 ) 月 次 締 め 処 理 分 ( 平 成 22 年 4 月 ~ 平 成 23 年 4 月 ) (5) 預 り 金 管 理 台 帳 平 成 18 年 度 年 次 締 め 処 理 以 降 の 台 帳 ( 平 成 10 年 度 ~ 平 成 23 年 4 月 ) (6) 預 り 金 精 算 についてのお 知 らせ 全 額 返 還 者 あて 残 額 返 還 者 あて 不 足 分 請 求 者 あて 保 険 証 等 提 示 依 頼 者 あて (7) 平 面 図 小 田 原 市 立 病 院 1 2 階 平 面 図 ( 医 事 課 経 営 管 理 課 等 ) 5

(8) 金 庫 鍵 使 用 簿 平 成 23 年 9 月 から 運 用 (9) 鍵 授 受 簿 守 衛 室 備 付 け 平 成 22 23 年 度 分 イ 執 行 機 関 に 照 会 を 求 め 閲 覧 した 資 料 等 No. 提 出 照 会 を 求 めた 資 料 等 照 会 日 1 盗 難 当 時 の 封 筒 等 一 覧 警 察 資 料 として 提 出 した 盗 難 当 時 の 封 筒 等 ( 内 訳 ) 封 筒 35 枚 硬 貨 を 入 れていたビニール 袋 13 袋 平 成 23 年 11 月 10 日 2 医 事 課 金 庫 保 管 物 一 覧 3 預 り 金 額 年 度 別 一 覧 平 成 23 年 11 月 10 日 4 時 間 外 外 来 における 預 かり 金 実 態 調 査 医 事 業 務 ( 産 労 総 合 研 究 所 刊 )2005 年 2 月 1 日 号 所 収 平 成 23 年 11 月 18 日 5 預 り 金 の 金 庫 内 保 管 状 況 について 6 職 員 課 付 職 員 からの 上 申 書 7 精 算 後 の 預 り 証 綴 り 平 成 23 年 10 月 精 算 分 11 月 精 算 分 平 成 23 年 11 月 24 日 8 過 去 10 年 間 の 警 備 業 務 在 籍 警 備 員 名 簿 9 小 田 原 市 立 病 院 警 備 保 安 業 務 及 び 清 掃 管 理 業 務 委 託 仕 様 書 ( 抜 粋 ) 契 約 期 間 平 成 23 年 6 月 1 日 ~ 平 成 26 年 5 月 31 日 10 現 金 担 当 マニュアル 委 託 職 員 の 現 金 取 扱 担 当 者 用 預 り 金 マニュアル 平 成 23 年 12 月 15 日 ウ 執 行 機 関 に 照 会 を 求 め 提 出 を 受 けた 資 料 等 No. 提 出 照 会 を 求 めた 資 料 等 照 会 日 1 預 り 金 の 流 れ 2 過 去 10 年 間 の 医 事 課 在 籍 職 員 及 び 預 り 金 担 当 職 員 名 簿 3 預 り 証 欠 番 の 年 度 別 一 覧 4 預 り 金 に 係 る 事 務 委 託 の 推 移 平 成 23 年 11 月 18 日 平 成 23 年 11 月 24 日 6

5 業 務 委 託 契 約 書 医 事 業 務 ( 契 約 期 間 ) 平 成 17 年 4 月 1 日 ~ 平 成 18 年 3 月 31 日 平 成 18 年 4 月 1 日 ~ 平 成 19 年 3 月 31 日 平 成 19 年 4 月 1 日 ~ 平 成 19 年 12 月 31 日 平 成 20 年 1 月 1 日 ~ 平 成 22 年 12 月 31 日 平 成 23 年 1 月 1 日 ~ 平 成 25 年 12 月 31 日 警 備 保 安 業 務 及 び 清 掃 管 理 業 務 ( 契 約 期 間 ) 平 成 17 年 4 月 1 日 ~ 平 成 18 年 3 月 31 日 6 預 り 金 の 処 理 職 員 用 預 り 金 マニュアル 平 成 23 年 12 月 15 日 平 成 23 年 12 月 15 日 7 預 り 金 に 関 する 事 務 委 託 職 員 用 預 り 金 マニュアル 8 医 事 課 職 員 事 務 分 担 表 平 成 23 年 度 分 平 成 24 年 1 月 10 日 9 県 内 七 市 公 立 病 院 における 夜 間 会 計 業 務 委 託 等 に 関 する 調 べ 平 成 24 年 1 月 17 日 10 県 内 七 市 公 立 病 院 における 預 り 金 及 び 夜 間 会 計 に 関 する 調 べ 平 成 24 年 1 月 26 日 エ 執 行 機 関 から 自 主 的 に 提 出 のあった 資 料 No. 資 料 提 出 日 1 夜 間 外 来 会 計 の 開 始 について 平 成 24 年 1 月 17 日 4 調 査 結 果 (1) 預 り 金 制 度 の 現 状 について ア 制 度 の 概 要 市 立 病 院 の 時 間 外 外 来 における 預 り 金 制 度 は 従 前 より 会 計 処 理 体 制 が 整 っていない 夜 間 の 受 診 などで 会 計 することができない 場 合 患 者 から 一 時 的 に 現 金 を 預 かる 制 度 である 市 立 病 院 が 定 める 預 り 金 の 内 規 では 保 険 証 が 確 認 できる 場 合 が5000 円 確 認 できな 7

い 場 合 が1 万 円 交 通 事 故 の 場 合 が2 万 円 と 定 めて 現 金 を 収 受 し その 際 には 預 り 証 を 発 行 し その 控 えを 病 院 で 保 管 している 患 者 には 預 かり 後 7 日 以 内 の 精 算 を 求 めてい る なお 同 制 度 の 導 入 時 期 は 市 立 病 院 では 把 握 していない 預 り 金 事 務 については 平 成 17 年 度 までは 小 田 原 市 立 病 院 警 備 保 安 業 務 及 び 清 掃 管 理 業 務 の 業 務 委 託 契 約 における 事 務 当 直 業 務 患 者 受 付 要 領 において その 事 務 を 定 めてい たが 平 成 18 年 度 以 降 は 医 事 業 務 委 託 契 約 においてその 事 務 を 定 め 平 成 24 年 1 月 16 日 からは 小 田 原 市 立 病 院 医 事 業 務 の 業 務 委 託 契 約 と 別 に 契 約 し 夜 間 外 来 会 計 事 務 を 試 行 的 に 開 始 した なお 保 険 証 を 確 認 できない 患 者 や 交 通 事 故 の 患 者 については 預 り 金 制 度 を 継 続 し 平 成 24 年 4 月 以 降 の 廃 止 に 向 けて 検 証 を 行 っているところである また 平 塚 市 茅 ヶ 崎 市 藤 沢 市 三 浦 市 厚 木 市 大 和 市 の6つの 公 立 病 院 に 夜 間 外 来 会 計 の 実 施 状 況 を 確 認 したところ 平 成 7 年 に 大 和 市 が 夜 間 外 来 会 計 を 導 入 して 以 降 各 市 で 導 入 され 平 成 18 年 12 月 に 藤 沢 市 が 実 施 することにより 本 市 を 除 く 他 のすべ ての 公 立 病 院 が 夜 間 外 来 会 計 を 導 入 したこと さらに 預 り 金 制 度 を 実 施 しているのは 本 市 だけであることも 判 明 した イ 預 り 金 の 管 理 体 制 預 り 金 は 預 かり 日 の 属 する 月 から 数 えて4ヵ 月 間 出 納 帳 管 理 を 行 い 現 金 は 窓 口 に 精 算 に 来 られた 患 者 に 対 応 するため 昼 間 は 窓 口 で 保 管 し 夜 間 のみ 市 立 病 院 内 の 金 庫 に 保 管 している しかし 正 規 の 診 療 費 が 確 定 した 後 に 精 算 がされずに2ヵ 月 間 が 過 ぎると 預 り 金 が 未 精 算 である 旨 の 連 絡 をするとともに 預 かった 金 額 よりも 診 療 費 が 少 ない 場 合 は 預 り 金 から 充 当 し 残 金 を 再 び 金 庫 に 保 管 し 管 理 している 預 かってから5ヵ 月 目 には 当 該 月 分 の 現 金 と 預 り 証 ( 控 )をまとめる 月 次 締 め 処 理 を 行 い 現 金 を 封 筒 に 入 れ 常 時 金 庫 に 保 管 している その 後 4 月 から 翌 年 3 月 までの1 年 分 を 例 年 8 月 に 年 次 締 め 処 理 するとともに 現 金 確 認 をした 後 別 の 封 筒 に 移 して 精 算 が 必 要 とされるまで 常 時 金 庫 に 収 納 している この 預 り 金 は 月 次 締 め 及 び 年 次 締 め 処 理 をした 月 ごとまたは 年 ごとに 封 筒 により 保 管 されて いたが 精 算 行 為 が 行 われた 場 合 においても それぞれの 封 筒 の 残 金 の 確 認 行 為 は 実 施 し ていなかった さらに この 預 り 金 については 市 立 病 院 では 公 金 と 認 識 していたが 会 計 上 において 簿 内 管 理 とはせず 簿 外 管 理 としており 便 宜 的 に 台 帳 において 消 し 込 み 処 理 を 実 施 して いた したがって 病 院 事 業 会 計 の 中 には 含 まれず 決 算 及 び 監 査 の 対 象 外 となっていた 8

ウ 預 り 金 と 預 り 証 の 現 状 預 り 金 は 原 則 として 委 託 業 者 の 夜 間 事 務 当 直 者 が 対 応 し 翌 日 に 病 院 職 員 に 現 金 とと もに 引 き 継 ぐものだが 取 扱 件 数 と 金 額 については 請 求 した 資 料 預 り 金 額 年 度 別 一 覧 によると 平 成 15 年 度 6148 件 3372 万 1500 円 平 成 16 年 度 5863 件 3251 万 5180 円 平 成 17 年 度 6533 件 3583 万 3000 円 平 成 18 年 度 6093 件 3711 万 1000 円 平 成 19 年 度 5363 件 3407 万 3000 円 平 成 20 年 度 5564 件 3463 万 6000 円 平 成 21 年 度 6144 件 3802 万 6600 円 平 成 22 年 度 5777 件 3575 万 4000 円 平 成 23 年 度 4 月 分 388 件 244 万 3000 円 で 合 わせて4 万 7873 件 2 億 8411 万 3280 円 にのぼることが 明 らかになった また 預 り 証 は 書 き 損 じた 場 合 には 欠 番 としているとのことであったため 預 り 証 欠 番 の 年 度 別 一 覧 を 資 料 請 求 したところ その 件 数 は 平 成 15 年 度 188 件 平 成 16 年 度 166 件 平 成 17 年 度 156 件 平 成 18 年 度 304 件 平 成 19 年 度 180 件 平 成 20 年 度 254 件 平 成 21 年 度 185 件 平 成 22 年 度 281 件 平 成 23 年 度 4 月 分 が22 件 で 合 計 1736 件 発 生 していることが 明 らかになった この 預 り 証 については 公 文 書 として 取 り 扱 っているものの 書 き 損 じた 預 り 証 につい ては 病 院 職 員 が 文 書 管 理 規 程 に 規 定 されたファイル 基 準 表 に 基 づき 廃 棄 し 保 管 をして いないことが 判 明 した (2) 預 り 金 の 管 理 状 況 と 実 態 について ア 預 り 金 盗 難 の 状 況 平 成 23 年 8 月 15 日 に 医 事 課 職 員 が 患 者 の 預 り 金 を 精 算 するため 預 り 金 の 入 った 封 筒 を 確 認 した 際 に 同 年 8 月 10 日 に 月 次 締 め 処 理 をした 平 成 23 年 4 月 分 の 未 精 算 の 預 り 金 の 残 額 7 万 910 円 が 入 っているべき 封 筒 に 1 万 910 円 しか 入 っていないこと に 気 付 いたものである このため 市 立 病 院 では 8 月 10 日 に 出 納 帳 に 記 載 された 現 金 が 確 実 に 存 在 したこと が 確 認 できていることや その 日 以 後 に 精 算 が 行 われていないことから 平 成 23 年 4 月 分 の 預 かり 分 のうち6 万 円 が 盗 難 されたと 判 断 し 被 害 届 ( 第 1 回 )を8 月 22 日 に 神 奈 川 県 小 田 原 警 察 署 へ 提 出 した この 時 点 で 常 時 金 庫 内 に 保 管 しているすべての 預 り 金 を 点 検 したところ 月 次 年 次 に おいて 預 り 金 に 不 足 金 額 が 認 められた しかし 不 足 に 至 った 経 過 や 内 容 等 に 詳 細 な 調 査 が 必 要 だったことから これらの 金 額 の 被 害 届 の 提 出 は 当 面 見 送 られた そして 9 月 1 日 に 元 医 事 課 職 員 で 福 祉 健 康 部 高 齢 介 護 課 主 査 の 男 性 職 員 が 窃 盗 容 疑 で 9

神 奈 川 県 警 察 に 逮 捕 され 容 疑 を 認 めた この 元 医 事 課 職 員 に 対 する 警 察 での 取 り 調 べに よれば 同 年 8 月 13 日 の 休 診 日 に 医 事 課 の 金 庫 から 盗 んだとのことである なお 元 医 事 課 職 員 は 9 月 22 日 に 処 分 保 留 となり 釈 放 されたが その 後 12 月 28 日 に 不 起 訴 ( 起 訴 猶 予 ) 処 分 となった しかし 上 申 書 等 から 公 金 窃 取 は 明 らかなため 小 田 原 市 職 員 の 懲 戒 処 分 に 関 する 基 本 方 針 に 基 づき 平 成 24 年 1 月 12 日 付 で 懲 戒 免 職 処 分 となっ た イ 預 り 金 の 不 足 総 額 の 状 況 預 り 金 の 不 足 総 額 の 確 定 については 被 害 の 金 額 被 害 にあった 時 期 場 所 の 特 定 が 必 要 とされることから 関 係 帳 簿 等 と 預 り 金 の 残 額 との 突 合 関 係 職 員 の 事 情 聴 取 などの 精 査 を 行 った 結 果 不 足 金 額 が240 万 2240 円 であることが 判 明 し 平 成 23 年 10 月 25 日 に 被 害 届 ( 第 2 回 )を 提 出 した なお 元 職 員 が 窃 盗 を 認 めた6 万 2000 円 以 外 の 不 足 金 については 警 察 で 捜 査 中 で あるが その 状 況 はいまだ 明 らかになっていない (3) 盗 難 事 件 とセキュリティとの 関 連 について 医 事 課 内 の 金 庫 の 鍵 は2 階 にある 経 営 管 理 課 の 事 務 室 内 に 保 管 しており その 事 務 室 の 鍵 については 休 日 夜 間 は 警 備 員 に 預 けている 休 日 夜 間 において 職 員 が 事 務 室 の 鍵 を 使 用 する 場 合 には 鍵 の 授 受 簿 に 使 用 者 名 等 を 記 載 し 警 備 員 から 鍵 を 受 け 取 ることになってい る この 鍵 を 市 立 病 院 に 在 籍 していた 顔 見 知 りである 職 員 に 対 し 警 備 員 が 安 易 に 貸 出 し その 際 に 鍵 の 授 受 簿 への 記 載 も 怠 っていた なお 逮 捕 されたこの 元 職 員 の 上 申 書 によれば 市 立 病 院 から 異 動 した 後 警 備 員 から 鍵 を 借 りた 回 数 は5 回 であるが 市 による 警 備 委 託 業 者 からの 聴 取 や 監 視 カメラの 映 像 によ り 元 職 員 への 鍵 の 貸 出 しを 確 認 できたのは 事 件 当 日 である 平 成 23 年 8 月 13 日 の1 回 のみであった 本 委 員 会 で 請 求 した 資 料 小 田 原 市 立 病 院 警 備 保 安 業 務 及 び 清 掃 管 理 業 務 委 託 仕 様 書 に よれば 受 託 者 は 事 件 により 従 事 者 第 三 者 もしくは 物 件 に 損 害 が 生 じた 場 合 その 他 従 事 者 が 病 院 内 で 遭 遇 した 事 故 について 遅 滞 なく 市 に 報 告 しなければならないとされている しかし 受 託 者 から 報 告 があったのは 9 月 15 日 であった 10

(4) 病 院 の 危 機 管 理 体 制 と 職 員 の 問 題 意 識 について 本 委 員 会 における 職 員 からの 事 情 聴 取 や 調 査 により 露 呈 した 預 り 金 の 管 理 体 制 のずさんさ 預 り 金 制 度 に 疑 問 を 持 ちつつも 改 善 策 を 講 じずにいた 職 員 の 問 題 意 識 の 欠 如 公 金 に 対 する 責 任 意 識 の 希 薄 さを 見 れば 病 院 内 でコンプライアンス 推 進 の 基 本 方 針 や 推 進 計 画 が 職 員 間 に 浸 透 せず 着 実 に 実 施 されていないことは 明 らかである また 市 立 病 院 でのコンプライアンス 推 進 の 仕 方 の 問 題 だけではなく 全 庁 的 にもコンプ ライアンスに 対 する 意 識 の 低 さ 職 員 間 の 意 思 疎 通 の 不 十 分 さ 問 題 を 予 測 できない 職 場 風 土 を 指 摘 せざるを 得 ない さらには 職 員 の 倫 理 意 識 のみに 頼 れない 現 状 を 管 理 監 督 者 は 認 識 していないと 思 料 する この 問 題 は 単 なる 職 員 による 盗 難 事 件 だけではなく 根 底 にあるのは 公 金 に 対 する 認 識 の 甘 さであり 管 理 を 怠 った 結 果 市 に 損 失 を 与 え 市 民 への 信 用 をさらに 失 墜 させたとい う 問 題 である 事 務 処 理 の 責 任 職 員 を 監 督 する 立 場 にあったにもかかわらず こうした 事 態 を 看 過 してきた 市 長 をはじめ 管 理 監 督 者 の 責 任 は 重 大 であると 言 わざるを 得 ない 5 問 題 点 と 改 善 意 見 以 上 の 調 査 結 果 を 踏 まえ 本 委 員 会 として 問 題 点 と 改 善 意 見 を 申 し 上 げる まず 預 り 金 制 度 については 以 前 からそのあり 方 について 問 題 意 識 はあったものの 盗 難 事 件 発 生 以 前 は 詳 細 に 検 討 されず 長 年 にわたり 病 院 事 業 会 計 の 簿 外 現 金 として 取 り 扱 っ ていたため 監 査 の 対 象 外 となり 決 算 として 報 告 もなかった これは 市 立 病 院 における 公 金 管 理 体 制 の 不 備 公 文 書 取 扱 い 上 の 欠 陥 があったと 言 わざるを 得 ない さらに 他 市 の 状 況 を 調 査 することにより 預 り 金 制 度 を 改 善 することは 可 能 であったが 問 題 意 識 が 欠 如 し 前 例 踏 襲 で 業 務 を 遂 行 していればよいという 意 識 や 組 織 風 土 が 本 事 件 を 引 き 起 こした 温 床 になったものと 思 料 する 端 的 に 言 えば このように 預 り 金 を 簿 外 管 理 していたことや 預 り 日 から1 年 を 超 えた 年 次 締 め 処 理 後 の 現 金 管 理 がまったくできていなかったことの 事 務 管 理 体 制 の 不 備 が 今 回 の 盗 難 事 件 を 引 き 起 こし いまだ240 万 円 余 が 未 解 決 となっている 状 況 を 生 んだ 原 因 と 考 え られ 簿 内 管 理 がされていれば こうした 犯 罪 は 発 生 していなかったと 推 察 される 一 方 県 内 の 公 立 病 院 で 既 に 実 施 されている 夜 間 外 来 会 計 については 導 入 を 検 討 したもの の 委 託 料 の 高 騰 や 病 院 事 業 会 計 の 収 支 状 況 等 を 勘 案 し 優 先 順 位 を 決 定 した 中 で その 導 入 には 至 らなかったことは 誠 に 遺 憾 である 市 立 病 院 における 預 り 金 制 度 については 平 成 18 年 に 医 事 業 務 を 民 間 委 託 した 時 点 平 11

成 22 年 の 医 師 宿 日 直 手 当 等 過 払 い 問 題 が 生 じ 市 立 病 院 宿 日 直 等 手 当 支 給 事 務 適 正 化 検 討 委 員 会 を 立 ち 上 げた 時 点 など 様 々な 機 会 をとらえ 事 務 全 体 を 点 検 見 直 し 簿 内 会 計 と して 処 理 すべきであり 諸 般 の 理 由 により 預 り 金 が 精 算 されない 場 合 においても 返 還 請 求 権 の 時 効 も 考 慮 し 元 来 簿 内 会 計 処 理 をすべきであった そこで 本 来 預 り 金 は 厳 格 に 精 算 し 患 者 に 返 還 しなければならないが 盗 難 事 件 後 の 預 り 金 の 取 り 扱 いについては 現 状 では 変 更 されていない 平 成 18 年 からの 二 百 数 十 万 円 余 という 預 り 金 については 電 話 による 連 絡 などの 処 理 方 法 を 早 急 に 考 え 患 者 に 返 還 す る 努 力 を 最 大 限 すべきである なお 預 り 金 制 度 のあり 方 を 検 討 することだけでは 対 症 療 法 的 にとどまってしまうこと が 懸 念 され 本 質 的 な 問 題 を 解 決 する 方 法 を 熟 慮 する 必 要 があると 考 えられることから 公 金 管 理 の 体 制 や 管 理 する 仕 組 みの 整 備 を 進 めるとともに 患 者 サービス 向 上 のため 全 面 的 な 夜 間 外 来 会 計 制 度 を 早 急 に 実 施 すべきである 次 に 不 足 金 については 現 存 する 平 成 10 年 度 から 平 成 23 年 4 月 分 までのすべての 預 り 金 で 不 足 が 生 じていることが 明 らかになった 本 委 員 会 では 最 後 に 精 算 があった 日 から 推 測 して 平 成 23 年 7 月 以 降 の 盗 難 の 可 能 性 を 指 摘 したが 病 院 側 の 確 実 な 確 認 日 が 平 成 18 年 8 月 17 日 であること またそれ 以 前 の 精 算 では 残 金 と 台 帳 との 突 合 をしていないため 盗 難 された 期 間 の 絞 り 込 みには 至 らなかっ た さらに 本 委 員 会 で 請 求 した 資 料 職 員 課 付 職 員 からの 上 申 書 から 元 職 員 は 平 成 23 年 8 月 13 日 に2 万 2000 円 を 盗 み また 平 成 22 年 5 月 以 降 も 計 4 回 1 万 円 ずつ 合 計 で6 万 2000 円 の 窃 盗 を 認 めていることが 明 らかになった なお 1 回 目 の 被 害 届 の 金 額 との 違 いや 平 成 22 年 5 月 以 降 の 窃 盗 の 時 期 や 状 況 については 究 明 までには 至 らなかっ た また 本 委 員 会 で 請 求 した 資 料 預 り 金 年 度 別 一 覧 から 平 成 18 年 8 月 17 日 時 点 で 金 庫 に 保 管 されていた 平 成 10 年 度 から 平 成 17 年 度 までの 預 り 金 の 総 額 が 検 閲 書 類 や 他 の 年 度 の 状 況 から 推 測 される 金 額 より 少 ないことが 明 らかになったが 確 認 できる 書 類 等 がないため その 原 因 を 解 明 することはできなかった 元 職 員 の 不 起 訴 及 び 市 の 処 分 を 受 けて 不 足 金 の 補 てんの 方 法 が 問 題 となった 240 万 円 余 の 不 足 金 については 動 産 保 険 の 適 用 の 見 込 みが 立 ったが 元 職 員 が 窃 盗 を 認 めた6 万 2000 円 については 元 職 員 からの 弁 済 の 申 し 出 があるものの 法 的 にも 適 切 に 対 処 する ため その 取 り 扱 いについては 保 留 となっていることが 明 らかになった 本 委 員 会 としても 警 察 の 捜 査 の 進 捗 状 況 を 注 視 し 不 足 金 の 実 態 について 調 査 を 進 めて きたが 預 り 金 の 管 理 状 況 に 不 明 な 点 が 多 いため 不 足 金 となった 時 期 が 判 明 しないなど 調 査 には 限 界 があった 12

引 き 続 き 執 行 部 において 警 察 の 捜 査 に 協 力 するとともに 捜 査 の 進 捗 状 況 を 注 視 された い また 並 行 して 法 的 な 問 題 を 解 決 して 不 足 金 の 全 額 補 てんを 迅 速 に 実 現 されたい その 際 には 合 わせて 市 民 及 び 議 会 へ 十 分 な 説 明 をすべきである 次 に 警 備 体 制 については 市 立 病 院 に 在 籍 していない 職 員 に 対 し 鍵 の 貸 出 しを 安 易 に 行 ったことは 問 題 である また 鍵 の 授 受 簿 に 記 載 がないこともあり 鍵 の 受 け 渡 し 回 数 については 元 職 員 と 警 備 委 託 業 者 で 証 言 が 異 なっており 事 実 関 係 について 不 明 な 点 がある 盗 難 事 件 発 生 後 現 場 監 督 者 と 当 事 者 に 対 し 厳 重 な 注 意 を 行 い 警 備 員 に 対 しては 平 成 23 年 9 月 9 日 から 在 籍 する 事 務 職 員 の 顔 写 真 入 り 名 簿 を 常 備 し 職 員 であることを 確 認 させている また 事 務 室 等 の 鍵 の 貸 出 しに 当 たっては 授 受 簿 に 使 用 者 名 等 を 記 入 するこ とを 徹 底 させるなどの 改 善 報 告 は 受 けているが その 理 由 を 聞 くなどの 徹 底 した 管 理 を 求 め るものである 警 備 委 託 業 者 が 授 受 簿 に 鍵 を 借 り 受 けた 者 の 氏 名 を 記 載 しないで 元 医 事 課 職 員 に 鍵 を 渡 したことは 鍵 の 授 受 簿 に 記 載 と 提 出 を 求 めた 業 務 委 託 仕 様 書 に 違 反 する 行 為 であり その 責 任 は 免 れない また 現 在 の 警 備 委 託 業 者 に 対 しては 平 成 26 年 まで 契 約 期 間 があるが 契 約 違 反 が 明 らかになった 場 合 には 厳 格 な 対 応 が 必 要 である 次 に 医 事 業 務 委 託 については 非 常 に 専 門 的 な 業 務 であり 指 名 競 争 入 札 方 法 を 採 用 し ているが 市 民 サービス 等 様 々な 点 を 考 慮 すると 入 札 方 法 を 見 直 し 例 えばプロポーザル 方 式 のような 業 者 からの 提 案 型 による 業 者 選 択 方 法 も 今 後 検 討 すべきである 次 に 問 題 意 識 については 5 月 に 設 置 されたコンプライアンス 推 進 委 員 会 を 核 とし コ ンプライアンスが 有 する 本 来 の 法 令 社 会 規 範 道 徳 の 遵 守 という 意 味 だけにとどまら ず 市 民 の 期 待 に 応 える 全 力 を 尽 くす 能 動 的 かつ 誠 実 に 職 務 を 行 う ことを 全 庁 的 に 再 認 識 するとともに 推 進 員 である 全 所 属 長 自 らが 推 進 計 画 に 位 置 付 けられた 事 業 の 実 施 状 況 を 常 に 把 握 していくよう 努 めるべきである しかし 市 役 所 が 担 う 業 務 は 年 々 複 雑 化 多 様 化 重 責 化 している 一 方 で 業 務 の 委 託 化 等 に 伴 い 職 員 数 が 削 減 され 一 職 員 にかかる 負 担 は 増 加 傾 向 にある 職 員 の 疲 弊 は 仕 事 の 精 度 に 影 響 するだけでなく 職 場 の 士 気 の 低 下 ひいてはコンプライアンス 意 識 の 低 下 にもつながることから 管 理 監 督 者 は 職 員 一 人 ひとりに 配 慮 しながら 職 場 環 境 を 整 え 十 分 に 業 務 管 理 を 行 っていく 必 要 がある また 市 長 は 職 員 同 士 が 職 場 で 抱 える 悩 みを 互 いに 気 遣 えるような 家 族 と 同 じ 思 いで 接 することの 大 切 さを 述 べたが こうしたことを 含 め 多 忙 な 業 務 の 中 でも 庁 内 での 職 員 間 13

の 意 思 疎 通 が 図 れるような 環 境 づくりにも 努 めるべきである なお 今 回 の 預 り 金 の 盗 難 事 件 により 市 立 病 院 における 現 金 の 取 扱 いや 金 庫 の 管 理 体 制 等 多 くの 問 題 点 が 明 らかとなり 当 然 その 管 理 責 任 が 問 われるものと 考 えている その 上 で 市 民 に 対 しても 十 分 な 説 明 責 任 を 果 たしていかなくてはならない 次 に 情 報 共 有 のあり 方 については 数 々の 問 題 点 が 見 られた 例 えば 水 道 事 業 会 計 で は 現 金 の 取 扱 いを 最 小 限 にとどめ 大 半 は 金 融 機 関 に 入 金 しており 業 務 形 態 が 大 きく 異 な るとはいえ 庁 内 特 に 同 じ 企 業 会 計 により 経 営 する 組 織 同 士 で 情 報 共 有 等 が 行 われていれ ば こうした 事 務 処 理 方 法 を 見 直 す 契 機 となったはずである また 県 内 の 公 立 病 院 で 組 織 する 神 奈 川 県 七 市 公 立 病 院 事 務 協 議 会 ( 医 事 研 究 部 会 )の 意 見 交 換 会 という 場 がありながら 今 回 のような 他 市 の 夜 間 外 来 会 計 の 導 入 及 び 預 り 金 の 廃 止 状 況 が 把 握 できていなかった こうした 各 市 の 情 報 等 は 常 に 問 題 意 識 を 持 っていれば 逐 次 入 手 することは 可 能 であり 病 院 職 員 は 他 市 との 情 報 交 換 などの 機 会 をとらえ 患 者 サー ビスの 向 上 につながるよう 改 善 に 努 めていくべきである さらに 医 事 業 務 の 委 託 業 者 への 対 応 であるが 委 託 職 員 は 金 庫 に 保 管 されている 預 り 金 の 出 し 入 れを 直 接 行 っていないとはいえ 預 り 証 の 欠 番 の 多 さ 等 を 見 ても 正 確 かつ 適 切 な 事 務 が 執 行 されていたとは 言 いがたい 今 回 の 盗 難 事 件 を 始 め 預 り 金 制 度 の 実 態 と 問 題 点 改 善 に 至 った 経 緯 等 について 委 託 請 負 業 者 の 責 任 者 だけでなく 窓 口 で 直 接 勤 務 する 委 託 職 員 へ 詳 細 に 説 明 するとともに 預 り 金 に 限 らず 現 金 を 取 り 扱 う 窓 口 において 職 務 に 従 事 する 職 員 としての 意 識 付 けを 市 側 がより 積 極 的 に 働 きかけるべきであった 職 場 では 定 期 的 な 人 事 異 動 委 託 業 者 の 変 更 等 により 一 時 的 に 事 務 の 効 率 や 精 度 等 が 低 下 する 場 合 がある そうした 状 況 をできるだけ 回 避 するためにも 引 継 ぎ 等 には 十 分 に 時 間 をかけるとともに 異 動 変 更 直 後 は 仕 事 のフォローアップができる 体 制 を 整 え さらに 委 託 職 員 に 対 しても 職 場 で 共 有 すべき 情 報 は 適 時 適 切 に 提 供 できるようにすべきである 次 に チェック 体 制 については 平 成 18 年 度 に 医 事 業 務 を 民 間 への 業 務 委 託 を 拡 大 した とき また 平 成 22 年 に 宿 日 直 手 当 等 過 払 い 問 題 が 生 じ 市 立 病 院 宿 日 直 等 手 当 支 給 事 務 適 正 化 検 討 委 員 会 を 立 ち 上 げたときなどに その 対 象 となっている 事 務 だけではなく 病 院 全 体 の 事 務 の 点 検 や 見 直 しを 行 うべきであった 預 り 金 のあり 方 の 検 討 だけでは 対 症 療 法 的 な 措 置 にとどまってしまうと 思 われるので 市 立 病 院 全 体 の 本 質 的 な 問 題 に 対 する 解 決 方 法 を 検 討 しなければならない チェック 体 制 の 強 化 として 組 織 体 質 業 務 フロー 業 務 チェック 能 力 等 を 根 本 から 見 直 し 組 織 の 業 務 の 適 正 を 確 保 するための 体 制 を 構 築 していくシステム( 内 部 統 制 )の 立 ち 上 げや 専 門 家 による 外 部 監 査 ( 外 部 の 目 )の 導 入 を 検 討 すべきである 14

いかなる 企 業 や 組 織 においても 誤 りや 犯 罪 は 起 こり 得 る しかし 重 要 なのは その 起 こり 得 る 事 案 をいかに 未 然 に 防 ぐか そうした 環 境 を 整 えることである 万 一 こうした 事 案 が 発 生 した 場 合 に どのように 行 動 し 解 決 していくかということが 組 織 の 危 機 管 理 体 制 である 預 り 金 における 今 後 の 対 応 策 病 院 の 管 理 体 制 の 改 善 及 び 責 任 の 明 確 化 について は 迅 速 果 断 かつ 適 正 に 処 理 していかなければならない 6 調 査 を 終 えて 本 委 員 会 は 本 市 職 員 の 現 金 窃 盗 事 件 を 発 端 として 市 立 病 院 における 預 り 金 に 関 する 事 項 を 調 査 するため 平 成 23 年 11 月 10 日 に 設 置 され これまで9 回 にわたる 委 員 会 活 動 の 中 で 預 り 金 の 実 態 解 明 に 向 けて 議 会 の 責 務 として 詳 細 な 調 査 を 重 ねてきたものである 調 査 結 果 と 改 善 意 見 については これまで 述 べてきたとおりであるが 今 回 の 事 件 が 警 察 の 捜 査 中 であることや 預 り 金 に 関 する 記 録 の 管 理 等 が 不 十 分 である 中 可 能 な 限 りの 調 査 を 行 ってきた そして これまでの 調 査 の 結 果 から ずさんな 公 金 の 取 り 扱 いや 管 理 職 員 の 問 題 意 識 の 希 薄 さ 脆 弱 な 危 機 管 理 体 制 が 事 件 を 招 いたことが 明 白 となり 今 回 の 窃 盗 事 件 により 市 民 の 信 頼 を 損 ねることになったことは 誠 に 遺 憾 である 執 行 部 においては 今 後 二 度 とこのようなことが 起 こらないよう 猛 省 し 再 発 防 止 に 向 け て 本 委 員 会 の 改 善 意 見 を 迅 速 かつ 着 実 に 実 施 されるとともに 市 民 及 び 議 会 へ 適 確 に 報 告 す るなど 市 民 の 信 頼 回 復 に 向 けて 万 全 を 期 すことを 強 く 求 めるものである 本 報 告 をもって 本 委 員 会 に 付 託 された 調 査 については 終 結 するが 本 件 に 対 して 議 会 としての 監 視 機 能 を 果 たすことができなかったことについて 反 省 するとともに 今 後 本 議 会 としても 行 政 の 活 動 を 市 民 の 立 場 から 監 視 する 責 務 を 果 たすため 監 視 機 能 をなお 一 層 強 化 していく 所 存 である 15