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Transcription:

第 8 回 西 海 防 セミナー 海 が 守 る 海 を 守 る ( 海 洋 権 益 を 考 える) 講 師 : 財 団 法 人 海 上 保 安 協 会 理 事 長 石 橋 幹 夫 日 時 : 平 成 23 年 8 月 30 日 ( 火 ) 場 所 :リーガロイヤルホテル 小 倉 ただいまご 紹 介 に 与 り ました 石 橋 でございます 本 日 は 皆 様 既 にご 存 じのことばかりではと 思 いますが 日 本 の 海 洋 権 益 を 巡 る 幾 つかの 特 徴 的 な 動 きを 紹 介 させていただ きます 皆 様 に 改 めて 問 題 点 を 想 起 していただき 将 来 の 海 洋 戦 略 について 一 考 し ていただければと 思 って おります 1. 現 在 地 球 表 面 積 の7 割 を 占 める 海 洋 の 在 り 方 は1982 年 第 3 次 国 際 連 合 海 洋 法 会 議 で 作 成 国 連 総 会 で 採 択 され 1994 年 に 発 効 した 世 界 の 海 の 憲 法 といわれる 海 洋 法 に 関 する 国 際 連 合 条 約 United Nations Convention on the Law of the Sea によっています この 条 約 日 本 は1983 年 に 署 名 1996 年 7 月 に 批 准 し 発 効 しています 国 連 海 洋 法 条 約 の 基 本 思 想 は 海 は 全 人 類 のも のであり 国 家 は 海 洋 に 関 して 人 類 に 対 する 義 務 を

有 する というもので 12 海 里 の 領 海 国 際 海 峡 200 海 里 の 排 他 的 経 済 水 域 その 外 側 の 公 海 を 規 定 し 大 陸 棚 の 限 界 深 海 底 海 洋 環 境 の 保 護 海 洋 の 科 学 的 調 査 紛 争 に 係 る 手 続 きも 含 む 包 括 的 内 容 となっ ています この 国 連 海 洋 法 条 約 により 海 洋 の 在 り 方 は それまでの 海 洋 自 由 の 原 則 から 海 洋 の 管 理 へと 大 きく 変 化 しました 日 本 では この 条 約 発 効 に 対 応 するため ここに 記 載 してある 法 律 をはじめ 多 数 の 関 連 立 法 法 律 改 正 が 行 われました この 内 領 海 及 び 接 続 水 域 に 関 する 法 律 ですが 領 海 法 の 改 正 という 形 となっています 領 海 については 世 界 の 趨 勢 に 合 わせる ということで 海 洋 法 条 約 が 発 効 する17 年 前 の1977 年 に 条 約 を 先 取 りする 形 で それまでの 領 海 3 海 里 を 領 海 12 海 里 とする 領 海 法 を 定 めていたこと によります 2. 領 海 接 続 水 域 等 の 概 念 海 洋 権 益 に 関 わる 基 本 となる 領 海 排 他 的 経 済 水 域 (EEZ) 等 の 概 念 を 確 認 しておきたいと 思 い ます 領 海 排 他 的 経 済 水 域 (EEZ) 等 の 幅 を 測 定 する 根 拠 となるもの を 基 線 といいます 基 線 の 引 き 方 にはいくつかの 例 外 がありますが 基 本 的 には 2 種 類 あります 通 常 の 基 線 と もう 一 つは 直 線 基 線 というも のです

通 常 の 基 線 (normal baseline) は 沿 岸 国 が 公 認 する 大 縮 尺 海 図 に 記 載 されてい る 海 岸 の 低 潮 線 とされています ちなみに 海 岸 線 ですが 略 最 高 高 潮 面 を 海 岸 線 と 言 っています もう 一 つの 直 線 基 線 (straight baseline) は もし 海 岸 線 が 著 しく 曲 折 している か または 海 岸 に 沿 って 至 近 距 離 に 一 連 の 島 がある 場 所 には 適 当 な 地 点 を 結 ぶ 直 線 を 基 線 とすることができるということとされていて 日 本 でも 15の 海 域 で 合 計 162 本 の 直 線 基 線 を 採 用 しています 中 国 韓 国 は 一 部 これを 認 めない すなわち 領 海 の 一 部 を 認 めないという 態 度 をとっていま す 内 水 領 海 の 基 線 の 陸 地 側 の 水 域 を 内 水 といい 沿 岸 国 の 主 権 が 及 びます 領 海 領 海 の 基 線 からその 外 側 12 海 里 ( 約 22km)の 線 まで の 水 域 です 沿 岸 国 の 主 権 は その 領 土 及 び 内 水 に 接 続 する 水 域 で 領 海 に 及 び また 領 海 の 上 空 並 びに 領 海 の 海 底 及 びその 下 にも 及 びます 但 し 外 国 船 舶 は 領 海 における 無 害 通 航 権 を 有 します 接 続 水 域 領 海 の 基 線 からその 外 側 24 海 里 ( 約 44km)の 線 までの 水 域 で 領 海 は 除 かれます 沿 岸 国 が 領 土 領 海 の 通 関 上 財 政 上 出 入 国 管 理 上 衛 生 上 の 法 令 違 反 の 防 止 及 び 違 反 処 罰 のために 必 要 な 規 制 をすることが 認 められた 水 域 です 排 他 的 経 済 水 域 Exclusive Economic Zone EEZは 領 海 の 基 線 からその 外 側 200 海 里 ( 約 370km)の 線 までの 領 海 は 除 き 接 続 水 域 を 含 む 水 域 並 びにその 海 底 及 びその 下 です 排 他 的 経 済 水 域 においては 1. 天 然 資 源 の 開 発 等 に 係 る 主 権 的 権 利 2. 人 工 島 設 備 構 築 物 の 設 置 及 び 利 用 に 係 る 管 轄 権 3. 海 洋 の 科 学 的 調 査 に 係 る 管 轄 権 4. 海 洋 環 境 の 保 護 及 び 保 全 に 係 る 管 轄 権 という4つの 権 利 が 認 められています

公 海 いずれの 国 の 排 他 的 経 済 水 域 領 海 若 しくは 内 水 又 はいずれの 群 島 国 の 群 島 水 域 にも 含 まれない 海 洋 のすべての 部 分 です 大 陸 棚 原 則 として 領 海 の 基 線 からその 外 側 200 海 里 ( 約 370km)の 線 までの 領 海 を 除 く 水 域 の 海 底 及 びその 下 です 大 陸 棚 においては 1. 天 然 資 源 の 開 発 等 に 係 る 主 権 的 権 利 2. 人 工 島 設 備 構 築 物 の 設 置 及 び 利 用 に 係 る 管 轄 権 という2つの 権 利 が 認 められています 大 陸 棚 は 原 則 として 領 海 の 基 線 から200 海 里 までですが 地 理 的 条 件 等 によっ ては 国 連 海 洋 法 条 約 の 規 定 に 従 い 延 長 することが 出 来 ます 深 海 底 人 類 共 同 の 財 産 とされ 沿 岸 国 の 主 権 主 権 的 権 利 は 及 びません 3. 我 が 国 の 領 海 等 四 方 を 海 に 囲 まれた6 千 8 百 余 りの 島 嶼 からなる 我 が 国 日 本 は 領 海 : 約 43 万 平 方 キロメー トル 排 他 的 経 済 水 域 : 約 405 万 平 方 キロメートル 両 方 を 合 わせた 水 域 面 積 が 約 447 万 平 方 キロメートル 実 に 国 土 面 積 38 万 平 方 キロ メートルの 約 12 倍 という 広 大 な 水 域 を 有 しております これは アメリカ オーストラリア インドネシア ニュージーランド カナダ に 次 ぐ 世 界 第 6 位 の 広 大 な 水 域 となっています 4. 大 陸 棚 の 延 長 先 ほど 述 べましたように 1. 天 然 資 源 の 開 発 等 に 係 る 主 権 的 権 利 2. 人 工 島 設 備 構 築 物 の 設 置 及 び 利 用 に 係 る 管 轄 権 が 認 められる 大 陸 棚 ですが 地 形 地 質 的 に 領 土 の 延 長 である 場 合 には 200 海 里 を 超 えて 大 陸 棚 を 設 定 することが 可 能 とされています この 設 定 のためには 2009 年 5 月 までに 国 連 の 大 陸 棚 の 限 界 に 関 する 委 員 会 に 地 形 地 質 データ 等 を 含 む 大 陸 棚 の 限 界 に 関 する 情 報 を 提 出 し 審 査 を 受 ける

ことが 必 要 となっていました 日 本 は2008 年 6 月 までに 審 査 に 必 要 な 大 陸 棚 調 査 を 終 え 1 茂 木 海 山 海 域 2 四 国 海 盆 海 域 3 小 笠 原 海 台 海 域 +4 南 鳥 島 海 域 5 沖 大 東 海 嶺 南 方 海 域 6 南 硫 黄 島 海 域 ( 相 対 国 の 大 陸 棚 と 重 複 の 可 能 性 有 り) 7 九 州 パラオ 海 嶺 南 部 海 域 ( 相 対 国 の 大 陸 棚 と 重 複 の 可 能 性 有 り) の 海 域 について 同 年 11 月 に 同 委 員 会 へ 提 出 ( 世 界 で13 番 目 に 申 請 )しています 海 山 深 海 洋 底 から1000メートル 以 上 の 高 さに 隆 起 している 海 中 の 地 形 海 盆 深 海 底 にある 円 形 またはそれに 近 い 形 の 盆 地 状 の 凹 地 海 台 大 洋 底 にある 頂 部 が 比 較 的 平 坦 な 台 地 状 の 地 形 広 さが100 平 方 キロメートル 以 上 あり 周 囲 の 海 底 から200メートル 以 上 隆 起 してい るものをいう 海 嶺 大 洋 底 にある 海 底 山 脈 急 斜 面 をもつ 細 くて 長 い 高 まり 日 本 が 申 請 した200 海 里 を 超 える 大 陸 棚 の 範 囲 が 認 められると 国 土 面 積 の 約 2 倍 に 匹 敵 する74 万 平 方 キロメートルの 大 陸 棚 が 拡 大 することとなります 5. 海 洋 基 本 法 海 洋 政 策 を 一 元 的 総 合 的 に 実 施 し 日 本 の 排 他 的 経 済 水 域 (EEZ)で の 権 益 を 守 ることを 目 的 に 200 7 年 4 月 20 日 に 成 立 し 同 年 7 月 20 日 に 施 行 された 法 律 が 海 洋 基 本 法 です 基 本 法 では 海 洋 政 策 を 一 元 的 に 推 進 するために 内 閣 官 房 に 首 相 を 本 部 長 とする 総 合 海 洋 政 策 本 部 を 設 け 海 洋 政 策 担 当 大 臣 を 新 設 する また 国 が 行 う 基 本 的 施 策 として (1) 海 洋 資 源 開 発 (2)EEZ 開 発 推 進 (3) 海 洋 の 安 全 確 保 (4) 海 洋 調 査 の 推 進 (5) 離 島 の 保 全 など12 項 目 を 挙 げています 基 本 法 に 基 づき 総 合 海 洋 政 策 本 部 で 海 洋 基 本 計 画 が 策 定 (2008.3.18 閣 議 決 定 )され EEZ 内 の 海 洋 権 益 を 守 る 上 で 必 要 な 諸 施 策 が 打 ち 出 されています

海 洋 基 本 法 海 洋 基 本 計 画 に 基 づき 海 岸 線 にあるEEZの 基 準 点 を 保 全 する 新 法 が 制 定 され あるいは 海 洋 エネルギー 鉱 物 資 源 開 発 計 画 ( 資 源 エネルギー 庁 ) 等 が 策 定 されています 6. 海 洋 の 管 理 に 関 する 法 律 海 洋 の 管 理 と 言 っても その 有 り 様 は 広 範 なものでありますけれども ここでは 船 舶 通 航 関 係 海 底 資 源 開 発 関 係 漁 業 関 係 の 主 な 法 律 を 掲 げてあ ります 1 船 舶 通 航 関 係 で 掲 げてあります 領 海 等 における 外 国 船 舶 の 航 行 に 関 する 法 律 については200 8 年 7 月 1 日 に 施 行 された 海 上 保 安 庁 所 管 の 新 しい 法 律 です 2 海 底 資 源 開 発 関 係 の 法 律 のうち 鉱 業 法 は もともと 陸 上 における 鉱 山 開 発 を 管 理 する 法 律 で これを 海 洋 でも 適 用 していくということで 海 洋 という 特 殊 な 環 境 を 考 慮 するという 観 点 からの 検 討 が 行 われて 然 るべきではと 思 っています 3 もう 一 つ 掲 げてあります 海 洋 構 築 物 等 に 係 る 安 全 水 域 の 設 定 等 に 関 する 法 律 この 法 律 は 東 シナ 海 における 中 国 のガス 田 開 発 をにらんで 制 定 された 法 律 で 2007 年 7 月 20 日 に 施 行 されています 同 法 は 日 本 のEEZ 内 の 試 掘 やぐらなどの 周 辺 に 半 径 500メートルの 安 全 水 域 を 設 定 し 許 可 のない 船 舶 の 侵 入 を 禁 じることができる 法 律 です 中 国 のガス 田 開 発 が 進 む 東 シナ 海 で 日 本 企 業 が 試 掘 を 安 全 に 行 う 環 境 を 整 える 狙 いがあるものです 7. 領 海 等 における 外 国 船 舶 の 航 行 に 関 する 法 律 この 法 律 は 我 が 国 の 領 海 及 び 内 水 ( 以 下 領 海 等 という ) における 外 国 船 舶 の 航 行 の 秩 序 を 維 持 するとともにその 不 審 な 行 動 を 抑 止 し 領 海 等 の 安 全 を 確 保 す ることを 目 的 として2008 年 7 月 1 日 に 施 行 されたものです その 主 な 内 容 は 〇 領 海 等 における 外 国 船 舶 の 航 行 方 法 について

1 領 海 等 における 外 国 船 舶 の 航 行 は 継 続 的 かつ 迅 速 に 行 われるものでなければ ならないこととする 2 外 国 船 舶 の 船 長 等 は 当 該 外 国 船 舶 に 次 の 航 行 をさせてはならないこととする イ 領 海 等 においては 荒 天 海 難 その 他 の 危 難 を 避 ける 場 合 等 のやむを 得 ない 理 由 がある 場 合 を 除 き 停 留 びょう 泊 係 留 はいかい 等 を 伴 う 航 行 ロ さらに 内 水 ( 新 内 水 を 除 く )においては 上 記 イのやむを 得 ない 理 由 があ る 場 合 を 除 き 我 が 国 の 港 への 出 入 りを 目 的 としない 航 行 〇 外 国 船 舶 の 通 報 義 務 外 国 船 舶 の 船 長 は 領 海 等 において 当 該 外 国 船 舶 に 停 留 等 をさせる 必 要 がある 場 合 等 は その 理 由 が 明 らかな 場 合 を 除 き あらかじめ その 理 由 等 を 最 寄 りの 海 上 保 安 庁 の 事 務 所 に 通 報 しなければならないこととする 〇 外 国 船 舶 に 対 する 立 入 検 査 及 び 退 去 命 令 海 上 保 安 庁 長 官 は 領 海 等 において 現 に 停 留 等 を 伴 う 航 行 等 を 行 っている 外 国 船 舶 と 思 料 される 船 舶 について この 法 律 の 目 的 を 達 成 するため その 理 由 を 確 かめ る 必 要 があると 認 めるときは 海 上 保 安 官 に 当 該 船 舶 への 立 入 検 査 をさせること ができることとするとともに 立 入 検 査 の 結 果 当 該 船 舶 の 船 長 が 前 記 2に 違 反 し ていると 認 めるときは 当 該 船 長 に 対 し 領 海 等 からの 退 去 を 命 ずることができる こととする それでは この 法 律 は 国 連 海 洋 法 条 約 のどの 規 定 を 受 けたものなのか? 8. 無 害 通 航 権 国 連 海 洋 法 条 約 第 17 条 で すべ ての 国 の 船 舶 は 沿 岸 国 であるか 内 陸 国 であるかを 問 わず この 条 約 に 従 うことを 条 件 として 領 海 におい て 無 害 通 航 権 を 有 する と 規 定 さ れ すべての 国 の 船 舶 に 対 し 領 海 に おける 無 害 通 航 権 が 認 められていま す ここでいう 通 航 とはどうい う 航 行 形 態 をいうのか? 第 18 条 第 1 項 で 通 航 の 意 味 を 規 定 しています 1 通 航 とは 次 のことのために 領 海 を 航 行 することをいう (a) 内 水 に 入 ることなく 又 は 内 水 の 外 にある 停 泊 地 若 しくは 港 湾 施 設 に 立 ち 寄 る ことなく 領 海 を 通 過 すること (b) 内 水 に 向 かって 若 しくは 内 水 から 航 行 すること 又 は(a)の 停 泊 地 若 しくは 港 湾 施 設 に 立 ち 寄 ること

第 2 項 で 通 航 の 方 法 が 規 定 されていて 要 するに 緊 急 避 難 等 の 場 合 を 除 いて 継 続 的 かつ 迅 速 に 行 わなければならない こととされています 領 海 等 における 外 国 船 舶 の 航 行 に 関 する 法 律 は この 規 定 を 受 け 制 定 された ものです 通 航 と 同 じく もう 一 つ 留 意 しておく 必 要 があるのは 無 害 通 航 とは?とい うことです 国 連 海 洋 法 条 約 第 19 条 に 無 害 通 航 の 意 味 という 規 定 があります その 第 1 項 で 通 航 は 沿 岸 国 の 平 和 秩 序 又 は 安 全 を 害 しない 限 り 無 害 とされ る と 規 定 され 第 2 項 で 沿 岸 国 の 平 和 秩 序 又 は 安 全 を 害 するもの の 形 態 を 規 定 しています (a)~(l)の12 形 態 が 規 定 されています このうち 我 が 国 法 律 が 整 備 されて いるものもありますが 未 整 備 なものもあるということで 今 後 法 整 備 の 検 討 が 必 要 ではと 思 っています 次 に 日 本 を 取 り 巻 く 海 洋 情 勢 その 主 なものを 見 てみたいと 思 い ます 9. 領 有 権 問 題 北 方 四 島 竹 島 東 シナ 海 ガス 田 尖 閣 諸 島 等 について 簡 単 に 触 れたいと 思 います 北 方 四 島 第 二 次 大 戦 末 期 の1945 年 8 月 9 日 ソ 連 は 当 時 まだ 有 効 であった 日 ソ 中 立 条 約 に 違 反 して 対 日 参 戦 し 日 本 がポツダム 宣 言 を 受 諾 した 後 の 同 年 8 月 2 8 日 から9 月 5 日 までの 間 に 北 海 道 根 室 半 島 の 沖 合 にある 島 々 択 捉 島 (えとろふと う) 国 後 島 (くなしりとう) 色 丹 島 (しこたんとう) 歯 舞 群 島 (はぼまいぐん とう) 北 方 四 島 のすべてを 占 領 しました 当 時 四 島 にはソ 連 人 は 一 人 もおらず 日 本 人 は 四 島 全 体 で 約 1 万 7 千 人 が 住 んでい たということですが ソ 連 は1946 年 に 四 島 を 一 方 的 に 自 国 領 に 編 入 し 19 49 年 までにすべての 日 本 人 を 強 制 退 去 させました それ 以 降 今 日 に 至 るまでソ 連 ロシアが 実 効 支 配 していて 日 本 が 返 還 を 求 めてい る 領 土 問 題 です その 海 域 は 漁 業 資 源 のみならずエネルギー 鉱 物 資 源 も 豊 富 であるといわれて いて また 北 方 四 島 の 安 全 保 障 上 の 地 政 学 的 な 位 置 づけからも 今 後 益 々 問 題 が 複 雑 化 することが 懸 念 されます

竹 島 竹 島 は 日 本 海 の 南 西 部 にある 島 で 日 本 韓 国 双 方 の 大 陸 棚 とは 繋 がってい ない 孤 島 であり 島 は2つの 小 島 写 真 右 側 の 西 島 左 側 の 東 島 と 呼 ばれる 島 と これを 取 り 囲 む 数 十 の 岩 礁 で 構 成 されています この2つの 主 島 は いずれも 海 面 から 屹 立 した 峻 険 な 火 山 島 で 幅 約 150メー トルの 水 道 を 隔 てて 東 西 に 相 対 しています 面 積 は 全 ての 島 嶼 (とうしょ)を 合 わ せても 約 0.2 平 方 km で 東 京 にある 日 比 谷 公 園 ほどの 大 きさしかありません 竹 島 (たけしま)は 日 本 海 の 南 西 部 にある 島 で 1905 年 1 月 28 日 時 の 明 治 政 府 は 竹 島 を 島 根 県 に 編 入 する 旨 閣 議 決 定 し 国 際 法 的 にも 日 本 の 領 土 になり 島 根 県 隠 岐 郡 隠 岐 の 島 町 に 属 していて 隠 岐 島 からは 北 西 約 157Km 韓 国 の 鬱 陵 島 (うつりょうとう)からは 約 92Km の 位 置 に 在 ります しかし 日 本 の 第 二 次 大 戦 敗 戦 後 GHQ(General Headquarters) 連 合 国 軍 最 高 司 令 官 総 司 令 部 は 竹 島 を 沖 縄 や 小 笠 原 諸 島 と 同 様 に 日 本 の 行 政 権 から 外 しました これを 口 実 に1952 年 1 月 18 日 李 承 晩 (イ スンマン) 韓 国 初 代 大 統 領 が 竹 島 は 自 国 の 支 配 下 にあると 一 方 的 に 宣 言 し 占 領 すると 同 時 に 近 海 を 含 む 李 承 晩 ラ インを 設 定 しました 1965 年 6 月 22 日 の 日 韓 基 本 条 約 締 結 までに 韓 国 により この 李 承 晩 ライン を 越 えたことを 理 由 として 日 本 漁 船 328 隻 が 拿 捕 され 日 本 人 44 人 が 殺 傷 され 3,929 人 が 抑 留 された 海 上 保 安 庁 巡 視 船 への 銃 撃 等 の 事 件 は15 件 におよび 16 隻 が 攻 撃 されています 現 在 も 韓 国 側 が 警 備 隊 を 常 駐 させる 等 武 力 によって 占 有 し 施 設 整 備 を 行 い 実 効 支 配 を 強 めているため 日 本 との 間 で 問 題 が 起 きています 日 韓 漁 業 協 定 漁 業 関 係 では 旧 日 韓 漁 業 協 定 が1965 年 に 日 本 と 韓 国 との 国 交 樹 立 と 同 時 に 締 結 されました この 協 定 は 漁 業 の 発 展 のために 相 互 に 協 力 とい うのが 目 的 であり 沿 岸 から12 海 里 内 は 沿 岸 の 国 が 排 他 的 管 轄 権 を 持 つ な どが 明 記 されていました 1998 年 11 月 28 日 に 新 協 定 漁 業 に 関 する 日 本 国 と 大 韓 民 国 との 間 の 協 定 の 署 名 が 行 われ 1999 年 1 月 22 日 新 協 定 および 関 連 する 国 内 法 が 発 効 して います 新 協 定 では 竹 島 問 題 については 棚 上 げされ 竹 島 がないものとした 両 国 の 中 間 線 を 基 準 に 排 他 的 経 済 水 域 内 に 暫 定 水 域 を 設 定 この 海 域 において 双 方 の 漁 獲 が 制 限 付 きで 認 められています この 暫 定 水 域 は 日 本 が 大 幅 に 譲 歩 した 水 域 になっていると 日 本 側 は 主 張 していま すが 竹 島 の 領 海 や 暫 定 水 域 の 韓 国 寄 り 海 域 では 韓 国 軍 海 洋 警 察 庁 が 監 視 を 続 け ているため 日 本 漁 船 等 は 近 づきがたい 状 況 になっています 東 シナ 海 中 国 の 油 ガス 田 開 発 中 国 側 の 調 査 で 白 樺 ( 中 国 名 : 春 暁 ) 楠 ( 中 国 名 : 断 橋 ) 樫 ( 中 国 名 : 天 外 天 ) 平 湖 桔 梗 ( 中 国 名 : 冷 泉 ) 翌 檜 アスナロ( 中 国 名 : 龍 井 )の6ガス 田 が 確 認 されています

この 内 白 樺 ( 中 国 名 : 春 暁 ) 楠 ( 中 国 名 : 断 橋 )においてはその 埋 蔵 地 域 が 日 中 中 間 線 の 日 本 側 海 域 に 掛 かっているため 両 国 間 の 問 題 になっているほか 日 本 政 府 は 樫 ( 中 国 名 : 天 外 天 ) 翌 檜 アスナロ( 中 国 名 : 龍 井 )についても 資 源 が 中 間 線 を 越 えて 広 がっている 可 能 性 を 指 摘 しています 東 シナ 海 では 日 中 のEEZが 画 定 していません 日 本 は 日 中 両 岸 からの 中 間 線 を 主 張 し 中 国 はそれより 東 の 沖 縄 トラフ( 舟 状 海 盆 )までとしています このようなEEZ 画 定 で 争 いがある 場 合 国 連 海 洋 法 条 約 第 83 条 では 向 か い 合 っているか 又 は 隣 接 している 海 岸 を 有 する 国 の 間 における 大 陸 棚 の 境 界 画 定 は 公 平 な 解 決 を 達 成 するために 国 際 司 法 裁 判 所 規 程 第 38 条 に 規 定 する 国 際 法 に 基 づいて 合 意 により 行 う と 規 定 されていますが 具 体 的 な 規 定 境 界 画 定 の 内 容 を 定 めている 条 約 はないので 裁 判 判 例 や 学 説 等 を 睨 みつつ 国 際 慣 習 法 上 どうなって いるかということを 確 認 する 必 要 があります 他 方 国 連 海 洋 法 約 第 298 条 の 規 定 等 により 国 際 司 法 裁 判 所 の 手 続 きを 受 け 入 れないことを 書 面 によって 宣 言 することが 出 来 る ということで 中 国 は20 06 年 8 月 25 日 に 国 連 海 洋 法 条 約 上 の 裁 判 手 続 きを 受 け 入 れないと 宣 言 してい ます 中 国 は 経 済 成 長 により 電 力 需 要 が 逼 迫 していることから この 海 域 の 資 源 開 発 研 究 を30 年 以 上 前 から 続 けており 1999 年 に 平 湖 ガス 田 ( 全 体 が 日 中 中 間 線 よ り 中 国 側 にあるガス 田 )で 天 然 ガスの 生 産 を 開 始 し 白 樺 ( 春 暁 ) 樫 ( 天 外 天 ) 両 ガス 田 でも 日 本 の 抗 議 にもかかわらず 採 掘 施 設 の 建 設 を 進 め 2005 年 9 月 下 旬 には 日 中 中 間 線 から4キロメートルの 位 置 で 樫 ( 天 外 天 )ガス 田 の 生 産 を 開 始 しています 白 樺 ( 春 暁 )の 採 掘 施 設 は 中 間 線 から1.5キロメートルしか 離 れ ていません 日 本 は 経 済 産 業 省 が 中 国 に 対 抗 し 民 間 開 発 業 者 への 試 掘 権 付 与 手 続 きを 行 うなど してはいますが この 問 題 における 出 遅 れや 対 応 の 遅 さが 指 摘 されているのが 現 状 です また 東 シナ 海 のガス 田 問 題 で 日 中 両 政 府 が2008 年 6 月 に 共 同 開 発 を 協 議 するということで 一 応 合 意 しましたが その 直 後 中 国 が 継 続 協 議 の 対 象 となり 現 状 を 維 持 すべき 樫 (かし)( 中 国 名 天 外 天 ) で 新 たに 掘 削 を 行 っていたこと が 判 明 明 確 な 合 意 違 反 で 日 本 側 は 抗 議 しましたが 中 国 側 は 樫 での 掘 削 を 終 え 生 産 段 階 に 入 った 可 能 性 が 高 いと 言 われています 主 権 と 権 益 確 保 に 向 け 日 本 政 府 が 対 処 方 針 の 見 直 しを 迫 られるのは 必 至 の 情 勢 となっています

尖 閣 諸 島 尖 閣 諸 島 は 沖 縄 県 八 重 山 列 島 石 垣 島 の 北 北 西 約 170km 台 湾 の 東 北 東 約 170Km に 位 置 し 魚 釣 島 北 小 島 南 小 島 久 場 島 大 正 島 の5 島 と 沖 の 北 岩 沖 の 南 岩 飛 瀬 岩 の3つの 岩 礁 からな る 島 々の 総 称 です その 総 面 積 は 約 6.3km2 で 富 士 五 湖 の 一 つ 山 中 湖 を 少 し 小 さくしたくらいの 面 積 そのうち 一 番 大 き い 島 は 魚 釣 島 で 面 積 約 3.8km2 周 囲 約 12kmあります 最 も 高 いところは 海 抜 362m 他 の 島 と 違 い 飲 料 水 を 確 保 する 事 が 出 来 ます 尖 閣 諸 島 は 1885 年 以 降 政 府 が 沖 縄 県 当 局 を 通 ずる 等 の 方 法 により 再 三 にわ たり 現 地 調 査 を 行 ない 単 にこれが 無 人 島 であるのみならず 清 国 の 支 配 が 及 んで いる 痕 跡 がないことを 慎 重 確 認 の 上 1895 年 1 月 14 日 に 現 地 に 標 杭 を 建 設 す る 旨 の 閣 議 決 定 を 行 って 正 式 にわが 国 の 領 土 に 編 入 しました 同 諸 島 は 爾 来 歴 史 的 に 一 貫 してわが 国 の 領 土 たる 南 西 諸 島 の 一 部 を 構 成 してお り 1895 年 5 月 発 効 の 下 関 条 約 第 2 条 に 基 づきわが 国 が 清 国 より 割 譲 を 受 けた 台 湾 及 び 澎 湖 諸 島 には 含 まれていません その 後 日 本 人 が 入 植 し アホウドリの 羽 毛 の 採 取 や 海 鳥 の 剥 製 の 製 作 そして 鰹 節 の 製 造 などが 行 われた 特 に 鰹 節 の 製 造 は 島 の 基 幹 産 業 となり 最 盛 期 同 島 に は99 戸 248 人 もの 日 本 人 が 暮 らしていたそうです その 後 鰹 節 工 場 は 閉 鎖 され1940 年 から 無 人 島 となっています 中 華 人 民 共 和 国 政 府 の 場 合 も 台 湾 当 局 の 場 合 も1970 年 後 半 東 シナ 海 大 陸 棚 の 石 油 開 発 の 動 きが 表 面 化 するに 及 びはじめて 尖 閣 諸 島 の 領 有 権 を 問 題 とするに 至 り ます 1968 年 の 海 底 調 査 の 結 果 東 シナ 海 の 大 陸 棚 に 石 油 資 源 が 埋 蔵 されている 可 能 性 があることが 指 摘 され 1969 年 および1970 年 に 国 連 が 行 った 海 洋 調 査 では 推 定 1,095 億 バレル イラクの 埋 蔵 量 に 匹 敵 する 大 量 の 石 油 埋 蔵 量 の 可 能 性 が 報 告 されました 結 果 周 辺 海 域 に 豊 富 な 天 然 資 源 があることがほぼ 確 実 であると 判 明 すると 中 華 人 民 共 和 国 政 府 台 湾 当 局 が 領 有 権 を 問 題 とするに 至 り 台 湾 はただちにアメリ カ 合 衆 国 のガルフ 社 に 周 辺 海 域 の 石 油 採 掘 権 を 与 える 等 しています 見 過 ごせないのは 中 国 の 共 産 党 一 党 支 配 下 での 戦 略 性 です 改 革 開 放 を 本 格 化

させた1980 年 代 以 降 尖 閣 諸 島 等 を 領 土 と 定 める 領 海 法 (92 年 )や 環 境 保 護 を 名 目 に 無 人 島 を 国 有 化 する 海 島 保 護 法 (10 年 ) 等 を 次 々と 整 備 自 らの 正 当 性 を 主 張 する 体 制 を 体 裁 を 整 えながら また 実 働 勢 力 を 整 えながら 既 成 事 実 を 積 み 上 げているということで 日 本 は これに 毅 然 とした 対 応 をとっていく 必 要 があり ます 日 中 漁 業 協 定 先 般 中 国 漁 船 が 巡 視 船 に 故 意 に 衝 突 させるという 事 件 が 発 生 しまし たが 東 シナ 海 における 日 中 間 の 漁 業 関 係 はどのようになっているのか 日 中 間 では2000 年 6 月 に 発 効 した 漁 業 に 関 する 日 本 国 と 中 華 人 民 共 和 国 と の 間 の 協 定 いわゆる 日 中 漁 業 協 定 によって 特 別 な 枠 組 みが 定 められています 東 シナ 海 のほぼ 中 央 部 に 広 大 な 暫 定 措 置 水 域 が 設 けられ 日 中 間 で 資 源 管 理 を 行 い 取 締 りはそれぞれの 国 が 自 国 の 漁 船 を 対 象 に 行 うこととされています その 南 側 北 緯 27 度 以 南 東 シナ 海 境 界 線 東 経 125 度 30 分 以 西 の 海 域 は 27 度 以 南 水 域 と 呼 ばれ 既 存 の 漁 業 秩 序 が 維 持 されることとされています さらに 協 定 では 特 段 の 定 めがなされていませんが 閣 僚 協 議 合 意 で 暫 定 措 置 水 域 の 北 部 に 中 間 水 域 が 設 けられ この 水 域 では 日 中 双 方 が 相 手 国 の 許 可 証 を 取 得 せずに 操 業 ができることとされています 尖 閣 諸 島 周 辺 海 域 は 27 度 以 南 水 域 に 属 することとなり 周 辺 のEEZでは 日 中 双 方 が 各 々の 国 内 法 に 基 づき 自 国 の 漁 船 の 取 締 りを 行 うこととされています 従 って 尖 閣 諸 島 周 辺 の 我 が 国 EEZでは 我 が 国 EEZ 漁 業 法 ( 排 他 的 経 済 水 域 における 漁 業 等 に 関 する 主 権 的 権 利 の 行 使 に 関 する 法 律 (H8)) の 適 用 はな く あくまでも 領 海 内 における 活 動 に 対 してのみ 外 国 人 漁 業 の 規 制 に 関 する 法 律 などの 国 内 法 が 適 用 されることとなります 台 湾 との 関 係 台 湾 は 日 本 との 間 で 漁 業 民 間 協 定 の 締 結 を 望 んでいますが 種 々の 問 題 があり 進 展 していません 現 在 台 湾 は 独 自 に 暫 定 執 法 線 という 線 引 きをしています その 水 域 には 尖 閣 諸 島 も 含 まれていて その 水 域 内 での 台 湾 の 漁 業 を 管 理 するとし 尖 閣 諸 島 我 が 国 領 海 内 まで 台 湾 海 岸 巡 防 署 = 台 湾 C.Gの 巡 視 船 が 侵 出 してきています 沖 の 鳥 島 沖 ノ 鳥 島 (おきのとりしま) は 九 州 パラオ 海 嶺 に 位 置 する 太 平 洋 上 に 浮 かぶ 日 本 最 南 端 の 島 (サンゴ 礁 )で 南 北 約 1.7km 東 西 約 4.5km 周 囲 約 11 km ほどの コメ 粒 形 をしたサンゴ 礁 の 島 です 干 潮 時 には 環 礁 の 大 部 分 が 海 面 上 に 姿 を 現 しますが 満 潮 時 に 沈 まないのは 東 小 島 北 小 島 と 呼 ばれる2つの 露 岩

で 大 部 分 は 海 面 下 となります 沖 ノ 鳥 島 の 法 的 地 位 については 古 くから 論 争 があり 日 本 政 府 は 沖 ノ 鳥 島 を 中 心 とする 排 他 的 経 済 水 域 (EEZ) を 設 定 することを 国 際 連 合 に 届 け 出 て 以 降 国 際 社 会 から 島 と 認 められているとしています 一 方 近 年 では 中 国 台 湾 韓 国 より 日 本 の 主 張 に 対 する 異 議 が 申 し 立 てられて います 特 に 中 国 は 今 年 2011 年 6 月 にニューヨークで 開 催 された 国 連 の 海 洋 法 条 約 に 関 する 会 合 で 日 本 に 広 大 なEEZをもたらす 沖 の 鳥 島 を 海 上 に 出 た 岩 にすぎ ない と 主 張 EEZや 大 陸 棚 の 基 点 にはならないと 力 説 しています 10. 次 に 日 本 の 外 航 海 運 に 係 るシーレーンの 問 題 を 紹 介 したいと 思 います 日 本 の 海 上 貿 易 我 が 国 の 輸 出 入 を 合 わせた 貿 易 量 (2009 年 )は 年 間 8 億 ト ン 以 上 この 内 99.7%を 船 舶 で 残 りを 航 空 機 が 運 んでいます 全 世 界 の 海 上 貿 易 量 が 約 53 億 トンですから 日 本 1 カ 国 だけで 世 界 の 貿 易 量 の 約 6 分 の1 を 占 めていることになります 日 本 の 外 航 商 船 は1,896 隻 7,053 万 6 千 総 トンで このうち 日 本 の 外 航 海 運 会 社 が 所 有 して 運 航 する 船 ( 日 本 籍 船 )は99 隻 756 万 9 千 総 トン 外 国 の 船 主 から 船 を 借 りて 運 航 する 外 国 用 船 は1,797 隻 6,296 万 7 千 総 トンで す ということで 我 が 国 にとってシーレーンの 安 全 確 保 が 大 きな 課 題 となります 11. 海 賊 問 題 シーレーンの 安 全 確 保 上 の 問 題 の 一 つが 海 賊 です マラッカ 海 峡 の 海 賊 マラッカ 海 峡 は マレーシア インドネシア シンガポー ルの3 国 に 面 した 長 さ 約 900キロメートル 幅 は 約 70km~250km 平 均 水 深 は 約 25m で 岩 礁 や 浅 瀬 が 多 い 海 峡 で このため 大 型 船 舶 の 可 航 幅 が 数 km の 場 所 もあります この 長 く 狭 い 海 峡 を 通 過 する 船 は 年 間 9 万 隻 にも 上 っていて 中 東 から 東 アジ アへの 石 油 輸 送 ルートとして 重 要 で 日 本 の 輸 入 原 油 の8 割 が 通 過 しています 仮 にインドネシアにあるロンボック 海 峡 を 利 用 すると 1 隻 あたり3 日 程 余 計 に 要 して3,000 万 円 の 負 担 となると 言 われています 国 土 交 通 省 の 海 賊 行 為 に 関 する 調 査 結 果 によればインドネシア 周 辺 海 域 を 中 心 とした 海 域 での 発 生 が 多 く(2003 年 に12 件 ) 2005 年 3 月 には 日 本 船 籍 のタグボート 韋 駄 天 がマレーシア 付 近 のマラッカ 海 峡 で 襲 撃 を 受 け 船 長 を 含 む3 名 が 人 質 に 取 られるという 事 件 も 発 生 しています これに 対 し 日 本 は 東 南 アジア 各 国 へ 海 上 警 察 組 織 の 立 ち 上 げを 支 援 し 海 上 保 安

庁 との 合 同 訓 練 等 を 行 っています また 小 泉 首 相 が 提 言 し 2004 年 11 月 に 採 択 された( 但 し マレーシア インドネシアは 締 結 せず) 海 賊 対 策 地 域 協 力 協 定 により 海 賊 情 報 共 有 センターが 設 立 され 初 代 事 務 局 長 に 日 本 人 が 選 出 されるなど 日 本 が 深 く 関 わった 対 策 が 進 められています ソマリア 海 賊 ソマリア 沖 アデン 湾 は 年 間 約 2 万 隻 (うち 約 2 千 隻 が 日 本 関 係 船 舶 )が 通 航 する 欧 州 や 中 東 と 東 アジアを 結 ぶ 海 上 輸 送 路 の 要 衝 で 2005 年 ご ろから 海 賊 に 乗 り 出 す 組 織 はあったが 2007 年 以 降 海 賊 行 為 の 成 功 率 の 高 さと 身 代 金 の 高 さに 目 をつけた 漁 民 らが 組 織 的 に 海 賊 行 為 を 行 うようになり 地 方 軍 閥 までが 海 賊 行 為 に 参 入 し 海 賊 たちから 利 益 を 吸 収 しているのが 実 情 のようです 2010 年 には ソマリア 沖 の139 件 アデン 湾 での53 件 を 含 む445 件 の 海 賊 事 案 が 発 生 1,181 人 の 船 員 を 人 質 に 取 り その 内 8 人 が 殺 されています 更 に 厄 介 なことは 海 賊 の 行 動 範 囲 が 拡 大 し 南 はモザンビーク 海 峡 東 はイン ド 洋 の 東 経 72 度 までに 達 しており 各 国 はその 抑 止 に 腐 心 し 苦 戦 しているのが 実 情 です 12. 我 が 国 の 海 賊 対 策 海 洋 においては 公 海 自 由 の 原 則 という 大 原 則 があり 公 海 にある 船 舶 は 旗 国 の 排 他 的 管 轄 権 に 服 することになっていま す にもかかわらず 海 賊 行 為 は 人 類 一 般 の 敵 とみなされ 国 連 海 洋 法 条 約 では 旗 国 のみ ならずどの 国 の 軍 艦 あるいは 巡 視 船 等 によっても 拿 捕 あるいは 逮 捕 等 を 行 うことができること となっています 我 が 国 においては 海 上 にお ける 人 命 財 産 の 保 護 治 安 の 維 持 について 一 義 的 責 務 を 有 す る 海 上 保 安 庁 の 任 務 ということ で 2009 年 7 月 24 日 に 施 行 された 海 賊 行 為 の 処 罰 及 び 海 賊 行 為 への 対 処 に 関 する 法 律 においても 海 賊 行 為 へ の 対 処 は 海 上 保 安 庁 がこれに 必 要 な 措 置 を 実 施 するものとす る と 規 定 されています

それ 故 に 海 上 保 安 庁 の 担 う 責 務 は 重 大 であり 今 後 も 海 賊 対 策 に 係 る 種 々の 課 題 に 国 内 外 関 係 機 関 と 協 調 しつつ 取 り 組 んでいく 必 要 があります 13. 南 シナ 海 問 題 最 近 俄 に 問 題 となっているのが 南 シナ 海 にあるスプラトリー( 南 沙 )とパラセル( 西 沙 )という 二 つの 諸 島 の 領 有 権 問 題 です 特 に 南 沙 諸 島 はフィリピン ベトナム マレーシア ブルネイ 中 国 台 湾 が20 年 以 上 前 からそれぞれ 領 有 権 を 主 張 していて 1988 年 3 月 に 中 国 とベトナムの 艦 船 が 南 沙 諸 島 周 辺 海 域 で 武 力 衝 突 を 起 こしています 2002 年 11 月 中 国 東 南 アジア 諸 国 連 合 (ASEAN) 首 脳 会 談 で 領 有 権 争 いの 平 和 的 解 決 を 目 指 し 武 力 や 威 圧 に 訴 えず 国 際 法 や 航 行 の 自 由 の 尊 重 を 盛 り 込 んだ 南 シナ 海 行 動 宣 言 がなされています 中 国 は 南 シナ 海 をチベット 台 湾 と 並 ぶ 核 心 的 利 益 と 称 し インドネシア 付 近 までを 含 む 南 シナ 海 の 広 い 範 囲 に 管 轄 権 があると 主 張 しています その 形 から 牛 の 舌 と 呼 ばれる 海 域 で 海 底 資 源 に 対 する 海 洋 権 益 シーレーン 確 保 の 動 きを 強 め 今 年 2011 年 5 月 には 中 国 監 視 船 がベトナムの 石 油 探 査 船 の ケーブルを 切 断 あるいは 建 造 物 を 新 設 しフィリッピンが 抗 議 漁 業 では 海 軍 の 補 給 船 を 漁 政 ( 日 本 の 水 産 庁 に 該 当 )の 監 視 取 締 船 とし 南 シナ 海 で 操 業 する 中 国 漁 船 に 対 する 補 給 活 動 等 を 実 施 する 等 しています このような 緊 張 の 高 まりに 対 する 非 難 を 受 け 中 国 は ASEAN と 去 る2011 年 7 月 20 日 先 ほど 述 べました 南 シナ 海 行 動 宣 言 ( 強 制 力 はない )の 実 効 性 を 高 めるための 協 力 の 方 向 性 を 定 めた 指 針 (ガイドライン)で 合 意 しました ただし ASEAN 内 では 行 動 宣 言 を 拘 束 力 のある 行 動 規 範 に 格 上 げすること を 目 指 す 動 きがありましたが 今 回 の 合 意 には 含 まれていません 日 本 政 府 は 領 土 は 当 事 者 同 士 の 問 題 という 基 本 的 立 場 を 採 っていますが 世 界 の 貿 易 量 の3 分 の1が 行 き 来 し 中 東 から 日 本 向 けの 原 油 タンカー 等 多 数 の 日 本 関 係 船 舶 が 通 航 する 海 域 でもあり 同 海 域 における 緊 張 の 高 まりで 船 舶 が 迂 回 を 強 いら れれば 影 響 が 甚 大 なものとなり シーレーン 安 全 確 保 の 観 点 からも 更 には 東 シナ 海 における 対 中 国 対 策 といった 観 点 からも ASEAN 諸 国 あるいは 米 国 と 協 調 体 制 をとる 等 対 応 していく 必 要 があるのではと 思 います 14. 海 底 資 源 ( 海 洋 エネルギー 鉱 物 資 源 ) 世 界 第 6 位 の 広 さを 誇 る 我 が 国 の 領 海 EEZには 漁 業 資 源 の 他 に メタンハイ ドレート 海 底 熱 水 鉱 床 といった 海 底 エネルギー 鉱 物 資 源 の 存 在 が 確 認 されていて 石 油 天 然 ガス 資 源 や 金 銀 銅 レアメタルなどの 金 属 鉱 物 資 源 が 一 定 程 度 存 在 し ていると 見 込 まれており その 開 発 を 進 めていくことが 急 務 となっています

石 油 天 然 ガス 開 発 現 在 国 内 海 域 で 石 油 天 然 ガスの 生 産 を 行 っているのは 新 潟 県 の1カ 所 のみ 殆 どの 地 域 で 詳 細 な 地 質 調 査 等 が 未 実 施 であり 三 次 元 物 理 探 査 船 資 源 の 活 用 により 2018 年 度 までに 概 ね6.2 万 km2の 海 域 における 三 次 元 物 理 探 査 を 実 施 する 計 画 となっています メタンハイドレート 低 温 高 圧 の 条 件 下 で 水 分 子 にメタン 分 子 ( 天 然 ガス)が 取 り 込 まれ 氷 状 になっているもので 燃 える 氷 とも 言 われています 非 在 来 型 の 化 石 燃 料 として 将 来 の 実 用 化 が 期 待 されているものです 東 部 南 海 トラフで 我 が 国 天 然 ガス 消 費 量 の14 年 分 に 相 当 する1.1 兆 立 方 メー トル 日 本 周 辺 では 我 が 国 天 然 ガス 消 費 量 の90~100 年 分 に 相 当 する7.4 兆 立 方 メートルの 埋 蔵 があると 試 算 されています ただこのメタンハイドレートは 地 中 に 固 体 で 存 在 しており 石 油 天 然 ガス 等 と 異 なり 井 戸 を 掘 っても 自 噴 しないため 新 たな 生 産 技 術 の 開 発 等 が 必 要 とのことです 経 済 産 業 省 では 来 年 2012 年 1~2 月 に 愛 知 県 の 渥 美 半 島 沖 の 東 部 南 海 ト ラフ 海 域 海 底 で 産 出 用 と 観 測 用 の 井 戸 を 掘 削 し 商 業 化 に 向 けた 産 出 試 験 に 着 手 2012 年 度 に 海 上 へ 採 取 する 試 掘 作 業 を 行 い 2018 年 度 までにメタンハイ ドレートから 天 然 ガスを 産 出 する 技 術 整 備 経 済 性 環 境 影 響 等 を 検 証 し 将 来 の 商 業 化 を 目 指 すとしています 海 底 熱 水 鉱 床 海 底 面 から 噴 出 する 熱 水 に 含 まれる 金 属 成 分 が 沈 殿 してできた 多 金 属 硫 化 物 鉱 床 チムニー マウンドから 形 成 され 周 辺 部 は 特 殊 な 生 態 系 を 有 してい ます 海 底 熱 水 鉱 床 からは 銅 鉛 亜 鉛 といったベースメタルと 言 われる 金 属 金 銀 といった 貴 金 属 の 他 ガリウム ゲルマニウム カドミウム セレン テルルといっ たレアメタルの 回 収 が 期 待 される 元 素 としてあげられています 15. 近 隣 諸 国 との 海 上 保 安 体 制 比 較 このような 海 洋 権 益 を 的 確 に 管 理 していく 上 でかかせないものの 一 つが 海 上 保 安 体 制 で 近 隣 諸 国 等 はどうなっているのか 〇 米 国 はご 存 じのとおり 沿 岸 警 備 隊 USCGで ここは 艦 艇 装 備 の 近 代 化 を 急 ピ ッチで 進 めています 〇 ロシアは 国 境 警 備 局 ですが 残 念 ながら 不 詳 です 〇 韓 国 は 海 洋 警 察 庁 で 大 型 警 備 艦 の 増 強 整 備 を 進 めています 〇 中 国 はコーストガードと 称 しているのは 公 安 部 で ここでも 大 型 巡 視 船 の 増 強 整 備 を 進 めています 中 国 は 公 安 部 の 他 海 軍 はいうにおよばず 海 事 局 国 家 海 洋 局 国 土 資 源 部 それ ぞれで 増 強 整 備 を 進 めています 最 近 尖 閣 諸 島 周 辺 海 域 でも 活 動 を 強 めている 漁 業 部 の 漁 業 監 視 船 漁 政

日 本 の 水 産 庁 に 当 たり 中 国 の 海 洋 権 益 確 保 の 手 段 の 先 兵 となる 漁 政 大 型 漁 業 監 視 船 を 整 備 している 他 海 軍 の 補 給 艦 等 を 転 用 する 等 して 増 強 整 備 しています 〇 台 湾 は 海 岸 巡 防 署 で ここでも2 千 トン 型 3 千 トン 型 巡 視 船 の 増 強 整 備 を 進 め ています 16. 海 上 保 安 庁 の 体 制 (H22 年 度 末 現 在 ) 海 上 保 安 庁 は 本 邦 沿 岸 排 他 的 経 済 水 域 さらには 東 は 東 経 165 度 南 は 北 マリ アナ 諸 島 近 海 の 北 緯 17 度 までの 本 土 から1,200 海 里 に 及 ぶ 広 大 な 海 域 での 業 務 遂 行 に 必 要 な 巡 視 船 艇 航 空 機 を 整 備 してきていますが 以 上 のような 海 洋 権 益 の 保 全 といった 新 たな 課 題 にも 対 応 していく 必 要 のある 海 上 保 安 庁 の 体 制 は 定 員 :12,636 人 ( 内. 女 性 :502 人 )/H22 年 度 末 予 算 :1,754 億 円 /H23 年 度 ( 内.54%946 億 が 人 件 費 ) 巡 視 船 : 計 121 隻 /H22 年 度 末 巡 視 艇 : 計 236 隻 その 他 測 量 船 等 計 31 隻 航 空 機 計 72 機 ( 飛 行 機 :27 機 ヘリコプター:45 機 ) といった 陣 容 となっています 17. 海 洋 摩 擦 の 平 和 的 解 決 最 後 となりますが 海 洋 摩 擦 の 平 和 的 解 決 を 図 っていく ためには 条 約 国 内 法 によ ることは 無 論 として 〇 海 上 保 安 能 力 の 向 上 〇 ASEAN 諸 国 をはじめ 関 係 各 国 各 機 関 との 協 調 あるいは 〇 日 米 同 盟 に 裏 打 ちされた 抑 止 力 の 向 上 〇 国 際 世 論 に 訴 える 外 交 力 など 国 家 戦 略 に 基 づく 取 り 組 みが 必 要 ではないでしょうか そして 何 より 国 民 が 一 体 となった 対 応 意 識 をもつことが 重 要 ではと 思 います 日 本 の 海 洋 権 益 を 巡 る 海 洋 戦 略 について 皆 様 に 是 非 一 考 していただければと 思 っ ております ご 清 聴 ありがとうございました

出 典 等 海 上 保 安 庁 ( 海 洋 情 報 部 )HP 海 上 保 安 レポート(2007~2011) 国 土 交 通 省 HP 経 済 産 業 省 ( 資 源 エネルギー 庁 )HP 財 務 省 HP 外 務 省 HP 日 本 船 主 協 会 HP 日 本 海 事 広 報 協 会 HP