~ 産 業 物 流 復 興 プラン~ 石 巻 港 復 旧 復 興 方 針 平 成 23 年 8 月 5 日 石 巻 港 復 興 会 議
石 巻 港 は 木 材 食 品 飼 肥 料 鉄 鋼 造 船 製 紙 関 連 の 産 業 が 立 地 する 宮 城 県 北 部 の 工 業 物 流 の 拠 点 となる 臨 海 型 工 業 港 であり 石 巻 市 の 製 造 業 就 業 人 口 の 約 1/3 の 雇 用 を 支 える 等 地 域 経 済 の 中 核 を 担 っている また 東 北 地 方 の 畜 産 業 を 支 える 穀 物 輸 入 拠 点 の 集 約 化 や 国 際 バルク 戦 略 港 湾 の 連 携 港 としての 取 組 み 等 により その 拠 点 性 が 高 まるものと 期 待 されている 石 巻 港 では 東 日 本 大 震 災 により 岸 壁 民 間 護 岸 航 路 泊 地 等 の 主 要 な 港 湾 施 設 をはじめ 地 域 経 済 を 支 える 臨 海 部 の 産 業 にも 甚 大 な 被 害 が 発 生 し 生 産 機 能 や 物 流 機 能 が 停 滞 する 等 地 域 経 済 に 大 きなダメージを 与 えた また 三 陸 沿 岸 の 広 範 囲 に 及 ぶ 地 盤 沈 下 に 伴 う 高 潮 冠 水 及 び 津 波 被 害 により 発 生 し た 瓦 礫 の 迅 速 な 処 理 が 地 域 全 体 の 課 題 となっている この 様 な 中 多 くの 産 業 が 石 巻 港 での 再 建 を 誓 い 懸 命 な 復 旧 の 結 果 生 産 活 動 を 開 始 しており こうした 力 強 い 産 業 活 動 を 力 強 く 支 えていけるよう 早 期 の 復 旧 によ り 物 流 機 能 を 回 復 させることが 肝 要 である 更 に 今 回 の 津 波 により 臨 海 部 に 立 地 する 企 業 の 設 備 資 産 や 従 業 員 の 生 命 が 失 わ れ その 後 も 続 く 産 業 物 流 への 深 い 爪 痕 を 経 験 した 今 津 波 の 防 護 と 避 難 のための 対 策 を 講 ずることは 後 世 に 向 けても 必 要 不 可 欠 である このように 地 域 経 済 の 復 興 や 地 域 生 活 全 体 の 復 興 にとっても 石 巻 港 の 復 旧 復 興 は 極 めて 重 要 であることから 港 湾 関 係 者 がこれまで 以 上 に 一 丸 となって 復 旧 復 興 に 取 り 組 んでいくため ここに 共 通 の 方 針 として 1. 経 済 活 動 を 支 える 港 湾 施 設 の 早 期 かつ 適 切 な 復 旧 2.まちづくりと 一 体 となった 津 波 防 災 対 策 の 強 化 3. 将 来 ビジョンと 復 興 支 援 に 貢 献 する 港 湾 整 備 の 3 つからなる 石 巻 港 復 旧 復 興 方 針 を 策 定 するものである なお 本 方 針 は 石 巻 港 復 興 会 議 における 関 係 者 間 の 協 議 により 策 定 されたもの であるが 今 後 状 況 に 変 化 が 生 じた 場 合 には 適 宜 見 直 しを 行 うものである 1
1. 経 済 活 動 を 支 える 港 湾 施 設 の 早 期 かつ 適 切 な 復 旧 被 災 した 港 湾 施 設 は 概 ね 2 年 を 目 途 に 港 湾 機 能 の 本 格 復 旧 を 目 指 す 復 旧 にあたっ ては 定 期 的 に 利 用 者 調 整 会 議 を 開 催 し 港 湾 利 用 と 工 事 との 調 整 を 図 っていく なお 各 施 設 の 復 旧 スケジュールについては 詳 細 計 画 の 策 定 復 旧 工 事 の 進 捗 状 況 及 び 計 画 の 変 更 内 容 について 速 やかに 関 係 者 へ 周 知 することとする 1-1. 雲 雀 野 地 区 中 央 ふ 頭 (1 2 号 )(-13m) (1) 被 災 状 況 雲 雀 野 中 央 ふ 頭 は 設 計 高 より1 号 ( 海 側 )で 1.2~1.6m 2 号 ( 陸 側 )では 0.9~ 1.3m 沈 下 した また 岸 壁 本 体 部 が 海 側 に 最 大 60 cm 程 度 孕 み 出 しており 背 後 ふ 頭 用 地 との 間 に 2m 弱 の 段 差 が 生 じた これに 加 え 水 域 には 多 くの 支 障 物 が 漂 流 沈 没 し 航 路 泊 地 の 一 部 に 浅 い 箇 所 が 確 認 された (2) 復 旧 方 針 雲 雀 野 地 区 中 央 ふ 頭 は 石 巻 港 の 主 要 貨 物 である 石 炭 や 原 木 等 が 取 り 扱 われており 近 年 は 船 舶 の 大 型 化 に 伴 って 大 型 岸 壁 の 重 要 度 が 増 している 仮 設 道 路 の 整 備 及 びふ 頭 用 地 の 仮 舗 装 等 の 応 急 復 旧 並 びに 啓 開 作 業 により 岸 壁 は 利 用 可 能 となったが 高 潮 や 低 気 圧 通 過 時 には 風 浪 が 地 震 により 地 盤 沈 下 した 岸 壁 を 乗 り 越 える 程 であり 高 潮 と 波 浪 に 対 しての 防 護 も 必 要 である 背 後 に 立 地 している 製 紙 工 場 及 び 木 材 関 連 工 場 共 に 復 旧 が 進 んでいるが 大 型 岸 壁 が 利 用 できなければ 一 度 に 大 量 輸 送 できず 企 業 は 非 効 率 な 輸 送 ( 輸 送 コストの 増 ) を 強 いられるため 岸 壁 を 早 期 に 復 旧 しなければならない 復 旧 天 端 高 さは1 2 号 共 に 発 災 前 の2 号 岸 壁 にあわせた H.W.L 注 1) +1.5m(C.D.L 注 2) +3.2m)とし 24 年 6 月 までの 復 旧 を 目 指 す ふ 頭 用 地 は 臨 港 道 路 等 の 背 後 地 にすり 付 けることを 基 本 とす る なお 航 路 泊 地 は 平 成 23 年 11 月 末 までに 震 災 前 の 水 準 に 戻 す 注 1) 大 潮 の 満 潮 時 の 平 均 的 な 水 面 の 高 さ 注 2) 港 湾 工 事 の 際 の 基 準 となる 水 面 の 高 さで 石 巻 港 の 場 合 大 潮 の 干 潮 時 の 平 均 的 な 水 面 の 高 さ 0.2m 2
1-2. 雲 雀 野 地 区 北 ふ 頭 (-10m) (1) 被 災 状 況 岸 壁 は 概 ね 1m の 沈 下 が 見 られ 岸 壁 と 背 後 の 荷 捌 き 地 の 境 界 部 で 1.0~1.5m 程 度 の 段 差 が 生 じた (2) 復 旧 方 針 北 ふ 頭 背 後 の 工 業 用 地 は 木 材 関 連 産 業 の 用 地 取 得 が 進 み 原 材 料 のストックヤード として 使 用 され 木 材 関 連 産 業 の 集 約 利 用 が 見 込 まれている 高 潮 や 低 気 圧 通 過 時 には 風 浪 が 地 震 により 地 盤 沈 下 した 岸 壁 を 乗 り 越 える 程 であ り 高 潮 と 波 浪 に 対 する 防 護 が 必 要 なことから 被 災 前 の 計 画 高 である C.D.L+3.4m で 24 年 3 月 までの 復 旧 を 目 指 すこととし ふ 頭 用 地 は 臨 港 道 路 等 の 背 後 地 にすり 付 けることを 基 本 とする 1-3. 雲 雀 野 地 区 外 郭 施 設 ( 南 防 波 堤 西 防 波 堤 ) (1) 被 災 状 況 南 防 波 堤 は ケーソン 据 付 済 み 延 長 1,820m の 堤 体 が 平 均 1.7m 程 度 全 体 的 に 沈 下 し 消 波 ブロックも 全 域 に 渡 り 沈 下 している 法 線 の 出 入 りは 最 大 0.2m 程 度 あり 防 波 堤 両 端 部 で 洗 掘 が 見 られ ケーソン 下 面 の 基 礎 マウンドまで 及 んでいる 西 防 波 堤 は 延 長 600m の 堤 体 が 全 体 的 に 平 均 2.6m 程 度 沈 下 し 最 大 で 3m 沈 下 する 等 の 甚 大 な 被 害 が 出 ている また 防 波 堤 法 線 にも 最 大 0.4m のずれが 生 じ 基 礎 捨 石 は 部 分 的 に 洗 掘 されている (2) 復 旧 方 針 上 記 防 波 堤 は 雲 雀 野 地 区 中 央 ふ 頭 及 び 北 埠 頭 の 静 穏 度 確 保 のため 必 要 な 延 長 並 びに 波 浪 に 対 して 適 切 な 高 さと 安 定 性 を 保 つことが 必 要 だが 地 盤 沈 下 や 上 部 工 の 損 壊 消 波 ブロックの 沈 下 等 が 荒 天 時 における 港 内 静 穏 度 の 低 下 や 再 度 災 害 を 誘 発 し 港 湾 物 流 機 能 にダメージを 与 えることから 早 期 復 旧 が 必 要 である 震 災 前 も 防 波 堤 が 計 画 延 長 に 達 しておらず 長 周 期 波 に 対 する 荷 役 の 安 全 性 と 安 定 性 の 向 上 が 課 題 となっていた このため まずは 震 災 による 影 響 を 取 り 除 くため 早 期 に 復 旧 し 引 き 続 き 防 波 堤 の 延 伸 により 海 上 輸 送 の 安 定 性 信 頼 性 の 確 保 安 全 な 荷 役 作 業 の 確 保 を 図 ることとする 3
南 防 波 堤 : 復 旧 天 端 高 は 計 画 天 端 高 まで 復 旧 することとし 24 年 11 月 までの 復 旧 を 目 指 す 1-4. 釜 地 区 係 留 施 設 (1) 被 災 状 況 岸 壁 は 概 ね 1m の 沈 下 が 見 られ 岸 壁 とその 背 後 の 荷 捌 き 地 の 境 界 部 で 1.0~1.5m 程 度 の 段 差 が 生 じた (2) 復 旧 方 針 釜 地 区 は 仮 舗 装 等 の 応 急 復 旧 により 再 開 し 津 波 により 流 出 を 免 れた 荷 役 機 械 1 基 を 用 いた 穀 物 の 荷 役 やチップの 積 み 出 し 等 を 行 っている 高 潮 や 低 気 圧 通 過 時 には 風 浪 が 地 震 により 地 盤 沈 下 した 岸 壁 を 乗 り 越 える 程 であ り バラ 貨 物 を 主 として 利 用 頻 度 が 高 く 貨 物 の 種 類 も 多 いことから 岸 壁 ふ 頭 用 地 共 に 早 期 に 嵩 上 げによる 本 格 復 旧 する 必 要 がある 釜 地 区 の 各 ふ 頭 は H.W.L+1.3m とし 被 災 前 の 計 画 高 である C.D.L+3.0m で 復 旧 することを 原 則 とし 沈 下 した 背 後 の 地 盤 との 高 低 差 はすりつけ 等 を 行 う 1-5. 公 共 上 屋 上 屋 については 津 波 により 甚 大 な 被 害 を 受 け 飼 肥 料 シリカ 等 の 保 管 に 支 障 が 生 じており 移 転 等 も 含 めた 検 討 を 行 うこととし 早 期 復 旧 を 目 指 す 1-6. 民 間 港 湾 施 設 の 復 旧 今 般 の 大 津 波 では 各 産 業 の 専 用 岸 壁 護 岸 及 び 工 場 倉 庫 事 務 所 等 の 民 間 施 設 も 壊 滅 的 な 被 害 を 受 けた 多 くの 産 業 が 石 巻 港 での 再 建 を 誓 い 懸 命 の 復 旧 活 動 を 進 め ているが 津 波 で 被 害 を 受 けた 工 場 や 倉 庫 等 の 再 建 に 必 要 な 経 費 は 莫 大 であり とり わけ 経 営 基 盤 の 弱 い 地 元 中 小 企 業 へは 大 きな 痛 手 となっている また 石 巻 港 は 石 巻 広 域 圏 の 産 業 物 流 の 拠 点 であり 地 域 雇 用 の 創 出 の 場 でもあ ることから 石 巻 港 周 辺 の 立 地 産 業 の 早 期 復 旧 復 興 は 産 業 物 流 をはじめ 雇 用 回 復 にも 直 結 する このため 専 用 岸 壁 護 岸 の 復 旧 や 被 災 した 工 場 倉 庫 の 建 設 に 対 する 助 成 制 度 の 創 設 や 長 期 無 利 子 融 資 等 の 優 遇 措 置 津 波 により 流 失 損 傷 した 荷 役 機 械 の 修 理 購 入 等 に 対 する 公 的 支 援 制 度 の 整 備 を 求 めていく 4
1-7. 復 興 会 議 利 用 者 調 整 会 議 の 継 続 と 情 報 発 信 復 旧 工 事 に 一 定 の 目 処 が 付 くまでの 間 利 用 者 調 整 会 議 を 定 期 的 に 開 催 し 意 見 交 換 を 行 うと 共 に 工 事 内 容 や 工 程 計 画 等 もホームページ 等 から 情 報 発 信 する 工 事 実 施 にあたっては バース 調 整 会 議 から 船 舶 の 入 出 港 岸 壁 の 利 用 情 報 を 収 集 して 港 湾 における 産 業 や 物 流 への 影 響 を 極 力 回 避 するよう 進 める 2.まちづくりと 一 体 となった 津 波 防 災 対 策 の 強 化 2-1. 防 災 を 目 指 す 発 生 頻 度 の 高 い 津 波 の 特 定 東 日 本 大 震 災 に 伴 う 海 岸 保 全 施 設 の 復 旧 にあたっての 設 計 津 波 の 水 位 の 設 定 方 法 は 先 般 農 林 水 産 省 及 び 国 土 交 通 省 より 提 示 され 今 後 海 岸 管 理 者 において 検 討 を 進 めることとされているが 現 時 点 で 本 復 興 会 議 では 防 災 を 目 指 す 発 生 頻 度 の 高 い 津 波 として 宮 城 県 沖 地 震 津 波 連 動 型 を 想 定 する 2-2. 発 生 頻 度 の 高 い 津 波 から 守 るエリアの 考 え 方 石 巻 港 の 背 後 には 石 巻 市 の 中 心 市 街 地 が 広 がり 市 役 所 警 察 署 消 防 署 県 の 合 同 庁 舎 等 地 域 の 中 枢 中 核 施 設 が 多 数 あり 多 くの 小 中 学 校 高 校 に 加 え 大 学 も 存 在 する また 港 の 直 背 後 には 紙 パルプ 飼 肥 料 木 材 合 板 鉄 鋼 造 船 等 の 各 種 産 業 も 多 数 立 地 し 東 北 の 産 業 を 支 える 産 業 物 流 拠 点 地 域 の 復 興 拠 点 である こうした 市 民 生 活 の 安 全 安 心 の 確 保 や 産 業 物 流 活 動 の 拠 点 性 等 を 確 保 するため これら 地 域 を 発 生 頻 度 の 高 い 津 波 から 安 全 性 を 確 保 する 必 要 がある 2-3. 防 護 ラインの 設 定 及 び 必 要 な 津 波 防 災 等 のための 施 設 産 業 の 復 興 には 岸 壁 等 の 港 湾 施 設 の 早 期 復 旧 とともに 津 波 高 潮 等 に 対 しても 安 全 な 環 境 が 必 要 であるが 企 業 単 独 による 津 波 防 護 は 困 難 な 状 況 にある 釜 地 区 内 の 中 央 水 路 西 水 路 東 水 路 に 沿 って 飼 料 木 材 加 工 造 船 等 の 産 業 が 多 数 立 地 する また 港 背 後 の 臨 港 道 路 釜 北 線 を 挟 んだ 市 街 地 側 は 発 災 前 から 一 段 低 く 一 度 浸 水 を 許 すと 容 易 に 湛 水 し 今 回 の 地 殻 変 動 を 経 ても 同 様 の 高 低 関 係 にある これらの 産 業 及 び 背 後 のまちを 発 生 頻 度 の 高 い 津 波 から 防 護 するため 津 波 浸 水 シ 5
ミュレーションを 実 施 した 上 で 防 潮 壁 を 設 置 する これにあわせ 東 海 岸 線 西 海 岸 線 に 整 備 済 みで 今 回 の 津 波 により 被 災 した 防 潮 堤 は 高 潮 を 防 護 するための 復 旧 嵩 上 げ 等 を 行 う 2-4. 津 波 漂 流 物 への 対 策 今 回 津 波 を 受 け 木 材 コンテナ 車 両 漁 船 等 が 漂 流 散 乱 し 住 民 の 生 命 を 脅 かしたばかりでなく 背 後 の 産 業 や 住 宅 を 破 壊 し また 航 路 泊 地 や 臨 港 道 路 等 を 閉 塞 させた このため 適 切 な 流 出 防 止 策 を 講 じる 必 要 がある なお 船 舶 漂 流 への 備 えは 海 上 保 安 部 の 指 導 を 得 ながら 今 後 検 討 を 行 うこととする 2-5. 津 波 防 護 に 対 するソフト 対 策 津 波 防 災 のための 施 設 が 完 成 するまでには 一 定 期 間 が 必 要 となり その 間 の 安 全 確 保 や また 発 生 頻 度 の 高 い 津 波 だけでなく 今 回 津 波 のような 発 生 頻 度 は 極 めて 低 いが 影 響 が 甚 大 な 最 大 クラスの 津 波 ( 以 下 最 大 クラスの 津 波 という)が 襲 来 し た 場 合 にも 備 え 以 下 のようなソフト 対 策 も 併 せて 講 じていくこととする (1) 避 難 行 動 の 円 滑 化 今 回 の 地 震 における 停 電 や 通 信 の 遮 断 により 連 絡 が 途 絶 え 避 難 行 動 に 必 要 な GPS 波 浪 計 等 の 防 災 情 報 通 信 が 出 来 なかった 教 訓 を 踏 まえ 国 県 市 町 村 の 関 係 機 関 を つなぐ 防 災 情 報 通 信 システムを 強 化 すると 共 に 複 数 の 電 源 や 通 信 回 線 を 確 保 する また 避 難 計 画 や 情 報 伝 達 のしくみの 再 構 築 や 適 切 な 避 難 場 所 ( 津 波 避 難 ビル 避 難 タワー)の 設 置 計 画 を 策 定 する 注 (2)BCP 3) の 策 定 促 進 石 巻 港 背 後 圏 はもとより 東 北 経 済 の 牽 引 役 となる 石 巻 港 の 港 湾 機 能 の 迅 速 な 回 復 や 産 業 活 動 の 早 期 再 開 のため 必 要 に 応 じて 今 般 の 大 震 災 からの 復 旧 の 経 験 をもと に 港 湾 を 利 用 する 企 業 の BCP 策 定 を 促 進 するとともに 官 民 連 携 による 協 議 の 場 を 設 定 し 復 興 に 向 けた 早 期 の 段 階 で 港 湾 BCP 策 定 の 取 組 みを 推 進 する (3) 浸 水 想 定 区 域 における 避 難 施 設 の 確 保 堤 外 地 では 発 生 頻 度 の 高 い 津 波 であっても 浸 水 を 許 容 するため そこで 働 く 人 々 や 利 用 者 の 人 命 を 守 るためには 避 難 誘 導 のための 防 災 無 線 や 避 難 施 設 ( 避 難 ビル 等 ) を 設 ける 必 要 がある この 場 合 企 業 が 有 する 施 設 の 活 用 も 検 討 に 加 え 津 波 からの 6
避 難 に 要 する 時 間 及 び 平 常 時 における 施 設 の 活 用 の 可 能 性 を 考 慮 する また 津 波 により 全 壊 した 港 湾 合 同 庁 舎 の 建 設 にあたっては 耐 震 性 安 全 性 を 重 視 した 構 造 とし 津 波 避 難 ビルとしての 機 能 を 持 たせるよう 要 望 していく 注 3) Business Continuity Plan( 事 業 継 続 計 画 ): 大 規 模 な 災 害 事 故 システム 障 害 が 発 生 した 場 合 に 企 業 や 行 政 組 織 が 基 幹 事 業 を 継 続 させ 早 期 に 事 業 を 再 開 するために 策 定 す る 行 動 計 画 事 前 に 業 務 の 優 先 度 を 確 定 し バックアップシステムの 整 備 や 要 員 確 保 等 の 対 応 策 を 立 てておくことで 被 害 やサービスの 低 下 を 最 小 限 にとどめることを 目 指 すもの 2-6. 最 大 クラスの 津 波 への 備 え 発 生 頻 度 の 高 い 津 波 を 超 える 最 大 クラスの 津 波 に 対 しても 産 業 物 流 活 動 を 早 急 に 復 旧 させる 必 要 があるため 海 岸 保 全 施 設 等 に 加 え 道 路 等 の 盛 土 構 造 の 活 用 地 域 計 画 土 地 利 用 規 制 等 による 多 重 的 な 防 護 機 能 を 兼 ね 備 えたまちづくりを 検 討 し 避 難 計 画 や 情 報 伝 達 の 再 構 築 と 共 に 人 命 を 守 るための 総 合 的 防 護 対 策 を 講 じる 2-7. 地 震 対 策 今 回 の 被 害 は 津 波 が 支 配 的 だが 今 後 地 震 被 害 を 被 った 場 合 も 広 域 な 背 後 圏 を 有 する 石 巻 港 では 緊 急 物 資 や 関 連 産 業 の 業 務 継 続 に 不 可 欠 となる 原 材 料 や 製 品 等 の 搬 出 入 のため 迅 速 な 機 能 回 復 が 求 められる このため 仙 台 湾 の 港 湾 が 中 心 となり 被 災 地 への 効 率 的 な 緊 急 支 援 を 行 うとした 中 核 的 な 広 域 防 災 拠 点 とする 考 え 方 のもと 耐 震 強 化 岸 壁 の 整 備 を 図 ることとする 7
3. 将 来 ビジョンと 復 興 支 援 に 貢 献 する 港 湾 整 備 の 検 討 3-1. 津 波 により 発 生 したガレキ 処 理 への 貢 献 津 波 等 により 発 生 するガレキは 宮 城 県 内 で 15,824 千 トン(H23.7.29 環 境 省 )と 推 計 されており 中 でも 石 巻 市 は 6,163 千 トン( 約 39%)と 被 災 地 の 中 で 群 を 抜 いて 多 く 石 巻 港 雲 雀 野 地 区 大 曲 地 区 が 二 次 仮 置 場 となっており コンクリート 殻 等 の 安 定 し たガレキは 近 傍 の 石 巻 港 に 埋 立 処 分 する 案 が 有 力 である 津 波 により 発 生 したガレキ(コンクリート 殻 )の 最 終 処 分 地 として 今 後 埋 立 て が 計 画 されている 雲 雀 野 地 区 への 受 け 入 れを 検 討 する また ガレキの 広 域 処 理 を 行 う 際 には 近 傍 の 雲 雀 野 地 区 岸 壁 を 活 用 し リサイク ルポートとも 連 携 しつつ 効 率 的 な 輸 送 処 分 を 行 う 海 中 のガレキについては 地 場 産 業 である 水 産 業 の 振 興 や 海 域 環 境 の 修 復 の 観 点 か ら 必 要 に 応 じ 処 理 を 進 めていくものとする 3-2. 港 湾 工 事 により 発 生 する 土 砂 の 活 用 災 害 復 旧 事 業 及 び 今 後 の 港 湾 改 修 事 業 により 発 生 する 浚 渫 土 砂 等 については 地 盤 沈 下 対 策 等 への 活 用 を 検 討 していく 3-3. 文 化 と 水 辺 の 潤 いに 満 ちた 石 巻 市 の 再 構 築 石 巻 市 の 真 の 復 興 には 震 災 前 から 検 討 を 進 めていた 水 辺 の 緑 のプロムナード 計 画 を 推 進 し 文 化 と 水 辺 の 潤 いに 満 ちた 石 巻 市 を 再 構 築 することが 必 要 である こ のため 港 湾 機 能 の 検 討 にあたっては 親 水 空 間 の 創 造 についても 検 討 を 進 め 市 民 が 身 近 に 海 と 触 れ 合 い かつての 人 と 海 の 結 びつきや 海 辺 の 生 態 系 を 回 復 することを 安 全 性 の 確 保 と 両 立 する 形 で 実 現 することを 目 指 す 8
( 参 考 1) 石 巻 港 復 興 会 議 参 加 者 石 巻 市 東 松 島 市 宮 城 県 土 木 部 港 湾 課 宮 城 県 石 巻 港 湾 事 務 所 宮 城 海 上 保 安 部 石 巻 海 上 保 安 署 横 浜 税 関 仙 台 塩 釜 税 関 支 署 石 巻 出 張 所 国 土 交 通 省 東 北 運 輸 局 石 巻 海 事 事 務 所 国 土 交 通 省 東 北 地 方 整 備 局 港 湾 空 港 部 国 土 交 通 省 東 北 地 方 整 備 局 塩 釜 港 湾 空 港 整 備 事 務 所 石 巻 港 整 備 利 用 促 進 期 成 同 盟 会 (34 団 体 ) 石 巻 港 企 業 連 絡 協 議 会 (51 団 体 ) 9
( 参 考 2) 審 議 の 経 過 第 一 回 平 成 23 年 4 月 1 日 ( 金 ) 石 巻 港 の 復 旧 状 況 と 今 後 の 復 旧 方 針 国 県 への 要 望 のとりまとめについて 石 巻 港 の 早 期 復 興 に 向 けた 決 議 第 二 回 平 成 23 年 6 月 23 日 ( 木 ) 東 日 本 大 震 災 からの 復 興 に 向 けた 動 き 港 湾 施 設 の 復 旧 復 興 方 針 スケジュールについて 防 災 機 能 向 上 の 方 針 について 立 地 企 業 の 復 旧 復 興 支 援 策 について 第 三 回 平 成 23 年 8 月 5 日 ( 金 ) 東 北 の 港 湾 の 復 旧 復 興 の 基 本 的 な 考 え 方 について 復 旧 復 興 方 針 ( 案 )について 津 波 に 対 する 防 潮 堤 必 要 天 端 高 の 検 討 状 況 について 立 地 企 業 の 復 旧 復 興 支 援 策 について 10
11 防護ラインの検討 海岸保全施設の復旧 流出防止策の検討 釜地区係留施設 上屋復旧 航路 泊地の復旧 浚渫土砂活用の検討 防波堤の復旧 耐震強化岸壁の整備 民間港湾施設への支援 復旧 がれき 利活用に関する施策 防護に関する施策 岸壁の復旧 水辺の緑のプロムナード計画の推進 津波により発生したガレキ処理への貢献 避難施設の検討 防災教育及び訓練 防災思想の普及 港湾BCPの策定促進 産業物流復興プラン 石巻港復旧 復興方針 1
~ 産 業 物 流 復 興 プラン~ 石 巻 港 復 旧 計 画 12
防 護 ラインの 形 成 を 検 討 するエリア 既 設 防 護 施 設 の 改 良 新 たな 防 護 ライン 既 設 防 護 施 設 の 改 良 石 巻 市 役 所 既 設 防 護 施 設 の 改 良 石 巻 駅 13