2012 年 6 月 8 日 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 1
環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I(Course in Materials Science I) 化 学 結 合 電 子 構 造 原 子 軌 道 分 子 軌 道 結 晶 構 造 Chemical Bonding, Electronic Structure, Atomic Orbital, Molecular Orbital, Crystal Structure 大 学 院 環 境 科 学 院 環 境 物 質 科 学 専 攻 開 講 科 目 2012 年 度 前 期 毎 週 金 曜 日 第 1 校 時 (08:45 10:15) 地 球 環 境 科 学 研 究 院 D103 号 室 北 大 大 谷 研 検 索 大 谷 文 章 (おおたにぶんしょう) 001-0021 0021 札 幌 市 北 区 北 21 条 西 10 丁 目 北 海 道 大 学 触 媒 化 学 研 究 センター 011-706 706-9132(ダイヤルイン) 011-706-9133(ファクシミリ) ohtani@cat.hokudai.ac.jp http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~k15391/ http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~k15391/ 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 2
授 業 の 目 標 到 達 目 標 授 業 計 画 /purpose and goal 化 学 は 物 質 における 電 子 の 科 学 といってもよいほど 物 質 における 電 子 の 挙 動 は 本 質 的 で 重 要 である. 本 講 義 では 原 子 中 の 電 子 の 状 態 から 出 発 して,いろいろな 化 学 結 合 を 紹 介 し,それらの 結 合 と 物 質 の 構 造 との 関 係 について 学 ぶ. Understanding of basic principles of chemical bonding. 物 質 の 基 本 となる 原 子 分 子 および 結 晶 の 構 造 とその 性 質 について, 元 素 原 子 の 電 子 構 造 と 化 学 結 合 の 観 点 から 理 解 する. From the standpoint of electronic structure of atoms and chemical bondings, the students will get an understanding on structure of atoms, molecules, and crystals. ボーアの 原 子 模 型 と 水 素 の 発 光 スペクトル/s /s,p,d,fなどの 原 子 軌 道 と 元 素 の 周 期 律 /σ 結 合 とπ と 結 合, 混 成 軌 道 と 分 子 の 形, 共 鳴 構 造 と 共 役 二 重 結 合 / 光 の 吸 収 と 分 子 軌 道, 物 質 の 色 / 固 体 の 構 造 : 結 晶 の 構 造 と 化 学 結 合 This lecture is focused on basic principles of chemical bonding. 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 3
講 義 のすすめ 方 (1)/procedure( (1) この 講 義 に 出 席 するだけでは, 試 験 に 合 格 することはできません. 復 習 と 発 展 的 な 学 習 が 必 要 です. Only hearing this lectures does not lead to pass the examination. Reviewing (brushing up) is necessary. 教 科 書 はありません.これまで 使 ってきた 教 科 書 ( 物 理 化 学 )をつかってくだ さい. 物 理 化 学 の 教 科 書 をもっていない 人 はじぶんで 選 んで 入 手 してくだ さい. Use a textbook of your own. If you don't have, choose and buy by yourself. 教 科 書 にはいろいろなレベルのものがあります. Level of textbooks 高 等 学 校 での 化 学 から 出 発 するもの starting from high-school level 教 養 課 程 の 基 礎 化 学 のもの( 一 般 化 学 / 化 学 入 門 など) starting from college-beginner level 化 学 系 学 部 の 専 門 課 程 のもの college level 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 4
講 義 のすすめ 方 (2)/procedure( (2) 毎 回 クイズが 何 問 か 出 題 されます. 内 容 については 採 点 しませんが,かならず 何 か 書 いてください. 今 後 の 講 義 の 参 考 にします.ご 協 力 をお 願 いします. い Answer the questions during class. This is just for check your understanding, but not for evaluation. クイズについての 説 明 をきいた 後 では, 書 き 足 したり, 書 き 直 したりしないでくださ い( 採 点 しませんので 影 響 ありません). 必 要 であれば 自 分 のノートに 書 いてください. Do not revise or add to your answer afterword. If necessary, write the correct answer on you notebook. わたしが 担 当 するほかの 講 義 とはちがい,この 講 義 はテストだけが 評 価 基 準 です. 講 義 のスライドはウェブ 上 で 公 開 しますが,それについてレポートを 送 っても 何 も 起 こりません.また, 講 義 のスライドに 書 いてあることだけが 試 験 に 出 題 されるわけで はありません. Evaluation will be made only by the results of test(s). 質 問 は 感 想 と 意 見 のなかに 書 いてください. If you have question(s), send it (them) in an email. 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 5
講 義 日 程 /schedule (1) 04/13 guidance/check test/introduction (2) 04/20 wave funtion/schroedinger equation (3) 04/27 atomic orbitals/quantum number (4) 05/11 s, p and d orbitals/monoelectron atom (5) 05/18 multielectron atoms/shielding (6) 05/25 chemical bonds (1) (7) 06/01 (interim test 1) (8) 06/08 chemical bonds (2) (9) 06/15 bonding and anti-bonding orbitals 06/22 (10) 06/29 (interim test 2) 07/06 (11) 07/13 hybrid orbitals (12) 07/20 metal complexes (13) 07/27 final test 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 6
中 間 テスト(1)の 解 説 と 採 点 基 準 [1][ 14 14 (1) ψ(x)を2 回 微 分 して 上 の 式 に 代 入 してE をn の 関 数 としてあらわす. ψ'' ''=-( =-(n 2 π 2 /a 2 )ψとすることがポイントで,ここまでできれば5 点. n =1のときが 最 低 エネルギーでその 値 がえられればが えられれば2 点. (2) x =0およびa を 代 入 してψが0であることを であることをしめせば4 点. (3) チェックポイント(0になる 点 = 節 )をすべて 満 たしていれば3 点. 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 7
中 間 テスト(1)の 解 説 と 採 点 基 準 [2][ 14 14 存 在 確 率 密 度 体 積 が 電 子 分 布 になることをしめせば しめせば5 点 核 の 位 置 において 体 積 がゼロであるをしめせば しめせば3 点 無 限 遠 において 存 在 確 率 密 度 がゼロであることをしめせば しめせば3 点 結 果 的 に 原 点 と 無 限 遠 で 電 子 分 布 はゼロなので 極 大 値 が 生 じることをしめせ ば3 点 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 8
中 間 テスト(1)の 解 説 と 採 点 基 準 [3][ 16 16 各 2 点 (=16 点 ) 基 準 はかたちと 大 きさの 序 列 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 9
中 間 テスト(1)の 解 説 と 採 点 基 準 [4][ 15 15 かたちと 名 称 と 節 面 のかたちと 数 がすべて 合 っていれば 各 3 点 (=15 点 ).dz 2 については,2 個 の 平 面 が 回 転 したものと 答 えてもよい. 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 10
中 間 テスト(1)の 解 説 と 採 点 基 準 [5][ 12 12 各 2 点 (=12 点 ) もっとも 高 いエネルギーの 電 子 が, A: 1sから から2sになる B: 2sから から2pになる C: おなじ2p 2pだが 原 子 番 号 がまして 安 定 化 する D: 2p x に2 個 めとして 入 るので 不 安 定 化 E: おなじ3s 3sだが 原 子 番 号 がまして 安 定 化 する F: おなじ3p 3pだが 原 子 番 号 がまして 安 定 化 する A B C D E 図 3 F 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 11
中 間 テスト(1)の 解 説 と 採 点 基 準 [6][ 15 15 電 子 配 置 各 5 点 (=10 点 ).5 種 類 ある3d 軌 道 に1つずつ に 電 子 入 れた 方 が4sが に2 個 入 れるより 安 定 になる.5 点 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 12
中 間 テスト(1)の 解 説 と 採 点 基 準 [7][ 14 14 各 周 期 の 元 素 数 が 各 2 点 (=4 点 ) 収 容 される 電 子 の 主 量 子 数 が 増 加 するときの 各 周 期 がはじまることをしめせ ば4 点 各 周 期 のさいしょとさいごの 電 子 配 置 をしめせば を 各 3 点 (=6 点 ) 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 13
原 子 軌 道 へ 電 子 を 入 れる 3pまでは, 主 量 子 数 / 方 位 量 子 数 の 順 その 後 は4sは 4sが が 埋 まってから3d 3d+4p+5sが が 入 る Q 各 矢 印 の 先 までをうめたとき, 原 子 番 号 はいくつか 1s 2 第 1 周 期 : 2 2s 2p +2=4 第 2 周 期 : 10 3s 4s 5s 6s 7s 3p 4p 5p 6p 3d 4d 5d 6d 4f 5f 6f 5g 6g +8=12 第 3 周 期 : 18 +8=20 第 4 周 期 : 36 +18=38 第 5 周 期 : 54 +18=56 第 6 周 期 : 86 +32=88 第 7 周 期 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 14
化 学 結 合 - 水 素 分 子 イオン(1)/chemical bonds もっとも 単 純 な 分 子 である 水 素 分 子 イオン(H 2+ ) : 陽 子 (プロトン)2つと 電 子 1つから 構 成 molecular hydrogen ion = two protons and an electron 構 成 要 素 である 陽 子 2つと 電 子 の 間 の 反 発 と 引 力 だけでポテンシャルエネ ルギーを を 考 えるえ calculating potential energy with electrostatic force 2つの 粒 子 の 電 荷 q 1,q 2 が 距 離 12 r だけ 離 れているとそのポテンシャルエネ ルギーV 12 は Potential energy of two charges in distance r 12 is... V 12 = 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 15
化 学 結 合 - 水 素 分 子 イオン(3)/chemical bonds 2つの 粒 子 の 電 荷 q 1,q 2 が 距 離 12 r だけ 離 れているとそのポテンシャルエネ ルギーV 12 は electrostatic force between two charges in distance r 12 V 12 12 = (q 1 q 2 )/4πε 0 12 r 陽 子 2つをそれぞれA,B,, 電 子 をeで を で 表 し, 水 素 原 子 (A+e( A+e)とプロトン( )とプロトン(B) から 水 素 分 子 イオンができると 考 える. 反 応 前 には, 水 素 原 子 についての みポテンシャルエネルギーが 考 えられ, 引 力 で 安 定 化 しているので, Cosidering interaction between a hydrogen atom (A + e) and a proton (B), potential energy (V bfr ) of a hydrogen atom is... V bfr bfr = -q 2 /4πε 0 Ae r 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 16
化 学 結 合 - 水 素 分 子 イオン(4)/chemical bonds 3つの 粒 子 があるから,お 互 いに 作 用 すると3 種 類 three interactions for three particles, two protons and an electron 反 発 力 は 不 安 定 化 なのでプラス, 引 力 は 安 定 化 だからマイナスとなる.こ れを 考 慮 すると, 反 応 後 のエネルギーはの Potential energy after the reaction of hydrogen atom (A + e) and a proton (B) is... V aft = 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 17
化 学 結 合 - 水 素 分 子 イオン(4)/chemical bonds 3つの 粒 子 があるから,お 互 いに 作 用 すると3 種 類 three interactions for three particles, two protons and an electron 反 発 力 は 不 安 定 化 なのでプラス, 引 力 は 安 定 化 だからマイナスとなる.こ れを 考 慮 すると, 反 応 後 のエネルギーはの Potential energy after the reaction of hydrogen atom (A + e) and a proton (B) is... V aft = (q 2 /r AB - q 2 /r Ae 反 応 前 後 におけるエネルギー 差 は,Difference in the potential energy before and after the reaction is ΔV = Ae - q 2 /r Be )/4πε 0 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 18
化 学 結 合 - 水 素 分 子 イオン(4)/chemical bonds 3つの 粒 子 があるから,お 互 いに 作 用 すると3 種 類 three interactions for three particles, two protons and an electron 反 発 力 は 不 安 定 化 なのでプラス, 引 力 は 安 定 化 だからマイナスとなる.こ れを 考 慮 すると, 反 応 後 のエネルギーはの Potential energy after the reaction of hydrogen atom (A + e) and a proton (B) is... V aft = (q 2 /r AB - q 2 /r Ae 反 応 前 後 におけるエネルギー 差 は,Difference in the potential energy before and after the reaction is Ae - q 2 /r Be )/4πε 0 ΔV = (q 2 /r AB - q 2 /r Be )/4πε 0 陽 子 同 士 が 近 づくことで 反 発 力 が 生 じるとともに,もともとプロトンAの の 近 く にあった 電 子 が 近 づいてきたプロトンBと と 引 き 合 う 引 力 が 生 じる= = 電 子 が ABのあいだにくれば( のあいだにくれば(r AB よりr Be が 小 さければ) 水 素 分 子 イオンは 水 素 原 子 と 陽 子 がばらばらでいるより 安 定 If an electron is locating between protons, a molecular hydrogen ion is stabilized. A B 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 19
分 子 軌 道 法 /molecular orbital 分 子 内 にひろがる 分 子 軌 道 の 関 数 (ψ)を( 構 成 原 子 の 原 子 軌 道 関 数 (φ)( の 線 形 結 合 であらわす.H 2+ では,linear combination of atomic orbitals ψ=c 1 φ 1s (1)+C 2 φ 1s (2) これが2 種 類 のψがえられるの two kinds of molecular obitals ψ + =a(φ 1s (1)+φ 1s (2)) ψ - =a(φ 1s (1)-φ 1s (2)) ψ - ψ + は 極 小 = 安 定 構 造 をつくる: を 結 合 性 軌 道 minimum = bonding ψ - : 反 結 合 性 軌 道 no minimum = anti-bonding ψ + 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 20
水 素 分 子 イオンの 分 子 軌 道 /molecular orbital 結 合 性 軌 道 と 反 結 合 性 軌 道 ( 非 結 合 性 ではない) bonding and antibonding (not "non-bonding) ψ + ψ - 節 面 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 21
2つの 原 子 核 の 相 互 作 用 /interaction of two nuclei 電 子 間 反 発 は 考 慮 しない neglecting repulsion of electrons 核 どうしの 反 発 =f AB repulsion of nuclei: f AB 電 子 と 核 との 引 力 のうち 核 間 方 向 = =f' Ae f' Be interaction between a nucleus and an electron 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 22
反 結 合 性 軌 道 /anti-bonding orbital 電 子 が 核 - 核 より 外 側 : 核 間 の 反 発 = 核 どうしを を 遠 ざける repulsion between nuclei when an electron is out of nuclei ψ + ψ - 節 面 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 23
水 素 分 子 イオン/molecular hydrogen ion 2 個 のプロトンと1 個 の 電 子 two protons and an electron 結 合 性 軌 道 は 安 定 化 させる=エネルギーが が 低 い bonding orbital = low energy/stabilized 安 定 化 のどあいは 約 271 kj/mol energy decrease = ca. 271 kj mol -1 反 結 合 性 軌 道 はおなじだけ 不 安 定 化 anti-bonding orbital = destabilized with the same extent 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 24
水 素 分 子 /molecular hydrogen Q 水 素 分 子 イオン(H 2+ )のポテンシャル 図 にな らって 水 素 分 子 (H( 2 )のポテンシャル 図 を 描 い てください Draw a potential curve for molecular hydrogen. 1 kcal = 4.2 kj 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 25
水 素 分 子 /molecular hydrogen Q 水 素 分 子 イオン(H 2+ )のポテンシャル 図 にな らって 水 素 分 子 (H( 2 )のポテンシャル 図 を 描 い てください Draw a potential curve for molecular hydrogen. エネルギー 極 小 のときの 核 間 距 離 (= 平 衡 核 間 距 離 )は 水 素 分 子 イオンより 小 For hydrogen, average distance between nuclei is smaller. Q 極 小 のエネルギーが 水 素 分 子 イオンより 大 きく,2 倍 より 小 さいのはなぜですか Why the minimum energy is lower than that for H 2+, but smaller than twice of that? 1 kcal = 4.2 kj 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 26
水 素 分 子 /molecular hydrogen Q 水 素 分 子 イオン(H 2+ )のポテンシャル 図 にな らって 水 素 分 子 (H( 2 )のポテンシャル 図 を 描 い てください Draw a potential curve for molecular hydrogen. エネルギー 極 小 のときの 核 間 距 離 (= 平 衡 核 間 距 離 )は 水 素 分 子 イオンより 小 For hydrogen, average distance between nuclei is smaller. Q 極 小 のエネルギーが 水 素 分 子 イオンより 大 きく,2 倍 より 小 さいのはなぜですか Why the minimum energy is lower than that for H 2+, but smaller than twice of that? 電 子 が2つになって が 増 加 するが, 電 子 間 反 発 のための ため2 倍 より 小 さい Because the number of electrons is doubled, but due the repulsion between them, small than twice. 1 kcal = 4.2 kj 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 27
結 合 次 数 /bond order ( 結 合 性 軌 道 の 電 子 数 - 反 結 合 性 軌 道 の 電 子 数 )/2) { (number of electrons in bonding orbitals) - (number of electrons in anti-bonding orbitals) } /2 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 28
ジリチウム(Li 2 )は 存 在 するか/dilithium Q ジリチウム(Li 2 )は 存 在 すると 思 いますか.もし 存 在 すると 思 うならその 理 由 は 何 ですか Do you think that dilithium (Li 2 ) exists? 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 29
ジリチウム(Li 2 )は 存 在 する/di di-lithium exists ジリチウム(Li 2 )の 結 合 次 数 bond order: 1 結 合 エネルギー=2s 軌 道 からできる 結 合 性 軌 道 の 安 定 化 エネ ルギー 2( ( 電 子 の 数 ) stabilization energy by two 2s bonding electrons: 105 kj/mol 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 30
p 軌 道 からつくられる 分 子 軌 道 /pi orbital 核 間 方 向 のpの x 軌 道 か らの 分 子 軌 道 =σ = 軌 道 molecular orbital with two p x atomic orbitals = sigma orbital p y とp z 軌 道 からの 分 子 軌 道 =π = 軌 道 molecular orbital with two set of p y or p z atomic orbitals = pi orbital 反 結 合 性 には * に Put asterisk for anti-bonding orbital 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 31
σ 軌 道 とπ と 軌 道 /sigma and pi orbitals Q おなじ2p 軌 道 からつくられるσ 軌 道 とπ と 軌 道 を 比 べたとき,σ 軌 道 がより 安 定 化 されているのはなぜでですか でですか.Why bonding sigma orbitals are more stabilized bonding pi orbitals both of which are made from 2p atomic orbitals? 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 32
軌 道 の 安 定 性 : 重 なり 積 分 /overlap integral 重 なり 積 分 overlap integral = φ φ 1 d 2 原 子 軌 道 ( (φ 1,φ 2 )の 位 相 も 含 めて 考 えると,p x どうしの 方 が p y (p z )どうしよりも 重 なりが が 大 きい larger overlapping between p x 's than p y 's or p z 's τ Q p x とp y (p z ),p y とp z,sとp y (p z )の 重 なり 積 分 をpを x 軌 道 からでき るσ 結 合 とくらべてくださいと Compare the overlapping of two p x 's with p x -p y, p x -p y and s-p y. 33 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 33
軌 道 の 安 定 性 : 重 なり 積 分 重 なり 積 分 overlap integral = φ φ 1 d 2 原 子 軌 道 ( (φ 1,φ 2 )の 位 相 も 含 めて 考 えると,p x どうしの 方 が p y (p z )どうしよりも 重 なりが が 大 きい larger overlapping between p x 's than p y 's or p z 's τ Q p x とp y (p z ),p y とp z,sとp y (p z )の 重 なり 積 分 をpxを 軌 道 からでき るσ 結 合 とくらべてください=すべて =すべてゼロ totally zero 34 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 34
等 核 2 原 子 分 子 の 例 : 酸 素 分 子 /oxygen molecule Q 酸 素 分 子 (O( 2 )について 右 の 分 子 軌 道 に 電 子 を 入 れてください.ただし, スピンの 向 きを と であらわしてください put electrons Q 結 合 次 数 はいくらですか How much is the bond order? 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 35
構 成 原 理 /construction principle 電 子 が 軌 道 をうめていく 順 序 の 規 則 (1) 1 個 の 軌 道 にはいりうる 電 子 の 数 は2 は 個 (パウリの 原 理 ) Maximum 2 electrons in each orbital = spin (2) 電 子 はエネルギーが 低 い 軌 道 から 順 に 入 る from lower energy orbitals (3) エネルギーがひとしい 軌 道 の 場 合 には,すべての 軌 道 にそ れぞれ1 個 ずつ 入 ったのち,2 個 めが 入 る for sameenergy orbitals, one electron each and then second electron 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 36
等 核 2 原 子 分 子 の 例 : 酸 素 とフッ 素 2つの2pπ * におなじ 向 きのス ピンの 電 子 が1つずつ が 入 る 結 合 次 数 bond order (10-6)/2=2 二 重 結 合 なみの 結 合 距 離 と 結 合 エネルギーという 実 験 事 実 と 合 う consistent with the experimental evidence for bond distance and energy as double bonds 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 37
酸 素 分 子 カチオンとアニオン とアニオン/oxygen ions 電 子 を1 を 個 削 除 / 追 加 結 合 次 数 の 変 化 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 38
感 想 と 意 見 /comments and questions 24 時 間 以 内 にメールを 送 ってください. 本 文 の 各 項 目 内 は 改 行 なしで... Send email within 24 h. to: ohtani@cat.hokudai.ac.jp subject: ms20120608-xxxxxxxx 名 前 (full( name) ニックネーム(nickname nickname) 感 想 意 見 (comments( comments) もしあれば 質 問 (questions( if any) 2012/06/08 環 境 物 質 科 学 基 礎 論 I 39