こう くう 独 政 法 国 病 院 機 構 四 国 がんセンター 科 2015.7 改 訂 承 認
はじめに 各 種 がん 治 療 によって 口 の 中 にはさまざまな 副 作 用 が 現 れ ます また 口 の 中 の 細 菌 を 原 因 として 全 身 的 な 合 併 症 が 発 生 することもあります このような 副 作 用 合 併 症 を 予 防 し 治 療 中 の 患 者 さんの 生 活 の 質 を 向 上 させるために 口 腔 ケアは 行 われます わが 国 のがん 対 策 推 進 基 本 計 画 にも 医 科 歯 科 連 携 による 口 腔 ケアの 推 進 が 明 記 されています 四 国 がんセンターでは 手 術 前 後 抗 がん 剤 の 治 療 前 および 治 療 中 の 患 者 さんに 歯 科 を 受 診 していただき 口 腔 ケアを 行 うことでがん 治 療 中 の 副 作 用 合 併 症 の 予 防 を 行 っています このパンフレットは 患 者 さんががん 治 療 中 の 口 腔 ケアに ついて 理 解 した 上 で 安 心 して 治 療 を 受 けていただくために 作 成 しました ここでは 代 表 的 なお 口 の 副 作 用 合 併 症 の 症 状 と 具 体 的 な 対 策 について 紹 介 しています 内 容 については 個 人 差 がありますのでこの 通 りではあり ません 当 てはまる 箇 所 を 読 み 進 めていくと ご 自 分 のお 口 の 中 の 状 態 や 注 意 点 がよくわかり より 安 心 していただけると 思 います 不 明 な 点 がありましたら お 気 軽 に 医 療 スタッフにおたずねください 1
はじめに もくじ 1 がん 治 療 に 際 しての 院 内 歯 科 の 受 診 について 手 術 を 受 けられる 患 者 さん 化 学 療 法 を 受 けられる 患 者 さん 頭 頸 部 への 放 射 線 治 療 を 受 けられる 患 者 さん 骨 修 飾 薬 の 投 与 を 受 けられる 患 者 さん 化 学 療 法 中 がん 治 療 終 了 後 の 歯 科 治 療 うがい 薬 軟 膏 の 種 類 うがい 薬 軟 膏 の 使 用 方 法 お 口 のお 手 入 れ 方 法 3 4 5 7 10 11 12 14 16 2
がん 治 療 に 際 しての 院 内 科 の 受 診 について がん 治 療 中 そして 治 療 後 にはさまざまな 副 作 用 や 合 併 症 が 口 の 中 に 発 生 します 四 国 がんセンターでは そのような 副 作 用 や 合 併 症 を 予 防 するために 主 治 医 の 依 頼 にもとづいて 治 療 開 始 前 および 入 院 中 に 院 内 歯 科 の 受 診 をしていただきます 院 内 歯 科 では 一 般 的 な 歯 科 治 療 (むし 歯 の 治 療 や 入 れ 歯 など)と 異 なり がん 治 療 に 伴 うお 口 のトラブルを 予 防 する ための 確 認 と 処 置 を 行 います そのため 現 在 他 院 にて 歯 科 治 療 中 の 方 も 院 内 歯 科 の 受 診 をお 勧 めしています 院 内 歯 科 でも 必 要 に 応 じて 一 般 的 な 歯 科 治 療 を 行 っていま すが 退 院 後 も 継 続 して 歯 科 治 療 が 必 要 な 方 にはお 近 くの かかりつけ 歯 科 での 治 療 をお 勧 めし 紹 介 を 行 っています ので ご 希 望 の 方 は 院 内 歯 科 受 診 時 にご 相 談 ください 入 院 中 および 外 来 時 の 歯 科 受 診 に 関 わる 費 用 が その 他 の 検 査 費 治 療 費 と 合 算 して 一 ヶ 月 の 限 度 額 を 超 えた 場 合 には 申 請 によって 高 額 療 養 費 制 度 により 限 度 額 を 超 えた 金 額 が 支 給 される 場 合 があります 歯 科 受 診 や 高 額 療 養 費 制 度 に ついてはがん 相 談 支 援 センターまでお 問 い 合 わせください 3
手 術 を 受 けられる 患 者 さん 手 術 に 伴 う 副 作 用 合 併 症 1 歯 の 損 傷 ( 歯 が 折 れる 抜 ける) 全 身 麻 酔 をかける 際 の 手 技 や 麻 酔 から 覚 める 時 にくいしば ることにより 歯 に 力 がかかり 歯 が 折 れる 抜 ける ぐらぐら になる 出 血 したりする 場 合 があります 2 肺 炎 全 身 麻 酔 中 や 長 期 間 気 管 挿 管 を 行 っている 場 合 口 やのど 食 道 の 手 術 後 で 飲 み 込 みの 機 能 が 障 害 されたり 飲 み 込 みに 関 係 する 神 経 が 麻 痺 をおこした 場 合 などでは 口 の 中 の 汚 れや 細 菌 が 唾 液 (つば)とともに 気 管 に 入 り ひどい 肺 炎 を 起 こす ことがあります 3 創 部 感 染 頭 頚 部 がん(とくに 口 やのど)の 手 術 では 唾 液 中 に 含 まれ る 口 の 中 の 細 菌 が 創 部 ( 傷 )に 感 染 することによって 手 術 を した 部 位 が 腫 れて 膿 が 出 る 熱 が 出 るなどの 創 部 感 染 を 起 こす ことがあります 手 術 に 伴 う 副 作 用 合 併 症 の 予 防 手 術 前 にぐらぐらしている 歯 や 大 きなむし 歯 かぶせやさし 歯 のゆるみがないか 確 認 をしてください 歯 の 損 傷 の 可 能 性 が ある 場 合 には 抜 歯 や 歯 の 固 定 あるいはマウスガードの 作 製 が 必 要 です 手 術 の 前 後 では 患 者 さんご 自 身 で 定 期 的 に 歯 みがきなどの 口 の 清 掃 を 行 うことも 大 切 ですが 手 術 前 にみがき 残 しや 歯 に こびりついた 汚 れを 歯 科 で 除 去 しておくことも 重 要 です 4
化 学 療 法 を 受 けられる 患 者 さん 化 学 療 法 に 伴 う 副 作 用 合 併 症 1 口 内 炎 症 状 についてはパンフレット がん 化 学 療 法 をうけられる 方 へ をご 参 照 ください 2 口 腔 乾 燥 症 化 学 療 法 中 は 唾 液 (つば)の 分 泌 が 減 ります そのため 唾 液 が 粘 ちょうとなったり 口 の 中 やのどが 渇 きます 口 の 中 が 乾 燥 すると 口 の 中 の 粘 膜 が 炎 症 を 起 こして 赤 くなった り ひりひり ピリピリするような 違 和 感 や 痛 みを 感 じます 3 味 覚 障 害 症 状 についてはパンフレット がん 化 学 療 法 をうけられる 方 へ をご 参 照 ください 4 う 蝕 (むし 歯 )と 歯 周 炎 ( 歯 槽 膿 漏 ) 化 学 療 法 中 には 骨 髄 機 能 の 低 下 によって 免 疫 力 が 弱 まるこ となどにより 今 までになったむし 歯 や 歯 槽 膿 漏 が 急 に 症 状 をあらわして 痛 みや 歯 ぐきの 腫 れ 歯 が 浮 いた 感 じなどを 引 き 起 こします 5 敗 血 症 症 状 についてはパンフレット がん 化 学 療 法 を うけられる 方 へ をご 参 照 ください 口 内 炎 やむし 歯 歯 槽 膿 漏 から 口 の 中 の 細 菌 が 血 液 に 入 り 敗 血 症 をひきおこします 5
化 学 療 法 に 伴 う 副 作 用 合 併 症 の 予 防 化 学 療 法 を 開 始 前 または 開 始 後 早 い 時 期 : むし 歯 や 歯 槽 膿 漏 の 有 無 をチェックし 症 状 がなくても 治 療 を 行 ってください 歯 がとがっているところや 歯 に 付 着 したざらざらした 汚 れ( 歯 石 ) 入 れ 歯 の 金 具 が 尖 っている ところは 口 の 中 の 粘 膜 や 舌 を 傷 つける 可 能 性 があるため 早 期 に 治 療 することをお 勧 めします 化 学 療 法 中 : 頻 回 (1 日 6 回 以 上 が 目 安 です)にうがいをおこなって 口 の 乾 燥 を 予 防 してください アルコール 分 (エタノール) を 含 んだうがい 薬 や 消 毒 液 は 口 の 中 をより 乾 燥 させ 刺 激 に もなりますので 使 用 は 控 えてください 食 後 と 寝 る 前 に 歯 みがきを 行 って 口 の 中 を 清 潔 にするよう 心 がけてください 舌 の 表 面 には 味 蕾 (みらい)という 味 を 感 じる 細 胞 がありますので 味 覚 障 害 の 予 防 のために 舌 の 表 面 もきれいにしておきましょう 口 内 炎 や 歯 茎 の 腫 れが 発 生 した 場 合 には その 部 位 から 口 の 中 の 細 菌 が 血 液 の 中 に 入 り 敗 血 症 を 起 こすことがありま すので 清 掃 がより 大 切 ですが 痛 みによって 口 の 中 の 清 掃 が 困 難 な 場 合 には 歯 科 を 受 診 して 専 門 的 に 口 の 中 の 清 掃 を 行 うようにしてください 6
頭 頸 部 への 放 射 線 治 療 を 受 けられる 患 者 さん 頭 頸 部 への 放 射 線 治 療 に 伴 う 副 作 用 合 併 症 1 口 内 炎 放 射 線 照 射 野 ( 放 射 線 治 療 の 範 囲 )に 一 致 してほぼ100% の 割 合 で 口 内 炎 が 発 生 します 放 射 線 治 療 によって 発 生 した 口 内 炎 は 放 射 線 治 療 中 から 治 療 終 了 後 しばらくの 間 (2~ 3ヶ 月 ) 口 内 炎 が 持 続 します 2 口 腔 乾 燥 症 放 射 線 治 療 によって 唾 液 を(つば)を 作 る 細 胞 の 働 きが 低 下 し 唾 液 の 量 が 減 少 します そのため 唾 液 が 粘 ちょうに なったり 口 の 中 やのどが 渇 きます 口 の 中 の 乾 燥 により 口 の 中 の 粘 膜 が 炎 症 を 起 こして 赤 くなり ひりひり ピリピリ するような 違 和 感 や 痛 みを 感 じます 3 味 覚 障 害 放 射 線 治 療 によって 味 を 感 じる 細 胞 や 神 経 が 障 害 を 受 け 味 覚 が 変 化 します 放 射 線 による 味 覚 障 害 では 味 がわかりにく い 砂 を 噛 んでいるような 感 じ などの 症 状 が 起 こります 4 う 蝕 (むし 歯 )と 歯 周 炎 ( 歯 槽 膿 漏 ) 放 射 線 治 療 後 は 唾 液 (つば)の 量 が 減 少 するため 唾 液 の 細 菌 に 抵 抗 する 作 用 や 口 の 中 の 細 かい 汚 れを 洗 い 流 す 作 用 が 弱 まります このため 放 射 線 治 療 後 は 歯 や 歯 ぐきに 汚 れがこびりつき むし 歯 や 歯 槽 膿 漏 になりやすくなります 7
5 放 射 線 性 骨 髄 炎 放 射 線 治 療 後 に 放 射 線 治 療 範 囲 内 の 歯 を 抜 歯 したり 重 度 の 歯 周 炎 になった 場 合 に 口 の 中 の 細 菌 があごの 骨 の 中 に 侵 入 し 骨 髄 炎 (あごの 骨 の 炎 症 )が 発 生 します 痛 みやあごの しびれ 膿 が 出 る あごの 骨 が 腐 って 口 の 中 に 出 てくるなど の 症 状 が 現 れますが 非 常 に 治 りにくいのが 特 徴 です 6 誤 嚥 性 肺 炎 放 射 線 治 療 中 はのどの 痛 みや 動 きの 低 下 のどの 知 覚 と 感 覚 の 低 下 によって 嚥 下 障 害 (うまく 飲 み 込 めない)がおこ り 唾 液 (つば)に 含 まれる 口 の 中 の 細 菌 が 間 違 って 気 管 に 侵 入 し ひどい 肺 炎 を 起 こすことがあります 頭 頸 部 への 放 射 線 治 療 に 伴 う 副 作 用 合 併 症 の 予 防 放 射 線 治 療 の 開 始 前 または 開 始 後 早 い 時 期 : 放 射 線 治 療 後 に 歯 を 抜 いた 場 合 には 骨 髄 炎 を 引 き 起 こす ことがありますので 抜 歯 が 必 要 な 歯 は 治 療 開 始 の2 週 間 前 までに 抜 いておいてください 歯 がとがっているところや 歯 に 付 着 したざらざらした 汚 れ ( 歯 石 ) 入 れ 歯 の 金 具 が 尖 っているところは 口 の 中 の 粘 膜 や 舌 を 傷 つける 可 能 性 がありますので 早 期 に 治 療 することをお 勧 めします 8
放 射 線 治 療 中 : 頻 回 (1 日 6 回 以 上 が 目 安 )にうがいをおこなって 口 の 乾 燥 を 予 防 してください アルコール 分 (エタノール)を 含 んだうがい 薬 や 消 毒 液 は 口 の 中 をより 乾 燥 させ 刺 激 に なりますので 使 用 は 控 えてください 口 内 炎 は 放 射 線 終 了 後 数 週 間 までは 治 ることがありません 口 内 炎 が 発 生 した 場 合 には 痛 みに 応 じた 内 服 の 鎮 痛 剤 と 痛 み 止 めの 入 ったうがい 薬 や 塗 り 薬 の 併 用 によって 痛 みの 緩 和 が 主 体 となります 口 の 中 の 清 掃 をおこなって 口 の 中 を 清 潔 にするよう 心 がけ てください 舌 の 表 面 には 味 蕾 (みらい)という 味 を 感 じる 細 胞 がありますので 味 覚 障 害 の 対 策 のためにも 舌 の 表 面 は きれいにしておきましょう 放 射 線 治 療 終 了 後 唾 液 (つば)の 量 は 放 射 線 治 療 後 も 長 い 間 減 少 しています 放 射 線 治 療 後 はペットボトルにお 茶 や 水 を 携 帯 し こまめに 水 分 を 取 るなど 対 応 が 必 要 です 唾 液 (つば)の 量 が 減 少 することにより 唾 液 の 細 菌 に 抵 抗 する 作 用 や 口 の 中 の 細 かい 汚 れを 洗 い 流 す 作 用 が 弱 まります このため 放 射 線 治 療 後 は 歯 や 歯 ぐきに 汚 れがこびりつき むし 歯 や 歯 槽 膿 漏 になりやすくなります 放 射 線 性 治 療 後 の 抜 歯 は 放 射 線 性 骨 髄 炎 を 引 き 起 こすので 抜 歯 は 行 わないように 注 意 してください むし 歯 や 歯 槽 膿 漏 は 悪 化 すると 抜 歯 が 必 要 に なりますので 定 期 的 に 歯 科 を 受 診 し むし 歯 や 歯 槽 膿 漏 の 予 防 を 行 ってください 9
骨 修 飾 薬 の 投 与 を 受 けられる 患 者 さん 骨 修 飾 薬 とは 以 下 のお 薬 です 内 服 薬 (ビスフォスフォネート 製 剤 ) ダイドロネル ボナロン 点 滴 薬 (ビスフォスフォネート 製 剤 ) ゾレドロン 酸 注 射 薬 ( 抗 RANKL 抗 体 :デノスマブ) ランマーク プラリア 上 には 院 内 採 用 のものを 記 載 しています ビスフォスフォネート 製 剤 やデノスマブはがん 治 療 だけではなく 骨 粗 鬆 症 の 治 療 薬 として 整 形 外 科 から 処 方 されている 場 合 もあります 骨 修 飾 薬 に 伴 う 副 作 用 1 顎 骨 壊 死 骨 修 飾 薬 の 内 服 あるいは 投 与 を 受 けている 方 または 過 去 に 受 けたことがある 方 は あごの 骨 が 腐 る 顎 骨 壊 死 が 発 生 する ことがあります あごの 骨 が 腐 ると 非 常 に 治 りにくく 大 半 の 方 が 完 治 する ことはないといわれています 骨 修 飾 薬 に 伴 う 副 作 用 の 予 防 法 顎 骨 壊 死 は 骨 修 飾 薬 を 何 度 も 投 与 した 後 に 歯 を 抜 いた 部 分 重 度 の 歯 槽 膿 漏 の 部 分 や 入 れ 歯 が 歯 ぐきに 当 たって 傷 を 作 った 部 分 から 発 生 するといわれています 骨 修 飾 薬 の 投 与 前 に 抜 歯 が 必 要 なところは 歯 を 抜 く 歯 槽 膿 漏 の 治 療 や 入 れ 歯 の 調 整 を 行 っておくことが 大 切 です 骨 修 飾 薬 の 投 与 開 始 後 は 定 期 的 に 歯 科 受 診 を 行 い 顎 骨 壊 死 が 発 生 していないか 確 認 するとともに 必 要 に 応 じて 歯 槽 膿 漏 の 治 療 や 入 れ 歯 の 調 整 を 行 ってください 10
化 学 療 法 中 がん 治 療 後 の 科 治 療 ここでは 一 定 期 間 で 化 学 療 法 を 行 う 場 合 がん 治 療 が 終 了 した 後 の 歯 科 治 療 の 注 意 点 について 紹 介 しています 化 学 療 法 中 骨 修 飾 薬 投 与 中 でも 可 能 な 治 療 むし 歯 歯 の 神 経 の 治 療 歯 槽 膿 漏 かぶせや 入 れ 歯 の 治 療 歯 ぐきへの 麻 酔 は 可 能 ですが 体 調 が 悪 い 時 吐 き 気 のある 時 熱 のある 時 は 治 療 を 避 けるようにしてください 抗 がん 剤 治 療 中 に 抜 歯 が 必 要 となった 場 合 には 骨 髄 抑 制 の 状 態 や 今 後 の 化 学 療 法 のスケジュール 調 整 が 必 要 となりますの で 抜 歯 の 予 定 を 立 てる 前 にがんセンターの 主 治 医 あるいは 歯 科 医 師 まで 連 絡 してください 骨 修 飾 薬 投 与 中 の 方 は 顎 骨 壊 死 予 防 のため 投 与 中 は 抜 歯 は 行 わないようにしてください がん 治 療 後 の 歯 科 治 療 むし 歯 歯 の 神 経 の 治 療 歯 槽 膿 漏 かぶせや 入 れ 歯 の 治 療 歯 ぐきへの 麻 酔 はいつでも 可 能 です 頭 頸 部 への 放 射 線 治 療 をおこなった 方 では 顎 骨 骨 髄 炎 をひき おこしますので 放 射 線 照 射 をおこなった 部 位 の 抜 歯 は 行 わな いようにしてください どうしても 抜 歯 が 避 けられない 場 合 にはがんセンターの 主 治 医 あるいは 歯 科 医 師 まで 連 絡 放 射 線 の 照 射 範 囲 抜 歯 時 の 注 意 点 を 確 認 してください 骨 修 飾 薬 投 与 を 行 ったことがある 方 では 投 与 終 了 後 でも 抜 歯 により 顎 骨 壊 死 が 発 生 しますので 抜 歯 は 行 わないように 注 意 してください 11
うがい 薬 と 軟 膏 の 種 類 1 AZ 含 嗽 用 配 合 細 粒 NP アズノールうがい 液 のどや 口 の 中 の 炎 症 を 抑 える 効 果 があります AZ 含 嗽 用 配 合 細 粒 NP は1 包 をコップ 半 分 くらいの 水 かぬるま 湯 に 溶 かして 下 さい アズノールうがい 液 は1 回 押 し 切 り 分 または5~7 滴 を 水 100ccに 溶 かしてください 毎 食 後 寝 る 前 の1 日 4 回 を 目 安 に 使 用 して 下 さい 2 AZ 含 嗽 用 配 合 細 粒 NP +グリセリン のどや 口 の 中 の 炎 症 を 抑 える 効 果 に 加 え 口 の 中 の 乾 燥 を 和 らげる 効 果 があります 1 回 20mlを 口 に 含 んでから 吐 き 出 して 下 さい 吐 き 出 したのちに 味 が 残 るようであれば 軽 く 水 でうがいをしてください 日 中 2 時 間 に1 程 度 (1 日 6 回 以 上 )および 口 の 乾 燥 が 気 になる 時 に 使 用 してください AZ 含 嗽 用 配 合 細 粒 NP グリセリン 3 AZ 含 嗽 用 配 合 細 粒 NP +グリセリン+キシロカイン のどや 口 の 中 の 炎 症 を 抑 え 口 の 中 の 乾 燥 を 和 らげる 効 果 に 加 え 痛 みを 和 らげる 効 果 が あります 1 回 20mlを 口 に 含 んでから 吐 き 出 して 下 さい 上 を 向 いてのどでガラガラとうがいは しないで 下 さい 口 の 中 でグチュグチュと うがいしてください 日 中 2 時 間 に1 回 程 度 (1 日 6 回 以 上 ) 使 用 して ください 食 事 の 直 前 や 歯 みがきの 直 前 口 の 中 が 痛 い 時 口 が 乾 燥 して 痛 い 時 の 使 用 が 効 果 的 です 痛 みを 和 らげる 効 果 は10~15 分 程 度 ですが うがい 後 すぐに 効 果 があらわれます 12 AZ 含 嗽 用 配 合 細 粒 NP グリセリン キシロカイン
4 ボルタレン 含 嗽 水 のどや 口 の 中 の 痛 みを 抑 える 効 果 があります 1 回 20mlを1~2 分 間 口 に 含 んでから 吐 き 出 して 下 さい 効 果 があらわれるまでに30 分 程 度 かかります 1 日 に 何 度 でも 使 用 できます 食 事 や 歯 みがきの30 分 前 そして 痛 くなりそうな 時 の 使 用 が 効 果 的 です しみる 場 合 には AZ 含 嗽 用 配 合 細 粒 NP +グリセリン+ キシロカインのうがいをした 後 に 使 用 してみてください 5 デキサルチン 軟 膏 口 の 中 の 炎 症 を 抑 え 痛 みを 和 らげる 効 果 があります 1 日 に 数 回 (3 回 ~4 回 ) 痛 みのあるところ 赤 くなって いるところに 塗 ってください 寝 る 前 は 必 ず 塗 るようにしてください 塗 りこむ 必 要 はありません 6 キシロカインビスカス 口 の 中 の 痛 みを 和 らげる 効 果 があります 痛 みのあるところ うがいをしても 痛 みの 残 るところに 少 量 塗 ってください 痛 みのある 時 には1 日 に 何 度 でも 使 用 できます 7 プロペト 唇 や 唇 の 端 の 乾 燥 を 和 らげる 効 果 があります 乾 燥 して 唇 がカサカサしたり 皮 がむけたり 唇 の 端 が 切 れた 時 または 症 状 が 出 る 前 に 予 防 的 に 唇 や 唇 の 端 に 薄 く 塗 ってください 塗 りこむ 必 要 はありません 1 日 に 何 度 でも 使 用 できます 13 ボルタレン 含 嗽 水
うがい 薬 と 軟 膏 の 使 用 方 法 うがい 薬 と 軟 膏 は 症 状 にあわせて 使 い 分 けます 口 のなかの 症 状 つばが 出 にくい 感 じがする 喉 が 渇 く 水 でうがい 口 の 中 に 違 和 感 を 感 じる AZ 含 嗽 用 配 合 細 粒 NP 口 の 中 (つば)が 粘 る ベトベトする 喉 が 渇 く 会 話 の 後 に 口 の 中 に 細 かいつばの 泡 がみられる AZ 含 嗽 用 配 合 細 粒 NP +グリセリンうがい 薬 口 が 渇 く 喉 が 渇 く 散 剤 が 舌 口 腔 粘 膜 にこびりつく 夜 間 に 口 が 渇 いて 何 度 も 目 が 覚 める AZ 含 嗽 用 配 合 細 粒 NP +グリセリンうがい 薬 市 販 の 保 湿 剤 (オーラルバランスなど) 口 の 中 の 粘 膜 が 赤 いが 痛 みはない AZ 含 嗽 用 配 合 細 粒 NP +グリセリンうがい 薬 口 の 中 に 単 発 する 小 さな 口 内 炎 がある 痛 みがあるが 食 事 摂 取 に 支 障 がない ( 食 事 の 形 態 を 変 更 することで 食 事 ができる) AZ 含 嗽 用 配 合 細 粒 NP +グリセリンうがい 薬 と デキサルチン 軟 膏 口 内 炎 の 部 位 に 痛 みが 強 ければキシロカ インビスカス 14
口 の 中 に 単 発 の 小 さな 口 内 炎 がある 痛 みで 食 事 がとりづらい AZ 含 嗽 用 配 合 細 粒 NP +グリセリンうがい 薬 と キシロカインビスカス または AZ 含 嗽 用 配 合 細 粒 NP +グリセリン+ キシロカインうがい 薬 口 の 中 に 数 カ 所 の 口 内 炎 がある または 口 の 中 に 大 きな 口 内 炎 がある 痛 みによって 食 事 がとりづらいあるいは 食 事 が とれない AZ 含 嗽 用 配 合 細 粒 NP +グリセリン+キシロカイン うがい 薬 と ボルタレンうがい 薬 唇 の 症 状 痛 みはないが 乾 燥 してカサカサする ひび 割 れている プロペト 痛 みはないが 赤 くなっている デキサルチン 軟 膏 赤 くなっていたり 小 さな 口 内 炎 や 口 角 炎 痛 みはあるが 口 から 食 事 をとることに 問 題 ない デキサルチン 軟 膏 ( 痛 みがつよければキシロカインビスカスを 追 加 ) 大 きな 口 内 炎 かさぶたや 血 のかたまりの 付 着 がある 痛 みがあり 口 から 食 べるのが 困 難 キシロカインビスカスとデキサルチン 軟 膏 15
お 口 のお 手 入 れの 方 法 1. 歯 みがきの 方 法 歯 ブラシは 鉛 筆 を 握 るように 持 ち ブラシの 先 を 歯 に 対 し て 直 角 あるいは45 度 の 角 度 にあてて 2 3 歯 づつ 左 右 に 細 かく 往 復 運 動 をさせます 歯 の 裏 側 は 歯 と 歯 茎 の 境 目 に 歯 ブラシを 斜 めにあてます 2. 歯 ブラシについて 歯 ブラシは 小 さめで 柄 がまっすぐで 握 りやすいものが おすすめです 毛 はナイロン 製 のものを 使 用 します 動 物 の 毛 を 使 ったブラシは 乾 燥 に 時 間 がかかり 不 衛 生 に なりやすいので 避 けます 電 動 歯 ブラシの 使 用 も 可 能 です 3. 歯 ブラシの 毛 の 硬 さの 調 整 歯 ブラシの 毛 の 硬 さは 治 療 開 始 前 や 治 療 中 で 口 の 中 に 痛 み や 口 内 炎 がない 時 にはふつうの 硬 さを 使 用 します 口 内 炎 が 発 生 したり 骨 髄 抑 制 の 際 に 歯 ぐきが 腫 れたりして ふつうの 硬 さでは 痛 みが ある 時 には 柔 らかい 歯 ブラシに 変 更 します 16
4. 歯 みがきが 困 難 なとき 口 内 炎 が 発 生 し 柔 らかい 歯 ブラシでも 痛 い 手 術 の 後 で 傷 の 安 静 を 図 るために 歯 ブラシが 使 えない 全 身 状 態 が 悪 く 歯 みが きができない 血 小 板 が 減 少 し 歯 ぐきから 出 血 するなどの 場 合 には 歯 ブラシではなく スポンジブラシ 綿 棒 を 使 って 口 の 中 を 清 掃 してください スポンジブラシや 綿 棒 でも 痛 みがある 口 の 中 に 入 れると 吐 き 気 がするなどの 場 合 にはうがいを 頻 回 に 行 うだけでもかまいません スポンジブラシ 5. 歯 間 ブラシ デンタルフロス( 糸 ようじ) 歯 と 歯 が 接 している 面 などは 汚 れが 付 着 しやすく 除 去 しに くい 場 所 です 歯 ブラシだけではどうしても 汚 れが 残 りますの で 補 助 的 に 歯 間 ブラシやデンタルフロスを1 週 間 に2 3 回 使 用 することも 大 切 です 血 小 板 が 減 少 して 歯 ぐきから 出 血 し やすい 場 合 には 出 血 の 原 因 になりますので その 間 は 使 用 は 控 えてください 歯 間 ブラシ デンタルフロス( 柄 付 きのもの) 17
6. 歯 磨 き 粉 歯 磨 き 粉 はどのようなもを 使 用 してもよいですが 口 内 炎 が 発 生 して 歯 磨 き 粉 がしみる 場 合 には 低 刺 激 のものを 使 用 する あるいは 歯 磨 きを 使 わず 水 のみにするなどしてください 口 の 中 やのどの 手 術 の 後 では 十 分 に 歯 みがきができるように なるまでは 歯 磨 き 粉 の 使 用 は 控 えてください 7. 入 れ 歯 の 取 り 扱 い 夜 間 は 入 れ 歯 は 外 してください 入 れ 歯 を 外 すと 落 ち 着 かな い 残 っている 歯 が 歯 ぐきにあたって 痛 い などの 場 合 には 寝 る 前 に 入 れ 歯 を 入 念 に 清 掃 した 後 に 入 れ 歯 を 入 れて 下 さい また 口 内 炎 などによって 口 の 中 に 痛 みがある 入 れ 歯 を 入 れると 痛 い など 場 合 には 食 事 の 時 以 外 は 外 すようにして ください 8. 入 れ 歯 の 清 掃 毎 食 後 入 れ 歯 を 外 して 入 れ 歯 の 清 掃 を 行 ってください その 際 に 入 れ 歯 専 用 ブラシを 使 っていただくと 清 掃 が 容 易 です が 流 水 下 で 入 れ 歯 の 汚 れを 指 でこすり 落 としていただいても かまいません 治 療 中 は 毎 日 入 れ 歯 洗 浄 液 に 入 れ 歯 をつけて 入 れ 歯 の 清 掃 を 行 うようにしてください 18
ご 心 配 な 点 があれば まずはかかりつけ 医 にご 相 談 ください なお かかりつけ 医 に 連 絡 がつかない 場 合 は 以 下 の 連 絡 先 にご 連 絡 ください 四 国 がんセンターの 連 絡 先 問 い 合 わせ ( 平 日 ) 8:30 ~ 17:15 四 国 がんセンター がん 相 談 支 援 センター ( 直 通 番 号 ) 089-999-1114 ( 平 日 時 間 外 及 び 土 日 祝 祭 日 ) 日 直 / 夜 間 当 直 師 長 ( 代 表 番 号 ) 089-999-1111