InterView 健 康 長 寿 を 支 える 医 療 を 先 導 する 府 立 医 大 の 役 割 京 都 府 立 医 科 大 学 吉 川 敏 一 学 長 に 広 報 誌 第 2 号 のテーマである 健 康 長 寿 医 療 を 先 導 する 京 都 府 立 医 科 大 学 の 役 割 についてイ

Similar documents
Microsoft Word - 目次.doc

<4D F736F F D F8D828D5A939982CC8EF68BC697BF96B38F9E89BB82CC8A6791E52E646F63>

各論_1章〜7章.indd

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

●幼児教育振興法案

Taro-01 議案概要.jtd

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

( 新 ) 医 療 提 供 の 機 能 分 化 に 向 けたICT 医 療 連 携 導 入 支 援 事 業 費 事 業 の 目 的 医 療 政 策 課 予 算 額 58,011 千 円 医 療 分 野 において あじさいネットを 活 用 したICT したICT 導 入 により により 医 療 機 能

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

スライド 1

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

< F2D E58A FC8A778ED B297768D80>

公表表紙

003-00個人の健康増進・疾病予防の推進のための所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

守 口 市 立 東 小 学 校 大 久 保 小 学 校 の 統 合 実 施 計 画 目 次 第 1 守 口 市 における 学 校 統 合 の 背 景 1 第 2 東 小 学 校 と 大 久 保 小 学 校 の 統 合 について 1 第 3 統 合 校 の 学 校 づくりについて 2 第 4 東 小

03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

有 料 老 ホーム ( ) ( 主 として 要 介 護 状 態 にある を 入 居 させるも のに 限 る ) 第 29 条 ( 届 出 等 ) 第 二 十 九 条 有 料 老 ホーム( 老 を 入 居 させ 入 浴 排 せつ 若 しくは 食 事 の 介 護 食 事 の 提 供 又 はその 他 の

新 行 財 政 改 革 推 進 大 綱 実 施 計 画 個 票 取 組 施 策 国 や 研 究 機 関 への 派 遣 研 修 による 資 質 向 上 の 推 進 鳥 インフルエンザ 等 新 たな 感 染 症 等 に 対 する 検 査 技 術 の 習 得 など 職 員 の 専 門

安 芸 太 田 町 学 校 適 正 配 置 基 本 方 針 の 一 部 修 正 について 1 議 会 学 校 適 正 配 置 調 査 特 別 委 員 会 調 査 報 告 書 について 安 芸 太 田 町 教 育 委 員 会 が 平 成 25 年 10 月 30 日 に 決 定 した 安 芸 太 田

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

課 税 ベ ー ス の 拡 大 等 : - 租 税 特 別 措 置 の 見 直 し ( 後 掲 ) - 減 価 償 却 の 見 直 し ( 建 物 附 属 設 備 構 築 物 の 償 却 方 法 を 定 額 法 に 一 本 化 ) - 欠 損 金 繰 越 控 除 の 更 な る 見 直 し ( 大

Microsoft Word - nagekomi栃木県特定医療費(指定難病)支給認定申請手続きのご案内 - コピー

16 日本学生支援機構

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

<819A955D89BF92B28F BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

●電力自由化推進法案

(5 ) 当 該 指 定 居 宅 介 護 事 業 所 の 新 規 に 採 用 し た 全 て の 居 宅 介 護 従 業 者 に 対 し 熟 練 し た 居 宅 介 護 従 業 者 の 同 行 に よ る 研 修 を 実 施 し て い る こ と (6 ) 当 該 指 定 居 宅 介 護 事 業

毎 月 の 給 与 等 ( )を 一 定 の 等 級 区 分 にあてはめた 標 準 月 額 の 上 限 が 現 行 の47 等 級 から50 等 級 に 改 正 されます ( 別 紙 健 康 保 険 料 額 表 参 照 ) なお 法 改 正 に 伴 い 標 準 月 額 が 改 定 される 方 につい

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

< F2D F97CC8EFB8F BE8DD78F9192CA926D>

Microsoft Word - 交野市産業振興基本計画 doc

別紙3

<4D F736F F D20328FCD5F8F5A82DC82A282DC82BF82C382AD82E882CC89DB91E8>

                         庁議案件No

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

がん専門病院における薬剤師養成のあり方に関する調査研究

Microsoft PowerPoint - 経営事項審査.ppt

m07 北見工業大学 様式①

七 の 二 自 然 公 園 法 ( 昭 和 三 十 二 年 法 律 第 百 六 十 一 号 ) 第 二 十 条 第 一 項 に 規 定 する 国 立 公 園 又 は 国 定 公 園 の 特 別 地 域 のうち 同 法 第 二 十 一 条 第 一 項 に 規 定 する 特 別 保 護 地 区 その 他

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う文部科学省関係省令の整備に関する省令等について(通知)

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

2 積 極 的 な 接 種 勧 奨 の 差 し 控 え 国 は 平 成 25 年 4 月 から 定 期 接 種 化 したが ワクチン 接 種 との 関 連 を 否 定 できない 持 続 的 な 痛 みなどの 症 状 が 接 種 後 に 見 られたことから 平 成 25 年 6 月 定 期 接 種 と

18 国立高等専門学校機構

東京都立産業技術高等専門学校

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

1 リーダーシップと 意 思 決 定 1-1 事 業 所 が 目 指 していることの 実 現 に 向 けて 一 丸 となっている 評 価 項 目 事 業 所 が 目 指 していること( 理 念 基 本 方 針 )を 明 確 化 周 知 している 1. 事 業 所 が 目 指 していること

・モニター広告運営事業仕様書

学校安全の推進に関する計画の取組事例

 

<4D F736F F F696E74202D208CE38AFA8D8297EE8ED288E397C390A CC8A AE98EBA8DEC90AC816A2E707074>

(2) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 17 年 4 月 1 日 現 在 ) 初 任 給 2 年 後 の 給 料 初 任 給 2 年 後 の 給 料 一 般 行 政 職 技 能 労 務 職 大 学 卒 171,1 151,5 19,2 164,7 17,7 184,4 中 学 卒 1

<6D33335F976C8EAE CF6955C A2E786C73>

容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

①表紙

全設健発第     号

< F31332D91CF906B89BB8C7689E68F912E6A7464>

5) 在 宅 医 療 提 供 体 制 の 検 討 退 院 に 関 わる 業 種 ごとに 部 会 を 立 ち 上 げ 在 宅 医 療 に 必 要 なことについて 検 討 していく またそれを 拠 点 整 備 事 業 委 員 会 が 統 括 し さらにそれを 拠 点 整 備 事 業 協 議 会 が 監

<4D F736F F D2090BC8BBB959491BA8F5A91EE8A C52E646F63>


< F2D819A8B638E968E9197BF82528E968BC68C7689E68F C>

別 紙 軽 費 老 人 ホームの 収 入 認 定 について 平 成 22 年 3 月 9 日 千 葉 県 健 康 福 祉 部 高 齢 者 福 祉 課 本 紙 は 平 成 18 年 1 月 24 日 老 発 第 号 厚 生 労 働 省 老 健 局 長 通 知 老 人 保 護 措 置 費

<8BB388F58F5A91EE82A082E895FB8AEE967B95FB906A>

表紙-2.xdw

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 級 の 給 料 月 額 最 高 号 級 の 給 料 月 額 1 級 ( 単 位 : ) 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 9 級 1 級 135,6 185,8 222,9 261,

就 学 前 教 育 保 育 の 実 施 状 況 ( 平 成 23 年 度 ) 3 歳 以 上 児 の 多 く(4 歳 以 上 児 はほとんど)が 保 育 所 又 は 幼 稚 園 に 入 所 3 歳 未 満 児 (0~2 歳 児 )で 保 育 所 に 入 所 している 割 合 は 約 2 割 就 学

< EE597768E968BC688EA97972D372E786477>

する ( 評 定 の 時 期 ) 第 条 成 績 評 定 の 時 期 は 第 3 次 評 定 者 にあっては 完 成 検 査 及 び 部 分 引 渡 しに 伴 う 検 査 の 時 とし 第 次 評 定 者 及 び 第 次 評 定 者 にあっては 工 事 の 完 成 の 時 とする ( 成 績 評 定

島根大学における学生等の授業料その他の費用に関する規則

4 調 査 の 対 話 内 容 (1) 調 査 対 象 財 産 の 土 地 建 物 等 を 活 用 して 展 開 できる 事 業 のアイディアをお 聞 かせく ださい 事 業 アイディアには, 次 の 可 能 性 も 含 めて 提 案 をお 願 いします ア 地 域 の 活 性 化 と 様 々な 世

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

< F2D8E968BC6895E89638E77906A816988C4816A2E6A7464>

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

( 補 助 金 等 交 付 決 定 通 知 に 加 える 条 件 ) 第 7 条 市 長 は 交 付 規 則 第 11 条 に 規 定 するところにより 補 助 金 の 交 付 決 定 に 際 し 次 に 掲 げる 条 件 を 付 するものとする (1) 事 業 完 了 後 に 消 費 税 及 び

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 135, , , , , ,600

公 営 企 業 職 員 の 状 況 1 水 道 事 業 1 職 員 給 与 費 の 状 況 ア 決 算 区 分 総 費 用 純 利 益 職 員 給 与 費 総 費 用 に 占 める ( 参 考 ) 職 員 給 与 費 比 率 22 年 度 の 総 費 用 に 占 A B B/A める 職 員 給 与

Microsoft Word - 通知 _2_.doc

平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

Microsoft Word

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

スライド 1

診療行為コード


母 子 医 療 対 策 費 462 (313,289) 国 4,479 1 不 妊 治 療 助 成 事 業 8,600 不 妊 治 療 費 用 の 一 部 を 助 成 し 経 済 的 負 担 の 軽 減 を 図 る 230, ,608 不 妊 治 療 費 の 増 加 による 増 額 分

25 年 度 アクションプラン 補 助 制 度 目 標 定 住 人 口 :198 人 増 1 九 州 大 学 学 生 への 電 動 バイクレンタル 事 業 学 研 都 市 づくり 課 進 学 糸 島 市 内 に 居 住 する 九 州 大 学 の 学 生 に 民 間 業 者 と 連 携 し て 電 動

目 標 を 達 成 するための 指 標 第 4 章 計 画 における 環 境 施 策 世 界 遺 産 への 登 録 早 期 登 録 の 実 現 史 跡 の 公 有 地 化 平 成 27 年 度 (2015 年 度 )までに 235,022.30m 2 施 策 の 体 系 1 歴 史 的 遺 産 とこ

別 添 1 女 性 国 家 公 務 員 の 登 用 状 況 資 料 1 指 定 職 に 占 める 女 性 の 割 合 は3.0%( 平 成 27 年 11 月 1 日 現 在 ) ( 前 年 9 月 1 日 現 在 から0.2ポイント 増 ) 本 省 課 室 長 相 当 職 以 上 に 占 める 女

(Microsoft Word - \220\340\226\276\217\221.doc)

Microsoft Word - 1表紙.doc

事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

1 はじめに 計 画 の 目 的 国 は 平 成 18 年 度 に 住 生 活 基 本 法 を 制 定 し 住 まいに 関 する 基 本 的 な 計 画 となる 住 生 活 基 本 計 画 ( 全 国 計 画 )を 策 定 し 住 宅 セーフティネットの 確 保 や 住 生 活 の 質 の 向 上

(3) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 5 年 月 日 現 在 ) 決 定 初 任 給 採 用 年 経 過 後 給 料 月 額 大 学 卒 7, 8, 一 般 行 政 職 短 大 卒 9,8 6, 高 校 卒, 8,5 () 職 員 の 経 験 年 数 別 学 歴 別 平 均 給 料

Transcription:

vol.2 Mar, 2015 京 都 から 世 界 世 界 から 京 都 へ 府 立 医 大 の 今 を 伝 える 広 報 誌 InterView 吉 川 敏 一 学 長 健 康 長 寿 医 療 を 先 導 する 府 立 医 大 の 役 割 InterView 和 食 食 機 能 京 文 化 が 切 り 拓 く 健 康 長 寿 産 業 シンポジウム を 開 催 Hospital News 京 都 府 立 医 科 大 学 附 属 北 部 医 療 センター InterView 平 成 26 年 度 卒 業 式 を 挙 行 I&D News オクラホマ 大 学 からの 留 学 生 の 修 了 式 Campus News 京 都 府 大 規 模 災 害 時 検 視 検 案 訓 練 を 実 施 Point of View 横 綱 白 鵬 関 が 小 児 医 療 センターを 来 訪 Point of View 新 世 代 のがん 分 子 標 的 療 法 開 発 戦 略 シン ポ ジ ウム を 開 催 Point of View 小 児 循 環 器 腎 臓 科 による 心 臓 カテーテル 検 査 のようす Point of View 小 児 心 臓 血 管 外 科 山 岸 正 明 診 療 部 長 による 手 術 のようす

InterView 健 康 長 寿 を 支 える 医 療 を 先 導 する 府 立 医 大 の 役 割 京 都 府 立 医 科 大 学 吉 川 敏 一 学 長 に 広 報 誌 第 2 号 のテーマである 健 康 長 寿 医 療 を 先 導 する 京 都 府 立 医 科 大 学 の 役 割 についてインタビューを 行 いました 京 都 から 日 本 世 界 へと 医 学 研 究 のアウトプットにも 取 り 組 ん で い ら っ し ゃ い ま す ね? A 和 食 京 文 化 とがん 分 子 標 的 療 法 開 発 戦 略 多 彩 な 研 究 成 果 をアウトプット 健 康 の 維 持 は 人 類 の 最 も 重 要 な 課 題 で その 根 幹 となるのが 医 学 医 療 です 京 都 府 立 医 科 大 学 は 明 治 5 年 の 創 立 以 来 世 界 トップクラスの 臨 床 および 基 礎 医 学 研 究 を 京 都 府 民 そして 日 本 世 界 の 人 々 の 健 康 に 生 かすことをモットーとしています そのアウトプットとして 平 成 26 年 11 月 17 日 には 農 林 水 産 省 主 催 京 都 府 立 医 科 大 学 共 催 の 和 食 食 機 能 京 文 化 が 切 り 拓 く 健 康 長 寿 産 業 シンポジウムが 開 催 されました このシンポジウムは 超 高 齢 化 社 会 を 迎 え 古 都 京 都 から 食 や 文 化 を 通 じて 健 康 長 寿 を 考 えることを 目 的 に 開 催 され 彬 子 女 王 殿 下 をはじめと した 著 名 な 諸 先 生 方 の 貴 重 な 発 表 がありました 今 回 の 広 報 誌 のテーマ 健 康 長 寿 社 会 を 支 える 医 療 を 先 導 す る 府 立 医 大 の 役 割 に つ い てご 説 明 くだ さい A 健 康 長 寿 の 延 伸 や 超 高 齢 化 社 会 に 向 けた 産 業 創 出 などをテーマ にした 研 究 を 積 極 的 に 展 開 日 本 は 世 界 各 国 の 先 頭 を 切 って 前 人 未 到 の 超 高 齢 化 社 会 に 踏 み 出 し 2013 年 の 厚 生 労 働 省 の 調 査 では 65 歳 以 上 の 高 齢 者 の 割 合 が 25% を 超 え 世 界 平 均 の8%を 大 きく 上 回 って 世 界 一 となっています 日 本 が 今 後 超 高 齢 化 社 会 の 諸 問 題 にどう 対 処 していくかは 世 界 が 注 目 するとこ ろで ここで 良 き 範 を 示 すことが 日 本 の 社 会 経 済 を 成 長 させる 鍵 となるは ずです その 根 幹 になるのが 健 康 長 寿 社 会 に 向 けて 日 本 が 世 界 最 先 端 の 医 療 技 術 サービスを 研 究 開 発 し 世 界 の 健 康 長 寿 を 延 伸 する 医 学 研 究 を 推 進 することだと 考 えています このような 状 況 の 中 で 京 都 府 立 医 科 大 学 では 健 康 長 寿 の 延 伸 や 超 高 齢 化 社 会 に 向 けた 産 業 創 出 などをテーマにした 研 究 を 積 極 的 に 展 開 し 健 康 長 寿 医 療 の 先 導 役 として 研 究 活 動 を 行 っています さらに12 月 6 日 には 本 学 主 催 で 新 世 代 のがん 分 子 標 的 療 法 開 発 戦 略 シンポジウム が 開 催 され 国 際 的 に 評 価 されるがん 分 子 標 的 薬 の 研 究 開 発 に 貢 献 した 我 が 国 を 代 表 する 研 究 者 に 講 演 いただくとと もに 新 世 代 のがんの 研 究 診 療 に 関 する 講 演 等 が 発 表 されました 今 後 も 京 都 府 立 医 科 大 学 は 京 都 から 日 本 世 界 へと 健 康 長 寿 社 会 を 支 える 医 療 医 学 の 情 報 を 積 極 的 に 発 信 してまいります 平 成 26 年 度 卒 業 式 が 挙 行 されました 今 回 の 広 報 誌 でも 渡 邊 能 行 教 授 が 行 っている 京 都 府 民 を 対 象 とした ゲノムコホート 研 究 山 脇 正 永 教 授 が 行 っている 在 宅 医 療 における 患 者 評 価 のための 新 規 デバイス 開 発 研 究 成 本 迅 講 師 の 地 域 社 会 における 認 知 症 で 意 思 決 定 能 力 が 低 下 した 高 齢 者 への 地 域 社 会 のサポートシステム 構 築 さらには 北 部 医 療 センターでの 地 域 の 特 性 を 生 かした 研 究 など た くさんの 取 り 組 みを 紹 介 しています 京 都 府 立 医 科 大 学 学 長 吉 川 敏 一 関 西 公 立 医 科 大 学 医 学 部 連 合 (KNOW) にも 期 待 が 寄 せられていますね? A 関 西 公 立 医 科 大 学 医 学 部 連 合 (KNOW)の 結 束 力 を 強 化 し オールジャパンで 日 本 の 医 療 の 優 れた 技 術 や 知 見 を 世 界 に 発 信 関 西 公 立 医 科 大 学 医 学 部 連 合 (KNOW) は 京 都 府 立 医 大 (K) 奈 良 県 立 医 大 (N) 大 阪 市 立 大 医 学 部 (O) 和 歌 山 県 立 医 大 (W)の4つ の 公 立 医 科 大 学 医 学 部 がチームとなって 連 携 協 力 することで 地 域 社 会 の 発 展 と 人 類 の 福 祉 に 寄 与 しようという 取 り 組 みです 超 高 齢 化 社 会 の 中 で 日 本 が 行 っている 具 体 的 な 施 策 たとえば 介 護 保 険 制 度 や 介 護 サービス メタボ 健 診 やメタボ 予 防 ロコモ 予 防 認 知 症 予 防 医 療 保 険 制 度 さまざまな 予 防 医 学 研 究 など 日 本 が 開 発 した 医 療 サービスをパッ ケージ 化 し 国 際 展 開 するためにも 関 西 公 立 医 科 大 学 医 学 部 連 合 (KN OW)の 結 束 力 を 強 化 し オールジャパンで 日 本 の 医 療 の 優 れた 技 術 や 知 見 を 世 界 に 発 信 するための 体 制 づくりに 寄 与 します 3 月 6 日 京 都 コンサートホールにて 平 成 26 年 度 卒 業 式 を 挙 行 しました 吉 川 敏 一 学 長 は 式 辞 の 中 で 最 先 端 の 知 識 と 技 術 を 身 に 付 けるだけでなく 国 際 人 と しての 語 学 やマナーなども 兼 ね 備 えた 知 的 エリート として 活 躍 してほしいと 思 います 門 出 に 当 たり 鎌 倉 時 代 初 期 の 禅 僧 であり 日 本 における 曹 洞 宗 の 開 祖 である 道 元 禅 師 の 言 葉 を 伝 えたいと 思 います 道 元 禅 師 の 言 行 録 である 正 法 眼 蔵 随 聞 記 (しょうぼうげん ぞうずいもんき)には 無 益 のことを 行 じて 徒 (いた ずら)に 時 を 失 うことなかれ と 書 かれています 諸 君 たちのように 有 能 な 人 物 が 毎 日 毎 日 の 貴 重 な 時 間 を 無 駄 に 使 うのは あたかも 最 上 の 財 産 を 失 うよう なものであると 教 えています 日 々の 切 磋 琢 磨 を 心 が け 充 実 した 医 療 人 としての 人 生 を 歩 んでください と 医 学 部 大 学 院 合 わせて222 名 の 卒 業 生 に 門 出 の メッセージを 贈 りました 2 3

Point of View がん 医 療 について Cancer Research & Treatment 患 者 社 会 と 協 働 す る が ん 研 究 を 推 進 がん 研 究 対 策 の 歩 みと 府 立 医 大 の 役 割 学 長 吉 川 敏 一 がんは 昭 和 56 年 に 脳 卒 中 を 抜 いてわ が 国 の 死 亡 原 因 の 第 一 位 になり 昭 和 59 年 にはがんの 本 態 解 明 を 図 ることを 目 標 として 対 がん10 ヶ 年 総 合 戦 略 が 策 定 され ヒトがん 遺 伝 子 ウイルスによるヒ ト 発 がん 発 がん 促 進 とその 制 御 免 疫 の 制 御 機 能 や 制 御 物 質 などを 中 心 として 研 究 が 進 められました 平 成 6 年 には が ん 克 服 新 10か 年 戦 略 が 策 定 され 発 がんの 分 子 機 能 転 移 浸 潤 及 びがん 細 胞 の 特 性 がん 体 質 と 免 疫 がん 患 者 の QOLなど 本 態 解 明 からがん 克 服 へと 研 究 テーマが 進 展 しました さらに 平 成 16 年 からは がん 罹 患 率 と 死 亡 率 の 激 減 を 目 指 して 第 3 次 対 がん 10か 年 総 合 戦 略 が 策 定 されて 基 礎 研 究 の 成 果 を 応 用 した 革 新 的 ながん 予 防 診 断 治 療 法 の 開 発 がん 医 療 の 均 てん 化 などが 推 進 され 平 成 25 年 度 に 終 了 し ました そして 平 成 26 年 3 月 には 新 たに がん 研 究 10か 年 戦 略 がまとめられ 新 しく 設 立 された 医 療 開 発 研 究 機 構 (A - MED) にも 大 きな 期 待 が 集 まってい ます 京 都 府 立 医 科 大 学 では 新 たな がん 研 究 10か 年 戦 略 の 中 で 重 点 項 目 として 掲 げられる 研 究 戦 略 に 即 したがん 研 究 に かねてより 取 り 組 んでいます その 代 表 的 な 取 り 組 みをご 紹 介 します ハイパーサーミア( 温 熱 療 法 )と 免 疫 療 法 について 消 化 器 内 科 消 化 器 内 科 学 内 藤 裕 二 研 究 と 臨 床 の 現 場 准 教 授 消 化 器 内 科 学 石 川 剛 複 合 的 に 治 療 法 を 組 み 合 わせ 選 択 的 ながん 死 滅 を 狙 う 講 師 本 学 はがんに 対 するハイパーサーミア( 温 熱 療 法 )および 免 疫 療 法 に 関 して 全 国 に 先 駆 けて 着 目 し 研 究 をスタートし 豊 富 な 臨 床 実 績 をもとに 患 者 さんの 状 態 に 応 じた 的 確 な 治 療 を 提 供 してお ります 最 近 では この2つの 療 法 を 組 み 合 わせて 治 療 を 行 う 研 究 も 進 めています 現 在 は 消 化 器 内 科 の 内 藤 裕 二 准 教 授 と 石 川 剛 講 師 が 中 心 となって 消 化 器 がんに 対 する 化 学 免 疫 温 熱 療 法 の 研 究 を 進 めています ハイパー サーミアは がん 組 織 は 熱 がこもりやすく がん 細 胞 の 方 が 正 常 細 胞 より 温 度 感 受 性 が 高 いという 特 性 を 応 用 し 電 磁 波 照 射 により42-43 度 まで 温 度 を 上 昇 させて がんを 選 択 的 に 死 滅 させようと 考 案 さ れた 治 療 法 です ハイパーサーミアに 用 いられる 温 熱 治 療 装 置 がんの 免 疫 療 法 に 使 用 する 免 疫 細 胞 を 培 養 する 様 子 (タカラバイオ 提 供 ) がん 免 疫 療 法 は 自 分 自 身 に 備 わって いる 免 疫 力 を 強 化 し てがんを 攻 撃 しようと する 治 療 法 で がん ワクチン 療 法 や 免 疫 細 胞 療 法 の 他 近 年 注 目 を 集 める 免 疫 チェックポイ ント 阻 害 剤 などの 抗 体 療 法 があります 本 学 では ワクチン 療 法 や 新 規 NK 細 胞 療 法 レトロネクチン 誘 導 Tリンパ 球 療 法 などの 細 胞 療 法 の 臨 床 開 発 を 進 めるとともに これらの 免 疫 療 法 と 抗 体 療 法 を 併 用 した 複 合 的 がん 免 疫 療 法 の 研 究 開 発 を 行 っています ハイパーサーミアは 直 接 的 な 抗 がん 作 用 の 他 に 担 がん 患 者 さんにみられ る 免 疫 抑 制 状 態 を 解 除 する 作 用 や がん 細 胞 上 のがん 抗 原 発 現 を 誘 導 する 作 用 などがあることを 確 認 しています 免 疫 抑 制 状 態 をハイパーサーミ アにより 修 復 された 環 境 に 導 いて がん 免 疫 療 法 を 併 せて 行 うことで 抗 がん 作 用 の 増 強 が 期 待 され こうした 基 礎 研 究 の 結 果 をもとに 温 熱 免 疫 療 法 の 開 発 も 進 めています その 他 の 代 表 的 ながん 研 究 がんの 予 防 法 や 早 期 発 見 手 法 に 関 する 研 究 につ いては 地 域 保 健 医 療 疫 学 の 渡 邊 能 行 教 授 らが 京 都 府 民 を 対 象 に 生 活 習 慣 病 と 疾 病 遺 伝 子 などの 相 互 作 用 を 検 討 し 個 人 の 体 質 に 応 じたがんなどの 予 防 方 法 を 確 立 する 研 究 が 進 められています さらに 消 化 器 外 科 の 大 辻 英 吾 教 授 らが 5-アミ ノレブリン 酸 による 消 化 器 がんの 腹 膜 播 種 に 対 す る 光 線 力 学 的 診 断 法 を 腹 腔 鏡 診 断 に 臨 床 応 用 し 手 術 中 のリアルタイム 診 断 さらに 胃 がん 大 腸 が ん 食 道 がんのリンパ 節 転 移 診 断 や 手 術 中 の 合 理 的 治 療 法 の 選 択 の 可 能 性 も 示 しました 新 たな 治 療 法 の 開 発 については 泌 尿 器 外 科 の 三 木 恒 治 教 授 らが 分 子 標 的 薬 抵 抗 性 腎 がんに 対 するIMA901ワクチン 療 法 の 候 補 となるペプチ ドのスクリーニング 進 行 性 腎 がんに 対 する 分 子 標 的 治 療 薬 治 療 による 有 害 事 象 の 出 現 や 治 療 効 果 を 予 測 できるバイオマーカーとしての 特 定 の 遺 伝 子 多 型 の 同 定 などの 成 果 によって 患 者 さんの QOLを 配 慮 し 副 作 用 の 少 ない 治 療 法 のストラテ ジーを 確 立 しました 新 世 代 のがん 分 子 標 的 療 法 開 発 戦 略 シンポジウム 分 子 標 的 癌 予 防 医 学 酒 井 敏 行 がんシンポジウム を 主 催 平 成 26 年 12 月 6 日 には 新 世 代 のがん 分 子 標 的 療 法 開 発 戦 略 シンポジウ ム を 国 立 京 都 国 際 会 館 で 本 学 が 主 催 し わが 国 アカデミアで 過 去 10 年 間 に 開 発 された 抗 がん 分 子 標 的 薬 の4 大 発 明 と 呼 ばれるクリゾチニブ モガム リズマブ トラメチニブ ニボルマブの 開 発 者 である4 人 の 研 究 者 からアンメッ ドメディカルニーズに 応 えるがん 治 療 薬 開 発 について 詳 しくお 話 しいただき 本 学 分 子 標 的 がん 予 防 医 学 の 酒 井 敏 行 教 授 からは ドラッグ ラグ の 解 消 に 向 けた 新 しい 治 療 薬 の 開 発 に 関 して 建 設 的 な 提 言 がありま したので ここにご 紹 介 します 分 子 標 的 薬 の 研 究 開 発 と 今 後 の 創 薬 研 究 への 提 言 教 授 多 くの 悪 性 腫 瘍 において 発 がんにもっとも 重 要 な 役 割 を 担 うがん 抑 制 遺 伝 子 RBがタ ンパク 質 レベルで 失 活 することに 着 目 し RBを 中 心 とした 新 規 がん 予 防 法 診 断 法 治 療 法 に 関 する 臨 床 応 用 研 究 を 企 業 と 行 ってきました それらの 経 験 の 中 で RB 再 活 性 化 ス クリーニング と 名 付 けた 分 子 標 的 薬 の 探 索 方 法 を 創 案 し 企 業 と 共 同 で 新 規 MEK 阻 害 剤 トラメチニブと 新 規 RAF / MEK 阻 害 剤 CH 5126766を 発 見 しました 特 にトラメ チニブは 進 行 性 BRAF 変 異 メラノーマ 患 者 に 対 して 一 昨 年 米 国 でファースト イン クラスのMEK 阻 害 剤 として メキニスト という 商 品 名 で 認 可 された 後 EUほかでも 承 認 されました その 結 果 旧 来 の 抗 がん 剤 による 奏 効 率 が 約 5%であったのに 対 し トラメチ ニブとBRAF 阻 害 剤 を 併 用 することにより 奏 効 率 76%( 完 全 奏 効 率 9%)にまで 達 し ト ラメチニブは 一 昨 年 のドラッグ ディスカバリー オブ ザ イヤーに 選 ばれました この 経 験 を 踏 まえて わが 国 におけるがん 分 子 標 的 薬 の 開 発 戦 略 について 私 見 を 述 べ させていただくと 一 気 通 貫 的 創 薬 支 援 を 行 う 日 本 医 療 研 究 開 発 機 構 (A MED)へと 創 薬 の 中 心 を 移 行 させることにより 医 薬 品 の 輸 入 超 過 額 年 間 3 兆 円 を 一 気 に 解 決 する 方 向 性 を 目 指 すことは 建 設 的 であると 考 えます しかし 一 方 で 日 本 の 製 薬 会 社 が 欧 米 のメガファーマと 闘 うには 日 本 の 会 社 が 安 心 してアカデミアと 組 める 創 薬 方 法 の 独 自 性 が 必 須 だと 考 えます 創 薬 には 遺 伝 子 研 究 が 専 門 のジーン ハンターだけでなく 創 薬 研 究 を 行 うドラッグ ハンターが 必 要 ですが わが 国 では 今 日 に 至 るまで 創 薬 研 究 を 専 門 とするドラッグ ハンターを 育 てる 研 究 費 を 配 分 する 仕 組 みに 極 めて 乏 しかったことが 医 薬 品 の 輸 入 超 過 に 結 び 付 いた 要 因 の 一 つと 考 えています 優 秀 なジーン ハンターとドラッグ ハンターを 育 成 することが 日 本 の 創 薬 開 発 の 両 輪 であると 考 えています 創 薬 標 的 に 関 しても 発 想 の 転 換 が 必 要 で 創 薬 の 標 的 は 決 して 日 本 発 にこだわる 必 要 もなく 新 規 なものでなくてもいいのです 創 薬 標 的 に 関 しては 汎 用 性 のある 創 薬 を 目 指 す 場 合 は 発 がん 共 通 経 路 の 標 的 が 最 も 理 想 的 ではないかと 考 えます また 独 自 のスクリーニング 方 法 を 持 つ 研 究 者 を 育 成 支 援 することも 欧 米 メガファー マやメガベンチャーと 競 合 せずに より 良 い 分 子 標 的 薬 を 開 発 するために 必 要 です 今 後 これらの 点 に 留 意 しつつ 国 がアカデミアに 対 する 創 薬 支 援 を 行 えば 企 業 もアカデミアと 組 みやすくなり その 結 果 我 が 国 はがん 分 子 標 的 薬 の 創 薬 において 世 界 をリードする ことも 十 分 可 能 だと 考 えます 4 5

Point of View がん 医 療 について Cancer Research & Treatment 患 者 社 会 と 協 働 す る が ん 研 究 を 推 進 小 児 がん 拠 点 病 院 小 児 医 療 センター 京 都 府 立 医 科 大 学 附 属 病 院 は 平 成 25 年 に 厚 生 労 働 省 より 小 児 がん 拠 点 病 院 に 指 定 されました 小 児 がん 拠 点 病 院 に 申 請 のあった 全 国 37 施 設 のうち 9 人 の 評 価 者 が 総 合 的 に 採 点 し 全 国 15 施 設 中 第 2 位 で 選 定 されました 要 件 は 小 児 がん 診 療 集 学 的 治 療 難 治 再 発 症 例 と 思 春 期 がんへの 対 応 集 約 化 と 地 域 連 携 緩 和 ケア 小 児 がん 研 修 教 育 臨 床 研 究 患 者 の 養 育 環 境 がん 相 談 支 援 長 期 フォローアップな ど 多 岐 にわたり 全 てに 高 得 点 の 評 価 を 頂 きました 小 児 がん 拠 点 病 院 としての 研 究 と 役 割 小 児 科 学 教 室 教 授 細 井 創 共 同 研 究 で 最 善 の 治 療 法 を 小 児 循 環 器 腎 臓 科 糸 井 利 幸 診 療 副 部 長 による 外 来 診 療 ( 写 真 上 ) 小 児 外 科 田 尻 達 郎 教 授 による 手 術 ( 写 真 下 ) 予 後 良 好 であることを 証 明 したりして 成 果 を 上 げています 小 児 外 科 領 域 においても 神 経 芽 新 たながん 治 療 の 拠 点 づくり 最 先 端 がん 治 療 研 究 施 設 京 都 府 立 医 科 大 学 永 守 記 念 最 先 端 がん 治 療 研 究 センター 設 立 される 最 先 端 がん 治 療 研 究 施 設 京 都 府 立 医 科 大 学 永 守 記 念 最 先 端 がん 治 療 研 究 センター の 完 成 イメージ 図 身 体 に 負 担 の 少 ない 治 療 技 術 で 治 療 効 果 を 高 める 試 みとしては 本 学 に 最 先 端 がん 治 療 研 究 施 設 京 都 府 立 医 科 大 学 永 守 記 念 最 先 端 がん 治 療 研 究 センター ( 仮 称 )を 建 設 し 寄 附 する 覚 書 が 寄 附 者 である 日 本 電 産 株 式 会 社 会 長 兼 社 長 の 永 守 重 信 氏 との 間 で 昨 年 11 月 に 締 結 されました 現 在 の 構 想 では 最 新 鋭 の 陽 子 線 治 療 装 置 や 放 射 線 治 療 装 置 を 設 置 する 予 定 です 陽 子 線 は がんの 病 変 部 の 近 くでエネルギーの 大 半 を 放 出 できるため 病 変 の 後 方 にある 正 常 組 織 には 陽 子 線 があたりにくいように 適 切 にコントロールで き 局 限 化 した 放 射 線 治 療 が 可 能 です 中 でも 動 体 追 跡 技 術 とスポットスキャ ニング 照 射 技 術 を 組 み 合 わせて 呼 吸 などの 動 きで 位 置 が 変 動 しやすい 肺 や 肝 臓 などの 腫 瘍 に 対 しても 腫 瘍 の 位 置 を 的 確 にとらえて 高 精 度 な 陽 子 線 の 照 射 を 実 現 し 正 常 部 位 への 侵 襲 を 大 幅 に 減 らすことが 可 能 な 最 新 鋭 機 器 を 導 入 予 定 です 当 院 では 全 国 の 小 児 がん 疾 患 の 専 門 施 設 大 学 小 児 科 腫 瘍 血 液 グループでは 多 くの 小 児 固 形 腫 瘍 の 中 でも 神 経 芽 腫 横 紋 筋 肉 腫 悪 性 ラブドイド 腫 瘍 に 対 する 基 礎 研 究 を 以 前 よ り 盛 んに 行 ってきました また 造 血 器 腫 瘍 の 分 野 では 急 性 リンパ 性 白 血 病 の 遺 伝 子 および 予 後 因 子 解 析 と 治 療 標 的 の 探 索 や 急 性 骨 髄 性 白 血 病 の 分 化 障 害 の 機 序 の 解 明 その 解 除 に よる 治 療 可 能 性 の 検 討 について 研 究 を 進 めて います 腫 における 高 感 度 予 後 因 子 解 析 難 治 性 小 児 固 形 悪 性 腫 瘍 に 対 する 新 規 治 療 法 の 開 発 神 経 芽 腫 4s 期 のiPS 細 胞 疾 患 モデルによる 同 時 多 発 自 然 退 縮 メカニズムの 解 析 などの 研 究 を 進 めています と 連 携 して 多 施 設 共 同 研 究 ( 臨 床 試 験 )に 参 加 し 診 療 実 績 をあげております 3 人 に2 人 が なるというような common disease としての 成 人 がんとは 異 なり 10,000 人 のこどもあたり 約 1 人 にしか 発 生 しない(それでも わが 国 では 年 間 2,000 ~ 2,500 人 発 生 する) 希 少 疾 患 の 小 児 がんでは 施 設 ごとに 異 なる 治 療 を 行 って いたのでは どの 治 療 がより 良 い 治 療 なのか 科 学 的 に 証 明 できないため 診 断 や 治 療 を 一 定 の 基 準 で 統 一 し 同 じ 治 療 を 全 国 で 行 い 症 例 のデータを 集 積 し 過 去 の 治 療 成 績 と 比 較 した り 2 種 類 の 治 療 を 無 作 為 に 割 り 付 け 比 較 検 討 したりすることで その 疾 患 の 治 療 成 績 や 問 題 点 改 善 点 を 科 学 的 に 調 査 し 新 しい より 良 い 治 療 法 を 開 発 していきます このような 取 り 組 みが 多 施 設 共 同 研 究 です 当 院 で 登 録 可 能 な 臨 床 多 施 設 共 同 研 究 の 臨 床 試 験 には 神 経 芽 腫 横 紋 筋 肉 腫 肝 芽 腫 腎 芽 腫 白 血 病 を 代 表 とする 様 々な 造 血 器 腫 瘍 その 他 様 々な 難 治 性 がんなどがあり そのほとんどで 研 究 グ ループ 代 表 や 主 任 研 究 者 研 究 組 織 委 員 長 や 委 員 を 務 めています チーム 医 療 で 子 どもを 守 る! 小 児 医 療 センターには 2 つの クラス100 の 骨 髄 移 植 用 の 無 菌 治 療 室 が 設 置 され 小 児 血 液 がん 専 門 医 血 液 専 門 医 指 導 医 を 中 心 とした 専 門 チームが 血 縁 者 非 血 縁 者 間 骨 髄 バンクあるいは 臍 帯 血 バンクからの 造 血 幹 細 胞 移 植 を 行 っています 診 断 治 療 には 小 児 科 医 だけではなく 小 児 外 科 医 病 理 医 放 射 線 診 断 医 治 療 医 疼 痛 緩 和 ケア 歯 科 専 門 医 など 多 数 科 の 医 師 看 護 師 薬 剤 師 その 他 多 種 の 医 療 スタッフ が 集 まりカンファレンスを 開 き 情 報 を 共 有 し 多 職 種 からなるチーム 医 療 を 行 っています また 生 存 率 の 治 療 成 績 だけでなく お 子 さ んたちに 優 しい 治 療 中 後 成 人 して 社 会 に 出 てからの QOL の 向 上 も 目 指 した 集 学 的 な 小 児 がん 治 療 とトータルケアを 行 っています 京 都 府 を 中 心 とした 地 域 の 患 者 さんだけでなく 全 国 の 患 者 さんとその 家 族 に 喜 んでもらえるような 小 児 がん 拠 点 またAYA 世 代 のがん 患 者 さん の 治 療 にももっと 貢 献 できる 病 院 を 目 指 し 医 療 者 だけでなく 行 政 や 教 育 関 係 者 とも 連 携 して 力 を 合 わせ 日 々 邁 進 しています 多 面 的 に 小 児 がんを 研 究 基 礎 研 究 結 果 をダイレクトに 臨 床 現 場 に 応 用 するトランスレーショナル リサーチについては 血 液 中 に 放 出 された 腫 瘍 細 胞 からのDNAを 利 用 して 手 術 する 前 に 血 液 検 査 で 神 経 芽 腫 の 遺 伝 子 検 査 を 行 い 予 後 を 診 断 し 最 良 最 少 必 要 限 の 治 療 を 行 う 治 療 法 の 確 立 や 血 液 中 に 放 出 された 腫 瘍 由 来 micro RNAを 利 用 し た 横 紋 筋 肉 腫 の 診 断 法 の 確 立 などの 研 究 成 果 を 発 表 しています 疫 学 研 究 については 横 紋 筋 肉 腫 患 者 の 全 国 調 査 を 行 い 我 が 国 の 患 者 数 や 治 療 成 績 を 判 明 させたり 神 経 芽 腫 患 者 登 録 の 解 析 から 我 が 国 のマス スクリーニングの 死 亡 率 の 低 下 を 証 明 したり 全 国 神 経 芽 腫 患 者 登 録 の 解 析 から 予 後 がよいと 言 われている 乳 児 例 にも 予 後 不 良 の 遺 伝 子 異 常 マーカーであるMYCN 増 幅 例 が 存 在 することを 証 明 したり 神 経 芽 腫 患 者 登 録 の 解 析 から 乳 児 期 以 降 の 病 期 4sも やさしい 笑 顔 とパワーに 感 謝! 横 綱 白 鵬 関 が 小 児 医 療 センターを 来 訪 しました 難 治 性 小 児 がんへの 挑 戦 また 現 在 の 医 療 ではまだ 治 癒 させることが できないような 難 治 性 小 児 がんに 対 しても 新 規 の 診 断 方 法 治 療 方 法 を 開 発 すべく さまざ まな 基 礎 研 究 を 行 っています 京 都 府 立 医 科 3 月 25 日 34 回 目 の 優 勝 を 飾 って 間 もない 横 綱 白 鵬 関 が 本 学 附 属 病 院 内 の 小 児 医 療 センターを 来 訪 し 入 院 中 の 子 どもたちとその 家 族 を 激 励 しました 白 鵬 関 は 忙 しいスケジュールの 合 間 にわざわざ 子 どもたち のために 時 間 を 調 整 して 病 室 をひとつひとつまわり 子 どもたちと 触 れ 合 ってく ださいました 握 手 を 求 め る 子 どもの 小 さな 手 をやさ しく 握 って 早 く 元 気 に なって! と 笑 顔 で 声 を か け たり 小 児 医 療 センターの マスコット フレフレちゃん と 記 念 写 真 を 撮 りました 6 7

京 都 府 立 医 科 大 学 附 属 北 部 医 療 センター 平 成 25 年 4 月 から 京 都 府 立 与 謝 の 海 病 院 が 京 都 府 立 医 科 大 学 附 属 北 部 医 療 センターとして 新 たなスタートを 切 り 3 回 目 の 春 を 迎 えました 現 在 のようすを 中 川 正 法 病 院 長 がご 紹 介 します 心 豊 かな 高 齢 化 社 会 を 築 き 地 域 医 療 の 中 心 を 担 う 病 院 を 目 指 します 外 壁 工 事 後 は 外 見 的 にもキレイになり 今 後 は 本 格 的 な 診 療 施 設 の 充 実 が 心 待 ちにされている 全 国 に 先 駆 け 地 域 医 療 の 理 想 像 を 実 現 へ り 皆 様 にはご 不 便 をおかけする 点 が 多 々ありますが 今 後 も 診 療 施 設 の 充 実 専 門 性 と 総 合 性 を 備 えた 医 療 サー ビスの 提 供 などを 通 じて 高 齢 化 社 会 に 対 応 できる 診 療 機 能 強 化 を 図 り 皆 様 に 愛 される 地 域 中 核 病 院 としてさ らなる 飛 躍 を 目 指 したいと 考 えております 京 都 府 立 医 科 大 学 附 属 北 部 医 療 センター 病 院 長 として 3 年 目 を 迎 えました 信 頼 される 全 人 的 医 療 を 基 本 理 念 として 1) 患 者 さんが 中 心 の 安 心 安 全 な 医 療 の 提 供 2) 患 者 さんと 医 療 従 事 者 のコミュニケーションの 重 視 3) 個 人 情 報 の 保 護 4) 専 門 性 と 総 合 性 をもつ 診 療 5) 地 域 に 開 かれた 病 院 6) 全 人 的 医 療 が 行 える 医 療 人 の 育 成 7) 地 域 の 特 性 を 活 かした 研 究 の 推 進 を 基 本 方 針 として 掲 げ 職 員 が 一 丸 となって 取 り 組 んでまいりました 放 射 線 科 での 治 療 のようすと 新 しく 導 入 されたガンマカメラ 若 手 医 師 の 地 域 医 療 の キャリア 形 成 をサポート また 人 材 教 育 に 関 しても 総 合 診 療 力 を 備 えた 人 材 育 成 と 地 域 の 特 性 を 活 かした 研 究 を 推 進 し 全 国 から 地 域 医 療 を 志 す 優 秀 な 若 手 医 師 がキャリア 形 成 を 目 指 して 集 まるような 魅 力 ある 病 院 づくりを 進 めております 京 都 府 立 医 科 大 学 附 属 北 部 医 療 センター 病 院 長 中 川 正 法 2 年 間 で 医 療 サービスの 充 実 を 多 面 的 に 実 現 この 間 に もの 忘 れ 外 来 小 児 外 科 外 来 小 児 発 達 外 来 などの 開 設 女 性 専 用 小 児 病 棟 の 開 設 総 合 診 療 科 の 新 設 救 急 診 療 機 能 の 拡 充 を 実 現 するための 北 部 医 療 センター 救 急 室 の 開 設 認 知 症 疾 患 医 療 センターの 開 設 府 民 公 開 講 座 やケーブルテレビなどを 通 じての 医 療 情 報 の 提 供 近 隣 の 医 療 機 関 への 診 療 応 援 病 院 間 協 定 の 締 結 教 育 機 能 の 充 実 心 臓 リハビリテーションの 開 始 周 産 期 医 療 のさらなる 充 実 など 意 欲 的 かつ 多 面 的 に 取 り 組 みました 超 高 齢 社 会 の 理 想 郷 になり ノウハウを 全 国 に 発 信 丹 後 エリアはわが 国 の 超 高 齢 社 会 を 先 取 りする 地 域 と して 全 国 平 均 の 約 2 倍 も 百 寿 者 が 元 気 に 生 活 しており ひとりの 研 究 者 としても 高 い 関 心 を 持 ち 認 知 症 に 関 す る 丹 後 活 き 生 き 長 寿 研 究 というコホート 研 究 を 実 施 し ております この 研 究 を 進 めていく 中 で 丹 後 地 域 の 特 徴 である 豊 かな 自 然 豊 かな 人 間 性 という ソーシャル キャピタル が 心 豊 かな 高 齢 化 社 会 の 基 盤 になっている と 感 じております 丹 後 地 域 が 日 本 の 未 来 を 先 取 りする 形 で 安 心 安 全 健 康 な 社 会 づくりに 貢 献 していきたい と 考 え 引 き 続 き 病 院 長 として 丹 後 の 地 域 医 療 に 全 力 で 取 り 組 んでまいります リハビリテーション 室 附 属 病 院 化 により 医 師 派 遣 が 急 増 患 者 数 も 増 加 このような 取 り 組 みの 成 果 として 平 成 26 年 度 の 受 診 患 者 数 は 前 年 度 比 5.3% 増 入 院 患 者 数 も 前 年 度 比 7.9% 増 となり 診 療 収 入 も 増 加 しました また 医 師 派 遣 については 京 都 府 立 医 科 大 学 の 附 属 病 院 化 前 に 比 べて 約 6.6 倍 に 増 加 し 北 部 地 域 の 皆 様 にも 充 実 した 医 療 サービスを 提 供 できるようになりました 平 成 25 年 4 月 から 京 都 府 立 与 謝 の 海 病 院 が 京 都 府 立 医 科 大 学 附 属 北 部 医 療 センターとして 新 たなスタートを 切 り 3 回 目 の 春 を 迎 えた 今 後 の 課 題 は 施 設 の 老 朽 化 対 策 本 館 の 外 壁 を 塗 り 替 えて 外 見 的 にもかなりきれいにな りましたが 施 設 全 体 の 老 朽 化 に 伴 うさまざまな 課 題 もあ 病 室 からの 眺 めも 美 しくピンク 色 を 中 心 に 空 間 を 演 出 した 女 性 子 供 専 用 病 棟 リハビリテーションセンターでは 患 者 さんと 医 療 従 事 者 のコ ミュニケーションの 重 視 という 基 本 方 針 そのままに 職 員 が 患 者 さんに 接 している 8 9

京 都 府 立 医 科 大 学 附 属 北 部 医 療 センターの 取 り 組 み 北 部 医 療 センターの 取 り 組 みについてご 紹 介 します のんびりと 穏 やかな 海 に 囲 まれた 絶 好 の 環 境 が 長 寿 の 秘 訣? 24 時 間 体 制 で 救 急 救 命 士 も 常 勤 従 来 の2 倍 のスペースになった 救 急 室 認 知 症 疾 患 医 療 センターの 入 り 口 七 夕 &クリスマスコンサート 北 部 医 療 センターでは 七 夕 とクリスマスに 院 内 コン サートを 行 っています 当 センター 職 員 や 看 護 学 校 学 生 等 で 構 成 する くれっしぇんど 与 謝 と 丹 後 地 域 で 活 動 するオカリナサークル ハニーローズ がさまざま な 曲 を 演 奏 し 患 者 さんやそのご 家 族 に 大 変 喜 ばれて います 丹 後 活 き 生 き 長 寿 研 究 ~ 長 寿 の 秘 密 を 研 究 人 口 10 万 人 あたりの100 歳 以 上 の 高 齢 者 の 数 は 全 国 平 均 で 約 46 人 しかし 丹 後 地 域 はその2 倍 以 上 の 約 113 人 という 長 寿 者 が 多 いエリアで 高 齢 者 の 食 生 活 や 体 力 を10 年 間 調 査 研 究 し 長 寿 の 秘 密 を 探 ろうという のが 丹 後 活 き 生 き 長 寿 研 究 です 研 究 の 中 心 は 神 経 内 科 医 でもある 中 川 正 法 病 院 長 対 象 となるのは 丹 後 地 域 に 在 住 の60 ~ 64 歳 の 男 女 約 3,600 人 で 本 格 的 な 調 査 は 今 年 5 月 からスタートします すでに 一 部 地 域 で 70 人 程 度 の 先 行 調 査 を 開 始 されており 100 歳 長 寿 に は 1 大 病 の 経 験 がない 2 筋 肉 が 比 較 的 強 いなどの 特 徴 があるそうです 調 査 を 通 じて 長 寿 の 秘 訣 が 明 らかに なるのが 楽 しみです 救 急 室 を 従 来 の2 倍 のスペースに 拡 充 平 成 26 年 4 月 に 北 部 医 療 センター 救 急 室 が 従 来 の 約 2 倍 の 広 さになりました 女 性 患 者 さんをはじめ 患 者 さんのプライバシーに 十 分 配 慮 した 診 察 室 と 観 察 室 と なり 24 時 間 態 勢 でより 充 実 した 救 急 医 療 を 提 供 できる ように 設 備 を 充 実 させました 平 成 25 年 からは 病 院 に 救 急 隊 が 常 駐 する 救 急 ワークステーションが 府 内 で 初 めて 運 用 を 開 始 しており 救 急 救 命 士 が 医 師 のもとで 実 習 を 行 うことで 処 置 のスピードアップなどの 技 能 力 向 上 に 役 立 て 地 域 の 救 命 率 の 向 上 を 目 指 しています 認 知 症 疾 患 医 療 センターを 開 設 平 成 26 年 3 月 に 京 都 府 からの 指 定 を 受 けて 認 知 症 疾 患 医 療 センターを 開 設 しました このセンターは 認 知 症 の 方 が 住 み 慣 れた 地 域 で 安 心 して 生 活 を 継 続 してい けるように 地 域 の 保 健 医 療 と 介 護 関 係 機 関 と 連 携 を 図 りながら 支 援 することを 目 的 としています センターでは 認 知 症 の 鑑 別 診 断 周 辺 症 状 や 合 併 症 の 治 療 専 門 医 療 相 談 などを 行 うほか 保 健 医 療 介 護 関 係 者 等 の 研 修 を 実 施 認 知 症 疾 患 の 保 健 医 療 水 準 や 対 応 力 の 向 上 を 図 っ ています 重 症 心 身 障 害 児 者 ショートステイ 事 業 所 に 平 成 26 年 8 月 から 重 度 の 知 的 障 害 と 身 体 障 害 を 伴 う 方 を 介 護 する 家 族 の 負 担 軽 減 のために 重 症 心 身 障 害 者 ショートステイ 事 業 を 始 めました 今 まで 事 業 所 が なかった 京 都 府 北 部 の 拠 点 となることで 地 域 障 害 福 祉 サービスの 充 実 に 貢 献 しています 副 病 院 長 兼 看 護 部 長 インタビュー Q 自 己 紹 介 をお 願 い します A 平 成 26 年 4 月 から 副 病 院 長 兼 看 護 部 長 に 就 任 しまし た 実 は20 年 前 に この 病 院 にスタッフとして 勤 務 させ ていただいており その 際 に も 大 変 お 世 話 になりました 副 病 院 長 看 護 部 長 橋 元 春 美 再 びこのような 機 会 をいただき 風 光 明 媚 なこの 地 との 深 い 縁 を 感 じるとともに 素 晴 らしい 自 然 環 境 の 中 で 働 ける ことを 大 変 うれしく 思 います 特 に 海 が 目 の 前 に 広 がる 宿 舎 での 生 活 は 本 当 に 心 地 良 く 自 然 の 豊 かさが 私 たちの 健 康 にとって 重 要 であると 身 を 持 って 感 じています Q 看 護 に 関 する 様 々な 方 針 や 取 り 組 み をご 紹 介 ください A 看 護 部 の 理 念 は 信 頼 される 質 の 高 い 看 護 で こ れを 通 じて 地 域 医 療 を 支 える 人 材 の 育 成 に 努 めておりま す 運 営 方 針 は 1) 安 心 安 全 な 看 護 の 提 供 2) 看 護 倫 理 に 基 づく 看 護 の 実 践 3) 社 会 のニーズに 応 える 創 造 的 な 看 護 の 実 践 4)チーム 医 療 地 域 社 会 の 中 で 専 門 的 な 役 割 を 果 たす 5) 生 涯 にわたる 自 己 研 鑽 と 後 継 者 育 成 6)よりよい 職 場 環 境 づくりの 推 進 7) 健 全 な 病 院 運 営 のために 積 極 的 に 行 動 する の7つです 特 に 今 年 は 働 き 続 けられる 職 場 づくりや 看 護 師 のキャリア 開 発 システムの 構 築 医 療 介 護 連 携 ユマニチュード( 認 知 症 ケアの 新 しい 技 法 )の 実 践 の4つのプロジェクトとして 取 り 組 んでいきます Q どんな 看 護 を 目 標 にしたいとお 考 えで しょうか? A 病 院 の 近 隣 に 住 む 看 護 師 も 多 く 一 人 でもたくさん のスタッフが 1 日 でも 長 く 温 かい 看 護 の 心 を 持 って 働 き 続 けられるような 環 境 を 整 えるとともに 専 門 的 な 知 識 を 身 につけて 看 護 師 としての 能 力 を 高 め キャリアを 積 んで いけるようにサポー トしたいと 考 えてお ります 充 実 した 職 場 環 境 を 整 えること で より 質 の 高 い 看 護 が 提 供 できると 考 えています Nursing Care 看 護 部 の 各 部 署 をご 紹 介 します A3 病 棟 ( 整 形 外 科 耳 鼻 咽 喉 科 神 経 内 科 ) A3 病 棟 は 病 院 の 南 側 にあり 特 室 からは 日 本 三 景 天 橋 立 や 阿 蘇 海 が 一 望 できる 恵 まれ た 環 境 の 病 棟 です 患 者 さんは 高 齢 者 の 多 い 病 棟 ですが 医 師 看 護 師 理 学 療 法 士 などが カンファレンスを 行 い 協 力 し ながら 患 者 さんが 安 心 して 安 全 に 入 院 生 活 が 送 れるように ス タッフ 一 丸 となって 取 り 組 んで います B2 病 棟 ( 集 中 治 療 室 ) C2 病 棟 ( 消 化 器 外 科 泌 尿 器 科 など) C3 病 棟 ( 循 環 器 内 科 眼 科 など) C4 病 棟 ( 消 化 器 内 科 皮 膚 科 など) C5 病 棟 ( 呼 吸 器 内 科 総 合 診 療 科 など) * 女 性 病 棟 については9ページで 紹 介 しています B2 病 棟 は 全 ての 診 療 科 の 急 性 期 集 中 治 療 を 担 っています HEART( 命 )HEART( 心 ) を 支 える 看 護 をモットーにス タッフ 一 丸 となって 日 々 取 り 組 んでいます モニターアラー ム 人 工 呼 吸 器 のアラームに 神 経 を 集 中 して 緊 迫 した 環 境 の 中 患 者 さんやご 家 族 に 優 しく 丁 寧 な 対 応 を 心 がけ 頑 張 って おります C2 病 棟 は 消 化 器 外 科 泌 尿 器 科 病 棟 として 急 性 期 の 外 科 看 護 を 担 っています 術 後 の 後 療 法 として 化 学 療 法 も 多 くあ り スタッフのスキル 向 上 のた め 学 習 会 にも 力 を 入 れていま す 術 前 指 導 から 術 後 の 離 床 訓 練 合 併 症 予 防 退 院 指 導 な ど 術 前 術 後 までスタッフが 安 心 して 手 術 が 受 けていただける よう 心 のこもった 看 護 に 努 め ております C3 病 棟 は 主 に 心 筋 梗 塞 そ の 他 狭 心 症 心 不 全 等 の 循 環 器 内 科 白 内 障 緑 内 障 網 膜 剥 離 等 の 眼 科 疾 患 その 他 透 析 導 入 の 腎 臓 内 科 の 患 者 さん が 入 院 している 病 棟 です 週 5 ~ 6 回 の 心 臓 カテーテル 検 査 8 ~ 9 件 の 眼 科 手 術 を 週 2 回 実 施 しています 退 院 支 援 にも 力 を 入 れており 医 師 とのカン ファレンス 地 域 とのカンファレ ンスを 進 めております C4 病 棟 は 消 化 器 内 科 皮 膚 科 を 主 として 急 性 期 から 慢 性 期 終 末 期 緩 和 ケアまで 様 々 な 健 康 障 害 を 抱 えた 患 者 さん への 看 護 活 動 を 展 開 しており ます 入 院 患 者 さんの 思 いの 寄 り 添 いや 満 足 度 の 高 い 看 護 の 提 供 を 目 指 して スタッフ 一 丸 となって 看 護 実 践 を 行 っ ています 当 院 では 京 都 府 北 部 地 域 で 唯 一 の 呼 吸 器 内 科 があり 肺 が ん 慢 性 閉 塞 性 肺 疾 患 の 方 から 糖 尿 病 の 教 育 や 慢 性 疾 患 患 者 さんの 在 宅 退 院 支 援 も 頑 張 って います 私 たちは 日 々 患 者 家 族 に 寄 り 添 う 看 護 を 実 践 し ています ターミナル 期 の 患 者 さんも 多 く 最 後 まで そ の 人 ら しさ を 大 切 に 全 人 的 なケア ができるように チーム 医 療 を 行 っています 10 11

R esearchviews 京都府立医科大学は高度な専門的知識から生まれるユニークな視点で 既存の価値観に左右されない豊かな創造力を持つ 人材がその能力を十二分に発揮できる環境を提供しています 今回は このような本学の校風 伝統を受け継ぎ 多角的 な研究を行っている診療科と研究者をご紹介します 転写制御による細胞分化 腫瘍発症メカニズムの包括的 理解をめざして 新しい代用心臓弁 代用血管の開発 分子生化学 教授 酸化ストレスが関わる多様な 疾患の分子標的治療を めざして 心臓血管 小児心臓血管外科学 教授 奥田 司 病態分子薬理学 教授 矢部 千尋 夜久 均 ResearchViews 在宅医療における患者評価の ための新規デバイス 新規システムの開発研究 在宅チーム医療推進学 教授 山脇 正永 J-MICC 研究京都フィールド 高齢者の地域生活を健康時から 認知症に至るまで途切れなく サポートする法学 工学 医学を 統合した社会技術開発拠点 地域保健医療疫学 教授 精神機能病態学 准教授 渡邊 能行 成本 迅 私たちの体は数 十 兆 個にのぼる細 胞 ① 既存の僧帽弁人工弁の抗凝固性 流 当教室では生体内で酸化ストレス増大 今 後の我が 国では 家 庭 及び在 宅で によって構 成されているが もともと単 入血流動態の欠点を補うために 自己 をもたらす NADPH オキシダ ー ゼの 遺 の医 療 介 護のニーズが 増 大すること 69 歳の京都府民を対象としたゲノムコ 新 的 イノベ ー ション 創 出 プ ロ グ ラ ム 一の受精卵に由来するこれらの細胞は 心 膜で手 術 中にステントのない僧 帽 伝 子 組 換えマウスを用いて諸 臓 器の病 が予 想されている しかし 患 者さんと ホートで 文部科学省科研費の研究費を COI のトライアル 拠 点として採 択さ それぞれ異なった形 態や機 能を獲 得し 弁を作成して植え込むステントレス僧 態の分子機構を解析している そのご家 族の生 活の場である家 庭での 得てベースライン調査を実施してきた て精 緻な生 命 現 象を担う 同じ遺 伝 情 帽弁を多施設共同研究で開発 臨床 報を持ちながら 種々の 機 能 細 胞 へと 応用を開始した 担当 夜久 均教授 J-MICC 研究京都フィールドは 35 本 プ ロ ジ ェ クト は 文 部 科 学 省 革 れ 2013 年 11 月より活 動 を 開 始し NADPH オキシダーゼ NOX1 は非食 種々のパフォーマンス 移 動 食 事 運 2008 2013 年 度までに約 6500 人 2015 年 4 月 か らは COI-S サ テライ 細胞型の活性酸素種産生酵素の新規分 動 睡眠など の評価は 病院 施設で の京都府民に同意をいただいて 血清 ト として 2022 年までの活動を予定し 分 化するのは 必 要な遺 伝 情 報が分 別 早稲田大学 榊原記念病院と共同 子種として見出され 発現レベルは低い 行う検査結果としばしば解離し 正確に 血漿 遺伝子等の血液試料と質問票によ ている 少 子 高 齢 化で激 増する高 齢 者 して読み取られるためだと考えられてい ② 生 体 適 合 性 が良いポリテトラフルオ ものの 刺激を受けると誘導される特徴 評価することが困難であった 当研究室 る生活習慣調査情報を収集させていただ 世 帯の生 活の安 寧を 健 康 時から認 知 る ここではそれぞれの遺伝子の転写レ ロエチレン膜を用いて 独自に開発し がある 我々はこれまでに NOX1 が血圧 では 在宅における個別の患者さんの日 いた その後 年に 1 回対象者に健康情 症で判断能力が低下した状態まで途切 ベルを調節する転写因子の働きが重要 たドーム状の洞 サイナス を持つ肺 上昇や肝臓の線維化 糖尿病腎の細胞 常生活動作の状態を簡易に把握するた 報を記載したニュースレターを送付し れなく支える革 新 的かつ経 済 的な包 括 であり その本 態はクロマチン上に エ 動 脈 弁を開 発した 狭 窄 病 変 逆 流 老化に寄与する主要分子種であるのみな めの新 規デ バイスおよび 新 規システム 同時にその時点までの健康状態について 的 支 援システムを開 発するための検 討 ピゲノム と呼ばれる目印がつけられる 病 変などが 圧 倒 的に少なく良好な結 らず 神経系では炎症性疼痛やモルヒネ の開発を行うと共に 在宅における患者 の報告をいただくことをシステム化して を行っている こととされている また転写制御の異常 果が得られている 現 在 本 邦の 54 の鎮痛耐性を促進することを見出した のリスク マネージメント手法の開発 約 80 に回 答をいただいている ベー 具 体 的には 認 知 症で意 思 決 定 能力 は 発がんに深く関わる 私たちは造血 施 設 に供 給しており 全 国 の 施 設で 他 方 若 年 の Nox1 遺 伝 子 欠 損 マ 研究を行っている デバイス研究として スライン調査時の一部の対象にも実施し が低下した高齢者に対する意思決定支 細胞の分化や腫瘍化をモデルとして こ 臨 床 使 用が 行 われている 担 当 山 ウスでは肺 高 血 圧 症 様の所 見が認めら は 画 像 処 理を用いた種々の日常 生 活 てきたが ベースライン調査から 5 年目 援の仕組みや金融機関における意思決 の分 子 機 構を解 明すべく研 究を展 開し 岸正明病院教授 れる この分 子 機 構を解 析したところ 動 作の分 析 装 置 服 薬 状 況の評 価シス には 健診方式で血液検査による胃がん 定の支援 在宅や施設入所中の高齢者 ている たとえばヒト白血病の原因遺伝 ③ 小口径代用血管は未だ満足出来るも NOX1 が肺血管平滑筋細胞のアポトー テム 摂食嚥下運動の評価デバイス 日 リスク診断 超音波による橈骨骨密度検 の早 期 認 知 症 診 断システムの構 築など 子である Runx1/AML1 転写因子が造 のがなく 自家 動 静 脈が 唯 一 代 用 血 シスを制御することで肺血管の恒常性維 常生活における認知機能 注意力評価 査 血管年齢 中心血圧検査 体脂肪 に産 学 官 連 携で 取り組んでいる これ 血制御の中心的役割を担っていることを 管として実用されている 生体内組織 持に重要な役割を果たしていることが示 システム 生 活 動 作の時 間 分 析システ 筋肉組成測定 インピーダンス法による により都 市 部 非 都 市 部に関わらない 解明し その働きの詳細について解析を 形 成 技 術を用いて自家 結 合 組 織から された 進めてきた 最近では この分子の受け なる代用血管 代用弁を簡便 安全 る翻 訳 後 修 飾 が 末 梢 性 T リンパ 球の 維 持に重 要となることを明らかにした ム GIS(geographic information 内臓脂肪測定 歯科医による口腔検査 公 平な高 齢 者 向けサービスの充 実と雇 酸化ストレス増大につながる活性酸素 system) を組み合わせた屋外も含む行 タッチパネルによる簡易認知機能検査を 用の創出 医 療 費 削 減 初 期 認 知 症 対 ローコストに作成する技術を開発し 種の産 生 源として NADPH オキシダ ー 動 分 析システム等の評 価デバイス 評 実施し 対象者に結果をフィードバック 策 介 護 離 職 削 減を達 成し アジア各 動物実験を行なっている 担当 神 ゼは薬 物 開 発の標 的であり 現 在 国 内 価システムを開発している また 上記 している 行方不明者への住民台帳閲覧 国のロールモデルとなることを目指して いる また Runx1 の機能を抑制する協調分 田圭一講師 国立循環器病研究セン 外で複数の化合物の開発が進められて の 種 々のデ バイスから抽 出されたリス も行い 京都地域がん登録や脳卒中登録 子の特 定や 転 写 標 的となる遺 伝 子 群 ターと共同 いる しかしヒトでの NOX 各 分 子 種の クに対する網羅的なリスク マネジメン との記録照合 更には死亡小票の確認ま で実施している の同定も行なっている こうした研究を ④ 更 に上 述 の ③ 代 用 血 管 については 生理機能の全貌は未だ明らかではない ト システムの 開 発 を目 指して 医 療 通じて 腫 瘍 発 生 機 構の深い理 解や新 小 児 心 臓 外 科 領 域 にお ける 肺 動 脈 今後臨床研究を含めた幅広いアプロー HAZOP (hazard & operability) 法 規分子標的薬開発など 臨床の現場へ 形成術への臨床応用の体制が整った チにより 酸化ストレスが関わる多様な を用いた研究 分析を行っている 担 当 山 岸 正 明 病 院 教 授 末 梢 疾患の治療戦略への応用を目指したい 貢献したいと考える 最近 これらのデータの横断解析では あるが 胃がんリスク診断によって将来 の胃がんリスクの高い集団で 橈骨骨密 血 管 外 科 領 域でも体 制 作りを進めて 度が低下傾向にあることを明らかにし いる 胃がんリスク診断が 単に胃がん対策だ けでなく 骨粗鬆症の予測にも役立つ可 能性があることを見出した 12 13

InterView International & Domestic News 国 内 外 の 学 術 人 材 交 流 などについてご 紹 介 します TOPICS International & Domestic News 国 内 外 の 学 術 人 材 交 流 などについてご 紹 介 します Q 看 護 学 科 長 としての 目 標 抱 負 について Kyoto Prefectural University of Medicine, School of Nursing 新 看 護 学 科 長 インタビュー 4 月 より 看 護 学 科 長 に 就 任 された 看 護 学 講 座 ( 地 域 看 護 学 ) 星 野 明 子 教 授 にお 話 を 伺 いました A 本 学 科 は125 年 を 越 える 長 い 歴 史 を 持 ち 卒 業 生 は9000 人 を 超 え ています 科 学 的 思 考 を 持 ち 高 い 倫 理 観 と 豊 かな 創 造 性 を 備 えた 全 人 的 な 看 護 を 実 践 できる 人 材 を 育 成 してきました 看 護 に 携 わる 人 は 一 生 学 習 意 欲 を 持 ち 成 長 し 続 けることが 求 められます 看 護 のモチベーションを 高 めるためにも 本 学 科 が 近 い 将 来 博 士 後 期 課 程 までの 教 育 課 程 を 備 えて 看 護 のエキスパートや 地 域 に 貢 献 できるゼネラリストを 育 成 できるよう シ ステムを 整 えることを 目 標 としています Q 卒 業 生 の 皆 様 に 望 むこと A 卒 業 生 の 皆 様 には これまで 同 様 に 温 かいご 支 援 をお 願 いします 実 習 などでお 世 話 になることもございますので その 際 には 是 非 先 輩 としての アドバイスやご 指 導 をよろしくお 願 いいたします Q 入 学 を 希 望 される 皆 様 に 望 むこと A 本 学 で 習 得 した 知 識 や 経 験 は 看 護 師 として 活 躍 するための 基 盤 にな るものです 看 護 師 を 目 指 して 本 学 を 受 験 し 入 学 される 方 の 中 には 大 切 な 人 が 病 気 になったときの 経 験 が 看 護 の 道 を 志 すきっかけになった 人 も 多 く 見 受 けられます 病 を 持 つ 人 や 障 害 を 持 つ 人 サポートを 必 要 とする 人 を 案 じて 寄 り 添 う 心 を 看 護 ケアにつなぐための 知 識 と 技 術 を 本 学 で 学 び 考 え てください このプロセスを 経 ることで 看 護 師 としてのプロフェッショナル な 視 点 と 自 分 が 目 指 すべき 目 標 を 見 出 すことができるはずです Q 専 門 領 域 について 看 護 学 講 座 ( 地 域 看 護 学 ) 教 授 星 野 明 子 A 私 の 専 門 領 域 は 地 域 看 護 学 ( 公 衆 衛 生 看 護 学 ) 領 域 です 長 寿 社 会 では 様 々な 疾 患 を 抱 える 人 々が それぞれの 家 庭 職 場 地 域 社 会 でよ りその 人 らしく 生 活 できることを 求 めています 私 は 地 域 の 人 々の 健 康 な 暮 らしを 住 民 の 方 々と 共 に 実 現 するための 支 援 方 法 と 評 価 について 検 討 しています 1) 京 都 市 F 商 店 街 における すこやかサロン の 活 動 と 評 価 - 2)A 学 区 自 治 会 と 協 働 した 健 康 まちづくり 会 の 活 動 と 評 価 A 学 区 自 治 会 との 健 康 づくり 活 動 商 店 街 フィールドでの 活 動 看 護 学 科 について 京 都 府 立 医 科 大 学 医 学 部 看 護 学 科 は 医 療 の 高 度 化 専 門 化 を 始 め 高 齢 社 会 の 急 速 な 進 展 疾 病 構 造 の 変 化 少 子 化 高 学 歴 化 などに 伴 い 保 健 医 療 に 対 するニーズや 拡 大 する 看 護 領 域 に 的 確 に 対 応 するため 生 命 及 び 人 間 の 尊 厳 を 基 盤 に 豊 かな 人 間 性 を 培 うととも に より 高 度 な 専 門 知 識 や 技 能 など 看 護 専 門 職 として 総 合 的 な 能 力 を 有 し 人 々 の 保 健 医 療 と 福 祉 の 向 上 に 貢 献 できる 人 材 を 育 成 することを 目 的 として 平 成 14 年 4 月 に 開 設 されました 平 成 26 年 度 は85 人 の 卒 業 生 を 輩 出 しました 京 都 府 内 の 高 校 で 本 学 教 授 が 出 張 授 業 平 成 26 年 12 月 に 本 学 学 生 部 長 教 育 研 究 評 議 員 でゲノム 医 科 学 教 授 の 田 代 啓 先 生 と 神 経 発 生 生 物 学 教 授 の 小 野 勝 彦 先 生 が 京 都 府 教 育 委 員 会 京 都 府 立 医 大 連 携 事 業 の 一 環 として 京 都 府 内 の 高 校 で 出 張 授 業 を 行 いました 講 師 を 務 めた 小 野 先 生 は 12 月 8 日 に 京 都 府 立 嵯 峨 野 高 校 の1 年 2 年 の 合 計 19 人 に 対 して 基 礎 医 学 で 知 る 体 の 仕 組 み と 題 して 温 熱 受 容 と 痛 みに 関 する 授 業 を TRPチャネルや 日 焼 けの 話 を 題 材 に60 分 間 行 いました 高 校 生 たちがまじめに 話 を 聞 き 非 常 に 鋭 い 質 問 をする 姿 に こんな 意 欲 的 な 高 校 生 はぜひ 本 学 に 入 学 してほし いと 思 いました 私 は 医 学 のサイエンスとしての 側 面 を 中 心 に 紹 介 しました こういう 研 究 基 礎 科 学 と 最 先 端 医 療 技 術 や 救 急 などといった 臨 床 現 場 の 紹 介 とのバランス を 考 えながら 今 後 も 継 続 する 必 要 を 感 じました と 述 べられました 田 代 啓 先 生 は 12 月 12 日 に 京 都 府 立 洛 北 高 校 で 府 立 医 大 の 職 業 倫 理 教 育 とゲ ノム 医 学 の 入 門 講 義 を 行 いました 勉 強 のみを 教 えている 高 校 と モチベーションを 与 えるこういう 機 会 や 倫 理 教 育 をしっかりやっている 高 校 の 卒 業 生 では 入 学 してからの 心 構 えが 全 然 違 います そういう 枠 組 みの 取 り 組 みをしていると 感 じながら 授 業 をしま した 高 校 生 たちの 真 剣 なようすを 見 て この 事 業 が 有 意 義 で 継 続 する 必 要 性 がある ものだと 思 いました と 感 想 を 語 ってくださいました TOPICS オクラホマ 大 学 からの 留 学 生 に 修 了 証 を 授 与 オクラホマ 大 学 医 学 部 からの3 名 の 留 学 生 が 平 成 27 年 2 月 2 日 から2 月 27 日 までの4 週 間 の 留 学 プログラムを 無 事 に 修 了 し 修 了 式 が 行 われました オクラホマ 大 学 と 本 学 は 1986 年 より 教 育 及 び 学 術 的 協 力 協 定 を 2003 年 より 学 術 交 流 包 括 協 定 を 締 結 しており 学 生 研 究 者 の 相 互 派 遣 共 同 研 究 の 推 進 をしています 今 回 の 留 学 生 3 名 は 小 児 科 学 教 室 皮 膚 科 学 教 室 移 植 一 般 外 科 学 教 室 精 神 医 学 教 室 消 化 器 内 科 学 教 室 産 婦 人 科 学 教 室 に 配 属 されました 留 学 プログラムを 終 えた3 名 には 国 際 学 術 交 流 センター 長 から 修 了 証 と 医 学 振 興 会 からの 記 念 品 が 授 与 されました TOPICS 京 都 府 大 規 模 災 害 時 検 視 検 案 訓 練 を 実 施 京 都 府 立 医 科 大 学 法 医 学 教 室 では 平 成 27 年 3 月 15 日 に 平 成 26 年 度 第 1 回 京 都 府 大 規 模 災 害 時 検 視 検 案 訓 練 を 実 施 しました 今 年 は 阪 神 淡 路 大 震 災 発 生 から20 年 を 迎 えると 同 時 に 東 日 本 大 震 災 発 生 から4 年 になり ます この 節 目 の 年 に 将 来 の 大 災 害 に 備 えて 京 都 府 医 師 会 京 都 府 歯 科 医 師 会 の 後 援 のもと 訓 練 を 実 施 しました 被 災 県 以 外 で 他 府 県 から 参 加 者 を 迎 えての 訓 練 実 施 は 全 国 初 の 試 みでした 高 速 道 路 での 大 型 車 両 事 故 を 想 定 し 遺 体 の 検 視 検 案 資 料 採 取 作 業 情 報 管 理 の 習 熟 や 情 報 伝 達 プロセ スの 確 認 などを 行 いました ゲノム 医 科 学 教 授 田 代 啓 神 経 発 生 生 物 学 教 授 小 野 勝 彦 14 15

大 学 関 連 のトピックスをご 紹 介 します TOPIC 京 都 府 公 立 大 学 法 人 学 生 等 表 彰 で 本 学 若 手 研 究 者 2 名 が 表 彰 第 26 回 京 都 府 公 立 大 学 法 人 学 生 等 表 彰 ず 臨 床 から 離 れてショウジョウバエと 奮 闘 す において 本 学 の 東 裕 美 子 特 任 助 教 と 博 士 課 る 日 々に 葛 藤 もありました 自 分 は 医 師 として 程 4 年 の 知 念 良 顕 先 生 が 受 賞 しました 東 裕 の 役 割 を 果 た せているの か このままヒトから 美 子 特 任 助 教 は 京 都 工 芸 繊 維 大 学 山 口 政 光 離 れて 大 丈 夫 かと 不 安 が 募 り 当 時 は 先 行 き 教 授 との 共 同 研 究 において モデルショウジョ が 見 えず 彷 徨 っていました でも 周 りに 医 師 ウバエを 用 いた 筋 萎 縮 性 側 索 硬 化 症 (ALS)の がいない 環 境 であったからこそ 基 礎 研 究 の 厳 し 研 究 に 取 り 組 み その 研 究 結 果 を Human さを 学 ばせて 頂 き 又 医 師 の 立 場 も 改 めて 考 え Molecular Genetics に 発 表 さらにその 直 す 貴 重 な 機 会 であったと 思 います そして 悩 成 果 を 基 に 文 部 科 学 省 の 研 究 活 動 スタート み 苦 しかった 際 に 温 かい 励 ましの 助 言 を 下 さ 支 援 研 究 費 を 獲 得 した 功 績 に 対 して 授 与 され いました 徳 田 教 授 山 口 教 授 水 野 教 授 中 川 ました 知 念 良 顕 先 生 は 研 究 内 容 が 多 発 性 教 授 また 神 経 内 科 学 教 室 の 先 生 方 と 研 究 仲 骨 髄 腫 の 新 規 治 療 薬 開 発 に 大 きく 貢 献 する 間 受 け 持 たせて 頂 いた 患 者 様 お 一 人 お 一 人 ものとして 第 55 回 米 国 血 液 学 会 で 表 彰 され のおかげで 今 に 至 ると 思 っております これか Cancer Research に 発 表 された 功 績 を 讃 らもこの 研 究 を 継 続 し 将 来 ALSの 患 者 様 の えられたものです 根 本 治 療 薬 へ 向 けて 少 しでもお 役 に 立 てる 日 東 裕 美 子 先 生 は 研 究 当 初 は 全 く 結 果 が 出 が 来 ることを 目 指 します と 語 りました TOPIC 本 学 特 任 教 授 で 眼 科 医 服 部 匡 志 さんが ヘルシー ソサエティ 賞 国 際 医 療 従 事 者 部 門 で 受 賞 より 健 やかな 社 会 を 築 くための 個 人 の 素 晴 ら しい 努 力 を 顕 彰 する 第 11 回 ヘルシー ソサエ ティ 賞 医 療 従 事 者 部 門 を 本 学 卒 業 生 で 特 任 教 授 アジア 失 明 予 防 の 会 理 事 眼 科 医 の 服 部 匡 志 さんが 受 賞 しました 服 部 さんは2002 年 から 網 膜 硝 子 体 手 術 指 導 医 としてベトナム 国 立 眼 科 病 院 で 活 動 を 開 始 自 費 で 医 療 機 材 を 購 入 し 貧 しい 患 者 さんの 手 術 を 無 償 で 行 う など 献 身 的 な 活 動 を 続 けてきました 2013 年 の 日 本 国 務 大 臣 表 彰 第 20 回 読 売 国 際 協 力 賞 2014 年 のベトナム 政 府 からの 友 好 勲 章 授 与 に 続 く 受 賞 です 服 部 さんは 患 者 さんを 思 いやれる 医 者 にな るという 気 持 ちが 私 の 活 動 の 礎 になっていま す と 話 し 患 者 さんのことを 一 番 に 考 える 医 療 ネットワークを 世 界 に 発 信 していくそうです 3 月 30 日 には 東 宮 御 所 にて 皇 太 子 殿 下 にご 接 見 し ヘルシーソサイエティ 賞 の 受 賞 のお 祝 いのお 言 葉 を 頂 戴 したそうです さらなる 地 域 医 療 への 貢 献 のために ご 寄 附 のお 願 い 京 都 府 立 医 科 大 学 では 世 界 トップレベルの 医 療 を 地 域 へ をスローガンとして 医 学 教 育 研 究 診 療 のあらゆる 面 で 活 動 しています こうした 各 分 野 での 活 動 をさらに 充 実 させ 今 後 も 地 域 医 療 の 貢 献 に 積 極 的 に 取 り 組 んでまいりますので 皆 様 のご 支 援 を 賜 りますようよろしくお 願 いします お 問 い 合 わせ 先 602-8566 京 都 市 上 京 区 河 原 町 通 広 小 路 上 ル 梶 井 町 465 番 地 京 都 府 立 医 科 大 学 総 務 課 総 務 担 当 TEL:075-251-5210 発 行 日 :2015 年 3 月 31 日 発 行 : 京 都 府 公 立 大 学 法 人 京 都 府 立 医 科 大 学 後 援 : 公 益 財 団 法 人 京 都 府 医 学 振 興 会 602-8566 京 都 府 京 都 市 上 京 区 河 原 町 通 広 小 路 上 る 梶 井 町 465 番 地 URL:http://www.kpu-m.ac.jp/ 企 画 編 集 : 宇 山 恵 子 ( 特 任 教 授 )