卒 業 論 文 少 子 化 と 女 性 の 社 会 進 出 経 営 学 部 会 計 学 科 4 年 4 組 22 番 小 林 桃 子
目 次 はじめに 第 一 章 第 一 節 第 二 節 少 子 高 齢 化 社 会 とは 少 子 化 から 起 こる 問 題 少 子 高 齢 化 社 会 第 二 章 第 一 節 第 二 節 第 三 節 晩 婚 化 未 婚 率 の 上 昇 女 性 雇 用 の 現 状 日 本 経 済 への 影 響 少 子 化 の 主 な 原 因 第 三 章 少 子 化 と 女 性 の 社 会 進 出 の 因 果 関 係 第 四 章 第 一 節 第 二 節 第 三 節 第 四 節 女 性 の 社 会 進 出 に 向 けて スウェーデンにおける 女 性 の 活 用 政 策 日 本 での 仕 事 と 家 庭 の 両 立 支 援 策 男 性 の 育 児 参 加 の 重 要 性 まとめ おわりに. 参 考 文 献 一 覧 および URL 一 覧 あとがき 1
はじめに 私 が 卒 論 のテーマに 取 り 上 げた 問 題 は 少 子 化 と 女 性 の 社 会 進 出 である このテーマ に 決 めた 理 由 は 育 児 に 時 間 がとられ 自 分 のキャリアデザインを 実 現 できない 女 性 が 多 く いる 中 どのようにすれば 双 方 を 両 立 できるか 考 えたからである 生 きがいとは 人 それぞれであるが かつては 結 婚 し 子 供 を 授 かり 育 てていくことが 一 般 的 であった しかし 現 在 では 社 会 の 中 で 働 きたいという 女 性 が 増 え 育 児 と 仕 事 の 間 で 悩 む 女 性 は 少 なくない 少 子 化 の 原 因 としては 女 性 の 社 会 進 出 の 増 加 晩 婚 化 結 婚 を 望 まない 若 者 が 増 えていることが 挙 げられる 結 婚 を 望 まないだけでなく 中 には 結 婚 し たくても 結 婚 できない 若 者 も 増 えていると 思 う 女 性 が 相 手 に 求 める 条 件 の 変 化 不 景 気 による 終 身 雇 用 の 慣 習 の 崩 壊 によって 家 族 を 養 っていく 自 信 がない 男 性 の 増 加 が 原 因 だろ う 今 では 生 涯 独 身 であったとしても 老 後 の 心 配 がいらないような 年 金 制 度 等 が 普 及 してい るので 子 供 が 好 きな 人 だけが 結 婚 し 出 産 するようになったのかもしれない 実 際 私 の 周 り では 同 世 代 でも 出 産 を 経 験 した 人 は 多 い 高 卒 で 社 会 に 出 た 年 齢 が 大 学 進 学 者 より 早 いこ とである 社 会 にでることは 経 済 的 自 立 ももちろんだが 職 場 内 での 良 きパートナーと 出 会 える 機 会 がある 大 学 4 年 生 の 現 在 卒 業 後 変 わる 環 境 によって 今 まで 通 りの 人 間 関 係 でなくなってしまうとなると 大 きな 変 化 があると 実 感 する 特 に 学 生 時 代 の 恋 人 がいる 人 はこれから 先 の 付 き 合 い 方 や 距 離 による 寂 しさから 上 手 くいかない 難 しい 転 換 期 だと 思 う 戦 後 人 工 中 絶 手 術 が 開 始 されてから 日 本 で 最 も 高 い 死 亡 者 数 となっている もし 中 絶 という 選 択 肢 がなかったら 女 性 の 社 会 進 出 は 少 なくなってしまうかもしれないが 少 子 化 においても 今 のようにそこまで 深 刻 な 問 題 ではなかったかもしれない 人 工 中 絶 手 術 はいろいろな 問 題 が 生 じ やむをえなく 女 性 は 決 断 する 出 産 とは 計 画 なしにはできな いのである 最 近 では 少 子 化 対 策 の 必 要 性 が 唱 えられ 人 口 規 模 が 均 衡 する 2.07 まで 回 復 させる 動 きがある しかし このことは 女 性 に 子 供 を 産 ませるための 量 に 関 する 方 策 として 捉 えられてしまいがちなのは 仕 方 がないことかもしれない だからこそ 女 性 はど のように 産 み どのように 育 てるかという 質 に 関 して 考 えなければならない 日 本 特 有 の 女 性 の 労 働 力 率 を 表 した M 字 カーブでは 学 校 を 卒 業 した 20 代 でピークに 達 し 30 代 の 出 産 育 児 で 落 ち 込 み ひと 段 落 ついた 40 代 で 再 上 昇 するという 曲 線 のことを 指 す 最 近 では M 字 雇 用 は 改 善 されつつあり 女 性 の 社 会 進 出 が 進 んでいる 表 れだろう 私 は 自 分 自 身 が 生 涯 仕 事 に 就 きたい 思 いがあるのと 同 時 に 家 族 も 築 き 上 げていくつも りであるが この 論 文 ではそのための 最 善 の 方 法 配 偶 者 の 協 力 の 大 切 さを 少 子 化 と 女 性 の 社 会 進 出 の 関 係 性 に 触 れながら 考 察 していきたいと 思 う 第 一 章 では 日 本 の 少 子 化 の 現 状 をデータとともに 説 明 していき 少 子 化 からなる 問 題 点 を 指 摘 していく 第 二 章 では 少 子 化 の 原 因 をあげ その 中 の 一 つである 女 性 の 社 会 進 出 について 掘 り 下 げていく 女 性 の 就 業 状 態 を 先 進 諸 国 と 比 べ 日 本 の 女 性 の 社 会 進 出 は 進 んでいるのか 出 生 率 もあげて 比 較 していく そして 日 本 経 済 に 目 を 向 け 少 子 高 齢 化 の 下 での 経 済 活 力 について 見 てい く 第 四 章 で 少 子 化 を 解 消 しつつ 女 性 が 社 会 で 輝 くためはなにかを 明 らかにしていく 2
第 一 章 少 子 高 齢 化 社 会 第 一 節 少 子 高 齢 化 社 会 とは 少 子 高 齢 化 社 会 という 言 葉 を 最 近 よく 耳 にする まず 少 子 化 の 定 義 とは 出 生 率 が 持 続 的 に 人 口 の 置 換 水 準 を 下 回 っている 状 態 である 置 換 水 準 とは 人 口 一 定 に 保 つための 必 要 な 出 生 率 をいう 死 亡 率 が 高 ければその 分 産 まなければ 人 口 を 一 定 に 保 てないので 置 換 水 準 は 死 亡 率 に 依 存 する 人 口 を 維 持 できる 合 計 特 殊 出 生 率 は 2.08 であるのに 対 して 現 在 の 日 本 の 合 計 特 殊 出 生 率 は 1.43 である 1 2004 年 5 月 1 日 に 明 治 元 年 (1868 年 ) 以 来 はじめて 人 口 が 減 ったと 総 務 省 から 報 じられたように 日 本 は 戦 時 中 の 一 時 をのぞけば 明 らかに 人 口 減 少 の 時 代 を 迎 えるに 至 った 2 未 成 年 人 口 が 減 少 傾 向 にあるなか 65 歳 以 上 のいわゆる 団 塊 世 代 を 含 む 高 齢 者 は 年 々その 数 を 増 やしている その 結 果 日 本 は 少 子 高 齢 化 社 会 と 呼 ばれるようになったのである 先 進 諸 国 でも 出 生 率 が 1.8 以 上 ある 国 はほ とんどないが 日 本 は 急 速 に 伸 びた 寿 命 も 相 まって 急 速 に 高 齢 化 が 進 んでしまったのであ る 第 二 節 少 子 化 から 起 こる 問 題 少 子 化 がなぜ 悪 いことなのか 通 勤 ラッシュ 等 もなくなりメリットもあるように 思 われ る リストラもなくなり 雇 用 が 安 定 するかもしれない しかしそれ 以 上 にデメリットが 大 きいのが 少 子 高 齢 化 なのである 悪 影 響 として 一 番 に 考 えられるのが 15 歳 ~65 歳 を 対 象 とする 生 産 年 齢 人 口 が 減 少 することである その 結 果 日 本 の 経 済 が 低 迷 してしまう 65 歳 以 上 の 人 が 退 職 することによって 全 体 の 労 働 投 入 量 が 必 然 的 に 減 少 してしまい その 分 今 まで 以 上 の 国 内 総 生 産 (GDP)を 維 持 できなくなってしまう 可 能 性 がある もし 仮 にそ の 状 態 で 一 人 当 たりの GDP が 維 持 されれば 国 民 の 豊 かさも 維 持 され 人 口 減 少 社 会 も 必 ずしも 悪 いことではないと 言 えるかもしれない しかし 現 状 では 難 しく 経 済 の 維 持 の ためにも 生 産 年 齢 人 口 を 増 やしていくことが 必 要 である 日 本 の 少 子 化 は 1974 年 に 始 まり それ 以 降 合 計 出 生 率 が 置 換 水 準 を 下 回 っている しかし その 当 時 はまだ 少 子 化 という 言 葉 がなかったのであまり 問 題 視 されていなかっ た 戦 後 の 過 剰 人 口 意 識 が 強 かった 1950 年 から 1960 年 代 は 出 生 率 が 低 くなることで 過 剰 人 口 を 解 消 するのに 有 効 な 現 象 とされ むしろ 少 子 化 は 歓 迎 されていたのである し かし 1970 年 代 に 入 っても 出 生 率 は 下 がり 続 け 置 換 水 準 との 乖 離 がどんどん 広 がって いき 少 子 化 は 深 刻 な 問 題 として 認 識 されるようになった 1 厚 生 労 働 省 HP(2015/01/06 アクセス) 人 口 動 態 調 査 参 照 2 藤 正 巌 著 変 貌 する 労 働 と 社 会 システム 高 齢 社 会 の 雇 用 変 化 信 山 社 出 版 2008 年 23 ページ 3
現 在 の 少 子 化 傾 向 を 無 視 すると 日 本 の 未 来 はどうなっていくのか 70 年 後 日 本 の 人 口 は 半 分 になってしまうかもしれない ( 図 表 1) 図 表 -1:100 年 の 人 口 の 減 少 傾 向 総 人 口 減 少 割 合 現 在 1 億 2759 万 人 ( 現 在 を 100%とする) 30 年 後 1 億 370 万 人 81% 70 年 後 6457 万 人 51% 100 年 後 4534 万 人 36% 出 典 :BusinessJournalhttp://biz-journal.jp/2013/10/post_3019_2.html より 引 用 これだけの 人 口 が 減 ってしまうと 地 域 の 過 疎 化 はもちろん 市 町 村 や 都 市 のほとんど を 放 棄 して 社 会 インフラをギリギリ 維 持 できる 大 都 市 への 移 住 が 強 制 的 に 行 われてし まうかもしれない その 上 日 本 はこの 先 40 年 間 高 齢 化 社 会 がより 悪 化 すると 見 込 ま れる 若 い 世 代 の 人 は3 人 に1 人 が 高 齢 者 という 世 界 を 生 きていかなければならなく 介 護 問 題 等 が 深 刻 になるだろう 第 二 章 少 子 化 の 主 な 原 因 第 一 節 晩 婚 化 未 婚 率 の 上 昇 まず 挙 げられるのが 若 者 の 未 婚 化 晩 婚 化 である 2010 年 の 生 涯 未 婚 率 は 男 性 が 20.14% 女 性 が 10.61%であった 特 に 男 性 は 2005 年 から 2010 年 にかけて 約 4%も 上 昇 している 3 女 性 の 未 婚 化 晩 婚 化 に 関 しては 女 性 の 高 学 歴 化 社 会 進 出 の 増 加 が 原 因 と いわれている 3 公 益 財 団 法 人 生 命 保 険 文 化 センター(2015/01/06 アクセス) http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifeevent/mariage/12.html より 引 用 4
図 表 -2: 性 別 生 涯 未 婚 率 及 び 初 婚 年 齢 1920~2010 年 男 女 年 次 生 涯 未 婚 初 婚 年 齢 生 涯 未 婚 初 婚 年 齢 率 (%) ( 歳 ) 率 (%) ( 歳 ) 1920 2.17 25.02 1.80 21.16 1925 1.72 25.09 1.61 21.18 1930 1.68 25.77 1.48 21.83 1935 1.65 26.38 1.44 22.51 1940 1.74 27.02 1.46 23.33 1950 1.45 26.23 1.35 23.61 1955 1.18 27.05 1.47 24.69 1960 1.26 27.44 1.88 24.96 1965 1.50 27.41 2.53 24.82 男 女 年 次 生 涯 未 婚 初 婚 年 齢 生 涯 未 婚 初 婚 年 齢 率 (%) ( 歳 ) 率 (%) ( 歳 ) 1970 1.70 27.46 3.34 24.65 1975 2.12 27.65 4.32 24.48 1980 2.60 28.67 4.45 25.11 1985 3.89 29.57 4.32 25.84 1990 5.57 30.35 4.33 26.87 1995 8.99 30.68 5.10 27.69 2000 12.57 30.81 5.82 28.58 2005 15.96 31.14 7.25 29.42 2010 20.14 31.18 10.61 29.69 出 所 : 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 人 口 統 計 資 料 集 http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/popular/popular2012.asp?chap=6 より 引 用 図 表 -2から 生 涯 未 婚 率 初 婚 年 齢 ともに 年 々 高 くなっていることがわかる 1920 年 から 比 較 すると 2010 年 にはおよそ 10 倍 の 年 齢 まで 達 している つまり 女 性 の 四 人 に 一 人 は 一 生 独 身 の 道 を 選 んでおり 結 婚 して 子 供 を 産 まない 人 を 加 えると 3 分 の 一 を 上 回 る 女 性 が 子 供 を 産 まない 予 測 である 男 性 においては 約 半 分 もの 人 が 生 涯 子 供 を 持 たない 結 果 となっている なにが 若 者 へ 結 婚 を 躊 躇 わせるのか 男 性 の 就 労 状 況 調 査 によると 1992 年 までは 学 生 を 除 く 未 婚 男 性 のほとんど(90% 以 上 )が 正 社 員 もしくは 自 営 業 者 であった 1997 年 5
頃 から 非 正 規 雇 用 が 増 え 2005 年 では 学 生 を 除 くと 非 正 規 と 無 職 者 の 割 合 はほぼ 三 割 を 占 めている 4 若 者 は 不 安 定 な 雇 用 により 将 来 収 入 の 見 通 しが 立 たなくなってしまっている のである これが 婚 姻 率 の 低 下 の 一 因 ではないだろうか そしてこのことは 同 時 に 少 子 化 の 原 因 でもある 次 に 挙 げられるのが 上 記 の 原 因 でもあった 女 性 の 社 会 進 出 である 1999 年 に 男 女 雇 用 機 会 均 等 法 が 制 定 され 女 性 が 社 会 に 出 るための 法 的 整 備 が 進 んでいる かつて 女 性 の 雇 用 は 企 業 にとって 結 婚 前 の 一 時 的 な 雇 用 と 考 えられており 女 性 は 制 度 に 守 られ 家 庭 に 専 念 でき 保 護 の 対 象 であった その 後 差 別 をなくし 継 続 して 働 くための 裁 判 が 行 われ 現 在 の 男 女 平 等 社 会 へと 向 かったのである 自 分 の 能 力 を 活 かしたい 社 会 にでてキャリアを 積 みたいと 願 う 女 性 が 増 えてきた 女 性 の 大 学 進 学 率 は 1970 年 代 から 約 二 倍 に 増 えており 年 々 増 加 傾 向 にある 高 学 歴 女 性 は 家 庭 においての 責 任 に 対 しての 教 養 を 身 につけていると 解 釈 されており つまり 家 庭 を 持 ったときに 母 親 として 家 庭 を 守 る 力 が 養 われているということである 安 倍 政 権 の 成 長 戦 略 の 中 でも 女 性 の 管 理 職 の 増 加 は 盛 り 込 まれている 全 上 場 企 業 において 積 極 的 に 役 員 管 理 職 に 女 性 を 登 用 していただきたい まずは 役 員 に 一 人 は 女 性 を 登 用 していただきたい 5 そして 職 場 復 帰 再 就 職 の 支 援 も 唱 えられており 女 性 が 働 き 続 けられる 環 境 を 目 指 している しかし 現 状 の 支 援 策 では 不 十 分 で 女 性 が 社 会 進 出 を 機 に 退 職 してしまうケー スが 多 い 現 在 の 育 児 休 業 制 度 で 定 められている 最 長 1 年 半 の 休 暇 制 度 では 女 性 が 働 き 続 けることができるまで 対 応 できていない 世 界 的 には3 年 の 育 児 休 業 制 度 が 保 障 されて いることは 珍 しくなく ジェンダー 指 数 が 日 本 より 高 いスウェーデンでは 男 女 ともに 労 働 日 数 480 日 の 休 業 が 認 められかなりの 割 合 で 消 化 されている 4 山 田 昌 弘 著 なぜ 若 者 は 保 守 化 するのか 少 子 化 の 真 因 2009 年 95 ページ 5 首 相 官 邸 HP(2015/01/06 アクセス) http://www.kantei.go.jp/jp/headline/women2013.html より 引 用 6
図 表 -3: 先 進 国 の HDI GDI GMI ランキング 合 計 特 殊 出 生 率 ( 参 HDI GDI GEM 国 名 考 ) 順 位 数 値 順 位 数 値 順 位 数 値 出 生 率 ( 年 次 ) ノルウェ ー 1 0.965 1 0.962 1 0.932 1.81 2004 アイスラ ンド 2 0.96 2 0.958 3 0.866 1.94 2002 オースト ラリア 3 0.957 3 0.956 8 0.833 1.75 2002 アイルラ ンド 4 0.956 4 0.951 17 0.753 1.96 2002 スウェー デン 5 0.951 5 0.949 2 0.883 1.75 2004 カナダ 6 0.95 7 0.947 11 0.81 1.51 2001 日 本 7 0.949 13 0.942 42 0.557 1.29 2004 アメリカ 合 衆 国 8 0.948 8 0.946 12 0.808 2.05 2004 ( 以 下 抜 粋 ) イタリア 17 0.94 18 0.934 24 0.653 1.33 2004 イギリス 18 0.94 16 0.938 16 0.755 1.74 2004 ドイツ 21 0.932 21 0.928 9 0.816 1.37 2004 韓 国 26 0.912 25 0.905 53 0.502 1.22 2002 出 所 :http://www.sanfujinka-debut.com/topics/birthrate/index.html より 引 用 図 表 -3は 国 連 開 発 計 画 によって 各 国 の 社 会 の 豊 かさを 指 す 人 間 開 発 指 数 (HDI) 男 女 間 の 格 差 を 指 すジェンダー 開 発 指 数 (GDI) 女 性 の 政 治 参 加 や 意 思 決 定 に 参 加 できるか どうかを 表 すジェンダー エンパワーメント 指 数 (GMI)のランキングである 日 本 は 他 の 先 進 国 に 比 べて 劣 っていることがわかる 出 生 率 を 見 てみると 女 性 の 社 会 進 出 の 指 数 が 高 い 国 でも 日 本 より 出 生 率 が 高 くなっている このことから 女 性 の 社 会 進 出 が 少 子 化 の 原 因 になっている 根 拠 になっていないことがいえる 日 本 よりはるかに 数 値 が 高 いノルウェーはどんな 政 策 がとられているのだろうか 伝 統 的 にノルウェーでは 女 性 の 解 放 運 動 が 盛 んであり 1990 年 代 以 降 から 生 産 性 向 上 のために 女 性 の 社 会 参 加 が 必 要 であると 社 会 的 コンセンサスが 形 成 された 社 会 進 出 の 支 援 のみな らず 家 庭 においての 男 性 の 役 割 が 注 目 され 男 女 平 等 に 関 する 政 策 の 中 でも 重 視 されてい る 1988 年 95%の 男 性 が 家 事 は 女 性 の 仕 事 であると 回 答 したのに 対 し 2007 年 では 同 7
様 の 回 答 した 男 性 は 約 半 数 の 48%になるなど 男 性 の 意 識 に 大 きな 変 化 が 生 じている 6 そ の 上 ノルウェーでは 男 女 共 同 参 画 を 推 し 進 めた 結 果 合 計 特 殊 出 生 率 が 上 昇 している こ のことから 女 性 の 社 会 進 出 が 問 題 なのではなく 周 囲 の 協 力 つまり 男 性 の 理 解 が 大 きく 関 わっていることがわかる 少 子 化 が 進 むと 生 産 年 齢 人 口 の 減 少 とともに 経 済 への 影 響 も 出 てきてしまうので 女 性 の 社 会 進 出 は 推 進 していくべきなのである 第 二 節 女 性 雇 用 の 現 状 日 本 の 経 済 社 会 は 現 在 大 きな 転 換 期 を 迎 えており 経 済 は 成 熟 期 を 迎 え 今 後 の 経 済 成 長 の 実 現 は 中 長 期 的 にバブル 崩 壊 前 のような 高 い 実 質 経 済 成 長 率 を 期 待 できない 状 況 で ある こうした 中 で 企 業 が 女 性 の 活 用 を 進 めるには 厳 しいのが 現 状 だ しかし 高 齢 化 に よる 労 働 力 人 口 の 減 少 を 考 慮 すると 経 済 の 持 続 的 な 発 展 や 国 民 全 体 が 豊 かで 質 の 高 い 生 活 を 送 るためには 女 性 の 能 力 発 揮 を 推 し 進 め 生 涯 にわたり 充 実 な 職 業 生 活 をおくること ができるようにすることが 課 題 となっている 女 性 労 働 者 は 量 的 に 増 大 するのみでなく 質 的 にも 変 化 しつつある 1 企 業 あたり 総 合 職 で 働 く 女 性 の 割 合 は 総 合 職 全 体 の 3.5% に 高 まり 中 でもサービス 業 は 11.6%と 最 も 高 い 部 門 別 にみると 女 性 は 広 報 としての 割 合 が 最 も 高 い 有 能 な 女 性 を 積 極 的 に 登 用 していく とする 企 業 が6 割 を 超 え 今 後 の 女 性 の 活 用 方 針 を 定 めている また 勤 続 年 数 は 伸 長 する 傾 向 にあり 同 じ 職 場 における 勤 続 年 数 は 平 均 8 年 余 りとなっている また 女 性 労 働 者 の 約 3 割 は 10 年 以 上 という 長 期 勤 続 者 なのだ 男 女 の 賃 金 格 差 は 年 々 縮 小 傾 向 にあり 学 歴 構 成 勤 続 年 数 職 階 に 関 係 している しかし 勤 続 年 数 による 格 差 は 徐 々になくなっているのに 対 して 職 階 の 違 いはそれ 程 縮 まっていないため 職 階 による 格 差 はほとんど 変 わっていないに 等 しい こ のことから 日 本 の 男 女 の 平 均 賃 金 の 差 は 欧 州 諸 国 と 比 べるといまだ 大 きい 6 ノルウェー 大 使 館 HP(2015/01/06 アクセス)http://www.no.emb-japan.go.jp/index_j.ht myori より 引 用 8
図 表 -4: 女 性 の 勤 続 年 数 の 推 移 出 所 : 厚 生 労 働 省 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/09/h0928-6c.html より 引 用 女 性 雇 用 者 のうち 有 配 偶 者 は6 割 弱 を 占 めており 子 供 のいる 世 帯 においても 半 数 以 上 が 就 業 者 である いわゆる 共 働 きの 夫 婦 が 多 い 就 業 形 態 については 多 様 化 が 進 ん でいる 女 性 雇 用 者 の 約 半 数 はパートタイム 等 の 非 正 規 雇 用 者 であり 中 でもパートタイ ム 労 働 者 の 増 加 傾 向 は 顕 著 である 自 分 の 都 合 の 良 い 時 間 に 働 きたいという 理 由 や 家 庭 や 介 護 と 両 立 したい 理 由 があげられる 男 性 の 場 合 正 規 と 非 正 規 の 割 合 が 逆 転 するのは 65 歳 以 上 であり 女 性 よりずっと 遅 い 非 正 規 と 正 規 での 年 収 差 は 大 きく 約 200~300 万 もの 差 が 生 じている 女 性 の 労 働 力 率 は 全 ての 年 齢 層 において 上 昇 傾 向 にあり 女 性 と 社 会 の 関 わりは 大 きくなっている 職 業 選 択 時 に 女 性 向 きといわれる 職 業 より 新 たな 分 野 にチ ャレンジしようとする 女 性 が 増 ええつつあり 希 望 する 就 職 先 キャリアアップを 目 指 し た 資 格 取 得 や 教 育 訓 練 の 受 講 も 多 くみられる 長 い 間 職 場 から 離 れることによって 労 働 意 欲 の 低 下 情 報 交 換 の 乏 しさ 等 からなかなか 育 児 休 暇 をとる 前 のパフォーマンスにもどる ことは 難 しいという 意 見 もある 私 自 身 4 年 間 非 正 規 労 働 者 として 働 いてきたが 半 年 職 場 を 離 れるだけで 戻 りにくくなってしまった 経 験 がある その 時 思 ったことは 社 員 の 皆 さんの 気 配 り そして 自 分 の 居 場 所 が 残 っているという 事 が 復 帰 の 道 へと 導 いてくれるの だと 思 った 第 三 節 日 本 経 済 への 影 響 総 務 省 による 2013 年 10 月 時 点 の 人 7 人 口 推 計 で 15~64 歳 の 生 産 年 齢 人 口 が 32 年 ぶ りに 8000 万 人 を 割 り 込 んだという 発 表 があったように 日 本 では 18 年 連 続 で 生 産 年 齢 人 口 が 減 少 している このことは 少 子 高 齢 化 によって 起 こった 現 象 である 9
図 表 -5: 生 産 年 齢 人 口 の 推 移 図 表 5から 少 子 高 齢 化 によって 総 人 口 は 数 値 を 維 持 しているのに 対 し 生 産 年 齢 人 口 は 年 々 減 少 していくとみられる 生 産 年 齢 人 口 と は 生 産 活 動 の 中 心 となる 年 齢 の 人 口 層 を 指 す のでこの 数 値 が 日 本 の 経 済 活 動 に 影 響 してくる のである 人 口 の 増 加 は 経 済 成 長 にプラスの 影 響 をもたらすので 経 済 成 長 は 人 口 成 長 率 に 依 存 するのである 働 く 人 が 増 えれば 生 産 は 増 え やすくなり 貯 蓄 が 増 えて 国 内 での 投 資 が 増 え れば 生 産 力 は 高 まり 経 済 成 長 を 遂 げることが できる 少 子 高 齢 化 の 下 では 生 産 年 齢 人 口 を 増 やすためにも 女 性 の 活 用 が 重 要 だろう 出 所 : 日 本 経 済 新 聞 (2014/04/15) http://www.nikkei.com/article/dgxnasfs15 03L_V10C14A4MM8000/より 引 用 第 三 章 少 子 化 と 女 性 の 社 会 進 出 の 因 果 関 係 今 の 女 性 の 働 き 方 は 女 性 が 求 めて 働 いているのではなく 家 計 を 助 けるために 働 いて いる 方 が 多 いと 思 われる 実 際 に 時 間 の 融 通 がきく 非 正 規 雇 用 パートタイマーは 主 婦 層 の 割 合 が 高 くなっている 私 の 周 りの 主 婦 の 方 々は 子 供 の 学 校 行 事 や 習 い 事 を 優 先 にシフトを 組 んでおり 子 供 中 心 に 動 いている 3~4 人 子 供 がいる 方 の 初 婚 年 齢 第 一 子 出 産 年 齢 は 若 く 今 の 私 の 年 齢 の 時 にはすでに 母 親 になっていることを 考 えると 社 会 人 になる 年 齢 が 結 婚 出 産 に 関 係 していると 実 感 する 少 子 化 の 原 因 が 必 ずしも 女 性 の 社 会 進 出 といえないのは 先 進 国 の 国 々が 日 本 よりも 高 い 人 間 関 係 指 数 を 達 成 して いる 上 に 合 計 特 殊 出 生 率 も 日 本 を 上 回 る 数 値 を 記 録 していることからである 女 性 の 社 会 進 出 と 出 産 育 児 の 関 係 で 最 も 大 事 なことは 出 産 育 児 の 機 会 コストとされて いる ここでの 機 会 コストとは 有 職 者 女 性 が 出 産 育 児 を 機 に 退 職 し 非 正 規 労 働 者 へ の 転 職 などによる 将 来 的 な 所 得 の 減 少 のことである 機 会 コストが 減 少 してしまう 要 因 は3つが 挙 げられ 1つ 目 は 教 養 や 職 業 経 歴 の 個 人 による 資 質 や 男 女 差 別 からなる 社 会 的 制 約 により 定 まる 個 人 の 所 得 獲 得 能 力 である この 所 得 獲 得 能 力 が 高 いと 機 会 コス トは 高 くなる 2つ 目 は 転 職 を 余 儀 なくさせられる 度 合 いであり 女 性 の 立 場 からみた 仕 事 と 家 庭 の 役 割 の 両 立 のし 易 さから 特 に 規 定 されている この 両 立 度 は 家 族 環 境 職 場 環 境 地 域 環 境 法 的 環 境 といった 社 会 環 境 に 依 存 することになる 三 つ 目 は 転 職 に よる 収 入 の 大 幅 な 減 少 や 同 じ 職 に 復 職 することが 難 しくなる 等 柔 軟 な 働 き 方 ができな 10
い 度 合 いによる 要 因 である 働 き 方 については 女 性 は 現 実 主 義 者 であり 男 性 の 方 が 理 想 と 現 実 との 差 が 大 きい 厚 生 労 働 省 の 委 託 で 三 菱 UFJリサーチ&コンサルティン グが 実 施 した 子 育 て 期 の 男 女 への 仕 事 と 子 育 ての 両 立 に 関 するアンケート 調 査 (2009 年 )によると 家 事 と 仕 事 子 育 てを 両 立 させたいと 考 えている 正 社 員 は 女 性 で 52.3% 男 性 58.4%となっている しかし 実 際 には 仕 事 に 専 念 どちらかという と 仕 事 優 先 が 女 性 では 31.2% 男 性 では 74.5%となっており 男 性 においての 理 想 と 現 実 との 差 が 顕 著 に 現 れている 7 この 調 査 から 夫 婦 での 家 庭 においての 認 識 の 違 い がみてとれる 図 表 -6 出 典 :http://www.babycome.ne.jp/online/research/detail.php?vol=76 より 引 用 図 表 -6からわかるように 子 育 てにおいて 一 番 の 障 害 は 経 済 的 な 問 題 である 夫 婦 はお 互 い 合 意 のうえで 子 供 を 作 るので 第 一 子 まではスムーズにいくかもしれない し かし 第 二 子 になると 妻 の 就 業 が 出 生 意 欲 に 影 響 を 及 ぼすようになってくる 性 別 によ って 効 果 を 及 ぼす 方 向 性 は 異 なり 男 性 は 妻 が 就 業 すると 二 人 目 が 欲 しいと 思 うのに 対 し 女 性 は 自 分 自 身 が 社 会 に 出 ていると 二 人 目 は 欲 しくないと 思 う 割 合 が 高 くなる こ のすれ 違 いは 日 本 社 会 に 根 付 いている 性 別 役 割 分 業 が 大 きく 関 係 しており 昔 から 日 7 朝 日 新 聞 (2015/01/07 アクセス) http://www.asahi.com/diversity/data/より 引 用 11
本 では 男 性 は 外 に 出 て 安 定 した 稼 ぎを 持 ってくることを 期 待 されているし 女 性 は 家 事 育 児 を 担 い 家 を 守 ることが 期 待 されてきた 近 年 の 雇 用 情 勢 の 変 化 によって 男 性 の 雇 用 は 必 ずしも 安 定 的 なものでなくなってしまったので 夫 婦 共 働 きで 家 族 を 支 え る 方 が 経 済 的 安 心 度 はかなり 高 くなる このことが 夫 の 出 生 意 欲 を 高 めている 原 因 と 推 定 される 一 方 妻 の 立 場 から 考 えられる 心 理 は 現 状 の 女 性 に 大 きな 負 担 がかかる 子 育 てにおいて 一 人 目 の 出 産 を 終 えた 際 では 働 きながら 二 人 の 子 供 を 育 てることは 難 しい と 感 じてしまうだろう 世 帯 収 入 に 対 する 妻 の 収 入 の 割 合 が 相 対 的 に 高 ければ 出 産 を 機 に 仕 事 を 辞 められては 経 済 的 に 困 ってしまう 状 況 になりかねない このことから 夫 婦 での 出 生 意 欲 に 対 する 認 識 の 違 いが 生 じてくるのだろう 妻 の 就 業 が 夫 婦 の 経 済 面 で 大 きなウェイトを 占 めている 場 合 意 思 決 定 家 事 分 担 出 生 意 欲 は 女 性 に 決 定 権 が 委 ねられることが 多 くなる 長 期 的 な 展 望 がないと 子 供 をもつことは 難 しいので 雇 用 の 安 定 化 格 差 の 是 正 教 育 費 の 負 担 軽 減 等 の 子 育 てに 関 する 環 境 を 整 えることが 結 果 と して 少 子 化 の 歯 止 めに 繋 がっていく 少 子 化 の 問 題 でなくても 格 差 を 減 らす 政 策 は 必 要 で 男 女 の 賃 金 格 差 を 埋 め 男 性 でも 女 性 でも 働 ける 方 が 働 くという 柔 軟 な 考 えを 持 て るような 社 会 になっていけたら 少 子 化 も 改 善 されていくのではないだろうか 賃 金 格 差 の 問 題 においては もし 女 性 の 賃 金 を 男 性 と 同 等 なものにした 場 合 女 性 も 競 争 社 会 の 中 で 働 くことになり 産 休 や 育 児 休 暇 を 取 得 後 男 性 と 同 じような 不 安 にかられ 職 場 復 帰 が 困 難 になってしまう 可 能 性 も 否 定 できない 少 子 化 傾 向 を 逆 転 さえるためには 文 明 システム つまり 男 女 の 家 庭 においてのあり 方 の 考 え 方 を 変 えていくべきである 女 性 が 社 会 進 出 することは 少 子 化 による 生 産 年 齢 人 口 の 減 少 を 解 消 するとともに 男 性 に 第 二 子 への 出 生 意 欲 を 高 めるという 効 果 を 生 み 出 すのである 出 産 できるのは 女 性 の 特 権 であり 能 力 的 には 変 わりない 男 女 かもしれないが 女 性 の 出 産 をサポートするため の 支 援 策 は 必 要 であり 男 性 とは 異 なる 制 度 政 策 を 作 っていくことが 大 事 なのである 12
図 表 -7: 少 子 化 対 策 出 典 : 宮 若 市 役 所 市 民 アンケート(2008 年 ) http://www.city.miyawaka.lg.jp/hp/page000001700/hpg000001662.htm より 引 用 では 一 般 の 国 民 は 少 子 化 対 策 として 何 を 望 んでいるのだろうか 福 岡 県 若 宮 市 では この 点 を 市 民 にアンケートをとっている 図 表 7 はそれをまとめたものであるが これ を 見 ると 安 心 して 仕 事 ができる 子 育 て 環 境 の 充 実 経 済 負 担 の 軽 減 を 強 く 望 んで いることがわかる 安 心 して 仕 事 ができる 子 育 ての 環 境 は 地 域 によって 異 なる( 地 域 子 育 て 支 援 整 備 の 促 進 や 保 育 サービスの 充 実 に 取 り 組 んでいる 等 ) 私 の 出 身 地 である 千 葉 県 四 街 道 市 では 子 育 て 支 援 センターがあり お 母 さん 方 の 交 流 の 場 である 子 供 を 預 けられるだけでなく お 母 さんを 対 象 にしているサークルもあり 育 児 による 悩 みを 共 有 できることだけでも 心 強 いと 思 う 子 供 によって 親 の 輪 も 広 がっていくことは 楽 し みの 一 つであり 将 来 進 んで 参 加 していきたいと 思 う 第 四 章 女 性 の 社 会 進 出 に 向 けて 第 一 節 スウェーデンにおける 女 性 活 用 政 策 これまで 少 子 化 と 女 性 の 社 会 進 出 の 関 係 性 を 人 口 や 経 済 と 結 び 付 けて 論 じてきたが 女 性 の 社 会 進 出 は 少 なからず 少 子 化 の 原 因 であった しかし 日 本 より 合 計 特 殊 出 生 率 が 高 い 国 の 方 が 男 女 平 等 も 進 んでおり 経 済 成 長 を 遂 げている 図 表 3から スウェーデンは 人 間 開 発 指 数 ジェンダー 開 発 指 数 ジェンダー エ ンパワーメント 指 数 すべてにおいて 日 本 より 数 値 が 高 いことがわかる 女 性 の 社 会 進 出 13
が 日 本 より 進 んでいるのに 関 わらず 合 計 特 殊 出 生 率 は 1.75 と 日 本 より 高 い 数 値 を 維 持 している スウェーデンを 始 めとする 北 欧 福 祉 国 家 は 社 会 保 障 制 度 税 制 への 信 頼 がとても 高 く 経 済 グローバル 化 の 中 で 競 争 力 を 発 揮 しつつ 高 い 福 祉 や 教 育 の 水 準 を 維 持 しているのである このように 女 性 の 社 会 進 出 が 進 んでいるスウェーデンにおいて も 以 前 は 日 本 と 同 様 に 女 性 は 家 庭 に という 考 えが 常 識 であった スウェーデンで は 1960 年 代 に 急 速 な 高 度 経 済 成 長 を 遂 げたことにより 労 働 力 不 足 が 深 刻 な 問 題 となり 女 性 の 社 会 進 出 が 進 んだという 背 景 がある いまでは 女 性 の 生 産 年 齢 人 口 の 76%が 職 業 をもって 働 いており ほとんどの 女 性 が 職 を 持 っている 8 保 育 所 は 朝 7 時 から 夕 方 6 時 までと 決 められており 就 学 前 の 子 供 全 員 が 入 れる 保 育 所 が 整 備 されているのであ る これは 子 供 が 少 なくなると 一 人 遊 びやテレビゲームに 時 間 を 費 やしてしまう 子 供 が 増 え 社 会 性 や 協 調 性 に 欠 けた 異 常 な 社 会 集 団 を 生 む 危 険 性 があることから 保 育 所 整 備 に 力 が 注 がれているのである そして 450 日 間 の 育 児 休 暇 制 度 では 父 親 があまり 育 児 に 参 加 しないという 問 題 が 生 じた 経 験 から 30 日 間 は 必 ず 父 親 がとらなければいけな い 規 定 になっている スウェーデンでの 育 児 休 暇 は 100% 消 化 されている 一 方 日 本 男 性 の 育 児 休 暇 取 得 率 は 2.03%であり 改 善 傾 向 ではあるが 低 い 数 値 を 記 録 している 9 そして 児 童 手 当 金 制 度 である この 制 度 は 義 務 教 育 が 終 了 する 16 歳 までに 支 給 され る 制 度 であり 子 供 1 人 の 場 合 には 月 額 12000 円 2 人 の 場 合 には 24000 円 3 人 の 場 合 には 39200 円 と 支 給 され 16 歳 を 過 ぎても 高 校 在 学 者 である 場 合 には 教 育 手 当 金 として 継 続 支 給 されることになっている このことから スウェーデンでは 国 民 から 集 められた 税 金 がしっかりと 国 民 に 還 元 されていることがわかる そして 強 制 的 に 父 親 の 育 児 参 加 を 決 めており 育 児 休 暇 制 度 100% 消 化 率 も 決 まりであるから 実 現 できてい るのだと 思 われる 日 本 では 男 性 の 育 児 休 暇 制 度 を 20%までに 上 げる 目 標 を 掲 げている が 現 実 的 にはかなり 低 い 数 値 になってしまっている 制 度 等 を 強 制 的 にして 女 性 の 社 会 進 出 を 社 会 全 体 で 支 えている 点 が 日 本 との 大 きな 違 いではないだろうか 第 二 節 日 本 での 仕 事 と 家 庭 の 両 立 支 援 策 では 女 性 の 雇 用 を 増 やすためにはどのような 支 援 策 制 度 が 必 要 なのだろうか 女 性 が 結 婚 そして 出 産 を 終 えた 後 も 継 続 して 働 き 続 けるためには 子 供 の 保 育 の 問 題 があがるだろう 改 正 前 の 労 働 基 準 法 では 産 前 産 後 6 週 間 の 休 暇 が 保 障 されていた が 産 休 明 けに 生 後 一 か 月 半 の 乳 児 の 保 育 者 を 探 すために 母 親 は 様 々な 苦 労 をしてき たと 思 われる 10 女 性 が 働 くことが 一 般 的 になった 今 共 働 き 夫 婦 が 大 多 数 を 占 める 社 会 では 保 育 サ ービスの 質 と 量 が 確 保 されることが 重 要 である まず 待 機 児 童 の 問 題 を 解 消 するのが 目 標 であり 潜 在 的 待 機 児 童 は 約 24 万 人 いるといわれている その 他 の 保 育 所 の 問 題 8 スウェーデンの 社 会 保 障 制 度 ページ(2015/01/30 アクセス) http://www12.ocn.ne.jp/~y-syaho/sisatuhoukoku/sweeden.htm 9 日 本 経 済 新 聞 (2014/06/23)mw.nikkei.com より 引 用 10 手 塚 和 彰 中 窪 裕 也 著 変 貌 する 労 働 と 社 会 システム 73 ページ 参 照 14
点 として 利 用 者 との 直 接 契 約 が 認 められていないことである 児 童 福 祉 法 ( 平 成 10 年 )の 改 正 により 認 可 保 育 所 に 入 るためには 利 用 者 が 保 育 所 を 選 び その 順 位 を 市 町 村 に 申 し 込 む 利 用 者 選 択 方 式 に 改 められた しかし 利 用 者 の 直 接 的 な 契 約 者 は 市 町 村 であり 市 町 村 が 定 める 個 々の 保 育 の 必 要 度 に 応 じて 希 望 する 保 育 所 を 独 自 の 基 準 で 判 断 し 割 り 当 てる 仕 組 みであることに 変 わりはない これは 保 育 サービスの 供 給 が 限 られていることから 公 正 性 に 基 づいた 制 度 とされているが 事 業 主 からしてみれば 営 業 努 力 をしなくても 市 町 村 が 割 り 当 ててくれるので サービス 価 格 が 一 律 に 定 められ ている 仕 組 みとなっている このように 行 政 が 利 用 者 を 認 可 保 育 所 の 空 き 状 況 に 応 じて 割 り 当 てが 行 われる 限 り 認 可 保 育 所 は 質 の 高 い 保 育 サービスを 提 供 しようとする 意 欲 がないのも 当 然 だ 保 育 の 利 用 料 は 保 育 の 必 要 度 に 応 じてサービスを 受 け 取 り その 能 力 に 応 じて 費 用 を 負 担 する 原 則 である このような 社 会 主 義 的 な 制 度 は 今 後 女 性 が 働 くことが 当 たり 前 の 時 代 になった 時 に 幅 広 い 一 般 の 社 会 階 層 対 象 とする 場 合 には 機 能 し 難 い 割 り 当 て 制 度 により 潜 在 的 に 保 育 サービス 顕 在 化 が 妨 げられている この 状 況 を 打 開 するためには 保 育 サービスに 見 合 った 費 用 を 支 払 えるような 制 度 にする 必 要 がある ではなぜ 少 子 化 なのに 待 機 児 童 が 発 生 してしまうのか 一 般 的 に 考 えれば 子 供 が 少 なくなれば 保 育 所 に 入 所 する 子 供 も 減 り 待 機 児 童 は 減 ると 思 われる たしかに 少 子 化 によって 過 疎 化 が 進 んでいる 地 域 もあり 廃 校 になるなど 少 子 化 の 減 少 が 実 感 できる しかし 主 要 都 市 部 ではいまだに 人 口 が 増 えているのである 都 市 部 は 仕 事 を 理 由 とし て 住 んでいる 人 が 多 いため 必 然 的 に 保 育 所 に 預 けられなければ 子 供 を 産 むことができ ないのである 反 対 に 子 供 を 産 みたいと 思 っても 預 け 先 がないなら 躊 躇 ってしまう 人 も 少 なからずいると 思 われる 子 供 への 教 育 も 考 慮 すると 幼 稚 園 の 方 が 入 学 前 の 準 備 や 学 習 できる 長 期 休 暇 もき ちんとあり 親 子 参 加 の 行 事 が 多 いことから 子 供 の 成 長 を 逐 一 見 守 れるメリットがある 幼 稚 園 では 親 同 士 の 交 流 も 盛 んであり 時 間 に 余 裕 がある 人 はおすすめである 一 方 保 育 所 のメリットとしは 保 護 者 の 負 担 が 少 なく 帰 りも 夕 方 行 事 も 土 日 など 働 く 親 へ の 配 慮 がされている 栄 養 のある 食 事 を 食 べさせてくれ 生 活 習 慣 のしつけ 等 を 行 って くれる デメリットとしては 生 活 や 遊 びが 中 心 なので 学 習 的 な 側 面 はあまり 期 待 でき ない 幼 稚 園 は3 歳 からであり 年 齢 的 には 職 場 復 帰 できるので 働 く 親 を 元 に 作 られ ている 保 育 所 の 人 気 がわかる 15
図 表 -8: 幼 稚 園 と 保 育 所 の 違 い 出 所 :http://momomamablog.pink/archives/65.html より 引 用 少 子 化 時 代 の 女 性 労 働 政 策 として 合 計 特 殊 出 生 率 を 上 昇 させるための 方 策 において 両 立 支 援 である 保 育 政 策 の 重 要 性 が 理 解 され 児 童 福 祉 という 狭 い 分 野 から 国 の 重 要 な 政 策 目 標 として 注 目 されるようになった この 目 標 が 掲 げられた 理 由 として 女 性 の 労 働 力 率 が 高 い 国 は 出 生 率 も 高 いという OECD 加 盟 24 ヶ 国 の 2000 年 データに 対 応 したものであ る 11 これまでの 児 童 福 祉 分 野 を 中 心 とした 政 策 に 加 えて 2003 年 に 少 子 化 社 会 対 策 基 本 法 と 次 世 代 育 成 支 援 対 策 推 進 法 12が 成 立 され 女 性 の 雇 用 労 働 化 が 進 められた 日 本 における 少 子 化 対 策 としては 1994 年 エンゼルプラン を 発 表 から 始 まり 保 育 施 設 を 充 実 させることが 推 し 進 められた 次 に 発 表 された 政 策 として 1999 年 信 エ ンゼルプラン が 制 定 される エンゼルプランとの 違 いは 働 き 方 および 保 育 サービス の 充 実 に 加 え 相 談 教 育 住 宅 などの 総 合 的 な 実 施 計 画 が 組 み 込 まれた 面 であり 2004 年 を 目 標 に 実 施 されたのである そして 2004 年 には 男 性 を 含 めた 働 き 方 の 見 直 しを 盛 り 込 んだ 少 子 化 対 策 プラスワン が 発 表 され 実 現 のために 少 子 化 対 策 基 本 法 の 制 定 児 童 手 当 法 児 童 福 祉 法 育 児 介 護 休 業 法 の 改 正 も 同 時 に 行 われた 2004 年 には 少 子 化 社 会 対 策 大 綱 を 具 現 化 した 子 供 子 育 て 応 援 のプラン も 発 表 されたのである 上 記 のように 日 本 政 府 は 少 子 化 に 対 して 様 々な 対 策 を 行 い 努 力 してきたが 少 子 化 の 進 行 は 止 まることがなく 政 府 だけでは 十 分 な 効 果 は 得 られないと 政 府 の 限 界 が 指 摘 さ れ 違 う 視 点 から 少 子 化 を 対 策 することが 必 要 になるのである まず 子 供 にかかる 費 用 を 軽 減 させることが 一 番 に 考 えられる 子 供 を 持 つかどうか あるいは 何 人 持 つかと いった 選 択 は 子 供 一 人 にかかる 費 用 と 効 用 によって 決 まる 子 供 が 欲 しくても 経 済 的 な 見 通 しがつかなければ 意 図 的 に 子 供 は 作 れないのである 子 供 にかかる 養 育 費 は 一 人 当 たり 約 3000 万 円 ともいわれている 13 乳 幼 児 から 大 学 を 卒 業 するまでの 22 年 間 の 間 で 見 積 もられた 額 であるが もし 私 立 に 入 学 することがあればもっと 費 用 が 嵩 むであ るだろう しかし 費 用 と 効 用 については 個 々の 価 値 観 や 教 育 費 母 親 が 子 育 てによっ 11 男 女 共 同 参 画 会 議 少 子 化 男 女 共 同 参 画 に 関 する 専 門 調 査 会 (2005 年 )より 12 雇 用 環 境 の 整 備 や 保 育 サービス 等 の 充 実 地 域 社 会 における 子 育 て 支 援 体 制 の 整 備 等 基 本 的 政 策 そして 内 閣 府 に 少 子 化 社 会 対 策 会 議 の 設 置 を 定 めた 13 All about money(2015/01/30 アクセス) http://allabout.co.jp/gm/gc/12003/ 参 照 16
て 働 けない 期 間 の 収 入 の 減 少 や 再 就 職 する 際 の 費 用 も 計 算 に 入 れなければならないの で 把 握 が 難 しいとされている 子 育 てにかかる 費 用 が 少 子 化 の 原 因 ならば 児 童 手 当 を 充 実 させようと 政 府 はこれまで 児 童 手 当 の 給 付 額 や 対 象 年 齢 について 制 度 を 変 更 して きたが それらの 改 正 の 結 果 として 少 子 化 の 改 善 には 結 びつかなかったのである 理 由 としては 児 童 手 当 が 家 計 の 出 生 行 動 に 与 える 影 響 が 極 めて 小 さく 所 得 の 増 加 が 更 なる 養 育 費 の 増 加 へと 繋 がってしまったからである 児 童 手 当 によって 少 子 化 の 解 消 を 期 待 するのであれば 児 童 手 当 をかなり 増 額 し 北 欧 諸 国 の 様 な 充 実 した 制 度 でなければ 効 果 は 期 待 できないだろう このように 様 々な 政 策 が 展 開 されてきたが 実 効 性 はみてと ることができないでいる 日 本 企 業 の 雇 用 管 理 や 企 業 風 土 が 原 因 と 考 えられており 日 本 においての 女 性 は 家 庭 を 守 るもの という 伝 統 的 な 価 値 観 がいまだ 根 強 いのだろう 女 性 の 社 会 進 出 を 拡 大 させるために 必 要 なことは 今 ある 支 援 策 や 制 度 を 十 分 に 利 用 す るための 周 囲 の 協 力 や 配 慮 ではないだろうか 第 三 節 男 性 の 育 児 参 加 の 重 要 性 子 育 てにかかる 時 間 は 週 平 均 で 37 時 間 であり 女 性 にかぎれば 53 時 間 となっており 一 日 平 均 5.3 時 間 となる 14 図 表 -9: 子 育 てに 費 やしている 時 間 80 70 60 50 40 30 20 10 0 男 性 有 職 者 女 性 専 業 主 婦 出 所 :Garbagenews.com(2013 年 )より 引 用 図 表 -9は 20 歳 ~49 歳 の 男 女 を 対 象 に 調 査 したものであり 男 性 の 子 育 ては16.8 時 間 / 週 と 少 なめであるのがわかる 一 方 女 性 に 関 しては 有 職 者 女 性 が 41.1 時 間 / 週 子 育 てに 費 やして おり 専 業 主 婦 に 限 れば 73.0 時 間 / 週 となり 一 日 平 均 およそ10 時 間 もの 時 間 を 育 児 に 費 やして いることがわかる 専 業 主 婦 に 比 べ 就 業 している 女 性 は 相 対 的 に 子 育 てに 費 やせる 時 間 が 少 ないので 子 供 の 教 育 にマイナスの 影 響 を 与 えるのではないかとの 意 見 もあるが 母 親 が 働 くこと によるメリットもある 世 帯 所 得 が 高 いほど 子 供 の 教 育 への 投 資 が 多 くなり つまり 勤 労 所 得 が 高 い 世 帯 では 質 の 高 い 家 事 育 児 に 関 連 する 市 場 のサービスを 利 用 できる 機 会 が 増 える 母 親 が 就 業 しているか 否 かではなく 母 親 が 子 供 に 対 する 接 し 方 態 度 が 重 要 であり このことは 仕 事 に 対 する 態 度 および 価 値 観 がそのまま 子 供 への 接 し 方 へ と 影 響 されやすいことから 言 える 例 えば 仕 事 の 満 足 度 が 高 い 状 態 で 帰 宅 し 良 い 情 緒 である 場 合 子 供 への 接 し 方 はより 温 かくなると 指 摘 されている 仕 事 でのストレスが 高 いと 子 供 へマイナスの 影 響 を 与 えてしまうことになる 以 上 より 母 親 の 就 業 は 必 時 間 ずしもマイナスの 影 響 を 与 えるとはいえないのである 14 内 閣 府 国 民 生 活 白 書 - 第 4 節 子 育 てにかかる 時 間 参 照 17
次 に 夫 の 家 事 参 加 は 子 育 てにどのような 影 響 があるのだろうか 共 働 きの 夫 婦 におい て 夫 の 家 事 参 加 は 必 須 になってくるが 家 事 は 自 分 の 役 割 と 認 知 している 妻 とそうでな い 妻 とでは 夫 の 家 事 参 加 の 量 に 違 いが 生 じる つまり 前 者 の 妻 は ほとんどの 家 事 をや ることは 当 然 のことと 思 っているのに 対 して 後 者 の 妻 はそのようにほとんどの 家 事 を やる 状 況 になった 場 合 夫 への 不 満 が 生 じ このことから 夫 の 家 事 参 加 への 要 求 へとつ ながっている 男 性 の 家 事 参 加 の 少 なさが 問 題 となるのは 妻 が 夫 に 対 して 家 事 参 加 を 期 待 する 場 合 であり 期 待 されていない 場 合 は 問 題 とならないが 少 子 化 との 関 連 を 見 てみると 問 題 となっていることがわかる ( 図 表 -10) 図 表 -10: 夫 の 家 事 参 加 と 出 生 割 合 の 関 係 http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/data/ottonokyouryoku.html より 引 用 図 表 -10から 第 二 子 以 降 の 出 生 に 関 して 夫 の 家 事 育 児 への 協 力 が 関 係 している ことがわかる 家 事 育 児 不 参 加 の 夫 の 家 庭 では 9 割 が 第 2 子 の 出 生 がないのに 対 し 6 時 間 以 上 の 家 事 育 児 参 加 の 協 力 がある 夫 の 家 庭 では 約 7 割 もの 割 合 で 第 2 子 の 出 生 があるのである 休 日 に6 時 間 以 上 家 事 育 児 に 時 間 を 費 やしてくれる 男 性 は 一 般 的 に 育 メンパパ とよばれている この 調 査 の 結 果 から 二 人 以 上 子 供 を 育 てていくこ とは 夫 の 協 力 なしでは 実 現 できないということが 言 えるのである 夫 の 家 事 参 加 に 及 ぼす 妻 の 就 業 の 効 果 については4つの 仮 説 があり 家 族 の 生 活 のあ 18
り 方 は 学 歴 や 職 種 収 入 などによってかなり 異 なるという 研 究 結 果 が 得 られている 15 相 対 的 資 源 説 夫 婦 間 での 相 対 的 な 社 会 経 済 的 資 源 の 量 に 着 目 する 仮 説 である たとえば 妻 の 資 源 が 相 対 的 に 多 くなれば 夫 は 家 事 をやらなければまずい と 思 うのに 対 し 夫 の 稼 ぎの 方 が 良 ければ 家 事 をしなくても 構 わない と 正 当 化 する 理 由 になる 時 間 制 約 説 夫 に 手 伝 いたい という 気 持 ちがあったとしても 残 業 等 で 家 にいる 時 間 が 少 なくな り その 結 果 家 事 を 手 伝 えないというように 時 間 的 な 制 約 が 夫 の 家 事 参 加 に 影 響 を 及 ぼしている 性 役 割 説 性 別 の 役 割 の 違 いが 夫 の 家 事 参 加 を 規 定 するとみなす 説 であり 妻 が 性 別 役 割 分 業 を 肯 定 する 価 値 観 を 持 っていれば 夫 に 対 して 家 事 参 加 を 求 めないことになり 妻 が 男 女 平 等 的 な 分 業 を 支 持 する 場 合 には 夫 に 家 事 参 加 を 求 めるだろう 代 替 的 マンパワー 説 日 本 では 三 世 代 が 同 居 している 家 庭 が 他 の 国 に 比 べると 多 く 日 本 で 独 自 に 考 え 出 さ れた 説 である 夫 が 家 事 に 参 加 できない 場 合 には 同 居 している 親 に 助 けを 求 めること ができるという 関 係 があることを 言 う 上 記 の4つの 説 から 夫 の 家 事 参 加 は 妻 の 性 別 役 割 分 業 観 の 価 値 観 や 仕 事 による 家 庭 での 時 間 の 減 少 によって 左 右 されることがわかる 最 近 では 男 性 の 意 識 にも 変 化 があり できることならもっと 育 児 にかかわりたいと 願 う 夫 も 近 年 では 徐 々に 増 えてきている 16 女 性 が 子 供 を 育 てながら 継 続 して 働 くためには 少 しでも 女 性 の 育 児 負 担 感 を 軽 減 する ことが 大 事 である 男 性 が 育 児 参 加 家 事 参 加 をするためにも 男 性 の 働 き 方 の 見 直 しも 必 要 であるといえる 第 四 節 まとめ 安 倍 首 相 による 成 長 戦 略 の 中 核 をなすものは 女 性 の 活 用 政 策 であり 1 上 場 企 業 に 女 性 役 員 を1 人 起 用 2 待 機 児 童 を5 年 目 標 に0へ3 育 児 休 業 を3 年 に 延 長 といった 内 容 である 17 このように 政 策 や 支 援 策 等 は 努 力 され 続 けてきたのである 少 子 化 によって 15 厚 生 労 働 省 独 立 行 政 法 人 労 働 政 策 研 究 第 一 章 仕 事 と 育 児 の 両 立 支 援 策 と 研 究 の 課 題 (2006 年 ) 参 照 16 ベネッセ 次 世 代 育 成 研 究 所 (2006 年 )より 引 用 17 日 経 ビジネス(2015/01/30)アクセス http://www.nikkeibp.co.jp/article/matome/20130612/354019/?rt=nocnt を 参 照 19
生 産 年 齢 人 口 の 減 少 傾 向 から 女 性 の 活 用 はこれから 一 層 進 められていくだろう スウ ェーデンの 様 に 育 児 休 暇 消 化 率 100%を 実 現 するには 制 度 に 強 制 力 をもたせることが 必 要 である なぜ 育 児 休 暇 の 取 得 率 が 低 いのか 原 因 を 把 握 し 改 善 するべきである こ の 社 会 全 体 による 女 性 の 出 産 社 会 進 出 への 協 力 の 姿 勢 が 育 児 への 負 担 を 軽 減 させるの であり 特 に 夫 の 協 力 が 不 可 欠 である 日 本 は 親 切 な 国 としての 印 象 が 強 いが 子 連 れ の 母 親 へは 冷 たい 印 象 がある 例 えば 電 車 内 で 子 供 が 泣 き 出 したら 母 親 は 肩 身 の 狭 い 思 いをしている 一 方 で 海 外 は 子 育 てを 楽 しいと 感 じている 人 が 多 い 社 会 全 体 が 子 育 て に 対 して 優 しいのである 少 子 化 問 題 を 解 消 するためには 女 性 の 仕 事 と 子 育 てを 両 立 したいという 思 いを 理 解 し 協 力 していく 社 会 的 風 土 の 形 成 が 必 要 である おわりに. 女 性 は 家 庭 と 社 会 の 両 方 から これから 先 もより 求 められる 存 在 になっていくと 思 う だからこそしっかりと 意 思 決 定 できる 女 性 に 私 はなりたい 少 子 化 から 生 じた 労 働 力 の 減 少 を 女 性 が 補 い 世 帯 収 入 においての 安 定 を 女 性 が 社 会 に 出 ることによって 確 保 する 出 生 意 欲 の 意 識 調 査 によって 男 性 が 第 二 子 を 欲 しいと 思 うか 否 かは 女 性 の 就 業 状 態 に 左 右 さ れることから 女 性 の 社 会 進 出 は 男 女 においても 社 会 においても 喜 ばしいことである 先 進 諸 国 の 出 生 率 と 女 性 が 社 会 に 出 て 活 躍 しているデータから 必 ずしも 女 性 の 社 会 進 出 が 少 子 化 に 直 結 している 原 因 でないことがわかった 女 性 の 高 学 歴 化 によって 大 学 を 卒 業 する 年 齢 は 20 代 前 半 であり 晩 婚 化 を 引 き 起 こしてしまっているかもしれない しかし 配 偶 者 との 出 会 い そして 親 になる 教 養 を 学 び 自 分 の 能 力 を 社 会 に 生 かせられる 等 メ リットが 多 くある 子 供 を 持 つという 事 は 経 済 的 な 面 と 精 神 的 な 面 が 大 きいことがわかっ た 自 分 の 子 供 へ 質 の 高 い 教 育 をなるべく 受 けさせてあげたいと 思 うので できるかぎり 働 き 続 けたい 超 少 子 化 社 会 の 到 来 は 国 の 宝 といわれる 子 供 を 生 み 育 てるということ を 国 民 全 体 が 考 え 直 すきっかけではないだろうか 女 性 の 労 働 問 題 を 考 える 際 家 庭 責 任 の 問 題 が 永 遠 の 課 題 であるといわれている 男 女 ともにバランス 良 く 担 わなければならないが 実 際 は 女 性 がかなりの 家 庭 責 任 を 負 ってい るのが 現 状 である 昔 からある 男 性 は 外 で 働 き 女 性 は 家 庭 を 守 る という 意 識 を 変 え させることが 必 要 である 私 は 家 事 をやることに 抵 抗 はないが お 互 い 感 謝 の 気 持 ちを 忘 れてしまうと 夫 婦 関 係 が 冷 めてしまい 子 供 への 悪 影 響 に 繋 がってしまう 配 偶 者 との 関 係 は 子 供 が 22 歳 で 離 れて 暮 らすことになると 仮 定 した 場 合 夫 婦 で 過 ごす 時 間 の 方 が 長 い のである 家 族 をデザインする 事 は 女 性 が 進 んで 作 っていかなければならない その 為 には 社 会 で 活 躍 しそして 家 庭 においても 輝 ける 女 性 に 成 長 していきたい 20
参 考 文 献 一 覧 および URL 一 覧 手 塚 和 彰 中 窪 裕 也 変 貌 する 労 働 と 社 会 システム 信 山 社 出 版 2008 年 森 下 紀 夫 超 少 子 化 時 代 の 未 来 学 論 創 社 出 版 2007 年 志 田 原 勉 少 子 高 齢 化 時 代 の 女 性 活 用 労 働 調 査 会 出 版 2001 年 小 長 谷 有 紀 家 族 のデザイン 東 信 堂 出 版 2008 年 山 田 昌 弘 なぜ 若 者 は 保 守 化 するのか 東 洋 経 済 新 報 社 出 版 2009 年 小 島 隆 夫 人 口 減 少 子 化 社 会 の 未 来 明 石 書 店 出 版 2007 年 前 野 弘 少 子 高 齢 化 と 日 本 経 済 文 眞 堂 出 版 2014 年 公 益 財 団 法 人 (2015/01/06 アクセス) http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifeevent/mariage/12.html 首 相 官 邸 (2015/01/06 アクセス) http://www.kantei.go.jp/jp/headline/women2013.html 産 婦 人 科 デビュー 知 っているようで 知 らない 少 子 化 のこと(2015/01/06 アクセス) http://www.sanfujinka-debut.com/topics/birthrate/index.html 厚 生 労 働 省 (2015/01/06 アクセス) http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/09/h0928-6c.html ノルウェーにおける 男 女 平 等 政 策 (2015/01/06 アクセス) http://www.no.emb-japan.go.jp/index_j.htmyori Garbage news.com 子 育 てのページ(2015/01/06 アクセス) http://www.garbagenews.net/archives/2066913.html 総 務 省 統 計 局 家 計 のページ(2015/01/06 アクセス) http://www.stat.go.jp/data/kakei/ ベビカムリサーチ(2015/01/06 アクセス) http://www.babycome.ne.jp/online/research/detail.php?vol=76 幼 稚 園 と 保 育 園 の 違 い(2015/01/06 アクセス) http://momomamablog.pink/archives/65.html Business Journal(2015/01/06 アクセス) http://biz-journal.jp/2013/10/post_3019_3.html 宮 若 市 役 所 少 子 化 のページ(2015/01/06 アクセス) http://www.city.miyawaka.lg.jp/hp/page000001700/hpg000001662.htm 四 街 道 市 (2015/01/06 アクセス) http://www.city.yotsukaido.chiba.jp/index.html 21
あとがき 最 初 少 子 化 という 大 きなテーマが 決 まったところでずっと 止 まっていて どう 女 性 の 社 会 進 出 と 関 連 付 けていくか 最 後 まで 悩 んでいました 自 分 が 三 人 兄 弟 なので 将 来 は 三 人 のお 母 さんになりたいと 思 っています 大 学 へ 進 学 させることも 考 慮 すると 共 働 きは 避 け ていけないと 思 うので 社 会 に 通 用 するような 女 性 になれるよう 今 後 努 力 していきます ありがとうございました 22