「地方公務員の新たな労使関係制度に係る主な論点」に対する意見(案)

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●電力自由化推進法案

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公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

m07 北見工業大学 様式①

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36


公表表紙

共 通 認 識 1 官 民 較 差 調 整 後 は 退 職 給 付 全 体 でみて 民 間 企 業 の 事 業 主 負 担 と 均 衡 する 水 準 で あれば 最 終 的 な 税 負 担 は 変 わらず 公 務 員 を 優 遇 するものとはならないものであ ること 2 民 間 の 実 態 を 考

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学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う文部科学省関係省令の整備に関する省令等について(通知)

(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)

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スライド 1

自衛官俸給表の1等陸佐、1等海佐及び1等空佐の(一)欄又は(二)欄に定める額の俸給の支給を受ける職員の占める官職を定める訓令

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頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

岡山県警察用航空機の運用等に関する訓令

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セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

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国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に

(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

Microsoft Word - ★HP版平成27年度検査の結果

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 26 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 副 理 事 長 A 理 事 16,638 10,332 4,446 1,

Taro-07-1提言概要.jtd

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

 三郷市市街化調整区域の整備及び保全の方針(案)

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臨 床 研 究 事 案 に 関 する 主 な 報 道 概 要 ディオバン 事 案 白 血 病 治 療 薬 タシグナ 事 案 (SIGN 試 験 ) ノバルティス 社 の 高 血 圧 症 治 療 薬 ディオバンに 係 る 臨 床 研 究 において データ 操 作 等 があり 研 究 結 果 の 信 頼

4 乙 は 天 災 地 変 戦 争 暴 動 内 乱 法 令 の 制 定 改 廃 輸 送 機 関 の 事 故 その 他 の 不 可 抗 力 により 第 1 項 及 び 第 2 項 に 定 める 業 務 期 日 までに 第 1 条 第 3 項 の 適 合 書 を 交 付 することができない 場 合 は

波佐見町の給与・定員管理等について

(4) 運 転 する 学 校 職 員 が 交 通 事 故 を 起 こし 若 しくは 交 通 法 規 に 違 反 したことにより 刑 法 ( 明 治 40 年 法 律 第 45 号 ) 若 しくは 道 路 交 通 法 に 基 づく 刑 罰 を 科 せられてから1 年 を 経 過 していない 場 合 同

(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

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Taro-データ公安委員会相互協力事

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 A 18,248 11,166 4, ,066 6,42

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とする (1) 多 重 債 務 や 過 剰 債 務 を 抱 え 返 済 が 困 難 になっている 人 (2) 債 務 整 理 を 法 律 専 門 家 に 依 頼 した 直 後 や 債 務 整 理 途 上 の 人 (3) 収 入 よりも 生 活 費 が 多 くお 金 が 不 足 がちで 借 金 に 頼

特 定 が 必 要 であり, 法 7 条 の 裁 量 的 開 示 を 求 める 第 3 諮 問 庁 の 説 明 の 要 旨 1 本 件 開 示 請 求 について 本 件 開 示 請 求 は, 処 分 庁 に 対 して, 特 定 法 人 が 大 森 税 務 署 に 提 出 した, 特 定 期 間 の

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の 権 限 と 責 任 を 明 確 に 定 め,これを 学 内 外 に 公 表 し, 関 係 者 に 周 知 するものとする ( 不 正 防 止 計 画 ) 第 6 条 最 高 管 理 責 任 者 は, 公 的 研 究 費 の 不 正 使 用 の 防 止 計 画 ( 以 下 不 正 防 止 計 画

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

< 現 在 の 我 が 国 D&O 保 険 の 基 本 的 な 設 計 (イメージ)> < 一 般 的 な 補 償 の 範 囲 の 概 要 > 請 求 の 形 態 会 社 の 役 員 会 社 による 請 求 に 対 する 損 免 責 事 由 の 場 合 に 害 賠 償 請 求 は 補 償 されず(

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1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

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建設特別・資産運用の基本方針

16 日本学生支援機構

(15) 兵 庫 県 道 高 速 湾 岸 線 (16) 神 戸 市 道 高 速 道 路 2 号 線 (17) 兵 庫 県 道 高 速 北 神 戸 線 (18) 神 戸 市 道 高 速 道 路 北 神 戸 線 (19) 神 戸 市 道 高 速 道 路 湾 岸 線 のうち 上 り 線 については 神 戸

文化政策情報システムの運用等

退職手当とは

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

18 国立高等専門学校機構

第2分野 男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し、意識の改革


資料1:勧告の仕組みとポイント 改【完成】

代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

消 費 生 活 センターに 関 する 条 例 の 制 定 施 行 規 則 第 8 条 地 方 消 費 者 行 政 ガイド ライン 施 行 規 則 において 都 道 府 県 及 び 消 費 生 活 センターを 設 置 する 市 町 村 が 消 費 生 活 センターの 組 織 及 び 運 営 及 び 情

ような 厚 生 年 金 基 金 関 係 の 法 改 正 がなされており (2)については 平 成 16 年 10 月 1 日 から (1) 及 び(3)については 平 成 17 年 4 月 1 日 から 施 行 されている (1) 免 除 保 険 料 率 の 凍 結 解 除 ( 母 体 企 業 (

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施 設 利 用 に 伴 う 設 営 物 物 販 の 確 認 業 務 災 害 時 の 対 応 急 病 等 への 対 応 遺 失 物 拾 得 物 の 対 応 事 件 事 故 への 対 応 ( 2 ) 公 園 の 使 用 料 の 徴 収 に 関 す る 業 務 一 般 利 用 者 予 約 等 対 応 業

(Microsoft Word - \213\213\227^\201E\222\350\210\365\212\307\227\235\214\366\225\\\201iH \)\201iHP\227p\201j.doc)

定款

Q7 従 業 員 に 対 する 現 物 給 付 は 報 酬 給 与 額 に 含 まれます A7 法 人 が 役 員 又 は 使 用 人 のために 給 付 する 金 銭 以 外 の 物 又 は 権 利 その 他 経 済 的 利 益 (いわ ゆる 現 物 給 与 )については 所 得 税 において 給

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

(5) 事 業 者 等 自 転 車 及 び 自 動 車 の 製 造 輸 入 販 売 又 は 修 理 を 業 として 行 っている 者 及 びそ れらの 者 の 団 体 並 びにその 他 の 事 業 者 をいう (6) 所 有 者 等 自 動 車 の 所 有 権 占 有 権 若 しくは 使 用 権 を

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

4 松 山 市 暴 力 団 排 除 条 の 一 部 風 俗 営 業 等 の 規 制 及 び 業 務 の 適 正 化 等 に 関 する 法 律 等 の 改 正 に 伴 い, 公 共 工 事 から 排 除 する 対 象 者 の 拡 大 等 を 図 るものです 第 30 号 H H28.1

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平成28年岩手県条例第8号

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

必 要 なものとして 政 令 で 定 める 原 材 料 等 の 種 類 及 びその 使 用 に 係 る 副 産 物 の 種 類 ごとに 政 令 で 定 める 業 種 をいう 8 この 法 律 において 特 定 再 利 用 業 種 とは 再 生 資 源 又 は 再 生 部 品 を 利 用 することが

( 注 )1 ラスパイレス 指 数 とは 全 地 方 公 共 団 体 の 一 般 行 政 職 の 給 料 月 額 を 一 の 基 準 で 比 較 するため の 職 員 数 ( 構 成 )を 用 いて 学 歴 や 経 験 年 数 の 差 による 影 響 を 補 正 し の 行 政 職 俸 給 表 (

異 議 申 立 人 が 主 張 する 異 議 申 立 ての 理 由 は 異 議 申 立 書 の 記 載 によると おおむね 次 のとおりである 1 処 分 庁 の 名 称 の 非 公 開 について 本 件 審 査 請 求 書 等 について 処 分 庁 を 非 公 開 とする 処 分 は 秋 田 県

Transcription:

地 方 公 務 員 の 新 たな 労 使 関 係 制 度 に 係 る 主 な 論 点 に 対 する 意 見 平 成 24 年 1 月 27 日 全 国 市 長 会 地 方 公 務 員 制 度 改 革 検 討 委 員 会 委 員 長 新 見 市 長 石 垣 正 夫 地 方 公 務 員 の 労 働 基 本 権 の 検 討 のあり 方 については 本 会 として 現 在 の 労 使 関 係 は これまでの 様 々な 努 力 により ようやく 安 定 してきているところで あり このような 中 なぜ 今 地 方 公 務 員 の 労 働 基 本 権 を 拡 充 する 必 要 がある のかについて その 必 要 性 を 明 らかにするとともに 検 討 するに 当 たっては 単 に 国 家 公 務 員 の 措 置 との 整 合 性 だけでなく 住 民 サービスに 与 える 影 響 等 を 含 めた 費 用 と 便 益 を 具 体 的 に 示 しつつ 住 民 の 理 解 のもとに 課 題 問 題 点 等 を 整 理 しながら 慎 重 かつ 丁 寧 に 国 と 地 方 の 協 議 の 場 等 で 地 方 と 十 分 協 議 しつ つ 検 討 するよう 求 めているところであるが 政 府 においては 平 成 23 年 12 月 26 日 にいくつかの 主 な 論 点 を 示 したのみで 本 会 の 懸 念 意 見 等 について 十 分 な 回 答 や 協 議 もないまま 今 通 常 国 会 に 法 案 を 提 出 するとの 方 針 を 示 したことは 誠 に 遺 憾 である 地 方 公 務 員 の 協 約 締 結 権 付 与 のあり 方 については 公 務 員 は 国 民 全 体 の 奉 仕 者 であることも 踏 まえつつ 地 方 と 丁 寧 に 協 議 のうえ 住 民 の 理 解 と 納 得 をい ただきながら 検 討 を 進 めていくよう 改 めて 申 し 上 げる 以 上 の 検 討 を 前 提 として 地 方 公 務 員 の 新 たな 労 使 関 係 制 度 に 係 る 主 な 論 点 を 踏 まえ 次 のとおり 疑 問 点 及 び 意 見 を 提 出 するので 適 切 に 対 処 されたい Ⅰ 総 括 現 在 の 労 使 関 係 制 度 は 安 定 してきているところであるにもかかわらず な ぜ 今 地 方 公 務 員 の 労 働 基 本 権 を 拡 充 する 必 要 があるのか とする 本 会 の 疑 問 に 対 する 回 答 が 明 確 でなく 現 状 における 問 題 点 等 を 具 体 的 に 示 していただき たい また 地 方 公 務 員 の 労 使 関 係 制 度 の 在 り 方 については 地 方 公 務 員 制 度 とい う 地 方 自 治 行 政 に 関 する 極 めて 重 要 な 事 柄 であるので 単 に 国 家 公 務 員 の 措 置 を 踏 まえるだけでなく 地 方 公 務 員 の 実 情 や 特 性 さらには 住 民 サービスへの 影 響 等 を 十 分 踏 まえつつ 課 題 問 題 点 等 を 整 理 しながら 慎 重 かつ 丁 寧 に 国 と 地 方 の 協 議 の 場 等 で 地 方 と 十 分 協 議 しつつ 検 討 することを 求 めるものであ

る Ⅱ 地 方 公 務 員 の 新 たな 労 使 関 係 制 度 に 係 る 主 な 論 点 の 個 別 具 体 的 事 項 論 点 1 理 念 目 的 について 1 協 約 締 結 権 付 与 の 措 置 を 講 ずることにより 新 たな 政 策 課 題 に 迅 速 かつ 果 断 に 対 応 し 効 率 的 で 質 の 高 い 行 政 サービスの 実 現 を 図 る とし 協 約 締 結 権 を 付 与 することにより こうした 交 渉 が 制 度 的 に 担 保 されることに なれば より 安 定 した 労 使 関 係 の 形 成 に 資 する としたうえで 住 民 サー ビスに 影 響 を 及 ぼす 恐 れがあるとの 懸 念 意 見 に 対 しては 現 行 制 度 の 下 で も 広 く 労 使 間 で 交 渉 が 行 われており 新 たな 制 度 の 下 における 真 摯 な 交 渉 を 通 じて 労 使 が 対 抗 緊 張 の 関 係 となるのではなく 両 者 間 の 意 思 疎 通 の 円 滑 化 が 図 られ 相 互 理 解 が 深 まることによって 職 員 の 士 気 が 高 まり 一 層 効 率 的 で 質 の 高 い 行 政 サービスの 提 供 に 資 するものと 考 えられる と しているが 協 約 締 結 権 の 付 与 は 労 使 が 対 抗 緊 張 の 関 係 となる 可 能 性 が 高 くなるものとともに このことにより 住 民 サービスの 維 持 充 実 に 影 響 を 及 ぼすとの 懸 念 は 払 拭 できない 何 故 効 率 的 で 質 の 高 い 行 政 サー ビスの 提 供 が 図 られると 考 えるのか 理 念 でなく 地 方 の 実 態 を 踏 まえた 考 えを 示 していただきたい 2 現 在 労 働 基 本 権 の 制 約 の 代 償 措 置 として 法 律 による 身 分 保 障 等 が 講 じられているが 協 約 締 結 権 の 付 与 により これに 見 合 うとされる 代 償 措 置 はどのようにするのか 考 え 方 を 示 していただきたい 論 点 2 費 用 便 益 について 1 費 用 便 益 については 国 家 公 務 員 におけるものとほぼ 同 様 としている だけであり 地 方 公 務 員 の 特 性 特 に 地 方 公 共 団 体 が 担 っている 行 政 サー ビスに 対 し どのような 影 響 を 及 ぼすかが 示 されていない 費 用 便 益 に ついては 単 なる 労 使 関 係 のみならず 広 い 意 味 の 使 用 者 である 住 民 との 関 係 における 費 用 便 益 をしっかりと 住 民 に 示 し その 理 解 のもとに 検 討 すべきである 2 地 方 公 務 員 に 係 る 職 員 団 体 等 は 全 ての 地 方 公 共 団 体 に 設 置 されておら ず また その 加 入 率 も 年 々 低 下 しているが 職 員 団 体 等 が 設 置 されてい ない 地 方 公 共 団 体 における 勤 務 条 件 の 決 定 の 仕 組 みや 労 働 組 合 に 加 入 し ない 職 員 の 意 見 反 映 の 方 法 を 示 していただきたい

論 点 4 労 働 組 合 の 認 証 要 件 について 労 働 組 合 の 認 証 要 件 について 現 行 法 の 職 員 団 体 の 登 録 要 件 は 同 一 の 地 方 公 共 団 体 の 職 員 のみで 組 織 されるものとされているが 協 約 締 結 権 付 与 に 伴 い なぜ これを 変 更 する 必 要 があるのか その 理 由 を 明 確 に 示 していただきたい 協 約 締 結 権 を 付 与 する 場 合 においても 職 員 の 勤 務 条 件 は 行 財 政 権 に 対 す る 民 主 的 統 制 に 基 づいて 住 民 の 代 表 者 である 議 会 の 議 決 で 決 めるとすること については 変 更 を 加 えないものである 以 上 当 該 団 体 の 職 員 のみが 当 局 と 交 渉 し その 結 果 を 議 会 に 諮 るとすべきではないか 論 点 5 当 局 の 考 え 方 について 1 地 方 公 共 団 体 の 任 命 権 者 は 分 立 しており 市 町 村 長 も いわゆる 首 長 部 局 における 長 として 当 局 の 立 場 に 立 つものであるが 一 方 において 地 方 公 共 団 体 の 長 として 予 算 の 調 製 権 を 有 している 論 点 においては 労 使 関 係 における 当 局 の 考 え 方 はある 程 度 示 されているが 予 算 編 成 権 を 有 する 地 方 公 共 団 体 の 長 と 当 局 及 び 組 合 との 関 係 は どのように 整 理 される のか 明 らかにしていただきたい 2 県 費 負 担 教 職 員 についての 当 局 の 考 え 方 及 び 市 町 村 長 との 関 係 を 明 らか にしていただきたい 論 点 6 紛 争 調 整 機 関 の 在 り 方 について 不 当 労 働 行 為 事 件 の 審 査 及 び 紛 争 調 整 を 行 う 機 関 については 民 間 企 業 職 員 の 不 当 労 働 行 為 事 件 の 審 査 や 労 使 紛 争 の 調 整 ノウハウを 有 すること 中 央 労 働 委 員 会 との 連 携 による 救 済 命 令 等 の 全 国 的 統 一 性 や 公 正 性 妥 当 性 も 可 能 と なること 人 事 委 員 会 や 公 平 委 員 会 が 担 う 場 合 には ノウハウの 習 得 都 道 府 県 労 働 委 員 会 との 連 携 体 制 の 構 築 各 地 方 公 共 団 体 における 組 織 体 制 の 整 備 等 が 必 要 になる 等 の 理 由 から 都 道 府 県 労 働 委 員 会 が 行 うとされているところ である 本 会 では 都 道 府 県 の 労 働 委 員 会 において 管 内 のすべての 市 町 村 の 不 当 労 働 行 為 の 救 済 や 交 渉 不 調 の 場 合 のあっせん 調 停 等 を 行 うことは 付 議 案 件 等 の 増 大 等 による 調 整 コストの 増 大 が 懸 念 されること 短 期 間 に 集 中 することが 予 想 される 案 件 の 迅 速 な 処 理 が 出 来 るのか また 使 用 者 委 員 の 構 成 において 都 道 府 県 市 町 村 任 命 権 者 の 分 立 という 実 態 の 中 適 正 な 体 制 整 備 が 出 来 る か について 懸 念 を 指 摘 し 基 本 的 な 考 え 方 を 明 らかにするよう 求 めたところ であるが 論 点 においてこれらの 考 え 方 が 示 されていないので 明 確 に 示 して いただきたい

論 点 7 民 間 の 給 与 等 の 実 態 を 調 査 把 握 する 主 体 等 について 1 民 間 の 給 与 等 の 実 態 を 調 査 把 握 する 主 体 等 については 新 制 度 への 円 滑 な 移 行 という 観 点 等 に 留 意 しつつ 調 査 主 体 等 について 更 に 検 討 する とされているが 本 会 では 職 員 団 体 との 交 渉 について 住 民 の 理 解 を 得 る ためには 全 国 都 道 府 県 レベル 地 域 レベルでの 民 間 の 状 況 と 比 較 する 指 標 が 引 き 続 き 必 要 であり その 指 標 については 現 在 の 人 事 院 人 事 委 員 会 勧 告 の 指 標 と 遜 色 のない 客 観 的 統 一 的 な 指 標 とすることが 極 めて 重 要 であること また その 調 査 把 握 する 主 体 等 の 検 討 においては 国 や 都 道 府 県 等 の 調 査 把 握 の 仕 方 を 具 体 的 に 明 らかにするとともに 現 在 人 事 委 員 会 が 設 置 されていない 市 町 村 における 民 間 等 の 調 査 結 果 の 活 用 の 在 り 方 についても 示 す よう 求 めたところであるが これらについての 具 体 的 な 考 え 方 が 示 されていないので これらについての 考 え 方 を 示 してい ただきたい 2 論 点 において 自 律 的 労 使 関 係 制 度 においても 給 与 決 定 のために 引 き 続 き 地 域 の 民 間 事 業 の 従 事 者 の 給 与 の 実 態 について 把 握 する 必 要 がある とされているが 新 たな 労 使 関 係 制 度 においても いわゆる 国 の 給 与 等 と の 均 衡 の 原 則 は 引 き 続 き 法 定 するとしている 民 間 給 与 の 実 態 把 握 結 果 と この 均 衡 の 原 則 との 関 係 はどのような 関 係 になるのか 明 らかにしてい ただきたい 論 点 9 消 防 職 員 の 団 結 権 の 扱 いについて 本 会 は 消 防 職 員 に 団 結 権 を 付 与 することによって 上 司 と 部 下 との 対 抗 関 係 をもたらし 信 頼 関 係 に 支 障 が 生 じる 指 揮 命 令 系 統 が 乱 れ 消 防 活 動 に 支 障 をきたす 消 防 団 員 との 信 頼 関 係 や 協 力 関 係 に 支 障 が 生 じる 住 民 の 生 命 財 産 を 守 るという 同 じような 使 命 を 持 つ 警 察 となぜ 切 り 離 すの か 等 の 懸 念 意 見 を 申 し 上 げてきた 今 般 示 された 論 点 においても これらの 懸 念 は 払 拭 出 来 ていない 消 防 職 員 は その 職 責 上 国 民 の 生 命 財 産 を 守 るため 一 身 の 危 険 を 顧 みず 職 務 を 遂 行 する 義 務 を 負 っているものであり これら 職 員 の 組 織 が 一 糸 乱 れず 任 務 を 達 成 するためには とりわけ 厳 しい 服 務 規 律 上 命 下 服 の 規 律 を 維 持 す ることが 必 要 である ところが 労 使 関 係 における 団 結 権 は 勤 務 条 件 をめぐ って 労 使 の 対 抗 関 係 をもたらすものであり 労 使 の 対 抗 関 係 は 実 態 的 には 上 司 と 部 下 の 対 抗 関 係 にほかならないものであること また 先 の 東 日 本 大 震 災 に

おいて 消 防 職 員 はもちろん 自 衛 隊 員 や 警 察 職 員 と 連 携 して 救 助 活 動 等 を 行 った 消 防 団 関 係 者 から 自 衛 隊 や 警 察 の 職 員 機 関 と 切 り 離 して 消 防 職 員 だけが 議 論 されるのは 理 解 し 難 い とする 意 見 があること 等 から 消 防 職 員 の 団 結 権 の 付 与 については 極 めて 慎 重 な 検 討 を 求 めるものである なお 国 家 公 務 員 制 度 改 革 においては これまで 通 り 警 察 職 員 は 警 察 官 のみ ならず 警 察 事 務 職 員 も 含 めて 団 結 権 を 付 与 しないこととされており これらの 職 員 との 関 係 からしても 消 防 職 員 について 団 結 権 を 付 与 するとする 考 えが 理 解 できないところである その 他 の 点 について 本 会 としては 地 方 公 務 員 の 新 たな 労 使 関 係 制 度 について 次 のような 点 に ついても 明 らかにするよう 求 めてきたが 論 点 において 何 も 示 されていないの で 明 らかにしていただきたい 1 国 の 場 合 は 国 家 公 務 員 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 案 附 則 第 31 条 におい て 政 府 は この 法 律 及 び 国 家 公 務 員 の 労 働 関 係 に 関 する 法 律 の 施 行 の 状 況 を 勘 案 し 国 家 公 務 員 法 第 二 条 に 規 定 する 一 般 職 に 属 する 職 員 の 給 与 に 関 し 法 律 の 委 任 に 基 づき 政 令 で 定 める 事 項 の 在 り 方 について 検 討 を 加 え その 結 果 に 基 づいて 必 要 な 措 置 を 講 ずるものとする とされているが こ の 点 について 地 方 公 務 員 はどのように 考 えているのか 示 していただきたい 2 一 般 職 について 条 例 主 義 とした 場 合 地 方 公 営 企 業 職 員 の 給 与 における 基 準 条 例 との 関 係 をどのように 整 理 するのか その 考 え 方 を 示 していただ きたい