R3 未 再 5-2 動画視聴 ケアマネジメントの展開 内臓の機能不全に関する事例 1 内臓の機能不全にかかる疾患 症候群の理解 2 1
内臓の機能不全とは 高齢者が一般的に罹患している可能性が高い内科的疾患の総称 具体的には 糖尿病 高血圧 脂質異常症 心疾患 呼吸器疾患 腎臓病 肝臓病 3 ケアマネジメント上の留意点 1. 疾病コントロールの視点生活習慣の改善 ( 食事 運動など ) 服薬管理定期的な受診 2. 多職種の意見調整退院時を含めた医療機関でのカンファレンス本人 家族 主治医やリハ職などの多様な意見調整 4 2
糖尿病原因 : インスリン作用の絶対的あるいは相対的不足により 糖の代謝障害 ( 血糖値の異常 ) をきたす疾患 Ⅰ 型糖尿病とⅡ 型糖尿病に大別され 高齢期に発症する糖尿病は Ⅱ 型が多く 遺伝が関与していると言われる 肥満 運動不足 老化 妊娠 感染症 ストレスなどが 発症因子となる 5 糖尿病症状 : 主要症状は 口渇 多飲 多尿 全身倦怠感など 血糖コントロールの悪化が遷延すると 体重減少 3 大合併症として 神経障害 網膜症 腎障害 高血糖が悪化すると 糖尿病性昏睡となることもある 6 3
糖尿病治療 : 食事療法 運動療法 薬物療法を行う 食事療法は 必要なカロリーを患者それぞれに検討し 各種栄養素が適正に含まれるよう指導する 薬物療法は 血糖降下薬などの内服治療とインスリンを自己注射するインスリン療法がある 治療の状況は 血糖値およびHbA1cで確認 7 糖尿病アセスメント ケアプラン作成時の留意点 : 主治医と連携し 糖尿病コントロールの状況を把握 必要摂取カロリーを確認し それに応じた食生活を支援 運動習慣を作る 適切な服薬管理 低血糖症状が起きた場合の対処方法を確認する 合併症に対する治療や生活障害に応じた支援 8 4
高血圧 原因 : 血圧が正常範囲を超えて高く維持されている状態 本態性高血圧症と二次性高血圧症がある 本態性高血圧症の明らかな原因は不明だが 生活習慣が影響 二次性高血圧は 腎疾患や神経疾患など血圧上昇を招く疾患により高血圧となる状態 9 高血圧症状 : 一般的に無症状の事も多い 高血圧自体での症状は 動悸 息切れなど 脳の細動脈硬化により脳の循環障害をきたすと 頭痛 めまい 耳鳴りなどを来たすことがある 10 5
高血圧治療 : 正しい血圧測定が必要で 安静座位の状態で測定 診察時に血圧が高値となることも多い( 白衣高血圧 ) 診察室血圧と家庭血圧の間に差がある場合 家庭血圧を重視することが多い 目標とする血圧の値は 年齢 基礎疾患により異なる 生活習慣の修正と降圧薬投与により行う 開始時期は 患者の状態に応じて決定 11 高血圧 アセスメント ケアプラン作成時の留意点 : 主治医と連携し 血圧コントロールの状態を把握 生活習慣の把握を行い 高血圧の改善の為に減塩 食事 減量 運動 節酒 禁煙を状態に応じ検討 病院以外での血圧測定の必要性を周知する 多剤内服する場合もあるので 服薬内容の把握 12 6
脂質異常症 原因 : 血液中に含まれる脂質が過剰 不足している状態 2007 年に高脂血症から脂質異常症に改名 動脈硬化を進行させ 狭心症 心筋梗塞などの心疾患や脳血管疾患の原因となる 13 脂質異常症症状 : 脂質異常症自体は 症状を呈さないことが多い 著名なLDLコレステロール上昇では 眼瞼 肘 膝関節 アキレス腱などに黄色腫が見られることがある 14 7
脂質異常症 治療 : 空腹時にLDL HDL 中性脂肪の値を測定 狭心症や糖尿病 腎臓病 脳血管疾患など 罹患している状況によって脂質管理目標値は異なる 食事療法 運動療法を基本とし 状態に応じて薬物療法を行う 15 脂質異常症 アセスメント ケアプラン作成時の留意点 : 主治医と連携し 状態の把握する 狭心症や脳梗塞などを罹患している場合 LDL( 悪玉 ) コレステロールや中性脂肪のコントロールが必要 基本的には生活習慣の改善 確実な服薬が必要 16 8
心疾患原因 : ポンプの力が低下したり 拍動するリズムが不整となること等により 全身に有効な血液を送れない状態 虚血性心疾患は 冠状動脈が狭くなったり 塞がったりする状態心筋が一時的に酸素不足になるのが 狭心症で 冠状動脈が完全に閉塞してしまう状態が 心筋梗塞である 心臓弁膜症は 何らかの原因で弁が損傷し 血液の通過障害や逆流が起きている状態 17 心疾患原因 : 不整脈は 心拍数やリズムが一定でない状態のこと 心房細動は 高齢者に多く見られ 心臓の中に血栓を作り脳梗塞の原因となることもある 心疾患により 心臓のポンプ機能が低下する状態が 心不全である急性心不全と慢性心不全がある 18 9
心疾患症状 : 急性心不全は 急激な心臓の機能の低下により起こり 低血圧 尿量の低下 四肢冷感などや肺水腫など 慢性心不全は 易疲労感 四肢冷感 浮腫 労作時呼吸困難 食欲不振など NYHA( ニューヨーク心臓協会 ) 心臓機能分類 テキスト下巻 P291を参照 19 心疾患治療 : 在宅の高齢者については 塩分制限などの食事療法 内服治療が基本 状態や心不全の重症度により入院治療が必要 虚血性心疾患は 心臓カテーテル治療や外科的手術 症状や内服状況などの正確な情報提供が入院治療の可否に大変重要 20 10
心疾患 アセスメント ケアプラン作成時の留意点 : 主治医と連携し 循環器疾患の状態を把握 心機能が低下している場合 可能な運動量などを把握し 日常生活動作の支援や運動プログラムなどを検討 心疾患の場合 状態の急変が起こり 重篤な状態になることも多いため 緊急時の対応の確認 21 呼吸器疾患 原因 : 加齢に伴い 換気機能やガス交換機能が低下し 感染防御力の低下が起こるため 上気道炎や肺炎などの感染性呼吸器疾患に罹患しやすい 慢性閉塞性肺疾患(COPD) は 肺気腫 慢性気管支炎による気道閉塞した状態を総称する者で 喫煙が原因となることが多く 男性に多い 22 11
呼吸器疾患症状 : 咳嗽 喀痰 労作時息切れが多い 感染性の場合は発熱を伴うことも多い かぜ症候群( 急性鼻炎 急性咽喉頭炎 急性気管支炎など ) を契機に 肺炎を罹患することがある 23 呼吸器疾患治療 : 病態に応じて 抗菌薬や気管支拡張剤などが用いられるが 近年ステロイドや気管支拡張剤の吸入薬を使用することが多くなっている COPD 患者で 酸素の取り込みが悪化している場合は 在宅酸素療法 (HOT) を行う HOTには 在宅に設置する酸素濃縮型と外出時にも使用できるボンベ型がある 24 12
呼吸器疾患アセスメント ケアプラン作成時の留意点 : 主治医と連携し 呼吸器疾患の状態を把握 感冒などにより容易に呼吸状態が悪化することもあり 感染予防なども検討 吸入治療は 高齢者には理解しにくい場合もあるので 服薬吸入支援も検討 在宅酸素療法が行われている場合は 注意点を医療関係者に確認し 適正な利用を支援する 25 腎臓病原因 : 体内の老廃物を血液からろ過し 尿として排出 腎機能が慢性に障害されることを慢性腎臓病 (CKD) という 腎機能がさらに悪化し 尿毒症症状を呈する病態を慢性腎不全という 急性腎不全とは 急性( 時間や日の単位 ) で悪化する状態で 急激な老廃物蓄積や体液電解質異常が起こり様々な症状を呈する 26 13
腎臓病症状 : たんぱく尿 血尿 浮腫 高血圧 尿量の変化( 多尿欠尿 ) などがみられる 著しく進行すると 老廃物の蓄積などにより 尿毒症症状を呈する 尿毒症症状は 全身倦怠感 疲労感 食欲低下 嘔気嘔吐 高血圧 呼吸困難 昏睡などがある 27 腎臓病治療 : 治療の基本は 食事療法 薬物療法 食事療法は 一般的にはタンパク質 水分 食塩 カリウムなどを制限する 慢性腎不全で尿毒症症状が強くなる場合は 人工透析療法が行われる 透析療法: 血液透析 腹膜透析など 28 14
腎臓病アセスメント ケアプラン作成時の留意点 : 主治医と連携し 腎臓病の状態を把握する 塩分制限 低たんぱく食 水分管理が必要な場合がある 血圧の適正化 透析にかかる身体精神的負担を理解する 透析日 非透析日の対応など 医療機関と十分に連携する 29 肝臓病原因 : 主な疾患には 肝炎 肝硬変 肝細胞がん 脂肪肝などがある B 型肝炎ウイルス C 型肝炎ウイルスによるものは 慢性化することが多く 肝硬変や肝細胞がんへ移行 肝硬変は 栄養の蓄積 解毒などの機能が低下 肝細胞がんで 年間 3 万人程度が死亡 ウイルス性肝炎が原因となる場合がほとんど 脂肪肝は 過食やアルコール多飲が主な原因 30 15
肝臓病症状 : 食欲不振 倦怠感 腹部膨満感 赤褐色尿 黄疸 発熱 皮膚のかゆみなどが現れる 慢性肝炎の初期は 症状を呈さないことが多い 肝硬変が悪化 進行すると 腹水 浮腫 黄疸 肝性脳症などの肝不全症状を呈する 31 肝臓病治療 : ウイルス性肝炎では インターフェロンなどの抗ウイルス治療が行われることがあるが 専門医による治療選択が求められる 肝硬変となっている場合は 進行予防が中心で 肝庇護剤の投与 腹水があるような場合は アミノ酸製剤などの投与 肝細胞がんは 肝動脈化学塞栓療法や手術などの入院治療を行う 32 16
肝臓病アセスメント ケアプラン作成時の留意点 : 主治医と連携し 肝臓病の状態を把握する 易疲労性 全身倦怠感が出現し 生活への支障をきたすこともある 肝疾患を慢性化させないために肝臓の負担軽減が重要 特に肝硬変の場合は 浮腫などの体液量や便の性状など状態の確認方法を検討 慢性 C 型肝炎の場合は 血液暴露に注意し 関係者にしっかりと周知を行う 33 生活を改善するために 1. 普段の体調管理 2. 活動性の向上 3. 社会との交流 4. 社会資源の活用 34 17
薬剤の基礎知識 1. 薬剤服用の意義 2. 薬剤の副作用 3. 薬剤の服用時間 4. 薬剤を飲むときの注意 5. 薬剤の保管場所 保管方法 6. 薬剤の使用期間 7. 薬剤の飲み忘れ 8. 服薬の介助 9. 高齢者の服薬 10. お薬手帳の活用 11. 薬剤相互作用 薬剤師との連携も重要! 35 18