アセスメント

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肝疾患に関する留意事項 以下は 肝疾患に罹患した労働者に対して治療と職業生活の両立支援を行うにあたって ガイド ラインの内容に加えて 特に留意すべき事項をまとめたものである 1. 肝疾患に関する基礎情報 (1) 肝疾患の発生状況肝臓は 身体に必要な様々な物質をつくり 不要になったり 有害であったりす

1 疾患別医療費札幌市国保の総医療費に占める入院医療費では 悪性新生物が 21.2% 循環器疾患が 18.6% となっており 循環器疾患では 虚血性心疾患が 4.5% 脳梗塞が 2.8% を占めています 外来医療費では 糖尿病が 7.8% 高血圧症が 6.6% 脂質異常症が 4.3% となっています

ただ太っているだけではメタボリックシンドロームとは呼びません 脂肪細胞はアディポネクチンなどの善玉因子と TNF-αや IL-6 などという悪玉因子を分泌します 内臓肥満になる と 内臓の脂肪細胞から悪玉因子がたくさんでてきてしまい インスリン抵抗性につながり高血糖をもたらします さらに脂質異常症

認定看護師教育基準カリキュラム

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

スライド 1

糖尿病は 初めは無症状で経過しますが 血糖値の高い状態が長く続くと口渇 多飲 多尿 体重減少 倦怠感などの症状がみられます 糖尿病は自覚症状が乏しいので 血糖値がある程度改善すると 通院しなくなる人がいます 血液検査を行わなければ糖尿病の状態を知ることはできないので 自覚症状だけに頼ってはいけません

肥満者の多くが複数の危険因子を持っている 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% 肥満のみ 糖尿病 いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 高脂血症 高血圧症 厚生労働省保健指導における学習教材集 (H14 糖尿病実態調査の再集計 ) より

第4章:施策と目標 2:生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(3)糖尿病(4)COPD

目次 1. 目的 2 2. 人工透析患者の年齢等の分析 3 性別 被保険者 被扶養者 3. 人工透析患者の傷病等の分析 8 腎臓病 併存傷病 平成 23 年度新規導入患者 4. 人工透析 健診結果 医療費の地域分析 13 二次医療圏別 1

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Microsoft PowerPoint - 2.医療費プロファイル 平成25年度(長野県・・

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わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症

日本の糖尿病患者数は増え続けています (%) 糖 尿 25 病 倍 890 万人 患者数増加率 万人 690 万人 1620 万人 880 万人 2050 万人 1100 万人 糖尿病の 可能性が 否定できない人 680 万人 740 万人

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

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より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

1 ししつ脂質 いじょうしょう へ 高脂血症から 脂質脂質異常症 医療法人将優会クリニックうしたに 理事長 院長牛谷義秀 脂質異常症とは 血液中に含まれる LDL( 悪玉 ) コレステロールと中性脂肪中性脂肪のどちらか一方 あるいは両方が過剰の状態 または HDL( 善玉 ) コレステロールが少ない

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

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糖尿病がどんな病気なのか 病気を予防するためにどんな生活が望ましいかについて解説します また 検診が受けられるお近くの医療機関を検索できます 健康診断の結果などをご用意ください 検査結果をご入力いただくことで 指摘された異常をチェックしたり 理解を深めたりすることができます 病気と診断され これから

複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 2016 糖尿病診療ガイドライン 2016 CQ ステートメント 推奨グレード一覧 1. 糖尿病診断の指針 CQ なし 2. 糖尿病治療の目標と指針 CQ なし 3. 食事療法 CQ3-2 食事療法の実践にあたっての管理栄養士に

透析看護の基本知識項目チェック確認確認終了 腎不全の病態と治療方法腎不全腎臓の構造と働き急性腎不全と慢性腎不全の病態腎不全の原疾患の病態慢性腎不全の病期と治療方法血液透析の特色腹膜透析の特色腎不全の特色 透析療法の仕組み血液透析の原理ダイアライザーの種類 適応 選択透析液供給装置の機能透析液の組成抗

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

自動車運送事業者における 心臓疾患大血管疾患 対策ガイドライン 概要版 本ガイドラインのポイント 実践 業者が実施スクリーニング検査事医療機関が実施事業者が実施知識 健康起因事故の原因となる心臓疾患 大血管疾患 疾患の原因と予防 ( 参考 ) 関係法令について 心臓疾患 大血管疾患の早期発見と発症予

健康な生活を送るために(高校生用)第2章 喫煙、飲酒と健康 その2

5. 死亡 (1) 死因順位の推移 ( 人口 10 万対 ) 順位年次 佐世保市長崎県全国 死因率死因率死因率 24 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 位 26 悪性新生物 350

インスリンが十分に働かない ってどういうこと 糖尿病になると インスリンが十分に働かなくなり 血糖をうまく細胞に取り込めなくなります それには 2つの仕組みがあります ( 図2 インスリンが十分に働かない ) ①インスリン分泌不足 ②インスリン抵抗性 インスリン 鍵 が不足していて 糖が細胞の イン

血圧を決める要素 血圧は 心臓から出る血液の量と血管の硬さによって決まります 血圧 心臓から出る = 血液の量 ( 心拍出量 ) 血管の硬さ ( 末梢血管抵抗 )

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-3- Ⅰ 市町村国保の状況 1 特定健康診査受診者の状況 平成 23 年度は 市町村国保 (41 保険者 )98,439 人の特定健康診査データの集計を行った 市町村国保の診者数は男性 女性ともに 歳の割合が多く 次いで 歳 歳の順となっている 男性 女性 総数

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山梨県生活習慣病実態調査の状況 1 調査目的平成 20 年 4 月に施行される医療制度改革において生活習慣病対策が一つの大きな柱となっている このため 糖尿病等生活習慣病の有病者 予備群の減少を図るために健康増進計画を見直し メタボリックシンドロームの概念を導入した 糖尿病等生活習慣病の有病者や予備

糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

死亡率 我が国における疾病構造 生活習慣病は死亡割合の約 6 割を占めている 我が国の疾病構造は感染症から生活習慣病へと変化 死因別死亡割合 ( 平成 24 年 ) 生活習

パスを活用した臨床指標による慢性心不全診療イノベーション よしだ ひろゆき 福井赤十字病院クリニカルパス部会長循環器科吉田博之 緒言本邦における心不全患者数の正確なデータは存在しないが 100 万人以上と推定されている 心不全はあらゆる心疾患の終末像であり 治療の進步に伴い患者は高齢化し 高齢化社会

第12回 代謝統合の破綻 (糖尿病と肥満)

脂質異常症を診断できる 高尿酸血症を診断できる C. 症状 病態の経験 1. 頻度の高い症状 a 全身倦怠感 b 体重減少 体重増加 c 尿量異常 2. 緊急を要する病態 a 低血糖 b 糖尿性ケトアシドーシス 高浸透圧高血糖症候群 c 甲状腺クリーゼ d 副腎クリーゼ 副腎不全 e 粘液水腫性昏睡

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10050 WS2-3 ワークショップ P-129 一般演題ポスター症例 ( 感染症 ) P-050 一般演題ポスター症例 ( 合併症 )9 11 月 28 日 ( 土 ) 18:40~19:10 6 分ポスター会場 2F 桜 P-251 一般演題ポスター療

食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

2 1 心臓リハビリテーションプラン 従来の心疾患治療 心疾患発症 治癒 主治療 追加治療 心臓手術 薬物療法 カテーテル治療 オプション治療 リハビリテーション 高齢者 治療に伴い麻痺が生じた症例 社会復帰目的 ベッドコントロール目的 早期退院 これからの心疾患治療 心疾患発症 症状改善 予後改善

2019/7/9 市民公開講座 2019 健やかな高齢社会を生きるために心臓を守ろう ~ 心不全を知るコトから始めよう ~ 藤枝市立総合病院循環器内科渡辺明規 2019 年 7 月 7 日藤枝市民会館 1

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日本スポーツ栄養研究誌 vol 目次 総説 原著 11 短報 19 実践報告 資料 45 抄録

婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M

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特定健康診査等実施計画(案)

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心不全とは?(Fig.3) 心機能低下に起因する循環不全 と定義され 心臓が全身の組織における代謝の必要量に応じて 血液を十分駆出できない状態です 発症の仕方により 急性心不全 (acute heart failure:ahf) と慢性心不全 (chronic heart failure:chf)

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

情報提供の例

2005年 vol.17-2/1     目次・広告

1 保険給付費の推移保険給付費の伸びが 市町村合併後初めてマイナスに転じた 費用 ( 億円 ) 対前年伸び率 (%) 対前年差額 ( 億円 ) 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度

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3 スライディングスケール法とアルゴリズム法 ( 皮下注射 ) 3-1. はじめに 入院患者の血糖コントロール手順 ( 図 3 1) 入院患者の血糖コントロール手順 DST ラウンドへの依頼 : 各病棟にある AsamaDST ラウンドマニュアルを参照 入院時に高血糖を示す患者に対して 従来はスライ

調査の概要 本調査は 788 組合を対象に平成 24 年度の特定健診の 問診回答 (22 項目 ) の状況について前年度の比較から調査したものです 対象データの概要 ( 全体 ) 年度 被保険区分 加入者 ( 人 ) 健診対象者数 ( 人 ) 健診受診者数 ( 人 ) 健診受診率 (%) 評価対象者

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中間とりまとめ素案(公的賃貸住宅のあり方について)

カテゴリー別人数 ( リスク : 体格 肥満 に該当 血圧 血糖において特定保健指導及びハイリスク追跡非該当 ) 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 8190 リスク重なりなし BMI5 以上 ( 肥満 ) 腹囲判定値以上者( 血圧 (130 ) HbA1

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障害程度等級表 級別じん臓機能障害 1 級 じん臓の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの 2 級 3 級 じん臓の機能の障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの 4 級 じん臓の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの

■● 糖尿病

SoftBank 301SI 取扱説明書

認定看護師教育基準カリキュラム改正(案)の概要

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安心ハート手帳 ( 急性心筋梗塞医療連携パス ) の利用の手引き ) はじめに急性心筋梗塞の治療後は 心臓リハビリテーション ( 運動療法のほか 薬物療法 食事療法 禁煙なども含む治療 ) を継続することで健康な生活をめざします 安心ハート手帳 ( 急性心筋梗塞医療連携パス ) は あなた を中心に

スイスイ検診ってなに?? 20 歳以上の方で ご自分の身体について ふと思う事はありませんか? たとえば 健康について気になるけど健康診断 人間ドックを受けていない! 病院で診察を受けるまでもないけど ちょっと気になる! 健康管理に気をつけているから大丈夫だと思うけど 検査の数値が気になる! 主人は

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1 保健事業実施計画策定の背景 北海道の後期高齢者医療は 被保険者数が増加し 医療費についても増大している 全国的にも少子高齢化の進展 社会保障費の増大が見込まれる このような現状から 一層 被保険者の健康増進に資する保健事業の実施が重要となっており 国においても 保健事業実施計画 ( データヘルス

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肝臓の細胞が壊れるる感染があります 肝B 型慢性肝疾患とは? B 型慢性肝疾患は B 型肝炎ウイルスの感染が原因で起こる肝臓の病気です B 型肝炎ウイルスに感染すると ウイルスは肝臓の細胞で増殖します 増殖したウイルスを排除しようと体の免疫機能が働きますが ウイルスだけを狙うことができず 感染した肝

目次 1. 肝臓の病気 2. 肝炎ウイルスとは 3. ウイルス性肝炎とは 4. 急性肝炎 5. 慢性肝炎 6. 肝硬変 7.A 型肝炎 8.B 型肝炎 9.C 型肝炎 10.B 型肝炎の治療 11.C 型肝炎の治療 12. 予防方法 13. 肝炎の医療費助成制度 14. おわりに 1

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肥満症の認知状況関する アンケート調査 ~速報~

第 4 章感染患者への対策マニュアル ウイルス性肝炎の定義と届け出基準 1) 定義ウイルス感染が原因と考えられる急性肝炎 (B 型肝炎,C 型肝炎, その他のウイルス性肝炎 ) である. 慢性肝疾患, 無症候性キャリア及びこれらの急性増悪例は含まない. したがって, 透析室では HBs

第2次「健康くるめ21」計画

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(6/5 19:00修正)資料3 標準的な健診・保健指導プログラム改定のポイント (2) (2)

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 今年のスギやヒノキ花粉の飛散は、「少なく」または「非常に少なく」なりそうです

虎ノ門医学セミナー

し重症化すると黄色い塊 ( 黄色腫 ) が体のあちこちにできたり 血管が詰まって脳梗塞や心筋 梗塞を引き起こしたりする恐ろしい病気です それでは脂質異常症とはいったい何でしょう か? (1) 脂質異常症の原因 ( 食生活の乱れ 運動不足 ) 脂質異常症は 血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールが異常に

心疾患患による死亡亡数等 平成 28 年において 全国国で約 20 万人が心疾疾患を原因として死亡しており 死死亡数全体の 15.2% を占占め 死亡順順位の第 2 位であります このうち本県の死亡死亡数は 1,324 人となっています 本県県の死亡率 ( 人口 10 万対 ) は 概概ね全国より高

心臓弁膜症とはどんな病気 心臓にある弁の異常による病気の総称です 心臓には4つの部屋があり 各部屋の間には血液が 一方向に流れるよう片開きの扉の働きをする弁 逆流防止弁 があります 弁膜の異常は狭窄と逆 流 閉鎖不全 の2つがあります 狭窄は扉の開きが悪くなり 心臓の次の部屋や動脈に血液が送 り出さ

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糖尿病と治療の目的 糖尿病とは 糖尿病とは 体内でインスリンというホルモン p.3参照 が不足したり はたらきが悪くなったりすることによって 血液中に含まれる糖 血糖 の値が高い状態が続く病気です 糖尿病 患者さんの 場合 健康な 人の場合 インスリンによって糖が細胞に取り込まれ 血液中の糖が使われ

< 糖尿病療養指導体制の整備状況 > 療養指導士のいる医療機関の割合は増加しつつある 図 1 療養指導士のいる医療機関の割合の変化 平成 20 年度 8.9% 平成 28 年度 11.1% 本糖尿病療養指導士を配置しているところは 33 医療機関 (11.1%) で 平成 20 年に実施した同調査


患者向医薬品ガイド

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R3 未 再 5-2 動画視聴 ケアマネジメントの展開 内臓の機能不全に関する事例 1 内臓の機能不全にかかる疾患 症候群の理解 2 1

内臓の機能不全とは 高齢者が一般的に罹患している可能性が高い内科的疾患の総称 具体的には 糖尿病 高血圧 脂質異常症 心疾患 呼吸器疾患 腎臓病 肝臓病 3 ケアマネジメント上の留意点 1. 疾病コントロールの視点生活習慣の改善 ( 食事 運動など ) 服薬管理定期的な受診 2. 多職種の意見調整退院時を含めた医療機関でのカンファレンス本人 家族 主治医やリハ職などの多様な意見調整 4 2

糖尿病原因 : インスリン作用の絶対的あるいは相対的不足により 糖の代謝障害 ( 血糖値の異常 ) をきたす疾患 Ⅰ 型糖尿病とⅡ 型糖尿病に大別され 高齢期に発症する糖尿病は Ⅱ 型が多く 遺伝が関与していると言われる 肥満 運動不足 老化 妊娠 感染症 ストレスなどが 発症因子となる 5 糖尿病症状 : 主要症状は 口渇 多飲 多尿 全身倦怠感など 血糖コントロールの悪化が遷延すると 体重減少 3 大合併症として 神経障害 網膜症 腎障害 高血糖が悪化すると 糖尿病性昏睡となることもある 6 3

糖尿病治療 : 食事療法 運動療法 薬物療法を行う 食事療法は 必要なカロリーを患者それぞれに検討し 各種栄養素が適正に含まれるよう指導する 薬物療法は 血糖降下薬などの内服治療とインスリンを自己注射するインスリン療法がある 治療の状況は 血糖値およびHbA1cで確認 7 糖尿病アセスメント ケアプラン作成時の留意点 : 主治医と連携し 糖尿病コントロールの状況を把握 必要摂取カロリーを確認し それに応じた食生活を支援 運動習慣を作る 適切な服薬管理 低血糖症状が起きた場合の対処方法を確認する 合併症に対する治療や生活障害に応じた支援 8 4

高血圧 原因 : 血圧が正常範囲を超えて高く維持されている状態 本態性高血圧症と二次性高血圧症がある 本態性高血圧症の明らかな原因は不明だが 生活習慣が影響 二次性高血圧は 腎疾患や神経疾患など血圧上昇を招く疾患により高血圧となる状態 9 高血圧症状 : 一般的に無症状の事も多い 高血圧自体での症状は 動悸 息切れなど 脳の細動脈硬化により脳の循環障害をきたすと 頭痛 めまい 耳鳴りなどを来たすことがある 10 5

高血圧治療 : 正しい血圧測定が必要で 安静座位の状態で測定 診察時に血圧が高値となることも多い( 白衣高血圧 ) 診察室血圧と家庭血圧の間に差がある場合 家庭血圧を重視することが多い 目標とする血圧の値は 年齢 基礎疾患により異なる 生活習慣の修正と降圧薬投与により行う 開始時期は 患者の状態に応じて決定 11 高血圧 アセスメント ケアプラン作成時の留意点 : 主治医と連携し 血圧コントロールの状態を把握 生活習慣の把握を行い 高血圧の改善の為に減塩 食事 減量 運動 節酒 禁煙を状態に応じ検討 病院以外での血圧測定の必要性を周知する 多剤内服する場合もあるので 服薬内容の把握 12 6

脂質異常症 原因 : 血液中に含まれる脂質が過剰 不足している状態 2007 年に高脂血症から脂質異常症に改名 動脈硬化を進行させ 狭心症 心筋梗塞などの心疾患や脳血管疾患の原因となる 13 脂質異常症症状 : 脂質異常症自体は 症状を呈さないことが多い 著名なLDLコレステロール上昇では 眼瞼 肘 膝関節 アキレス腱などに黄色腫が見られることがある 14 7

脂質異常症 治療 : 空腹時にLDL HDL 中性脂肪の値を測定 狭心症や糖尿病 腎臓病 脳血管疾患など 罹患している状況によって脂質管理目標値は異なる 食事療法 運動療法を基本とし 状態に応じて薬物療法を行う 15 脂質異常症 アセスメント ケアプラン作成時の留意点 : 主治医と連携し 状態の把握する 狭心症や脳梗塞などを罹患している場合 LDL( 悪玉 ) コレステロールや中性脂肪のコントロールが必要 基本的には生活習慣の改善 確実な服薬が必要 16 8

心疾患原因 : ポンプの力が低下したり 拍動するリズムが不整となること等により 全身に有効な血液を送れない状態 虚血性心疾患は 冠状動脈が狭くなったり 塞がったりする状態心筋が一時的に酸素不足になるのが 狭心症で 冠状動脈が完全に閉塞してしまう状態が 心筋梗塞である 心臓弁膜症は 何らかの原因で弁が損傷し 血液の通過障害や逆流が起きている状態 17 心疾患原因 : 不整脈は 心拍数やリズムが一定でない状態のこと 心房細動は 高齢者に多く見られ 心臓の中に血栓を作り脳梗塞の原因となることもある 心疾患により 心臓のポンプ機能が低下する状態が 心不全である急性心不全と慢性心不全がある 18 9

心疾患症状 : 急性心不全は 急激な心臓の機能の低下により起こり 低血圧 尿量の低下 四肢冷感などや肺水腫など 慢性心不全は 易疲労感 四肢冷感 浮腫 労作時呼吸困難 食欲不振など NYHA( ニューヨーク心臓協会 ) 心臓機能分類 テキスト下巻 P291を参照 19 心疾患治療 : 在宅の高齢者については 塩分制限などの食事療法 内服治療が基本 状態や心不全の重症度により入院治療が必要 虚血性心疾患は 心臓カテーテル治療や外科的手術 症状や内服状況などの正確な情報提供が入院治療の可否に大変重要 20 10

心疾患 アセスメント ケアプラン作成時の留意点 : 主治医と連携し 循環器疾患の状態を把握 心機能が低下している場合 可能な運動量などを把握し 日常生活動作の支援や運動プログラムなどを検討 心疾患の場合 状態の急変が起こり 重篤な状態になることも多いため 緊急時の対応の確認 21 呼吸器疾患 原因 : 加齢に伴い 換気機能やガス交換機能が低下し 感染防御力の低下が起こるため 上気道炎や肺炎などの感染性呼吸器疾患に罹患しやすい 慢性閉塞性肺疾患(COPD) は 肺気腫 慢性気管支炎による気道閉塞した状態を総称する者で 喫煙が原因となることが多く 男性に多い 22 11

呼吸器疾患症状 : 咳嗽 喀痰 労作時息切れが多い 感染性の場合は発熱を伴うことも多い かぜ症候群( 急性鼻炎 急性咽喉頭炎 急性気管支炎など ) を契機に 肺炎を罹患することがある 23 呼吸器疾患治療 : 病態に応じて 抗菌薬や気管支拡張剤などが用いられるが 近年ステロイドや気管支拡張剤の吸入薬を使用することが多くなっている COPD 患者で 酸素の取り込みが悪化している場合は 在宅酸素療法 (HOT) を行う HOTには 在宅に設置する酸素濃縮型と外出時にも使用できるボンベ型がある 24 12

呼吸器疾患アセスメント ケアプラン作成時の留意点 : 主治医と連携し 呼吸器疾患の状態を把握 感冒などにより容易に呼吸状態が悪化することもあり 感染予防なども検討 吸入治療は 高齢者には理解しにくい場合もあるので 服薬吸入支援も検討 在宅酸素療法が行われている場合は 注意点を医療関係者に確認し 適正な利用を支援する 25 腎臓病原因 : 体内の老廃物を血液からろ過し 尿として排出 腎機能が慢性に障害されることを慢性腎臓病 (CKD) という 腎機能がさらに悪化し 尿毒症症状を呈する病態を慢性腎不全という 急性腎不全とは 急性( 時間や日の単位 ) で悪化する状態で 急激な老廃物蓄積や体液電解質異常が起こり様々な症状を呈する 26 13

腎臓病症状 : たんぱく尿 血尿 浮腫 高血圧 尿量の変化( 多尿欠尿 ) などがみられる 著しく進行すると 老廃物の蓄積などにより 尿毒症症状を呈する 尿毒症症状は 全身倦怠感 疲労感 食欲低下 嘔気嘔吐 高血圧 呼吸困難 昏睡などがある 27 腎臓病治療 : 治療の基本は 食事療法 薬物療法 食事療法は 一般的にはタンパク質 水分 食塩 カリウムなどを制限する 慢性腎不全で尿毒症症状が強くなる場合は 人工透析療法が行われる 透析療法: 血液透析 腹膜透析など 28 14

腎臓病アセスメント ケアプラン作成時の留意点 : 主治医と連携し 腎臓病の状態を把握する 塩分制限 低たんぱく食 水分管理が必要な場合がある 血圧の適正化 透析にかかる身体精神的負担を理解する 透析日 非透析日の対応など 医療機関と十分に連携する 29 肝臓病原因 : 主な疾患には 肝炎 肝硬変 肝細胞がん 脂肪肝などがある B 型肝炎ウイルス C 型肝炎ウイルスによるものは 慢性化することが多く 肝硬変や肝細胞がんへ移行 肝硬変は 栄養の蓄積 解毒などの機能が低下 肝細胞がんで 年間 3 万人程度が死亡 ウイルス性肝炎が原因となる場合がほとんど 脂肪肝は 過食やアルコール多飲が主な原因 30 15

肝臓病症状 : 食欲不振 倦怠感 腹部膨満感 赤褐色尿 黄疸 発熱 皮膚のかゆみなどが現れる 慢性肝炎の初期は 症状を呈さないことが多い 肝硬変が悪化 進行すると 腹水 浮腫 黄疸 肝性脳症などの肝不全症状を呈する 31 肝臓病治療 : ウイルス性肝炎では インターフェロンなどの抗ウイルス治療が行われることがあるが 専門医による治療選択が求められる 肝硬変となっている場合は 進行予防が中心で 肝庇護剤の投与 腹水があるような場合は アミノ酸製剤などの投与 肝細胞がんは 肝動脈化学塞栓療法や手術などの入院治療を行う 32 16

肝臓病アセスメント ケアプラン作成時の留意点 : 主治医と連携し 肝臓病の状態を把握する 易疲労性 全身倦怠感が出現し 生活への支障をきたすこともある 肝疾患を慢性化させないために肝臓の負担軽減が重要 特に肝硬変の場合は 浮腫などの体液量や便の性状など状態の確認方法を検討 慢性 C 型肝炎の場合は 血液暴露に注意し 関係者にしっかりと周知を行う 33 生活を改善するために 1. 普段の体調管理 2. 活動性の向上 3. 社会との交流 4. 社会資源の活用 34 17

薬剤の基礎知識 1. 薬剤服用の意義 2. 薬剤の副作用 3. 薬剤の服用時間 4. 薬剤を飲むときの注意 5. 薬剤の保管場所 保管方法 6. 薬剤の使用期間 7. 薬剤の飲み忘れ 8. 服薬の介助 9. 高齢者の服薬 10. お薬手帳の活用 11. 薬剤相互作用 薬剤師との連携も重要! 35 18