持 続 的 成 長 への 競 争 力 とインセンティブ~ 企 業 と 投 資 家 の 望 ましい 関 係 構 築 ~ プロジェクト 第 8 回 総 会 議 事 概 要 日 時 :2014 年 1 月 14 日 ( 水 )9:30~11:30 場 所 : 経 済 産 業 省 本 館 17 階 国 際 会 議 室 1. 本 日 の 議 論 のテーマ( 伊 藤 座 長 ) 本 日 は 東 京 海 上 ホールディングス 隅 会 長 よりご 講 演 頂 き 講 演 の 後 に 意 見 交 換 を 行 う 形 で 進 める 2. 講 演 (i) 隅 会 長 講 演 ( 資 料 4) 本 日 は 我 が 国 の 一 企 業 経 営 者 としてどのように 企 業 経 営 してきたか 国 内 外 の 株 主 投 資 家 等 と 接 してきた 中 で 何 を 感 じてきたかを 話 したい 本 プロジェクトを 通 じ 企 業 と 投 資 家 との 望 ましいあり 方 がさらに 進 展 することを 期 待 している 保 険 事 業 は 外 から 見 えにくいため 保 険 事 業 環 境 およびこれまでの 取 り 組 みにつき 簡 単 に 説 明 する 東 京 海 上 グループの 事 業 ポートフォリオは 過 去 10 年 で 急 速 に 変 わっており 事 業 経 営 資 本 の 全 てにおいてグローバル 化 が 進 んでいる(p.5) 日 本 の 保 険 業 界 では 1990 年 代 からの 自 由 化 による 競 争 の 激 化 金 融 危 機 等 による 国 内 損 保 市 場 の 縮 小 保 険 会 社 の 収 益 性 の 低 下 による 合 併 があった 競 争 激 化 の 中 で 保 険 商 品 多 様 化 価 格 細 分 化 が 進 んだ 結 果 保 険 金 払 い 漏 れにより 社 会 的 な 非 難 を 受 け また 金 融 危 機 を 契 機 として 金 融 のシステミックリスクに 対 する 認 識 の 高 まりにより Solvency II 等 の 新 たなグローバル 規 制 の 動 きが 進 んできた 加 えて 2011 年 3 月 の 東 日 本 大 震 災 発 生 により 世 間 一 般 におけるリスク 認 識 が 高 まると 共 に 保 険 会 社 はリスク 管 理 の 重 要 性 を 実 感 することとなった(p.8) 資 本 市 場 における 当 社 の 評 価 について 当 社 の 株 価 および 修 正 PBR( 株 価 自 己 資 本 倍 率 )の 推 移 を 示 している 特 に 自 然 災 害 が 国 内 損 保 事 業 の 利 益 に 大 きく 影 響 した(p.10) 経 営 者 として 取 り 組 んだ 経 営 改 革 の3 本 の 柱 は 国 内 事 業 変 革 海 外 事 業 展 開 リスクベース 経 営 の3つである 皆 が 平 時 と 捉 えている 状 況 において いかに 大 胆 な 経 営 を 実 行 するかについて 一 経 営 者 の 想 いを 中 心 にお 話 したい まず 国 内 損 保 事 業 改 革 について(pp.13~14) 2000 年 以 降 の 保 険 商 品 多 様 化 料 率 細 分 化 に 保 険 会 社 側 の 業 務 プロセスが 追 い 付 いてなかった その 結 果 間 接 部 門 の 増 大 営 業 第 一 線 の 縮 み 閉 塞 感 等 が 生 じていたが 経 営 層 は 何 とかなると 思 っていたことが 最 大 の 問 題 であった 抜 本 的 構 造 改 革 に 着 手 しない 限 り 当 社 は 潰 れるという 危 機 感 を 感 じた 2003 年 に 国 内 事 業 改 革 を 開 始 し 5~6 年 かけて 業 務 プロセス 簡 略 化 業 務 プロセスへのコンプ ライアンス 組 み 込 み 等 を 達 成 した また 内 向 きだった 仕 事 が 外 向 きとなった 海 外 事 業 推 進 について(pp.15~17) 保 険 の 本 質 であるリスク 分 散 の 考 えに 基 づけば 先 進 国 発 展 途 上 国 の 双 方 に 事 業 展 開 を 行 うことが 不 可 欠 である 先 進 国 への 進 出 に 対 しては 社 内 でも 強 い 反 対 があったが それらを 乗 り 切 って 実 施 した 先 進 国 ( 欧 米 ) 市 場 は 成 熟 しており 競 争 も 厳 し 1
いが 真 のグローバル 企 業 を 目 指 すならば 先 進 的 な 欧 米 市 場 で 一 定 のポジションを 取 っていくこ とが 求 められる また M&A はあくまでスタートであり post M&A が 重 要 である 海 外 事 業 展 開 により 当 社 の 事 業 ポートフォリオは 大 きく 変 化 した 2002 年 には 修 正 利 益 の 3%だっ たが 本 年 度 は 5 割 に 近 い 利 益 貢 献 を 見 込 んでいる(P.17) リスクベース 経 営 (ERM)について(pp.18-19) 当 社 は リスクベース 経 営 の 仕 組 みを 内 外 ステーク ホルダーに 見 える 形 で 導 入 してきた 以 降 資 本 市 場 との 対 話 について 自 らの 経 営 を 踏 まえてお 話 する 社 長 時 代 に 株 主 投 資 家 アナリストと 延 べ 300 回 ほどのミーティングを 行 った 経 営 者 としては 1 透 明 性 をもって 説 明 責 任 を 果 たすこと 2 有 言 実 行 : 実 際 のシナリオを 動 かして 成 果 を 出 すこと の 二 点 が 重 要 である グローバルな 公 開 会 社 としては 日 本 の 伝 統 的 な 不 言 実 行 は 通 用 しな い これらのミーティングにおいては 自 らの 経 営 をコンパクトなストーリーとして 説 明 する 必 要 があり また 社 内 論 議 だけでは 出 てこない 視 点 考 えに 接 することが 出 来 る 当 社 においては 投 資 家 等 とのミーティングの 内 容 はメモの 形 で 役 員 と 共 有 すると 同 時 に 社 内 全 体 にもフィードバックしてい る 当 社 においては これを 社 内 IR と 称 している 本 プロジェクトのテーマの 一 つ ショートターミズムについて 市 場 は 自 由 効 率 的 であるべきであり その 中 では 短 期 売 買 も 認 容 されるべきだ しかし 企 業 も 短 期 志 向 になってしまうと 新 しい 産 業 が 生 まれにくくなることが 懸 念 されるので 長 期 投 資 家 は 重 要 である 当 社 の 株 主 の 内 訳 は 4 割 が 海 外 投 資 家 5 割 が 国 内 投 資 家 1 割 が 個 人 投 資 家 これらの 株 主 は 当 社 の 事 業 を 評 価 して 頂 いているはずだが 企 業 価 値 が 十 分 に 株 価 に 反 映 されていないので はないか また 全 ての 株 主 と 意 見 が 合 うわけではない 例 えば リスクを 取 って M&A を 行 うよりも PBR が 1.0 以 下 の 自 社 株 を 買 う 方 が 良 い という 株 主 もいる 自 社 株 買 いは 重 要 だが そればかり ではチャンスを 活 かせず 縮 小 均 衡 に 陥 ってしまう 社 員 一 人 一 人 が 各 ステークホルダーに 対 する 価 値 提 供 と 自 分 の 仕 事 とを 結 び 付 けられるよう に 私 たちが 大 切 にするもの を 説 明 している(p.23) 最 後 に 欧 米 企 業 との 違 いについて 日 本 企 業 欧 米 企 業 共 に 経 営 スタイルは 千 差 万 別 である が ステークホルダーに 言 及 する 点 は 世 界 共 通 である 一 方 相 違 点 は 日 本 企 業 においては 経 営 理 念 が 額 縁 に 飾 られて 鎮 座 していることが 多 いが 欧 米 企 業 においては 社 員 が 経 営 理 念 に 関 する 明 確 な 説 明 を 求 めることが 多 い また 欧 米 の 取 締 役 会 はよりマーケットに 近 く 執 行 役 員 もマ ーケットに 対 する 説 明 責 任 を 常 に 意 識 して 経 営 している 世 界 では 経 営 者 報 酬 において 短 期 の 経 営 指 標 に 紐 づけられている 割 合 が 圧 倒 的 に 高 い 一 方 日 本 企 業 の 経 営 は 具 体 性 にかけ 精 神 論 に 終 始 する 場 合 が 少 なくない もっとも 明 確 なストーリーで 語 っている 日 本 企 業 も 近 年 増 えている ダイバーシティーについては 欧 米 では 歴 史 的 背 景 もあり 当 たり 前 のことだが 日 本 企 業 では 今 も 経 営 の 要 は 日 本 人 にこだわる 場 合 が 多 い 個 人 的 には 日 本 人 以 外 に 経 営 幹 部 を 任 せても 問 題 ないと 考 える 現 時 点 では 多 様 性 をマネージできる 日 本 人 材 が 限 られている グローバルに 活 躍 できる 日 本 人 を 一 人 でも 多 く 育 てたい (ii) 質 疑 応 答 企 業 2
3 点 質 問 がある 第 一 に 東 京 海 上 の ROE はグローバルな 保 険 業 界 ではどういったレベルなのか また ROE 以 外 にどういう 経 営 指 標 を 意 識 しているのか 第 二 に 課 題 を 解 決 するための 手 段 とし ての 統 合 報 告 へのご 意 見 を 伺 いたい 第 三 に アナリストやファンドマネージャー 等 の 意 見 が 参 考 に なった 具 体 例 を 教 えて 頂 きたい 第 一 に 当 社 の ROE は これまで 5-6%を 推 移 し 現 在 は 7%を 目 指 している 状 況 である 低 ROE の 原 因 は 日 本 国 内 の 自 然 災 害 を 扱 う 保 険 事 業 は ある 程 度 の 余 裕 を 持 って 資 本 を 保 有 する 必 要 があることが 原 因 である 一 方 海 外 事 業 の ROE は 10% 超 であり まだ 向 上 の 余 地 があると 考 え る もっとも 国 内 事 業 の ROE についても 過 当 競 争 で 下 がっていた 分 は 改 善 傾 向 にある ROE 以 外 の 経 営 指 標 としては リスク 対 比 での 純 資 産 を 示 す 指 標 である economic solvency ratio(esr) の 安 定 性 も 重 視 している また 現 実 のビジネスにおいては combined ratio がいわば 売 上 におけ る 保 険 金 や 事 業 費 等 の 費 用 の 割 合 を 示 す 指 標 であり 分 かりやすい 第 二 に 統 合 報 告 について これまで 当 社 は 経 営 指 標 とそれ 以 外 を 分 けて 公 表 してきたが それ らを 一 体 化 する 取 り 組 みを 開 始 している 細 かい 指 標 よりも 会 社 の 意 思 方 向 をいかにわかりやす くするかを 含 め 宣 伝 していきたい 第 三 に 一 例 としては 自 己 株 買 いについても 資 本 の 有 効 活 用 と 企 業 としての 長 期 投 資 とのバラ ンス 等 を 真 剣 に 議 論 する 世 界 の 経 営 者 は 企 業 を 渡 り 歩 いている 経 営 のプロであるが 日 本 の 経 営 者 はそうではないことが 多 い アナリストとの 対 話 は 経 営 者 の 成 長 にとっても 役 に 立 つ 日 本 に おいても 企 業 の 中 で 早 くから 経 営 のプロを 育 てることが 必 要 だろう 三 点 質 問 がある 第 一 に 平 時 に 抜 本 的 改 革 を 行 うことは 難 しいと 思 うが 何 か 指 標 を 用 いてい るのか それとも 海 外 企 業 との 比 較 に 基 づき 絶 えず 社 内 を 鼓 舞 しているのか 第 二 に 7 年 間 位 で 8500 億 円 を 海 外 (M&A)に 投 じたとのことだが そのための 社 内 体 制 はどのように 構 築 されてき たのか? 第 三 に 社 内 の 人 材 育 成 人 材 評 価 について 教 えてほしい 第 一 に 平 時 において 抜 本 的 改 革 を 行 うためには 指 標 以 前 に 茹 で 蛙 状 態 になっていること を 感 じるか 否 かが 重 要 である これからも 変 革 が 必 要 かどうかについては ROE や PBR 等 様 々な 指 標 があると 思 う 現 時 点 では 経 営 指 標 ではなく 社 内 の 元 気 さ 等 を 捉 える 感 性 が 重 要 であり 変 化 の 流 れが 止 まらないように 前 へと 進 めている 当 社 の 低 ROE の 要 因 の 一 つは 政 策 株 の 保 有 の 多 さだったため 社 長 就 任 時 にこの 圧 縮 を 決 め 持 続 的 に 対 応 を 進 めてきた 第 二 に 私 の 社 長 就 任 時 には 社 内 の M&A 専 門 チームは 極 めて 少 数 だったが キルン 社 の M&A を 通 じて 様 々な 経 験 が 出 来 チームを 育 成 出 来 た M&A チームはコア 以 外 のメンバーは 常 駐 ではな く 他 部 署 から 呼 んできてチームを 組 成 する デルファイ 社 の M&A の 場 合 当 社 から 常 にウォッチして いるリストのトップに 位 置 していた 同 社 に 対 してドアノックしたもの 当 社 は 買 収 先 企 業 の 経 営 スタイ ルを 尊 重 するという 今 までのトラックレコードを 評 価 され 買 収 に 応 じてくれた デューディリジェンス については 日 本 の 金 融 業 界 においてはトップレベルにあるのではないかと 自 負 している 第 三 に 人 材 育 成 について 当 グループの 大 半 はドメスティックであり 多 様 性 をマネージした 経 験 がある 人 材 が 特 にトップ 層 に 少 ない このような 人 材 は 日 本 人 ではなくても 構 わないかもしれない 投 資 家 まず 企 業 は 必 ずしもゴーイング コンサーンではなく 役 割 を 終 えたら 市 場 から 退 出 すべきだ 役 3
割 を 終 えないために 企 業 はどう 成 長 投 資 をするか というお 話 に 強 い 印 象 を 持 った 企 業 は 自 社 にとって 一 番 大 事 なことを 有 言 実 行 すべきであり それを 通 じて 市 場 の 評 価 対 話 の 効 果 が 上 が るというご 説 明 が 全 てが 一 連 でつながっており よく 呑 み 込 めた 第 二 に ERM 経 営 について 質 問 したい ERM 経 営 のような 概 念 は 経 営 トップでは 共 有 されているが 営 業 第 一 線 は 必 ずしも 理 解 し ていないことが 多 い どのように 噛 み 砕 いたかを 教 えてほしい 当 社 においても 当 初 多 くの 人 が ERM という 言 葉 を 知 らなかった 4-5 人 の 経 営 幹 部 が ERM 委 員 会 を 組 織 するところから 始 め これまで 約 40 回 開 催 した もっとも ERM に 関 する 論 議 のゴール はまだ 見 えていないが これは 世 界 的 に 他 社 も 同 じであろう リスク 評 価 モデルは 漠 としており リ スク 量 の 計 測 や 相 関 の 計 算 は 許 容 範 囲 の 広 いリスクを 捉 える 必 要 がある ERM を 社 員 一 人 一 人 ( 特 に 営 業 部 門 )まで 落 とし 込 むのは 大 変 に 難 しいが 努 力 している 保 険 会 社 はそもそもリスクを 扱 う 企 業 であり return on risk が 常 に 念 頭 にある economic solvency ratio もシンプルな 形 で 社 員 に 示 している 長 い 間 業 績 を 上 げている 会 社 は 変 革 と 実 行 への 厚 い 壁 もあるのではないか そこで 実 績 を 上 げ た 後 で 経 営 者 が 交 代 する 際 次 の 後 継 者 の 選 び 方 についてどう 考 えるか 当 社 も 歴 史 的 に 縦 割 り 色 が 強 かったため それを 打 ち 壊 すのは 大 変 だった そのような 変 革 を 後 継 者 にバトンタッチするにあたっては 共 に 海 外 事 業 や M&A 等 の 変 革 に 携 わってきた 者 を 選 ん だ また 平 時 において 抜 本 的 改 革 を 行 えるという DNA を 残 していきたい マーケットには 短 期 投 資 家 も 長 期 投 資 家 もいるが それを 前 提 として 貴 社 はまともな 長 期 経 営 を 分 かってもらうためにどう 考 えているか 個 人 的 見 解 をお 聞 かせ 願 いたい 本 日 は ERM について 言 及 したが ERM は 保 険 会 社 は 元 々リスクを 扱 う 会 社 でありリスクベース 経 営 はなじみやすい しかし ERM が 他 の 業 種 にぴったりあてはまるかどうかは 不 明 である 企 業 は 株 主 を 選 べないが 適 切 に 経 営 を 執 り 行 い 理 解 サポートしてくれる 株 主 を 得 て 行 きたいと 考 えている マーケットが 不 正 義 だとは 思 わないが マーケットと 企 業 とでは 意 見 相 違 があって 当 たり 前 ではないか 市 場 関 係 者 第 一 に 企 業 は 投 資 家 を 選 べないというお 話 があったが やはり 長 期 投 資 家 に 株 主 になってほしい という 思 いをお 持 ちなのではないか? 第 二 に 10 年 位 前 と 今 後 における 政 府 に 求 められる 役 割 の 変 化 についてお 聞 かせいただきたい 一 点 目 については 当 社 は 長 期 投 資 家 を 常 に 探 しており これは 引 き 続 きやっていく 必 要 があ る 個 人 投 資 家 への 説 明 等 も 積 極 的 に 実 施 しているが 個 人 投 資 家 が 全 体 として 本 当 に 長 期 投 資 家 なのかはまだよく 分 からない 第 二 に 当 局 との 関 係 については 大 きく 変 わってきている かつ ては 金 融 庁 の 規 制 も 国 内 目 線 であったが バーゼル III を 契 機 として 金 融 庁 は 大 きく 変 化 しており 金 融 庁 の 検 査 にもグローバルな 視 点 を 導 入 されているようだ ソルベンシーII 等 についても 当 社 と 当 局 は 一 体 になって 論 議 している 隅 様 も 本 業 を 経 験 して 社 長 になられたので それまでのキャリアとしては 投 資 家 との 対 話 は 多 く はなかったと 理 解 しているが 貴 社 においては 投 資 家 からの 意 見 を 社 内 で 上 手 く 活 用 されている 4
ようだ 日 本 の CEO, CFO の 大 半 は 内 部 出 身 者 であり 本 業 で 市 場 との 対 話 が must 要 件 ではな い この 点 に 関 して 経 営 陣 に 今 後 マーケットの 対 話 を 意 識 させるような 仕 掛 けについてどう 思 う か? 東 京 海 上 はホールディングス 制 をとっており 何 かをやる 時 には 傘 下 の 事 業 会 社 ( 東 京 海 上 日 動 火 災 )の 資 本 を 使 う 必 要 がある 我 々の 組 織 においては 持 株 会 社 と 事 業 会 社 の 経 営 環 境 を 近 づける 必 要 がある 東 京 海 上 においては 海 外 との 比 較 において CFO の 位 置 づけをずっと 考 えてきたが 結 論 が 出 なかった 各 社 の CFO の 役 割 は 様 々であるが プロフェッショナルが 必 要 事 業 の 出 身 者 である 必 要 は 必 ずしもない 一 方 CEO は 事 業 経 験 者 が 良 いのではないか いずれに せよ 透 明 性 の 高 い 組 織 であることが 重 要 である これは 投 資 家 への 説 明 のためだけではなく どんな 組 織 も 判 断 を 間 違 えることがあり 透 明 性 が 高 ければその 際 に 内 外 両 方 からチェックする ことが 出 来 るためだ まず 本 プロジェクトでは 誰 あるいは 何 のための 企 業 価 値 かということを 議 論 しているが 全 体 の 企 業 価 値 の 調 和 についてお 考 えを 聴 かせてほしい 第 二 に これまで 良 い 経 営 の 海 外 企 業 を 買 収 してきたとのことだが 自 社 経 営 と 被 買 収 企 業 における 経 営 の 違 いは 何 か 第 一 に 我 が 社 でも 以 前 会 社 は 誰 のためにあるかを 論 議 したが 現 在 はそのような 論 議 はあまり 行 っていない 当 社 の 私 たちが 大 切 にするもの においては 株 主 を5つのステークホルダーの 中 で 一 番 下 に 配 置 し 株 主 以 外 のステークホルダーに 関 する 努 力 の 総 和 を 株 主 が 享 受 できる と いう 立 てつけにしている 第 二 に 海 外 買 収 において 先 方 から 学 んだこと 問 題 点 については 例 えば フィラデルフィア 社 は 意 思 決 定 が 速 く 透 明 性 が 高 い 第 一 線 で 起 こっていることが 上 にすっと 伝 わっていく 情 報 ルートが あり 上 層 部 が 末 端 での 活 動 を 見 ることが 出 来 る また 英 国 社 のキルン 社 については 欧 州 統 括 会 社 のトップをキルン 出 身 者 としたところ 組 織 の 役 割 体 制 がきわめてクリアとなった デルファイ 社 については 素 晴 らしい 運 用 を 行 っている M&A では right partner を 選 ぶための 時 間 とお 金 はい くらでも 使 っている 日 本 人 はグローバルに 多 様 性 をマネージすることが 出 来 ないと 思 われることが 悔 しいというお 話 があったが 多 様 性 をマネージするコツがあればお 聞 かせ 頂 きたい 人 種 言 語 宗 教 ライフスタイル 等 の 相 違 を 当 たり 前 として 受 容 できる 人 材 をいかに 増 やすか が 課 題 である 私 は 海 外 で 仕 事 をする 機 会 が 多 くあったが 先 方 から Why と 質 問 された 際 に 日 本 ではみんなそうだから と 回 答 してしまったことがあった 一 方 海 外 においては 多 様 性 が 当 たり 前 に 存 在 しており こうした 回 答 はなされない 外 から 日 本 を 見 る 目 をつけることが 重 要 であ る ( 伊 藤 座 長 ) 隅 様 が 専 務 時 代 に 今 のままならマーケットからレッドカードを 突 きつけられる とおっしゃっていた ことが 印 象 深 い その 時 代 からの 抜 本 改 革 を 踏 まえて 今 日 の 東 京 海 上 グループに 至 ったと 考 え る 本 プロジェクトにおいて 経 営 者 のお 話 を 聞 くのは 今 回 が 初 めてである 優 れた 経 営 者 のお 話 を 聞 きたいと 考 え 講 演 頂 いた 5
3. 中 間 整 理 のまとめ 方 について( 伊 藤 座 長 )( 資 料 5 6 7) 本 プロジェクトの 次 のステップは 中 間 整 理 である 中 間 整 理 にあたっては 各 コーディネーターの 方 にリーダーシップを 発 揮 して 頂 いて 中 間 整 理 ドラフトに 協 力 頂 けるメンバーの 方 々と 協 力 してドラ フトを 行 っている 次 回 の 総 会 では 全 体 的 視 点 から 私 がドラフトを 調 整 した 結 果 を 資 料 として 提 示 する 予 定 である 中 間 整 理 公 表 は2 月 以 降 を 想 定 している 日 本 語 版 を 英 語 に 翻 訳 し 世 界 に 発 信 してコメントを 集 め 最 終 報 告 に 持 っていきたい 今 後 も 協 力 をお 願 いする 4. 閉 会 挨 拶 ( 伊 藤 座 長 ) 次 回 は ヘッジファンドのユナイテッド マネージャーズ ジャパンの 小 柴 様 によるご 講 演 と 中 間 整 理 案 について 議 論 を 行 う 予 定 である 以 上 6