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Review 総 説 自 動 車 電 源 システムの VHDL-AMS による モデリングとそのシミュレーション Modeling and Simulation of an Automotive Electrical Power System with VHDL-AMS * 加 藤 利 次 Toshiji Kato Doshisha University Abstract An analog hardware description language is useful to simulate an automotive electrical power system including control circuits and multi-domain physical systems generally and flexibly. The IEEE standard 176.1, or IEC 61691-6, which is known as VHDL-AMS (Very-High Speed IC Hardware Description Language-Analog and Mixed Signal) along with the original IEEE standard 176 for digital circuits, has accelerated this tendency. It is suitable for model-based design (MBD) by multi-domain, multi-level, and multi-organization simulations. It has wide applications as the international standard. This report introduces basic ideas of the language and its application examples to automotive electrical power systems including battery models. Key words : Model-based design ; Model description language ; VHDL-AMS; Model distribution ; Battery model 1 はじめに 自 動 車 電 源 システムをはじめ 様 々な 分 野 における 応 用 技 術 において, 解 析 設 計 にシミュレータがよく 用 い られるようになってきている 1-6.この 背 景 には 対 象 とするシステムの 規 模 の 拡 大 化 や 解 析 の 詳 細 化 による 複 雑 さが 増 してきていることがあげられる.そのため それらシステムの 設 計 解 析 には, 個 々の 制 御 装 置 や 回 路,さらには 周 辺 の 補 助 装 置 を 含 んだ 多 様 な 混 在 系 で ある 対 象 システム 全 体 を 一 体 としてとらえて,それら の 相 互 の 影 響 を 解 析 する 必 要 が 生 じてきており,その * 同 志 社 大 学 設 計 解 析 には 各 種 のシミュレータによる 数 値 的 な 処 理 によらざるを 得 ない 場 合 が 多 くなってきている. 現 在 では, 設 計 における 各 段 階 でこれらツールが 積 極 的 に 活 用 され, 制 御 系 をはじめとした 各 部 分 や 全 体 の 動 作 確 認 および 設 計 のためのツール,すなわち MBD(Model-Based Design or Development) ツールと して 必 要 不 可 欠 なものとなってきている.さらにこれ らは, 設 計 期 間 の 短 縮 のためのツールとしても 活 用 さ れ, 対 象 システムを 分 割 して 各 部 分 を 独 立 並 行 した 同 時 ( コンカレント ) 開 発 をも 可 能 としている 2, 4. シミュレータは2つの 方 向 で 進 化 してきている.そ の1つはシミュレーションアルゴリズムの 工 夫 改 善 に よる 計 算 の 高 精 度 高 効 率 化 である. 例 えば 陰 公 式 の 数 214 GS Yuasa International Ltd., All rights reserved. 1

値 積 分 法 による 安 定 な 解 法 や 連 立 一 次 方 程 式 のスパー ス 行 列 による 高 速 な 解 法 などがあげられる.またもう 1つの 方 向 はシミュレーション 対 象 の 汎 用 化 である. つまり どんなシステムもシミュレーションできる シミュレータを 目 指 している.シミュレータの 汎 用 化 を 目 指 すとき, 対 象 システムの 全 構 成 要 素 が 処 理 可 能 となっていなければならない. 例 えば 自 動 車 電 源 シス テムは 主 に 主 回 路 の 電 気 電 子 回 路 部 分 と 制 御 回 路 部 分 とからなる. 前 者 は 抵 抗,インダクタ,キャパシタ, スイッチ, 電 源,オルタネータ,バッテリ 等 からなる. 後 者 は 信 号 のフローを 構 成 するアナログ 制 御 部 分 と 論 理 回 路 素 子 よりなるディジタル 制 御 部 分 にさらに 分 け られる.これら3 種 類 の 部 分 はシミュレータ 内 ではそ れぞれ 違 った 数 値 処 理 がされる.またシミュレータは 電 気 系 のみならず 機 械 系 や 熱 系 等 他 の 物 理 系 を 含 んで いるようなマルチドメインのシステムにも 対 応 する 必 要 が 生 じてきた. 例 えば 電 気 自 動 車 は 電 気 系 と 機 械 系 との 連 成 系 である.シミュレータを 汎 用 拡 張 化 してこ のような 連 成 系 を 処 理 可 能 とする 工 夫 が 必 要 があり, 実 際 にその 工 夫 がされてきた. このようなことを 実 現 するためのシミュレータの 汎 用 化 には2つの 方 法 がある.その1つはシミュレータ 自 身 を 拡 張 汎 用 化 すなわち 組 み 込 めるコンポーネント の 数 をどんどん 増 やしていく 方 法 である. 新 しいコン ポーネントに 対 してどんどん 拡 張 していく 必 要 がある ため, 膨 大 な 量 のマニュアルを 有 するシミュレータま である.この 場 合, 組 み 込 まれているコンポーネント を 使 う 場 合 は 便 利 であるが,これらの 組 み 合 わせで 表 現 できないものはどうすることもできない.これに 対 して,もう1つはコンポーネントの 特 性 を 記 述 言 語 で モデリングして, 組 み 込 み 可 能 なコンポーネントを 新 しく 作 成 する 方 法 である.すなわちシミュレータ 本 体 は 解 析 機 能 のみをもち, 記 述 言 語 のコンパイラがコン ポーネントモデルを 解 釈 展 開 ののちライブラリ 化 し てシミュレータにモデルデータを 受 け 渡 すようにする ものである.これによれば 記 述 言 語 のカバーする 範 囲 でモデルの 汎 用 化 が 可 能 である. このような 考 えに 基 づく 本 格 的 なモデル 記 述 言 語 は, 例 えば SABER 7 の MAST(Modeling Analog System with Template) 言 語 8 や SIMPLORER 9 の SML(Simplorer Modeling Language) 言 語 等 がある.しかしながらそ れらは 単 なる 1 シミュレータのみに 有 効 な 言 語,す なわちいわば 方 言 であった.そのため,それらの 文 法 アイデアを 基 にして 1999 年 に 通 称 VHDL-AMS と 呼 ばれる IEEE 規 格 による 標 準 言 語 が 作 成 された 1-13. しかもこれは 同 時 に IEC 国 際 規 格 でありこの 言 語 に 対 応 しているシミュレータが 現 在 では 次 々と 増 えつつあ る. 本 解 説 はこの 規 格 化 されたモデル 記 述 言 語 につい てその 基 本 的 概 念 およびモデリング 例 を 通 して,これ らの 特 長 にふれながら,VHDL-AMS によるモデル 開 発 活 用 法 と 自 動 車 電 源 システムのモデル 開 発 への 応 用 を 解 説 する. 2 汎 用 シミュレータによる MBD 2.1 汎 用 シミュレータとモデル 記 述 言 語 シミュレータはモデリングの 情 報 に 基 づいて 次 のよ うな 連 立 微 分 代 数 方 程 式 をいわゆるアナログソルバー により 数 値 処 理 されて 解 かれる. f (x (t ), x (t ), t ) = (1) ただしt を 時 間, 変 数 をx,x をその 時 間 微 分 値 と する.この 方 程 式 の 定 式 化 にモデル 記 述 言 語 をツール として 用 いれば,モデル 記 述 情 報 に 基 づいてツールが 自 動 的 に 微 分 代 数 方 程 式 を 定 式 化 してくれる. 自 動 車 システム 等 をシミュレーションするために は, 多 重 の 混 在 性,すなわち 各 種 物 理 系 (マルチドメ イン), 制 御 系,ディジタル 系 が 混 在 しているため, その 各 部 の 特 徴 性 質 を 分 類 してモデリングする 必 要 がある.VHDL-AMS では,モデルの 記 述 に 関 して 文 法 が 体 系 化 されており, 各 部 分 のモデリングが 簡 便 か つ 汎 用 的 階 層 的 に 対 応 可 能 である.ただしこの 過 程 でいかに 簡 潔 かつ 柔 軟 にツールに 動 き 方 を 指 示 できる かがモデル 記 述 の 要 である. VHDL-AMS は 汎 用 的 なモデル 記 述 言 語 仕 様 であっ て,IC 設 計 用 の 回 路 シミュレータの 開 発 発 展 を 背 景 に 持 つ. 回 路 シミュレータは,197 年 代 前 半 に 定 式 化 原 理 として ASTAP や SPICE 等 に 用 いられたタブ ロー 法 や 修 正 節 点 解 析 法 が 確 立 された.197 年 代 後 半 にこれらを 基 にさらなる 汎 用 化 や 混 在 システムへの 対 応 を 可 能 とするため 様 々なモデル 記 述 言 語 の 検 討 が 始 められた. 例 えば 1986 年 に MAST 言 語 が 開 発 さ れている 7, 8.199 年 代 に 様 々な 記 述 言 語 を 共 通 化 す るため,その 規 格 化 が 検 討 された. 米 国 国 防 総 省 は, ASIC の 動 作 の 記 述 のために VHDL を 開 発 したが,こ れがディジタル 用 の IEEE 規 格 176 としてまとめら た 1.その 後, 上 記 規 格 を 拡 張 してアナログ 変 数 が 取 り 扱 えるように 検 討 が 始 められ,MAST 言 語 をベース にして 1993 年 に IEEE 規 格 176.1 として VHDL- 2

AMS の 通 称 で 呼 ばれるモデル 記 述 言 語 として 登 場 し た 11.2 年 代 には, 様 々な 分 野 で, 例 えばドイツ 自 動 車 工 業 会 (VDA) のワーキンググループ (FAT- AK3) 等 により 自 動 車 部 品 のモデル 開 発 に 応 用 され てきている 14. 2.2 VHDL-AMS による 混 在 マルチドメインモデリン グ 前 述 の 多 重 の 混 在 性,すなわち 各 種 物 理 系, 制 御 系, ディジタル 系 の 混 在 に 対 して,それら 各 部 の 特 徴 性 質 を 分 類 整 理 してモデル 記 述 がされる 12, 13.まず 第 1 に, 物 理 系 のマルチドメイン 性 についてはすべてを 同 一 の 原 理 で 取 り 扱 えるようにするため Fig. 1 に 示 す スルー (through) 変 数 とアクロス (across) 変 数 という 概 念 が 用 いられ,キルヒホッフの 電 流 則 を 一 般 化 した スルー 変 数 の 平 衡 方 程 式 として 取 り 扱 われる.Table 1 に 各 系 におけるスルー 変 数 とアクロス 変 数 の 例 を 示 す, 例 えば 回 転 系 においては, 対 象 の 軸 におけるすべ てのトルクの 和 は 零 となる 平 衡 方 程 式 を 用 いる. VHDL-AMS において 回 転 系 はアクロス 変 数 を 角 度 も しくは 角 速 度 に 選 んだ 場 合 の 2 種 類 が 標 準 的 に 用 意 されており,また 任 意 の 物 理 系 が 定 義 できるように 汎 用 的 に 構 成 されている.そして 第 2 に, 物 理 系 と 制 御 系 の 混 在 性 に 関 しては, 物 理 系 の 平 衡 方 程 式 と 制 御 Fig. 1 Across and through variables. Table 1 Across and through variables (quantities) in various domains. energy domain across quantity through quantity electrical voltage [V] current [A] magnetic MMF [AT] magnetic flux [Wb] translational displacement [m] force [N] translational_v velocity [m/sec] force [N] rotational angle [rad] torque [Nm] rotational_v angular frequency torque [Nm] [rad/sec] fluidic pressure [Pa] flow rate [m 3 /s] thermal temparature [K] heat flux [J/s] ブロックの 信 号 のフローを 表 現 する 制 御 方 程 式 が 混 在 して 定 式 化 され,それらが 連 立 して 解 かれる.これら の 微 分 代 数 連 立 方 程 式 は, 微 分 積 分 代 数 演 算 の 任 意 の 組 み 合 わせで 表 現 でき,システムモデリングによ り 自 由 に 定 義 記 述 可 能 である.さらに 第 3 に,アナ ログ ディジタルの 混 在 性 に 関 しては, 上 述 のアナロ グ 回 路 部 分 とは 別 に,ディジタル 部 分 のみが 論 理 レベ ルの 変 化 をイベントドリブン 方 式,すなわちディジタ ル 回 路 内 部 の 信 号 変 化 すなわちイベントが 生 じたとき に,その 伝 搬 を 処 理 してシミュレーションする 方 式 で シーケンシャルに 解 かれる.イベント 発 生 等 により, 両 者 の 同 期 が 必 要 な 場 合 には, 連 携 されて 反 復 修 正 処 理 がされる.そしてすべてのアナログ 部 分 の 方 程 式 は, その 中 の 微 分 演 算 子 部 分 が 後 退 オイラー 法, 台 形 則, ギア 法 等 により 離 散 化 されて, 各 時 間 ステップにおい て 連 立 して 解 かれる. 数 値 的 には, 微 分 代 数 方 程 式 が 陰 的 な 関 係 をそのまま 解 かれるので, 数 値 処 理 の 順 序 対 して 柔 軟 性 があるため,スイッチ 等 の 素 子 値 の 変 化 が 大 きい 場 合 にも, 数 値 安 定 性 の 確 保 に 対 して 有 利 で ある. 3 VHDL-AMS によるモデル 記 述 3.1 VHDL-AMS における 変 数 のタイプ 自 動 車 電 源 等 の 解 析 対 象 システムは,まず 主 回 路 と 制 御 回 路 に 分 けることができる.さらに 制 御 回 路 はデ ィジタルおよびアナログ 回 路 に 分 けられる.まずディ ジタル 部 分 は 元 のディジタル 用 規 格 の VHDL やその 拡 張 規 格 を 基 に 記 述 する.アナログ 部 分 は quantity と 名 付 けられたアナログ 変 数 により 記 述 する.これら をキルヒホッフの 電 流 則 (KCL) 等 の 物 理 系 の 平 衡 方 程 式 が 成 り 立 つ 双 方 向 性 の 変 数 の branch quantity とこ のような 関 係 のないシグナルフローに 適 した free quantity とに 分 けて 記 述 する. 自 由 変 数 は, 様 々な 補 助 記 述 等 に 用 いられ, 信 号 変 数 であって 物 理 的 なものではない. 必 要 に 応 じて 定 義 され, 文 字 通 り 自 由 に 活 用 できる. 基 本 的 に 定 義 され た 自 由 変 数 の 数 だけ,その 特 性 方 程 式 が 定 義 される. ただし 制 御 信 号 変 数 (Interface Quantity) として 用 い られる 場 合 は, 入 力 節 点 (in) から 出 力 節 点 (out) への 1 方 向 的 である 特 徴 があり, 出 力 節 点 の 数 だけ 制 御 信 号 の 特 性 方 程 式 が 定 義 される. ディジタル 論 理 変 数 は, 元 のディジタル 用 の 言 語 VHDL により 記 述 され,イベント 変 数 として 定 義 される ため, 上 記 のアナログの 方 程 式 とは 全 く 別 に 解 かれる. 3

従 って VHDL-AMS における 全 体 の 連 立 方 程 式 数 は, 物 理 平 衡 方 程 式 の 数 と 上 述 の 各 コンポーネントの 特 性 を 定 義 する 連 立 文 (simultaneous statement) の 数 の 和 となる. 物 理 平 衡 方 程 式 はモデルの 接 続 情 報 から 直 接 的 に 構 成 されるため,モデリングのポイントは 各 コンポーネントの 特 性 を 示 す 連 立 文 の 記 述 法 となる. このコンポーネントの 特 性 の 方 程 式 数 は, 定 義 された スルー 変 数, 制 御 信 号 出 力 変 数, 制 御 信 号 以 外 の 自 由 変 数 の 数 の 総 和 となる.すなわち,それら 変 数 の 数 と 以 下 に 記 号 == を 用 いて 記 述 する 連 立 文 の 数 は 一 致 する. 3.2 モデリング 例 VHDL-AMS の 特 長 は 規 格 で 記 述 可 能 な 範 囲 内 の 任 意 のコンポーネントが 柔 軟 に 定 義 できることである. そのため 逆 にそれぞれのコンポーネントを 記 述 して 与 えてやらなければならない. 抵 抗 resistor の 記 述 例 を Fig. 2 に 示 す.まず 最 初 の 2 行 でシステムの 定 義 ファ イル,すなわちスルー 変 数 やアクロス 変 数,グランド 節 点,V や A 等 の 単 位, 誤 差 のトレランス 等 をパッ ケージングしたものを 取 り 込 む. 次 にポート 変 数 を entity として 定 義 する.そしてコンポーネントの 特 性 そのものを 記 述 するために,アクロス スルー 変 数 を 定 義 して,これらを 用 いて 電 圧 と 電 流 のオームの 法 則 の 関 係 を 連 立 式 記 号 == で 記 述 している.VHDL-AMS による 他 のモデル 記 述 例 を Fig. 3 ~ に 示 す.まず ダイオードの 記 述 を 指 数 関 数 形 の 非 線 形 抵 抗 としてモ デリングしたものを Fig. 3(a) に,オン 抵 抗 オフ 抵 抗 の 切 り 替 えモデルとしたものを Fig. 3(b) に 示 す. (a) は 端 子 電 圧 電 流 特 性 を 指 数 関 数 による1つの 式 で 定 義 しているが,(b) はオンもしくはオフを 端 子 電 圧 library IEEE ; use IEEE. electrical_systems. all ; entity resistor is generic (res : resistance) ; port (terminal p, m : electrical) ; end entity resistor ; artitecture behav of resistor is quantity v across i through p to m ; v == i*res ; end archtecture behav ; の 正 負 による if 文 で 判 定 している.いずれも 場 合 も 物 理 平 衡 方 程 式 が 解 かれる 際 に 動 作 点 が 定 まるまで 反 library IEEE ; use IEEE. math_real.all ; use IEEE. electrical_systems.all ; entity diode is generic (iss : real := 1.e-14 ; n : real := 1. ; tau : real := 1.e-6 ; cj : real := 1.e-9 ; vj : real :=.7 ; rs : real :=.) ; port (terminal a, c : electrical) ; end diode ; architecture behav of diode is quantity vd across id through a to c ; constant vt : real : =.28 ; id == iss*(exp((vd-rs*id)/(n * vt))-1.) ; end architecture behav ; (a) Nonlinear resistor model library IEEE; use IEEE. electrical_systems. all ; entity diode is generic (r_on : real : = 1.e-3 ; r_off : real : = 1.e) ; port (terminal a, c : electrical) ; end; architecture behav of diode is quantity vd across id through a to c ; quantity r : real ; if vd'above (.) use r == r_on ; else r == r_off ; end use ; vd == r*id ; end architecture behav ; (b) On-off switch model Fig. 2 VHDL-AMS model of a resistor. Fig. 3 VHDL-AMS model examples of diodes. 4

復 修 正 計 算 がされる.また (b) では 特 性 式 が 見 かけ 上, 2 式 記 述 されているが,それらは 排 他 的 な 条 件 により 記 述 されているため,1 式 とみなされる.また 制 御 回 路 の 例 として Fig. 4 に 加 算 器 の 例 を 示 す.この 場 合 の 変 数 は 制 御 信 号 であるため, 入 出 力 を in および out により 定 義 している. 特 性 式 は 入 力 変 数 の 和 が 出 力 で あるという 記 述 となる. 最 後 に 電 気 機 械 回 転 系 にわた る 連 成 系 として DC モータの 例 を Fig. に 示 す. 電 気 系 および 回 転 系 のポートおよび 各 変 数 の 定 義 の 後, 電 気 系 および 回 転 系 における 方 程 式 を 記 述 するだけでよ い. 他 の 物 理 系 および 連 成 系 の 場 合 も 同 様 で, 必 要 な パッケージングの 呼 び 出 しの 後, 必 要 な 系 の 必 要 な 変 数 の 定 義 およびそれらの 関 係 式 の 記 述 をすればよい. 4 自 動 車 電 源 システムの 解 析 例 4.1 構 成 システム 以 上 の VHDL-AMS によるモデル 記 述 法 を Fig. 6 に 示 す 自 動 車 電 源 システムに 適 用 した 例 を 示 す.エンジ ンモデルからの 出 力 が,クラッチモデル, 変 速 機 モデ ル,ディファレンシャルギアモデルを 介 して 車 輌 モデ ルに 伝 達 し, 車 輌 モデルで 車 速 を 計 算 するができる. また, 今 回 の 解 析 では JE モードでの 走 行 パターン での 燃 費 を 求 めることを 目 的 としている. VHDL-AMS モデルによる 解 析 結 果 の 精 度 検 証 のた め, 国 土 交 通 省 (MLIT) より 公 開 されている 重 量 車 用 燃 費 計 算 プログラムとの 比 較 を 行 う.そのため VHDL-AMS モデルもこれに 対 応 するようにパラメー タ 設 定 している.またこのプログラムにはオルタネー タやバッテリといった 電 装 品 は 含 まれてないため,ま ずこれら 電 装 品 を 省 いたモデルでの 比 較 を 行 った.エ entity sum is generic ( k1 : real := 1. ; k2 : real := 1.) ; port ( quantity in1, in2 : in real ; quantity output : out real) ; end entity sum ; architecture behav of sum is output == k1*in1 + k2*in2 ; end architecture behav ; ンジンの 最 大 回 転 数 などの 性 能 や, 変 速 機 の 段 数 およ び 各 ギア 比, 燃 費 データマップなど 一 部 の 設 定 は 自 由 に 変 更 できるが, 走 行 パターンについては JE モー ドで 固 定 となっている. VHDL-AMS モデルによる 結 果 を 国 交 省 プログラム のものと 比 較 して Fig. 7 に 解 析 波 形 を 示 す.シフトの 切 替 およびクラッチの 切 り 離 し 始 めのタイミングは, 全 て 比 較 対 象 である 国 交 省 プログラムと 同 じように 動 作 するように 設 定 した.PI 制 御 により 計 算 車 体 速 度 は 目 標 速 度 に 良 好 に 追 従 しており, 変 速 機 モデルなど の 非 線 形 なモデルも 正 常 に 動 作 している.また 走 行 中 の 消 費 燃 料 に 関 して 両 者 において 一 致 した 結 果 が 得 ら れている. 本 システムの 解 析 結 果 から 求 めた 燃 費 と, 国 土 交 通 省 の 燃 費 計 算 プログラムの 燃 費 を 比 較 した 結 果 を Table 2 に 示 す. 本 システムで 計 算 された 重 量 車 に 対 する 燃 費 は 8.9 km/l, 国 交 省 プログラムの 結 果 8.8 km/l と 比 較 して 誤 差.6% とほぼ 同 等 の 結 果 を 得 ら れている.この 結 果 から, 今 回 開 発 した VHDL-AMS モデルで 国 土 交 通 省 プログラムと 同 等 程 度 の 精 度 で 計 算 が 可 能 であることが 示 された. library IEEE ; use IEEE. mechanical_systems. all ; use IEEE. electrical_systems. all ; entity DC_Motor is generic (r_wind : resistance ; kt : real; l : inductance; d : real; j : mmoment_i) ; port (terminal p, m : electrical ; terminal shaft_rotv : rotational_v) ; end entity DC_Motor ; architecture behav of DC_Motor is quantity v across i through p to m ; quantity w across torq through shaft_rotv - to rotational_v_ref ; torq == -1.*kt*i + d*w + j*w'dot ; v == kt*w + i*r wind + l*i'dot ; end architecture behav ; Fig. 4 VHDL-AMS model of an adder. Fig. VHDL-AMS model of a DC motor.

Driving pattern PI control Kp Ki s Pick out brake Brake force Vehicle velocity Demanded torque Vehicle system Vehicle loads Engine Clutch Transmission Differencial gear Tire Velocity calculation Rotational_V w,t Rotational_V w,t Rotational_V w,t Translational_V V,F Rotational_V w,t Alternator Wire Wire Electrical V, I Electrical V, I Load Electrical V, I Wire Battery Fig. 6 Block diagram of a vehicle system equipped with electrical components. Velocity [km/h] 9 6 3-3 VHDL-AMS MLIT Engine torque [Nm] 4 2 Fuel rate [L/h] Shift position 2 1 1 6 4 3 2 1 2 4 6 8 1 12 14 16 183 Time [s] Fig. 7 Simulation results of a manual transmission vehicle. 6

Table 2 Computed fuel rate results of a manual transmission vehicle. Fuel [L] Fuel rate [km/l] Diffs. [%] MLIT program 1.6 8.9 - VHDL_AMS model 1.7 8.8 -.6 Table 3 Computed fuel rate results of a manual transmission vehicle equipped with electrical components. Fuel [L] Fuel rate [km/l] Diffs. [%] MT 1.7 8.9 - MT with 1.64 8. -4.1 elec. comp. 4.2 電 装 システムを 追 加 したシステム 次 にオルタネータ,ワイヤ,バッテリモデル 等 を 追 R p 加 した Fig. 6 に 示 す 全 負 荷 を 含 むシステムで, 電 装 シ ステムがどの 程 度 燃 費 に 影 響 を 与 えるかを 検 証 した. オルタネータについては,FAT-AK3 より 公 開 され ているデータモデルを 使 用 した. 1 C ʃ dt R i C p 電 装 品 を 含 まない 場 合 との 燃 費 の 比 較 を Table 3 に 示 す. 本 システムでは, 電 装 品 を 含 まない 場 合 と 比 べ OCV て 燃 費 が 4.1% 悪 くなっている.これは,エンジンで の 消 費 燃 料 はエンジンの 回 転 角 速 度 と 出 力 トルクによ (a) Basic model って 決 まり, 走 行 パターンは 同 条 件 なため 回 転 角 速 度 に 大 きな 変 化 はないが,オルタネータを 駆 動 させるた C p めにより 多 くのトルクを 出 力 するようになったためで ある. バッテリモデルの 検 討.1 バッテリモデル バッテリモデルのモデリングは 化 学 反 応 式 を 基 にし たモデルと 電 気 的 特 性 を 等 価 回 路 で 表 現 したブラック ボックスモデルがある. 化 学 反 応 式 を 用 いたモデルは バッテリー 内 部 の 化 学 反 応 式 をそのまま 表 現 できる 利 点 があるが,モデルパラメータの 決 定 等 に 電 池 の 専 門 知 識 が 必 要 になる 等 の 技 術 的 に 困 難 が 伴 う 場 合 が 多 い.そのためバッテリの 測 定 電 気 的 特 性 に 基 づいて, それより 等 価 回 路 を 求 める 方 法 が, 電 気 技 術 者 であれ ば 取 り 扱 い 易 いためよく 用 いられる 6. 自 動 車 技 術 会 の 国 際 標 準 記 述 によるモデル 開 発 流 通 検 討 委 員 会 で 検 討 されてきたバッテリの 基 本 的 な 参 考 モデルの 例 を Fig. 8(a) に 示 す.モデルは, 充 放 電 に 伴 って 生 じる 開 回 路 電 圧 (OCV ; Open Circuit Voltage) からの 抵 抗 分 極, 活 性 化 分 極, 濃 度 分 極 による 電 圧 変 化 を 表 現 できるように 構 成 される.すなわち 開 回 路 電 圧 は 電 圧 源 OCV により, 抵 抗 分 極 はR i により, 活 性 化 分 極, 濃 度 分 極 はまとめてR i, C p の 直 列 回 路 により 表 現 している.OCV とR i は, 充 電 率 SOC (State of Charge) に 依 存 するものとしている.そのため 各 SOC に 対 して 測 定 した 充 放 電 特 性 より,R i, C p を 求 めてい る. 逆 にモデルでは, 端 子 電 流 を 積 分 して 充 電 率 R i R p OCV (b) RC parallel model Fig. 8 Basic battery models. SOC(State of Charge) を 求 め,それに 応 じて OCV とR i を 変 化 させるモデルとなっている..2 自 動 車 電 源 システムにおける 充 放 電 特 性 のシミ ュレーション 上 述 のバッテリの 基 本 参 考 モデルを 用 いてスタータ による 放 電 や 走 行 時 のオルタネータによる 充 電 特 性 の シミュレーションを 行 った.その 解 析 波 形 を 実 測 結 果 とあわせて Fig. 9 に 示 す.まず (a) において, 下 部 の 山 状 の 走 向 パターンに 対 して 充 放 電 に 伴 う 電 圧 波 形 の 変 化 が 上 部 に 示 され,シミュレーション 結 果 が 実 測 結 果 によく 一 致 している.また (b) はその 際 にバッテリ の 充 電 電 流 と 電 圧 波 形 を 示 している. 本 シミュレーションで 用 いたバッテリモデルは 当 初 基 本 的 なものであったが,その 後 さらに 上 記 委 員 会 で 検 討 が 重 ねられ,RC 直 列 回 路 が Fig. 8(b) に 示 す RC 並 列 回 路 に 改 善 されている 6.さらに 活 性 化 分 極, 濃 度 分 極 による 電 圧 変 化 をよりよく 表 現 するため, 現 在 では RC 並 列 回 路 の 多 段 接 続 の 構 成 が 検 討 されている. 7

Battery_Voltage.v [V] Vehicle_Speed (km/h) 1 1 1 Battery_Voltage (V) Battery_Current.i [A] 1 1 6 まとめ 2 4 6 8 1 12 Time (s) 1 1-2 -4-2 4 6 8 1 12 Time (s) (b) Battery voltage and current Fig. 9 Simulated results using the basic battery model and measured results. VHDL-AMS を 用 いたモデリングによりシミュレー ションを 行 うことは 主 に 次 の つの 利 点 がある. (1) 言 語 のカバーする 範 囲 が 広 いため, 多 様 な 混 在 性 を 持 つマルチドメインシステムを 柔 軟 かつ 汎 用 的 にモデル 記 述 することができる, (2) アナログ ディジタル (AD) の 連 携 すなわちイベン トによるシミュレーション 時 間 ステップの 制 御 に 対 応 した 言 語 である, (3) モデル 記 述 言 語 としてあいまいさがないように 厳 密 に 解 析 検 証 されている, (4) IEEE 規 格 176.1 であって, 同 時 に 国 際 標 準 規 格 IEC 61691-6 である, () 数 値 的 には 微 分 代 数 方 程 式 が 陰 的 な 関 係 をそのま ま 解 かれるので,その 解 法 処 理 に 対 して 柔 軟 性 が ある. 本 解 説 においては,VHDL-AMS によるモデル 記 述 の 例 として, 機 械 系 コンポーネントと 電 気 系 コンポー ネントをモデル 化 しモデル 上 で 制 御 を 行 う 自 動 車 電 源 システムでの 適 用 例 やバッテリモデルの 活 用 例 を 紹 介 した. 上 記 の 特 長 を 生 かして,VHDL-AMS によるモ デル 記 述 を 用 いた MBD は 様 々な 応 用 システムへの 応 用 が 今 後 期 待 される. 最 後 に 普 段 よりモデル 作 成 等 に 関 して 議 論 や 検 討 し ていただいている 自 動 車 技 術 会 の 国 際 標 準 記 述 による モデル 開 発 流 通 検 討 委 員 会 のメンバーに 深 謝 します. 文 献 1. パワーエレクトロニクスシステムにおけるモデリ ングとシミュレーション 技 術 協 同 研 究 委 員 会 : 電 気 学 会 技 術 報 告, 第 1114 号 (28). 2. T. Kato, K. Tsuji, and S. Shimada : 7th IFAC Symposium on Advances in Automotive Control, Vol.7, Part 1, 17-16 (213). 3. K. Tsuji and T. Kato : 7th IFAC Symposium on Advances in Automotive Control, Vol.7, Part 1, 161-16(213). 4. 加 藤 利 次, 辻 公 壽, 嶋 田 敏, 早 田 克 久, 西 田 知 史, 213 年 自 動 車 技 術 会 春 季 大 会,No.46-213391 (213).. 関 末 崇 行, 辻 公 壽, 小 川 誠, 深 田 隆 文, 谷 本 功 一, 引 田 栄, 上 田 雅 生, 加 藤 利 次,213 年 自 動 車 技 術 会 春 季 大 会,No.47-21349 (213). 6. 横 山 努, 藤 田 幸 雄, 小 池 喜 一, 河 原 洋 平, 市 原 純 一, 辻 公 壽, 加 藤 利 次,213 年 自 動 車 技 術 会 春 季 大 会, No.48-213492(213). 7. Saber Manuals, Synopsys Corporation. 8. H.A. Mantooth and M. Fiegenbaum : Modeling with an Analog Hardware Description Language, Kluwer Academic Publishers, (199). 9. Simplorer Manuals, Ansoft Corporation. 1. VHDL Language Reference Manual, IEEE Standard, 176-1987( 最 新 のものは 28 年 ). 11. VHDL Analog and Mixed-Signal Extensions, IEEE Standard 176.1-1999, IEC 61691-6( 最 新 のも のは 29 年 ). 12. 加 藤 利 次 : 平 成 16 年 産 業 応 用 全 国 大 会,Vol.I, No.1-S11-3, pp.i-7-8 (24). 13. P.J. Ashenden, G.D. Peterson, and D.A. Teegarden : The System Designer's Guide to VHDL-AMS, Morgan Kaufmann Publishers, (23). 14. FAT-AK3 (Working Group: Simulation of Mixed Systems with VHDL-AMS) ; http://fat-ak3.eas. iis.fraunhofer.de/index en.html. 8