想定問題集への回答

Similar documents
為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

2. 会 計 規 程 の 業 務 (1) 規 程 と 実 際 の 業 務 の 調 査 規 程 や 運 用 方 針 に 規 定 されている 業 務 ( 帳 票 )が 実 際 に 行 われているか( 作 成 されている か)どうかについて 調 べてみた 以 下 の 表 は 規 程 の 条 項 とそこに

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

弁護士報酬規定(抜粋)

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6


根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

<4D F736F F D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF D6A2E646F6378>

疑わしい取引の参考事例

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

●電力自由化推進法案

要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に

答申第585号

リング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 について 回 収 可 能 性 がないも のとする 原 則 的 な 取 扱 いに 対 して スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 を 回 収 できることを 反 証 できる 場 合 に 原 則

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程

Microsoft Word - 19年度(行個)答申第94号.doc


18 国立高等専門学校機構

平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

公表表紙

1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

Taro-契約条項(全部)

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

Speed突破!Premium問題集 基本書サンプル

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

スライド 1

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

<4D F736F F D20D8BDB8CFC8BCDED2DDC482A882E682D1BADDCCDFD7B2B1DDBD8B4B92F E646F63>

Microsoft Word )40期決算公開用.doc

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

定款

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

<819A955D89BF92B28F BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

Microsoft Word - ★HP版平成27年度検査の結果

平成17年度高知県県産材利用推進事業費補助金交付要綱

Taro-29職員退職手当支給規程

(5) 事 業 者 等 自 転 車 及 び 自 動 車 の 製 造 輸 入 販 売 又 は 修 理 を 業 として 行 っている 者 及 びそ れらの 者 の 団 体 並 びにその 他 の 事 業 者 をいう (6) 所 有 者 等 自 動 車 の 所 有 権 占 有 権 若 しくは 使 用 権 を

- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

Microsoft Word - 奨学金相談Q&A.rtf

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

平成24年度開設予定大学院等一覧(判定を「不可」とするもの)

はファクシミリ 装 置 を 用 いて 送 信 し 又 は 訪 問 する 方 法 により 当 該 債 務 を 弁 済 す ることを 要 求 し これに 対 し 債 務 者 等 から 直 接 要 求 しないよう 求 められたにもかか わらず 更 にこれらの 方 法 で 当 該 債 務 を 弁 済 するこ

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

Taro-事務処理要綱250820

6. 概 要 コメント 本 法 は 社 会 保 険 関 係 を 規 範 化 し 公 民 の 社 会 保 険 への 参 加 社 会 保 険 待 遇 を 享 受 す る 権 益 を 保 護 し 公 民 に 国 家 発 展 の 成 果 を 共 同 で 享 受 させ 社 会 の 調 和 と 安 定 を 促

中国会社法の改正が外商投資企業に与える影響(2)

< 現 在 の 我 が 国 D&O 保 険 の 基 本 的 な 設 計 (イメージ)> < 一 般 的 な 補 償 の 範 囲 の 概 要 > 請 求 の 形 態 会 社 の 役 員 会 社 による 請 求 に 対 する 損 免 責 事 由 の 場 合 に 害 賠 償 請 求 は 補 償 されず(

4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協

・モニター広告運営事業仕様書

スライド 1

理化学研究所の役職員への兼業(兼職)依頼について

を 行 わなければならない 適 正 な 運 用 方 針 を 厳 格 に 運 用 することによっては じめて 人 がみだりにその 容 ぼう 等 を 撮 影 されない 自 由 や 権 利 の 保 護 と 犯 罪 発 生 の 抑 止 という 防 犯 カメラの 設 置 目 的 との 調 和 が 実 現 され

m07 北見工業大学 様式①

1

3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

岡山県警察用航空機の運用等に関する訓令

ー ただお 課 長 を 表 示 するものとする ( 第 三 者 に 対 する 許 諾 ) 第 4 条 甲 は 第 三 者 に 対 して 本 契 約 において 乙 に 与 えた 許 諾 と 同 一 又 は 類 似 の 許 諾 を することができる この 場 合 において 乙 は 甲 に 対 して 当

一般競争入札について

H28記入説明書(納付金・調整金)8

Microsoft Word 役員選挙規程.doc


文化政策情報システムの運用等

< E8BE08F6D2082C682B DD2E786C7378>

<4D F736F F D F5A91EE8BC F368C8E3393FA8DC48D F C8E323893FA916493C B95AA8D CE3816A>

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

●労働基準法等の一部を改正する法律案

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案)

4 乙 は 天 災 地 変 戦 争 暴 動 内 乱 法 令 の 制 定 改 廃 輸 送 機 関 の 事 故 その 他 の 不 可 抗 力 により 第 1 項 及 び 第 2 項 に 定 める 業 務 期 日 までに 第 1 条 第 3 項 の 適 合 書 を 交 付 することができない 場 合 は

国 家 税 務 総 局 による 輸 出 貨 物 還 付 ( 免 ) 税 に 関 する 若 干 問 題 の 通 知 国 税 発 [2006]102 号 2006 年 7 月 12 日 国 家 税 務 総 局 各 省 自 治 区 直 轄 市 及 び 計 画 単 列 市 国 家 税 務 局 : 一 部 の

した 開 示 決 定 等 に 当 たっては, 法 11 条 を 適 用 して, 平 成 23 年 5 月 13 日 まで 開 示 決 定 等 の 期 限 を 延 長 し, 同 年 4 月 11 日 付 け 防 官 文 第 号 により,1 枚 目 を 一 部 開 示 した そして, 同 年

参 考 改 正 災 害 対 策 基 本 法 1 ( 災 害 時 における 車 両 の 移 動 等 ) 第 七 十 六 条 の 六 道 路 管 理 者 は その 管 理 する 道 路 の 存 する 都 道 府 県 又 はこれに 隣 接 し 若 しくは 近 接 する 都 道 府 県 の 地 域 に 係

目 次 高 山 市 連 結 財 務 諸 表 について 1 連 結 貸 借 対 照 表 2 連 結 行 政 コスト 計 算 書 4 連 結 純 資 産 変 動 計 算 書 6 連 結 資 金 収 支 計 算 書 7

参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

Microsoft Word - 全国エリアマネジメントネットワーク規約.docx

News Letter JP

Microsoft PowerPoint 資料6 技術基準.ppt [互換モード]

2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

<4D F736F F F696E74202D2082C882E982D982C DD8ED88EE688F882CC82B582AD82DD C668DDA9770>

Taro-○離島特産品等マーケティング支援事業に係る企画提案募集要領

Microsoft Word - 19年度(行情)答申第081号.doc

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)

駐 車 場 管 理 規 程

(1) 貸 借 対 照 表 ( 平 成 26 年 11 月 30 日 現 在 ) ( 単 位 : 千 円 ) 資 産 の 部 負 債 の 部 科 目 金 額 科 目 金 額 流 動 資 産 4,623,985 流 動 負 債 3,859,994 現 金 及 び 預 金 31,763 支 払 手 形

(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

共 通 認 識 1 官 民 較 差 調 整 後 は 退 職 給 付 全 体 でみて 民 間 企 業 の 事 業 主 負 担 と 均 衡 する 水 準 で あれば 最 終 的 な 税 負 担 は 変 わらず 公 務 員 を 優 遇 するものとはならないものであ ること 2 民 間 の 実 態 を 考

1 変更の許可等(都市計画法第35条の2)

Transcription:

[ 特 許 庁 委 託 事 業 ] 中 国 におけるパテントトロールの 実 態 およ び 対 策 の 研 究 に 関 する 報 告 書

目 次 はしがき... - 3 - 第 一 章 パテントトロールの 概 要... - 5 - 第 一 節 パテントトロールの 由 来... - 5 - 第 二 節 パテントトロールの 成 因... - 6 - 一.パテントトロールの 起 因... - 6 - 二.パテントトロール 発 展 拡 大 の 背 景... - 15 - 第 三 節 Patent troll の 意 味... - 21 - 一.Patent troll 固 有 の 意 味... - 21 - 二.Patent troll の 各 訳 文 及 び 優 劣... - 21 - 三. 本 研 究 に 用 いられる 訳 文 及 び 説 明... - 27 - 四.パテントトロールの 定 義... - 27 - 五.パテントトロールの 関 係 概 念... - 32 - 第 二 章 パテントトロールの 特 徴 及 び 評 価... - 44 - 第 一 節 パテントトロールの 事 例... - 44 - 一. パテントトロール の 代 表 的 な 事 例... - 44 - 二.その 他 の 関 係 事 例 の 概 述... - 54 - 第 二 節 パテントトロールの 特 徴... - 69 - 一.パテントトロールの 分 類... - 69 - 二. 代 表 的 なパテントトロールの 主 な 特 徴... - 71 - 第 三 節 パテントトロールの 行 為 モード... - 74 - 一. 代 表 的 なパテントトロール 会 社 の 行 為 モード... - 75 - 二. 大 手 会 社 およびパテントプールの 行 為 モード... - 92 - 第 四 節 Intellectual Ventures の 経 営 モード 及 び 理 念...- 111 - 第 五 節 パテントトロールに 対 する 評 価...- 115 - 一. 積 極 的 な 影 響...- 115 - 二. 消 極 的 な 影 響...- 117 - 第 三 章 パテントトロール 行 為 の 本 質... - 125 - 第 一 節 パテントトロール 行 為 の 本 質 について... - 125 - 第 二 節 パテントトロール 行 為 及 び 特 許 権 濫 用... - 126 - 一. 特 許 権 濫 用 に 関 する 基 本 理 論... - 126 - 二. 権 利 濫 用 に 該 当 する 行 為 について... - 129 - 三. 技 術 基 準 パテントプールにおける 特 許 権 濫 用... - 134 - 第 三 節 パテントトロール 行 為 と 独 占... - 145 - 一. 独 占 に 関 する 基 本 的 理 論... - 146 - 二.パテントトロールの 独 占 表 現... - 151 - 第 四 節 パテントトロール 行 為 と 不 正 競 争... - 151 - 一. 独 占 地 位 の 維 持 と 濫 用... - 152 - 二. 反 競 争 性 知 的 財 産 取 引 協 定... - 154 - - 1 -

三. 営 業 中 傷... - 156 - 第 五 節 パテントトロールの 行 為 及 び 訴 権 濫 用 悪 意 訴 追... - 158 - 一. 訴 権 濫 用 悪 意 訴 追 の 一 般 的 な 理 論... - 158 - 二. 訴 訟 威 嚇 について... - 160 - 三.パテントトロール 悪 意 訴 訟 の 表 現 形 式... - 164 - 第 四 章 中 国 パテントトロール 現 状 論 述 及 び 今 後 の 傾 向... - 166 - 第 一 節 中 国 パテントトロール 現 状 の 論 述... - 166 - 二. 中 国 におけるパテントトロールの 生 存 及 び 発 展 の 条 件... - 167 - 三. 中 国 パテントトロールに 関 する 立 法 規 制... - 174 - 四. 中 国 パテントトロールの 関 連 実 例... - 183 - 第 二 節 中 国 パテントトロールの 今 後 の 傾 向 の 分 析... - 188 - 一. 将 来 の 中 国 パテントトロールの 出 所... - 189 - 二. 本 土 パテントトロールの 発 生 及 び 発 展 の 有 利 条 件... - 189 - 三. 本 土 におけるパテントトロールの 発 展 が 遅 い 原 因... - 191 - 第 五 章 パテントトロールに 対 する 対 応 策 の 検 討... - 193 - 第 一 節 パテントトロールを 規 制 する 法 令 の 完 備 化... - 193 - 一. 特 許 品 質 の 向 上... - 194 - 二. 侵 害 停 止 という 民 事 責 任 ( 終 局 的 差 止 命 令 )の 適 用 への 制 限... - 204 - 三. 損 害 賠 償 額 の 調 整 / 特 許 発 明 の 実 施 料 の 合 理 的 な 算 定 方 法... - 209 - 四. 特 許 実 施 の 強 制 許 諾 制 度 の 改 善... - 210 - 五. 特 許 権 の 濫 用 行 為 に 関 する 規 制... - 213 - 六.パテントプールの 関 連 管 理 の 規 範... - 230 - 七.パテントトロールに 対 する 各 国 の 対 応 及 び 経 験... - 232 - 八. 中 国 のパテントトロールへの 規 制 に 関 係 する 法 律 制 度... - 245 - 第 二 節 企 業 パテントトロール 対 応 策 へのアドバイス... - 246 - 一. 企 業 パテントトロール 対 応 策 の 事 例... - 246 - 二. 企 業 によるパテントトロール 対 策 の 分 析... - 248 - 三.パテントトロールに 対 抗 する 戦 略 について 中 国 企 業 へのアドバイス..- 271 - むすび... - 273 - - 2 -

はしがき 1877 年 特 許 関 係 弁 護 士 であるGeorge Seldenは 自 動 車 の 基 本 的 な 発 想 に 関 する 発 明 (US549, 160)を 検 討 して 特 許 出 願 し その 出 願 は 1895 年 に 特 許 成 立 した Seldenは 一 台 の 自 動 車 も 製 造 したことがないにも 関 わ らず 当 該 特 許 が 1911 年 に 無 効 にされるまで 米 国 で 生 産 された 乗 用 自 動 車 のほとんどは 2.5%~5%のライセンス 料 が 求 められた 1 自 動 車 を 作 ったこともないSeldenの 行 為 はパテントトロールの 奔 りでもあった 近 年 来 国 内 外 の 知 財 サービス 業 界 の 発 展 に 伴 い いわゆる パテントトロー ル 現 象 もだんだん 増 えてきたが 企 業 の 発 展 戦 術 の 一 つになったパテン トトロール 行 為 は 現 在 でも かなり 議 論 されている 例 えば 100 社 以 上 の 会 社 にライセンスを 提 供 したTechSearch 約 800 社 にライセンスを 提 供 し かつ 数 社 を 被 告 として 特 許 訴 訟 を 15 件 も 起 こしたLemelson Foundationが 挙 げられる 米 国 Patent Freedom 調 査 報 告 によると 2010 年 4 月 1 日 までで 米 国 ではパテントトロール 会 社 が 325 社 あり しかも 会 社 数 が 増 えているそうである 1985 年 以 来 これらのパテントロール 会 社 は 3100 件 以 上 の 特 許 訴 訟 にも 参 加 し 4500 社 の 企 業 と 争 った 2 報 道 によると パテントトロール 現 象 は 中 国 においても 芽 生 えてきたそ うである 例 えば ここ 数 年 中 国 中 興 通 信 は 海 外 市 場 で パテントトロ ール に 頻 繁 に 襲 われ 今 までの 累 計 件 数 は 十 数 件 になった 中 国 のDVD 業 界 と 家 電 業 界 もパテントプールにロイヤリティーを 支 払 わないと 法 廷 に 訴 えられると 脅 威 されている 最 近 の 調 査 によると アジアの 技 術 会 社 が 米 国 で 特 許 権 侵 害 として 訴 えられた 事 件 において 78%は 非 事 業 実 施 機 関 (NPEs)によって 提 起 されたものであったとのこと しかし 5 年 前 は 僅 か 43%であった 2010 年 の 年 末 までで 米 国 にあるアジア 会 社 を 対 象 に 非 事 業 実 施 機 関 (NPEs)が 提 起 する 訴 訟 は 250 件 になり 米 国 とユ ーロッパ 会 社 に 対 する 訴 訟 案 件 の 総 数 に 近 づくそうである 3 海 外 の パ 1 Law - International Why is Everybody Picking on Me? Defending your Company against Patent Bullies and Trolls,http://www.ed-china.com/ARTP_8800015849_400012_500016_OT.HTM アクセス 日 :2010 年 10 月 25 日 2 パテントトロール 会 社 の 活 躍 が 各 国 の 警 戒 心 を 起 させた 知 識 財 産 権 競 争 動 向 第 16 期 2010 年 11 月 10 日 3 http://www.nipso.cn/onews.asp?id=9628 アクセス 日 :2010 年 10 月 18 日 - 3 -

テントトロール は 別 として 中 国 においても 自 国 の パテントトロール がある 例 えば USBメモリの 基 本 特 許 をもって 多 くの 国 で 裁 判 を 起 こし 多 額 のロイヤリティーを 取 得 した 朗 科 公 司 (Netac)はその 一 例 である パテントトロール には 特 許 の 価 値 をより 良 く 実 現 させるというメ リットがあると 考 えている 方 もいるが パテントトロール のせいでか なりのお 金 を 失 ってしまい パテントトロール を 非 常 に 恨 んでいる 方 が 更 に 多 くいる パテントトロール は 業 界 社 会 に 対 してマイナスな 影 響 を 確 かに 与 えていることも 事 実 である そこで パテントトロール を 客 観 的 かつ 全 面 的 に 評 価 することは 本 研 究 報 告 の 任 務 の 一 つである 現 在 の 特 許 制 度 において パテントトロール の 存 在 が 現 在 の 法 律 制 度 に 合 致 していることは 否 定 できない 目 下 パテントトロール は 中 国 大 陸 で 姿 を 見 せ ある 程 度 の 影 響 があるものの これに 関 する 研 究 特 に 実 証 の 研 究 はまだ 十 分 ではない 本 報 告 は 日 本 貿 易 振 興 機 構 上 海 事 務 所 の 依 頼 に 基 づき 中 国 における パテントトロール の 現 状 を 考 察 した 上 で パテントトロール 対 策 を 企 業 に 提 供 するとともに 立 法 に 関 する 提 案 もしてみることを 目 的 とする - 4 -

第 一 章 パテントトロールの 概 要 第 一 節 パテントトロールの 由 来 1993 年 に 現 れた パテントトロール ( Patent Troll)という 言 葉 は 攻 撃 的 な 特 許 訴 訟 を 起 こす 会 社 を 指 す 英 語 の 蔑 称 である パテントトロー ルを 最 初 に 紹 介 した The Patents Video は 1994 年 に 発 行 された 躍 動 感 娯 楽 性 ユーモラス 専 門 性 を 持 っている 動 画 資 料 として 誤 解 を 招 きやすい 特 許 関 連 概 念 及 び 重 要 な 特 許 情 報 を 主 に 紹 介 したものである その 目 的 は 知 的 財 産 の 基 本 法 律 世 界 各 国 の 特 許 権 の 存 続 期 間 に 関 する 規 定 特 許 出 願 及 び 侵 害 訴 訟 における 請 求 項 の 解 釈 などの 基 礎 知 識 を 動 画 で 分 かりやすく 覚 えやすく 説 明 することにある この 動 画 資 料 には 被 害 者 が 突 然 パテントトロールに 襲 われ ロイヤリティーの 支 払 いを 求 めら れて 相 手 の 策 略 に 唖 然 とさせられたシーンがあった(strategically positioned himself to collect patent licensing revenue) 4 パテントト ロール という 蔑 称 を 広 く 流 行 らせた 人 は 米 国 Intel 社 の 元 顧 問 弁 護 士 で あったPeter Detkinである Intel 社 とIMS( International Meta System, Inc) TechSearch, L.L.C.などの 知 的 財 産 権 サービス 会 社 とのビジネス 紛 争 は この 蔑 称 の 源 であった 2001 年 TechSearch 社 は 経 営 不 況 に 陥 いたIMSの RISC 技 術 に 関 する 特 許 権 を 安 い 対 価 で 買 取 り その 後 Intel 社 の Pentium Pro 及 びPentium IIの CPUには 当 該 特 許 が 利 用 されたとし て 11 億 ドル 以 上 の 損 害 賠 償 金 を 求 めた Peter Detkinはこのような 買 い 集 めた 特 許 を 活 用 して 他 社 にライセンスを 強 要 する 会 社 を 特 許 搾 取 者 ( Patent extortionist)と 称 したが 5 誹 謗 と 訴 えられたため パテン トトロール に 変 えた 6 英 語 の Patent Troll に 含 まれる 諧 謔 は Patent extortionist ほどの 鋭 い 皮 肉 ではない Peter Detkinは 最 初 に パテントトロール という 言 葉 をただ 歓 迎 さ れない 原 告 の 代 名 詞 として 使 っていたが その 適 用 範 囲 は 2005 年 から 4 http://www.iptoday.com/news-article.asp?id=372&type=ip アクセス 日 :2010 年 7 月 20 日 5 Raymond P. Niro, Who is Really Undermining the Patent System Patent Trolls or Congress?, 6 J. MARSHALL REV. INTELL. PROP. L. 185 (2007) 6 謝 佑 鑫 : パテントトロール 問 題 の 対 処 手 段 米 国 の 禁 止 令 と 中 国 の 強 制 実 施 許 諾 世 新 大 学 法 学 院 大 学 院 生 卒 業 論 文 2007-5 -

Peter Detkinの 最 初 の 考 え 方 を 超 えてきた 例 えば 会 社 の 慣 例 として Intel 社 は 自 ら 実 施 しない 特 許 権 を 買 取 ることがある しかし 2005 年 以 降 のパテントトロールに 対 する 認 識 によれば Intel 社 が 上 記 の 買 取 った 特 許 権 を 主 張 する 行 為 も パテントトロール 行 為 に 該 当 する 可 能 性 があ る これはPeter Detkinが 予 想 できなかった 変 化 であろう 7 第 二 節 パテントトロールの 成 因 周 知 の 如 く 特 許 は 世 界 の 経 済 発 展 において 重 要 な 役 割 を 果 たしてきた 米 国 日 本 企 業 が 特 許 をもってビジネスにおける 成 功 を 収 めたに 伴 い 特 許 は 企 業 の 戦 略 に 組 み 込 まれ 特 許 の 活 用 も 今 までのない 新 しい 時 代 を 迎 えた 企 業 の 特 許 戦 略 から 言 えば 大 手 の 多 国 籍 企 業 は 現 在 防 衛 的 な 特 許 戦 略 から 攻 撃 的 な 特 許 戦 略 へ 変 更 するとともに ライバルとの 競 争 にお いて 攻 防 兼 備 の 特 許 戦 略 を 取 り 特 許 制 度 を 十 分 に 活 用 して 特 許 の 特 徴 を 生 かすことにより 企 業 の 利 益 の 最 大 化 を 図 っている この 勢 いに 乗 り パテントトロール 戦 略 は 新 たな 特 許 戦 略 手 段 として 生 まれた パテントトロールは 特 許 制 度 から 付 与 された 権 利 を 十 分 に 利 用 し 買 い 集 めた 特 許 を 活 用 して 他 社 にライセンスを 強 要 する という 手 段 で 最 大 の 経 済 利 益 を 求 めている 一.パテントトロールの 起 因 利 益 ひいては 巨 額 の 利 益 を 取 得 できることは 当 然 起 因 の 一 つである が 現 在 の 法 律 制 度 に 違 反 していないことも パテントトロール が 存 在 できる 前 提 である パテントトロールは 特 許 保 護 制 度 を 盾 に 自 分 が 保 有 している 特 許 を 剣 にして 特 許 制 度 のルールを 十 分 に 活 用 して 多 額 の 利 益 を 実 現 する ロンドンビジネススクールのMarkus G. Reitzig 達 は 米 国 の パテントトロール 行 為 を 研 究 した 結 果 米 国 の 特 許 権 侵 害 に 係 る 損 害 賠 償 額 の 算 定 方 法 には 不 備 があるため パテントトロール が 訴 訟 により 多 額 の 利 益 を 取 得 する 傾 向 は 強 いということを 発 見 した 多 くの 7 http://en.wikipedia.org/wiki/patent_troll アクセス 日 :2010 年 10 月 11 日 - 6 -

特 許 権 侵 害 事 件 において 特 許 権 者 が 侵 害 者 又 は 潜 在 的 な 侵 害 者 と 交 渉 で 取 得 したロイヤリティーよりも 裁 判 所 の 判 決 した 賠 償 金 のほうが 遥 かに 高 いので 被 侵 害 ( being infringed)は パテントトロール にとって より 有 利 な 選 択 肢 となった 8 パテントトロール は 正 に 非 故 意 の 侵 害 者 に 対 して 訴 訟 を 提 起 したり 訴 訟 を 提 起 すると 脅 威 したりすることに よって 利 益 の 最 大 化 を 図 っている 前 述 の 特 許 権 侵 害 に 係 る 損 害 賠 償 額 の 算 定 方 法 は 別 として パテント トロール が 生 まれた 原 因 は 少 なくとも 以 下 の 4 点 にある 1. 米 国 において 先 使 用 主 義 による サブマリン 特 許 の 存 在 は パ テントトロールが 活 躍 できる 制 度 上 の 原 因 である 所 謂 サブマリン 特 許 とは 大 まかに 言 えば 出 願 人 が 故 意 に 権 利 化 を 遅 滞 させたりして 公 開 されていないままで 数 年 間 潜 行 してから 突 如 し て 成 立 した 特 許 のことである サブマリン 特 許 は 長 く 発 明 の 内 容 を 非 公 開 のままにおくことが 可 能 であった 制 度 のもとでしか 発 生 できないもの である 米 国 では 2000 年 11 月 以 前 に 出 された 特 許 出 願 は 特 許 として 登 録 されるまで 公 開 されないため 潜 水 艦 のように 水 面 下 に 長 く 隠 れてか ら 急 に 水 面 に 現 れ 周 囲 を 驚 かせて 業 界 の 不 意 打 ちをかけるのみなら ず 特 許 に 係 る 技 術 の 利 用 者 に 重 大 な 損 害 を 与 えることにもなってしまう このようなサブマリン 特 許 戦 略 を 利 用 する 会 社 又 は 個 人 は 特 許 海 賊 ( patent pirates)とも 呼 ばれる 現 在 サブマリン 特 許 といえば 特 許 に よる 待 ち 伏 せ(patent ambush)と 連 想 されることが 多 い 9 サブマリン 特 許 が 数 多 く 存 在 している 現 象 は 米 国 特 許 制 度 の 特 徴 に 起 因 したものである その 一 米 国 特 許 制 度 では 先 発 明 主 義 が 採 用 され 特 許 の 有 効 期 間 は 成 立 日 から 起 算 する その 二 米 国 特 許 商 標 庁 は 成 立 してから 公 開 する という 特 許 審 査 制 度 を 実 行 している 特 許 出 願 から 公 開 までの 間 に 特 許 権 者 は 特 許 に 係 る 技 術 を 保 有 しているが その 8 Reitzig, Markus G., Henkel, Joachim and Heath, Christopher:On Sharks, Trolls, and Other Patent Animals - 'Being Infringed' as a Normatively Induced Innovation Exploitation Strategy,http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=885914 アクセス 日 :2010 年 10 月 30 日 9 ウィキペディア(Wikipedia)http://en.wikipedia.org/wiki/Submarine_patent アクセス 日 :2010 年 10 月 18 日 - 7 -

技 術 及 びその 権 利 者 が 公 開 されていないため 他 者 は 特 許 権 者 の 存 在 を 全 く 知 らない 状 態 で 当 該 技 術 を 実 施 してしまうことがあり 得 る 補 正 手 続 き を 繰 り 返 したりすることで 特 許 の 成 立 を 故 意 に 遅 らせ 技 術 が 普 及 するの を 待 ってから 特 許 権 を 突 如 して 成 立 させ 特 許 権 侵 害 訴 訟 を 起 こして 利 用 者 に 多 額 の 損 害 賠 償 を 請 求 するという 例 がしばしば 見 られた 各 国 に 指 摘 されたため 米 国 は 1995 年 に 特 許 法 改 正 を 行 い 特 許 権 の 有 効 期 間 を 出 願 日 より 20 年 間 に 改 正 した ただし 法 改 正 以 前 に 出 願 された 発 明 は 旧 法 を 適 用 するため 今 後 でも サブマリン 特 許 に 脅 威 される 可 能 性 がある 米 国 以 外 の 国 では 先 願 主 義 が 採 用 されているため 通 常 このよう な 問 題 はない 2. 特 許 出 願 の 急 増 は パテントトロール 戦 術 に 多 くの 合 法 的 な 特 許 権 を 提 供 するとともに 特 許 の 品 質 が 落 ちた 結 果 問 題 特 許 ゴミ 特 許 も 多 数 生 まれた 科 学 技 術 の 弛 まぬ 発 展 に 伴 い 一 部 の 分 野 における 技 術 が 日 増 しに 複 雑 になり イノベーション 成 果 も 勢 いよく 現 れてきた 微 電 子 のようなハイ テク 技 術 分 野 において 携 帯 電 話 MP3 プレーヤーやコンピューターに は 数 えきれないほどの 特 許 技 術 が 利 用 されている 半 導 体 や 電 子 回 路 の 技 術 を 利 用 する 製 品 の 開 発 において ライセンスを 得 ていない 特 許 技 術 の 使 用 は 回 避 できない 特 許 の 藪 を 通 り 抜 けるために 半 導 体 及 びマイクロエ レクトロニクス 分 野 の 特 許 権 者 は 自 分 の 保 有 する 特 許 権 の 潜 在 的 な 価 値 を 認 識 しておく 必 要 がある 特 許 は 排 他 性 を 有 するため 同 一 の 発 明 創 作 は 一 件 の 特 許 しか 取 得 できない それに 加 えて ほとんどの 国 では 先 願 主 義 が 採 用 され 発 明 者 は 先 手 を 打 って 出 願 するために 未 熟 な 発 想 ひいては 自 分 が 全 く 進 出 していない 分 野 に 対 しても とにかく 出 願 してい る 一 方 有 効 な 特 許 戦 略 は 防 衛 機 能 を 有 し 会 社 の 経 営 を 成 功 に 導 く 主 な 要 素 と 位 置 付 けられている 戦 略 的 な 特 許 出 願 は 多 くの 会 社 の 経 営 仕 組 み において ますます 大 きな 役 割 を 果 たしている 防 衛 特 許 出 願 (defensive - 8 -

patent)は 企 業 が 自 社 の 特 許 権 を 固 め 他 社 からの 脅 威 を 防 衛 するため の 重 要 な 競 争 手 段 となっている この 競 争 手 段 が 広 く 利 用 された 結 果 世 界 範 囲 の 特 許 件 数 は 日 増 しに 増 えつつある 商 戦 において 防 衛 特 許 は 攻 守 能 力 兼 備 の 武 器 となり 軍 備 拡 張 競 争 と 似 ているパテントレース ( patent race) 10 も 激 しく 展 開 された 特 に 医 薬 通 信 情 報 技 術 などの ハイテク 技 術 分 野 のパテントレースは 極 めて 激 しい IBM Philips Samsung Panasonic Sony 等 の大 手 企 業 は 年 間 の 特 許 出 願 件 数 は 数 千 件 ひいては 数 万 件 となっている 米 国 の 特 許 出 願 の 審 査 において 審 査 官 の 主 観 性 特 許 審 査 組 織 の 無 秩 序 性 審 査 技 術 の 制 限 性 審 査 根 拠 の 不 明 確 性 審 査 期 間 の 限 定 性 など 様 々な 要 素 に 影 響 された 結 果 近 年 来 米 国 の 特 許 出 願 件 数 が 著 しく 増 加 した 1930 年 から 1982 年 まで 連 邦 巡 回 上 訴 裁 判 所 の 成 立 準 備 期 間 中 に 米 国 の 特 許 出 願 成 長 率 は 1% 以 下 であったが 1983 年 2002 年 の 間 特 許 登 録 件 数 は 2 倍 も 増 え( 年 間 62,000 件 から 年 間 177,000 件 まで 増 加 し 年 間 成 長 率 は 5.7%である) この 間 の 特 許 出 願 件 数 も 激 増 して 年 間 出 願 件 数 は 35 万 件 に 達 した 特 許 登 録 件 数 の 急 成 長 よりも 特 許 の 品 質 低 下 のほうが 更 に 注 目 を 集 め ている New York University School of Lawの 情 報 法 政 策 学 研 究 所 教 授 であるBeth Simone Noveck 氏 は 特 許 制 度 の 不 備 は 特 許 品 質 危 機 の 形 で 現 れ 特 許 権 の 権 利 範 囲 が 不 明 確 であったり 権 利 範 囲 が 広 すぎて 新 規 性 が 欠 如 したりするなどの 問 題 があり 憲 法 に 規 定 される 科 学 と 有 用 な 技 術 の 発 展 に 資 する という 目 的 を 達 成 することができない 現 状 である と 語 った 12 国 際 統 計 データによると 20 世 紀 90 年 代 米 国 による 発 明 出 願 の 世 界 範 囲 における 特 許 登 録 件 数 の 成 長 率 は 米 国 特 許 庁 における 特 許 登 録 件 数 の 成 長 率 の 半 分 にも 達 していない 13 米 国 特 許 庁 が 新 規 性 や 価 値 11 10 所 謂 パテントレースとは 競 合 企 業 が ビジネス 的 な 潜 在 価 値 を 有 する 新 発 想 を 最 先 に 発 見 し 且 つそれに 関 す る 特 許 権 を 取 得 するために 行 う 競 争 をいう 一 番 最 初 にゴールインする 会 社 はその 特 許 権 の 所 有 者 になり すべて の 利 益 を 独 占 する このレースが 行 われた 結 果 社 会 収 益 よりも 多 額 の 発 明 コストが 発 生 してしまう 参 照 : 米 国 william m. landes and richard a. posner, the political economy of intellectual property law 北 京 大 学 出 版 社 2005 年 発 行 第 382 頁 11 楊 濤 : パテントトロールの 解 読 を 中 心 にした 特 許 権 侵 害 への 救 済 における 永 久 差 止 命 令 の 法 的 道 具 としての 解 釈 広 西 政 法 管 理 幹 部 学 院 学 報 2010 年 7 月 12 Beth Simone Noveck, Peer To Patent : Collective Intelligence, Open Review, And Patent Reform. Harv. J. Law & Tec 123 (Fall, 2006), pp20. 13 米 国 AdamB.Jaffe JoshLerner: Innovation and its Discontents [M] 北 京 : 中 国 人 民 大 学 出 版 社 2007 年 第 11 頁 - 9 -

を 有 しない 発 明 にも 特 許 権 を 付 与 してしまったことも 前 述 した 特 許 登 録 件 数 の 成 長 率 から 分 かる 法 律 の 実 務 からすれば 特 許 の 実 体 審 査 制 度 を 徹 底 している 米 国 においても 安 定 性 を 欠 く 特 許 の 割 合 は 高 い 米 国 において 90% 以 上 の 特 許 侵 害 訴 訟 は 審 理 段 階 に 入 らず 証 拠 が 提 示 され た 後 すぐ 和 解 するのが 一 般 的 である 審 理 段 階 に 入 った 10% 未 満 の 特 許 侵 害 訴 訟 において 発 明 特 許 権 の 無 効 率 は 46%であり 意 匠 権 の 無 効 率 は 75%である 米 国 国 会 が 行 った 企 業 調 査 によると 米 国 企 業 の 半 分 以 上 が 現 在 の 特 許 の 品 質 に 対 して 不 満 を 持 ち 特 許 の 品 質 が 以 前 より 高 ま ったと 答 えた 企 業 は 13% 未 満 であり 米 国 特 許 の 品 質 が 向 上 できそうと 期 待 する 企 業 は 20% 未 満 である IBM Microsoft Sun HPなどの 米 国 大 手 企 業 も 特 許 の 品 質 に 対 して 不 満 が 多 い 14 特 許 登 録 要 件 を 満 たさない 特 許 が 多 く 成 立 すれば 特 許 権 者 が 粗 悪 特 許 ( low/ poor quality patent) 問 題 特 許 (questionable patent) 誤 特 許 ( bad patent)の 特 許 権 により 特 許 侵 害 への 救 済 策 を 利 用 してライバル を 脅 威 したり 自 由 競 争 を 妨 げたりすることができるため イノベーショ ンと 競 争 を 促 進 するという 特 許 制 度 の 最 初 の 目 的 及 び 趣 旨 に 反 すること となる 問 題 特 許 とゴミ 特 許 が 生 まれた 原 因 は 以 下 の 3 点 にある ( 1) 制 度 上 の 原 因 については 特 許 権 は 無 形 資 産 の 一 つとして 物 質 性 客 観 性 及 び 実 在 性 を 有 しないため 特 許 を 読 む 者 は 発 明 を 頭 の 中 で 想 像 して 理 解 するしかない 一 方 特 許 制 度 の 有 効 な 施 行 を 確 保 するために 特 許 発 明 をある 範 囲 に 特 定 し その 範 囲 をすべての 関 係 者 に 理 解 納 得 し てもらう 必 要 がある 15 したがって 特 許 法 には 発 明 の 無 形 な 範 囲 を 特 定 するための 制 度 が 設 定 され すなわち 書 類 が 形 式 登 録 要 件 が 中 心 政 府 機 関 の 審 査 が 手 続 きである 特 許 登 録 制 度 が 設 定 されている 特 許 法 に 定 められたこのような 範 囲 特 定 制 度 は 有 形 物 の 場 合 のように 権 利 の 有 無 14 魏 衍 亮 : ゴミ 特 許 及 びゴミ 特 許 の 対 処 http://article.chinalawinfo.com/article_detail.asp?articleid=41062 アクセス 日 :2010 年 10 月 18 日 15 Christopher A. Cotropia : patent Claim Interpretation and Information Costs, Tulane University School of Law,Public Law and Legal Theory Research Paper Series Research Paper [ DB/ OL ]. No.04-08,October 2004. http://ssrn.com/abstract = 697084. - 10 -

や 権 利 範 囲 の 境 界 を 精 確 に 判 断 することができないため 問 題 特 許 の 発 生 に 制 度 上 の 余 地 を 提 供 した ( 2) 審 査 上 の 原 因 については 増 え 続 けてきた 特 許 出 願 に 迫 られ 各 国 の 審 査 官 は 審 査 品 質 と 審 査 効 率 のジレンマに 陥 った 特 許 の 審 査 及 び 登 録 の 品 質 を 図 れば 審 査 待 ち 特 許 出 願 が 多 く 遅 滞 してしまう 可 能 性 がある 一 方 審 査 の 効 率 化 を 図 れば 登 録 要 件 を 満 たさない 出 願 も 特 許 成 立 して しまうリスクがある 日 増 しに 増 加 する 審 査 待 ち 出 願 に 対 応 するため 各 国 の 特 許 庁 は 審 査 官 を 大 幅 に 増 員 せざるを 得 なくなり 当 然 のことながら 新 米 審 査 官 はベテラン 審 査 官 ほどの 経 験 能 力 を 持 っていない 特 許 出 願 の 件 数 が 増 えるにつれて だんだんと 特 許 出 願 件 数 の 増 加 審 査 官 の 増 員 特 許 出 願 件 数 の 再 増 加 審 査 官 の 再 増 員 という 悪 循 環 に 陥 った よ り 一 層 深 刻 なことに 煩 雑 で 骨 が 折 れる 仕 事 に 迫 られる 審 査 官 は あまり 深 く 考 えずに 特 許 権 を 付 与 しがちになり 大 量 の 時 間 と 手 間 をかけて 深 く 調 査 する 余 裕 はない また 技 術 の 進 歩 が 速 すぎて 身 につけた 知 識 が 時 代 に 遅 れてしまい 新 たな 技 術 に 関 する 特 許 出 願 に 対 応 するのに 自 分 の 知 識 を 更 新 しなければならない 審 査 官 もいる しかし 仕 事 に 追 われている ため 審 査 官 たちは 新 しい 知 識 を 吸 収 する 時 間 と 体 力 を 失 った ( 3) 調 査 上 の 原 因 については 現 在 新 たな 技 術 分 野 の 公 知 技 術 のデ ータベースが 完 備 していないのみならず 公 知 技 術 の 調 査 範 囲 も 十 分 に 広 いものでない 結 果 公 知 技 術 の 調 査 においては 最 初 から 回 避 できない 欠 陥 があり 特 許 出 願 の 新 規 性 と 進 歩 性 の 判 断 に 影 響 を 与 える 技 術 情 報 が 審 査 に 役 立 てないことがよくある 現 在 各 国 の 特 許 庁 は 主 に 7 カ 国 2 機 関 ( 中 米 日 英 独 フランス スイス EPO WIPO)の 特 許 文 献 か ら 調 査 を 行 っている 世 界 知 的 所 有 権 機 関 の 資 料 によれば 全 世 界 毎 年 の 発 明 の 90%~95%は 特 許 文 献 から 調 査 でき 残 りの 僅 か 5%~10%は 非 特 許 文 献 に 記 載 されている 16 しかし ソフトウェア ビジネスモデル 遺 伝 子 技 術 などの 新 たな 分 野 も 特 許 対 象 になっているが それに 関 する 技 16 黎 運 知 孟 奇 勲 : 問 題 特 許 の 発 生 及 び 対 処 科 学 技 術 2009 年 第 5 期,http://210.76.125.48:7001/n1143/n1240/n1465/n242664/n242712/8346323.ht ml,アクセス 日 :2010 年 10 月 18 日 - 11 -

術 の 蓄 積 がまだ 不 十 分 であり 完 備 な 特 許 文 献 データベースがまだできて いない 現 段 階 では 審 査 官 はこれまでの 文 献 のみにより これら 新 たな 技 術 の 特 許 出 願 に 対 する 技 術 調 査 と 実 体 審 査 を 有 効 に 行 うことができない 結 果 ソフトウエア ビジネスモデル 遺 伝 子 技 術 に 関 する 特 許 の 品 質 が 高 くなく 問 題 特 許 もたくさん 生 まれた パテントトロール は 正 にこの 時 期 を 利 用 して 多 くの 特 許 を 組 み 合 わせてなる 特 許 群 に 自 分 の 特 許 を 隠 し 実 際 に 作 用 する 特 許 がどれなのか を 他 人 に 分 かりにくくするとともに 特 許 制 度 のルールを 十 分 に 活 用 して 獲 物 を 陰 から 奇 襲 する 特 許 権 侵 害 と 訴 えられた 獲 物 はよく 慌 て ふためき 対 応 措 置 に 困 却 し 高 い 訴 訟 コスト 及 び 裁 判 所 の プロパテン ト 傾 向 高 い 敗 訴 の 可 能 性 を 考 慮 した 結 果 和 解 とライセンスを 受 けて パテントトロールに 妥 協 し ロイヤリティーの 支 払 いなど パテントトロ ールからの 法 外 な 要 求 に 屈 せざるを 得 ない 上 述 したことも 羊 の 皮 を 被 った 狼 みたいな パテントトロール がよく 被 侵 害 される 要 因 である 3.インターネットバブル 金 融 危 機 が 導 く 破 産 による 特 許 権 の 非 訴 的 な 権 利 者 からパテントトロールへの 移 転 ネットバブル 崩 壊 以 降 新 興 企 業 の 倒 産 が 相 次 いだため 特 許 訴 訟 が 激 増 するかどうかと 懸 念 する 人 が 非 常 に 多 かった 一 方 そのような 形 勢 の 下 で 倒 産 した 企 業 は 自 社 の 特 許 を 安 く 売 るしかなかったうえ 上 記 企 業 の 一 部 にとって それら 特 許 が 自 社 の 唯 一 の 財 産 だったかもしれない 特 許 権 者 が 非 訴 的 な 企 業 であるため 他 社 による 該 当 する 特 許 の 使 用 につい て 特 許 権 侵 害 訴 訟 を 提 出 する 可 能 性 が 低 い と 対 象 企 業 が 判 定 したが 上 述 のような 形 勢 のせいで 特 許 権 者 が 変 更 すること 例 えば 特 許 権 者 が 破 産 するか 又 は 発 明 の 特 許 権 が パテントトロール にライセンスされ るか 又 は 特 許 権 者 が 自 社 の 経 営 モデルを 生 産 サービスソリューションか ら パテントトロール に 変 更 したことが 多 かったため 日 和 見 主 義 を 貫 いているパテントトロールはこの 機 会 に 乗 じて 大 量 の 特 許 権 を安 価 に 買 い集 めて 上 記 対 象 企 業 に 対 して 特 許 権 侵 害 訴 訟 を 提 出 した 4. 特 許 投 資 という 観 念 の 形 成 及 び 知 財 サービス 業 界 の 発 展 により 知 財 - 12 -

サービス 業 界 の 日 々 拡 大 している 市 場 の 1 つのソリューションとして パ テントトロール が 生 まれた 特 許 制 度 は 互 いの 利 益 の 折 衷 から 生 まれたものである 発 明 のコスト を 回 収 し かつ 利 益 を 取 得 するために 発 明 者 には 一 定 期 間 一 定 範 囲 その 発 明 を 独 占 的 に 使 用 しうる 権 利 を 付 与 する 一 方 発 明 創 造 を 励 まし 科 学 技 術 の 発 展 進 歩 を 促 するために その 発 明 創 造 の 内 容 を 社 会 に 公 開 す ることも 求 められている 実 際 には 特 許 制 度 が 生 まれた 当 初 及 びその 後 の 一 定 期 間 内 では 特 許 権 の 活 用 はほとんど 上 記 のようなモデルに 従 っ て 行 われており 伝 統 的 な 製 造 業 も 繁 栄 した 市 場 経 済 の 急 速 な 成 長 に 伴 い 各 国 企 業 の 経 営 運 営 モデルも 大 幅 に 変 更 したので 伝 統 的 な 製 造 業 と 異 なっている 知 財 サービス 業 界 も 特 許 権 の 新 しい 活 用 モデルとして 生 まれて 次 第 に 活 躍 してきた 知 財 サービス 業 界 は 米 国 から 起 すものである 特 許 権 の 付 与 は 実 際 に 新 たな 観 念 ではないが 過 去 の 長 い 期 間 内 に IBMなどの 数 社 以 外 のほとん どの 会 社 は 自 社 内 のみで 特 許 権 の 付 与 を 行 っていた 独 立 の 知 的 財 産 権 管 理 とは Thomas Stewartが 1994 年 に 財 富 という 雑 誌 に 初 めて 提 出 した 未 来 の 経 済 の 核 心 である 知 的 資 本 ( intellectual capital)とい う 概 念 からなるものである それ 以 降 知 的 財 産 権 の 先 駆 者 が 企 業 に 特 許 権 の 付 与 や 特 許 の 活 用 などのサービスを 提 供 し 始 めており 1999 年 にこのような 知 的 財 産 権 管 理 活 動 がピークを 迎 えていた Rivette Klein が 自 分 の 本 に 述 べた 現 象 のように 多 くの 企 業 が 自 社 の 知 的 財 産 権 を 利 用 していないが これら 知 的 財 産 権 を 適 宜 資 本 化 すれば 企 業 の 収 入 も 大 幅 に 増 加 することが 可 能 である ネットバブル 崩 壊 後 倒 産 した 企 業 には 実 際 大 量 の 資 源 が 埋 蔵 されているという 認 識 が 業 界 に 伝 わっていた 2003 年 以 来 Intellectual Ventures ThinkFire NTP Rembrandt MercExchange IBM Amazon 等 の 会 社 を 業 界 の 代 表 的 な 企 業 として 知 財 サービスの 新 たなうねりは 再 度 盛 り 上 がった 知 財 サービスを 提 供 す る 企 業 にとって 特 許 権 の 主 な 活 用 方 法 は 商 品 の 生 産 製 造 ではなく 特 許 の 集 中 管 理 分 析 増 値 取 引 等 例 えば 特 許 投 資 特 許 評 価 特 許 - 13 -

情 報 提 供 特 許 訴 訟 支 援 特 許 経 営 特 許 分 析 特 許 競 売 特 許 資 産 管 理 等 のようなことである Intellectual Ventures ThinkFire Ipotential InteCap Ocean Tomo 等 の 大 手 な 特 許 サービス 会 社 の 登 場 運 営 は 米 国 社 会 における 特 許 投 資 の 観 念 の 成 熟 を 示 している 17 特 許 権 の 上 述 のよう な 新 しい 活 用 方 法 は 企 業 の 主 要 な 経 営 戦 略 として 世 界 中 で 各 種 企 業 に 重 視 されていた 特 許 権 者 に 利 益 を 与 えることを 目 的 とする 知 的 財 産 権 は 競 合 他 社 に 打 撃 を 与 える 重 要 な 武 器 としてもよく 利 用 されている 最 も 注 目 されているのは 伝 統 的 な 生 産 製 造 による 利 益 に 比 べ 特 許 権 を 上 述 の ように 活 用 することにより 得 られる 利 益 のほうが 非 常 に 大 きい したがっ て 巨 額 の 利 益 によって 駆 り 立 てられている 各 企 業 や 個 人 は 商 業 利 潤 の 獲 得 を 目 的 として 知 的 財 産 権 を 最 大 活 用 するための 様 々な 運 営 モデルを 作 り 出 したところ 知 的 財 産 権 の 取 引 形 態 も 漸 次 複 雑 になってきた 例 え ば 特 許 権 の 活 用 のために 特 許 権 の 付 与 実 施 にたずさわる 会 社 知 的 財 産 産 業 分 析 顧 問 知 的 財 産 仲 介 センター 知 的 財 産 競 売 会 等 のような 機 関 が 存 在 しているが 資 金 の 出 所 として 私 募 資 金 知 財 派 生 性 金 融 商 品 知 財 融 資 機 関 等 が 挙 げられている 特 許 権 の 付 与 販 売 賠 償 金 の 請 求 等 はいずれも 市 場 競 争 ルール(ゲームルール)が 成 熟 した 産 物 であるが 各 知 財 サービスが 複 雑 になってきたため 知 的 財 産 による 利 益 の 取 得 を 目 的 とする いわゆる ゲームプレーヤー が 選 択 できる 商 業 モデルも 多 くな った 18 パテントトロール とは 知 財 サービス 業 界 の 市 場 の 拡 大 により 生 まれるあるモデルである 以 上 をまとめると パテントトロール は 米 国 で 生 まれて その 後 全 世 界 的 に 広 げられるものである 上 記 第 1 点 について サブマリン 特 許 の 存 在 は パテントトロール が 米 国 で 盛 んに 行 われる 起 因 である 特 許 制 度 が 成 熟 した 国 や 地 域 のうち ただ 米 国 特 許 制 度 では 先 発 明 主 義 が 採 用 されていたため 米 国 で サブマリン 特 許 が 数 多 く 存 在 している ( サブマリン 特 許 について 後 の 記 載 を 参 照 ) パテントトロールは 他 者 に 全 く 知 られない サブマリン 特 許 を 十 分 に 利 用 して 巨 額 の 賠 償 17 王 会 良 和 金 生 : 特 許 釣 餌 : 企 業 特 許 戰 略 新 たな 趨 勢 電 子 知 的 財 産 雑 誌 第 2007 年 第 3 期 18 黃 紫 旻 : パテントトロールと 企 業 の 対 策 台 湾 国 立 政 治 大 学 知 的 財 産 研 究 所 修 士 論 文 2009-14 -

金 ロイヤリティーの 支 払 いを 求 めていた しかし 米 国 以 外 のほとんど の 国 では 先 願 主 義 が 採 用 されるうえ 特 許 無 効 特 許 異 議 等 の 制 度 も 行 われているため サブマリン 特 許 に 脅 威 される 問 題 がない 上 記 第 2 3 4 点 は パテントトロールが 米 国 以 外 の 国 や 地 域 において も 誕 生 存 在 できる 主 因 である 二.パテントトロール 発 展 拡 大 の 背 景 1. 知 的 財 産 権 制 度 の 発 展 による 特 許 権 保 護 の 強 化 現 在 知 的 財 産 権 の 国 際 貿 易 における 地 位 が 高 くなってきているため 商 品 貿 易 サービス 貿 易 に 対 しても 技 術 力 が 求 められている 世 界 経 済 の 形 態 は エネルギー 原 料 資 本 の 消 耗 を 特 徴 とする 伝 統 的 な 工 業 経 済 か ら 知 識 情 報 の 活 用 を 特 徴 とする 知 識 経 済 に 転 換 しているところである 知 的 労 働 の 成 果 の 市 場 経 済 における 指 導 的 地 位 が 顕 著 になったため 有 形 商 品 における 知 的 財 産 権 は 市 場 競 争 の 基 礎 ポイントになった 特 許 制 度 は 知 識 経 済 時 代 の 規 則 を 構 成 している 中 心 的 な 要 素 であり 知 識 経 済 の 強 化 や 発 展 にとっても 重 要 な 保 障 である 知 的 財 産 権 は 新 しい 貿 易 障 壁 多 国 籍 企 業 が 国 際 市 場 を 独 占 する 道 具 になっていくとともに 知 的 財 産 戦 略 も 多 国 籍 企 業 の 海 外 事 業 拡 大 の 主 な 手 段 としてよく 利 用 されて いる 19 知 的 財 産 権 の 役 割 を 果 たすことができるのには 成 熟 した 知 的 財 産 権 制 度 が 必 要 であるが 知 的 財 産 権 の 主 要 保 護 対 象 としての 特 許 権 保 護 の 重 要 性 は 政 府 社 会 企 業 の 共 通 認 識 となった しかし 特 許 権 保 護 を 強 化 することも パテントトロールがその 策 略 を 順 調 に 実 現 できる 前 提 である パテントトロール が 存 在 できるのは 特 許 差 止 命 令 制 度 における 欠 陥 を 利 用 して 多 額 の 利 益 を 取 得 するからである 特 許 制 度 は 発 明 者 に 対 し て 独 占 権 排 他 的 権 利 を 付 与 するので 発 明 者 は より 進 歩 的 な 技 19 徐 明 華 包 海 波 等 : 知 的 財 産 による 強 国 の 道 - 国 際 知 的 財 産 戦 略 研 究 北 京 知 的 財 産 出 版 社 2003 年 第 49 ~61 頁 - 15 -

術 や 製 品 を 創 出 して 市 場 を 占 有 し 消 費 者 に 認 知 されるために 時 間 やお 金 を 大 量 に 費 やして 冒 険 しても 構 わない このように 科 学 技 術 の 発 展 か らすれば 特 許 権 が 一 旦 侵 害 されると 特 許 権 者 が 自 動 的 に 特 許 差 止 命 令 を 獲 得 するのは 無 理 からぬことである 差 止 命 令 を 請 求 した 特 許 権 を 実 際 に 実 施 しなくても 調 停 和 解 の 場 合 特 許 保 有 者 は 強 い 交 渉 力 を 持 ち 得 る 連 邦 控 訴 裁 判 所 が 被 疑 侵 害 者 に 対 する 処 罰 を 強 化 するため 膨 大 な 数 の 特 許 を 保 有 する 企 業 の 交 渉 力 は 強 くなってきた このような 交 渉 力 は 他 者 を 威 嚇 する 武 器 になるおそれがある 20 さらに 終 局 的 差 止 命 令 の 獲 得 は 一 定 条 件 のもとで パテントトロール が 現 在 の 法 律 制 度 に 違 反 せずに 特 許 ゆすりを 行 える 温 床 になる 可 能 性 があるという 結 論 が 得 られ る ebay 事 件 後 の 終 局 的 差 止 命 令 付 与 について 米 国 裁 判 所 の 態 度 は 変 わ った 具 体 的 には 終 局 的 差 止 命 令 の 付 与 を ほとんど 自 動 的 に ( virtually automatic) 行 うことができず 一 定 条 件 ( 4 つの 要 素 によ る 検 出 方 法 )を 満 たし かつ 訴 訟 両 方 の 利 益 のバランスを 確 保 できる 場 合 のみに 特 許 侵 害 の 救 済 行 為 として 行 うことができる このような 転 換 に より 差 止 命 令 制 度 の 画 一 性 や 硬 直 性 が 多 少 弱 まっており 特 許 保 有 人 に 対 しても 差 止 命 令 の 取 得 の 絶 対 性 自 動 性 が 弱 くなっている さもなけ れば 硬 直 的 な 特 許 差 止 命 令 制 度 下 で 特 許 権 者 の 救 済 権 が 拡 大 されすぎ るとともに 権 利 侵 害 者 ( 過 失 / 悪 意 による 侵 害 にもかかわらず)の 権 利 訴 求 の 能 力 法 益 が 害 されることは 必 然 的 である さらに パテントトロ ール にとっても 公 平 公 正 利 益 均 衡 という 特 許 の 立 法 主 旨 を 覆 し 差 止 命 令 制 度 を 濫 用 する 機 会 が 与 えられていると 言 えるのだろう 21 2. 知 的 財 産 の 企 業 における 戦 略 地 位 が 高 くなり かつパテントトロール の 策 略 により 巨 額 利 益 が 得 られるため 主 要 戦 略 手 段 としてパテントトロ ールの 業 界 における 地 位 が 高 く 認 められるようになった 知 的 財 産 により 企 業 が 自 社 の 競 争 力 を 向 上 することができるのは 知 的 財 産 により 企 業 が 技 術 的 な 優 位 を 占 めることができ 商 標 を 保 護 でき 20 [ 澳 ]Peter Drahos John Braithwaite: Information Feudalism [M] 北 京 知 的 財 産 出 版 社 2005 年 版 第 189~190 頁 21 楊 濤 : 特 許 権 侵 害 救 済 における 終 局 的 差 止 命 令 についての 法 律 道 具 化 解 釈 - 专 利 渔 翁 の 解 読 を 中 心 に 広 西 政 法 管 理 幹 部 学 院 学 報 2010 年 7 月 - 16 -

基 準 を 順 調 に 形 成 できるからである 22 企 業 知 的 財 産 戦 略 を 最 もうまく 利 用 している 国 である 日 本 において 各 企 業 は 知 的 財 産 基 本 法 知 的 財 産 戦 略 大 綱 知 的 財 産 の 創 造 保 護 及 び 活 用 に 関 する 推 進 計 画 など の 政 策 のもとで 知 的 財 産 の 創 造 保 護 及 び 活 用 により 企 業 の 発 展 拡 大 を 推 進 している これも 日 本 が 世 界 有 数 の 経 済 強 国 となった 原 因 であ る このように 知 的 財 産 の 活 用 は 企 業 の 持 続 的 な 発 展 の 成 否 を 左 右 する 大 きな 要 因 である 企 業 知 的 財 産 戦 略 として 企 業 特 許 戦 略 企 業 ブラン ド 戦 略 企 業 営 業 秘 密 戦 略 などが 挙 げられている 最 も 慣 用 されており かつ 最 も 重 要 な 戦 略 である 企 業 特 許 戦 略 は 攻 撃 的 な 特 許 戦 略 防 衛 的 な 特 許 戦 略 に 分 けられており 両 者 とも 自 社 の 状 況 及 び 業 界 の 状 況 に 基 づ いて 適 宜 実 施 しなければなれない 最 大 の 経 済 利 益 を 獲 得 できる 効 果 的 な 方 法 であるパテントトロールは 多 くの 企 業 に 採 用 されており 企 業 特 許 戦 略 の 重 要 な 構 成 として 実 施 されている パテントトロールが 各 企 業 に 重 視 されているのは 特 許 のこのような 活 用 モデルにより 大 きな 利 潤 が 得 られるからである 世 界 中 において 特 許 及 び 特 許 権 付 与 などの 活 動 に 関 わる 金 額 は 急 速 に 拡 大 している 例 えば 特 許 の 活 用 によりIBM TIは 毎 年 10 億 ドル 以 上 の 収 入 を 得 られる た だ 米 国 において 技 術 のライセンスによる 年 収 は 450 億 ドルに 達 している ため 世 界 においてはこの 金 額 は 約 1000 億 ドルであり かつ 増 える 一 方 だ 23 一 方 特 許 権 者 が 特 許 権 侵 害 行 為 の 発 生 を 証 明 できれば 侵 害 賠 償 金 特 許 差 止 命 令 という 対 応 する 救 済 措 置 が 必 ず 行 われる この 侵 害 賠 償 金 の 金 額 は 合 理 的 な 特 許 使 用 料 利 益 損 害 から 計 算 されている 米 国 連 邦 最 高 裁 判 所 は 通 常 より 適 当 かつ 合 理 的 な 特 許 使 用 料 から 計 算 す るのではなく 利 益 損 害 から 計 算 しているため 特 許 権 者 は 合 理 的 な 特 許 使 用 料 と 利 益 損 害 の 両 方 から 算 出 された 金 額 の 和 に 該 当 する 賠 償 金 を 得 られる 場 合 もある このように 高 額 の 訴 訟 費 用 を 権 利 侵 害 者 と 一 緒 に 受 け 持 つ 一 方 故 意 侵 害 による 3 倍 の 賠 償 金 額 を 得 られることによ 22 Markus Reitzig Strategic Management of Intellectual Property MIT Sloan Management Review Spring 2004 Vol. 45 Issue 3 p35-40 6p 1 chart 23 特 許 と 技 術 調 査 載 経 済 学 家 2005 年 10 月 22 日 - 17 -

り パテントトロールは 大 きな 利 益 を 獲 得 することができる 24 上 記 分 析 のとおり 特 許 侵 害 賠 償 金 について 米 国 の 裁 判 所 の 計 算 方 法 が 妥 当 ではないため パテントトロール は 訴 訟 により 巨 額 の 賠 償 金 を 手 に 入 れる 傾 向 がある 法 律 上 の 権 利 救 済 の 方 法 として 登 場 した 特 許 差 止 命 令 制 度 は パテントトロールが 高 額 な 利 潤 を 取 るために 利 用 される 合 法 的 な 武 器 になってしまう 訴 訟 審 理 の 前 に 被 疑 侵 害 者 の 業 務 を 止 められ る 暫 定 的 差 止 命 令 はすでに 特 許 侵 害 訴 訟 において 被 疑 侵 害 者 による 抗 弁 に 悪 影 響 を 与 える 不 安 要 素 となった つまり 権 利 侵 害 紛 争 について 協 議 する 際 に 特 許 保 有 者 と 被 疑 侵 害 者 との 地 位 が 対 等 ではなくなった この ような テーブルを 傾 かせる こと 又 は 特 許 保 有 者 と 被 疑 侵 害 者 との 地 位 のバランスを 変 更 させることによる 結 果 の 1 つは 訴 訟 の 判 決 で 権 利 侵 害 との 判 断 であれば 特 許 保 有 者 が 権 利 侵 害 者 の 業 務 を 止 める 終 局 的 差 止 命 令 を 獲 得 するか 又 は 相 当 な 賠 償 金 をもらうこととする 25 3. 特 許 が 集 まっているため パテントトロールに 襲 われる 主 な 分 野 にな った 先 端 技 術 分 野 伝 統 的 な 業 種 において 製 品 の 技 術 特 許 掘 り 起 こすを 重 視 する 企 業 は 通 常 該 業 界 の 技 術 発 展 趨 勢 を 把 握 することができるが 先 端 技 術 分 野 例 えば 情 報 ソフトウェア 電 子 医 薬 等 の 分 野 において 特 許 の 抜 け 穴 が 多 い 2002 年 以 降 に 米 国 特 許 商 標 庁 により 特 許 権 が 付 与 されたソ フトウェア 発 明 は 2.5 万 件 を 超 え 当 該 庁 により 特 許 された 発 明 の 年 毎 の 総 数 の 15% 以 上 を 占 めている しかし 技 術 の 発 展 が 急 速 であるため たとえMicrosoft Oracle Adobe 等 の 業 界 のボスでも 自 主 開 発 自 主 出 願 により 特 許 障 壁 をすべて 回 避 することができず 自 発 的 にまたは 受 動 的 に 他 人 のソフトウェア 技 術 ライセンスを 求 めなければならない 一 方 特 許 出 願 成 立 した 後 短 期 間 のうちに 権 利 者 が 特 許 訴 訟 を 提 起 するため 先 端 技 術 分 野 の 企 業 にとって 他 人 の 特 許 権 への 侵 害 を 回 避 することも 困 難 になった 実 際 には 20 世 紀 90 年 代 から 特 許 権 付 与 の 基 準 審 査 体 24 Gwilym Roberts Patent Trolls-New Name Old Problem?.CIPA Journal. August 2005 pp523 25 [ 米 ]Adam B. Jaffe Josh Lerner: Innovation and Its Discontents:How Our Broken Patent System is Endangering Innovation and Progress and What to do About It [M] 北 京 : 中 国 人 民 大 学 出 版 社 2007 年 第 102 頁 - 18 -

制 等 から 米 国 の 特 許 品 質 特 に 生 物 技 術 コンピュータソフトウェア ビジネス 方 法 等 についての 特 許 の 品 質 を 厳 しく 批 判 していた 学 者 は 多 か った この 10 年 間 には 先 端 科 学 技 術 産 業 の 速 くて 猛 烈 な 発 展 に 伴 い 世 界 の 特 許 出 願 数 が 激 増 してきた また 特 許 出 願 内 容 が 複 雑 高 度 化 して いるため 大 量 の 先 端 新 技 術 を 利 用 している 市 場 主 体 として 先 行 技 術 の 調 査 把 握 することはより 難 しくなった 特 許 の 情 報 量 が 非 常 に 多 いため 企 業 にとって すごく 手 間 がかかる 特 許 の 調 査 分 析 は 重 い 経 済 的 負 担 で ある よって 相 当 的 な 企 業 は 該 当 する 特 許 について 全 面 的 に 検 索 分 析 することをできず パテントトロールの 落 とし 穴 にはまってしまっ た 26 さらに 一 部 の 大 手 企 業 が 自 社 の 優 位 性 に 頼 って 小 さな 会 社 を 抑 圧 する という 行 為 も パテントトロールが 存 在 できる 要 因 である 4. 特 別 な 技 術 的 特 徴 を 有 し かつ 経 験 が 欠 如 している 金 融 業 のような 業 種 は パテントトロール の 主 要 ターゲットになった 27 米 国 において 先 端 新 技 術 以 外 の 金 融 業 は パテントトロール の 攻 撃 目 標 になっている その 原 因 は 下 記 3 点 である ( 1) 金 融 系 ビジネス 方 法 の 特 許 と 普 通 の 特 許 とを 比 較 して 技 術 的 な 相 違 がある ビジネス 方 法 特 許 とは インターネットで 電 子 商 取 引 の 範 囲 内 で コンピュータープログラムにより 実 現 されるビジネス 経 営 方 法 の 特 許 を 指 している その 特 許 の 表 現 形 態 は 明 らかな 技 術 的 特 徴 を 有 するものであり 具 体 的 には 取 引 売 買 決 算 等 のような 経 済 活 動 の 策 略 方 法 に 関 するコンピュータソフトウェアという 形 態 である このよう な 特 許 は 純 粋 なビジネス 経 営 方 法 の 特 許 性 を 強 調 し ビジネス 方 法 特 許 の 内 容 つまりビジネス 経 営 方 法 の 特 許 性 に 重 点 をおいている 一 方 技 術 的 特 徴 がコンピュータソフトウェアに 依 存 するという 表 現 形 態 がそ の 負 担 になった 28 ビジネス 方 法 特 許 とは コンピュータシステム 及 びイ 26 王 会 良 和 金 生 : 特 許 釣 餌 : 企 業 特 許 戰 略 新 たな 趨 勢 電 子 知 的 財 産 雑 誌 第 2007 年 第 3 期 27 餘 翔 張 玉 蓉 : 金 融 特 許 新 戦 略 : 特 許 釣 餌 及 びその 防 備 載 研 究 及 び 発 展 の 管 理 [J] 2008 年 第 3 期 28 張 曄 : シティグループによる ビジネス 方 法 特 許 の 出 願 から 見 る 金 融 革 新 http://www.enet.com.cn/article/2003/0620/a20030620249188.shtml 登 録 日 時 :2010 年 10 月 18 日 - 19 -

ンターネットを 経 営 活 動 に 活 用 し 伝 統 的 なビジネス 方 法 とIT 技 術 とを 組 合 せてなすものである 金 融 機 関 の 日 常 取 引 について コンピューターや インターネットを 利 用 して 行 わる 場 合 が 多 いため ビジネス 方 法 を 含 む 金 融 取 引 は パテントトロール に 襲 われる 可 能 性 が 高 い また 普 通 の 機 械 分 野 における 技 術 発 明 とは 異 なり ビジネス 方 法 に 関 わる 技 術 の 間 の 関 連 性 が 高 くない 具 体 的 には 保 護 される 技 術 の 主 題 と この 技 術 を 利 用 するビジネス 方 法 との 関 係 は 明 らかではなく 当 該 技 術 が 出 版 物 に 明 確 かつ 完 全 に 出 版 発 表 されることも 少 ない このように 特 許 紛 争 が 起 き た 場 合 ビジネス 方 法 特 許 を 無 効 化 できる 証 拠 を 提 出 することは 非 常 に 困 難 である よって 金 融 業 の 企 業 にとって ビジネス 方 法 特 許 を 保 有 する パテントトロール からの 脅 威 は 特 に 大 きい ( 2) 米 国 において ビジネス 方 法 特 許 への 保 護 が 推 進 されてから 米 国 特 許 商 標 庁 により 特 許 されたビジネス 方 法 の 数 は 急 速 に 増 えてきた しか し 特 許 審 査 の 過 程 において 審 査 官 の 資 質 審 査 時 間 の 長 さ 限 られた 特 許 文 献 数 等 の 原 因 により 特 許 の 品 質 低 下 数 量 過 多 のような 不 備 が 生 じた 特 許 制 度 の 破 綻 を 利 用 して 質 の 悪 い 特 許 を 取 る パテントトロール は このような 疑 わしい 特 許 ( questionable patent)により 権 利 を 主 張 し 競 争 相 手 を 脅 威 し 訴 訟 を 提 起 することにより 暴 利 をむさぼっている ( 3) 金 融 機 関 が 市 場 の 競 争 力 強 化 のために 絶 えず 先 端 の 技 術 を 追 求 し ているが 逆 に 十 分 な 特 許 や 特 許 に 関 する 訴 訟 について 経 験 が 少 ないこと は 原 因 の 一 つであるが ほとんどの 金 融 機 関 が 十 分 な 資 金 を 持 っているく せに 権 利 侵 害 と 判 決 されるリスクを 恐 れることも 金 融 機 関 が パテン トトロール の 攻 撃 ターゲットになる 要 因 であろう 上 述 のような 状 況 下 で 各 領 域 で 活 況 を 呈 しているパテントトロールは 法 律 制 度 を 盾 に 巨 額 の 利 益 を 手 に 入 れることができるようになった - 20 -

第 三 節 Patent trollの 意 味 一.Patent troll 固 有 の 意 味 Patent TrollにおけるTrollは 名 詞 として もともと 3 つの 意 味 がある 一 つは スカンディナヴィア 半 島 の 神 話 において 擬 人 化 されたイメージで あり 異 なる 体 つき 顔 及 び 性 格 を 持 っており 夕 暮 れ 時 から 明 け 方 まで しか 姿 を 見 せない よくいたずらして 人 間 をからかったり 人 間 の 子 供 を さらったり 橋 の 下 に 休 んで 無 辜 の 通 行 人 に 高 い 通 行 料 を 強 要 したりする ものがいる 29 一 つは 釣 りのえさ 餌 又 は 釣 り 糸 の 意 味 であ る もう 一 つは 歌 を 輪 唱 するという 意 味 である 30 中 国 において Patent Troll の 訳 文 は 一 致 しておらず 特 許 破 落 戸 特 許 無 頼 漢 特 許 ゴキブリ 特 許 海 賊 特 許 悪 魔 特 許 巨 怪 特 許 クラッカー 特 許 の 餌 特 許 の 釣 り 特 許 漁 夫 など 様 々な 訳 文 がある それら 訳 文 はいずれもpatent trollの ある 特 徴 を 反 映 しているが 全 て 正 しいとはいえない 以 下 Patent Troll の 各 訳 文 の 優 劣 を 簡 単 に 比 較 して 本 文 における 訳 文 を 使 用 する 理 由 を 説 明 する 二.Patent trollの 各 訳 文 及 び 優 劣 1. 特 許 の 餌 / 特 許 の 漁 夫 / 特 許 の 釣 り/ 特 許 の 老 漁 夫 中 国 台 湾 の 研 究 者 は 一 般 的 に patent troll を 特 許 の 餌 特 許 漁 夫 特 許 の 釣 り 特 許 老 漁 夫 などに 訳 している すなわち patent troll の 本 来 の 意 味 の 直 訳 である 上 述 の 通 り troll は 餌 の 意 味 がある しかし 多 少 釣 られたい 者 が 針 にかかる という 意 味 がある プラクティスにお いて このような 釣 り の 行 為 を 実 施 する 会 社 は 決 して 釣 られたい 者 を 待 つわけではなく ターゲットと 交 渉 して 巨 額 のロイヤリティーを 強 要 する 29 Wikipedia http://en.wikipedia.org/wiki/troll アクセス 日 :2010 年 7 月 20 日 30 Baidu 辞 典 http://dict.baidu.com/s?wd=troll アクセス 日 :2010 年 7 月 20 日 - 21 -

2. 特 許 悪 魔 / 特 許 悪 鬼 / 特 許 巨 怪 / 特 許 の 邪 悪 な 巨 人 デーモン(Demon)は 各 宗 教 文 学 作 品 映 画 作 品 ACG 作 品 などにおい て 想 像 上 の 超 自 然 的 な 能 力 を 有 する 邪 悪 な 存 在 であり 通 常 は 非 常 に 強 い 悪 魔 である 人 間 が 自 然 から 脅 威 にさらされ 自 分 または 他 人 の 悪 意 に 遭 った 時 に 自 動 的 にその 源 を 探 しに 行 く その 源 は 悪 霊 邪 神 に 具 体 化 され ひいては 所 謂 悪 魔 になったのである 悪 魔 は 体 付 きが 大 きくて または 強 い 能 力 を 有 して 一 般 人 が 比 べにならないゆえ 通 常 邪 悪 な 巨 人 又 は 巨 怪 と 呼 ばれる patent troll の 特 許 悪 魔 特 許 悪 鬼 特 許 巨 怪 という 訳 し 方 は patent troll のそもそもの 意 味 に 関 するもう 一 つの 直 訳 である Troll は 悪 鬼 又 は 悪 魔 の 意 味 を 有 する 勿 論 この 訳 文 により patent troll を 非 正 統 的 邪 悪 有 害 なものと 見 なすという 人 々の 態 度 は 一 層 明 確 に 分 かる しかし 現 在 の 法 律 制 度 において patent troll の 利 害 はともかく その 行 為 は 合 法 的 な 根 拠 がある 3. 特 許 ゴキブリ/ 特 許 トコジラミ ゴキブリは 地 球 において 一 番 古 い 昆 虫 の 一 つであり 広 く 分 布 してお り 灼 熱 や 厳 寒 に 耐 えられ 生 命 力 及 び 適 応 力 が 非 常 に 強 い ゴキブリは 病 気 を 伝 染 する 主 な 元 凶 であり 細 菌 をふりまく 能 力 が 強 い 人 間 はゴキ ブリに 対 してひどく 憎 んでおり 絶 滅 させようとしているが なかなかで きない patent troll を 特 許 のゴキブリ に 訳 すこともあったが Peter Detkin が 最 初 に patent troll という 言 葉 により 特 許 を 買 い 集 めて 他 社 にライセ ンスを 強 要 する 会 社 を 呼 ぶ 時 の 諧 謔 の 意 味 が 欠 如 しており このような 行 為 を 実 施 する 者 への 嫌 いが 反 映 されることが 多 い このような 会 社 はゴ キブリみたいに 体 積 が 小 さくて あちこちに 隠 しているが しばしばハラ スメントを 起 こし どうしても 根 絶 することが 不 可 能 である patent troll の 特 許 トコジラミ という 訳 し 方 は 特 許 ゴキブリ と - 22 -

いう 訳 し 方 の 根 本 的 な 考 え 方 と 類 似 している この 2 種 類 の 昆 虫 は 嫌 がら せるものである しかし この 2 つの 訳 文 において 特 許 ゴキブリ の ほうは このような 会 社 がどこにでもあり 生 命 力 が 強 いことを 反 映 でき るようである 4. 特 許 海 賊 海 賊 とは 海 上 で 他 の 船 舶 に 略 奪 行 為 を 行 う 犯 罪 者 のことである これ は 船 舶 の 航 行 の 始 めから 存 続 してきた 古 い 犯 罪 業 である この 犯 罪 業 の 主 な 特 徴 としては 海 賊 は 一 般 的 に 単 独 的 な 犯 罪 者 ではなく 通 常 組 織 の 形 態 で 強 奪 する 者 である 海 賊 が 特 殊 的 神 秘 的 であるため 人 々の 概 念 においてドラマチック ひいてはマジックな 色 合 いを 有 する 存 在 となって いる 生 物 特 許 の 分 野 において グリーンピースが 生 命 特 許 を 請 求 する 行 為 を 新 世 紀 の 囲 い 込 み 運 動 と 称 し 囲 い 込 みを 行 う 者 を 生 命 海 賊 と 呼 んでいる この 新 しい 海 賊 は 昔 の 海 賊 と 違 って 刀 剣 や 銃 などではな く 先 端 の 科 学 知 識 及 び 現 代 の 知 的 財 産 権 の 制 度 を 武 器 として 用 いて 海 洋 に 獲 物 を 探 す 必 要 がなく 快 適 な 実 験 室 に 安 座 して 万 全 な 計 器 を 利 用 して 窃 盗 というよからぬ 事 をしている 31 Patent trollの 特 許 海 賊 という 訳 し 方 と 生 命 海 賊 という 言 い 方 とは 表 現 が 異 なるが 本 質 は 同 一 で ある しかし 海 賊 とは 組 織 集 団 の 連 合 行 動 を 強 調 し 暴 力 により 略 奪 行 為 を 行 う 者 である Patent troll の 特 許 海 賊 という 訳 し 方 は Patent troll が 自 ら 画 定 した 技 術 分 野 において 獲 物 を 見 つけて 略 奪 するという 特 徴 を 反 映 しており Patent troll の 防 ごうとしても 防 ぎきれない 特 性 ひいては 神 秘 の 特 性 を 多 少 反 映 しているにもかかわらず 海 賊 の 行 為 は 合 法 的 ではない これに 対 して Patent troll は 法 律 に 基 づく 特 許 への 独 31 育 成 者 権 がパテントトロールにより 先 登 録 され 中 国 の 農 業 の 前 途 は 懸 念 される 中 国 青 年 報 から 引 用 す る 2005 年 1 月 19 日 http://finance.sina.com.cn/review/observe/20050119/08371304281.shtml アクセス 日 :2010 年 10 月 18 日 - 23 -

占 権 を 頼 りに 関 係 技 術 を 使 用 する 者 にロイヤリティーを 強 要 する 行 為 が 法 律 の 規 定 に 合 致 する ただし その 権 利 行 使 の 行 為 が 法 定 許 容 限 界 を 超 えて 権 利 の 濫 用 になっただけである 5. 特 許 クラッカー クラッカーは Cracker の 音 訳 であり 破 壊 する 者 の 意 味 である 彼 らは ネットワーク 経 由 でコンピュータに 不 法 に 侵 入 してデータを 悪 用 したりシステムを 破 壊 したりすることが 多 い クラッカーとハッカーとは 同 じく 腕 前 が 優 れており ただ 行 動 上 少 し 異 なっているだけである クラ ッカーであろうと ハッカーであろうと いずれも 不 法 侵 入 者 である 善 意 の 侵 入 か 悪 意 の 侵 入 か 又 は 無 意 の 侵 入 か 故 意 の 侵 入 かにかかわら ず 非 侵 入 者 にとって 損 になる 可 能 性 がある 損 するという 視 点 からすれば patent troll の 特 許 クラッカーという 訳 し 方 は 一 見 して 適 切 のようである しかし patent troll は 非 侵 入 者 と 言 ったら 相 応 しいようである 彼 らは 主 客 転 倒 して 侵 入 者 から 巨 額 の 利 益 を 収 める この 視 点 からすれば 不 法 侵 入 者 または クラッ カー と 称 することは 適 切 ではないように 思 われる 6. 特 許 破 落 戸 現 代 漢 語 辞 典 には 破 落 戸 について (1)もともとは 無 職 の 放 浪 者 後 に 正 業 に 就 かず 悪 事 の 限 りをつくす 悪 人 のこと (2)ひどいやり 方 で 人 を 困 らせて 因 縁 をつけて 汚 い 手 を 使 う 人 のこと と 解 釈 されている 32 一 般 的 には 破 落 戸 という 言 葉 は 3 つの 意 味 を 有 する 職 業 から 見 れ ば 基 本 的 には 無 職 または 正 業 に 就 かない 者 である 行 為 から 見 れば 破 落 戸 は 悪 事 の 限 りをつくして 社 会 的 秩 序 を 乱 すという 特 徴 がある 道 徳 から 見 れば 破 落 戸 は 主 に ひどいやり 方 で 人 を 困 らせて 因 縁 をつ けて 汚 いこと 例 えば 乱 闘 女 性 に 猥 褻 な 行 為 または 強 姦 するなどの 悪 質 32 現 代 漢 語 辞 典 中 国 社 会 科 学 院 語 言 研 究 所 辞 典 編 集 室 编 集 商 務 印 書 館 1996 年 版 - 24 -

な 行 為 をはたらくか またはこのような 行 為 により 社 会 的 秩 序 を 乱 す 現 在 破 落 戸 の 概 念 は 拡 大 し 概 ね 長 期 正 業 に 就 かず 悪 事 の 限 りをつくし て 社 会 に 悪 影 響 を 与 える 者 をいう また 破 落 戸 は 形 容 詞 として 使 われ その 意 味 も 豊 富 になった (1)やり 方 が 下 品 である (2) 行 為 が 論 理 的 ではない (3) 非 正 統 (4) 汚 い 手 を 使 うなどの 意 味 がある 33 patent troll の 特 許 破 落 戸 という 訳 し 方 について 公 的 秩 序 を 乱 し 訴 訟 の 名 を 借 りてターゲットにプレッシャーをかけて 無 理 やりに 服 従 さ せられるという 視 点 からすれば 破 落 戸 の 行 為 の 特 徴 と 一 致 する しかし 一 般 的 には ほとんどの patent troll は 正 業 に 就 かないことがなく 採 用 する 手 段 も 汚 いとは 言 えない その 行 為 が 非 正 統 であり 特 許 制 度 の 初 志 に 合 わないだけが 言 える 7. 特 許 無 頼 漢 無 頼 漢 とは 地 方 のならず 者 ごろつき 極 悪 の 親 玉 道 理 をわきまえ ない 人 又 は 一 定 の 領 域 内 に 道 理 をわきまえず 横 暴 であり 弱 者 を 虐 げる 人 のことである Patent troll は 法 律 に 基 づく 独 占 権 を 頼 りに その 技 術 を 使 用 する 会 社 に 交 渉 を 強 引 に 要 求 して ロイヤリティーを 強 要 する その 行 為 は 無 頼 漢 の 行 為 とほとんど 類 似 しています 勿 論 この 訳 文 も Patent troll の 最 初 の 諧 謔 の 意 味 を 欠 如 している ただし ゴキブリを 絶 滅 させようとす る 態 度 に 比 べて 無 頼 漢 に 対 して 人 々は まだ 教 化 改 造 しようとする 意 志 があるかもしれない 8. 特 許 ブッチャー ブッチャーとは (1) 家 畜 を 殺 したり 食 肉 を 小 売 りするのに 適 当 な 量 及 び 形 状 に 切 り 分 けたりする 人 のこと また 肉 屋 のこと (2) 無 辜 の 人 を 虐 殺 す 33 http://baike.baidu.com/view/27970.htm アクセス 日 :2010 年 10 月 18 日 - 25 -

る 者 のこと patent troll の 特 許 のブッチャー (ここでは ブッチャーは(1)の 意 味 である)という 訳 し 方 は ターゲットにとって 実 に 自 分 がまな 板 のコイ と 同 じだ という 意 味 がある patent troll が 合 法 的 特 許 権 を 有 するため 法 律 に 基 づいて 関 係 特 許 技 術 を 実 施 する 会 社 はロイヤリティーを 払 わな ければならない ターゲットはその 特 許 権 を 知 らずにその 特 許 技 術 を 利 用 して 会 社 の 発 展 に 成 功 した 後 に patent troll の 事 後 の 報 復 に 直 面 す る 表 から 見 れば patent troll は 法 律 という 強 力 な 後 ろだてを 有 してい る ターゲットは 特 許 権 侵 害 訴 訟 の 判 決 の 結 果 についてよく 分 かる それ ゆえ おとなしく 搾 取 させられる ことしかできない ただし patent troll は 主 に 特 許 を 買 い 集 めて 他 社 に 金 を 強 請 る 会 社 の 行 為 を 強 調 する のに 対 して 特 許 ブッチャー は 上 記 のような 会 社 に 搾 取 されたター ゲットの 憤 慨 や 不 満 のほうを 強 調 している また もう 一 つの 言 葉 patent bully( 中 国 語 訳 専 利 屠 夫 であり 下 文 に 言 及 することがある)と 混 乱 しないように 本 文 においてはこの 訳 文 を 使 用 しない 9. 特 許 投 機 家 投 機 家 とは 市 場 への 判 断 に 基 づき チャンスをつかんで 価 格 差 を 利 用 して 売 買 により 利 益 を 得 る 人 のことである 投 機 家 は 価 格 が 過 小 評 価 さ れ 成 長 性 が 高 い 資 産 ばかりを 売 買 する 前 文 において patent troll のほとんどの 訳 文 は 多 少 マイナスの 意 味 が ある 投 機 商 人 や 機 に 乗 じてうまく 立 ち 回 る という 言 葉 も 多 少 マイナスの 意 味 が 有 するにもかかわらず 経 済 学 の 視 点 からすれば 特 許 投 機 家 という 訳 文 は 中 性 であり 基 本 的 には patent troll の 行 動 モデルの 特 徴 に 一 致 する( 勿 論 脅 威 訴 訟 を 含 まない) 研 究 開 発 購 入 価 値 が 過 小 評 価 され 成 長 性 を 有 する 特 許 の 集 めということにより 将 来 ロイヤリ ティーを 獲 得 するために 基 礎 を 打 ち 立 てる ロイヤリティーを 獲 得 する 手 - 26 -

段 としては 交 渉 訴 訟 の 脅 威 勿 論 訴 訟 の 提 起 などが 挙 げられる 証 券 及 び 商 品 の 投 機 家 に 比 べて 特 許 投 機 家 が 特 許 を 入 手 するのは 差 益 利 得 を 目 的 とするのではなく ロイヤリティーを 得 るためである 最 大 限 に 利 益 を 得 るという 目 的 からすれば 特 許 投 機 家 と 一 般 的 な 証 券 又 は 商 品 の 投 機 家 とは 相 違 がない 表 現 が 異 なっているのは 特 許 は 無 形 資 産 として 売 買 しかその 価 値 が 実 現 できないわけではないからである 三. 本 研 究 に 用 いられる 訳 文 及 び 説 明 本 研 究 に 最 終 的 に 特 定 した 訳 文 は パテントトロール( 中 国 語 訳 : 専 利 地 痞 )である この 訳 文 を 利 用 する 理 由 としては 2 つが 挙 げられる 一 つ は パテントトロールは patent trollの 行 動 モデルに 一 致 する もう 一 つは patent trollのもともとの 諧 謔 の 意 味 を 欠 如 しているが この 言 葉 の 発 明 者 Peter Detkinは 嫌 がらせる 原 告 をこの 言 葉 で 呼 ぼうとしている したがって この 言 葉 は 一 定 のマイナスの 意 味 を 有 する 上 述 のとおり トロールとは 地 方 において 正 業 に 就 かず いざこざばかりを 起 こすなら ず 者 を 指 している または 組 織 派 閥 またはまともな 仕 事 に 就 かず 善 良 な 人 々を 虐 める 不 法 者 という 意 味 もある patent trollは 一 般 的 には 特 許 分 野 において 法 律 の 規 定 に 違 反 せずに 抜 け 穴 を 利 用 して ビジネス 利 益 を 獲 得 することを 主 な 目 的 として ターゲットを 屈 服 させてロイヤリテ ィーを 支 払 わせる 会 社 という すなわち 特 許 を 武 器 として 笠 に 着 る 会 社 という 34 トロールに 対 して 道 徳 上 咎 めて 教 化 教 育 により 正 し い 道 に 歩 かせるよう 導 くことが 一 般 的 である 四.パテントトロールの 定 義 現 在 パテントトロール(patent troll)の 定 義 について 様 々な 解 説 があ る ( 下 記 の 表 1 を 参 照 ) 35 34 黄 紫 旻 : パテントトロール 及 び 企 業 の 対 応 策 台 湾 国 立 政 治 大 学 知 恵 財 産 研 究 所 大 学 院 生 卒 業 論 文 2008 第 56 頁 35 黄 紫 旻 : パテントトロール 及 び 企 業 の 対 応 策 台 湾 国 立 政 治 大 学 知 恵 財 産 研 究 所 大 学 院 生 卒 業 論 文 2008 第 26~30 頁 補 正 あり - 27 -

表 1 パテントトロール(patent troll)の 定 義 に 関 する 解 説 意 味 を 説 明 する 者 意 味 Peter Detkin(この 言 葉 の 発 明 者 ) Randall R. Rader(ア メ リ カ 合 衆 国 連 邦 裁 判 所 の 裁 判 官 ) wikipedia ある 人 は 特 許 により 大 量 な 金 を 収 めようとし ている しかし その 人 は 仕 事 に 就 かず 仕 事 に 就 くつもりもなく かつ 多 数 の 場 合 いかなる 仕 事 もしていない 36 パテントトロールとは 特 許 の 価 値 以 上 のロイ ヤリティーを 図 るあらゆる 企 業 実 体 のことであ る 37 通 常 は 倒 産 会 社 または 個 人 発 明 者 から 特 許 を 購 買 し 他 社 の 製 品 がその 特 許 への 侵 害 となると 起 訴 し 他 人 による 特 許 の 実 施 を 反 対 する 一 方 で 自 らは 製 造 又 は 研 究 をしたり 当 該 特 許 に 基 づく 製 品 を 製 造 販 売 したり サービスを 提 供 したりしておらず 特 許 権 の 実 施 のみに 努 めて Andrew Beckerman-Rodau Lisa A. Dolak & Blaine T. Bettinger Mark A. Lemley いる 人 のことである 38 パテントトロールとは 企 業 が 特 許 を 有 してい るのにそれをもって 何 らかの 製 品 も 製 造 しない 会 社 のことである 39 パテントトロールは 典 型 的 には 発 明 者 から 特 許 を 購 買 して 当 該 特 許 を 本 当 に 使 用 する 会 社 からロイヤリティーを 収 めるな 会 社 のことであ る 40 パテントトロールは 製 品 の 生 産 製 造 又 は 36 A patent troll is somebody who tries to make a lot of money off a patent that they are not practicing and have no intention of practicing and in most cases never practiced. http://www.phonetel.com/pdfs/lwtrolls.pdf アクセス 日 :2010 年 10 月 18 日 37 アメリカ 合 衆 国 連 邦 裁 判 所 の 裁 判 官 Randall R. Raderは 2009 年 10 月 に 開 催 の 2009 米 国 知 的 財 産 権 法 協 会 の 総 会 において パテントトロール を 特 許 の 価 値 より 高 いロイヤリティーを 求 める 企 業 実 体 と 定 義 している この 定 義 をもって 不 合 理 なロイヤリティーを 収 めようとする 製 品 の 製 造 販 売 を 行 う 大 型 の 企 業 は パテントト ロール と 定 義 される 可 能 性 がある 勿 論 特 許 の 実 の 価 値 をどのように 評 価 すべきかという 課 題 を 解 決 しなけれ ばならない( 米 国 の 業 界 では 訴 訟 以 外 にほかの 良 い 評 価 手 法 がない) パテントトロール の 襲 来 に 対 して 中 国 企 業 は 準 備 できたか を 参 照 http://www.nipso.cn/onews.asp?id=9628 アクセス 日 :2010 年 10 月 18 日 38 wikipedia:http://en.wikipedia.org/wiki/troll アクセス 日 :2010 年 10 月 18 日 39 Andrew Beckerman-Rodau, Professor of Law, Suffolk University Law School, The Supreme Court Engages in Judicial Activism in Interpreting the Patent Law in ebayebay, Inc. v. MercExchange, L.L.C. 40 Lisa A. Dolak & Blaine T. Bettinger, The United States Patent System in the Media Mirror. - 28 -

Kenneth R. Adamo Laura Peter Ben Klemens Sujitha Subramanian Jason Rantanen Joachim Henkel & Markus Reitzig 技 術 移 転 をしない 会 社 であり ( 単 に)その 特 許 を 欠 くものの 独 立 に 製 造 技 術 を 発 明 し 成 功 し た 会 社 に 対 して 特 許 権 を 主 張 する 41 パテントトロールは 特 許 から 大 金 を 儲 けよう としているが 当 該 特 許 を 使 用 するどころか 使 用 するつもりもなく ひいてはある 事 件 にお いて 当 該 特 許 を 全 く 使 用 していなかった 42 パテントトロールとは 典 型 的 には 発 明 者 から 特 許 権 を 購 買 して 当 該 特 許 を 本 当 に 使 用 して いる 会 社 からロイヤリティーを 収 める 会 社 とい う 43 パテントトロールとは 特 許 を 有 する 会 社 が 製 造 せずに 他 人 からロイヤリティーを 強 要 する 行 為 という 44 パテントトロールは 特 許 権 者 であり 製 品 の 製 造 やサービスの 提 供 を 行 わず 特 許 紛 争 を 頼 り に 暮 らしを 立 てる それら 実 体 は 特 許 をもって 特 許 侵 害 者 に 金 を 強 請 り 特 許 侵 害 者 のビジネ ス 上 の 利 益 を 低 減 し ライセンス 協 議 を 無 理 に 同 意 させて その 金 額 が 通 常 当 該 特 許 の 実 際 の 価 値 より 遥 かに 高 い 45 パテントトロールとは 新 しい 技 術 の 研 究 開 発 や 直 接 に 市 場 の 参 画 をせず 特 許 権 を 取 得 して 利 益 を 得 ることのみ 図 っており 市 場 参 加 者 に 対 して 重 大 な 脅 威 となる 会 社 という 46 パテントトロールは 積 極 的 に 特 許 を 取 得 して 優 位 を 占 める 者 であり 自 ら 商 品 を 製 造 する 気 がなく ライセンスもせず 特 許 技 術 の 裏 に 隠 して R&D の 密 集 している 製 造 業 がその 特 許 41 Mark A. Lemley, SHOULD PATENT INFRINGEMENT REQUIRE PROOF OF COPYING? 42 Kenneth R. Adamo,Dealing With Patent Trolls In The United States:Pre-Emptive and Response Strategies For The Targeted Company,Member, Illinois, New York, Ohio and Texas Bars. 43 Laura Peter, The Virtue of Patents, WALL ST. J., Feb. 20,2007, at A17. 44 Ben Klemens, The Rise of the Information Processing Patent. 45 Sujitha Subramanian,ESRC Centre for Competition Policy and Norwich Law School,University of East Anglia,Different Rules for Different Owners:Does a Non-Competing Patentee have a Right to Exclude? A Study of PosteBayeBay Cases. 46 Jason Rantanen, Slaying The Troll: Litifation as An Effective Stratery Against Patent Threats. - 29 -

Dale Hatfield & Philip J. Weiser Markus Reitzig, Joachim Henkel & Christopher Heath James F. McDonough III Mark A. Lemley Francois Lévêque & Yann Ménière Elizabeth Ferrill Brenda Sandburg ( 通 常 は 些 細 な 特 許 である)を 関 係 製 品 に 無 意 に 使 用 した 機 に ロイヤリティーを 強 請 る 行 為 を する 47 パテントトロールは 他 社 に 対 して 頼 り 又 はニ ーズとなる 特 許 を 購 買 し 自 身 は 本 当 に 製 造 及 び 生 産 を 行 わず 他 社 が 撤 回 不 可 能 の 投 資 をし た 後 に 特 許 をもって 巨 額 のロイヤリティーを 強 要 する 48 パテントトロールとは 権 利 侵 害 被 疑 となり 技 術 が 不 法 使 用 されているR&Dの 密 集 する 製 造 業 において 罠 を 仕 掛 けて 賠 償 金 を 狙 いとする 小 型 特 許 の 保 有 者 又 は 会 社 という 49 パテントトロールは 特 許 を 取 得 したものの 使 用 及 び 製 品 の 製 造 をする 気 が 全 くない 個 人 又 は 会 社 のことである その 者 は 他 人 や 他 社 に 授 権 してその 特 許 を 使 用 して 製 品 を 製 造 するで なければ 許 諾 を 得 ずに 特 許 権 の 侵 害 となる 製 品 を 製 造 する 会 社 を 起 訴 する 50 製 造 生 産 に 就 かず 橋 の 下 に 隠 している 特 許 権 者 は しばしば 飛 び 出 して 通 行 人 を 脅 かして 金 を 強 請 る 51 パテントトロールとは 特 許 を 大 量 に 買 い 集 め て 訴 訟 に 用 いて 賠 償 金 を 取 得 する 行 為 という 52 企 業 が 製 品 を 製 造 せず 特 許 を 利 用 して 他 社 と 和 解 してライセンスする 行 為 という 53 パテントトロールは 特 許 から 大 金 を 儲 けよう としているが 当 該 特 許 を 使 用 するどころか 47 Joachim Henkel, Markus Reitzig, Patent sharks and the sustainability of value destruction strategies. 48 Dale Hatfield, Philip J. Weiser, Property Rights In Spectrum:Taking The Next Step. 49 Reitzig,Markus G.,Henkel,Joachim and Heath,Christopher:On Sharks,Trolls,and Other Patent Animals - 'Being Infringed' as a Normatively Induced Innovation Exploitation Strategy,http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=885914 アクセス 日 :2010 年 10 月 30 日 50 James F. McDonough III, The Myth of The Patent Troll: An Alternative View of The Function of Patent. 51 Mark Lemley, Are Universities Patent Trolls? 2008. 52 Francois Lévêque and Yann Ménière, Patents and Innovation: Friends or Foes? 53 See Elizabeth D. Ferrill,Patent Investment Trusts: Let s Build a Pit to Catch the Patent Trolls,6 N.C. J. L. & TECH. 367, 367 (2005)(stating that patent troll was coined at Intel). Some observers prefer to call these firms non-practicing-entities (NPEs). This Article uses the word troll because it is more colorful. - 30 -

使 用 するつもりもなく ひいてはある 事 件 にお いて 当 該 特 許 を 全 く 使 用 していなかった 54 余 翔 張 玉 蓉 自 分 自 身 が 特 許 技 術 を 実 施 せず 特 許 技 術 に 基 づく 生 産 製 造 に 就 かず 特 許 技 術 に 基 づくサ ービスを 提 供 しない 安 価 に 買 い 取 った 特 許 又 は 当 社 が 研 究 開 発 した 特 許 を 武 器 として 実 に 生 産 製 造 またはサービスの 提 供 を 行 う 経 営 者 にロイヤリティーを 強 請 る 逆 らわれる 場 合 悪 意 に 権 利 侵 害 されたという 理 由 により 訴 訟 を 提 起 し 訴 えられた 企 業 に 巨 額 の 賠 償 金 を 強 要 しようとする 会 社 又 は 個 人 のことである 55 永 歌 パテントトロールとは 他 社 ( 通 常 は 倒 産 した 会 社 ) 又 は 個 人 から 特 許 を 買 い 集 めて ターゲット (かもにされる 会 社 と 称 しても 良 い)の 製 品 が 特 許 権 の 侵 害 となるという 理 由 により 起 訴 して 巨 額 の 賠 償 金 を 強 請 って 利 益 を 貪 ろうとしてお り 自 分 自 身 が 特 許 に 基 づく 製 品 の 製 造 又 はサ ービスの 提 供 を 行 わない 会 社 という 56 知 識 産 権 動 態 研 究 パテントトロールとは 自 分 自 身 が 特 許 に 基 づ く 製 品 の 製 造 又 はサービスの 提 供 を 行 わず 他 社 ( 通 常 は 倒 産 した 会 社 )や 研 究 機 構 又 は 個 人 発 明 者 から 特 許 を 買 い 集 めて ターゲットの 製 品 が 特 許 権 の 侵 害 となるという 理 由 により 起 訴 し て 特 許 訴 訟 により 巨 額 の 利 益 を 儲 ける 専 門 会 社 又 は 団 体 のことである 57 謝 佑 鑫 ロイヤリティーを 目 的 として 特 許 の 買 い 集 めを 専 らにする 会 社 が 知 財 権 が 密 集 している 産 業 における 企 業 にとって 企 業 運 営 上 主 な 秘 め た 憂 慮 となっている 58 54 Trolling for Dollars, The Recorder, July 30, 2001. 55 余 翔 张 玉 蓉 : 金 融 特 許 の 新 戦 略 : パテントトロール 及 びその 防 犯 研 究 と 発 展 管 理 に 掲 載 [J],2008 年 第 3 期 56 Patent Trollのストーリ http://blog.sina.com.cn/s/blog_608e169a0100dac1.html アクセス 日 :2010 年 10 月 18 日 57 知 識 産 権 戦 略 実 施 工 作 部 際 連 席 会 議 工 作 動 態 第 26 期 58 謝 佑 鑫 : パテントトロール 問 題 の 対 処 手 段 米 国 の 禁 止 令 と 中 国 の 強 制 実 施 許 諾 世 新 大 学 法 学 院 大 学 院 生 卒 業 論 文 2007 この 論 文 において Patent troll を 特 許 のゴキブリ に 訳 したが ただ 翻 訳 の 違 いだと 思 う - 31 -

黄 紫 旻 特 許 権 者 としての 個 人 独 立 発 明 者 又 は 会 社 は 特 許 の 購 買 又 は 技 術 創 造 を 頼 りに 製 品 を 製 造 したり 特 許 に 基 づくサービスを 提 供 したりしな い 製 造 技 術 を 独 立 に 発 明 して 実 にその 特 許 を 利 用 してビジネスにおける 成 功 を 収 めたが 特 許 権 を 有 せず しかも 撤 回 不 可 能 の 投 資 を 行 っ た 権 利 侵 害 者 すなわち ターゲット などを 見 つけて 訴 訟 の 提 起 により 脅 迫 して 和 解 ライセンス 及 びロイヤリティーなどの 利 益 及 び 戦 略 上 の 成 功 を 収 めるという 目 的 を 達 する 59 現 在 米 国 の 法 律 界 では パテントトロールについて 明 確 に 定 義 されて いない パテントトロール という 言 葉 自 体 が 明 確 に 定 義 できず 法 的 意 味 を 有 する 概 念 にならないと 思 う この 言 葉 の 発 明 者 は ただ 自 社 が 他 社 にひどく 損 なわれたため この 言 葉 を 発 明 して 相 手 を 称 するだけである また パテントトロール という 言 葉 は 通 常 マイナス 意 味 で 使 われて いる しかし パテントトロール の 運 営 モデルがプラスの 意 味 もある と 思 い 正 面 から 評 価 する 人 もいる 上 述 をまとめると 主 観 的 評 価 に 対 応 する 客 観 的 判 断 基 準 が 必 ずあるというわけではない このように パ テントトロール を 明 確 に 定 義 することが 不 可 能 である したがって 本 文 は パテントトロール という 言 葉 が 表 すそのものではなく この 言 葉 の 裏 に 隠 れている 普 遍 的 な 現 象 すなわち 知 的 財 産 サービス 業 の 運 営 に 関 わる 様 々な 現 象 を 研 究 の 対 象 とする 五.パテントトロールの 関 係 概 念 1. ゴミ 特 許 60 ゴミ 特 許 は 各 国 の 特 許 制 度 の 発 展 における 手 に 余 る 問 題 になった ゴミ 59 黄 紫 旻 : パテントトロール 及 び 企 業 の 対 応 策 台 湾 国 立 政 治 大 学 知 恵 財 産 研 究 所 大 学 院 生 卒 業 論 文 2008 第 57 頁 60 魏 衍 亮 ゴミ 特 許 問 題 及 びゴミ 特 許 に 対 応 する 対 策 http://article.chinalawinfo.com/article_detail.asp?articleid=41062 アクセス 日 :2010 年 10 月 18 日 - 32 -

特 許 の 問 題 を 解 決 するために 中 国 国 外 では 数 十 部 の 法 案 法 規 が 公 布 さ れたし 中 国 でもゴミ 特 許 の 問 題 に 対 応 する 部 門 規 則 が 公 布 されたが い ずれも 明 らかな 効 果 を 奏 しなかった ゴミ 特 許 は 特 許 の 安 定 性 関 連 性 有 用 性 に 関 わり 考 察 する 観 点 によって 判 断 の 結 果 も 異 なる 有 用 性 について 当 事 者 にとって 有 用 であるかどうかという 観 点 から 考 察 すれば ほとんどの 特 許 はゴミ 特 許 ではない 価 値 のない 先 行 技 術 の 分 野 に 出 願 した 当 事 者 にとって 何 の 経 済 的 用 途 もない 特 許 こそゴミ 特 許 である 特 許 書 類 の 作 成 のミスによって 権 利 範 囲 が 狭 すぎて あるいは 実 施 可 能 要 件 違 反 の 不 備 が 大 きく 市 場 の 競 争 において 役 割 を 発 揮 できない 多 くの 重 要 な 発 明 や 重 要 な 革 新 も ゴミ 特 許 になる 可 能 性 がある ある 重 要 な 発 明 については パテントファミリー パテントウェッブを 形 成 すべ きだったが 独 りぼっちで 寂 しくて 何 件 の 特 許 しか 出 願 しておらず 多 くの 抜 け 穴 が 残 っているままで ライバルが 先 に 出 願 して 逆 に 取 り 囲 み 戦 略 的 に 牽 制 するから 自 分 の 重 要 な 発 明 特 許 がその 市 場 的 効 能 を 発 揮 で きず 最 終 的 に コストを 消 耗 するだけで 利 益 が 生 じない ゴミ 特 許 に なる 可 能 性 もある 関 連 性 について ある 特 許 自 体 が 優 れた 必 須 技 術 や 重 要 な 発 明 であるが 具 体 的 なプロジェクト 具 体 的 な 訴 訟 とは 関 係 がないため 企 業 はその 特 許 を 購 入 して 工 業 プロジェクトの 展 開 に 何 の 役 割 もなく それを 用 いて 訴 訟 しても 被 告 を 縛 ることもできない さらに 以 下 のような 2 つの 普 遍 な 場 合 がある 第 一 企 業 が 何 の 役 割 もない 特 許 をミスで 購 入 して または 購 入 せざるを 得 ない 場 合 であり 第 二 企 業 は 関 係 のない 特 許 によって 悪 意 で 訴 訟 を 提 起 する 場 合 である この 2 つの 場 合 に 係 る 特 許 は 業 界 内 に いずれもゴミ 特 許 と 呼 ばれる 後 者 の 行 為 つまり 関 係 のない 特 許 を 利 用 して 悪 意 訴 訟 を 提 起 する 行 為 は パテントトロール に 該 当 するものと 見 なされる 可 能 性 がある 通 常 ゴミ 特 許 は 主 に 特 許 の 安 定 性 の 観 点 から 定 義 したものである つ まり 理 論 界 法 学 界 政 府 も 含 めて 討 論 したゴミ 特 許 は 主 に 特 許 法 か らみれば 安 定 性 を 欠 く 特 許 を 指 している プラクティスにおいて 多 くの - 33 -

特 許 は 新 規 性 進 歩 性 の 欠 如 や 発 明 の 開 示 不 十 分 禁 反 言 に 該 当 する 大 きな 不 備 又 は 手 続 きの 不 備 があるため 無 効 とされやすい 安 定 性 を 有 するか 否 かという 観 点 からすれば このような 特 許 はゴミ 特 許 に 属 す ゴ ミ 特 許 が 生 じる 原 因 は 多 い 例 えば 特 許 以 外 の 公 開 文 献 を 悪 意 で 復 活 さ せ 特 許 文 献 を 復 活 させ 公 開 に 使 用 された 技 術 を 悪 意 で 復 活 させ 海 外 の 製 品 を 模 倣 し 主 流 製 品 に 対 してリバースエンジニアリングを 行 い 出 願 書 類 の 作 成 には 誤 りがあり 出 願 書 類 作 成 前 の 技 術 説 明 が 不 十 分 であり 出 願 書 類 の 編 集 ミスや 重 複 な 研 究 開 発 などによる 原 因 が 挙 げられる 2. 疑 わしい 特 許 (questionable patent 又 はproblem patent) 61 米 連 邦 取 引 委 員 会 (FTC)のある 報 告 書 革 新 促 進 : 競 争 と 特 許 法 政 策 との 適 宜 バランス にて 疑 わしい 特 許 について 疑 わしい 特 許 とは 無 効 にされる 可 能 性 のある 特 許 又 は 権 利 範 囲 が 広 すぎるような 特 許 を 指 す 62 と 定 義 している FTCが 無 効 にされる 可 能 性 の 高 い 特 許 以 外 に 請 求 項 の 権 利 範 囲 が 広 すぎるように 思 われる 特 許 も 挙 げているのは 疑 わし い 特 許 においてそのような 場 合 に 該 当 するものが 多 いと 強 調 しようとす るからであろう 疑 わしい 特 許 であるかどうかを 判 断 するポイントとしては 特 許 登 録 の 要 件 を 満 たすかどうかである よって ある 特 許 が 疑 わしい 特 許 であるか どうかを 判 断 するとき この 特 許 を 改 めて 審 査 して 特 許 登 録 の 要 件 を 満 た すかどうかを 確 認 するすべきである 特 許 の 登 録 要 件 を 満 たすものは も ちろん 疑 わしい 特 許 とは 呼 ばられないが 特 許 登 録 の 要 件 を 満 たさないも のは 無 効 にされ 又 はその 権 利 範 囲 が 広 すぎて 有 効 性 を 維 持 するために 補 正 せざるを 得 ない 場 合 疑 わしい 特 許 に 該 当 すべきである 中 国 特 許 庁 長 官 田 力 普 は 疑 わしい 特 許 と ゴミ 特 許 の 概 念 には 差 異 点 がある 疑 わしい 特 許 はある 程 度 に 技 術 の 発 展 に 対 して 掛 け 替 61 黎 運 智 孟 奇 勛 : 疑 わしい 特 許 の 発 生 及 びそのコントロール 科 技 期 刊 により 2009 年 第 5 期 http://210.76.125.48:7001/n1143/n1240/n1465/n242664/n242712/8346323.html アクセス 日 :2010 年 10 月 18 日 62 A poor quality or questionable patent is one that is likely invalid or contains claims that are likely overly broad. 参 照 :To Promote Innovation: The Proper Balance of Competition and Patent Law and Policy,A Report by the Federal Trade Commission, October 2003. - 34 -

えのない 役 割 を 果 たしている 特 許 登 録 の 要 件 は 一 定 の 発 明 高 度 が 要 求 さ れるが 技 術 の 発 展 はいつも 漸 進 しつつあり すべての 新 技 術 の 研 究 開 発 は 従 来 の 技 術 という 基 礎 から 離 れられない 進 歩 性 等 の 欠 如 の 特 許 出 願 は ほとんど 多 かれ 少 なかれ 新 たな 技 術 内 容 を 開 示 したものである これら 技 術 内 容 は 技 術 発 展 のステップになるため 間 違 いなくゴミではない そ れに 対 して ゴミ 特 許 は 実 質 上 革 新 的 内 容 を 何 も 有 しない 特 許 を 指 し これら 所 謂 ゴミ 特 許 は 主 に 実 用 新 案 及 び 意 匠 という 2 つの 分 野 に 集 中 している と 考 えている 3.サブマリン 特 許 (submarine patent) 63 所 謂 サブマリンパテントとは 出 願 してから 非 公 開 されないまま 数 十 年 間 を 潜 行 してから 成 立 した 特 許 を 指 す 広 い 意 味 で 言 う サブマリン 特 許 は 市 場 が 形 成 される 前 に 身 を 隠 して 世 に 知 られないが 発 明 技 術 が 普 及 し 市 場 ができた 後 特 許 権 者 は 発 明 の 存 在 を 公 にし 利 用 者 に 多 額 の 特 許 実 施 料 を 請 求 する 前 述 したように 数 多 くの サブマリン 特 許 はパテントトロールが 米 国 で 横 行 できる 起 因 である 米 国 では 先 発 明 主 義 を 実 行 しているため 即 ち 特 許 権 の 発 効 日 は 特 許 の 成 立 日 から 起 算 する 特 許 出 願 が 出 されて から 公 開 されるまでの 期 間 において 特 許 権 者 は 関 連 特 許 技 術 を 所 有 するが 当 該 技 術 及 び 特 許 権 者 が 公 開 されていないため その 存 在 がほか の 企 業 に 知 られない 補 正 を 繰 り 返 して 行 い 特 許 の 成 立 を 故 意 に 遅 らせ 当 該 技 術 が 応 用 される 製 品 の 広 い 普 及 を 待 って 特 許 を 成 立 させ 特 許 権 侵 害 として 利 用 者 を 訴 え 多 額 の 損 害 賠 償 を 求 める 出 願 者 もいる アメリカではサブマリン 特 許 に 関 する 有 名 な 事 件 がいくつか 存 在 する 最 近 では 低 周 波 信 号 を 利 用 してカラー 映 像 を 表 示 する 技 術 について 任 天 堂 とセガ エンタープライゼス( 当 時 )が 個 人 発 明 家 に 特 許 権 侵 害 で 訴 え られた 事 件 が 有 名 である 4.パテントプール(patent pool) 64 63 http://news.sina.com.cn/s/2007-07-11/074012182412s.shtml,http://e-words.cn/w/c3a6c2bdc29cc3a6c2b0c2b4c3a 8C289C287C3A4C2B8C293C3A5C288C2A9.html,アクセス 日 :2010 年 10 月 12 日 - 35 -