表Ⅰ



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Transcription:

第 1 部 : 基 調 講 演 地 方 公 共 団 体 の 財 政 の 健 全 化 について 三 橋 一 彦 氏 ( 総 務 省 自 治 財 政 局 財 務 調 査 課 理 事 官 ) はじめに 皆 さん こんにちは ご 紹 介 いただきました 総 務 省 自 治 財 政 局 財 務 調 査 課 の 三 橋 と 申 します 今 日 お 集 まりの 皆 さまには 日 頃 から 地 方 行 政 の 現 場 で 住 民 福 祉 の 向 上 あるいは 地 域 の 活 性 化 にご 尽 力 いただいておりますこと また 地 方 行 政 の 円 滑 な 推 進 にご 理 解 とご 協 力 をいただいておりますことに まず 感 謝 を 申 し 上 げたいと 思 います 本 日 は1 月 下 旬 となりまして それぞれの 団 体 でも 来 年 の 予 算 編 成 あるい は 年 度 末 に 向 けての 事 業 の 推 進 に 大 変 お 忙 しい 中 このように 大 勢 の 方 にお 集 まりいただき 昨 年 の 通 常 国 会 で 通 過 しました 地 方 公 共 団 体 の 財 政 の 健 全 化 に 関 する 法 律 についてご 説 明 する 機 会 を 私 どもにお 与 えいただきましたこと を 大 変 ありがたく 思 っております 今 日 は 地 方 公 共 団 体 財 政 健 全 化 法 関 係 資 料 ( 以 下 関 係 資 料 という ) を 用 意 させていただきました(86 ページ 以 下 に 掲 載 ) 資 料 は 大 変 分 厚 いので すが 時 間 が 大 変 限 られております また 今 日 は 財 政 担 当 部 局 の 方 が 大 勢 お 集 まりだと 思 いますが 中 にはそれ 以 外 の 部 局 の 方 もいらっしゃるのではない かと 思 います 地 方 公 共 団 体 の 財 政 の 健 全 化 を 図 るための 法 律 ということで 政 府 としては 半 世 紀 ぶりに 抜 本 的 に 制 度 が 変 わりましたので ここに 至 る 背 景 や 今 後 どうい うふうな 仕 組 みが 入 ってくるのかということを 中 心 に ポイントとなることを 関 係 資 料 からかいつまんでご 説 明 したいと 思 います - 69 -

1. 地 方 公 共 団 体 財 政 健 全 化 法 公 布 の 背 景 この 法 律 は 昨 年 6 月 に 公 布 されました 最 初 になぜこういう 法 律 ができるこ とになったかに 若 干 触 れたいと 思 います 事 の 発 端 は 今 からおよそ2 年 前 のこ とです 当 時 の 竹 中 総 務 大 臣 は 構 造 改 革 について 大 変 強 いリーダーシップを 取 られたわけですが 三 位 一 体 改 革 を 推 進 していくに 当 たり 将 来 の 地 方 分 権 の 具 体 的 な 姿 を 大 きな 絵 として 描 きたいということで それを 議 論 するため に これまでの 大 臣 にはなかったことですが 大 臣 自 らがメンバーを 集 めて 主 宰 され 一 つの 会 議 が 行 われました 地 方 分 権 21 世 紀 ビジョン 懇 談 会 とい う 会 議 ですが その 中 では 地 方 の 自 由 度 の 拡 大 とともに 責 任 の 明 確 化 につい ての 議 論 がなされました 財 政 健 全 化 や 行 革 推 進 など いろいろな 取 り 組 みを 地 方 公 共 団 体 にお 願 いすることが 多 いわけですが ここ2 年 余 りの 動 きはこの ビジョン 懇 談 会 の 議 論 が 発 端 になっていると 言 っても 過 言 ではないだろうと 思 います その 構 成 員 は 猪 瀬 直 樹 先 生 をはじめ 現 在 の 経 済 財 政 諮 問 会 議 の 担 当 大 臣 である 大 田 弘 子 先 生 や 本 間 正 明 先 生 などが 入 っておられます この 中 で 特 に 地 方 公 共 団 体 が 地 方 分 権 を 進 めていく 中 で 自 由 度 の 拡 大 ということと 責 任 の 明 確 化 は 表 裏 一 体 であろうという 大 変 強 いご 議 論 がありました また この 懇 談 会 は かなり 大 胆 なことを 委 員 の 方 がおっしゃって それを 大 臣 が 強 い 意 志 で 推 進 するものでした この 懇 談 会 の 報 告 書 の 中 で いわゆる 再 生 型 破 綻 法 制 の 整 備 という ことを 提 言 されておられまして 結 局 今 までの 地 方 公 共 団 体 は 護 送 船 団 方 式 で 国 が 何 とかしてくれるという 意 識 があったのではないかという 大 変 強 い 不 信 感 と 言 うと 語 弊 があるかもしれませんが そういう 指 摘 を 先 生 方 からいた だいたわけです 特 にそれが 財 政 規 律 の 緩 みにつながってきた 面 は 否 定 できず これは 各 地 方 公 共 団 体 個 々の 運 営 の 問 題 だけでなく 国 地 方 を 通 じた 財 政 制 度 全 体 がそう いうことを 許 すような 仕 組 みになっているのではないかという 強 い 危 機 感 問 題 意 識 を 呈 されたわけです その 地 方 財 政 の 規 律 を 回 復 させなければならない ということ それが 再 生 型 破 綻 法 制 の 議 論 の 発 端 になったわけです そうは 言 っても 自 治 体 と 民 間 企 業 とが 違 うのは 当 然 のことで 民 間 企 業 は 破 綻 すれば 倒 産 して 法 人 格 をなくして 財 産 を 債 権 者 に 分 与 していくことになる - 70 -

わけですが 地 方 公 共 団 体 は 住 民 サービスを 継 続 していかなければならないわ けです ですから やはり 自 治 体 を 再 建 し 住 民 サービスが 確 保 できるように 対 処 していく 再 建 型 破 綻 法 制 が 必 要 であろうという 意 識 が この 懇 談 会 の 報 告 書 の 中 にも 表 れています ただ 現 在 の 制 度 にかんがみて やはり 早 期 の 是 正 措 置 を 講 じ それからこ ういう 仕 組 みを 担 保 するために 正 確 な 財 政 情 報 を 住 民 にオープンにしていく 仕 組 み 法 制 を 速 やかに 整 備 すべきであるということがかなり 言 われています 場 合 によっては 地 方 公 共 団 体 の 債 務 について 銀 行 が 審 査 をして 貸 すか 貸 さない かを 決 めるということもあってもいいのではないかというような 議 論 もありま した ただ このときには 3 年 以 内 に 制 度 を 整 備 するということがうたわれ ておりまして この 提 言 を 受 けた 上 で 検 討 する 時 間 がややあるようなことを 書 き 入 れてあります しかしその 後 2006 年 の6 月 か7 月 に 夕 張 市 の 問 題 が 表 面 化 し 自 治 体 の 財 政 規 律 の 問 題 が 国 会 でも 大 変 注 目 を 浴 びました それで 竹 中 大 臣 の 後 を 受 けた 先 の 総 務 大 臣 である 菅 大 臣 から 私 どもに 対 し て 3 年 と 言 わずすぐさま 法 整 備 すべきであるという 強 い 指 示 があり このよ うな 規 模 の 法 律 を 作 る 上 では 大 変 異 例 なことですが わずか 半 年 ぐらいの 間 に 制 度 の 骨 格 を 固 め 先 の 通 常 国 会 に 提 出 したということです 2. 現 行 制 度 では 何 が 今 までの 財 政 健 全 化 の 仕 組 みや 再 生 の 仕 組 みと 違 うのかというと ころです 関 係 資 料 1(87 ページ) 地 方 公 共 団 体 の 財 政 の 健 全 化 に 関 する 法 律 について は この 法 律 の 内 容 を 示 したものです 矢 印 の 右 側 の 方 が 財 政 状 況 が 悪 化 した 団 体 のイメージで 左 側 に 行 く 方 が 財 政 状 況 が 健 全 な 団 体 のイ メージです この 矢 印 の 下 の 方 が 現 在 の 制 度 上 の 方 が 新 しい 制 度 です 新 し い 制 度 の 本 格 的 な 施 行 は 平 成 21 年 4 月 で 平 成 20 年 度 決 算 から 適 用 されるこ とになります 現 在 は 地 方 公 共 団 体 の 財 政 状 況 が 悪 化 すると 地 方 財 政 再 建 促 進 特 別 措 置 法 によって 再 建 を 図 る 仕 組 みになっています ご 存 知 のとおり 夕 張 市 に 適 用 しているのはこの 法 律 で 総 務 大 臣 の 同 意 を 得 て 18 年 かけて 赤 字 を 解 消 す るという 計 画 を 作 っているわけです この 赤 字 というのが 一 体 どの 範 囲 の 赤 字 なのかということも 問 題 になるかと 思 いますが 赤 字 団 体 の 申 し 出 により 計 画 - 71 -

を 作 り その 計 画 に 総 務 大 臣 が 同 意 をします 今 の 地 方 分 権 一 括 法 では 総 務 大 臣 の 承 認 となっていますが 承 認 あるいは 同 意 を 得 て 計 画 を 策 定 し 再 建 をす るというものです もともとの 法 律 は 今 から 半 世 紀 以 上 前 の 昭 和 30 年 に 作 られた 法 律 で 昭 和 20 年 代 後 半 は 市 の7 割 近 くが 赤 字 を 抱 えていました まだ 戦 後 の 混 乱 が 続 き 制 度 が 安 定 しない 時 期 で その 赤 字 をどう 解 消 していくかが 非 常 に 大 きな 課 題 になっていたわけです ですから この 法 律 はもともと 昭 和 29 年 度 の 赤 字 の 団 体 を 再 建 するという 法 律 で そういう 意 味 では 特 別 措 置 法 臨 時 的 な 法 律 だったのです ただ 昭 和 30 年 以 降 の 赤 字 の 団 体 についてもこの 法 律 を 準 用 しながら 再 建 できるという 仕 組 みになっておりまして 夕 張 市 もそうなので すが この 法 律 の 一 部 を 準 用 しながら 再 建 していくという 仕 組 みだったわけで す しかも これは 申 出 制 ですので 申 し 出 なければどんなに 悪 くなってもこの 法 律 は 適 用 されません 結 局 地 方 公 共 団 体 の 方 から 申 し 出 て 総 務 大 臣 の 同 意 が 得 られないと 法 律 が 適 用 されないという 仕 組 みです ただ 申 出 制 ではあ りますが 赤 字 の 比 率 が 市 町 村 の 場 合 には 20%を 超 えますと 地 方 債 の 発 行 ができないという 起 債 の 制 限 が 入 ってきます したがいまして 事 実 上 20% というラインが 再 建 制 度 を 使 うか 使 わないかというラインになっていたわけで す 言 わばこれまではうちの 団 体 は 再 建 団 体 ではない うちは5%だ 10%だ と 大 阪 府 はもっと 厳 しいですが 財 政 課 の 皆 さんが 総 務 省 に 報 告 していたわ けです ただ この 都 道 府 県 の5%とか 市 町 村 の 20%とかというのは あくまでも 普 通 会 計 の 指 標 で 公 営 企 業 会 計 の 赤 字 はここには 入 っておりません ですか ら 普 通 会 計 の 部 分 さえ 黒 字 にしておけば 再 建 制 度 の 対 象 にならなかったわ けです このような 仕 組 みは やはり 半 世 紀 前 の 仕 組 みということで 大 変 いろいろ な 課 題 を 抱 えています まずは 非 常 に 悪 い 状 態 になってから 申 し 出 るという 仕 組 みで 常 日 ごろからの 分 かりやすい 財 政 状 況 の 開 示 が 不 十 分 ではないかと いう 指 摘 があります 地 方 公 共 団 体 の 財 政 状 況 については 皆 さま 方 の 団 体 で もホームページなどに 掲 載 していただいていると 思 いますし 広 報 誌 などいろ いろな 形 で 広 報 されていると 思 いますが やはり 分 かりにくいということがあ - 72 -

ります 財 政 畑 の 方 であればこれがこうでこうなってというのが 分 かるのです が 一 般 の 住 民 の 方 に 対 して ほかのまちと 比 べてどうなのかとか ここまで いったらどうなるのかという 観 点 での 分 かりやすさというものがない それか ら 再 建 団 体 になるかどうかの 基 準 はあるのですが もっと 手 前 の 段 階 で 早 期 の 是 正 早 期 の 財 政 の 健 全 化 を 図 るという 機 能 が この 法 律 にはありません それから 話 は 戻 りますが 現 行 制 度 の 赤 字 はあくまでも 一 般 会 計 を 中 心 と した 会 計 の 赤 字 の 話 で 例 えば 公 営 企 業 には 公 営 企 業 の 中 に 再 建 制 度 があり あくまでも 地 方 公 営 企 業 法 が 適 用 されている 企 業 なのです 水 道 事 業 や 病 院 交 通 事 業 などに 限 られていて 例 えば 下 水 道 事 業 や 宅 地 造 成 事 業 介 護 サービ ス 事 業 観 光 施 設 事 業 などについては 今 は 再 建 制 度 がないのです もちろん 決 算 をしていますから 赤 字 があることは 分 かるのですが 一 般 会 計 は 黒 字 であったりと 普 通 会 計 の 赤 字 を 中 心 とした 収 支 の 指 標 で 判 断 されてい たわけです また 収 支 ですから 年 間 の 歳 出 と 歳 入 が 取 りあえず 合 っていれ ばいいということになります そうすると 年 間 収 支 を 合 わせるために 借 金 を して 収 支 を 合 わせていくことになって 借 金 の 残 高 がどんどん 上 がっていくわ けです それをストックといっていますが そういう 負 債 がどんどん 増 えてい く 状 況 をとらえても 何 ら 再 建 なり 早 期 健 全 化 の 仕 組 みにするという 状 態 に なっていないということがありました また 公 営 企 業 も 同 様 で 公 営 企 業 に は 再 建 制 度 があるわけですが やはり 早 期 の 経 営 の 健 全 化 是 正 機 能 がない 仕 組 みでした これを 今 回 の 法 律 では 抜 本 的 に 改 めて 新 しい 法 律 として 仕 組 みを 作 ったわ けです 3. 健 全 化 判 断 比 率 の 公 表 それが 関 係 資 料 1(87 ページ) 上 段 ですが どういう 内 容 かというと こ れからは 普 段 健 全 だといわれているような 団 体 は 指 標 の 整 備 と 情 報 開 示 の 徹 底 に 努 める 財 政 指 標 は 四 つ 公 営 企 業 はまた 別 に 幾 つかあるようですが 主 な 指 標 は 四 つということで この 四 つの 指 標 を 毎 年 各 地 方 団 体 が 決 算 をすると きに 算 定 します しかも これを 監 査 委 員 の 審 査 を 受 けた 上 で 議 会 に 報 告 し 公 表 していただくという 仕 組 みが 入 っています この 指 標 をなぜ 新 しくしたかと いうことですが 自 治 体 はということだけではなくて やはり 地 方 団 体 の 財 政 - 73 -

状 況 をなるべくトータルなものにしようということで 指 標 の 再 編 をしたわけ です (1) 実 質 赤 字 比 率 具 体 的 に 言 いますと 地 方 公 共 団 体 の 会 計 はいろいろな 会 計 があるわけです が 大 きく 分 けますと 税 や 交 付 税 など いわゆる 公 的 な 資 金 でされる 事 業 こ れは 普 通 会 計 の 範 囲 ですが この 普 通 会 計 の 範 囲 を 対 象 としている 指 標 は 今 までのものとほぼ 一 緒 だと 考 えていただいて 結 構 です 一 部 は 全 体 の 再 編 の 関 係 で 変 わっていますが ほぼこれまでと 同 様 だと 考 えていただければよいかと 思 います (2) 連 結 実 質 赤 字 比 率 それに 加 えて 新 しい 指 標 として 連 結 実 質 赤 字 比 率 というものが 指 標 として 出 てきたわけです これは 赤 字 の 会 計 もあれば 黒 字 の 会 計 もあって いろい ろ 分 かれているわけですが それをやめて 公 営 事 業 会 計 公 営 企 業 会 計 あ るいは 下 水 道 宅 地 造 成 そういうものを 全 部 含 めて 一 つの 団 体 の 会 計 を 全 部 連 結 した 赤 字 あるいは 資 金 力 を 把 握 しようという 比 率 です 計 算 式 が 関 係 資 料 5(90 ページ) 健 全 化 判 断 比 率 等 の 概 要 について に 出 ていますが 標 準 財 政 規 模 ( 税 金 や 交 付 税 で 一 般 的 にその 団 体 の 規 模 として 持 ち 得 る 一 般 会 計 の 規 模 )に 対 して 一 般 会 計 や 公 営 企 業 会 計 の 赤 字 がどの 程 度 あるかを 表 してい ます これはこの 法 律 で 新 しく 指 標 として 作 られたものです (3) 実 質 公 債 費 比 率 それから 実 質 公 債 費 比 率 というのは 従 来 起 債 制 限 比 率 と 呼 んでおりま したもののバーションアップ 版 です 実 質 赤 字 比 率 はいわゆる 赤 字 をとらえよ うという 指 標 ですが こちらの 方 は 一 般 財 源 に 対 して 実 質 的 な 借 金 の 返 済 額 が 年 間 どのくらい 多 いかをとらえようというものです これは 現 在 地 方 債 の 協 議 制 が 入 っていますので 昔 ですと 地 方 債 を 発 行 す る 場 合 は 一 般 市 町 村 であれば 知 事 の 許 可 政 令 市 や 都 道 府 県 では 総 務 大 臣 の 許 可 が 必 要 でしたが 今 は 財 政 状 況 さえ 良 ければ 許 可 がなくても 地 方 債 を 発 行 で きる 仕 組 みになっています 協 議 をして 合 意 が 得 られなくとも 地 方 債 が 発 行 - 74 -

できるという 仕 組 みになっていますが その 地 方 債 を 許 可 なく 発 行 できるかど うかを 判 断 する 指 標 としてもこれが 使 われています これを 新 たな 指 標 として 作 ったということです 今 申 し 上 げました(1) 実 質 赤 字 比 率 (2) 連 結 実 質 赤 字 比 率 (3) 実 質 公 債 費 比 率 という 三 つの 指 標 は あくまでも1 年 間 の 赤 字 であったり ある いは1 年 間 の 借 金 返 済 の 重 さを 量 る 指 標 です その 意 味 でフロー 指 標 と 呼 んで いますが その 一 方 で もう 一 つ 新 しく 作 った 指 標 として 将 来 負 担 比 率 という ものがあります これはストックの 指 標 で こちらの 方 はある 時 点 における 借 金 の 額 をとらえようという 指 標 です (4) 将 来 負 担 比 率 関 係 資 料 4(90 ページ) 健 全 化 判 断 比 率 等 の 対 象 について にありますよ うに これらそれぞれで 矢 印 の 幅 つまり 健 全 化 判 断 比 率 等 の 対 象 が 変 わって くるわけです 実 質 赤 字 比 率 はいわゆる 普 通 会 計 の 範 囲 の 赤 字 をとらえるもの で 連 結 実 質 赤 字 比 率 は 一 つの 地 方 公 共 団 体 としての 会 計 を 全 部 通 じた 範 囲 で の 赤 字 をとらえるもの そして 実 質 公 債 費 比 率 は 起 債 限 度 がある 一 部 事 務 組 合 広 域 連 合 まで 含 めた 事 実 上 の 借 金 の 返 済 額 をとらえるものです さらに 将 来 負 担 比 率 も 地 方 団 体 の 借 金 をとらえる 指 標 ですが その 範 囲 は 一 部 事 務 組 合 広 域 連 合 地 方 公 社 第 三 セクター 等 が 負 っている 借 金 でも 実 質 的 に 親 団 体 と 言 いますか 一 つの 地 方 公 共 団 体 が 背 負 わなくてはいけない 借 金 を 含 めて 将 来 の 債 務 負 担 を 把 握 しようという 指 標 です 関 係 資 料 7(91 ページ) 将 来 負 担 比 率 の 概 要 について という 資 料 が 載 っ ています 標 準 財 政 規 模 から 元 利 償 還 金 等 に 係 る 交 付 税 算 入 額 を 除 きますと ネットが 一 般 財 源 と 考 えていいのですが 地 方 債 の 現 在 高 は 借 金 が 多 ければ 大 きくなります それから 債 務 負 担 行 為 に 基 づく 支 出 予 定 額 借 金 ではないけ れども 事 実 上 将 来 負 債 となることが 確 定 しているようなもの それから 退 職 に 当 たっての 支 給 予 定 額 のうち 税 交 付 税 で 対 応 していかなければいけ ないような 普 通 会 計 の 負 担 見 込 額 も 算 定 します それから 先 ほど 申 し 上 げま した 公 社 や 第 三 セクターが 持 っている 借 金 でも 元 団 体 が 損 失 補 償 という 形 で その 公 社 や 第 三 セクターが 借 金 を 払 えなければ 代 わって 払 いますという 約 束 を している 場 合 があるわけです そういうものについても 算 定 していこうという - 75 -

形 で 広 い 意 味 での 負 債 総 額 をとらえていこうという 指 標 です これに 充 当 で きるような 基 金 や 交 付 税 算 入 見 込 額 等 をマイナスの 要 素 として 考 慮 するわけで すが そういう 指 標 として 将 来 負 担 比 率 というものを 作 っています 以 上 の 四 つの 指 標 が 地 方 公 共 団 体 を 一 つの 法 人 一 つの 団 体 として 財 政 状 況 が 健 全 か 不 健 全 かということを 判 断 する 指 標 として この 法 律 で 定 められて いるわけです 4. 財 政 の 早 期 健 全 化 公 営 企 業 が 各 事 業 を 行 う 際 には 例 えば 交 通 事 業 なら 交 通 事 業 下 水 道 なら 下 水 道 病 院 なら 病 院 というそれぞれの 企 業 ごとに 公 営 企 業 会 計 の 赤 字 である 資 金 不 足 比 率 を 用 いて それぞれの 財 政 状 況 を 毎 年 明 らかにし それを 監 査 委 員 の 審 査 に 付 した 上 で 議 会 に 報 告 して 公 表 します この 指 標 に 問 題 がなければ この 団 体 は 取 りあえず 財 政 状 況 としては 健 全 だということになるわけですが その 指 標 のいずれかが 悪 くなりますと 財 政 の 早 期 健 全 化 という 段 階 に 入 ります 地 方 公 共 団 体 の 財 政 状 況 を 判 断 する 際 には 大 きく 四 つの 指 標 があると 申 し 上 げましたが その 四 つの 指 標 のうちの 一 つでも 提 示 されている 基 準 以 上 になり ますと 自 主 的 な 改 善 努 力 というものが 要 求 されます 自 主 的 な 改 善 努 力 というのは 分 かりにくい 言 葉 ですが 何 をするかというと まず 財 政 健 全 化 計 画 を 策 定 するということが 義 務 付 けられます 財 政 状 況 が 悪 くなると 財 政 再 建 プログラムとか 財 政 健 全 化 計 画 など いろ いろな 名 前 で 計 画 を 作 ることになるわけですが 単 に 首 長 や 執 行 部 が 計 画 を 作 りましたというだけではいけないのです 法 律 上 その 計 画 の 策 定 は 義 務 になっ ており 策 定 しなければいけません しかもその 策 定 に 当 たっては 議 会 の 議 決 が 必 要 となっております また その 策 定 に 当 たっては 外 部 監 査 を 長 が 要 求 して 外 部 監 査 をかけた 上 でこの 計 画 を 策 定 する 仕 組 みになっています 外 部 監 査 を 受 けた 上 で 議 会 も 議 決 をしてこういう 法 律 を 作 るということは 法 律 上 義 務 になっているわけですが それがどういう 内 容 かということについ てはそれぞれの 団 体 に 任 されるというのが この 自 主 的 な 改 善 努 力 の 段 階 です ただ 健 全 化 の 際 の 目 標 はあります 一 つでも 二 つでも 指 標 が 基 準 を 超 える - 76 -

と 財 政 の 早 期 健 全 化 の 段 階 になります この 段 階 になりますと 普 通 会 計 の 収 支 は 均 衡 (0%) そして それ 以 外 の 指 標 は 基 準 を 下 回 るようにしてく ださいというのが 法 律 上 の 義 務 です ただ その 目 標 を 達 成 できるのであるな らば とにかく 事 業 を 縮 小 させて 改 善 していくのか それとも 人 件 費 を 削 減 し て 改 善 をしていくのか あるいは 財 産 を 売 却 して 改 善 していくのか それは 各 団 体 の 取 り 組 みに 委 ねられています ですから 議 会 と 首 長 さんの 間 でよく 相 談 をしていただいて 計 画 を 策 定 します もちろん 計 画 を 策 定 するだけではなく 毎 年 度 議 会 にその 実 施 状 況 の 報 告 をしなければいけないことになっています そして 住 民 に 対 してそれを 公 表 するという 仕 組 みになっています すなわち 計 画 を 策 定 し それを 回 していくという 大 きな 枠 組 みは 義 務 付 けられているの ですが どのような 内 容 で 改 善 していくかは それぞれの 団 体 の 判 断 に 委 ねら れているというのが この 財 政 の 早 期 健 全 化 という 段 階 です 今 の 再 建 法 では 再 建 計 画 には 総 務 大 臣 の 同 意 が 必 要 になるわけですが 早 期 の 健 全 化 とい うことですので やはり 自 主 的 な 努 力 によって 議 会 や 住 民 に 公 表 しながら 改 善 していければベストだと 私 どもは 思 っております この 段 階 では あくまでも 市 町 村 や 都 道 府 県 などの 当 該 団 体 で 自 主 的 な 改 善 努 力 をするということがこの 仕 組 みの 趣 旨 ですので 国 の 関 与 というものはな るべく 抑 制 したいと 考 えています ただ 実 施 状 況 を 見 ていく 中 で あまりに も 早 期 の 健 全 化 が 著 しく 困 難 で 改 善 どころか 逆 に 悪 化 している このままで は 財 政 の 再 建 は 到 底 できないという 状 況 が 見 て 取 れれば やはり 議 会 や 住 民 の 皆 さまももう 一 度 よく 考 えていただきたいということで 総 務 大 臣 または 知 事 が 必 要 な 勧 告 を 行 うことができるステージが 入 っています できることならばそういうことはしたくないわけですが 仮 に 勧 告 されます と その 勧 告 された 首 長 さんは 勧 告 されたことを 議 会 でも 報 告 しなければいけ ませんし また 監 査 委 員 にも 報 告 しなければなりません そしてもちろん 勧 告 内 容 は 公 表 されます ただ 勧 告 を 尊 重 することは 義 務 なのですが 従 わなけ ればならないという 義 務 はありません あくまでも 助 言 勧 告 でしかないわけで すが 住 民 と 議 会 に 一 つの 警 鐘 を 鳴 らすという 意 味 で 勧 告 の 仕 組 みが 入 ってい るということです - 77 -

5. 財 政 の 再 生 この 段 階 で 改 善 できればそれがいいのですが 不 幸 なことにもっと 財 政 状 況 が 悪 化 すると 財 政 の 再 生 という 段 階 に 入 ります この 段 階 になりますと これはもう 自 主 的 な 改 善 努 力 に 期 待 ができない 段 階 ですので 国 等 の 関 与 によ る 確 実 な 再 生 を 行 うことになります まず 財 政 再 生 計 画 を 策 定 これにはも ちろん 議 会 の 議 決 を 必 要 とします そして 早 期 の 健 全 化 の 段 階 では 目 標 は 決 まっていますがどういう 計 画 を 作 るかは 任 されていたわけですが 財 政 再 生 計 画 の 方 は 強 制 的 で 具 体 的 には 事 務 事 業 の 見 直 しは 当 然 ですが 手 数 料 使 用 料 等 の 引 き 上 げ 税 の 徴 収 財 産 の 売 却 場 合 によっては 法 定 外 税 等 も 検 討 して 計 画 内 容 を 策 定 します その 上 で この 財 政 再 生 計 画 は 総 務 大 臣 に 協 議 して 同 意 を 求 めることができるとなっています これは 求 めることがで きる ですので 求 めないこともできるわけですが 総 務 大 臣 の 同 意 を 得 ない あるいは 同 意 を 求 めたけれども 同 意 が 得 られないという 場 合 ですと 災 害 復 旧 事 業 を 除 き 地 方 債 の 発 行 が 全 面 的 に 制 限 されます ですから もうこれ 以 上 借 金 はしないので 国 に 頼 ることなく 再 建 しますという 団 体 はそれで 改 善 する 道 は 残 されているわけですが それは 相 当 困 難 な 道 です 困 難 な 道 でも 進 むとい う 団 体 であれば それは 可 能 です ただ いろいろな 事 業 をやる 中 で いろいろなことに 対 処 しなければいけな い もう 一 方 で 再 生 を 進 めなければいけない やはり 地 方 債 の 全 面 禁 止 という ことではやはり 厳 しいという 団 体 は 財 政 再 生 計 画 の 同 意 を 求 めて 同 意 があ りますと 地 方 債 の 起 債 制 限 は 解 除 されます それが 解 除 されますと その 収 支 の 不 足 を 長 期 的 な 債 務 に 振 り 替 えて 債 務 を 減 少 させて 計 画 的 に 解 消 できる ようにしておきたいということで これを 再 生 振 替 特 例 債 と 言 いますが そう いう 起 債 もすることができます ただし その 起 債 は 財 政 再 生 計 画 の 期 間 内 に 償 還 しなければならないという 仕 組 みが 入 っています また こういう 段 階 に なりますと 財 政 運 営 が 計 画 に 適 合 しないと 認 められるような 場 合 には 予 算 の 変 更 ということも 考 えられます 6. 公 営 企 業 の 経 営 の 健 全 化 公 営 企 業 の 経 営 健 全 化 も 申 し 上 げたように 毎 年 毎 年 の 指 標 の 算 定 と そ れからその 指 標 が 一 定 程 度 悪 化 しますと 財 政 の 早 期 健 全 化 公 営 企 業 でいきま - 78 -

すと 経 営 の 健 全 化 計 画 を 作 ることになるわけなのですが そういう 仕 組 みが 入 っています 一 般 会 計 や 普 通 会 計 が 赤 字 になっている 団 体 は 少 ないわけですが 公 営 企 業 は 赤 字 の 団 体 も 結 構 あります イメージとしては 公 営 企 業 の 赤 字 については なるべく 早 期 に 経 営 改 善 計 画 を 作 って 全 体 の 赤 字 に 及 ばないようにするとい うことが 一 つ 求 められるだろうと 思 っています ただ 公 営 企 業 の 赤 字 がどん どん 膨 らんで それが 地 方 公 共 団 体 の 標 準 財 政 規 模 から 見 て 維 持 できないよう な 規 模 になってまいりますと 財 政 の 早 期 健 全 化 の 段 階 になりますし さら に 悪 化 すると 財 政 の 再 生 という 段 階 になるということです 7. 地 方 公 共 団 体 財 政 健 全 化 法 における 早 期 健 全 化 基 準 財 政 再 生 基 準 経 営 健 全 化 基 準 少 し 余 談 になりますが 財 政 再 生 基 準 は 先 ほど 申 し 上 げました 四 つのうち 三 つの 指 標 にしかありません これは 先 ほども 申 し 上 げましたように 財 政 の 再 生 というのは 予 算 編 成 上 も 財 政 の 上 でも 非 常 に 厳 しい 制 約 があります それだけの 厳 しい 制 約 を 受 ける 団 体 というのは あくまでも 財 政 状 況 が 切 迫 し ているような 状 態 に 限 るべきだろうということで 赤 字 が 大 きい あるいは 元 利 償 還 金 が 非 常 に 重 いということで 財 政 再 生 団 体 とするとされています 将 来 負 担 比 率 が 悪 化 していっても ではどこからが 危 機 的 な 状 況 なのかというのは なかなか 難 しくて 予 算 編 成 や 財 政 運 営 に 強 い 制 限 をかけることになりますの でフェアにやらなくてはいけないということで これについては 再 生 基 準 が 設 定 されております この 基 準 については 資 料 としては 関 係 資 料 13(95 ページ) 地 方 公 共 団 体 財 政 健 全 化 法 における 早 期 健 全 化 基 準 財 政 再 生 基 準 経 営 健 全 化 基 準 につい て に 5つの 規 準 を 載 せています 1 実 質 赤 字 比 率 は 財 政 再 生 基 準 は 現 行 の 再 建 法 の 起 債 制 限 の 基 準 に 従 って 市 町 村 の 場 合 は 20%としていますが 早 期 健 全 化 基 準 については 現 行 の 地 方 債 の 許 可 制 移 行 基 準 を 念 頭 に 小 さな 市 町 村 は 15% 大 きな 市 町 村 は 11.25% 都 道 府 県 の 場 合 は 3.75%と 設 定 しています 2 連 結 赤 字 実 質 比 率 は 実 質 赤 字 比 率 に5% 加 算 し 財 政 再 生 のラインはそれ に 10% 加 算 した 基 準 で 設 定 されております ただし 連 結 実 質 赤 字 比 率 は 法 - 79 -

律 で 導 入 された 新 しい 指 標 であるということから その 財 政 再 生 基 準 について は3 年 間 10 ~5% 引 き 上 げるということになっています 3 実 質 公 債 費 比 率 は 早 期 健 全 化 基 準 は 25%のライン 財 政 再 生 基 準 は 35% のラインとなっています 4 将 来 負 担 比 率 は 市 町 村 は 350%となっています 5 公 営 企 業 における 資 金 不 足 比 率 は これが 年 間 の 資 金 不 足 比 率 が 20%を 超 えると 公 営 企 業 単 体 の 経 営 健 全 化 計 画 を 立 てなければならなくなります ここに 至 るまでに 私 どもでは 算 定 方 法 や 早 期 の 健 全 化 についてのいろいろ なご 意 見 等 を 伺 ってまいりました 各 地 方 公 共 団 体 に 対 して 説 明 会 を 開 いたり あるいは 意 見 交 換 を 行 ってまいりまして 関 係 資 料 15 16(97 98 ページ) 地 方 公 共 団 体 財 政 健 全 化 法 に 係 る 財 政 指 標 及 び 基 準 の 整 備 に 関 して 地 方 公 共 団 体 からの 意 見 要 望 を 反 映 させた 主 な 事 項 にあるように さまざまな 地 方 公 共 団 体 のご 意 見 を 踏 まえた 配 慮 をさせていただいているところです この 指 標 は 具 体 的 には 平 成 19 年 度 決 算 から 時 期 は 来 年 の 秋 ぐらいま でに 公 表 されることになってまいります 指 標 の 公 表 は 今 年 4 月 からですが まだ 平 成 19 年 度 決 算 は 指 標 が 公 表 されるだけで この 指 標 が 悪 くても 財 政 健 全 化 計 画 や 財 政 再 生 計 画 策 定 の 義 務 はありません まずは 公 表 するということ です そして 平 成 21 年 の4 月 以 降 はこの 指 標 が 悪 くなりますと 財 政 健 全 化 計 画 なり 財 政 再 生 計 画 なりを 策 定 する 義 務 が 生 じることになります 今 まさに 次 年 度 の 予 算 編 成 を 各 団 体 でやっていただいていると 思 いますが その 中 で 公 営 企 業 の 赤 字 や 外 郭 団 体 の 負 債 なども 含 めて 目 配 りをしていただきながら 次 年 度 の 予 算 の 編 成 をして 次 年 度 の 決 算 をしていただく 必 要 があるわけです 8. 現 在 の 見 通 し ここまでざっと 制 度 の 概 要 を 説 明 してまいりました 私 どもはよく このよ うな 団 体 に 大 体 どのぐらい 該 当 するのでしょうかという 質 問 をいただきます 四 つの 指 標 のうち 二 つの 指 標 は 新 しい 指 標 ですし 平 成 19 年 度 決 算 からの 公 表 ということですので まだ 判 定 ができているわけではないわけですが 実 際 に 四 つの 指 標 の 中 の 実 質 赤 字 と 実 質 公 債 費 につきましては 現 在 ある 指 標 です 仮 に 平 成 18 年 度 の 決 算 で 実 質 赤 字 比 率 で 早 期 健 全 化 基 準 以 上 になると 思 わ - 80 -

れる 団 体 は 全 国 に 8 つぐらいあります それから 公 債 費 比 率 の 方 は 早 期 健 全 化 基 準 は 25% 以 上 です 実 際 は 各 団 体 でお 分 かりだと 思 いますが この 団 体 は 全 国 で 45 団 体 あります うち 財 政 再 生 基 準 以 上 いわゆる 35% 以 上 に 該 当 してくる 団 体 も 現 時 点 で3 団 体 あります しかし これらの 団 体 は すでに 財 政 改 善 の 取 り 組 みをしています したが いまして 法 律 が 本 格 施 行 される 平 成 20 年 決 算 平 成 21 年 4 月 に 向 けて こ れをにらんでまさに 今 改 善 に 取 り 組 んでいる 団 体 ですので 最 終 的 にこの 法 律 が 施 行 されますと どの 程 度 の 団 体 がこの 基 準 に 該 当 するかは 不 透 明 な 部 分 が あります しかし ざっくり 申 し 上 げると われわれの 予 想 では 早 期 の 健 全 化 団 体 は 恐 らく 全 国 で 50 ~ 100 団 体 ぐらいになるのではないかと 思 っておりま す それから 皆 さん 割 と 四 つの 指 標 に 注 目 してしまうのですが 実 は 先 ほど 申 し 上 げましたように やはり 個 々の 公 営 企 業 についても 改 善 すべき 点 があるの です ですから 公 営 企 業 における 資 金 不 足 比 率 が 悪 化 している 団 体 も 該 当 する 公 営 企 業 については 経 営 健 全 化 計 画 を 作 って 一 定 期 間 をかけて 改 善 して いって 周 りから 応 援 していく その 過 程 では 第 三 者 も 入 ってきますし 行 政 が 判 定 を 受 けるということにもなってまいります そういう 団 体 が 結 構 出 てくる と 思 います ですから 地 方 公 共 団 体 の 財 政 改 革 の 範 囲 各 公 営 企 業 の 会 計 あるいは 組 合 や 公 社 三 セクも 含 め おのずと 範 囲 が 決 まってくるわけですが それをなるべく 広 くとらえていって しかも 住 民 に 極 力 オープンにしていく 算 定 資 料 などは 先 ほど 説 明 しましたように 議 会 に 報 告 し 住 民 に 公 表 しま す しかも 算 定 資 料 は5 年 間 市 役 所 に 備 え 付 ける 義 務 があり 第 三 者 もこれ を 確 認 することができます このようになっていきますので 財 政 状 況 が 悪 化 する 中 で 住 民 あるいは 議 会 の 皆 さんで 議 論 していただくことがこれからは 重 要 になっていくだろうと 思 います いろいろなところへ 説 明 に 参 りますと 大 変 厳 しいというご 意 見 もあるわけ ですが やはり 大 きな 流 れとしては 分 権 の 時 代 になって 財 政 運 営 の 自 由 度 が 増 す 方 向 です 分 権 はしたけれども 住 民 サービスが 低 下 したということになっ ては 困 るわけで 住 民 サービスもやはり 確 保 しなければならない そのために も 住 民 に 対 する 情 報 の 公 開 そして 議 会 とともに どのような 財 政 の 健 全 化 を - 81 -

していくのかを 議 論 していただくことが 大 事 ではないかと 思 います 単 に こういうふうにすれば 指 標 をクリアできるとか 何 とかできないかと いうご 相 談 や 声 はよく 私 も 聞 くのですが いかにしたら 再 生 団 体 になることを 回 避 できるかとか どうしたら 基 準 をクリアできるかということではないので す 中 にはこういう 財 政 改 革 をやっておられるところがあります これは 非 常 にいいことだと 思 うのですが 議 会 にも 住 民 にも わがまちの 状 況 はいかにほ かの 団 体 に 比 べて 悪 い 状 況 にあるのかということを 説 明 して だからぜひ 応 援 してほしいということを 財 政 改 革 の 中 でやっておられます やはりオープンに していく 特 に 特 別 会 計 や 外 郭 団 体 の 状 況 というのはなかなか 住 民 にも 分 かり にくいですし 今 まではどちらかというとあまり 注 意 を 払 ってこなかったとい う 側 面 があると 思 いますが そういうものをすべてオープンにしていって 改 善 の 議 論 をするチャンスとしてとらえていただければと 思 っております また あくまでも 法 律 の 指 標 は 最 低 限 の 指 標 です 分 かっている 人 であれ ば この 基 準 は 完 ぺきなものではありませんし また 厳 しい 内 容 にはなってい ますが 比 較 的 配 慮 がなされている 基 準 でもあるということがお 分 かりかと 思 い ます そういう 意 味 ではこの 基 準 さえクリアすればよいということではなくて より 積 極 的 な 財 政 の 改 善 あるいは 持 続 可 能 な 財 政 状 況 を 指 向 していただかな ければいけないということだと 思 います そういう 意 味 では いろいろな 情 報 公 開 の 仕 組 みが 関 係 資 料 の 27 28(106 ページ) 地 方 公 共 団 体 の 財 政 状 況 の 情 報 公 開 に 財 政 比 較 分 析 表 や 財 政 状 況 等 一 覧 表 のイメージを 載 せています こういうものも 充 実 させていきながらわがまちの 財 政 状 況 を 提 示 して どのよ うなサービスを 展 開 して 行 政 を 推 進 するのかということを 議 論 していただけれ ばと 思 います 残 りの 時 間 は 質 疑 に 当 てたいと 思 います ご 清 聴 ありがとうございました( 拍 手 ) 9. 質 疑 応 答 と 補 足 ご 質 問 がないようでしたら 私 の 方 から 補 足 したい 部 分 があります 財 政 担 当 の 方 が 一 番 心 配 されるのが この 指 標 の 算 定 作 業 が 大 変 なのではな いかということと 簡 単 に 審 査 できるのかということで よくご 質 問 をいただ きます これは 本 当 に 悩 ましい 問 題 だろうと 思 っておりますが 決 算 統 計 とこ の 指 標 とはやや 違 っている 部 分 があります 決 算 統 計 で 捕 捉 できていない 新 - 82 -

たに 捕 捉 しなければならないという 事 例 もたくさんあります そういうものも 含 め 昨 年 の 夏 にかけて かなり 基 礎 調 査 をしてまいりましたが 私 どもでは 算 定 フォーマットというものを 作 って 検 討 してまいりました できれば 練 習 で はないですが 18 年 度 決 算 で 試 算 してみられるようなフォーマットを 作 って 早 くお 渡 しした 方 がいいのかなとは 思 っています フォーマットの 改 善 点 につ いても 皆 さまからご 意 見 をいただきながら 完 成 していきたいと 思 っておりま す それから 指 標 の 算 定 方 法 は 先 ほど 基 準 の 算 定 がありましたが 省 令 はあ る 段 階 で 各 財 政 セクションには 渡 せると 思 いますが 今 月 末 か 来 月 の 初 めには 公 布 されるということです ただ 省 令 の 一 部 は 告 示 方 式 ですので さらに 細 かいところも 年 度 末 までに 出 す 予 定 ですが それより 先 に 算 定 フォーマット 等 はお 示 ししておきたいと 思 っております また よく 聞 かれるのは これから 交 付 税 はどうなるのですかという 質 問 で す 今 は 大 変 交 付 税 が 厳 しくなっていますが 平 成 20 年 度 の 大 改 革 について は 菅 総 務 大 臣 にも 地 方 公 共 団 体 に 対 する 交 付 税 の 獲 得 について かなりご 尽 力 いただいたと 伺 っております これが 将 来 も 続 くのでしょうかというふうに なるわけですが これは 毎 年 毎 年 政 府 全 体 で 総 務 省 と 財 務 省 が 議 論 しまし て 地 方 財 政 の 状 況 も 踏 まえて 検 討 をした 上 で 交 付 税 が 決 定 されているわけで す もちろん 法 律 に 書 かれている 交 付 税 からも 交 付 税 が 充 当 されるわけですが それでは 全 然 足 りませんので 財 務 省 の 中 では 地 方 はもっと 行 革 をすべきであ るという 意 見 もあるわけです しかし 私 どもの 方 から 言 うと もう 少 し 地 方 財 政 を 充 実 させていただきたいとなるわけです 今 日 はせっかくの 機 会 ですので わが 国 の 状 況 が 今 どうなっているのかを 少 し 説 明 したいと 思 います ご 存 知 のとおり バブルが 崩 壊 してからの 経 済 危 機 もあり 地 方 公 共 団 体 の 借 金 はどんどん 増 えています その 間 国 から 地 方 への 財 源 移 譲 も 細 かい 数 字 で 恐 縮 ですが 地 方 の 財 政 事 情 に 対 し 地 方 税 や 交 付 税 を 通 常 のルートで 確 保 していくのでは 収 支 が 全 く 合 わないという 状 態 が 続 いています それが 臨 時 財 政 対 策 債 や 交 付 税 特 会 などの 配 分 に 使 いますので 借 入 金 をしながら 借 金 を 増 やしているという 状 態 です ここ 数 年 は 若 干 減 らす 方 向 に 傾 いてきてはいま すが まだまだその 道 のりには 厳 しいものがあります - 83 -

例 えば 1992 年 バブルが 崩 壊 してまだ 間 がないころですが 景 気 対 策 も 種 々 やっておりましたし まだそんなに 経 済 状 況 も 行 き 詰 まっていなくて そのと きの 日 本 の 財 政 収 支 を 国 内 総 生 産 との 比 較 で 見 た 場 合 には マイナスにはなっ ていますが ほかの 先 進 国 と 比 べて 財 政 収 支 は 悪 くなかったのです ただ そ れがバブルの 崩 壊 の 後 わが 国 では 公 共 投 資 をたくさんやったということで 財 政 収 支 はどんどん 悪 化 していきます 一 方 でヨーロッパの 国 々は EUの 統 合 に 向 けて 財 政 収 支 の 悪 い 団 体 は 統 合 できないというルールを 定 めましたの で みんなこぞって 財 政 状 況 を 改 善 していきました 日 本 はようやく 小 泉 内 閣 になってから 財 政 収 支 の 改 善 に 取 り 組 んできているという 状 況 です ただ それでも 先 進 国 の 中 では 最 後 の 方 になっています もっと 悲 惨 なのは 債 務 の 残 高 です 各 国 は 国 内 総 生 産 における 債 務 残 高 をな るべく 増 やさないように 平 準 化 していくということでやっているわけですが 日 本 だけが 国 債 を 発 行 して 借 金 を 増 やし 続 けているという 状 態 になっていま す これを 好 機 として 国 の 収 支 を 改 善 して 債 務 残 高 を 減 らしていかなければ わが 国 は 人 口 減 少 時 代 に 入 っていますので 大 変 厳 しい 状 況 になっていくであ ろう これが 今 国 としての 大 きな 財 政 の 流 れです 交 付 税 も 平 成 19 年 度 当 初 一 般 会 計 で 82.9 兆 円 ですが 国 税 はそのうち 53.5 兆 円 で 25.4 兆 円 は 公 債 金 です その 借 金 のうちの 20.2 兆 円 は 赤 字 国 債 で 建 設 国 債 が 5.2 兆 円 です 国 税 のうちの 一 部 が 交 付 税 の 原 資 になるわけですが 交 付 税 特 会 に 14.9 兆 円 入 りまして 公 債 金 からは 16.6 兆 円 が 補 助 金 交 付 税 という 形 で 地 方 財 政 に 組 み 込 まれます それで 足 りない 部 分 については 臨 時 財 政 対 策 債 という 起 債 に 振 り 替 えて 交 付 しているという 状 態 になっています これはまだ 平 成 19 年 度 の 財 政 健 全 化 の 取 り 組 みということで あまりこれま でと 変 わらないように 見 えますが 2 3 年 前 まで 国 税 として 入 ってくるもの が 13 兆 円 ほどで 補 助 金 は 19 兆 円 という 状 態 でしたので そういう 意 味 ではか なり 無 理 をしている 状 態 にあるわけです 三 位 一 体 改 革 で 税 源 移 譲 を 含 む 国 と 地 方 の 税 源 配 分 の 見 直 しを 行 ってきたわ けですが 国 民 の 租 税 国 民 から 払 っていただいた 税 金 が 87.1 兆 円 です こ のうちの 60%が 国 税 で 地 方 税 が 40% つまり 税 収 においては 地 方 は2 国 税 は3 3 対 2で 国 民 が 払 った 税 金 は 国 税 が 多 いのです 一 方 で サービスとし ては 国 が2で 地 方 が3で 最 終 的 には 地 方 がサービスをやっているのです そ - 84 -

の 間 のギャップを 交 付 税 や 国 庫 支 出 金 で 補 てんしているのですが それをこれ からは 税 に 振 り 替 えて なるべく 地 方 におけるサービスをする 自 治 体 など 諸 団 体 に 税 金 を 移 していく これが 三 位 一 体 改 革 の 基 本 的 な 方 針 なわけです しか し これも 国 民 から 預 かる 税 金 は 87.1 兆 円 しかなくて サービスをするには 150.6 兆 円 かかるわけで 全 然 収 支 が 合 っていないのです ですから 方 向 的 にはサービスをとにかく 効 率 化 していくか それとも 国 民 の 皆 さまに 負 担 を 求 めるかということしかない 状 態 であるわけです そういう 厳 しい 中 で 運 営 がな されている 状 態 です やはり 住 民 に 負 担 を 求 めるとか あるいは 税 を 上 げる これは 交 付 税 もそう ですが その 議 論 の 一 方 で ではどういうふうにサービスを 効 率 化 していくの か あるいはすべてをやるのではなくてどれを 選 択 していくのかという 判 断 を しなければなりません あるいは 住 民 にはどういう 部 分 を 担 っていただけばよ いのかという 議 論 を 国 というレベルだけでなくて やはり 地 方 も 含 めてやっ ていかないと この 状 況 を 改 善 していくには 厳 しい 状 態 になっているのかと 思 います 最 後 はやや 遠 大 な 話 になってしまいましたが こういう 厳 しい 中 で 毎 年 の 地 方 財 政 改 革 ということで 地 方 の 財 政 運 営 に 穴 が 開 かないように 取 組 みをして いるところです 地 方 財 政 改 革 をしなければ 将 来 に 負 担 を 押 しつけることに なります 国 会 でも 議 論 がありましたが 財 政 健 全 化 法 が 必 要 なのはむしろ 国 の 方 ではないかという 批 判 もありました まさに 地 方 公 共 団 体 の 財 政 健 全 化 法 が 発 効 するわけですが 大 きな 流 れを 見 ますと その 中 でやはりサービスの 水 準 と 負 担 そして 同 じサービスをやる 上 でどうしたら 一 番 効 果 的 効 率 的 にや れるかということを 国 も 地 方 も 考 えていかなければいけない こういう 事 態 になっているということです この 大 きなこの 流 れというものをぜひ 皆 さんにもご 理 解 いただきたいと 思 っ ています - 85 -

第 1 部 関 係 資 料 一 覧 資 料 資 料 の 内 容 1 地 方 公 共 団 体 の 財 政 の 健 全 化 に 関 する 法 律 について 2 地 方 公 共 団 体 の 財 政 の 健 全 化 に 関 する 法 律 の 概 要 3 同 上 4 健 全 化 判 断 比 率 等 の 対 象 について 5 健 全 化 判 断 比 率 等 の 概 要 について 6 同 上 7 将 来 負 担 比 率 の 概 要 について 8 法 人 の 債 務 の 評 価 の 算 定 方 法 (1)-1(イメージ) 9 法 人 の 債 務 の 評 価 の 算 定 方 法 (1)-2(イメージ) 10 法 人 の 債 務 の 評 価 の 算 定 方 法 (2)(イメージ) 11 土 地 開 発 公 社 に 係 る 将 来 負 担 の 算 定 方 針 について 12 地 方 道 路 公 社 の 将 来 負 担 の 算 定 方 法 の 例 について 13 地 方 公 共 団 体 財 政 健 全 化 法 における 早 期 健 全 化 基 準 財 政 再 生 基 準 経 営 健 全 化 基 準 について 14 実 質 赤 字 比 率 連 結 実 質 赤 字 比 率 に 係 る 市 町 村 の 早 期 健 全 化 基 準 と 財 政 再 生 基 準 のイメージ 15 地 方 公 共 団 体 財 政 健 全 化 法 に 係 る 財 政 指 標 及 び 基 準 の 整 備 に 関 して 地 方 公 共 団 体 からの 意 見 要 望 を 反 映 させた 主 な 事 項 16 同 上 17 財 政 の 早 期 健 全 化 財 政 の 再 生 公 営 企 業 の 経 営 健 全 化 のイメージ 18 現 行 の 地 方 債 協 議 許 可 制 度 における 指 標 と 起 債 制 限 の 基 準 19 地 方 公 共 団 体 の 長 と 議 会 の 関 係 20 早 期 健 全 化 の 手 続 21 財 政 再 生 の 手 続 22 公 営 企 業 の 経 営 健 全 化 の 手 続 23 地 方 公 共 団 体 財 政 健 全 化 法 における 監 査 委 員 の 役 割 24 地 方 公 共 団 体 財 政 健 全 化 法 における 外 部 監 査 に 関 する 規 定 25 法 律 の 施 行 に 向 けたスケジュールについて 26 地 方 公 共 団 体 財 政 健 全 化 法 に 関 する 説 明 会 等 27 地 方 公 共 団 体 の 財 政 状 況 の 情 報 公 開 (1) 28 地 方 公 共 団 体 の 財 政 状 況 の 情 報 公 開 (2) - 86 -

資 料 1-87 -

資 料 2 地 方 分 権 セミナー - 88 -

資 料 3-89 -

資 料 4 地 方 分 権 セミナー 資 料 5-90 -

資 料 6 資 料 7-91 -

資 料 8 地 方 分 権 セミナー 資 料 9-92 -

資 料 10 資 料 11-93 -

資 料 12 地 方 分 権 セミナー - 94 -

資 料 13-95 -

資 料 14 地 方 分 権 セミナー - 96 -

資 料 15-97 -

資 料 16 地 方 分 権 セミナー - 98 -

資 料 17 資 料 18-99 -

資 料 19 地 方 分 権 セミナー - 100 -

資 料 20-101 -

資 料 21 地 方 分 権 セミナー - 102 -

資 料 22-103 -

資 料 23 地 方 分 権 セミナー 資 料 24-104 -

資 料 25 資 料 26-105 -

資 料 27 地 方 分 権 セミナー 資 料 28-106 -