公 立 幼 稚 園 のあり 方 について( 方 針 ) 平 成 19 年 7 月 いわき 市 教 育 委 員 会
目 次 1 これまでの 公 立 幼 稚 園 P.1 2 今 後 の 公 立 幼 稚 園 の 役 割 について P.1 ⑴ 公 立 幼 稚 園 と 私 立 幼 稚 園 の 役 割 ⑵ 障 がい 児 統 合 保 育 ⑶ 幼 保 連 携 への 対 応 ⑷ 子 育 て 支 援 の 推 進 3 公 立 幼 稚 園 の 適 正 配 置 について P.3 ⑴ 幼 稚 園 の 再 編 ⑵ 幼 稚 園 の 適 正 規 模 4 授 業 料 の 改 定 P.4 ⑴ 改 定 方 針 ⑵ 今 後 の 授 業 料 改 定 について 5 具 体 的 な 取 組 み 内 容 等 P.4 ⑴ 障 がい 児 統 合 保 育 の 拡 大 ⑵ 子 育 て 支 援 の 推 進 ⑶ 適 正 な 規 模 への 再 編 ⑷ 適 正 な 集 団 規 模 の 確 保 ⑸ 授 業 料 の 改 定 6 その 他 P.5 7 今 後 の 進 め 方 について P.6
1 これまでの 公 立 幼 稚 園 本 市 における 公 立 幼 稚 園 は 昭 和 41 年 の 合 併 前 にそれぞれの 旧 市 町 村 で 運 営 して いたものを 引 き 継 いだものがほとんどであり その 後 昭 和 55 年 に 汐 見 が 丘 幼 稚 園 を 開 園 昭 和 60 年 に 水 野 谷 幼 稚 園 を 廃 園 し 現 在 の18 園 になっている これまで 公 立 幼 稚 園 においては 幼 稚 園 教 育 要 領 に 基 づく 標 準 的 な 教 育 の 提 供 に 努 めることはもとより 他 市 に 先 駆 けて 3 歳 児 保 育 の 導 入 や 障 がい 児 の 受 入 れ を 行 うなど より 質 の 高 い 幼 児 教 育 の 確 保 に 努 めてきたところである 2 今 後 の 公 立 幼 稚 園 の 役 割 について ⑴ 公 立 幼 稚 園 と 私 立 幼 稚 園 の 役 割 これまで 私 立 幼 稚 園 は それぞれの 教 育 理 念 に 基 づく 特 色 ある 教 育 を 実 践 し たゆまぬ 経 営 努 力 により 市 民 の 多 様 なニーズに 応 じた 教 育 機 会 を 提 供 してきた 一 方 公 立 幼 稚 園 は 幼 稚 園 教 育 要 領 に 基 づく 標 準 的 な 教 育 を 提 供 するとともに 障 がい 児 統 合 保 育 についても 可 能 な 限 り 受 け 入 れるという 方 針 で 運 営 してきて おり 保 護 者 はそれぞれのニーズにより 公 立 幼 稚 園 私 立 幼 稚 園 の 選 択 を 行 っ てきた このような 中 今 後 の 少 子 化 の 進 行 を 考 慮 すれば 就 園 児 の 全 体 的 な 減 少 は 避 けられないところであり 幼 稚 園 を 適 正 規 模 で 維 持 することは 困 難 になってくる ことなどから 公 私 の 役 割 分 担 を 踏 まえつつ 再 編 する 必 要 性 があるものと 考 えら れる 公 立 幼 稚 園 としては 私 立 幼 稚 園 が 対 応 できる 部 分 については 積 極 的 に 役 割 を 移 譲 するものとし 地 域 の 実 情 やバランスを 考 慮 するとともに その 規 模 を 縮 小 しながらも 障 がい 児 統 合 保 育 や 少 子 化 に 対 応 した 子 育 て 支 援 施 策 を 実 施 する など その 役 割 を 充 実 させていくものとする また 今 後 公 立 幼 稚 園 は 本 市 の 幼 児 教 育 の 課 題 を 研 究 し その 研 究 成 果 が 市 内 全 ての 幼 稚 園 に 還 元 できるように 努 め 本 市 の 幼 稚 園 教 育 全 体 の 質 的 向 上 に 寄 与 することが 必 要 である - 1 -
⑵ 障 がい 児 統 合 保 育 文 部 科 学 省 によると 発 達 障 がいのある 児 童 生 徒 が 約 6% 在 籍 しているとされ ており 就 学 前 の 幼 児 期 においても 同 様 の 傾 向 にあるものと 考 えられる 私 立 幼 稚 園 においては 障 がい 児 の 受 入 れを 積 極 的 に 実 施 している 園 は 少 ない 状 況 にあるが 公 立 幼 稚 園 においては 平 成 14 年 度 から 玉 川 幼 稚 園 藤 原 幼 稚 園 の2 園 において 障 がい 児 統 合 保 育 モデル 事 業 を 実 施 しており 多 動 傾 向 の 園 児 へ の 対 応 をはじめ 一 人 ひとりの 障 がいの 程 度 に 応 じた 教 育 に 取 り 組 んできたとこ ろである その 結 果 障 がいのある 幼 児 に 好 ましい 変 化 がみられたり 周 囲 の 幼 児 にも 思 いやりの 心 が 生 まれたりなどの 成 果 があらわれている このような 状 況 を 受 け 今 後 は 地 区 ごとに1 園 ずつ 障 がい 児 統 合 保 育 を 実 施 す べきとする いわき 市 幼 児 教 育 振 興 審 議 会 からの 答 申 を 踏 まえ 地 区 単 位 に 拡 大 し 6 園 での 取 組 みとする ⑶ 幼 保 連 携 への 対 応 これまで 保 育 所 幼 稚 園 は 根 拠 となる 法 令 等 を 異 にし それぞれの 設 置 の 目 的 に 沿 って 対 応 してきたところであるが 少 子 化 や 核 家 族 化 の 進 行 女 性 の 社 会 進 出 など 近 年 の 幼 児 を 取 り 巻 く 環 境 の 変 化 により 保 護 者 の 保 育 ニーズも 変 化 し 従 来 の 幼 稚 園 保 育 所 という 枠 にとらわれない 柔 軟 かつ 多 様 な 対 応 が 求 め られるようになってきた このような 中 新 たに 教 育 及 び 保 育 を 一 体 的 に 提 供 できる 施 設 として 国 が 平 成 18 年 6 月 に 就 学 前 の 子 どもに 関 する 教 育 保 育 等 の 総 合 的 な 提 供 の 推 進 に 関 する 法 律 ( 平 成 18 年 10 月 施 行 )を 制 定 し これにより 制 度 化 された 認 定 こど も 園 は 幼 稚 園 保 育 所 の 従 来 の 制 度 を 活 かし 地 域 の 実 情 に 応 じて 対 応 する ものである また 保 護 者 の 多 様 化 する 保 育 ニーズに 対 応 することにより 本 市 における 幼 児 教 育 及 び 子 育 て 支 援 推 進 の 一 助 となるものと 考 えられることから 公 立 幼 稚 園 と 私 立 幼 稚 園 の 役 割 分 担 を 踏 まえながら 検 討 するものとする ⑷ 子 育 て 支 援 の 推 進 少 子 化 や 核 家 族 化 をはじめ 幼 児 を 取 り 巻 く 環 境 の 変 化 により 幼 児 を 持 つ 保 護 者 が 孤 立 感 を 抱 いたり 育 児 に 対 する 不 安 感 を 募 らせたりする 状 況 が 生 じ さ らには 育 児 放 棄 や 幼 児 虐 待 などの 問 題 も 発 生 している - 2 -
このため 家 庭 や 地 域 と 幼 稚 園 が 連 携 し 幼 児 の 健 やかな 発 達 を 促 す 子 育 て 支 援 のための 環 境 づくりに 努 めることが 必 要 であり 幼 児 教 育 の 専 門 機 関 である 幼 稚 園 を 中 心 として 子 どもの 発 達 段 階 での 保 護 者 が 抱 える 育 児 に 関 する 不 安 や 悩 みなどに 対 応 するため 子 育 て 相 談 の 実 施 親 子 の 交 流 の 場 の 提 供 子 育 て 関 連 情 報 の 提 供 など 親 子 がともに 成 長 できる 場 として 地 域 住 民 に 親 しまれるしくみ づくりを 進 めていく 必 要 があると 考 えられる 3 公 立 幼 稚 園 の 適 正 配 置 について ⑴ 幼 稚 園 の 再 編 公 立 幼 稚 園 は 現 在 旧 市 部 を 中 心 に18 園 あるが 今 後 一 層 少 子 化 の 進 行 が 予 想 されることから 私 立 幼 稚 園 が 対 応 できる 部 分 については 積 極 的 に 役 割 を 移 譲 するものとし 地 域 の 実 情 やバランスを 考 慮 しながら 再 編 を 進 めるものと する ⑵ 幼 稚 園 の 適 正 規 模 幼 稚 園 の 適 正 規 模 については 集 団 活 動 を 通 じて 幼 児 一 人 ひとりの 発 達 に 応 じ 主 体 的 な 活 動 としての 遊 びを 通 して 総 合 的 な 指 導 を 行 い 生 きる 力 の 基 礎 を 培 う という 目 標 を 実 現 できるような 教 育 環 境 の 整 備 充 実 が 重 要 である 少 人 数 による 教 育 では 幼 児 一 人 ひとりに 指 導 者 の 目 が 行 き 届 き きめ 細 かな 指 導 が 期 待 できる その 一 方 で 集 団 生 活 の 中 で 社 会 性 や 生 きる 力 の 基 礎 を 培 う ためには 一 定 の 集 団 規 模 の 確 保 が 必 要 であり それにより 十 分 な 教 育 効 果 が 期 待 できるものであるため 次 のような 適 正 規 模 を 確 保 する 1 小 学 校 1 2 年 生 において 既 に 導 入 済 みの30 人 学 級 や 多 動 傾 向 にある 見 守 り の 必 要 な 園 児 の 増 加 さらには 保 育 所 での 保 育 士 1 名 あたりの 児 童 数 などを 考 慮 し 4 5 歳 児 については1 学 級 あたりの 定 員 を30 人 とし 3 歳 児 につい ては 現 行 のまま1 学 級 あたりの 定 員 を20 人 とする 2 幼 稚 園 全 体 での 運 営 や 集 団 生 活 の 規 模 という 観 点 から 1 園 あたりの 学 級 数 は3~6 学 級 (3 4 5 歳 児 各 1~2 学 級 )の 規 模 を 標 準 とする - 3 -
4 授 業 料 の 改 定 ⑴ 改 定 方 針 公 立 幼 稚 園 の 授 業 料 については 平 成 15 年 度 にそれまでの4,000 円 から4,700 円 へ 改 定 を 行 ったところであるが 福 島 県 内 においては 引 き 続 き 低 い 水 準 にあり 中 核 市 の 中 では 最 も 低 く また 公 私 格 差 も 著 しいことや 今 後 の 公 立 幼 稚 園 の 見 直 しにより 障 がい 児 統 合 保 育 の 拡 大 30 人 学 級 の 導 入 子 育 て 支 援 施 策 の 実 施 など 教 育 内 容 の 充 実 に 努 めていくことを 踏 まえ 適 正 な 受 益 者 負 担 として 授 業 料 の 改 定 を 行 うこととする 改 定 にあたっては 授 業 料 は 国 の 基 準 額 ( 地 方 交 付 税 算 入 基 準 額 )を 目 標 に 引 き 上 げるものとする ⑵ 今 後 の 授 業 料 改 定 について 幼 稚 園 の 授 業 料 については 社 会 構 造 の 変 化 や 住 民 意 識 の 多 様 化 によって 新 た に 求 められる 住 民 ニーズに 迅 速 かつ 適 切 に 対 応 することが 極 めて 重 要 であること から 今 後 も 適 正 な 受 益 者 負 担 や 私 立 幼 稚 園 との 公 私 格 差 について 検 討 しながら 国 の 地 方 交 付 税 算 入 基 準 額 の 改 定 に 合 わせて 定 期 的 に 見 直 すものとし また 入 園 料 についても 必 要 に 応 じて 見 直 しを 図 っていくものとする 5 具 体 的 な 取 組 み 内 容 等 ⑴ 障 がい 児 統 合 保 育 の 拡 大 障 がいのある 子 どもと 健 常 な 子 どもとを 同 じ 場 で 教 育 する 障 がい 児 統 合 保 育 は 現 在 の 玉 川 幼 稚 園 藤 原 幼 稚 園 の2 園 を 平 成 20 年 4 月 から6 園 ( 玉 川 幼 稚 園 藤 原 幼 稚 園 すずかけ 幼 稚 園 汐 見 が 丘 幼 稚 園 高 坂 幼 稚 園 四 倉 第 一 幼 稚 園 )に 拡 大 する ⑵ 子 育 て 支 援 の 推 進 日 頃 子 育 てについて 悩 んでいる 保 護 者 を 対 象 にした 相 談 窓 口 を 平 成 20 年 4 月 から 開 設 する 幼 稚 園 に 就 園 していない 幼 児 を 持 つ 保 護 者 及 び 幼 児 を 対 象 として 幼 稚 園 で の 様 々な 体 験 活 動 を 通 して 就 園 前 の 幼 児 の 育 ちを 支 援 する 活 動 を 平 成 20 年 4 月 から 行 う - 4 -
子 どものしつけや 正 しい 生 活 習 慣 を 身 につける 教 育 食 に 関 する 教 育 さら には 突 然 の 怪 我 や 病 気 の 際 の 対 処 方 法 などについて 専 門 家 の 協 力 を 得 なが らこれまでの 幼 稚 園 での 実 践 例 を 参 考 にした 学 習 の 場 を 平 成 20 年 4 月 から 提 供 する ⑶ 適 正 な 規 模 への 再 編 公 立 幼 稚 園 の 再 編 にあたっては いわき 市 幼 児 教 育 振 興 審 議 会 からの 答 申 において 再 編 を 行 うべきとの 方 向 性 が 示 されているが 再 編 に 係 る 具 体 的 な 時 期 施 設 などの 再 編 計 画 については 改 めて 市 民 の 声 を 聴 く 必 要 があるこ とから 平 成 19 年 度 中 に いわき 市 幼 児 教 育 振 興 審 議 会 に 諮 問 し 保 護 者 の 理 解 を 得 ながら 統 廃 合 に 向 けて 取 り 組 むものとする ⑷ 適 正 な 集 団 規 模 の 確 保 幼 児 一 人 ひとりに 指 導 者 の 目 が 行 き 届 き きめ 細 かな 指 導 ができるよう 4 5 歳 児 の 学 級 定 員 を 平 成 20 年 4 月 から 現 在 の35 人 から30 人 に 変 更 する ⑸ 授 業 料 の 改 定 適 正 な 受 益 者 負 担 及 び 公 立 幼 稚 園 私 立 幼 稚 園 の 格 差 是 正 の 観 点 に 立 ち 授 業 料 を 平 成 20 年 4 月 から 改 定 する 6 その 他 の 取 組 み 近 年 小 学 校 低 学 年 で 集 団 生 活 になじめない 児 童 により 授 業 が 混 乱 する 状 況 が 見 られる このため 本 市 においても 遊 びや 生 活 を 中 心 とする 幼 稚 園 教 育 から 教 科 等 の 学 習 を 中 心 とする 小 学 校 教 育 へのスムーズな 移 行 を 図 るための 幼 稚 園 小 学 校 間 の 交 流 拡 大 などのさらなる 取 組 みを 行 うものとする 幼 稚 園 教 員 は 専 門 職 としての 自 覚 を 持 つとともに 幼 児 の 心 身 の 健 やかな 成 長 に 的 確 な 支 援 ができる 指 導 力 や 保 護 者 の 信 頼 を 得 るための 資 質 を 身 につけるこ とが 求 められている また 障 がい 児 統 合 保 育 の 拡 大 にあたっては 発 達 に 遅 れ がある 幼 児 に 対 する 専 門 的 知 識 の 修 得 や 教 育 と 養 護 両 方 の 視 点 での 実 践 が 求 め られており これらに 対 応 するための 研 修 プログラムの 充 実 を 図 るものとする - 5 -
7 今 後 の 進 め 方 について 各 種 事 業 の 具 現 化 にあたっては 新 いわき 市 総 合 計 画 及 び 第 5 次 いわ き 市 行 財 政 改 革 大 綱 の 趣 旨 を 踏 まえて 取 り 組 むものとする また より 良 い 公 立 幼 稚 園 を 目 指 すために 必 要 に 応 じて いわき 市 幼 児 教 育 振 興 審 議 会 の 意 見 を 聴 くなどして 市 民 の 視 点 に 立 った 見 直 しを 積 極 的 に 行 うものとする - 6 -