はじめに 法 令 は それが 制 定 改 正 された 当 時 における 技 術 を 前 提 としている このため 新 たな 技 術 の 登 場 は 法 令 の 規 律 が 前 提 としていた 紛 争 実 態 などの 事 実 に 変 化 をもたらす この 結 果 技 術 の 進 歩 に 応 じた 柔



Similar documents
為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

1

Speed突破!Premium問題集 基本書サンプル

第 8 条 乙 は 甲 に 対 し 仕 様 書 に 定 める 期 日 までに 所 定 の 成 果 物 を 検 収 依 頼 書 と 共 に 納 入 する 2 甲 は 前 項 に 定 める 納 入 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする 3 検 査 不 合 格 となった 場 合 甲 は

行 政 解 釈 上 特 定 商 取 引 法 の 通 信 販 売 における 事 業 者 について 経 産 省 は 販 売 業 者 または 役 務 提 供 事 業 者 とは 販 売 または 役 務 の 提 供 を 業 として 営 む 者 の 意 味 で あり 業 として 営 む とは 営 利 の 意 思

1. 前 払 式 支 払 手 段 サーバ 型 の 前 払 式 支 払 手 段 に 関 する 利 用 者 保 護 等 発 行 者 があらかじめ 利 用 者 から 資 金 を 受 け 取 り 財 サービスを 受 ける 際 の 支 払 手 段 として 前 払 式 支 払 手 段 が 発 行 される 場 合

中 間 利 払 日 とし 預 入 日 または 前 回 の 中 間 利 払 日 からその 中 間 利 払 日 の 前 日 までの 日 数 および 通 帳 または 証 書 記 載 の 中 間 利 払 利 率 によって 計 算 した 中 間 利 払 額 ( 以 下 中 間 払 利 息 といいます )を 利

る 第 三 者 機 関 情 報 保 護 関 係 認 証 プライバシーマーク ISO27001 ISMS TRUSTe 等 の 写 しを 同 封 のうえ 持 参 又 は 郵 送 とする 但 し 郵 送 による 場 合 は 書 留 郵 便 とし 同 日 同 時 刻 必 着 とする 提 出 場 所 は 上

弁護士報酬規定(抜粋)

4 乙 は 天 災 地 変 戦 争 暴 動 内 乱 法 令 の 制 定 改 廃 輸 送 機 関 の 事 故 その 他 の 不 可 抗 力 により 第 1 項 及 び 第 2 項 に 定 める 業 務 期 日 までに 第 1 条 第 3 項 の 適 合 書 を 交 付 することができない 場 合 は


ができます 4. 対 象 取 引 の 範 囲 第 1 項 のポイント 付 与 の 具 体 的 な 条 件 対 象 取 引 自 体 の 条 件 は 各 加 盟 店 が 定 めます 5.ポイントサービスの 利 用 終 了 その 他 いかなる 理 由 によっても 付 与 されたポイントを 換 金 すること

Microsoft Word 役員選挙規程.doc

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

PowerPoint プレゼンテーション

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

疑わしい取引の参考事例

(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)

4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

Microsoft Word 実施要綱⑦H24.doc

はファクシミリ 装 置 を 用 いて 送 信 し 又 は 訪 問 する 方 法 により 当 該 債 務 を 弁 済 す ることを 要 求 し これに 対 し 債 務 者 等 から 直 接 要 求 しないよう 求 められたにもかか わらず 更 にこれらの 方 法 で 当 該 債 務 を 弁 済 するこ

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

< F2D C93FA967B91E5906B8DD082CC94ED8DD0>

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

Taro-2220(修正).jtd

平成27年度大学改革推進等補助金(大学改革推進事業)交付申請書等作成・提出要領

<4D F736F F D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF D6A2E646F6378>

Microsoft Word - 不正アクセス行為の禁止等に関する法律等に基づく公安

定款

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

2. 会 計 規 程 の 業 務 (1) 規 程 と 実 際 の 業 務 の 調 査 規 程 や 運 用 方 針 に 規 定 されている 業 務 ( 帳 票 )が 実 際 に 行 われているか( 作 成 されている か)どうかについて 調 べてみた 以 下 の 表 は 規 程 の 条 項 とそこに

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

Microsoft Word - 全国エリアマネジメントネットワーク規約.docx

3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

Taro-1-14A記載例.jtd

第2回 制度設計専門会合 事務局提出資料

(4) 運 転 する 学 校 職 員 が 交 通 事 故 を 起 こし 若 しくは 交 通 法 規 に 違 反 したことにより 刑 法 ( 明 治 40 年 法 律 第 45 号 ) 若 しくは 道 路 交 通 法 に 基 づく 刑 罰 を 科 せられてから1 年 を 経 過 していない 場 合 同

定款  変更

自動継続自由金利型定期預金(M型)規定

< C8EAE81698B4C93FC8FE382CC97AF88D38E968D CA8E86816A2E786C73>

平成24年度開設予定大学院等一覧(判定を「不可」とするもの)

< F2D D D837C815B B8EC08E7B97768D80>

学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う文部科学省関係省令の整備に関する省令等について(通知)

( 補 助 金 の 額 ) 第 6 条 補 助 金 の 額 は 第 5 条 第 2 項 の 規 定 による 無 線 LAN 機 器 の 設 置 箇 所 数 に 1 万 5 千 円 を 掛 けた 金 額 と 第 5 条 第 3 項 に 規 定 する 補 助 対 象 経 費 の2 分 の1のいずれか 低

< 現 在 の 我 が 国 D&O 保 険 の 基 本 的 な 設 計 (イメージ)> < 一 般 的 な 補 償 の 範 囲 の 概 要 > 請 求 の 形 態 会 社 の 役 員 会 社 による 請 求 に 対 する 損 免 責 事 由 の 場 合 に 害 賠 償 請 求 は 補 償 されず(

養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

クレジットカード納付導入に伴う指定代理納付書の選定に係る実施要領

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

(4) 会 員 が 加 盟 店 で miyoca サービスを 利 用 して 商 品 等 の 購 入 または 提 供 を 受 ける 場 合 に 利 用 できるカードの 枚 数 は 加 盟 店 により 異 なり (5) 会 員 は miyoca サービスを 利 用 した 場 合 は 交 付 するレシート

1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

<4D F736F F D208CF689768ED C8FE395FB978E8CEA8BA689EF814592E88ABC2E646F63>

Taro-契約条項(全部)

2004年度第2回定期監査(学校)事情聴取事項

一般競争入札について

(7) 公 共 施 設 における 建 築 物 (1 敷 地 における 延 床 面 積 の 合 計 が 5,000 m2 以 上 )の 劣 化 につ いての 調 査 ( 劣 化 度 調 査 健 全 度 調 査 等 )の 実 績 があること (8) 公 共 施 設 における 建 築 物 (1 敷 地 に

2 その 年 中 の 特 定 支 出 の 額 ( 前 払 をした 特 定 支 出 ) 問 資 格 取 得 費 に 該 当 する 専 門 学 校 (2 年 制 )の 授 業 料 等 の 支 出 をしましたが この 特 定 支 出 については その 支 出 した 年 分 の 特 定 支 出 の 額 の

目     次

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

(1) この 貯 金 は 預 入 の 日 から 起 算 して10 年 が 経 過 した 日 に 払 戻 金 の 全 部 を 同 一 のこ の 貯 金 に 継 続 して 預 入 する 取 扱 いをします (2) 継 続 預 入 後 の 利 率 は 継 続 日 における 当 行 所 定 の 利 率 とし

個人向け国債の事務取扱いに関する細則

係 に 提 出 する 2 財 形 担 当 係 は 前 項 の 規 定 による 財 形 貯 蓄 等 の 申 込 みがあった 場 合 には 当 該 申 込 みの 内 容 を 点 検 し 財 形 貯 蓄 等 の 契 約 の 要 件 ( 第 6 条 に 規 定 する 基 準 を 含 む )を 満 たしている

Microsoft Word - 19年度(行個)答申第94号.doc

参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

< F2D8AC493C CC81698EF3928D8ED2816A2E6A7464>

S16-386・ソフトウェアの調達に関する入札実施の件

< F2D E633368D86816A89EF8C768E9696B18EE688B5>

一部解約可能型定期預金(複利型)規定

Microsoft Word - ★HP版平成27年度検査の結果

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

兵庫県公立学校教職員等財産形成貯蓄事務取扱細則

PowerPoint プレゼンテーション

平成17年度高知県県産材利用推進事業費補助金交付要綱

   新潟市市税口座振替事務取扱要領

大阪府電子調達システムの開発業務 (第一期)に係る仕様書案に対する意見招請のお知らせ

Taro13-01_表紙目次.jtd

している 5. これに 対 して 親 会 社 の 持 分 変 動 による 差 額 を 資 本 剰 余 金 として 処 理 した 結 果 資 本 剰 余 金 残 高 が 負 の 値 となるような 場 合 の 取 扱 いの 明 確 化 を 求 めるコメントが 複 数 寄 せられた 6. コメントでは 親

●労働基準法等の一部を改正する法律案


2. 前 項 の 規 定 にかかわらず 証 券 会 社 等 又 は 機 構 を 通 じた 届 出 の 対 象 となっていない 事 項 については 当 会 社 の 定 める 書 式 により 株 主 名 簿 管 理 人 宛 に 届 け 出 るものとす る ( 法 人 株 主 等 の 代 表 者 ) 第

事 業 税 の 外 形 標 準 課 税 事 業 税 は 都 道 府 県 が 所 得 ( 利 益 )に 対 して 課 税 します 1. 個 人 事 業 税 業 種 区 分 税 率 ( 標 準 税 率 ) 第 1 種 事 業 ( 物 品 販 売 業 製 造 業 金 銭 貸 付 業 飲 食 店 業 不 動

いう )は 警 告 をしたときは 速 やかに その 内 容 及 び 日 時 を 当 該 警 告 を 求 める 旨 の 申 出 をした 者 に 通 知 しなければならないこととされ また 警 告 をし なかったときは 速 やかに その 旨 及 び 理 由 を 当 該 警 告 を 求 める 旨 の 申

Microsoft Word 第1章 定款.doc

Taro-別紙1 パブコメ質問意見とその回答

【労働保険事務組合事務処理規約】

Taro-08国立大学法人宮崎大学授業

<4D F736F F D208F7493FA95948E738A4A94AD8E968BC682CC8EE891B18B7982D18AEE8F8082C98AD682B782E98FF097E182C98AD682B782E98F9590AC8BE093998CF D6A B315D2E B4E88C A>

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

募集要項

国 税 クレジットカード 納 付 の 創 設 国 税 のクレジットカード 納 付 については マイナンバー 制 度 の 活 用 による 年 金 保 険 料 税 に 係 る 利 便 性 向 上 に 関 するアクションプログラム( 報 告 書 ) においてその 導 入 の 方 向 性 が 示 されている

Transcription:

電 子 商 取 引 及 び 情 報 財 取 引 等 に 関 する 準 則 平 成 27 年 4 月 経 済 産 業 省

はじめに 法 令 は それが 制 定 改 正 された 当 時 における 技 術 を 前 提 としている このため 新 たな 技 術 の 登 場 は 法 令 の 規 律 が 前 提 としていた 紛 争 実 態 などの 事 実 に 変 化 をもたらす この 結 果 技 術 の 進 歩 に 応 じた 柔 軟 な 法 令 解 釈 が 求 められるとともに こうした 解 釈 では 対 応 できない 事 項 については 新 たな 法 令 の 構 築 が 求 められることとなる インターネットの 登 場 は 電 子 商 取 引 をはじめとした 新 たな 経 済 行 為 を 産 み 出 している と ころが 民 法 を 始 めとする 現 行 法 の 大 半 はこうした 新 たな 技 術 を 前 提 とせずに 制 定 されてい るため 電 子 商 取 引 について 現 行 法 がどのように 適 用 されるのかその 解 釈 が 明 確 であると は 必 ずしも 言 い 難 く 当 事 者 が 安 心 して 電 子 商 取 引 に 参 加 できる 法 的 な 環 境 にあるとは 言 え ない 本 来 であるならば 現 行 法 の 解 釈 に 関 して 不 明 確 な 事 項 があれば 判 例 の 積 み 重 ね によって 合 理 的 なルールが 自 ずと 明 らかになるのであるが 当 面 こうした 司 法 による 判 例 の 積 み 重 ねが 迅 速 に 進 むことにのみ 期 待 することは 難 しい この 準 則 は 電 子 商 取 引 等 に 関 する 様 々な 法 的 問 題 点 について 民 法 をはじめとする 関 係 する 法 律 がどのように 適 用 されるのか その 解 釈 を 示 し 取 引 当 事 者 の 予 見 可 能 性 を 高 め 取 引 の 円 滑 化 に 資 することを 目 的 とするものである もとより 個 別 具 体 的 な 事 例 において 現 行 法 がどのように 適 用 されるのかを 最 終 的 に 判 断 するのは 裁 判 所 であることは 言 うまでもない が この 準 則 が 一 つの 法 解 釈 の 叩 き 台 となることにより 新 しいルール 形 成 の 一 助 になること を 願 っている また この 準 則 は 電 子 商 取 引 等 をめぐる 様 々な 論 点 について 消 費 者 団 体 事 業 者 団 体 や 総 務 省 法 務 省 消 費 者 庁 文 化 庁 など 関 係 府 省 からのオブザーバーの 方 々の 御 助 言 を 頂 きながら 産 業 構 造 審 議 会 商 務 流 通 情 報 分 科 会 情 報 経 済 小 委 員 会 IT 利 活 用 ビジネスに 関 するルール 整 備 ワーキンググループにおいて 取 りまとめいただいた 提 言 を 踏 まえ 経 済 産 業 省 が 現 行 法 の 解 釈 についての 一 つの 考 え 方 を 提 示 するものであり 今 後 電 子 商 取 引 を 巡 る 法 解 釈 の 指 針 として 機 能 することを 期 待 する さらに この 準 則 は 電 子 商 取 引 等 をめぐる 取 引 の 実 務 それに 関 する 技 術 の 動 向 国 際 的 なルールメイクの 状 況 に 応 じて 柔 軟 に 改 正 されるべき 性 格 のものと 考 えている また 基 本 的 な 考 え 方 を 示 すとともに 具 体 的 事 例 における 考 え 方 も 示 したいと 考 えている そのため に 実 際 に 電 子 商 取 引 等 に 関 わっている 事 業 者 や 消 費 者 から 具 体 的 な 事 例 について 考 え 方 を 広 く 募 りたい この 準 則 の 中 でいくつか 具 体 例 を 挙 げているが これ 以 外 にもさらに 適 当 なものがあれば 是 非 以 下 へ 御 提 案 いただきたい

< 電 子 商 取 引 及 び 情 報 財 取 引 等 に 関 する 準 則 についての 連 絡 先 > 経 済 産 業 省 商 務 情 報 政 策 局 情 報 経 済 課 FAX 03-3501-6639 電 子 メール ecip-rule@meti.go.jp

略 称 一 覧 本 準 則 における 略 称 の 表 記 は 次 のとおりである 法 律 名 略 称 景 品 表 示 法 個 人 情 報 保 護 法 資 金 決 済 法 通 則 法 電 子 契 約 法 特 定 商 取 引 法 特 定 電 子 メール 法 独 占 禁 止 法 不 正 アクセス 禁 止 法 プロバイダ 責 任 制 限 法 預 金 者 保 護 法 正 式 名 称 不 当 景 品 類 及 び 不 当 表 示 防 止 法 個 人 情 報 の 保 護 に 関 する 法 律 資 金 決 済 に 関 する 法 律 法 の 適 用 に 関 する 通 則 法 電 子 消 費 者 契 約 及 び 電 子 承 諾 通 知 に 関 する 民 法 の 特 例 に 関 する 法 律 特 定 商 取 引 に 関 する 法 律 特 定 電 子 メールの 送 信 の 適 正 化 等 に 関 する 法 律 私 的 独 占 の 禁 止 及 び 公 正 取 引 の 確 保 に 関 する 法 律 不 正 アクセス 行 為 の 禁 止 等 に 関 する 法 律 特 定 電 気 通 信 役 務 提 供 者 の 損 害 賠 償 責 任 の 制 限 及 び 発 信 者 情 報 の 開 示 に 関 する 法 律 偽 造 カード 等 及 び 盗 難 カード 等 を 用 いて 行 われる 不 正 な 機 械 式 預 貯 金 払 戻 し 等 からの 預 貯 金 者 の 保 護 に 関 する 法 律 判 例 集 略 称 民 録 民 集 刑 集 高 民 下 級 民 集 無 体 例 集 集 民 判 時 判 タ 判 自 金 判 新 聞 正 式 名 称 出 版 元 大 審 院 民 事 判 決 録 司 法 省 最 高 裁 判 所 民 事 判 例 集 最 高 裁 判 所 判 例 調 査 会 最 高 裁 判 所 刑 事 判 例 集 最 高 裁 判 所 判 例 調 査 会 高 等 裁 判 所 民 事 判 例 集 最 高 裁 判 所 判 例 調 査 会 下 級 裁 判 所 民 事 裁 判 例 集 最 高 裁 判 所 事 務 総 局 民 事 局 無 体 財 産 権 関 係 民 事 行 政 裁 判 例 集 法 曹 会 最 高 裁 判 所 裁 判 集 民 事 最 高 裁 判 所 事 務 総 局 判 例 時 報 法 曹 会 判 例 タイムズ 判 例 タイムズ 社 判 例 地 方 自 治 ぎょうせい 金 融 商 事 判 例 経 済 法 令 研 究 会 法 律 新 聞 法 律 新 聞 社

目 次 Ⅰ 電 子 商 取 引 に 関 する 論 点... i.1 Ⅰ-1 オンライン 契 約 の 申 込 みと 承 諾... i.2 Ⅰ-1-1 契 約 の 成 立 時 期 ( 電 子 承 諾 通 知 の 到 達 )... i.2 Ⅰ-1-2 消 費 者 の 操 作 ミスによる 錯 誤... i.6 Ⅰ-1-3 インターネット 通 販 における 分 かりやすい 申 込 画 面 の 設 定 義 務... i.11 Ⅰ-1-4 ワンクリック 請 求 と 契 約 の 履 行 義 務... i.17 Ⅰ-2 オンライン 契 約 の 内 容... i.23 Ⅰ-2-1 ウェブサイトの 利 用 規 約 の 契 約 への 組 入 れと 有 効 性... i.23 Ⅰ-2-2 価 格 誤 表 示 と 表 意 者 の 法 的 責 任... i.34 Ⅰ-3 なりすまし... i.40 Ⅰ-3-1 なりすましによる 意 思 表 示 のなりすまされた 本 人 への 効 果 帰 属... i.40 Ⅰ-3-2 なりすましによるインターネット バンキングの 利 用... i.45 Ⅰ-3-3 なりすましを 生 じた 場 合 の 認 証 機 関 の 責 任... i.48 Ⅰ-4 未 成 年 者 による 意 思 表 示... i.51 Ⅰ-5 インターネット 通 販 における 返 品... i.61 Ⅰ-6 電 子 商 店 街 (ネットショッピングモール) 運 営 者 の 責 任... i.65 Ⅰ-7 インターネット オークション... i.69 Ⅰ-7-1 オークション 事 業 者 の 利 用 者 に 対 する 責 任... i.69 Ⅰ-7-2 オークション 利 用 者 ( 出 品 者 落 札 者 ) 間 の 法 的 関 係... i.73 Ⅰ-7-3 インターネット オークションにおける 売 買 契 約 の 成 立 時 期... i.78 Ⅰ-7-4 ノークレーム ノーリターン 特 約 の 効 力... i.81 Ⅰ-7-5 インターネット オークションと 特 定 商 取 引 法... i.83 Ⅰ-7-6 インターネット オークションと 景 品 表 示 法... i.87 Ⅰ-7-7 インターネット オークションと 電 子 契 約 法... i.88 Ⅰ-7-8 インターネット オークションと 古 物 営 業 法... i.89

Ⅰ-8 インターネット 上 で 行 われる 懸 賞 企 画 の 取 扱 い... i.91 Ⅰ-9 共 同 購 入 クーポンをめぐる 法 律 問 題 について... i.94 Ⅱ インターネット 上 の 情 報 の 掲 示 利 用 等 に 関 する 論 点... ii.1 Ⅱ-1 CGM(Consumer Generated Media)サービス 提 供 事 業 者 の 違 法 情 報 媒 介 責 任... ii.1 Ⅱ-2 他 人 のホームページにリンクを 張 る 場 合 の 法 律 上 の 問 題 点... ii.7 Ⅱ-3 P2Pファイル 共 有 ソフトウェアの 提 供... ii.15 Ⅱ-4 ウェブ 上 の 広 告... ii.21 Ⅱ-4-1 景 品 表 示 法 による 規 制... ii.21 Ⅱ-4-2 特 定 商 取 引 法 による 規 制... ii.27 Ⅱ-5 ドメイン 名 の 不 正 取 得 等... ii.32 Ⅱ-6 インターネット 上 への 商 品 情 報 の 掲 示 と 商 標 権 侵 害... ii.38 Ⅱ-7 ID パスワード 等 のインターネット 上 での 提 供... ii.41 Ⅱ-8 インターネットと 肖 像 権 パブリシティ 権 等... ii.52 Ⅱ-9 インターネットと 著 作 権... ii.60 Ⅱ-9-1 インターネット 上 の 著 作 物 の 利 用... ii.60 Ⅱ-9-2 サムネイル 画 像 と 著 作 権... ii.69 Ⅱ-9-3 著 作 物 の 写 り 込 み... ii.76 Ⅱ-9-4 eラーニングにおける 他 人 の 著 作 物 の 利 用... ii.82 Ⅲ 情 報 財 の 取 引 等 に 関 する 論 点... iii.1 Ⅲ-1 ライセンス 契 約 の 成 立 とユーザーの 返 品 等 の 可 否... iii.2 Ⅲ-1-1 情 報 財 が 媒 体 を 介 して 提 供 される 場 合... iii.2 Ⅲ-1-2 情 報 財 がオンラインで 提 供 される 場 合... iii.11 Ⅲ-1-3 重 要 事 項 不 提 供 の 効 果... iii.15 Ⅲ-2 当 事 者 による 契 約 締 結 行 為 が 存 在 しないライセンス 契 約 の 成 立... iii.19 Ⅲ-3 ライセンス 契 約 中 の 不 当 条 項... iii.24

Ⅲ-4 ライセンス 契 約 の 終 了... iii.28 Ⅲ-4-1 契 約 終 了 時 におけるユーザーが 負 う 義 務 の 内 容... iii.28 Ⅲ-4-2 契 約 終 了 の 担 保 措 置 の 効 力... iii.31 Ⅲ-5 ベンダーが 負 うプログラムの 担 保 責 任... iii.34 Ⅲ-6 SaaS ASPのためのSLA(Service Level Agreement)... iii.42 Ⅲ-7 ソフトウェアの 使 用 許 諾 が 及 ぶ 人 的 範 囲... iii.46 Ⅲ-8 ユーザーの 知 的 財 産 権 譲 受 人 への 対 抗... iii.55 Ⅲ-9 ソフトウェア 特 許 権 の 行 使 と 権 利 濫 用... iii.60 Ⅲ-10 使 用 機 能 使 用 期 間 等 が 制 限 されたソフトウェア( 体 験 版 ソフトウェア 期 間 制 限 ソフトウェア 等 )の 制 限 の 解 除 方 法 を 提 供 した 場 合 の 責 任... iii.69 Ⅲ-11 データベースから 取 り 出 された 情 報 データの 扱 い... iii.79 Ⅲ-12 デジタルコンテンツ... iii.83 Ⅲ-12-1 デジタルコンテンツのインターネットでの 提 供 等 における 法 律 問 題 について... iii.84 Ⅲ-12-2 デジタルコンテンツ 利 用 契 約 終 了 後 のデジタルコンテンツの 利 用... iii.87 Ⅲ-12-3 電 子 出 版 物 の 再 配 信 を 行 う 義 務... iii.93 Ⅲ-12-4 オンラインゲームにおけるゲーム 内 アイテムに 関 する 権 利 関 係... iii.97 Ⅳ 国 境 を 越 えた 取 引 等 に 関 する 論 点... iv.1 Ⅳ-1 事 業 者 間 取 引 についての 国 際 裁 判 管 轄 及 び 適 用 される 法 規... iv.1 Ⅳ-2 消 費 者 と 事 業 者 の 間 の 取 引 についての 国 際 裁 判 管 轄 及 び 適 用 される 法 規 ( 特 に 消 費 者 保 護 法 規 )... iv.12 Ⅳ-3 生 産 物 責 任 と 国 際 裁 判 管 轄 及 び 適 用 される 法 規... iv.18 Ⅳ-4 インターネット 上 の 名 誉 信 用 の 毀 損 と 国 際 裁 判 管 轄 及 び 適 用 される 法 規... iv.22 Ⅳ-5 国 境 を 越 えた 商 標 権 行 使... iv.24 Ⅳ-6 外 国 判 決 外 国 仲 裁 判 断 の 承 認 執 行... iv.30

i Ⅰ 電 子 商 取 引 に 関 する 論 点 ここでは 電 子 商 取 引 が インターネットその 他 のコンピュータ ネットワークを 利 用 して 行 わ れるという 新 たな 経 済 行 為 であることに 伴 い 生 じる 諸 問 題 について 検 討 する i.1

Ⅰ-1 オンライン 契 約 の 申 込 みと 承 諾 Ⅰ-1-1 契 約 の 成 立 時 期 ( 電 子 承 諾 通 知 の 到 達 ) 最 終 改 訂 : 平 成 24 年 11 月 論 点 電 子 契 約 の 成 立 時 期 である 承 諾 通 知 が 到 達 した 時 点 ( 電 子 契 約 法 第 4 条 )とは 具 体 的 にいつか 1. 考 え 方 (1) 電 子 メールの 場 合 承 諾 通 知 の 受 信 者 ( 申 込 者 )が 指 定 した 又 は 通 常 使 用 するメールサーバー 中 のメールボッ クスに 読 み 取 り 可 能 な 状 態 で 記 録 された 時 点 である 1 承 諾 通 知 の 受 信 者 ( 申 込 者 )のメールサーバー 中 のメールボックスに 記 録 された 場 合 ( 該 当 する 例 ( 契 約 成 立 )) 承 諾 通 知 が 一 旦 メールボックスに 記 録 された 後 にシステム 障 害 等 により 消 失 した 場 合 ( 該 当 しない 例 ( 契 約 不 成 立 )) 申 込 者 のメールサーバーが 故 障 していたために 承 諾 の 通 知 が 記 録 されなかった 場 合 2 読 み 取 り 可 能 な 状 態 で 記 録 された 場 合 ( 該 当 しない 例 ( 契 約 不 成 立 )) 送 信 された 承 諾 通 知 が 文 字 化 けにより 解 読 できなかった 場 合 添 付 ファイルによって 通 知 がなされた 場 合 に 申 込 者 が 復 号 して 見 読 できない 場 合 ( 申 込 者 が 有 して いないアプリケーションソフトによって 作 成 されたため 復 号 して 見 読 できない 場 合 など) (2)ウェブ 画 面 の 場 合 申 込 者 のモニター 画 面 上 に 承 諾 通 知 が 表 示 された 時 点 である 2. 説 明 (1) 電 子 契 約 の 成 立 時 期 ( 承 諾 通 知 の 到 達 ) 電 子 メール 等 の 電 子 的 な 方 式 による 契 約 の 承 諾 通 知 は 原 則 として 極 めて 短 時 間 で 相 手 に 到 達 するため 隔 地 者 間 の 契 約 において 承 諾 通 知 が 電 子 メール 等 の 電 子 的 方 式 で 行 われ i.2

る 場 合 には 民 法 第 526 条 第 1 項 及 び 第 527 条 が 適 用 されず 当 該 契 約 は 承 諾 通 知 が 到 達 したときに 成 立 する( 電 子 契 約 法 第 4 条 民 法 第 97 条 第 1 項 ) なお 本 メールは 受 信 確 認 メールであり 承 諾 通 知 ではありません 在 庫 を 確 認 の 上 受 注 が 可 能 な 場 合 には 改 めて 正 式 な 承 諾 通 知 をお 送 りします といったように 契 約 の 申 込 み への 承 諾 が 別 途 なされることが 明 記 されている 場 合 などは 受 信 の 事 実 を 通 知 したにすぎず そもそも 承 諾 通 知 には 該 当 しないと 考 えられるので 注 意 が 必 要 である 1 (2) 到 達 の 意 義 この 到 達 の 時 期 について 民 法 には 明 文 の 規 定 はないが 意 思 表 示 の 到 達 とは 相 手 方 が 意 思 表 示 を 了 知 し 得 べき 客 観 的 状 態 を 生 じたことを 意 味 すると 解 されている すなわち 意 思 表 示 が 相 手 方 にとって 了 知 可 能 な 状 態 におかれたこと 換 言 すれば 意 思 表 示 が 相 手 方 の いわゆる 支 配 圏 内 におかれたことをいうと 解 される( 最 高 裁 昭 和 36 年 4 月 20 日 第 一 小 法 廷 判 決 民 集 15 巻 4 号 774 頁 最 高 裁 昭 和 43 年 12 月 17 日 第 三 小 法 廷 判 決 民 集 22 巻 13 号 29 98 頁 ) 電 子 承 諾 通 知 の 到 達 時 期 については 相 手 方 が 通 知 に 係 る 情 報 を 記 録 した 電 磁 的 記 録 にアクセス 可 能 となった 時 点 をもって 到 達 したものと 解 される 例 えば 電 子 メールにより 通 知 が 送 信 された 場 合 は 通 知 に 係 る 情 報 が 受 信 者 ( 申 込 者 )の 使 用 に 係 る 又 は 使 用 したメール サーバー 中 のメールボックスに 読 み 取 り 可 能 な 状 態 で 記 録 された 時 点 であると 解 される 具 体 的 には 次 のとおり 整 理 されると 考 えられる 1 相 手 方 が 通 知 を 受 領 するために 使 用 する 情 報 通 信 機 器 をメールアドレス 等 により 指 定 し ていた 場 合 や 指 定 してはいないがその 種 類 の 取 引 に 関 する 通 知 の 受 領 先 として 相 手 方 が 通 常 使 用 していると 信 じることが 合 理 的 である 情 報 通 信 機 器 が 存 在 する 場 合 には 承 諾 通 知 がその 情 報 通 信 機 器 に 記 録 されたとき 21 以 外 の 場 合 には あて 先 とした 情 報 通 信 機 器 に 記 録 されただけでは 足 りず 相 手 方 がその 情 報 通 信 機 器 から 情 報 を 引 き 出 して( 内 容 を 了 知 する 必 要 はない ) 初 めて 到 達 の 効 果 が 生 じるものと 解 される なお 仮 に 申 込 者 のメールサーバーが 故 障 していたために 承 諾 通 知 が 記 録 されなかった 場 合 は 申 込 者 がアクセスし 得 ない 以 上 通 知 は 到 達 しなかったものと 解 するほかない 他 方 承 諾 通 知 が 一 旦 記 録 された 後 に 何 らかの 事 情 で 消 失 した 場 合 記 録 された 時 点 で 通 知 は 到 達 しているものと 解 される 1 東 京 地 裁 平 成 17 年 9 月 2 日 判 決 判 時 1922 号 105 頁 は インターネットショッピングモールでの 商 品 の 売 買 契 約 において 利 用 者 からの 購 入 申 込 みに 対 してモール 運 営 事 業 者 が 返 信 した 受 注 確 認 メールは モール 運 営 事 業 者 が 送 信 したものであり 権 限 ある 売 主 ( 出 品 者 )が 送 信 したものではないから 権 限 あるも のによる 承 諾 がなされたと 認 めることはできない と 判 断 した また 受 注 確 認 メールの 趣 旨 について 買 い 手 となる 注 文 者 の 申 込 みが 正 確 なものとして 発 信 されたかをサイト 開 設 者 が 注 文 者 に 確 認 するものであ り 注 文 者 の 申 込 の 意 思 表 示 の 正 確 性 を 担 保 するものにほかならない と 指 摘 している i.3

(3) 読 み 取 り 可 能 な 状 態 の 意 義 送 信 された 承 諾 通 知 が 文 字 化 けにより 解 読 できなかった 場 合 (なお 解 読 できないか 否 か については 単 に 文 字 化 けがあることのみではなく 個 別 の 事 例 に 応 じて 総 合 的 に 判 断 され ることとなる 例 えば 文 字 コードの 選 択 の 設 定 を 行 えば 復 号 が 可 能 であるにもかかわらず それを 行 わなかったために 情 報 を 復 号 することができない 場 合 のように 当 該 取 引 で 合 理 的 に 期 待 されている 相 手 方 のリテラシーが 低 いため 情 報 の 復 号 ができない 場 合 には 表 意 者 ( 承 諾 者 )に 責 任 がなく この 要 件 は 相 手 方 が 通 常 期 待 されるリテラシーを 有 していることを 前 提 として 解 釈 されるべきであると 考 える )や 申 込 者 が 有 していないアプリケーションソフト ( 例 えば ワープロソフトの 最 新 バージョン 等 )によって 作 成 されたファイルによって 通 知 がな されたために 復 号 して 見 読 することができない 場 合 には 申 込 者 の 責 任 において その 情 報 を 見 読 するためのアプリケーションを 入 手 しなければならないとすることは 相 当 ではなく 原 則 として 申 込 者 が 復 号 して 見 読 可 能 である 方 式 により 情 報 を 送 信 する 責 任 は 承 諾 者 にある ものと 考 えられる したがって 申 込 者 が 復 号 して 見 読 することが 不 可 能 な 場 合 には 原 則 と して 承 諾 通 知 は 不 到 達 と 解 される (4)ウェブ 画 面 の 場 合 インターネット 通 販 等 の 場 合 ウェブ 画 面 上 を 通 じて 申 込 みがなされ 承 諾 もウェブ 画 面 で なされることがある すなわち ウェブ 画 面 上 の 定 型 フォーマットに 商 品 名 個 数 申 込 者 の 住 所 氏 名 等 の 必 要 事 項 を 入 力 し これを 送 信 することにより 申 込 みの 意 思 表 示 が 発 信 され この 申 込 み 通 知 がウェブサーバーに 記 録 された 後 申 込 者 のウェブ 画 面 に 承 諾 した 旨 又 は 契 約 が 成 立 した 旨 が 自 動 的 に 表 示 されるシステムが 利 用 される 場 合 がある このようにウェブ 画 面 を 通 じて 承 諾 通 知 が 発 信 された 場 合 についても 意 思 表 示 の 到 達 の 意 義 及 び 電 子 メールの 場 合 における 承 諾 通 知 の 到 達 時 期 と 同 様 の 視 点 で 考 えるのが 相 当 である すなわち 相 手 方 が 意 思 表 示 を 了 知 し 得 べき 客 観 的 状 態 を 生 じた 時 点 読 み 取 り 可 能 な 状 態 で 申 込 者 ( 受 信 者 )の 支 配 領 域 に 入 った 時 点 と 考 えられる 具 体 的 には ウェブ サーバーに 申 込 みデータが 記 録 され これに 応 答 する 承 諾 データが 申 込 者 側 に 到 達 の 上 申 込 者 のモニター 画 面 上 に 承 諾 通 知 が 表 示 された 時 点 と 解 される また 承 諾 通 知 が 画 面 上 に 表 示 されていれば 足 り 申 込 者 がそれを 現 認 したか 否 かは 承 諾 通 知 の 到 達 の 有 無 には 影 響 しない 他 方 通 信 障 害 等 何 らかのトラブルにより 申 込 者 のモニター 画 面 に 承 諾 通 知 が 表 示 されなかった 場 合 は 原 則 として 承 諾 通 知 は 不 到 達 と 解 される ちなみに お 申 込 みありがとうございました 在 庫 を 確 認 の 上 受 注 が 可 能 な 場 合 には 改 めて 正 式 な 承 諾 通 知 をお 送 りします といったように 契 約 の 申 込 みへの 承 諾 が 別 途 なされ ることが 明 記 されている 場 合 などは 受 信 の 事 実 を 通 知 したにすぎず そもそも 承 諾 通 知 に は 該 当 しないと 考 えられるので 注 意 が 必 要 である なお 承 諾 通 知 がウェブ 画 面 上 に 表 示 された 後 契 約 成 立 を 確 認 する 旨 の 電 子 メールが i.4

別 途 送 信 される 場 合 もあるが この 場 合 も 契 約 の 成 立 時 期 はあくまで 承 諾 通 知 が 表 示 された 時 点 であり 後 から 電 子 メールが 到 達 した 時 点 ではない 他 方 承 諾 通 知 がウェブ 画 面 に 表 示 されなかった 場 合 契 約 成 立 を 確 認 する 旨 の 電 子 メールが 送 信 されていれば それが 到 達 した 時 点 で 契 約 は 成 立 している i.5

Ⅰ-1-2 消 費 者 の 操 作 ミスによる 錯 誤 最 終 改 訂 : 平 成 26 年 8 月 論 点 BtoCの 電 子 契 約 では 事 業 者 側 が 消 費 者 の 申 込 み 内 容 等 の 意 思 を 確 認 する 措 置 を 設 けていない 場 合 には 原 則 として 操 作 ミスによる 契 約 は 無 効 となる( 電 子 契 約 法 第 3 条 ) 反 対 に 事 業 者 側 が 確 認 措 置 を 設 けていれば 消 費 者 に 重 大 な 過 失 があった 場 合 には 契 約 成 立 を 主 張 できるが この 確 認 措 置 とはどのようなものか 1. 考 え 方 (1) 消 費 者 の 操 作 ミスの 救 済 BtoCの 電 子 契 約 では 1 消 費 者 が 申 込 みを 行 う 前 に 消 費 者 の 申 込 み 内 容 等 を 確 認 す る 措 置 を 事 業 者 側 が 講 じた 場 合 2 消 費 者 自 らが 確 認 措 置 が 不 要 である 旨 意 思 の 表 明 をし た 場 合 を 除 き 要 素 の 錯 誤 に 当 たる 操 作 ミスによる 消 費 者 の 申 込 みの 意 思 表 示 は 無 効 とな る( 電 子 契 約 法 第 3 条 ) 1 2の 場 合 消 費 者 に 重 大 な 過 失 があれば 事 業 者 は 消 費 者 に 錯 誤 ( 操 作 ミス)があっても 契 約 の 有 効 性 を 主 張 できる( 民 法 第 95 条 ただし 書 ) (2) 事 業 者 が 講 じる 確 認 措 置 確 認 を 求 める 措 置 としては 申 込 みを 行 う 意 思 の 有 無 及 び 入 力 した 内 容 をもって 申 込 み にする 意 思 の 有 無 について 消 費 者 に 実 質 的 に 確 認 を 求 めていると 判 断 し 得 る 措 置 になっ ている 必 要 がある 例 えば 1あるボタンをクリックすることで 申 込 みの 意 思 表 示 となることを 消 費 者 が 明 らかに 確 認 することができる 画 面 を 設 定 すること 2 確 定 的 な 申 込 みとなる 送 信 ボタンを 押 す 前 に 申 込 みの 内 容 を 表 示 し そこで 訂 正 する 機 会 を 与 える 画 面 を 設 定 するこ と などが 考 えられる i.6

( 確 認 措 置 と 認 められると 思 われる 例 ) 申 込 み 画 面 商 品 A ( 説 明 ) 購 入 します 申 込 み 画 面 商 品 A 商 品 B 個 数 個 11 個 次 へ 確 認 画 面 商 品 Aの 購 入 の 申 込 みと なります よろしいですか? 確 認 画 面 申 込 み 内 容 商 品 B 11 個 確 認 取 消 申 込 む 戻 る ( 確 認 措 置 と 認 められない 可 能 性 がある 例 ) 最 終 確 認 画 面 を 設 けていない 場 合 であって 意 思 表 示 の 内 容 が 同 一 画 面 上 であっても 確 定 的 な 申 込 みとなる 送 信 ボタンと 全 く 別 の 場 所 に 表 示 されているとき 申 込 みフレーム 確 認 フレーム 商 品 A 商 品 B 申 込 み 内 容 個 数 個 10 個 商 品 B 10 個 商 品 C 商 品 D 商 品 C 2 個 個 数 2 個 個 購 入 (3) 確 認 措 置 が 不 要 であるとの 消 費 者 の 意 思 の 表 明 消 費 者 が 自 ら 望 んで 確 認 措 置 が 必 要 ではないと 積 極 的 に 選 択 する 必 要 があり その 認 定 は 慎 重 になされると 考 えられる 例 えば 事 業 者 によって 同 意 するよう 強 制 されたり 意 図 的 に 誘 導 されたりしたような 場 合 には 消 費 者 の 意 思 の 表 明 には 当 たらないと 思 われる ( 意 思 の 表 明 に 当 たると 思 われる 例 ) 申 込 み 画 面 確 認 画 面 がなくても 良 い 場 合 は こちらから ( 注 意 事 項 ) ここを 選 択 すると 商 品 A 商 品 B 個 数 個 個 i.7

( 意 思 の 表 明 に 当 たらないと 思 われる 例 ) 申 込 み 画 面 商 品 A 商 品 B 個 数 個 個 申 込 み 確 認 画 面 が 必 要 な 方 はこちらから 2. 説 明 (1) 錯 誤 無 効 の 特 例 措 置 消 費 者 がウェブ 画 面 を 通 じて 事 業 者 が 画 面 上 に 表 示 する 手 続 に 従 って 当 該 事 業 者 との 契 約 の 申 込 みを 行 う 際 意 図 しない 申 込 み( 例 えば 全 く 申 込 みを 行 う 意 思 がないにもかかわら ず 操 作 を 誤 って 申 込 みを 行 ってしまったような 場 合 )や 意 図 と 異 なる 内 容 の 申 込 み( 例 えば 操 作 を 誤 って 申 込 みの 内 容 を 入 力 してしまったにもかかわらず それを 訂 正 しないままに 内 心 の 意 思 と 異 なる 内 容 の 申 込 みであると 表 示 から 推 断 される 表 示 行 為 を 行 ってしまったような 場 合 )を 行 った 場 合 には 事 業 者 が 消 費 者 に 対 して 申 込 みを 行 う 意 思 や 申 込 みの 内 容 につ いて 確 認 を 求 める 措 置 を 講 じた 場 合 及 び 消 費 者 自 らが 申 込 みを 行 う 意 思 や 申 込 みの 内 容 に ついての 確 認 の 機 会 が 不 要 である 旨 の 意 思 を 表 明 した 場 合 を 除 き 民 法 第 95 条 ただし 書 の 規 定 は 適 用 されず 消 費 者 は 自 らに 重 大 な 過 失 があったとしても 意 図 しない 申 込 みや 意 図 と 異 なる 内 容 の 申 込 みの 意 思 表 示 を 無 効 とすることができる( 電 子 契 約 法 第 3 条 ) 意 図 しない 申 込 みの 例 としては 購 入 するかどうか 検 討 する 意 図 で 購 入 申 込 みの 内 容 を 入 力 して 価 格 を 表 示 させていたところ 誤 って 送 信 ボタンを 押 した 場 合 キャンセルボタンと 思 って 押 したが 有 料 の 契 約 の 申 込 みボタンだった 場 合 等 があり 意 図 と 異 なる 内 容 の 申 込 み の 例 としては 1 個 のつもりが11 個 と 入 力 して 申 込 みボタンを 押 した 場 合 等 がある (2) 電 子 契 約 法 第 3 条 の 確 認 を 求 める 措 置 事 業 者 が 消 費 者 に 対 して 申 込 みを 行 う 意 思 や 申 込 みの 内 容 について 画 面 上 確 認 を 求 め る 措 置 を 講 じた 場 合 には 電 子 契 約 法 第 3 条 本 文 の 適 用 はなく 事 業 者 は 民 法 第 95 条 た だし 書 の 規 定 により 消 費 者 に 意 図 しない 申 込 みや 意 図 と 異 なる 内 容 の 申 込 みをしたことに ついて 重 大 な 過 失 がある 場 合 には 錯 誤 があっても 契 約 として 有 効 であることを 主 張 すること ができる( 電 子 契 約 法 第 3 条 ただし 書 ) この 確 認 を 求 める 措 置 としては 申 込 みを 行 う 意 思 の 有 無 及 び 入 力 した 内 容 をもって 申 込 みにする 意 思 の 有 無 について 消 費 者 に 実 質 的 に 確 認 を 求 めていると 判 断 し 得 る 措 置 に なっている 必 要 がある 具 体 的 には 次 のようなものが 考 えられる 1 確 定 的 な 申 込 みとなる 送 信 ボタンが 存 在 する 同 じ 画 面 上 に 意 思 表 示 の 内 容 を 明 示 し i.8

当 該 ボタンをクリックすることで 申 込 みの 意 思 表 示 となることを 消 費 者 が 明 らかに 確 認 すること ができる 画 面 を 設 定 すること 2 確 定 的 な 申 込 みとなる 送 信 ボタンを 押 す 前 に 申 込 みの 内 容 を 表 示 し そこで 訂 正 す る 機 会 を 与 える 画 面 を 設 定 すること なお 近 時 は 上 の2の 方 法 に 従 い 入 力 画 面 とは 別 に 最 終 確 認 画 面 として 申 込 み の 内 容 を 表 示 しそこで 訂 正 する 機 会 を 与 える 画 面 を 設 ける 仕 組 みが 一 般 的 になっている し かし 1の 方 法 に 従 い 消 費 者 が 意 思 表 示 の 内 容 を 確 実 に 確 認 できるように 表 示 し かつ 意 思 表 示 の 内 容 と 同 じ 画 面 上 に 申 込 みの 意 思 表 示 となることを 消 費 者 が 明 らかに 確 認 できる 方 法 で 送 信 ボタンを 設 けるのであれば 確 認 を 求 める 措 置 として 入 力 画 面 とは 別 に 最 終 確 認 画 面 を 設 けることは 必 須 ではない ただし 最 終 確 認 画 面 を 設 けることが 一 般 化 して おり 入 力 画 面 上 のボタンのクリックは 最 終 的 な 意 思 表 示 ではないと 消 費 者 が 思 い 込 む 可 能 性 が 高 まっていることに 鑑 みれば 最 終 確 認 画 面 を 設 けない 場 合 には 消 費 者 が 入 力 した 情 報 を 全 て 表 示 して 消 費 者 が 意 思 表 示 の 内 容 を 確 実 に 確 認 できるようにするとともに ボタ ンをクリックすることで 最 終 的 な 意 思 表 示 となること を 消 費 者 に 明 瞭 に 表 示 する 必 要 があると 考 えられる また 入 力 画 面 と 同 一 画 面 の 別 の 箇 所 に 意 思 表 示 の 内 容 を 明 示 する 画 面 が 設 けられ 表 示 されているものの 送 信 ボタンが 入 力 画 面 側 に 設 けられている 場 合 等 意 思 表 示 の 内 容 が 同 一 画 面 上 であっても 確 定 的 な 申 込 みとなる 送 信 ボタンと 全 く 別 の 場 所 に 表 示 さ れている 場 合 には 消 費 者 が 意 思 表 示 の 内 容 を 確 認 せずに 送 信 ボタンをクリックするおそれ があるため 最 終 確 認 画 面 を 設 けなければ 確 認 を 求 める 措 置 として 不 十 分 とされる 可 能 性 があると 考 えられる (3) 電 子 契 約 法 第 3 条 の 意 思 の 表 明 消 費 者 自 らが 前 記 確 認 を 求 める 措 置 を 要 しない 旨 の 意 思 を 表 明 した 場 合 1 には 電 子 契 約 法 第 3 条 本 文 の 適 用 はなく 事 業 者 は 民 法 第 95 条 ただし 書 の 規 定 により 消 費 者 に 意 図 しない 申 込 みや 意 図 と 異 なる 内 容 の 申 込 みをしたことについて 重 大 な 過 失 があることを 主 張 することができる( 電 子 契 約 法 第 3 条 ただし 書 ) この 意 思 の 表 明 とは 消 費 者 がその 自 主 的 な 判 断 により 自 ら 積 極 的 に 確 認 措 置 の 提 供 が 必 要 ではないことを 事 業 者 に 明 らかにするとの 趣 旨 であり その 認 定 は 慎 重 になされると 考 えられる 消 費 者 が 確 認 措 置 を 要 しないとは 望 んでいないにもかかわらず 事 業 者 によっ てそれに 同 意 するよう 強 制 されたり 意 図 的 に 誘 導 されたりしたような 場 合 には ここでいう 消 費 者 の 意 思 の 表 明 には 当 たらない 例 えば 確 認 措 置 を 講 じていない 事 業 者 が 一 方 的 1 このような 場 合 であっても 事 業 者 が 確 認 を 求 める 措 置 を 講 じなかったことについて 特 定 商 取 引 法 第 1 4 条 の 規 定 に 違 反 したとして 行 政 処 分 の 対 象 となるおそれがある 本 準 則 Ⅰ-1-3 インターネット 通 販 における 分 かりやすい 申 込 画 面 の 設 定 義 務 を 参 照 されたい i.9

に 確 認 措 置 を 要 しない 旨 同 意 したものとみなす としているような 場 合 や 確 認 措 置 を 必 要 としない 旨 表 明 いたします というボタンをクリックしなければ 商 品 を 購 入 できないような 場 合 には ここでいう 消 費 者 の 意 思 の 表 明 には 当 たらない 要 するに 各 別 かつ 明 示 の 方 法 により 消 費 者 側 の 主 体 的 意 思 が 形 成 され 確 認 措 置 を 不 要 とする 意 思 の 表 明 がされるもの でなければならない また 実 際 の 電 子 商 取 引 サイトでは 表 示 スペースの 制 約 等 から 確 認 画 面 の 省 略 を 選 択 する 場 合 に 確 認 画 面 がなくてもよい 場 合 にはこちらをクリック というように 確 認 画 面 が 不 要 である 旨 の 文 章 を 記 載 したボタンをクリックさせるのではなく ワンフレーズの 短 い 表 現 が 記 載 されたボタンをクリックさせることが 多 い このような 省 略 して 表 現 されたボタンのクリックが 確 認 措 置 を 必 要 としない 旨 の 選 択 の 意 思 表 示 であることを 消 費 者 が 理 解 してクリックした 場 合 には 消 費 者 が 電 子 契 約 法 第 3 条 ただし 書 の 確 認 を 求 める 措 置 を 要 しない 旨 の 意 思 を 表 明 した 場 合 に 該 当 するが 当 該 ボタンの 趣 旨 が 消 費 者 に 適 切 に 説 明 されていないため 消 費 者 が 省 略 して 表 現 されたボタンの 意 味 を 正 しく 理 解 できないままクリックしたような 場 合 には 確 認 を 求 める 措 置 を 要 しない 旨 の 意 思 を 表 明 した 場 合 に 該 当 するとはいえないと 考 えられ る なお 意 思 の 表 明 の 有 無 については 事 業 者 が 主 張 立 証 責 任 を 負 担 する i.10

最 終 改 訂 : 平 成 22 年 10 月 Ⅰ-1-3 インターネット 通 販 における 分 かりやすい 申 込 画 面 の 設 定 義 務 論 点 特 定 商 取 引 法 第 14 条 で 規 制 されている 顧 客 の 意 に 反 して 契 約 の 申 込 みをさせようと する 行 為 とは インターネット 通 販 においてはどのような 行 為 か 1. 考 え 方 インターネット 通 販 において (1)あるボタンをクリックすれば それが 有 料 の 申 込 みとなる ことを 消 費 者 が 容 易 に 認 識 できるように 表 示 していない 場 合 (2) 申 込 みをする 際 に 消 費 者 が 申 込 みの 内 容 を 容 易 に 確 認 し かつ 訂 正 できるように 措 置 していない 場 合 には 特 定 商 取 引 法 第 14 条 により 行 政 処 分 の 対 象 となる (1) 有 料 の 申 込 みとなることの 表 示 について ( 有 料 の 申 込 みとなることを 表 示 していると 思 われる 例 ) 画 面 例 1 ステップ1: 商 品 の 選 択 商 品 広 告 商 品 1 商 品 社 製 1 価 格 1,000 円 買 い 物 かごに 入 れる 商 品 2 商 品 社 2 価 格 1,200 円 買 い 物 かごに 入 れる 商 品 単 価 数 量 小 計 商 品 1 1,000 円 1 個 1,000 円 削 除 買 い 物 を 続 ける レジに 進 む ステップ3: 最 終 確 認 画 面 の 表 示 注 文 内 容 確 認 注 文 内 容 を 確 認 し 注 文 を 確 定 して 下 さい(これが 最 後 の 手 続 きです ) 下 記 の 注 文 内 容 が 正 しいことを 確 認 してください 注 文 を 確 定 する ボタンをクリックするまで 実 際 の 注 文 は 行 われません ご 届 け 先 経 済 太 郎 100-8901 東 京 都 千 代 田 区 霞 が 関 1-3-1 変 更 支 払 方 法 カード - 変 更 有 効 期 限 :06/2002 注 文 明 細 商 品 単 価 数 量 小 計 商 品 1 1,000 円 1 個 1,000 円 送 料 200 円 消 費 税 60 円 合 計 1,260 円 ステップ2: 個 人 情 報 の 入 力 お 届 け 先 を 記 入 下 さい 発 送 方 法 : 宅 配 便 変 更 変 更 氏 名 : 注 文 を 確 定 する 郵 便 番 号 : 都 道 府 県 : - 選 択 して 下 さい TOP に 戻 る( 注 文 は 確 定 されません) 住 所 : 電 話 番 号 : 電 子 メールアト レス: 次 の 画 面 へ ステップ4: 最 終 的 な 申 込 み ご 注 文 ありがとうございました i.11

画 面 例 2 注 文 書 ご 希 望 の 商 品 を 選 んで 下 さい ( 1) 希 望 商 品 を 選 んで 下 さい ( 2) 希 望 商 品 を 選 んで 下 さい お 届 け 先 氏 名 : 郵 便 番 号 : 都 道 府 県 : 住 所 : 電 話 番 号 : - 選 択 して 下 さい 電 子 メールアト レス: 注 文 やり 直 し ( 有 料 の 申 込 みとなることを 表 示 していないとされるおそれがある 例 ) 画 面 例 3 (1ページ) 申 込 フォーム 申 込 手 順 (2ページ) ご 贈 答 品 について (3ページ) 申 込 者 名 e-mail 郵 便 番 号 住 所 申 し 込 み 返 品 について 商 品 A 商 品 B (チェックを 入 れて 下 さい ) 商 品 01 商 品 02 商 品 03 お 支 払 い 方 法 商 品 13 商 品 14 商 品 15 (チェックを 入 れて 下 さい ) 電 話 番 号 お 支 払 い 方 法 銀 行 振 り 込 み 郵 便 振 替 代 金 引 換 (チェックを 入 れて 下 さい ) 送 料 銀 行 振 り 込 み 郵 便 振 替 は 全 国 一 律 円 代 金 引 換 の 場 合 は 地 域 によって 異 なります( 別 表 参 考 ) 送 料 に 代 金 引 換 手 数 料 円 が 加 算 されます 送 信 取 消 i.12

(2) 確 認 訂 正 機 会 の 提 供 について ( 確 認 訂 正 機 会 の 提 供 があると 思 われる 例 ) 画 面 例 4 ご 注 文 内 容 確 認 この 内 容 で 店 主 にメールが 送 信 されます この 内 容 で 良 ければ この 内 容 で 注 文 する を 修 正 したい 部 分 があれば ブラウザのボタンで 前 のページに 戻 って 下 さい ご 注 文 商 品 商 品 単 価 数 量 小 計 商 品 1 1,000 円 1 個 1,000 円 送 料 200 円 消 費 税 60 円 合 計 1,260 円 ご 注 文 者 氏 名 : 住 所 : 電 話 番 号 : E-MAIL: お 届 け 先 ご 注 文 者 に 同 じ お 支 払 い 方 法 代 金 引 換 この 内 容 で 注 文 する ( 確 認 訂 正 機 会 の 提 供 がないとされるおそれがある 例 ) 画 面 例 5 画 面 例 6 画 面 1 商 品 名 画 像 商 品 説 明 5,340 進 む 画 面 2 代 引 き 送 り 先 の 住 所 を 入 力 してください お 名 前 会 社 名 住 所 郵 便 番 号 電 話 番 号 E-MAIL 商 品 の 注 文 フォームです 以 下 をもれなく 記 入 して 商 品 申 込 みをする ボタンをクリックして 下 さい お 名 前 ふりがな ご 住 所 都 道 府 県 住 所 電 話 番 号 ご 注 文 Ⅰ 商 品 名 A A 型 リング 10,000 商 品 名 B B 型 ネックレス 15,000 サイズ 7 ご 注 文 Ⅱ 商 品 名 A A 型 リング 10,000 商 品 名 B B 型 ネックレス 15,000 サイズ 7 購 入 OK 商 品 代 金 消 費 税 合 計 金 額 お 支 払 い 方 法 円 円 円 商 品 申 込 をする 取 り 消 し ご 注 文 ありがとうございました i.13

2. 説 明 (1) 特 定 商 取 引 法 第 14 条 の 規 制 販 売 業 者 等 が 顧 客 の 意 に 反 して 売 買 契 約 若 しくは 役 務 提 供 契 約 の 申 込 みをさせようとす る 行 為 等 をした 場 合 において 取 引 の 公 正 及 び 購 入 者 等 の 利 益 が 害 されるおそれがあると 認 められるときは 主 務 大 臣 は 必 要 な 措 置 をとるべきことを 指 示 することができる( 特 定 商 取 引 法 第 14 条 ) この 顧 客 の 意 に 反 して 契 約 の 申 込 みをさせようとする 行 為 とは 具 体 的 には インター ネット 通 販 において 1あるボタンをクリックすれば それが 有 料 の 申 込 みとなることを 消 費 者 が 容 易 に 認 識 できるように 表 示 していないこと( 特 定 商 取 引 法 施 行 規 則 第 16 条 第 1 項 第 1 号 ) 2 申 込 みをする 際 に 消 費 者 が 申 込 みの 内 容 を 容 易 に 確 認 し かつ 訂 正 できるように 措 置 していないこと( 同 項 第 2 号 )を 指 す (2) 顧 客 の 意 に 反 して 契 約 の 申 込 みをさせようとする 行 為 に 係 るガイドライン 消 費 者 庁 及 び 経 済 産 業 省 は 顧 客 の 意 に 反 して 契 約 の 申 込 みをさせようとする 行 為 に 係 るガイドラインを 策 定 し 以 下 のような 解 釈 基 準 を 示 している 1 申 込 みとなることの 表 示 ( 第 1 号 ) ⅰ) 以 下 のような 場 合 は 一 般 に 第 1 号 で 定 める 行 為 に 該 当 しないと 考 えられる a) 申 込 みの 最 終 段 階 において 注 文 内 容 の 確 認 といった 表 題 の 画 面 (いわゆる 最 終 確 認 画 面 )が 必 ず 表 示 され その 画 面 上 で この 内 容 で 注 文 する といった 表 示 の あるボタンをクリックして 初 めて 申 込 みになる 場 合 b)いわゆる 最 終 確 認 画 面 がない 場 合 であっても 以 下 のような 措 置 が 講 じられ 最 終 的 な 申 込 みの 操 作 となることが 明 示 されている 場 合 ア) 最 終 的 な 申 込 みにあたるボタンのテキストに 私 は 上 記 の 商 品 を 購 入 ( 注 文 申 込 み)します と 表 示 されている イ) 最 終 的 な 申 込 みにあたるボタンに 近 接 して 購 入 ( 注 文 申 込 み)しますか との 表 示 があり ボタンのテキストに はい と 表 示 されている ⅱ) 以 下 のような 場 合 は 第 1 号 で 定 める 行 為 に 該 当 するおそれがある a) 最 終 的 な 申 込 みにあたるボタン 上 では 購 入 ( 注 文 申 込 み) などといった 用 語 で はなく 送 信 などの 用 語 で 表 示 がされており また 画 面 上 のほかの 部 分 でも 申 込 み であることを 明 らかにする 表 示 がない 場 合 i.14

b) 最 終 的 な 申 込 みにあたるボタンに 近 接 して プレゼント と 表 示 されているなど 有 償 契 約 の 申 込 みではないとの 誤 解 を 招 くような 表 示 がなされている 場 合 2 確 認 訂 正 機 会 の 提 供 ( 第 2 号 ) ⅰ) 以 下 のa) 及 びb)の 両 方 を 満 たしているような 場 合 は 一 般 に 第 2 号 で 定 める 行 為 に 該 当 しないと 考 えられる a) 申 込 みの 最 終 段 階 で 以 下 のいずれかの 措 置 が 講 じられ 申 込 み 内 容 を 容 易 に 確 認 できるようになっていること ア) 申 込 みの 最 終 段 階 の 画 面 上 において 申 込 み 内 容 が 表 示 される 場 合 イ) 申 込 みの 最 終 段 階 の 画 面 上 において 申 込 み 内 容 そのものは 表 示 されていない 場 合 であっても 注 文 内 容 を 確 認 する といったボタンが 用 意 され それをクリック することにより 確 認 できる 場 合 あるいは 確 認 したい 場 合 には ブラウザの 戻 る ボタンで 前 のページに 戻 って 下 さい といった 説 明 がなされている 場 合 b)a)により 申 込 み 内 容 を 確 認 した 上 で 以 下 のいずれかの 措 置 により 容 易 に 訂 正 で きるようになっていること ア) 申 込 みの 最 終 段 階 の 画 面 上 において 変 更 取 消 といったボタンが 用 意 され そのボタンをクリックすることにより 訂 正 ができるようになっている 場 合 イ) 申 込 みの 最 終 段 階 の 画 面 上 において 修 正 したい 部 分 があれば ブラウザの 戻 るボタンで 前 のページに 戻 って 下 さい といった 説 明 がなされている 場 合 ⅱ) 以 下 のような 場 合 は 第 2 号 で 定 める 行 為 に 該 当 するおそれがある a) 申 込 みの 最 終 段 階 の 画 面 上 において 申 込 み 内 容 が 表 示 されず これを 確 認 する ための 手 段 ( 注 文 内 容 を 確 認 などのボタンの 設 定 や ブラウザの 戻 るボタンで 前 に 戻 ることができる 旨 の 説 明 )も 提 供 されていない 場 合 b) 申 込 みの 最 終 段 階 の 画 面 上 において 訂 正 するための 手 段 ( 変 更 などのボタン の 設 定 や ブラウザの 戻 るボタンで 前 に 戻 ることができる 旨 の 説 明 )が 提 供 されて いない 場 合 c) 申 込 みの 内 容 として あらかじめ( 申 込 み 者 が 自 分 で 変 更 しない 限 りは) 同 一 商 品 を 複 数 申 し 込 むように 設 定 してあるなど 一 般 的 には 想 定 されない 設 定 がなされて おり よほど 注 意 していない 限 り 申 込 み 内 容 を 認 識 しないままに 申 し 込 んでしまうよ i.15

うになっている 場 合 ( 参 考 ) いかなる 画 面 が 上 記 場 合 に 該 当 するか 否 かについて ガイドラインが 公 表 されている(イ ンターネット 通 販 における 意 に 反 して 契 約 の 申 込 みをさせようとする 行 為 に 係 るガイドライ ン) (http://www.no-trouble.jp/) i.16

Ⅰ-1-4 ワンクリック 請 求 と 契 約 の 履 行 義 務 最 終 改 訂 : 平 成 22 年 10 月 論 点 ワンクリック 請 求 について 契 約 が 成 立 しているとして 代 金 を 請 求 された 者 は これに 応 じる 法 的 な 義 務 があるか 1. 考 え 方 (1)ワンクリック 請 求 ワンクリック 請 求 とは 携 帯 電 話 やパソコンに 届 いたメールや 各 種 ウェブページ ブログの トラックバックに 記 載 されている URL を 一 度 クリックしてアクセスしただけで 有 料 サービスの 登 録 がされたという 画 面 表 示 がなされ 代 金 を 請 求 されるというケースであり 多 くの 場 合 は 詐 欺 的 手 法 で 代 金 名 目 で 金 銭 をだましとることが 目 的 とされている 架 空 請 求 の 一 類 型 といえる このようなワンクリック 請 求 を 受 けた 者 が 契 約 に 基 づく 代 金 の 支 払 義 務 を 負 うかを 検 討 する (2) 契 約 が 不 成 立 の 場 合 ワンクリックが 契 約 の 申 込 みであるといえない 場 合 には そもそも 申 込 みの 意 思 表 示 がなく 契 約 は 成 立 しない したがって 代 金 請 求 の 根 拠 がなく 請 求 に 応 じる 法 的 義 務 はない 1 ( 契 約 が 不 成 立 と 判 断 しうる 例 ) ワンクリックが 契 約 の 申 込 みであることを 認 識 できないケース 単 なる 宣 伝 メールを 装 い 特 定 URLを 表 示 しているケース ( 動 画 が 見 放 題! 今 すぐクリック! など) 知 人 からのメールを 装 い 特 定 サイトの 単 なる 紹 介 であるかのように 特 定 URLを 表 示 しているケース ( お 久 しぶりです 昨 日 話 したサイト! などといった 文 章 のあとに 特 定 URLが 表 示 されてい て ここをクリックすると 自 動 登 録 されるケース) 有 料 サービスの 解 約 退 会 手 続 案 内 メール(もともと 退 会 しなければならない 有 料 サービスなどは 存 在 していない)を 装 い 特 定 URLを 表 示 しているケース ( 退 会 手 続 のためには こちらへ 登 録 が 不 要 な 場 合 はこちらへ などといった 文 章 のあとに UR Lが 表 示 されていて ここをクリックすると 自 動 登 録 されるケース) 特 定 サイトにおいて 次 の 画 面 に 移 るときに 入 口 を 見 る というボタン 表 示 のみがあり これ 1 東 京 地 裁 平 成 18 年 1 月 30 日 判 決 判 時 1939 号 52 頁 は ワンクリック 請 求 の 被 害 者 から サイト 運 営 者 に 対 する 慰 謝 料 請 求 が 認 められた 事 案 である 本 事 案 では 原 告 がサイトにアクセスした 時 点 でのサイトの 構 成 ( 画 像 をクリックしただけで 自 動 会 員 登 録 及 び 代 金 請 求 の 表 示 がなされると いうもの)では 原 告 被 告 間 にはそもそも 契 約 が 成 立 しておらず 被 告 から 原 告 に 対 する 不 当 請 求 は 原 告 に 対 する 不 法 行 為 にあたると 判 断 した 上 で 被 告 に 対 して 慰 謝 料 30 万 円 の 支 払 が 命 じられている i.17

をクリックすると 自 動 登 録 とされるが このボタンをクリックすることが 契 約 の 申 込 みとなることが 表 示 さ れていないケース 契 約 の 申 込 みをしますか? の 問 いがあり はい いいえ のボタンがあるが いいえ いいえをク リックしたにもかかわらず 自 動 登 録 されるケース ( 契 約 が 不 成 立 と 判 断 される 可 能 性 のある 例 ) 利 用 規 約 の 表 示 はあるが 利 用 規 約 の 存 在 が 認 識 しにくいように 画 面 設 計 がされているケース 携 帯 電 話 で はじめのほうに 特 定 URLが 表 示 されているが 長 い 画 面 の 一 番 下 までスクロールしな いと 利 用 規 約 が 表 示 されないケース テキストエリアやフレームのスクロールバーを 背 景 色 と 同 じにし 重 要 箇 所 に 気 がつかないようにして いる 非 常 に 小 さな 文 字 であるなど 表 示 自 体 に 気 がつきにくいものとなっているケース ワンクリックが 契 約 の 申 込 みであることを 認 識 しにくいケース 利 用 規 約 でクリックが 契 約 の 申 込 みになることが 記 載 されているが 実 際 のクリックボタンの 前 には クリックが 申 込 みになるとの 記 載 ではなく 18 歳 以 上 ですか の 問 いが 記 載 され ボタン 表 示 には OK キャンセル とのみ 表 示 されているケース (3) 錯 誤 により 契 約 の 無 効 の 主 張 が 可 能 な 場 合 契 約 の 申 込 みについて 申 込 者 に 契 約 の 要 素 につき 錯 誤 がある 場 合 には 申 込 者 に 重 過 失 があるときを 除 き 申 込 者 は 錯 誤 による 契 約 の 無 効 を 主 張 することができる( 民 法 第 95 条 ) ただし 表 意 者 が 錯 誤 につき 重 過 失 ある 場 合 に 錯 誤 無 効 の 主 張 を 認 めない 理 由 は 相 手 方 保 護 であるところ ワンクリック 請 求 業 者 が 申 込 者 が 錯 誤 に 陥 ることを 意 図 していたような 場 合 に は 相 手 方 であるワンクリック 請 求 業 者 を 保 護 する 必 要 がないため 錯 誤 無 効 を 主 張 できる 可 能 性 が 高 い また 電 子 消 費 者 契 約 にあたる 場 合 において 申 込 者 が 契 約 を 申 し 込 む 意 思 がなかったのに 誤 って 申 込 みのクリックボタンを 押 してしまったときは 事 業 者 が 申 込 内 容 の 確 認 措 置 を 講 じていた 場 合 を 除 き 申 込 者 の 重 過 失 の 有 無 にかかわらず 錯 誤 無 効 の 主 張 ができる( 電 子 契 約 法 第 2 条 第 3 条 ) 2 錯 誤 により 契 約 が 無 効 となる 場 合 は 代 金 請 求 の 根 拠 がないことになり 請 求 に 応 じる 法 的 義 務 はない ( 錯 誤 による 契 約 の 無 効 の 主 張 が 可 能 な 例 ) 2 事 業 者 の 確 認 措 置 の 具 体 的 内 容 につき 本 準 則 Ⅰ-1-2 消 費 者 の 操 作 ミスによる 錯 誤 参 照 i.18

申 込 者 には 契 約 を 申 し 込 む 意 思 がなかったのに 誤 って 申 込 みのクリックボタンを 押 してしまった 場 合 ( 申 込 内 容 の 確 認 措 置 が 講 じられていない 場 合 ) 申 込 者 が 内 心 で 認 識 していたサービス 提 供 の 代 金 と 実 際 に 成 立 した 契 約 の 代 金 とに 食 い 違 いが あった 場 合 申 込 者 が 内 心 で 認 識 していたサービス 内 容 と 実 際 に 成 立 した 契 約 で 提 供 されるサービス 内 容 とに 食 い 違 いがあった 場 合 (4) 消 費 者 契 約 法 違 反 の 条 項 があり 無 効 となる 場 合 契 約 の 内 容 について 消 費 者 契 約 法 第 8 条 から 第 10 条 までに 違 反 する 条 項 がある 場 合 は 当 該 条 項 は 無 効 となる このような 条 項 に 基 づいてなされた 請 求 に 対 して 請 求 に 応 じる 法 的 義 務 はない ( 消 費 者 契 約 法 に 違 反 して 無 効 となる 条 項 の 例 ) 下 記 のような 文 言 の 条 項 について 計 算 される 利 率 が 年 14 6%を 超 えるものとなっている 場 合 その 超 える 部 分 についての 利 率 の 定 めは 無 効 である 最 終 的 にお 支 払 なき 場 合 は 合 計 支 払 金 額 の 約 倍 の 請 求 をさせていただくことがありますので お 忘 れなく 入 金 してください 未 払 いの 場 合 利 用 規 約 に 基 づき 延 滞 金 円 延 滞 一 日 につき 円 の 損 害 金 を 加 算 します ( 消 費 者 契 約 法 に 違 反 して 無 効 となる 可 能 性 のある 条 項 の 例 ) 支 払 を 延 滞 した 場 合 は 事 務 手 数 料 として 万 円 をいただきます 等 の 文 言 で 支 払 請 求 がなさ れるケース( 架 空 請 求 一 般 に 見 られる) 退 会 解 約 について 一 方 的 に 制 限 している 条 項 (5) 契 約 の 内 容 が 公 序 良 俗 に 違 反 するとして 無 効 の 主 張 が 可 能 な 場 合 契 約 の 内 容 が 公 序 良 俗 に 反 する 場 合 契 約 は 無 効 となる( 民 法 第 90 条 ) 契 約 が 無 効 とな る 場 合 は 代 金 請 求 の 根 拠 がないことになり 請 求 に 応 じる 法 的 義 務 はない ( 公 序 良 俗 違 反 で 契 約 が 無 効 となる 可 能 性 のある 例 ) 提 供 されるサービス 等 とその 対 価 が 一 般 常 識 に 照 らして 著 しくバランスを 欠 き 公 序 良 俗 に 反 する 程 度 に 達 している 場 合 わいせつ 物 の 販 売 又 は 著 作 権 処 理 されていない 画 像 の 販 売 など その 取 引 自 体 が 法 律 に 違 反 する i.19

ものである 場 合 (6) 詐 欺 による 契 約 の 取 消 しの 主 張 が 可 能 な 場 合 ワンクリック 請 求 業 者 が 申 込 者 に 対 して 欺 罔 行 為 を 行 い その 結 果 として 申 込 者 が 錯 誤 に 陥 って 申 込 みの 意 思 表 示 をなした 場 合 には 申 込 者 は 詐 欺 ( 民 法 第 96 条 )による 契 約 の 取 消 しを 主 張 することができる (7) 申 込 者 が 未 成 年 であることにより 取 消 しの 主 張 が 可 能 な 場 合 申 込 者 が 未 成 年 である 場 合 には 原 則 として 意 思 表 示 を 取 り 消 して 契 約 の 効 力 を 否 定 す ることができる( 民 法 第 5 条 )が 年 齢 確 認 画 面 への 対 応 によっては 民 法 第 21 条 の 詐 術 の 適 用 により 取 り 消 すことができない 場 合 がある 契 約 の 取 消 しをした 場 合 には 契 約 は 遡 って 無 効 となることにより( 民 法 第 121 条 ) 代 金 請 求 の 根 拠 がないことになり 請 求 に 応 じる 法 的 義 務 はない ( 申 込 者 が 未 成 年 であることにより 取 消 しの 主 張 が 可 能 な 例 ) ワンクリックの 前 に 未 成 年 者 であるかどうかの 確 認 をしていないケース 単 に 成 年 ですか あるいは 18 歳 以 上 ですか との 問 いに はい や OK のボタンをクリックさせるの みの 場 合 ( 本 準 則 Ⅰ-4 未 成 年 者 による 意 思 表 示 の 1. 考 え 方 中 ( 取 り 消 すことができると 思 われ る 例 ) 参 照 ) 2. 説 明 (1) 問 題 の 所 在 ワンクリック 請 求 とは 架 空 請 求 の 一 類 型 であり 多 くの 場 合 契 約 が 成 立 していない 又 は 契 約 の 無 効 取 消 しの 主 張 が 可 能 であるケースであるのに 契 約 が 成 立 したと 誤 信 させて 代 金 の 請 求 をし これを 詐 取 しようとするものである ワンクリックをした 者 は クリックという 自 分 の 行 為 が 介 在 しているため そのことにより 契 約 が 成 立 したのだと 誤 信 して 代 金 の 支 払 に 応 じてしまう 場 合 がある 以 下 では 請 求 に 応 じる 法 的 義 務 がないと 考 えられる 類 型 ごとに 検 討 を 行 う (2) 契 約 が 不 成 立 の 場 合 契 約 は 申 込 みと 承 諾 の 意 思 表 示 が 合 致 した 場 合 に 成 立 し 申 込 とは それをそのまま 受 け 入 れるという 相 手 の 意 思 表 示 があれば 契 約 を 成 立 させるという 意 思 表 示 である ところが ワンクリック 請 求 では そもそもワンクリックが 契 約 の 申 込 みであるとの 判 断 ができない 場 合 が i.20

ある この 場 合 は そもそも 契 約 の 申 込 みといえる 意 思 表 示 がなく これに 対 する 承 諾 もありえ ないから 契 約 は 成 立 していない ワンクリックの 際 に クリックが 契 約 の 申 込 みであるとの 表 示 がまったくない 場 合 が 典 型 的 な ケースである また 表 示 がなされていたとしても それが 画 面 構 成 上 認 識 しにくいようになっ ている 場 合 も 契 約 の 申 込 み 行 為 がないと 判 断 される 可 能 性 がある (3) 錯 誤 により 契 約 の 無 効 の 主 張 が 可 能 な 場 合 契 約 の 申 込 みについて 申 込 者 に 契 約 の 要 素 につき 錯 誤 がある 場 合 には 申 込 者 に 重 過 失 があるときを 除 き 申 込 者 は 錯 誤 による 契 約 の 無 効 を 主 張 することができる( 民 法 第 95 条 ) ただし 表 意 者 が 錯 誤 につき 重 過 失 ある 場 合 に 錯 誤 無 効 の 主 張 を 認 めない 理 由 は 相 手 方 保 護 であるところ ワンクリック 請 求 業 者 が 申 込 者 が 錯 誤 に 陥 ることを 意 図 していたような 場 合 に は 相 手 方 であるワンクリック 請 求 業 者 を 保 護 する 必 要 がないため 錯 誤 無 効 又 は 詐 欺 取 消 しを 主 張 できる 可 能 性 が 高 い また 電 子 消 費 者 契 約 にあたる 場 合 において 申 込 者 が 契 約 を 申 し 込 む 意 思 がなかったのに 誤 って 申 込 みのクリックボタンを 押 してしまったような 場 合 に おいては 事 業 者 が 申 込 内 容 の 確 認 措 置 を 講 じていた 場 合 を 除 き 申 込 者 の 重 過 失 の 有 無 にかかわらず 錯 誤 無 効 の 主 張 ができる( 電 子 契 約 法 第 2 条 第 3 条 ) なお 契 約 の 有 効 性 とは 直 接 の 関 係 はないが 販 売 業 者 役 務 提 供 事 業 者 又 は 通 信 販 売 電 子 メール 広 告 受 託 事 業 者 が 顧 客 の 意 に 反 して 売 買 契 約 又 は 役 務 提 供 契 約 の 申 込 みを させようとする 行 為 等 をした 場 合 において 取 引 の 公 正 及 び 購 入 者 等 の 利 益 が 害 されるおそ れがあると 認 められる 場 合 には 特 定 商 取 引 法 第 14 条 に 基 づき 主 務 大 臣 は 必 要 な 措 置 を とるべきことを 指 示 することができる 3 したがって ワンクリックサイトの 事 業 者 が 特 定 商 取 引 法 の 規 制 対 象 となる 販 売 業 者 役 務 提 供 事 業 者 又 は 通 信 販 売 電 子 メール 広 告 受 託 事 業 者 であり そのワンクリックサイトの 表 示 が 例 えば (1)あるボタンをクリックすれば それが 有 料 の 申 込 みになることを 消 費 者 が 容 易 に 認 識 できるように 表 示 していない 場 合 (2) 申 込 みをする 際 に 消 費 者 が 申 込 みの 内 容 を 容 易 に 確 認 し かつ 訂 正 できるように 措 置 していない 場 合 には 同 法 第 14 条 によって 指 示 の 対 象 になり 得 る (4) 消 費 者 契 約 法 違 反 の 条 項 があり 無 効 となる 場 合 契 約 が 消 費 者 契 約 にあたる 場 合 ( 消 費 者 契 約 法 第 2 条 ) 契 約 の 内 容 について 同 法 第 8 条 から 第 10 条 までに 違 反 する 条 項 がある 場 合 は 当 該 条 項 は 無 効 となる ワンクリック 請 求 においては 代 金 請 求 の 際 支 払 が 遅 延 すると 高 額 の 遅 延 損 害 金 や 手 数 料 が 発 生 するような 表 示 をして 早 期 の 支 払 を 迫 るケースが 見 られるが 消 費 者 契 約 法 第 9 条 3 本 準 則 Ⅰ-1-3 インターネット 通 販 における 分 かりやすい 申 込 画 面 の 設 定 義 務 参 照 i.21

第 2 号 は 消 費 者 契 約 について 年 14.6%を 超 える 損 害 賠 償 額 の 予 定 や 違 約 金 の 規 定 を 当 該 超 える 部 分 につき 無 効 としている また 同 法 第 10 条 は 消 費 者 の 利 益 を 一 方 的 に 害 す る 条 項 を 無 効 としている (5) 契 約 の 内 容 が 公 序 良 俗 に 違 反 するとして 無 効 の 主 張 が 可 能 な 場 合 契 約 の 内 容 が 公 序 良 俗 に 反 する 場 合 契 約 は 無 効 となる( 民 法 第 90 条 ) 画 像 の 閲 覧 など につき 一 般 常 識 に 照 らして 不 相 当 に 高 額 な 代 金 を 設 定 している 場 合 などは 暴 利 行 為 とし て 公 序 良 俗 に 違 反 していると 判 断 しうる 可 能 性 がある また わいせつ 物 の 販 売 ( 刑 法 第 175 条 ) 著 作 権 者 の 許 諾 など 正 規 な 著 作 権 処 理 がなされていない 画 像 の 販 売 など 取 引 自 体 が 法 律 に 違 反 するような 取 引 については そもそも 公 序 良 俗 に 違 反 する 契 約 として 無 効 とな る 可 能 性 がある (6) 詐 欺 による 契 約 の 取 消 しの 主 張 が 可 能 な 場 合 ワンクリック 請 求 業 者 が 申 込 者 に 対 して 欺 罔 行 為 を 行 い その 結 果 として 申 込 者 が 錯 誤 に 陥 って 申 込 みの 意 思 表 示 をなした 場 合 には 申 込 者 は 詐 欺 ( 民 法 第 96 条 )による 契 約 の 取 消 しを 主 張 することができる ワンクリック 請 求 業 者 に 欺 罔 行 為 があったかどうかについては 契 約 の 申 込 みをさせるため のメール 又 はサイトの 画 面 構 成 や 文 言 代 金 請 求 に 当 たっての 画 面 構 成 や 文 言 などから 総 合 的 に 判 断 しうると 考 えられる (7) 申 込 者 が 未 成 年 であることにより 取 消 しの 主 張 が 可 能 な 場 合 契 約 の 一 方 当 事 者 が 未 成 年 の 場 合 その 未 成 年 者 は 原 則 として 意 思 表 示 を 取 り 消 して 契 約 の 効 力 を 否 定 することができる( 民 法 第 5 条 )が 年 齢 確 認 画 面 への 対 応 によっては 同 法 第 21 条 の 詐 術 の 適 用 により 取 り 消 すことができない 場 合 がある 4 4 本 準 則 Ⅰ-4 未 成 年 者 による 意 思 表 示 参 照 i.22

Ⅰ-2 オンライン 契 約 の 内 容 Ⅰ-2-1 ウェブサイトの 利 用 規 約 の 契 約 への 組 入 れと 有 効 性 最 終 改 訂 : 平 成 24 年 11 月 論 点 インターネット 通 販 インターネット オークション インターネット 上 での 取 引 仲 介 情 報 提 供 サービスなど 様 々なインターネット 取 引 やクラウド サービス CGMサービスなど 各 種 の サービスや 機 能 の 提 供 を 行 うウェブサイトには 利 用 規 約 利 用 条 件 利 用 契 約 等 の 取 引 条 件 を 記 載 した 文 書 ( 以 下 総 称 して サイト 利 用 規 約 という)が 掲 載 されていることが 一 般 的 であるが サイト 利 用 規 約 は 利 用 者 との 間 の 取 引 についての 契 約 にその 一 部 として 組 み 入 れられるのか 1. 考 え 方 (1)ウェブサイトを 通 じた 取 引 やウェブサイトの 利 用 についての 契 約 の 成 立 サイト 利 用 規 約 が 契 約 に 組 み 入 れられるためには そもそもウェブサイトを 通 じた 取 引 や ウェブサイトの 利 用 に 関 して 契 約 が 成 立 することが 前 提 となる サイト 運 営 者 (サービス 提 供 者 )と 利 用 者 の 間 に 契 約 関 係 が 成 立 するためには サイト 運 営 者 と 利 用 者 の 双 方 に 客 観 的 に 見 て 合 意 内 容 に 拘 束 される 意 思 を 認 定 できることが 必 要 である (2)サイト 利 用 規 約 が 契 約 に 組 み 入 れられるための 要 件 ウェブサイトを 通 じた 取 引 やウェブサイトの 利 用 に 関 して 契 約 が 成 立 する 場 合 に サイト 利 用 規 約 がその 契 約 に 組 み 入 れられる(サイト 利 用 規 約 の 記 載 が 当 該 契 約 の 契 約 条 件 又 はそ の 一 部 となる)ためには 1 利 用 者 がサイト 利 用 規 約 の 内 容 を 事 前 に 容 易 に 確 認 できるように 適 切 にサイト 利 用 規 約 をウェブサイトに 掲 載 して 開 示 されていること 及 び2 利 用 者 が 開 示 さ れているサイト 利 用 規 約 に 従 い 契 約 を 締 結 することに 同 意 していると 認 定 できることが 必 要 で ある (サイト 利 用 規 約 が 契 約 に 組 み 入 れられると 認 められる 場 合 ) 例 えばウェブサイトで 取 引 を 行 う 際 に 申 込 みボタンや 購 入 ボタンとともに 利 用 規 約 へのリンクが 明 瞭 1 に 設 けられているなど サイト 利 用 規 約 が 取 引 条 件 になっていることが 利 用 者 に 対 して 明 瞭 に 告 知 1 本 論 点 では 告 知 は 利 用 者 に 対 して 利 用 規 約 によってその 契 約 を 締 結 する 旨 の 意 思 を 表 示 する 行 為 の 意 味 で 用 いられており 開 示 は 利 用 者 が 希 望 する 場 合 には 容 易 に 情 報 が 得 られるようにすることの 意 味 で 用 いられている この 用 法 によれば 例 えば 申 込 み 画 面 の 申 込 みボタンに サイト 利 用 規 約 に 同 意 の 上 で 申 し 込 みます と 記 載 することは サイト 利 用 規 約 が 取 引 条 件 になっていることの 告 知 にあた り 申 込 み 画 面 にサイト 利 用 規 約 を 掲 載 したウェブページへのリンクを 設 けることは サイト 利 用 規 約 の 内 容 の 開 示 にあたる i.23

され かつ 利 用 者 がいつでも 容 易 にサイト 利 用 規 約 を 閲 覧 できるようにウェブサイトが 構 築 されている ことによりサイト 利 用 規 約 の 内 容 が 開 示 されている 場 合 ウェブサイトの 利 用 に 際 して 利 用 規 約 への 同 意 クリックが 要 求 されており かつ 利 用 者 がいつでも 容 易 にサイト 利 用 規 約 を 閲 覧 できるようにウェブサイトが 構 築 されていることによりサイト 利 用 規 約 の 内 容 が 開 示 されている 場 合 (サイト 利 用 規 約 が 契 約 に 組 み 入 れられないであろう 場 合 ) ウェブサイト 中 の 目 立 たない 場 所 にサイト 利 用 規 約 が 掲 載 されているだけで ウェブサイトの 利 用 に つきサイト 利 用 規 約 への 同 意 クリックも 要 求 されていない 場 合 サイト 利 用 規 約 が 変 更 された 場 合 には 変 更 後 のサイト 利 用 規 約 は 変 更 後 の 取 引 につい てのみ 組 み 入 れられ 変 更 前 の 取 引 については 変 更 前 のサイト 利 用 規 約 が 適 用 される サイト 利 用 規 約 が 利 用 者 とサイト 運 営 者 の 間 の 契 約 に 組 み 入 れられていると 認 定 できる 場 合 でも 消 費 者 契 約 法 第 8 条 第 9 条 などの 強 行 法 規 に 抵 触 する 場 合 には その 限 度 でサイ ト 利 用 規 約 の 効 力 が 否 定 される また 具 体 的 な 法 規 に 違 反 しないとしても サイト 利 用 規 約 中 の 利 用 者 の 利 益 を 不 当 に 害 する 条 項 については 普 通 取 引 約 款 の 内 容 の 規 制 について の 判 例 理 論 や 消 費 者 契 約 法 が 消 費 者 の 利 益 を 一 方 的 に 害 する 条 項 を 無 効 としている 趣 旨 等 にかんがみ 無 効 とされる 可 能 性 がある なお サイト 利 用 規 約 には 例 えば 利 用 条 件 利 用 規 則 ご 同 意 事 項 ご 利 用 に あたって など サイトごとに 様 々な 表 題 が 付 されているが サイト 利 用 規 約 につきサイト 側 が 付 している 表 題 は 特 段 の 事 情 がない 限 り 効 力 に 影 響 しない (3)サイト 利 用 規 約 の 変 更 サイト 運 営 者 は その 裁 量 によりサイト 利 用 規 約 を 変 更 することができ 変 更 後 に 成 立 する 契 約 には 変 更 後 のサイト 利 用 規 約 が 組 み 入 れられる しかし サイト 運 営 者 と 利 用 者 の 間 に 継 続 的 な 契 約 が 締 結 される 場 合 には サイト 利 用 規 約 の 変 更 前 からの 既 存 の 利 用 者 との 間 には 変 更 前 のサイト 利 用 規 約 を 組 み 入 れた 継 続 的 な 契 約 が 既 に 存 在 している したがって サイト 運 営 者 が 新 しいサイト 利 用 規 約 を 既 存 の 利 用 者 に 適 用 するためには 既 存 の 継 続 的 な 契 約 の 変 更 が 必 要 になる 既 存 の 継 続 的 な 契 約 の 条 件 を 変 更 後 のサイト 利 用 規 約 の 条 件 に 変 更 するためには 契 約 の 相 手 方 である 利 用 者 の 同 意 が 必 要 である サイト 利 用 規 約 の 変 更 への 同 意 は 契 約 変 更 についての 同 意 であるから サイト 利 用 規 約 の 契 約 への 組 入 れと 同 様 の 要 件 を 満 たすもので あることが 必 要 である i.24

利 用 者 による 明 示 的 な 変 更 への 同 意 があれば 変 更 されたサイト 利 用 規 約 が 当 事 者 の 契 約 関 係 に 組 み 入 れられる さらに 利 用 者 による 明 示 的 な 変 更 への 同 意 がなくとも 事 業 者 が 利 用 規 約 の 変 更 について 利 用 者 に 十 分 に 告 知 した 上 であれば 変 更 の 告 知 後 も 利 用 者 が 異 議 なくサイトの 利 用 を 継 続 することをもって 黙 示 的 にサイト 利 用 規 約 の 変 更 への 同 意 が あったと 認 定 すべき 場 合 があると 考 えられる 2. 説 明 (1) 問 題 の 所 在 インターネット 通 販 クラウド サービス SNS ブログ 動 画 投 稿 サイトなどのCGMサービ ス インターネット オークション インターネット 上 での 取 引 仲 介 情 報 提 供 サービスなどの 様 々なインターネット 取 引 やインターネット 上 でのサービス 提 供 のサイトには 利 用 規 約 利 用 条 件 利 用 契 約 等 の 取 引 条 件 を 記 載 した 文 書 ( 以 下 総 称 して サイト 利 用 規 約 という)が 掲 載 されている サイト 利 用 規 約 の 開 示 の 方 法 は ウェブのトップページから 単 にリンクされて いる 場 合 もあれば 取 引 の 申 込 みの 際 にサイト 利 用 規 約 が 表 示 される 場 合 もある また 利 用 者 がサイト 利 用 規 約 に 従 って 取 引 を 行 う 意 思 を 有 していることを 確 認 する 手 段 についても 利 用 者 にサイト 利 用 規 約 への 同 意 クリックを 要 求 する 場 合 もあれば 取 引 申 込 み 画 面 でサイト 利 用 規 約 が 取 引 条 件 であることを 告 知 するがサイト 利 用 規 約 への 同 意 クリックまでは 要 求 しない 場 合 もあるなど サイトによって 様 々である インターネットを 通 じた 消 費 者 取 引 については 契 約 書 を 取 り 交 わした 上 で 行 うことはまれであり 事 業 者 はサイト 利 用 規 約 を 前 提 として 利 用 者 と 取 引 を 行 うことが 一 般 的 である そこで どのような 場 合 にサイト 利 用 規 約 が 消 費 者 との 当 該 取 引 についての 契 約 に 組 み 入 れられるのかが 問 題 となる (2)サイト 利 用 規 約 が 利 用 者 とサイト 運 営 者 の 間 の 契 約 に 組 み 入 れられるための 要 件 1 取 引 その 他 の 契 約 関 係 の 存 在 サイト 利 用 規 約 が 契 約 内 容 に 組 み 入 れられるためには まず 利 用 者 とサイト 運 営 者 の 間 にそもそも 何 らかの 契 約 関 係 が 認 められることが 必 要 である 日 本 法 上 は 単 なる 当 事 者 間 の 合 意 で 契 約 が 成 立 するという 諾 成 主 義 を 原 則 としている ため 要 物 契 約 など 特 別 な 場 合 を 除 き 両 当 事 者 が 合 意 内 容 に 拘 束 されることを 意 図 して 合 意 すれば 契 約 は 成 立 する ウェブサイトを 通 じた 取 引 やウェブサイトの 利 用 などに 関 して 成 立 する 契 約 としては 概 要 以 下 の 三 つの 性 質 のものが 考 えられる 以 下 のうち ⅱ)の 基 本 契 約 とⅲ)の 継 続 的 な サービスや 取 引 に 関 する 契 約 は 継 続 的 な 契 約 であるため これらの 契 約 に 組 み 入 れら れたサイト 利 用 規 約 の 変 更 については 後 に(3)2 及 び 同 3で 述 べる 変 更 前 のサイト 利 用 規 約 を 組 み 入 れて 成 立 した 既 存 の 契 約 の 取 扱 いの 問 題 が 生 じる i.25

ⅰ) 単 発 の 取 引 についての 契 約 まず インターネット 通 販 ソフトウェアや 音 楽 などの 情 報 財 のダウンロード 販 売 などイ ンターネットを 通 じた 単 発 の 売 買 や 情 報 財 のライセンスなどの 取 引 についての 契 約 が 考 えられる このような 契 約 は 当 該 個 別 の 商 品 等 を 利 用 者 が 発 注 し サイト 運 営 者 がこれ を 受 注 することで 成 立 する ⅱ) 複 数 の 単 発 取 引 について 適 用 される 基 本 契 約 ネットショッピングモール 通 販 サイト インターネット オークションなどのサイトでは サイト 利 用 の 条 件 として 会 員 登 録 を 要 求 することが 一 般 化 している 会 員 登 録 の 具 体 的 な 趣 旨 や 内 容 は 個 別 のサイト 利 用 規 約 次 第 であるが 通 常 はIDとパスワードを 本 人 確 認 の 手 段 として 登 録 させるなど 当 該 ウェブサイトを 通 じた 売 買 その 他 の 取 引 の 形 成 につ いてのルールや 当 該 ウェブサイトを 通 じて 形 成 される 取 引 に 適 用 される 条 件 を 定 める ことを 中 心 として 個 人 情 報 の 取 扱 いやポイントサービスなどの 付 随 的 な 事 項 も 規 定 する 当 該 ウェブサイトを 通 じた 取 引 についての 基 本 契 約 としての 性 質 を 有 していると 考 えられ る このような 会 員 登 録 についての 契 約 は ウェブサイトの 利 用 者 が 当 該 ウェブサイト 所 定 の 手 続 きにより 会 員 登 録 の 申 込 みを 行 い サイト 運 営 者 が 登 録 を 受 け 付 けることで 成 立 する ⅲ) 継 続 的 な 取 引 やサービスについての 契 約 インターネット 上 では ブログ SNS 動 画 投 稿 サイトなどのCGMサービス クラウド サービス 月 額 料 金 制 の 動 画 視 聴 サービスなど 様 々な 継 続 的 なサービス 提 供 が 行 われ ている このような 継 続 的 なサービスの 提 供 に 関 する 契 約 も 利 用 者 の 申 込 みとサイト 運 営 者 の 承 諾 により 成 立 するが サービスの 提 供 が 継 続 的 な 性 質 を 持 つため 契 約 も サービスの 提 供 期 間 中 継 続 するという 点 で 単 発 の 物 の 売 買 に 関 する 契 約 とは 異 なって いる 2サイト 利 用 規 約 が 適 切 に 開 示 され かつ 利 用 者 がサイト 利 用 規 約 に 同 意 の 上 で 取 引 の 申 込 みを 行 っていると 認 定 できること サイト 利 用 規 約 が 利 用 者 との 契 約 に 組 み 入 れられるためには ⅰ)サイト 利 用 規 約 があ らかじめ 利 用 者 に 対 して 適 切 に 開 示 されていること 2 及 びⅱ) 当 該 ウェブサイトの 表 記 や 構 2 運 送 約 款 などの 普 通 契 約 約 款 に 関 する 過 去 の 判 例 ( 例 えば 航 空 運 送 約 款 に 関 する 大 阪 高 裁 昭 和 40 年 6 月 29 日 判 決 下 級 民 集 16 巻 6 号 1154 頁 自 動 車 運 送 約 款 に 関 する 京 都 地 裁 昭 和 30 年 11 月 25 日 判 決 下 級 民 集 6 巻 11 号 2457 頁 など)は 約 款 を 顧 客 に 開 示 ( 掲 示 など)することを 約 款 に 法 的 拘 束 力 を 認 めるための 要 件 として 要 求 している また 最 高 裁 昭 和 57 年 2 月 23 日 第 三 小 法 廷 判 決 民 集 36 巻 2 号 18 i.26

成 及 び 取 引 申 込 みの 仕 組 みに 照 らして 利 用 者 がサイト 利 用 規 約 の 条 件 にしたがって 取 引 を 行 う 意 思 をもってサイト 運 営 者 に 対 して 取 引 を 申 し 入 れたと 認 定 できることが 必 要 である したがって ⅰ)サイト 利 用 規 約 の 内 容 が 利 用 者 に 適 切 に 開 示 されていない 場 合 やⅱ)サ イト 利 用 規 約 に 同 意 することが 取 引 申 込 みの 前 提 であることが 適 切 に 表 示 されておらず 利 用 者 が 当 該 サイト 利 用 規 約 に 従 って 取 引 を 行 う 意 思 があると 客 観 的 に 認 定 できない 場 合 には 利 用 者 はサイト 利 用 規 約 には 拘 束 されない ところで インターネットを 利 用 した 電 子 商 取 引 は 今 日 では 広 く 普 及 しており ウェブサイ トにサイト 利 用 規 約 を 掲 載 し これに 基 づき 取 引 の 申 込 みを 行 わせる 取 引 の 仕 組 みは 少 なくともインターネット 利 用 者 の 間 では 相 当 程 度 認 識 が 広 まっていると 考 えられる したがっ て 取 引 の 申 込 みにあたりサイト 利 用 規 約 への 同 意 クリックが 要 求 されている 場 合 は 勿 論 例 えば 取 引 の 申 込 み 画 面 ( 例 えば 購 入 ボタンが 表 示 される 画 面 )にわかりやすくサイト 利 用 規 約 へのリンクを 設 置 するなど 当 該 取 引 がサイト 利 用 規 約 に 従 い 行 われることを 明 瞭 に 告 知 しかつサイト 利 用 規 約 を 容 易 にアクセスできるように 開 示 している 場 合 には 必 ずし もサイト 利 用 規 約 への 同 意 クリックを 要 求 する 仕 組 みまでなくても 購 入 ボタンのクリック 等 により 取 引 の 申 込 みが 行 われることをもって サイト 利 用 規 約 の 条 件 に 従 って 取 引 を 行 う 意 思 を 認 めることができる なお 例 えばインターネット オークションのように 契 約 関 係 がウェブサイトの 利 用 者 間 で 形 成 される 場 合 であっても サイト 利 用 規 約 にウェブサイトの 利 用 者 間 の 契 約 条 件 が 規 定 されており かかるサイト 利 用 規 約 がウェブサイト 上 に 適 切 に 開 示 され かつ 契 約 当 事 者 双 方 がこれに 従 い 契 約 することに 同 意 していると 認 められる 場 合 には サイト 利 用 規 約 中 に 規 定 されたウェブサイトの 利 用 者 間 の 契 約 条 件 がウェブサイトの 利 用 者 間 の 契 約 に 組 み 入 れられる 3サイト 利 用 規 約 についての 説 明 義 務 消 費 者 契 約 法 第 3 条 第 1 項 は 事 業 者 に 対 して 消 費 者 との 契 約 の 内 容 が 明 確 かつ 平 易 なもの となるように 配 慮 する 努 力 義 務 を 課 している 勿 論 取 引 内 容 や 条 件 が 複 雑 であ る 場 合 には サイト 利 用 規 約 が 長 文 で 複 雑 なものとなることは 避 け 難 い 面 があり 単 にサイ ト 利 用 規 約 の 文 章 が 長 文 であったり 複 雑 であったりすることが 直 ちにこの 義 務 の 違 反 にな るわけではない しかし サイト 運 営 者 にはサイト 利 用 規 約 に 不 必 要 に 難 読 な 表 現 を 用 い ることは 避 けるように 配 慮 し できるだけ 平 易 な 表 現 を 用 いてわかりやすく 作 成 するように 努 めることが 求 められる また 消 費 者 契 約 法 第 3 条 第 1 項 では 契 約 の 締 結 を 勧 誘 するに 際 し て 消 費 者 の 理 解 を 深 めるために 消 費 者 の 権 利 義 務 その 他 の 消 費 者 契 約 の 内 容 につい 3 頁 は 共 済 契 約 の 約 款 につき 契 約 前 に 約 款 の 要 点 を 説 明 して 約 款 を 異 議 なく 受 領 したことを 根 拠 とし て 約 款 の 条 件 による 契 約 の 成 立 を 認 めている i.27

ての 必 要 な 情 報 を 提 供 するよう 努 めなければならない と 定 められており 一 般 的 な 利 用 者 にとってサイト 利 用 規 約 の 内 容 を 理 解 することが 難 しい 場 合 には 例 えばウェブサイト 中 で 取 引 条 件 についての 補 足 説 明 ( 取 引 の 流 れについての 説 明 や 図 説 説 明 イラストな ど)を 行 うなど 利 用 者 がサイト 利 用 規 約 の 内 容 を 十 分 に 理 解 できるように 努 めることが 求 め られる 特 に 利 用 者 に 不 利 益 な 条 件 については 十 分 な 説 明 が 求 められる また 電 子 商 取 引 についてもある 程 度 取 引 慣 行 ないし 取 引 条 件 の 相 場 が 形 成 されてきていることから 他 社 と 異 なる 特 殊 な 取 引 条 件 であって サイト 利 用 者 にとって 予 期 することが 難 しいものに ついても ウェブサイト 中 で 説 明 を 行 うことが 必 要 とされる 可 能 性 がある 消 費 者 契 約 法 第 3 条 第 1 項 は 努 力 義 務 を 定 めたものであるから サイト 利 用 規 約 が 複 雑 であるため 平 均 的 な 利 用 者 にとって 理 解 に 相 当 な 労 力 を 要 するものであったり 利 用 者 に 対 する 契 約 条 件 の 説 明 が 不 十 分 であるからといって 当 然 にサイト 利 用 規 約 の 契 約 への 組 入 れや 効 力 に 影 響 するものではない しかし 具 体 的 な 事 情 によっては 事 業 者 には 取 引 上 の 信 義 則 により 消 費 者 が 意 思 決 定 をするにつき 重 要 な 意 義 をもつ 事 実 について 適 切 な 告 知 説 明 の 義 務 を 負 う 場 合 があることから 3 サイト 運 営 者 がサイト 利 用 規 約 に 記 載 され た 重 要 な 事 項 につき 十 分 な 説 明 を 行 わず これにより 利 用 者 が 取 引 条 件 を 誤 認 して 契 約 した 場 合 には 損 害 賠 償 責 任 が 課 せられたりサイト 利 用 規 約 の 有 効 性 が 制 限 されたりする 可 能 性 がある また 例 えば 重 要 な 事 項 に 関 連 して 利 用 者 に 有 利 な 条 項 はウェブサイト 中 で 強 調 しつつ 同 じ 事 項 について 不 利 益 な 条 項 は 説 明 をしなかったり 重 要 な 事 項 に 関 連 して 利 用 者 に 有 利 な 条 項 は 平 易 明 瞭 に 同 じ 事 項 について 不 利 益 な 条 項 は 難 解 な 表 現 で 記 載 するよう な 行 為 は 消 費 者 契 約 法 第 4 条 第 2 項 の 消 費 者 に 対 してある 重 要 事 項 又 は 当 該 重 要 事 項 に 関 連 する 事 項 について 当 該 消 費 者 の 利 益 となる 旨 を 告 げ かつ 当 該 重 要 事 項 につ いて 当 該 消 費 者 の 不 利 益 となる 事 実 を 故 意 に 告 げなかった 場 合 に 該 当 する 可 能 性 があ り 仮 にこれに 該 当 するとすれば 利 用 者 がサイト 利 用 規 約 には 当 該 不 利 益 な 条 項 が 含 ま れていないと 誤 信 して 契 約 を 申 し 込 んだ 際 には 利 用 者 は 同 項 により 契 約 の 申 込 みの 意 思 表 示 を 取 り 消 すことができる (3)サイト 利 用 規 約 の 変 更 とその 効 力 サイト 利 用 規 約 は ウェブサイトの 実 際 の 運 営 の 経 験 等 を 踏 まえて 随 時 変 更 するのが 通 例 である そこで 以 下 サイト 利 用 規 約 の 変 更 について 検 討 する 3 例 えば 大 津 地 裁 平 成 15 年 10 月 3 日 判 決 ( 判 例 集 未 登 載 裁 判 所 ウェブサイトで 閲 覧 可 )は 予 約 制 のパ ソコン 講 座 の 申 込 みに 際 して 予 約 制 の 講 座 には 教 育 訓 練 給 付 制 度 を 利 用 できないことを 説 明 しなかっ たことにつき 事 業 者 の 説 明 義 務 に 関 する 消 費 者 契 約 法 の 趣 旨 から 信 義 則 上 の 説 明 義 務 の 違 反 を 肯 定 し 損 害 賠 償 を 命 じている i.28

1サイト 利 用 規 約 の 変 更 と 新 規 契 約 サイト 利 用 規 約 が 変 更 された 場 合 には 変 更 後 に 締 結 される 契 約 には 変 更 後 のサイト 利 用 規 約 が 組 み 入 れられる なお 変 更 前 にサイト 利 用 規 約 の 内 容 を 確 認 した 利 用 者 は 変 更 の 事 実 が 告 知 されな い 限 り 変 更 の 事 実 に 気 が 付 かない 可 能 性 がある したがって 例 えば 新 着 情 報 欄 に 変 更 内 容 の 要 旨 を 記 載 するなどの 方 法 でサイト 利 用 規 約 の 変 更 の 事 実 を 利 用 者 に 告 知 する ようにしていない 場 合 には サイト 利 用 規 約 の 変 更 を 知 らなかった 利 用 者 に 対 する 関 係 で 変 更 後 の 条 件 ( 特 に 変 更 前 よりも 利 用 者 に 不 利 となる 条 件 )の 拘 束 力 に 疑 義 が 生 じる 可 能 性 がある 2サイト 利 用 規 約 の 変 更 と 変 更 前 のサイト 利 用 規 約 に 基 づき 締 結 された 既 存 の 継 続 的 な 契 約 の 変 更 上 の(2)1で 述 べたように ネットショッピングモール 等 の 会 員 登 録 により 当 該 ウェブサイ トでの 複 数 の 取 引 に 共 通 して 適 用 される 継 続 的 な 基 本 契 約 が 形 成 される また ブログ S NS 動 画 投 稿 サイトなどのCGMサービス クラウド サービス 月 額 料 金 制 の 動 画 視 聴 サービスなど 継 続 的 なサービス 等 に 関 する 契 約 も 継 続 的 な 契 約 である サイト 利 用 規 約 が 変 更 されたとしても サイト 利 用 規 約 の 変 更 以 前 に 成 立 した 契 約 に 変 更 後 のサイト 利 用 規 約 が 自 動 的 に 組 み 入 れられるわけではない したがって サイト 運 営 者 が 既 に 継 続 的 な 契 約 を 締 結 している 既 存 の 利 用 者 に 変 更 後 のサイト 利 用 規 約 を 適 用 す るためには 変 更 前 のサイト 利 用 規 約 を 組 み 入 れて 成 立 した 既 存 の 継 続 的 な 契 約 を 変 更 する 必 要 がある 契 約 の 変 更 には 両 当 事 者 の 合 意 を 要 するという 契 約 法 の 原 則 に 照 らせ ば 既 存 の 継 続 的 な 契 約 に 変 更 後 のサイト 利 用 規 約 が 組 み 入 れられるためには 利 用 者 の 同 意 を 得 ることが 必 要 である なお 変 更 前 のサイト 利 用 規 約 が 期 間 の 定 めのある 契 約 に 組 み 入 れられている 場 合 に 利 用 者 が 期 間 満 了 後 に 変 更 後 のサイト 利 用 規 約 の 下 で 契 約 期 間 更 新 の 申 込 みを 行 うの であれば 上 の1に 述 べた 新 規 契 約 の 場 合 と 同 様 に 変 更 後 のサイト 利 用 規 約 が 更 新 後 の 契 約 に 組 み 入 れられる サイト 運 営 者 側 が 変 更 前 のサイト 利 用 規 約 に 定 める 契 約 条 件 に 従 い 自 動 更 新 の 拒 絶 や 契 約 の 解 除 を 行 った 上 で 変 更 後 のサイト 利 用 規 約 の 下 での 契 約 更 新 の 申 込 みを 勧 誘 するケースも これと 同 様 である 3サイト 利 用 規 約 の 変 更 前 に 締 結 された 継 続 的 な 契 約 の 変 更 に 対 する 黙 示 的 な 同 意 上 の2で 述 べた 通 り サイト 利 用 規 約 の 変 更 前 に 継 続 的 な 契 約 が 締 結 されている 場 合 には 変 更 後 のサイト 利 用 規 約 が 組 み 入 れられることへの 利 用 者 の 同 意 がない 限 り サイト 利 用 規 約 の 変 更 前 に 継 続 的 な 契 約 を 締 結 した 利 用 者 に 対 しては 変 更 前 のサイト 利 用 規 約 が 適 用 される i.29

しかし ウェブサイトを 通 じた 新 しいサービスや 取 引 のサイト 利 用 規 約 はトラブルを 含 め た 運 用 経 験 の 中 で 順 次 改 良 されていくことが 通 例 である また 多 数 の 利 用 者 を 画 一 的 に 取 り 扱 う 必 要 性 から 変 更 前 の 旧 サイト 利 用 規 約 の 下 で 継 続 的 な 契 約 を 締 結 した 既 存 の 利 用 者 との 関 係 でも 最 新 のサイト 利 用 規 約 を 組 み 入 れるべき 必 要 性 は 高 い 利 用 者 の 多 くは このような 状 況 を 理 解 しており したがってサイト 利 用 規 約 の 変 更 の 可 能 性 につき 認 識 があると 考 えられる 特 にオンラインゲームやインターネット オークションなど 利 用 者 相 互 間 の 関 係 が 問 題 となる 局 面 では 利 用 者 には 他 の 利 用 者 にも 平 等 に 変 更 後 の 最 新 のサイト 利 用 規 約 が 組 み 入 れられることへの 積 極 的 な 期 待 があると 考 えられる この 点 利 用 者 による 明 示 的 な 変 更 への 同 意 がなくとも 事 業 者 が 利 用 規 約 の 変 更 に ついて 利 用 者 に 十 分 に 告 知 した 上 で 変 更 の 告 知 後 も 利 用 者 が 異 議 なくサイトの 利 用 を 継 続 していた 場 合 は 黙 示 的 にサイト 利 用 規 約 の 変 更 への 同 意 があったと 認 定 すべき 場 合 があると 考 えられる 黙 示 の 同 意 を 認 定 する 上 では 変 更 の 告 知 により 利 用 者 が 少 なくともサイト 利 用 規 約 に 何 らかの 変 更 がなされる 事 実 を 認 識 しているであろうと 認 定 できること 及 び 利 用 者 に 対 して 変 更 内 容 が 適 切 に 開 示 されていることがまず 必 要 となる 4 なお 上 の(2)3に 述 べ た 利 用 者 への 説 明 に 配 慮 すべき 努 力 義 務 は サイト 利 用 規 約 の 変 更 の 告 知 にも 当 ては まる また 例 えば ⅰ) 変 更 が 一 般 の 利 用 者 に 合 理 的 に 予 測 可 能 な 範 囲 内 であるか 否 か ⅱ) 変 更 が 一 般 の 利 用 者 に 影 響 を 及 ぼす 程 度 ⅲ) 法 令 の 変 更 への 対 応 悪 意 の 利 用 者 による 不 正 やトラブルへの 対 応 条 項 文 言 の 整 理 など 一 般 の 利 用 者 であれば 当 然 同 意 するであろう 内 容 であるか 否 か ⅳ) 変 更 がサービスの 改 良 や 新 サービスの 提 供 など 利 用 者 にもメリットのあるものであるか 否 か といった 点 は サイト 利 用 規 約 の 変 更 への 黙 示 の 同 意 の 成 否 を 認 定 するにあたり 考 慮 される 可 能 性 がある 4サイト 利 用 規 約 の 変 更 履 歴 の 保 存 の 必 要 性 適 用 されるべきサイト 利 用 規 約 の 記 載 内 容 につき 万 が 一 利 用 者 と 紛 争 が 生 じた 場 合 に は 取 引 時 点 のサイト 利 用 規 約 の 内 容 やその 変 更 時 期 などについてはサイト 運 営 者 が 立 証 すべきであるとされる 可 能 性 が 高 い その 理 由 としては サイト 運 営 者 側 はサイト 利 用 規 約 を 含 めたサイト 上 の 情 報 を 作 成 しサーバー 等 で 管 理 しておりサイト 利 用 規 約 の 変 更 履 歴 等 を 保 存 することが 容 易 な 立 場 にあること 及 び 通 常 の 書 面 ベースの 契 約 と 異 なり 電 子 消 費 者 契 約 では 利 用 者 側 にサイト 利 用 規 約 の 内 容 の 証 拠 となる 電 磁 的 記 録 が 残 らな 4 但 し 必 ずしもサイト 利 用 規 約 の 変 更 につき 変 更 がなされたことの 告 知 と 変 更 内 容 の 開 示 が 別 々に 必 要 と いう 趣 旨 ではなく 例 えば 電 子 メールにサイト 利 用 規 約 の 変 更 内 容 を 記 載 して 利 用 者 に 送 付 することで 変 更 を 告 知 する 場 合 には 当 該 電 子 メールは 変 更 の 告 知 と 変 更 内 容 の 開 示 の 両 方 の 機 能 を 兼 ねている ことになる i.30

い 仕 組 みが 一 般 的 であることが 挙 げられる したがって サイト 運 営 者 は 将 来 の 紛 争 に 備 えて 何 時 どのようなサイト 利 用 規 約 をウェブサイトに 掲 載 し 何 時 どのような 変 更 を 行 ったのかの 履 歴 を 記 録 しておくことが 望 ましい (4) 消 費 者 契 約 法 等 による 内 容 規 制 サイト 利 用 規 約 が 契 約 に 組 み 入 れられる 場 合 であっても その 中 の 強 行 法 規 に 違 反 する 条 項 や 公 序 良 俗 に 反 する 条 項 は 無 効 とされる 消 費 者 を 対 象 とするインターネット 通 販 との 関 係 で 最 も 重 要 な 強 行 法 規 は 消 費 者 契 約 法 であることから 以 下 その 内 容 を 説 明 する 1 事 業 者 の 責 任 を 制 限 する 条 項 に 対 する 規 制 消 費 者 契 約 法 第 8 条 は 事 業 者 の 消 費 者 に 対 する 債 務 不 履 行 責 任 不 法 行 為 責 任 瑕 疵 担 保 責 任 等 の 損 害 賠 償 責 任 を 全 面 的 に 免 責 する 条 項 を 無 効 としている これに 対 して 責 任 の 一 部 制 限 ( 例 えば 上 限 の 設 定 など)は 消 費 者 契 約 法 のもとでも 基 本 的 には 無 効 とはされていないが 事 業 者 側 の( 代 表 者 又 は 従 業 員 の) 故 意 重 過 失 によ る 責 任 については 一 部 であっても 免 除 制 限 は 消 費 者 契 約 法 第 8 条 により 無 効 とされてい る なお 身 体 的 な 被 害 については 消 費 者 契 約 法 の 成 立 前 から 責 任 制 限 の 効 力 が 非 常 に 限 定 的 に 解 釈 されてきた 5 消 費 者 契 約 法 第 10 条 に 消 費 者 の 利 益 を 一 方 的 に 害 する 条 項 の 無 効 が 定 められていることは このような 人 身 損 害 の 制 限 に 対 する 裁 判 所 の 厳 しい 姿 勢 を 支 持 する 方 向 に 作 用 すると 予 想 される よって 人 身 被 害 については 全 面 的 な 免 責 が 認 められないことはもちろん 責 任 を 一 部 制 限 するような 条 項 であっても 無 効 とされる 可 能 性 があろう 2 消 費 者 に 対 する 過 大 な 損 害 賠 償 額 の 予 定 の 無 効 消 費 者 契 約 法 第 9 条 第 1 号 は 消 費 者 との 契 約 につき 契 約 解 除 (キャンセル)に 対 し て 同 種 の 消 費 者 契 約 の 解 除 に 伴 い 当 該 事 業 者 に 生 ずべき 平 均 的 な 損 害 の 額 を 超 え る キャンセル 料 を 規 定 したとしても 当 該 平 均 的 な 損 害 額 を 超 える 部 分 についての 約 定 は 無 効 であると 規 定 している したがって 消 費 者 からのキャンセル 料 から 利 益 を 得 ること は これによって 禁 止 されることになる 東 京 地 裁 平 成 14 年 3 月 25 日 判 決 金 判 1152 号 36 頁 は 飲 食 店 の 予 約 取 消 しについて 飲 食 代 金 を 越 えるキャンセル 料 の 合 意 を 一 部 無 5 例 えば 東 京 高 裁 平 成 元 年 5 月 9 日 判 決 判 時 1308 号 28 頁 は 航 空 運 送 についての 責 任 制 限 自 体 は 是 認 しつつ 国 内 旅 客 運 送 約 款 の 人 身 被 害 600 万 円 までという 制 限 は 低 額 過 ぎるとして 無 効 とした ワルソ ー 条 約 に 見 られるように 国 際 的 に 責 任 制 限 が 是 認 されてきた 航 空 運 送 についても 人 身 被 害 の 責 任 制 限 が 相 当 厳 しく 解 釈 されている 以 上 基 本 的 には 人 身 被 害 についての 責 任 制 限 はできないと 考 える 方 が 妥 当 であろう i.31

効 とし 違 約 金 額 を 飲 食 代 金 額 の3 割 に 限 定 する 旨 を 判 示 した また 新 古 車 の 売 買 契 約 の 解 除 に 伴 う 約 定 違 約 金 6 や 入 学 前 に 入 学 を 辞 退 した 場 合 の 私 立 大 学 の 授 業 料 の 不 返 還 7 は 平 均 的 な 損 害 額 を 超 える 部 分 について 消 費 者 契 約 法 上 無 効 とされている した がって サイト 利 用 規 約 にキャンセル 料 などが 規 定 されていたとしても 当 該 キャンセル 料 がキャンセルによってサイト 運 営 者 に 生 じる 損 害 の 平 均 額 を 超 えていれば 超 えた 部 分 につき 無 効 となる また 同 法 第 9 条 第 2 号 は 消 費 者 に 対 する 遅 延 利 息 の 上 限 を 年 率 14.6%に 制 限 し ている なお 特 定 商 取 引 法 上 の 特 定 継 続 的 役 務 ( 現 在 エステティック 外 国 語 会 話 学 習 塾 家 庭 教 師 パソコン 教 室 結 婚 相 手 紹 介 サービスが 指 定 されている)の 提 供 契 約 につい ては 特 定 商 取 引 法 第 49 条 で 中 途 解 約 権 と 中 途 解 約 の 場 合 の 損 害 賠 償 を 特 定 商 取 引 法 施 行 令 第 16 条 及 び 同 別 表 4に 定 める 契 約 の 締 結 及 び 履 行 のために 通 常 要 する 費 用 の 額 と 解 約 までに 提 供 された 役 務 の 対 価 8 の 合 計 額 と 法 定 利 率 を 超 えては 請 求 できない 旨 が 定 められている 3その 他 消 費 者 の 利 益 を 一 方 的 に 害 する 条 項 の 無 効 消 費 者 契 約 法 第 10 条 は 民 法 商 法 その 他 の 任 意 法 規 ( 契 約 により 適 用 を 排 除 できる 法 規 )に 比 して 消 費 者 の 権 利 を 制 限 し 又 は 義 務 を 加 重 する 条 項 であって 消 費 者 の 利 益 を 一 方 的 に 害 するものは 無 効 とする 旨 を 定 めている これにより 無 効 とされる 可 能 性 が ある 条 項 としては 以 下 のようなものが 挙 げられる ⅰ) 民 法 第 570 条 の 瑕 疵 担 保 責 任 に 基 づく 解 除 や 債 務 不 履 行 による 契 約 解 除 などの 法 律 上 認 められる 解 除 権 を 消 費 者 につき 制 限 する 条 項 や 事 業 者 側 の 契 約 解 除 権 を 拡 大 する 条 項 9 ⅱ) 事 業 者 側 にだけ 仲 裁 人 の 選 定 権 のある 仲 裁 条 項 ⅲ) 一 般 の 取 引 慣 行 に 照 らして 黙 示 の 意 思 表 示 とまでは 言 えない 消 費 者 の 一 定 の 作 為 不 作 為 につき 意 思 表 示 を 擬 制 する 条 項 ( 例 えば 一 定 期 間 に 返 答 がなければ 同 意 と みなすネガティブ オプションなど) ⅳ) 消 費 者 の 証 明 責 任 を 加 重 し 又 は 事 業 者 の 証 明 責 任 を 軽 減 する 条 項 6 大 阪 地 裁 平 成 14 年 7 月 19 日 判 決 金 判 1162 号 32 頁 は 売 買 契 約 の 対 象 車 両 は 他 にも 販 売 可 能 なので 販 売 から 得 べかりし 利 益 は 当 該 車 両 の 売 買 契 約 の 解 除 により 生 ずべき 平 均 的 な 損 害 には 該 当 しないとし た 7 消 費 者 契 約 法 施 行 後 に 締 結 された 在 学 契 約 等 は 消 費 者 契 約 法 第 2 条 第 3 項 所 定 の 消 費 者 契 約 に 該 当 することが 明 らかであるとされた( 最 高 裁 平 成 18 年 11 月 27 日 第 二 小 法 廷 判 決 民 集 60 巻 9 号 2473 頁 ) 8 既 に 提 供 された 役 務 の 対 価 の 計 算 方 法 についての 判 例 として 最 高 裁 平 成 19 年 4 月 3 日 第 三 小 法 廷 判 決 民 集 61 巻 3 号 967 頁 がある 9 なお 仲 裁 法 附 則 第 3 条 によれば 消 費 者 は 事 業 者 との 仲 裁 合 意 を 解 除 することができる i.32