ご 経 歴 2005 年 に 大 阪 大 学 法 学 部 を 卒 業 後 国 家 公 務 員 として 人 事 院 に 入 る 厚 生 労 働 省 へ の 出 向 などを 経 て 2012 年 から 3 年 間 スイスジュネーブの 国 際 機 関 日 本 政 府 代 表 部 で 人 事 担 当 として



Similar documents
代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

Microsoft Word - 文書 3

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

<4D F736F F D208C6F D F815B90A BC914F82CC91CE899E8FF38BB582C982C282A282C42E646F63>

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

Microsoft Word - 目次.doc

鳥 取 国 民 年 金 事 案 177 第 1 委 員 会 の 結 論 申 立 人 の 昭 和 37 年 6 月 から 38 年 3 月 までの 国 民 年 金 保 険 料 については 納 付 していたものと 認 められることから 納 付 記 録 を 訂 正 することが 必 要 である 第 2 申

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

< DB8CAF97BF97A6955C2E786C73>

●幼児教育振興法案

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

< EE597768E968BC688EA97972D372E786477>

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

納品労働者アンケート結果_0331納品版

別 添 1 女 性 国 家 公 務 員 の 登 用 状 況 資 料 1 指 定 職 に 占 める 女 性 の 割 合 は3.0%( 平 成 27 年 11 月 1 日 現 在 ) ( 前 年 9 月 1 日 現 在 から0.2ポイント 増 ) 本 省 課 室 長 相 当 職 以 上 に 占 める 女

(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

2 1.ヒアリング 対 象 (1) 対 象 範 囲 分 類 年 金 医 療 保 険 雇 用 保 険 税 備 考 厚 生 年 金 の 資 格 喪 失 国 民 年 金 の 加 入 老 齢 給 付 裁 定 請 求 など 健 康 保 険 の 資 格 喪 失 国 民 健 康 保 険 の 加 入 健 康 保 険

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について


(1) 3 8 (2) (3) 3 (1) ( ) 3 8

<4D F736F F D F8D828D5A939982CC8EF68BC697BF96B38F9E89BB82CC8A6791E52E646F63>

リクナビ派遣様_生活ラボニュース_リリースPDFフォーマット.PPT

東京都立産業技術高等専門学校

m07 北見工業大学 様式①

育休代替任期付職員制度について

4 調 査 の 対 話 内 容 (1) 調 査 対 象 財 産 の 土 地 建 物 等 を 活 用 して 展 開 できる 事 業 のアイディアをお 聞 かせく ださい 事 業 アイディアには, 次 の 可 能 性 も 含 めて 提 案 をお 願 いします ア 地 域 の 活 性 化 と 様 々な 世

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

Microsoft Word 行革PF法案-0概要

23 年 度 事 業 計 画 概 要 事 業 項 目 事 業 内 容 施 策 A. 各 種 制 度 改 変 への 対 応 (1) 老 人 福 祉 法 高 齢 者 住 まい 法 改 正 関 連 1 指 導 指 針 改 正 ( 老 福 法 ) 登 録 基 準 策 定 ( 住 まい 法 )への 対 応 2

<819A955D89BF92B28F BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

< F2D819A8B638E968E9197BF82528E968BC68C7689E68F C>

d02 国際交流基金 様式1

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

一般競争入札について

<6D33335F976C8EAE CF6955C A2E786C73>

18 国立高等専門学校機構

Microsoft PowerPoint - コピー ~ KUMA★NAVI使い方ガイド_120928(最終版)


参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

Microsoft Word - 奨学金相談Q&A.rtf

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 A 18,248 11,166 4, ,066 6,42

16 日本学生支援機構

< C8EAE81698B4C93FC8FE382CC97AF88D38E968D CA8E86816A2E786C73>

Feature 平 成 24 年 度 事 業 報 告 並 びに 一 般 会 計 特 別 会 計 収 支 決 算 報 告 1. 知 的 資 産 経 営 と 企 業 間 連 携 の 推 進 による 地 域 産 業 の 活 性 化 ⑴ 経 営 革 新 への 取 り 組 み 支 援 による 地 域 産 業

共 通 認 識 1 官 民 較 差 調 整 後 は 退 職 給 付 全 体 でみて 民 間 企 業 の 事 業 主 負 担 と 均 衡 する 水 準 で あれば 最 終 的 な 税 負 担 は 変 わらず 公 務 員 を 優 遇 するものとはならないものであ ること 2 民 間 の 実 態 を 考

Ⅰ 元 請 負 人 を 社 会 保 険 等 加 入 建 設 業 者 に 限 定 平 成 28 年 10 月 1 日 以 降 に 入 札 公 告 指 名 通 知 随 意 契 約 のための 見 積 依 頼 を 行 う 工 事 から 以 下 に 定 める 届 出 の 義 務 ( 以 下 届 出 義 務 と

平成20年7月25日

<8BB388F58F5A91EE82A082E895FB8AEE967B95FB906A>

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

< F2D8ED089EF95DB8CAF939996A289C193FC91CE8DF42E6A7464>

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

PowerPoint プレゼンテーション

<817993FA967B8E E A E815B817A B F976C8EAE82502D322E786C73>

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

(1) 社 会 保 険 等 未 加 入 建 設 業 者 の 確 認 方 法 等 受 注 者 から 提 出 される 施 工 体 制 台 帳 及 び 添 付 書 類 により 確 認 を 行 います (2) 違 反 した 受 注 者 へのペナルティー 違 反 した 受 注 者 に 対 しては 下 記 のペ

答申第585号


Microsoft Word - 交野市産業振興基本計画 doc

平 成 27 年 11 月 ~ 平 成 28 年 4 月 に 公 開 の 対 象 となった 専 門 協 議 等 における 各 専 門 委 員 等 の 寄 附 金 契 約 金 等 の 受 取 状 況 審 査 ( 別 紙 ) 専 門 協 議 等 の 件 数 専 門 委 員 数 500 万 円 超 の 受

財政再計算結果_色変更.indd

定款  変更

公表表紙

Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

第 8 条 本 協 議 会 における 研 修 は 以 下 のとおりとする (1) 座 学 研 修 農 業 講 座 や 先 進 農 家 視 察 など 農 業 経 営 基 礎 講 座 やその 他 担 い 手 のための 研 修 会 等 への 参 加 など 年 24 回 程 度 とする (2) 実 務 研

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

ジョブ・カード様式

調査結果の概要

Taro-H19退職金(修正版).jtd

工 事 名 渟 城 西 小 学 校 体 育 館 非 構 造 部 材 耐 震 改 修 工 事 ( 建 築 主 体 工 事 ) 入 札 スケジュール 手 続 等 期 間 期 日 期 限 等 手 続 きの 方 法 等 1 設 計 図 書 等 の 閲 覧 貸 出 平 成 28 年 2 月 23 日 ( 火

大 田 区 保 育 従 事 職 員 宿 舎 借 り 上 げ 支 援 事 業 Q&A 目 次 Ⅰ 補 助 事 業 全 般 について P3~P4 Ⅱ 補 助 対 象 施 設 について P5 Ⅲ 補 助 対 象 職 員 について P6~P10 Ⅳ 補 助 対 象 経 費 について P11~P13 2

02【発出】280328福島県警察職員男女共同参画推進行動計画(公表版)

3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協

3 体 制 整 備 等 (1) 全 ての 特 定 事 業 主 が 共 同 して 取 組 むものとする () 総 務 部 人 事 管 理 室 人 事 課 を 計 画 推 進 の 主 管 課 とし 全 ての 市 職 員 により 推 進 する (3) 実 施 状 況 を 把 握 し 計 画 期 間 中 で

厚 生 年 金 は 退 職 後 の 所 得 保 障 を 行 う 制 度 であり 制 度 発 足 時 は 在 職 中 は 年 金 を 支 給 しないこととされていた しかしながら 高 齢 者 は 低 賃 金 の 場 合 が 多 いと いう 実 態 に 鑑 み 在 職 者 にも 支 給 される 特 別

定款

工 事 名 能 代 南 中 学 校 体 育 館 非 構 造 部 材 耐 震 改 修 工 事 ( 建 築 主 体 工 事 ) 入 札 スケジュール 手 続 等 期 間 期 日 期 限 等 手 続 きの 方 法 等 1 設 計 図 書 等 の 閲 覧 貸 出 平 成 28 年 5 月 24 日 ( 火

人 に 使 用 される 者 としての 勤 続 期 間 を 当 該 職 員 となつた 者 の 職 員 としての 勤 続 期 間 に 通 算 することと 定 められている 法 人 に 限 る )をいう 3 第 一 項 の 退 職 手 当 通 算 予 定 職 員 とは 任 命 権 者 又 はその 委 任

自 分 にあった 健 康 保 険 を 見 つけよう! それぞれの 健 康 保 険 の 特 徴 を 踏 まえ 自 分 にあった 健 康 保 険 を 選 ぶようにしましょう! 今 までの 収 入 扶 養 家 族 の 有 無 によって どの 健 康 保 険 に 加 入 するとメリットがあるか 参 考 にし

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

<4D F736F F D208CF689768ED C8FE395FB978E8CEA8BA689EF814592E88ABC2E646F63>

様 式 5 平 成 28 年 度 NOSAI 夏 期 臨 床 実 習 事 前 アンケート * 申 込 をした 方 に を 付 けてください スタンダード 編 ステップアップ 編 氏 名 所 属 大 学 学 年 1. NOSAI 夏 期 臨 床 実 習 への 参 加 を 希 望 する 理 由 動 機

新 行 財 政 改 革 推 進 大 綱 実 施 計 画 個 票 取 組 施 策 国 や 研 究 機 関 への 派 遣 研 修 による 資 質 向 上 の 推 進 鳥 インフルエンザ 等 新 たな 感 染 症 等 に 対 する 検 査 技 術 の 習 得 など 職 員 の 専 門

< F2D87442DFA D977B82CC905C97A78F B4C93FC97E1>

特 別 徴 収 による 納 税 の 仕 組 み 従 業 員 事 業 所 市 町 村 3 特 別 徴 収 税 額 の 通 知 ( 従 業 員 用 ) 1 給 与 支 払 報 告 書 の 提 出 (1 月 末 日 まで) 2 税 額 の 計 算 4 給 与 支 払 いの 際 に 税 額 を 徴 収 3

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 26 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 副 理 事 長 A 理 事 16,638 10,332 4,446 1,

財団法人○○会における最初の評議員の選任方法(案)

一 覧 表 ( 専 従 者 用 ) YES NOチャート( 専 従 月 額 単 価 用 ) (P.4)を 参 考 にしてください < 直 接 雇 用 者 > 一 覧 表 ( 専 従 者 用 )の 単 価 は 委 託 期 間 中 に 継 続 して 半 年 以 上 当 該 AMED 事 業

< F2D945F8A778CA48B8689C88F438E6D89DB92F695E58F D80>

< CF6955C976C8EAE DE82C28E73816A2E786C73>

中小企業退職金共済制度加入企業の実態に関する調査結果の概要(平成24年実施)

職業斡旋者等からみた自動車整備業の労働環境等に関する調査

独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療機器安全管理規程

Transcription:

第 68 回 国 際 経 済 協 力 セミナー 国 際 機 関 職 員 の 育 ち 方 - 元 ジュネーブ 日 本 政 府 代 表 部 人 事 担 当 職 員 の 視 点 - 本 田 英 章 氏 人 事 院 給 与 局 生 涯 設 計 課 雇 用 専 門 官 草 案 作 成 : 安 藤 恵 利 子 小 幡 珠 理 清 野 夏 実 坂 下 希 紗 良 高 橋 美 森 竹 下 知 里 福 田 悠 香 向 井 悠 理 文 責 : 斎 藤 実 由 貴 今 回 人 事 院 給 与 局 生 涯 設 計 課 の 本 田 英 章 氏 にお 越 しいただき 国 際 機 関 職 員 の 育 ち 方 元 ジュネーブ 日 本 政 府 代 表 部 人 事 担 当 職 員 の 視 点 というテーマで 講 演 を 行 っ ていただいた 講 演 では 本 田 氏 の 自 己 紹 介 から 始 まり 国 際 機 関 の 概 況 やそこで 働 く 人 々 国 際 機 関 で 働 くという 選 択 肢 はどういったものかなど 国 際 公 務 員 としての 働 き 方 とはどういうものなのか というように 展 開 された 1

ご 経 歴 2005 年 に 大 阪 大 学 法 学 部 を 卒 業 後 国 家 公 務 員 として 人 事 院 に 入 る 厚 生 労 働 省 へ の 出 向 などを 経 て 2012 年 から 3 年 間 スイスジュネーブの 国 際 機 関 日 本 政 府 代 表 部 で 人 事 担 当 として 勤 務 された そこでは 現 在 非 常 に 少 ない 国 際 機 関 で 働 く 日 本 人 をどのよ うに 増 やしていくかについて 各 国 際 機 関 人 事 部 と 相 談 採 用 の 後 押 しとなるような 支 援 JPO 制 度 のジュネーブ 国 際 機 関 への 運 用 といった 業 務 をされていた 国 際 機 関 の 概 況 国 際 機 関 と 聞 くと すぐに UN が 一 番 先 に 思 いつき その 後 に UNICEF WFP など 有 名 な 機 関 や 話 題 に 上 がりやすい 機 関 が 挙 げられるだろう これに 日 本 に 置 ける 国 際 機 関 の 知 名 度 に 表 れている しかし 実 際 は UN ファミリーとそれ 以 外 の NGO に 近 いような 団 体 も 含 めると それぞれ 規 模 も 分 野 も 様 々で 多 岐 にわたる その 数 世 界 で 100 以 上 だ その 活 躍 の 場 も 例 えば 飢 餓 について 議 場 で 話 し 合 う 場 もあれば 実 際 に 戦 地 などに 赴 いて 弱 い 立 場 の 子 供 や 女 性 を 助 ける 活 動 を 第 一 線 でしている 団 体 も ある ジュネーブに 本 部 が 置 かれている 機 関 では 例 えば WTO などは 経 済 を 勉 強 している 方 は 馴 染 みがあるのではないか また なかなか 学 生 には 馴 染 みがないかもしれないが 国 際 電 気 連 合 (ITU)や 世 界 知 的 所 有 権 機 関 (WIPO)などもある 実 際 に 国 際 機 関 の 表 などを 見 てみるとその 数 に 驚 くとともに ぼんやりとしたイメージがはっきりしたも のになるはずだ そして 国 際 機 関 はそれぞれの 長 がいて 事 務 局 がいて その 下 にスタッフがいる 構 造 になっていて 各 機 関 が 独 立 した 組 織 として 存 在 しており 独 自 の 財 源 を 持 つ 就 職 活 動 という 面 からみると それぞれが 一 種 の 企 業 のようなものとして 捉 えられる 各 機 関 の 詳 細 については 外 務 省 国 際 機 関 リンク 一 覧 を 見 てみることをお 勧 めしたい (http://www.mofa-irc.go.jp/link/link.html) 国 際 機 関 で 働 く 人 々 国 際 機 関 で 働 く 人 に 関 して その 門 の 狭 さから スーパーマンのような 完 璧 な 人 間 と いうイメージを 抱 いて 敬 遠 しやすいのではないだろうか しかし 実 際 に 人 事 担 当 であ る 本 田 氏 が 接 した 人 々は 人 間 味 に 溢 れたごく 普 通 の 人 が 多 かった 現 在 国 際 機 関 で 働 いている 日 本 人 は 約 800 人 であり ポストの 変 動 が 激 しいためあ くまで 目 安 ではあるが これは 職 員 全 体 の 2 3%と 言 われている 日 本 はその 拠 出 金 の 多 さや 地 理 的 配 分 を 考 慮 すると 現 在 より 2 3 倍 の 職 員 がいるべきだと 言 われて いる 2

国 際 機 関 で 働 くという 選 択 肢 国 際 機 関 とは 外 資 系 企 業 や NGO などの 数 ある 国 際 的 に 活 躍 する 仕 事 の 中 の 一 つの 選 択 肢 である 必 ずしも 安 定 した 職 業 ではなく 特 に 採 用 の 面 では 日 本 の 雇 用 慣 行 と は 大 きく 異 なる 日 本 では 企 業 が 職 員 の 育 成 を 行 い 長 く 会 社 に 勤 めてもらう 前 提 で 大 学 出 たての 新 人 を 採 用 する しかし 国 際 機 関 は 基 本 的 に 応 募 するポストに 関 連 する 仕 事 の 経 験 が 最 低 二 年 間 ある 人 を 1-2 年 間 の 有 期 契 約 で 中 途 採 用 する このような 国 際 機 関 で 働 くということは キャリアプランを 十 分 に 計 画 した 上 で 就 職 活 動 を 一 生 続 け ていく 覚 悟 が 必 要 である 1 動 機 の 明 確 化 まず 国 際 機 関 で 何 を 成 し 遂 げたいのかということを 考 える 必 要 がある キャリ アプランを 考 えるうえで 国 際 機 関 を 目 指 したきっかけを 思 い 出 すことは 重 要 であ る 例 えば 子 供 を 救 いたいという 明 確 な 目 的 や ワークライフバランスを 大 切 に しながら 働 きたいなど どんな 目 標 でもかまわないが これが 国 際 機 関 で 働 く 際 の 厳 しい 就 職 活 動 で 芯 となるものである 次 に 自 分 がやりたいことは 国 際 機 関 でないと 達 成 できないことかということを 検 討 する というのも 自 分 のやりたいことは 国 際 機 関 に 入 らずとも NGO などででき る 場 合 もあり また 30 歳 くらいまでの 準 備 期 間 に 自 分 の 目 標 が 変 化 して 国 際 機 関 に 入 る 必 要 がなくなる 可 能 性 もあるからだ そして 一 番 大 事 なのは 自 分 がやろうとしていることが 自 分 の 好 きなことかどう かということだ 国 際 機 関 では 基 本 すべてのポストが 公 募 であり 高 い 専 門 性 が 求 められる そのためあれもこれもと 広 く 仕 事 をすることはできず 自 分 で これを やる! と 決 めた 分 野 に 専 念 することになる だから 国 際 機 関 に 入 るためにやりた くもない 仕 事 をするというのは 望 ましくなく 好 きな 分 野 の 仕 事 をして その 結 果 国 際 機 関 につながるというのが 望 ましい 2 情 報 収 集 の 実 施 インターネットが 発 達 した 現 代 では 昔 よりも 情 報 が 得 やすくなっており ウェ ブサイトを 利 用 することで 様 々な 情 報 収 集 が 可 能 である 日 本 政 府 では 外 務 省 国 際 機 関 人 事 センターのサイトや Facebook などで 情 報 公 開 を 行 っている また 国 連 フォーラム UN careers や 各 国 際 機 関 のサイト 国 際 広 報 センター 個 人 のブログ なども 参 考 になる 書 籍 では 中 央 公 論 新 社 から 出 版 されている 赤 阪 清 隆 氏 の 国 際 機 関 で 見 た 世 界 のエリート の 正 体 がおすすめである また 駐 日 事 務 所 や 外 務 省 などが 開 催 している 各 種 説 明 会 にも 積 極 的 に 参 加 する ことが 望 ましい 多 くの 学 生 は 国 際 公 務 員 に 対 して すごい 人 たちであるというイ メージを 抱 いていると 思 われるが 実 際 に 働 いている 人 たちに 会 うことで そこま 3

で 自 分 に 遠 い 存 在 ではないのだと 思 えるようになるだろう また 国 際 機 関 でのイン ターンも 仕 事 の 進 め 方 やそこで 働 いている 人 と 直 に 接 することができる 機 会 であ り 将 来 の 採 用 への 足 がかりになることもあるので 積 極 的 に 申 し 込 むのがよい 3 計 画 的 な 準 備 アドバイスとしては JPO 派 遣 を 国 際 機 関 で 働 くための 足 がかりとしてほしいと いうことだった 応 募 資 格 は 35 歳 以 下 修 士 号 取 得 高 度 な 英 語 力 職 務 経 験 2 年 以 上 である JPO 派 遣 採 用 を 中 期 的 目 標 に 掲 げ 外 大 生 にはまず 語 学 力 およ び 専 門 性 の 向 上 を 目 指 してほしい 語 学 力 はあるに 越 したことはない 年 々JPO 派 遣 の 採 用 倍 率 は 低 下 しており 昨 年 一 昨 年 を 例 に 挙 げると 10 倍 を 切 っているの で 自 分 には 無 理 だと 諦 めず 果 敢 に 挑 戦 してほしい 質 疑 応 答 Q. 大 学 生 の 間 に 国 際 機 関 と 接 点 を 持 つ 方 法 はあるか? A. 学 部 生 ではなかなか 厳 しい 院 生 なら 半 年 のインターンシップに 参 加 すると 良 い 学 部 生 でも 駐 日 事 務 所 でのインターンが 探 せばあるかもしれない Q. 国 際 機 関 でインターンをするには 欧 米 の 大 学 に 行 かねばならないのか? A. 必 ずしも 日 本 にいることがダメというわけではない しかしながら 国 際 機 関 と 接 点 を 持 つために 最 も 有 効 なインターンを 行 う 場 合 は 一 定 期 間 継 続 して 働 く 必 要 が あるので インターン 先 に 近 いほうが 有 利 なのは 事 実 Q. 国 際 機 関 職 員 は どのような 専 門 分 野 で Ph.D.を 取 得 しているのか? A. 働 きたい 国 際 機 関 と 関 連 のある 分 野 が 望 ましい 人 道 関 係 なら 人 道 や 難 民 保 健 関 係 なら 公 衆 衛 生 等 ILO なら 労 働 法 や 労 働 経 済 等 その 分 野 で 専 門 的 に 働 くことに なるので 自 分 のやりたいことを 曲 げる 必 要 はない Q. JPO 試 験 において 合 格 の 決 定 打 となる 項 目 能 力 とは? A. 合 格 者 は 人 柄 としては 本 当 に 普 通 の 人 重 要 なのは 経 歴 の 段 階 でどれだけ 国 際 機 関 の 仕 事 に 近 いかどうか 国 際 機 関 で 働 く 意 思 が 強 く たとえば NGO 青 年 海 外 協 力 隊 国 際 機 関 でのインターン 経 験 等 があり 専 門 分 野 に 筋 が 通 っていることが 望 ましい また 英 語 力 も 必 要 英 語 を 流 暢 に 話 す( 意 見 を 主 張 できる) 能 力 や 英 語 で 仕 事 ができる( 議 事 録 等 を 作 成 できる) 文 章 力 が 求 められる なお 英 語 力 が あまり 高 くなくとも 強 烈 な 専 門 性 のある 人 (たとえば 特 定 の 専 門 分 野 の 第 一 人 者 4

など)であれば その 専 門 性 で 英 語 力 をカバーできることもがあるが JPO の 段 階 ではそれほど 専 門 性 が 高 い 人 はいないので やはり 英 語 力 が 重 要 Q. なぜ 人 事 に 特 化 した 職 業 を 選 んだのか? A. 人 と 関 わること 人 を 支 援 することが 好 きだから とはいえ 人 事 院 には 幅 広 いさ まざまな 分 野 の 仕 事 が 存 在 しており 国 際 機 関 職 員 のように 特 定 の 分 野 の 専 門 家 という 感 じではない Q. ジュネーブでは 何 語 で 仕 事 をしていたのか またその 言 語 は 大 学 時 代 に 学 んだこと があったか? A. 大 学 時 代 の 第 二 外 国 語 はドイツ 語 ジュネーブはフランス 語 圏 だが 国 際 機 関 と 仕 事 をするときは 英 語 を 使 用 日 常 生 活 など フランス 語 ができたほうが 良 い 場 面 は ある まとめ 氏 は 自 身 のこれまでの 短 いスパンでの 様 々な 経 験 キャリアに 関 し 毎 回 が 新 入 社 員 のようなもの 全 て 何 かの 役 にたつだろうと 思 い 何 事 も 勉 強 と 思 って 取 り 組 んでい る と 述 べた また 講 演 を 終 えるに 際 し もし 国 際 公 務 員 に 興 味 があるならば ま ず 自 分 でインターネットで 調 べてみてほしい 主 体 的 なキャリアプランを 立 てるために は 自 ら 積 極 的 な 情 報 収 集 が 重 要 と 学 生 にアドバイスをした 講 演 は 全 体 を 通 して 話 の 途 中 でも 質 問 が 度 々 飛 び 出 し インタラクティブであった 5