日 本 農 業 研 究 所 研 究 報 告 農 業 研 究 第 24 号 (2011 年 )p.179~204 飼 料 用 米 破 砕 機 の 開 発 と 肥 育 牛 への イネソフトグレインサイレージの 給 与 小 川 増 弘 (( 財 ) 日 本 農 業 研 究 所 ) 重 田 一 人 (( 独 ) 農 業 食 品 産 業 技 術 総 合 研 究 機 構 中 央 農 業 総 合 研 究 センター) 目 次 1.はじめに 2. 飼 料 用 米 の 利 用 に 関 する 研 究 の 動 向 3. 飼 料 用 米 破 砕 機 の 開 発 と 市 販 化 1) 目 的 2) 方 法 (1) 破 砕 機 構 について (2) 実 験 方 法 3) 結 果 と 考 察 (1) 玄 米 の 破 砕 実 験 (2) 籾 を 供 試 した 実 験 結 果 (3) 所 要 動 力 と 処 理 能 率 について 4. 肥 育 牛 へのイネSGSの 給 与 試 験 1) 目 的 2) 方 法 3) 結 果 と 考 察 (1) イネSGSの 発 酵 品 質 (2) イネSGSの 嗜 好 性 (3) イネSGSの 第 一 胃 内 分 解 率 (4) 肥 育 成 績 5. 謝 辞 引 用 文 献 用 語 の 解 説 - 179 -
1.はじめに 不 耕 作 の 水 田 について 水 田 機 能 を 活 かした 有 効 活 用 と 輸 入 依 存 の 大 きい 穀 実 飼 料 の 国 内 生 産 拡 充 の 期 待 から 水 田 における 飼 料 用 イネの 生 産 と 利 用 に 対 する 関 心 が 大 きくなっている イネを 飼 料 に 利 用 する 場 合 は 籾 部 分 と 茎 葉 部 分 を 完 熟 前 に 同 時 に 収 穫 して 発 酵 させてから 給 与 する 稲 発 酵 粗 飼 料 (ホールク ロップ)と 籾 の 部 分 だけを 給 与 する 飼 料 用 米 に 区 分 される 前 者 については 過 去 10 年 余 の 集 中 的 な 取 り 組 みによって 作 付 面 積 は 拡 大 し2010 年 度 には1 万 haを 超 える 水 田 で 作 付 られた 一 方 後 者 については 戸 別 所 得 保 障 モデル 対 策 の 開 始 等 により2009 年 度 に4,129ha 作 付 けられたのに 対 して2010 年 度 には14,883 haとなり 作 付 面 積 は 飛 躍 的 に 増 加 した 飼 料 用 米 については さらに 籾 殻 を 含 めた 籾 米 として 利 用 するか 籾 殻 を 剥 離 した 玄 米 として 利 用 するかに 分 けられ る 籾 米 については 完 熟 後 に 収 穫 して 乾 燥 してから 利 用 する 場 合 と 完 熟 前 に 収 穫 して 未 乾 燥 のままで 保 存 し 発 酵 させたソフトグレインサイレージ( 以 下 イ ネSGS)を 利 用 する 場 合 がある このように 飼 料 用 イネと 言 っても 給 与 する 家 畜 の 種 類 や 利 用 目 的 などによっていくつかの 選 択 肢 がある 本 稿 では 破 砕 機 の 開 発 と 飼 料 用 米 を 用 いた 性 能 について 述 べるとともに 発 酵 品 質 や 給 与 試 験 についてはイネSGSを 用 いて 試 験 を 実 施 した 試 験 の 構 成 と 担 当 機 関 及 び 氏 名 は 以 下 の 通 りである 1. 飼 料 用 米 破 砕 機 の 開 発 と 市 販 化 ( 独 ) 農 業 食 品 産 業 技 術 総 合 研 究 機 構 中 央 農 業 総 合 研 究 センター( 畜 産 草 地 研 究 所 ) 重 田 一 人 2. 肥 育 牛 へのソフトグレインサイレージの 給 与 試 験 ( 財 ) 日 本 農 業 研 究 所 小 川 増 弘 なお 肥 育 牛 の 給 与 試 験 等 の 管 理 作 業 は ( 財 ) 日 本 農 業 研 究 所 実 験 農 場 宮 下 好 広 吉 澤 哲 井 出 豊 松 及 び 岩 崎 敬 が 担 当 した 2. 飼 料 用 米 の 利 用 に 関 する 研 究 の 動 向 飼 料 用 米 の 研 究 は 古 くから 行 われ 米 の 生 産 調 整 とともにその 飼 料 利 用 につ - 180 -
いて 多 くの 研 究 が 実 施 され 知 見 が 蓄 積 された( 吉 田 2011) その 中 には 本 稿 で 取 り 上 げたイネSGSについて 調 製 法 とウシへの 利 用 に 関 しても 研 究 されて いたことが 紹 介 されている 例 えばイネSGSをウシに 給 与 する 場 合 は 破 砕 によっ て 消 化 率 が 改 善 することや 肥 育 牛 においては 肥 育 成 績 からみた 配 合 飼 料 との 代 替 性 などの 成 果 を 明 らかにしている 一 方 飼 料 用 米 の 生 産 費 を 大 幅 に 低 減 す ることは 重 要 な 課 題 であり 破 砕 処 理 についてもより 低 コストの 機 械 開 発 およ びその 破 砕 効 果 について 家 畜 による 評 価 が 必 要 である 国 産 飼 料 拡 大 のための 技 術 開 発 を 目 指 した 農 林 水 産 省 のプロジェクト 研 究 粗 飼 料 多 給 による 日 本 型 家 畜 飼 養 技 術 の 開 発 ( 略 称 :エサプロ) が2006 年 度 に 開 始 されたが 飼 料 米 生 産 利 用 のための 技 術 開 発 が 必 要 となったことから エサプロの 中 に 新 たな 柱 立 てを 行 って 飼 料 用 米 の 技 術 開 発 について 飼 料 米 品 種 の 選 定 と 省 力 多 収 生 産 技 術 の 開 発 が2008 年 度 から 実 施 された その 中 で 特 に ソフトグレインサイレージ 品 質 向 上 のための 調 製 技 術 の 開 発 および 調 製 法 の 違 いによる 肉 用 牛 嗜 好 性 及 び 利 用 特 性 の 解 明 が 課 題 として 取 り 上 げら れた 前 者 では 収 穫 された 籾 や 玄 米 を 安 定 して 処 理 でき 必 要 な 破 砕 を 高 速 に 処 理 可 能 な 飼 料 用 米 破 砕 機 の 開 発 を 目 的 とした 後 者 では 破 砕 等 の 処 理 を したイネSGSを 肥 育 牛 に 給 与 しその 嗜 好 性 を 解 明 することを 目 的 として 試 験 を 実 施 した これらの 研 究 課 題 は 2008 ~ 09 年 度 の2 年 間 に 実 施 された 3. 飼 料 用 米 破 砕 機 の 開 発 と 市 販 化 1) 目 的 飼 料 用 米 には 籾 及 び 玄 米 の2 通 りの 給 与 形 態 がある 籾 は 子 実 が 難 消 化 性 の 堅 い 籾 殻 で 覆 われており さらに 玄 米 表 皮 も 消 化 されにくいため これらをそ のまま 給 与 すると 未 消 化 のまま 排 泄 される 率 が 高 く 栄 養 価 の 損 失 となる( 中 村 ら 2005) 特 に 豚 は 飼 料 が 消 化 管 を 通 過 する 速 度 が 早 いので 籾 のままでの 給 与 は 不 適 で 玄 米 の 場 合 でも 十 分 破 砕 しておく 必 要 があるとされる( 農 研 機 構 2009) 一 方 ウシでは 籾 殻 に 反 芻 動 物 に 必 要 な 繊 維 性 飼 料 としての 効 果 が 期 待 で きるので 籾 の 給 与 が 適 しているが 籾 殻 の 剥 離 や 中 の 玄 米 部 分 の 破 砕 は 必 要 - 181 -
である このため 何 らかの 加 工 処 理 が 必 要 と 考 えられる なお 採 卵 鶏 は 砂 嚢 を 有 するため 籾 のまま 給 与 しても 消 化 可 能 であるが 生 後 しばらくは 破 砕 し て 給 与 する 必 要 がある トウモロコシ 等 の 濃 厚 飼 料 も 消 化 を 良 くするため 従 来 から 破 砕 が 行 われてお り コーンクラッシャや 高 温 高 圧 蒸 気 圧 ぺん 機 等 が 利 用 されていた 特 に 後 者 で 飼 料 用 米 を 処 理 すると 高 温 でデンプンがα 化 するので 消 化 は 良 くなるが 処 理 費 用 がかかり 導 入 には 非 常 に 高 額 であるため 大 型 施 設 向 きであり 国 内 での 飼 料 用 米 生 産 の 現 状 には 即 していない また 消 費 エネルギーが 大 きいの も 問 題 である 飼 料 用 米 の 破 砕 とその 利 用 の 取 り 組 みは 開 始 されてからまだ 日 が 浅 いため 飼 料 用 米 に 適 し 低 コストで 破 砕 作 業 を 簡 易 に 行 える 破 砕 装 置 の 開 発 が 求 められていた そこで 飼 料 用 米 をウシや 豚 へ 給 与 した 際 の 未 消 化 籾 の 低 減 及 び 破 砕 作 業 の 省 力 化 をねらいとした 簡 易 な 破 砕 機 を 開 発 した 2) 方 法 (1) 破 砕 機 構 について 破 砕 機 構 は 既 報 ( 重 田 ら 2009)と 同 様 の 2つのロールを 有 するダブルロー ルミル 方 式 を 採 用 した 破 砕 を 生 成 物 の 粒 度 別 に 分 類 すると おおよその 目 安 として 表 1のような 分 け 方 がされる これらのうち 粗 砕 や 中 砕 は 主 として 鉱 石 や 産 業 廃 棄 物 等 を 対 象 とし 通 常 穀 粒 の 破 砕 で 用 いられるのは 粒 度 10mm 以 下 の 粉 砕 微 粉 砕 等 である 破 砕 前 後 の 粒 子 径 の 比 である 粉 砕 比 Crは 粉 砕 前 後 の 粒 子 径 をそれぞれ xf[mm] xp [mm]とすると Cr = xf / xp (1) で 表 される 粉 砕 比 は 破 砕 方 式 によって4 程 度 までの 粗 粉 砕 を 行 うものから 1,000 以 上 の 粉 砕 比 が 得 られるものまで 幅 が 広 い 飼 料 用 米 に 必 要 な 破 砕 程 度 は 畜 種 によって 異 なるため それぞれに 必 要 十 分 な 程 度 を 把 握 するには 破 砕 程 度 を 変 えて 実 際 に 給 与 することが 必 要 である こ れについては 別 途 検 討 することとし 本 報 における 破 砕 機 構 の 設 計 では ひと まず 一 般 的 に 求 められている 破 砕 程 度 が 得 られることとした 飼 料 用 米 の 給 与 においては 籾 殻 は 消 化 されないため 剥 離 されれば 十 分 であり 玄 米 部 分 の 破 砕 が 求 められるため 粉 砕 比 は 玄 米 の 粒 径 をもとに 考 えれば 良 い 飼 料 用 米 の - 182 -
利 用 場 面 では 養 豚 において 求 められる 破 砕 程 度 が 最 も 細 かい 傾 向 が 見 られ いくつかの 養 豚 経 営 では 粒 子 径 2mm 以 下 で 十 分 とされている 供 試 した 飼 料 用 米 品 種 モミロマン の 玄 米 の 平 均 長 は5.9mmであった そこで 玄 米 の 粒 径 を 便 宜 上 6mmとし 破 砕 後 の 粒 子 径 を2mmとすれば x f = 6mm xp = 2mm となり (1)よりCr = 3となる 一 般 的 にロールミルの 粉 砕 比 は1 ~ 100であるため 飼 料 用 米 に 求 められる 粉 砕 比 を 得 ることは 可 能 と 考 えられる さらに 水 分 や 粘 着 の 影 響 を 受 けにくく 構 造 が 簡 単 なため 比 較 的 低 コストで 開 発 が 可 能 であり 飼 料 用 米 への 適 応 性 は 高 いと 考 えられる ロールミルのロールの 表 面 形 状 は 用 途 によって 凹 凸 のな い 平 坦 な 平 型 に 加 え 波 型 鬼 歯 型 等 いくつかの 種 類 が 存 在 する 本 研 究 で 用 いたロールの 表 面 形 状 は 図 1のようにV 字 型 の 溝 を 有 し この 溝 が 噛 み 合 う ようにして 互 いに 逆 方 向 に 回 転 することによって 溝 の 間 を 通 過 する 材 料 を 圧 縮 せん 断 破 砕 する 仕 組 みである( 重 田 ら 2008) 図 2に 試 作 機 の 外 観 表 2 に 諸 元 を 示 す 上 部 に 材 料 投 入 のためのホッパ 直 下 に 試 料 破 砕 のためのロールを 配 置 した さらに ロール 駆 動 のためのエンジンや 破 砕 された 材 料 を 排 出 するスクリュー コンベヤ 等 からなる 2つの 破 砕 ロールの 回 転 数 には10%の 周 速 度 差 率 を 設 け るのが せん 断 力 による 破 砕 効 果 の 発 揮 とともに 所 要 動 力 低 減 の 面 でも 有 利 で ある( 重 田 ら 2008) ここでは 選 択 できる 歯 車 の 組 み 合 わせ 及 び 設 計 上 の 制 限 等 により 10%に 近 い12.5%の 周 速 度 差 率 とした 溝 の 間 を 通 過 する 籾 に 対 しては 図 3のようにロール 間 の 圧 縮 力 に 伴 うせん 断 力 と ロール 間 の 周 速 度 差 によるせん 断 力 が 互 いに 交 わる 方 向 に 作 用 するため 溝 の 間 を 通 過 する 材 - 183 -
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料 をより 効 率 的 に 破 砕 する 効 果 が 見 込 まれる V 字 型 溝 の 角 度 ピッチ 山 の 高 さ 等 は 既 報 ( 重 田 ら 2009)によった 破 砕 程 度 の 調 整 は 2つのロール 間 隙 を0.2mmから1.5mm 程 度 まで0.1mmおきにストッパのついたロール 間 隙 調 整 レ バー ( 図 4)の 操 作 で 行 うようにした (2) 実 験 方 法 供 試 試 料 には 飼 料 用 米 の 玄 米 及 び 籾 を 用 いた 玄 米 として 2008 年 産 モ ミロマン ( 水 分 15%)を 籾 として2009 年 産 モミロマン べこあおば 及 び 夢 あおば ( 同 約 15%)を 用 いた さらに 籾 では 完 熟 または 黄 熟 期 の ものを 収 穫 直 後 に 破 砕 して 密 封 貯 蔵 するSGSとしての 利 用 を 想 定 し モミロ マン の 完 熟 期 のもの( 水 分 19.7% )に 加 え 黄 熟 期 ( 同 29.2% )と 糊 熟 期 ( 同 38.2% )のものを 供 試 した 水 分 の 測 定 は 50gのサンプルを 用 いて105 24 時 間 乾 燥 で 行 った ロール 間 隙 の 設 定 は 玄 米 では 予 備 的 に 破 砕 して 決 定 した すなわち 最 大 の 粉 砕 比 が 得 られるロール 間 隙 0.2mmでは 大 半 の 試 料 が2mm 以 下 となったが 間 隙 を 増 加 させるに 従 って 粗 くなり 0.5mmでは2 分 割 程 度 のものも 見 られた そこで 玄 米 を 供 試 した 実 験 におけるロール 間 隙 は 0.2mmから0.5mmまで0.1mm おきの4 段 階 に 設 定 した 籾 は 玄 米 より 粒 径 が 大 きいため 間 隙 は 大 きくする 必 要 があることと 籾 殻 自 体 は 外 穎 と 内 穎 が 分 離 して 剥 離 するか せいぜい 穎 が - 185 -
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縦 に 分 割 される 程 度 であるため ロール 間 隙 のわずかな 違 いに 対 する 破 砕 程 度 の 差 が 玄 米 ほど 明 瞭 でないことが 予 想 された そこで 籾 を 供 試 した 実 験 では ロール 間 隙 は0.5mmと1.1mmの2 段 階 とした シャッタは 実 験 を 通 して 常 時 全 開 で 使 用 した ロール 回 転 数 は 所 要 動 力 と 処 理 能 率 の 測 定 を 除 いて 塔 載 エンジンのスロッ トルを 全 開 した 定 格 回 転 数 (エンジンの 最 高 出 力 が 得 られる 回 転 数 )で 使 用 し 無 負 荷 状 態 では86rpm 及 び75rpmであった ホッパに20kgの 試 料 を 投 入 後 にロー ルを 回 転 させて 破 砕 を 開 始 し 30s 経 過 後 排 出 される 試 料 をサンプリングした 破 砕 された 試 料 の 粒 径 分 布 は ふるい 分 け 法 により 行 った ふるい 目 開 きの 選 定 に 当 たっては 事 前 にJIS 標 準 ふるい1.4mmから3.35mmまでを 用 いてロール 間 隙 0.2mm ~ 0.5mmで 破 砕 した 玄 米 をふるい 分 けして 決 定 した すなわち 2mm を 通 過 したものは 粉 砕 比 3 以 上 となったものであり この 割 合 が 多 かった 2 mm 及 び2.36mm 以 上 のものは 粉 砕 比 3に 至 っていないものであり 2.8mm 以 上 のものは2 分 割 程 度 か 傷 や 割 れを 受 けただけのものが 多 く これらは 全 体 と しては 多 くはないが 存 在 した よって 2mm ~ 2.8mmの 割 合 と2.8mm 以 上 の 割 合 によって 破 砕 程 度 が 判 定 できると 考 えられ 実 験 に 用 いるふるいの 目 開 きは 2mmと2.8mmとした これらのふるいを 用 い 電 磁 式 ふるい 振 とう 器 ( 振 幅 1mm 加 速 度 9.8m/s 2 )で1min 振 とうして3 区 分 したサンプルの 質 量 割 合 で 表 示 した 粒 径 分 布 の 測 定 は5 反 復 行 なった 所 要 動 力 と 処 理 能 率 の 計 測 では 無 負 荷 状 態 と 水 分 15%の モミロマン の 籾 を 供 試 し スロットル 全 開 と 回 転 数 を 約 18% 低 下 した 減 速 状 態 とで 行 った ロール 間 隙 は0.5mm 及 び1.1mmとした 所 要 動 力 はエンジンの 軸 トルクと 回 転 数 から 求 め 処 理 能 率 は10s 間 の 処 理 量 を3 回 反 復 して 計 測 した 3) 結 果 と 考 察 (1) 玄 米 の 破 砕 実 験 ロール 間 隙 0.5mmで 破 砕 した 玄 米 の 外 観 は 図 5 上 の 通 りであり 大 部 分 の 子 実 が 破 砕 作 用 を 受 けて 細 かくなった 破 砕 後 の 粒 径 分 布 を 図 6に 示 す ロール 間 隙 0.2mmでは2mm 以 下 の 割 合 が 92%と 微 粒 化 し ロール 間 隙 が 大 きくなるにつれて2mm 以 下 の 割 合 はやや 減 少 - 187 -
する傾向となったが 間隙0.5mmでも81 であった 2 2.8mmの割合は 間 隙0.2mmでは7 と少なく 間隙0.3mm以上では10 前後となり 2.8mm以上の 割合は 間隙0.2mmでは1 であったが 間隙0.5mmでは7 とやや粗くなった 玄米では ロール間隙0.5mmで実用上十分な破砕程度と思われる (2) 籾を供試した実験結果 籾では図5下のように大部分の籾殻が剥離し 子実は玄米単体と同様に破砕 図5 破砕された玄米及び籾の外観 図6 破砕玄米の粒径分布 188
図 7 熟 期 の 異 なる 破 砕 籾 の 粒 径 分 布 を 受 けた 剥 離 した 籾 殻 の 多 くは 外 穎 と 内 穎 とに 分 離 し その 一 部 はさらに 縦 方 向 に 分 離 した 籾 を 供 試 した 破 砕 実 験 でのロール 間 隙 及 び 熟 期 の 違 いによる 粒 径 分 布 を 図 7 に 示 す まず ロール 間 隙 の 違 いの 影 響 を 完 熟 期 についてみると 2.8mm 以 上 の 粒 径 割 合 がロール 間 隙 1.1mmでは57%であったものが 間 隙 0.5mmでは35%に 低 下 し 2mm 以 下 の 粒 径 割 合 は7.4%から49%へ 大 幅 に 増 加 するなど ロール 間 隙 0.5mmでは1.1mmに 比 べて 有 意 に 微 粒 化 した この 傾 向 は 黄 熟 期 や 糊 熟 期 でも 同 様 であった なお 2.8mm 以 上 の 粒 径 割 合 が35%~ 67%あったことについて は 籾 殻 の 多 くは 外 穎 と 内 穎 に 分 離 した 程 度 であることに 加 えて 破 砕 された 子 実 が 籾 殻 に 付 着 し これらが2.8mm 以 上 の 粒 径 割 合 を 占 めたと 考 えられる 次 に 熟 期 の 違 いによる 影 響 は ロール 間 隙 1.1mmでは 糊 熟 期 と 黄 熟 期 及 び 黄 熟 期 と 完 熟 期 との 間 で ロール 間 隙 0.5mmでは 黄 熟 期 と 完 熟 期 との 間 で 熟 - 189 -
期 の 遅 い 方 が2.8mm 以 上 の 粒 径 割 合 が 有 意 に 低 くなった 熟 期 が 早 いほど 破 砕 程 度 が 劣 ったのは 完 熟 期 より 子 実 及 び 籾 殻 の 水 分 が 高 く ロールによる 圧 縮 やせん 断 作 用 に 対 して 弾 性 変 形 しやすいためと 考 えられる ただし SGSとし て 籾 を 密 封 貯 蔵 する 場 合 は 籾 殻 が 剥 離 する 程 度 で 十 分 に 良 発 酵 するため( 矢 内 2005) 黄 熟 期 や 糊 熟 期 のものが 完 熟 期 のものより 破 砕 程 度 が 若 干 劣 ること は 問 題 ないと 考 えられる なお ウシへの 給 与 においては ロール 間 隙 1.1mm で 未 消 化 籾 の 割 合 は 実 用 上 問 題 ない 程 度 に 低 減 すると 予 想 される 次 に モミロマン べこあおば 及 び 夢 あおば 3 品 種 の 籾 をロール 間 隙 0.5mmで 破 砕 した 粒 径 割 合 を 図 8に 示 す さらに 供 試 した 各 品 種 の 籾 の 平 均 長 さ(L) 幅 (W) 厚 さ(D)を 示 した 籾 粒 の 最 小 粒 径 は 厚 さとなるため ロール 間 隙 が 同 じ 場 合 厚 さが 大 きいものほど 破 砕 されやすくなると 考 えられ る いずれの 品 種 も 未 破 砕 籾 では 粒 径 2mm 以 下 の 割 合 はゼロであった 全 般 的 な 傾 向 として 子 実 の 大 半 が2mm 以 下 に 微 粒 化 し その 一 部 が 籾 殻 に 付 着 したため 多 くの 粒 子 が2mm 以 下 と2.8mm 以 上 に2 分 化 した ただし モ ミロマン では2~ 2.8mmの 破 砕 粒 が 存 在 した この 理 由 としては モミロ マン は 子 実 中 に 乳 白 が 多 いため 崩 れやすく 崩 壊 した 胚 乳 等 で 籾 殻 に 付 着 し - 190 -
ないものがあったためと 考 えられる 2mm 以 下 の 粒 径 割 合 は 夢 あおば が59.2%と3 品 種 の 中 で 最 も 多 く 有 意 な 差 が 見 られた これは 夢 あおば の 厚 さが2.40mmと 他 の2 品 種 よりや や 大 きかったためと 考 えられる 2.8mm 以 上 の 割 合 は べこあおば が 他 の2 品 種 より 多 くなる 傾 向 であった (3) 所 要 動 力 と 処 理 能 率 について 所 要 動 力 と 処 理 能 率 を 図 9に 示 す データは3 回 の 測 定 値 の 平 均 である ロー ル 間 隙 1.1mm スロットル 全 開 で 破 砕 時 のロール 回 転 数 は 高 速 側 64rpm 及 び 低 速 側 56rpm 処 理 能 率 は525kg/hであった 減 速 状 態 ではロール 回 転 数 は 高 速 側 52rpm 及 び 低 速 側 46rpmで 所 要 動 力 は5.3% 低 下 したが 処 理 能 率 も4.3%の 低 下 となり ロール 回 転 数 を 定 格 回 転 数 より 減 じることによる 所 要 動 力 節 減 効 果 は 小 さかった ロール 間 隙 0.5mmでは 処 理 能 率 は1.1mmの 時 の33 ~ 40%となっ たが 所 要 動 力 は13 ~ 15% 増 加 する 傾 向 となった ロール 間 隙 を 変 えたこと によってもロール 回 転 数 は 同 一 であったため 間 隙 を 狭 くすることで 破 砕 作 用 が 高 まり 所 要 トルクが 増 大 したと 考 えられる 処 理 能 率 は ロール 間 隙 0.5mmでは210kg/h ロール 間 隙 1.1mmでは525kg/hと なった 平 坦 なロールで 間 隙 1.1mmでは 理 論 的 に490kg/h 程 度 となるが 本 機 ではロール 表 面 のV 字 型 の 溝 によってロールの 実 効 長 が 約 2 倍 となったため - 191 -
理 論 値 を 上 回 ったと 考 えられる 経 済 性 評 価 のためのコストについて 1,000 頭 程 度 を 飼 養 する 中 規 模 養 豚 経 営 に 飼 料 用 米 を 導 入 した 場 合 を 例 に 試 算 した 飼 料 用 米 の 濃 厚 飼 料 中 の 代 替 率 を 一 般 的 に 行 われている30%とすると 飼 料 用 米 を 年 100t 程 度 以 上 の 利 用 が 想 定 される 飼 料 用 米 破 砕 機 の 耐 用 年 数 を8 年 とし 処 理 費 用 を 燃 料 または 電 気 代 のみとすれば 年 間 償 却 分 を 合 わせてkg 当 たりの 処 理 費 用 は1.67 円 となる 一 方 典 型 的 な 飼 料 工 場 の 高 温 高 圧 蒸 気 圧 ぺん 機 による 処 理 費 用 はkg 当 たり 約 10 円 であり 約 1/6となる さらに 後 者 では 工 場 との 間 の 運 搬 経 費 もかかる ことから 飼 料 用 米 破 砕 機 利 用 はより 経 済 的 である なお 本 機 は2009 年 9 月 に 市 販 化 された( 株 式 会 社 デリカ) また 農 林 水 産 省 主 催 第 2 回 フード アクション ニッポンアワード2010 研 究 開 発 新 技 術 部 門 の 優 秀 賞 を 受 賞 した 4. 肥 育 牛 へのイネSGSの 給 与 試 験 1) 目 的 イネSGSについて 肥 育 牛 における 嗜 好 性 を 明 らかにする 特 に より 実 証 的 な 観 点 からイネSGSの 破 砕 処 理 が 発 酵 品 質 や 嗜 好 性 に 及 ぼす 影 響 を 解 明 し 肥 育 牛 の 枝 肉 成 績 についても 検 討 した すなわち 破 砕 処 理 して 密 封 貯 蔵 したイネ SGSについて 実 験 農 場 で 飼 養 している 黒 毛 和 種 の 肥 育 牛 ( 前 期 牛 中 期 牛 及 び 後 期 牛 )を 供 試 して 破 砕 処 理 がイネSGSの 嗜 好 性 へ 及 ぼす 影 響 を 明 らかに しようとした 2) 方 法 供 試 した 飼 料 米 は コンバインで 収 穫 した 籾 米 を 重 田 らが 開 発 した 飼 料 用 米 破 砕 機 ( 重 田 2009)によって 直 ちに 破 砕 した( 図 10) 破 砕 した 籾 米 は 内 袋 付 のフレコンバッグに 密 封 貯 蔵 した 破 砕 はロール 隙 間 を0.9 ~ 1.0mmとした 破 砕 程 度 が 弱 い 区 ( 弱 区 )とロール 隙 間 を0.3 ~ 0.5mmとした 破 砕 程 度 が 強 い 区 ( 強 区 )とした 飼 料 用 米 の 給 与 試 験 では 飼 料 用 米 の 給 与 に 当 たっては 給 与 飼 料 全 体 の 粗 蛋 白 質 含 量 を 補 正 するために 大 豆 粕 を 添 加 した なお 供 試 したイネ SGSは 中 央 農 業 総 合 研 究 センター 谷 和 原 圃 場 で 栽 培 し 収 穫 されたものである - 192 -
(1) 肥 育 前 期 牛 におけるイネSGSの 嗜 好 性 黒 毛 和 種 の 肥 育 前 期 牛 (12 ~ 15カ 月 齢 )2~3 頭 を 同 一 房 で 飼 養 した3 群 7 頭 を 供 試 し 配 合 飼 料 の20%を 飼 料 米 で 代 替 して 給 与 した 品 種 と 破 砕 処 理 の 組 み 合 わせは べこあおば は 弱 区 奥 羽 316 号 は 弱 区 及 び 強 区 で これ ら3 種 類 のイネSGSを 含 む 飼 料 を 各 群 へ 給 与 し 採 食 量 を 調 査 した (2) 肥 育 中 期 牛 におけるイネSGSの 嗜 好 性 黒 毛 和 種 の 肥 育 中 期 牛 (17 ~ 18カ 月 齢 )2 頭 を1 群 として 同 一 房 で 飼 養 し た3 群 6 頭 を 供 試 した 配 合 飼 料 の 一 部 (20 及 び25%)をイネSGSに 代 替 して 給 与 して 採 食 量 を 調 査 した 供 試 品 種 は タカナリ と モミロマン であり 破 砕 処 理 は 全 て 弱 区 とした (3) 肥 育 後 期 牛 におけるイネSGSの 嗜 好 性 黒 毛 和 種 の 肥 育 後 期 牛 (24 ~ 28カ 月 齢 )2 頭 を1 群 として 同 一 房 で 飼 養 し た4 群 8 頭 を 供 試 した 配 合 飼 料 に 対 するイネSGSの 代 替 率 は30%( 給 与 開 始 月 齢 が25カ 月 齢 ) 及 び25%( 給 与 開 始 月 齢 が24カ 月 齢 )として 採 食 量 を 調 査 し た 供 試 品 種 は べこあおば 夢 あおば タカナリ モミロマン であ り 破 砕 処 理 は 弱 区 及 び 強 区 の2 段 階 とした 給 与 試 験 は 実 験 農 場 内 の 肥 育 牛 舎 で 実 施 した( 図 11) - 193 -
(4) 肥 育 牛 の 肥 育 成 績 実 験 農 場 で 生 産 飼 養 され2009 年 度 と2010 年 度 に 出 荷 した 肥 育 牛 の 内 イネ SGSを 給 与 した 肥 育 牛 17 頭 ( 去 勢 6 頭 メス11 頭 ) 及 びイネSGSを 全 く 給 与 せず 概 ね 実 験 農 場 の 慣 行 法 で 飼 養 した27 頭 ( 去 勢 14 頭 メス13 頭 )について 得 られ た 枝 肉 成 績 を 検 討 に 供 した 3) 結 果 と 考 察 (1) イネSGSの 発 酵 品 質 2008 及 び2009 年 度 の2 年 間 に 調 製 した18 点 のイネSGSの 乾 物 率 は 平 均 値 が 78.0%でり データの 範 囲 は63.3 ~ 81.3%であった phは 平 均 値 が6.12であ り データの 範 囲 は3.98 ~ 6.96であった イネSGSは 稲 発 酵 粗 飼 料 と 比 較 して 乾 物 率 が 高 いことからpHは 全 体 に 高 く 有 機 酸 含 量 やNH 3 -N(アンモニア 態 窒 素 ) は 低 かった イネSGSの 乾 物 率 とpHには 高 い 正 の 相 関 が 認 められた( 相 関 係 数 : r=0.86 ** 回 帰 式 :y=0.177x-7.71(y:ph x: 乾 物 率 ))( 図 12) 飼 料 用 米 の 乾 物 率 が60 ~ 70%であればpHは4 程 度 に 低 下 するが それ 以 上 の 乾 物 率 ではpHの 低 下 は 小 さく 発 酵 は 微 弱 であった イネSGSは その 収 穫 時 期 によって 乾 物 率 は 変 動 し 収 穫 前 の 天 候 によって - 194 -
も 影 響 を 受 けるが 稲 発 酵 粗 飼 料 と 比 較 すると 乾 物 率 が 著 しく 高 いことにその 特 徴 がある 乾 物 率 が 高 いために 発 酵 は 概 して 微 弱 である 乾 物 率 が 発 酵 に 大 きく 影 響 することについては 上 垣 らが 指 摘 している( 上 垣 2010) 通 りであるが 発 酵 を 促 進 させてpHをある 程 度 まで 低 下 させるためには 適 期 の 収 穫 や 加 水 し て 乾 物 率 を 下 げる 等 が 必 要 であろう また phが 高 いイネSGSについても 微 弱 ながら 発 酵 臭 は 確 認 されていることは 変 敗 の 可 能 性 があることを 意 味 しており その 貯 蔵 にあたって 密 封 を 厳 守 すべきである (2) イネSGSの 嗜 好 性 今 回 供 試 した 肥 育 牛 に 共 通 して 言 えることであるが 飼 料 会 社 の 肥 育 牛 専 用 配 合 飼 料 を 稲 わらと 合 わせて 給 与 されていた 給 与 試 験 においては その 一 部 をイネSGSで 代 替 して それらの 採 食 量 を 比 較 し 嗜 好 性 を 調 査 した 配 合 飼 料 は 原 料 の 区 分 とその 割 合 が 明 示 されている 例 えば 今 回 使 用 した 配 合 飼 料 について 穀 類 の 区 分 では 原 材 料 名 は 大 麦 とうもろこし マイロ 小 麦 であり 配 合 飼 料 に 占 める 穀 類 全 体 の 配 合 割 合 は51%となっている しか し 個 々の 原 材 料 の 配 合 割 合 は 明 示 されていない そのため 本 試 験 における 代 替 率 はよく 表 現 されるような トウモロコシの %を 代 替 ではなく 配 合 飼 料 の %を 代 替 ということになる これは 配 合 飼 料 を 利 用 している 多 - 195 -
くの 生 産 現 場 に 共 通 して 実 態 に 即 した 表 現 と 思 われる 1 肥 育 前 期 牛 について 供 試 したイネSGS( 品 種 あるいは 系 統 ; べこあおば 奥 羽 316 号 )の 乾 物 率 は77.5 ~ 79.4%であった phは6.4 ~ 6.6 有 機 酸 含 量 は 低 く NH 3 -Nに ついては0.03 ~ 0.04g/FMkgと 極 めて 低 い 含 量 で 発 酵 は 微 弱 であった しかし 発 酵 臭 は 認 められた 肥 育 前 期 牛 へ 給 与 した 飼 料 は 配 合 飼 料 が4.93 ~ 5.11kg イネSGSが 約 1.4kg 稲 わらが1.2 ~ 1.3kg(いずれも 乾 物 量 )であり 若 齢 では 乾 草 を 給 与 した 時 期 もあった 残 飼 量 は0.33 ~ 0.48kgであり 残 飼 の 多 くは 稲 わらで 占 められて いたが 月 齢 が 進 んだ 牛 群 (13 ~ 15カ 月 齢 )では1 頭 当 たりの 配 合 飼 料 等 の 給 与 量 が 多 くなったこともあって 残 飼 には 稲 わらだけではなくイネSGSや 配 合 飼 料 が 含 まれていた 糞 中 に 排 泄 された 未 消 化 籾 は 乾 燥 糞 100g 中 に 平 均 9.2g ( 乾 物 ) 含 まれ 破 砕 処 理 の 比 較 では 弱 区 が 強 区 よりもやや 多 い 傾 向 が 認 めら れた( 有 意 差 なし)( 表 3) 表 3 肥 育 前 期 牛 におけるイネSGSの 給 与 量 採 食 量 及 び 未 消 化 籾 量 区 分 給 与 量 ( 乾 物 kg) 残 飼 量 採 食 量 未 消 化 籾 量 品 種 系 統 破 砕 処 理 配 合 飼 料 イネ SGS イナワラ 乾 草 合 計 ( 乾 物 kg)( 乾 物 kg) べこ あおば 奥 羽 316 号 奥 羽 316 号 弱 区 5.11 1.41 1.19 0.29 8.00 0.40 7.60 10.50 弱 区 4.93 1.38 1.31 0.00 7.62 0.33 7.29 9.44 強 区 5.05 1.36 1.23 0.29 7.93 0.48 7.45 7.57 未 消 化 籾 量 : 乾 物 g/ 乾 燥 糞 100g 乾 燥 籾 について 補 足 的 に 実 施 した 給 与 試 験 において 12 及 び13カ 月 齢 の 肥 育 牛 に 配 合 飼 料 4.7 ~ 4.9kg 乾 燥 籾 1.3kg 稲 わら1.3kg(1 頭 当 たり 乾 物 量 ) を 給 与 した 結 果 給 与 した 飼 料 はほとんど 摂 取 され 残 飼 には 稲 わらがわずか に 認 められたに 過 ぎなかった( 図 表 は 省 略 ) 籾 米 の 破 砕 に 使 用 した 飼 料 用 米 破 砕 機 は 籾 米 や 玄 米 を 簡 易 に 破 砕 でき 破 - 196 -
砕 程 度 を 可 変 できるようになっている ここで 破 砕 程 度 が 弱 とはロー ル 隙 間 0.9 ~ 1.0mmで べこあおば 夢 あおば タカナリ モミロマ ン の4 品 種 における 破 砕 後 の 籾 米 の 形 状 は 粉 状 と 傷 のついた 籾 米 の 合 計 が48 ~ 75% 破 砕 程 度 が 強 とはロール 隙 間 ロール 隙 間 0.3 ~ 0.5mmで 上 記 と 同 様 の4 品 種 における 破 砕 後 の 籾 米 の 形 状 は 粉 状 と 傷 のついた 籾 米 の 合 計 が80 ~ 92%であった べこあおば 及 び 奥 羽 316 号 を 供 試 した 肥 育 前 期 牛 における 給 与 試 験 で は 配 合 飼 料 の20% 代 替 (TDNとして 以 下 同 様 )では 残 飼 量 は 少 なく データ を 図 示 していないが 乾 燥 籾 米 においても 同 様 の 結 果 が 得 られていることから 破 砕 程 度 が 強 と 弱 に 嗜 好 性 には 大 きな 差 異 は 認 められなかった 言 えよ う しかし 乾 燥 糞 100g 中 の 未 消 化 排 泄 籾 は 強 区 でやや 少 ない 傾 向 があったこ とは 消 化 管 におけるイネSGS 消 化 について 破 砕 程 度 がある 程 度 の 影 響 を 示 唆 するものであろう 2 肥 育 中 期 牛 について 供 試 したイネSGSの 乾 物 率 は タカナリ と モミロマン がそれぞれ 69.6 63.3% phは3.98 3.91 乳 酸 は1.15 1.14% NH 3 -N 含 量 は0.49 0.48g/FMkg で 供 試 したイネSGSは 乾 物 率 が 低 かったことから 今 回 の 一 連 の 給 与 試 験 で 供 試 したイネSGSの 中 ではpHが 低 いなど 発 酵 が 最 も 進 んでいた イネSGSの 内 タカナリ ( 破 砕 程 度 は 弱 )の 代 替 率 15 20 及 び25% モ ミロマン ( 破 砕 程 度 は 弱 )の 代 替 率 20%を 比 較 した 結 果 タカナリ 代 替 率 25%で 濃 厚 飼 料 (イネSGS+ 配 合 飼 料 )の 採 食 量 がやや 低 い 傾 向 がみられ 代 替 率 20%での 品 種 比 較 では モミロマン の 方 が 可 消 化 養 分 総 量 (TDN)の 採 食 量 が 多 い 傾 向 がみられた(いずれも 有 意 差 なし) 各 区 ともに 給 与 試 験 開 始 時 点 で 給 与 していた 配 合 飼 料 と 稲 わらの 合 計 TDN 量 と 比 較 して 試 験 中 に 採 食 したTDN 量 は85 ~ 95%となりやや 低 かったことから 採 食 量 を 向 上 させるため には 破 砕 程 度 をさらに 強 くすることや 配 合 飼 料 とイネSGSをよく 混 合 すること などの 対 処 が 必 要 と 思 われた( 表 4) また 糞 中 の 未 消 化 籾 の 多 くは 傷 が 付 いていない 籾 米 であったが 36 ~ 46%は 籾 殻 の 剥 離 を 含 めて 傷 の 付 いた 籾 米 であった なお TDN 採 食 量 の 計 算 に 用 いた 供 試 飼 料 のTDN 含 量 は 日 本 標 準 飼 料 成 分 表 (( 独 ) 農 業 技 術 研 究 機 構 2001)によった - 197 -
表 4 肥 育 中 期 牛 における 採 食 量 の 比 較 処 理 区 分 採 食 量 ( 乾 物 kg) TDN 採 食 量 (kg) 品 種 代 替 率 (% ) 濃 厚 飼 料 稲 わら 合 計 15 7.27 0.60 7.87 6.00 タカナリ 20 7.11 0.56 7.67 5.99 25 6.72 0.62 7.34 5.65 モミロマン 20 7.40 0.72 8.11 6.29 3 肥 育 後 期 牛 について べこあおば 夢 あおば タカナリ 及 び モミロマン の4 品 種 のイ ネSGSについて 破 砕 の 程 度 を 強 及 び 弱 の2 段 階 とし 配 合 飼 料 に 対 するイネ SGSのTDN 代 替 率 30%の 給 与 試 験 を 実 施 した さらに モミロマン 夢 あおば の2 品 種 について 破 砕 の 程 度 を 強 及 び 弱 の2 段 階 で 代 替 率 25%の 給 与 試 験 を 実 施 した なお 供 試 したイネSGSは4 品 種 を 平 均 すると 乾 物 率 は80.6% ph は6.67 乳 酸 は0.08%と 低 含 量 でありNH 3 -N 含 量 は0.02g/FMkgと 極 めて 低 かった 代 替 率 30% 区 4 品 種 の 平 均 採 食 量 は 弱 区 が8.03kg 強 区 が7.97kgであり 破 砕 の 程 度 によって 採 食 量 には 大 きな 差 異 はみられなかった 代 替 率 25% 区 では 2 品 種 の 平 均 で 弱 区 が8.0kg 強 区 が7.95kgであり 代 替 率 30% 区 と 同 様 に 破 砕 処 理 によって 大 きな 差 異 は 認 められなかった TDN 採 食 量 は 代 替 率 30% 区 が6.2kg 25% 区 が6.8kgであり 各 試 験 開 始 時 点 でのTDN 給 与 量 に 対 する 比 率 は 88 ~ 89%であった( 表 5) このことから 代 替 率 が30%あるいは25%におい て 給 与 した 飼 料 の 採 食 量 を 高 めるためには 破 砕 程 度 をさらに 強 くすること 表 5 肥 育 後 期 牛 における 採 食 量 の 比 較 処 理 区 分 採 食 量 ( 乾 物 kg) TDN 採 食 量 (kg) 代 替 率 (% ) 破 砕 強 度 濃 厚 飼 料 稲 わら 合 計 25 弱 7.27 0.73 8.00 6.80 強 7.23 0.72 7.95 6.78 30 弱 7.29 0.74 8.03 6.24 強 7.25 0.72 7.97 6.20 代 替 率 25% 区 の 供 試 品 種 :モミロマン 夢 あおば 供 試 牛 :24カ 月 齢 代 替 率 30% 区 の 供 試 品 種 :モミロマン 夢 あおば べこあおば タカナリ 供 試 牛 :25カ 月 齢 - 198 -
や 配 合 飼 料 とイネSGSをよく 混 合 する あるいは 発 酵 によって 籾 殻 の 膨 軟 化 を 期 待 してイネSGS 調 製 時 に 加 水 処 理 を 実 施 すること 等 が 考 えられる 籾 米 の 粉 砕 に 当 たって 籾 殻 をよく 混 合 することの 重 要 性 を 示 唆 する 文 献 もあることか ら( 内 山 1984) 給 与 に 当 たっては 配 合 飼 料 とイネSGSを 良 く 混 合 することが 必 要 があろう (3) イネSGSの 第 一 胃 内 分 解 率 イネ 系 統 奥 羽 316 号 のイネSGSについて 第 一 胃 内 分 解 率 を 調 査 した 結 果 破 砕 の 程 度 が 弱 および 強 では 易 分 解 性 区 分 が それぞれ2.6%およ び8.4% 難 分 解 性 区 分 がそれぞれ36.5%および44.8% それらを 加 算 した 分 解 性 区 分 はそれぞれ39.1% 53.0%であり( 図 13) 有 効 分 解 率 (ED)はそれ ぞれ19.4%および30.5%であった(データは 畜 産 草 地 研 究 所 宮 地 慎 氏 によ る) 宮 地 は 飼 料 米 の 第 一 胃 内 のデンプンの 有 効 分 解 率 はトウモロコシよりも 高 いことを 明 らかにしている( 宮 地 2010) また 飼 料 用 米 の 乾 物 及 びデンプ ンの 第 一 胃 内 分 解 率 は 処 理 方 法 に 影 響 され2mm 粉 砕 処 理 米 が 高 く 挽 き 割 り 処 理 米 無 処 理 米 の 順 であったと 報 告 している 今 回 の2 段 階 の 破 砕 処 理 におい ても 分 解 速 度 には 差 異 がみられた 破 砕 処 理 は 未 消 化 子 実 排 泄 割 合 の 低 下 によ る 消 化 率 の 改 善 が 期 待 される( 原 悟 志 2010) 一 方 で 分 解 速 度 の 低 下 は 第 一 胃 内 正 常 の 安 定 化 に 寄 与 することが 期 待 される (4) 肥 育 成 績 2009 年 度 及 び2010 年 度 に 市 場 へ 出 荷 した 肥 育 牛 について 肥 育 前 期 ~ 後 期 の いずれかの 段 階 ( 一 部 は 重 複 して 供 試 )でイネSGSを 給 与 した17 頭 ( 去 勢 6 頭 雌 11 頭 ) 及 びイネSGSを 給 与 しなかった いわば 概 ね 実 験 農 場 の 慣 行 法 で 肥 育 した27 頭 ( 去 勢 14 頭 雌 13 頭 )について 肥 育 成 績 を 表 6に 枝 肉 評 価 を 表 7に それぞれ 性 別 ごとに 表 示 した イネSGSを 給 与 した 肥 育 牛 の 月 齢 は 平 均 30.0カ 月 齢 出 荷 時 の 生 体 重 及 び 生 時 ~ 出 荷 時 までの 日 増 体 量 (DG)は 去 勢 牛 とメス がそれぞれ722 697kg 及 び0.76 0.74 枝 肉 重 量 はそれぞれ467 450kgであっ た( 表 6) 牛 肉 脂 肪 交 雑 基 準 (BMS)はそれぞれ6.8 6.4であった 肉 色 を 示 す 牛 肉 色 基 準 (BCS)や 脂 肪 色 を 示 す 牛 脂 肪 色 基 準 (BFS)には 特 段 の 問 題 は なかった これらの 成 績 は 2009 年 度 及 び2010 年 度 に 出 荷 したイネSGSを 給 与 - 199 -
していない 肥 育 牛 27 頭 と 比 較 して 大 きな 差 異 はみられなかった 今 回 一 連 の 給 与 試 験 に 供 した 肥 育 牛 の 肥 育 成 績 については 供 試 牛 の 系 統 が 異 なっていること 給 与 したSGSが 異 なっていること 給 与 した 肥 育 の 時 期 が 異 なっていること さらに 給 与 期 間 の 日 数 や 給 与 飼 料 の 代 替 率 も 異 なってい ることを 考 慮 する 必 要 があるものの それらの 肥 育 成 績 が 同 年 度 に 肥 育 し 出 荷 した 概 ね 当 農 場 の 慣 行 法 で 飼 養 した 肥 育 牛 の 肥 育 成 績 と 大 きな 差 異 は 認 められ 区 分 性 別 表 6 イネのSGS 給 与 肥 育 牛 の 肥 育 成 績 頭 数 ( 頭 ) 出 荷 月 齢 ( 月 ) 出 荷 体 重 (kg) DG (kg/ 日 ) 枝 肉 重 (kg) イネGSG 去 勢 6 30.2 722 0.76 467 給 与 メス 11 29.8 697 0.74 450 平 均 30.0 706 0.74 456 イネGSG 去 勢 14 29.7 762 0.81 485 無 給 与 メス 13 30.2 719 0.75 456 平 均 29.9 741 0.78 471 黒 毛 和 種 去 勢 - - - 468 枝 肉 情 報 メス - - - 409 イネSGS 給 与 区 : 肥 育 期 間 中 にイネSGSを 給 与 した 肥 育 牛 の 成 績 無 給 与 区 :2009 年 度 出 荷 牛 の 内 イネSGSを 給 与 しなかった 肥 育 牛 の 成 績 黒 毛 和 種 枝 肉 情 報 : ( 独 ) 家 畜 改 良 センター ( 社 ) 全 国 肉 用 牛 振 興 基 金 協 会 資 料 による 表 5も 同 様 DGは 生 時 ~ 出 荷 時 の 全 期 間 の 値 (( 出 荷 時 体 重 - 生 時 体 重 )/ 出 荷 日 齢 ) - 200 -
なかったことが 示 された また ( 独 ) 家 畜 改 良 センターと( 社 ) 全 国 肉 用 牛 振 興 基 金 協 会 が 発 表 した18 万 頭 を 超 える 和 牛 (( 社 ) 日 本 食 肉 格 付 協 会 により 格 付 された 和 牛 の43.8%を 占 める)の 枝 肉 成 績 の 取 りまとめと 比 較 してもその 成 績 は 遜 色 がないものであり BMS 値 の 平 均 値 は 去 勢 メスともにそれらを1ポイ ント 以 上 上 回 っていたことは 特 記 すべきことと 思 われる 表 7 イネGSG 給 与 肥 育 牛 の 枝 肉 評 価 処 理 区 性 別 ロース 芯 面 積 (cm) バラ 厚 (cm) 皮 下 脂 肪 厚 (cm) 歩 留 基 準 値 BMS BCS しまり きめ イネGSG 去 勢 57.7 8.1 3.3 73.5 6.8 3.8 4.0 4.3 給 与 雌 55.5 7.5 3.4 72.9 6.4 3.9 3.9 3.9 平 均 56.2 7.7 3.4 73.1 6.5 3.9 3.9 4.1 イネGSG 去 勢 56.2 7.8 2.3 73.8 5.9 3.9 3.9 3.9 無 給 与 雌 56.0 8.2 2.6 74.1 6.8 3.8 4.2 4.4 平 均 56.1 8.0 2.5 74.0 6.3 3.8 4.0 4.1 黒 毛 和 種 去 勢 55.1 7.7 2.4 73.7 5.7 3.8 3.8 4.0 枝 肉 情 報 雌 53.0 7.3 2.8 73.5 5.2 4.1 3.5 3.7 5 謝 辞 供 試 した 飼 料 用 米 は 中 央 農 業 総 合 研 究 センター 谷 和 原 水 田 圃 場 で 生 産 された ものである 飼 料 用 米 の 栽 培 試 験 を 行 い 生 産 した 飼 料 米 を 提 供 して 頂 いた 石 川 哲 也 主 任 研 究 員 に 謝 意 を 表 する また SGSの 発 酵 品 質 に 関 するデータを 提 供 していただいた 畜 産 草 地 研 究 所 蔡 義 民 上 席 研 究 員 ( 現 国 際 農 林 水 産 業 研 究 セ ンター)に 謝 意 を 表 する 本 稿 におけるデータは 農 林 水 産 省 委 託 研 究 粗 飼 料 多 給 による 日 本 型 家 畜 飼 養 技 術 の 開 発 の5 系 飼 料 米 品 種 の 選 定 と 省 力 多 収 生 産 技 術 の 開 発 におい て 得 られたものである - 201 -
引 用 文 献 吉 田 宣 夫 (2010). 飼 料 用 米 の 研 究 と 普 及 の 状 況 について 日 本 畜 産 学 会 報 81(4),489-493 中 村 弥 阿 部 正 彦 小 林 寛 (2005). 乳 用 牛 へのイネソフトグレインサイレージの 給 与 技 術. 福 島 県 畜 産 試 験 場 研 究 報 告. 13,23-26. 農 研 機 構 (2009). 飼 料 用 米 の 生 産 と 給 与 技 術 マニュアル. 重 田 一 人 青 木 仁 弥 平 林 哲 松 尾 守 展 喜 田 環 樹 (2009). 飼 料 用 米 破 砕 装 置 の 開 発. 農 業 機 械 学 会 誌. 71(6),129-131. 重 田 一 人 喜 田 環 樹 松 尾 守 展 (2008). 飼 料 イネ 籾 の 消 化 性 を 向 上 させる 効 率 的 調 製 技 術. 農 業 機 械 学 会 誌. 70(2),136-142. 矢 内 清 恭 (2005). イネソフトグレインサイレージの 収 穫 調 製 技 術. 福 島 県 畜 産 試 験 場 研 究 報 告. 13,27-31. 重 田 一 人 喜 田 環 樹 松 尾 守 展 小 川 増 弘 (2009). 家 畜 が 籾 米 や 玄 米 を 消 化 しやすくす るための 飼 料 用 米 破 砕 機. 研 究 成 果 情 報, 共 通 基 盤 作 業 技 術 等, 技 術 普 及. 上 垣 隆 一 重 田 一 人 小 川 増 弘 小 林 寿 美 遠 野 雅 徳 蔡 義 民 (2010). 飼 料 用 米 の 調 製 貯 蔵 時 の 処 理 がソフトグレインサイレージの 発 酵 品 質 に 及 ぼす 要 因 の 解 析. 日 本 畜 産 学 会 報.81(3):353-362. ( 独 ) 農 業 技 術 研 究 機 構 (2001). 日 本 標 準 飼 料 成 分 表 (2001 年 版 ). 68-71. 内 山 正 二 川 畑 孟 田 崎 道 弘 立 山 昌 一 湯 ノ 口 幸 一 (1984)もみ 米 の 飼 料 化 に 関 する 研 究 Ⅰ 黒 毛 和 種 去 勢 牛 肥 育 における 圧 片 もみ 米 の 飼 料 価 値 について. 鹿 児 島 県 畜 産 試 験 場 研 究 報 告.16 1-13. 宮 地 慎 野 中 和 久 松 山 裕 城 細 田 謙 次 小 林 良 次 (2010). 品 種 および 加 工 法 の 異 なる 飼 料 米 の 第 一 胃 内 分 解 特 性 日 本 畜 産 学 会 誌.56(1) 13-19 原 悟 志 (2010).サイレージ 調 製 時 の 破 砕 およびアルカリ 処 理 がウシにおけるモミ 米 ソフト グレインサイレージの 消 化 性 に 及 ぼす 効 果 日 本 畜 産 会 報.81 (2) 153-159. ( 独 ) 家 畜 改 良 センター ( 社 ) 全 国 肉 用 牛 振 興 基 金 協 会 (2009) 枝 肉 成 績 取 りまとめ( 平 成 20 年 度 ).7. 用 語 の 解 説 ダブルロールミール 方 式 互 いに 逆 方 向 に 回 転 する2ロール 間 を 通 過 する 材 料 を 圧 砕 する 方 式 ロール 表 面 は 平 らなものだけでなくさまざまな 形 状 のものがあり 2ロールの 外 径 や 回 転 数 も 同 一 とは 限 らない せん 断 力 物 体 内 部 のある 面 の 平 行 方 向 にすべらせるように 作 用 する 力 のこと せん 断 力 の 作 用 - 202 -
している 物 体 には 平 行 四 辺 形 状 に 変 形 し せん 断 ひずみが 生 じる 第 一 胃 内 分 解 率 試 料 をナイロンバッグに 入 れ カニューレから 第 一 胃 内 に 挿 入 して 培 養 後 の 乾 物 など の 消 失 割 合 から 分 解 率 を 測 定 する 分 解 率 は 即 時 分 解 性 画 分 や 遅 分 解 性 画 分 とその 分 解 速 度 を 指 数 関 数 式 に 当 てはめて 求 められる - 203 -
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