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第 五 章 ロシアの 対 アジア 政 策 : 中 国 北 朝 鮮 インド 日 本 伊 藤 庄 一 はじめに 2000 年 7 月 V. プーチン 大 統 領 は 国 家 元 首 就 任 後 最 初 の 連 邦 議 会 への 大 統 領 年 次 教 書 の 中 で ロシアの 対 外 政 策 の 基 礎 がプラグマティズムと 経 済 的 効 率 性 に 置 かれることを 訴 えた (1 ) 同 月 公 表 された 新 しい ロシア 連 邦 の 対 外 政 策 概 念 文 書 は 同 国 にとりアジアにおいて 最 も 重 要 な 国 々の 筆 頭 に 中 国 とインドを 指 摘 し 日 本 についてはその 後 に 触 れている 朝 鮮 半 島 につい ては 関 係 諸 国 の 地 政 学 的 野 心 が 高 まりつつあるとされ ロシアも 同 半 島 問 題 の 解 決 に 向 けた 対 等 な 参 加 の 確 保 を 図 る 旨 謳 われた (2 ) またプーチン 大 統 領 は 政 権 第 一 期 目 の 最 終 年 である 2003 年 5 月 の 年 次 教 書 の 中 で ロシアは 経 済 的 に 発 達 した 諸 国 に 囲 まれている 一 方 同 国 は 有 望 な 世 界 市 場 から 駆 逐 されつつあり それらの 国 々の 地 政 学 的 野 心 は 経 済 的 優 位 性 に 基 づくも のだとの 警 鐘 を 鳴 らした (3 ) 今 日 ロシアは 国 益 の 再 定 義 再 構 築 を 目 指 しアジア 太 平 洋 地 域 においても 政 治 経 済 的 プレ ゼンスの 拡 大 を 図 ろうとしているが 果 たして 上 記 の 国 々との 間 でどの 様 な 関 係 を 構 築 しつつある のであろうか 1. 対 中 国 外 交 (1) 政 治 関 係 2003 年 5 月 下 旬 胡 錦 涛 国 家 主 席 が 国 家 元 首 就 任 後 初 の 外 遊 先 としてロシアを 選 んだことか らも 象 徴 されるように 最 近 の 露 中 関 係 の 発 展 は 著 しい 同 首 脳 会 談 では 両 国 間 の 経 済 関 係 が かつてないほどの 早 さで 発 展 していることや 今 日 重 要 な 国 際 問 題 に 関 する 両 国 の 立 場 がほぼ 一 致 しており 政 治 的 協 力 関 係 が 高 い 水 準 に 達 していることなどが 確 認 された (4 ) 前 年 末 プーチン 大 統 領 は 訪 中 した 際 両 国 関 係 が 2001 年 7 月 に 締 結 された 露 中 善 隣 友 好 協 力 条 約 の 精 神 に 完 全 に 答 える 形 で 発 展 しており 質 的 に 新 しい 段 階 に 入 っている 旨 表 明 し たその 際 ロシアと 中 国 は 多 極 化 世 界 の 形 成 や 国 連 による 役 割 強 化 の 重 要 性 を 指 摘 し 両 国 の 友 好 関 係 強 化 が 第 三 国 に 対 抗 するものではないことを 明 確 にしながら 国 際 テロリズムなどの グローバル レベルおよび 地 域 レベルでの 問 題 について 積 極 的 な 役 割 を 協 力 して 担 うことを 改 め て 確 認 したまた 両 国 は イラク 問 題 に 関 して 国 連 の 枠 組 みの 中 で 政 治 的 外 交 的 解 決 を 求 め 続 けることやアジア 太 平 洋 地 域 における 安 全 保 障 と 多 国 間 協 力 関 係 の 樹 立 を 共 に 目 指 し 朝 鮮 半 島 の 非 核 化 を 維 持 することについて 合 意 した (5 ) 49

イラク 問 題 と 北 朝 鮮 問 題 に 関 するこれらの 基 本 姿 勢 は 2003 年 2 月 I. イワノフ 外 相 の 北 京 訪 問 時 に 各 々 個 別 に 両 国 外 相 の 共 同 コミュニケ の 形 で 発 表 されている (6 ) さらにロシアと 中 国 は 上 海 協 力 機 構 (SCO)の 実 務 的 制 度 的 強 化 を 積 極 的 に 促 進 しており 中 央 アジア 地 域 にお けるテロリズムや 分 離 主 義 過 激 主 義 の 防 止 や 信 頼 醸 成 措 置 の 構 築 に 共 同 で 取 り 組 んでいる (7 ) しかしながら 中 央 アジアについては 9.11 事 件 後 米 軍 によるタリバン 掃 討 作 戦 が 一 段 落 した 後 も 同 軍 の 駐 留 が 長 期 化 するなか 露 中 両 国 は 中 央 アジア 諸 国 と 個 別 の 二 国 間 軍 事 協 力 関 係 を 強 化 しつつあるつまり 同 地 域 の 軍 事 的 安 全 保 障 は 露 中 が 中 心 となり 上 海 ファイブ の 枠 組 み を 通 じて 維 持 するという 1990 年 代 半 ば 以 降 の 露 中 間 における 不 文 律 の 合 意 事 項 は 事 実 上 形 骸 化 している 同 地 域 内 の 経 済 権 益 をめぐる 二 国 間 協 力 がどこまで 進 むのかについても 未 知 数 である 北 朝 鮮 問 題 については 次 節 で 論 じるが 露 中 間 の 協 力 関 係 は 朝 鮮 半 島 危 機 の 解 決 に 向 けて 直 接 的 な 糸 口 を 創 り 出 すものではなく むしろこれら 二 国 による 将 来 を 見 据 えた 地 政 学 的 駆 け 引 き が 既 に 強 まりつつある (8 ) (2) 経 済 関 係 ここ 数 年 来 露 中 貿 易 量 は 着 実 に 増 加 し 続 けている 二 国 間 の 総 貿 易 高 は 1999 年 の 段 階 で 57 億 ドルでしかなかったが 2000 年 80 億 ドル( 前 年 比 140%) 2001 年 107 億 ドル( 同 134%) 2002 年 120 億 ドル( 同 112%) 2003 年 には 158 億 ドル( 同 132%)と 4 年 連 続 史 上 最 高 を 記 録 した (9 ) 2003 年 5 月 の 露 中 首 脳 会 談 では 二 国 間 関 係 の 物 理 的 基 盤 となる 貿 易 経 済 関 係 の 強 化 が 中 心 議 題 の 一 つとなったが 両 国 間 貿 易 高 の 200 億 ドル 達 成 を 目 指 すことで 合 意 に 達 し プーチン 大 統 領 は それが 4~5 年 以 内 に 可 能 であるとの 見 方 を 示 した (10 ロシアと 中 国 の 経 済 関 係 に 関 してもう 一 つ 注 目 すべき 点 は 両 国 の 国 境 間 地 域 間 における 協 力 関 係 の 深 化 である2003 年 1 月 に 開 かれた 国 家 評 議 会 では 国 境 地 帯 の 連 邦 構 成 主 体 によ る 対 外 経 済 貿 易 を 活 発 化 させることが 討 議 されたが 中 国 についても 例 外 ではなく 同 国 がアジ ア 太 平 洋 地 域 の 経 済 発 展 にとり 長 期 的 な 原 動 力 となるとの 認 識 のもとに 地 域 レベルで 関 係 を 強 化 することが 確 認 された (11 11) 同 年 9 月 第 8 回 露 中 定 期 首 相 会 談 の 際 に 発 表 された 共 同 コミュニケでは ロシアによる 中 国 西 部 開 発 計 画 への 参 入 と 中 国 によるロシア 極 東 シベリア 地 域 への 経 済 的 参 入 共 同 開 発 をお 互 いに 歓 迎 することが 盛 り 込 まれたが ここには 露 中 経 済 関 係 における 新 傾 向 を 表 す 重 大 要 素 が 含 まれている (12 12) 前 年 8 月 に 開 催 された 第 7 回 露 中 定 期 首 相 会 談 共 同 コミュニケに 記 されたよ うに 従 来 は 中 国 西 部 地 域 の 西 気 東 輸 プロジェクト ロシア 極 東 シベリアの 石 油 や 天 然 ガスとい う 形 で これら 各 々の 未 開 発 後 進 地 域 に 対 する 相 手 国 の 参 入 については エネルギー 案 10) 50

件 という 枠 組 み が 付 されていたつまり 2003 年 以 降 その 枠 組 み が 外 され 公 式 文 書 の 中 では エネルギー 分 野 における 協 力 関 係 の 発 展 を 別 途 明 記 する 一 方 で これら 二 つの 地 域 をめ... ぐる 全 般 的 な共 同 開 発 が 謳 われることになったのである (3) 対 中 外 交 上 のジレンマ: エネルギー 協 力 関 係 移 民 問 題 (a) 露 中 エネルギー 関 係 ロシアにとり 天 然 資 源 は 最 重 要 の 外 貨 獲 得 源 であるプーチン 大 統 領 は 2003 年 5 月 の 年 次 教 書 演 説 の 中 で 今 後 10 年 間 に 国 内 総 生 産 (GDP)を 倍 増 させることを 国 家 目 標 として 掲 げたが 同 政 権 下 における 堅 調 な 経 済 プラス 成 長 の 理 由 は 石 油 や 天 然 ガスの 増 産 および 輸 出 量 の 拡 大 によるところが 大 きい 他 方 中 国 は 2002 年 11 月 の 第 16 回 共 産 党 大 会 時 に 発 表 した 経 済 発 展 加 速 化 戦 略 において 2020 年 までに GDP を 4 倍 増 ( 対 2000 年 比 )にすることを 謳 っており その 為 に 必 要 なエネルギー 源 の 確 保 が 焦 眉 の 課 題 となっている2001 年 3 月 に 発 表 された 第 10 次 5 ヵ 年 計 画 には 国 家 石 油 備 蓄 制 度 の 創 設 を 早 期 に 実 現 する 必 要 性 が 盛 り 込 まれたつ まり 少 なくとも 額 面 上 露 中 間 にはエネルギー 協 力 上 の 相 互 補 完 関 係 が 成 立 し 得 るところが 両 国 間 のエネルギー 協 力 関 係 は 石 油 や 天 然 ガスのパイプライン ルート 選 択 の 過 程 が 物 語 るよ うに 一 筋 縄 にはいかない 本 項 では 紙 幅 の 関 係 上 石 油 パイプライン 敷 設 問 題 のみに 限 って 論 じる (13 13) 2000 年 3 月 露 中 政 府 間 エネルギー 小 委 員 会 が 北 京 で 開 催 された 際 両 国 はイルクーツク 州 アンガルスクから 中 国 黒 龍 江 省 の 大 慶 に 向 けた 石 油 パイプラインの 敷 設 を 計 画 することで 原 則 合 意 し 2001 年 9 月 の 第 6 回 露 中 首 相 定 期 会 談 では 両 国 間 に 敷 設 する 石 油 パイプラインの F/S 開 始 についての 協 定 が 結 ばれたそして 翌 年 8 月 の 第 7 回 定 期 会 談 の 時 には F/S の 実 施 やパ イプラインの 敷 設 を 急 ぐことが 共 同 コミュニケの 中 で 謳 われていた ところが アンガルスクと 大 慶 間 の 石 油 パイプライン( 所 謂 大 慶 ルート( 中 国 ルート) ) 敷 設 プロ ジェクトは 順 調 に 進 まなかった2003 年 1 月 に 小 泉 首 相 がロシアを 訪 問 した 際 ロシア 極 東 シ ベリア 地 域 のエネルギー 輸 送 プロジェクトの 実 現 に 向 けて 日 露 が 協 力 することで 公 的 な 合 意 がな されたことにより 2002 年 春 頃 からロシアのパイプライン 独 占 国 営 企 業 トランスネフチ 社 が 中 心 となって 次 第 に 唱 え 始 められていた 中 国 を 迂 回 する 形 でアンガルスクと 沿 海 地 方 のナホトカを 結 ぶ 所 謂 ナホトカ ルート( 太 平 洋 ルート) の 現 実 性 が 高 まることになったそれは 中 国 にとり 競 合 プロジェクト の 登 場 を 意 味 した ロシアが 一 時 期 は 決 定 しかけていた 大 慶 ルート の 早 期 着 工 に 固 執 せず ナホトカ ルート を 選 択 肢 として 持 ち 出 した 背 景 には 経 済 的 観 点 から 短 期 的 な 利 益 と 中 長 期 的 な 利 益 を 天 秤 に 51

かけ 始 めたことがあった 但 し 後 者 には 地 政 学 的 戦 略 も 色 濃 く 反 映 されているつまり ナホト カ ルート の 方 が 大 慶 ルート よりも 距 離 が 長 く 建 設 費 用 も 倍 以 上 かかると 試 算 されているが 太 平 洋 岸 までパイプラインを 敷 くことにより 石 油 の 輸 出 先 を 日 本 韓 国 米 国 その 他 に 多 角 化 す ることが 可 能 であるそれに 対 し 大 慶 ルート の 場 合 販 路 が 中 国 のみに 限 定 されてしまう 以 上 ロシアにとり 価 格 交 渉 面 で 不 利 なばかりか 中 国 への 大 量 輸 出 が 一 定 期 間 確 保 されたとしても もし 万 一 露 中 関 係 が 悪 化 した 場 合 に 輸 出 先 を 一 国 に 特 化 しておくことの 大 きなリスクを 背 負 うこと になる 二 つだけの しかも 地 理 的 に 隣 接 し 合 う 国 家 間 において エネルギー 資 源 の 需 要 過 多 もしくは 供 給 過 多 の 構 造 を 作 り 上 げることの 潜 在 的 リスクは 大 きいその 意 味 では 中 国 側 にも エネルギーの 需 給 関 係 をめぐりロシアが 中 国 を 警 戒 する 裏 返 しとしての 論 理 が 成 り 立 ち 大 慶 ルート が 幾 つかある 石 油 輸 入 ルートの 一 つでしかないことも 事 実 であるしかしながら 平 時 にお いて 地 理 的 近 接 性 がもたらすコストの 低 さや 安 定 供 給 は 魅 力 的 である ナホトカ ルート の 浮 上 は ロシア 側 に 根 強 い 対 中 不 信 感 の 一 端 を 表 した 反 面 中 国 側 の 対 露 不 信 感 を 煽 ったが その 理 由 は 三 点 指 摘 できよう 第 1 に 既 に 見 たように 一 旦 は 大 慶 ルート がほぼ 決 定 しかけていたこと 第 2 に 大 慶 ルート は 以 前 同 案 に 代 わる 選 択 肢 として 存 在 したモンゴル 経 由 で 中 国 に 至 るルート 案 をやっと 排 除 する 形 で 決 まりかけていたこと 露 中 間 に 石 油 パイプラインを 敷 設 する 計 画 が 具 現 化 し 始 めた 当 初 ロシア 側 にはモンゴルを 中 露 間 にお ける 緩 衝 地 帯 とすることで 中 国 を 牽 制 する 一 種 の 潜 在 的 手 段 を 残 そうとしたと 言 われるが 北 京 は 当 然 これを 嫌 った 第 3 は 間 接 的 理 由 であるが ロシア 国 内 には 自 国 のエネルギー 産 業 への 中 国 の 接 近 を 警 戒 する 風 潮 が 高 まり 始 めていることである 2004 年 初 頭 の 時 点 で ナホトカ ルート と 大 慶 ルート のどちらで 優 先 着 工 を 開 始 するのか について ロシア 連 邦 政 府 の 公 式 的 立 場 は 未 発 表 のままである2003 年 3 月 同 政 府 は ナホト カ ルートでの 幹 線 パイプラインと 大 慶 に 向 けた 支 線 パイプラインを 併 設 する 決 定 を 行 っているが 現 段 階 で ナホトカ ルート と 大 慶 ルート を 同 時 に 満 たすだけの 石 油 量 がアンガルスク 製 油 所 では 確 保 されていない 同 年 5 月 の 両 国 首 脳 会 談 の 際 プーチン 大 統 領 は いずれにしてもロ シアの 対 中 石 油 輸 出 量 を 増 加 させることを 明 言 しているが これは 例 え 後 日 ナホトカ ルート の 優 先 着 工 が 決 まった 場 合 でもこれまでの 中 国 との 取 り 決 めを 完 全 には 反 古 に 出 来 ないロシア 側 の 立 場 を 端 的 に 表 している 同 年 9 月 のカシヤノフ 首 相 訪 中 時 にもパイプラインの 優 先 着 工 ルー トの 決 定 については 延 期 することが 中 国 側 に 伝 えられた 日 本 と 中 国 を 競 わせ 全 体 として 対 露 外 国 投 資 総 額 のパイを 拡 大 したいというロシア 側 の 漁 夫 の 利 戦 略 がパイプライン 敷 設 ルートを めぐる 一 連 の 動 きから 窺 えようが 対 日 エネルギー 協 力 関 係 同 様 露 中 間 のエネルギー 協 力 は 必 ずしも 直 線 的 に 進 展 しているわけではない 52

(b) 移 民 問 題 現 在 増 加 傾 向 にある 中 国 人 移 民 の 問 題 をめぐり ロシアは 中 国 人 労 働 力 の 必 要 性 と 根 強 い 対 中 脅 威 論 の 源 泉 という 深 刻 なジレンマに 直 面 している (14 14) しかしながら 今 日 の 中 国 人 移 民 問 題 は 1990 年 代 とは 特 徴 が 異 なり 始 めているかつて 中 国 人 移 民 問 題 と 言 えば 旧 ソ 連 崩 壊 後 の 混 乱 が 続 き 国 内 法 整 備 もままならない 中 で 波 が 押 し 寄 せるように 増 加 した 不 法 移 民 の 急 増 のことであった 当 時 不 法 移 民 問 題 は 露 中 間 で 国 境 画 定 交 渉 が 続 けられていた 領 土 問 題 と 密 接 にリンクされ 極 東 の 連 邦 構 成 主 体 特 に 沿 海 地 方 やハバロフスク 地 方 の 行 政 府 サイドか らは 声 高 に 静 かな 侵 略 が 叫 ばれた (15 15) 現 在 の 中 国 人 移 民 問 題 には 2 つのジレンマとさら に 2 つの 新 しい 傾 向 が 含 まれている 第 1 に ロシアが 中 国 から 感 じる 人 口 圧 力 は 不 法 移 民 によるものだけではなく 逆 説 的 なこと であるが 合 法 移 民 の 増 加 によっても 煽 られていることである (16 16) そもそも 従 来 からの 不 法 移 民 問 題 については その 数 が 20~30 万 人 説 から 数 百 万 人 説 に 至 るまで 諸 説 入 り 乱 れており ロシ ア 国 内 の 当 局 者 たちも 実 態 を 把 握 できていない 他 方 でロシアは 極 東 やシベリアにおける 深 刻 な 労 働 力 不 足 を 補 う 為 に 積 極 的 な 外 国 人 誘 致 政 策 を 施 さざるを 得 ないが その 大 部 分 を 中 国 人 が 占 めている 第 2 に 中 国 経 済 の 対 ロシア 極 東 進 出 は ロシア 側 にとり 基 本 的 に 歓 迎 すべきものであり 実 際 に 極 東 ザバイカル 地 域 では 中 国 経 済 のプレゼンスが 急 速 に 拡 大 しつつあるが 他 方 でそれが 同 時 に 経 済 的 に 立 ち 遅 れた 同 地 域 が 中 国 の 経 済 と 人 口 によって 呑 み 込 まれかねない というモ スクワの 潜 在 的 な 警 戒 心 を 高 めさせるというジレンマに 結 びついていることだその 意 味 では ロ シアにおける 対 中 脅 威 論 の 理 由 の 一 端 は 外 的 要 素 よりも 内 的 要 素 に 起 因 しているとも 言 えよ う (17 17) 以 上 二 つのジレンマに 加 え 次 のような 新 しい 傾 向 が 出 てきている 一 つ 目 は ここ 数 年 間 ロ シア 国 内 の 中 国 人 による コミュニティー 形 成 の 輪 郭 が 次 第 にはっきりと 見 え 始 めていることであ るその 兆 候 を 表 す 具 体 例 の 一 つとして 同 郷 新 聞 の 普 及 傾 向 が 挙 げられよう (18 18) もう 一 つは ロ シア 国 内 における 中 国 人 移 民 分 布 の 地 理 的 拡 大 傾 向 が 見 られることであるひと 度 ロシア 極 東 に 不 法 越 境 した 後 の 中 国 人 移 民 が より 豊 かなシベリアのイルクーツク 州 やクラスノヤルスク そして さらにウラル 山 脈 を 越 えてモスクワ 方 面 に 向 かう 傾 向 が 強 まっているとの 説 もある 2. 対 北 朝 鮮 政 策 (19 (1) 北 朝 鮮 の 核 開 発 問 題 の 再 浮 上 と 露 朝 関 係 19) 2001 年 夏 金 正 日 総 書 記 は 約 3 週 間 にわたりロシアを 鉄 道 で 訪 問 し 世 界 を 驚 かせた 翌 年 夏 53

にも 同 総 書 記 自 らがウラジオストクとハバロフスクを 訪 問 しただけでなく 朝 鮮 半 島 縦 断 鉄 道 とシ ベリア 鉄 道 の 連 結 構 想 を 含 む 一 連 の 二 国 間 経 済 プロジェクトの 盛 り 上 がりは 露 朝 関 係 の 急 速 な 発 展 を 窺 わせたところが 2003 年 を 通 じて 北 東 アジア 地 域 に 緊 張 をもたらせ 続 けた 北 朝 鮮 によ る 核 開 発 問 題 の 解 決 に 向 けて ロシアは 当 該 関 係 諸 国 間 で 仲 介 者 としての 役 割 を 果 たす 意 向 を 示 しつつも 必 ずしも 効 果 的 な 影 響 力 を 発 揮 し 得 なかったその 主 導 的 役 割 ( 成 否 に 関 しては 別 問 題 )については むしろ 朝 鮮 半 島 をめぐり 地 政 学 上 は 潜 在 的 に 最 大 の 競 争 相 手 である 中 国 の 方 が 世 界 の 脚 光 を 浴 びることになった 果 たして ロシアの 対 北 朝 鮮 政 策 は 平 壌 の 核 開 発 計 画 をめぐる 頑 なな 態 度 によって 揺 るがさ れていると 理 解 すべきなのであろうかそれともモスクワと 平 壌 の 関 係 は 後 者 を 取 り 巻 く 国 際 関 係 の 緊 張 の 高 まりとはおよそ 別 次 元 で 静 かに 深 化 を 遂 げつつあるのだろうか 2002 年 10 月 の J. ケリー 米 国 務 次 官 補 訪 朝 時 に 北 朝 鮮 による 核 開 発 計 画 が 発 覚 したことによ り 朝 鮮 半 島 エネルギー 開 発 機 構 (KEDO)は 同 年 12 月 から 北 朝 鮮 への 重 油 提 供 を 中 止 した これに 対 して 北 朝 鮮 が 同 年 末 に 国 際 原 子 力 機 構 (IAEA) 査 察 官 を 国 外 追 放 し 翌 1 月 には 核 不 拡 散 条 約 (NPT)からの 脱 退 を 表 明 したことにより 北 朝 鮮 をめぐる 国 際 的 緊 張 は 改 めて 本 格 化 した2003 年 3 月 のイラク 戦 争 勃 発 は 同 じく 米 国 から 悪 の 枢 軸 国 の 一 つとして 名 指 しされ ている 北 朝 鮮 に 対 して 心 理 的 圧 力 を 加 えることになったが 平 壌 の 強 硬 姿 勢 を 即 座 に 軟 化 させる ことはなかった 2003 年 1 月 中 旬 ロシアのロシュコフ 外 務 次 官 はプーチン 大 統 領 の 特 使 として 平 壌 を 訪 問 し た 北 朝 鮮 の 核 開 発 計 画 が 今 回 明 るみに 出 て 以 来 金 正 日 総 書 記 にとり 初 めての 外 国 高 官 との 会 談 は 6 時 間 以 上 に 及 んだが ロシア 側 からは 1)1994 年 枠 組 み 合 意 を 含 む 国 際 的 合 意 に 全 ての 関 係 国 が 厳 格 に 従 い 朝 鮮 半 島 の 非 核 化 を 維 持 すること 2) 関 係 諸 国 は 二 国 間 および 多 国 間 で 建 設 的 な 協 議 を 行 い その 成 果 の 一 つとして 北 朝 鮮 の 安 全 保 障 を 保 証 すること 3)かつ て 朝 鮮 半 島 で 行 われていた 人 道 経 済 プログラムを 再 開 すること の 三 点 から 成 る 包 括 的 解 決 策 の 提 案 がなされたしかしロシュコフ 外 務 次 官 が 明 言 したところでは ロシアはこの 会 談 におい て 何 かしらの 仲 介 者 としての 役 割 を 果 たそうとしたのではなく (20 20) 米 朝 間 交 渉 のプロセスを 促 すために 最 初 の 検 討 材 料 として 同 提 案 を 行 ったに 過 ぎない (21 IAEA や 核 の 脅 威 のみならず 拉 致 問 題 の 解 決 を 目 指 す 日 本 からは ロシアが 今 回 の 危 機 解 決 において 積 極 的 なイニシャティブを 発 揮 することが 求 められたが (22 22) モスクワは 同 危 機 に 関 し て 北 東 アジアにおける 自 国 のプレゼンスを 強 化 する 上 での 好 機 であるとは 必 ずしも 見 なさなかっ たロシアは 朝 鮮 半 島 の 非 核 化 安 定 化 および 危 機 の 政 治 的 平 和 的 解 決 を 目 指 すという 原 則 を 強 調 する 一 方 で 安 全 保 障 をめぐる 北 朝 鮮 の 懸 念 に 一 定 の 理 解 を 示 し 同 国 に 対 して 過 度 な 圧 21) 54

力 をかけることを 避 けようとした (23 23) 米 国 が 主 張 する 北 朝 鮮 問 題 の 国 連 安 全 保 障 理 事 会 への 付 託 に 関 しても ロシアは 時 期 尚 早 であるとして 中 国 と 足 並 みを 揃 えた (24 24) 他 方 モスクワは 多 国 間 協 議 の 必 要 性 を 認 めつつも 米 国 と 北 朝 鮮 の 二 国 間 における 話 し 合 いが 最 重 要 であり 他 国 の 役 割 は 米 朝 対 話 を 促 すことであ る 旨 主 張 した (25 25) モスクワは 米 国 や 中 国 との 意 見 調 整 を 頻 繁 に 行 う 一 方 で 敢 えて 進 んで 火 中 の 栗 を 拾 おうするよりも 当 初 どちらかと 言 えば 北 京 よりも 一 歩 引 いた 形 で 米 朝 間 の 仲 介 に 臨 んでいたと 言 えようしかしながら 北 朝 鮮 の 核 問 題 をめぐり 首 を 突 っ 込 みすぎる ことを 避 け つつも 一 定 の 発 言 力 を 維 持 することがモスクワの 将 来 的 な 朝 鮮 半 島 政 策 上 欠 かせない4 月 には 米 中 朝 による 三 者 協 議 が 北 京 で 開 催 されたが ロシアは 参 加 用 意 の 意 思 表 明 をしていたに もかかわらず (26 26) 結 局 蚊 帳 の 外 に 置 かれた 米 中 主 導 での 北 朝 鮮 問 題 解 決 の 方 向 性 が 強 く なり 過 ぎる ことへのロシアの 懸 念 は 高 まった (27 27) 北 朝 鮮 側 は 三 カ 国 協 議 の 期 間 中 に 核 保 有 を 表 明 したその 真 偽 および 北 朝 鮮 の 核 開 発 能 力 についてはロシア 内 外 において 諸 説 入 り 乱 れたが モスクワは 朝 鮮 半 島 情 勢 が 軍 事 衝 突 の 可 能 性 を 孕 んだまま 更 に 悪 化 すること 危 惧 した1 月 の 段 階 でロシアが 提 示 していた 包 括 的 解 決 策 は 功 を 奏 さず 米 国 が 日 本 と 韓 国 も 引 き 入 れて 5 カ 国 協 議 の 可 能 性 を 模 索 するなか ロシアも 自 国 を 加 えた 6 カ 国 協 議 を 開 催 する 必 要 性 を 訴 えるようになった (28 7 月 に 入 り 米 国 と 韓 国 の 政 府 筋 が 北 朝 鮮 による 使 用 済 み 核 燃 料 棒 の 再 処 理 開 始 を 認 めた (29 米 国 では 例 えば W. ペリー 前 米 国 防 長 官 ( 前 北 朝 鮮 政 策 調 整 官 )が 米 朝 間 で 軍 事 衝 突 の 可 能 性 が 高 まりつつある 旨 発 言 したことが 報 じられたが(15 日 付 ワシントン ポスト 紙 ) この 頃 からロ シア 側 でも 朝 鮮 半 島 危 機 の 回 避 が 失 敗 する 可 能 性 や それが 同 国 に 及 ぼす 深 刻 な 被 害 に 関 し かつてない 程 厳 しい 論 調 の 報 道 が 続 出 し 始 めた (30 30) ロシア 国 防 省 の 機 関 紙 赤 星 は 米 軍 が 軍 事 的 オプションを 排 除 しておらず 朝 鮮 半 島 における 軍 事 衝 突 の 危 険 性 は 現 実 味 を 帯 びつつ あるが 有 事 の 際 北 朝 鮮 の 軍 事 態 勢 を 考 慮 すれば 同 年 春 のイラク 戦 争 の 時 ほどあっけない 形 で 戦 争 が 終 結 するわけではないと 指 摘 し 多 国 間 協 議 から 外 されているロシアこそが 今 回 の 危 機 において 影 響 力 を 行 使 できる 旨 報 じた (31 31) 7 月 下 旬 には それまで 日 本 と 韓 国 を 含 めた 5 カ 国 協 議 の 開 催 を 唱 えていた 米 国 がロシアの 協 議 参 加 を 支 持 することを 表 明 し 同 月 末 北 朝 鮮 側 もこれ を 受 け 入 れた (32 32) 時 を 同 じくして イズベスチヤ 紙 には ロシア 太 平 洋 艦 隊 司 令 部 高 官 の 話 としてロシアが 同 国 に 対 して 予 防 ミサイル 攻 撃 (превентивный ракетный удар)を 行 う 可 能 性 があるとのセン セーショナルな 記 事 が 掲 載 された 同 記 事 は 朝 鮮 半 島 で 核 爆 発 が 起 きた 場 合 気 象 学 者 の 推 測 では 2~3 時 間 以 内 に 約 70%の 確 率 で 沿 海 地 方 が 核 汚 染 に 見 舞 われるが ロシアは 自 国 民 28) 29) 55

の 安 全 保 障 上 仮 に 北 朝 鮮 が 核 兵 器 の 発 射 準 備 段 階 に 入 った 際 には 予 防 攻 撃 を 行 うことを 選 択 肢 の 一 つとして 考 えるべきであり ロシア 自 身 がやらなくても 米 国 が 行 う 際 に 情 報 提 供 面 で 協 力 す ることが 可 能 であると 報 じた (33 33) この 時 期 に イズベスチヤ 紙 のようなロシア 屈 指 の 新 聞 の 第 一 面 にこのような 論 調 が 掲 載 された 背 景 の 詳 細 は 明 らかでないが 少 なくとも 軍 関 係 者 筋 の 話 として 掲 載 されたところには 北 朝 鮮 側 に 心 理 的 圧 力 を 加 えるロシア 側 の 意 図 が 見 え 隠 れしたと 言 えよう 8 月 27~29 日 に 北 京 で 開 催 された 6 カ 国 協 議 において ロシアは 中 国 同 様 北 朝 鮮 の 安 全 を 保 証 するという 以 前 からの 提 案 を 繰 り 返 したが 北 朝 鮮 側 は 米 国 からの 直 接 的 な 保 証 に 固 執 し て 受 け 入 れなかった (34 34) 米 国 は 不 可 侵 条 約 の 締 結 という 北 朝 鮮 の 要 求 を 受 け 入 れず 後 者 は 核 保 有 の 公 式 宣 言 や 核 実 験 の 可 能 性 を 言 明 した 同 協 議 では 北 朝 鮮 が 参 加 国 による 6 項 目 ( 核 問 題 の 平 和 的 解 決 朝 鮮 半 島 の 非 核 化 と 北 朝 鮮 の 安 全 保 障 の 考 慮 段 階 的 な 同 時 並 行 的 解 決 事 態 をエスカレートさせるような 言 動 を 慎 むこと 相 互 信 頼 と 共 通 認 識 の 構 築 次 回 協 議 日 程 の 早 期 決 定 )の 合 意 事 項 の 文 書 化 を 拒 んだため 結 局 王 毅 中 国 外 務 次 官 による 議 長 総 括 が 発 表 されるに 止 まったロシア 側 の 代 表 を 務 めたロシュコフ 外 務 次 官 は モスクワに 帰 国 した 直 後 6 カ 国 協 議 が 失 敗 だとは 言 えないものの 北 朝 鮮 が 同 協 議 を 続 けたがらない 可 能 性 があり この 協 議 が 失 敗 した 場 合 には 国 連 安 保 理 が 北 朝 鮮 問 題 を 議 論 する 可 能 性 について 言 及 した (35 35) そ の 後 次 回 6 カ 国 協 議 の 開 催 日 程 が 延 期 され 続 けるなか 北 朝 鮮 を 刺 激 し 過 ぎない 程 度 に 外 交 的 解 決 を 探 るというロシアの 基 本 姿 勢 に 大 きな 変 化 はみられなかった (36 36) (2)ロシア 極 東 と 北 朝 鮮 確 かに 経 済 面 から 見 れば 2002 年 時 点 で 露 朝 間 の 貿 易 高 は 1 億 2000 万 ドルにしか 過 ぎず 中 朝 間 の 7 億 4000 万 ドル 強 のおよそ 6 分 の 1 でしかない (37 37) 軍 事 面 についても 2000 年 2 月 に 締 結 された 露 朝 友 好 善 隣 協 力 条 約 では 有 事 の 際 の 軍 事 援 助 義 務 を 条 約 で 放 棄 している それに 対 し 中 国 も 中 朝 友 好 協 力 相 互 援 助 条 約 における 軍 事 援 助 条 項 についての 見 直 し を 始 めていると 既 に 伝 えられているが (38 38) 公 式 的 にはまだ 改 正 しておらず 北 京 は 平 壌 に 軍 事 援 助 カード をちらつかせる 潜 在 的 可 能 性 を 残 している 果 たして プーチン 政 権 がアジア 太 平 洋 地 域 におけるロシアのプレゼンス 強 化 に 積 極 姿 勢 を 示 しており 朝 鮮 半 島 政 策 もその 例 外 でないとすれば 北 朝 鮮 と 経 済 社 会 的 に 最 も 直 接 的 な 関 係 をもつロシア 極 東 を 通 じ 露 朝 関 係 はどの 様 な 発 展 を 見 せているのであろうか 露 朝 経 済 関 係 における 最 大 の 問 題 の 一 つは 北 朝 鮮 が 旧 ソ 連 時 代 から 抱 える 対 露 債 務 であ る (39 39) ロシア 経 済 貿 易 発 展 省 筋 の 発 言 によれば 北 朝 鮮 側 は 対 露 債 務 を 自 国 労 働 者 の 無 償 もし くは 少 額 報 酬 で 提 供 することにより 返 済 しているが 同 省 はこれを 北 朝 鮮 からの 対 露 輸 出 として 56

計 上 しており 商 品 としての 輸 出 額 全 体 の 9 割 以 上 を 占 めているという (40 40) 労 働 報 酬 による 債 務 返 済 分 の 換 算 方 式 が 非 公 開 であり この 部 分 に 関 してはロシア 連 邦 構 成 主 体 レベルで 発 表 される 公 式 統 計 には 決 して 出 てこないが A. カルロフ 在 北 朝 鮮 ロシア 大 使 によれば 今 日 露 朝 間 貿 易 の 約 70%は 極 東 やシベリア 地 域 との 間 で 交 わされている (41 確 かに 過 去 三 年 間 総 じてロシア 極 東 地 域 の 連 邦 構 成 主 体 と 北 朝 鮮 の 相 互 関 係 は 深 まりつ つある 同 地 域 で 北 朝 鮮 と 人 的 経 済 的 繋 がりが 最 も 深 いのは 沿 海 地 方 ハバロフスク 地 方 およ びアムール 州 である2000 年 の 段 階 で 対 北 朝 鮮 貿 易 高 は 沿 海 地 方 が 190 万 ドル ハバロフス ク 地 方 が 60 万 ドルだったが 2002 年 には 各 々260 万 ドル 980 万 ドル 2003 年 には 各 々550 万 ドル 300 万 ドルを 記 録 した (42 42) これらの 連 邦 構 成 主 体 による 北 朝 鮮 人 労 働 者 の 受 け 入 れ 数 も 拡 大 傾 向 にある2002 年 夏 の 時 点 でロシア 極 東 にいる 北 朝 鮮 人 労 働 者 数 は 1 万 2000 人 と 報 じられたが (43 43) 2003 年 にはア ムール 州 で 1500 人 沿 海 地 方 では 1600 人 強 が 招 致 された (44 44) 北 朝 鮮 人 労 働 者 の 受 け 入 れに 関 しては ハサン 地 区 で 国 境 を 接 する 沿 海 地 方 が 最 も 積 極 的 であり S. ダリキン 同 地 方 知 事 が 2003 年 10 月 に 平 壌 を 訪 問 した 際 には 2004 年 の 受 け 入 れ 数 を 3000 人 にまで 拡 大 する 協 定 を 北 朝 鮮 政 府 と 結 んだ (45 45) 41) (3) 朝 鮮 半 島 をめぐるロシアの 将 来 的 ビジョン 国 際 社 会 では 北 朝 鮮 の 孤 立 化 傾 向 が 次 第 に 強 まっているにもかかわらず 反 対 にロシア 極 東 では 同 国 との 人 的 経 済 的 関 係 が 徐 々に 強 化 されているしかしながら それは 単 なる 1990 年 代 に 冷 却 化 していた 二 国 間 関 係 の 立 て 直 しに 止 まらず そこには 朝 鮮 半 島 情 勢 の 将 来 を 見 越 し た 上 で 国 家 利 益 を 追 求 するロシアの 戦 略 が 見 え 隠 れしているのだつまり シベリア 鉄 道 と 朝 鮮 半 島 縦 断 鉄 道 を 連 結 し 朝 鮮 半 島 からロシアを 経 由 して 欧 州 に 至 る 1 万 km 以 上 の 輸 送 回 廊 ( 所 謂 鉄 のシルクロード )を 樹 立 する 構 想 や 北 東 アジアで エネルギー 共 同 体 を 構 築 する 上 で 朝 鮮 半 島 が 占 める 重 要 性 をモスクワは 踏 まえていると 言 えよう 両 国 の 鉄 道 連 結 構 想 については 2001 年 8 月 の 露 朝 モスクワ 宣 言 の 中 に 盛 り 込 まれ 直 ちに 両 国 の 鉄 道 省 が 協 力 協 定 を 締 結 し 翌 年 末 には F/S が 開 始 したしかしながら 同 ルートは 朝 鮮 戦 争 以 来 分 断 されたままになっている 南 北 間 の 京 義 線 と 中 国 を 結 ぶルートと 将 来 的 に 競 合 するこ とが 予 想 されている2002 年 8 月 プーチン 大 統 領 は 沿 海 地 方 で 金 正 日 総 書 記 との 会 談 の 直 前 に 極 東 連 邦 管 区 社 会 経 済 発 展 の 諸 問 題 に 関 する 会 議 を 主 宰 した 際 ロシア 極 東 の 指 導 者 たちを 前 にして 露 朝 間 の 鉄 道 連 結 が 不 可 欠 であり さもなければ 輸 送 回 廊 をめぐる 経 済 権 益 を 中 国 に 独 占 されることになる 旨 警 鐘 を 鳴 らした (46 46) 今 日 北 朝 鮮 側 の 調 査 工 事 が 遅 滞 している 57

が 他 方 でロシア 側 は 積 極 的 に 同 プロジェクトに 取 り 組 んでおり 朝 鮮 半 島 縦 断 鉄 道 との 連 結 に 備 えハサンに 至 るシベリア 鉄 道 最 先 端 部 分 の 改 修 工 事 を 着 々と 進 めている (47 鉄 道 連 結 計 画 と 並 び ロシアが 描 くもう 一 つの グランド デザイン は 一 連 のエネルギー プロ ジェクトであるこれについては 中 長 期 的 な 戦 略 と 短 中 期 的 な 戦 略 が 指 摘 できよう 前 者 は 北 東 アジアにおいてロシアからのエネルギー( 天 然 ガス 石 油 電 力 ) 供 給 網 を 構 築 すること であるロシア 極 東 から 朝 鮮 半 島 に 向 けた 天 然 ガスや 石 油 のパイプライン 延 長 構 想 については 不 安 定 な 北 朝 鮮 情 勢 ( 又 は 朝 鮮 半 島 の 分 断 そのもの)がいつまで 続 くのかという 問 題 によって 直 接 的 に 左 右 されようが これには 二 つのルートが 想 定 され 得 る 一 つは ナホトカまで 敷 設 するパ イプラインの 幹 線 を 朝 鮮 半 島 向 け 延 長 すること 二 つ 目 として 一 旦 中 国 領 内 を 通 じ 黄 海 の 海 底 を 経 由 して 韓 国 ルートで 北 朝 鮮 に 供 給 する 案 が 出 ている 電 力 網 の 延 長 についても 2003 年 7 月 に 操 業 を 開 始 したアムール 州 ブレヤ 水 力 発 電 所 の 拡 大 事 業 が 総 じて 順 調 に 進 みつつあるな か ロシアにとり 北 朝 鮮 の 電 力 需 要 は 韓 国 ほどでないにしても 潜 在 的 なマーケットとなり 得 よ う (48 48) エネルギー 供 給 をめぐるロシアの 短 中 期 的 な 戦 略 として 想 定 し 得 ることは 朝 鮮 半 島 統 一 が 実 現 する 時 期 や 実 現 の 形 式 について 予 断 を 許 さぬものの 慢 性 的 なエネルギー 不 足 に 悩 む 北 朝 鮮 へのエネルギー 供 給 手 段 を 高 めることによって 平 壌 に 対 する 影 響 力 を 強 化 することであ ろう 具 体 的 には 沿 海 地 方 のハサン 地 区 から 陸 路 による 石 油 搬 送 量 を 漸 増 させることだそれ は 潜 在 的 に 北 朝 鮮 へのエネルギー 供 給 の 約 8 割 を 握 るといわれる 中 国 の 影 響 力 を 牽 制 するロ シアの 能 力 を 相 対 的 に 高 めようちなみに 2003 年 12 月 ダリキン 沿 海 地 方 知 事 は 北 朝 鮮 北 部 の 羅 津 港 における 製 油 工 場 の 再 建 に 参 加 する 意 欲 を 表 明 しているが (49 49) 目 下 これが 単 なる 連 邦 構 成 主 体 レベルでの 意 向 であるのか それとも 何 らかの 形 で 連 邦 中 央 の 意 向 を 汲 んだもので あるのかについては 定 かでない 北 朝 鮮 側 にはエネルギー 代 金 を 国 際 的 市 場 価 格 で 支 払 う 能 力 がない2002 年 4 月 に 趙 昌 徳 副 首 相 率 いる 北 朝 鮮 代 表 団 がロシア 極 東 を 訪 問 した 際 北 朝 鮮 側 はロシアに 対 して 経 済 関 係 上 旧 ソ 連 時 代 のような 同 胞 的 扱 いを 求 めたが (50 50) 原 則 的 に 考 えれば 経 済 的 合 理 性 に 基 づ くプラグマティズムを 追 求 するプーチン 政 権 がそれを 受 け 入 れる 可 能 性 は 低 いしかしながら 今 後 ロシアが 朝 鮮 半 島 に 対 する 中 国 の 動 きを 牽 制 しながら 地 政 学 的 利 益 を 確 保 し 同 地 域 をめぐ る 自 国 のプレゼンス 拡 大 を 戦 略 的 に 狙 う 傾 向 を 強 めていくとすれば 少 なくとも 短 期 的 には 市 場 原 理 に 従 わないことについて 政 治 的 決 断 を 図 る 余 地 も 否 定 しきれないだろうつまり 近 未 来 に 予 測 され 得 る 朝 鮮 半 島 統 一 後 の 経 済 権 益 と 地 域 的 影 響 力 の 確 保 を 目 指 し モスクワがどの 様 な 布 石 を 打 ち 始 めているのか 注 視 していく 必 要 があろう 47) 58

3. 対 インド 外 交 プーチン 政 権 発 足 以 降 ロシアはインドとの 関 係 についても 再 構 築 に 乗 り 出 した2000 年 10 月 のプーチン 大 統 領 の 訪 印 時 には 両 国 首 脳 が 露 印 戦 略 的 パートナーシップ 宣 言 を 行 った さらに 2002 年 12 月 同 大 統 領 が 北 京 訪 問 直 後 にインドに 足 を 運 んだ 際 には 露 印 戦 略 的 パートナーシップをさらに 強 化 する デリー 宣 言 が 発 表 され テロとの 闘 いにおける 露 印 相 互 理 解 覚 書 や 経 済 および 科 学 技 術 の 露 印 間 協 力 関 係 の 強 化 建 設 についての 共 同 宣 言 に 調 印 がなされた (51 51) 2003 年 11 月 にはバジパイ 首 相 のモスクワ 訪 問 時 に 国 際 的 な 安 全 と 安 定 上 の グローバルな 挑 戦 と 脅 威 に 関 する 宣 言 に 署 名 がなされて 両 国 は 国 際 社 会 の 多 極 性 の 維 持 と 国 連 の 指 導 的 役 割 による 国 際 問 題 の 解 決 や テロリズムと 宗 教 的 過 激 主 義 に 対 抗 する 上 で 協 力 すること 等 に 合 意 した (52 52) ロシアとインド 間 の 経 済 関 係 については 旧 ソ 連 崩 壊 前 の 1980 年 代 には 総 貿 易 高 が 年 間 30 億 ドル 以 上 に 達 していたが 1990 年 代 半 ばにはその 半 分 にまで 落 ち 込 んだしかし 2003 年 夏 の 時 点 で 20 億 ドルを 超 えるところまで 盛 り 返 してきた (53 53) ロシアの 対 インド 貿 易 のうち 圧 倒 的 部 分 を 占 めているのは 武 器 輸 出 である 今 日 のロシアにとり 武 器 輸 出 は 天 然 エネルギー 資 源 となら んで 重 要 な 外 貨 獲 得 源 であるが 前 者 はストックホルム 国 際 平 和 研 究 所 (SIPRI) の 試 算 では 2000 年 から 2001 年 にかけて 24%の 成 長 を 記 録 し 2002 年 には 50 億 ドルに 達 したが そのう ち 約 85%は 中 国 とインドが 占 めた (54 54) 現 在 インドの 軍 事 ハードウェアのおよそ 70%は 未 だにロ シア 製 武 器 が 占 めていると 言 われるが (55 55) 米 国 やヨーロッパ 諸 国 も 南 アジアの 武 器 市 場 に 大 きな 関 心 を 抱 くなか ロシアの 軍 需 産 業 界 にとり 伝 統 的 な 市 場 の 確 保 は 重 要 な 課 題 であろう (56 2003 年 5 月 にはインド 洋 沖 とアラビア 海 沖 でロシアとインド 間 における 史 上 最 大 規 模 の 大 規 模 海 軍 合 同 演 習 インドラ 2003 が 実 施 された (57 57) ロシアにとりインドとの 軍 事 関 係 強 化 は 経 済 的 効 果 だけを 目 指 したものではなかろうアジア 太 平 洋 地 域 への 積 極 的 な 進 出 を 図 るロシアにとり インドが 世 界 第 2 位 の 人 口 を 誇 り 潜 在 的 な 巨 大 市 場 を 有 するだけでなく 南 方 に 向 けて 長 大 な 海 洋 国 境 をもつ 南 アジア 最 大 の 国 家 であることを 踏 まえれば その 地 政 学 的 な 意 味 も 大 きい 露 印 関 係 に 比 べればまだ 取 るに 足 らないレベルだが 2003 年 2 月 にムシャラフ パキスタン 大 統 領 が 同 国 の 指 導 者 として 30 年 ぶりとなったロシア 公 式 訪 問 を 果 たし ロシアとパキスタンの 関 係 も 変 化 を 見 せ 始 めた 旧 ソ 連 崩 壊 後 米 国 がインドとの 関 係 を 次 第 に 発 展 させる 一 方 インド 首 相 として 10 年 ぶりと なった バジパイ 首 相 の 訪 中 時 (2003 年 6 月 )に 発 表 された 中 印 関 係 の 原 則 全 面 協 力 宣 言 が 示 すように インドに 対 する 中 国 のプレゼンスが 経 済 関 係 を 中 心 に 高 まりつつあるインド 側 か らすればロシアとの 関 係 強 化 は 中 印 関 係 が 発 展 しつつあるとは 言 え インド 軍 首 脳 が 公 に 認 め 56) 59

るように インドを 東 西 に 挟 んで 位 置 するパキスタンやミャンマーにおける 中 国 の 軍 事 プレゼンス の 高 まりを 牽 制 する 意 味 が 強 い (58 58) 近 年 インドは 中 央 アジア 諸 国 との 二 国 間 関 係 の 強 化 を 急 速 に 進 めつつあるが (59 59) モスクワにし てもインドとの 二 国 間 関 係 の 強 化 は 中 央 アジアで 高 まりつつある 中 国 の 政 治 経 済 的 影 響 力 に 対 する 相 殺 効 果 を 潜 在 的 に 持 ち 得 るインドの 上 海 協 力 機 構 への 加 盟 問 題 が 浮 上 しているなか 中 露 の 間 に 挟 まれた インド ファクターの 帰 趨 は 注 目 に 値 しよう 4. 対 日 本 外 交 2003 年 の 日 露 関 係 においては 北 方 領 土 問 題 に 関 し 具 体 的 に 大 きな 前 進 は 見 られず 両 国 は 同 問 題 の 継 続 協 議 を 確 認 するに 止 まり 平 和 条 約 締 結 による 二 国 間 関 係 の 完 全 正 常 化 に 至 らなかったしかし 1 月 に 小 泉 首 相 が 訪 露 した 際 両 国 首 脳 によって 日 露 行 動 計 画 文 書 に 調 印 がなされた 同 文 書 は 重 層 的 かつ 全 面 的 な 対 話 の 推 進 や 過 去 の 遺 産 を 克 服 した 両 国 間 パートナーシップの 新 たな 地 平 線 開 拓 を 目 指 し 国 際 舞 台 での 協 力 や 貿 易 経 済 分 野 防 衛 治 安 分 野 文 化 国 民 間 交 流 における 協 力 を 謳 ったものであった (60 60) 同 首 相 がモスクワだけでな く 日 本 の 国 家 指 導 者 として 史 上 初 めて 極 東 のハバロフスクにも 足 を 運 んだことは ロシア 極 東 に おいて 日 本 のプレゼンスを 相 対 的 に 高 める 上 での 象 徴 的 な 意 味 をもった (61 ロシアは 東 シベリアからの 石 油 パイプライン 敷 設 ルートの 選 択 肢 として 太 平 洋 パイプライン プ ロジェクトを 考 案 中 であるが 日 本 側 も 小 泉 首 相 訪 露 の 際 石 油 輸 入 ルート 多 角 化 の 一 案 として このプロジェクトに 改 めて 大 きな 関 心 を 示 したそれ 以 来 同 プロジェクトは 日 露 関 係 における 中 心 議 題 の 一 つとして 本 格 的 に 動 き 始 めたしかし 現 在 のところ 日 露 両 国 の 専 門 家 グループによ る F/S がまだ 継 続 中 であり 既 述 の 通 り ロシア 側 は 中 国 ルート と 太 平 洋 ルート のどちらを 優 先 着 工 し 始 めるのかに 関 し 未 だに 公 的 な 態 度 を 表 明 していない2003 年 末 のカシヤノフ 首 相 訪 日 時 にも 両 国 はアジア 太 平 洋 地 域 全 体 のエネルギー 安 全 保 障 の 強 化 促 進 について 協 力 関 係 を 推 進 することを 確 認 しただけに 止 まった (62 62) ロシアがエネルギーを 武 器 として アジア 太 平 洋 地 域 に 参 入 を 図 る 上 で 日 本 からの 資 金 協 力 は 重 要 な 意 味 を 持 つが 経 済 的 採 算 性 や 地 政 学 的 駆 け 引 き 等 を 計 算 した 上 でロシアが 優 先 着 工 ルートの 選 択 に 関 し どの 時 点 で 如 何 なる 決 定 を 下 すのかについては 現 段 階 で 未 知 数 で ある 61) 結 びにかえて 本 章 では 紙 幅 制 限 上 議 論 の 中 心 をロシアの 対 中 国 対 北 朝 鮮 外 交 に 置 き インドや 日 本 との 60

関 係 については 最 小 限 触 れるに 止 まったが これら 個 々の 国 々に 対 する 外 交 政 策 をロシアの 対 アジア 戦 略 全 体 の 中 に 位 置 付 ける 作 業 についても 別 稿 を 準 備 したい 少 なくとも 本 章 の 議 論 から 言 えることは ロシアが 至 近 の 経 済 的 実 益 を 追 求 するのと 同 時 に 今 日 以 上 の 地 域 をめぐり 揺 れ 動 く 地 殻 変 動 に 関 して 中 長 期 的 な 政 治 経 済 的 戦 略 を 描 こうとしていることだろう 今 後 北 東 アジアにおいては とりわけエネルギー 安 全 保 障 の 問 題 をめぐり 経 済 的 相 互 依 存 を 背 景 とした 協 調 関 係 のベクトルと 伝 統 的 な 政 治 的 軍 事 的 バランス オブ パワー のベクトルが 有 形 無 形 に そして 有 機 的 にぶつかり 続 けるであろうが そうした 文 脈 の 中 で 我 が 国 も 自 主 的 戦 略 的 な 幾 つかのシナリオを 描 きながら 対 露 政 策 を 練 り 上 げるべきだろう - 注 - 1 Российская газета, 11 июля 2000. 2 Там же. 3 ロシア 連 邦 大 統 領 府 ホームページ 内 (http://www.president.kremlin.ru/text/appears/ 2003/05/44623.shtml). 4 Дипломатический вестник, 6, 2003, стр.39. 5 Дипломатический вестник, 1, 2003, стр.14-20. 6 Дипломатический вестник, 3, 2003, стр.51-52.. 7 岩 下 明 裕 上 海 プロセスの 軌 跡 と 展 望 -ソ 連 解 体 から 機 構 成 立 まで ロシア 研 究 第 34 号 2002 年 96~113 頁 を 参 照 8 朝 鮮 半 島 をめぐる 中 露 の 協 力 関 係 の 可 能 性 を 肯 定 的 に 捉 える 別 の 見 方 については 王 兵 银 中 俄 在 朝 鲜 半 岛 的 利 益 与 两 国 战 略 协 作 伙 伴 的 发 展 俄 罗 斯 中 亚 东 欧 研 究 2003 年 第 4 期 69~74 頁 9 中 国 对 外 经 济 统 计 年 鉴 ( 中 国 对 外 经 济 统 计 年 鉴 编 辑 委 员 会 2000~03 年 )および 中 華 人 民 共 和 国 商 務 部 ホームページ(<http://english.mofcom.gov.cn/article/200401/ 20040100169796_1.xml>: 2004 年 1 月 12 日 発 表 )より 10 Дипломатический вестник, 6, стр.44. 11 Интерфакс (Москва), 20 января 2003. 12 Дипломатический вестник, 10, 2003, стр.33-38. 61

13 東 シベリアのコヴィクタ ガス 田 からのパイプライン 敷 設 を 含 むエネルギー 資 源 をめぐる 露 中 間 の 駆 け 引 きについては 拙 稿 プーチン 時 代 のロシア 東 部 時 代 と 中 露 関 係 国 際 政 治 経 済 学 研 究 第 12 号 2003 年 96~101 頁 を 参 照 されたい 14 以 下 中 国 人 移 民 問 題 については 拙 稿 87~93 頁 をもとにしている 15 当 時 の 経 緯 の 詳 細 については 岩 下 明 裕 中 ロ 国 境 4000 キロ ( 角 川 書 店 2003 年 ) 16 現 在 人 口 減 少 が 続 くロシア 極 東 の 人 口 は 全 体 で 約 700 万 人 強 に 過 ぎないが 中 国 側 は 黒 龍 江 省 だけでも 3800 万 人 強 東 北 三 省 全 体 では 1 億 人 を 超 している 17 Александр Лукин, «Россия, США, Китай и война в Ираке», Международная жизнь, 4, стр.112. 18 例 えば 沿 海 地 方 では 2000 年 から 華 人 友 報 ( 発 行 部 数 1500) 2002 年 から 東 方 橋 報 ( 同 4000) イルクーツク 州 でも 2002 年 から 伊 東 庫 茨 克 華 人 導 報 ( 同 10,000)が 発 行 さ れ 始 めた 19 プーチン 政 権 発 足 以 降 の 露 朝 関 係 に 関 する 主 な 先 行 研 究 については 中 野 潤 三 ロシアの 朝 鮮 半 島 政 策 プーチン 政 権 下 ロシアの 対 アジア 太 平 洋 外 交 ( 日 本 国 際 問 題 研 究 所 2001 年 ) 29~41 頁 ; 斎 藤 元 秀 同 時 多 発 テロ 後 のプーチンの 北 朝 鮮 政 策 海 外 事 情 2002 年 12 月 38~51 頁 20 Дипломатический вестник, 2, 2003, стр.49. 21 Там же., стр.48. 22 Известия, 16 января 2003; Интер-факс (Москва), 14 января 2003. 23 Дипломатический вестник, 2, 2003, стр.44, 105-107. 24 Итар-тасс (Пекин), 17 января 2003. 25 Итар-тасс (Пхеньян), 19 января 2003. 26 Итар-тасс (Москва), 15 апреля, 23 апреля 2003. 27 Независимая газета, 23 апреля 2003. 28 6 月 23 日 プーチン 大 統 領 は 英 国 BBC 放 送 とのインタビューの 中 で 同 会 議 をモスクワで 開 催 をする 用 意 があることを 関 係 諸 国 に 打 診 している 旨 明 らかにしたロシア 外 務 省 ホームペー ジ 内 (http://www.ln.mid.ru/bl.nsf/arh/edb1e80989b2c9b243256d4e005177c3? OpenDocument). 29 2003 年 7 月 10 日 付 讀 賣 新 聞 朝 刊 62

30 例 えば Известия, 18 июля 2003; Коммерсантъ, 17 июля 2003. 31 Красная звезда, 22 июля 2003. 32 7 月 29 日 付 讀 賣 新 聞 朝 刊 33 Известия, 31 июля 2003. 同 様 の 報 道 については Независимая газета, 22 июля; Независимое военное обозрение, 25 июля; Время новостей, 22 июля 2003. 34 Итар-тасс (Москва), 28 августа 2003. 35 Итар-тасс (Москва), 31 августа 2003. 36 10 月 の APEC 首 脳 会 議 の 際 ロシアは 中 国 と 共 に 北 朝 鮮 問 題 を 文 書 化 することに 反 対 し た 37 露 朝 貿 易 高 については ロシア 国 家 統 計 委 員 会 報 道 局 発 表 Итар-тасс (Москва), 9 октября 2003. 中 朝 貿 易 高 については 中 華 人 民 共 和 国 商 務 部 ホームページ(http://www. mofcom.gov.cn/article/200302/20030200070478_1.xml). 38 2003 年 7 月 15 日 付 産 経 新 聞 朝 刊 7 月 26 日 付 日 本 経 済 新 聞 朝 刊 唐 家 璇 外 相 発 言 については 2003 年 9 月 25 日 付 讀 賣 新 聞 朝 刊 39 対 露 債 務 の 総 額 については 換 算 方 法 等 の 理 由 で 諸 説 あるが ある 試 算 によると 1990 年 代 初 頭 の 段 階 で 約 30 億 ルーブルに 達 しており 当 時 の 換 算 レート(1U.S.ドル=0.65 ルーブ ル)に 直 すと 80 億 ドルに 上 るというИтар-тасс (Москва), 22 октября 2003. 40 The Moscow Times, 13 August 2001. 41 Итар-тасс (Москва), 15 августа 2003. 42 国 家 統 計 委 員 会 各 地 方 支 部 資 料 (Внешнеэкономическая деятельность в Приморском крае と Внешнеэкономическая деятельность организаций Хабаровского края) 各 年 版 より 43 Итар-тасс (Владивосток), 19 августа 2002. 44 沿 海 地 方 行 政 府 作 成 資 料 および Итар-тасс (Благовещенск), 24 апреля 2003. 尚 ハバロフスク 地 方 の 北 朝 鮮 人 労 働 者 数 に 関 しては 2002 年 春 に 同 行 政 府 が 明 らかにしたと ころでは 1700 人 であった4 月 10 日 付 けインターネット 新 聞 Страна Ru. (http://www. strana.ru) 45 Владивосток, 8 октября 2003. 尚 今 日 のロシア 極 東 では 主 に 建 設 業 や 林 業 農 業 等 の 所 謂 3K 労 働 分 野 の 人 手 不 足 を 中 国 人 と 北 朝 鮮 人 労 働 力 が 補 う 傾 向 が 強 まっているが 63

北 朝 鮮 人 労 働 者 たちに 自 国 政 府 から 本 国 への 外 貨 の 上 納 金 が 義 務 づけられていると 伝 えられる(2003 年 12 月 9 日 付 産 経 新 聞 朝 刊 ) 46 Интерфакс (Владивосток), 23 августа 2002. 47 Итар-тасс (Москва), 15 октября 2003. 尚 ロシアの 専 門 家 集 団 は 2003 年 秋 までに 南 北 軍 事 境 界 線 からロシア 国 境 に 至 る 約 800 kmの F/S を 2 度 行 っているほか 同 年 10 月 下 旬 から 40 日 間 に 渡 り 露 朝 国 境 を 隔 てるハサン- 羅 津 の 部 分 (56 km)の F/S 調 査 のために 改 めて 100 人 以 上 の 代 表 団 を 派 遣 しているロシア 連 邦 鉄 道 省 ホームページ 内 (http:// www.mps.ru/search/news.html?he_id=745&news_id=15554). 48 ロシアの 極 東 エネルギー(ヴォストク エネルゴ) によって 2004 年 には F/S が 開 始 すると 伝 えられるИтар-тасс (Хабаровск), 15 декабря 2003. 49 Итар-тасс (Токио), 16 декабря 2003. 50 Тихоокеанская звезда, 12 апреля 2002, 51 Дипломатический вестник,.1, 2003, стр.28-36. 52 Дипломатический вестник,.11, 2003, стр.36. 53 2003 年 8 月 時 点 での 露 印 貿 易 高 については ロシア 外 務 省 ホームページ 内 (http://www.ln. mid.ru/ns-rasia.nsf/1083b7937ae580ae432569e7004199c2/823e04875829f7564325 6a540028eb00?OpenDocument). 54 Время МН, 20 мая 2003. 55 AFP (Hong Kong), 13 January 2003. 56 12 月 にはスホイ 戦 闘 機 (30MKI)12 機 が 納 入 され 同 機 種 のインド 国 内 ライセンス 生 産 の 交 渉 が 進 行 中 であるが 2004 年 1 月 にはロシアの 航 空 巡 洋 艦 アドミラル ゴルシコフ ( 約 20 億 ドル 相 当 )がインドに 売 却 される 契 約 が 結 ばれたИтар-тасс (Иркутск), 26 декабря 2003; Итар-тасс (Москва), 8 ноября 2003; The Moscow Times, 21 January 2004. 57 ロシア 外 務 省 ホームページ 内 (http://www.ln.mid.ru/bl.nsf/arh/80b0746de095f7d5 43256DDA002F074A?OpenDocument). 58 AFP (Hong Kong), 23 May 2003. 露 印 関 係 および 中 印 関 係 そして 三 国 間 の 協 調 関 係 が 抱 える 複 雑 性 とジレンマについては 岩 下 明 裕 プーチン 政 権 の 対 中 国 外 交 - 現 実 と 幻 想 の 狭 間 プーチン 政 権 下 ロシアの 対 アジア 太 平 洋 外 交 65~70 頁 59 詳 細 については Stephan Blank, India s Rising Profile in Central Asia, Comparative 64

Strategy, vol.22, pp.139-157. 60 日 本 国 外 務 省 ホームページ 内 (http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/russia/kodo_0301.html). 61 その 後 も 新 藤 外 務 大 臣 政 務 官 (5 月 )と 川 口 外 務 大 臣 (6 月 )のウラジオストク 矢 野 外 務 副 大 臣 (9 月 )のハバロフスクと 日 本 の 要 人 によるロシア 極 東 訪 問 が 続 いた 62 日 本 国 外 務 省 ホームページ 内 (http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/russia/seimei_0312.html). 65