Microsoft Word - WG1報告書_0515



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Transcription:

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はじめに 知 識 基 盤 社 会 の 時 代 といわれる 今 日 において 学 校 教 育 の ICT 化 は 政 府 の 重 要 課 題 とな っています また 昨 今 の 子 供 たちはスマートフォンに 代 表 される 様 々な 情 報 メディアを 活 用 するようになり デジタルネイティブとして 成 長 しています このような 環 境 下 にお いて 全 国 各 地 の 小 中 学 校 では 情 報 機 器 を 整 備 し 授 業 において ICT を 活 用 する 動 きが 加 速 していますが 同 時 に ICT がもたらす 教 育 効 果 を 確 かな 根 拠 に 基 づいて 証 明 すること も 求 められております 文 部 科 学 省 から 委 託 を 受 けて 実 施 した 本 実 証 事 業 では ICT を 活 用 した 教 育 効 果 の 明 確 化 と 効 果 の 検 証 方 法 を 確 立 するため 1 人 1 台 のタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 における 教 育 効 果 などを 明 らかにすることを 目 的 に 実 証 校 でのタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 の 実 践 とともに 児 童 生 徒 および 教 員 への 調 査 を 実 施 しました その 結 果 検 証 方 法 の 確 立 に 資 する 様 々な 成 果 を 得 ることができました 実 証 事 業 前 後 に 実 施 した 児 童 生 徒 の ICT 活 用 スキルに 係 る 調 査 では 児 童 生 徒 の 基 礎 的 な ICT 操 作 能 力 はタブレット 端 末 が 整 備 された 後 1 年 間 で 向 上 することが 明 らかになり 実 証 事 業 前 後 に 実 施 した 児 童 生 徒 への 意 識 調 査 では 電 子 黒 板 を 活 用 した 学 習 に 係 る 項 目 を 除 いた 全 項 目 において 1% 水 準 で 有 意 に 評 価 が 高 まるとともに 4つの 因 子 においても 1% 水 準 で 有 意 に 高 いことを 示 し 対 応 のあるデータによる t 検 定 をすることで 有 意 差 が 出 やす いこと 等 を 確 認 しました 客 観 テストでは タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 後 は 活 用 しな い 授 業 後 に 比 べて 児 童 生 徒 の 成 績 が 1% 水 準 で 有 意 に 高 いことを 明 らかにし 実 践 の 方 式 と しては 同 じ 学 級 で 単 元 を 前 半 と 後 半 に 分 割 しタブレット 端 末 の 活 用 を 入 れ 替 えると 活 用 効 果 を 最 も 示 すことができる 点 等 を 明 確 にしました 実 証 事 業 前 後 に 実 施 した 教 員 の ICT 活 用 指 導 力 と ICT 活 用 効 果 に 係 る 調 査 では 小 学 校 においては 教 材 研 究 指 導 の 準 備 や 評 価 授 業 中 に ICT を 活 用 して 指 導 する 力 児 童 生 徒 の ICT 活 用 を 指 導 する 力 情 報 モラル 等 を 指 導 する 力 が 中 学 校 においては 授 業 中 にICTを 活 用 して 指 導 する 力 や 児 童 生 徒 のICT 活 用 を 指 導 する 力 が 有 意 に 高 まること 等 をχ 2 検 定 による 分 析 により 明 らかにしました 各 教 育 委 員 会 においては 本 実 証 事 業 にて 確 立 した 手 法 を 参 考 に 教 育 効 果 の 検 証 に 取 り 組 んで 頂 くとともに 全 国 各 地 の 学 校 において ICT を 活 用 した 授 業 が 広 く 展 開 されていく ことを 願 っております 本 実 証 事 業 にあたって ご 協 力 を 頂 いた 7 校 の 小 中 学 校 関 係 者 の 皆 様 協 力 頂 いた 児 1

童 生 徒 の 皆 さん そして 何 より 授 業 実 践 のために 授 業 の 準 備 段 階 から 取 り 組 んで 頂 いた 教 員 の 皆 様 に 厚 く 御 礼 申 し 上 げます 平 成 26 年 度 文 部 科 学 省 ICT を 活 用 した 教 育 の 推 進 に 資 する 実 証 事 業 ICT を 活 用 した 教 育 効 果 の 検 証 方 法 の 開 発 座 長 東 京 工 業 大 学 監 事 清 水 康 敬 2

実 証 事 業 の 概 要 成 果 と 課 題 本 実 証 事 業 では 世 界 的 に 進 行 する 情 報 化 グローバル 化 に 伴 う 学 校 教 育 における ICT 活 用 の 必 要 性 を 背 景 に ICT を 活 用 した 教 育 効 果 の 明 確 化 を 目 的 として 授 業 におけるタブ レット 端 末 の 活 用 効 果 を 検 証 し その 手 法 を 確 立 した 検 証 では 実 証 校 においてタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 と 活 用 しない 授 業 を 計 画 的 に 実 践 し 児 童 生 徒 と 教 員 を 対 象 とした 調 査 を 実 施 した 児 童 生 徒 を 対 象 とした ICT 活 用 スキル 調 査 では 4 択 による 回 答 を 点 数 化 し 平 均 値 を 小 中 学 校 別 に 求 めた 独 立 したデータと 対 応 のあるデータにて 実 証 事 業 前 後 で t 検 定 した 結 果 ICT 活 用 スキルの 多 くの 項 目 が 1% 水 準 で 有 意 に 向 上 した 特 に タブレット 端 末 の 整 備 から 1 年 以 内 の 学 校 の 児 童 生 徒 のスキル 向 上 は 大 きく 1 年 以 上 経 過 しているとスキルの 変 化 は 小 さいことから ICT 活 用 スキルはタブレット 端 末 の 整 備 から 1 年 間 で 向 上 することが 推 察 された また 独 立 したデータによる t 検 定 に 比 べ 対 応 のあるデータによる t 検 定 の 方 が 有 意 差 が 出 やすいことを 明 らかにした 児 童 生 徒 を 対 象 とした 意 識 調 査 では 4 択 による 回 答 を 点 数 化 し 小 中 学 校 別 に 実 証 事 業 前 後 で 対 応 のあるデータによるt 検 定 をした 結 果 小 学 校 では 電 子 黒 板 に 係 る3 項 目 を 除 き 中 学 校 では 全 項 目 で 実 証 授 業 後 が 1% 水 準 で 有 意 に 評 価 が 向 上 した 20の 設 問 の 回 答 データを 用 い 主 因 子 法 でバリマックス 回 転 を 行 って 因 子 分 析 した 結 果 抽 出 された 思 考 表 現 電 子 黒 板 の 活 用 知 識 理 解 意 欲 協 働 学 習 の 4 因 子 について 実 証 事 業 前 後 で 児 童 生 徒 の 因 子 得 点 の 違 いを 比 較 分 析 した 結 果 小 中 学 校 ともに 実 証 事 業 後 が 全 因 子 において 1% 水 準 で 有 意 に 高 まった 同 様 に タブレット 端 末 の 活 用 の 有 無 で 対 応 のある t 検 定 をした 結 果 小 学 校 では 全 項 目 で 中 学 校 では 1 項 目 を 除 きタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 後 の 評 価 が 1% 水 準 で 有 意 に 高 まった また 同 様 の 4 因 子 を 実 証 事 業 前 後 で 比 較 分 析 した 結 果 小 中 学 校 ともに 前 述 の 全 因 子 において 実 証 事 業 後 が 1% 水 準 で 有 意 に 高 まった 3

さらに 単 元 の 前 後 と 活 用 の 有 無 による 4 通 りの 場 合 における 4 因 子 の 評 価 の 違 いを 一 次 配 置 元 配 列 の 分 散 分 析 を 行 い Tukey 法 によって 多 重 比 較 した 結 果 電 子 黒 板 の 活 用 の 因 子 を 除 いた3 因 子 においてタブレット 端 末 活 用 後 が1% 水 準 で 有 意 に 高 いことを 示 した 授 業 後 に 実 施 した 客 観 テストでは 100 点 満 点 で 得 点 を 標 準 化 の 上 小 中 学 校 および 教 科 別 に 対 応 のあるデータによりタブレット 端 末 活 用 の 有 無 の 違 いを t 検 定 した 結 果 タブレ ット 端 末 を 活 用 した 授 業 後 のテストの 成 績 が 小 学 校 では 国 語 で 5% 水 準 社 会 算 数 理 科 では 1% 水 準 で 有 意 に 高 いことを 示 した 同 様 に 中 学 校 では 数 学 で 1% 水 準 理 科 では 5% 水 準 で 有 意 に 高 いことを 示 し 国 語 と 英 語 では 有 意 差 が 認 められなかった 社 会 について は 逆 に 活 用 した 授 業 後 の 成 績 が 5% 水 準 で 有 意 に 低 い 結 果 となっており この 考 察 は 今 後 の 検 討 課 題 となる 問 題 解 決 的 な 学 習 に 係 る 検 証 では 一 部 の 実 証 校 において 問 題 解 決 的 な 学 習 活 動 を 含 む タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 と 活 用 しない 授 業 を 計 画 実 践 し 客 観 テストとは 異 なる 手 法 によりタブレット 端 末 の 活 用 効 果 の 評 価 を 試 みた その 結 果 タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 では 生 徒 が 作 成 した 解 をグループ 間 で 能 動 的 に 比 較 する 活 動 を 通 じて 正 解 に 至 ったり 解 の 理 由 を 深 める 活 動 が 引 き 起 こされた 一 方 活 用 しない 授 業 では 一 度 作 った 解 を 修 正 する 活 動 はほとんどみられず グループ 間 による 活 動 の 差 が 広 がった 授 業 終 了 時 に 生 徒 が 記 述 したワークシートを 評 価 した 結 果 タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 では 誤 答 や 未 回 答 がなく 活 用 しない 授 業 に 比 べ 学 習 内 容 を 概 念 的 に 理 解 し 記 述 する 生 徒 数 が 多 かった 活 用 しない 授 業 では 誤 答 や 未 回 答 が 一 定 数 いた さらに 授 業 2 ヶ 月 後 のワークシートの 結 果 では 活 用 の 有 無 にかかわらず 概 念 的 に 理 解 し 記 述 する 人 数 は 減 少 したものの 活 用 しない 授 業 を 実 施 した 学 級 ではより 減 少 し 誤 答 や 未 回 答 が 大 幅 に 増 えた このことから タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 の 方 が 理 解 の 定 着 がはかられたと 言 える 教 員 を 対 象 とした 教 員 の ICT 活 用 指 導 力 チェックリスト を 用 いた 調 査 では 4 択 に よる 回 答 を 小 項 目 と 大 項 目 で 点 数 化 し 平 均 値 を 小 中 学 校 別 に 求 めた 独 立 したデータと 対 応 のあるデータにて 実 証 事 業 前 後 で t 検 定 し 有 意 に 高 くなる 小 項 目 と 有 意 差 のない 小 項 目 を 明 らかにした 大 項 目 では 小 学 校 の 場 合 A 教 材 研 究 指 導 の 準 備 評 価 等 B 授 業 中 に ICT を 活 用 して 指 導 する 能 力 C 児 童 生 徒 の ICT 活 用 を 指 導 する 能 力 D 情 報 モラル 等 を 指 導 する 能 力 が 有 意 に 高 いことを 示 し E 校 務 に ICTを 活 用 する 能 力 4

は 有 意 差 が 認 められなかった また 中 学 校 の 場 合 B 授 業 中 に ICTを 活 用 して 指 導 す る 能 力 C 児 童 生 徒 の ICT 活 用 を 指 導 する 能 力 が 有 意 に 高 くなり その 他 の 3 項 目 には 有 意 差 が 認 められなかった そして 独 立 したデータによる t 検 定 に 比 べ 対 応 のあるデータによる t 検 定 の 方 が 有 意 差 が 出 やすいことを 明 らかにした また 各 項 目 で できる 及 び できない と 回 答 した 教 員 数 をχ 2 検 定 しても 前 後 の 違 いには 有 意 差 が 認 められないことを 示 した 教 員 を 対 象 とした ICT 活 用 効 果 等 に 係 る 調 査 では 実 証 事 業 前 後 で t 検 定 した 結 果 児 童 生 徒 が 学 習 の 理 解 を 深 める 場 面 一 人 が 発 表 したことについて 学 級 全 体 で 考 え る 場 面 でタブレット 端 末 を 活 用 させたことがあると 回 答 した 教 員 数 は 1% 水 準 で 相 互 に 教 えあう 場 面 は 5% 水 準 で 有 意 に 多 いことが 分 かり 他 の 場 面 での 有 意 差 は 認 められな いものの 事 後 の 割 合 が 高 いことを 示 した また 対 応 のあるデータによる t 検 定 の 結 果 授 業 において 児 童 生 徒 にコンピュータ 等 を 活 用 させて 課 題 発 見 課 題 解 決 型 の 学 習 を 行 わせること 児 童 生 徒 にコンピュー タ 等 を 活 用 させて 児 童 生 徒 同 士 が 教 え 合 い 学 び 合 う 学 習 を 行 わせること ができると 回 答 した 教 員 の 割 合 が 1% 水 準 で 有 意 に 高 まった また 独 立 および 対 応 のあるデータによ る t 検 定 の 結 果 タブレット 端 末 を 単 元 のまとめ 部 分 の 授 業 場 面 で 児 童 生 徒 が 活 用 する と 効 果 的 だと 思 うと 回 答 した 教 員 の 割 合 が 5% 水 準 で 有 意 に 高 いことが 分 かった 学 習 者 用 デジタルコンテンツの 効 果 についての 回 答 数 をχ 2 検 定 を 実 施 した 結 果 いずれ の 項 目 も 有 意 差 は 認 められなかったが 学 習 者 用 デジタルコンテンツを 活 用 した 場 面 につ いてχ 2 検 定 した 結 果 活 用 した 教 員 数 が 児 童 生 徒 が 自 分 の 考 えをまとめる 場 面 と 児 童 生 徒 同 士 が 話 し 合 う 場 面 は 1% 水 準 児 童 生 徒 が 発 表 する 場 面 は 5% 水 準 で 有 意 に 多 い 実 証 校 の 授 業 の 実 践 におけるタブレット 端 末 の 活 用 は 電 子 黒 板 との 連 携 辞 書 や 参 考 書 等 の 複 合 メディアによる 学 習 等 においてみられ 児 童 生 徒 の 学 びをより 深 めるための 授 業 改 善 や 学 校 の 課 題 解 決 の 手 段 として 活 用 されていた また 授 業 でのタブレット 端 末 の 活 用 により 児 童 生 徒 主 体 の 学 び 合 いが 促 進 され 受 動 的 学 習 活 動 (パッシブ ラーニング)から 能 動 的 学 習 活 動 (アクティブ ラーニング)へと 学 びの 形 態 が 変 化 する 様 子 も 観 察 された 5

教 員 を 対 象 としたヒアリング 調 査 では タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 の 効 果 や 課 題 に 加 え 活 用 しない 授 業 の 実 践 に 係 る 課 題 について 聴 取 するとともに 本 実 証 事 業 の 冒 頭 で 策 定 実 施 した 検 証 方 法 全 般 について 伺 った 意 見 を 基 に 課 題 や 提 案 を 取 りまとめ 実 施 時 の 留 意 点 等 を 明 らかにした 6

ICT を 活 用 した 教 育 効 果 の 検 証 方 法 実 証 事 業 で 得 られた 成 果 や 課 題 等 の 知 見 を 基 に ICT を 活 用 した 教 育 の 効 果 の 検 証 方 法 を 確 立 し 別 冊 にて 手 法 を 整 理 し 各 段 階 での 実 施 内 容 と 留 意 点 を 簡 潔 に 示 した 以 下 にそ の 概 要 と 手 順 を 示 す 概 要 本 検 証 では タブレット 端 末 を 活 用 した 教 育 効 果 を 明 確 に 示 すために タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 と 活 用 しない 授 業 の 2 種 を 実 施 する そして それぞれの 場 合 において 意 識 調 査 や 客 観 テストを 行 い それらの 結 果 を 比 較 することでタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 の 教 育 効 果 を 検 証 する 検 証 する 能 力 は 大 別 して 児 童 生 徒 の 学 力 児 童 生 徒 の ICT 活 用 スキル 教 員 の ICT 活 用 指 導 力 の 3 点 となる 以 下 に 検 証 全 体 の 流 れを 図 1 に 示 す 図 中 の1~5における 実 施 内 容 は 次 に 示 す 表 1にて 説 明 する 図 1 検 証 の 流 れ 7

手 順 図 1 に 示 される 各 手 順 における 実 施 内 容 は 表 1のとおりとなる 表 1 検 証 手 順 手 順 実 施 内 容 調 査 方 法 検 証 開 始 前 に 授 業 の 実 施 時 期 実 践 数 学 年 1 準 備 2 事 前 調 査 3 授 業 4 事 後 調 査 5 評 価 教 科 単 元 学 級 等 を 決 定 し 意 識 調 査 の 質 問 項 目 を 定 める 事 前 調 査 として 対 象 の 児 童 生 徒 に ICT 活 用 スキ ル 調 査 および 意 識 調 査 を 実 施 し 全 教 員 を 対 象 に 教 員 調 査 を 実 施 する 学 校 で 設 定 した 単 元 において 活 用 の 順 序 に 留 意 してタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 と 活 用 し ない 授 業 の 2 種 類 を 実 施 し それぞれの 最 終 授 業 後 児 童 生 徒 を 対 象 に 授 業 後 の 意 識 調 査 と 客 観 テストを 速 やかに 実 施 する 全 授 業 後 事 後 調 査 として 児 童 生 徒 を 対 象 に 再 び ICT 活 用 スキル 調 査 を 実 施 するとともに 全 教 員 を 対 象 に 再 び 教 員 調 査 を 実 施 する 2~4の 手 順 で 得 られた 調 査 票 と 客 観 テストの 結 果 を 収 集 し 表 計 算 ソフト 等 にてデータにと りまとめ 授 業 におけるタブレット 端 末 の 活 用 効 果 の 評 価 を 行 う - ICT 活 用 スキル 調 査 票 意 識 調 査 票 教 員 調 査 票 意 識 調 査 票 客 観 テスト ICT 活 用 スキル 調 査 票 教 員 調 査 票 - 8

目 次 はじめに... 1 実 証 事 業 の 概 要... 3 成 果 と 課 題... 3 ICT を 活 用 した 教 育 効 果 の 検 証 方 法... 7 概 要... 7 手 順... 8 目 次... 9 1 実 証 の 目 的 と 方 法... 13 1.1 背 景... 13 1.2 目 的 と 評 価 方 法... 15 1.3 体 制... 16 1.4 実 証 校 の 概 要 と 環 境... 18 1.4.1 揖 斐 小 学 校... 19 1.4.2 渋 川 小 学 校... 21 1.4.3 高 森 中 央 小 学 校... 23 1.4.4 山 田 小 学 校... 24 1.4.5 葵 中 学 校... 25 1.4.6 高 森 中 学 校... 26 1.4.7 山 江 中 学 校... 27 1.5 検 証 方 法 の 考 え 方... 28 1.5.1 タブレット 端 末 の 活 用 の 分 け 方... 28 1.5.2 対 象 学 級 の 考 え 方... 31 1.6 検 証 の 流 れ... 33 1.6.1 準 備... 35 1.6.2 事 前 調 査... 35 1.6.3 実 証 授 業... 35 1.6.4 事 後 調 査... 36 1.6.5 効 果 検 証... 36 2 児 童 生 徒 を 対 象 とした 調 査 と 評 価 結 果... 37 2.1 調 査 方 法 と 分 析 の 基 礎... 37 2.1.1 調 査 方 法 と 実 践 数... 37 2.1.2 調 査 の 種 類... 40 2.1.3 対 象 とした 児 童 生 徒 数... 43 9

2.1.4 確 認 した 検 定 方 法... 44 2.2 ICT 活 用 スキル 調 査 の 結 果 と 評 価... 47 2.2.1 質 問 項 目 と 略 称... 47 2.2.2 回 答 数... 48 2.2.3 調 査 結 果 の 前 後 の 比 較... 49 2.2.4 タブレット 端 末 の 整 備 時 期 に 係 る 検 討... 51 2.2.5 結 果 のまとめ... 52 2.3 意 識 調 査 の 結 果... 53 2.3.1 概 要... 53 2.3.2 質 問 項 目 と 略 称... 53 2.3.3 回 答 数... 55 2.3.4 因 子 分 析 の 結 果... 56 2.3.5 調 査 結 果 の 前 後 の 比 較... 59 2.3.6 タブレット 端 末 活 用 の 有 無 の 比 較... 62 2.3.7 単 元 の 前 半 後 半 と 活 用 有 無 に 係 る 検 討... 65 2.3.8 結 果 のまとめ... 67 2.4 客 観 テストの 結 果 の 評 価... 68 2.4.1 概 要... 68 2.4.2 回 答 数... 68 2.4.3 教 科 別 の 成 績 の 結 果... 71 2.4.4 評 価 観 点 別 の 成 績 の 結 果... 73 2.4.5 実 践 方 式 別 の 成 績 の 結 果... 74 2.4.6 タブレット 端 末 活 用 の 有 無 による 評 価... 78 2.4.7 実 践 方 式 別 の 成 績 の 評 価... 79 2.4.8 結 果 のまとめ... 82 2.5 問 題 解 決 的 な 学 習 に 係 る 検 証... 83 2.5.1 検 証 の 方 法 と 内 容... 83 2.5.2 ワークシートの 結 果... 91 2.5.3 実 証 授 業 における 問 題 解 決 的 な 学 習... 97 3 教 員 を 対 象 とした 調 査 の 結 果... 102 3.1 調 査 方 法 と 対 象 とした 教 員 数... 102 3.1.1 調 査 方 法... 102 3.1.2 対 象 とした 教 員 数... 103 3.2 ICT 活 用 指 導 力 の 調 査... 105 3.2.1 調 査 方 法... 105 3.2.2 ICT 活 用 指 導 力 の 前 後 の 比 較... 106 10

3.2.3 独 立 のデータと 対 応 のあるデータによる t 検 定 の 違 い... 108 3.2.4 できる 教 員 の 割 合 の 前 後 の 比 較... 110 3.2.5 分 析 結 果... 112 3.3 ICT 活 用 効 果 等 に 係 る 調 査 結 果... 113 3.3.1 タブレット 端 末 を 活 用 させたことがある 授 業 場 面... 113 3.3.2 タブレット 端 末 を 活 用 させたことがある 学 習 場 面... 115 3.3.3 指 導 できる 授 業 の 場 面... 117 3.3.4 効 果 的 なタブレット 端 末 等 の 活 用... 119 3.3.5 学 習 者 用 デジタルコンテンツの 効 果 的 な 点... 121 3.3.6 学 習 者 用 デジタルコンテンツの 活 用 場 面... 123 4 実 証 授 業 の 実 践... 125 4.1 実 践 の 内 容... 125 4.1.1 揖 斐 小 学 校... 125 4.1.2 渋 川 小 学 校... 128 4.1.3 高 森 中 央 小 学 校... 130 4.1.4 山 田 小 学 校... 132 4.1.5 葵 中 学 校... 134 4.1.6 高 森 中 学 校... 136 4.1.7 山 江 中 学 校... 137 4.2 模 様 と 事 例... 139 4.2.1 揖 斐 小 学 校... 139 4.2.2 渋 川 小 学 校... 144 4.2.3 高 森 中 央 小 学 校... 147 4.2.4 山 田 小 学 校... 151 4.2.5 葵 中 学 校... 155 4.2.6 高 森 中 学 校... 162 4.2.7 山 江 中 学 校... 166 4.3 考 察... 170 4.3.1 タブレット 端 末 の 活 用 における 効 果... 170 4.3.2 タブレット 端 末 の 活 用 における 課 題... 173 4.4 ヒアリング 調 査 によって 得 られた 知 見... 174 4.4.1 タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 における 評 価... 174 4.4.2 タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 における 課 題... 176 4.4.3 タブレット 端 末 を 活 用 しない 授 業 における 課 題... 178 4.4.4 検 証 方 法 における 評 価... 179 4.4.5 検 証 方 法 における 課 題... 180 11

4.4.6 検 証 方 法 における 提 案... 182 5 まとめ... 185 5.1 成 果... 185 5.1.1 調 査 結 果 から 得 られた 成 果... 185 5.1.2 実 証 校 における 実 践 から 得 られた 成 果... 187 5.2 課 題... 188 5.2.1 調 査 結 果 から 明 らかになった 課 題... 188 5.2.2 実 証 校 における 実 践 から 明 らかになった 課 題... 188 5.3 効 果 検 証 手 順 書... 189 参 考 資 料... 190 調 査 票... 190 意 識 調 査 票... 190 ICT 活 用 スキル 調 査 票... 203 教 員 調 査 票... 207 問 題 解 決 的 な 学 習 に 係 る 検 証... 221 実 証 授 業 案... 221 ワークシート... 227 WG1 会 議 および 報 告 会 実 施 状 況... 228 WG1 会 議 委 員 名 簿... 232 12

1 実 証 の 目 的 と 方 法 1.1 背 景 世 界 を 繋 ぐメディアとしてインターネットが 急 速 な 発 達 を 遂 げ 近 年 のスマートフォンや タブレット 端 末 の 普 及 により 1 人 1 台 の 情 報 端 末 環 境 が 実 現 し いつでも 誰 もがあらゆる 情 報 にアクセス 可 能 なユビキタス 社 会 が 本 格 的 に 到 来 している こうした 情 報 通 信 基 盤 知 識 基 盤 社 会 への 変 革 がグローバルにもたらされている 今 日 学 校 教 育 における ICT 活 用 は 政 府 の 重 要 課 題 である 学 校 教 育 における ICT 活 用 は 授 業 の 双 方 向 性 児 童 生 徒 の 主 体 性 や 意 欲 関 心 知 識 理 解 を 高 め 学 力 を 向 上 させることが 明 らかにされてきた 1 が 自 ら 課 題 を 発 見 探 究 し 柔 軟 に 解 決 できる 問 題 解 決 力 や 情 報 活 用 能 力 多 様 な 文 化 や 価 値 観 を 受 容 し 他 者 と 協 調 協 働 できるコミュニケーション 能 力 新 たな 価 値 を 創 造 する 能 力 等 知 や 技 術 の 陳 腐 化 が 早 く 変 化 の 激 しいこれからの 時 代 に 求 められるグローバルな 能 力 の 育 成 が 急 務 であるとともに 発 達 段 階 に 応 じた 効 果 的 な ICT の 活 用 や 協 働 型 双 方 向 型 の 授 業 実 践 に 向 けた 教 員 の ICT 活 用 指 導 力 の 向 上 の 重 要 性 は 一 層 高 まっている 文 部 科 学 省 による 平 成 25 年 までの 4 年 間 に 亘 る 実 証 研 究 では 様 々な ICT の 活 用 効 果 が 明 らかにされた 総 務 省 のフューチャースクール 推 進 事 業 では 児 童 生 徒 の 学 習 への 意 欲 や 質 協 働 学 習 等 への 評 価 の 高 まりや 教 員 の ICT 活 用 指 導 力 の 自 己 評 価 の 高 まりが 示 された とともに 児 童 生 徒 の 主 体 的 な 取 り 組 みを 促 進 しコミュニケーションを 活 性 化 する 可 能 性 が 示 唆 された 2 学 びのイノベーション 事 業 では ICT を 活 用 した 授 業 の 分 かりやすさ 等 が 児 童 生 徒 により 評 価 され 学 力 や ICT 活 用 スキルの 向 上 も 確 認 された 3 平 成 23 年 に 文 部 科 学 省 が 公 表 した 教 育 の 情 報 化 ビジョン 4 では 情 報 通 信 技 術 の 活 用 は ( 中 略 ) 基 礎 的 基 本 的 な 知 識 技 能 の 習 得 や 思 考 力 判 断 力 表 現 力 等 や 主 体 的 に 学 習 に 取 り 組 む 態 度 の 育 成 に 資 するもの と 明 記 され 子 供 たち 一 人 一 人 の 能 力 や 特 性 に 応 じた 1 教 育 の 情 報 化 の 推 進 に 資 する 研 究 ( 文 部 科 学 省 平 成 18 年 度 ) 電 子 黒 板 等 の 活 用 により 得 られる 学 習 効 果 等 に 関 する 調 査 研 究 ( 文 部 科 学 省 平 成 21 年 度 ) 2 教 育 分 野 における ICT 利 活 用 推 進 のための 情 報 通 信 技 術 面 に 関 するガイドライン( 手 引 書 )2014 中 学 校 特 別 支 援 学 校 ~ 実 証 事 業 の 成 果 をふまえて~ ( 文 部 科 学 省 平 成 25 年 度 ) 3 学 びのイノベーション 実 証 研 究 報 告 書 ( 文 部 科 学 省 平 成 26 年 度 ) 4 教 育 の 情 報 化 ビジョン ( 文 部 科 学 省 平 成 23 年 度 )

学 び 子 供 たち 同 士 が 教 え 合 い 学 び 合 う 協 働 的 な 学 びを 推 進 するためには 随 時 子 供 たち が 自 分 の 調 べた 内 容 を 他 者 のものと 比 較 吟 味 しながら 課 題 を 解 決 したり 考 えを 他 者 に 分 か りやすく 説 明 したりする 中 で 自 らの 理 解 を 深 めていくこと( 中 略 ) 等 が 有 用 である ( 中 略 )こ のためには 子 供 たち 1 人 1 台 の 情 報 端 末 環 境 を 整 備 することが 重 要 な 鍵 となる とされ 児 童 生 徒 の 能 力 や 特 性 に 応 じた 学 習 や 課 題 解 決 的 な 学 習 の 推 進 を 図 るに 当 たり 1 人 1 台 の 情 報 端 末 の 必 要 性 に 言 及 している こうした 調 査 研 究 結 果 を 受 け 平 成 25 年 6 月 に 閣 議 決 定 された 日 本 再 興 戦 略 では 2010 年 代 中 に 1 人 1 台 の 情 報 端 末 による 教 育 の 本 格 展 開 に 向 け 方 策 を 整 理 推 進 すること 等 が 盛 り 込 まれた 同 年 の 第 2 期 教 育 振 興 基 本 計 画 では 各 校 における 可 動 式 コンピュータ 40 台 等 の 配 備 が 目 標 水 準 として 示 され その 所 要 額 を 計 上 した 教 育 の IT 化 に 向 けた 環 境 整 備 4 か 年 計 画 では 平 成 29 年 度 までに 総 額 6,712 億 円 小 学 校 1 校 当 たり 564 万 円 の 地 方 交 付 税 措 置 が 講 じられている 一 方 地 方 公 共 団 体 においては 情 報 端 末 の 活 用 効 果 への 理 解 が 進 まず これら 財 政 措 置 が 有 効 に 活 用 されていない 現 状 にある 1 人 1 台 の 情 報 端 末 の 教 育 効 果 の 明 確 化 は 情 報 端 末 の 活 用 効 果 の 理 解 の 促 進 および 地 方 公 共 団 体 の 財 政 当 局 の 動 きの 活 性 化 の 観 点 からも 不 可 欠 と 言 える このような 先 行 的 な 調 査 研 究 および 政 府 の 取 り 組 みに 鑑 み また 平 成 26 年 度 の 文 部 科 学 省 事 業 である 先 導 的 な 教 育 体 制 構 築 事 業 における 基 礎 的 研 究 として 1 人 1 台 情 報 端 末 を 前 提 とした ICT 活 用 の 教 育 効 果 が 示 されることが 期 待 されている 14

1.2 目 的 と 評 価 方 法 本 実 証 事 業 では 前 節 の 背 景 を 踏 まえ ICT を 活 用 した 教 育 効 果 の 明 確 化 として 特 に 児 童 生 徒 1 人 1 台 のタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 における 教 育 効 果 を 明 らかにするととも に その 効 果 の 検 証 方 法 を 確 立 することを 目 的 とした 授 業 において 1 人 1 台 のタブレット 端 末 を 効 果 的 に 活 用 するには 教 員 の ICT 活 用 指 導 力 が 不 可 欠 となる 従 って 本 実 証 事 業 で 検 証 対 象 とする 教 育 効 果 は 大 別 して タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 の 実 践 によりもたらされる 児 童 生 徒 の 学 力 への 効 果 と 教 員 の ICT 活 用 指 導 力 への 効 果 とした 一 方 タブレット 端 末 の 活 用 の 効 果 は 児 童 生 徒 自 身 の ICT 操 作 スキルの 影 響 を 受 けることも 想 定 される このため 児 童 生 徒 の ICT 活 用 スキル についても 分 析 した さらに 授 業 におけるタブレット 端 末 の 活 用 により 児 童 生 徒 自 身 の 考 えの 他 者 との 比 較 や 吟 味 説 明 問 題 解 決 等 多 様 な 学 習 活 動 の 実 現 が 期 待 される 本 実 証 事 業 においては 付 加 的 に 問 題 解 決 的 な 学 習 を 通 じた 生 徒 の 学 力 への 効 果 についても 検 証 し その 手 法 の 在 り 方 の 可 能 性 を 検 討 した 効 果 の 検 証 方 法 は 実 証 校 の 教 員 によるタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 と 活 用 しない 授 業 の 2 種 の 実 証 授 業 を 実 施 することを 基 本 とし 児 童 生 徒 の 学 力 への 効 果 にあたっては 実 証 事 業 前 とそれぞれの 授 業 後 に 実 施 する 意 識 調 査 および 客 観 テストの 結 果 をタブレット 端 末 の 活 用 有 無 により 比 較 分 析 することで 評 価 した 教 員 の ICT 活 用 指 導 力 への 効 果 にあ たっても 同 様 に 実 証 の 前 後 に 実 施 する 意 識 調 査 の 結 果 を 比 較 分 析 するとともに 実 証 授 業 の 担 当 教 員 へのヒアリング 調 査 も 実 施 した なお 同 ヒアリング 調 査 では 教 員 から 見 た タブレット 端 末 の 活 用 による 児 童 生 徒 の 学 力 への 効 果 面 に 加 え 本 検 証 方 法 に 対 する 評 価 に ついて 聴 取 し 効 果 の 検 証 方 法 の 確 立 の 一 助 とした 本 報 告 書 が 全 国 の 地 方 公 共 団 体 や 学 校 をはじめ 教 育 にかかわる 関 係 者 に 参 考 とされ ICT を 活 用 した 授 業 に 積 極 的 に 取 り 組 まれる 契 機 となることを 期 待 したい 15

1.3 体 制 本 実 証 事 業 では 大 別 して 1 検 証 方 法 の 策 定 2 実 証 校 における 検 証 の 実 施 3 検 証 結 果 の 分 析 評 価 を 実 施 した これらの 推 進 にあたっての 体 制 を 構 築 した 岡 崎 市 揖 斐 川 町 草 津 市 高 森 町 山 江 村 教 育 委 員 会 教 育 委 員 会 教 育 委 員 会 教 育 委 員 会 教 育 委 員 会 葵 中 学 校 揖 斐 小 学 校 渋 川 小 学 校 高 森 中 央 小 学 校 山 田 小 学 校 高 森 中 学 校 山 江 中 学 校 実 証 校 ( 検 証 の 実 施 ) アドバイザ アドバイザ アドバイザ 益 川 委 員 久 世 委 員 山 本 委 員 清 水 WG1 長 WG1 会 議 ( 検 証 方 法 の 策 定 分 析 評 価 ) 事 務 局 ( 実 証 事 業 の 推 進 支 援 ) 文 部 科 学 省 ( 委 託 元 ) 図 2 体 制 図 16

公 募 にて 選 定 された 実 証 地 域 の 教 育 委 員 会 には 本 実 証 事 業 の 開 始 に 先 立 ち 必 要 となる 各 実 証 校 への 依 頼 連 絡 事 項 の 通 達 や 取 りまとめに 加 え 各 校 における 実 証 授 業 の 設 計 や 実 施 にともなう ICT 支 援 員 の 付 加 的 な 稼 働 の 調 整 等 の 対 応 を 頂 いた 各 実 証 校 には WG1 5 会 議 において 策 定 された 検 証 方 法 や 実 践 内 容 を 把 握 頂 いた 上 で 学 校 ごとに 策 定 されている 年 間 の 指 導 計 画 や 単 元 計 画 等 様 々な 既 定 の 条 件 を 鑑 み 実 現 可 能 な 検 証 の 実 施 計 画 を 検 討 頂 き 各 種 調 査 や 実 証 授 業 を 実 施 頂 いた WG1 長 は 実 証 全 体 の 方 針 検 証 の 範 囲 と 内 容 具 体 的 な 検 証 方 法 や 評 価 方 法 に 係 る 指 導 および 結 果 の 分 析 等 を 担 い 委 員 は 検 証 や 評 価 方 法 の 検 討 に 加 え それぞれ 担 当 の 実 証 校 に おけるアドバイザとして 実 証 授 業 の 設 計 に 際 する 教 員 への 助 言 実 証 授 業 の 実 践 模 様 の 観 察 や 講 評 等 を 行 った 事 務 局 は 以 上 の 実 証 や 検 証 方 法 の 策 定 に 係 る WG1 長 および 委 員 の 支 援 に 加 え 実 証 校 へ の 実 証 内 容 等 の 説 明 実 証 授 業 の 実 践 に 係 る 支 援 や 事 業 推 進 に 当 たり 必 要 となる 事 務 的 作 業 全 般 を 担 当 した 5 本 実 証 事 業 のワーキンググループ 1 ICTを 活 用 した 教 育 効 果 の 検 証 方 法 の 開 発 の 略 称 17

1.4 実 証 校 の 概 要 と 環 境 本 実 証 事 業 は 前 項 および 次 の 表 2に 示 すとおり 計 5 地 域 より 小 学 校 5 校 と 中 学 校 2 校 の 計 7 の 実 証 校 にて 検 証 を 行 った 表 2 実 証 校 実 証 地 域 実 証 校 名 児 童 生 徒 数 6 学 級 数 7 愛 知 県 岡 崎 市 葵 中 学 校 702 名 19 学 級 岐 阜 県 揖 斐 郡 揖 斐 川 町 揖 斐 小 学 校 195 名 6 学 級 滋 賀 県 草 津 市 渋 川 小 学 校 517 名 24 学 級 熊 本 県 阿 蘇 郡 高 森 町 高 森 中 央 小 学 校 251 名 12 学 級 高 森 中 学 校 144 名 8 学 級 熊 本 県 球 磨 郡 山 江 村 山 田 小 学 校 218 名 7 学 級 山 江 中 学 校 111 名 4 学 級 全 ての 実 証 校 では 本 実 証 事 業 の 開 始 時 点 で 電 子 黒 板 が 導 入 済 みとなり 教 員 および 児 童 生 徒 用 のタブレット 端 末 が 少 なくとも 部 分 的 に 配 備 され 専 従 または 巡 回 型 の ICT 支 援 員 が 配 置 されている 環 境 にある 次 項 より 各 実 証 校 の 概 要 および ICT 環 境 を 示 す 6 平 成 26 年 4 月 1 日 現 在 特 別 支 援 学 級 の 児 童 生 徒 を 除 く 7 平 成 26 年 4 月 1 日 現 在 特 別 支 援 学 級 を 除 く 18

1.4.1 揖 斐 小 学 校 揖 斐 小 学 校 では 3~6 年 の 学 級 において 実 証 を 行 った 表 3 揖 斐 小 学 校 環 境 児 童 生 徒 数 8 1 年 32 名 ( 単 学 級 ) 2 年 28 名 ( 単 学 級 ) 3 年 36 名 ( 単 学 級 ) 4 年 35 名 ( 単 学 級 ) 5 年 35 名 ( 単 学 級 ) 6 年 29 名 ( 単 学 級 ) 教 員 数 9 13 名 電 子 黒 板 導 入 時 期 平 成 21~26 年 導 入 率 10 100% タブレット 端 末 導 入 時 期 平 成 24 年 ~ 導 入 率 11 55% 揖 斐 川 町 全 体 で 校 内 LAN 各 教 室 1 台 の 電 子 黒 板 1 人 1 台 のタブレット 端 末 等 のハー ドウェア 環 境 校 務 支 援 システム デジタルコンテンツ 等 のソフトウェア 環 境 の 整 備 の 検 討 に 入 ったが 揖 斐 小 学 校 では 先 行 して ICT 環 境 を 整 えるとともに 教 育 の 情 報 化 に 対 応 した 授 業 や 校 務 支 援 等 の 実 証 研 究 を 行 っている 揖 斐 小 学 校 は ICT 活 用 を 教 科 等 の 目 標 を 達 成 するための 効 果 的 なツールの 1つとして 捉 え また 児 童 生 徒 の 情 報 活 用 能 力 の 育 成 を 図 る 情 報 教 育 特 に 情 報 モラル 教 育 を 小 学 校 低 学 年 から 計 画 的 に 進 める 必 要 があると 考 えており よいとこみつけ や 安 心 安 全 に 繋 がる 校 務 の 情 報 化 も 進 めている さらに 教 員 1 人 1 台 のノート 端 末 に 加 え 2012 年 度 には 教 員 1 人 1 台 のタブレット 端 末 (ipad)を 配 布 し 各 教 室 の 提 示 装 置 にタブレット 端 末 の 接 続 8 平 成 26 年 4 月 1 日 現 在 特 別 支 援 学 級 の 児 童 生 徒 を 除 く 9 平 成 26 年 4 月 1 日 現 在 管 理 職 を 含 む 10 導 入 台 数 / 学 級 数 にて 算 出 11 導 入 台 数 / 表 中 の 児 童 生 徒 数 にて 算 出 19

ケーブルと AppleTVを 設 置 している これらの 環 境 整 備 により 教 員 はインターネット 上 の 教 材 やアプリをダウンロードして 授 業 に 活 用 したり 体 育 の 鉄 棒 や 外 国 語 でコミュニケーションする 児 童 生 徒 の 様 子 を 撮 影 して 学 習 活 動 に 活 用 している また 教 室 や 下 足 箱 の 整 頓 等 学 級 で 決 めた 約 束 が 守 られている か 児 童 生 徒 がタブレット 端 末 で 撮 影 し 帰 りの 会 で 提 示 して 評 価 活 動 をしたり 児 童 生 徒 の 作 品 やノートを 撮 影 して 全 体 交 流 をしたりしている 理 科 室 には 電 子 黒 板 とタブレット 端 末 を 整 備 し 常 に 利 用 できる 環 境 となるため 天 気 の 学 習 で 気 象 衛 星 写 真 をインターネットで 調 べたり インストールされた 天 体 シミュレーション ソフトを 利 用 して 太 陽 月 の 動 きの 学 習 をしたり 色 の 変 化 を 伴 う 観 察 実 験 を 撮 影 比 較 し 発 表 する 等 積 極 的 に 活 用 している 20

1.4.2 渋 川 小 学 校 渋 川 小 学 校 では 3~6 年 の 一 部 学 級 において 実 証 を 行 った 表 4 渋 川 小 学 校 環 境 児 童 生 徒 数 12 1 年 70 名 (2 学 級 ) 2 年 80 名 (3 学 級 ) 3 年 90 名 (3 学 級 ) 4 年 98 名 (3 学 級 ) 5 年 92 名 (3 学 級 ) 6 年 87 名 (3 学 級 ) 教 員 数 13 31 名 電 子 黒 板 導 入 時 期 平 成 21 年 導 入 率 14 100% タブレット 端 末 導 入 時 期 平 成 25 年 ~ 導 入 率 15 41% 平 成 21~23 年 度 にかけて 草 津 市 内 全 小 中 学 校 の 全 普 通 教 室 に 電 子 黒 板 プロジェクタ 実 物 投 影 機 教 員 1 人 1 台 の 校 務 用 端 末 を 配 備 し 校 内 LANを 構 築 した 配 信 型 のデジタ ル 教 科 書 ( 国 語 算 数 社 会 )や 教 材 の 導 入 は 自 作 教 材 の 活 用 や 児 童 によるプレゼンテーシ ョン 発 表 等 授 業 が 変 わるきっかけとなった その 後 児 童 生 徒 用 タブレット 端 末 を 研 究 指 定 校 の 渋 川 小 学 校 に 35 台 配 備 し 平 成 26 年 度 には 市 内 全 小 中 学 校 ( 小 学 校 13 校 中 学 校 6 校 )に 計 約 3,200 台 のタブレット 端 末 を 導 入 した 草 津 市 立 教 育 研 究 所 では 授 業 の 活 性 化 を 図 るためのタブレット 端 末 の 諸 相 をテーマに 草 津 市 教 員 ICT 活 用 指 導 力 向 上 事 業 を 行 っている 研 究 員 による 研 究 タブレット 端 末 活 12 平 成 26 年 4 月 1 日 現 在 特 別 支 援 学 級 の 児 童 生 徒 を 除 く 13 平 成 26 年 4 月 1 日 現 在 管 理 職 を 含 む 14 導 入 台 数 / 学 級 数 にて 算 出 15 導 入 台 数 / 表 中 の 児 童 生 徒 数 にて 算 出 21

用 推 進 リーダー 養 成 研 修 教 員 研 修 等 多 面 的 に 実 施 し タブレット 端 末 を 活 用 した 一 斉 学 習 個 別 学 習 協 働 学 習 の 授 業 づくりを 推 進 し 児 童 生 徒 の 思 考 力 判 断 力 表 現 力 等 の 向 上 を 目 指 している 教 員 研 修 は 平 成 26 年 4 月 に 開 始 し 2 学 期 より 本 格 的 な 活 用 を 始 め まずは 全 教 員 が 定 番 の 活 用 として 児 童 生 徒 のタブレット 端 末 に 教 材 を 配 信 し 書 き 込 まれた 考 えを 電 子 黒 板 に 提 示 し 学 級 で 練 り 上 げてゆく 一 斉 学 習 を 進 めている 習 熟 が 進 むにつれ 多 様 な 授 業 展 開 を 盛 り 込 む 構 想 で 全 国 学 力 学 習 状 況 調 査 における B 問 題 を 意 識 した 学 力 向 上 に 取 り 組 ん でいる 22

1.4.3 高 森 中 央 小 学 校 高 森 中 央 小 学 校 では 4~6 年 の 一 部 学 級 において 実 証 を 行 った 表 5 高 森 中 央 小 学 校 環 境 児 童 生 徒 数 16 1 年 40 名 (2 学 級 ) 2 年 44 名 (2 学 級 ) 3 年 50 名 (2 学 級 ) 4 年 41 名 (2 学 級 ) 5 年 36 名 (2 学 級 ) 6 年 40 名 (2 学 級 ) 教 員 数 17 23 名 電 子 黒 板 導 入 時 期 平 成 23 年 導 入 率 18 100% タブレット 端 末 導 入 時 期 平 成 25 年 ~ 導 入 率 19 16% 16 平 成 26 年 4 月 1 日 現 在 特 別 支 援 学 級 の 児 童 生 徒 を 除 く 17 平 成 26 年 4 月 1 日 現 在 管 理 職 を 含 む 18 導 入 台 数 / 学 級 数 にて 算 出 19 導 入 台 数 / 表 中 の 児 童 生 徒 数 にて 算 出 23

1.4.4 山 田 小 学 校 山 田 小 学 校 では 3~6 年 の 一 部 学 級 において 実 証 を 行 った 表 6 山 田 小 学 校 環 境 児 童 生 徒 数 20 1 年 33 名 ( 単 学 級 ) 2 年 34 名 ( 単 学 級 ) 3 年 36 名 ( 単 学 級 ) 4 年 41 名 (2 学 級 ) 5 年 31 名 ( 単 学 級 ) 6 年 38 名 ( 単 学 級 ) 教 員 数 21 15 名 電 子 黒 板 導 入 時 期 平 成 23~24 年 導 入 率 22 100% タブレット 端 末 導 入 時 期 平 成 23 年 ~ 導 入 率 23 56% 20 平 成 26 年 4 月 1 日 現 在 特 別 支 援 学 級 の 児 童 生 徒 を 除 く 21 平 成 26 年 4 月 1 日 現 在 管 理 職 を 含 む 22 導 入 台 数 / 学 級 数 にて 算 出 23 導 入 台 数 / 表 中 の 児 童 生 徒 数 にて 算 出 24

1.4.5 葵 中 学 校 葵 中 学 校 では 1~3 年 の 一 部 学 級 において 実 証 を 行 った 表 7 葵 中 学 校 環 境 児 童 生 徒 数 24 1 年 234 名 (7 学 級 ) 2 年 232 名 (6 学 級 ) 3 年 236 名 (6 学 級 ) 教 員 数 25 49 名 電 子 黒 板 導 入 時 期 平 成 21 年 ~ 導 入 率 26 37% タブレット 端 末 導 入 時 期 平 成 25 年 ~ 導 入 率 27 12% 葵 中 学 校 では 学 び 合 い 磨 き 合 いを 軸 にした 思 考 力 判 断 力 表 現 力 の 育 成 を 実 現 す るために タブレット 端 末 をはじめとして 電 子 黒 板 実 物 投 影 機 等 様 々な ICT 機 器 を 用 い て ICT の 幅 広 い 活 用 法 と 生 徒 が 自 ら 求 めて ICTを 活 用 する 場 の 追 究 を 行 っている ICTを 授 業 を 成 り 立 たせ 具 体 化 する 便 利 な 道 具 として 捉 え 特 別 な 授 業 をするた めではなく あくまで 道 具 として 活 用 し 授 業 を 主 役 に 据 えることを 重 視 している そのた め 生 徒 から いかに 深 い 学 びを 引 き 出 すか を 検 討 し 教 科 の 専 門 性 や 教 材 研 究 を 根 底 に 多 様 な 教 授 法 や ICT 活 用 法 を 組 み 合 わせた 生 徒 中 心 型 授 業 における 普 段 使 いとしての ICT 活 用 を 目 指 している ICT 活 用 を 学 校 全 体 での 取 り 組 みとしていくために ICT 活 用 の 得 意 な 教 員 のみによる 特 別 な 授 業 の 実 践 ではなく 全 教 員 が 個 々に 工 夫 し 授 業 をよりよくする 過 程 で ICT を 活 用 している 実 際 に 日 々の 授 業 で 多 くの 教 員 が 教 科 や 単 元 の 特 徴 にあわせて 様 々な ICT 機 器 を 活 用 している 24 平 成 26 年 4 月 1 日 現 在 特 別 支 援 学 級 の 児 童 生 徒 を 除 く 25 平 成 26 年 4 月 1 日 現 在 管 理 職 を 含 む 26 導 入 台 数 / 学 級 数 にて 算 出 27 導 入 台 数 / 表 中 の 児 童 生 徒 数 にて 算 出 25

1.4.6 高 森 中 学 校 高 森 中 学 校 では 1 2 年 の 学 級 において 実 証 を 行 った 表 8 高 森 中 学 校 環 境 児 童 生 徒 数 28 1 年 55 名 (2 学 級 ) 2 年 44 名 (2 学 級 ) 3 年 45 名 (2 学 級 ) 教 員 数 29 17 名 電 子 黒 板 導 入 時 期 平 成 23 年 導 入 率 30 100% タブレット 端 末 導 入 時 期 平 成 25 年 ~ 導 入 率 31 28% 28 平 成 26 年 4 月 1 日 現 在 特 別 支 援 学 級 の 児 童 生 徒 を 除 く 29 平 成 26 年 4 月 1 日 現 在 管 理 職 を 含 む 30 導 入 台 数 / 学 級 数 にて 算 出 31 導 入 台 数 / 表 中 の 児 童 生 徒 数 にて 算 出 26

1.4.7 山 江 中 学 校 山 江 中 学 校 では 1 2 年 の 学 級 において 実 証 を 行 った 表 9 山 江 中 学 校 環 境 児 童 生 徒 数 32 1 年 40 名 ( 単 学 級 ) 2 年 43 名 (2 学 級 ) 3 年 28 名 ( 単 学 級 ) 教 員 数 33 13 名 電 子 黒 板 導 入 時 期 平 成 23~25 年 導 入 率 34 100% タブレット 端 末 導 入 時 期 平 成 24~25 年 導 入 率 35 100% 32 平 成 26 年 4 月 1 日 現 在 特 別 支 援 学 級 の 児 童 生 徒 を 除 く 33 平 成 26 年 4 月 1 日 現 在 管 理 職 を 含 む 34 導 入 台 数 / 学 級 数 にて 算 出 35 導 入 台 数 / 表 中 の 児 童 生 徒 数 にて 算 出 27

1.5 検 証 方 法 の 考 え 方 本 検 証 方 法 では タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 と 活 用 しない 授 業 の 2 種 の 授 業 ( 以 下 実 証 授 業 という)を 検 証 対 象 の 学 級 において 計 画 的 に 実 施 し 各 種 の 授 業 後 に 意 識 調 査 と 客 観 テストを 実 施 して タブレット 端 末 の 活 用 の 有 無 により 比 較 分 析 をすることを 基 本 とした 各 実 証 校 では 様 々な 教 科 単 元 学 年 に 亘 り 複 数 回 の 実 践 (n 回 の 検 証 は n 実 践 と 数 え ることとする)が 行 われた 次 項 から 具 体 的 な 検 証 方 法 の 考 え 方 について 説 明 する 1.5.1 タブレット 端 末 の 活 用 の 分 け 方 (1) 単 元 の 前 半 と 後 半 で 分 ける 場 合 ある 単 元 U1における 学 習 内 容 が 前 半 と 後 半 で 独 立 している 場 合 は 単 元 の 前 半 と 後 半 に 分 割 して 実 施 する 単 元 前 半 の 終 了 後 意 識 調 査 と 前 半 での 学 習 内 容 に 対 応 した 客 観 テスト を 実 施 する 同 様 に 単 元 後 半 の 終 了 後 意 識 調 査 と 後 半 での 学 習 内 容 に 対 応 した 客 観 テス トを 実 施 する 実 施 のイメージを 図 3に 分 割 できる 単 元 の 例 を 表 10 に 示 す 図 3 単 元 分 割 の 場 合 28

教 科 書 学 年 表 10 単 元 分 割 の 例 単 元 全 体 単 元 前 半 単 元 後 半 1 教 材 文 を 通 読 して 感 想 3メディアや 情 報 につい 国 5 テレビとの 付 き 合 を 交 流 する(1h) て 考 える(3h) 語 年 い 方 2 筆 者 の 考 えを 読 み 取 り 4 考 えを 交 流 し 学 習 を 考 える(4h) 振 り 返 る(1h) 算 5 四 角 形 と 三 角 形 の 平 行 四 辺 形 の 面 積 の 求 め 三 角 形 の 面 積 の 求 め 方 小 数 年 面 積 方 (3h) (3h) 学 校 理 科 5 年 流 れる 水 のはたら き 1 流 れる 水 は 地 面 をどう 変 えるのか(3h) 2 川 の 水 は 土 地 のようす 3 水 の 流 し 方 を 変 えて 流 れる 水 のはたらきを 調 べ よう(4h) 4 川 を 観 察 して 水 のはた を 変 えるのか(3h) らきを 調 べよう(3h) 社 会 東 京 5 年 情 報 化 した 社 会 と わたしたちの 生 活 1 情 報 産 業 とわたしたち のくらし(7h) 2 社 会 を 変 える 情 報 (7h) 国 語 書 籍 1 年 読 むこと の 学 習 材 として 遠 い 山 脈 (3h) さんちき(4h) 数 学 2 年 式 の 計 算 1 単 項 式 と 多 項 式 (1h) 2 多 項 式 の 計 算 (3h) 3 単 項 式 の 乗 法 と 除 法 (2h) 4 式 の 値 (1h) 中 2 植 物 の 生 殖 (3h) 学 理 3 生 命 の 成 長 と 生 殖 1 生 物 の 成 長 と 細 胞 の 変 3 動 物 の 生 殖 (1h) 校 科 年 ( 科 学 ) 化 (5h) 4 有 性 生 殖 と 無 性 生 殖 の 特 徴 (1h) 社 会 1 年 世 界 の 諸 地 域 ( 地 理 ) アジア 州 をながめて(5h) ヨーロッパ 州 をながめて (5h) 英 語 1 年 Unit5 Unit6 お 祭 り 大 好 き (Howmany Let s 3h) ベッキーのおばあちゃん ( 三 単 現 肯 定 疑 問 3h) 29

(2) 単 元 U1と 別 の 単 元 U2で 分 ける 場 合 単 元 の 前 半 における 学 習 結 果 が 後 半 の 学 習 に 影 響 を 与 える 場 合 は 単 元 を 分 割 せずに そ の 単 元 U1 ではタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 を 実 施 し 別 の 単 元 U2においてタブレット 端 末 を 活 用 しない 授 業 を 実 施 する それぞれの 単 元 の 授 業 が 終 了 した 時 点 で 意 識 調 査 と 客 観 テストを 実 施 する 実 施 のイメージを 図 4に 示 す 図 4 複 数 単 元 の 場 合 30

1.5.2 対 象 学 級 の 考 え 方 (1) 同 一 学 年 で 複 数 学 級 での 実 証 授 業 が 可 能 な 場 合 2 学 級 でタブレット 端 末 活 用 有 無 を 比 較 する 方 法 を 図 5 に 示 す なお この 図 は 前 項 で 述 べた 分 け 方 のうち 単 元 の 前 半 と 後 半 で 分 割 した 場 合 を 示 している A 組 と B 組 におい て 単 元 前 半 と 後 半 でタブレット 端 末 活 用 有 無 を 入 れ 替 えて 同 一 単 元 の 授 業 を 実 施 して 1 実 践 とする 同 じ 2 学 級 で 再 び 実 践 をする 場 合 A 組 と B 組 のタブレット 端 末 活 用 の 有 無 を 入 れ 替 え て 実 施 することにより A 組 と B 組 の 単 元 における 活 用 タイミングのバランスを 取 るよう 留 意 する 1 学 級 を 2グループに 分 けて 授 業 が 可 能 な 場 合 は 図 5 に 示 す 方 法 で 実 証 授 業 を 実 施 する 図 5 複 数 学 級 の 場 合 (1 実 践 ) 31

(2) 単 学 級 で 実 証 授 業 をする 場 合 1 学 級 でタブレット 端 末 活 用 有 無 を 比 較 する 方 法 を 図 6 に 示 す 単 元 U1 前 半 でタブレッ ト 端 末 を 活 用 した 授 業 を 実 施 し 単 元 U1 後 半 で 活 用 しない 授 業 を 実 施 する ただし 単 元 の 前 半 と 後 半 の 内 容 にかかわらずタブレット 端 末 活 用 による 効 果 の 違 いを 調 査 する 必 要 が あるため 単 元 U1 と 同 等 な 単 元 U2を 計 画 し 単 元 U1と 活 用 有 無 を 入 れ 替 えて 単 元 U2 前 半 にタブレット 端 末 を 活 用 しない 授 業 を 単 元 U2 後 半 に 活 用 した 授 業 を 実 施 し これを 1 実 践 とする ただし 本 実 証 事 業 を 通 じて 実 施 する 意 識 調 査 の 回 数 が 児 童 生 徒 にとって 多 くなると 正 確 な 調 査 結 果 が 得 られない 可 能 性 も 想 定 されるため 本 実 証 事 業 においては 図 6 に 示 す 実 践 方 式 の 前 半 となる 単 元 U1 部 分 のみで 1 実 践 後 半 の 単 元 U2 部 分 のみで 1 実 践 とみなした 場 合 の 効 果 検 証 も 実 施 することとし より 妥 当 性 の 高 い 実 践 方 式 を 検 討 する 図 6 単 学 級 の 場 合 (1 実 践 ) 32

1.6 検 証 の 流 れ 検 証 手 順 の 概 要 は 表 11のようになり 一 例 として 検 証 手 順 の 流 れのイメージを 図 7 に 示 す 表 11に 基 づき 次 項 より 手 順 の 各 項 目 について 述 べる 表 11 検 証 手 順 の 概 要 手 順 概 要 利 用 様 式 準 備 検 証 実 施 時 期 対 象 学 級 等 を 決 定 - 事 前 調 査 実 証 授 業 事 後 調 査 効 果 検 証 教 員 および 児 童 生 徒 を 対 象 に 事 前 調 査 を 実 施 タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 と 活 用 し ない 授 業 を 実 施 授 業 後 児 童 生 徒 を 対 象 に 意 識 調 査 と 客 観 テストを 実 施 教 員 および 児 童 生 徒 を 対 象 に 事 後 調 査 を 実 施 調 査 結 果 から 児 童 生 徒 の 学 力 への 効 果 を 検 証 客 観 テスト 結 果 から 児 童 生 徒 の 学 力 への 効 果 を 検 証 調 査 結 果 から 児 童 生 徒 の ICT 活 用 スキル への 効 果 を 検 証 調 査 結 果 から 教 員 の ICT 活 用 指 導 力 への 効 果 を 検 証 ICT 活 用 スキル 調 査 票 36 意 識 調 査 票 37 教 員 調 査 票 38 意 識 調 査 票 ICT 活 用 スキル 調 査 票 教 員 調 査 票 - 36 参 考 資 料 参 照 37 参 考 資 料 参 照 38 参 考 資 料 参 照 33

図 7 検 証 手 順 のイメージ( 一 例 ) 34

1.6.1 準 備 実 証 の 開 始 前 に 実 証 授 業 の 実 施 時 期 実 践 数 学 年 教 科 単 元 学 級 を 決 定 した 実 施 時 期 はできる 限 り 学 期 や 行 事 等 を 跨 ぐことのないよう 設 定 し 実 践 数 は 学 校 の 規 模 設 備 状 況 等 を 踏 まえて 決 定 した また 学 年 教 科 単 元 に 関 しては 実 施 時 期 に 学 習 する 単 元 内 容 を 前 提 としてタブレット 端 末 を 活 用 しない 授 業 の 実 施 が 適 当 かどうかに 留 意 し 単 元 内 容 の 難 易 度 についてもできるだけ 同 等 となるよう 選 定 した 各 調 査 は 回 答 後 回 答 者 ごとに 分 析 を 実 施 するため 児 童 生 徒 や 教 員 の 氏 名 等 個 人 情 報 に 配 慮 し 実 証 対 象 の 教 員 および 児 童 生 徒 へ 複 数 の 調 査 に 亘 って 共 通 の 整 理 番 号 を 付 与 し 全 ての 調 査 の 冒 頭 にこれを 記 入 することで 管 理 した 1.6.2 事 前 調 査 実 証 の 前 段 の 調 査 として 実 証 対 象 学 級 の 児 童 生 徒 を 対 象 に ICT 活 用 スキル 調 査 および 意 識 調 査 を 実 施 した 意 識 調 査 票 は 質 問 項 目 の 異 なる 様 式 が 3 種 あり 実 証 校 の ICT 導 入 状 況 を 踏 まえて 選 択 して 実 施 した 児 童 による 回 答 時 は 児 童 が 設 問 内 容 を 十 分 理 解 できるよ う 補 足 説 明 をする 等 教 員 による 支 援 を 実 施 した 同 様 に 教 員 の 事 前 調 査 として 実 証 校 の 全 教 員 を 対 象 に 教 員 調 査 を 実 施 した 1.6.3 実 証 授 業 実 証 校 にて 実 証 対 象 となる 単 元 において 活 用 の 順 序 に 留 意 しながらタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 と 活 用 しない 2 種 の 実 証 授 業 を 実 施 した なお タブレット 端 末 を 活 用 した 全 実 証 授 業 において 必 ずしも 活 用 する 必 要 はなく タブ レット 端 末 の 活 用 効 果 に 照 らし 単 元 を 通 じて 相 応 しい 学 習 活 動 や 場 面 を 中 心 に 吟 味 して 活 用 することが 好 ましい 2 種 の 実 証 授 業 それぞれの 最 終 授 業 後 児 童 生 徒 を 対 象 に 意 識 調 査 と 客 観 テストを 実 施 し た 授 業 後 調 査 票 は 質 問 項 目 の 異 なる 様 式 が 3 種 あり 授 業 におけるタブレット 端 末 の 活 用 の 有 無 に 応 じてこれら 様 式 を 使 い 分 けることに 留 意 した 客 観 テストは 単 元 を 前 後 に 分 割 する 場 合 分 割 された 学 習 範 囲 に 応 じた 出 題 が 必 要 とな るが 市 販 の 単 元 テストの 多 くは 対 象 の 単 元 の 学 習 内 容 全 てを 出 題 範 囲 とし 単 元 の 前 半 また 35

は 後 半 のみ 出 題 できる 構 成 とはなっていない このため 実 証 校 によっては 教 員 自 身 で 学 習 範 囲 に 応 じた 客 観 テストを 作 成 して 実 施 することとなった 問 題 は 配 点 を 明 確 にし 検 証 したい 能 力 に 応 じて 思 考 判 断 表 現 技 能 知 識 理 解 等 の 評 価 観 点 を 設 けて 出 題 することが 望 ましい 1.6.4 事 後 調 査 各 実 証 校 における 全 実 証 授 業 の 終 了 後 事 後 調 査 として 実 証 対 象 学 級 の 児 童 生 徒 を 対 象 に 再 び ICT 活 用 スキル 調 査 を 実 施 し 実 証 校 の 全 教 員 を 対 象 に 再 び 教 員 調 査 を 実 施 した 1.6.5 効 果 検 証 事 前 調 査 実 証 授 業 事 後 調 査 で 得 られた 調 査 票 客 観 テストの 結 果 を 収 集 し 表 計 算 ソ フトを 用 いてデータとしてとりまとめ 授 業 におけるタブレット 端 末 の 活 用 効 果 児 童 生 徒 の ICT 活 用 スキル 教 員 の ICT 活 用 指 導 力 について 統 計 解 析 ソフト SPSS を 用 いて 分 析 検 証 を 行 った 意 識 調 査 の 結 果 から タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 による 児 童 生 徒 の 意 識 の 変 容 および 学 力 への 効 果 を 検 証 した 客 観 テストの 結 果 から タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 による 児 童 生 徒 の 学 力 への 効 果 を 検 証 した ICT 活 用 スキル 調 査 の 結 果 から タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 による 児 童 生 徒 の ICT の 基 礎 的 活 用 能 力 への 影 響 を 検 証 した 教 員 調 査 の 結 果 から 実 証 授 業 の 設 計 や 実 施 を 通 じた 教 員 の ICT 活 用 指 導 力 への 影 響 を 検 証 した 36

2 児 童 生 徒 を 対 象 とした 調 査 と 評 価 結 果 2.1 調 査 方 法 と 分 析 の 基 礎 2.1.1 調 査 方 法 と 実 践 数 本 実 証 事 業 における 児 童 生 徒 を 対 象 とした 調 査 では タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 と 活 用 しない 授 業 の 教 育 効 果 の 違 いを 分 析 評 価 することを 目 的 の 1 つとしている そこで 本 実 証 事 業 では 図 8 に 示 す 実 証 授 業 を 実 践 してもらうよう 実 証 校 に 依 頼 した この 図 において ある 単 元 Aを 前 半 と 後 半 に 分 けて 単 元 の 前 半 のタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 後 に 児 童 生 徒 を 対 象 とした 意 識 調 査 と 客 観 テストを 実 施 することにし 単 元 の 後 半 では 活 用 しない 授 業 を 行 い 授 業 後 に 意 識 調 査 と 客 観 テストを 実 施 するよう 依 頼 した また 別 の 単 元 Bにおいては 逆 に 単 元 前 半 でタブレット 端 末 を 活 用 しない 授 業 を 実 施 し 単 元 後 半 にはタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 を 実 施 するようにした このように 前 半 と 後 半 における 活 用 の 有 無 を 入 れ 替 えることによって 単 元 の 前 半 と 後 半 および 単 元 AとBの 学 習 内 容 の 違 いを 相 殺 することができると 考 え 本 実 証 事 業 では 図 8 に 示 す 4つの 授 業 の 後 に 意 識 調 査 と 客 観 テストを 実 施 したものを 1 実 践 とすることと した 従 って 1 実 践 には 4 回 の 事 後 の 意 識 調 査 と 客 観 テストが 行 われる 単 元 の 前 半 単 元 の 後 半 単 元 A タブレットを 活 用 した 授 業 意 客 識 観 調 テ 査 ス ト タブレットを 活 用 しない 授 業 意 客 識 観 調 テ ス 査 ト 単 元 B タブレットを 活 用 しない 授 業 意 客 識 観 調 テ ス 査 ト タブレットを 活 用 した 授 業 意 客 識 観 調 テ ス 査 ト 図 8 ICT 活 用 の 有 無 の 比 較 検 証 の 方 法 37

ただし 図 8に 示 すような 単 元 を 分 割 した 実 証 授 業 に 限 定 せず 異 なる 単 元 を 前 半 後 半 に 相 当 する 時 間 帯 に 実 施 したり 単 元 B( 図 の 下 の 部 分 )を 別 の 学 級 で 実 施 したりする 場 合 も あった 次 に 各 実 証 校 における 実 践 数 と 意 識 調 査 と 客 観 テストの 実 施 回 数 を 表 12 に 示 す この 表 に 示 すように 3 校 で 4 実 践 が 実 施 され 2 校 で 5 実 践 1 校 で 6 実 践 が 行 われ 全 体 で 33 実 践 となっている また 事 後 の 意 識 調 査 と 客 観 テストを 実 施 した 回 数 は それぞれ 132 回 であり 両 方 を 合 計 すると 264 回 のデータを 得 ることができた 表 12 各 実 証 校 における 実 践 数 校 種 実 証 校 実 践 数 調 査 の 実 施 回 数 揖 斐 小 学 校 6 24 小 学 校 渋 川 小 学 校 4 16 高 森 中 央 小 学 校 5 20 山 田 小 学 校 5 20 葵 中 学 校 5 20 中 学 校 高 森 中 学 校 4 16 山 江 中 学 校 4 16 計 33 132 38

次 に 学 年 別 にみた 教 科 に 関 する 実 践 数 を 表 13 に 示 す この 表 から 分 かるように 算 数 数 学 が 13 実 践 と 最 も 多 く 実 践 され 次 いで 理 科 が 8 実 践 社 会 が 7 実 践 となっている また 1 実 践 を 同 じ 学 級 で 実 施 したか 異 なる 学 級 で 実 施 したかについて 集 計 したものを 表 14 に 示 す この 表 に 示 すように 同 じ 学 級 で 1 実 践 を 行 った 場 合 が 14 実 践 異 なる 学 級 で 行 った 場 合 が 19 実 践 となっている 表 13 学 年 と 教 科 別 の 実 践 数 校 種 小 学 校 中 学 校 学 年 3 年 4 年 5 年 6 年 1 年 2 年 3 年 計 国 語 1 1 2 社 会 1 4 1 1 7 算 数 数 学 5 3 1 2 2 13 理 科 3 2 1 1 1 8 英 語 3 3 計 4 7 4 5 6 5 2 33 表 14 学 年 別 にみた 同 じ 学 級 での 実 践 と 異 なる 学 級 での 実 践 数 校 種 小 学 校 中 学 校 学 年 3 年 4 年 5 年 6 年 1 年 2 年 3 年 計 同 じ 学 級 3 3 2 3 2 1 14 異 なる 学 級 1 4 2 2 4 4 2 19 計 4 7 4 5 6 5 2 33 39

2.1.2 調 査 の 種 類 本 実 証 事 業 は タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 の 効 果 測 定 の 手 法 の 確 立 を 目 的 としてい る そこで 児 童 生 徒 を 対 象 とした 調 査 として 以 下 の 3つの 調 査 を 実 施 し 分 析 評 価 す ることにした 1 ICT 活 用 スキル 調 査 児 童 生 徒 のコンピュータの 基 本 的 な 操 作 スキルのレベルが タブレット 端 末 活 用 に 関 す る 意 識 や 客 観 テストに 関 係 すると 思 われる そこで 実 態 を 把 握 するために 10 項 目 からな る 質 問 票 を 設 定 し 実 証 が 開 始 される 前 の 2014 年 9 月 と 実 証 授 業 期 間 の 終 了 する 2015 年 1 月 に 調 査 を 実 施 した 図 に 示 すと 図 9 のようになり 事 前 調 査 における 回 答 と 事 後 調 査 における 回 答 を 比 較 分 析 することによって タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 と 活 用 しない 授 業 を 実 践 した 期 間 の 前 後 の 操 作 スキルの 変 化 を 調 べることができる 各 実 証 校 において は 図 9 に 示 すように 3 校 で 4 実 践 が 実 施 され 2 校 で 5 実 践 1 校 で 6 実 践 が 行 われた 図 9 ICT 活 用 スキルの 事 前 調 査 と 事 後 調 査 40

2 授 業 前 後 の 意 識 調 査 タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 に 対 する 児 童 生 徒 の 意 識 に 関 して 20 項 目 の 調 査 票 を 設 定 し 実 証 事 業 開 始 前 の 2014 年 9 月 と 2014 年 9 月 から 12 月 に 亘 る 実 証 授 業 後 に 実 施 した 図 示 すると 図 10 に 示 すとおりとなり 事 後 の 意 識 調 査 は タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 後 と 活 用 しない 授 業 後 に 実 施 している そのため 例 えば 4 実 践 を 実 施 した 実 証 校 の 場 合 は 8 回 の 事 後 意 識 調 査 を 実 施 していることになり 5 実 践 の 学 校 では 10 回 の 調 査 6 実 践 の 学 校 では 12 回 の 事 後 意 識 調 査 を 実 施 している このように 前 述 の1ICT 活 用 スキル 調 査 における 事 後 の 調 査 とは 異 なるが 事 前 の 意 識 調 査 の 回 答 と 事 後 の 意 識 調 査 の 回 答 をまとめて 比 較 して 児 童 生 徒 の 意 識 の 変 化 を 分 析 評 価 することにした また 実 証 授 業 はタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 後 と 活 用 しない 授 業 後 の 意 識 調 査 の 回 答 を 比 較 することによって 活 用 の 有 無 による 児 童 生 徒 の 意 識 の 違 い を 分 析 評 価 した 図 10 事 前 の 意 識 調 査 と 事 後 の 意 識 調 査 41

3 客 観 テスト タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 としない 授 業 の 後 に 客 観 テストを 実 施 し タブレット 端 末 活 用 の 有 無 によって 児 童 生 徒 のテスト 結 果 を 比 較 した 客 観 テストについて 図 示 すると 図 11 のようになり 図 10 に 示 す 事 後 意 識 調 査 と 同 様 に タブレット 端 末 を 活 用 した 複 数 回 の 授 業 を 実 施 した 後 と 活 用 しない 複 数 回 の 授 業 を 実 施 した 後 に 客 観 テストを 実 施 した そこで 両 者 のテストの 結 果 を 比 較 分 析 することによって 活 用 の 有 無 の 違 いを 分 析 評 価 することにした 図 11 タブレット 端 末 の 活 用 の 有 無 の 違 いと 客 観 テストの 実 施 42

2.1.3 対 象 とした 児 童 生 徒 数 本 実 証 事 業 では 小 学 校 4 校 中 学 校 3 校 の 実 証 に 調 査 を 依 頼 したが 調 査 の 対 象 となっ た 児 童 生 徒 数 を 表 15に 示 す この 表 に 示 すように 小 学 校 と 中 学 校 を 合 わせた 全 体 で 1,200 名 に 前 述 した1ICT 活 用 スキル 調 査 2 授 業 前 後 の 意 識 調 査 3 客 観 テストの 協 力 を 得 る ことができた ただし 実 施 時 に 欠 席 した 児 童 生 徒 がわずかにいたため 分 析 評 価 する 際 の 分 析 対 象 者 数 は 欠 席 者 数 だけ 少 ない 数 になる なお 表 には 示 していないが 小 学 校 で は 650 名 中 学 校 では 550 名 が 対 象 になった 児 童 生 徒 数 である 表 15 調 査 対 象 とした 児 童 生 徒 の 数 校 種 実 践 校 小 3 小 4 小 5 小 6 中 1 中 2 中 3 計 揖 斐 小 学 校 29 35 37 34 135 小 学 校 渋 川 小 学 校 62 66 62 59 249 高 森 中 央 小 学 校 0 42 38 40 120 山 田 小 学 校 36 41 31 38 146 葵 中 学 校 131 77 155 363 中 学 校 高 森 中 学 校 60 45 0 105 山 江 中 学 校 39 43 0 82 計 127 184 168 171 230 165 155 1,200 43

2.1.4 確 認 した 検 定 方 法 本 実 証 事 業 では ICT 活 用 の 効 果 検 証 をするとともに 検 証 方 法 を 明 確 にすることも 求 められている そこで 本 実 証 事 業 では 独 立 したデータの t 検 定 と 対 応 のあるデータの t 検 定 の 2つの t 検 定 の 方 法 の 違 いについて 検 討 した この 2 つの t 検 定 については 1ICT 活 用 スキル 調 査 2 意 識 調 査 3 客 観 テスト 4 教 員 調 査 の 全 ての 分 析 評 価 の 結 果 の 説 明 に 必 要 となるため ここで t 検 定 の 基 本 について 説 明 する 1 独 立 したデータのt 検 定 一 般 に t 検 定 というと ここで 説 明 する 独 立 したデータの t 検 定 を 意 味 し 例 えば 表 16 に 示 すようなデータに 対 する t 検 定 となる この 表 は 活 用 有 と 活 用 無 の 場 合 のテストの 結 果 例 で 活 用 有 のデータとしては 14 名 活 用 無 のデータとして 12 名 のテスト 結 果 を 示 し ている そこで それぞれの 場 合 は 平 均 値 と 標 準 偏 差 を 表 の 下 に 示 している 表 16 独 立 したデータのt 検 定 活 用 有 活 用 無 66 58 98 81 70 40 65 40 45 60 51 20 75 65 50 60 50 20 70 50 80 60 55 40 95 55 平 均 64.5 48.7 標 準 偏 差 18.6 19.6 5%で 有 意 44

独 立 したデータの t 検 定 では 2 つの 母 集 団 (この 場 合 は 活 用 有 と 無 )に 差 がないとする 仮 説 ( 帰 無 仮 説 )が 成 立 するかしないかを 統 計 的 に 調 べる 手 法 で 母 集 団 が 正 規 分 布 に 従 うと 仮 定 するパラメトリック 検 定 法 である そして 帰 無 仮 説 が 否 定 された 場 合 は 対 立 仮 説 (こ こでは 活 用 の 有 無 に 差 があること)の 信 頼 度 が 高 くなる なお 一 般 的 には 有 意 である 水 準 として 1% 水 準 と 5% 水 準 の 結 果 を 示 すことが 多 い なお 表 16 に 示 すデータについて 独 立 したデータの t 検 定 をした 結 果 活 用 有 と 活 用 無 には 5% 水 準 で 有 意 差 があるとの 結 果 となった 2 対 応 のあるデータによる t 検 定 対 応 のある t 検 定 で 必 要 となるデータの 例 を 表 17 に 示 すように No の 欄 には S01 から S15 の 児 童 生 徒 番 号 を 示 し それぞれの 児 童 生 徒 の 活 用 有 と 無 の 授 業 後 のテスト 結 果 を 示 し ている そして 差 の 列 には 活 用 有 と 活 用 無 のテスト 結 果 の 差 を 示 しており 全 ての 児 童 生 徒 のテスト 結 果 において 活 用 有 の 場 合 が 高 いとはならずに 差 がマイナスの 場 合 があ ることを 示 している 表 17 対 応 のあるデータのt 検 定 No 活 用 有 活 用 無 差 S01 66 58 8 S02 98 81 17 S03 85 S04 65 40 25 S05 45 32 13 S06 51 60-9 S07 90 S08 50 20 30 S09 50 65-15 S10 85 S11 80 60 20 S12 55 20 35 S13 30 S14 95 60 35 S15 55 40 15 1%で 有 意 平 均 15.8 45

対 応 のあるデータの t 検 定 では この 差 の 値 から 検 定 する そのため 表 17 における S03 と S07 S10の3 名 の 児 童 生 徒 は 活 用 無 のテストを 欠 席 しており また S13 の 児 童 生 徒 は 活 用 有 のテストを 欠 席 しているため 対 応 のある t 検 定 では 除 かれる そのため 対 応 のある t 検 定 では 15 名 から 4 名 除 かれ 11 名 の 児 童 生 徒 のデータで t 検 定 される なお 表 17に 示 すデータについて 対 応 のある t 検 定 をした 結 果 活 用 有 と 無 には 1% 水 準 で 有 意 差 があるとの 結 果 となり 先 に 述 べた 独 立 したデータによる t 検 定 の 有 意 水 準 とは 異 なっていることが 分 かる 3 2 つの t 検 定 の 違 い 2 つの t 検 定 を 比 較 すると 例 えば 欠 席 者 が 少 ない 場 合 等 多 くの 場 合 対 応 のある t 検 定 の 方 が 有 意 差 が 出 やすい 傾 向 にある ただし 欠 席 者 数 分 だけデータ 数 が 少 なくなるた め 一 般 的 に 言 えることではなく 活 用 有 と 無 の 欠 席 者 数 が 大 きく 異 なる 場 合 には 独 立 し たデータの 方 が 有 意 になる また 活 用 有 と 無 のテストを 異 なる 学 級 で 実 施 した 場 合 には 対 応 のあるデータによる 検 定 はできなくなる 欠 席 者 がいない 場 合 や 同 じ 児 童 生 徒 だけ が 2 回 とも 欠 席 した 場 合 には 2 つの t 検 定 の 結 果 は 同 じとなる このようなことから 本 実 証 事 業 では 実 証 校 における 客 観 テストや 意 識 調 査 ICT 活 用 スキル 調 査 等 の 効 果 測 定 の 際 の t 検 定 として 2 つの t 検 定 を 検 討 することにした 46

2.2 ICT 活 用 スキル 調 査 の 結 果 と 評 価 本 節 では 児 童 生 徒 の ICT 活 用 スキルに 係 る 調 査 の 概 要 を 示 し 分 析 結 果 について 説 明 す る 2.2.1 質 問 項 目 と 略 称 本 実 証 事 業 では ICT 活 用 スキル 調 査 として 表 18に 示 す 10の 質 問 をし 以 下 に 示 す 4 択 により 児 童 生 徒 の 回 答 を 求 めた 1. ほとんどできない 2. あまりできない 3. 少 しできる 4. わりにできる これらの 質 問 項 目 に 対 する 実 証 事 業 前 後 の 違 いを 検 討 した 結 果 を 説 明 するが 表 に 示 す 略 称 を 用 いることにする 表 18 ICT 活 用 スキル 調 査 の 質 問 項 目 と 略 称 質 問 項 目 タブレット 端 末 の 電 源 を 入 れて 起 動 させることができますか 電 子 ファイルを 保 存 したり フォルダを 使 って 整 理 したりすることができま すか タブレット 端 末 を 使 って 文 字 や 文 章 を 書 くことができますか タブレット 端 末 を 使 って 絵 などを 描 くことができますか タブレット 端 末 を 使 って 表 やグラフを 作 ることができますか タブレット 端 末 のカメラ 機 能 を 使 って 写 真 を 撮 って 保 存 することができま すか タブレット 端 末 を 使 って 発 表 するためのスライドや 資 料 を 作 ることができ ますか インターネットで 必 要 な 情 報 を 探 すことができますか インターネットで 情 報 を 発 信 したり 交 流 学 習 をしたりすることができます か タブレット 端 末 を 使 って 電 子 メール 送 信 したり 受 信 したりすることができ ますか 略 称 Q01 電 源 Q02 保 存 Q03 文 字 Q04 絵 Q05 表 Q06 カメラ Q07 スライド Q08 検 索 Q09 発 信 Q10 メール 47

2.2.2 回 答 数 ICT 活 用 スキルの 調 査 は 本 実 証 が 開 始 される 平 成 26 年 9 月 頃 と 実 証 校 での 実 践 が 完 了 した 平 成 27 年 1 月 頃 の 計 2 回 実 証 校 の 実 証 対 象 学 級 の 児 童 生 徒 を 対 象 に 実 施 された ここで 事 前 と 事 後 における 児 童 生 徒 の 回 答 数 を 校 種 別 に 表 19 に 示 す 小 学 校 の 場 合 の 調 査 対 象 数 が 650 名 であったので 事 前 調 査 では 12 名 事 後 調 査 では 14 名 の 欠 席 者 がい たことが 分 かる また 中 学 校 の 場 合 の 対 象 者 数 が 550 名 であったので 事 前 調 査 では 25 名 事 後 調 査 では 37 名 の 欠 席 者 がいたことになる なお 表 の 各 欄 における 欠 席 者 数 は 表 15 に 示 した 調 査 対 象 者 数 と 比 較 することによって 分 かる 表 19 ICT 活 用 スキル 調 査 の 回 答 者 数 校 種 前 後 小 3 小 4 小 5 小 6 中 1 中 2 中 3 計 事 前 125 177 167 169 638 小 学 校 事 後 125 176 168 167 636 計 250 353 335 336 1,274 事 前 221 160 144 525 中 学 校 事 後 214 156 143 513 計 435 316 287 1,038 48

2.2.3 調 査 結 果 の 前 後 の 比 較 ICT 活 用 スキル 調 査 の 10 項 目 に 4 択 の 回 答 (1 点 2 点 3 点 4 点 )の 平 均 値 を 小 学 校 と 中 学 校 別 々に 求 めた 結 果 を それぞれ 図 12と 図 13 に 示 す これらの 図 において 各 項 目 に 対 する 結 果 が 2つ 示 されているが 上 の 横 棒 ( 青 色 )が 実 証 事 業 開 始 前 のスキルレベル 下 の 横 棒 ( 赤 色 )が 実 証 事 業 後 のスキルレベルを 示 している これらの 図 において 値 が 2.5 以 上 であればその 項 目 が 全 体 的 にみて できるレベル で あり 2.5 以 下 であれば 全 体 的 にみて できないレベル であることを 意 味 している 例 え ば 図 12 に 示 す 小 学 校 の 場 合 Q09 発 信 と Q10メール が できないレベル で あり Q05 表 と Q07 スライド については 実 証 前 には できないレベル であっ たが 実 証 後 には できるレベル に 向 上 したことが 分 かる また 図 13 に 示 す 中 学 校 の 場 合 は Q05 表 と Q07 スライド の 項 目 が 実 証 事 業 前 には できないレベル で あったが 実 証 事 業 後 には できる できないレベルの 境 である 2.5 点 に 近 い 値 となって いる Q01 電 源 Q02 保 存 Q03 文 字 Q04 絵 Q05 表 Q06カメラ Q07スライド Q08 検 索 Q09 発 信 Q10メール 前 後 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 図 12 ICT 活 用 スキル 調 査 の 前 後 比 較 ( 小 学 校 ) 49

Q01 電 源 Q02 保 存 Q03 文 字 n.s. n.s. n.s. Q04 絵 Q05 表 Q06カメラ n.s. Q07スライド Q08 検 索 Q09 発 信 Q10メール n.s. n.s. n.s. n.s. 前 後 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 図 13 ICT 活 用 スキル 調 査 の 前 後 比 較 ( 中 学 校 ) 次 に 実 証 事 業 前 後 の 操 作 スキルの 各 項 目 を t 検 定 した 結 果 得 られた 有 意 水 準 を 図 の 横 棒 の 右 に 示 す ただし ここで 記 号 n.s.は 以 下 のことを 示 している : : n.s.: 1% 水 準 で 有 意 で 事 前 と 比 較 して 事 後 のスキルの 向 上 が 大 きい 5% 水 準 で 有 意 で 事 前 と 比 較 して 事 後 のスキルの 向 上 が 大 きい 事 前 と 事 後 のスキルの 違 いには5% 水 準 で 有 意 差 がない また 有 意 水 準 は 2 つ 示 しているが 左 が 独 立 したデータの t 検 定 の 結 果 右 が 対 応 した データの t 検 定 の 結 果 である 例 えば 図 12 の 小 学 校 の 場 合 は 全 てのスキル 項 目 が と となっていることから 独 立 したデータの t 検 定 の 結 果 と 対 応 のあるデータの t 検 定 の 結 果 が 同 じで 実 証 事 業 後 の スキルが 1% 水 準 で 有 意 に 向 上 したことを 意 味 している これに 対 して 図 13 に 示 す 中 学 校 の 場 合 は Q03 文 字 Q08 検 索 については 有 意 差 がなかったことが 分 かる また Q02 保 存 と Q10メール については 独 立 した データによる t 検 定 では 有 意 差 がなかったが 対 応 したデータの t 検 定 では 1% 水 準 でスキ ルが 有 意 に 高 く Q05 表 と Q09 発 信 については 5% 水 準 で 有 意 に 高 い このよう に 対 応 したデータによる t 検 定 した 場 合 の 方 が 有 意 差 が 出 やすいことを 示 している 50

2.2.4 タブレット 端 末 の 整 備 時 期 に 係 る 検 討 ICT 活 用 スキルは コンピュータ 等 を 使 い 始 めてから 短 期 間 で 急 速 に 向 上 すると 言 われ ている そこで 実 証 校 におけるタブレット 端 末 の 整 備 時 期 によって 以 下 の 2つに 分 類 し た 2014 年 に 整 備 した 学 校 ( 小 学 校 2 校 中 学 校 1 校 ) 2013 年 までに 整 備 した 学 校 ( 小 学 校 2 校 中 学 校 2 校 ) ここで 2014 年 にタブレット 端 末 を 整 備 した 校 の 児 童 生 徒 は 実 証 事 業 が 開 始 した 2014 年 9 月 までに 十 分 に 活 用 する 時 間 が 取 れていないと 考 えられる これに 対 して 2013 年 まで に 整 備 された 校 の 児 童 生 徒 は 少 なくとも 1 年 以 上 タブレットを 活 用 できる 環 境 にあったこ とになる そこで タブレット 端 末 を 整 備 した 時 期 によって 分 けたそれぞれの 群 において ICT 活 用 スキルが 実 証 事 業 前 後 で 向 上 したかについて t 検 定 した その 結 果 を 表 20 に 示 すが 独 立 したデータによる t 検 定 の 結 果 ( 独 立 と 明 記 )と 対 応 のあるデータによる t 検 定 の 結 果 ( 対 応 と 明 記 )を 示 している 表 20 整 備 時 期 による ICT 活 用 スキルの 向 上 に 係 る 校 種 別 t 検 定 結 果 整 備 時 期 2014 年 に 整 備 2013 年 までに 整 備 校 種 小 学 校 中 学 校 小 学 校 中 学 校 t 検 定 独 立 対 応 独 立 対 応 独 立 対 応 独 立 対 応 Q01 電 源 n.s. n.s. n.s. n.s. Q02 保 存 n.s. n.s. n.s. n.s. Q03 文 字 n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. Q04 絵 n.s. n.s. n.s. Q05 表 n.s. n.s. Q06 カメラ n.s. n.s. n.s. n.s. Q07 スライド n.s. n.s. Q08 検 索 n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. Q09 発 信 n.s. n.s. n.s. Q10 メール n.s. n.s. n.s. 51

この 表 から 分 かるように 表 の 左 に 示 す 2014 年 に 整 備 した 実 証 校 の 場 合 実 証 事 業 前 と 比 較 して 有 意 に ICT 活 用 スキルが 高 い これに 対 して 右 に 示 す 2013 年 までに 整 備 した 実 証 校 の 場 合 は 有 意 差 がない 結 果 が 多 いことが 分 かる これは 本 実 証 事 業 開 始 前 までに 児 童 生 徒 は 少 なくとも 1 年 以 上 タブレット 端 末 を 使 った 経 験 があるために 事 業 開 始 時 で ICT 活 用 スキルが 向 上 していたためと 推 察 される 2.2.5 結 果 のまとめ ICT 活 用 スキルに 係 る 結 果 を 要 約 すると 以 下 のようになる 本 実 証 事 業 の 開 始 前 と 比 較 して 終 了 時 の ICT 活 用 スキルの 多 くの 項 目 は 1% 水 準 で 有 意 に 向 上 する 特 に タブレット 端 末 を 整 備 してから 1 年 以 内 の 学 校 の 児 童 生 徒 のスキル 向 上 が 大 き く 整 備 してから 1 年 以 上 経 過 した 学 校 の 児 童 生 徒 のスキルの 変 化 は 小 さい ICT 活 用 スキルは タブレット 端 末 が 整 備 されてから 1 年 間 で 向 上 すると 推 察 される ICT 活 用 スキルの 効 果 を 検 証 する 場 合 独 立 したデータによる t 検 定 よりも 対 応 のあ るデータによる t 検 定 をした 方 が 有 意 差 が 出 やすい 本 実 証 事 業 で 効 果 検 証 した 児 童 生 徒 の 意 識 の 変 化 タブレット 端 末 の 活 用 の 効 果 検 証 のための 意 識 の 違 いと 客 観 テストの 違 いの t 検 定 についても 同 様 に 対 応 のあるデータ による t 検 定 の 方 が 有 意 差 が 出 やすいことを 確 認 した 52

2.3 意 識 調 査 の 結 果 2.3.1 概 要 意 識 調 査 の 実 証 方 法 については 図 10 に 示 すように 事 業 開 始 前 に 事 前 の 意 識 調 査 を 行 い 実 証 授 業 の 実 践 後 に 複 数 回 の 意 識 調 査 を 行 った そこでまず 実 施 した 意 識 調 査 にお ける 質 問 項 目 を 説 明 し 回 答 数 を 示 す 次 に 因 子 分 析 を 行 った 結 果 思 考 表 現 電 子 黒 板 の 活 用 知 識 理 解 意 欲 協 働 学 習 の 4つの 因 子 が 得 られたことを 説 明 する 次 に 実 証 事 業 開 始 前 と 実 証 授 業 後 の 意 識 の 変 化 を 分 析 し 有 意 に 実 証 授 業 後 の 評 価 が 高 くなったことを 示 す 2.3.2 質 問 項 目 と 略 称 タブレット 端 末 活 用 の 効 果 検 証 するための 意 識 調 査 の 項 目 として 表 21に 示 す 20の 質 問 項 目 を 設 定 した そして 本 実 証 事 業 開 始 前 と 実 証 事 業 実 施 後 に 以 下 に 示 す 4 択 で 回 答 を 求 めた 1. ほとんどそう 思 わない 2. あまりそう 思 わない 3. 少 しそう 思 う 4. わりにそう 思 う 53

また 次 項 以 降 で 分 析 結 果 を 説 明 するが 質 問 項 目 を 短 縮 した 略 称 と 表 の 右 の 列 に 示 す 表 21 意 識 調 査 の 質 問 項 目 と 略 称 No 質 問 項 目 略 称 1 楽 しく 学 習 することができていると 思 いますか Q01 楽 しい 2 授 業 の 内 容 がよく 分 かっていると 思 いますか Q02 分 かった 3 授 業 に 集 中 して 取 り 組 むことができていると 思 いますか Q03 集 中 4 授 業 に 進 んで 参 加 することができていると 思 いますか Q04 進 んで 5 学 習 したことをもっと 調 べてみたいと 思 いますか Q05 調 べたい 6 必 要 な 情 報 を 見 つけることができていると 思 いますか Q06 必 要 情 報 7 新 しい 考 えを 見 つけることができていると 思 いますか Q07 新 しい 考 え 8 じっくりと 考 えて 自 分 の 考 えを 深 めることができていると 思 い Q08 深 める ますか 9 ノートやワークシートに 自 分 の 考 えを 書 くことができていると 思 Q09 書 く いますか 10 自 分 の 考 えや 意 見 を 友 だちや 先 生 に 分 かりやすく 伝 えることがで Q10 伝 える きていると 思 いますか 11 自 分 にあった 方 法 やスピードで 進 めることができていると 思 いま Q11 自 分 に 合 う すか 12 友 だちと 教 え 合 うことができていると 思 いますか Q12 教 え 合 う 13 グループ 学 習 に 進 んで 参 加 することができていると 思 いますか Q13 グループ 14 友 だちと 協 力 して 学 習 することができていると 思 いますか Q14 協 力 15 友 だちの 考 えや 意 見 を 聞 いて 考 えを 深 めることができていると Q15 意 見 聞 く 思 いますか 16 電 子 黒 板 を 使 った 学 習 は 分 かりやすいと 思 いますか Q16IWB 学 習 17 先 生 が 電 子 黒 板 を 使 って 説 明 すると 分 かりやすいと 思 いますか Q17IWB 説 明 18 電 子 黒 板 を 使 って 自 分 が 発 表 したいと 思 いますか Q18IWB 発 表 自 分 19 電 子 黒 板 を 使 って 友 だちが 発 表 することは 分 かりやすいと 思 い Q19IWB 発 表 友 ますか 20 電 子 黒 板 に 文 字 や 絵 などを 書 きやすいと 思 いますか Q20IWB 書 きやす い 54

2.3.3 回 答 数 意 識 調 査 の 回 答 数 を 表 22 に 示 す この 表 で 示 した 回 答 数 は 前 述 の 表 15で 示 した 調 査 対 象 者 数 と 比 較 してかなり 大 きな 値 となっている これは 意 識 調 査 は 実 証 事 業 前 に 1 回 の 意 識 調 査 を 行 い 実 証 授 業 後 には 複 数 回 の 意 識 調 査 を 実 施 しているためである 例 え ば 表 22 に 示 す 全 体 の 回 答 数 は 3,662 であるが 本 実 証 事 業 の 対 象 となっている 児 童 生 徒 数 は 表 15 に 示 すように 1,200 名 であるので 3.05 倍 の 回 答 数 となっている 表 22 意 識 調 査 の 回 答 数 校 種 実 証 校 小 3 小 4 小 5 小 6 中 1 中 2 中 3 計 揖 斐 小 学 校 222 138 141 270 771 小 学 校 渋 川 小 学 校 124 129 124 113 490 高 森 中 央 小 学 校 0 233 74 77 384 山 田 小 学 校 140 163 124 152 579 葵 中 学 校 251 150 287 688 中 学 校 高 森 中 学 校 225 128 0 353 山 江 中 学 校 227 170 0 397 計 486 663 463 612 703 448 287 3,662 次 に 意 識 調 査 の 回 答 数 を 学 年 と 教 科 で 整 理 した 結 果 を 表 23に 示 す この 表 から 分 かる ように 最 も 多 くの 実 証 授 業 が 実 施 された 教 科 は 算 数 数 学 で 小 学 3 年 から 中 学 2 年 ま でに 実 施 された 次 に 多 かった 教 科 は 理 科 で 小 学 3 年 と 4 年 中 学 1 年 から 3 年 で 実 施 されている また 社 会 は 小 学 5 年 と 6 年 中 学 2 年 と 3 年 で 実 施 され 国 語 は 小 学 3 年 と 中 学 2 年 で 実 施 されている さらに 英 語 については 中 学 1 年 のみで 実 施 されたこと が 分 かる 実 施 された 学 年 でみると 小 学 校 では 3 年 から 6 年 までに 大 きな 差 がない 回 答 数 である が 中 学 校 の 場 合 は 1 年 から 2 年 3 年 となるに 従 って 少 なくなっていることが 分 かる 55

表 23 教 科 と 学 年 別 の 意 識 調 査 の 回 答 数 学 年 国 語 社 会 算 数 数 学 理 科 英 語 計 小 3 109 0 0 377 486 小 4 0 0 504 159 663 小 5 0 124 339 0 463 小 6 0 476 136 0 612 計 109 600 979 536 2,224 中 1 0 0 206 113 384 703 中 2 150 85 129 84 0 448 中 3 0 141 0 146 0 287 計 150 226 335 343 384 1,438 合 計 259 826 1,314 879 384 3,662 2.3.4 因 子 分 析 の 結 果 本 実 証 事 業 では 意 識 調 査 における 20の 質 問 項 目 に 対 する 回 答 データを 用 いて 因 子 分 析 を 行 った 因 子 分 析 は 主 因 子 法 でバリマックス 回 転 を 行 って 因 子 分 析 をした 結 果 4 因 子 が 抽 出 された そこで 各 因 子 に 含 まれる 質 問 項 目 の 内 容 から 判 断 して 各 因 子 の 名 称 を 以 下 のように 名 付 けた 因 子 1 思 考 表 現 因 子 2 電 子 黒 板 の 活 用 因 子 3 知 識 理 解 意 欲 因 子 4 協 働 学 習 56

ここで 各 因 子 に 含 まれる 質 問 項 目 と 因 子 負 荷 量 を 以 下 の 表 24 から 表 27 に 示 す これ らの 因 子 に 含 まれる 質 問 項 目 は 因 子 負 荷 量 が 0.45 以 上 の 質 問 項 目 として 各 因 子 を 求 めて いる 寄 与 率 の 合 計 は 56.0%で 各 因 子 の 信 頼 性 係 数 (α 係 数 )は 因 子 1 が 0.863 因 子 2 が 0.835 因 子 3が0.827 因 子 4 が 0.835である 表 24 因 子 1 思 考 表 現 No 質 問 項 目 負 荷 量 7 新 しい 考 えを 見 つけることができていると 思 いますか.632 10 自 分 の 考 えや 意 見 を 友 だちや 先 生 に 分 かりやすく 伝 えることができていると.606 思 いますか 8 じっくりと 考 えて 自 分 の 考 えを 深 めることができていると 思 いますか.581 6 必 要 な 情 報 を 見 つけることができていると 思 いますか.540 5 学 習 したことをもっと 調 べてみたいと 思 いますか.488 9 ノートやワークシートに 自 分 の 考 えを 書 くことができていると 思 いますか.454 表 25 因 子 2 電 子 黒 板 の 活 用 No 質 問 項 目 負 荷 量 17 先 生 が 電 子 黒 板 を 使 って 説 明 すると 分 かりやすいと 思 いますか.790 16 電 子 黒 板 を 使 った 学 習 は 分 かりやすいと 思 いますか.765 19 電 子 黒 板 を 使 って 友 だちが 発 表 することは 分 かりやすいと 思 いますか.690 18 電 子 黒 板 を 使 って 自 分 が 発 表 したいと 思 いますか.537 20 電 子 黒 板 に 文 字 や 絵 などを 書 きやすいと 思 いますか.496 表 26 因 子 3 知 識 理 解 意 欲 No 質 問 項 目 負 荷 量 3 授 業 に 集 中 して 取 り 組 むことができていると 思 いますか.659 1 楽 しく 学 習 することができていると 思 いますか.617 4 授 業 に 進 んで 参 加 することができていると 思 いますか.552 2 授 業 の 内 容 がよく 分 かっていると 思 いますか.540 57

表 27 因 子 4 協 働 学 習 No 質 問 項 目 負 荷 量 14 友 だちと 協 力 して 学 習 することができていると 思 いますか.714 13 グループ 学 習 に 進 んで 参 加 することができていると 思 いますか.619 12 友 だちと 教 え 合 うことができていると 思 いますか.580 なお 以 下 の 2 つの 質 問 項 目 については 因 子 負 荷 量 が 0.45 以 下 となり 4 つの 因 子 に は 含 まれなかった これは 質 問 項 目 15 については 因 子 1と 因 子 4の 因 子 の 負 荷 量 がい ずれも 0.45よりわずかに 小 さい 値 となった これは 友 だちとの 関 係 があることから 因 子 4 の 協 働 学 習 と 考 えを 深 めるとの 内 容 が 含 まれているためと 推 察 される 表 28 因 子 に 入 らなかった 項 目 No 質 問 項 目 15 友 だちの 考 えや 意 見 を 聞 いて 考 えを 深 めることができていると 思 いますか 11 自 分 にあった 方 法 やスピードで 進 めることができていると 思 いますか 58

2.3.5 調 査 結 果 の 前 後 の 比 較 実 証 事 業 開 始 前 の 2014 年 9 月 に 事 前 意 識 調 査 を 行 い 実 証 事 業 開 始 後 は 複 数 回 の 実 証 授 業 を 実 施 した 後 に 同 じ 質 問 項 目 に 対 する 意 識 調 査 を 実 施 している そこで 実 証 事 業 前 に おける 4 択 の 回 答 (1 点 から 4 点 )と 実 証 授 業 後 の 回 答 (1 点 から 4 点 )の 比 較 を 行 った その 結 果 得 られた 小 学 校 の 場 合 の 実 証 前 と 実 証 授 業 後 の 意 識 の 変 化 を 図 14 に 示 す ただ し この 図 では 質 問 項 目 に 対 する 各 回 答 の 平 均 値 が 大 きい 順 に 並 べている また それ ぞれの 質 問 項 目 に 対 する 回 答 の 違 いについて 対 応 のある t 検 定 をした 結 果 得 られた 有 意 水 準 を 示 している Q16IWB 学 習 Q01 楽 しい Q17IWB 説 明 Q02わかった Q14 協 力 Q09 書 く Q03 集 中 Q13グループ Q04 進 んで Q19IWB 発 表 友 Q12 教 え 合 う Q11 自 分 に 合 う Q15 意 見 聞 く Q06 必 要 情 報 Q08 深 める Q07 新 しい 考 え Q05 調 べたい Q18IWB 発 表 自 分 Q20IWB 書 きやすい Q10 伝 える n.s. n.s. 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 前 後 図 14 実 証 事 業 前 と 実 証 授 業 後 の 意 識 の 変 化 ( 小 学 校 ) 59

この 図 から Q16IWB 学 習 の 項 目 に 対 する 評 価 が 最 も 高 いが 事 前 と 比 較 して 実 証 授 業 後 の 評 価 が 1% 水 準 で 有 意 に 低 いことが 分 かる 実 証 事 業 前 の 授 業 では 電 子 黒 板 が 中 心 であったが 実 証 授 業 では 児 童 生 徒 用 のタブレット 端 末 を 活 用 したため 個 人 用 のタブレ ット 端 末 への 関 心 が 高 くなったためと 推 察 される 続 いて 評 価 が 高 かった 項 目 は Q01 楽 しい で 事 前 に 対 して 実 証 授 業 後 の 方 が 1% 水 準 で 評 価 が 高 いことが 分 かる また Q12IWB 説 明 と Q19IWB 発 表 友 については 事 前 と 実 証 授 業 後 の 評 価 には 有 意 差 は 認 められなかった その 他 の 全 ての 項 目 については 事 前 と 比 較 して 実 証 授 業 後 の 評 価 が 1% 水 準 で 有 意 に 高 いことが 分 かる 同 様 に 中 学 校 における 実 証 事 業 前 と 実 証 授 業 後 の 意 識 の 変 化 を 図 15に 示 す Q16IWB 学 習 Q17IWB 説 明 Q01 楽 しい Q14 協 力 Q13グループ Q03 集 中 Q12 教 え 合 う Q19IWB 発 表 友 Q15 意 見 聞 く Q02わかった Q04 進 んで Q09 書 く Q06 必 要 情 報 Q11 自 分 に 合 う Q08 深 める Q07 新 しい 考 え Q20IWB 書 きやすい Q05 調 べたい Q10 伝 える Q18IWB 発 表 自 分 前 後 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 図 15 実 証 事 業 前 と 実 証 授 業 後 の 意 識 の 変 化 ( 中 学 校 ) この 図 から 中 学 校 の 場 合 は 全 ての 項 目 に 対 する 実 証 授 業 後 の 評 価 が 事 前 と 比 較 して 1% 水 準 で 有 意 に 高 いことが 分 かる 60

次 に 2.3.4 で 説 明 した 4つの 因 子 に 対 する 評 価 の 結 果 を 図 16に 示 す 小 学 校 1 思 考 表 現 2 電 子 黒 板 の 活 用 3 知 識 理 解 意 欲 4 協 働 学 習 n.s. 中 学 校 1 思 考 表 現 2 電 子 黒 板 の 活 用 前 後 3 知 識 理 解 意 欲 4 協 働 学 習 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 図 16 意 識 調 査 の 前 後 比 較 この 図 から 分 かるように 小 学 校 の 場 合 には 因 子 2の 電 子 黒 板 の 活 用 については 事 前 と 実 証 授 業 後 の 評 価 には 有 意 差 が 認 められないが その 他 の 思 考 表 現 知 識 理 解 意 欲 協 働 学 習 の 因 子 については 実 証 授 業 後 の 評 価 が 事 前 の 評 価 と 比 較 し て 1% 水 準 で 有 意 に 高 い また 中 学 校 の 場 合 には 全 ての 因 子 の 評 価 が 実 証 授 業 後 に 1% 水 準 で 有 意 に 高 いことが 分 かる 61

2.3.6 タブレット 端 末 活 用 の 有 無 の 比 較 授 業 でタブレット 端 末 を 活 用 した 場 合 と 活 用 しない 場 合 の 児 童 生 徒 の 意 識 の 違 いを 比 較 分 析 し 小 学 校 の 結 果 を 図 17 に 中 学 校 の 結 果 を 図 18に 示 す これらの 図 から 中 学 校 の 1 つの 項 目 を 除 いて 1% 水 準 で 有 意 で 活 用 の 評 価 が 高 いことが 分 かる Q01 楽 しい Q02わかった Q14 協 力 Q16IWB 学 習 Q03 集 中 Q17IWB 説 明 Q09 書 く Q13グループ Q04 進 んで Q12 教 え 合 う Q06 必 要 情 報 Q11 自 分 に 合 う Q15 意 見 聞 く Q19IWB 発 表 友 Q08 深 める Q07 新 しい 考 え Q05 調 べたい Q18IWB 発 表 自 分 Q10 伝 える Q20IWB 書 きやすい 無 有 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 図 17 タブレット 端 末 活 用 有 無 の 比 較 ( 小 学 校 ) 62

Q17IWB 説 明 Q16IWB 学 習 Q01 楽 しい Q19IWB 発 表 友 Q14 協 力 Q13グループ Q02わかった Q03 集 中 Q12 教 え 合 う Q04 進 んで Q15 意 見 聞 く Q06 必 要 情 報 Q09 書 く Q20IWB 書 きやすい Q11 自 分 に 合 う Q08 深 める Q07 新 しい 考 え Q05 調 べたい Q10 伝 える Q18IWB 発 表 自 分 n.s. 無 有 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 図 18 タブレット 端 末 活 用 有 無 の 比 較 ( 中 学 校 ) 63

同 様 に 因 子 分 析 で 得 られた 4 つの 因 子 について 授 業 でタブレット 端 末 を 活 用 した 場 合 と 活 用 しない 場 合 の 児 童 生 徒 の 因 子 得 点 の 違 いを 比 較 分 析 した 結 果 を 図 19 に 示 す ただ し この 結 果 は 意 識 調 査 の 回 答 データの 中 から 実 証 事 業 開 始 前 のデータを 除 いた 実 証 授 業 後 の 全 てのデータで 分 析 した 結 果 である 小 学 校 1 思 考 表 現 2 電 子 黒 板 の 活 用 3 知 識 理 解 意 欲 4 協 働 学 習 中 学 校 1 思 考 表 現 2 電 子 黒 板 の 活 用 無 有 3 知 識 理 解 意 欲 4 協 働 学 習 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 図 19 タブレット 端 末 活 用 有 無 の 比 較 ( 因 子 別 ) この 図 では 上 部 に 小 学 校 の 結 果 を 示 し 下 部 に 中 学 校 の 結 果 を 示 している また 各 因 子 について 対 応 のあるデータによる t 検 定 によって タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 と 活 用 しない 授 業 後 の 違 いの 有 意 水 準 を 示 している この 図 から 分 かるように 小 学 校 も 中 学 校 も 全 ての 因 子 においてタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 後 の 評 価 の 方 が 1% 水 準 で 有 意 に 高 い 結 果 となっている 64

2.3.7 単 元 の 前 半 後 半 と 活 用 有 無 に 係 る 検 討 本 実 証 授 業 は 2.1.1 で 説 明 したように 単 元 前 半 と 後 半 においてタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 と 活 用 しない 授 業 を 実 施 していることから 以 下 の 4つに 分 けることができる 1 前 半 活 用 有 2 前 半 活 用 無 3 後 半 活 用 有 4 後 半 活 用 無 そこで この 4 つの 場 合 に 分 けて 4 つの 因 子 それぞれの 評 価 結 果 を 図 20に 示 す この 図 では 左 に 小 学 校 右 に 中 学 校 の 場 合 の 結 果 を 示 している 65

因 子 1 思 考 表 現 ( 小 学 校 ) 因 子 1 思 考 表 現 ( 中 学 校 ) 1 前 半 活 用 有 2 前 半 活 用 無 1 前 半 活 用 有 2 前 半 活 用 無 3 後 半 活 用 有 4 後 半 活 用 無 3 後 半 活 用 有 4 後 半 活 用 無 2.5 3.0 3.5 4.0 2.5 3.0 3.5 4.0 因 子 2 電 子 黒 板 の 活 用 ( 小 学 校 ) 因 子 2 電 子 黒 板 の 活 用 ( 中 学 校 ) 1 前 半 活 用 有 n.s. 1 前 半 活 用 有 n.s. 2 前 半 活 用 無 2 前 半 活 用 無 3 後 半 活 用 有 3 後 半 活 用 有 4 後 半 活 用 無 4 後 半 活 用 無 2.5 3.0 3.5 4.0 2.5 3.0 3.5 4.0 因 子 3 知 識 理 解 意 欲 ( 小 学 校 ) 因 子 3 知 識 理 解 意 欲 ( 中 学 校 ) 1 前 半 活 用 有 2 前 半 活 用 無 1 前 半 活 用 有 2 前 半 活 用 無 3 後 半 活 用 有 4 後 半 活 用 無 3 後 半 活 用 有 4 後 半 活 用 無 2.5 3.0 3.5 4.0 2.5 3.0 3.5 4.0 因 子 4 協 働 学 習 ( 小 学 校 ) 因 子 4 協 働 学 習 ( 中 学 校 ) 1 前 半 活 用 有 2 前 半 活 用 無 1 前 半 活 用 有 2 前 半 活 用 無 3 後 半 活 用 有 4 後 半 活 用 無 3 後 半 活 用 有 4 後 半 活 用 無 n.s. 2.5 3.0 3.5 4.0 2.5 3.0 3.5 4.0 図 20 因 子 ごとの 評 価 点 66

次 に これら 4 つの 場 合 の 評 価 値 の 違 いを 調 べるために 一 次 配 置 元 配 列 の 分 散 分 析 を 行 い Tukey 法 によって 多 重 比 較 した その 結 果 前 半 と 後 半 のそれぞれにおいて タブ レット 端 末 を 活 用 した 場 合 と 活 用 しない 場 合 の 違 いの 有 意 水 準 を 図 に 示 した 例 えば 図 の 左 上 に 示 す 因 子 1 思 考 表 現 ( 小 学 校 ) の 場 合 前 半 で 活 用 の 有 無 を 比 較 す ると 5% 水 準 で 有 意 に 活 用 有 が 高 いことを 示 しており 後 半 では 活 用 有 が 1% 水 準 で 有 意 に 高 い また 上 から 2 番 目 に 示 す 因 子 2 電 子 黒 板 の 活 用 の 場 合 には 前 半 で 活 用 の 有 無 には 有 意 差 が 認 められないが 後 半 では 活 用 有 の 方 が 活 用 無 より 小 学 校 は 1% 水 準 あ るいは 中 学 校 は 5% 水 準 で 有 意 に 評 価 が 高 いことを 示 している 2.3.8 結 果 のまとめ 意 識 調 査 に 係 る 分 析 評 価 の 結 果 をまとめると 以 下 のようになる 対 応 のあるデータの t 検 定 をした 結 果 実 証 事 業 開 始 前 と 比 較 して 実 証 授 業 後 の 評 価 は 電 子 黒 板 を 活 用 した 学 習 に 係 る 3 項 目 を 除 いた 全 ての 項 目 において 1% 水 準 で 有 意 に 実 証 授 業 後 の 評 価 が 高 いことを 明 らかにした 4 つの 因 子 についても 同 様 に 実 証 事 業 前 に 比 べて 実 証 授 業 後 の 因 子 得 点 が 1% 水 準 で 有 意 に 高 いことを 示 した 対 応 のあるデータの t 検 定 をした 結 果 タブレット 端 末 を 活 用 しない 授 業 後 と 比 較 して 活 用 した 授 業 後 の 評 価 は 1 項 目 を 除 いた 全 ての 項 目 において 1% 水 準 で 有 意 に 高 い ことを 明 らかにした 4 つの 因 子 についても 同 様 に タブレット 端 末 を 活 用 しない 授 業 後 と 比 較 して 活 用 した 授 業 後 の 因 子 得 点 が 1% 水 準 で 有 意 に 高 いことを 示 した 意 識 調 査 のデータを 1 前 半 活 用 有 2 前 半 活 用 無 3 後 半 活 用 無 4 後 半 活 用 無 の 4 つに 分 けた 場 合 のタブレット 端 末 活 用 の 有 無 の 違 いを 因 子 別 に 分 析 した 結 果 小 中 学 校 の 電 子 黒 板 の 活 用 の 単 元 前 半 と 中 学 校 の 協 働 学 習 の 単 元 後 半 の 有 意 差 は 認 められなかったが 他 の 因 子 においては 活 用 した 授 業 後 の 評 価 が 有 意 に 高 いことを 示 した 67

2.4 客 観 テストの 結 果 の 評 価 意 識 調 査 の 評 価 に 続 き 本 節 では 実 証 授 業 において 実 施 した 客 観 テストの 概 要 を 示 し 評 価 した 結 果 について 述 べる 2.4.1 概 要 客 観 テストの 実 施 方 法 については 2.1.1の 図 8 に 示 すように 実 証 事 業 期 間 である 2014 年 9 月 から 12 月 の 間 に 実 施 された 実 証 授 業 後 に その 単 元 に 係 る 客 観 テストを 行 った 実 証 授 業 で 実 施 した 単 元 に 関 するテスト 問 題 を 市 販 のテストから 選 んで 利 用 し 各 実 践 にお ける 客 観 テストの 成 績 を 得 た 次 に タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 後 の 客 観 テストの 成 績 と 活 用 しない 授 業 後 のテ ストの 成 績 の 違 いを 分 析 評 価 した その 際 テスト 問 題 の 評 価 観 点 である 知 識 理 解 技 能 思 考 判 断 表 現 等 についての 分 析 を 行 った 2.4.2 回 答 数 客 観 テストを 受 けた 児 童 生 徒 数 を 表 29 に 示 す この 表 は 各 実 証 校 において 複 数 回 実 施 された 客 観 テストを 受 けた 児 童 生 徒 数 で 示 しているため 本 事 業 の 調 査 対 象 とした 表 15の 児 童 生 徒 数 と 比 較 して 大 きな 値 となっている 例 えば 小 学 校 の 対 象 児 童 数 は 2.4.2 で 述 べ たように 650 人 であったので 1 人 当 たり 平 均 して 3.43 回 のテストを 受 けたことになる 同 様 に 中 学 校 の 場 合 には 平 均 で 2.62 回 となる また 実 証 授 業 の 教 科 と 学 年 別 の 客 観 テストの 回 答 数 を 表 30 に 示 す この 表 から 分 かる ように 小 学 校 では 算 数 が 最 も 多 く 実 践 され 次 いで 社 会 理 科 となっている これに 対 して 中 学 校 の 場 合 は 英 語 で 最 も 多 くの 実 践 が 行 われ 理 科 数 学 社 会 国 語 の 順 とな っていることが 分 かる 68

表 29 実 証 校 別 の 客 観 テストの 回 答 数 校 種 実 証 校 小 3 小 4 小 5 小 6 中 1 中 2 中 3 計 揖 斐 小 学 校 227 138 143 267 775 渋 川 小 学 校 124 128 124 114 490 小 学 校 高 森 中 央 小 学 校 0 236 72 80 388 山 田 小 学 校 140 163 124 152 579 計 491 665 463 613 2,232 葵 中 学 校 250 151 289 690 中 学 校 高 森 中 学 校 228 126 0 354 山 江 中 学 校 227 170 0 397 計 705 447 289 1,441 表 30 教 科 と 学 年 別 の 客 観 テストの 回 答 数 学 年 国 語 社 会 算 数 数 学 理 科 英 語 計 小 3 113 0 0 378 491 小 4 0 0 508 157 665 小 5 0 124 339 0 463 小 6 0 477 136 0 613 計 113 601 983 535 2,232 中 1 0 0 206 114 385 705 中 2 151 84 128 84 0 447 中 3 0 143 0 146 0 289 計 151 227 334 344 385 1,441 合 計 264 828 1,317 879 385 3,673 69

次 に 市 販 の 客 観 テストの 場 合 測 定 する 児 童 生 徒 の 能 力 が 示 されており その 問 題 の 評 価 観 点 が 分 かるようになっている 教 科 ごとに 評 価 観 点 を 整 理 した 児 童 生 徒 数 を 表 31に 示 す この 表 から 分 かるように 小 学 校 の 場 合 国 語 社 会 算 数 理 科 において 知 識 理 解 に 関 するテストが 行 われた また 思 考 判 断 表 現 と 技 能 に 関 するテス トは 国 語 を 除 く 3 教 科 で 実 施 されている これに 対 して 中 学 校 の 場 合 は 知 識 理 解 と 思 考 判 断 表 現 技 能 に 関 するテストが 行 われたが それに 加 えて 言 語 表 現 語 句 読 む 書 く その 他 に 関 するテストも 行 われていることが 分 かる また 英 語 に 関 するテス トとしては 知 識 理 解 の 他 表 現 と 言 語 についてのテストが 行 われている 表 31 テストの 目 的 からみた 客 観 テストを 受 けた 児 童 数 ( 小 学 校 ) 測 定 目 的 国 語 社 会 算 数 理 科 計 知 識 理 解 113 487 941 535 2,076 思 考 判 断 表 現 297 574 438 1,309 技 能 356 354 382 1,092 児 童 生 徒 数 113 601 983 535 2,232 表 32 テストの 目 的 からみた 客 観 テストを 受 けた 生 徒 数 ( 中 学 校 ) 測 定 目 的 国 語 社 会 数 学 理 科 英 語 計 知 識 理 解 227 334 344 385 1,290 思 考 判 断 表 現 227 214 323 764 技 能 84 334 136 554 言 語 122 122 表 現 385 385 語 句 151 151 読 む 151 151 書 く 151 151 その 他 84 84 児 童 生 徒 数 151 227 334 344 385 1,441 70

2.4.3 教 科 別 の 成 績 の 結 果 本 実 証 事 業 で 実 施 した 実 証 授 業 の 教 科 は 2.4.2で 述 べたように 国 語 社 会 算 数 理 科 および 英 語 ( 中 学 校 )である そこで これらの 教 科 別 にタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 後 のテストの 成 績 と 活 用 しない 授 業 後 の 成 績 を 比 較 した ただし 市 販 のテスト 問 題 を 使 用 したため 満 点 が 異 なる 場 合 があった そこで すべてのテストの 満 点 が 100 点 になるよ うに 標 準 化 した 上 で 分 析 評 価 をした その 結 果 得 られた 教 科 別 のテスト 成 績 を 図 21 に 示 す この 図 は 小 学 校 の 教 科 を 上 部 に 中 学 校 の 教 科 の 結 果 を 下 部 に 示 している また 横 棒 の 右 には タブレット 端 末 を 活 用 した 場 合 と 活 用 しない 場 合 の 違 いを 対 応 のあるデータによって t 検 定 し その 結 果 を 示 し ている 例 えば タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 後 のテストの 成 績 が 小 学 校 国 語 の 授 業 では 5% 水 準 で 社 会 算 数 理 科 では 1% 水 準 で 有 意 に 高 いことを 示 している また 中 学 校 に 関 し ては タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 後 の 成 績 が 数 学 では 1% 水 準 で 理 科 では 5% 水 準 で 有 意 に 高 いとの 結 果 であるが 国 語 と 英 語 では 有 意 差 が 認 められなかった 社 会 に 関 し ては 逆 に 5% 水 準 で 有 意 に 活 用 した 授 業 後 の 成 績 の 方 が 低 い 結 果 となっている この 結 果 についての 考 察 は 今 後 の 検 討 課 題 である 71

小 学 校 国 語 社 会 算 数 理 科 国 語 n.s. 無 有 中 学 校 社 会 数 学 理 科 英 語 n.s. 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 図 21 教 科 別 の 客 観 テストの 成 績 72

2.4.4 評 価 観 点 別 の 成 績 の 結 果 実 証 授 業 後 の 客 観 テストの 問 題 は 主 に 市 販 の 単 元 テストの 問 題 を 使 用 した 単 元 テス トは 複 数 の 小 問 題 から 構 成 されており 各 小 問 題 には 測 りたい 評 価 観 点 が 示 されている 本 実 証 事 業 で 実 施 した 客 観 テストでは 表 31と 表 32 で 説 明 したように 知 識 理 解 思 考 判 断 表 現 技 能 の 問 題 が 多 く 実 施 された そこで これら 3 種 の 問 題 と テストごとの 総 得 点 について タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 後 のテスト 成 績 と 活 用 しな い 授 業 のテスト 成 績 を 比 較 した 結 果 を 図 22に 示 す また 横 棒 の 右 には 活 用 の 有 無 の 違 い について 検 定 した 結 果 の 有 意 水 準 を 示 しているが これは 対 応 のあるデータによる t 検 定 によって 得 られた 結 果 である 小 学 校 知 識 理 解 思 考 判 断 表 現 技 能 総 得 点 中 学 校 知 識 理 解 n.s. 無 有 思 考 判 断 表 現 n.s. 技 能 総 得 点 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 図 22 テストの 評 価 観 点 と 総 得 点 に 対 するテスト 成 績 この 図 から 分 かるように 小 学 校 における 実 証 授 業 では 知 識 理 解 思 考 判 断 表 現 技 能 総 得 点 ともに 1% 水 準 で 有 意 に 活 用 した 授 業 後 のテスト 成 績 の 方 が 高 い また 中 学 校 の 場 合 には 技 能 と 総 得 点 に 関 しては 1% 水 準 で 有 意 に 高 いが 知 識 理 解 と 思 考 判 断 表 現 については 活 用 の 有 無 によって 有 意 差 が 認 められな かった 73

2.4.5 実 践 方 式 別 の 成 績 の 結 果 本 実 証 事 業 における 調 査 方 法 の 基 本 的 な 考 え 方 については 2.1.1 で 説 明 するとともに 図 8 で 示 したように 2 つの 実 践 の 中 で 4 回 の 客 観 テストを 実 施 することになっている ここで 4 回 の 客 観 テストによる 実 践 の 構 成 を 整 理 すると 以 下 の 3つの 場 合 がある この 3 種 の 実 践 方 式 を 図 示 したものが 図 23 である 同 じ 学 級 単 元 A 単 元 B 学 級 1 学 級 1 単 元 の 前 半 タブレットを 活 用 した 授 業 タブレットを 活 用 しない 授 業 単 元 の 後 半 タブレットを 活 用 しない 授 業 タブレットを 活 用 した 授 業 同 じ 単 元 単 元 A 単 元 A 学 級 1 学 級 2 単 元 の 前 半 タブレットを 活 用 した 授 業 タブレットを 活 用 しない 授 業 単 元 の 後 半 タブレットを 活 用 しない 授 業 タブレットを 活 用 した 授 業 異 なる 学 級 異 なる 単 元 学 級 1 学 級 2 単 元 A タブレットを 活 用 した 授 業 タブレットを 活 用 しない 授 業 単 元 B タブレットを 活 用 しない 授 業 タブレットを 活 用 した 授 業 図 23 2 つの 実 践 における 学 級 と 単 元 1 同 じ 学 級 で 実 施 した 実 践 方 式 図 の 上 段 に 示 すように 同 じ 学 級 において 2つの 単 元 ( 単 元 Aと 単 元 B)を 実 施 するもので 単 元 の 前 半 と 後 半 に 分 けて タブレット 端 末 の 活 用 を 入 れ 替 える 方 法 を 採 る 実 践 方 式 であ る 2 同 じ 単 元 で 実 施 した 実 践 方 式 図 の 中 段 に 示 すように 同 じ 単 元 を 前 半 後 半 に 分 けて 実 施 するもので 2つの 学 級 ( 学 級 1 と 学 級 2)が 並 行 して 実 践 する 方 式 である 74

3 異 なる 学 級 異 なる 単 元 で 実 施 した 実 践 方 式 図 の 下 部 に 示 すように 異 なる 2つの 学 級 ( 学 級 1と 学 級 2)において 異 なる 単 元 ( 単 元 A と 単 元 B)で 行 う 実 践 方 式 である ここで 1 同 じ 学 級 で 実 施 した 実 践 方 式 について タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 後 のテストの 成 績 と 活 用 しない 授 業 後 のテスト 成 績 の 違 いを t 検 定 した 結 果 を 表 33に 示 す 表 33 同 じ 学 級 で 実 施 した 実 践 方 式 についての t 検 定 の 結 果 校 種 学 年 教 科 有 意 水 準 小 学 校 3 年 4 年 5 年 6 年 国 語 理 科 理 科 算 数 算 数 理 科 算 数 算 数 算 数 社 会 中 学 校 社 会 数 学 1 年 英 語 n.s. 2 年 理 科 この 表 に 示 すように 例 えば 小 学 3 年 の 国 語 の 授 業 では 5% 水 準 で 有 意 に 活 用 有 の 成 績 が 高 い また この 表 に 示 した 学 年 と 教 科 の 場 合 には 有 意 差 が 認 められていることが 分 か る また 2 同 じ 単 元 で 実 施 した 実 践 方 式 と 3 異 なる 学 級 異 なる 単 元 で 実 施 した 実 践 方 式 についても 同 様 に t 検 定 した 結 果 をそれぞれ 表 34 および 表 35に 示 す 75

表 34 同 じ 単 元 で 実 施 した 実 践 方 式 についての t 検 定 の 結 果 校 種 学 年 教 科 有 意 水 準 小 学 校 算 数 n.s. 4 年 算 数 n.s. 理 科 n.s. 5 年 算 数 n.s. 6 年 社 会 中 学 校 1 年 2 年 数 学 理 科 英 語 数 学 数 学 n.s. n.s. n.s. 社 会 n.s. 3 年 社 会 表 35 異 なる 学 級 単 元 で 実 施 した 実 践 方 式 についての t 検 定 の 結 果 校 種 学 年 教 科 有 意 水 準 3 年 理 科 n.s. 小 学 校 4 年 算 数 n.s. 5 年 社 会 n.s. 6 年 社 会 n.s. 1 年 英 語 n.s. 中 学 校 2 年 国 語 n.s. 3 年 理 科 n.s. 表 34 から 分 かるように 有 意 差 が 認 められない 場 合 が 多 くみられる また 活 用 有 が 有 意 に 高 い 学 年 教 科 は 3つあるが 中 学 校 3 年 社 会 では 1% 水 準 で 有 意 に 活 用 有 の 授 業 後 の 成 績 が 低 い 結 果 となっている このような 結 果 になった 理 由 については 検 討 を 要 し 本 実 証 事 業 における 検 証 計 画 とは 異 なる 他 の 問 題 があったと 推 察 される 表 35に 示 す 異 なる 学 級 異 なる 単 元 で 実 施 した 実 践 方 式 の 場 合 には 全 てについて 有 意 差 が 認 められなかった これは 同 じ 学 校 の 学 級 でも 学 級 の 違 いや 単 元 の 違 いが 関 係 しているためと 推 察 される 76

以 上 のことから 客 観 テストの 成 績 からタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 と 活 用 しない 授 業 の 評 価 分 析 をする 場 合 には 同 じ 学 級 で 単 元 を 前 半 と 後 半 に 分 けて 実 施 することが 望 ま しいと 考 えられる 77

2.4.6 タブレット 端 末 活 用 の 有 無 による 評 価 意 識 調 査 の 分 析 結 果 を 2.3.7 で 説 明 したように 本 実 証 事 業 では 単 元 の 前 半 と 後 半 におい てタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 と 活 用 しない 授 業 を 実 施 していることから 以 下 の 4 つ 39 の 場 合 があることになる 1 前 半 活 用 有 2 前 半 活 用 無 3 後 半 活 用 有 4 後 半 活 用 無 そこで 代 表 的 な 場 合 である 同 じ 学 級 で 実 施 した 実 践 方 式 について テスト 結 果 を 図 示 した 結 果 が 図 24 である この 図 における 4 つの 棒 グラフは 上 から1234の 場 合 のテ スト 成 績 の 平 均 値 を 示 している 1 前 半 活 用 有 2 前 半 活 用 無 3 後 半 活 用 有 4 後 半 活 用 無 n.s. 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 図 24 同 じ 学 級 で 実 施 した 実 践 方 式 における 客 観 テストの 成 績 39 単 元 を 分 割 せずに 異 なる 単 元 で 実 施 している 一 部 実 践 については 2つの 単 元 を 単 元 の 前 半 と 後 半 とみなして 分 析 に 含 めている 78

次 に これら 4 つの 場 合 の 平 均 値 の 違 いを 調 べるために 一 次 配 置 元 配 列 の 分 散 分 析 を 行 い Tukey 法 によって 多 重 比 較 した その 結 果 を 横 棒 の 右 に 示 している この 図 におい て 棒 グラフの 上 から 1 番 目 1 前 半 活 用 有 と 2 番 目 2 前 半 活 用 無 は 単 元 の 前 半 において 活 用 した 場 合 と 活 用 しない 場 合 の 比 較 であり 1% 水 準 で 有 意 に 1 前 半 活 用 有 の 平 均 値 が 大 きいことを 示 している 同 様 に 3 後 半 活 用 有 と 4 後 半 活 用 無 を 比 較 すると 3 後 半 活 用 有 の 成 績 が 1% 水 準 で 有 意 に 高 い また 1 前 半 活 用 有 と 3 後 半 活 用 有 を 比 較 すると 1 前 半 活 用 有 の 平 均 値 が 5% 水 準 で 有 意 に 大 きい これは タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 同 士 を 比 較 して いるが 前 半 で 活 用 した 方 が 後 半 での 活 用 の 場 合 よりもテストの 成 績 が 高 かったことを 示 している なお 2 前 半 活 用 無 と 4 後 半 活 用 無 の 比 較 は 活 用 しなかった 授 業 同 士 を 比 較 した 結 果 であるが 有 意 差 は 認 められなかった 2.4.7 実 践 方 式 別 の 成 績 の 評 価 前 項 では 代 表 的 な 同 じ 学 級 で 実 施 した 実 践 方 式 について 説 明 したが 同 様 に 同 じ 単 元 で 実 施 した 実 践 方 式 異 なる 学 級 異 なる 単 元 で 実 施 した 実 践 方 式 について も 前 述 の 1 前 半 活 用 有 2 前 半 活 用 無 3 後 半 活 用 有 4 後 半 説 明 無 の 場 合 について 平 均 値 を 求 めた 結 果 が 図 25 である この 図 において 左 上 の 図 は 図 24 と 同 じであり 比 較 のために 示 している この 図 では 前 半 の 活 用 有 無 の 違 いの 検 定 結 果 ( 1 前 半 活 用 有 と 2 前 半 活 用 無 の 違 い)と 後 半 の 活 用 有 無 の 違 いの 検 定 結 果 ( 3 後 半 活 用 有 と 4 後 半 活 用 無 の 違 い)を 示 している 図 の 右 下 に 示 した 例 外 的 なテスト の 結 果 は 実 証 授 業 後 1 週 間 後 にテストを 実 施 し た 実 践 の 結 果 である そのため 活 用 した 授 業 後 のテストの 成 績 が 活 用 しない 場 合 よりも 5%で 有 意 に 低 い 値 となっている この 結 果 は 教 育 効 果 測 定 を 実 施 する 場 合 に 条 件 を 揃 え る 重 要 性 を 気 付 かせるもので 本 実 証 事 業 での 検 証 方 法 の 開 発 にあたり 意 味 のある 結 果 と 考 えられる 79

同 じ 学 級 同 じ 単 元 1 前 半 活 用 有 2 前 半 活 用 無 1 前 半 活 用 有 2 前 半 活 用 無 3 後 半 活 用 有 4 後 半 活 用 無 3 後 半 活 用 有 4 後 半 活 用 無 n.s. 1 前 半 活 用 有 2 前 半 活 用 無 0 20 40 60 80 100 異 なる 学 級 単 元 n.s. 1 前 半 活 用 有 2 前 半 活 用 無 0 20 40 60 80 100 例 外 的 なテスト n.s. 3 後 半 活 用 有 n.s. 3 後 半 活 用 有 4 後 半 活 用 無 4 後 半 活 用 無 0 20 40 60 80 100 0 20 40 60 80 100 図 25 実 践 方 式 で 整 理 した 場 合 の 客 観 テストの 平 均 点 ここで 同 じ 学 級 で 実 施 した 実 践 方 式 同 じ 単 元 で 実 施 した 実 践 方 式 異 な る 学 級 異 なる 単 元 で 実 施 した 実 践 方 式 に 加 えて 図 25に 示 した 例 外 的 なテスト の 4 つの 場 合 について 検 討 した 表 36はその 結 果 で 4 分 類 の 実 践 における 客 観 テストの 成 績 を 以 下 に 示 す 3 観 点 で 比 較 した 結 果 である (1) 活 用 の 有 無 による 比 較 表 36 において タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 後 のテスト 成 績 の 平 均 値 と 活 用 しない 授 業 後 の 平 均 値 を 比 較 した 結 果 を 示 している その 際 前 半 で 実 施 した 場 合 と 後 半 で 実 施 し た 場 合 に 分 けている 例 えば 1 同 じ 学 級 で 実 施 した 場 合 前 半 も 後 半 も 活 用 した 授 業 後 のテスト 成 績 が 1% 水 準 で 有 意 に 高 い しかし 3 異 なる 学 級 単 元 の 場 合 と4 例 外 的 なテ ストの 場 合 では 活 用 の 有 無 に 関 して 有 意 差 が 認 められていない 80

(2) 単 元 の 前 半 後 半 による 比 較 単 元 の 前 半 と 後 半 とを 比 較 した 結 果 を 表 36の 中 央 の 列 に 示 す 例 えば 1 同 じ 学 級 で 活 用 有 の 授 業 の 場 合 授 業 後 のテストの 平 均 値 を 前 半 と 後 半 で 比 較 した 場 合 前 半 の 方 が 後 半 の 成 績 と 比 較 して 1% 水 準 で 有 意 に 高 いことを 示 している また 活 用 の 授 業 の 場 合 には 前 半 と 後 半 で 有 意 差 は 認 められない (3) 満 点 による 比 較 本 実 証 事 業 では 市 販 の 問 題 をテストに 用 いたため 満 点 が 異 なる 場 合 がある そこで 前 半 と 後 半 の 満 点 が 同 じか 異 なるかによって 活 用 効 果 が 変 わるか 検 討 した 結 果 である その 結 果 1 同 じ 学 級 で 満 点 が 同 じ 客 観 テストを 実 施 した 場 合 には 活 用 した 授 業 後 の 成 績 が 1% 水 準 で 有 意 に 高 いことが 示 されている しかし 2 同 じ 単 元 3 異 なる 学 級 単 元 で 満 点 が 同 じ 客 観 テストを 実 施 した 場 合 には 活 用 の 効 果 が 得 られていない また 例 外 的 なテ ストの 場 合 は 逆 の 結 果 となっている なお 表 36 の 中 で 空 欄 があるが その 場 合 のテス ト 結 果 がないことを 示 している 表 36 活 用 有 無 実 施 の 順 番 満 点 同 異 の 有 意 水 準 比 較 活 用 有 無 で 比 較 前 半 後 半 で 比 較 活 用 有 無 で 比 較 場 合 前 半 後 半 活 用 有 活 用 無 同 じ 異 なる 満 点 満 点 1 同 じ 学 級 n.s. 2 同 じ 単 元 n.s. n.s. n.s. n.s. 3 異 なる 学 級 単 元 n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. 4 例 外 的 なテスト n.s. n.s. 全 データ n.s. n.s. 81

2.4.8 結 果 のまとめ 客 観 テストによってタブレット 端 末 の 効 果 に 係 る 実 証 について 説 明 したが 結 果 の 概 要 は 以 下 の 通 りである 客 観 テストの 成 績 のデータを 分 析 した 結 果 タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 の 方 が 活 用 しない 授 業 と 比 較 して 1% 水 準 で 有 意 に 高 いことが 明 らかになった 図 26 に 示 すように 同 じ 学 級 で 単 元 を 前 半 と 後 半 に 分 けてタブレット 端 末 の 活 用 を 入 れ 替 えた 授 業 を 実 施 する 実 践 形 式 において 最 も 活 用 効 果 が 得 られることが 明 らかにな った 異 なる 学 級 単 元 の 授 業 後 の 客 観 テストの 成 績 は タブレット 端 末 の 活 用 有 無 で 有 意 差 が 認 められなかった タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 後 の 客 観 テストの 成 績 は 単 元 の 前 半 後 半 で 比 較 すると 前 半 の 方 が 有 意 に 高 い 学 級 1 単 元 A 前 半 後 半 タブレット 活 用 タブレット 活 用 しない 単 元 B 前 半 後 半 タブレット 活 用 しない タブレット 活 用 学 級 2 タブレット 活 用 しない タブレット 活 用 タブレット 活 用 タブレット 活 用 しない 図 26 同 じ 学 級 で 同 じ 単 元 を 前 半 後 半 に 分 けたタブレット 端 末 活 用 の 実 践 方 式 82

2.5 問 題 解 決 的 な 学 習 に 係 る 検 証 ここまでは 1 章 で 示 した 検 証 方 法 に 基 づき 意 識 調 査 と 客 観 テストの 分 析 によって 授 業 におけるタブレット 端 末 の 活 用 効 果 を 明 らかにした 一 方 で 従 来 的 な 客 観 テストによる 評 価 では 計 ることが 困 難 なタブレット 端 末 の 活 用 効 果 も 想 定 される そこで 本 節 では 生 徒 が 中 心 となる 問 題 解 決 的 な 学 習 活 動 を 主 体 とする 授 業 に 焦 点 を 当 て 特 別 に 客 観 テストとは 異 なる 方 法 によるタブレット 端 末 の 活 用 効 果 の 検 証 を 試 みるため 問 題 解 決 的 な 学 習 を 含 む 授 業 におけるタブレット 端 末 の 活 用 効 果 の 検 証 方 法 を 新 たに 検 討 し 一 部 実 証 校 にて 実 践 し 結 果 の 評 価 を 行 った また 1 章 で 示 した 検 証 方 法 による 実 践 においても 問 題 解 決 的 な 学 習 活 動 が 展 開 される 実 証 授 業 がみられたため ここから 事 例 を 幾 つか 取 り 上 げ タブレット 端 末 が 問 題 解 決 的 な 学 習 活 動 においてどのような 役 割 を 果 たし 授 業 や 学 習 の 展 開 をどのように 変 容 させるかに ついてあわせて 考 察 した 2.5.1 検 証 の 方 法 と 内 容 本 項 では 問 題 解 決 的 な 学 習 に 係 る 検 証 方 法 と 実 証 校 における 具 体 的 な 実 践 の 内 容 につい て 述 べる 2.5.1.1 検 証 方 法 の 考 え 方 問 題 解 決 的 な 学 習 に 係 る 検 証 方 法 では 対 象 の 学 級 と 単 元 において 問 題 解 決 的 な 学 習 活 動 を 主 体 としたタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 と 活 用 しない 授 業 を 計 画 的 に 実 施 する 生 徒 はこれら 授 業 の 前 後 に 授 業 内 容 に 係 るワークシート 40 を 記 述 し 授 業 後 にはワークシー トに 加 え 意 識 調 査 および 客 観 テストを 実 施 し タブレット 端 末 活 用 の 有 無 でこれらの 比 較 分 析 をすることを 基 本 とする 単 元 の 分 け 方 や 対 象 学 級 等 の 基 本 的 な 検 証 方 法 の 考 え 方 は 1 章 で 示 した 検 証 方 法 に 則 る 1 章 の 検 証 方 法 との 主 たる 違 いは 授 業 内 容 に 問 題 解 決 的 な 学 習 活 動 を 含 める 点 タブレッ 40 参 考 資 料 参 照 83

ト 端 末 の 活 用 と 非 活 用 の 単 位 が 幾 つかの 授 業 で 構 成 される 授 業 群 でなく 授 業 と なる 点 また 対 象 の 授 業 の 前 後 そして 実 証 授 業 終 了 から 2ヶ 月 後 にワークシートを 記 述 する 点 となる 本 検 証 方 法 は 実 証 校 のうち 葵 中 学 校 の 2 学 級 を 対 象 に 理 科 の 単 元 にて 1 実 践 行 った 複 数 学 級 においてタブレット 端 末 活 用 有 無 を 比 較 する 今 回 実 施 した 検 証 手 順 のイメージを 図 27 に 示 す 図 27 問 題 解 決 的 な 学 習 に 係 る 検 証 手 順 のイメージ(1 実 践 ) 84

2.5.1.1.1 問 題 解 決 的 な 学 習 の 捉 え 方 本 実 証 事 業 では 公 式 や 原 理 を 発 見 創 造 する 活 動 が 組 み 込 まれた 学 習 展 開 や 授 業 を 問 題 解 決 的 な 学 習 と 捉 えた そのため 公 式 や 原 理 を 教 えた 後 に 問 題 を 解 く 実 験 で 確 かめる 授 業 は 該 当 しない また 児 童 生 徒 が 主 体 的 に 取 り 組 むことのできる 協 働 学 習 が 問 題 解 決 の 過 程 で 採 り 入 れられている 授 業 を 採 用 することとした 問 題 解 決 的 な 学 習 とタブレット 端 末 活 用 は 相 性 がよい 生 徒 が 知 識 を 発 見 創 造 する 過 程 を 促 進 させることができるからである ICT のよさとして 次 の 3 点 が 挙 げられる 1. 生 徒 の 考 えを 見 える 形 に 可 視 化 できる 2. 考 えを 共 有 して 比 べることができる 3. 何 度 でも 見 直 して 作 り 変 えることができる また これまでの 学 習 に 関 する 研 究 より 人 が 知 識 を 構 成 したり 発 見 創 造 したりす る 際 の 特 徴 として 次 の 4 点 が 挙 げられている 1. 知 識 とは 基 本 的 には 個 人 が 能 動 的 に 構 成 するものである 2. 知 識 は 既 に 持 っている 知 識 に 制 約 される 形 で 構 成 していく 3. 知 識 は 周 りの 環 境 すなわち 社 会 的 文 化 的 に 制 約 される 形 で 構 成 していく 4. 一 度 構 成 した 知 識 は 機 会 がない 限 り 作 ったり 再 構 成 したり 理 解 を 深 めようとなかなか しない これら 特 徴 から 考 えると 問 題 解 決 的 な 学 習 では 知 識 構 成 をする 前 の 個 人 の 既 有 知 識 の 状 況 を 一 度 ワークシートに 書 かせる 等 して 十 分 に 把 握 する 必 要 がある その 上 で 構 成 したくなる 社 会 的 文 化 的 制 約 ( 解 きたくなる 課 題 生 徒 同 士 のかかわり 合 い 等 )を 教 員 が 上 手 くデザインする 必 要 がある さらには なんとなくの 考 えで 諦 めている 正 解 で はないが 分 かったつもりになっている 正 解 しているが 理 解 がまだ 浅 い といった 状 況 の 時 に 生 徒 自 らが 知 識 の 再 構 成 や 理 解 を 深 めさせたくなるような 仕 掛 けが 必 要 で こ の 活 動 にはタブレット 端 末 がもつよさを 活 かすことができる 85

2.5.1.1.2 実 証 授 業 の 設 計 方 法 実 証 授 業 を 設 計 する 際 先 述 したような 活 動 を 組 み 込 むには 課 題 設 定 とワークシート の 構 成 について 留 意 する 必 要 がある 課 題 設 定 でのポイントは 問 題 を 提 示 し 問 題 解 決 活 動 を 求 める 内 容 が 生 徒 らにとっ て 新 たに 発 見 創 造 するものになっているか である なぜならば 多 くの 生 徒 が 知 って いることを 改 めて 問 うても 協 働 学 習 場 面 では 知 っていることを 他 の 生 徒 に 教 授 して 終 わ ってしまうからである 全 員 知 らない 状 況 を 作 るのは 困 難 かもしれないが できるだけ 知 っている 人 数 は 少 ないのが 望 ましい ある 程 度 知 っていることが 想 定 される 場 合 には 学 習 活 動 を 通 して 知 っていることの 意 味 や 考 えをさらに 深 く 知 ることができる ような 理 解 が 深 まることが 期 待 される 課 題 設 定 が 重 要 となる ワークシート 構 成 のポイントは できるだけ 生 徒 一 人 一 人 なりの 考 えを 把 握 できるよ う 自 由 記 述 や 図 式 化 等 で 表 現 させるようにする ことである 特 定 の 解 を 穴 埋 めさ せるようなワークシートの 場 合 には 特 定 の 用 語 が 書 き 込 まれていたとしても その 知 識 が 暗 記 し( 受 動 的 に 得 て) 再 生 しただけ なのか 深 く 理 解 した 上 で( 生 徒 自 身 でつく りあげて) 再 生 したものか の 区 別 がつきにくいからである 生 徒 一 人 一 人 なりに 記 述 させ ることで 記 述 した 用 語 に 対 する 理 解 の 深 さが 想 定 しやすくなる 86

2.5.1.1.3 タブレット 端 末 の 活 用 方 法 問 題 解 決 的 な 学 習 では 教 員 が 解 を 与 えずに 生 徒 らが 協 働 的 に 考 えを 発 見 していくこと を 目 指 している そのため タブレット 端 末 は 協 働 的 な 発 見 活 動 で 考 えを 書 き 出 し( 記 録 し) 共 有 する 場 面 での 活 用 方 法 に 焦 点 を 絞 った タブレット 端 末 の 長 所 として 紙 のノ ートと 異 なり タブレット 端 末 に 記 録 した 個 人 やグループの 考 えをネットワークを 通 じて 共 有 することができる 生 徒 用 タブレット 端 末 と 教 員 用 タブレット 端 末 間 での 共 有 の 考 え 方 では 教 員 が 生 徒 の 考 えを 把 握 できる 利 点 があるが 生 徒 用 端 末 間 での 共 有 では 生 徒 同 士 が 考 えを 参 照 し 合 い 比 較 し 吟 味 する 活 動 を 引 き 起 こすことができる このような 生 徒 同 士 が 能 動 的 に 考 えを 参 照 し 合 うような 活 動 は 紙 のノートでは 技 術 的 に 難 しい 付 近 の 生 徒 と 考 えを 交 換 することは 容 易 でも 遠 くの 生 徒 と 交 換 するのには 立 ち 上 がって 移 動 する 必 要 もあり 時 間 がかかる また 実 物 投 影 機 を 使 って 電 子 黒 板 等 に 投 影 し 前 に 出 て 紹 介 する 活 動 も 考 えられるが そこでの 参 照 活 動 は 受 動 的 であり 聴 いている 生 徒 が 能 動 的 に 情 報 にアクセスしている 訳 ではない また 率 先 して 手 を 挙 げた 生 徒 の 考 えか 教 員 が 指 名 した 生 徒 の 考 えの 共 有 に 限 定 されてしまいやすい グループ 間 の 比 較 活 動 を 教 員 や 教 室 全 体 で 行 うのではなく 生 徒 自 身 が 主 体 的 に 行 う 活 動 が 重 要 である そこで 今 回 は 授 業 終 盤 で タブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 では グループの 考 え(ラミ ネートワークシート 41 )をカメラ 機 能 で 撮 影 し それら 考 えを 各 グループが 自 発 的 に 比 較 参 照 して 吟 味 する 活 動 を 導 入 し タブレット 端 末 を 活 用 しない 授 業 では 全 グループが 順 番 に 前 に 出 て 実 物 投 影 機 を 用 いて グループの 考 え(ラミネートワークシート)を 説 明 し そ れを 受 動 的 に 比 較 参 照 して 吟 味 する 活 動 を 導 入 し これらを 比 較 することとした 41 A3 紙 をラミネート 加 工 し そこに 繰 り 返 しペンで 書 いたり 消 したりできるワークシート 87

2.5.1.2 検 証 の 流 れ 検 証 手 順 の 概 要 を 表 37に 示 す 検 証 手 順 のイメージは 図 27を 参 照 されたい ここから 手 順 の 各 項 目 について 述 べる 検 証 の 手 順 については 1 章 に 示 した 流 れも 参 照 されたい 表 37 検 証 手 順 の 概 要 手 順 概 要 調 査 方 法 検 証 実 施 時 期 対 象 教 科 対 象 学 級 グループ 構 成 準 備 実 証 授 業 等 を 決 定 授 業 内 容 の 検 討 ワークシートの 作 成 授 業 前 生 徒 を 対 象 にワークシートを 実 施 問 題 解 決 的 な 学 習 活 動 を 含 むタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 と 活 用 しない 授 業 を 実 施 授 業 後 生 徒 を 対 象 にワークシート 意 識 調 査 客 観 テストを 実 施 - ワークシート 客 観 テスト 意 識 調 査 2 か 月 後 調 査 生 徒 を 対 象 に 再 びワークシートを 実 施 ワークシート ワークシートの 記 述 内 容 から 生 徒 の 学 力 への 効 果 を 効 果 検 証 検 証 客 観 テストや 調 査 結 果 から 生 徒 の 学 力 への 効 果 を 検 証 - 2.5.1.2.1 準 備 実 証 の 開 始 前 に 実 証 授 業 の 実 施 時 期 実 践 数 学 年 教 科 単 元 学 級 グループ 構 成 を 決 定 した 実 施 時 期 はできる 限 り 学 期 や 行 事 等 を 跨 ぐことのないよう 配 慮 した 学 年 教 科 単 元 に 関 しては 実 施 時 期 に 学 習 する 単 元 内 容 を 前 提 としてタブレット 端 末 を 活 用 しない 授 業 の 実 施 が 適 当 かどうか 検 討 し 授 業 内 容 の 難 易 度 についても 同 等 となるよう 選 定 した 授 業 中 の 生 徒 のグループ 構 成 は できる 限 り 各 グループにおける 学 習 が 同 程 度 活 発 化 す るよう 教 員 にて 調 整 した 単 元 決 定 後 単 元 のどの 学 習 範 囲 で 実 証 授 業 を 実 施 するかタブレット 端 末 の 活 用 効 果 に 88

照 らし 合 わせ 単 元 を 通 じて 相 応 しい 学 習 内 容 や 場 面 を 吟 味 の 上 選 定 した 授 業 内 容 を 検 討 設 計 するとともに 実 証 授 業 の 前 後 で 実 施 するワークシートを 作 成 した 各 調 査 は 回 答 後 回 答 者 ごとに 分 析 を 実 施 するため 生 徒 の 氏 名 等 個 人 情 報 に 配 慮 し 対 象 の 生 徒 へ 複 数 の 調 査 に 亘 り 共 通 の 整 理 番 号 を 付 与 し 全 ての 調 査 およびワークシート の 冒 頭 にこれを 記 入 することで 管 理 した 2.5.1.2.2 実 証 授 業 本 時 の 前 授 業 を 時 期 の 目 安 として 対 象 の 2 学 級 の 生 徒 を 対 象 に 実 証 授 業 の 内 容 に 対 応 したワークシートを 記 述 させ 活 用 の 順 序 に 留 意 してタブレット 端 末 を 活 用 した 授 業 と 活 用 しない 授 業 を 実 施 した 授 業 中 は 各 グループに 1 枚 のラミネートワ ークシートを 利 用 させた 授 業 後 授 業 前 に 記 述 したものと 同 じワ ークシートを 再 び 記 述 させ 意 識 調 査 と 客 観 テストを 実 施 した 2.5.1.2.3 2 か 月 後 調 査 2 か 月 後 に 再 び 生 徒 を 対 象 にワークシートを 記 述 させた 2.5.1.2.4 効 果 検 証 ここまでに 得 られたワークシート 等 結 果 を 収 集 し 表 計 算 ソフトを 用 いてデータとしてと りまとめ 授 業 におけるタブレット 端 末 の 活 用 効 果 について 分 析 し 検 証 を 行 った ワークシートへの 記 述 内 容 の 差 分 から 生 徒 の 理 解 の 程 度 を 評 価 し 効 果 を 検 証 した これに は 主 に 授 業 前 後 に 実 施 したワークシート 授 業 中 にグループで 作 成 したラミネートワーク シート 2ヶ 月 後 ワークシートを 用 いた 効 果 検 証 にあたってより 詳 細 の 情 報 を 得 ることで 分 析 の 確 信 度 を 高 めるために 各 グルー プにミニカメラを 設 置 し 分 析 の 補 助 データとして 使 用 することとした 89

2.5.1.3 実 践 の 内 容 葵 中 学 校 における 本 検 証 の 実 施 概 要 について 表 38 に 示 す なお 教 員 にて 作 成 した 授 業 指 導 案 およびワークシートは 本 報 告 書 の 参 考 資 料 を 参 照 されたい 表 38 検 証 実 施 概 要 対 象 学 級 教 科 実 践 数 実 践 方 式 単 元 1 年 6 組 33 名 1 年 7 組 32 名 理 科 1 実 践 複 数 学 級 単 元 分 割 光 と 音 小 単 元 前 半 光 の 反 射 (3 時 限 ) 後 半 凸 レンズの 働 き(3 時 限 ) 活 用 の 順 1 年 6 組 : 活 用 非 活 用 1 年 7 組 : 非 活 用 活 用 90

2.5.2 ワークシートの 結 果 2.5.2.1 分 析 方 法 ワークシートは 次 の 4 種 類 を 分 析 対 象 とした 記 述 タイミング 概 要 表 39 分 析 対 象 ワークシートの 概 要 授 業 前 授 業 中 本 時 の 前 授 業 の 最 後 の 5 分 程 度 で 事 前 の 知 識 状 態 を 把 握 するために 記 述 授 業 中 に グループでラミネート 加 工 された A3サイズのものにホワイトボ ードマーカーで 繰 り 返 し 考 えを 書 き 直 させる 授 業 直 後 授 業 2ヶ 月 後 授 業 の 最 後 の 10 分 程 度 で 各 自 の 理 解 状 態 を 把 握 するために 記 述 授 業 終 了 2 ヶ 月 後 に 10 分 程 度 で 各 自 の 理 解 状 態 を 把 握 するために 記 述 これらワークシートの 問 いは 共 通 して 次 の 2 問 となる 表 40 各 小 単 元 のワークシートの 問 い 光 の 反 射 凸 レンズの 働 き 全 身 を 映 すためには 鏡 の 大 きさはどのくらいあればよいのだろうか? 光 源 より 大 きな 像 や 小 さな 像 をつくることができる 光 源 やスクリーン の 位 置 にどのような 関 係 性 があるだろうか? 次 に これらワークシートを 表 41 の 3 段 階 で 評 定 をした 表 41 分 析 の 枠 組 み a: 概 念 的 理 解 現 象 の 事 実 を 述 べるだけでなく それらがどのような 形 なのか 図 示 して 関 連 付 けながら 述 べられている b: 表 面 的 理 解 現 象 の 事 実 のみの 記 述 文 面 では 正 解 だが 図 示 に 間 違 いがみられ 穴 埋 め 問 題 には 正 答 できるが 実 際 の 現 象 について 概 念 的 には 理 解 してい ない c: 誤 答 未 解 決 間 違 った 記 述 や 図 示 白 紙 や 正 解 の 記 述 に 至 らない 91

分 析 結 果 最 初 に 小 単 元 光 の 反 射 の 結 果 を 示 す 表 で 示 したのが 表 1で それをグラフ 化 し たのが 図 1である なお グラフの 縦 軸 は 人 数 である タブレット 端 末 (ICT) 活 用 タブレット 端 末 (ICT) 非 活 用 表 1 光 の 反 射 ワークシート 分 析 結 果 a: 概 念 的 理 解 b: 表 面 的 理 解 c: 誤 答 未 解 決 授 業 前 0 3 30 授 業 中 12 21 0 授 業 直 後 26 7 0 授 業 2ヶ 月 後 16 15 0 授 業 前 0 2 30 授 業 中 0 20 12 授 業 直 後 12 16 4 授 業 2ヶ 月 後 9 17 5 35 30 25 20 15 10 決 c: 誤 答 未 解 理 b: 表 面 的 解 理 a: 概 念 的 解 5 0 授 業 前 授 業 中 授 業 直 授 業 2ヶ 後 月 後 用 光 の 反 射 ICT 活 授 業 前 授 業 中 授 業 直 後 光 の 反 射 ICT 非 活 授 業 2ヶ 月 後 用 図 1 光 の 反 射 ワークシート 分 析 結 果 92

光 の 反 射 の 問 題 は 授 業 前 にはほとんどの 生 徒 は 答 えることができず 難 易 度 の 高 い 問 題 であったことがわかる 表 面 的 理 解 レベルで 記 述 していた 生 徒 も 完 全 にわかっているわ けではなく 仮 説 レベルであった しかし グループ 活 動 を 通 してタブレット 端 末 活 用 学 級 では 誤 答 や 未 解 決 はなくなり 約 1/3の 生 徒 のグループは 概 念 的 理 解 を 構 築 するに 至 った プロセスをビデオで 確 認 してみると 一 度 まとめを 作 成 した 後 他 グループのまとめ 方 を 参 照 し グループ 内 で 議 論 が 起 き さらに 詳 細 にまとめ 直 す 活 動 がみられた また 他 グルー プのまとめを 見 るまで 解 決 に 至 らなかったグループも 他 グループのまとめを 見 て そのま まコピーするのではなく グループの 中 で 長 時 間 議 論 したのちに 正 解 をまとめるグループ 活 動 が 起 きていた その 結 果 授 業 直 後 のワークシートには 約 8 割 の 生 徒 が 概 念 的 理 解 レ ベルで 記 述 することができていて 授 業 2ヶ 月 後 でも 約 半 数 が 概 念 的 理 解 レベルで 記 述 す ることができていた 一 方 タブレット 端 末 非 活 用 グループでは 4 割 が 誤 答 または 未 解 決 のまま 各 グループの 発 表 を 受 動 的 に 聞 いて 比 較 参 照 することになった 授 業 直 後 には 約 1/3の 生 徒 が 概 念 的 理 解 レベルで 記 述 できていたが 何 人 かは 誤 答 の 記 述 や 記 述 できない 生 徒 がいた ビデ オを 見 てみると 議 論 して 解 答 を 書 くが 一 度 書 いた 後 はそのままになってしまい 修 正 す るようなグループはみられなかった そして 授 業 2ヶ 月 後 でも 誤 答 のままの 記 述 がいる 状 態 であった 93

次 に 小 単 元 凸 レンズの 働 き の 結 果 を 示 す 表 で 示 したものが 表 2で それをグラ フ 化 したのが 図 2である なお グラフの 縦 軸 は 人 数 である タブレット 端 末 (ICT) 活 用 タブレット 端 末 (ICT) 非 活 用 表 2 凸 レンズの 働 き ワークシート 分 析 結 果 a: 概 念 的 理 解 b: 表 面 的 理 解 c: 誤 答 未 解 決 授 業 前 5 6 19 授 業 中 22 8 0 授 業 直 後 23 7 0 授 業 2ヶ 月 後 22 3 4 授 業 前 7 8 14 授 業 中 17 16 0 授 業 直 後 27 5 1 授 業 2ヶ 月 後 18 4 9 35 30 25 20 15 10 決 c: 誤 答 未 解 理 b: 表 面 的 解 理 a: 概 念 的 解 5 0 授 業 前 授 業 中 授 業 直 授 業 2ヶ 後 月 後 用 凸 レンズの 働 きICT 活 授 業 前 授 業 中 授 業 直 授 業 2ヶ 後 月 後 用 凸 レンズの 働 きICT 非 活 図 2 凸 レンズの 働 き ワークシート 分 析 結 果 授 業 前 のワークシート 結 果 より 光 の 反 射 に 比 べて 表 面 的 理 解 レベルの 記 述 や 概 念 的 理 解 の 記 述 ができている 生 徒 がおり 知 っている 生 徒 は 解 くことができる 問 題 であったことが 分 かる タブレット 端 末 活 用 学 級 の 方 は タブレット 端 末 非 活 用 学 級 と 比 べて 授 業 中 に 各 グルー 94

プが 作 成 したラミネート 加 工 のワークシートに 概 念 的 理 解 レベルで 記 述 できているグルー プが 多 かった これも 授 業 中 の 活 動 をビデオで 分 析 した 結 果 光 の 反 射 の 単 元 と 同 様 の 活 動 がみられた 授 業 直 後 の 記 述 ではタブレット 端 末 非 活 用 学 級 では 概 念 的 理 解 レベルで 記 述 で きる 生 徒 が 増 えたが 授 業 2ヶ 月 後 は 概 念 的 理 解 レベルの 記 述 者 が 大 幅 に 減 り さらに は 誤 答 未 回 答 者 が 増 加 する 結 果 となった 授 業 で 受 動 的 に 聞 いて 授 業 直 後 では 概 念 的 理 解 レベルで 記 述 できていたが 後 に 忘 れてしまっている 可 能 性 がある 両 実 践 を 合 計 し 縦 軸 を 割 合 で 示 したものが 図 3である 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 決 c: 誤 答 未 解 理 b: 表 面 的 解 理 a: 概 念 的 解 20% 10% 0% 授 業 前 授 業 中 授 業 直 後 用 ICT 活 授 業 2ヶ 月 後 授 業 前 授 業 中 授 業 直 後 用 ICT 非 活 授 業 2ヶ 月 後 図 3 ICT 活 用 学 級 と 非 活 用 学 級 のワークシート 分 析 結 果 このグラフより 授 業 中 にタブレット 端 末 を 用 いて 能 動 的 にグループ 間 でまとめを 比 較 す る 活 動 を 導 入 することで 概 念 的 理 解 レベル に 引 き 上 げることができていることが 分 か る その 結 果 授 業 直 後 の 理 解 では 誤 答 未 回 答 の 生 徒 がいなくなる このことは 学 力 が 多 様 な 学 級 で 授 業 をする 中 での 大 きなアドバンテージと 言 える さらに 授 業 2ヶ 月 後 に 内 容 を 忘 れてしまい 誤 答 や 未 回 答 になってしまう 生 徒 がほとんどいないのも 大 きな 特 徴 で 95