合 意 をつくるための コミュニケーション マニュアル はじめに 温 暖 化 などの 環 境 問 題 原 などのエネルギー 問 題 遺 伝 治 療 など 医 療 問 題 私 た ちの 近 にはたくさんの 問 題 があふれています このような 問 題 について 分 で 考 える だけでなく 他 の の 意 を 聞 いてみたい 他 の と 話 してみたい そう 考 えて 話 し 合 いの 場 に 参 加 してみる も 多 いのではないでしょうか しかし 意 の 違 い 場 の 違 い 価 値 観 の 違 いなどによって 他 の との 話 し 合 いがうまくいかないことがあります そん なときにはどう 話 し 合 ったらよいのでしょうか? このマニュアルは 意 の 違 い 場 の 違 い 価 値 観 の 違 いがある 時 に お 互 いに 話 し 合 って お 互 いを 理 解 していくためのポイントと その 上 で 合 意 をつくるためのポイント をまとめています
話 す とは? コミュニケーション ルール 話 す というのはどういうことでしょうか? 話 す とは 分 の 持 っている 何 かの 情 報 を 相 に 伝 える 段 です したがって 話 す ことに 含 まれる 内 容 は 基 本 的 に 以 下 の 4 つに 分 けられます あなたが 相 に 何 を 伝 えたいのかを 考 えて それがこの4つの 分 類 の うち どこに るのかを 意 識 しながら 話 す ことが 切 です ラベル 意 味 事 例 求 められる 要 素 概 念 葉 の 定 義 や 意 味 を 述 べる 論 理 客 観 的 に 観 測 される 事 実 に 基 づいた 事 柄 や 論 理 的 に 組 み てられ た 事 柄 について 述 べる 規 則 他 とのつながりや 社 会 のルールについて 述 べる 感 情 分 の 中 の 意 や 感 情 を 述 べる 埋 地 とはゴミを 適 切 に 処 理 して 埋 める 場 所 です 〇 〇 町 の 埋 地 は 46 ヘクタ ールの 積 を 有 しています 埋 地 を 作 る 計 画 は 選 ばれ た 市 の 々が 監 視 しなが ら うべきです 私 は 埋 地 から 出 る 騒 が 耐 え 難 いものにならないか を 配 しております わかりやすく 正 確 に 整 合 性 をもって 社 会 的 正 当 性 をもって ありのままに 誠 実 に 真 摯 に 2
話 す ときのチェックリスト では 実 際 にあなたが 話 す ときに どんな 点 に 注 意 すればよいのでしょうか ここ では あなたが 相 に 伝 えたい 内 容 の 分 類 ごとに それぞれ 意 識 するとよい 点 をチェック リストにしています 1. 話 す とき 全 般 で 意 識 すること 概 念 論 理 規 則 感 情 の 話 は できるだけ 分 けて 話 すようにしましょう その 分 け については 皆 が 納 得 するようにしましょう 皆 に 誤 解 が じないように 確 認 しながら 話 を 進 めるようにしましょう 2. 概 念 の 話 で 意 識 すること 葉 の 定 義 や 意 味 は わかりやすい 葉 で 話 しましょう 葉 の 定 義 や 意 味 を 皆 が 確 認 できるようにしておきましょう 必 要 に 応 じて 辞 書 や 教 科 書 を 意 したり 皆 で 確 認 しあうようにしましょう 話 し 合 う の 中 で 葉 の 定 義 や 意 味 が 異 なる 場 合 それを 調 整 してから 次 の 話 に 進 み ましょう 葉 の 定 義 や 意 味 が 話 し 合 いで 調 整 できなかった 場 合 は 辞 書 や 教 科 書 の 定 義 を 使 うよ うにしましょう 3
3. 論 理 の 話 で 意 識 すること 客 観 的 に 観 測 される 事 実 に 基 づいた 事 柄 や 論 理 的 に 組 み てられた 事 柄 を 話 すときは 事 実 の 正 確 さ や 論 理 の 整 合 性 を 意 識 して 話 しましょう 話 の 中 で 使 われる 事 実 が 正 確 であるかどうかを 皆 で 確 認 できるようにしましょう 必 要 に 応 じて インターネットや 専 家 を 準 備 しましょう 気 になることがあるときは 躊 躇 せずに 事 実 がわかるまで 専 家 に 聞 きましょ う また その 事 実 が 正 確 であるかを 専 家 に 確 認 しましょう そのために 場 合 によっては 専 家 に 調 べる 時 間 が 必 要 なときもあります 話 の 中 で 使 われる 事 実 がデータである 場 合 には できるだけ 加 されていないデ ータを 参 照 するようにしましょう 参 照 したデータの 真 偽 を 確 認 したい 場 合 や データの 参 照 が 難 しい 場 合 は 専 家 を 活 しましょう 話 の 中 で 使 われる 事 実 が 専 家 の 中 で 認 められている 学 術 的 な 知 である 場 合 には 皆 がその 知 を 学 び 理 解 する 機 会 を 設 けましょう 例 えば 講 義 を 受 け たり 関 係 する 施 設 を 学 したりしましょう 話 の 中 で 使 われる 事 実 が 専 家 の 間 で 解 が 割 れているような 場 合 両 の 解 を 知 るようにしましょう また なぜ 解 が 割 れているのかも 知 るようにしま しょう 専 家 を 活 する 場 合 は 皆 が 納 得 する 専 家 を 選 びましょう 話 の 中 で 使 われる 論 理 が 整 合 性 を 持 っているかどうかを 皆 で 確 認 できるようにし ましょう 4
4. 規 則 の 話 で 意 識 すること 他 とのつながりや 社 会 のルールを 話 すときは 社 会 的 正 当 性 を 意 識 して 話 しま しょう 社 会 的 正 当 性 とは そのつながりやルールに 関 係 する たち 全 員 の 価 値 基 準 や 利 害 を 尊 重 し そのつながりやルールに 反 映 することです 他 とのつながりや 社 会 のルールを 話 すときは 皆 がお 互 いの 価 値 基 準 や 利 害 の 違 いに 気 づき 尊 重 するようにしましょう そのために お 互 いの 価 値 基 準 や 利 害 を 知 る 夫 をしましょう 例 えば 少 数 でのディスカッションなどが 有 効 と われてい ます 他 とのつながりや 社 会 のルールを 話 すときは そのつながりやルールが 引 き 起 こ す 影 響 を 評 価 し 皆 で 理 解 するようにしましょう 引 き 起 こされる 影 響 がどのようなものなのかを 評 価 するとき また それを 理 解 するときには 論 理 の 話 として 扱 いましょう 皆 が 納 得 できるルールをつくる 話 し 合 いでは はじめに お 互 いの 価 値 基 準 を 知 った 上 で 皆 が 共 有 できる 台 をつくる 努 をしましょう そして その 台 の 上 にルー ルをつくっていくようにしましょう それにはとても 時 間 がかかります 分 な 時 間 を 確 保 しましょう ルールをつくるときには 皆 の 価 値 基 準 を 整 理 しておくと 役 に ちます 新 しいルールができたら それを 評 価 し 皆 が 納 得 できるかどうかを 確 認 しまし ょう 他 の の 道 徳 的 価 値 に 基 づく 考 え を 否 定 しないようにしましょう 5
5. 感 情 の 話 で 意 識 すること 分 の 中 の 意 や 感 情 を 話 すときは の 中 にあることを ありのまま に 誠 実 に 真 摯 に 話 しましょう 皆 の 前 で 分 の 中 の 意 や 感 情 を 話 す 前 に まず 友 達 や 同 僚 と 話 して 分 の 中 の 意 や 感 情 を 整 理 しましょう そのような 時 間 がとれないような 場 であっても 分 の の 中 で 整 理 してから 話 すようにしましょう 他 の の 意 や 感 情 を 聞 くときは その の 場 になって なぜその がそのような 意 や 感 情 を 話 すのか 理 解 するよう がけましょう そのときには その の 過 去 の いや 主 張 将 来 やりたいことなどを 踏 まえまし ょう また だれもが 活 している 環 境 や 仕 事 上 の 都 合 で 話 している 事 柄 に 関 す る 情 報 が 不 していたり 意 や 感 情 が 偏 ったりすることがあるものなので そ のことをお 互 いに 認 識 しましょう 話 題 に 関 する 事 実 を 分 に 知 らなかったり 勘 違 いしたりしている 状 態 で 意 や 感 情 が 話 されている 場 合 意 や 感 情 と 事 実 の 認 識 を 分 けて 事 実 の 認 識 につ いては 論 理 の 話 として 取 り 扱 いましょう 多 少 の 意 や 感 情 の 違 いがあっても 否 定 しないようにしましょう もし 分 と 他 の の 意 や 感 情 が 異 なるとしても どちらかが 正 しいということはありません 分 の 意 や 感 情 を 押 し 通 すよりも お 互 いの 意 や 感 情 を 尊 重 して 次 のステップに 向 けて 協 働 していく 台 をつくるほうがはるかに 切 です 協 働 していく 台 をつくってから お 互 いの 意 や 感 情 の 差 を 埋 めていくために 葉 の 概 念 を 考 え 直 したり 社 会 のルールを 考 えたりするようにしましょう そ のときには 概 念 や 規 則 の 話 として 取 り 扱 いましょう お 互 いの 意 や 感 情 を 共 有 するのは とても 時 間 がかかります 分 な 時 間 を 確 保 し ましょう 6
合 意 をつくるために 話 す ときのチェックリスト ここまで 話 す ときに どんな 点 に 注 意 すればよいかをまとめてきました これらの 点 に 注 意 していくと 分 の 伝 えたいことを 相 に 伝 え 相 の 伝 えたいことを 理 解 する ことが よりうまくできるようになります しかし 合 意 をつくるときには お 互 いを 理 解 したうえで お 互 いが 納 得 できるルールをつくることが 必 要 になってきます このとき 話 す ときのチェックリストに 加 えて 以 下 のような 点 を 注 意 することで より 合 意 を つくりやすくなります 1+α 合 意 をつくるために 話 す とき 全 般 で 意 識 すること 合 意 をつくる とは 規 則 に 属 する 話 し 合 いです つまり 皆 が 納 得 できる 新 し いルールをつくることです 分 に 概 念 論 理 感 情 の 話 をした 上 で 規 則 の 話 にもっていきましょう 4+α 規 則 の 話 で 意 識 すること お 互 いの 価 値 基 準 や 利 害 が 異 なる 場 合 お 互 いが 求 めるルールも 違 います 合 意 をつ.. くるときには まず 相 の 話 や 合 意 の 提 案 に 対 して 分 が 納 得 できる 点 を 話 しまし... ょう そのあとに 分 が 納 得 できない 点 とその 理 由 を 率 直 に 伝 えましょう 納 得 で きないまま 妥 協 することは 合 意 ではありません 納 得 できない 理 由 を 話 すときは 論 理 の 整 合 性 を 意 識 して 話 すようにしましょう 事 実 の 認 識 が 異 なる 場 合 は 論 理 の 話 として 取 り 扱 いましょう 感 情 が って いる 場 合 は 感 情 の 話 として 取 り 扱 いましょう 納 得 できない 点 を 話 すときは どうしたら 納 得 できるようになるか も 伝 えられ るとより 前 向 きな 話 し 合 いにつながります 分 と 相 の 求 めるルールのどちらにより 近 いルールにできるか という 勝 ち 負 けで 捉 えないように 意 識 しましょう 相 の 場 にもなって 考 え お 互 いが 納 得 できる 新 たな 案 をつくりだすことが 合 意 をつくる 近 道 です 5+α 感 情 の 話 で 意 識 すること 合 意 をつくるときは の 中 にある 感 情 を ありのまま に 誠 実 に 真 摯 に 話 しましょう また 相 が 悪 い などと 物 を 直 接 難 するのではなく 相 のど のような 動 が 納 得 できない という 話 し をしましょう 7
おわりに このマニュアルでは 話 す ときに 意 識 すると 良 いことをコミュニケーション ルール にまとめています また 合 意 をつくるために 話 す ためのルールもまとめました もしかしたら どのルールも 難 しくて 使 えそうにない 使 ってもルールをやぶってし まいそう そのように 感 じる がいらっしゃるかもしれません しかし 失 敗 を 恐 れず に 是 使 ってみてください 最 初 からルールを 全 てマスターできる はいません 1つ 1つできるようになっていくものです 今 の 話 し 合 いでは ルールのここを 意 識 してみ よう 今 の 話 し 合 いでは この 部 分 はうまくいったけど このルールは 意 識 できていな かったかな というような 試 錯 誤 を 通 じて 少 しずつこのマニュアルの 理 解 を 深 めてい くことが 切 です このマニュアルが 質 の い 話 し 合 いの 実 現 に 少 しでも 役 に つことを 願 っています このマニュアルは コミュニケーション マニュアル ( 原 基 礎 基 盤 戦 略 研 究 イニシア ティブ 原 ムラ の 境 界 を 越 えるためのコミュニケーション フィールドの 試 ( 研 究 代 表 者 : 村 浩 ) 2011-2015) ハーバード 流 交 渉 術 (Roger Fisher ら( 宣 夫 ら 訳 ) 1989)および ハーバード 流 交 渉 術 - 仕 事 が 100 倍 うまくいく No の い (William Ury ( 峯 村 利 哉 訳 ) 2008)を 参 考 に 経 済 産 業 資 源 エネルギー 庁 の 援 ( 事 務 局 :( 財 ) 本 地 センター)を 受 けて 作 成 されました 8