(3) 観 光 交 通 アクセス インフラ 等 に 関 する 課 題 本 県 への 観 光 のための 交 通 アクセス インフラ 等 に 関 する 空 路 陸 路 及 び 海 路 は 震 災 後 地 震 被 害 津 波 被 害 に 加 え 原 発 事 故 被 害 と 風 評 被 害 により 現 在 においても 休 止 不 通 等 の 障 害 が 生 じており 本 県 観 光 利 用 状 況 の 復 興 に 重 大 な 影 響 を 与 えている そこ で 空 路 陸 路 海 路 につき 本 県 観 光 復 興 を 加 速 するための 課 題 を 検 証 する 1 空 路 ⅰ) 国 際 路 線 福 島 -ソウル 間 の 定 期 便 が 震 災 後 直 ちに 休 止 し 現 在 も 休 止 中 である なお 福 島 -ソウル 間 のチャーター 便 は 震 災 後 に 実 施 されてきたが 福 島 原 発 汚 染 水 問 題 の 発 生 以 後 に 再 度 中 止 となった 福 島 - 上 海 間 の 定 期 便 も 震 災 後 直 ちに 休 止 し 現 在 も 休 止 中 である なお チャー ター 便 は 平 成 24 年 9 月 に 実 施 されたが 日 中 間 の 関 係 悪 化 により その 後 は 実 施 されていない 福 島 台 湾 間 の 定 期 便 は 現 在 ないが チャーター 便 は 震 災 後 も 継 続 して 実 施 され 現 在 に 至 っている 東 南 アジア 米 国 ハワイ 欧 州 などへの 震 災 後 のチャーター 便 は 随 時 運 航 されて いるが 本 県 の 平 成 26 年 3 月 12 日 発 表 によると5 月 中 に 福 島 -ハノイ(ベトナ ム)のチャーター 便 が 運 航 されるとのことである 参 考 : 福 島 空 港 以 外 の 台 湾 及 びバンコクとの 現 在 における 定 期 便 路 線 を 掲 げてみ ると 次 のとおりである 台 湾 との 定 期 便 の 路 線 ( 主 に 地 方 空 港 ) 旭 川 台 北 ( 桃 園 ) 函 館 台 北 ( 桃 園 ) 釧 路 台 北 ( 桃 園 ) 静 岡 台 北 ( 桃 園 ) 小 松 台 北 ( 桃 園 ) 富 山 台 北 ( 桃 園 ) 高 松 台 北 ( 桃 園 ) 鹿 児 島 台 北 ( 桃 園 ) 宮 崎 台 北 ( 桃 園 ) 石 垣 台 北 ( 桃 園 )など ( 地 方 空 港 以 外 ) 東 京 ( 成 田 ) 東 京 ( 羽 田 ) 大 阪 ( 関 西 ) 名 古 屋 ( 中 部 ) 福 岡 札 幌 仙 台 新 潟 岡 山 広 島 沖 縄 と 台 北 ( 桃 園 ) 又 は 台 北 ( 松 山 )などに 定 期 便 の 路 線 がある タイとの 定 期 便 の 路 線 地 方 空 港 には 定 期 便 の 路 線 はないが 東 京 ( 成 田 ) 東 京 ( 羽 田 ) 大 阪 ( 関 西 ) 名 古 屋 ( 中 部 ) 福 岡 札 幌 仙 台 との 間 にはバンコクとの 定 期 便 の 路 線 がある 184
本 県 観 光 の 復 興 のシンボルとして 現 在 休 止 中 の 国 際 路 線 の 再 開 に 向 けた 努 力 を 継 続 する 必 要 がある さらに 新 規 の 国 際 便 ルートの 開 拓 を 行 うとともに 国 際 チャーター 便 の 運 航 のための 努 力 を 引 き 続 き 行 うべきである ⅱ) 国 内 路 線 現 在 運 航 している 定 期 便 は 大 阪 便 札 幌 便 である 本 県 観 光 の 復 興 を 加 速 するため 沖 縄 などへのチャーター 便 の 計 画 を 積 極 的 に 検 討 する 必 要 がある また 利 用 状 況 がいまだ 回 復 していない 教 育 旅 行 の 復 興 のために チャーター 便 の 利 用 も 積 極 的 に 検 討 すべきである さらに 平 成 24 年 12 月 の 福 島 空 港 に 関 する 有 識 者 会 議 において 既 に 提 言 されている 格 安 航 空 会 社 (LCC) 導 入 に よる 路 線 計 画 も 早 急 に 検 討 する 必 要 がある 本 県 観 光 の 復 興 の 加 速 のため 新 規 の 国 内 定 期 便 のルートの 開 拓 を 行 うとともに チャー ター 便 の 増 便 のための 努 力 を 引 き 続 き 行 うべきである 2 陸 路 ⅰ) 鉄 道 JR 東 日 本 の 東 北 新 幹 線 東 北 本 線 磐 越 西 線 磐 越 東 線 及 び 水 郡 線 は 現 在 不 通 箇 所 はない なお JR 東 日 本 の 震 災 後 の 現 在 における 不 通 箇 所 は 次 のとおりである 常 磐 線 沿 線 の 不 通 箇 所 仙 台 いわき 間 のうち 津 波 被 害 により 相 馬 浜 吉 田 ( 相 馬 亘 理 間 でバス 代 行 輸 送 中 ) 原 発 事 故 により 原 ノ 町 広 野 の 区 間 が 不 通 となっている 只 見 線 の 不 通 箇 所 会 津 若 松 小 出 ( 新 潟 県 ) 間 のうち 平 成 23 年 7 月 に 発 生 した 新 潟 福 島 豪 雨 の 被 害 により 一 部 不 通 となり 会 津 川 口 只 見 間 は 現 在 バス 代 行 輸 送 中 である 只 見 線 の 復 旧 再 開 事 業 は 本 県 観 光 復 興 のシンボルとなり 得 る 極 めて 重 大 な 事 案 であ り 県 のみならずこの 地 域 住 民 の 悲 願 でもある 国 隣 県 関 係 市 町 村 民 間 関 係 団 体 などとの 関 係 協 議 会 の 更 なる 努 力 により 復 旧 実 現 を 目 指 すべきである ⅱ)バス 本 県 のバス 路 線 は 次 のとおりである 185
長 距 離 バス( 主 な 県 外 から 県 内 への 路 線 バス) 東 京 都 内 ( 浜 松 町 東 京 上 野 ) 郡 山 東 京 都 内 ( 東 京 ) 福 島 東 京 都 内 ( 新 宿 ) 郡 山 福 島 東 京 都 内 ( 新 宿 ) 会 津 若 松 喜 多 方 埼 玉 ( 新 越 谷 ) 郡 山 東 京 都 内 ( 東 京 ) いわき 名 古 屋 郡 山 大 阪 京 都 郡 山 福 島 大 阪 京 都 い わき 仙 台 福 島 仙 台 会 津 若 松 仙 台 郡 山 須 賀 川 仙 台 いわき 新 潟 会 津 若 松 新 潟 郡 山 など 長 距 離 バス( 主 な 県 内 から 県 内 への 路 線 バス) 福 島 会 津 若 松 福 島 いわき 福 島 郡 山 いわきー 郡 山 会 津 若 松 福 島 相 馬 福 島 南 相 馬 など ⅲ) 高 速 道 路 本 県 高 速 道 路 は 東 北 道 磐 越 道 及 び 常 磐 道 があり 本 県 高 速 道 路 の 震 災 後 の 現 在 にお ける 不 通 箇 所 は 次 のとおりである 常 磐 道 原 発 事 故 により 広 野 IC 常 磐 富 岡 ICの 区 間 が 不 通 となっていたが 平 成 26 年 2 月 に 再 開 通 した なお 工 事 区 間 のうち 浪 江 IC 南 相 馬 IC 相 馬 IC 山 元 ICの 両 区 間 は 平 成 26 年 度 内 の 開 通 予 定 東 京 電 力 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 に 最 も 近 い 常 磐 富 岡 IC 南 相 馬 ICについても 国 交 省 などは 平 成 26 年 度 から 大 幅 に 遅 れない 時 期 での 開 通 予 定 が 公 表 されている 常 磐 道 の 三 郷 IC( 埼 玉 県 ) 亘 理 IC( 宮 城 県 )の 全 線 が 平 成 26 年 度 から 大 きく 遅 れない 時 期 に 開 通 し 供 用 開 始 されれば 震 災 後 の 浜 通 り 地 方 のみならず 本 県 全 体 の 復 興 の 加 速 につながるものと 期 待 される ⅳ) 一 般 道 路 本 県 一 般 道 路 の 震 災 後 の 現 在 における 不 通 箇 所 は 避 難 指 示 区 域 における 交 通 制 限 のある 道 路 など 一 部 である 3 海 路 福 島 県 には 貨 物 便 の 国 際 航 路 及 び 国 内 航 路 はあるが 貨 物 便 以 外 に 旅 客 便 の 国 際 航 路 国 内 航 路 はない なお 旅 客 便 の 国 際 航 路 及 び 国 内 航 路 の 開 設 計 画 予 定 も 現 在 ない 参 考 : 国 際 航 路 及 び 国 内 航 路 ( 主 な 連 絡 船 長 距 離 フェリー クルーズ 船 及 び 高 速 船 など)を 掲 げてみると 次 のとおりである 国 際 航 路 稚 内 コルサコフ 大 阪 神 戸 上 海 大 阪 釜 山 境 港 ウラジオストク 186
下 関 青 島 下 関 釜 山 博 多 釜 山 対 馬 釜 山 ほか 国 際 航 路 乗 場 稚 内 大 阪 神 戸 境 港 下 関 博 多, 対 馬 ほか 国 内 航 路 ( 連 絡 船 長 距 離 フェリー 及 びクルーズ 船 ) 仙 台 苫 小 牧 大 洗 苫 小 牧 名 古 屋 仙 台 苫 小 牧 小 樽 新 潟 舞 鶴 ほか 国 内 航 路 乗 場 ( 主 な 連 絡 船 長 距 離 フェリー 及 びクルーズ 船 ) 苫 小 牧 仙 台 大 洗 東 京 名 古 屋 大 阪 神 戸 函 館 青 森 八 戸 大 間 小 樽 新 潟 舞 鶴 秋 田 敦 賀 ほか * 福 島 県 においては 旅 客 便 の 国 際 航 路 及 び 国 内 航 路 はないため 本 県 への 船 旅 によ る 観 光 は 不 可 能 である 国 際 貨 物 船 及 び 国 内 貨 物 船 が 停 泊 する 小 名 浜 港 の 岸 壁 を 延 長 するなど 旅 客 便 の 航 路 設 定 の 調 査 研 究 などは 将 来 の 本 県 観 光 復 興 の 上 で 必 要 で はないのか せめて 原 子 炉 が 廃 炉 とされているだろう 頃 までには 検 討 すべきであ る (4) 観 光 庁 共 通 基 準 による 観 光 客 入 込 数 統 計 データ 算 定 上 の 課 題 本 県 の 観 光 行 政 の 動 向 を 判 断 する 統 計 データは 様 々あるが 観 光 庁 共 通 基 準 による 観 光 客 入 込 数 統 計 データが 重 要 なものの 一 つである この 観 光 庁 共 通 基 準 による 観 光 客 入 込 数 統 計 データは 平 成 21 年 12 月 に 共 通 基 準 を 策 定 し 平 成 25 年 3 月 に 共 通 基 準 の 運 用 について 改 善 し 現 在 に 至 っているが 大 阪 府 以 外 の 都 道 府 県 において 採 用 されている なお 観 光 庁 共 通 基 準 による 調 査 は 調 査 地 点 の 分 類 方 法 は 統 一 されているが 集 計 方 法 などは 都 道 府 県 に 任 されており その 精 度 は 第 三 者 の 検 査 審 査 が 特 になく 正 確 性 信 頼 度 に 課 題 があるとの 指 摘 もあるが 同 一 県 において 時 系 列 比 較 により 対 前 年 度 比 対 計 画 目 標 数 値 比 など 観 光 行 政 のおおよその 傾 向 を 把 握 する 方 法 として は 極 めて 有 用 である 今 回 のアンケート 調 査 の 回 答 においても 観 光 庁 共 通 基 準 による 調 査 に 観 光 庁 から の 予 算 措 置 もなく 人 員 確 保 に 困 窮 している 旨 の 意 見 もあったが そもそも 調 査 の 主 体 が 県 であり 市 町 村 との 連 携 を 図 りながら 調 査 作 業 を 行 うに 当 たり いかにこの 統 計 データの 精 度 の 確 保 を 維 持 するのか 特 に 行 祭 事 イベントなど 屋 外 で 実 施 される 祭 大 会 などの 入 込 数 の 集 計 が 困 難 な 場 合 の 対 応 はどうするのか 確 かに 実 施 者 等 に 月 別 に 報 告 を 求 め 調 査 すると 定 められてはいるが より 高 い 精 度 確 保 のためのルール 187
づくりは 必 要 ではないか 平 成 25 年 の 入 込 数 の 公 表 は 例 年 どおりであれば 平 成 26 年 7 月 下 旬 となる ちなみに 平 成 24 年 の 入 込 数 の 公 表 は 平 成 25 年 7 月 29 日 であり この 公 表 結 果 が 予 算 措 置 などに 活 用 されるのは 翌 年 の 平 成 25 年 度 からではなく 翌 々 年 度 の 平 成 26 年 度 となり 利 用 価 値 が 薄 れることとなる 観 光 地 点 を 管 理 している 市 町 村 民 間 管 理 者 などとの 連 携 を 強 化 し 観 光 客 入 込 数 統 計 データのより 高 い 精 度 の 確 保 に 努 めるとともに 観 光 客 入 込 数 統 計 データ 作 成 業 務 を 自 動 化 するなどし 作 成 の 迅 速 化 に 努 めるべきである なお 主 要 観 光 地 点 については せめて 速 報 値 の 公 表 を 四 半 期 ごとにできないか 検 討 すべきである (5) 観 光 経 済 波 及 効 果 の 制 度 化 へ 向 けた 課 題 本 県 においては 重 要 な 経 済 施 策 を 実 施 するに 当 たりその 都 度 企 画 調 整 部 情 報 統 計 総 室 統 計 課 による 経 済 波 及 効 果 を 試 算 し アナリーゼふくしまとして 取 りまとめ 公 表 している 例 えば 観 光 分 野 の 施 策 に 関 連 しては ふくしま 海 洋 科 学 館 (アクアマリンふくし ま) 建 設 開 館 に 伴 う 経 済 波 及 効 果 福 島 空 港 -その 環 境 と 利 用 者 による 経 済 波 及 効 果 会 津 鉄 道 会 津 線 野 岩 鉄 道 会 津 鬼 怒 川 線 の 誘 客 効 果 県 内 での 旅 行 観 光 消 費 が もたらす 経 済 波 及 効 果 などであるが 県 が 公 表 している 過 去 のアナリーゼふくしまの 観 光 に 関 連 するものを 示 すと 以 下 のとおりである アナリーゼふくしまNo.20 ふくしま 産 業 復 興 企 業 立 地 補 助 金 を 活 用 した 企 業 の 投 資 が もたらす 県 内 への 経 済 波 及 効 果 旅 行 観 光 消 費 がもたらす 県 内 経 済 への 波 及 効 果 アナリーゼふくしまNo.18 アナリーゼふくしまNo.17 アナリーゼふくしまNo.16 アナリーゼふくしまNo.13 アナリーゼふくしまNo.12 県 内 での 旅 行 観 光 消 費 がもたらす 経 済 波 及 効 果 会 津 鉄 道 会 津 線 野 岩 鉄 道 会 津 鬼 怒 川 線 の 誘 客 効 果 ~ 会 津 地 域 と 首 都 圏 を 結 ぶ 懸 け 橋 ~ 福 島 空 港 -その 環 境 と 利 用 者 による 経 済 波 及 効 果 県 内 の 旅 行 観 光 消 費 の 経 済 波 及 効 果 分 析 ふくしま 海 洋 科 学 館 (アクアマリンふくしま) 建 設 開 館 に 伴 う 経 済 波 及 効 果 産 業 連 関 表 からみた 平 成 7 年 と 平 成 10 年 の 県 経 済 構 造 の 比 較 188
平 成 25 年 3 月 に 公 表 されたアナリーゼふくしま No.20によれば 平 成 22 年 と 平 成 23 年 の 本 県 における 旅 行 観 光 消 費 がもたらす 県 内 経 済 への 波 及 効 果 東 日 本 大 震 災 前 と 震 災 時 の 両 年 を 比 較 することによる 複 合 災 害 後 の 本 県 旅 行 観 光 消 費 に 与 えた 経 済 的 な 影 響 の 分 析 平 成 25 年 のNHK 大 河 ドラマ 八 重 の 桜 の 放 映 及 び 東 北 六 魂 祭 の 実 施 に 伴 う 県 内 経 済 への 波 及 効 果 を 推 計 し 新 生 ふくしま の 実 現 に 向 けた 取 組 の 効 果 を 試 算 している 本 県 観 光 復 興 のための 取 組 は 平 成 26 年 度 から 福 島 県 全 域 を 対 象 とした 大 型 観 光 キャ ンペーン デスティネーションキャンペーン ( 以 下 DC という )のプレDCから 開 始 され 平 成 27 年 度 DCと 平 成 28 年 度 のアフターDCと 長 期 間 にわたり 実 施 される また 平 成 26 年 度 以 降 も 様 々な 観 光 プロジェクトやイベントが 行 われることが 予 定 さ れているため 県 内 の 経 済 波 及 効 果 を 定 期 的 に 算 定 し 時 系 列 比 較 することにより 復 興 に 向 けた 取 組 や 地 域 再 生 への 活 動 の 参 考 とすべきである 旅 行 観 光 消 費 がもたらす 県 内 経 済 への 波 及 効 果 の 算 定 は 復 興 に 向 けた 取 組 や 地 域 再 生 への 活 動 の 参 考 となるため 毎 年 定 期 的 かつ 継 続 的 に 行 われるべきであり 制 度 と して 実 施 されるよう 検 討 すべきである (6) 観 光 振 興 条 例 制 定 へ 向 けた 課 題 本 県 は 観 光 分 野 を 地 域 経 済 における 基 幹 産 業 の 重 要 な 一 つとして 位 置 付 け 行 政 運 営 を 行 ってきたところであるが 東 日 本 大 震 災 後 観 光 客 入 込 数 が 約 4 割 と 大 幅 に 減 少 するなど 状 況 が 著 しく 悪 化 したため 利 用 状 況 改 善 のために 総 合 計 画 復 興 計 画 及 び 商 工 業 振 興 基 本 計 画 を 大 幅 に 見 直 し 改 訂 し 観 光 の 復 興 を 加 速 するための 重 要 な 施 策 の 一 つとして 積 極 的 に 推 進 している 一 方 観 光 庁 は 観 光 立 国 推 進 基 本 法 観 光 立 国 推 進 基 本 計 画 により 観 光 を21 世 紀 における 日 本 の 重 要 な 経 済 成 長 分 野 の 一 つとして 明 確 に 位 置 付 け 観 光 立 国 への 推 進 を 目 指 し 推 進 体 制 を 強 化 しているところでもあり 本 県 に 対 しても 平 成 25 年 12 月 20 日 に 福 島 県 観 光 戦 略 会 議 ( 観 光 庁 観 光 地 域 振 興 部 地 域 振 興 課 内 )を 設 置 し 本 県 観 光 の 復 興 への 支 援 体 制 を 強 化 しているところである 本 県 観 光 による 経 済 波 及 効 果 の 裾 野 は 広 く 国 と 福 島 県 の 自 治 体 次 世 代 を 担 う 若 手 を 含 めた 観 光 関 係 者 県 とが 密 接 に 連 携 し 福 島 県 の 観 光 復 興 に 向 けた 更 なる 観 光 戦 略 を 検 討 することは 地 域 経 済 の 振 興 にとって 有 益 である そのためには 県 が 主 導 的 に 国 との 調 整 を 果 たし 本 県 市 町 村 との 連 携 を 強 化 する とともに 民 間 の 観 光 業 者 交 通 関 連 事 業 者 県 民 との 相 互 連 携 を 強 化 する 必 要 があ り 本 県 の 観 光 立 県 を 目 指 す 姿 勢 を 積 極 的 かつ 明 確 に 示 すため 観 光 に 特 化 した 観 光 振 興 条 例 の 制 定 は 本 県 観 光 復 興 の 迅 速 化 にとって 有 効 ではないか 既 に47 都 道 府 県 の 189
うち 23 の 自 治 体 が 条 例 制 定 済 みでもあり 早 急 に 検 討 する 必 要 がある 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 の 都 道 府 県 の 観 光 振 興 条 例 制 定 状 況 観 光 庁 公 表 によると 次 のとおりである 沖 縄 県 沖 縄 県 観 光 振 興 条 例 ( 昭 和 55 年 3 月 1 日 施 行 ) 北 海 道 北 海 道 観 光 のくにづくり 条 例 ( 平 成 13 年 10 月 19 日 施 行 ) 高 知 県 あったか 高 知 観 光 条 例 ( 平 成 16 年 8 月 6 日 施 行 ) 長 崎 県 長 崎 県 観 光 振 興 条 例 ( 平 成 18 年 10 月 13 日 施 行 ) 広 島 県 ひろしま 観 光 立 県 推 進 基 本 条 例 ( 平 成 19 年 1 月 1 日 施 行 ) 岐 阜 県 みんなでつくろう 観 光 王 国 飛 騨 美 濃 条 例 ( 平 成 19 年 10 月 1 日 施 行 ) 島 根 県 しまね 観 光 立 県 条 例 ( 平 成 20 年 3 月 21 日 施 行 ) 千 葉 県 千 葉 県 観 光 立 県 の 推 進 に 関 する 条 例 ( 平 成 20 年 3 月 28 日 施 行 ) 愛 知 県 愛 知 県 観 光 振 興 基 本 条 例 ( 平 成 20 年 10 月 14 日 施 行 ) 富 山 県 元 気 とやま 観 光 振 興 条 例 ( 平 成 20 年 12 月 22 日 施 行 ) 熊 本 県 ようこそくまもと 観 光 立 県 条 例 ( 平 成 20 年 12 月 22 日 施 行 ) 新 潟 県 新 潟 県 観 光 立 県 推 進 条 例 ( 平 成 21 年 1 月 1 日 施 行 ) 鹿 児 島 県 観 光 立 県 かごしま 県 民 条 例 ( 平 成 21 年 4 月 1 日 施 行 ) 徳 島 県 もてなしの 阿 波 とくしま 観 光 基 本 条 例 ( 平 成 21 年 6 月 25 日 施 行 ) 岩 手 県 みちのく 岩 手 観 光 立 県 基 本 条 例 ( 平 成 21 年 7 月 1 日 施 行 ) 鳥 取 県 ようこそようこそ 鳥 取 観 光 振 興 条 例 ( 平 成 21 年 7 月 3 日 施 行 ) 神 奈 川 県 神 奈 川 県 観 光 振 興 条 例 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 施 行 ) 和 歌 山 県 和 歌 山 県 観 光 立 県 推 進 条 例 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 施 行 ) 愛 媛 県 えひめお 接 待 の 心 観 光 振 興 条 例 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 施 行 ) 宮 城 県 みやぎ 観 光 創 造 県 民 条 例 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 施 行 ) 三 重 県 みえの 観 光 振 興 に 関 する 条 例 ( 平 成 23 年 10 月 20 日 施 行 ) 山 梨 県 おもてなしのやまなし 観 光 振 興 条 例 ( 平 成 23 年 12 月 22 日 施 行 ) 埼 玉 県 埼 玉 県 観 光 づくり 推 進 条 例 ( 平 成 24 年 3 月 27 日 施 行 ) 本 県 の 復 興 を 更 に 加 速 し 観 光 立 県 を 目 指 す 基 本 姿 勢 を 明 確 に 示 すため 観 光 振 興 条 例 制 定 へ 向 けた 調 査 の 検 討 をすべきである (7) 財 政 健 全 化 と 復 興 加 速 化 に 向 けた 人 事 上 の 課 題 本 県 財 政 の 現 状 を 分 析 すると 東 日 本 大 震 災 前 の 平 成 22 年 度 と 同 様 に 震 災 後 の 平 成 23 年 度 と 平 成 24 年 度 の 財 政 の 健 全 化 を 判 断 する 指 標 の 全 てが 早 期 健 全 化 基 準 を 下 回 っており 財 政 健 全 化 が 震 災 後 著 しく 阻 害 されている 状 況 にはない すなわち 財 190
政 の 健 全 化 を 判 断 する 指 標 は4 指 標 であり 実 質 赤 字 比 率 連 結 実 質 赤 字 比 率 実 質 公 債 費 比 率 及 び 将 来 負 担 比 率 をいい これらの 比 率 は 公 表 されているもので あり 年 度 推 移 は 以 下 のとおりである 福 島 県 健 全 化 判 断 比 率 の 年 度 推 移 実 質 赤 字 比 率 連 結 実 質 赤 字 比 率 実 質 公 債 費 比 率 将 来 負 担 比 率 平 成 22 年 度 - - 14.4% 183.4% 平 成 23 年 度 - - 14.4% 166.2% 平 成 24 年 度 - - 14.1% 156.4% ( 参 考 ) 早 期 健 全 化 基 準 3.75% 8.l75% 25.0% 400.0% 注 : - は 実 質 赤 字 額 又 は 連 結 実 質 赤 字 額 がなかったことを 示 す 総 務 省 の 公 表 する 全 都 道 府 県 の 主 要 財 政 指 標 によると 平 成 24 年 度 の 都 道 府 県 平 均 値 は 実 質 公 債 費 比 率 は 13.7% 将 来 負 担 比 率 は 210.5%を 示 し 本 県 の 実 質 公 債 費 比 率 は 都 道 府 県 平 均 値 とほぼ 同 一 水 準 ではあるが 早 期 健 全 化 基 準 よりも 低 い 状 況 にある 将 来 負 担 比 率 は 都 道 府 県 平 均 値 よりも 低 く 早 期 健 全 化 基 準 よりかなり 低 い 水 準 である さらに 実 質 赤 字 比 率 連 結 実 質 赤 字 比 率 においても 実 質 赤 字 額 連 結 実 質 赤 字 額 がな く 財 政 健 全 性 に 問 題 ないことを 示 している なお 復 興 を 支 える 財 源 を 確 保 し かつ 財 政 健 全 化 を 確 保 するという 行 政 運 営 方 針 を 今 後 継 続 することができれば 短 期 的 に 本 県 の 財 政 が 急 激 に 悪 化 する 状 況 にはないと 判 断 できる 本 県 観 光 交 流 課 へは 平 成 25 年 度 は2 名 の 地 方 自 治 法 による 職 員 の 派 遣 がなされてい るが 本 県 観 光 行 政 に 直 接 影 響 する 総 合 計 画 復 興 計 画 及 び 商 工 業 振 興 基 本 計 画 が 大 幅 に 見 直 し 改 定 されたため 復 興 のための 作 業 の 質 量 が 震 災 前 の 平 時 の 状 況 から 一 変 して いる 復 興 を 加 速 させるために 執 行 体 制 を 強 化 する 行 財 政 運 営 方 針 を 平 成 24 年 10 月 に 本 県 行 財 政 改 革 推 進 本 部 が 公 表 しているが 観 光 分 野 を 主 に 所 管 する 観 光 交 流 課 におい て 復 興 作 業 が 適 切 に 行 われているかを 見 てみる 以 下 観 光 交 流 課 の 歳 出 予 算 歳 出 決 算 及 び 人 員 数 の 年 度 別 推 移 を 示 す 191
歳 出 予 算 ( 単 位 : 千 円 ) 平 成 22 年 度 平 成 23 年 度 平 成 24 年 度 平 成 25 年 度 観 光 交 流 課 主 管 商 工 費 観 光 費 620,870 1,199,777 1,201,466 1,373,381 内 給 料 81,107 83,744 76,381 75,688 内 職 員 手 当 等 63,161 61,022 67,291 64,239 内 委 託 料 156,310 543,587 472,507 602,851 内 工 事 請 負 費 101,457 45,503 21,878 3,386 内 負 担 金 補 助 金 125,372 391,110 493,251 552,763 及 び 交 付 金 歳 出 決 算 ( 単 位 : 千 円 ) 平 成 22 年 度 平 成 23 年 度 平 成 24 年 度 観 光 交 流 課 主 管 商 工 費 観 光 費 569,664 846,537 1,159,042 内 給 料 81,096 83,733 76,369 内 職 員 手 当 等 60,106 60,862 66,935 内 委 託 料 141,083 219,458 442,437 内 工 事 請 負 費 77,676 22,533 21,845 内 負 担 金 補 助 金 124,749 389,536 486,493 及 び 交 付 金 人 員 数 ( 単 位 : 人 ) 平 成 22 年 度 末 平 成 23 年 度 末 平 成 24 年 度 末 平 成 25 年 度 末 職 員 数 課 ( 東 北 観 光 推 進 機 構 派 遣 含 む) 18 18 17 21 内 管 理 職 2 4 4 5 内 管 理 職 以 外 の 職 員 16 14 13 16 内 自 治 法 派 遣 職 員 等 1( 市 町 村 ) 0 0 2( 自 治 法 ) 歳 出 予 算 歳 出 決 算 においても 震 災 前 の 平 成 22 年 度 と 比 較 し 平 成 23 年 度 平 成 24 年 度 の 委 託 料 負 担 金 補 助 金 及 び 交 付 金 が 激 増 し これらの 業 務 に 関 する 事 務 量 が 大 幅 に 増 加 していることが 予 測 できる それに 対 して 人 員 数 は 平 成 25 年 度 末 においても 震 災 前 と 比 較 して 若 干 の 増 加 にとどまり 職 員 一 人 当 たりの 事 務 量 が 増 大 していることが 予 想 できる なお 震 災 後 職 員 の 残 業 時 間 が 平 成 24 年 度 の 観 光 交 流 課 職 員 平 均 値 ( 月 当 たり)が 54.4 時 間 と 著 しく 増 加 し 慢 性 化 している 状 況 である 平 成 25 年 度 もほぼ 前 年 度 と 同 様 の 残 業 状 況 が 継 続 している 人 員 不 足 により 復 興 のスピードが 遅 くならない 192
ように 質 量 を 含 め マンパワーのより 一 層 の 強 化 を 必 要 としている 状 況 にある 東 日 本 大 震 災 からの 観 光 復 興 を 加 速 するため 現 時 点 では 復 興 交 付 金 などで 財 源 確 保 が 図 られているが 将 来 の 財 政 の 健 全 性 に 配 慮 しつつ 観 光 分 野 の 執 務 体 制 の 強 化 の ため 積 極 的 に 職 員 の 増 員 を 図 るべきである 193