保 存 活 用 計 画 書 景 観 資 産 の 名 称 浜 茶 と 竹 林 の 景 観 城 陽 市 上 津 屋 ~ 木 津 川 の 恵 みがもたらす 宇 治 てん 茶 ~ 申 請 者 城 陽 市 茶 生 産 組 合 代 表 写 真
1 位 置 及 び 範 囲 位 置 登 録 範 囲 と 範 囲 設 定 の 考 え 方 市 内 のうち 木 津 川 沿 いに 広 がる 上 津 屋 地 区 の 茶 畑 ( 浜 茶 )を 登 録 範 囲 とする 城 陽 市
2 自 然 歴 史 文 化 等 からみた 特 性 景 観 資 産 の 魅 力 市 内 の 西 部 を 流 れる 木 津 川 沿 いに 茶 畑 が 位 置 し 自 然 が 織 りなす 木 津 川 の 清 流 と 生 業 がもたらす 自 然 仕 立 ての 茶 畑 とその 上 流 にある 竹 林 が 一 体 となった 調 和 のとれた 景 観 が 広 がる 4 月 下 旬 になるとあたり 一 面 の 茶 畑 が 黒 色 の 寒 冷 紗 や 昔 ながらの 栽 培 方 法 である こ も や よしず で 覆 われた 壮 観 な 光 景 が 広 がり 高 級 なてん 茶 が 生 産 される また 収 穫 期 には 茶 摘 み 子 でにぎわい 活 気 にあふれた 雰 囲 気 となる 寒 冷 紗 を 用 いた 覆 い 下 栽 培 では 日 光 を 遮 って 栽 培 することにより まろやかで 旨 味 の 多 いてん 茶 が 生 産 されている また こも や よしず を 用 いた 栽 培 は 労 力 や 手 間 はかかるが 遮 光 率 の 加 減 ができ わらやよしから 垂 れる 栄 養 分 が 茶 園 にとっ て 良 く 品 評 会 で 上 位 入 賞 を 果 たす 最 高 級 なてん 茶 が 生 産 されている こも は 茶 農 家 が 田 で 栽 培 した 稲 や 付 近 の 農 家 から 購 入 したわらを 編 んで 作 ったも のが 用 いられており よしず は 滋 賀 県 の 琵 琶 湖 を 中 心 とした 葦 を 編 んだものが 利 用 されている ( 寒 冷 紗 の 覆 い 下 園 ) ( 小 学 生 の 茶 摘 み 体 験 ) ( 本 ず 茶 園 での 茶 摘 み 風 景 ) ( 本 ず 茶 園 で 摘 み 取 られた 茶 葉 )
自 然 的 特 性 山 城 盆 地 の 中 央 を 南 北 に 流 れる 木 津 川 沿 いの 地 域 は 宇 治 川 流 域 や 東 部 の 中 山 間 地 域 と 並 ぶ 茶 業 の 好 適 地 であるとされている 木 津 川 の 氾 濫 等 によりもたらされた 肥 沃 な 沖 積 砂 質 土 壌 に 茶 園 が 開 けており 品 質 全 般 の 調 和 がとれ 特 に 香 りや 色 合 いのすぐ れた 茶 葉 を 産 している ただし 栽 培 面 では 日 やけしやすく 土 壌 の 保 水 力 を 向 上 さ せるため 稲 わらなど 有 機 物 の 施 用 や 夏 場 の 被 覆 を 行 う 必 要 がある ( 有 機 物 の 施 用 状 況 1) ( 有 機 物 の 施 用 状 況 2) 歴 史 文 化 的 特 性 市 内 におけるお 茶 栽 培 のはじまりは 不 明 確 であるが 資 料 によるとおそくとも17 世 紀 中 期 には 市 域 に 茶 園 があったことが 分 かっている また 嘉 永 6 年 (1853 年 )に 制 作 された 城 江 銘 茶 製 所 鑑 によると 市 内 のほぼ 全 域 で 栽 培 されていたことが 分 かる 堤 外 地 について 戦 前 は 桑 畑 が 中 心 であったが 戦 後 徐 々に 茶 畑 が 多 くなっていった 当 初 は 玉 露 の 生 産 が 主 であったが 昭 和 初 期 からてん 茶 へと 変 わっていった 周 辺 環 境 との 関 係 河 川 敷 の 茶 畑 と 木 津 川 の 間 には 洪 水 時 の 濁 流 から 茶 畑 の 被 害 を 緩 和 させる 竹 林 があ る 昔 は この 竹 林 の 竹 が 茶 棚 の 設 置 の 材 料 に 使 われていたことがあった 堤 内 地 の 集 落 には 昔 ながらの 茶 工 場 もあり 伝 統 感 が 伝 わるため 可 能 な 限 り 将 来 に わたって 使 用 できるように 努 める ( 竹 林 の 写 真 1) ( 竹 林 の 写 真 2)
茶 畑 と 木 津 川 の 間 に 竹 林 が 位 置 し 上 流 からの 濁 流 の 被 害 を 低 減 する 役 目 を 果 たし ている ( 堤 内 地 のお 茶 工 場 外 部 1) ( 堤 内 地 のお 茶 工 場 内 部 2) 3 景 観 の 保 存 育 成 及 び 創 造 に 関 する 事 項 法 律 や 条 例 などによる 景 観 上 の 規 制 誘 導 事 項 農 用 地 区 域 ( 農 業 振 興 地 域 の 整 備 に 関 する 法 律 )に 指 定 河 川 区 域 ( 河 川 法 ) 景 観 づくりの 目 標 像 木 津 川 沿 いに 広 がる 茶 畑 を 残 し 木 津 川 の 清 流 と 竹 林 がもたらす 浜 茶 の 景 観 をいつま でも 保 てるようにする 昔 ながらの 栽 培 方 法 である こも や よしず を 用 いた 本 ず 栽 培 が 拡 大 するようサ ポートに 努 める 景 観 づくりの 取 組 茶 生 産 が 将 来 にわたって 行 われることが 重 要 であり 茶 農 家 への 支 援 補 助 を 行 政 と 一 体 となって 取 り 組 んでいく 堤 外 地 や 川 沿 いのゴミの 清 掃 竹 林 の 保 存 にも 心 がけていく 摘 み 取 られた 茶 葉 の 加 工 に 必 要 で 圃 場 に 近 くの 堤 内 地 に 位 置 する 茶 工 場 についても 付 近 の 景 観 に 調 和 する 工 場 建 設 運 営 に 努 めていく また 高 級 てん 茶 の 消 費 拡 大 を 図 るため 他 団 体 と 協 力 し 毎 年 10 月 の 第 3 日 曜 日 に 富 野 の 荒 見 神 社 で 城 陽 茶 まつりを 開 催 し 古 式 に 則 った 茶 壺 の 口 切 の 儀 から 始 め お 茶 席 お 茶 のおいしい 入 れ 方 教 室 茶 そば 席 等 を 実 施 している 文 化 パルク 城 陽 内 に ある 茶 室 で 抹 茶 を 頂 く 体 験 お 茶 ができるまでの 説 明 等 を 行 う 心 和 む 抹 茶 ふれあい 体 験 にも 協 力 し 市 民 等 へ 気 軽 に 味 わえる 抹 茶 の 消 費 拡 大 にも 努 めていく 農 薬 使 用 の 基 準 や 保 管 方 法 農 作 業 中 の 事 故 防 止 安 定 的 な 農 業 経 営 を 行 う 基 準 を 守 る 宇 治 茶 GAP の 取 り 組 みもあり 実 施 により 景 観 のみならず 環 境 に 配 慮 した 茶 生 産 にも 努 める
( 城 陽 茶 まつりの 様 子 1) ( 城 陽 茶 まつりの 様 子 2) ( 心 和 む 抹 茶 ふれあい 体 験 の 様 子 1) ( 心 和 む 抹 茶 ふれあい 体 験 の 様 子 2) [ 現 状 ] 燃 料 費 等 が 高 騰 する 一 方 茶 価 は 低 迷 し 茶 農 家 にとって 経 営 は 厳 しいが 後 継 者 は 育 っており 経 営 は 引 き 継 がれている 茶 農 家 数 自 体 は 減 少 しているが 後 継 者 のない 茶 園 は 規 模 拡 大 を 目 指 す 地 域 の 茶 農 家 とで 賃 借 されており 面 積 的 な 減 少 はない [ 課 題 ] 高 級 てん 茶 の 需 要 拡 大 老 齢 茶 樹 の 更 新 後 継 者 の 育 成 安 心 安 全 な 宇 治 茶 を 生 産 し 環 境 に 配 慮 した 茶 業 や 農 業 労 働 事 故 防 止 のため 府 内 統 一 の 基 準 が 設 けられた 宇 治 茶 GAPの 推 進 周 辺 の 環 境 に 馴 染 む 近 代 的 な 茶 工 場 の 建 設 運 営 [ 解 決 のためのアイデアや 方 針 ] 日 本 のみならず 世 界 の 富 裕 層 に 高 級 てん 茶 のPRを 行 ってく 必 要 があり 海 外 戦 略 を 茶 業 会 議 所 などの 団 体 と 共 に 展 開 する 優 良 品 種 等 への 改 植 を 推 進 し 栽 培 環 境 の 整 備 を 進 めていく 宇 治 茶 GAPなどの 品 質 管 理 と 安 全 性 の 向 上 生 産 履 歴 の 徹 底 を 進 める 高 級 てん 茶 の 産 地 城 陽 の 名 称 をPRする 飲 んでもらう 抹 茶 だけでなく 加 工 品 や 和 菓 子 スイーツへの 利 用 など 食 材 としての 利 用 も 促 進 していく
4 景 観 を 活 かしたまちづくりへの 展 開 に 関 する 事 項 景 観 を 活 かしたまちづくり 活 動 [ 現 状 ] 上 津 屋 地 区 における 木 津 川 の 堤 防 は 宇 治 茶 の 郷 づくり 協 議 会 が 宇 治 茶 歴 史 街 道 のル ートに 指 定 しており 城 陽 観 光 ボランティアガイドクラブによる 木 津 川 の 桜 づつみ と 浜 茶 をめぐるウォーク などの 開 催 地 や 日 常 的 な 散 歩 ルートとしても 利 用 されて いる 心 和 む 抹 茶 ふれあい 体 験 城 陽 茶 まつりの 実 施 などにより 市 民 等 へ 市 の 抹 茶 の 普 及 景 観 のPRを 図 っている [ 課 題 ] 市 の 抹 茶 の 普 及 景 観 のPR 周 知 をしていく 中 で 拠 点 となる 施 設 がなく また 日 常 的 に 城 陽 のてん 茶 から 作 られる 抹 茶 を 飲 める 施 設 がない 上 津 屋 の 茶 畑 ( 浜 茶 )を 見 渡 せる 木 津 川 堤 に 茶 の 解 説 看 板 等 がない [ 景 観 を 活 かしたまちづくり 活 動 のアイデアや 方 針 ] お 茶 の 京 都 の 取 り 組 みの 一 環 などで 上 津 屋 の 茶 畑 ( 浜 茶 )を 見 渡 せる 木 津 川 堤 に 茶 の 解 説 看 板 等 を 設 置 し 散 歩 者 等 に 周 知 を 図 っていく 市 民 や 観 光 客 に 城 陽 市 の 茶 に 触 れてもらうため 日 常 的 に 抹 茶 を 味 わえる 施 設 を 検 討 する 茶 摘 み 体 験 などの 城 陽 の 茶 に 触 れる 取 り 組 みを 実 施 するとともに 城 陽 のてん 茶 から 作 った 抹 茶 鷺 坂 の 昔 の 普 及 を 図 る 接 待 等 に 用 いるなど 身 近 な 場 所 で 城 陽 の 抹 茶 などを 勧 めるようにしていく 全 国 茶 品 評 会 や 関 西 茶 品 評 会 での 産 地 賞 受 賞 農 林 水 産 大 臣 賞 の 獲 得 をめざし 市 名 の 周 知 景 観 のみならず 品 質 の 高 さをPRしていく 城 陽 のお 茶 を 活 かした 加 工 品 やスイーツを 作 成 し 飲 むお 茶 のみならず 他 分 野 との 協 力 や 農 家 が 主 体 となった6 次 産 業 化 を 進 めていく 一 年 を 通 して 城 陽 市 に 観 光 客 が 訪 れるよう 寺 田 いもや 梅 イチジク 花 き 類 など お 茶 とセットで 四 季 の 風 景 を 紹 介 していく 茶 農 家 のみならずお 茶 や 景 観 に 関 心 のある 市 民 も 含 めたお 茶 に 係 るワークショップの 開 催 を 行 政 と 協 力 し 開 催 を 検 討 する ( 鷺 坂 の 昔 )
5 その 他 必 要 な 事 項 城 陽 市 茶 生 産 組 合 の 概 要 設 立 昭 和 54 年 3 月 31 日 構 成 員 24 名 役 員 会 長 北 口 正 副 会 長 北 澤 喜 則 会 計 北 本 亮 監 査 村 田 恭 設 立 目 的 城 陽 市 で 生 産 される 茶 生 産 技 術 の 向 上 と 併 せて 所 得 の 向 上 を 計 り 茶 業 の 振 興 をはかることを 目 的 とする 登 録 候 補 資 産 への 行 き 方 近 鉄 京 都 線 久 津 川 駅 から 徒 歩 約 20 分 久 津 川 駅 下 車 後 府 道 八 幡 城 陽 線 を 西 へ 木 津 川 方 面 に 直 進 平 川 のまちなみを 抜 け 上 津 屋 地 区 へ さらに 堤 防 をあがって 南 側 へ 堤 防 の 上 からは 堤 外 地 堤 内 地 の 茶 畑 も 一 望 でき 特 に 堤 外 地 につらなる 浜 茶 の 景 観 と 木 津 川 のせせらぎが 心 を 癒 してくれます