イヌリンと 脂 質 異 常 症 ( 高 脂 血 症 ) 株 式 会 社 国 際 医 薬 品 開 発 研 究 所 代 表 取 締 役 薬 学 博 士 工 藤 庄 次
はじめに: イヌリンとは 難 消 化 性 の 水 溶 性 高 分 子 多 糖 で, チコリ, 菊 芋, にんにく, ゴボウ, ニラ, タマネギ, アスパラガスなどの 根 菜 野 菜 に 含 まれる 日 本 において, チコリや 菊 芋 は 食 材 として 馴 染 が 薄 く, また 他 の 根 菜 や 野 菜 に 含 まれるイヌリンの 含 有 量 は 極 微 量 であることから, 根 菜 野 菜 からイヌリンを 摂 取 することは 難 しい イヌリンは 消 化 管 で 分 解 吸 収 されないので, 非 常 に 低 カロリーな 食 品 成 分 である イヌリン1gあたりの 熱 量 は2kcalと 推 定 されている イヌリンは, 規 制 区 分 上 食 品 に 分 類 され, 食 品 添 加 物 の 対 象 ではない イヌリンは, イヌリン, イヌリン( 食 物 繊 維 ) または 食 物 繊 維 (イヌリン) と 表 示 される 摂 取 したイヌリンは 大 腸 に 到 達 し, そこに 生 息 するビフィズス 菌 を はじめとした 腸 内 細 菌 善 玉 菌 の 栄 養 素 となり, 善 玉 菌 の 繁 殖 を 助 ける 一 方, バクテロイデス 菌 やクロストリジウム 菌 などの 悪 玉 菌 に 対 しては 栄 養 素 とならない イヌリンの 腸 内 細 菌 に 対 する 栄 養 素 としての 作 用 は, 善 玉 菌 に 対 してのみ 特 異 的 である(プレバイオ ティク 効 果 )
イヌリンの 多 彩 な 生 理 機 能 (1) ー 多 くの 学 術 研 究 報 告 がございますー 生 理 機 能 血 中 脂 質 の 低 下 作 用 血 糖 値 の 上 昇 抑 制 作 用 ミネラル(カルシウム, マグネシウム, 鉄 ) 吸 収 促 進 作 用 関 連 疾 病 脂 質 異 常 症 ( 高 脂 血 症 ) 高 トリグリセライド 血 症 高 コレステロール 血 症 脂 肪 肝 2 型 糖 尿 病 糖 尿 病 性 合 併 症 糖 尿 病 性 腎 症 糖 尿 病 性 網 膜 症 糖 尿 病 性 神 経 症 骨 粗 鬆 症 骨 折 鉄 欠 乏 性 貧 血 幼 児 児 童 の 成 長 補 助
イヌリンの 多 彩 な 生 理 機 能 (2) ー 多 くの 学 術 研 究 報 告 がございますー 生 理 機 能 プレバイオティク 効 果 腸 管 免 疫 増 強 作 用 腸 管 粘 膜 ムチン 産 生 促 進 作 用 腸 管 粘 膜 IgA 産 生 促 進 作 用 腸 管 粘 膜 細 菌 透 過 性 の 抑 制 作 用 関 連 疾 病 炎 症 性 腸 疾 患 (IBD) 潰 瘍 性 大 腸 炎 クローン 病 過 敏 性 腸 症 候 群 (IBS) 高 アンモニア 血 症 肝 硬 変 肝 性 脳 症 下 痢 抗 菌 剤 誘 発 下 痢 旅 行 者 下 痢 腸 管 感 染 症 食 中 毒 院 内 感 染
イヌリンの 多 彩 な 生 理 機 能 (3) ー 多 くの 学 術 研 究 報 告 がございますー 生 理 機 能 プレバイオティク 効 果 腸 管 免 疫 増 強 作 用 腸 管 粘 膜 ムチン 産 生 促 進 作 用 腸 管 粘 膜 IgA 産 生 促 進 作 用 腸 管 粘 膜 細 菌 透 過 性 の 抑 制 作 用 関 連 疾 病 大 腸 がん 尿 路 感 染 症 細 菌 感 染 性 膀 胱 炎 間 質 性 膀 胱 炎
生 活 習 慣 病 ( 日 本 ) 脂 質 異 常 症 ( 高 脂 血 症 ) 糖 尿 病 (インスリン 依 存 性 非 依 存 性 ) 推 計 総 患 者 数 潜 在 患 者 数 ( 予 備 軍 を 含 む) 143 万 3000 人 2,200 万 人 143 万 8000 人 2,210 万 人 高 血 圧 症 783 万 4000 人 ---- 高 尿 酸 血 症 500~600 万 人 ( 成 人 男 子 の20~30%) 平 成 20 年 度 患 者 調 査 ( 厚 生 労 働 省 ) 平 成 19 年 度 国 民 健 康 栄 養 調 査 ( 厚 生 労 働 省 ) 平 成 12 年 度 循 環 器 疾 患 基 礎 調 査 ( 厚 生 労 働 省 ) 財 団 法 人 痛 風 研 究 会 編 集 痛 風 高 尿 酸 血 症 と 糖 尿 病 http://www.dm-net.co.jp/seminar/31_/ ----
脂 質 異 常 症 の 男 女 別 患 者 数 患 者 は 女 子 に 多 い( 男 子 の 2.5 倍 ) ( 患 者 数 ) 1600000 1433000 (71%) 1200000 1023000 800000 400000 0 (29%) 412000 総 患 者 数 男 子 女 子 平 成 20 年 度 患 者 調 査 ( 厚 生 労 働 省 )
脂 質 異 常 症 の 年 齢 別 患 者 数 ( 男 女 総 計 ) ( 患 者 数 ) 300000 250000 200000 150000 100000 50000 0 ( 年 齢 ) 平 成 20 年 度 患 者 調 査 ( 厚 生 労 働 省 )
脂 質 異 常 症 の 年 齢 別 性 別 患 者 数 ( 患 者 数 ) 250000 200000 男 子 女 子 150000 100000 男 女 比 分 岐 点 50000 0 ( 年 齢 ) 平 成 20 年 度 患 者 調 査 ( 厚 生 労 働 省 )
脂 質 異 常 症 の 年 次 別 患 者 推 移 ( 患 者 数 ) 140000 120000 100000 80000 60000 40000 患 者 数 外 来 入 院 20000 0 1984 1987 1990 1993 1996 1999 2002 2005 2008 ( 年 ) 平 成 20 年 度 患 者 調 査 傷 病 別 年 次 推 移 表 ( 厚 生 労 働 省 )
脂 質 異 常 症 の 医 学 的 意 義 脂 質 異 常 症 自 覚 症 状 が ないのが 怖 い 放 置 動 脈 硬 化 血 中 脂 質 の 血 管 内 膜 癒 着 放 置 心 筋 梗 塞 脳 梗 塞 血 管 狭 窄 閉 塞 死 亡 放 置
脂 質 異 常 症 の 発 症 原 因 生 活 習 慣 過 食 ( 動 物 性 脂 肪 糖 分 の 摂 り 過 ぎ) 高 脂 肪 食 の 摂 り 過 ぎ(ケーキ 菓 子 類 等 含 む) 過 度 の 飲 酒 運 動 不 足 加 齢 による( 女 性 閉 経 時 期 ) 閉 経 により 女 性 ホルモン(エストロゲン)の 分 泌 が 減 尐 し, この 影 響 で, LDLコレステロールの 分 解 処 理 能 が 低 下 するとともに, 中 性 脂 肪 も 上 昇 する 遺 伝 性 家 族 性 高 コレステロール 血 症 (0.2%, 500 人 に1 人 )
血 液 中 には4 種 類 の 脂 質 が 溶 け 込 んでいる コレステロール トリグリセライド ( 中 性 脂 肪 ) リン 脂 質 遊 離 脂 肪 酸 脂 質 異 常 症 の 原 因 脂 質
脂 質 異 常 症 の3 種 類 のタイプ 高 トリグリセライド 血 症 血 液 中 にトリグリセライド( 中 性 脂 肪 ) が 多 いタイプ 高 LDLコレステロール 血 症 血 液 中 にLDLコレステロールが 多 いタイプ 低 HDLコレステロール 血 症 血 液 中 にHDLコレステロールが 低 いタイプ
脂 質 異 常 症 の 診 断 基 準 高 トリグリセライド 血 症 (トリグリセライド) 高 LDLコレステロール 血 症 (LDLコレステロール) 低 HDLコレステロール 血 症 (HDLコレステロール) 150 mg/dl 以 上 140 mg/dl 以 上 40 mg/dl 未 満 動 脈 硬 化 性 疾 患 予 防 ガイドライン 2007 年 版
イヌリンの 有 効 性 と 安 全 性 に 関 する 行 政 報 告 日 本 独 立 行 政 法 人 国 立 健 康 栄 養 研 究 所 イヌリンは 経 口 摂 取 で 高 トリグリセライド 血 症 に 有 効 である と 評 価 される 出 典 : 健 康 食 品 の 安 全 性 有 効 性 情 報 / 健 康 食 品 の 素 材 情 報 データベース (2010 年 12 月 ) 中 国 国 立 栄 養 食 品 安 全 性 研 究 所 イヌリンは 経 口 摂 取 で 高 トリグリセライド 血 症 および 高 コレ ステロール 血 症 の 何 れにおいても 有 効 であると 評 価 され, 脂 質 異 常 症 に 有 効 である 出 典 : Wu T., et al., Wei Sheng Yan Jiu, 39(2): 172-176 (2010) 米 国 国 立 食 品 医 薬 品 庁 (FDA) 2003 年 5 月 : イヌリンをGRAS 物 質 一 般 に 安 全 と 認 められる 物 質 として 承 認 GRAS: generally recognized as safe
mg/dl mg/dl 脂 質 異 常 症 患 者 におけるイヌリンの 効 果 ~ イヌリンの 有 効 性 が 臨 床 研 究 で 証 明 されています ~ 350 300 血 中 トリグリセライドの 低 下 27.3%の 低 下 180 160 血 中 LDL-コレステロールの 低 下 16.9%の 低 下 250 200 150 235.5 171.1 P=0.046 140 120 100 80 136 113 P=0.028 100 平 均 値 ± 標 準 偏 差 (n=12) 60 平 均 値 ± 標 準 偏 差 (n=12) 摂 取 前 摂 取 後 摂 取 前 摂 取 後 19 歳 から32 歳 の 高 トリグリセライド 血 症 と 高 コレステロール 血 症 を 併 発 する 脂 質 異 常 症 患 者 12 例 にイヌリンを 1 日 あたり7g, 4 週 間 摂 取 した 後 の 血 中 脂 質 の 変 化 Rev. Med. Chil., 131(6): 597-604 (2003)
mmol/l mmol/l イヌリンの 高 トリグリセリド 血 症 に 対 する 効 果 ~ イヌリンの 有 効 性 が 中 高 年 の 患 者 でも 証 明 されています ~ イヌリン 摂 取 群 (8 週 目 ) プラセボ 群 (8 週 目 ) 2.3 2.1 プラセボのデータも 含 め 25%の 低 下 2.3 2.1 1.9 1.9 1.7 1.5 1.3 1.1 0.9 1.46 平 均 値 ± 標 準 偏 差 (n=27) 1.29 P<0.05 1.7 1.5 1.3 1.1 0.9 1.4 平 均 値 ± 標 準 偏 差 (n=27) 1.59 摂 取 前 摂 取 後 摂 取 前 摂 取 後 35 歳 から65 歳 ( 平 均 52 歳 )の 空 腹 時 血 中 トリグリセライドと 総 コレステロール 濃 度 が 高 い 未 治 療 の 被 験 者 54 例 に1 日 あたり10gのイヌリンまたはブラセポを 摂 取 した 後 の 血 中 トリグリセライド 濃 度 の 変 化 Br. J. Nutr., 82: 23-30 (1999)
mmol/l 脂 肪 酸 生 合 成 割 合 イヌリンは, 高 炭 水 化 物 食 低 脂 肪 食 の 食 事 条 件 下 でも, 血 中 トリグリセライドを 低 下 させます ~ イヌリンは 肝 臓 における 脂 肪 酸 生 合 成 能 を 抑 制 します ~ 1.1 1 0.9 0.8 0.7 0.6 血 中 トリグリセライドの 低 下 0.92 平 均 値 ± 標 準 偏 差 (n=8) ブラセポ 群 16.3%の 低 下 10 9.1 0.77 P<0.05 イヌリン 摂 取 群 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 肝 臓 における 脂 肪 酸 生 合 成 能 の 低 下 ブラセポ 群 8 例 の 平 均 値 28%の 低 下 6.56 イヌリン 摂 取 群 P<0.05 高 炭 水 化 物 食 低 脂 肪 食 を 摂 取 した23 歳 から32 歳 の 健 康 な 男 女 8 例 に, 1 日 あたり10gのイヌリンまたはブラセポを3 週 間 摂 取 させ, 血 中 トリグリセライドおよび 肝 臓 における 脂 肪 酸 合 成 能 の 変 化 について 検 討 した Am. J. Clin. Nutr., 77: 559-564 (2003)
高 トリグリセリド 血 症 に 対 するイヌリンの 有 効 性 が15の 臨 床 評 価 試 験 成 績 を 用 いたメタ 解 析 で 検 証 されました 平 均 の 血 中 トリグリセライド 低 下 率 イヌリンの 臨 床 評 価 15 試 験 (メタ 解 析 ) 1) 7.5% 激 しいエアロビック 体 操 ( 女 子 ) 2) 5.0% 激 しいエアロビック 体 操 ( 男 子 ) 3) 9.0% 1) J. Nutr., 137: 2552S-2556S (2007) 2) J. Womens Health (Larchmt), 13: 1148-1164 (2004) 3) J. Men s Health and Gender, 3: 61-70 (2006) あなたは, イヌリンの 摂 取 を 選 びますか? それとも, 毎 日 の 激 しいエアロビック 体 操 を 選 びますか?
血 液 中 トリグリセライド( 中 性 脂 肪 )の 起 源 には, 2つのルートがございます 1 2 食 事 に 含 まれる 脂 肪 分 の 腸 管 吸 収 食 事 食 物 中 に 含 まれる 脂 肪 分 のほとんどがトリグリセライド( 中 性 脂 肪 )です 食 事 によって 摂 取 した 中 性 脂 肪 は 小 腸 内 の 膵 リパーゼという 酵 素 によって 脂 肪 酸 とモノアシルグリセロールに 分 解 されます 分 解 された 脂 肪 酸 とモノアシルグリセロールは, 小 腸 粘 膜 中 で 再 び 中 性 脂 肪 とな り, さらにタンパクと 結 合 した 状 態 (リポ 蛋 白 )となります タンパクと 結 合 した 中 性 脂 肪 は, リンパ 管 経 由 で 全 身 の 血 液 中 に 拡 散 します 脂 肪 酸 は 体 内 でも 合 成 されます 脂 肪 酸 は 中 性 脂 肪 の 主 要 な 構 成 成 分 です ヒトでは, 肝 臓, 脂 肪 組 織 および 乳 腺 で 脂 肪 酸 が 合 成 されます 脂 肪 酸 はアセチルCoAという 小 さな 化 合 物 を 出 発 物 質 として, アセチルCoAカルボ キシラ ゼと 脂 肪 酸 合 成 酵 素 という 酵 素 類 によって 合 成 されます したがいまして, 脂 質 異 常 症 ( 高 脂 血 症 )に 対 する 健 康 管 理 としては, 食 事 に よる 管 理 のみでは 不 十 分 であり, 体 内 における 脂 肪 酸 合 成 についても 考 える 必 要 がございます では, 日 常 の 食 事 で, 体 内 の 脂 肪 酸 合 成 を 管 理 すること はできるのでしょうか?
amol/mcg total RNA イヌリンはヒト 脂 肪 組 織 中 の 脂 肪 酸 合 成 酵 素 を 抑 制 し, 血 中 トリグリセライド( 中 性 脂 肪 )を 低 下 させます 250 221 200 150 33%の 減 尐 149 ブラセポ 群 イヌリン 摂 取 群 8 例 の 平 均 値 100 50 45 39 0 脂 肪 酸 合 成 酵 素 アセチルCoAカルボキシラ ゼ 高 炭 水 化 物 食 低 脂 肪 食 を 摂 取 した23 歳 から32 歳 の 健 康 な 男 女 8 例 に, 1 日 あたり10gのイヌリンまたはブラセポを3 週 間 摂 取 させ, 脂 肪 組 織 中 の 脂 肪 酸 合 成 酵 素 およびアセチルCoAカルボキシラ ゼの 遺 伝 子 発 現 量 を 測 定 した Am. J. Clin. Nutr., 77: 559-564 (2003)
RNA 遺 伝 子 発 現 量 の 相 対 値 イヌリンは 肝 臓 中 の 脂 肪 酸 合 成 酵 素 を 抑 制 す ることが 動 物 試 験 で 確 認 されています 7 6 5 4 3 高 炭 水 化 物 高 脂 肪 食 の 摂 取 で, 肝 内 脂 肪 酸 合 成 が 促 進 される 5.26 5 例 の 平 均 値 ± 標 準 誤 差 イヌリンは 高 炭 水 化 物 高 脂 肪 食 で 誘 導 さ れる 肝 内 脂 肪 酸 の 合 成 を 抑 制 する 2 1 0 1 0.76 P<0.001 0.49 標 準 食 餌 標 準 食 餌 +イヌリン 高 炭 水 化 物 高 脂 肪 食 餌 高 炭 水 化 物 高 脂 肪 食 餌 +イヌリン 7 週 令 のWistarラットに5%のイヌリン 混 餌 標 準 食 または 高 炭 水 化 物 + 高 脂 肪 食 餌 を3 週 間 摂 取 させ, 肝 臓 中 に 発 現 する 脂 肪 酸 合 成 酵 素 遺 伝 子 を 測 定 した 試 験 では 果 糖 分 子 の 重 合 度 (DP)が16のイヌリンを 用 いた Eur. J. Nutr., 47: 192-200 (2008)
RNA 遺 伝 子 発 現 量 の 相 対 値 イヌリンは 肝 臓 中 のアセチルCoAカルボキシラ ゼも 抑 制 することが 動 物 試 験 で 確 認 されています 2.5 2 1.5 高 炭 水 化 物 高 脂 肪 食 の 摂 取 で, 肝 内 脂 肪 酸 合 成 が 促 進 される 1.89 イヌリンは 高 炭 水 化 物 高 脂 肪 食 で 誘 導 される 肝 内 脂 肪 酸 の 合 成 を 抑 制 する 1 1 0.5 0 0.71 0.56 P<0.001 5 例 の 平 均 値 ± 標 準 誤 差 標 準 食 餌 標 準 食 餌 +イヌリン 高 炭 水 化 物 高 脂 肪 食 餌 高 炭 水 化 物 高 脂 肪 食 餌 +イヌリン 7 週 令 のWistarラットに5%のイヌリン 混 餌 標 準 食 または 高 炭 水 化 物 + 高 脂 肪 食 餌 を3 週 間 摂 取 させ, 肝 臓 中 に 発 現 するアセチルCoAカルボキシラ ゼ 遺 伝 子 を 測 定 した 試 験 では 果 糖 分 子 の 重 合 度 (DP)が16のイヌリンを 用 いた Eur. J. Nutr., 47: 192-200 (2008)
mg/g イヌリンは 肝 臓 中 に 含 まれるトリグリセライド( 中 性 脂 肪 )を 減 尐 させることが 動 物 試 験 で 確 認 されています 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 高 炭 水 化 物 高 脂 肪 食 の 摂 取 で, 肝 臓 内 に 中 性 脂 肪 が 蓄 積 します ( 脂 肪 肝 ) 標 準 食 餌 13.04 81.82 高 炭 水 化 物 高 脂 肪 食 餌 イヌリンは 高 炭 水 化 物 高 脂 肪 食 で 肝 臓 内 に 蓄 積 す る 中 性 脂 肪 を 抑 制 します 高 炭 水 化 物 高 脂 肪 食 餌 +イヌリン 50.63 P<0.001 5 例 の 平 均 値 ± 標 準 誤 差 7 週 令 のWistarラットに 標 準 食 餌 または 高 炭 水 化 物 + 高 脂 肪 食 餌 に5%のイヌリンを 混 餌 させた 餌 を3 週 間 摂 取 させ, 肝 臓 中 のトリグリセライド( 中 性 脂 肪 )を 測 定 した 試 験 では 果 糖 分 子 の 重 合 度 (DP)が16のイヌリンを 用 いた Eur. J. Nutr., 47: 192-200 (2008)
まとめ 脂 質 異 常 症 ( 高 脂 肪 血 症 )は 生 活 習 慣 病 の 主 要 な 疾 患 で あり, 動 脈 硬 化 症 の 発 症 リスクが 高 まるとともに, 心 筋 梗 塞 や 脳 梗 塞 といった 致 死 性 の 高 い 疾 病 を 誘 発 する 危 険 要 因 となる 脂 質 異 常 症 の 潜 在 的 患 者 数 は, その 予 備 軍 も 含 め, 2,000 万 人 以 上 と 推 定 され, その 疾 病 予 防 の 重 要 性 が, 今 まさに 求 められている イヌリンは, 日 常 の 食 事 で 食 する 野 菜 根 菜 に 含 まれる 食 品 成 分 であり, 多 くの 生 理 的 機 能 を 有 する イヌリンの 脂 質 異 常 症 に 対 する 有 効 性 は 多 くの 臨 床 研 究 で 検 証 されており, 行 政 当 局 もその 効 果 を 認 めている イヌリンは, 肝 臓 および 脂 肪 組 織 における 体 内 脂 肪 酸 合 成 酵 素 系 を 抑 制 することによって, 高 トリグリセライド( 中 性 脂 肪 ) 血 症 に 対 する 効 果 を 発 現 する 有 用 な 機 能 性 食 品 成 分 である