検 査 項 目 と 説 明 問 診 ( 質 問 紙 法 など) 報 告 書 には 問 診 専 用 の 報 告 欄 は 設 けておりませんが 質 問 紙 の 回 答 や 看 護 師 医 師 による 問 診 内 容 は ドックの 判 定 やメッセージ( 指 導 事 項 と 日 常 生 活 上 の 注 意 )に 反 映 します 具 体 的 には 主 治 医 のもとで 治 療 中 の 疾 患 があるかどうかとか 喫 煙 飲 酒 などの 生 活 習 慣 などがその 例 となります BMI BMI( 体 格 指 数 )とは 体 重 (kg)/ 身 長 (m) 2 で 表 される 指 標 で これが25 以 上 になると 日 本 肥 満 学 会 の 基 準 では 肥 満 と 判 定 されます 腹 囲 臍 の 高 さで 計 測 した 胴 回 りで 洋 服 のウエストとは 違 う 数 値 になります 腹 囲 が 男 性 で 85cm 女 性 で 90cm 以 上 の 場 合 に 他 の 危 険 因 子 ( 血 圧 血 糖 脂 質 および 喫 煙 )しだいでは メタボリックシンドロームと 判 定 されます 血 圧 血 圧 とは 心 臓 から 送 り 出 された 血 液 が 動 脈 の 壁 を 押 す 力 です 高 血 圧 は 収 縮 期 血 圧 140mmHg 以 上 または 拡 張 期 血 圧 90mmHg 以 上 が 慢 性 的 に 継 続 する 状 態 です 自 覚 症 状 を 伴 うことは 多 くありませんが 心 臓 病 脳 卒 中 腎 臓 病 などを 起 こしやすく また 悪 化 させやすくなるため 治 療 が 必 要 です 治 療 は 薬 物 療 法 のほか 食 塩 制 限 野 菜 果 物 魚 の 摂 取 促 進 脂 肪 制 限 体 重 管 理 運 動 アルコール 制 限 禁 煙 といった 生 活 習 慣 の 修 正 が 有 効 だ と 証 明 されています 一 方 正 常 血 圧 とは 収 縮 期 血 圧 130mmHg 未 満 かつ 拡 張 期 血 圧 85mmHg 未 満 の 場 合 で これより 高 い 場 合 にはメタボリックシ ンドロームの 判 定 において 問 題 とされます なお 年 齢 や 合 併 する 疾 患 ( 例 え ば 糖 尿 病 慢 性 腎 臓 病 など)によって 治 療 の 際 に 目 標 とされる 血 圧 が 異 な りますので 詳 しくは 主 治 医 にご 確 認 ください 視 力 5 メートルの 距 離 での 視 力 で 数 値 が 小 さいほど 視 力 が 悪 い( 細 かいものが 見 分 けにくい)ことを 示 します 日 本 人 間 ドック 学 会 では 0.7 以 上 を 基 準 としています 矯 正 視 力 とは 眼 鏡 などで 補 正 した 視 力 です 眼 圧 機 械 で 空 気 を 吹 き 付 けることにより 眼 圧 ( 眼 球 の 圧 力 )を 測 定 します 眼 圧 が 高 いと 緑 内 障 の 可 能 性 があります ただし 眼 圧 が 正 常 の 場 合 でも 緑 内 障 はあり 得 ます 眼 底 検 査 の 結 果 を 参 照 してください 聴 力 勤 労 者 に 義 務 づけられている 二 段 階 (1000Hz と 4000 Hz)の 音 の 高 さで 聴 力 を 調 べます 検 査 結 果 は 数 値 (db)が 大 きいほど 聴 こえにくいことを 示 しま す 聴 力 の 異 常 は 耳 鼻 咽 喉 科 でご 相 談 ください 喫 煙 喫 煙 は 呼 吸 器 疾 患 循 環 器 疾 患 がんなどの 危 険 を 増 やします 質 問 紙 の 回 答 と 看 護 師 による 面 接 をもとに 常 習 喫 煙 があるか 否 かを 判 断 し メタ ボリックシンドロームに 関 連 した 危 険 因 子 の 判 定 に 利 用 します 肺 機 能 検 査 当 ドックで 実 施 しているのはスパイロメトリーという 方 法 で 口 から 筒 に 力 いっぱい 空 気 を 吹 き 込 んで 基 本 的 な 肺 機 能 を 測 定 します 肺 活 量 とはいっ ぱいに 息 を 吸 い 込 んだ 状 態 から 完 全 に 吐 きだしたときの 空 気 の 量 で これ - 4 -
肺 機 能 検 査 ( 続 き) 眼 底 検 査 心 電 図 検 査 が 年 齢 や 身 長 に 比 較 して 少 ない 場 合 (% 肺 活 量 が 80% 未 満 の 場 合 )を 拘 束 性 障 害 と 呼 び 軽 度 の 場 合 はあまり 問 題 になりません 一 方 空 気 を 吐 くのに 基 準 より 時 間 がかかる 場 合 (1 秒 率 が 70% 未 満 の 場 合 )が 閉 塞 性 障 害 で 肺 気 腫 や 気 管 支 喘 息 などが 原 因 となることがあり 軽 度 の 場 合 は 1 年 後 の 再 検 一 定 以 上 の 場 合 や 息 切 れなどの 症 状 がある 場 合 には 呼 吸 器 内 科 専 門 医 の 受 診 をお 勧 めします また 喫 煙 が 悪 化 の 原 因 になるため 禁 煙 をお 勧 めし ます 混 合 性 障 害 は 閉 塞 性 障 害 と 拘 束 性 障 害 の 両 方 がある 状 態 です 暗 室 で 瞳 を 広 げた 状 態 で 眼 の 一 番 奥 を 撮 影 し 眼 科 医 が 診 断 します 眼 底 の 表 面 に 光 を 感 じる 細 胞 がある 網 膜 という 層 があり その 中 心 部 は 特 に 黄 斑 といって 細 かいものを 識 別 し 色 を 感 じる 働 きを 持 ち 視 力 にとって 最 も 重 要 な 部 分 です 黄 斑 が 変 性 したのが 黄 斑 変 性 で ゆがんで 見 えたり 視 力 が 低 下 したりする 危 険 があります 黄 斑 前 膜 は 黄 斑 が 膜 でおおわれるもので やはりゆがんで 見 えたりすることがあります 網 脈 絡 膜 萎 縮 は 網 膜 と そ の 下 にある 脈 絡 膜 という 層 が 萎 縮 して 正 常 網 膜 とは 違 って 見 える 状 態 で 炎 症 出 血 黄 斑 変 性 など 原 因 はいろいろあり また 起 きた 場 所 や 規 模 によ り 視 力 に 対 する 影 響 もさまざまです 乳 頭 陥 凹 拡 大 とは 緑 内 障 を 疑 わせる 所 見 で 緑 内 障 は 自 覚 症 状 が 無 いまま 視 力 が 低 下 することが 多 く 眼 科 受 診 が 勧 められます なお 近 視 があると 実 際 には 乳 頭 陥 凹 がなくとも あるよう に 撮 影 されることがあります 眼 底 出 血 は 網 膜 血 管 から 出 血 したもので い ろいろな 原 因 によって 生 じ 起 きた 場 所 や 規 模 によって 視 力 に 影 響 します 白 内 障 は 眼 底 より 前 方 にある 水 晶 体 (レンズ)が 白 濁 するもので 厳 密 には 眼 底 所 見 ではありませんが 眼 底 検 査 から 疑 われることがあります また 眼 底 検 査 では 眼 底 血 管 の 動 脈 硬 化 の 程 度 などを 診 断 します 高 血 圧 性 変 化 およ び 動 脈 硬 化 性 変 化 の 分 類 (シャイエ 分 類 :0~4 度 )は 数 字 が 大 きいほど 進 行 した 状 態 を 示 します 報 告 書 の 眼 底 検 査 の 欄 で 横 線 より 下 に 何 も 印 刷 されていないときは 正 常 (0 度 )です ST P T QRS 心 電 図 の 各 波 の 意 味 P 波 - 心 房 の 活 動 QRS 波 心 室 筋 の 活 動 ( 収 縮 ) ST 部 分 T 波 心 室 筋 が 収 縮 から もとに 戻 る 過 程 心 臓 の 活 動 によって 生 じる 微 細 な 電 気 を いろいろな 方 向 から 記 録 すること により 各 種 の 不 整 脈 や 心 臓 の 肥 大 ( 壁 の 厚 みが 増 すこと) 心 筋 の 虚 血 ( 血 流 低 下 )などが 診 断 できます 心 電 図 の 波 形 は 上 図 のように P 波 QRS 波 ST 部 分 および T 波 に 分 かれています 以 下 よくある 所 見 を 解 説 します 心 拍 数 が 50/ 分 未 満 を 徐 脈 100 以 上 を 頻 脈 といい 極 端 な 場 合 や 症 状 の ある 場 合 は 精 密 検 査 が 必 要 なことがあります 洞 性 不 整 脈 は 正 常 所 見 です - 5 -
心 電 図 検 査 ( 続 き) 胸 部 単 純 X 線 検 査 期 外 収 縮 ( 心 室 性 または 上 室 性 )は 心 臓 が 本 来 の 周 期 を 外 れて 早 めに 収 縮 することで 頻 度 自 覚 症 状 などによって 精 密 検 査 や 治 療 が 必 要 となること があります 心 房 細 動 は 心 房 が 不 規 則 に 興 奮 し 脈 が 不 規 則 になる 状 態 で 心 房 内 に 血 液 がよどみやすく 血 栓 ( 血 のかたまり)を 生 じて 脳 梗 塞 につなが る 危 険 があるため 早 期 の 受 診 と 治 療 の 検 討 が 必 要 です ブロックとは 心 臓 内 で 電 気 信 号 の 流 れが 正 常 に 行 われない 場 合 で 房 室 ブロック(Ⅰ 度 ~Ⅲ 度 ) や 左 脚 ブロック 右 脚 ブロックなどの 種 類 があります Ⅱ 度 以 上 の 房 室 ブロ ックの 一 部 および 左 脚 ブロックでは 背 景 に 心 疾 患 が 存 在 することがあり 精 密 検 査 や 治 療 が 必 要 になることがあります ST 異 常 (ST 低 下 など)と T 波 異 常 は 一 般 に 心 臓 の 血 流 を 反 映 するとされ 狭 心 症 や 心 臓 肥 大 の 場 合 に 出 現 することがあります 非 特 異 的 と 付 いた 場 合 は 中 年 以 降 の 方 や 肥 満 高 血 圧 の 方 でも 見 られ 精 査 を 必 要 としない 変 化 が 多 く 含 まれますが C 判 定 以 上 の 場 合 は 再 検 査 または 精 密 検 査 をお 勧 めする 所 見 とお 考 えください 高 電 位 差 は 心 電 図 に 現 れる 電 位 ( 波 の 振 幅 )が 大 きいことを 示 し 問 題 ない ことが 多 いのですが 血 圧 の 高 い 方 では 次 の 肥 大 に 変 化 してくることがあり ます 肥 大 ( 左 室 肥 大 右 室 肥 大 )は 心 臓 の 壁 が 厚 くなっている 状 態 で 上 に 述 べた ST 異 常 T 波 異 常 を 伴 う 場 合 は 精 密 検 査 をお 勧 めします また 同 じ 所 見 名 でも 変 化 のある 場 合 には 再 検 査 などをお 勧 めしています X 線 により 肺 気 管 支 心 臓 胸 部 大 動 脈 などの 情 報 を 得 ます 代 表 的 な 所 見 を 解 説 します 古 い 炎 症 の 痕 跡 は 約 15%の 方 に 見 られ 既 に 治 癒 した 肺 の 炎 症 の 傷 跡 のことで 通 常 健 康 には 影 響 しません 無 気 肺 とは 肺 に 空 気 の 出 入 りしない 部 分 が 生 じていることですが 部 分 無 気 肺 や 円 盤 状 無 気 肺 と ご 報 告 している 状 態 は それぞれ 約 1.6% 約 1.1%に 見 られ 規 模 が 小 さ く 通 常 は 問 題 になりません ブラ( 嚢 胞 )とは 肺 内 に 空 気 の 袋 ができている 状 態 で まれに 自 然 気 胸 という 病 気 の 原 因 になることがあり また 非 常 に 大 きい 場 合 肺 機 能 の 低 下 をまねくことがありますが 通 常 は 特 に 問 題 ありませ ん 結 節 とはかたまり 状 の 影 のことで いろいろな 性 質 のものを 含 みますが 初 めて 診 断 された 場 合 や 過 去 と 比 較 して 変 化 を 認 める 場 合 には 精 密 検 査 が 必 要 です 必 ず 報 告 書 1 枚 目 の 指 導 事 項 欄 に 対 処 法 のご 説 明 があります ので ご 精 読 願 います 心 拡 大 は 文 字 通 り 心 臓 の 影 の 幅 が 基 準 より 大 きいこ とで 約 3.9%に 見 られ 単 独 では 病 的 意 味 の 少 ないものです 大 動 脈 延 長 とは 胸 部 大 動 脈 が 長 くなっている 状 態 で 約 14%の 方 に 見 られます 大 動 脈 石 灰 化 とは 胸 部 大 動 脈 の 壁 にカルシウムの 沈 着 が 見 られることで 約 10%の 方 に 伴 います 大 動 脈 延 長 と 大 動 脈 石 灰 化 はしばしば 同 時 に 見 られ いずれも 動 脈 硬 化 の 結 果 として 生 じる 変 化 です これらは 年 齢 性 の 変 化 であ ることも 多 く 通 常 精 密 検 査 は 不 要 と 思 われますが 動 脈 硬 化 の 危 険 因 子 で ある 血 圧 血 糖 脂 質 の 異 常 肥 満 喫 煙 などにご 注 意 ください なお 胸 部 単 純 X 線 検 査 で 一 定 以 上 の 異 常 がみられた 場 合 CT(コンピューター 断 層 撮 影 )などによる 精 密 検 査 をお 勧 めしています - 6 -
臓 器 共 通 ( 肝 臓 ) ( 胆 嚢 胆 管 ) 超 音 波 検 査 は ヒトの 耳 では 聞 こえない 高 い 周 波 数 の 音 波 ( 超 音 波 )を 体 に 当 て 反 射 してくる 様 子 を 画 像 にしたもので 体 内 の 臓 器 組 織 の 断 層 像 が 得 られます は 肝 臓 胆 嚢 膵 臓 脾 臓 腎 臓 大 動 脈 など たいへん 対 象 の 広 範 な 腹 部 の 検 査 です ただし 超 音 波 は 骨 や 空 気 に 出 会 うと 全 て 反 射 して その 奥 が 影 になるため どうしても 死 角 ができ 特 に 肥 満 便 秘 腹 部 の 手 術 後 などの 場 合 観 察 条 件 がよくないことがあります また 十 分 な 検 査 のために お 受 けになる 方 は 腹 式 呼 吸 のご 協 力 が 重 要 です いろいろな 臓 器 に 共 通 な 所 見 をここで 解 説 します 嚢 胞 とは 内 部 に 液 体 が 貯 まった 袋 状 の 構 造 で 肝 臓 や 腎 臓 では 受 診 者 の 約 3 割 に 見 られ ほぼ 無 害 で すが 膵 嚢 胞 はいろいろな 素 性 のものが 含 まれるため 追 跡 が 必 要 な 場 合 が あります 石 灰 化 とは 部 分 的 にカルシウムがたまって 見 える 箇 所 のことで 原 則 として 無 害 です 異 常 エコーまたは SOL と 表 現 している 所 見 は 原 則 として 周 囲 の 正 常 部 分 と 違 って 写 る ある 大 きさのかたまり 状 の 影 が 見 られ る 場 合 で 占 拠 性 病 変 とも 言 います このなかにはいろいろな 病 変 が 含 まれており すでに 過 去 に 診 断 され 今 回 特 に 変 化 がない 場 合 を 除 いて 何 らかの 対 応 が 必 要 となります この 場 合 必 ず 報 告 書 1 枚 目 の 指 導 事 項 欄 に 対 処 法 のご 説 明 がありますので ご 精 読 願 います 辺 縁 鈍 化 とは 通 常 とがって 見 える 肝 臓 の 断 面 が 丸 く 映 っている 状 態 で 肝 辺 縁 がシャープでないという 表 現 でご 報 告 してきました 肝 臓 に 軽 度 の 腫 れが 疑 われる 状 態 ですが 単 独 では 病 的 意 味 が 少 ないと 考 えられます 脂 肪 肝 は 脂 肪 沈 着 脂 肪 浸 潤 などとも 表 現 され 肝 臓 に 中 性 脂 肪 を 中 心 とする 脂 肪 が 増 加 した 場 合 です 男 性 の 37% 女 性 の 13%に 見 られますが 血 液 生 化 学 検 査 上 で 肝 機 能 異 常 の 原 因 となることがあり また 比 較 的 まれとは 言 え 長 い 間 には 慢 性 肝 炎 に 似 て 肝 硬 変 や 肝 がんに 進 む 場 合 があることが 知 ら れています 節 酒 や 減 量 運 動 が 勧 められます 血 管 腫 は 血 管 のかたまり( あ ざ のようなもの)が 肝 臓 にできている 場 合 で 多 くの 場 合 無 害 ですが 初 めて 診 断 された 場 合 や 大 きさの 推 移 によっては 追 跡 や 追 加 検 査 をお 勧 め する 場 合 があります 嚢 胞 石 灰 化 異 常 エコー(SOL)については 臓 器 共 通 欄 をご 覧 ください ポリープとは 内 腔 に 隆 起 した 病 変 で 胆 嚢 ではドック 受 診 者 の 26%に 見 ら れ そのほとんどがコレステロールポリープと 呼 ばれる 無 害 なものですが 初 めて 診 断 した 場 合 には 6-12 ヶ 月 後 の 再 検 をお 勧 めしています 胆 嚢 結 石 は 5%あまりの 方 に 見 られ 多 くは 無 症 状 です 結 石 で 胆 嚢 が 充 満 してい る 場 合 や 症 状 のある 場 合 次 に 述 べる 胆 嚢 壁 肥 厚 を 伴 う 場 合 には 外 科 手 術 が 検 討 されます 胆 泥 (またはスラッジ)は 結 石 のように 固 まっておらず 流 動 するものです 胆 嚢 壁 肥 厚 は 約 6%の 方 に 見 られ 多 くは 胆 嚢 腺 筋 腫 症 (アデノミオマトーシス)という 原 因 不 明 の 良 性 の 変 化 ですが 最 初 に 診 断 されたときは 腫 瘍 や 炎 症 などとの 鑑 別 も 必 要 なため 再 検 をお 勧 めしていま - 7 -
( 胆 嚢 胆 管 ) 続 き ( 膵 臓 ) ( 脾 臓 ) ( 腎 臓 ) (その 他 ) す コメットようエコー( 胆 嚢 コメットエコー)は 光 る 点 の 後 ろに 影 を 引 く もので 無 害 な 所 見 です 胆 道 拡 張 ( 肝 外 胆 管 拡 張 肝 内 胆 管 拡 張 )とは 肝 臓 から 十 二 指 腸 へ 胆 汁 を 送 る 総 胆 管 か その 上 流 の 枝 である 肝 内 胆 管 が 普 通 より 太 くなっている 状 態 で 下 流 ( 総 胆 管 下 部 や 膵 頭 部 など)に 流 れをせ き 止 めているものがないか 追 加 検 査 などをお 勧 めすることがあります 膵 臓 は 腹 部 深 くに 位 置 するため 胃 や 大 腸 の 影 になって 全 体 が 観 察 できない ことがよくあります 嚢 胞 は 2.4%に 見 られ 膵 の 場 合 は 肝 腎 と 異 なり 腫 瘍 と 関 連 することがあるため 追 加 検 査 (MRI 検 査 など)や 追 跡 をお 勧 めする ことがあります 膵 管 拡 張 は 膵 臓 で 作 られた 膵 液 を 十 二 指 腸 に 送 る 主 膵 管 が 普 通 より 太 くなっている 状 態 で 下 流 ( 膵 頭 部 など)に 流 れをせき 止 めてい るものがないか 追 跡 や 追 加 検 査 などをお 勧 めすることがあります 異 常 エ コー(SOL)については 臓 器 共 通 欄 をご 覧 ください 副 脾 とは 脾 臓 の 血 管 が 出 入 りする 付 近 に 小 さい 脾 臓 がもうひとつ(まれに 複 数 ) 付 いているもので 7%の 方 に 認 められ 先 天 的 で 無 害 な 所 見 ですが 腫 瘍 などとの 鑑 別 が 必 要 な 場 合 ( 特 に 膵 臓 の 内 部 に 副 脾 がある 場 合 )には 再 検 や 追 加 検 査 をお 勧 めすることがあります 腫 大 は 脾 臓 のサイズが 大 きめな ことで 多 くは 無 害 です 脾 動 脈 瘤 とは 脾 臓 に 入 る 動 脈 ( 脾 動 脈 )の 一 部 の 壁 が 膨 らんだもので 動 脈 硬 化 と 関 連 が 想 像 され 進 行 する 頻 度 は 高 くあ りませんが 初 めて 診 断 されたときは 追 跡 をお 勧 めすることがあります 嚢 胞 異 常 エコー(SOL)については 臓 器 共 通 欄 をご 覧 ください 腎 臓 の 結 石 は 約 6%の 方 に 見 られ 無 症 状 が 普 通 ですが もし 腎 臓 と 膀 胱 を つなぐ 尿 管 という 細 い 管 に 結 石 がはまり 込 んだ 場 合 には 尿 管 結 石 となり 脇 腹 から 股 にかけての 激 痛 を 起 こす 場 合 があります 腎 盂 拡 張 や 水 腎 症 は 腎 臓 で 作 った 尿 を 集 める 腎 盂 という 部 分 が 広 がっている 状 態 で 下 流 ( 尿 管 膀 胱 など)に 尿 の 流 れをせき 止 めているものがないか 追 跡 や 泌 尿 器 科 受 診 などをお 勧 めすることがあります 血 管 筋 脂 肪 腫 は 腎 臓 の 代 表 的 な 良 性 腫 瘍 の 一 種 で 通 常 は 放 置 しても 大 丈 夫 ですが 初 めて 診 断 されたときは 他 の 疾 患 との 鑑 別 のため 追 跡 をお 勧 めすることがあります 嚢 胞 石 灰 化 異 常 エコー(SOL)については 臓 器 共 通 欄 をご 覧 ください ここでは 大 動 脈 副 腎 前 立 腺 婦 人 科 臓 器 などの 所 見 があった 場 合 にご 報 告 します 腹 部 大 動 脈 瘤 は 大 動 脈 の 枝 にできる 総 腸 骨 動 脈 瘤 などとともに 進 行 しないかどうか 循 環 器 専 門 医 の 受 診 が 必 要 です 副 腎 腫 瘤 は ホルモ ンの 異 常 がないか 内 分 泌 内 科 に 受 診 してください 腹 水 は 腹 腔 内 に 液 体 が たまっている 状 態 で 病 的 意 味 のないことも 多 い( 特 に 女 性 )ですが 念 の ため 追 跡 をお 勧 めすることもあります 腹 部 リンパ 節 腫 大 や 腹 部 腫 瘤 につい ては 臓 器 共 通 欄 の 異 常 エコー(SOL)と 同 じ 対 応 が 必 要 です 子 宮 筋 腫 や 卵 巣 嚢 腫 などの 婦 人 科 領 域 および 前 立 腺 については ドックの 超 音 波 検 査 が 通 常 排 尿 後 に 実 施 することになるため 観 察 条 件 は 万 全 ではありません な お 婦 人 科 所 見 については 婦 人 科 医 の 診 断 を 経 てご 報 告 しています - 8 -
上 部 消 化 管 検 査 主 として 食 道 胃 十 二 指 腸 を 対 象 とした 検 査 です 食 道 の 裂 孔 ヘルニアと (X 線 内 視 鏡 ) は 食 道 と 胃 の 継 ぎ 目 が 本 来 の 位 置 より 上 にずれている 状 態 のことで 胃 液 の 食 道 への 逆 流 が 起 こりやすく 逆 流 性 食 道 炎 や バレット 粘 膜 ( 胃 酸 に 弱 い 食 道 粘 膜 が 胃 粘 膜 に 似 たものに 変 化 した 状 態 )を 合 併 することがあります 胸 焼 けなど 症 状 があれば 受 診 して 治 療 を 受 けてください 食 道 癌 や 咽 頭 癌 は お 酒 を 飲 むと 赤 くなりやすい 方 ( 既 往 を 含 む)の 飲 酒 や 喫 煙 が 危 険 因 子 と されています 食 道 異 型 上 皮 は 癌 ほど 悪 性 度 が 強 くないものの 腫 瘍 性 病 変 であり 禁 酒 禁 煙 および 定 期 的 な 追 跡 が 必 要 です 食 道 や 咽 頭 の 乳 頭 腫 および 胃 の 胃 底 腺 ポリープは 良 性 で 一 般 には 心 配 ありません 粘 膜 下 腫 瘍 は 粘 膜 の 下 にある 筋 腫 などが 表 面 を 持 ち 上 げているもので 多 くは 経 過 観 察 だけでよいのですが 大 きくなる 場 合 は 切 除 の 対 象 となることがあります びらんとは 浅 い ただれ のことで ほとんどは 炎 症 によるものですが な かには 腫 瘍 との 鑑 別 が 必 要 な 場 合 もあります 潰 瘍 とは 表 面 に 傷 ができ 穴 が 掘 れている 状 態 で 胃 潰 瘍 や 十 二 指 腸 潰 瘍 は 悪 化 すると 出 血 や 穿 孔 ( 穴 が 壁 を 貫 通 してしまうこと)の 恐 れがありますので 仮 に 無 症 状 であっても 受 診 治 療 が 必 要 です 最 近 胃 癌 の 多 くにピロリ 菌 という 細 菌 が 関 与 してい ることが 判 明 しました ピロリ 菌 は 慢 性 胃 炎 や 胃 十 二 指 腸 潰 瘍 胃 ポリー プ 胃 の 腺 腫 およびリンパ 腫 などにも 関 与 していることがあり ピロリ 菌 を 除 菌 することでこれらの 危 険 を 減 らせると 考 えられています 慢 性 胃 炎 のす べてがピロリ 菌 に 関 連 するわけではありませんが ピロリ 菌 が 原 因 の 萎 縮 性 胃 炎 に 胃 癌 の 合 併 が 見 られるため 萎 縮 性 胃 炎 のある 方 は 定 期 的 な 内 視 鏡 検 査 をお 勧 めします 生 検 ( 組 織 の 顕 微 鏡 検 査 )は 当 ドックの 上 部 消 化 管 内 視 鏡 検 査 では 約 7%の 方 に 行 っていますが その 結 果 の 詳 細 は 紙 面 の 都 合 もあ って 総 合 検 診 結 果 報 告 書 ではお 伝 えしきれません 生 検 で 得 られる 組 織 は 少 量 であり 一 回 の 検 査 では 炎 症 や 腫 瘍 の 鑑 別 が 困 難 な 例 も 少 なくありませ ん 報 告 書 1 枚 目 の 指 導 事 項 欄 で 受 診 や 再 検 査 をお 勧 めしている 場 合 必 ず 結 果 説 明 外 来 などをご 受 診 ください 糖 脂 質 内 分 泌 代 謝 系 検 査 TSH 甲 状 腺 刺 激 ホルモンともいい 甲 状 腺 機 能 の 指 標 となるホルモンです 血 液 中 の 甲 状 腺 ホルモンが 足 りない 場 合 ( 近 年 動 脈 硬 化 との 関 連 が 指 摘 されてい る)に TSH は 上 がり 逆 に 甲 状 腺 ホルモンの 過 剰 で TSH は 下 がります もともと 変 動 しやすいホルモンですが 基 準 値 をはずれている 場 合 には 再 検 を また 一 定 以 上 の 異 常 では 内 分 泌 内 科 専 門 医 の 受 診 を それぞれお 勧 めし ています 中 性 脂 肪 血 液 中 の 脂 肪 の 一 種 で 私 たちの 体 を 動 かすエネルギー 源 のひとつですが これが 血 液 中 で 高 い 値 の 場 合 動 脈 硬 化 に 不 利 となります カロリーや 糖 質 ( 炭 水 化 物 )の 過 剰 摂 取 や 飲 酒 で 上 昇 し 減 量 節 酒 運 動 で 下 降 します メタボリックシンドローム 判 定 基 準 のひとつです - 9 -
総 コレステロール 血 液 中 のコレステロールをすべて 足 し 合 わせたもので 下 記 の HDL コレス テロールや LDL コレステロールを 含 んでいます 現 在 この 値 のみを 根 拠 と しての 判 定 は 行 っていません HDL コレステロール 善 玉 コレステロール と 呼 ばれることがあり これが 低 い(40mg/dl 未 満 ) と 動 脈 硬 化 に 不 利 とされています カロリーや 糖 質 の 過 剰 摂 取 肥 満 などで 低 下 し 運 動 や 飲 酒 などにより 多 少 上 昇 します メタボリックシンドローム の 判 定 基 準 のひとつです LDL コレステロール これ 自 体 は 生 体 にとって 必 需 品 ですが 過 剰 の 場 合 動 脈 硬 化 の 危 険 が 上 昇 す ることから 悪 玉 コレステロール と 呼 ばれることがあります 動 物 性 脂 肪 ( 獣 肉 類 乳 製 品 卵 黄 など)の 摂 取 で 上 昇 します ご 治 療 の 場 合 年 齢 や 性 別 合 併 する 疾 患 によって 治 療 の 目 標 となる 値 が 異 なりますので 詳 し くは 主 治 医 にご 確 認 ください ヘモグロビン A1c ヘモグロビン エー ワン シー と 呼 ばれ 血 糖 の 指 標 の 一 種 ですが (HbA1c) 採 血 時 点 の 血 糖 と 言 うより 1~3ヶ 月 間 の 総 合 的 な 血 糖 の 水 準 を 示 してい ます 2012 年 4 月 から 国 際 標 準 (NGSP)での 検 査 が 標 準 になりました 従 来 の 検 査 値 (JDS)と 比 較 すると 通 常 の 場 合 0.4% 高 く 出 ることになります 日 本 糖 尿 病 学 会 の 基 準 では 6.5% 以 上 を 糖 尿 病 型 としており 日 本 人 間 ドッ ク 学 会 では 6.0% 以 上 を 要 経 過 観 察 としています 特 定 健 診 (いわゆる メタボ 健 診 )の 判 定 においては 5.6% 以 上 の 場 合 を 問 題 としています 空 腹 時 血 糖 採 血 時 点 の 血 糖 値 です 日 本 糖 尿 病 学 会 の 基 準 は 126mg/dl 以 上 を 糖 尿 病 型 110~125mg/dl を 境 界 型 (いわゆる 糖 尿 病 予 備 群 ) 相 当 109mg/dl 以 下 を 正 常 としていますが このなかでも 100~109mg/dl を 境 界 域 といって 区 別 しており 特 定 健 診 (いわゆるメタボ 健 診 )の 判 定 においてこの 境 界 域 か ら 問 題 とすることとしています 血 液 学 的 検 査 白 血 球 数 白 血 球 数 は 血 液 1mm 3 あたりの 白 血 球 の 実 数 で 感 染 外 傷 炎 症 などがあ ると 増 加 ( 時 に 減 少 )し 薬 剤 や 特 定 の 疾 患 で 減 少 することがあります た だし 白 血 球 数 には 個 人 差 があり たとえ 基 準 値 を 多 少 逸 脱 していても いつ もと 大 差 ない 場 合 には あなた 自 身 の 基 準 範 囲 内 かもしれません 赤 血 球 数 ヘモグロ ヘモグロビンは 血 液 中 の 赤 い 色 素 で 赤 血 球 の 内 部 にあり 酸 素 を 運 搬 して ビン ヘマトクリッ います ヘマトクリットとは 血 液 中 の 赤 血 球 の 体 積 の 割 合 (%)をほぼ 意 味 ト しますので これらの 項 目 はだいたい 同 じような 意 義 があります ヘモグロ ビンなどが 低 下 しているのが 貧 血 で 息 切 れ などの 自 覚 症 状 の 原 因 とな ります 貧 血 がある 場 合 MCV MVH で 表 される 赤 血 球 のサイズが 原 因 の 手 がかりになることがあります 逆 に 基 準 より 一 定 以 上 増 えている 場 合 は 多 血 症 と 呼 び 喫 煙 や 睡 眠 時 無 呼 吸 症 候 群 などが 原 因 になることがあります 血 小 板 数 血 小 板 は 止 血 を 担 当 する 血 球 ( 血 液 細 胞 )で 極 端 に 減 少 ( 例 えば3 万 / mm 3 以 下 )すると 出 血 しやすくなります( 鼻 出 血 歯 肉 出 血 皮 膚 の 出 血 斑 など) 異 常 値 の 程 度 によっては 再 検 をお 勧 めすることがあります - 10 -
白 血 球 分 画 白 血 球 分 画 とは 血 液 中 の 各 種 白 血 球 つまり 好 中 球 ( 桿 状 核 および 分 葉 核 ) 好 酸 球 好 塩 基 球 単 球 リンパ 球 などの 割 合 (%)のことです ただし 本 当 に 異 常 かどうかは 割 合 (%)でなく 絶 対 数 ( 血 液 1mm 3 あたりの 当 該 白 血 球 の 実 数 )で 判 断 するのが 正 しく 当 ドックの 判 定 は 絶 対 数 で 行 っています そのため 報 告 書 の* 印 と 判 定 メッセージが 一 致 しないことがあります ま たその 他 の 白 血 球 とご 報 告 するのは 血 液 中 によく 見 られる 上 記 6 種 類 以 外 の 白 血 球 が 出 現 した 場 合 で 必 ずしも 重 大 な 意 義 があるとは 限 りませんが 一 時 的 なものかどうかの 確 認 のため 再 検 をご 検 討 ください 血 液 生 化 学 的 検 査 総 蛋 白 アルブミン いずれも 血 液 中 ( 正 確 には 血 清 中 )の 蛋 白 を 調 べる 検 査 です アルブミンは A/G 比 代 表 的 な 血 清 蛋 白 のひとつです 血 清 蛋 白 の 軽 度 の 増 減 は 病 的 な 意 味 を 持 つことは 少 ないですが 肝 疾 患 腎 疾 患 炎 症 性 疾 患 血 液 疾 患 などで 異 常 値 を 呈 する 場 合 があります またA/G 比 とは アルブミンと アルブミン 以 外 の 血 清 蛋 白 (グロブリン)との 比 で 肝 疾 患 慢 性 炎 症 血 液 疾 患 など で 低 下 します 総 ビリルビン 著 しく 上 昇 すると 黄 疸 となります ビリルビン 高 値 の 原 因 として 肝 疾 患 胆 道 閉 塞 ( 胆 汁 の 通 過 障 害 ) 特 殊 な 貧 血 などが 挙 げられます ただし 肝 機 能 異 常 を 伴 わない 軽 度 の 上 昇 は 多 くの 場 合 体 質 性 の 無 害 なものです 尿 素 窒 素 クレアチニ どちらも 腎 機 能 ( 腎 臓 の 老 廃 物 排 泄 速 度 )の 指 標 です 尿 素 窒 素 は 脱 水 やタ ン ンパク 質 の 摂 取 量 などに 左 右 されるため 現 在 これによる 判 定 は 行 っていま せん クレアチニンは 体 格 ( 筋 肉 量 )に 影 響 され 男 女 で 基 準 値 に 差 があり ます また 後 述 の egfr の 計 算 に 利 用 されます 尿 酸 血 液 中 の 尿 酸 が 高 い 状 態 ( 高 尿 酸 血 症 )は 痛 風 や 腎 結 石 が 起 こりやすくな ります 尿 酸 値 の 上 昇 は 腎 障 害 やある 種 の 薬 剤 などでも 起 こりますが 尿 酸 の 原 料 である プリン 体 ( 内 臓 類 や 干 物 などに 多 い)や 果 糖 の 過 剰 摂 取 飲 酒 メタボリックシンドロームが 原 因 になることが 知 られています ナトリウム クロール どちらも 血 液 中 で 最 も 多 いミネラルで 頻 度 は 低 いながら 脱 水 や 腎 障 害 あ る 種 のホルモンの 異 常 薬 剤 の 影 響 などが 異 常 値 の 原 因 になります 一 定 以 上 の 異 常 では 再 検 をお 勧 めします カリウム これも 血 液 中 のミネラルで 腎 障 害 やホルモンの 異 常 のほか ある 種 の 薬 剤 や 下 痢 嘔 吐 などが 異 常 値 の 原 因 となります 極 端 な 低 値 および 高 値 では 脱 力 や 不 整 脈 などをきたすことがあります 一 定 以 上 の 異 常 では 再 検 をお 勧 めします カルシウム 無 機 リン どちらも 血 液 中 よりは 骨 に 豊 富 なミネラルで 副 甲 状 腺 などのホルモン 異 常 ビタミン D の 過 剰 腎 障 害 およびある 種 の 薬 剤 の 影 響 などを 原 因 と して 異 常 となることがあります なおカルシウム 値 については 血 清 蛋 白 (ア ルブミンなど)の 値 により 見 かけ 上 低 く または 高 く 見 えることがありま す このため 当 ドックではアルブミン 補 正 値 (これ 自 体 は 報 告 書 には 割 愛 し ています)で 判 定 しています 一 定 以 上 の 異 常 では 再 検 をお 勧 めします - 11 -
GOT(AST) GPT(ALT) LDH(LD) ALP γgt コリンエステラーゼ アミラーゼ 蛋 白 分 画 フェリチン 腫 瘍 マーカー 血 清 学 的 検 査 CRP 一 般 に 肝 機 能 検 査 と 呼 ばれる 検 査 項 目 で ウイルス 性 肝 炎 アルコール 性 肝 障 害 薬 剤 性 肝 障 害 などを 原 因 とする 肝 細 胞 の 破 壊 によって 異 常 高 値 となり ます ただし GOT(AST)と LDH(LD)は 肝 臓 に 限 らず 心 臓 骨 格 筋 血 液 など ほぼ 全 身 の 臓 器 に 分 布 するため これらだけが 高 値 の 場 合 には た だちに 肝 障 害 とは 断 定 できません これも 肝 機 能 検 査 のひとつで 肝 障 害 や 胆 道 閉 塞 ( 胆 汁 の 通 過 障 害 )のほか 骨 の 代 謝 異 常 などでも 上 昇 します これも 肝 機 能 検 査 のひとつで 特 にアルコール 性 肝 障 害 で 上 昇 するのが 有 名 ですが それ 以 外 にも 慢 性 肝 炎 や 脂 肪 肝 薬 剤 ( 睡 眠 薬 抗 てんかん 薬 など) による 肝 障 害 や 胆 道 閉 塞 ( 胆 汁 の 通 過 障 害 )でも 高 値 となります 肝 臓 における 蛋 白 合 成 の 程 度 を 反 映 し 脂 肪 肝 やネフローゼ 症 候 群 などでは 高 値 を また 肝 硬 変 や 低 栄 養 では 低 値 となります 炭 水 化 物 を 消 化 する 酵 素 で 膵 臓 で 作 られ 膵 疾 患 の 場 合 に 高 値 となること があります ただし 唾 液 腺 でもアミラーゼは 作 られており 血 液 中 でこれが 上 昇 していてもただちに 膵 臓 の 異 常 とは 限 りません 全 部 で 数 百 種 類 が 知 られている 数 多 くの 血 清 蛋 白 を 大 きく 五 つのグループ に 分 けて 割 合 を 見 たものです このうちガンマーグロブリン 分 画 は 慢 性 炎 症 などの 結 果 として 上 昇 することがあり 炎 症 性 疾 患 や 肝 疾 患 などの 発 見 に 役 立 つ 場 合 があります また 異 常 蛋 白 としてご 報 告 するのは M 蛋 白 など とも 呼 ばれるもので 特 に 意 義 のないことも 多 いのですが 血 液 疾 患 に 伴 う ことがあり 追 加 検 査 が 勧 められます 体 内 の 鉄 分 貯 蔵 量 を 反 映 し 貧 血 の 中 で 最 も 頻 度 の 高 い 鉄 欠 乏 性 貧 血 で 減 少 し 逆 に 鉄 の 過 剰 で 上 昇 します 肝 膵 肺 の 腫 瘍 白 血 病 等 で 上 昇 が 見 ら れることがあります また 最 近 増 加 している 脂 肪 肝 では この 値 が 高 いと 肝 炎 をきたし 肝 病 変 が 進 展 しやすいと 考 えられています よく 誤 解 されますが 残 念 ながら 現 在 のところ 血 液 検 査 では 腫 瘍 の 有 無 を 診 断 できません 進 行 癌 が 存 在 しても 腫 瘍 マーカー( 後 述 の PA(PSA)を 除 く)が 異 常 値 を 示 さない 割 合 は 30~70%あり つまり 腫 瘍 マーカー 陰 性 は 体 内 に 腫 瘍 がないことを 保 証 しません ただし 腫 瘍 マーカーが 高 値 を 示 す 場 合 には 原 因 の 検 査 が 勧 められます CEA は 大 腸 癌 をはじめいくつかの 臓 器 腫 瘍 の アルファフェト 蛋 白 は 肝 臓 癌 などの エラスターゼ1は 膵 癌 の PA(PSA)は 前 立 腺 癌 の それぞれマーカーとされます 腫 瘍 マーカーは 喫 煙 などの 生 活 習 慣 や 腫 瘍 以 外 の 良 性 疾 患 でも 上 昇 することがあり 検 査 の 高 値 がただちに 腫 瘍 を 示 すとは 限 りません 基 準 より 高 値 だった 場 合 軽 度 で あれば 間 をおいての 再 検 をお 勧 めします またその 場 合 でも 過 去 の 値 より 上 昇 していない 場 合 再 検 をお 急 ぎにならなくてもよいかも 知 れません 血 液 中 の 蛋 白 の 一 種 で 体 のどこかに 炎 症 ( 大 雑 把 に 言 えば 熱 の 出 るよう な 状 態 )があると 高 値 になります 原 因 不 明 の 場 合 再 検 をご 検 討 ください - 12 -
RF(リウマチ 因 子 ) RPR 法 HBs 抗 原 HC 抗 体 ヘリコバクター ピロ リ 抗 体 尿 検 査 等 ph 尿 糖 蛋 白 潜 血 関 節 リウマチという 疾 患 の 患 者 さんの 血 液 によく 現 れる 異 常 ですが これが あるからと 言 ってリウマチにかかっているとか 将 来 かかるとは 限 りませ ん 関 節 の 腫 れ 痛 みなどの 症 状 ( 特 に 複 数 の 関 節 で)がある 場 合 リウマ チ 膠 原 病 内 科 などを 受 診 する 値 打 ちがあるかも 知 れません 2012 年 4 月 か ら 検 査 法 が 標 準 化 され それ 以 前 より 高 い 値 が 出 やすくなりました いわゆる 梅 毒 血 清 反 応 ですが 炎 症 性 疾 患 や 肝 疾 患 で 陽 性 になることがあり ます 日 本 人 間 ドック 学 会 の 基 本 検 査 項 目 に 当 たります HBs 抗 原 は B 型 肝 炎 ウイルスが 血 液 中 に 存 在 することを 示 します ウイル ス 肝 炎 は 自 覚 症 状 のないまま 肝 硬 変 や 肝 がんに 進 行 しうることが 解 ってい ます 肝 炎 の 状 態 を 診 断 するには 血 清 中 のウイルス 遺 伝 子 を 測 定 する 必 要 が あり もしこれまでそのような 検 査 をしておられないならば ぜひこれら 追 加 検 査 をお 受 けください HC 抗 体 は C 型 肝 炎 ウイルスに 対 して 体 内 で 作 られた 蛋 白 質 (ただし 感 染 防 御 力 はない)で 過 去 に C 型 肝 炎 ウイルスが 体 内 に 入 ったことを 示 します ウイルス 肝 炎 は 自 覚 症 状 のないまま 肝 硬 変 や 肝 がんに 進 行 しうることが 解 っています 肝 炎 の 状 態 を 診 断 するには 血 清 中 のウイルス 遺 伝 子 を 測 定 する 必 要 があり もしこれまでそのような 検 査 をしておられないならば ぜひこ れら 追 加 検 査 をお 受 けください ピロリ 菌 という 細 菌 に 対 して 体 内 で 作 られた 蛋 白 質 を 調 べるもので 陽 性 の 場 合 ピロリ 菌 が 胃 のなかに 住 み 着 いていることを 示 します 検 査 で 胃 十 二 指 腸 潰 瘍 ( 瘢 痕 - きずあと のこと-を 含 む)がある 場 合 または 内 視 鏡 検 査 で 胃 炎 がある 場 合 などは 保 険 診 療 での 除 菌 治 療 の 適 応 になります 前 記 以 外 の 場 合 現 状 では 自 費 治 療 となります なお 除 菌 治 療 が 成 功 しても この 検 査 はすぐには 陰 性 化 しませんので 解 釈 にはご 注 意 が 必 要 です 尿 の 酸 アルカリ 度 を 示 します 変 動 することが 普 通 で 一 度 の 検 査 では 病 的 とは 言 えないため 判 定 には 利 用 していません 糖 尿 病 の 判 定 は 空 腹 時 血 糖 や HbA1c で 行 われるため 尿 糖 は 糖 尿 病 の 判 定 には 使 用 していません ただしもし 血 糖 値 などが 正 常 で 尿 糖 のみ 陽 性 の 場 合 特 殊 な 腎 疾 患 の 可 能 性 があるため 再 検 をご 検 討 ください 蛋 白 尿 は 腎 臓 病 の 徴 候 で これが 多 いほど 将 来 の 腎 機 能 が 心 配 されます ま た 動 脈 硬 化 や 寿 命 との 関 連 も 報 告 されており 尿 蛋 白 1+ 以 上 の 方 には 定 量 検 査 ( 量 を 数 値 で 精 密 にはかること)による 再 検 を 2+ 以 上 の 方 には 腎 臓 内 科 専 門 医 受 診 をお 勧 めします 尿 潜 血 は 血 尿 とほぼ 同 じ 意 味 ですが 当 ドックでは 男 性 の 約 11% 女 性 の 約 27%の 方 が 潜 血 1+ 以 上 でした これまで 血 尿 に 関 して 検 査 したことの ない 方 泌 尿 器 腫 瘍 の 家 族 歴 を 有 する 方 喫 煙 者 およびご 心 配 な 方 には 追 加 検 査 をいたしております なお 肉 眼 的 血 尿 ( 目 で 見 て 赤 く 見 える 尿 )の 場 合 は 直 ちに 泌 尿 器 科 などを 受 診 して 精 密 検 査 を 受 けてください - 13 -
ケトン 体 ビリルビン ウロビリノゲン 比 重 egfr( 推 算 糸 球 体 濾 過 値 ) 便 潜 血 体 脂 肪 が 分 解 されると 生 じる 物 質 で ドック 受 診 時 のような 空 腹 時 採 尿 では 2+までなら 病 的 な 意 義 はありません 自 動 分 析 器 で 同 時 に 検 査 されますが 現 在 ドックの 判 定 には 使 用 していませ ん 詳 細 は 割 愛 させていただきます 尿 の 濃 い 薄 い をあらわし ドックでは 絶 食 状 態 で 採 尿 するため 比 重 の 高 い( 濃 い) 尿 が 採 取 されることが 多 いです 濃 い 尿 では 尿 中 の 成 分 が 多 く 見 え 誤 って 異 常 と 判 定 されるおそれがあるため 当 ドックでは 尿 比 重 によって 判 定 を 修 正 しています GFR( 糸 球 体 濾 過 値 )は 最 も 基 本 的 な 腎 機 能 の 値 ですが 煩 雑 な 腎 機 能 検 査 でないと 測 定 できません egfr はこれを 年 齢 性 別 および 今 回 の 血 清 ク レアチニン 値 から 日 本 腎 臓 学 会 による 計 算 式 を 用 いて 推 定 したもので 60(ml/ 分 /1.73m 2 ) 以 上 が 基 準 です egfr は 動 脈 硬 化 との 関 連 が 注 目 されて いますが ドックでは 絶 食 での 検 査 となるせいか 時 に 低 めに 検 査 されてい ることがあるようです 軽 度 の 低 下 では 1 年 後 の 再 検 でかまいませんが 新 規 の 異 常 値 または 一 定 以 上 の 異 常 値 では 再 検 をお 勧 めします 現 在 の 検 査 法 では 大 腸 または 肛 門 からの 出 血 を 示 します 便 潜 血 を 認 める 方 の3~4 人 にひとりは 大 腸 ポリープの 可 能 性 があるとされます 2~3 年 以 内 にお 受 けになった 方 を 除 き 大 腸 内 視 鏡 検 査 をお 勧 めします - 14 -