1. はじめに 大 気 中 の 二 酸 化 炭 素 (CO 2 )などの 温 室 効 果 ガスの 排 出 量 は 増 加 する 傾 向 にあるが, 削 減 方 法 については, 家 庭 での 省 エ ネルギーから 産 業 界 の 削 減 に 関 わる 取 組 みまで 多 くの 提 案 がなされており



Similar documents
検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

第 1 条 適 用 範 囲 本 業 務 方 法 書 は 以 下 の 性 能 評 価 に 適 用 する (1) 建 築 基 準 法 施 行 令 ( 以 下 令 という ) 第 20 条 の7 第 1 項 第 二 号 表 及 び 令 第 20 条 の 8 第 2 項 の 認 定 に 係 る 性 能 評

(Microsoft Word - \221\346\202P\202U\201@\214i\212\317.doc)

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている


国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

一般競争入札について

(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)


小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

<819A955D89BF92B28F BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

1

Contents 第 1 章 国 土 調 査 法 19 条 5 項 指 定 とは? 国 土 調 査 法 19 条 5 項 指 定 とは? 1 指 定 の 意 義 メリット 1 指 定 の 対 象 は? 2 対 象 となる 事 業 2 国 土 調 査 法 19 条 5 項 指 定 までの 流 れ 3

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

公表表紙

する ( 評 定 の 時 期 ) 第 条 成 績 評 定 の 時 期 は 第 3 次 評 定 者 にあっては 完 成 検 査 及 び 部 分 引 渡 しに 伴 う 検 査 の 時 とし 第 次 評 定 者 及 び 第 次 評 定 者 にあっては 工 事 の 完 成 の 時 とする ( 成 績 評 定

<4D F736F F D F8D828D5A939982CC8EF68BC697BF96B38F9E89BB82CC8A6791E52E646F63>

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

b) 参 加 表 明 書 の 提 出 時 において 東 北 地 方 整 備 局 ( 港 湾 空 港 関 係 を 除 く) における 平 成 年 度 土 木 関 係 建 設 コンサルタント 業 務 に 係 る 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 認 定 を 受 けて

Microsoft Word - 答申本文.doc

<4D F736F F D2095CA8E A90DA91B18C9F93A289F1939A8F D8288B3816A5F E646F63>

目 改 正 項 目 軽 自 動 車 率 の 引 上 げ 〇 国 及 び 地 方 を 通 じた 自 動 車 関 連 制 の 見 直 しに 伴 い 軽 自 動 車 の 標 準 率 が 次 のとおり 引 き 上 げられます 車 種 区 分 引 上 げ 幅 50cc 以 下 1,000 円 2,000 円

( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定


再 生 可 能 エネルギー 等 導 入 推 進 基 金 事 業 計 画 書 ( 各 年 度 計 画 書 ) ( 事 業 計 画 の 概 要 ) 計 画 の 名 称 京 都 府 地 球 温 暖 化 対 策 等 推 進 基 金 計 画 の 期 間 交 付 対 象 京 都 府 府 内 市 町 村 民 間

2 省 エネルギー 性 耐 震 性 及 バリアフリー 性 を 満 たす 住 宅 とは 新 築 住 宅 既 存 住 宅 ( 中 古 住 宅 ) 増 改 築 等 次 のいずれかの 住 宅 が 対 象 次 のいずれかの 住 宅 が 対 象 次 のいずれかの 住 宅 が 対 象 級 4の 住 宅 一 次 エ

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

資料3 家電エコポイント制度の政策効果等について

編 5ヶ 月 6 総 論 7 抜 ピ ド ピ ド 速 永 久 繰 ロ セ 慣 容 易 結 共 通 決 々 5 照 づ 具 ご 紹 介 与 監 査 比 較 場 限 提 始 箇 提 進 ご 安 心 話 提 与 監 査 雑 把 与 締 役 緒 算 類 作 機 関 従 来 税 始 忘 生 物 繰 切 忘 葉

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

平成19年9月改定

第316回取締役会議案

<817993FA967B8E E A E815B817A B F976C8EAE82502D322E786C73>

スライド 1


0439 研究開発推進事業(防衛省所管計上)250614

<4D F736F F D2095BD90AC E937890C590A789FC90B382CC8EE582C893E09765>

第三十六号の二様式(第五条関係)(A4)

m07 北見工業大学 様式①

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

試 験 概 略 試 験 目 的 同 同 一 一 規 規 格 格 の の 電 電 熱 熱 線 線 式 式 ヒーティングユニットを2 台 台 並 並 べ べ 片 片 方 方 のユニットに 遠 遠 赤 赤 外 外 線 線 放 放 射 射 材 材 料 料 である アルミ 合 金 エキスパンションメタルを 組

Microsoft Word )40期決算公開用.doc

6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

1_2013BS(0414)

消 費 ~ 軽 減 率 消 費 の 軽 減 率 制 度 が 消 費 率 10% 時 に 導 入 することとされています 平 成 26 年 4 月 1 日 平 成 27 年 10 月 1 日 ( 予 定 ) 消 費 率 5% 消 費 率 8% 消 費 率 10% 軽 減 率 の 導 入 平 成 26

[2] 控 除 限 度 額 繰 越 欠 損 金 を 有 する 法 人 において 欠 損 金 発 生 事 業 年 度 の 翌 事 業 年 度 以 後 の 欠 損 金 の 繰 越 控 除 にあ たっては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 次 ページ 以 降 で 解 説 する の 特 例 (

Microsoft Word - h doc

第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

第 節 ○○計画


1 平 成 27 年 度 土 地 評 価 の 概 要 について 1 固 定 資 産 税 の 評 価 替 えとは 地 価 等 の 変 動 に 伴 う 固 定 資 産 の 資 産 価 値 の 変 動 に 応 じ その 価 格 を 適 正 で 均 衡 のとれたものに 見 直 す 制 度 である 3 年 ご

第4回税制調査会 総4-1

基 準 地 価 格 3 年 に1 度 審 議 直 近 ではH23 年 12 月 に 審 議 土 地 評 価 替 えの 流 れと 固 定 資 産 評 価 審 議 会 基 準 地 とは 土 地 評 価 の 水 準 と 市 町 村 間 の 均 衡 を 確 保 するための 指 標 となるものであり 各 市

18 国立高等専門学校機構

Microsoft PowerPoint - 経営事項審査.ppt

6-1 第 6 章 ストック オプション 会 計 設 例 1 基 本 的 処 理 Check! 1. 費 用 の 計 上 ( 1 年 度 ) 2. 費 用 の 計 上 ( 2 年 度 )- 権 利 不 確 定 による 失 効 見 積 数 の 変 動 - 3. 費 用 の 計 上 ( 3 年 度 )-

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

消 防 庁 危 険 物 保 安 室 殿 ドラム 缶 に 係 る 可 燃 性 蒸 気 対 流 シミュレーション 分 析 業 務 成 果 報 告 書 2013 年 1 月 アドバンスソフト 株 式 会 社

中根・金田台地区 平成23年度補償説明業務

●電力自由化推進法案

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

1 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )について 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )の 構 成 構 成 記 載 内 容 第 1 章 はじめに 本 マニュアルの 目 的 記 載 内 容 について 説 明 しています 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 林 地

第 40 回 中 央 近 代 化 基 金 補 完 融 資 推 薦 申 込 み 公 募 要 綱 1 公 募 推 薦 総 枠 30 億 円 一 般 物 流 効 率 化 促 進 中 小 企 業 高 度 化 資 金 貸 付 対 象 事 業 の 合 計 枠 2 公 募 期 間 平 成 28 年 6 月 20

財政再計算結果_色変更.indd

<4D F736F F D F5A91EE8BC F368C8E3393FA8DC48D F C8E323893FA916493C B95AA8D CE3816A>

12 大 都 市 の 人 口 と 従 業 者 数 12 大 都 市 は 全 国 の 人 口 の 約 2 割 従 業 者 数 の 約 3 割 を 占 める 12 大 都 市 の 事 業 所 数 従 業 者 数 及 び 人 口 は 表 1 のとおりです これらの 12 大 都 市 を 合 わせると 全

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協

Microsoft Word - セット版●報告書要約2月28日「タイにおける省エネルギー技術として有効な屋根用省エネ塗料の技術協力事業」実証事業 (2)

第 節 ○○計画

PowerPoint プレゼンテーション

資 料 -6 平 成 20 年 度 第 2 回 北 陸 地 方 整 備 局 事 業 評 価 監 視 委 員 会 特 定 構 造 物 改 築 事 業 事 後 評 価 説 明 資 料 平 成 20 年 11 月 北 陸 地 方 整 備 局 -0-

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

< F2D91E F18BDF91E389BB955C8E D8E9689EF2E>

Microsoft Word PFI事業者選定結果の公表.doc

16 日本学生支援機構

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

科 売 上 原 価 売 上 総 利 益 損 益 計 算 書 ( 自 平 成 26 年 4 月 1 日 至 平 成 27 年 3 月 31 日 ) 目 売 上 高 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 営 業 利 益 営 業 外 収 益 受 取 保 険 金 受 取 支 援 金 補 助 金 収 入 保

高濃度硫化水素削減のための汚泥脱気装置の開発

スライド 1

目 次 第 1 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 1. 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 2. 施 行 者 の 名 称 1 第 2 施 行 地 区 1 1. 施 行 地 区 の 位 置 1 2. 施 行 地 区 位 置 図 1 3. 施 行 地 区 の 区 域 1 4

平成22年度

平 成 24 年 4 月 1 日 から 平 成 25 年 3 月 31 日 まで 公 益 目 的 事 業 科 目 公 1 公 2 公 3 公 4 法 人 会 計 合 計 共 通 小 計 苦 情 相 談 解 決 研 修 情 報 提 供 保 証 宅 建 取 引 健 全 育 成 Ⅰ. 一 般 正 味 財

<4D F736F F D AC90D1955D92E CC82CC895E DD8C D2816A2E646F63>

(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 A 18,248 11,166 4, ,066 6,42

Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 1 人

<6E32355F8D918DDB8BA697CD8BE28D C8EAE312E786C73>

<8C9A90DD94AD90B696D88DDE939982CC8DC48E918CB989BB82C98AD682B782E98E9696B18EE688B CC FC90B3816A2E786477>

記者発表資料

<4D F736F F D C689D789B582B581698AAE90AC92CA926D816A2E646F63>

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

Transcription:

37-13 CO2 貯 留 サイト 上 における 壌 並 びに 表 層 CO2ガスのモニタリン グとバンダリーダムCCSプロジェクト Monitering Method of Soil and Surface CO2 Gas-Flux for the Boundary Dam CCS Project 佐 々 木 久 郎 ( 九 州 大 学 ) 実 講 演 者 菅 井 裕 一 ( 九 州 大 学 ) 川 崎 航 ( 九 州 大 学 ) 内 藤 由 和 ( 中 外 テクノス 株 式 会 社 ) 川 村 太 郎 ( 中 外 テクノス 株 式 会 社 ) 福 馬 聡 之 ( 中 外 テクノス 株 式 会 社 ) CO2 貯 留 サイト 上 における 土 壌 並 びに 表 層 CO2ガスフラックスを 測 定 するための 測 定 機 器 および 非 定 常 濃 度 曲 線 に 基 づく 測 定 手 法 を 紹 介 する さらに 本 手 法 を 適 用 予 定 のカナダ サスカチュワン 州 バンダリーダムCCS プロジェクトの 現 地 状 況 を 紹 介 する

1. はじめに 大 気 中 の 二 酸 化 炭 素 (CO 2 )などの 温 室 効 果 ガスの 排 出 量 は 増 加 する 傾 向 にあるが, 削 減 方 法 については, 家 庭 での 省 エ ネルギーから 産 業 界 の 削 減 に 関 わる 取 組 みまで 多 くの 提 案 がなされており, 京 都 議 定 書 以 降, 地 球 温 暖 化 は 政 府 および 国 民 すべてが 関 わる 問 題 として 定 着 しつつある 経 済 成 長 と 環 境 保 全 を 両 立 させる 技 術 の 1 つが 二 酸 化 炭 素 回 収 地 中 貯 留 (CCS)であり,とくに 石 炭 を 環 境 的 に 持 続 可 能 な 形 で 発 電 に 利 用 できる 利 点 をもつ 世 界 的 に 実 証 試 験 や 商 業 プロジェク トが 実 施 されている CO 2 は, 帯 水 層 中 の 圧 力 と 温 度 によって,その 相, 比 容 積 および 水 への 溶 解 度 などが 決 定 される また, 圧 力 勾 配 や 自 然 に 存 在 する 圧 力 差, 浮 力 や 拡 散 等 により 移 動 するが,その 移 動 は 圧 入 によるものを 除 くと 極 めて 遅 い CO 2 挙 動 のモニ タリングに 観 測 坑 井 を 利 用 すれば, 地 中 の CO 2 挙 動 の 精 確 な 把 握 が 可 能 となるが, 観 測 井 そのものが CO 2 の 漏 洩 経 路 と ならないように 仕 上 げられる また, 石 油,ガス 田 開 発 で 蓄 積 された 広 域 調 査 に 有 利 な 地 震 波 探 査 法 が 主 な CO 2 モニタ リング 手 法 である 直 接 的 モニタリングには, 地 下 流 体 サンプルの 採 取, 地 表 付 近 のガス 採 取,トレーサー 試 験 などがあ る 例 えば, 地 層 水 への CO 2 溶 解 によって, 流 体 中 の HCO 3 -イオン 濃 度 の 変 化 や 酸 性 化 などの 現 象 を 捉 える 流 体 サンプ リングによるモニタリングは, 多 くの CCS プロジェクトで 実 施 されている 帯 水 層 上 部 に 完 全 な CO 2 ガスシール 層 が 存 在 することで 圧 入 された CO 2 は 長 期 に 渡 り 安 全 に 貯 留 されることが 実 証 さ れてきているが, 垂 直 方 向 の 微 細 なフラクチャーシステムなどが 存 在 する 場 合 は 長 期 的 なスパンで 漏 洩 の 可 能 性 が 残 る もちろん,このような 漏 洩 の 可 能 性 がない 貯 留 層 が 選 定 されることになるが,CCS 実 施 地 域 近 くの 住 民 の 安 全 安 心 を 確 保 するためには 陸 域 での CO 2 漏 洩 モニタリングは 不 可 欠 なものと 判 断 される 本 報 告 では,CO 2 貯 留 サイト 上 における 土 壌 並 びに 地 表 における CO 2 ガスの 放 散 フラックスを 測 定 するための 測 定 機 器 および 非 定 常 濃 度 曲 線 に 基 づく 閉 鎖 チャンバー 法 を 適 用 した 測 定 手 法 を 紹 介 し, 本 測 定 手 法 を 適 用 予 定 の 世 界 最 大 級 の 規 模 を 有 するカナダ サスカチュワン 州 バンダリーダム CCS プロジェクトの 現 地 状 況 と 今 後 の 著 者 らによるモニタリング の 取 り 組 みを 紹 介 する 2. 本 研 究 の 目 的 と 実 施 内 容 CCS によって 地 下 に 貯 留 された CO 2 の 地 表 への 漏 洩 の 検 出 のためには, 地 表 面 から 大 気 に 放 散 される 土 壌 CO 2 フラッ クスの 把 握 が 基 盤 データとして 必 要 である とくに,CCS に 関 連 する 地 表 面 での CO 2 放 散 フラックスの 挙 動 モニタリン グを 行 うためには,CCS 実 施 前 の CO 2 フラックスのバックグラウンド 値 が 必 要 である ただし, 自 然 界 で 発 生 する CO 2 フラックスは, 季 節, 天 候, 植 生, 微 生 物 の 影 響 を 受 け 変 動 する すなわち, 生 態 系 サイクルによって 生 成 される CO 2 フラックス 値 からベースライン 状 態 を 把 握 することにより,CCS に 起 因 する 地 表 面 における CO 2 放 散 フラックスを 議 論 することができる 本 研 究 では, 地 表 面 から 大 気 に 放 散 される 土 壌 CO 2 フラックスの 測 定 方 法 の 検 討 を 行 い, 土 壌 水 分 量 や 温 度 の 季 節 変 動 による 変 化 が 土 壌 表 面 から 放 散 される CO 2 フラックスに 与 える 影 響 を 明 らかにすることを 目 的 として,フィールド 測 定 を 実 施 した また, 実 際 に 土 壌 中 に 人 口 的 に 圧 入 された CO 2 ガスが 土 壌 表 面 へと 流 動 してきた 場 合 の, 圧 入 されたガ スと 地 表 面 から 大 気 中 に 放 散 される CO 2 フラックスとの 関 係 について 土 壌 モデルを 用 いた 室 内 実 験 を 行 い,その 測 定 誤 差 の 検 証 を 行 った 3. 地 表 面 からの 土 壌 CO 2 ガス 放 散 フラックスの 測 定 装 置 と 測 定 法 (1) CO 2 放 散 フラックスの 測 定 法 と 測 定 装 置 土 壌 中 から 大 気 へ 放 散 される CO 2 フラックスを 測 定 する 手 法 は, 大 きく 分 けて 2 種 類 に 分 類 される 1 つはチャンバー を 用 いた 方 法 で, 更 に 開 放 チャンバー 法 と, 閉 鎖 チャンバー 法 とに 分 けられる チャンバーを 用 いた 測 定 方 法 の 特 徴 とし て 簡 便 であること, 複 数 点 で 測 定 可 能 であること, 大 気 や 土 壌 等 の 測 定 環 境 へ 大 きな 影 響 を 与 えてしまうこと, 測 定 中 の 降 水 の 影 響 が 鈍 化 すること,チャンバー 内 外 の 気 圧 差 に 敏 感 であることが 挙 げられる これらの 方 法 では 測 定 環 境 への 擾 乱 が 小 さく, 高 い 時 間 分 解 能 を 持 つ CO 2 /H 2 O 分 析 計 が 必 要 とされる ただし, 降 水 中 は 測 定 できず, 測 定 機 器 が 一 般 的 に 高 価 である 閉 鎖 チャンバー 法 は,チャンバー 内 の 気 体 と 外 気 との 出 入 りがなく, 測 定 開 始 時 点 からのチャンバー 内 の CO 2 濃 度 の 時 間 変 化 を 計 測 する これに 対 し, 開 放 チャンバー 法 の 代 表 的 な 手 法 である 通 気 法 ではチャンバー 内 1 つの 導 入 口 から 外 気 を 送 り 込 み,もう 1 つの 導 入 口 から 同 じ 流 量 でチャンバー 内 の 空 気 を 吸 引 し,チャンバーに 入 る 前 の 空 気 とチャンバー を 通 過 した 空 気 に 含 まれる CO 2 の 濃 度 差 を 計 測 することにより,チャンバー 内 の 濃 度 変 化 を 求 める 本 研 究 では,バックグラウンドとして CO 2 放 散 フラックスの 測 定 方 法 として 閉 鎖 チャンバー 法 を 適 用 した 独 自 の 測 定

装 置 を 製 作 し,その 測 定 結 果 の 検 証 と 検 討 を 行 った 図 1 に 示 すように, 閉 鎖 チャンバーを 土 壌 表 面 に 被 せ,その 内 部 に 土 壌 から CO 2 が 閉 鎖 チャンバー 内 に 拡 散 放 散 され, 時 間 経 過 とともに CO 2 濃 度 が 指 数 関 数 的 に 増 加 した 後 に 土 壌 CO 2 濃 度 と 平 衡 となることを 利 用 し,フラックスを 算 定 する 測 定 装 置 は, 閉 鎖 チャンバーの 測 定 用 気 体 サンプルを 可 搬 赤 外 線 ガス 分 析 計 (CO 2 分 解 能 : 1ppm, 水 分 分 解 能 : 1% )に 導 き, 測 定 後 に 気 体 チャンバーに 戻 すことにより,チャンバー 内 の 圧 力 を 大 気 圧 に 保 持 するとともにチャンバー 内 を 気 体 の 撹 拌 流 動 を 実 現 する 手 法 を 採 用 し,CO 2 濃 度 の 時 間 変 化 によって 土 壌 表 面 からの CO 2 ガス 放 散 フラックス CO 2 flux を 算 定 する 濃 度 測 定 値 はタブレット 型 のコンピータに 収 録 される 測 定 装 置 全 体 はバッテリーで 駆 動 されるため,フィールドにおいても 電 源 の 制 約 を 受 けないシステムとなっている また, 試 験 フィールドにおける 放 散 フラックスの 測 定 の 妥 当 性 を 検 証 するため, 図 2 に 示 す 土 を 充 填 した 円 筒 容 器 (パ ケツ)を 用 いて, 人 工 的 に 調 整 した CO 2 フラックスを 容 器 底 部 から 放 散 させ, 土 壌 表 面 において 測 定 した CO 2 フラックス との 比 較 から 検 証 実 験 を 実 施 した フィルター 循 環 する 気 体 の 流 れ データ 集 録 解 析 CO 2, 水 分 分 析 器 9.5 cm チャンバー エアポンプ 18.5 cm 図 1 本 研 究 で 用 いた CO 2 放 散 フラックス 測 定 装 置 のシステム 図 および 製 作 した 測 定 装 置 図 2 室 内 実 験 における 土 を 充 填 した 円 筒 容 器 (パケツ)を 用 いた CO 2 フラックスの 検 証 実 験 の 状 況 (2) CO 2 放 散 フラックスの 算 定 方 法 図 3 に 示 すように,チャンバーを 土 壌 表 面 に 被 せた 時 刻 から 土 壌 から CO 2 がチャンバー 内 に 拡 散 し 累 積 されることから, 経 過 時 間 -CO 2 濃 度 変 化 (t-c chamber ) 曲 線 は, C chamber t ( CS C0) 1 exp (1) ここで C 0 : 初 期 チャンバー 内 の CO 2 濃 度 ( 大 気 中 の CO 2 濃 度 ) (-) C S : 土 壌 中 の CO 2 平 衡 濃 度 (-) t : 測 定 開 始 からの 経 過 時 間 (s) τ : 測 定 チャンバーの 時 定 数 (s)

で 近 似 的 に 表 されることから, 土 壌 表 面 における CO 2 の 放 散 フラックス CO 2 flux (m 3 /s/m 2 あるいは mol/s/m 2 )は V dc CO2 flux A dt chamber t 0 V CS C0 A (2) ここで V: チャンバーおよびチューブなどの 総 体 積 (m 3 ) S: チャンバーの 開 放 面 の 面 積 (m 2 ) から 算 定 できる 試 験 フィールドで 測 定 した 結 果 に 対 して, 上 記 式 (1)をマッチングさせ, 測 定 パラメータ(C S, C 0, τ)を 算 定 した 一 例 を 図 3 に 示 す 測 定 時 間 を 短 縮 するため 閉 鎖 チャンバーの CO 2 濃 度 が 平 衡 条 件 に 達 する 前 に 測 定 を 終 了 しているが,パラメー タの 算 定 における 誤 差 はほとんどないことを 確 認 している また, 図 2 に 示 した 土 ( 試 験 フィールドの 表 層 土 壌 )を 充 填 し た 円 筒 容 器 (パケツ)を 用 いた 室 内 実 験 によって 人 工 的 に 既 知 の CO 2 フラックスを 与 えて 測 定 を 行 った 結 果, 概 ね 本 測 定 法 によるフラックスの 測 定 誤 差 が 約 10% 以 内 であることを 検 証 した チヤンバー 内 CO2 濃 度 (ppm) 1200 1000 800 600 400 200 0 dc chamber dt t0 Equation(1) フィールド 実 測 値 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 経 過 時 間 (s) 図 3 チャンバー 内 CO 2 の 時 間 経 過 曲 線 のマッチングの 例 (C S =1050ppm, C 0 =490ppm, τ=780s) 図 4 九 州 大 学 伊 都 ナチュラル アナログフィールド( 右 下 :モニタリングポストの 試 作 機 による 試 験 実 施 状 況 ) 3. 土 壌 CO 2 の 大 気 への 放 散 測 定 結 果 九 州 大 学 伊 都 キャンパス 内 の 西 地 区 共 同 利 用 スペース( 伊 都 ナチュラル アナログフィールド, 図 4)において 土 壌 CO 2 の 放 散 フラックスのバックグラウンド 測 定 を 行 った 測 定 サイトは,100m の 垂 直 坑 井 2 本,20m の 垂 直 坑 井 3 本, 地 表 面 上 に 数 多 くのモニタリング 管 を 配 置 した 試 験 フィールドであり,その 試 験 内 容 は 既 に 報 告 しているので 省 略 する ( 菅 井 ら 1) ) 本 フィールドにおいて, 本 研 究 で 製 作 した 測 定 装 置 ( 図 1)によって 地 表 面 から 放 散 される CO 2 フラックスを 測 定 した 具 体 的 には, 開 放 部 分 と 地 表 面 が 接 するように 設 置 されたチャンバー 内 の CO 2 濃 度 変 化 をおよそ 30 分 間 測 定 し,その 結

果 から CO 2 フラックスを 求 めた また, 測 定 した CO 2 放 散 フラックスと 地 表 面 から 深 さ 2cm 程 度 の 地 点 の 土 壌 温 度, 土 壌 水 分 量, 大 気 温, 地 表 風 速 などとの 関 連 性 の 評 価 を 行 った それらの 検 討 結 果 の 一 例 として, 土 壌 温 度 と O 2 フラック スの 関 係 を 図 5 に 示 す 土 壌 温 度 が 20 の CO 2 放 散 フラックスは 概 ね CO 2 flux = 2 μmol/s/m 2 のであり, 温 度 上 昇 に 伴 い フラックスも 上 昇 する 傾 向 が 明 らかである これは, 土 壌 中 における 微 生 物 活 動 が 温 度 の 上 昇 にともなって 活 発 化 するこ とで 土 壌 中 の CO 2 濃 度 を 上 昇 させ, 最 終 的 にガスの 分 子 拡 散 による 大 気 への 放 散 量 が 増 加 したものと 推 定 される 土 壌 温 度 のほか, 土 壌 水 分, 地 表 の 風 速 などとの 関 連 性 について 検 討 している 5.E-06 CO 2 放 散 フラックス CO2flux (mol/s/m 2 ), 4.E-06 3.E-06 2.E-06 1.E-06 0.E+00 0 5 10 15 20 25 30 35 地 表 近 傍 の 土 壌 温 度 ( C) 図 5 伊 都 ナチュラル アナログフィールドおける 表 層 土 壌 から 大 気 へ 放 散 される CO 2 フラックスのバックグランド 値 4. バウンダリーダム CCS プロジェクトについて 米 国 国 境 に 近 いカナダ サスカチュワン 州 エステバンにあるバンダリーダム(Boundary Dam) 石 炭 火 力 発 電 所 の 3 号 機 の 石 炭 燃 焼 排 ガス 中 の 90%の CO 2 を 回 収 し, 年 間 約 100 万 トンを 回 収 する 最 新 の 装 置 を 新 設 する 改 修 工 事 が SaskPower 社 によって 実 施 されており,2014 年 から 帯 水 層 に 貯 留 する CCS が 開 始 される SaskPower 社,サスカチュワン 州 政 府,カ ナダ 政 府 がこれらの 改 造 に 12.4 億 ドルの 投 資 を 実 施 し, 付 加 回 収 した CO 2 を 主 として 石 油 会 社 である Cenovus Energy 社 に 販 売 し, 余 剰 が 出 る 場 合 は 近 傍 の 帯 水 層 へ 貯 留 するプロジェクトである 2013 年 10 月 に,Brad Wall サスカチュワン 州 首 相 同 席 のもと,SaskPower 社, K-Coal Canada 社, 中 外 テクノス の 三 者 間 で 上 記 プロジェクトにおける CO 2 監 視 技 術 に 関 する 覚 書 が 締 結 された 2) 中 外 テクノス( 株 )は 先 端 的 な 地 表 の CO 2 監 視 システムを 開 発 して 提 供 し, 土 壌 CO 2 の バックグランド 測 定 値 に 関 して 九 州 大 学 の 研 究 グループが 検 証 を 担 当 することになった 中 外 テクノス( 株 )が 開 発 製 作 した CO 2 地 表 漏 洩 モニタリングシステム( 図 6)は,CO 2 貯 留 サイトの 10 か 所 程 度 に 2014 年 の 春 季 に 設 置 され,モニタリングを 開 始 する このモニタリングシステムは, 大 規 模 な 連 続 測 定 における 安 定 性, 費 用 対 効 果 性, 高 い 信 頼 性, 実 施 可 能 性 を 提 供 し, 利 用 し 易 いシステム 構 成 とすることで CCS 技 術 に 関 する 地 域 住 民 の 受 容 性 を 高 める 役 割 を 果 たす 九 州 大 学 の 研 究 グループは,フィールドにおける CO 2 漏 洩 モニタリングの 測 定 値 および 測 定 結 果 の 検 証 や 現 地 の 土 壌 CO 2 放 散 フラックスのバックグラウンドや 変 動 特 性 などのデータを 提 供 する 2013 年 9 月 にバンダリーダム 発 電 所 近 くの 地 中 貯 留 地 域 において 主 要 地 点 の 事 前 の 現 地 調 査 を 実 施 し,CO 2 放 散 フラックス 測 定 法 の 確 認 を 行 っている( 図 7) 2014 年 春 以 降 に 本 格 的 な 測 定 を 中 外 テクノス( 株 )と 協 力 して 実 施 する 予 定 である 5. まとめ 本 報 告 では, 地 表 面 から 大 気 に 放 散 される 土 壌 CO 2 放 散 フラックスの 測 定 方 法 の 検 討 を 行 い, 土 壌 水 分 量 や 温 度 の 季 節 変 動 による 変 化 が 土 壌 表 面 から 放 散 される CO 2 フラックスに 与 える 影 響 を 明 らかにすることを 目 的 として, 九 州 大 学 伊 都 ナチュラル アナログフィールドおよび 室 内 実 験 による 土 壌 モデルを 用 いた 検 証 結 果 を 報 告 した さらに, 今 後 予 定 しているバウンダリーダム CCS プロジェクトに 使 用 される CO 2 モニタリングシステムの 開 発 経 過 と 事 前 調 査 の 状 況 を 紹 介 した 最 後 に, 本 研 究 は 科 研 費 (60178639)および 中 外 テクノス との 共 同 研 究 として 実 施 されたことを 付 記 する

図 6 バンダリーダム CCS プロジェクトに 設 置 予 定 の 中 外 テクノス( 株 ) 製 CO 2 モニタリングポスト ( 太 陽 光 発 電 装 置 による 24 時 間 無 人 測 定 と 遠 隔 データ 転 送 ) 図 7 バンダリーダム 発 電 所 近 くの 地 中 貯 留 地 域 における 九 州 大 学 グループによる 現 地 調 査 (H25.9.11) 参 考 文 献 1) 菅 井 佐 々 木 ら: CO 2 の 漏 洩 モニタリング 手 法 に 関 するパイロット 試 験, 資 源 素 材 学 会 秋 季 大 会 ( 資 源 素 材 2013 札 幌 ), 2013.09.03. 2) SaskPower News Release: SaskPower signs carbon capture and storage monitoring system MOU with Chugai Technos, K-Coal, http://www.saskpower.com/about-us/media-information/news-releases/saskpower-signs-carbon-capture-and-storage-monitoringsystem-mou-with-chugai-technos-k-coal/, 2013.