2013 年 海 賊 対 処 レポート 2014 年 3 月 ソマリア 沖 アデン 湾 における 海 賊 対 処 に 関 する 関 係 省 庁 連 絡 会
はじめに 本 レポートは ソマリア 海 賊 の 動 向 や 我 が 国 の 取 組 みとその 成 果 等 について 201 3 年 分 をとりまとめたものである ソマリア 沖 アデン 湾 における 海 賊 対 処 については 下 記 の 関 係 省 庁 連 絡 会 を 発 足 し 継 続 的 に 情 報 共 有 分 析 を 行 っている ソマリア 海 賊 に 対 して 内 閣 官 房 を 含 めた 関 係 省 庁 が 一 体 となり 対 策 を 検 討 実 施 しているところ であり 引 き 続 き ソマリア 海 賊 問 題 解 決 のために 積 極 的 に 取 り 組 んでまいりたい ソマリア 沖 アデン 湾 における 海 賊 対 処 に 関 する 関 係 省 庁 連 絡 会 内 閣 官 房 副 長 官 補 ( 事 態 対 処 危 機 管 理 担 当 )が 主 宰 し 下 記 構 成 員 により 定 期 的 に ソマリア 海 賊 の 動 向 等 に 係 る 情 報 共 有 のために 会 議 を 開 催 している 内 閣 官 房 副 長 官 補 ( 事 態 対 処 危 機 管 理 担 当 ) 付 内 閣 審 議 官 内 閣 官 房 副 長 官 補 ( 事 態 対 処 危 機 管 理 担 当 ) 付 内 閣 官 房 ( 総 合 海 洋 政 策 本 部 事 務 局 ) 法 務 省 ( 刑 事 局 ) 外 務 省 ( 総 合 外 交 政 策 局 ) 水 産 庁 ( 資 源 管 理 部 ) 国 土 交 通 省 ( 海 事 局 ) 海 上 保 安 庁 ( 警 備 救 難 部 ) 防 衛 省 ( 運 用 企 画 局 統 幕 運 用 部 )
目 次 1 ソマリアを 拠 点 とする 海 賊 (ソマリア 海 賊 )の 現 状 1 (1)ソマリア 沖 アデン 湾 について 1 (2)ソマリア 海 賊 の 現 状 2 (3) 日 本 関 係 船 舶 に 対 するソマリア 海 賊 事 案 9 2 ソマリア 海 賊 に 対 する 国 際 社 会 及 び 我 が 国 の 取 組 み 10 (1) 国 際 社 会 の 取 組 み 10 (2) 我 が 国 の 取 組 み 11 (3) 取 組 みの 成 果 25 3 我 が 国 の 海 賊 対 策 に 関 する 内 外 からの 評 価 等 28 4 その 他 31 参 考 資 料 ( 別 紙 1 2)
1 ソマリアを 拠 点 とする 海 賊 (ソマリア 海 賊 )の 現 状 (1)ソマリア 沖 アデン 湾 について 我 が 国 は 国 民 の 安 定 的 な 経 済 社 会 生 活 の 基 盤 となる 各 種 エネルギー 資 源 や 鉱 物 資 源 漁 業 資 源 農 産 物 やその 他 の 資 源 の 多 くを 海 外 から 輸 入 しており 貿 易 量 (トン 数 ベース)の99.7%が 海 上 輸 送 に 依 存 していることから 船 舶 の 航 行 の 安 全 確 保 は 我 が 国 経 済 及 び 国 民 生 活 にとって 重 要 不 可 欠 である なかでも 日 本 から 約 12,000km 離 れたアデン 湾 は スエズ 運 河 を 経 由 してアジアと 欧 州 を 結 び 我 が 国 にとっても 極 めて 重 要 な 海 上 交 通 路 となってい る ここは 年 間 約 1 万 8000 隻 の 世 界 の 船 舶 が 通 航 しているが そのほぼ1 割 にあたる 約 1,600 隻 は 日 本 関 係 船 舶 である そして 全 世 界 のコンテナ 貨 物 の 約 20% 日 本 からの 総 輸 出 自 動 車 全 体 の 約 15%にあたる 約 71 万 台 の 自 動 車 が 同 海 域 を 通 過 して 運 ばれている このことから この 海 域 における 船 舶 の 安 全 確 保 は 我 が 国 における 喫 緊 の 重 要 課 題 のひとつである 日 本 関 係 船 舶 : 日 本 籍 船 及 び 邦 船 社 が 運 航 する 外 国 籍 船 通 航 実 績 ( 日 本 関 係 船 舶 ) 通 航 隻 数 : 年 間 約 1,600 隻 ( 自 動 車 専 用 船 : 約 38% コンテナ 船 : 約 29% ケミカル 船 : 約 14% LNG 船 : 約 8% プロダクトタンカー: 約 5%) - 1 -
(2)ソマリア 海 賊 の 現 状 ア ソマリア 海 賊 の 活 動 は 引 き 続 き 予 断 を 許 さない 状 況 2013 年 の 国 際 商 業 会 議 所 (ICC:International Chamber of Commerce) 国 際 海 事 局 (IMB:International Maritime Bureau)の 年 次 報 告 書 によれば 2013 年 の 全 世 界 の 海 賊 武 装 強 盗 事 案 ( 以 下 海 賊 事 案 という ) 発 生 件 数 は264 件 であった 最 近 5 年 間 の 全 世 界 の 海 賊 事 案 発 生 件 数 は ピークで あった2010 年 が445 件 2011 年 が439 件 2012 年 が297 件 であり 全 世 界 の 海 賊 事 案 の 発 生 総 件 数 は 減 少 傾 向 にある これはソマリア 海 賊 事 案 発 生 件 数 の 減 少 に 大 きく 依 拠 しているといえる( 図 1) なお 全 世 界 で は 東 南 アジア 特 にインドネシアでの 海 賊 発 生 件 数 が 増 加 傾 向 であり また 昨 年 1 年 間 に 全 世 界 では 船 舶 12 隻 がハイジャックされ 計 304 名 が 海 賊 に 抑 留 されるなどの 被 害 が 発 生 した ソマリア 海 賊 事 案 発 生 件 数 は 2011 年 には 全 世 界 の 発 生 件 数 の 半 数 以 上 を 占 めるに 至 り 船 舶 航 行 の 安 全 に 対 する 脅 威 として 大 きな 国 際 的 関 心 を 集 め ている 2008 年 から 急 増 したソマリア 海 賊 事 案 発 生 件 数 は 2009 年 が218 件 2010 年 が219 件 2011 年 が237 件 と 増 加 の 一 途 を 辿 ったが 国 際 社 会 の 様 々な 取 組 みの 結 果 2012 年 は75 件 2013 年 は15 件 と 激 減 した 2013 年 にハイジャックされた 船 舶 は2 隻 34 名 が 海 賊 に 拘 束 された なお 2013 年 12 月 31 日 現 在 船 舶 2 隻 及 びこれに 乗 船 している15 名 が 身 代 金 目 的 で 船 上 にて 抑 留 されているほか 49 名 が 陸 上 で 抑 留 されたま まである この 減 少 の 理 由 は 上 記 の 年 次 報 告 書 でも 指 摘 されているとおり アデン 湾 における 自 衛 隊 を 含 む 各 国 海 軍 等 による 海 賊 対 処 活 動 の 継 続 商 船 側 によるベ スト マネジメント プラクティス(BMP) に 基 づく 自 衛 措 置 の 実 施 商 船 への 武 装 警 備 員 の 乗 船 等 国 際 社 会 による 海 賊 対 策 の 成 果 の 現 れであるといえ る とりわけ 各 国 海 軍 による 海 賊 対 処 活 動 はソマリア 海 賊 に 対 する 抑 止 力 と なっている また 2012 年 8 月 ソマリアに 過 去 21 年 間 で 初 めて 統 一 政 府 が 樹 立 されたことも 要 因 としてあげられる 海 賊 事 案 は 減 少 したものの 海 賊 を 生 み 出 す 根 本 的 な 原 因 となるソマリア 国 内 の 貧 困 や 若 者 の 就 職 難 等 は 解 決 しておらず また ソマリアは 2012 年 8 月 に 暫 定 連 邦 政 府 から 連 邦 政 府 に 移 行 したばかりであり ソマリア 自 身 で 海 賊 を 取 り 締 まる 能 力 は 未 だ 不 十 分 である そして 海 賊 行 為 を 行 う 犯 罪 組 織 が - 2 -
壊 滅 していない 現 状 を 踏 まえれば 依 然 としてソマリア 沖 アデン 湾 の 状 況 は 予 断 を 許 さず 国 際 社 会 がこれまでの 取 組 みを 弱 めれば 状 況 は 容 易 に 逆 転 す るおそれがある BMP とは 国 際 海 運 会 議 所 等 海 運 に 関 連 の 深 い 各 種 団 体 により 作 成 された ソ マリア 海 賊 による 被 害 を 防 止 し 又 は 最 小 化 するための 船 舶 運 航 者 による 措 置 ( 船 舶 による 海 賊 行 為 の 回 避 措 置 船 内 の 避 難 区 画 (シタデル)の 整 備 等 )をまとめたもの 500 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 102 445 370 329 335 276 263 239 153 153 170 158 83 70 20 18 21 12 48 22 51 410 293 218 111 54 46 445 439 297 237 219 264 104 128 80 70 75 15 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 ( 年 ) 世 界 全 体 ソマリア 海 賊 東 南 アジア 図 1 ソマリア 海 賊 事 案 の 発 生 状 況 - 3 -
イ ソマリア 海 賊 事 案 の 発 生 海 域 の 変 化 ソマリア 海 賊 事 案 が 急 増 した2008 年 は 海 賊 事 案 の 大 部 分 がアデン 湾 に 集 中 していた 海 賊 対 処 のために 約 30か 国 がソマリア 沖 アデン 湾 に 軍 艦 軍 用 機 等 を 派 遣 して 活 動 を 強 化 する 一 方 で 海 賊 事 案 は 2009 年 にはソマリア 東 方 海 域 特 にセーシェル 周 辺 海 域 で 増 加 するようになり 2010 年 には ケ ニア タンザニア 沖 や 西 インド 洋 の 広 大 な 海 域 へと 拡 大 していった 2011 年 から2012 年 前 半 にかけては ペルシャ 湾 からの 石 油 輸 送 ルートの 近 傍 となる オマーン 沖 に 集 中 して 発 生 した 2012 年 後 半 以 降 海 賊 発 生 件 数 は 減 少 し 2013 年 は 西 インド 洋 に 拡 大 していた 海 賊 事 案 は 収 束 したが ソマリア 沖 及 びアデン 湾 での 海 賊 事 案 は 引 き 続 き 発 生 した( 図 2) また ソマリア 沖 では 毎 年 夏 と 冬 の 一 定 の 時 期 に 季 節 風 (モンスーン)が 吹 き 沿 岸 諸 国 の 海 上 貿 易 交 通 に 大 きな 影 響 を 与 えている 小 型 船 舶 を 使 用 する 海 賊 にとってモンスーンの 影 響 は 大 きいと 考 えられ 過 去 5 年 間 の 海 賊 事 案 発 生 件 数 は モンスーン 期 に 減 少 している( 図 3) - 4 -
2008年 アデン湾で急増 2009年 セーシェル周辺海域に拡大 2010年 インド西岸沖 ケニア タンザニア沖に拡大 2013年 ソマリア沖 アデン湾で海賊事案継続 2012年 減少傾向 = 海賊に乗り込まれた事案 = 海賊に襲撃されたが振り切った事案 銃撃なし 図2 2011年 オマーン沖に集中 = 海賊に襲撃されたが振り切った事案 銃撃あり = 海賊の疑いがある船舶 ソマリア海賊事案発生場所の推移 -5- = 武装強盗事案
( 件 ) 120 100 80 60 40 2013 年 2012 年 2011 年 2010 年 2009 年 20 0 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 季 節 風 (モンスーン) 期 図 3 ソマリア 海 賊 事 案 発 生 件 数 の 月 別 推 移 海 上 自 衛 隊 P-3C 哨 戒 機 が 撮 影 した 海 賊 らしいスキフ( 小 型 ボート) - 6 -
ウ ソマリア 海 賊 の 手 口 と 対 処 法 世 界 で 発 生 している 海 賊 事 案 は 夜 間 港 の 沖 合 に 停 泊 している 船 舶 に 侵 入 し て 乗 組 員 の 金 品 や 船 舶 の 備 品 等 を 奪 取 するといった 強 盗 のようなものが 多 い 一 方 ソマリア 海 賊 は ハイジャックを 目 的 に 航 行 中 の 船 舶 を 自 動 小 銃 やロケッ ト ランチャーで 襲 撃 する 事 象 がほとんどである その 手 口 は 遠 方 への 航 行 能 力 を 有 する 母 船 に 数 隻 の 襲 撃 用 の 高 速 小 型 ボートを 搭 載 又 は 曳 航 して 洋 上 を 徘 徊 し ターゲットとする 船 舶 に 向 けて 小 型 ボートで 接 近 して 発 砲 し 停 船 させるか あるいはターゲットに 接 近 したところで 梯 子 やロープを 引 っかけて 船 へ 乗 り 込 み 船 舶 そのものを 支 配 し 乗 組 員 を 人 質 として 身 代 金 を 要 求 するのが 一 般 的 で ある 近 年 は ハイジャックした 商 船 を 海 賊 母 船 として 使 用 することで 遠 洋 での 活 動 も 可 能 となり 不 意 をついて 他 の 商 船 を 襲 撃 するといった 事 案 も 発 生 している さらに 海 賊 が 軍 艦 を 攻 撃 するという 事 案 も 発 生 しているほか 2010 年 には アデン 湾 において 中 国 海 軍 の 護 衛 を 受 けていた 商 船 が 襲 撃 される 事 案 が 発 生 し た また 海 賊 とみられる 小 型 ボートが 距 離 を 取 りつつ 商 船 の 周 囲 を 航 行 する 事 例 も 報 告 されており 武 装 警 備 員 の 有 無 等 をうかがっていたのではないか という 指 摘 もある 商 船 に 乗 り 移 ろうとする 海 賊 ロケット ランチャーを 構 える 海 賊 人 質 に 向 かって 銃 を 構 える 海 賊 - 7 -
海 賊 の 襲 撃 を 受 けた 商 船 が ハイジャックを 回 避 する 手 段 としては 1 船 舶 の 増 速 ジグザク 航 行 放 水 等 の 回 避 運 動 措 置 の 実 施 2 乗 船 中 の 武 装 警 備 員 に よる 威 嚇 警 告 射 撃 応 戦 等 の 実 施 3 軍 艦 等 への 救 難 要 請 4シタデルと 呼 ば れる 船 内 の 緊 急 用 の 避 難 区 画 への 退 避 等 がある IMBの 年 次 報 告 書 によれば 2013 年 に 発 生 したソマリア 海 賊 事 案 15 件 のうち 13 件 がハイジャックを 回 避 しており その13 件 は 武 装 警 備 員 を 乗 船 させ 海 賊 に 対 して 威 嚇 等 を 行 ったことが 共 通 している なお 2011 年 にはソマリア 海 賊 事 案 237 件 のうち209 件 2012 年 にはソマリア 海 賊 事 案 75 件 のうち61 件 が それぞれハイジャックを 回 避 して いる ( 図 4) 1 回 避 運 動 措 置 等 39.3% 43.1% 84.6% 2 武 装 警 備 員 の 威 嚇 等 54.1% 43.5% 100.0% 2013 年 3 軍 艦 等 による 対 応 3.8% 14.8% 30.8% 2012 年 2011 年 4シタデルへの 退 避 等 8.6% 21.3% 46.2% 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0% 2011 年 2012 年 2013 年 ソマリア 海 賊 事 案 発 生 件 数 237 75 15 ハイジャック 回 避 件 数 209 61 13 1 回 避 運 動 措 置 等 90 (43.1%) 24 (39.3%) 11 (84.6%) 2 武 装 警 備 員 の 威 嚇 等 91 (43.5%) 33 (54.1%) 13 (100.0%) 3 軍 艦 等 による 対 応 8 (3.8%) 9 (14.8%) 4 (30.8%) 4シタデルへの 退 避 等 18 (8.6%) 13 (21.3%) 6 (46.2%) 回 避 した 船 舶 が 複 数 の 措 置 を 実 施 している 場 合 は 複 数 回 答 () 内 は 回 避 した 船 舶 が その 項 目 の 措 置 を 実 施 した 比 率 図 4 回 避 船 舶 のソマリア 海 賊 回 避 手 段 の 実 施 状 況 実 施 率 - 8 -
(3) 日 本 関 係 船 舶 に 対 するソマリア 海 賊 事 案 ソマリア 海 賊 により 日 本 関 係 船 舶 が 受 けた 近 年 の 被 害 状 況 は 別 紙 第 1のとおりで ある 2013 年 に 世 界 全 体 で 発 生 した 日 本 関 係 船 舶 の 海 賊 被 害 件 数 は9 件 であるが 全 てインドネシア 周 辺 海 域 で 発 生 し ソマリア 海 賊 によるものは 発 生 しなかった - 9 -
2 ソマリア 海 賊 に 対 する 国 際 社 会 及 び 我 が 国 の 取 組 み (1) 国 際 社 会 の 取 組 み ソマリアの 海 賊 問 題 に 対 処 するため 多 くの 国 連 安 保 理 決 議 が 採 択 されてお り 海 賊 抑 止 のための 軍 艦 軍 用 機 の 派 遣 ソマリア 周 辺 国 での 情 報 共 有 セン ター(ISC:Information Sharing Center)の 設 立 支 援 ソマリアの 能 力 向 上 支 援 等 の 協 力 が 呼 びかけられている 2009 年 には 各 国 による 海 賊 対 策 や 国 際 協 力 の 調 整 情 報 交 換 を 目 的 と してソマリア 沖 海 賊 対 策 コンタクトグループが 国 連 に 設 置 されている また 国 連 以 外 の 国 際 会 議 でも アフリカ 開 発 会 議 (TICAD V) G8 関 連 会 合 やアジア 欧 州 会 合 (ASEM) 等 において 海 賊 対 策 が 議 論 されている このうち 2013 年 6 月 に 我 が 国 が 主 催 した TICAD V で 採 択 された 横 浜 宣 言 2013 では テロや 海 賊 国 際 組 織 犯 罪 等 国 境 を 越 える 課 題 の 解 決 は 安 定 したアフリカ 大 陸 を 実 現 するために 必 須 である と 言 及 されている 2013 年 12 月 現 在 - 10 -
(2) 我 が 国 の 取 組 み ア 海 賊 対 処 行 動 について 2009 年 3 月 内 閣 総 理 大 臣 の 承 認 を 得 て 海 上 警 備 行 動 が 発 令 され 海 賊 対 処 のために 海 上 自 衛 隊 の 護 衛 艦 2 隻 ( 司 法 警 察 活 動 のための 海 上 保 安 官 8 名 が 同 乗 )をソマリア 沖 アデン 湾 に 派 遣 して アデン 湾 を 通 航 する 商 船 等 の 護 衛 活 動 を 開 始 した また 2009 年 5 月 海 上 自 衛 隊 のP-3C 哨 戒 機 2 機 をソマリア 沖 アデン 湾 に 派 遣 して 同 年 6 月 アデン 湾 の 警 戒 監 視 活 動 を 開 始 した 2009 年 6 月 に 海 賊 行 為 の 処 罰 及 び 海 賊 行 為 への 対 処 に 関 する 法 律 ( 以 下 海 賊 対 処 法 という )が 成 立 し 同 年 7 月 から 同 法 に 基 づく 海 賊 対 処 行 動 として 自 衛 隊 の 部 隊 ( 海 賊 行 為 への 対 処 を 護 衛 艦 により 行 う 部 隊 と 航 空 機 に より 行 う 部 隊 護 衛 艦 には 引 き 続 き 海 上 保 安 官 が 同 乗 )が ソマリア 沖 アデン 湾 において 海 賊 行 為 に 対 処 するための 護 衛 活 動 及 び 警 戒 監 視 活 動 を 行 ってい る 2013 年 12 月 まで 護 衛 艦 による 海 賊 対 処 行 動 は 専 ら 護 衛 艦 が 船 団 を 直 接 エスコートする 方 法 により 実 施 していた (エスコートする 航 路 について は モンスーンの 影 響 による 海 賊 発 生 海 域 の 変 化 を 踏 まえ モンスーンの 影 響 が 小 さく 海 賊 が 遠 洋 に 進 出 する 時 期 には 航 路 を 約 200km 東 方 に 延 長 するな ど 柔 軟 な 運 用 を 図 っている ) P-3C 哨 戒 機 は ジブチを 拠 点 として 警 戒 監 視 や 情 報 収 集 民 間 船 舶 や 海 賊 対 処 に 従 事 する 他 国 艦 艇 への 情 報 提 供 を 行 っている これにより 民 間 船 舶 は 海 賊 を 回 避 し 他 国 艦 艇 は 効 率 的 に 警 戒 監 視 立 入 検 査 武 器 の 押 収 等 を 行 うことが 可 能 となり 海 賊 行 為 の 未 然 防 止 に 大 きく 寄 与 している 2013 年 12 月 から 海 賊 対 処 を 行 う 諸 外 国 の 部 隊 と 協 調 してより 効 果 的 に 船 舶 を 防 護 するため これまでのエスコート 方 式 による 護 衛 に 加 え CTF 151( 後 述 コラム2 を 参 照 )に 参 加 してゾーンディフェンス を 実 施 して いる また 同 月 P-3C 哨 戒 機 を 運 用 する 自 衛 隊 の 航 空 隊 も2014 年 2 月 からCTF151に 参 加 することを 決 定 した 艦 艇 が 特 定 の 海 域 の 中 にとどまって 警 戒 監 視 を 行 うことにより 航 行 する 船 舶 を 海 賊 行 為 から 防 護 する 活 動 海 域 は ソマリア 沖 アデン 湾 のうち CTF151 司 令 部 から 参 加 する 各 国 の 部 隊 の 艦 艇 に 対 して 割 り 振 られる - 11 -
海 賊 対 処 行 動 の 概 要 1 隻 護 衛 1 隻 ゾーンディフェンスの 活 動 を 基 本 護 衛 については 我 が 国 独 自 枠 組 み ゾーン ディフェンスについてはCTF151に 参 加 して 実 施 CTF151 司 令 部 と 参 加 部 隊 との 関 係 は 連 絡 調 整 の 関 係 護 衛 に1 隻 割 当 て ゾーンディフェンスに 1 隻 割 当 て B 点 C 点 C 点 モンスーン 期 (6 月 ~8 月 12 月 ~2 月 )はA-B 点 の 護 衛 を 実 施 警 戒 監 視 情 報 収 集 提 供 を 実 施 ジブチ A 点 第 151 連 合 任 務 部 隊 (CTF151) 2009 年 1 月 に 設 置 された 海 賊 対 処 のための 連 合 任 務 部 隊 で 米 国 豪 州 英 国 トルコ 韓 国 パキスタン 等 が 参 加 参 加 国 は 同 部 隊 司 令 部 と 配 置 日 程 等 を 連 絡 調 整 の 上 任 務 に 当 たる 情 報 収 集 B 点 情 報 提 供 海 賊 の 疑 いの ある 船 舶 商 船 派 遣 海 賊 対 処 行 動 水 上 部 隊 護 衛 対 象 船 舶 0 自 衛 官 とともに 海 賊 行 為 の 監 視 を 行 う 海 上 保 安 官 ( 右 から2 番 目 ) - 12 -
コラム1 安 倍 内 閣 総 理 大 臣 がジブチで 激 励! 安 倍 内 閣 総 理 大 臣 のジブチ 活 動 拠 点 の 視 察 2013 年 8 月 27 日 安 倍 総 理 は ジブチを 訪 問 し 自 衛 隊 の 航 空 隊 の 活 動 拠 点 を 視 察 しました 隊 長 から 活 動 概 況 等 の 説 明 を 受 け 隊 員 との 昼 食 やジ ブチ 活 動 拠 点 内 を 視 察 した 後 部 隊 に 対 して 訓 示 を 行 いました 派 遣 隊 員 との 昼 食 部 隊 への 訓 示 - 13 -
コラム2 CTF151 って 何 だろう? バーレーンに 本 部 を 置 く 連 合 海 上 部 隊 (CMF)は 2009 年 1 月 に 海 賊 対 処 のための 多 国 籍 部 隊 として 第 151 連 合 任 務 部 隊 (CTF151) を 設 置 しました CTF151の 下 でこれまで 米 国 豪 州 英 国 トルコ 韓 国 パキスタン 等 がゾーンディフェンスを 実 施 しています また CTF 151の 司 令 官 は 約 4か 月 ごとに 参 加 国 の 間 で 持 ち 回 りにより 交 代 し そ の 勢 力 は 参 加 国 の 艦 艇 航 空 機 及 び 人 員 の 派 出 状 況 により 変 化 します なお CTF151 司 令 部 と 参 加 部 隊 との 関 係 は 指 揮 関 係 ではなく 連 絡 調 整 の 関 係 であり 参 加 部 隊 はそれぞれの 国 内 法 的 能 力 的 制 約 の 範 囲 内 において 行 い 得 る 活 動 を 実 施 することとなっています ミラーCMF 司 令 官 の 訪 日 2013 年 12 月 外 務 省 の 招 聘 によって ミラーCMF 司 令 官 ( 米 中 央 海 軍 兼 米 海 軍 第 5 艦 隊 司 令 官 )が 訪 日 しました 日 本 滞 在 中 には 安 倍 内 閣 総 理 大 臣 小 野 寺 防 衛 大 臣 への 表 敬 をはじめ 自 衛 隊 外 務 省 関 係 者 及 び 日 本 船 主 協 会 会 長 との 意 見 交 換 を 行 いました また 日 本 国 際 問 題 研 究 所 では 中 東 情 勢 に 関 する 講 演 も 行 われました 総 理 表 敬 の 際 安 倍 総 理 から 日 本 は 積 極 的 平 和 主 義 の 立 場 から 海 賊 対 処 をはじめ 地 域 と 国 際 社 会 の 平 和 と 安 定 に 一 層 貢 献 していく 旨 が 伝 えられ ミラー 司 令 官 からは これまでの 自 衛 隊 の 海 賊 対 処 について 高 い 評 価 がなされるとともに 自 衛 隊 護 衛 艦 のCTF151への 参 加 について の 感 謝 を 述 べました - 14 -
イ 2013 年 の 海 賊 対 処 行 動 の 実 績 護 衛 艦 による 護 衛 活 動 護 衛 回 数 :106 回 ( 海 賊 対 処 法 に 基 づく 護 衛 開 始 以 来 の 累 計 484 回 以 下 同 じ) 護 衛 隻 数 :380 隻 ( 累 計 3,189 隻 ) < 内 訳 > 日 本 籍 船 0 隻 ( 累 計 15 隻 ) 邦 船 社 が 運 航 する 外 国 籍 船 45 隻 ( 累 計 586 隻 ) その 他 の 外 国 籍 船 335 隻 ( 累 計 2,588 隻 ) 商 船 を 護 衛 する 護 衛 艦 警 戒 監 視 のために 護 衛 艦 から 発 艦 するヘリコプター - 15 -
護 衛 船 舶 の 概 要 船 舶 の 種 類 の 内 訳 ( 船 種 ) 一 般 貨 物 船 10 167 177 タンカー 35 131 166 LPG 船 6 9 15 専 用 貨 物 船 2 6 8 LNG 船 0 6 6 客 船 2 2 4 コンテナ 船 2 1 3 日 本 関 連 船 舶 計 58 隻 その 他 外 国 船 舶 計 322 隻 自 動 車 専 用 船 1 0 1 0 50 100 150 200 250 300 ( 隻 数 ) 日 本 関 連 船 舶 : 日 本 関 係 船 舶 及 び 日 本 企 業 が 船 主 船 舶 管 理 会 社 等 日 本 に 関 連 のある 船 舶 船 舶 の 種 類 別 では 一 般 貨 物 船 とタンカーで 約 90%を 占 めており また 日 本 関 連 船 舶 は 約 15%を 占 めている 船 舶 運 航 会 社 の 国 籍 の 内 訳 ( 国 籍 ) ギリシャ 54 中 国 52 日 本 45 トルコ 44 シンガポール 34 その 他 151 0 50 100 150 200 中 国 の 国 籍 数 には 香 港 を 含 む 船 舶 運 航 会 社 の 国 籍 別 では 日 本 が 約 10%を 占 めている ( 隻 数 ) - 16 -
船 籍 の 内 訳 ( 上 位 5か 国 ) ( 国 籍 ) パナマ 45 59 104 リベリア 2 31 33 中 国 2 31 33 シンガポール 2 31 33 日 本 関 連 船 舶 インド 1 30 31 その 他 外 国 船 舶 その 他 6 140 146 0 50 100 150 200 250 中 国 の 国 籍 数 には 香 港 を 含 む 船 籍 別 では パナマ 籍 船 が 約 30%を 占 めている ( 隻 数 ) 乗 組 員 の 国 籍 の 内 訳 ( 上 位 10か 国 ) ( 国 籍 ) フィリピン 697 1,657 2354 インド 192 1,283 1475 中 国 42 1,426 1468 トルコ 2 924 926 ウクライナ 20 481 501 インドネシア 373 56 429 乗 組 員 数 合 計 9,188 人 韓 国 152 189 341 ロシア ミャンマー 25 64 286 311 93 157 日 本 関 連 船 舶 その 他 外 国 船 舶 タイ 22 98 120 0 1000 2000 3000 4000 ( 人 数 ) 乗 組 員 の 国 籍 別 では フィリピン 人 が 約 25%を 占 めている - 17 -
P-3C 哨 戒 機 による 監 視 活 動 飛 行 回 数 :217 回 ( 累 計 1,032 回 ) 飛 行 時 間 : 約 1,680 時 間 ( 累 計 約 7,980 時 間 ) 確 認 した 商 船 数 : 約 19,200 隻 ( 累 計 約 83,200 隻 ) 護 衛 艦 諸 外 国 艦 艇 等 及 び 民 間 商 船 への 情 報 提 供 回 数 : 約 1,560 回 ( 累 計 約 8,860 回 ) 警 戒 監 視 にあたるP-3C 哨 戒 機 船 舶 の 識 別 を 行 うP-3C 搭 乗 員 ウ 自 衛 隊 の 派 遣 部 隊 による 対 処 事 案 の 概 要 別 紙 第 2のとおり エ 関 係 各 国 との 連 携 協 力 1 各 国 派 遣 部 隊 との 連 携 向 上 のための 努 力 定 期 的 にバーレーンに 所 在 する 連 合 海 上 部 隊 (CMF:Combined Maritime Force) 司 令 部 において 行 われる SHADE(Shared Awareness and Deconfliction) 会 議 に 参 加 し 各 国 との 連 携 向 上 を 図 っている 当 該 会 議 は ソマリア 沖 ア デン 湾 に 部 隊 を 派 遣 して 海 賊 対 処 を 行 うCMF EU 水 上 部 隊 (EUNAVFOR) NATO や 中 国 ロシア インド 等 がメンバーとなり 各 国 派 遣 部 隊 による 海 賊 対 処 を 効 率 化 させるための 運 用 調 整 や 情 報 共 有 を 図 るほ か 商 船 業 界 との 関 係 強 化 等 にも 取 り 組 んでいる また 2013 年 12 月 に 海 賊 対 処 活 動 において 協 力 する 日 米 韓 3か 国 間 の 相 互 運 用 性 の 向 上 及 び 情 報 共 有 を 図 るため アデン 湾 において 日 米 韓 共 同 訓 練 を 実 施 するなど 海 賊 対 処 に 係 る 国 際 的 な 連 携 協 力 を 一 層 強 化 する 取 組 みも 進 展 している - 18 -
2 ソマリア 連 邦 共 和 国 及 び 同 周 辺 海 域 沿 岸 国 の 海 上 法 執 行 能 力 向 上 支 援 ソマリア 周 辺 海 域 沿 岸 国 の 海 上 法 執 行 能 力 向 上 のため 海 上 保 安 庁 では JICA ( 国 際 協 力 機 構 )の 枠 組 みにより 201 3 年 6 月 ~7 月 海 上 犯 罪 取 締 り 研 修 に ジブチ ケニア タンザニア オマー ン イエメン 等 の 海 上 保 安 機 関 の 職 員 を 招 へいし 講 義 実 務 研 修 等 を 実 施 したほか 同 年 9 月 ジブチ 沿 岸 警 備 隊 の 能 力 強 化 に 係 る 技 術 協 力 プロジェクト に 短 期 専 門 家 を 派 遣 し 国 際 法 等 の 研 修 を 実 施 した 加 海 上 犯 罪 取 締 り 研 修 えて OPRF( 海 洋 政 策 研 究 財 団 )と 協 力 して 同 年 10 月 ソマリア 連 邦 共 和 国 の 沿 岸 警 備 隊 長 官 等 を 招 へいし JICA 外 務 省 IMO( 国 際 海 事 機 関 ) 等 の 支 援 関 係 機 関 が 参 加 の 上 ソマリア 連 邦 共 和 国 海 上 法 執 行 能 力 向 上 支 援 検 討 会 合 及 び フォーラム を 実 施 した また IMO が 主 導 するソマリア 海 賊 対 策 のプロジェク トに 2010 年 4 月 から 海 上 保 安 庁 職 員 を 2012 年 11 月 から 外 務 省 職 員 を それぞれ 派 遣 している ソマリア 連 邦 共 和 国 海 上 法 執 行 能 力 向 上 支 援 検 討 会 合 - 19 -
ソマリア 連 邦 共 和 国 海 上 法 執 行 能 力 向 上 支 援 検 討 フォーラム 3 インドとの 連 携 協 力 海 上 保 安 庁 では 2013 年 1 月 日 印 海 上 保 安 機 関 長 官 級 会 合 を 実 施 し 必 要 なしょう 戒 や 連 携 訓 練 等 を 引 き 続 き 行 うことにより インド 近 海 におけるソマ リア 海 賊 対 策 の 連 携 強 化 を 行 っていくことで 合 意 した さらに 西 インド 洋 沿 岸 国 等 に 対 する 海 上 法 執 行 能 力 向 上 への 支 援 について 情 報 共 有 や 意 見 交 換 を 行 い 連 携 強 化 を 図 っていくことに 合 意 した 日 印 海 上 保 安 機 関 長 官 級 会 合 4 海 賊 情 報 の 提 供 海 賊 事 案 が 発 生 した 際 航 行 警 報 発 出 による 日 本 関 係 船 舶 への 注 意 喚 起 を 実 施 している - 20 -
5 海 賊 対 策 における 国 際 協 力 の 推 進 我 が 国 は ソマリア 海 賊 問 題 の 根 本 的 な 解 決 に 向 けて 国 連 ソマリア 沖 海 賊 対 策 コンタクトグループ 等 の 国 際 会 議 に 積 極 的 に 参 画 するとともに 周 辺 国 の 海 上 法 執 行 能 力 の 向 上 やソマリアの 安 定 に 向 けた 支 援 といった 多 層 的 な 取 組 みを 推 進 している 2009 年 に 国 際 海 事 機 関 (IMO)が 設 置 した 基 金 に 対 し 約 1,460 万 ドルを 拠 出 し イエメン ケニア 及 びタンザニアにおける 海 賊 情 報 共 有 センター(ISC)の 整 備 運 営 を 支 援 するとともに 周 辺 国 の 海 上 保 安 能 力 向 上 のためのジブチ 地 域 訓 練 センターの 建 設 を 支 援 している また 海 賊 訴 追 能 力 向 上 支 援 のための 国 際 信 託 基 金 ( 国 連 ソマリア 沖 海 賊 対 策 コンタクトグループのもとに 設 置 され 現 在 国 連 開 発 計 画 マルチパート ナー 信 託 基 金 事 務 所 (UNDP-MPTF)が 資 金 管 理 を 行 っている)に 対 し 計 3 50 万 ドルを 拠 出 しており これまで 同 基 金 によってソマリア 沿 岸 国 の 法 曹 関 係 者 の 研 修 や 法 廷 整 備 等 が 実 施 されている さらに アジア 海 賊 対 策 地 域 協 力 協 定 情 報 共 有 センター(ReCAAP-ISC) に 対 し 追 加 的 な 拠 出 を 行 い アジアにおける 海 賊 対 策 の 経 験 をソマリア 海 賊 対 策 に 生 かすための 取 組 みを 推 進 している この 他 にも 海 上 法 執 行 能 力 の 向 上 のため 前 述 の 海 上 犯 罪 取 締 り 研 修 ジブチ 沿 岸 警 備 隊 の 能 力 強 化 に 係 る 技 術 協 力 プロジェクト 等 が 実 施 されている ソマリアの 安 定 に 向 けては 2007 年 以 降 治 安 の 向 上 及 び 人 権 支 援 インフラ 整 備 の2つの 柱 からなる 総 額 約 2 億 9,903 万 ドルの 支 援 を 実 施 し ている オ 遠 洋 漁 船 に 係 る 海 賊 情 報 に 関 する 漁 業 協 同 組 合 等 との 連 携 我 が 国 の 遠 洋 漁 船 が 海 賊 被 害 を 受 けたなどの 場 合 当 該 漁 船 の 船 主 や 所 属 する 漁 業 協 同 組 合 等 ( 以 下 漁 協 等 という )が 当 該 情 報 に 最 初 に 接 することも 想 定 さ れる また 当 該 漁 協 等 が 所 属 船 舶 等 に 対 し 注 意 喚 起 等 の 関 連 情 報 を 提 供 するこ とが 有 効 である 水 産 庁 においては 漁 協 等 と 連 携 しつつ 上 記 のような 情 報 の 把 握 に 努 めるとと もに 漁 協 等 に 対 し 必 要 な 注 意 喚 起 情 報 提 供 等 を 行 っている - 21 -
海 賊 対 策 における 国 際 協 力 の 推 進 沿 岸 国 の 海 上 保 安 能 力 向 上 支 援 国 際 海 事 機 関 (IMO)に 約 1,460 万 ドル を 拠 出 ジブチに 地 域 訓 練 センターを 建 設 中 イエメン ケニア タンザニアの 海 賊 情 報 共 有 センターの 整 備 運 営 を 支 援 海 賊 訴 追 能 力 向 上 を 目 的 とした 国 際 信 託 基 金 に 350 万 ドルを 拠 出 イエメン オマーン ケニア ジブチ 及 びタンザニアの 海 上 保 安 機 関 職 員 招 請 2013 年 度 から ジブチ 沿 岸 警 備 隊 の 能 力 強 化 に 係 る 技 術 協 力 プロジェクトを 実 施 中 在 ジブチ 日 本 国 大 使 館 設 置 2009 年 3 月 外 務 省 ジブチ 連 絡 事 務 所 を 設 置 2012 年 1 月 大 使 館 へ 格 上 げ( 特 命 全 権 大 使 派 遣 ) 我 が 国 の 対 ソマリア 支 援 2007 年 以 降 総 計 : 約 2 億 9,903 万 ドル 治 安 向 上 への 支 援 :6,180 万 ドル 1ソマリア 暫 定 政 府 警 察 支 援 :3,650 万 ドル 2 国 境 管 理 強 化 による 治 安 改 善 支 援 :550 万 ドル 3 アフリカの 角 地 域 等 における 小 型 武 器 の 回 収 廃 棄 計 画 等 :880 万 ドル 4アフリカ 連 合 ソマリア ミッション(AMISOM) 支 援 :950 万 ドル 5ケニア PKO センター 支 援 :150 万 ドル 人 道 支 援 インフラ 整 備 への 支 援 : 2 億 3,723 万 ドル 1 食 糧 援 助 保 健 水 衛 生 教 育 基 礎 インフラ 整 備 :1 億 8,928 万 ドル 2 若 年 層 や 被 災 民 の 職 業 訓 練 雇 用 創 出 : 3,670 万 ドル 3 食 糧 運 搬 船 等 が 入 港 する 港 施 設 改 修 :825 万 ドル 4 人 身 取 引 不 正 規 移 住 対 策 :300 万 ドル うち UNDP( 国 連 開 発 計 画 )に 対 して 中 南 部 ソマ リアの 海 賊 更 生 者 海 賊 予 備 軍 を 対 象 とした 雇 用 創 出 計 画 実 施 のために 400 万 ドル(2009 年 度 ) ソマ リア 若 年 層 によるコミュニティー レベルでの 治 安 改 善 プロジェクト 実 施 のために 600 万 ドル(2010 年 度 ) 及 び 紛 争 武 装 集 団 及 び 海 賊 の 影 響 を 受 けた 若 年 層 の 更 生 社 会 統 合 支 援 計 画 実 施 のために 600 万 ドル(2012 年 度 )が 拠 出 されている - 22 -
カ 海 賊 多 発 海 域 における 日 本 船 舶 の 警 備 に 関 する 特 別 措 置 法 ソマリア 沖 アデン 湾 における 海 賊 事 案 の 発 生 件 数 は 減 少 傾 向 にあるが これは 各 国 艦 艇 による 護 衛 活 動 商 船 の 自 衛 措 置 民 間 武 装 警 備 員 の 乗 船 警 備 等 による 効 果 とされており その 脅 威 は 依 然 として 継 続 している 発 生 海 域 についてもインド 洋 やアラビア 海 にまで 拡 大 する 傾 向 を 見 せており 当 該 海 域 における 船 舶 の 航 行 に 危 険 が 生 じているところである こうした 状 況 に 対 し 他 の 主 要 海 運 国 においては 当 該 海 域 を 航 行 する 自 国 船 舶 に 小 銃 を 所 持 した 民 間 武 装 警 備 員 の 乗 船 を 認 める 措 置 を 講 じており 我 が 国 におい ても 国 民 生 活 に 不 可 欠 な 物 資 を 輸 送 する 日 本 船 舶 について 同 様 の 措 置 を 講 じるこ とがその 航 行 の 安 全 を 確 保 する 観 点 から 強 く 求 められていた このため 国 民 生 活 に 不 可 欠 な 物 資 であって 輸 入 に 依 存 せざるを 得 ないものの 輸 送 に 従 事 する 日 本 船 舶 であって 海 賊 行 為 の 対 象 とされるおそれが 高 いものについ て 国 土 交 通 大 臣 の 認 定 を 受 けた 警 備 計 画 に 基 づく 場 合 には 海 賊 行 為 による 被 害 を 防 止 するために 小 銃 を 用 いた 警 備 が 実 施 できる 制 度 を 設 けるなどの 特 別 の 措 置 を 講 ずる 旨 を 規 定 した 海 賊 多 発 海 域 における 日 本 船 舶 の 警 備 に 関 する 特 別 措 置 法 が 第 185 回 臨 時 国 会 で 可 決 成 立 し 2013 年 11 月 30 日 に 施 行 され 運 用 が 開 始 された - 23 -
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(3) 取 組 みの 成 果 ア アデン 湾 での 海 賊 事 案 発 生 防 止 に 大 きく 貢 献 増 加 し 続 けていたソマリア 海 賊 事 案 は 2012 年 以 降 大 幅 に 減 少 したが アデ ン 湾 での 発 生 件 数 は 2010 年 からすでに 減 少 傾 向 となり 2013 年 には6 件 に まで 減 少 した( 表 1) これはアデン 湾 で 活 動 している 自 衛 隊 をはじめとする 各 国 海 軍 等 のプレゼンスが 海 賊 行 為 を 抑 止 したものと 考 えられている 自 衛 隊 も 我 が 国 海 上 交 通 路 の 重 要 海 域 となるアデン 湾 での 船 舶 航 行 の 安 全 に 大 きく 寄 与 している ソマリア 海 賊 事 案 発 生 件 数 ( 件 ) アデン 湾 の 発 生 件 数 ( 件 ) アデン 湾 での 発 生 率 アデン 湾 での ハイジャック 数 ( 件 ) 08 年 111 92 82.9% 32 09 年 218 117 53.7% 20 10 年 219 53 24.2% 15 11 年 237 37 15.6% 4 12 年 75 13 17.3% 4 13 年 15 6 40.0% 2 表 1 アデン 湾 での 事 案 発 生 件 数 発 生 率 等 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 82.9% 32 53.7% 20 15 24.2% アデン 湾 での 発 生 率 アデン 湾 での ハイジャック 数 ( 件 ) 15.8% 17.3% 4 4 40.0% 08 年 09 年 10 年 11 年 12 年 13 年 図 6 アデン 湾 での 事 案 発 生 率 等 2 50 ( 件 ) 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0-25 -
イ 自 衛 隊 の 護 衛 は 海 賊 を 抑 止 自 衛 隊 は 艦 艇 により これまで 延 べ 約 3,300 隻 ( 海 上 警 備 行 動 における 護 衛 121 隻 を 含 む)の 民 間 商 船 等 を 護 衛 してきた(2013 年 は380 隻 の 護 衛 ) この 間 護 衛 対 象 船 舶 に 対 する 海 賊 襲 撃 事 案 は 一 切 発 生 しておらず 船 舶 運 航 者 から 多 大 な 謝 意 を 得 ている 護 衛 艦 上 で 警 戒 を 続 ける 隊 員 ウ アデン 湾 における 我 が 国 のP-3Cの 活 動 は 不 可 欠 自 衛 隊 のP-3C 哨 戒 機 は アデン 湾 の 航 空 機 による 警 戒 監 視 活 動 の 約 60% を 担 っており これまで 商 船 や 近 傍 海 軍 艦 艇 等 に 対 して 情 報 提 供 ( 累 計 約 8,8 60 回 )を 実 施 し 他 国 艦 艇 の 立 入 検 査 武 器 の 押 収 等 に 大 きく 寄 与 している これらの 活 動 は 国 際 社 会 からも 高 い 評 価 を 受 けている ( 別 紙 第 2 参 照 ) 護 衛 艦 の 上 空 を 警 戒 監 視 中 のP-3C 哨 戒 機 - 26 -
エ 海 賊 対 処 法 を 初 めて 適 用 して 海 賊 4 名 を 検 挙 起 訴 2011 年 に 発 生 した 日 本 関 係 船 舶 に 対 する 乗 り 込 み 事 案 に 関 して 我 が 国 は 米 海 軍 が 拘 束 した 海 賊 4 名 の 引 渡 しを 受 け 海 賊 対 処 法 を 初 めて 適 用 し 上 記 海 賊 4 名 を 逮 捕 勾 留 した 上 同 法 違 反 の 罪 で 東 京 地 方 裁 判 所 に 公 判 請 求 した 本 件 については 2013 年 2 月 1 日 海 賊 A 及 びBに 対 しそれぞれ 懲 役 10 年 の 実 刑 判 決 同 月 25 日 海 賊 Cに 対 し 懲 役 5 年 以 上 9 年 以 下 の 不 定 期 刑 同 年 4 月 12 日 海 賊 Dに 対 し 懲 役 11 年 の 実 刑 判 決 が 言 い 渡 された( 同 年 12 月 末 までに A B 及 びCについては 控 訴 棄 却 され Aが 上 告 中 Dについては 控 訴 審 係 属 中 である ) 公 訴 事 実 の 要 旨 被 告 人 ら4 名 は 共 謀 の 上 私 的 目 的 で 平 成 23 年 3 月 5 日 午 後 10 時 15 分 ( 日 本 時 間 ) 頃 アラビア 海 の 公 海 上 において 自 動 小 銃 を 発 射 しながら 乗 船 して いた 小 型 ボートで 航 行 中 のバハマ 国 船 籍 のオイルタンカーに 接 近 し 同 号 に 乗 り 移 った 上 船 長 室 ドアに 向 けて 自 動 小 銃 を 発 射 するなどして 船 長 ら 同 号 の 乗 組 員 24 名 を 脅 迫 し 操 舵 室 に 押 し 入 って 操 縦 ハンドルを 操 作 するなどして ほし いままにその 運 航 を 支 配 する 海 賊 行 為 をしようとしたが 同 月 6 日 午 後 5 時 22 分 ( 日 本 時 間 ) 頃 アラビア 海 の 公 海 上 において 同 号 の 救 助 に 駆 けつけたアメリ カ 海 軍 に 制 圧 されたため その 目 的 を 遂 げなかったものである ( 海 賊 対 処 法 違 反 同 法 3 条 2 項 1 項 2 条 1 号 刑 法 60 条 ) - 27 -
3 我 が 国 の 海 賊 対 策 に 関 する 内 外 からの 評 価 等 我 が 国 における 様 々な 取 組 みは 各 国 首 脳 を 含 む 国 際 社 会 から 感 謝 の 意 が 表 明 されるなど 高 く 評 価 されている また ソマリア 沖 アデン 湾 で 海 賊 対 処 に 従 事 する 海 上 自 衛 隊 に 対 し 護 衛 を 受 けた 船 舶 の 船 長 や 船 主 の 方 々から 感 謝 のメッ セージが 多 数 寄 せられている 寄 せられたメッセージの 数 は2013 年 末 現 在 合 計 約 2,700 通 に 上 っている 感 謝 のメッセージ < 護 衛 を 受 けた 船 舶 の 船 長 から 水 上 部 隊 への 感 謝 のメッセージ> 日 本 の 護 衛 により 安 全 な 航 海 ができましたことを 感 謝 申 し 上 げます 過 去 日 本 の ほか 中 国 及 びインドによる 護 衛 を 受 けましたが 私 の 意 見 では 日 本 の 護 衛 はよく 統 制 されており より 安 全 で 信 頼 できるものです 私 は 日 本 の 護 衛 に 満 足 しており また 機 会 があれば 是 非 利 用 したいと 思 います (At first I want to say thank you for our safe passage with Japan escorting service. I passed IRTC with Japan, China and India escorting services before. In my opinion Japan escorting service has a discipline, more safe and reliable. Therefore I satisfied with Japan escorting service and it will be pleasure if we need your services again.) 護 衛 艦 に 護 られて 航 行 する 商 船 - 28 -
国 際 機 関 及 び 諸 外 国 からの 評 価 国 際 機 関 IMO から ソマリア 沖 アデン 湾 において 海 賊 対 処 行 動 に 従 事 した 我 が 国 派 遣 部 隊 が IMO 勇 敢 賞 受 賞 (2009 年 11 月 ) IMO 勇 敢 賞 : 海 洋 において 危 険 を 顧 みず 目 覚 ましい 働 きをした 個 人 団 体 に 対 して 授 与 されるもの ICS から 在 英 国 日 本 大 使 館 宛 て 感 謝 状 授 与 (2009 年 7 月 ) 首 脳 レベル アロヨ 比 大 統 領 ( 当 時 ): 自 衛 隊 の 派 遣 を 通 じた 我 が 国 の 海 賊 問 題 への 積 極 的 な 対 応 を 高 く 評 価 (2009 年 6 月 ) 潘 基 文 国 連 事 務 総 長 : 日 本 のソマリア 沖 の 海 賊 対 策 の 支 援 を 評 価 し 感 謝 (2009 年 7 月 ) シン 印 首 相 :アデン 湾 での 海 賊 対 処 のための 各 国 海 軍 間 の 協 力 は 高 く 歓 迎 さ れるべき (2010 年 10 月 ) ニシャンベ トーゴ 大 統 領 :ソマリア 沖 海 賊 対 処 における 日 本 の 取 組 みを 賞 賛 する (2013 年 6 月 ) ゲレ ジブチ 大 統 領 : 日 本 の 自 衛 隊 とその 他 の 国 の 軍 の 力 により 海 賊 のリ スクは 激 減 し とりわけ 今 年 は 激 減 した (2013 年 8 月 ) 外 相 レベル クリントン 米 国 務 長 官 ( 当 時 ): 日 本 によるアデン 湾 への2 隻 の 艦 船 の 派 遣 に 感 謝 (2009 年 2 月 ) 日 米 安 全 保 障 協 議 委 員 会 ( 日 米 2+2) 共 同 発 表 においても 海 賊 の 防 止 及 び 根 絶 等 により 海 上 交 通 の 安 全 を 維 持 すること が 共 通 の 戦 略 目 標 の 一 つとして 確 認 されている (2011 年 6 月 ) ビルト 外 相 (スウェーデン:EU 議 長 国 ( 当 時 )):EU として 日 本 の 貢 献 を 評 価 (2009 年 9 月 ) ロムロ 比 外 相 ( 当 時 ): 日 本 の 艦 船 や 哨 戒 機 による 護 衛 はありがたい (2010 年 1 月 ) 部 隊 レベル ミラー 米 第 5 艦 隊 司 令 官 兼 CMF 司 令 官 : 自 衛 隊 の 水 上 部 隊 及 び 航 空 隊 がCTF151に 参 加 することは CMFとして 大 変 有 意 義 である (2013 年 12 月 ) - 29 -
マルチの 会 合 における 我 が 国 を 含 む 各 国 の 海 賊 対 処 行 動 の 必 要 性 G8サミット(ドーヴィル サミット)におけるG8 アフリカ 共 同 宣 言 (2011 年 5 月 ) 我 々は 海 上 での 協 調 された 対 応 を 通 じ 海 賊 の 脅 威 に 対 して 断 固 たる 対 応 を 継 続 する 決 意 を 強 調 第 10 回 ASEM 外 相 会 合 の 議 長 声 明 (2011 年 6 月 ) 統 一 的 な 国 際 的 取 組 みにより 連 携 のとれた 包 括 的 な 形 で 海 賊 に 対 処 するこ とが 不 可 欠 国 連 安 保 理 決 議 第 2125 号 (2013 年 11 月 ) 能 力 のある 各 国 地 域 機 構 に 対 し 特 に 本 決 議 及 び 国 際 法 に 従 いつつ 海 軍 艦 艇 軍 用 機 を 派 遣 することなどにより ソマリア 沖 の 海 賊 及 び 海 上 の 武 装 強 盗 対 策 に 参 加 することを 改 めて 要 請 ( 同 決 議 第 10パラグラフの 概 要 ) - 30 -
4 その 他 海 賊 対 処 行 動 に 対 するジブチ 共 和 国 政 府 地 元 住 民 の 理 解 と 協 力 アデン 湾 で 活 動 する 自 衛 隊 の 部 隊 はジブチ 共 和 国 を 拠 点 として 活 動 をしてい る 自 衛 隊 の 活 動 に 地 元 住 民 の 理 解 と 協 力 が 欠 かせないことは 我 が 国 でもジブ チでも 同 じであり 派 遣 部 隊 の 隊 員 はスポーツ 交 流 や 日 本 文 化 紹 介 ボランティ ア 活 動 等 を 通 じて ジブチの 人 々と 積 極 的 に 交 流 することに 努 めている また 2012 年 7 月 には ジブチ 海 賊 対 処 のための 自 衛 隊 の 部 隊 とジブチ 関 係 当 局 等 の 関 係 機 関 との 間 の 連 絡 調 整 を 行 うための 部 隊 である 現 地 調 整 所 を 設 置 し 円 滑 かつ 効 果 的 な 活 動 に 努 めている ジブチの 人 々と 交 流 する 派 遣 部 隊 の 隊 員 国 連 ソマリア 沖 海 賊 対 策 コンタクトグループのジブチ 活 動 拠 点 視 察 2013 年 11 月 国 連 ソマリア 沖 海 賊 対 策 コンタクトグループの 会 合 がジブ チで 開 催 された 同 会 合 のプログラムで 各 国 及 び 国 際 機 関 等 からの 代 表 者 が 自 衛 隊 のジブチ 活 動 拠 点 を 視 察 した 派 遣 部 隊 から 我 が 国 の 海 賊 対 処 について 説 明 がなされ これを 受 けて 同 会 合 の 共 同 声 明 では 我 が 国 をはじめとする 国 際 的 な 海 賊 対 処 部 隊 の 取 組 みの 成 功 について 高 い 評 価 がなされた P-3C 哨 戒 機 等 を 視 察 中 の 各 国 及 び 国 際 機 関 等 の 代 表 者 - 31 -
(2007 年 日 本 関 係 船 舶 被 害 ) 番 号 被 害 日 時 ( 日 本 時 ) ソマリア 海 賊 による 日 本 関 係 船 舶 の 海 賊 被 害 状 況 (2007 年 ~2011 年 ) 2012 年 以 降 被 害 なし 被 害 場 所 概 要 被 害 船 籍 総 トン 数 船 種 乗 組 員 積 荷 別 紙 第 1 1 10 月 28 日 1124 頃 アデン 湾 内 ハイジャック 事 案 船 用 金 乗 組 員 の 金 品 通 信 機 器 及 びPC パナマ 6,253トン ケミカルタンカー 23 名 ( 韓 国 人 2 名 フィリピン 人 9 名 ミャンマー 人 12 名 ) ケミカル (2008 年 日 本 関 係 船 舶 被 害 ) 被 害 日 時 番 号 被 害 場 所 概 要 被 害 船 籍 総 トン 数 船 種 乗 組 員 積 荷 ( 日 本 時 ) 1 4 月 21 日 1010 頃 アデン 湾 内 航 行 中 の 追 跡 事 案 船 体 の 左 舷 船 尾 に 被 弾 ( 乗 組 員 にケガなし) 日 本 150,053トン 原 油 タンカー 23 名 ( 日 本 人 7 名 フィリピン16 名 ) なし 2 7 月 15 日 1945 頃 アデン 湾 内 航 行 中 の 追 跡 事 案 船 橋 付 近 に 被 弾 ( 乗 組 員 にケガなし) パナマ 11,590トン ケミカルタンカー 23 名 ( 韓 国 人 3 名 ミャンマー 人 20 名 ) ケミカル 3 8 月 23 日 1750 頃 アデン 湾 内 航 行 中 の 追 跡 事 案 船 橋 付 近 に 被 弾 ( 乗 組 員 にケガなし) パナマ 14,103トン 一 般 貨 物 船 20 名 ( 全 員 フィリピン 人 ) 工 業 用 資 材 機 械 類 等 (2009 年 日 本 関 係 船 舶 被 害 ) 被 害 日 時 番 号 被 害 場 所 概 要 被 害 船 籍 総 トン 数 船 種 乗 組 員 積 荷 ( 日 本 時 ) 1 3 月 22 日 2210 頃 ソマリア 東 方 沖 航 行 中 の 追 跡 事 案 レーダーマスト 等 に 被 弾 ( 乗 組 員 にケガなし) ケーマン 諸 島 13,038トン 自 動 車 運 搬 船 18 名 ( 全 員 フィリピン 人 ) 自 動 車 (2010 年 日 本 関 係 船 舶 被 害 ) 被 害 日 時 番 号 被 害 場 所 概 要 被 害 船 籍 総 トン 数 船 種 乗 組 員 積 荷 ( 日 本 時 ) 1 4 月 5 日 2100 頃 アデン 湾 沖 航 行 中 の 追 跡 事 案 船 体 後 方 左 舷 側 及 びデッキ に 被 弾 ( 船 員 にケガなし) パナマ 98,747トン コンテナ 船 24 名 ( 全 員 フィリピン 人 ) コンテナ 2 4 月 25 日 1115 頃 インド 洋 沖 航 行 中 の 追 跡 事 案 デッキに 被 弾 ( 船 員 にケガなし) パナマ 159,929トン タンカー 27 名 (インド 人 12 名 フィリピン 人 15 名 ) 原 油 3 10 月 10 日 1453 頃 ケニア モンバサ 沖 ハイジャック 事 案 2011 年 2 月 解 放 パナマ 14,162トン 多 目 的 船 20 人 ( 全 員 フィリピン 人 ) 鋼 材 4 10 月 28 日 0430 頃 インド 洋 沖 航 行 中 の 追 跡 事 案 船 橋 付 近 に 被 弾 ( 船 員 にケガなし) 香 港 161,045トン タンカー 27 人 ( 中 国 人 25 名 バングラディシュ 人 1 名 ミャンマー 人 1 名 ) 原 油 5 11 月 20 日 1210 頃 インド 洋 沖 航 行 中 の 追 跡 事 案 煙 突 に 被 弾 ( 船 員 にケガなし) パナマ 105,644トン コンテナ 船 24 人 (インド 人 5 名 フィリピン 人 18 名 バングラディシュ 人 1 名 ) コンテナ 6 12 月 13 日 2022 頃 アデン 湾 沖 航 行 中 の 追 跡 事 案 船 橋 窓 破 損 ( 乗 組 員 2 名 軽 傷 ) パナマ 8,259トン ケミカルタンカー 21 人 ( 韓 国 人 2 名 フィリピン 人 19 名 ) ケミカル (2011 年 日 本 関 係 船 舶 被 害 ) 被 害 日 時 番 号 被 害 場 所 概 要 被 害 船 籍 総 トン 数 船 種 乗 組 員 積 荷 ( 日 本 時 ) 1 2 3 月 5 日 2100 頃 9 月 28 日 2130 頃 オマーン 沖 紅 海 乗 り 込 まれ 事 案 航 行 中 の 追 跡 事 案 機 器 類 の 損 傷 ( 乗 組 員 にケガなし) 船 体 左 舷 側 に 被 弾 ( 乗 組 員 にケガなし) バハマ 57,462トン タンカー 24 名 (クロアチア 人 2 名 モンテネグロ 人 2 名 ルーマニア 人 2 名 フィリヒ ン16 名 ) 燃 料 油 パナマ 16,222トン ケミカルタンカー 24 名 ( 全 員 バングラディシュ 人 ) ケミカル
別 紙 第 2 自 衛 隊 の 派 遣 部 隊 による 対 処 事 案 の 概 要 (2012 年 以 降 ) 番 号 事 案 の 概 要 1 2012 年 4 月 21 日 警 戒 監 視 中 のP-3Cが 不 審 なスキフ( 乗 員 6 名 梯 子 2 本 船 外 機 2 機 ポリタンク 多 数 漁 具 なし)を 発 見 周 辺 航 行 中 の 船 舶 に 一 斉 通 報 するとともに バーレーンのCMF( 有 志 連 合 海 上 部 隊 ) 司 令 部 に 通 報 CMF 司 令 部 における 調 整 の 結 果 近 傍 に 展 開 中 の 韓 国 艦 艇 が 搭 載 ヘリを 発 艦 し 当 該 スキフに 対 応 を 開 始 したため P-3Cは 警 戒 監 視 任 務 に 復 帰 した 2 2012 年 4 月 28 日 警 戒 監 視 中 のP-3Cが 不 審 なスキフ( 乗 員 8 名 梯 子 1 本 船 外 機 2 機 ポリタンク 多 数 漁 具 なし)を 発 見 周 辺 航 行 中 の 船 舶 に 一 斉 通 報 するとともに バーレーンのCMF( 有 志 連 合 海 上 部 隊 ) 司 令 部 に 通 報 P-3Cは 引 き 続 き 当 該 スキフの 監 視 を 実 施 し 当 該 スキフがダウ 船 に 接 舷 し 乗 員 が 移 動 しているのを 確 認 CMF 司 令 部 にお ける 調 整 の 結 果 近 傍 に 展 開 中 の 韓 国 艦 艇 が 当 該 スキフに 対 応 する 旨 の 通 報 を 受 けたため P-3Cは 警 戒 監 視 任 務 に 復 帰 した
3 2012 年 6 月 18 日 民 間 商 船 が 海 賊 から 攻 撃 を 受 けているとの 情 報 を 受 け 警 戒 監 視 中 のP-3Cが 現 場 に 急 行 したところ 不 審 なスキフ( 乗 員 6 名 船 外 機 2 機 ポリタンク 多 数 梯 子 らしきものを 搭 載 )を 発 見 近 傍 航 行 中 のロシア 艦 艇 に 当 該 スキフの 情 報 を 通 報 したところ ロシア 艦 艇 は 艦 載 ヘリを 発 艦 して 対 応 を 開 始 近 傍 航 行 中 の 米 艦 艇 も 搭 載 ヘリ を 発 艦 して 対 応 を 開 始 したため P-3Cは 米 艦 艇 とも 情 報 交 換 を 実 施 し 元 の 任 務 に 復 帰 した