成 長 期 の 身 体 活 動 と 食 生 活 状 況 が 競 技 継 続 意 欲,および 体 調 に 及 ぼす 影 響 について ~スポーツの 現 場 でのトレーンニング 指 導 と 食 事 サポートへの 貢 献 を 考 える~ 河 合 美 香 岡 野 五 郎 徳 山 薫 平 志 水 見 千 子



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【資料1】栄養強調表示等について

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

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定款

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

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事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

18 国立高等専門学校機構

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その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

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有 料 老 ホーム ( ) ( 主 として 要 介 護 状 態 にある を 入 居 させるも のに 限 る ) 第 29 条 ( 届 出 等 ) 第 二 十 九 条 有 料 老 ホーム( 老 を 入 居 させ 入 浴 排 せつ 若 しくは 食 事 の 介 護 食 事 の 提 供 又 はその 他 の

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

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経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

Ⅰ 平成14年度の状況

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Microsoft Word - H25普通会計決算状況 .docx

2 平 均 病 床 数 の 平 均 病 床 数 では 療 法 人 に 対 しそれ 以 外 の 開 設 主 体 自 治 体 社 会 保 険 関 係 団 体 その 他 公 的 の 規 模 が 2.5 倍 程 度 大 きく 療 法 人 に 比 べ 公 的 病 院 の 方 が 規 模 の 大 き いことが

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公表表紙

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健 康 医 療 戦 略 に 係 る 農 林 産 省 の 主 な 取 組 みについて 1. 健 康 長 寿 社 会 の 形 成 のための 食 の 研 究 開 発 の 推 進 2. 医 福 食 農 連 携 の 取 組 の 推 進 3 5 2

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003-00個人の健康増進・疾病予防の推進のための所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

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16 日本学生支援機構

3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協

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代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

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(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 H H H5.4.1 ( 参 考 値 ) 97.1 H H H H5.4.1 H H5.4.1 ( 参 考

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(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定

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目次

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

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入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

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成 長 期 の 身 体 活 動 と 食 生 活 状 況 が 競 技 継 続 意 欲,および 体 調 に 及 ぼす 影 響 について ~スポーツの 現 場 でのトレーンニング 指 導 と 食 事 サポートへの 貢 献 を 考 える~ 龍 谷 大 学 法 学 部 河 合 美 香 目 次 要 約 Ⅰ. 研 究 の 背 景 Ⅱ. 研 究 の 目 的 Ⅲ. トレーニングと 食 事 が 選 手 の 健 康 度,および 体 調 に 及 ぼす 影 響 について の 調 査 研 究 1. 目 的 2. 方 法 3. 結 果 4. 考 察 Ⅳ.ジュニア 選 手 の 強 化 合 宿 時 の 身 体 活 動 状 況 に 関 する 研 究 1. 目 的 2. 方 法 3. 結 果 4. 考 察 Ⅴ.ジュニア 選 手 の 強 化 合 宿 時 の 食 事 摂 取 状 況 に 関 する 研 究 1. 目 的 2. 方 法 3. 結 果 4. 考 察 Ⅵ.ジュニア 選 手 の 強 化 合 宿 におけるトレーニングと 食 事,および 環 境 に 関 する 調 査 研 究 1. 目 的 2. 方 法 3. 結 果 4. 考 察 Ⅶ.まとめ 参 考 引 用 文 献

成 長 期 の 身 体 活 動 と 食 生 活 状 況 が 競 技 継 続 意 欲,および 体 調 に 及 ぼす 影 響 について ~スポーツの 現 場 でのトレーンニング 指 導 と 食 事 サポートへの 貢 献 を 考 える~ 河 合 美 香 岡 野 五 郎 徳 山 薫 平 志 水 見 千 子 伊 東 博 美 要 約 トレーニング と 栄 養 はパフォーマンスの 向 上 だけでなく, 健 康 の 維 持 や 体 力 の 向 上,さらに 競 技 の 継 続 意 欲 にまで 影 響 を 及 ぼすと 考 えられる.したがって,ジュニア 選 手 に 運 動 と 栄 養 についての 基 本 的 な 知 識 を 習 得 することが 必 要 であり, 同 時 に 良 好 な 習 慣 を 身 につけることが,その 後 の 心 身 の 健 全 な 発 育 を 促 すことにつながると 考 えられる. 本 研 究 は,パフォーマンスの 向 上 を 目 的 としたジュニア 選 手 ' 特 に 食 事 摂 取 状 況 がパフォーマンスに 影 響 しやすい 陸 上 競 技 長 距 離 走 選 手 (136 名 ' 男 子 84 名, 女 子 52 名 (を 対 象 に, トレーニングと 食 事 摂 取 の 状 況 が 健 康 度,および 体 調 に 及 ぼす 影 響 について の 調 査 を 実 施 し,スポーツの 現 場 における 食 事 の 重 要 性 について 検 討 した.その 結 果, 調 査 研 究 により, 競 技 レベルの 高 い 選 手 は 食 生 活 の 状 況 も 良 好 に あることが 明 らかになり, 競 技 力 を 向 上 させるためには 食 生 活 への 配 慮 が 必 要 であり,また 競 技 力 の 高 い 選 手 は 食 事 に 配 慮 していることが 明 らかになった. 次 に, 陸 上 競 技 長 距 離 走 選 手 19 名 ' 男 子 10 名, 女 子 9 名 (を 対 象 に 日 常 生 活 とトレーニングによる 身 体 活 動 状 況 ' 身 体 活 動 量, 活 動 強 度 (,および 食 事 摂 取 状 況 'エネルギー 摂 取 量, 栄 養 摂 取 量 (について 客 観 的 指 標 によりそれぞれ 分 析 検 討 した.その 結 果, 身 体 活 動 状 況 に 対 するエネルギー 摂 取 量 は 男 子 で 73.7%, 女 子 では 69.8%であり,またビタミン,ミネラルなど 摂 取 は 成 長 期 の 所 要 量 に 対 して 男 子 で 85.9 ~243.2%, 女 子 では 66.6~196.4%で 不 足 している 成 分 もあった.タンパク 質 の 摂 取 量 は 一 般 的 には 体 重 に 1.08g を 乗 じた 数 値 が 基 準 とされ, 活 動 強 度 に 応 じてその 量 を 体 重 当 り 2.5g くらいまで 増 加 させることが 推 奨 されている.しかし, 本 研 究 の 対 象 となったジュニア 選 手 は,BMI が 男 子 で 17.0±1.6, 女 子 で 17.6± 1.0 といずれも 身 長 に 対 して 体 重 が 尐 ないこと, 一 方 で, 過 剰 摂 取 による 体 脂 肪 の 蓄 積 を 配 慮 すれば, 体 重 当 り 3.5g 程 度 の 摂 取 が 適 当 であると 推 定 された.また,エネルギー 消 費 量 の 多 い 選 手 においてはエネ ルギーの 産 生 に 関 係 する 血 液 成 分 の 増 加 のためにタンパク 質 の 摂 取 に 加 え, 鉄 分 の 摂 取 の 確 保 が 不 可 欠 であることが 確 認 された. さらに ジュニア 期 の 強 化 合 宿 におけるトレーニングと 食 事,および 環 境 に 関 する 調 査 研 究 により,トレ ーニングの 質 と 量 が 高 まる 強 化 合 宿 の 食 事 の 配 慮 すべき 事 項 について 検 討 したところ, 合 宿 中 の 食 事 摂 取 はエネルギー, 栄 養 成 分 ともに 不 足 傾 向 にあるにもかかわらず, 食 事 の 量 を 多 く 感 じていた.エネルギーや 栄 養 成 分 の 確 保 のためには, 食 事 量 を 抑 えた 上 でエネルギーと 栄 養 成 分 を 確 保 する 工 夫 が 必 要 あると 考 えられる.この 際 のエネルギーは, 脂 肪 ではなく, 炭 水 化 物 やタンパク 質 の 増 加 によることが 理 想 であるが, 場 合 によっては 細 胞 膜 や 神 経 の 軸 策 など 合 成 に 関 係 し, 体 脂 肪 の 蓄 積 の 回 避 するよう, 脂 肪 酸 の 組 成 を 考 慮 した 上 での 脂 肪 の 摂 取 も 有 効 であると 考 えられた. 以 上 発 育 発 達 期 のジュニア 選 手 に 対 しては 質 の 高 いトレーニングに 加 えて 食 事 の 内 容 に 配 慮 すること が, 競 技 力 の 向 上 と 競 技 の 継 続 意 欲 に 不 可 欠 であり, 具 体 的 方 策 が 示 唆 された. 本 研 究 は, 世 界 の 舞 台 で 活 躍 した 元 トップアスリートとともに 実 施 した 今 後, 元 アスリートの 貴 重 な 経 験 を ジュニアアスリートに 還 元 する 機 会 が 増 えることを 期 待 する. 龍 谷 大 学 法 学 部 - 1 -

Ⅰ. 研 究 の 背 景 五 輪 を 控 えたシーズンは, 各 競 技 団 体 で 強 化 策 が 打 ち 出 され,また, 大 会 出 場 権 をかけた 予 選 会 が 開 かれたりと, 準 備 が 進 められる. 申 請 者 が 専 門 としてきた 陸 上 競 技 の 長 距 離 走 においては,2007 年 夏 にオ リンピックの 前 哨 戦 として IAAF 世 界 陸 上 競 技 選 手 権 大 会 が 大 阪 を 会 場 に 開 催 された.しかし, 蒸 し 暑 さに 慣 れた 日 本 選 手 が 有 利 である と 言 われていたにもかかわらず, 本 番 では 期 待 された 選 手 が 次 々と 痙 攣 や 肉 離 れを 起 こし, 勝 負 の 途 中 で 棄 権 する 選 手 が 続 出 するなど, 異 例 の 事 態 となった. この 状 況 に 至 った 理 由 は,トレーニングに 加 え, 暑 さ 対 策 や 食 事 の 内 容, 大 会 運 営 のあり 方 など 多 々ある と 考 えられるが, 選 手 層 の 薄 さ,すなわち, 競 技 人 口 の 減 尐 がトップアスリートの 育 成 に 影 響 し, 尐 数 の 選 手 へのプレッシャーとなっていることも 一 因 であると 考 えられる. 競 技 人 口 の 減 尐 は 尐 子 化 に 起 因 することもあるが, 成 長 期 の 過 度 のトレーニングがジュニア 選 手 の 競 技 継 続 意 欲 の 低 下 を 招 き,また, 食 事 の 摂 取 不 良 が 障 害 の 発 症 だけでなく, 健 康 を 害 して 競 技 の 継 続 を 不 可 能 にしている 場 合 もある. トレーニング と 栄 養 はパフォーマンスの 向 上 だけでなく, 健 康 の 維 持 や 体 力 の 向 上,さらに 競 技 の 継 続 意 欲 にまで 影 響 を 及 ぼすと 考 えられる.したがって,ジュニア 選 手 に 運 動 と 栄 養 についての 基 本 的 な 知 識 を 習 得 することが 必 要 であり, 同 時 に 良 好 な 習 慣 を 身 につけることが,その 後 の 心 身 の 健 全 な 発 育 を 促 すことにつながると 考 えられる. Ⅱ. 研 究 の 目 的 本 研 究 は,パフォーマンスの 向 上 を 目 的 とした 成 長 期 のジュニア 選 手 を 対 象 にトレーニングと 食 事 の 摂 取 状 況 が 健 康 度 や 体 調 に 及 ぼす 影 響 について 検 討 する.また, 日 常 生 活 とトレーニングによる 身 体 活 動 状 況,および 食 事 摂 取 状 況 をそれぞれ 分 析 検 討 し, 今 後 のスポーツの 現 場 でのトレーニング 指 導 と 食 事 サ ポートの 基 礎 資 料 を 得 ることとした. なお,それぞれの 研 究 結 果 については, 本 稿 Ⅲ.トレーニングと 食 事 摂 取 の 状 況 が 健 康 度,および 体 調 に 及 ぼす 影 響 について と Ⅳ.ジュニア 選 手 の 強 化 合 宿 時 の 身 体 活 動 状 況 に 関 する 研 究 ~ 身 体 活 動 量, および 活 動 強 度 ~, Ⅴ.ジュニア 選 手 の 強 化 合 宿 時 の 食 事 摂 取 状 況 に 関 する 研 究 ~エネルギー 摂 取 量,および 栄 養 摂 取 状 況 ~,さらに Ⅵ.ジュニア 期 の 強 化 合 宿 におけるトレーニング. 食 事.および 環 境 に 関 する 調 査 研 究 に 記 載 した. Ⅲ. トレーニングと 食 事 が 選 手 の 健 康 度,および 体 調 に 及 ぼす 影 響 について の 調 査 研 究 1. 目 的 本 研 究 は, 発 育 発 達 期 にあり, 競 技 力 の 向 上 を 目 的 としたジュニア 選 手 を 対 象 にトレーニングと 食 事 摂 取 の 状 況 についての 調 査 を 実 施 し,トレーニングと 食 事 が 選 手 の 健 康 度 や 体 調 に 及 ぼす 影 響 についての 基 礎 資 料 を 得 ることを 目 的 とした. - 2 -

2. 方 法 1( 対 象 T 県 の 中 学 校 体 育 連 盟 に 所 属 し, 同 県 の 中 学 校 駅 伝 夏 季 強 化 合 宿 に 参 加 した 男 子 84 名, 女 子 52 名 の 計 136 名 を 対 象 とした. 2( 調 査 期 間 夏 季 強 化 合 宿 期 間 '3 泊 4 日 (のミーテイングの 際 に, 対 象 者 に 対 して 調 査 の 目 的 を 説 明 し, 自 己 記 式 調 査 法 により 調 査 を 実 施 した. 3( 調 査 内 容 調 査 は, 食 生 活, 自 覚 的 な 健 康 感 と 体 調, 睡 眠 の 状 態 と 生 活 の 規 則 性,および 競 技 のレベルとトレ ーニング'トレーニング 頻 度, 内 容 (に 関 した 項 目 について 行 った. 4( 統 計 分 析 1 食 生 活, 自 覚 的 な 健 康 感, 体 調, 睡 眠 の 状 態 と 生 活 の 規 則 性 に 関 する 項 目 の 回 答 は, 全 くそうで ない, あまりそうでない, ある 程 度 そうだ, 全 くそのとおりだ の4つの 選 択 肢 から 1 つを 選 ばせ, 最 終 的 には 前 2 者 と 後 2 者 をそれぞれ 統 合 して 良, 否 に2 値 化 し,その 状 況 を 男 女 別 に 検 討 した. 検 定 にはカイ2 乗 独 立 検 定,または Fisher の 確 率 検 定 法 を 用 いた. 2トレーニング'トレーニング 頻 度, 内 容 (の 状 況 を 男 女 別 に 検 討 した. 検 定 にはカイ2 乗 独 立 検 定,ま たは Fisher の 確 率 検 定 法 を 用 いた. 3 食 生 活 の 良 否 ' 食 生 活 スコア(と 健 康 感, 体 調, 睡 眠 の 状 態 と 生 活 の 規 則 性,トレーニングに 関 する 項 目 との 関 係 について 検 討 した.この 際, 食 生 活 に 関 した 15 項 目 の 質 問 の 中 から, 食 生 活 の 内 容 を 具 体 的 に 示 す 12 項 目 を 選 び, 各 項 目 で 良 い 状 態 にある 場 合 を 1 点, 悪 い 状 態 を0 点 とし, 総 得 点 12 点 として 食 生 活 スコアを 求 め, 算 出 された 食 生 活 スコアをもとにして 対 象 者 を 3 分 位 数 により 7 点 以 下,8-9 点,9 点 以 上 の 3 段 階 にカテゴリィ 化 した.その 後, 食 生 活 スコア'3 段 階 (と 健 康 感, 体 調, 睡 眠 の 状 態, 生 活 の 規 則 性,トレーニングに 関 する 項 目 との 関 係 をロジスティック 回 帰 分 析 で 検 討 し, 各 要 因 との 関 連 の 強 さをオッズ 比 によって 求 めた. 3. 結 果 1( 食 生 活 に 関 して 1 食 生 活 の 状 況 表 1に 男 女 の 食 生 活 の 状 況 を 示 した. 男 子 は, 女 子 と 比 較 して 食 事 時 間 への 配 慮 不 足 '38.8%vs.60.0%( 'P=0.044(, サプリメントの 頻 繁 な 利 用 '46.9%vs.26.5% ( ' P=0.048 ( に そ れ ぞれ 有 意 な 差 が 認 め られ た. ま た, ダ イ エ ッ ト し て い る '4.1%vs.17.1%( 'P=0.052(においては 差 のある 傾 向 がみられた. 2 食 生 活 スコア 表 2に 男 女 の 食 生 活 スコアの 全 体 評 価 の 結 果 を 示 した. 食 生 活 スコアを 7 点 以 下,8-9 点,10 点 以 上 にグループ 化 した 場 合, 男 子 は 女 子 と 比 較 して 食 生 活 ス コアが 7 点 以 下 '14.3%vs.37.1%(,8-9 点 '38.8%vs.28.6%(,10 点 以 上 '46.9 vs.34.3%(で 男 女 に 差 がみら れる 傾 向 にあった'P=0.053(. - 3 -

三 食 を 取 る(%) 油 っぽいものは 食 べない(%) 肉, 魚, 卵, 豆 などをしっかり 取 る(%) 牛 乳 乳 製 品 をよく 取 る(%) びじき レバーをよく 取 る(%) 野 菜 をよく 取 る(%) 食 事 の 時 間 にも 気 をつかう(%) インスタント レトルト 食 品 は 避 ける(%) 外 食 が 多 い(1 日 1 食 以 上 )(%) 惣 菜 弁 当 を 食 べる(1 日 1 食 以 上 )(%) 一 人 で 食 事 することが 多 い(%) 現 在 ダイエットしている(%) サプリメントをよく 取 る(%) 食 事 に 配 慮 している(%) 表 1. 男 女 の 食 生 活 の 状 況 全 体 男 性 女 性 有 意 確 率 (P) (n=84) (n=49) (n=35) ( 男 vs 女 ) a) No 8.3 8.2 8.6 Yes 91.7 91.8 91.4 0.622 No 46.4 53.1 37.1 Yes 53.6 46.9 62.9 No 14.6 10.4 20.6 Yes 85.4 89.6 79.4 No 27.4 22.4 34.3 Yes 72.6 77.6 65.7 No 53.6 51.0 57.1 Yes 46.4 49.0 42.9 No 15.7 12.5 20.0 Yes 84.3 87.5 80.0 No 47.6 38.8 60.0 Yes 52.4 61.2 40.0 No 47.6 44.9 51.4 Yes 52.4 55.1 48.6 No 97.6 98.0 97.0 Yes 2.4 2.0 3.0 No 88.1 87.8 88.6 Yes 11.9 12.2 11.4 No 77.4 77.6 77.1 Yes 22.6 22.4 22.9 No 90.5 95.9 82.9 Yes 9.5 4.1 17.1 No 38.6 46.9 26.5 Yes 61.4 53.1 73.5 No 39.3 40.8 37.1 Yes 60.7 59.2 62.9 No 48.8 49.0 48.6 おかずの 種 類 にも 気 をつかう(%) Yes 51.2 51.0 51.4 a)fisherの 直 接 確 率 検 定 法 (ただし 食 生 活 得 点 および 食 生 活 自 己 評 価 についてはカイ2 乗 検 定 ) *: 男 女 差 が 有 意 (P<0.05), **: 男 女 に 差 の 傾 向 がある(0.05<P<0.15) 表 2. 食 生 活 の 全 体 評 価 全 体 男 性 女 性 有 意 確 率 (P) (n=84) (n=49) (n=35) ( 男 vs 女 ) a) 食 生 活 スコア b) (%) 7 点 以 下 23.8 14.3 37.1 8-9 点 34.5 38.8 28.6 10 点 以 上 41.7 46.9 34.3 0.053** 0.111** 0.167 0.171 0.370 0.265 0.044* 0.356 0.646 0.595 0.584 0.052** 0.048* 0.456 0.573 a)fisherの 直 接 確 率 検 定 法 (ただし 食 生 活 得 点 および 食 生 活 自 己 評 価 についてはカイ2 乗 検 定 ) b) 上 記 表 の 個 別 の 食 生 活 12 項 目 ( 三 食 を 取 る~ダイエット 中 まで)を 基 本 的 食 生 活 を 具 体 的 に 表 すものとし 各 項 目 でNoを0 点 Yesを1 点 として 食 生 活 スコアを 算 出 した *: 男 女 差 が 有 意 (P<0.05), **: 男 女 に 差 の 傾 向 がある(0.05<P<0.15) 2( 体 調 と 健 康 観, 生 活 の 規 則 性 について 表 3に 健 康 感, 体 調, 睡 眠 の 状 態 と 生 活 の 規 則 性, 体 型 把 握, 競 技 継 続 意 欲 について 男 女 の 状 況 を 示 した. 健 康 感 と 体 調, 生 活 の 規 則 性 について, 男 子 は 女 子 に 比 べて 現 在 の 健 康 感 '85.7%vs.68.6%( が 良 好 である 傾 向 にあったが'P=0.054(,その 他 の 項 目 に 差 は 認 められなかった. - 4 -

表 3. 健 康 感, 体 調, 睡 眠 の 状 態 と 生 活 の 規 則 性, 体 型 把 握, 競 技 継 続 意 欲 に 関 する 状 況 全 体 男 性 女 性 有 意 確 率 (P) (n=84) (n=49) (n=35) ( 男 vs 女 ) a) 現 在 自 分 は 健 康 である(%) たいてい 体 調 が 良 い(%) 将 来 の 健 康 にも 自 信 がある 睡 眠 は 十 分 に 取 っている(%) 規 則 正 しい 生 活 を 送 っている(%) 現 在 の 体 重 と 体 脂 肪 率 がわかる(%) No 21.4 14.3 31.4 Yes 78.6 85.7 68.6 No 42.2 37.5 48.6 Yes 57.8 62.5 51.4 No 36.9 34.7 40.0 Yes 63.1 65.3 60.0 No 30.1 22.9 40.0 Yes 69.9 77.1 60.0 No 39.3 34.7 45.7 Yes 60.7 65.3 54.3 No 45.8 51.0 38.2 Yes 54.2 49.0 61.8 0.054 0.217 0.393 0.076 0.214 0.177 将 来 も 陸 上 競 技 を 継 続 する a)fisherの 直 接 確 率 検 定 法 No+Unknown 39.8 32.7 50.0 Yes 60.2 67.3 50.0 0.087 3( 食 生 活 スコアと 健 康 感, 体 調, 睡 眠 の 状 態, 生 活 の 規 則 性, 体 型 把 握 との 関 係 について 表 4に 食 生 活 スコアと 健 康 感, 体 調, 睡 眠 の 状 態, 生 活 の 規 則 性, 体 型 把 握 との 関 係 を 示 した. 食 生 活 スコアの 高 い 選 手 は, 現 在 の 健 康 感 'P=0.002(, 将 来 の 健 康 感 'P=0.007(, 十 分 な 睡 眠 'P=0.027(, 生 活 の 規 則 性 'P=0.008(に 有 意 な 差 が 認 められ, 食 生 活 スコアの 高 い 選 手 が 良 好 な 状 態 にあった. 表 4. 食 生 活 スコアと 健 康 感, 体 調, 睡 眠 の 状 態, 生 活 の 規 則 性, 体 型 把 握 との 関 係 現 在 自 分 は 健 康 である(%) たいてい 体 調 が 良 い(%) 将 来 の 健 康 にも 自 信 がある 睡 眠 は 十 分 に 取 っている(%) 規 則 正 しい 生 活 を 送 っている(%) No No Yes No No 現 在 の 体 重 と 体 脂 肪 率 がわかる(%) Yes a)カイ2 乗 検 定 * 食 生 活 スコアに 有 意 差 がある(P<0.05) ** 食 生 活 スコアに 差 のある 傾 向 がある(0.05<P<0.15) Yes 50.0 Yes No Yes No Yes 食 生 活 スコア Crammer's V 7 点 以 下 8-9 点 10 点 以 上 (P 値 ) a) 50.0 13.8 11.4 86.2 88.6 0.39 (0.002*) 60.0 40.0 46.4 53.6 28.6 71.4 0.26 (0.065**) 65.0 34.5 22.9 0.34 35.0 65.5 77.1 (0.007*) 42.1 41.4 14.3 0.30 57.9 58.6 85.7 (0.027*) 65.0 41.4 22.9 0.34 35.0 58.6 77.1 (0.008*) 55.0 55.2 32.4 0.23 45.0 44.8 67.6 (0.123) 表 5に 食 生 活 スコアと 健 康 感, 体 調 との 関 係 の 強 さを 示 した. - 5 -

現 在 の 健 康 感 は, 食 生 活 スコアが 7 点 以 下 の 選 手 を 1.0 とした 場 合,8-9 点 の 選 手 は 6.3 倍 'P<0.01(, 10 点 以 上 の 選 手 は 7.8 倍 'P<0.01(で 良 好 な 状 況 にあった.また 体 調 は,7 点 以 下 の 選 手 を 1.0 とした 場 合,8-9 点 の 選 手 は 1.7 倍,10 点 以 上 の 選 手 は 3.8 倍 'P<0.05(, 将 来 の 健 康 への 自 信 は 3.5 倍 'P<0.05(,6.3 倍 'P<0.01(であり, 食 生 活 スコアの 良 い 選 手 が 良 好 な 状 況 にあった. 現 在 自 分 は 健 康 である 表 5. 食 生 活 スコアと 良 好 な 健 康 感 と 体 調 の 関 係 オッズ 比 a) 95% 信 頼 区 間 食 生 活 スコア : 7 点 以 下 1.0 基 準 8-9 点 6.3 ** 1.6-24.6 10 点 以 上 7.8 ** 2.0-30.2 たいてい 体 調 が 良 い(%) 食 生 活 スコア : 7 点 以 下 1.0 基 準 8-9 点 1.7 0.5-5.5 10 点 以 上 3.8 * 1.2-11.9 将 来 の 健 康 にも 自 信 がある 食 生 活 スコア : 7 点 以 下 1.0 基 準 8-9 点 3.5 * 1.1-11.7 10 点 以 上 6.3 ** 1.9-21.0 a)ロジスティック 回 帰 分 析 *P<0.05 **P<0.01 4(トレーニングと 食 生 活 の 状 況, 競 技 の 継 続 意 欲 の 関 係 について 表 6に 食 生 活 スコアと 競 技 レベル,および 卒 業 後 の 競 技 の 継 続 意 欲 を 示 した. 競 技 レベルと 競 技 の 継 続 意 欲 においては, 食 生 活 スコアとのあいだに 関 係 はみられなかった. 競 技 レヘ ル(%) 表 6. 食 生 活 スコアと 競 技 レベル,および 卒 業 後 の 競 技 継 続 意 欲 の 関 係 将 来 も 陸 上 競 技 を 継 続 する(%) No サプリメントをよく 取 る(%) Yes a)カイ2 乗 検 定 * 食 生 活 スコアに 有 意 差 がある(P<0.05) ** 食 生 活 スコアに 差 のある 傾 向 がある(0.05<P<0.15) Crammer's V 7 点 以 下 8-9 点 10 点 以 上 (P 値 ) a) 全 国 大 会 出 場 - 10.7 1.8 0.26 地 区 大 会 出 場 65 75.0 73.5 (0.222) 自 己 記 録 向 上 35 14.3 14.7 No+Unknown Yes 57.9 42.1 食 生 活 スコア 55.0 27.6 45.0 72.4 44.8 55.2 41.2 0.21 58.8 (0.152) 22.9 0.29 77.1 (0.028*) 5( 競 技 の 継 続 意 欲 と 自 覚 的 健 康 感, 生 活 の 規 則 性 とトレーニング 状 況 について 表 7に 競 技 の 継 続 意 欲 と 自 覚 的 健 康 感, 生 活 の 規 則 性 とトレーニング 状 況 について 示 した. 練 習 内 容 が いつも,また たいてい 厳 しい ほど 競 技 の 継 続 意 欲 が 有 意 に 高 くなった'P=0.005(.また, 一 週 間 の 練 習 日 数 が 多 いほど 競 技 の 継 続 意 欲 が 高 い 傾 向 にあった'P=0.07(. - 6 -

4. 考 察 表 7. 競 技 の 継 続 意 欲 と 自 覚 的 健 康 感, 生 活 の 規 則 性 とトレーニング 状 況 継 続 意 欲 独 立 係 数 (P 値 ) ない+ 不 明 あり 体 調 0.02 0.885 poor 41.2 58.8 good 39.6 60.4 自 覚 的 健 康 度 0.13 0.241 poor 27.8 72.2 good 43.1 56.9 規 則 正 しい 生 活 0.04 0.739 いいえ 37.5 62.5 はい 41.2 58.8 十 分 な 睡 眠 0.07 0.507 いいえ 45.8 54.2 はい 37.9 62.1 食 生 活 得 点 0.21 0.152 7 点 未 満 55.0 45.0 8-9 点 27.6 72.4 10 点 以 上 41.2 58.8 練 習 日 数 0.25 0.074 5 日 / 週 以 下 50.0 50 6 日 / 週 45.3 54.7 毎 日 16.7 83.3 練 習 内 容 0.36 0.005* いつもとても+ 大 抵 厳 しい 26.3 73.7 厳 しい 時 とそうでない 時 がある 38.7 61.3 普 通 + 楽 76.9 23.1 * 競 技 の 継 続 意 欲 に 有 意 差 がある(P<0.01) ジュニア 選 手 の 健 康 感 と 体 調 は, 食 生 活 スコアとの 間 に 有 意 な 関 係 が 認 められ, 食 生 活 が 良 好 な 状 態 に ある 選 手 は 現 在 の 健 康 状 態 や 体 調 が 良 く, 将 来 の 健 康 への 自 信 があり,また 生 活 の 規 則 性 が 飛 躍 的 に 良 好 にあることが 明 らかになった. 一 方,トレーニングと 競 技 の 継 続 意 欲 の 関 係 について, 練 習 の 日 数 が 多 い 選 手,また 練 習 の 内 容 が い つも 厳 しい,あるいは たいてい 厳 しい と 感 じている 選 手 ほど 競 技 の 継 続 意 欲 が 高 かった.これは,この 時 期 のパフォーマンスは 練 習 頻 度 が 高 いほど,また 練 習 が 厳 しいほど 高 く, 逆 に 練 習 頻 度 が 多 く, 練 習 が 厳 しいことがパフォーマンスを 高 める 要 素 となり 得 ることが 示 唆 された.しかし, 発 育 発 達 期 にあるこの 時 期 は,トレーニングや 食 生 活 が 指 導 者 や 家 族 に 大 きく 影 響 されることも 否 めない.すなわち,トレーニング,お よび 食 生 活 の 内 容 について 自 己 決 定 することがなく,その 結 果, 過 度 のトレーニングや 不 適 切 な 食 生 活 の 状 況 に 陥 っている 可 能 性 もある.そして,この 状 況 が 持 続 すれば, 体 調 やパフォーマンスに 影 響 し, 競 技 の 継 続 意 欲 を 低 下 させることも 考 えられる. 本 研 究 により, 発 育 発 達 期 の 食 生 活 の 状 況 が 尐 なくとも 健 康 感, 体 調, 生 活 の 規 則 性 等 に 影 響 している ことが 明 らかになったことから, 特 にエネルギー 消 費 量 の 多 い 長 距 離 走 選 手 の 現 場 での 指 導 の 際 には,ト レーニングの 指 導 に 合 わせて, 食 生 活 についての 指 導,サポートも 行 う 必 要 があることは 示 唆 された.また, この 時 期 の 適 切 な 指 導 とサポートによって, 選 手 の 競 技 の 継 続 意 欲 が 高 まり, 競 技 人 口 の 増 加 と 競 技 レベ ルの 向 上 につながることが 期 待 される. - 7 -

Ⅳ.ジュニア 選 手 の 強 化 合 宿 時 の 身 体 活 動 状 況 に 関 する 研 究 ~ 身 体 活 動 量,および 活 動 強 度 ~ 1. 目 的 本 研 究 は, 発 育 発 達 期 にあるジュニア 選 手 を 対 象 とした 強 化 合 宿 時 の 生 活 とトレーニングによる 身 体 活 動 状 況 ' 身 体 活 動 量,および 活 動 強 度 (について, 客 観 的 指 標 を 用 いてそれぞれ 分 析 検 討 し, 今 後 のジ ュニア 選 手 のトレーニング 指 導,およびサポートの 基 礎 資 料 を 得 ることを 目 的 として 実 施 した. 2. 方 法 1( 対 象 対 象 は,T 県 の 中 学 校 陸 上 競 技 連 盟 主 催 の 駅 伝 夏 季 選 抜 強 化 合 宿 '2 泊 3 日 (に 参 加 した 男 子 10 名, 女 子 9 名 の 合 計 19 名 である. 対 象 者 の 身 体 組 成 を 表 8に 示 した. 表 8. 対 象 者 の 身 体 組 成 人 数 ( 人 ) 年 齢 (yrs) 身 長 (cm) 体 重 (kg) BMI 女 子 9 13.8±1.0 157.3±4.8 42.1±5.3 17.0±1.6 男 子 10 14.3±0.8 163.8±6.5 47.2±5.1 17.6±1.0 2( 身 体 活 動 状 況 'エネルギー 消 費 量,および 活 動 強 度 の 測 定 (の 測 定 測 定 は,2 泊 3 日 の 合 宿 期 間 の2 日 目 に 実 施 し, 各 選 手 の 身 体 特 性 を 入 力 した 測 定 機 器 を 起 床 後 の 朝 練 習 の 際 に 選 手 に 配 布 し,6 時 30 分 に 身 体 腰 部 に 装 着,その 後 夕 食 前 の 19 時 に 回 収 するまでの 12 時 間 30 分 とした.この 間, 朝 食 前 と 午 前, 午 後 にトレーニングが 実 施 された.なお, 測 定 には 身 体 活 動 量 計 ' 松 下 電 工 製 アクテイマーカー(を 用 い, 専 用 の 解 析 ソフトにて 解 析 後, 単 位 時 間 当 りの 身 体 活 動 量 と 強 度 についてそれぞれ 分 析 した. 測 定 日 の 選 手 の 行 動 概 要 を 表 9 測 定 日 のトレーニングの 内 容 を 表 10 にそれぞれ 示 した. 表 9. 測 定 日 の 行 動 概 要 5:00 5:30 6:00 7:00 7:30 10:00 10:30 12:00 12:30 16:00 16:30 18:30 19:00 20:30 22:00 起 床 宿 舎 出 発 練 習 場 到 着 朝 練 習 練 習 終 了 宿 舎 到 着 朝 食 / 休 養 宿 舎 出 発 練 習 場 到 着 午 前 練 習 練 習 終 了 宿 舎 到 着 昼 食 / 休 養 宿 舎 出 発 練 習 場 到 着 午 後 練 習 練 習 終 了 宿 舎 到 着 夕 食 入 浴 ミ ー テ イ ン グ 消 灯 表 10. 練 習 の 内 容 朝 練 習 午 前 練 習 午 後 練 習 Warm up 2000m Jog Warm up 800m Jog Warm up 5 分 Jog 体 操 ストレッチ 体 操 ストレッチ 体 操 ストレッチ ペース 走 4000~6000m Wind sprint 100m 4 本 クロスカントリー 走 60 分 Cool down 800m Jog インターバル 200m 10 本 坂 ダッシュ 10 本 体 操 ストレッチ Cool down 800m Jog Cool down 5 分 Jog 体 操 ストレッチ 体 操 ストレッチ - 8 -

3( 測 定 項 目 測 定 項 目 は, 身 体 活 動 量 と 活 動 強 度 '3Mets 未 満,3-4Mets,4Mets 以 上 (,および 歩 数 である. 3. 結 果 1( 身 体 活 動 状 況 対 象 者 の 基 礎 安 静 時 代 謝 量, 身 体 活 動 量 と 活 動 強 度 について, 図 1に 男 子, 図 2に 女 子 をそれぞれ 示 した. 身 体 活 動 量 は, 男 子 で 4424.1±471.6Kcal, 女 子 で 3957.4±172.5Kcal であり, 基 礎 安 静 時 代 謝 量 は, 男 子 で 1609.5±111.2Kcal, 女 子 で 1404.0±80.9Kcal であった.また,4Mets 以 上 の 活 動 量 は, 男 子 で 2199.6±368.9Kcal, 女 子 で 2009.6±105.6Kcal で 身 体 活 動 総 量 に 占 める 割 合 がそれぞれ 男 子 で 49.7%, 女 子 で 50.8%であった. (Kcal) 6000 基 礎 安 静 時 3Mets 未 満 3-4Mets 4Met- 5000 4000 3000 2000 1000 0 A B C D E F G H I J 平 均 図 1. 基 礎 安 静 時 代 謝 量 と 身 体 活 動 量, 活 動 強 度 ' 男 子 ( (Kcal) 6000 基 礎 安 静 時 3Mets 未 満 3-4Mets 4Met- 5000 4000 3000 2000 1000 0 K L M N O P Q R S 平 均 図 2. 基 礎 安 静 時 代 謝 量 と 身 体 活 動 量, 活 動 強 度 ' 女 子 ( - 9 -

2( 身 体 活 動 強 度 3Mets 以 上 の 身 体 活 動 量 'エネルギー 消 費 量 Kcal(と 活 動 時 間 ' 分 (について, 図 3に 男 子, 図 4に 女 子 をそれぞれ 示 した. 3-4Mets の 身 体 活 動 量 は, 男 子 で 230.5±45.0Kcal, 女 子 で 194.1±43.4Kcal,また,4Mets の 以 上 の 身 体 活 動 量 は 男 子 で 2199.6±368.9Kcal, 女 子 で 2009.6±105.6Kcal であり, 男 子 と 女 子 のいず れにおいてもトレーニングによる 強 度 の 高 い 身 体 活 動 量 が 多 くなった. これに 対 し, 活 動 時 間 は,3-4Mets は 男 子 で 544.6±127.0 分, 女 子 で 528.1±116.0 分,また,4 Mets 以 上 においては 男 子 で 1554.0±121.5 分, 女 子 で 1516.7±72.1 分 であり, 男 子 と 女 子 のいずれ においてもトレーニングによると 考 えられる 強 度 の 高 い 身 体 活 動 の 時 間 が 長 くなった.しかし, 男 子 と 女 子 のいずれにおいても 身 体 活 動 量 と 活 動 強 度,および 活 動 時 間 とのあいだに 有 意 な 関 連 はみられ なかった. 3-4Mets 4Mets 以 上 (Kcal) 350 300 250 200 150 100 50 0 A B C D E F G H I J 平 均 2000 1800 1600 1400 1200 1000 800 600 400 200 0 3-4Metsの 時 間 4Mets 以 上 の 時 間 ( 分 ) A B C D E F G H I J 平 均 図 3. 身 体 活 動 量 '3-4Mets,および 4Mets(と 対 応 する 活 動 時 間 ' 男 子 ( 3-4Mets 4Mets 以 上 (Kcal) 350 300 250 200 150 100 50 0 K L M N O P Q R S 平 均 2000 1800 1600 1400 1200 1000 800 600 400 200 0 ( 分 ) 3-4Metsの 時 間 4Mets 以 上 の 時 間 K L M N O P Q R S 平 均 図 4. 身 体 活 動 量 '3-4Mets,および 4Mets(と 対 応 する 活 動 時 間 ' 女 子 ( 3( 体 重 当 たりの 身 体 活 動 量 '3-4Mets,および 4Mets( 体 重 当 たりの 身 体 活 動 量 について, 図 5に 男 子, 図 6に 女 子 をそれぞれ 示 した. 3-4Mets の 体 重 当 たりの 身 体 活 動 量 は 男 子 で 4.9±1.1Kcal, 女 子 で 4.6±1.0Kcal,また,4Mets の 以 上 の 身 体 活 動 量 は 男 子 で 5.0±0.6Kcal, 女 子 で 5.9±1.1Kcal であった.また, 男 子 では3-4 Mets の 活 動 と 比 較 して4Mets 以 上 の 活 動 は 体 重 当 たりの 身 体 活 動 量 に 大 きな 差 はなかったが '102.4%(, 女 子 では4Mets 以 上 の 活 動 量 が 多 くなった'128.3%(. - 10 -

9.0 8.0 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 3-4Mets(/Wt) 4Mets 以 上 (/Wt) (Kcal/kg) A B C D E F G H I J 平 均 図 5. 体 重 当 たりの 身 体 活 動 量 ' 男 子 ( 9.0 8.0 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 3-4Mets(/Wt) 4Mets 以 上 (/Wt) (Kcal/kg) K L M N O P Q R S 平 均 図 6. 体 重 当 たりの 身 体 活 動 量 ' 女 子 ( 4( 歩 数 とエネルギー 消 費 量 歩 数 と 対 応 する 身 体 活 動 量 について, 図 7に 男 子, 図 8に 女 子 をそれぞれ 示 した. 歩 数 は, 男 子 で 41,435±3,403 歩, 女 子 で 40,951±1,688 歩,また 身 体 活 動 量 は, 男 子 で 2553.6± 138.4Kcal, 女 子 で 2814.7±384.2 Kcal であった. 歩 数 と 身 体 活 動 量 は, 男 子 と 女 子 のいずれにおいて も 関 係 がみられなかった. ( 歩 ) 歩 数 身 体 活 動 量 50000 (Kcal) 4000 48000 3800 46000 3600 44000 3400 42000 3200 40000 3000 2800 38000 2600 36000 2400 34000 2200 32000 2000 A B C D E F G H I J 平 均 A B C D E F G H I J 平 均 図 7. 歩 数 と 対 応 する 身 体 活 動 量 ' 男 子 ( - 11 -

50000 48000 46000 44000 42000 40000 38000 36000 34000 32000 ( 歩 ) 歩 数 身 体 活 動 量 (Kcal) 4000 K L M N O P Q R S 平 均 3800 3600 3400 3200 3000 2800 2600 2400 2200 2000 K L M N O P Q R S 平 均 図 8. 歩 数 と 対 応 する 身 体 活 動 量 ' 女 子 ( 4( 考 察 陸 上 競 技 長 距 離 走 のトレーニングは, 有 酸 素 系 が 主 であり,エネルギー 消 費 量 の 多 いことで 知 られてい る. 本 研 究 においてもトレーニングにおけるエネルギー 消 費 量 が 一 日 の 身 体 活 動 量 の 約 半 分 ' 男 子 : 49.7%, 女 子 :50.8%(を 占 めていた. 最 大 運 動 の 50~60% 程 度 の 運 動 は, 体 脂 肪 の 燃 焼 を 増 加 させる 効 果 を 期 待 できることから 健 康 づくりに 効 果 的 であるとして 推 奨 されているが, 競 技 力 の 向 上 を 目 的 としたトレーニングにおいては,それ 以 上 の 強 度 でトレーニングを 行 う 必 要 がある. 強 度 の 高 い 運 動 は, 筋 肉 や 骨, 心 臓 や 肺, 肝 臓 などの 組 織 や 器 官 に 刺 激 を 与 え,その 刺 激 に 身 体 の 機 能 が 適 応 することでトレーニング 効 果 が 期 待 される.しかし,トレーニング が 過 度 になれば, 筋 肉 や 内 臓 への 刺 激 を 大 きくし, 障 害 を 起 こす 危 険 性 を 高 めることになり, 特 に 発 育 発 達 期 においてはその 影 響 が 顕 著 となるため, 障 害 の 予 防 に 留 意 する 必 要 がある. 本 研 究 において,エネルギー 消 費 量 と 運 動 強 度, 歩 数,および 活 動 時 間 とのあいだに 関 連 がなかった. これはは 中 学 生 は 発 育 発 達 の 時 期 であるために 骨 格 筋 や 身 長 の 成 長 に 個 人 差 が 大 きいことによると 考 え られる.また, 選 抜 選 手 による 強 化 合 宿 であったとは 言 え, 身 体 能 力 やトレーニングの 意 欲 にも 影 響 されて いると 考 えられる.すなわち, 同 じトレーニング 内 容 であっても 身 体 能 力 の 高 い 選 手 は 低 い 選 手 と 比 較 して, 骨 格 筋 や 心 肺 機 能 への 負 荷 が 小 さく,また, 運 動 強 度 の 増 加 に 伴 う 忍 耐 力 や 自 己 統 制 力 などの 精 神 面 も その 必 要 性 は 小 さいと 考 えられる. 一 方, 意 欲 の 高 い 選 手 はトレーニングの 質 'スピード(を 高 めることが 可 能 であることから, 同 じトレーニングの 内 容 であっても 心 肺 機 能 が 亢 進 し,また, 精 神 的 なストレスによる 交 感 神 経 の 活 性 化 により,エネルギー 消 費 量 が 増 大 することも 考 えられる. ところで, 合 宿 期 では, 男 性 と 比 較 して 女 性 においては,4Mets 以 上 の 身 体 活 動 量 が 大 きくなった.これ は 男 子 と 比 較 して 女 子 のトレーニング 強 度 が 高 かったことを 示 し, 女 子 のトレーニングの 負 荷 が 男 子 よりも 大 きかったと 推 察 される. なお, 本 研 究 における 測 定 機 器 は,4Mets 以 上 の 運 動 強 度 の 測 定 に 限 界 があった. 今 後 は 強 度 の 高 い 運 動 においても 身 体 活 動 量 と 強 度 の 測 定 が 可 能 な 機 器 によるさらなる 検 討 が 必 要 であると 考 える. - 12 -

Ⅴ.ジュニア 選 手 の 強 化 合 宿 時 の 食 事 摂 取 状 況 に 関 する 研 究 ~エネルギー 摂 取 量,および 栄 養 摂 取 状 況 ~ 1. 目 的 本 研 究 は, 発 育 発 達 期 にあるジュニア 選 手 を 対 象 とした 強 化 合 宿 時 の 食 事 摂 取 状 況 'エネルギー 摂 取 量,および 栄 養 摂 取 状 況 (について,それぞれ 分 析 検 討 し, 今 後 のジュニア 選 手 の 食 事 指 導,およびサ ポートの 基 礎 資 料 を 得 ることを 目 的 として 実 施 した. 2. 方 法 1( 対 象 対 象 は,T 県 の 中 学 校 陸 上 競 技 連 盟 主 催 の 駅 伝 夏 季 選 抜 強 化 合 宿 '2 泊 3 日 (に 参 加 した 男 子 10 名, 女 子 9 名 の 合 計 19 名 である. 対 象 者 の 身 体 組 成 を 表 11 に 示 した. 表 11. 対 象 者 の 身 体 組 成 人 数 ( 人 ) 年 齢 (yrs) 身 長 (cm) 体 重 (kg) BMI 女 子 9 13.8±1.0 157.3±4.8 42.1±5.3 17.0±1.6 男 子 10 14.3±0.8 163.8±6.5 47.2±5.1 17.6±1.0 2( 食 事 摂 取 状 況 'エネルギー 摂 取 量,および 栄 養 摂 取 状 況 (の 分 析 食 事 摂 取 状 況 は, 身 体 活 動 量 と 活 動 強 度 を 測 定 した 前 日 の 夕 食 と 当 日 の 朝 食,および 昼 食 の 三 食 に ついて, 提 供 された 食 事 量 から 個 人 '19 名 (の 食 事 の 残 量 をそれぞれ 計 測 して 摂 取 量 を 算 出 し,エネルギ ーとタンパク 質 の 摂 取 量, 栄 養 摂 取 状 況 を 分 析 した.その 後, 分 析 した 数 値 をトレーニング 実 施 者 の 身 体 特 性 の 平 均 値 と 比 較 した.なお, 栄 養 分 析 には 栄 養 分 析 ソフト' 建 帛 社 製 アドインソフトエクセル 栄 養 君 Ver.4.5(を 用 いた. 3( 栄 養 分 析 の 基 準 値 1エネルギー 消 費 量 と 摂 取 量 発 育 発 達 期 のエネルギーは 発 育 段 階 と 身 体 活 動 量 に 応 じてその 量 を 増 加 させる 必 要 がある.しかし,ス ポーツの 種 目 やポジション,トレーニングの 質 や 量 などの 内 容,トレーニングの 実 施 時 間, 気 温, 湿 度 など の 環 境 などの 因 子 はエネルギー 消 費 量 に 大 きく 影 響 するため, 明 確 な 基 準 値 を 定 めることは 困 難 である. したがって, 本 研 究 では, 三 食 の 食 事 の 分 析 と 対 応 させたトレーニング 実 施 日 のエネルギー 消 費 量 を 基 準 として 過 不 足 を 検 討 した. 2 三 大 栄 養 素 三 大 栄 養 素 のバランスは,タンパク 質 15~20%, 脂 肪 20~25%, 炭 水 化 物 55~60%を 基 準 とした. 3タンパク 質 の 所 要 量 タンパク 質 の 所 要 量 は, 体 重 に 1.08g を 乗 じた 量 が 推 奨 されているが, 身 体 活 動 強 度 に 応 じて 乗 じる 数 値 を 増 加 させる 必 要 がある. 本 研 究 においては,トレーニングによるタンパク 質 の 必 要 量 とタンパク 質 の 過 剰 摂 取 による 体 脂 肪 の 蓄 積 を 配 慮 した 数 値 として, 体 重 に 2.0 を 乗 じた 数 値 を 基 準 値 とした. - 13 -

4 栄 養 成 分 の 充 足 率 栄 養 成 分 については,12 歳 から 14 歳 の 所 要 量 の 所 要 量 とされるカリウム' 男 子 1900mg, 女 子 1700mg(, カルシウム' 男 子 1000mg, 女 子 850mg(, 鉄 ' 男 子 11.5g, 女 子 13.5g(,レチノール' 男 子 700μg, 女 子 550 μg(,ビタミン B1' 男 子 1.4mg, 女 子 1.2mg(,ビタミン B2' 男 子 1.6mg, 女 子 1.4mg(,ビタミン C' 男 子 100mg, 女 子 100mg(, 食 物 繊 維 ' 男 子 27g, 女 子 23g(,および 食 塩 ' 男 子 10g, 女 子 8g(の 値 を 基 準 とした. 4( 三 食 の 食 事 の 内 容 三 食 の 食 事 内 容 と 献 立 を 図 9から 図 11 に 示 した. 献 立 五 穀 米 ビーフシチュー 材 料 牛 肉 じゃがいも 人 参 インゲン シチューの 素 じゃがいも 大 根 人 参 茄 子 のチーズ 焼 き 茄 子 チーズ 野 菜 レタス きゅうり 人 参 とまと ひじき 牛 乳 オレンジジュース ひじき 大 豆 切 干 大 根 図 9. 身 体 活 動 量 の 測 定 前 日 の 夕 食 内 容 献 立 ごはん 鮭 の 塩 焼 き 和 え 物 ソーセージ 野 菜 温 泉 卵 納 豆 味 噌 汁 味 つけ 海 苔 バナナ 牛 乳 乳 飲 料 図 10. 身 体 活 動 量 の 測 定 当 日 の 朝 食 内 容 牛 丼 澄 まし 汁 オレンジ 牛 乳 献 立 材 料 ほうれん 草 もやし じゃこ ソーセージ レタス 赤 玉 ねぎ 卵 納 豆 辛 子 豆 腐 しめじ 玉 ねぎ インゲン ねぎ 味 噌 材 料 ごはん 牛 肉 玉 ねぎ 紅 しょうが わかめ 玉 ねぎ 3. 結 果 図 11. 身 体 活 動 量 の 測 定 当 日 の 昼 食 内 容 - 14 -

1(エネルギー 摂 取 状 況 エネルギーの 摂 取 状 況 について, 図 12 に 男 子, 図 13 に 女 子 の 結 果 をそれぞれ 示 した. エネルギー 摂 取 量 は, 男 子 では 3260±689Kcal であり,エネルギー 消 費 量 4424±472 Kcal に 対 して 73.7%であった. 一 方, 女 子 は 2672±97Kcal であり,でエネルギー 消 費 量 3957±173 Kcal に 対 して 69.8%であった. また, 一 般 の 12-14 歳 に 必 要 とされているエネルギー 摂 取 量 に 対 する 割 合 は, 男 子 では,2650Kcal に 対 してエネルギー 消 費 量 が 4424Kcal で 167%, 女 子 では,2300Kcal に 対 してエネルギー 消 費 量 が 3957 Kcal で 172%であった. 6000 5500 5000 4500 4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 (Kcal) 4424±472 消 費 3260±689 摂 取 6000 5500 5000 4500 4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 (Kcal) 3957±173 消 費 2672±97 摂 取 図 12.エネルギーの 摂 取 状 況 ' 男 子 ( 図 13.エネルギーの 摂 取 状 況 ' 女 子 ( 2( 三 大 栄 養 素 のバランス 三 大 栄 養 素 のバランスについて, 図 14 に 男 子, 図 15 に 女 子 の 結 果 をそれぞれ 示 した. バランスの 良 いエネルギーの 比 率 は,タンパク 質 15~20%, 脂 肪 20~25%, 炭 水 化 物 55~60%とされ ている. 本 研 究 において, 男 子 ではタンパク 質 14.4%,エネルギー 源 となる 脂 肪 33.3%, 炭 水 化 物 52.3%であり, 基 準 とされている 摂 取 比 率 に 対 し, 脂 肪 の 比 率 が 高 く, 炭 水 化 物 の 比 率 が 低 かった. 女 子 ではタンパク 質 14.1%, 脂 肪 34.7%, 炭 水 化 物 51.2%であり, 推 奨 されている 摂 取 比 率 と 比 較 した 場 合 に, 男 子 と 同 様 に 脂 肪 の 比 率 が 高 く, 炭 水 化 物 の 比 率 が 低 かった. 60.0 Protein 40.0 20.0 14.4% 60.0 Protein 40.0 20.0 14.1% 52.3% Carbohydrate 0.0 33.3% Fat 51.2% Carbohydrate 0.0 34.7% Fat 図 14. 三 大 栄 養 素 のバランス' 男 子 ( 図 15. 三 大 栄 養 素 のバランス' 女 子 ( - 15 -

3(タンパク 質 の 摂 取 状 況 タンパク 質 の 摂 取 状 況 について, 図 16 に 男 子, 図 17 に 女 子 の 結 果 をそれぞれ 示 した. タンパク 質 の 摂 取 量 は, 男 子 では 112±40g, 女 子 では 94±5g の 摂 取 であり, 必 要 量 を 体 重 に 2.0gを 乗 じた 値 としたところ,それぞれ 男 子 では,103.7%, 女 子 では 97.1%であり, 必 要 量 に 近 いタンパク 質 量 が 摂 取 されていた. 120 110 100 (g) 108.6 112±40 120 110 100 (g) 96.8 94±5 90 90 80 80 70 70 60 60 50 消 費 摂 取 50 消 費 摂 取 図 16.タンパク 質 の 摂 取 状 況 ' 男 子 ( 図 17.タンパク 質 の 摂 取 状 況 ' 女 子 ( 4( 栄 養 成 分 の 摂 取 状 況 栄 養 成 分 の 摂 取 状 況 について,カリウム,カルシウム, 鉄,レチノール,ビタミン B1,ビタミン B2,ビタミン C, 食 物 繊 維,および 食 塩 について, 図 18 に 男 子, 図 19 に 女 子 の 結 果 をそれぞれ 示 した. 各 栄 養 成 分 の 発 育 発 達 期 の 所 要 量 に 対 し, 本 研 究 の 対 象 者 の 充 足 率 は, 男 子 で 85.9%から 243.2%で 貧 血 症 の 原 因 の 一 つとして 考 えられている 鉄 の 摂 取 量 が 不 足 していた. 女 子 の 充 足 率 は 66.6%から 196.4%であり, 男 子 と 同 様 に 鉄 の 摂 取 量 が 不 足 していた. また, 男 子 と 女 子 のいずれにおいてもカリウム' 男 子 :243.2%, 女 子 :196.4%(,ビタミン C( 男 子 :231.6%, 女 子 :186.4%), 食 塩 ' 男 子 :162.3%, 女 子 :186.3%(の 摂 取 量 が 多 かった. 300 (%) 300 (%) 250 200 150 100 243.2 141.5 85.9 231.6 162.3 142.1 121.8 102.4 105.1 250 200 150 100 196.4 105.6 66.6 186.4 186.3 138.0 102.8 111.1 112.6 50 50 0 0 カリウム カルシウム 鉄 レチノール ビタミンB1 ビタミンB2 ビタミンC 食 物 繊 維 総 量 食 塩 カリウム カルシウム 鉄 レチノール ビタミンB1 ビタミンB2 ビタミンC 食 物 繊 維 総 量 食 塩 図 18. 栄 養 成 分 の 摂 取 状 況 ' 男 子 ( 図 19. 栄 養 成 分 の 摂 取 状 況 ' 女 子 ( 4. 考 察 全 国 や 地 域 の 都 道 府 県, 市 区 町 村 の 競 技 団 体 において,ジュニア 選 手 を 対 象 とした 合 宿 が 企 画 され, 開 催 されている. 陸 上 競 技 長 距 離 走 の 強 化 合 宿 期 のトレーニングは, 日 常 のトレーニングと 比 較 して,トレ - 16 -

ーニングの 走 行 距 離 や 走 行 スピードなどの 質 と 量 が 高 まるため, 筋 肉 の 分 解 が 促 進 し, 疲 労 が 生 じ, 精 神 的 なストレスが 発 生 するなど, 心 身 の 負 担 が 増 大 すると 考 えられる.したがって, 合 宿 期 の 食 事 は, 身 体 づ くりや 貧 血 症 の 予 防, 身 体 の 疲 労 の 回 復 のみならず, 精 神 的 な 疲 労 の 回 復 にも 配 慮 したものであることが 期 待 される. 本 研 究 において, 食 事 の 分 析 を 実 施 した 日 に 先 んじて 測 定 したエネルギー 消 費 量 は, 男 子 では, 73.7%'エネルギー 消 費 量 :4424±472Kcal,エネルギー 摂 取 量 :3260±689Kcal(, 女 子 は 69.8%'エネル ギー 消 費 量 :3957±173 Kcal,エネルギー 摂 取 量 :2672±97Kcal(でいずれも 不 足 していた.エネルギーの 不 足 は, 筋 肉 や 血 液 の 合 成 を 阻 害 し,トレーニングによる 身 体 づくりどころか, 身 体 組 織 の 分 解 を 促 進 して 疲 労 や 障 害 の 原 因 となる.したがって,エネルギーを 確 保 して 組 織 の 分 解 を 抑 制 することで,トレーニング 効 果 による 競 技 力 の 向 上 が 期 待 される.この 時,エネルギー 源 である 炭 水 化 物 の 摂 取 量 を 増 加 させ, 脂 肪 の 摂 取 量 を 軽 減 させることで, 効 果 的 なエネルギー 源 の 摂 取 が 可 能 となる.しかし, 合 宿 期 間 は 強 度 の 高 いトレーニングが 実 施 されるため, 内 臓 への 負 担 が 増 大 し, 代 謝 のはたらきが 抑 制 され, 消 化 吸 収 率 が 低 下 することが 考 えられるため, 内 臓 の 消 化 吸 収 を 配 慮 した 献 立 と 調 理 が 必 要 であると 考 えられる. 一 方,タンパク 質 の 摂 取 量 は, 本 研 究 において, 基 準 とした 体 重 当 り 2.0gの 必 要 量 に 対 し, 男 子 では 103.7%, 女 子 では 97.1%であり, 基 準 とした 所 要 量 を 満 たす 結 果 となった.また,エネルギー 摂 取 量 に 対 するタンパク 質 の 摂 取 量 の 割 合 は, 理 想 とされる 割 合 '15~20%(に 対 し, 男 子 で 14.4%, 女 子 で:14.1% で 近 似 していた.この 結 果 からは,タンパク 質 の 摂 取 量 には, 問 題 がないように 考 えられる.しかし, 前 述 し たようにエネルギー 摂 取 量 が 消 費 量 に 対 して 男 子 で 73.7%, 女 子 では 69.8%で 不 足 していることから,タンパ ク 質 の 必 要 量 は 体 重 当 り 2.0g よりも 多 いことが 推 定 される. 仮 に 本 研 究 において 測 定 したエネルギー 消 費 ' 男 子 :4424Kcal 女 子 :3957Kcal(からタンパク 質 の 所 要 量 '15%~20%(を 算 出 した 場 合, 男 子 は 165.9g ~221.4g, 女 子 は 147.3g~196.4g の 摂 取 が 必 要 となり, 本 研 究 で 分 析 した 食 事 のタンパク 質 の 充 足 率 は, 男 子 で 50.6%~67.5%, 女 子 では 47.9%~63.8%となる. また, 身 体 組 成 を 加 味 して 体 重 当 りのタンパク 質 の 必 要 量 を 算 出 した 場 合, 男 子 と 女 子 のいずれにおい ても 3.5~4.7gとなり, 各 種 スポーツにおける 成 人 アスリートのタンパク 質 必 要 量 '2.0~2.5g/kg(よりも 多 くな る.しかし, 本 研 究 の 対 象 者 の BMI が 低 いこと,またエネルギー 消 費 量 は 測 定 機 器 の 限 界 から 過 小 評 価 さ れていることも 加 味 すれば, 発 育 発 達 期 にある 陸 上 競 技 長 距 離 走 選 手 は,タンパク 質 所 要 量 を 3.5g 程 度 と することが 必 要 であると 考 えられる. 栄 養 成 分 の 充 足 率 は,12-14 歳 の 所 要 量 を 基 準 とした 場 合 に, 男 子 で 85.9%~243.2%, 女 子 では 66.6%~196.4%であり, 鉄 の 摂 取 量 が 不 足 していた. 一 方, 男 子 と 女 子 のいずれにおいてもカリウム' 男 子 : 243.2%, 女 子 :196.4%(,ビタミン C 男 子 :231.6%, 女 子 :186.4%), 食 塩 ' 男 子 :162.3%, 女 子 :186.3%(の 摂 取 量 が 多 かった. 長 距 離 走 選 手 のトレーニングは 有 酸 素 系 が 主 であり,エネルギーが 大 量 に 必 要 とされる. 鉄 分 の 不 足 は 造 血 作 用 を 阻 害 するために 血 液 成 分 のバランスを 崩 し,エネルギーの 産 生 不 足 を 招 くことから, 競 技 力 を 低 下 させる 原 因 となる. 本 研 究 では,12-14 歳 の 所 要 量 すら 充 足 できていなかったため,トレーニングの 質 と 量 が 高 くなる 特 に 合 宿 期 の 食 事 では, 鉄 分 の 摂 取 を 多 くする 配 慮 が 必 要 である. 一 方, 所 要 量 に 対 して 充 足 率 の 高 かったカリウムは 細 胞 内 のナトリウムの 濃 度 を 調 整 し, 神 経 系 のはたら きにも 関 与 して 筋 肉 の 硬 直 や 痙 攣 を 防 止 するなどの 効 果 をもつ.また, 有 酸 素 系 の 運 動 に 必 要 とされるエ ネルギーの 産 生 に 関 与 する 成 分 でもある.また,ビタミン C は 細 胞 の 酸 化 を 防 ぐ 抗 酸 化 作 用 をもつため, 特 に 疲 労 の 蓄 積 が 増 大 する 合 宿 時 の 食 事 に 不 可 欠 な 成 分 である. - 17 -

以 上, 発 育 発 達 期 は,トレーニングに 見 合 ったエネルギー 量 を 確 保 すること,この 時 のエネルギーの 確 保 は, 脂 肪 からではなく 炭 水 化 物 とタンパク 質 を 増 加 させること,また,タンパク 質 の 摂 取 量 は, 体 重 当 たり 3.5g 程 度 とすること,さらに 鉄 分 の 積 極 的 な 摂 取 を 配 慮 した 食 事 のサポートが 有 効 であると 考 えられた. Ⅵ.ジュニア 期 の 強 化 合 宿 におけるトレーニングと 食 事,および 環 境 に 関 する 調 査 研 究 1. 目 的 本 調 査 は,トレーニングの 質 量 ともに 高 い 強 化 合 宿 に 参 加 したジュニア 選 手 のトレーニングと 食 事,お よび 環 境 に 関 する 状 況 を 把 握 し, 今 後 のトレーニングの 質 と 量, 食 事 の 内 容,および 環 境 に 関 する 基 礎 資 料 を 得 ることを 目 的 として 実 施 した. 2. 方 法 1( 対 象 対 象 は, Ⅲ.ジュニア 期 のトレーニング 時 の 身 体 活 動 量 に 関 する 研 究 と Ⅳ. 食 事 摂 取 状 況 に 関 する 研 究 の 対 象 とした T 県 の 中 学 校 陸 上 競 技 連 盟 主 催 の 駅 伝 夏 季 選 抜 強 化 合 宿 に 参 加 した 男 子 10 名, 女 子 9 名 の 合 計 19 名 を 含 む 男 子 20 名, 女 子 20 名 の 計 40 名 である. 2( 調 査 方 法 と 内 容 強 化 合 宿 '2 泊 3 日 (の 最 終 日 に 選 手 にトレーニングと 食 事,トレーニングに 対 する 意 欲, 疲 労 の 程 度, 合 宿 で 得 たこと,および 合 宿 環 境 などについて 調 査 用 紙 (16 項 目 )を 配 布 し, 回 収 した. 3( 統 計 分 析 調 査 の 結 果 について, 各 質 問 項 目 と 男 女 間,およびトレーニンググループとの 関 係 にについてカイ2 乗 検 定 によって 分 析 し, 有 意 差 を P<0.05 とした.なお, 合 宿 中 のトレーニングは 競 技 レベル 別 に A から C の 3 グループ,または A から D の4グループに 分 けて 実 施 されたため, 調 査 では, 選 手 にトレーニング 中 に 主 に 所 属 したグループを 記 載 させ, 最 終 的 に D グループで 練 習 した 選 手 は C グループに 包 括 して 3 部 ループとして 分 析 した. 3. 結 果 トレーニングと 食 事, 疲 労, 意 欲 の 性 別,およびグループとの 関 係 についての 結 果 を 表 12 に 示 した.ト レーニングのスピードはグループ 間 で'P=0.041(,また 食 事 の 量 は 性 別 間 で'P=0.041(それぞれ 有 意 な 差 が 認 められた. 1(トレーニングについて トレーニングのスピードとグループ 間 の 結 果 を 表 13 に 示 した. トレーニングは, 競 技 レベルの 高 い A グループと 競 技 レベルの 低 い C グループでスピードが 速 かっ た と 回 答 した 選 手 が 有 意 に 多 かった'P=0.041(. - 18 -

2( 食 事 について 食 事 の 量 と 性 別 の 関 係 を 表 14 に 示 した. 表 12.トレーニングと 食 事, 疲 労, 意 欲 ' 人 ( 表 13.トレーニングのスピード' 人 ( 食 事 は, 男 子 と 比 較 して 女 子 で 食 事 の 量 を とても 多 かった,または 多 かった と 回 答 している 選 手 が 有 意 に 多 かった'P=0.041(. 性 別 グループ トレーニングの 量 0.055 0.083 トレーニングのスピード 0.104 0.041* 食 事 の 量 0.014* 0.089 食 事 の 味 0.500 0.402 努 力 の 程 度 0.303 0.734 疲 労 の 程 度 0.232 0.154 競 技 に 対 する 意 欲 0.332 0.690 *: 性 別 および 練 習 においてレベル 別 に 分 けたグループ 間 における 有 意 差 (P<0.05) A B C P 値 とても 速 かった 1 1 3 速 かった 11 3 10 0.041 どちらでもない 0 4 2 とても 遅 かった 0 0 0 A B Cは 競 技 レベルの 高 さを 示 す Aが 最 も 競 技 レベルが 高 い 表 14. 食 事 の 量 ' 人 ( 男 子 女 子 P 値 とても 多 かった 1 8 多 かった 10 9 0.014 どちらでもない 9 3 不 足 していた 0 0 3(トレーニングに 対 する 意 欲 と 疲 労 の 程 度 について トレーニングに 対 する 意 欲 の 結 果 を 図 20, 疲 労 の 程 度 の 結 果 を 図 21 にそれぞれ 示 した. 合 宿 期 のトレーニングに 対 し, 努 力 の 程 度 と 疲 労 の 関 係 に 有 意 な 差 はみられなかったは, 努 力 できた 選 手 が 多 く, 特 に 女 子 で 最 大 限 に 努 力 できた 選 手 が 多 い 様 子 にあった. 一 方, 疲 労 の 程 度 が 大 きいと 回 答 した 選 手 は 女 子 と 比 較 して 男 子 の 方 が 多 い 様 子 にあった. 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 最 大 限 に 努 力 できた どちらでもない 1 14 8 5 男 子 努 力 できた 努 力 できなかった 1 2 8 女 子 とても 疲 れた 疲 れた どちらでもない ほとんど 疲 れていない 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 11 4 9 14 男 子 11 女 子 図 20.トレーニングに 対 する 意 欲 ' 人 ( 図 21. 疲 労 の 程 度 ' 人 ( - 19 -

3( 競 技 に 対 する 意 欲 について 競 技 に 対 する 意 欲 の 結 果 を 図 26 に 示 した. とても 高 まった どちらともいえない ある 程 度 高 まった 高 まらなかった 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 3 1 7 10 11 7 男 子 女 子 図 22. 競 技 に 対 する 意 欲 ' 人 ( 競 技 に 対 する 意 欲 は, 男 子 と 女 子 のいずれにおいても 高 まっている 様 子 にあった.また, 男 子 と 比 較 し て 女 子 において とても 高 まった と 回 答 する 選 手 が 多 い 様 子 にあった. 4. 考 察 合 宿 期 は, 競 技 力 の 向 上 を 目 的 としてトレーニングが 実 施 される.そのため,トレーニングの 質 が 高 まり,ま た 量 が 多 くなることから 疲 労 の 蓄 積 が 大 きくなる. 本 研 究 の 強 化 合 宿 期 間 のトレーニングにおいても,トレー ニング 量 が 多 く, 質 の 高 い 内 容 となったことが 推 察 される. 一 方, 食 事 については, 男 子 と 比 較 して 女 子 で 食 事 の 量 を 多 く 感 じる 選 手 が 多 かった. 女 子 の 方 がトレ ーニングに 対 して 努 力 していた にもかかわらず, 疲 労 の 程 度 は 男 子 と 比 較 して 疲 れた と 回 答 する 選 手 が 尐 ない 様 子 にあった. 食 事 量 が 多 かったものの 味 が 良 く, 満 足 度 が 高 かったことも 疲 労 の 回 復 に 奏 功 し たと 考 えられる. 発 育 発 達 期 にある 選 手 は 食 事 量 を 確 保 することで 疲 労 の 回 復 を 促 進 し,それがトレーニングに 対 する 意 欲 を 高 揚 させ, 最 大 限 の 努 力 を 可 能 とすると 考 えられる. 一 方,トレーニングに 対 する 意 欲 が 高 い 選 手 は, 疲 労 の 回 復 のために 食 事 の 摂 取 量 を 確 保 する 必 要 性 を 実 感 しているとも 考 えられる. 競 技 力 の 向 上 には,トレーニングと 栄 養 と 休 養 の 三 要 素 が 不 可 欠 であると 考 えられているが, 本 研 究 か らも 競 技 に 対 する 意 識 の 高 揚 には,トレーニングの 量 と 質 などの 内 容 に 加 えて, 食 事 の 摂 取 状 況 が 影 響 し ていることが 明 らかになった. - 20 -

Ⅵ.まとめ 発 育 発 達 期 にあるジュニア 選 手 は, 発 育 発 達 に 必 要 なエネルギーと 栄 養 成 分 に 加 えて,トレーニングに 必 要 なエネルギーと 栄 養 成 分 も 確 保 する 必 要 がある. 本 研 究 は, 他 の 種 目 と 比 較 して 技 術 戦 術 よりも 体 力 への 依 存 度 が 高 く,トレーニングの 効 果 が 食 事 の 摂 取 状 況 に 影 響 されやすい 陸 上 競 技 長 距 離 走 選 手 を 対 象 に トレーニングと 食 事 が 選 手 の 健 康 度,および 体 調 に 及 ぼす 影 響 について の 調 査 研 究 と ジュニア 選 手 の 強 化 合 宿 時 の 身 体 活 動 量 に 関 する 研 究,お よび ジュニア 選 手 の 強 化 合 宿 時 の 食 事 摂 取 状 況 に 関 する 研 究 を 実 施 した. その 結 果, 調 査 研 究 により, 競 技 レベルの 高 い 選 手 は 食 生 活 の 状 況 も 良 好 にあることが 明 らかになり, 競 技 力 を 向 上 させるためには 食 生 活 への 配 慮 が 必 要 であり,また 競 技 力 の 高 い 選 手 は 食 事 に 配 慮 してい ることが 明 らかになった. また, 強 化 合 宿 時 のエネルギー 消 費 量 と 運 動 強 度 などの 身 体 活 動 状 況,およびエネルギー 摂 取 量 と 栄 養 成 分 の 充 足 率 などの 食 事 摂 取 状 況 を 測 定, 分 析 した 結 果,エネルギーとタンパク 質,さらにビタミン,ミネ ラルなどの 栄 養 成 分 の 摂 取 が 不 足 していた.タンパク 質 の 摂 取 量 は 一 般 的 には 体 重 に 1.08g を 乗 じた 量 が 所 要 量 として 推 奨 され, 活 動 強 度 に 応 じてその 量 を 体 重 当 り 2.5g くらいまで 増 加 させることが 推 奨 されてい る.しかし, 本 研 究 の 対 象 となったジュニア 選 手 は,BMI が 男 子 で 17.0±1.6, 女 子 で 17.6±1.0 といずれも 身 長 に 対 して 体 重 が 尐 ないこと, 一 方 で, 過 剰 な 摂 取 は 体 脂 肪 の 蓄 積 を 促 進 することからも 体 重 当 り 3.5g 程 度 の 摂 取 が 適 当 であると 推 定 された.また,エネルギー 消 費 量 の 多 い 長 距 離 走 においてはエネルギー の 産 生 に 関 係 する 血 液 成 分 の 増 加 のためにタンパク 質 の 摂 取 に 加 え, 鉄 分 の 摂 取 の 確 保 が 不 可 欠 である ことから, 献 立 を 作 成 することが 必 要 であると 考 えられる. 一 方, ジュニア 期 の 強 化 合 宿 におけるトレーニングと 食 事,および 環 境 に 関 する 調 査 研 究 により, 合 宿 中 の 食 事 摂 取 はエネルギー, 栄 養 成 分 ともに 不 足 傾 向 にあるにもかかわらず, 食 事 の 量 を 多 く 感 じていた 選 手 が 多 かったことから,エネルギーや 栄 養 成 分 の 確 保 のためには, 食 事 量 を 抑 えた 上 でエネルギーと 栄 養 成 分 を 確 保 できるよう 献 立 の 作 成 と 調 理 への 工 夫 が 必 要 あると 考 えられる.エネルギーは, 脂 肪 からで はなく, 炭 水 化 物 やタンパク 質 の 増 加 により 確 保 することが 理 想 であるが, 食 事 量 の 確 保 が 困 難 である 場 合 は, 細 胞 膜 や 神 経 の 軸 策 など 合 成 を 促 進 し, 体 脂 肪 の 蓄 積 の 回 避 を 可 能 とする 脂 肪 酸 の 組 成 を 考 慮 し た 上 で, 脂 肪 の 効 果 的 な 摂 取 によりエネルギー 確 保 する 必 要 がある. 競 技 力 の 向 上 は, 質 の 高 い 専 門 的 なトレーニングに 加 え,それに 対 応 させた 食 事 サポートによる 疲 労 の 回 復 が 継 続 されることによって 獲 得 される. 疲 労 の 回 復 が 不 十 分 であれば, 競 技 力 向 上 が 期 待 されないば かりか, 心 身 に 弊 害 を 起 こし, 競 技 の 継 続 を 不 可 能 にしたり, 競 技 の 継 続 意 欲 を 低 下 させる 原 因 となる.し たがって, 特 にジュニア 期 においては, 心 身 の 発 育 発 達 を 加 味 した 食 事 サポートが 必 要 となる. さらに, 元 アスリートのジュニア 選 手 に 対 するサポートは, 貴 重 な 経 験 を 現 場 で 還 元 する 機 会 となり,また ジュニア 選 手 の 競 技 意 欲 を 喚 起 させ, 自 身 の 将 来 像 を 描 く 刺 激 となる. 今 後, 元 アスリートの 現 場 でのサポ ートの 場 が 広 がることが 期 待 される. - 21 -

参 考 引 用 文 献 1) LEMON P. W. :The importance of protein for athletes, Sports Med 1, 474-484, 1984. 2) 鈴 木 正 成, 河 合 美 香 : 平 成 8 年 度 No.Ⅶ ジュニア 期 のスポーツライフに 関 する 研 究 - 第 3 報 -, 22-33, 財 団 法 人 日 本 体 育 協 会 スポーツ 科 学 専 門 委 員 会, 1996. 3) 河 合 美 香 : 一 流 長 距 離 走 選 手 のスポーツライフマネジメント- 栄 養 サポートを 中 心 に-, 体 育 学 研 究 43 巻 (5 6)283-291,1998. 4) 河 合 美 香 : 女 子 マラソン 金 メダリストへの 食 事 栄 養 サポート, 鈴 木 博 美 選 手 に 対 する 食 事 生 活 サポ ート 活 動 報 告 (1) ~トレーニング 期 間 ~, コーチングクリニック 5:48-52, ベースボールマガジン 社, 1998. 5) 河 合 美 香 : 女 子 マラソン 金 メダリストへの 食 事 栄 養 サポート, 鈴 木 博 美 選 手 に 対 する 食 事 生 活 サポ ート 活 動 報 告 (2) ~アテネでの 調 整 期 間 ~, コーチングクリニック 6:48-53, ベースボールマガジン 社, 1998. 6) 河 合 美 香, 木 村 みさか, 鈴 木 愛 子, 佐 々 木 由 美 :ランニングとタンパク 栄 養, ランニング 学 研 究 10 (1):15-23, 1999. 7) 河 合 美 香 : 栄 養 サポートの 実 際 - 実 業 団 と 学 生 ランナーを 例 として- 日 本 栄 養 食 糧 学 会 誌 55 (6) 361-365, 2002. 8) 柏 崎 浩, 田 中 茂 穂 他 : 健 康 増 進 人 間 栄 養 学 研 究 系 - 栄 養 所 要 量 研 究 部 -, 健 康 増 進 栄 養 研 究 所 研 究 報 告 51 号,2002. 9) アミノ 酸 & 脂 肪 酸 組 成 表 科 学 技 術 庁 資 源 調 査 改 編 : 日 本 食 品 アミノ 酸 組 成 表, 女 子 栄 養 大 学 出 版 部, 2003. 10) 河 合 美 香, 志 水 見 千 子 :スポーツ 医 科 学 的 トレーニングへの 取 り 組 み, 競 技 力 向 上 のための 医 科 学 トレーニング 9-22, 財 団 法 人 富 山 県 健 康 スポーツ 財 団, 2006. 11) 鈴 木 正 成 : 勝 つための 筋 肉 づくり -タンパク 質 の 摂 取 タイミング-, 実 践 的 スポーツ 栄 養 学 36-50, 文 光 堂, 2006. 12) 新 食 品 成 分 表 : 文 部 科 学 省 科 学 技 術 学 術 審 議 会 資 源 調 査 分 科 会 報 告 五 訂 増 補 日 本 食 品 標 準 成 分 表 準 拠,2006. 13) 運 動 所 要 量 運 動 指 針 の 策 定 検 討 会 : 健 康 づくりのための 運 動 基 準 2006 - 身 体 活 動 運 動 体 力 - 報 告 書,2006. 14) 河 合 美 香 : 陸 上 競 技 部 ' 長 距 離 ( 所 属 の 中 学 生 における 食 生 活 の 状 況 と 他 の 生 活 要 因 ならびに 健 康 度 体 調 との 関 連, 滋 賀 県 体 育 協 会 スポーツ 科 学 委 員 会 紀 要 127-130, 2007. 15) 吉 武 裕, 田 中 宏 暁, 海 老 根 直 之 他 :エネルギー 消 費 量 推 定 法 に 関 する 研 究 ( 日 本 体 力 医 学 会 プロ ジェクト 研 究 ) 体 力 科 學 56(1) 29-30, 2007. 16) 熊 原 秀 晃, 田 中 宏 暁 : 生 活 習 慣 病 と 身 体 活 動 量 の 評 価, 体 育 の 科 学 57'4(252-259,2007. - 22 -