達 の 日 の 翌 日 ( 同 月 21 日 )から,うち517 万 5000 円 に 対 する 平 成 2 7 年 4 月 10 日 付 け 訴 えの 変 更 申 立 書 送 達 の 翌 日 ( 同 月 17 日 )から 各 支 払 済 みまで 年 5 分 の 割 合 による 金 員 を 支 払

Similar documents
定款

Microsoft Word 第1章 定款.doc

4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

弁護士報酬規定(抜粋)

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

答申第585号

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

4 乙 は 天 災 地 変 戦 争 暴 動 内 乱 法 令 の 制 定 改 廃 輸 送 機 関 の 事 故 その 他 の 不 可 抗 力 により 第 1 項 及 び 第 2 項 に 定 める 業 務 期 日 までに 第 1 条 第 3 項 の 適 合 書 を 交 付 することができない 場 合 は

<4D F736F F D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF D6A2E646F6378>

Taro-契約条項(全部)

< F2D D D837C815B B8EC08E7B97768D80>

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

定款  変更

大阪府電子調達システムの開発業務 (第一期)に係る仕様書案に対する意見招請のお知らせ

Microsoft Word 役員選挙規程.doc

後 にまで 及 んでおり(このような 外 部 研 究 資 金 を 以 下 契 約 理 由 研 究 という ) かつ その 者 が 退 職 後 も 引 き 続 き 研 究 代 表 者 となることを 研 究 所 が 認 める 場 合 とし 理 事 室 の 命 を 受 けて 発 議 書 ( 別 に 定 め

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

横浜市障害者ガイドヘルプ事業実施要綱

H25要綱本文

募集要項

Microsoft Word 実施要綱⑦H24.doc

【労働保険事務組合事務処理規約】

( 補 助 金 の 額 ) 第 6 条 補 助 金 の 額 は 第 5 条 第 2 項 の 規 定 による 無 線 LAN 機 器 の 設 置 箇 所 数 に 1 万 5 千 円 を 掛 けた 金 額 と 第 5 条 第 3 項 に 規 定 する 補 助 対 象 経 費 の2 分 の1のいずれか 低

平 均 賃 金 を 支 払 わなければならない この 予 告 日 数 は 平 均 賃 金 を 支 払 った 日 数 分 短 縮 される( 労 基 法 20 条 ) 3 試 用 期 間 中 の 労 働 者 であっても 14 日 を 超 えて 雇 用 された 場 合 は 上 記 2の 予 告 の 手 続

3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

<4D F736F F D20D8BDB8CFC8BCDED2DDC482A882E682D1BADDCCDFD7B2B1DDBD8B4B92F E646F63>

2. 会 計 規 程 の 業 務 (1) 規 程 と 実 際 の 業 務 の 調 査 規 程 や 運 用 方 針 に 規 定 されている 業 務 ( 帳 票 )が 実 際 に 行 われているか( 作 成 されている か)どうかについて 調 べてみた 以 下 の 表 は 規 程 の 条 項 とそこに

要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に


キ 短 時 間 労 働 者 の 雇 用 管 理 の 改 善 等 に 関 する 法 律 ( 平 成 5 年 法 律 第 76 号 ) ク 労 働 契 約 法 ( 平 成 19 年 法 律 第 128 号 ) ケ 健 康 保 険 法 ( 大 正 11 年 法 律 第 70 号 ) コ 厚 生 年 金 保

固定資産評価審査申出とは

(3) その 他 市 長 が 必 要 と 認 める 書 類 ( 補 助 金 の 交 付 決 定 ) 第 6 条 市 長 は 前 条 の 申 請 書 を 受 理 したときは 速 やかにその 内 容 を 審 査 し 補 助 金 を 交 付 すべきものと 認 めたときは 規 則 第 7 条 に 規 定 す

<4D F736F F D208CF689768ED C8FE395FB978E8CEA8BA689EF814592E88ABC2E646F63>

に 公 開 された 映 画 暁 の 脱 走 ( 以 下 本 件 映 画 1 という ), 今 井 正 が 監 督 を 担 当 し, 上 告 人 を 映 画 製 作 者 として 同 年 に 公 開 された 映 画 また 逢 う 日 まで ( 以 下 本 件 映 画 2 という ) 及 び 成 瀬 巳

Taro-データ公安委員会相互協力事

川越市幼稚園就園奨励費補助金交付要綱

<4D F736F F D E6D94688CAD8E968BC68EC08E7B977697CC814095BD90AC E C8E89FC90B32E646F63>

( 参 考 ) 国 家 戦 略 特 別 区 域 法 ( 平 成 25 年 法 律 第 107 号 )( 抄 ) 国 家 戦 略 特 別 区 域 法 及 び 構 造 改 革 特 別 区 域 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 ( 平 成 27 年 法 律 第 56 号 ) による 改 正 後 (

任意整理について | 多重債務Q&A | 公益財団法人 日本クレジットカウンセリング協会

Microsoft Word - (課×県・指定)【頭紙】「精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項について」等の一部改正について.rtf

接 支 払 制 度 を 活 用 するか 意 思 を 確 認 する 確 認 に 当 たっては 次 の 各 号 に 掲 げる 事 項 について 書 面 により 世 帯 主 の 合 意 を 得 て 代 理 契 約 を 締 結 するものとする (1) 医 療 機 関 等 が 本 市 に 対 し 世 帯 主

<4D F736F F D F936F985E8C9A927A95A892B28DB88B408AD68BC696B18B4B92F E646F63>

疑わしい取引の参考事例

人 に 使 用 される 者 としての 勤 続 期 間 を 当 該 職 員 となつた 者 の 職 員 としての 勤 続 期 間 に 通 算 することと 定 められている 法 人 に 限 る )をいう 3 第 一 項 の 退 職 手 当 通 算 予 定 職 員 とは 任 命 権 者 又 はその 委 任


の 購 入 費 又 は 賃 借 料 (2) 専 用 ポール 等 機 器 の 設 置 工 事 費 (3) ケーブル 設 置 工 事 費 (4) 防 犯 カメラの 設 置 を 示 す 看 板 等 の 設 置 費 (5) その 他 設 置 に 必 要 な 経 費 ( 補 助 金 の 額 ) 第 6 条 補

1 ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 の 事 業 税 の 課 税 について ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 は 収 入 金 額 を 課 税 標 準 として 収 入 割 の 申 告 となります ( 法 72 条 の2 72 条 の 12 第 2 号 ) ガス 供 給 業 とその 他 の 事

27-045人事規程270401

< C8EAE81698B4C93FC8FE382CC97AF88D38E968D CA8E86816A2E786C73>

Taro-事務処理要綱250820

財団法人○○会における最初の評議員の選任方法(案)

b) 参 加 表 明 書 の 提 出 時 において 東 北 地 方 整 備 局 ( 港 湾 空 港 関 係 を 除 く) における 平 成 年 度 土 木 関 係 建 設 コンサルタント 業 務 に 係 る 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 認 定 を 受 けて

第 3 章 会 員 ( 会 員 の 資 格 ) 第 5 条 協 会 の 会 員 は 協 会 の 目 的 に 賛 同 して 入 会 した 次 の 各 号 に 掲 げる 者 とする (1) 軽 種 馬 を 生 産 する 者 (2) 軽 種 馬 を 育 成 する 者 (3) 馬 主 (4) 調 教 師 (

る 第 三 者 機 関 情 報 保 護 関 係 認 証 プライバシーマーク ISO27001 ISMS TRUSTe 等 の 写 しを 同 封 のうえ 持 参 又 は 郵 送 とする 但 し 郵 送 による 場 合 は 書 留 郵 便 とし 同 日 同 時 刻 必 着 とする 提 出 場 所 は 上

平成27年度大学改革推進等補助金(大学改革推進事業)交付申請書等作成・提出要領

参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

Microsoft Word - ★HP版平成27年度検査の結果

財団法人山梨社会保険協会寄付行為

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

( 会 員 資 格 の 取 得 ) 第 6 条 本 会 の 会 員 になろうとする 者 は 別 に 定 める 入 会 届 により 申 し 込 みを し 理 事 会 の 承 認 を 得 なければならない ( 会 員 の 権 利 義 務 ) 第 7 条 会 員 は 本 会 の 事 業 活 動 につき そ

< F2D E633368D86816A89EF8C768E9696B18EE688B5>

Microsoft Word 利子補給金交付要綱

係 に 提 出 する 2 財 形 担 当 係 は 前 項 の 規 定 による 財 形 貯 蓄 等 の 申 込 みがあった 場 合 には 当 該 申 込 みの 内 容 を 点 検 し 財 形 貯 蓄 等 の 契 約 の 要 件 ( 第 6 条 に 規 定 する 基 準 を 含 む )を 満 たしている

中根・金田台地区 平成23年度補償説明業務

ができます 4. 対 象 取 引 の 範 囲 第 1 項 のポイント 付 与 の 具 体 的 な 条 件 対 象 取 引 自 体 の 条 件 は 各 加 盟 店 が 定 めます 5.ポイントサービスの 利 用 終 了 その 他 いかなる 理 由 によっても 付 与 されたポイントを 換 金 すること

競 争 参 加 資 格 審 査 等 事 務 取 扱 要 領 ( 抜 粋 ) ( 有 資 格 者 としない 者 ) 第 6 条 契 約 事 務 責 任 者 は 契 約 を 締 結 する 能 力 を 有 しない 者 破 産 者 で 復 権 を 得 ない 者 及 び 暴 力 団 等 の 反 社 会 的 勢

平 成 24 年 4 月 1 日 から 平 成 25 年 3 月 31 日 まで 公 益 目 的 事 業 科 目 公 1 公 2 公 3 公 4 法 人 会 計 合 計 共 通 小 計 苦 情 相 談 解 決 研 修 情 報 提 供 保 証 宅 建 取 引 健 全 育 成 Ⅰ. 一 般 正 味 財

第2回 制度設計専門会合 事務局提出資料

平成21年9月29日

栃木県アンテナショップ基本計画策定及び設計業務委託に係る標準?プロポーザル実施要領

< E95FB8CF689638AE98BC689FC90B390A CC8CA992BC82B582C982C282A282C E90E096BE8E9E8E9197BF2E786477>

< 現 在 の 我 が 国 D&O 保 険 の 基 本 的 な 設 計 (イメージ)> < 一 般 的 な 補 償 の 範 囲 の 概 要 > 請 求 の 形 態 会 社 の 役 員 会 社 による 請 求 に 対 する 損 免 責 事 由 の 場 合 に 害 賠 償 請 求 は 補 償 されず(

とする ( 減 免 額 の 納 付 ) 第 6 条 市 長 は 減 免 を 受 け た 者 が 偽 り そ の 他 不 正 な 方 法 に よ り 減 免 の 決 定 を 受 け た こ と を 知 っ た と き 前 の 申 告 が あ っ た と き 又 は 同 条 第 2 項 の 規 定 によ

<4D F736F F D F303088A4926D8CA78E8497A EF68BC697BF93998C798CB895E28F958BE08CF D6A2E646F63>

の 基 礎 の 欄 にも 記 載 します ア 法 人 税 の 中 間 申 告 書 に 係 る 申 告 の 場 合 は 中 間 イ 法 人 税 の 確 定 申 告 書 ( 退 職 年 金 等 積 立 金 に 係 るものを 除 きます ) 又 は 連 結 確 定 申 告 書 に 係 る 申 告 の 場

入札公告 機動装備センター

教育資金管理約款

理化学研究所の役職員への兼業(兼職)依頼について

<4D F736F F F696E74202D2082C882E982D982C DD8ED88EE688F882CC82B582AD82DD C668DDA9770>

<4D F736F F D E95E CC816994A8926E82A982F182AA82A2816A2E646F63>


Taro-入札説明書(真空巻締め)

2004年度第2回定期監査(学校)事情聴取事項

6. 共 有 等 に 係 る 固 定 資 産 の 判 定 3 共 有 に 係 る 固 定 資 産 については それぞれの 共 有 者 が 他 に 固 定 資 産 を 所 有 している 場 合 であっても その 資 産 とは 別 個 に 共 有 されている 固 定 資 産 を 別 の 人 格 が 所

目     次

就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

Taro13-公示.jtd

(10) 本 工 事 の 契 約 締 結 日 において 現 場 代 理 人 を 工 事 現 場 に 常 駐 で 配 置 し 得 ること ただし 本 入 札 の 一 般 競 争 入 札 参 加 申 込 書 の 提 出 日 現 在 において 3カ 月 以 上 直 接 的 かつ 恒 常 的 な 雇 用 関

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

Microsoft PowerPoint - 基金制度

2 前 項 に 定 める 日 に 支 給 する 給 与 は 総 額 給 与 を12 分 割 した 額 ( 以 下 給 与 月 額 という ) 扶 養 手 当 住 居 手 当 通 勤 手 当 単 身 赴 任 手 当 寒 冷 地 手 当 及 び 業 績 手 当 並 びに 前 月 分 の 超 過 勤 務

Q7 従 業 員 に 対 する 現 物 給 付 は 報 酬 給 与 額 に 含 まれます A7 法 人 が 役 員 又 は 使 用 人 のために 給 付 する 金 銭 以 外 の 物 又 は 権 利 その 他 経 済 的 利 益 (いわ ゆる 現 物 給 与 )については 所 得 税 において 給

慶應義塾利益相反対処規程

高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案)

Transcription:

平 成 27 年 10 月 22 日 判 決 言 渡 同 日 原 本 交 付 裁 判 所 書 記 官 平 成 26 年 (ワ) 第 6372 号 不 正 競 争 行 為 差 止 等 請 求 事 件 口 頭 弁 論 終 結 日 平 成 27 年 8 月 20 日 判 当 事 者 の 表 示 主 決 別 紙 当 事 者 目 録 記 載 のとおり 文 原 告 の 請 求 をいずれも 棄 却 する 訴 訟 費 用 は 原 告 の 負 担 とする 事 実 及 び 理 由 第 1 請 求 1 被 告 らは, 別 紙 営 業 秘 密 目 録 に 記 載 された 情 報 を 使 用 して, 業 務 請 負 を 目 的 とした 基 本 契 約, 業 務 請 負 契 約, 労 働 者 派 遣 を 行 うことを 目 的 とした 基 本 契 約 又 は 労 働 者 派 遣 契 約 等 を 締 結 し 又 は 締 結 を 勧 誘 する 行 為 その 他 これらに 付 随 する 営 業 行 為 を 行 ってはならない 2 被 告 らは, 別 紙 営 業 秘 密 目 録 記 載 の 情 報 が 記 載 又 は 記 録 された 一 切 の 資 料 及 びこれに 基 づいて 作 成 された 一 切 の 資 料 を 廃 棄 せよ 3 被 告 らは, 原 告 の 業 務 請 負 契 約 又 は 労 働 者 派 遣 契 約 の 取 引 先 に 対 し, 原 告 の 従 業 員 が 大 量 に 一 斉 退 職 するので 業 務 の 継 続 ができなくなる と 告 知 し てはならない 4 被 告 A( 以 下 被 告 A という )は, 原 告 に 対 し,1000 万 円 及 びこ れに 対 する 訴 状 送 達 の 日 の 翌 日 ( 平 成 26 年 4 月 12 日 )から 支 払 済 みまで 年 5 分 の 割 合 による 金 員 を 支 払 え 5 被 告 らは, 原 告 に 対 し, 連 帯 して,3525 万 5000 円 うち2508 万 円 に 対 する 訴 状 送 達 の 日 の 翌 日 ( 被 告 セントラルソフト 株 式 会 社 ( 以 下 被 告 会 社 という )につき 平 成 26 年 4 月 10 日, 被 告 Aにつき 同 月 12 日 )から,うち500 万 円 に 対 する 同 年 6 月 13 日 付 け 訴 えの 変 更 申 立 書 送 - 1 -

達 の 日 の 翌 日 ( 同 月 21 日 )から,うち517 万 5000 円 に 対 する 平 成 2 7 年 4 月 10 日 付 け 訴 えの 変 更 申 立 書 送 達 の 翌 日 ( 同 月 17 日 )から 各 支 払 済 みまで 年 5 分 の 割 合 による 金 員 を 支 払 え 第 2 事 案 の 概 要 被 告 Aは, 原 告 の 取 締 役 であったが, 退 任 後, 被 告 会 社 に 就 職 した 被 告 Aは, 退 任 に 際 し, 別 紙 営 業 秘 密 目 録 記 載 の 名 刺 帳 3 冊 ( 以 下 本 件 名 刺 帳 と 総 称 する )を 原 告 のオフィスから 持 ち 出 した( 以 下,これを 本 件 持 ち 出 し 行 為 という ) また, 被 告 Aの 退 任 後, 原 告 の 従 業 員 5 名 が 原 告 を 退 職 し, 被 告 会 社 に 就 職 した( 以 下,これを 本 件 転 職 という ) 本 件 持 ち 出 し 行 為 につき, 本 件 名 刺 帳 に 収 納 された 名 刺 に 記 載 された 情 報 は 原 告 の 営 業 秘 密 であり, 被 告 Aがこれを 不 正 に 取 得 して 被 告 会 社 における 営 業 活 動 に 使 用 したことが 被 告 Aにつき 不 正 競 争 防 止 法 ( 平 成 27 年 法 律 第 54 号 による 改 正 前 のもの 以 下 不 競 法 とい う )2 条 1 項 4 号 所 定 の 不 正 競 争 ( 以 下, 同 項 各 号 所 定 の 行 為 を 4 号 の 不 正 競 争 などという )に, 被 告 会 社 につき5 号 の 不 正 競 争 に 当 たり, 又 は 被 告 Aによる 不 法 行 為 が 成 立 すると 主 張 して,1 被 告 らに 対 し, 上 記 情 報 の 使 用 の 差 止 め( 不 競 法 3 条 1 項 ) 及 びこれが 記 載 された 資 料 等 の 廃 棄 ( 同 条 2 項 )を,2 被 告 Aに 対 し, 主 位 的 に 不 競 法 4 条 に 基 づき, 予 備 的 に 民 法 709 条 に 基 づき, 損 害 賠 償 金 1000 万 円 及 び 遅 延 損 害 金 の 支 払 を, 本 件 転 職 につき, 被 告 Aが 原 告 の 従 業 員 を 引 き 抜 いたことが 不 法 行 為 に 当 たり, 被 告 会 社 は 使 用 者 責 任 を 負 うと 主 張 して, 被 告 らに 対 し, 損 害 賠 償 被 告 Aが 被 告 会 社 に 就 職 した 後 に 原 告 の 顧 客 に 対 して 虚 偽 の 事 実 を 告 知 したこと( 以 下, 原 告 の 主 張 する 告 知 行 為 を 本 件 告 知 行 為 という )が 被 告 らによる14 号 の 不 正 競 争 又 は 不 法 行 為 に 当 たると 主 張 して, 被 告 らに 対 し,1 不 競 法 3 条 1 項 に 基 づき, 上 記 事 実 の 告 知 の 差 止 めを,2 主 位 的 に 不 競 法 4 条 に 基 - 2 -

づき, 予 備 的 に 民 法 709 条 ( 被 告 会 社 につき 民 法 715 条 1 項 )に 基 づき, さらに, 被 告 らに 対 し, 上 記 各 不 正 競 争 及 び 不 法 行 為 に 係 る 弁 護 士 費 用 300 万 円 及 び 遅 延 損 害 金 の 連 帯 支 払 を 求 めた 事 案 である 1 前 提 事 実 ( 争 いのない 事 実 並 びに 後 掲 の 各 証 拠 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 により 容 易 に 認 定 することができる 事 実 なお, 書 証 の 枝 番 の 記 載 は 省 略 する 以 下 同 じ ) 当 事 者 ア 原 告 は, 電 子 計 算 機 及 びその 周 辺 機 器 の 据 付 工 事, 保 守 及 び 修 理,ソ フトウェアの 開 発, 設 計, 製 作 及 び 保 守 並 びにそれらに 関 する 労 働 者 派 遣 事 業 等 を 目 的 とする 株 式 会 社 である イ 被 告 会 社 は, 電 子 計 算 機 に 関 する 各 種 システム 調 査, 研 究, 開 発, 販 売 及 び 保 守, 一 般 労 働 者 派 遣 業 等 を 目 的 とする 株 式 会 社 である ウ 被 告 Aは, 昭 和 63 年 7 月 に 原 告 に 入 社 し, 平 成 14 年 6 月 に 原 告 の 取 締 役 に 選 任 され,その 後 常 務 取 締 役, 常 務 執 行 役 員 となり, 平 成 24 年 4 月 12 日 に 常 務 取 締 役 事 業 戦 略 本 部 長 となったが( 執 行 役 員 は 同 月 11 日 限 り 退 任 ), 同 年 6 月 16 日 に 取 締 役 を 退 任 した 被 告 Aは, 同 年 8 月 1 日, 被 告 会 社 に 就 職 した 本 件 名 刺 帳 及 びその 持 ち 出 し( 本 件 持 ち 出 し 行 為 ) ア 本 件 名 刺 帳 は, 被 告 Aが 原 告 の 従 業 員 又 は 取 締 役 としての 在 職 又 は 在 任 中 に 営 業 活 動 等 を 通 じて 受 け 取 った 他 社 の 従 業 員 等 の 名 刺 を, 会 社 名 ア 行 ~サ 行 及 びタ 行 ~ワ 行 並 びに 大 手 取 引 先 3 社 の3 冊 に 分 けて, 会 社 名 の 五 十 音 順 又 は 会 社 ごとに 分 類 して 収 納 したものである 本 件 名 刺 帳 は, 被 告 Aの 在 任 中,その 秘 書 業 務 を 担 当 していた 原 告 従 業 員 の 袖 机 の 引 き 出 し(キャビネット)に 保 管 されていた ( 甲 16,18~20) イ 被 告 Aは, 取 締 役 退 任 の 翌 日 である 平 成 24 年 6 月 17 日 ( 日 曜 日 ) - 3 -

の 早 朝 に 原 告 のオフィスに 赴 き, 上 記 引 き 出 しから 本 件 名 刺 帳 を 取 り 出 して 持 ち 帰 ったが, 同 月 28 日 頃, 原 告 からの 問 合 せを 機 に,これを 原 告 に 返 還 した ( 甲 13,15) 原 告 従 業 員 の 退 職 及 び 被 告 会 社 への 就 職 ( 本 件 転 職 ) 原 告 は, 日 本 ヒューレット パッカード 株 式 会 社 ( 以 下 日 本 HP と いう )から ロイター 業 務 と 呼 ばれる 業 務 を 請 け 負 っていた B,C, D,E 及 びF( 以 下,これら5 名 を Bら5 名 という )は,いずれも 原 告 の 従 業 員 としてロイター 業 務 に 従 事 していたところ,B 以 外 の4 名 は 平 成 25 年 1 月 31 日 に,Bは 同 年 2 月 28 日 に 原 告 をそれぞれ 退 職 し, 各 退 職 の 翌 日 に 被 告 会 社 に 就 職 した 被 告 会 社 における 被 告 Aの 営 業 活 動 被 告 Aは, 平 成 24 年 11 月 20 日 頃,ロイター 業 務 を 担 当 していた 日 本 HPの 従 業 員 G( 以 下 G という )と 面 談 し, 原 告 の 従 業 員 の 退 職 に 関 する 話 をした 2 争 点 本 件 持 ち 出 し 行 為 について ア 本 件 名 刺 帳 の 営 業 秘 密 該 当 性 イ 本 件 持 ち 出 し 行 為 に 係 る 不 法 行 為 の 成 否 ウ 損 害 の 有 無 及 び 額 本 件 転 職 について ア 本 件 転 職 に 係 る 不 法 行 為 の 成 否 イ 損 害 の 有 無 及 び 額 本 件 告 知 行 為 について ア 虚 偽 の 事 実 の 告 知 の 有 無 イ 本 件 告 知 行 為 に 係 る 不 法 行 為 の 成 否 ウ 損 害 の 有 無 及 び 額 - 4 -

弁 護 士 費 用 請 求 の 当 否 3 争 点 に 関 する 当 事 者 の 主 張 本 件 持 ち 出 し 行 為 について ア ( 原 告 の 主 張 ) 本 件 名 刺 帳 は 合 計 2639 枚 の 名 刺 を 収 納 したものであり,これに 記 載 された 情 報 は, 以 下 のとおり, 不 競 法 2 条 6 項 所 定 の 営 業 秘 密 に 該 当 する a 秘 密 管 理 性 原 告 は,オフィスの 出 入 口 に 生 体 認 証 システムを 採 用 していた 本 件 名 刺 帳 を 収 納 していた 引 き 出 しは,そのオフィス 部 分 にあり, 原 告 の 担 当 秘 書 専 用 で, 同 人 以 外 がアクセスすることはなかった 名 刺 帳 の 表 示 とその 外 形 があれば, 誰 の 目 にも 秘 密 情 報 であるこ とは 明 らかであり, 多 数 の 名 刺 が 収 納 された 名 刺 帳 が 秘 密 として 管 理 されなければならないことは, 通 常 の 社 会 人 であれば 常 識 である b 有 用 性 本 件 名 刺 帳 に 収 納 されていたのは 原 告 の 取 引 先, 取 引 見 込 み 顧 客 等 の 名 刺 であり, 会 社 名, 所 属, 氏 名, 住 所, 電 話 番 号 等 が 記 載 さ れている また, 会 社 名 の 五 十 音 順 に( 大 手 3 社 分 は 別 途 整 理 ), 見 開 き2 頁 で20 枚 整 列 して 収 納 されており,そのまま 顧 客 名 簿 と して 使 用 可 能 である そして,これらの 情 報 を 使 用 して, 現 在 の 顧 客 に 対 して 業 務 の 連 絡 を 取 ったり, 取 引 見 込 み 顧 客 に 対 して 営 業 活 動 を 行 ったりすることができるから, 本 件 名 刺 帳 には 有 用 性 がある c 非 公 知 性 本 件 名 刺 帳 に 収 納 された 名 刺 は, 営 業 上 の 必 要 の 範 囲 において 使 用 することを 前 提 に 提 供 するもので,それ 以 外 の 目 的 で 使 用 される - 5 -

こと, 一 般 に 公 表 されることは 予 定 されていない さらに, 上 記 の とおり 整 列 して 本 件 名 刺 帳 に 収 納 された2639 枚 の 名 刺 全 体 とし てみれば, 公 然 と 知 られていない 情 報 である 被 告 Aは, 平 成 24 年 6 月 16 日 に 取 締 役 を 退 任 し, 原 告 のオフィ スに 立 ち 入 る 権 限 を 失 った また, 原 告 は, 同 月 18 日 に 生 体 認 証 シ ステムから 被 告 Aの 情 報 を 抹 消 する 予 定 であった ところが, 被 告 A は,その 抹 消 前 の 日 曜 日 の 早 朝 にオフィスに 侵 入 し, 本 件 名 刺 帳 を 窃 取 した そして, 被 告 Aは, 被 告 会 社 入 社 後 の 同 年 11 月 20 日 頃, 本 件 名 刺 帳 の 情 報 を 利 用 して, 日 本 HPを 訪 れてGに 対 する 営 業 行 為 を 行 った 被 告 Aの 行 為 は, 営 業 秘 密 を 不 正 に 取 得 し, 使 用 したもの であって,4 号 の 不 正 競 争 に 該 当 する 被 告 会 社 は, 原 告 の 営 業 秘 密 が 不 正 に 取 得 されたことを 知 り, 又 は 重 大 な 過 失 により 知 らないで 被 告 Aから 当 該 情 報 を 取 得 し, 被 告 Aを 介 してこれを 使 用 したから,5 号 の 不 正 競 争 が 成 立 する よって, 原 告 は, 被 告 らに 対 し, 不 競 法 3 条 1 項 に 基 づき 本 件 名 刺 帳 に 記 載 された 情 報 の 使 用 の 差 止 めを, 同 条 2 項 に 基 づきこれが 記 載 された 資 料 等 の 廃 棄 を 求 める ( 被 告 らの 主 張 ) 本 件 名 刺 帳 は, 以 下 のとおり, 秘 密 管 理 性, 有 用 性 及 び 非 公 知 性 を 欠 くから, 営 業 秘 密 に 該 当 しない a 社 屋 出 入 口 に 生 体 認 証 システム 等 を 導 入 して 従 業 員 以 外 の 者 が 社 内 に 入 れないようにすることは 一 般 的 であるから, 原 告 が 同 システ ムを 導 入 していたことは 本 件 名 刺 帳 を 秘 密 として 管 理 していたこと を 裏 付 ける 事 情 とならない また, 本 件 名 刺 帳 が 保 管 されていた 引 き 出 しは 施 錠 されておらず, 原 告 の 従 業 員 であれば 誰 でも 取 り 出 す ことができた さらに, 本 件 名 刺 帳 に 秘 密 であることを 示 す 表 示 は - 6 -

なく, 原 告 においては, 名 刺 帳 等 を 秘 密 として 管 理 するようにとの 指 示 も 注 意 喚 起 もされていなかった b 本 件 名 刺 帳 に 収 納 された 名 刺 は 被 告 Aが 自 らの 業 務 の 過 程 で 収 集 したものであり, 原 告 はその 存 在 すら 認 識 していなかった 原 告 は 現 在 の 顧 客 の 連 絡 先 は 当 然 把 握 していたし, 見 込 み 客 に 対 して 営 業 活 動 を 行 うために 本 件 名 刺 帳 を 活 用 することもなかった c 本 件 名 刺 帳 に 収 納 された 名 刺 にはごく 一 般 的 な 事 項 が 記 載 されて いるにすぎず,どのような 人 物 でも 名 刺 交 換 等 によって 取 得 するこ とができる 被 告 Aが 早 朝 にオフィスに 行 ったのは, 前 日 の 株 主 総 会 において 意 に 沿 わない 退 任 をさせられた 気 まずさから,なるべく 他 の 従 業 員 に 会 わない 時 間 帯 を 選 んだためである 退 職 後 の 従 業 員 等 が 会 社 からの 貸 与 物 を 返 却 したり 私 物 を 回 収 したりするために 会 社 を 訪 れるのは 当 然 に 予 定 された 行 為 であり,このような 合 理 的 な 理 由 があればオフィス への 立 入 りも 許 される また, 被 告 Aは,コピーを 取 ることなく 本 件 名 刺 帳 を 原 告 に 返 却 しており, 本 件 名 刺 帳 の 情 報 を 使 用 したこともな い したがって, 本 件 持 ち 出 し 行 為 について4 号 又 は5 号 の 不 正 競 争 は 成 立 しない イ ( 原 告 の 主 張 ) 本 件 名 刺 帳 に 収 納 された 名 刺 は, 被 告 Aが 原 告 の 取 締 役 の 地 位 にある 期 間 中, 職 務 執 行 の 過 程 で, 原 告 の 取 締 役 としての 名 刺 と 交 換 に 収 集 さ れたものであるから,その 所 有 権 は 原 告 に 属 する また, 本 件 名 刺 帳 は, 原 告 のオフィス 内 に 保 管 されていたから, 原 告 に 占 有 がある - 7 -

本 件 持 ち 出 し 行 為 は 不 法 行 為 に 該 当 する ( 被 告 Aの 主 張 ) 本 件 名 刺 帳 に 収 納 された 名 刺 は 被 告 Aが 独 自 の 判 断 で 収 集 し, 保 管 し たものであり, 原 告 から 指 示 を 受 けたりしていない また, 原 告 は 本 件 名 刺 帳 の 存 在 を 把 握 しておらず, 原 告 の 就 業 規 則 上, 従 業 員 等 が 集 めた 名 刺 の 所 有 権 が 原 告 に 帰 属 するとの 定 めもない 本 件 名 刺 帳 に 収 納 され た 名 刺 は 被 告 Aの 所 有 物 であり, 本 件 持 ち 出 し 行 為 は 窃 取 に 当 たらない ウ ( 原 告 の 主 張 ) 本 件 名 刺 帳 の 価 値 は, 以 下 のとおり,1025 万 4970 円 を 下 らな い 2639 枚 3 枚 (1 回 の 面 談 で 取 得 する 平 均 枚 数 ) 2 時 間 (1 回 の 名 刺 交 換 に 要 する 時 間 )=1759 時 間 (2639 枚 の 名 刺 入 手 に 要 する 時 間 ) 100 万 円 ( 被 告 Aの 在 任 中 の 平 均 月 収 ) 171.5 時 間 (1か 月 の 所 定 労 働 時 間 )=5830 円 5830 円 1759 時 間 =1025 万 4970 円 よって, 原 告 は, 被 告 Aに 対 し, 上 記 のうち1000 万 円 及 びこれに 対 する 不 正 競 争 又 は 不 法 行 為 の 後 である 訴 状 送 達 の 日 の 翌 日 から 支 払 済 みまで 民 法 所 定 の 年 5 分 の 割 合 による 遅 延 損 害 金 の 支 払 を 求 める ( 被 告 Aの 主 張 ) 争 う 本 件 転 職 について ア ( 原 告 の 主 張 ) 被 告 Aは,ロイター 業 務 に 従 事 していた 原 告 の 従 業 員 に 対 し, 被 告 - 8 -

会 社 の 通 常 の 採 用 手 続 によることなく, 被 告 会 社 の 会 社 説 明 会 を 開 催 し, 自 ら 採 用 面 接 を 行 う,Bを 介 して 勧 誘 するなどしてBら5 名 を 引 き 抜 き, 被 告 会 社 に 入 社 させた 被 告 Aによる 引 き 抜 き 行 為 は, 原 告 に 対 する 害 意 をもって, 競 業 避 止 義 務 に 反 して 行 われ, 社 会 的 相 当 性 の 範 囲 を 逸 脱 したものであるから, 不 法 行 為 に 該 当 する 被 告 Aによる 引 き 抜 き 行 為 は 被 告 会 社 の 業 務 に 関 するものであるの で, 被 告 会 社 はこれにつき 使 用 者 責 任 を 負 う ( 被 告 らの 主 張 ) Bら5 名 は,いずれも 原 告 における 待 遇 に 不 満 を 持 っており, 各 自 の 意 思 で 原 告 を 辞 め, 被 告 会 社 に 就 職 したものである 被 告 Aは,Bから 転 職 について 相 談 を 受 け, 他 にも 転 職 を 希 望 する 原 告 従 業 員 がいたこと から 会 社 説 明 会 を 開 催 したのであり,Bら5 名 に 対 する 引 き 抜 き 行 為 を していない イ ( 原 告 の 主 張 ) 被 告 Aの 引 き 抜 き 行 為 により, 原 告 はBら5 名 が 転 職 しなかった 場 合 に 得 られた 利 益 相 当 額 の 損 害 を 被 った その 額 は,1 人 につき 月 34 万 5000 円 (ロイター 業 務 担 当 従 業 員 1 人 当 たりの1か 月 の 平 均 売 上 金 75 万 円 原 告 の 利 益 率 46%)であるので, 平 成 25 年 2 月 ~ 平 成 2 6 年 2 月 分 が2208 万 円 (B 以 外 の4 名 につき 各 13か 月,Bにつき 12か 月 の 合 計 64か 月 分 ), 同 年 3 月 ~5 月 分 が517 万 5000 円 (Bら5 名 につき 合 計 15か 月 分 )となる よって, 原 告 は, 被 告 らに 対 し, 上 記 の 合 計 2725 万 5000 円 及 びこれに 対 する 不 法 行 為 の 後 である 訴 状 送 達 の 日 の 翌 日 ( 平 成 26 年 2 月 分 まで) 又 は 平 成 27 年 4 月 10 日 付 け 訴 えの 変 更 申 立 書 送 達 の 翌 日 ( 同 年 3 月 分 以 降 )から 各 支 払 済 みまで 民 法 所 定 の 年 5 分 の 割 合 による - 9 -

遅 延 損 害 金 の 連 帯 支 払 を 求 める なお, 上 記 主 張 が 認 められないとしても, 原 告 の 損 害 額 は, 少 なくと も 以 下 のとおり1884 万 8768 円 となる 4771 万 8445 円 ( 平 成 24 年 4 月 ~ 平 成 25 年 1 月 にロイタ ー 業 務 で 得 た 原 告 の 利 益 ) 20 名 (ロイター 業 務 担 当 者 ) 10 か 月 =23 万 8592 円 (1 人 1か 月 当 たりの 逸 失 利 益 ) 23 万 8592 円 (64か 月 +15か 月 )=1884 万 8768 円 ( 被 告 らの 主 張 ) 争 う 本 件 告 知 行 為 について ア ( 原 告 の 主 張 ) 被 告 Aは, 平 成 24 年 11 月 20 日 頃, 日 本 HPの 購 買 担 当 のGに 対 し, 12 月 賞 与 支 給 後 に, 原 告 のロイター 業 務 担 当 の 従 業 員 が 大 量 に 一 斉 退 職 するので 業 務 の 継 続 ができなくなる 旨 の 事 実 を, 具 体 的 な 原 告 従 業 員 の 氏 名 を 挙 げて 告 知 した しかし, 一 斉 退 職 及 び 業 務 の 継 続 不 可 能 という 事 実 はいずれも 存 在 しないから, 被 告 Aが 告 知 し た 事 実 は 虚 偽 であって, 原 告 の 営 業 上 の 信 用 を 害 するものである したがって, 被 告 Aによる 本 件 告 知 行 為 は14 号 の 不 正 競 争 に 該 当 する 本 件 告 知 行 為 は 被 告 会 社 が 被 告 Aにさせたものということができる から, 被 告 会 社 についても14 号 の 不 正 競 争 が 成 立 する よって, 原 告 は, 被 告 らに 対 し, 不 競 法 3 条 1 項 に 基 づき, 上 記 虚 偽 の 事 実 を 告 知 することの 差 止 めを 求 める ( 被 告 らの 主 張 ) - 10 -

被 告 Aは, 日 本 HPのGに 対 して, 原 告 のロイター 業 務 担 当 の 従 業 員 が 退 職 する 可 能 性 がある 旨 の 話 はしたが, 原 告 の 業 務 の 継 続 ができなく なるなどといった 発 言 はしていない イ ( 原 告 の 主 張 ) 被 告 Aは, 原 告 の 執 行 役 員 であったから, 執 行 役 員 規 程 に 基 づき, 競 業 行 為 を 行 ってはならない 義 務 を 負 う 上 記 アの 虚 偽 事 実 の 告 知 は 競 業 避 止 義 務 に 違 反 し, 不 法 行 為 に 該 当 する また, 被 告 会 社 はこれにつき 使 用 者 責 任 を 負 う ( 被 告 らの 主 張 ) 争 う ウ ( 原 告 の 主 張 ) 原 告 は 本 件 告 知 行 為 によって 営 業 上 の 信 用 を 害 された その 損 害 額 は 500 万 円 を 下 回 らない よって, 原 告 は, 被 告 らに 対 し,500 万 円 及 びこれに 対 する 不 正 競 争 又 は 不 法 行 為 の 後 である 平 成 26 年 6 月 13 日 付 け 訴 えの 変 更 申 立 書 送 達 の 日 の 翌 日 から 支 払 済 みまで 民 法 所 定 の 年 5 分 の 割 合 による 遅 延 損 害 金 の 連 帯 支 払 を 求 める ( 被 告 らの 主 張 ) 争 う ( 原 告 の 主 張 ) 原 告 は 本 件 訴 訟 の 遂 行 を 弁 護 士 に 依 頼 した その 弁 護 士 費 用 の 額 は3 00 万 円 を 下 回 らない よって, 原 告 は, 被 告 らに 対 し,300 万 円 及 びこれに 対 する 不 正 競 - 11 -

争 又 は 不 法 行 為 の 後 である 訴 状 送 達 の 日 の 翌 日 から 支 払 済 みまで 民 法 所 定 の 年 5 分 の 割 合 による 遅 延 損 害 金 の 連 帯 支 払 を 求 める ( 被 告 らの 主 張 ) 争 う 第 3 当 裁 判 所 の 判 断 1 前 記 前 提 事 実 に 加 え, 証 拠 ( 甲 1,2,10,16,18~21,26, 乙 6, 証 人 I, 被 告 A 本 人 ) 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 以 下 の 事 実 が 認 められる ア 原 告 は 資 本 金 約 8 億 円 の 株 式 会 社 であり, 従 業 員 数 は400~450 名 程 度 である 原 告 のオフィスのあるビルへの 入 館 にはカードキーが 必 要 であり,さらに,オフィス 部 分 の 入 口 には 生 体 認 証 システムが 設 けら れ, 入 室 が 制 限 されていたものの,オフィス 内 に 従 業 員 が 立 ち 入 れない 箇 所 は 特 段 定 められていなかった 本 件 名 刺 帳 は 被 告 Aの 秘 書 業 務 を 担 当 する 従 業 員 の 袖 机 の 引 き 出 しに 保 管 されていたが,この 引 き 出 しは 施 錠 されていなかった イ 本 件 名 刺 帳 は 市 販 の 名 刺 ホルダーを 使 用 したものであり, 表 紙 及 び 背 表 紙 に 名 刺 帳 と 記 載 され, 背 表 紙 に 別 紙 営 業 秘 密 目 録 添 付 の 各 別 紙 のとおり 会 社 名 の 頭 文 字 等 が 明 記 されていたが, 秘 の 文 字 その 他 秘 密 情 報 であることを 示 す 表 示 は 付 されていなかった ウ 原 告 は, 従 業 員 又 は 取 締 役 が 業 務 上 入 手 した 名 刺 の 管 理 や 処 分 につき, 就 業 規 則 等 に 定 めを 置 いておらず, 従 業 員 らに 対 しこの 点 に 関 する 指 示 をすることもなかった 被 告 Aは, 取 引 先 等 から 受 領 した 名 刺 を 上 記 秘 書 業 務 を 担 当 する 従 業 員 に 管 理 させており, 同 従 業 員 は, 被 告 Aの 指 示 に 従 い, 被 告 Aから 手 渡 された 名 刺 を 会 社 名 で 分 類 して 本 件 名 刺 帳 に 収 納 していた 本 件 名 刺 帳 に 収 納 されていたのは 被 告 Aが 入 手 した 名 刺 の - 12 -

みであり, 原 告 の 顧 客 リストは 別 途 作 成 されていた エ 原 告 は, 従 業 員 又 は 取 締 役 が 退 職 又 は 退 任 する 際, 業 務 上 入 手 した 名 刺 を 残 置 するよう 指 示 したことはなく,その 処 分 は 当 該 従 業 員 等 に 任 せ ていた 被 告 Aの 取 締 役 退 任 に 当 たっても, 本 件 名 刺 帳 を 持 ち 出 さない よう 求 めることはなかった 技 術 上 又 は 営 業 上 の 情 報 が 不 競 法 上 の 営 業 秘 密 として 保 護 されるために は, 当 該 情 報 が 秘 密 として 管 理 され, 事 業 活 動 に 有 用 であって,かつ, 公 然 と 知 られていないことを 要 する( 不 競 法 2 条 6 項 ) 原 告 は, 本 件 名 刺 帳 に 収 納 された 名 刺 に 記 載 された 情 報 が 原 告 の 営 業 秘 密 に 当 たる 旨 主 張 するが, 名 刺 は 他 人 に 対 して 氏 名, 会 社 名, 所 属 部 署, 連 絡 先 等 を 知 らせることを 目 的 として 交 付 されるものであるから,その 性 質 上,これに 記 載 された 情 報 が 非 公 知 であると 認 めることはできない な お, 守 秘 義 務 を 負 うべき 状 況 下 で 特 定 の 者 に 対 して 名 刺 を 手 交 するような 場 合 には,その 記 載 内 容 が 非 公 知 性 を 有 することもあり 得 ようが, 本 件 に おいてそのような 事 情 は 見 当 たらない また, 本 件 名 刺 帳 に 収 納 された2639 枚 の 名 刺 を 集 合 体 としてみた 場 合 には 非 公 知 性 を 認 める 余 地 があるとしても, 本 件 名 刺 帳 は, 上 記 認 定 事 実 によれば, 被 告 Aが 入 手 した 名 刺 を 会 社 別 に 分 類 して 収 納 したにとどま るのであって, 当 該 会 社 と 原 告 の 間 の 取 引 の 有 無 による 区 別 もなく, 取 引 内 容 ないし 今 後 の 取 引 見 込 み 等 に 関 する 記 載 もなく,また, 古 い 名 刺 も 含 まれ, 情 報 の 更 新 もされていないものと 解 される( 甲 16 参 照 ) これに 加 え, 原 告 においては 顧 客 リストが 本 件 名 刺 帳 とは 別 途 作 成 されていたと いうのであるから, 原 告 がその 事 業 活 動 に 有 用 な 顧 客 に 関 する 営 業 上 の 情 報 として 管 理 していたのは 上 記 顧 客 リストであったというべきである そ うすると, 名 刺 帳 について 顧 客 名 簿 に 類 するような 有 用 性 を 認 め 得 る 場 合 があるとしても, 本 件 名 刺 帳 については, 有 用 性 があると 認 めることはで - 13 -

きない さらに, 上 記 認 定 事 実 によれば, 原 告 においては, 従 業 員 又 は 取 締 役 が 業 務 上 入 手 した 名 刺 の 管 理 や 処 分 につき 就 業 規 則 等 に 定 めを 置 いておらず, 従 業 員 等 に 対 しこの 点 に 関 する 指 示 をすることもなかったというのである から, 上 記 顧 客 リストの 記 載 とは 別 に 従 業 員 等 が 所 持 する 名 刺 については, その 処 分 を 従 業 員 等 に 委 ねていたと 認 めるのが 相 当 である 本 件 名 刺 帳 は, 上 記 認 定 の 収 納 及 び 管 理 の 状 況 に 照 らせば, 被 告 Aが 原 告 から 処 分 を 委 ね られた 名 刺 を 単 に 自 己 の 営 業 活 動 等 のために 整 理 していたにすぎないもの というべきであり, 原 告 が 管 理 していたとみることはできない また, 原 告 による 管 理 を 認 め 得 るとしても, 本 件 名 刺 帳 が 保 管 された 引 き 出 しは 施 錠 されておらず, 秘 密 とする 旨 の 表 示 もなかったというのであるから, 秘 密 管 理 性 を 認 めることは 困 難 である 以 上 によれば, 本 件 名 刺 帳 を 営 業 秘 密 ということはできないから,4 号 又 は5 号 の 不 正 競 争 をいう 原 告 の 主 張 は 失 当 と 解 すべきである 2 原 告 は, 本 件 持 ち 出 し 行 為 につき, 不 正 競 争 の 成 立 が 認 められないとして も, 不 法 行 為 に 当 たる 旨 主 張 する 含 め 退 職 又 は 退 任 する 従 業 員 及 び 取 締 役 に 対 し, 業 務 上 受 領 した 名 刺 の 管 理 や 処 分 について 特 段 の 指 示 をしていなかったというのであり, 被 告 Aは, 本 件 名 刺 帳 につき 原 告 が 何 ら 関 心 を 払 っていなかったので, 取 締 役 退 任 に 際 し 自 らが 収 集 した 名 刺 を 持 ち 帰 ったとみることができる また, 前 記 前 提 事 実 ており, 本 件 持 ち 出 し 行 為 により 原 告 に 何 らかの 損 害 が 生 じたとうかがわせ る 証 拠 はない 本 件 における 以 上 の 事 情 の 下 では, 本 件 持 ち 出 し 行 為 が 不 法 行 為 に 当 たることはないと 解 すべきである - 14 -

3 前 記 前 提 事 実 に 加 え, 証 拠 ( 甲 10,29,34, 乙 1~6, 証 人 I, 同 J, 同 B, 被 告 A 本 人 ) 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 以 下 の 事 実 が 認 め られる ア 原 告 の 従 業 員 数 は400~450 名 程 度 であるが, 離 職 率 が 高 く, 平 成 24 年 には 年 初 従 業 員 448 名 のうち80 名 が, 平 成 25 年 には 同 4 06 名 のうち57 名 が 退 職 した 原 告 の 経 営 陣 の 中 には, 勤 続 年 数 が1 5 年 以 上 の 従 業 員 に 対 してハローワークに 行 くよう 指 示 するなど, 従 業 員 が 漫 然 と 長 期 間 勤 続 することに 否 定 的 な 考 え 方 があった Bら5 名 は, 原 告 における 従 業 員 の 処 遇 に 不 満 を 抱 き, 将 来 に 不 安 を 感 じており, 機 会 があれば 転 職 したいと 考 えていた イ 原 告 は, 日 本 HPからロイター 業 務 を 請 け 負 っており, 平 成 24 年 4 月 頃 には20 名 前 後 の 人 員 をこれに 充 てていた なお,ロイター 業 務 と は, 日 本 HPがロイター 社 から 受 託 した 金 融 機 関 向 けトレーディングシ ステムの 配 信 システムの 設 置, 保 守 等 の 業 務 をいう Bら5 名 はいずれ もロイター 業 務 の 担 当 であり,Bは, 平 成 22 年 7 月 以 降,ロイター 業 務 の 責 任 者 を 務 めていた ウ 日 本 HPは, 平 成 24 年 7 月 頃, 原 告 に 対 し,ロイター 社 からの 受 託 業 務 の 減 少 に 伴 い, 原 告 に 委 託 しているロイター 業 務 を 縮 小 すると 申 し 入 れた Bは,この 頃,その 話 を 聞 き,ロイター 業 務 に 従 事 する 人 員 が 削 減 されるものと 考 え,これを 機 に 転 職 することを 決 意 した そして, かつての 上 司 であり, 原 告 を 退 任 して 間 もない 被 告 Aに 転 職 について 相 談 したところ, 被 告 A( 当 時 は 被 告 会 社 への 就 職 前 であった )は 慎 重 に 考 えるようにと 助 言 した エ Bは,その 後 も 被 告 Aに 数 回 転 職 の 相 談 をし,その 中 で, 被 告 Aが 就 職 した 被 告 会 社 を 転 職 先 の 一 つと 考 えるようになった Bは,また,ロ - 15 -

イター 業 務 を 担 当 する 原 告 の 従 業 員 らに,ロイター 業 務 が 縮 小 されるこ と 及 び 自 分 が 転 職 を 考 えていることを 告 げた 上 記 従 業 員 らの 中 には, 自 らも 転 職 を 希 望 しているとして,Bにその 旨 を 話 すものがいた Bは, 被 告 Aに 対 し, 自 らの 転 職 先 候 補 の 一 つとして 被 告 会 社 を 挙 げるととも に, 自 分 以 外 にも 転 職 希 望 者 がいるので, 被 告 会 社 の 会 社 説 明 会 を 開 い てほしいと 希 望 した 被 告 Aは, 被 告 会 社 のネットワーク3 部 の 部 長 職 にあり, 従 業 員 の 採 用 を 決 定 する 立 場 になかったが, 人 事 関 係 の 担 当 者 と 協 議 をして 会 社 説 明 会 を 開 催 することとし,その 日 時 等 をBに 伝 えた オ 同 年 11 月 頃, 被 告 会 社 において 会 社 説 明 会 が 開 催 され,Bら5 名 を 含 む10 名 弱 の 原 告 従 業 員 が 参 加 した 被 告 会 社 側 の 出 席 者 は 被 告 A 及 びその 上 司 らであり, 被 告 会 社 の 概 要 や 業 務 内 容 等 の 説 明 がされた そ の 後, 会 社 説 明 会 参 加 者 のうち 就 職 を 希 望 する 者 に 対 する 個 別 の 面 接 が 行 われ, 被 告 Aもこれに 携 わった カ Bら5 名 のうちB 以 外 は 平 成 25 年 1 月 末 に,Bは 同 年 2 月 末 に 原 告 を 退 職 し, 被 告 会 社 に 就 職 した 原 告 においてはロイター 業 務 の 縮 小 に 伴 い 担 当 者 を 削 減 することが 予 定 されており,Bら5 名 の 退 職 により 業 務 に 支 障 が 生 じることはなかった 原 告 は, 平 成 26 年 5 月 末 頃,ロイ ター 業 務 を 終 了 した 他 方,Bら5 名 は, 被 告 会 社 においてロイター 社 の 業 務 を 担 当 していない 上 記 認 定 事 実 によれば,Bら5 名 は,かねてから 原 告 での 勤 務 に 不 満 を 感 じていたところ,ロイター 業 務 の 縮 小 を 機 に 転 職 を 決 意 し, 原 告 を 退 職 して 被 告 会 社 に 就 職 したものであり, 被 告 Aは,その 過 程 で,Bからの 相 談 に 乗 り,Bの 希 望 に 応 じて 会 社 説 明 会 を 開 催 し, 被 告 会 社 の 管 理 職 とし て 採 用 面 接 に 関 与 したにとどまるということができる そうすると, 本 件 転 職 はBら5 名 が 各 自 の 意 思 に 基 づいて 行 ったとみるべきものであって, 被 告 Aによる 不 法 行 為 は 成 立 しないと 判 断 するのが 相 当 である - 16 -

これに 対 し, 原 告 は, 被 告 AがBら5 名 に 対 して 社 会 的 相 当 性 の 範 囲 を 逸 脱 した 引 き 抜 き 行 為 を 行 った 旨 主 張 するが, 本 件 の 証 拠 上, 被 告 AがB ら5 名 に 対 し 積 極 的 に 転 職 を 働 きかけたといった 事 実 は 認 められない し たがって, 原 告 の 上 記 主 張 を 採 用 することはできない 4 前 記 前 提 事 実, 証 拠 ( 甲 22,23, 乙 6, 証 人 J, 被 告 A 本 人 ) 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 以 下 の 事 実 が 認 められる ア 被 告 Aは, 平 成 24 年 9 月 頃, 転 職 の 挨 拶 をするため, 原 告 在 籍 中 に 世 話 になった 日 本 HPのGを 訪 問 した 被 告 Aは,Gから 被 告 Aの 退 任 による 影 響 について 尋 ねられた 際, 今 後 原 告 を 退 職 する 従 業 員 が 何 人 か いるかもしれない 旨 話 した Gは, 退 職 の 話 が 具 体 的 になったら 連 絡 し てほしい 旨 頼 んだ イ 被 告 Aは, 前 記 会 社 説 明 会 開 催 の 前 後 である 同 年 11 月 20 日 頃, 日 本 HPのGを 訪 問 し,Bら5 名 のうち 一 部 の 実 名 を 挙 げて,ロイター 業 務 を 担 当 している 原 告 の 従 業 員 が 複 数 退 職 する 可 能 性 がある 旨 伝 えた Gは,その 直 後 に 原 告 に 電 話 連 絡 を 取 り, 原 告 の 執 行 役 員 と 面 談 して, ロイター 業 務 担 当 の 従 業 員 が 大 量 に 退 職 するとの 情 報 があり,そうであ るとすれば 業 務 の 継 続 ができないリスクになると 考 えられるので, 事 実 関 係 を 調 査 してほしいと 要 望 した 原 告 は, 上 記 の 情 報 は 事 実 無 根 であ り,ロイター 業 務 の 遂 行 に 問 題 はない 旨 回 答 した 上 記 事 実 関 係 によれば, 被 告 AはGに 対 して ロイター 業 務 を 担 当 する 原 告 の 従 業 員 が 複 数 退 職 する 可 能 性 がある 旨 の 事 実 を 告 知 したにとどま とは 認 められない したがって, 被 告 Aの 行 為 が14 号 の 不 正 競 争 に 当 た るということはできない これに 対 し, 原 告 は, 被 告 AがGに 対 し 原 告 のロイター 業 務 担 当 の 従 - 17 -

業 員 が 大 量 に 一 斉 退 職 するので 業 務 の 継 続 ができなくなる 旨 発 言 したと 主 張 する しかし, 原 告 が 主 張 の 根 拠 とする 証 拠 ( 甲 10,22~25, 28, 証 人 I, 同 J)のうち 被 告 Aが 上 記 の 発 言 をしたとの 部 分 はいずれ も 伝 聞 ないし 推 測 に 基 づくものであり,これにより 被 告 Aの 発 言 内 容 を 認 メール( 甲 22) 中 のGからの 入 電 内 容 に 関 する 記 載 によれば, 業 務 の 継 続 ができなくなる との 部 分 は,Gが 被 告 Aから 聞 いた 話 ではなく,G が 考 えた 事 項 を 原 告 に 伝 えたものと 認 めることが 相 当 である したがって, 原 告 の 上 記 主 張 を 採 用 することはできない 5 原 告 は, 本 件 告 知 行 為 につき,14 号 の 不 正 競 争 に 当 たらないとしても 不 法 行 為 が 成 立 する 旨 主 張 する しかし, 原 告 の 主 張 は, 被 告 Aが 原 告 主 張 の 発 言 をしたことを 前 提 とするものであるところ,そのような 発 言 をしたと 認 められないことは 上 記 4のとおりである したがって, 不 法 行 為 をいう 原 告 の 主 張 も 失 当 と 解 すべきである 第 4 結 論 以 上 によれば, 原 告 の 請 求 はその 余 の 点 について 判 断 するまでもなくいず れも 理 由 がないから, 主 文 のとおり 判 決 する 東 京 地 方 裁 判 所 民 事 第 46 部 裁 判 長 裁 判 官 長 谷 川 浩 二 裁 判 官 清 野 正 彦 裁 判 官 藤 原 典 子 - 18 -

別 紙 当 事 者 目 録 東 京 都 品 川 区 < 以 下 略 > 原 告 日 本 サード パーティ 株 式 会 社 同 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 津 留 崎 裕 小 林 深 志 久 保 田 智 史 日 野 修 男 東 京 都 千 代 田 区 < 以 下 略 > 被 告 セントラルソフト 株 式 会 社 東 京 都 府 中 市 < 以 下 略 > 被 告 A 上 記 両 名 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 武 藤 功 渡 邊 淳 子 相 良 恵 美 牧 野 盛 匡 新 谷 紀 之 前 川 理 佐 坪 川 哲 也 粂 井 範 之 - 19 -

別 紙 営 業 秘 密 目 録 1 名 刺 帳 1( 別 紙 1のとおり)に 収 納 された 会 社 名 の ア 行 ~サ 行 の 名 刺 1095 枚 2 名 刺 帳 2( 別 紙 2のとおり)に 収 納 された 会 社 名 の タ 行 ~ワ 行 の 名 刺 931 枚 3 名 刺 帳 3( 別 紙 3のとおり)に 収 納 された 原 告 取 引 先 3 社 の 名 刺 613 枚 上 記 各 名 刺 帳 に 収 納 された 名 刺 合 計 2639 枚 に 記 載 された 会 社 名 部 署 役 職 氏 名 会 社 住 所 電 話 番 号 ファクシミリ 番 号 電 子 メールアドレ ス 以 上 - 20 -