硬膜外麻酔とは



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図 表 1 1,000 万 円 以 上 高 額 レセプト ( 平 成 25 年 度 ) 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷

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診療行為コード

Microsoft Word - 通知 _2_.doc

L006 球 後 麻 酔 及 び 顔 面 頭 頸 部 の 伝 達 麻 酔 ( 瞬 目 麻 酔 及 び 眼 輪 筋 内 浸 潤 麻 酔 を 含 む ) 150 点 L007 開 放 点 滴 式 全 身 麻 酔 310 点 L008 マスク 又 は 気 管 内 挿 管 による 閉 鎖 循 環 式 全 身

2 ペインクリニック ペインクリニック 科 に 関 しては 先 ずは 様 々な 痛 みの 症 例 を 正 確 に 診 断 できる 能 力 の 養 成 を 最 大 の 目 標 にします その 過 程 で 薬 物 療 法 神 経 ブロック( 超 音 波 透 視 下 を 含 む) Intervention

認 定 看 護 師 専 門 看 護 師 集 中 ケア 新 生 児 集 中 ケア A 呼 吸 ケアチーム 加 算 150 点 呼 吸 ケアチームの 設 置 救 急 看 護 小 児 救 急 看 護 慢 性 呼 吸 器 疾 患 看 護 急 性 重 症 患 者 看 護 A 247 認 知 症

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17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

4 ぼうこう又は直腸機能障害

独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療機器安全管理規程

人生の最終段階における医療に関する意識調査 結果の概要

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頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

3 薬 局 サービス 等 (1) 健 康 サポート 薬 局 である 旨 の 表 示 健 康 サポート 薬 局 である 旨 を 表 示 している 場 合 健 康 サポート 薬 局 とは かかりつけ 薬 剤 師 薬 局 としての 基 本 的 な 機 能 に 加 えて 積 極 的 な 健 康 サポート 機

( 医 療 機 器 の 性 能 及 び 機 能 ) 第 3 条 医 療 機 器 は 製 造 販 売 業 者 等 の 意 図 する 性 能 を 発 揮 できなければならず 医 療 機 器 としての 機 能 を 発 揮 できるよう 設 計 製 造 及 び 包 装 されなければならない 要 求 項 目 を

(平成13年9月25日現在)

( 新 ) 医 療 提 供 の 機 能 分 化 に 向 けたICT 医 療 連 携 導 入 支 援 事 業 費 事 業 の 目 的 医 療 政 策 課 予 算 額 58,011 千 円 医 療 分 野 において あじさいネットを 活 用 したICT したICT 導 入 により により 医 療 機 能

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目次

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光 輪 はさみこども 園 学 校 保 健 安 全 法 ( 第 19 条 )に 準 ずる(H24.4 改 定 ) 病 名 感 染 しやすい 期 間 登 園 のめやす 症 状 ( 発 熱 全 身 症 状 呼 吸 器 症 状 )がある 期 間 インフルエンザ ( 発 症 前 24 時 間 ~ 発 病 後

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5 月 25 日 2 口 腔 咽 頭 唾 液 腺 の 疾 患 2 GIO: 口 腔 咽 頭 唾 液 腺 の 疾 患 を 理 解 する SBO: 1. 急 性 慢 性 炎 症 性 疾 患 を 説 明 できる 2. 扁 桃 の 疾 患 を 説 明 できる 3. 病 巣 感 染 症 を 説 明 できる 4

公 営 企 業 職 員 の 状 況 1 水 道 事 業 1 職 員 給 与 費 の 状 況 ア 決 算 区 分 総 費 用 純 利 益 職 員 給 与 費 総 費 用 に 占 める ( 参 考 ) 職 員 給 与 費 比 率 22 年 度 の 総 費 用 に 占 A B B/A める 職 員 給 与

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想 像 思 行 ず 消 毒 擦 む 薄 血 混 じ 滲 み ぶ 痂 ぶ 取 下 薄 来 経 験 沢 山 お 思 健 常 人 間 元 々 備 能 力 中 具 的 何 起 ょ 簡 単 説 明 ず 人 間 負 部 リ ン パ 球 血 小 板 マ ク ロ フ ァ ジ 悪 食 べ 集 死 溶 食 べ 清 浄

首 は 下 あ ご の 骨 の 下 か ら 鎖 骨 の 上 ま で 自 分 の 首 を 両 手 で は さ ん で お さ え て み ま し ょ う 師 首 っ て ど ん な 仕 事 を し て い る か な 子 頭 を の せ て い る 頭 を お さ え て い る 頭 を 動 か し

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

静岡市の危機管理体制(案)

神 経 系 統 の 機 能 神 経 系 統 の 機 能 の 著 しい 障 害 とは 脳 の 器 質 障 害 四 肢 その 他 の 神 経 の 損 傷 によって 生 じる 灼 熱 痛 脳 神 経 及 び 脊 髄 神 経 の 外 傷 その 他 の 原 因 による 神 経 痛 等 により 特 に 軽 易

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マスミューチュアル 定 額 終 身 保 険 の 特 徴 としくみ Point 1 健 康 状 態 の 告 知 は Point 2 ありません 固 定 利 率 で る 保 険 す 契 約 積 立 す * 被 保 険 者 が 入 院 中 の 場 合 など ご 加 入 いただけない 場 合 がございます

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75 歳 以 上 の 方 の 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 75 歳 になると 全 ての 方 が 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 に 加 入 して 医 療 を 受 けます 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 は 東 京 都 後 期 高 齢 者 医 療 広 域 連 合 が 主 体 となり 区

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一 方 でも 自 分 から 医 師 に 症 状 の 変 化 について 伝 えている 割 合 は シーズン 前 では 満 足 な と 同 じ %でしたが シーズン 開 始 直 後 から 高 くなり シーズン 後 半 では の 31%を 上 回 り 42%となっています (グラフ 3) ギャップ 3:

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4. 手 術 により 期 待 される 効 果 手 術 は 直 腸 癌 に 対 する 治 療 として 最 も 確 実 な 方 法 とされていますが これに よりすべての 直 腸 癌 が 治 癒 するわけではありません 肉 眼 的 にすべての 癌 が 取 り 除 けた 場 合 でも 目 には 見 えない

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提出時の注意点

(2) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 17 年 4 月 1 日 現 在 ) 初 任 給 2 年 後 の 給 料 初 任 給 2 年 後 の 給 料 一 般 行 政 職 技 能 労 務 職 大 学 卒 171,1 151,5 19,2 164,7 17,7 184,4 中 学 卒 1

全設健発第     号

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【不妊外来問診票2012版】

2 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (26 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 静 岡 県 国 類 似 団 体 2 技 能 労 務 職 区 41.8 歳 42.6 歳 43.5

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

当 機 構 では 補 償 対 象 と 考 えられる 児 が 満 5 歳 の 誕 生 日 を 過 ぎたために 補 償 を 受 けることができないという 事 態 が 生 じることがないよう 昨 年 に 引 き 続 き 広 く 関 係 者 の 皆 様 に 本 制 度 の 周 知 をお 願 いしているところ

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①表紙

後期高齢者医療制度

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科 目 名 生 理 学 Ⅱ 講 師 名 山 美 喜 子 開 講 期 前 期 後 期 通 身 体 の 正 常 な 機 能 を 国 家 試 験 の 出 題 内 容 と 関 連 付 けて 理 解 する 成 績 評 価 方 法 試 験 :00 点 受 講 態 度 :0 点 ( 減 点 方 式 ) 生 理 学

目  次

製 造 業 者 は 製 造 販 売 業 者 の 管 理 監 督 の 下 適 切 な 品 質 管 理 を 行 い 製 品 を 製 造 します なお 製 造 業 は 製 造 に 特 化 した 許 可 となっており 製 造 業 の 許 可 のみでは 製 品 を 市 場 に 出 荷 することはできま せん

( 減 免 の 根 拠 等 ) 第 1 条 こ の 要 綱 は, 地 方 税 法 第 条 の 規 定 に 基 づ く 市 税 条 例 第 6 9 条 の 2 の 規 定 を 根 拠 と す る 身 体 障 害 者 等 に 対 す る 軽 自 動 車 税 の 減 免 の 具 体 的 な 対

監 修 北 辰 会 有 澤 総 合 病 院 内 科 大 八 木 秀 和 1 時 間 目 子 宮 内 膜 症 名 古 屋 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 産 婦 人 科 中 原 辰 夫 NAKAHARA Tatsuo 月 経 困 腎 難 不 を 全 訴 とはどのような えて 来 院 される

大 腸 がん 術 後 内 服 化 学 療 法 連 携 1コース~3コース 大 腸 がん 術 後 内 服 化 学 療 法 連 携 4コース 以 降 拠 点 病 院 への 紹 介 基 準 : 食 事 が 入 らないとき 腫 瘍 マーカー 上 昇 時 発 熱 時 処 方 拠 点 病 院 への 紹 介 基

Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

総 合 科 学 研 究 科 ( 留 学 生 担 当 ) 文 学 部 文 学 研 究 科 哲 学 思 想 文 化 学 コース 歴 史 学 コース 地 理 学 考 古 学 文 化 財 学 コース 日 本 中 国 文 学 語 学 コース 翀 欧 米 文 学 語 学 言 語 学 コース 比 較 日 本 文

救急科  臨床研修プログラム

(3) その 他 市 長 が 必 要 と 認 める 書 類 ( 補 助 金 の 交 付 決 定 ) 第 6 条 市 長 は 前 条 の 申 請 書 を 受 理 したときは 速 やかにその 内 容 を 審 査 し 補 助 金 を 交 付 すべきものと 認 めたときは 規 則 第 7 条 に 規 定 す

感 染 対 策 がマニュアルに 従 って 実 施 されるように 指 導 することや 病 棟 での 意 見 を 聞 き 入 れることが 重 要 です そして ICT 検 討 会 で 改 善 策 な どについて 話 し 合 います 巡 回 は 医 療 施 設 の 規 模 によって 異 なりますが 通 常

5 月 19 日 5 新 生 児 の 呼 吸 障 害 GIO: 新 生 児 期 に 生 じる 呼 吸 障 害 の 病 態 の 特 徴 を 説 明 でき 胸 部 XPから 診 断 できる SBO: 1. 新 生 児 呼 吸 障 害 の 病 態 に 基 づく 症 状 の 特 徴 を 説 明 できる 2.


平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

柔 道 整 復 師 の 施 術 料 金 の 算 定 方 法 ( 平 成 22 年 6 月 1 日 改 正 ) 柔 道 整 復 師 の 施 術 に 係 る 費 用 の 額 は 次 に 定 める 額 により 算 定 するものとする 1 初 検 往 療 及 び 再 検 初 検 料 初 検 時 相 談 支

- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

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第 7 条 職 員 の 給 与 に 関 する 規 程 ( 以 下 給 与 規 程 という ) 第 21 条 第 1 項 に 規 定 す るそれぞれの 基 準 日 に 育 児 休 業 している 職 員 のうち 基 準 日 以 前 6 月 以 内 の 期 間 にお いて 在 職 した 期 間 がある 職

スライド 1

経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

3 保 険 料 ( 掛 金 )を 納 めていること 原 則 として 初 診 日 月 前 々 月 まで 国 民 年 金 加 入 期 間 全 体 うち 3 分 2 以 上 きち んと 納 めている( 保 険 料 免 除 期 間 も 含 む)ことが 必 要 です 現 在 は 特 例 として 初 診 日 が

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質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

主 要 な が ん 治 療 に つ い て 入 院 に か か る 医 療 費 の 支 払 い か ら 計 算 し た も の で す 例 え ば 胃 が ん に つ い て は 平 均 入 院 費 は 総 額 約 万 円 で 自 己 負 担 額 は 約 3 3 万 円 程 度 必 要

観血的治療を勧められたColle’s骨折2症例に対する非観血的治療

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Microsoft Word 菊地

11 切 断 又 は 離 断 変 形 麻 痺 11 切 離 断 部 位 手 関 節 前 腕 肘 関 節 上 腕 肩 関 節 左 リスフラン 関 節 部 位 左 ショパール 関 節 足 関 節 下 腿 膝 関 節 大 腿 股 関 節 左 左 手 ( 足 ) 関 節 手 ( 足 ) 指 の 切 離 断

平成24年度 福島県患者調査の概況(厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態・保健社会統計課 保健統計室:H )

Transcription:

麻 酔 を 受 けられるみなさまへ はじめに 手 術 が 決 まった 時 患 者 様 が 麻 酔 に 対 する 不 安 を 感 じるのは 当 然 です この パンフレットは 麻 酔 方 法 をご 理 解 いただくとともに その 不 安 を 和 らげるため のものです 現 在 では 医 療 の 進 歩 により 以 前 では 手 術 不 能 であった 病 気 重 い 持 病 の ため 手 術 が 不 可 能 であった 方 も より 安 全 に 手 術 が 行 えるようになってきまし た 麻 酔 を 安 全 に 行 うためには 種 々の 処 置 や 薬 の 投 与 が 必 要 です しかし 患 者 様 の 年 齢 体 質 持 病 服 用 中 の 薬 などによってリスクが 増 してくるのが 現 実 です 麻 酔 科 医 師 手 術 室 看 護 師 が 患 者 様 についての 必 要 な 情 報 を 得 る 事 ができ るようご 協 力 をお 願 い 致 します 私 たちは 患 者 様 と 協 力 して より 安 全 に より 苦 痛 なく 麻 酔 を 受 けていただくよう 努 力 することをお 約 束 いたします 麻 酔 科 医 師 とは 当 院 麻 酔 科 集 中 治 療 科 部 は 麻 酔 専 従 5 年 以 上 3,000 症 例 以 上 を 経 験 してい る 日 本 麻 酔 科 学 会 認 定 の 専 門 医 指 導 医 で 構 成 されています 当 院 は 臨 床 研 修 医 トレーニング 施 設 ですので 研 修 医 と 指 導 医 がチームとなり 患 者 様 の 診 療 を 担 当 しております 手 術 までの 流 れ 麻 酔 科 術 前 診 察 外 来 担 当 麻 酔 医 が 診 察 に 当 たります この 際 患 者 様 と 共 に 麻 酔 方 法 を 決 定 し 具 体 的 な 説 明 を 行 います また 麻 酔 担 当 医 師 が 手 術 前 日 に 診 察 に 伺 います 食 事 飲 み 物 の 制 限 麻 酔 のあとはまれに 吐 き 気 を 伴 うことがあります 吐 いたものが 肺 の 中 に 入 ると 窒 息 や 肺 炎 の 原 因 になります これを 防 ぐために 手 術 前 日 の 夜 より 食 事 や 飲 水 を 控 えていただきます 病 棟 看 護 師 の 指 示 に 従 っていただくようお 願 い 致 します 1

手 術 前 に 飲 む 薬 麻 酔 を 受 ける 際 の 緊 張 や 不 安 をやわらげる 目 的 で 前 日 の 睡 眠 前 や 手 術 室 に 入 る 前 にお 薬 を 飲 んでいただく 場 合 があります マイルドな 睡 眠 導 入 薬 と 抗 不 安 薬 であり 麻 酔 にはほとんど 影 響 を 与 えませんので ご 希 望 の 方 は 診 察 の 際 にお 伝 えください また 降 圧 薬 経 口 糖 尿 病 薬 喘 息 の 薬 ステロイドホルモ ン 薬 抗 凝 固 薬 や 抗 血 小 板 薬 などの 薬 を 内 服 している 方 は その 薬 をいつまで 続 けるか 麻 酔 科 医 師 から 説 明 いたします その 他 の 注 意 手 術 室 へは 指 輸 ピアスなどの 装 身 具 コンタクトレ ンズ 入 れ 歯 マニキュア ウィッグ(かつら)などをは ずして 来 ていただきます 眼 鏡 は 手 術 室 にお 持 ちいただけ ます 喫 煙 をされている 方 は 手 術 中 や 手 術 後 の 呼 吸 器 合 併 症 ( 肺 炎 等 )のリスク が 非 喫 煙 者 に 比 べて 高 くなってしまいます また 入 院 中 喫 煙 することはでき ません この 機 会 にぜひ 禁 煙 をお 勧 めします 麻 酔 方 法 について 麻 酔 には 種 々の 方 法 があります 手 術 の 部 位 と 方 法 手 術 時 間 患 者 様 の 健 康 状 態 を 考 慮 し 最 適 な 麻 酔 を 提 案 いたします 以 下 に 各 種 の 麻 酔 方 法 につい て 説 明 致 します それぞれ 長 所 短 所 がありますので 一 緒 によりよい 麻 酔 を 選 択 しましょう 全 身 麻 酔 全 身 麻 酔 とは 麻 酔 薬 ( 静 脈 麻 酔 薬 麻 酔 ガス)を 用 いて 患 者 様 の 意 識 を 一 時 的 になくし 手 術 に 伴 う 痛 み を 感 じさせなくする 方 法 です 麻 酔 科 医 は 手 術 が 安 全 に 行 われるように 患 者 様 の 状 態 を 厳 重 に 見 守 り 全 身 状 態 ( 血 圧 呼 吸 体 温 など)を 適 正 に 保 ちます 手 術 室 に 入 っていただいたあと 心 電 図 血 圧 計 身 体 の 中 の 酸 素 量 を 計 るセンサーを 身 体 につけ 点 滴 用 の 2

やわらかい 針 を 腕 の 血 管 に 入 れます 全 身 麻 酔 の 手 順 は 以 下 の 通 りです 1 入 眠 : 酸 素 マスクをしていただきます 数 回 深 呼 吸 の 後 点 滴 を 通 して 静 脈 麻 酔 薬 が 入 り 10 秒 ほどで 意 識 がなくなります 2 気 管 挿 管 : 筋 弛 緩 薬 ( 筋 肉 を 動 かなくする 薬 )を 投 与 します 3 分 ほどで 呼 吸 が 停 止 します 口 からのどの 奥 の 気 管 まで 直 径 1cm の 呼 吸 用 チューブを 通 します 確 実 に 眠 ったことを 確 認 してから 行 いますので 苦 痛 はありません 3 麻 酔 の 維 持 :チューブを 人 工 呼 吸 器 に 接 続 します 人 工 呼 吸 器 が 呼 吸 のサポ ートをいたします 吸 入 麻 酔 薬 を 使 用 する 場 合 は 麻 酔 ガスが 肺 から 吸 収 され て 全 身 に 周 り 眠 った 状 態 が 保 たれます 静 脈 麻 酔 薬 を 使 用 する 場 合 は 点 滴 から 持 続 的 に 注 入 することにより 眠 った 状 態 が 保 たれます 4 手 術 中 : 手 術 の 進 行 にあわせて 麻 酔 科 医 は 患 者 様 の 状 態 を 一 定 に 保 つため 麻 酔 薬 や 鎮 痛 薬 の 量 を 調 整 します 5 覚 醒 : 手 術 が 終 了 した 時 点 で 全 身 麻 酔 も 終 了 します 全 身 麻 酔 は 麻 酔 ガスの 投 与 を 中 止 することにより 約 10 分 で 効 果 が 消 失 します 眼 が 覚 め ご 自 身 で 呼 吸 が 出 来 るようになったことを 確 認 した 後 呼 吸 用 チューブを 気 管 から 抜 きます 6 最 終 確 認 : 手 術 室 内 の 回 復 室 に 移 動 して 傷 の 痛 みが 少 ないこと 呼 吸 脈 拍 血 圧 が 安 定 していることを 確 認 してから 病 室 に 戻 ります 大 きな 手 術 の 後 また 患 者 様 の 状 態 によっては 集 中 治 療 室 で 治 療 させていただく 事 もあ ります 全 身 麻 酔 で 使 用 される 薬 静 脈 麻 酔 薬 (プロポフォール ミダゾラム デクスメデトミジンなど) 吸 入 麻 酔 薬 (セボフルラン デスフルラン) 筋 弛 緩 薬 (ロクロニウム ベクロニウム) 医 療 用 麻 薬 ( 塩 酸 モルヒネ フェンタニル レミフェンタニル) 全 身 麻 酔 のあと 起 こりえること 1 のどの 痛 み: 呼 吸 用 チューブの 刺 激 により のどの 痛 み( 風 邪 をひいたと きのイガイガした 感 じ)が 生 じることがあります 通 常 2 3 日 で 自 然 に 回 復 します 3

2 声 の 嗄 れ: 呼 吸 チューブの 刺 激 により 生 じることがあります 数 日 で 症 状 の 改 善 がない 場 合 は 耳 鼻 科 にて 診 察 させていただくことがあります 3 歯 の 損 傷 : 呼 吸 用 チューブの 入 れるとき または 抜 くときに 歯 が 部 分 的 に 欠 ける 根 元 がグラグラする 抜 け 落 ちることが 大 変 まれですが 起 こ ることがあります( 特 に 前 歯 上 2 本 ) 歯 は 整 容 的 機 能 的 にも 重 要 ですの で 損 傷 することのないよう 充 分 気 をつけて 行 っています また 歯 の 状 態 によっては 事 前 の 歯 科 治 療 をお 勧 めすることがあります 4 吐 き 気 : 麻 酔 直 後 から 手 術 翌 日 にかけて 吐 き 気 を 感 じることがあります 吐 き 気 止 めの 注 射 薬 を 使 うことで 対 応 します 5 ふるえ: 手 術 中 の 体 温 の 低 下 麻 酔 薬 の 影 響 により 麻 酔 終 了 後 全 身 がふる えることがあります 電 気 毛 布 で 暖 めることにより 30 分 程 でおさまります その 他 の 処 置 手 術 の 内 容 や 患 者 様 の 状 態 によっては 全 身 麻 酔 中 に 中 心 静 脈 カテーテル 肺 動 脈 カテーテルを 入 れさせていただきます 対 象 は 以 下 の 場 合 です 1 長 時 間 手 術 2 たくさんの 出 血 が 予 想 される 場 合 3 心 臓 の 持 病 が 重 いとき これらのカテーテルは 頚 鎖 骨 の 裏 股 にある 太 い 血 管 ( 静 脈 )から 入 れ ます 超 音 波 装 置 を 用 いて 血 管 の 位 置 を 確 認 しながら 行 いますので 合 併 症 は 少 なくなっていますが 1 血 気 胸 ( 肺 に 小 さな 穴 があく) 2 大 きな 内 出 血 3 動 脈 に 入 ってしまう 4 不 整 脈 を 誘 発 する などがあります 万 が 一 の 場 合 早 期 に 発 見 し 適 切 な 治 療 を 行 います 硬 膜 外 麻 酔 背 中 から 注 射 をする 麻 酔 方 法 です 体 の 一 部 分 だけの 麻 酔 として 単 独 で 行 う 事 もありますが 多 くは 胸 お 腹 足 の 手 術 の 際 に ほかの 麻 酔 ( 全 身 麻 酔 脊 椎 麻 酔 )と 併 用 して 行 います 背 中 から 脊 髄 の 周 りにある 硬 膜 外 腔 という 隙 間 に 直 径 1.0mm のやわらかいチューブ( 硬 膜 外 カ 4

テーテル)を 入 れて そこから 局 所 麻 酔 薬 を 注 入 します これにより 手 術 部 位 の 痛 みの 情 報 が 一 時 的 にブロックされます 手 術 の 後 の 痛 み 止 めとしても 非 常 に 効 果 があります 手 術 室 に 入 ってから 麻 酔 が 始 まるまでの 準 備 は 全 身 麻 酔 の 時 と 同 様 です(2 ページを 参 照 してください) 以 下 に 硬 膜 外 麻 酔 の 手 順 を 説 明 いたします 1~3までの 所 要 時 間 は 約 10 分 です 1 横 向 きに 寝 ていただき 背 中 を 丸 めた 姿 勢 をとっていただきます この 時 でき るだけ 背 中 を 丸 くしていただく 事 で 注 射 がしやすくなりますのでご 協 力 を お 願 いします(イラストを 参 照 してください) 2 背 中 を 消 毒 した 後 皮 膚 の 麻 酔 をし 硬 膜 外 カテーテルを 入 れます 3 テストの 薬 をカテーテルから 注 入 し 異 常 がないことを 確 認 します 4 全 身 麻 酔 もしくは 脊 椎 麻 酔 に 移 行 します 5 手 術 終 了 後 : 硬 膜 外 カテーテルから 自 動 的 に 麻 酔 薬 を 注 入 するポンプをつけ ます 6 カテーテルからの 感 染 を 予 防 するために 約 24 48 時 間 後 に 担 当 医 師 が 抜 去 します 硬 膜 外 麻 酔 で 使 用 される 薬 消 毒 薬 :クロルヘキシジン ポピドンヨード 皮 膚 の 麻 酔 薬 :リドカイン 硬 膜 外 カテーテルから 注 入 される 薬 :ロピバカイン カルボカイン 各 種 医 療 用 麻 薬 硬 膜 外 麻 酔 が 行 えない 方 脳 梗 塞 心 筋 梗 塞 などの 病 気 で 抗 凝 固 剤 ( 血 液 を 固 まりにくくする 薬 )を 飲 んでいる 方 や 肝 臓 の 病 気 などで 出 血 が 止 まりにくくなっている 方 は 硬 膜 外 腔 に 血 の 塊 が 出 来 きて 下 半 身 麻 痺 の 原 因 になりますので この 麻 酔 方 法 は 行 えないことがあります 硬 膜 外 麻 酔 のあと 起 こりうること 1 足 の 痺 れ 筋 力 低 下 : 硬 膜 外 麻 酔 の 効 果 の 一 つであることがほとんどです 5

カテーテルを 抜 いた 後 でも 足 の 痺 れや 力 が 入 らないことが 続 くときは 診 察 をさせて 頂 きます 2 頭 痛 : 針 やカテーテルが 硬 膜 を 貫 いてしまった 場 合 脳 脊 髄 液 が 針 穴 から 漏 れることによって 生 じます 頭 痛 は 頭 が 重 い 感 じから 立 ち 上 がるのも 困 難 なほどまで 様 々です 十 分 水 分 を 摂 取 していただくと 通 常 1 週 間 ほどで 自 然 になおります 長 引 く 場 合 には 患 者 様 とご 相 談 の 上 適 切 な 治 療 を 行 いま す 3 カテーテル 感 染 :カテーテルから 身 体 の 中 に 細 菌 が 入 り 込 むことがあります 手 当 てが 遅 れると 硬 膜 外 膿 瘍 という 重 症 感 染 の 状 態 となり 膿 瘍 を 摘 出 する 手 術 が 必 要 になることがあります 十 分 消 毒 を 行 うこと 長 期 間 カテーテルを 留 置 しないことで 予 防 可 能 と 考 えています 手 術 とは 関 係 なく 高 い 熱 頭 痛 背 中 の 痛 み 手 足 の 痺 れが 強 くなる 場 合 は 診 断 のため MRI という 検 査 が 必 要 になることがあります 4 感 覚 異 常 : 硬 膜 外 カテーテルの 位 置 が 正 しくないとき または 針 先 が 神 経 に 触 れた 時 に 発 生 することがあります カテーテル 挿 入 中 薬 剤 注 入 中 に 足 腰 周 りにビリビリする 感 じ 重 苦 し い 感 じがした 場 合 麻 酔 科 医 にお 伝 えしてください 硬 膜 外 針 や 硬 膜 外 カテ ーテルの 位 置 を 微 調 整 します 硬 膜 外 カテーテルを 正 しい 位 置 に 誘 導 するこ とにより 回 避 することができます 仙 骨 硬 膜 外 麻 酔 腰 椎 の 手 術 で 全 身 麻 酔 の 補 助 として 用 いることがあります 硬 膜 外 麻 酔 の 一 種 です 全 身 麻 酔 かかかったあと うつぶせの 状 態 になってから 行 います 仙 骨 裂 孔 という 背 骨 の 一 番 低 い 位 置 から 注 射 をします 手 術 中 手 術 後 の 痛 み を 和 らげる 目 的 で 行 います 脊 椎 麻 酔 ( 腰 椎 麻 酔 ) 脊 椎 麻 酔 は 麻 酔 薬 を 腰 から 背 骨 の 奥 に 注 射 し て 下 半 身 だけに 麻 酔 をかける 方 法 です 基 本 的 にお 臍 から 下 の 短 時 間 の 手 術 に 用 います 麻 酔 科 医 は 手 術 が 安 全 に 行 われるように 患 者 様 の 状 態 を 厳 重 に 見 守 り 全 身 状 態 ( 血 圧 呼 吸 6

体 温 など)を 適 正 に 保 ちます 手 術 室 に 入 ってから 麻 酔 が 始 まるまでの 準 備 は 全 身 麻 酔 の 時 と 同 様 です(2 ペ ージを 参 照 してください) 脊 椎 麻 酔 の 手 順 は 以 下 の 通 りです 1 横 向 きに 寝 ていただき 背 中 を 丸 めた 姿 勢 をとっていただきます この 時 でき るだけ 背 中 を 丸 くしていただく 事 で 注 射 がしやすくなりますのでご 協 力 を お 願 いします(イラストを 参 照 してください) 2 背 中 を 消 毒 し 皮 膚 の 麻 酔 を 十 分 してから 脊 椎 麻 酔 を 行 ないます 3 3 分 後 麻 酔 の 効 果 を 確 認 するために アルコール 綿 で 体 を 触 り 冷 たく 感 じるかどうかを 調 べます アルコールの 冷 たさが 少 なくなれば 麻 酔 完 了 です 4 手 術 終 了 後 : 脊 椎 麻 酔 の 効 果 部 位 を 再 確 認 した 後 病 棟 へお 戻 りいただきま す 脊 椎 麻 酔 の 効 果 は 約 6 時 間 後 には 自 然 に 消 失 します 脊 椎 麻 酔 は 痛 みを 取 るだけの 麻 酔 方 法 です 温 痛 覚 はなくなりますが 触 ら れている 感 覚 は 残 ります このため 手 術 機 械 の 音 医 師 どうしの 会 話 は 聞 こ えます 手 術 の 間 だけ 鎮 静 剤 でお 眠 りいただくことは 可 能 です ご 要 望 があれ ば 担 当 麻 酔 科 医 師 にいつでも 伝 えてください 手 術 が 長 くなった 場 合 途 中 で 大 きな 手 術 に 変 更 された 場 合 また 脊 椎 麻 酔 の 効 果 が 不 十 分 であった 場 合 には 全 身 麻 酔 に 移 行 する 必 要 があります 脊 椎 麻 酔 で 使 用 される 薬 消 毒 薬 :クロルヘキシジン ポピドンヨード 皮 膚 の 麻 酔 薬 :リドカイン 脊 椎 麻 酔 薬 :ブピバカイン 脊 椎 麻 酔 が 行 えない 方 脳 梗 塞 心 筋 梗 塞 などの 病 気 で 抗 凝 固 剤 ( 血 液 を 固 まりにくくする 薬 )を 飲 んでいる 方 や 肝 臓 の 病 気 などで 出 血 が 止 まりにくくなっている 方 は 脊 髄 の 周 りに 血 の 塊 が 出 来 きて 下 半 身 麻 痺 の 原 因 になりますので この 麻 酔 方 法 は 行 えないことがあります 脊 椎 麻 酔 のあと 起 こりうること 7

1 頭 痛 : 脳 脊 髄 液 が 脊 椎 麻 酔 の 針 穴 から 漏 れることによって 生 じます 現 在 は 細 い 針 で 脊 椎 麻 酔 を 行 なっていますので 頻 度 は 非 常 に 少 なく なっています 頭 痛 は 頭 が 重 い 感 じから 立 ち 上 がるのも 困 難 なほどまで 様 々です 十 分 水 分 を 摂 取 していただくと 通 常 1 週 間 ほどで 自 然 に 治 り ます 長 引 く 場 合 には 患 者 様 とご 相 談 の 上 適 切 な 治 療 を 行 います 2 感 覚 異 常 : 脊 椎 麻 酔 の 針 が 直 接 神 経 にあたり そこに 麻 酔 薬 が 注 入 された 場 合 脊 椎 麻 酔 の 効 果 が 消 失 した 後 でも 足 が 動 かしにくくなる 鈍 い 痛 みがしばらく 続 くことがあります 脊 椎 麻 酔 の 時 足 にビリビリとした 電 撃 痛 を 感 じたらすぐにお 知 らせく ださい 注 入 部 位 を 調 節 することにより この 合 併 症 は 回 避 可 能 です 3 アレルギー 反 応 : 脊 椎 麻 酔 用 の 薬 にアレルギー 反 応 を 起 こす 可 能 性 はゼロ ではありません 蕁 麻 疹 が 出 る 程 のアレルギーから アナフィラキシーシ ョックという 血 圧 が 異 常 に 低 下 する 反 応 まで 様 々です ステロイドホルモンなどの 治 療 薬 を 投 与 します 神 経 ブロック 注 射 創 の 痛 みを 発 生 させる 神 経 の 部 位 に 局 所 麻 酔 薬 を 注 射 することにより 手 術 中 および 術 後 の 痛 みを 和 らげます 手 術 をする 部 位 により ブロック 注 射 を する 部 位 も 変 わります( 腕 神 経 叢 ブロック 腹 直 筋 鞘 ブロック 腹 横 筋 膜 面 ブロック 腸 骨 鼠 径 神 経 ブロック 大 腿 神 経 ブロック 坐 骨 神 経 ブロック) 全 身 麻 酔 と 併 用 もしくは 単 独 で 行 われることがあります 合 併 症 を 予 防 する ために 超 音 波 装 置 や 神 経 刺 激 装 置 を 使 い 神 経 や 血 管 の 位 置 を 確 認 してか ら 薬 を 注 入 します 神 経 刺 激 装 置 を 使 用 する 場 合 微 小 な 電 流 で 神 経 を 刺 激 することにより 突 然 筋 肉 が 動 くことがありますが 問 題 ありません 神 経 ブロックの 合 併 症 1 放 散 痛 : 針 が 直 接 神 経 に 触 れてしまったばあい ビリビリと 響 くような 痛 み が 出 現 する 場 合 があります 2 血 管 穿 刺 : 針 で 血 管 を 刺 してしまった 場 合 血 腫 を 生 じる 可 能 性 があります 3 局 所 麻 酔 薬 による 副 作 用 : 局 所 麻 酔 薬 中 毒 ( 舌 のしびれ 意 識 障 害 けいれ ん) アレルギー 反 応 (じんましん 呼 吸 困 難 血 圧 低 下 ) 神 経 障 害 ( 神 経 に 直 接 薬 剤 が 注 入 されることにより 生 じるしびれや 麻 痺 の 残 存 )などが 出 現 8

する 可 能 性 があります 麻 酔 の 安 全 性 麻 酔 薬 や 麻 酔 の 方 法 も 日 々 進 歩 しており 私 達 が 使 っている 薬 や 手 技 は 長 い 間 安 全 とされているものです しかし 残 念 ながら 100%すべての 方 に 安 全 とい うわけではありません 麻 酔 が 原 因 でおこる 死 亡 事 例 は 日 本 麻 酔 科 学 会 の 統 計 によると 20 万 例 に1 例 といわれています 主 な 原 因 と 対 策 を 説 明 いたします 1 低 酸 素 血 症 : 例 えば 人 工 呼 吸 用 チューブが 正 しく 入 っていない また は 喘 息 発 作 が 起 きている 可 能 性 があります チューブの 位 置 の 調 節 喘 息 に 対 する 治 療 を 始 めます 2 低 血 圧 : 麻 酔 薬 が 強 く 効 きすぎていた 場 合 大 きく 出 血 した 場 合 が 考 え られます 血 圧 を 上 げる 薬 を 使 います 輸 血 が 必 要 になることがあります 3 血 圧 上 昇 : 手 術 の 侵 襲 が 麻 酔 薬 の 効 果 を 上 まわった 時 に 起 きます 脳 内 出 血 心 筋 梗 塞 などのリスクが 高 くなります 麻 酔 の 量 を 増 やし 血 圧 を 下 げる 薬 を 使 います 4 アレルギー 反 応 : 現 在 のところ 事 前 にアレルギーのテストはできません 手 術 中 使 用 する 薬 にアレルギー 反 応 を 起 こす 可 能 性 はゼロではありま せん 蕁 麻 疹 が 出 る 程 のアレルギーから アナフィラキシーショックと いう 血 圧 が 異 常 に 低 下 する 反 応 まで 様 々です ステロイドホルモンなどの 治 療 薬 や 血 圧 を 上 げる 薬 を 使 います 5 血 栓 症 : 手 術 中 は 自 由 に 体 を 動 かすことができません この 時 足 の 静 脈 に 血 栓 という 血 液 の 固 まりができやすくなります この 血 栓 が 肺 の 血 管 につまった 場 合 肺 塞 栓 症 (エコノミークラス 症 候 群 )という 呼 吸 不 全 を 起 こし 最 終 的 には 心 不 全 の 原 因 になります フットポンプ( 脚 をマッサージする 機 械 )や 弾 性 ストッキングをつけ て 血 栓 形 成 ができるのを 予 防 します 万 が 一 発 症 した 場 合 速 やかに 発 見 し 当 該 外 科 医 師 循 環 器 内 科 医 師 と 連 携 して 治 療 を 開 始 します 6 悪 性 高 熱 症 : 筋 肉 が 融 解 し 40 以 上 の 高 熱 がでる 病 気 です 臓 器 不 全 を 起 こし 治 療 が 難 しい 状 態 になることがあります 麻 酔 薬 が 引 き 金 になる といわれていますが 詳 しい 原 因 は 今 でもわかっておりません 9

ダントリウムという 特 効 薬 を 使 用 しますが 現 在 でも 死 亡 率 は 13%も あります 遺 伝 的 要 素 が 強 いとされていますので ご 家 族 ご 親 戚 の 方 で 経 験 された 方 がおられた 場 合 診 察 時 に 麻 酔 科 医 にお 知 らせください 以 上 の 合 併 症 以 外 にも 手 術 中 に 何 か 偶 然 突 発 的 に 他 の 病 気 ( 心 筋 梗 塞 脳 梗 塞 など)を 発 症 する 可 能 性 について 無 視 するわけにはいきません このよ うな 副 反 応 や 合 併 症 が 重 大 な 結 果 につながらないように 麻 酔 担 当 医 が 手 術 中 常 に 状 態 をモニターし わずかな 異 常 に 対 してもすぐに 対 処 できるような 体 制 を 整 えております 安 全 な 麻 酔 のためには 患 者 様 のご 協 力 も 不 可 欠 です 何 か 不 明 の 点 があれば 遠 慮 なくご 質 問 ください 様 の 麻 酔 には 以 下 に 関 し 注 意 を 払 い 麻 酔 を 行 なう 必 要 があることを 確 認 しました 1 2 3 日 本 赤 十 字 社 医 療 センター 麻 酔 科 集 中 治 療 科 部 麻 酔 説 明 医 師 10