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Transcription:

2013 年 4 月 18 日 / 社 民 党 第 53 回 常 任 幹 事 会 自 民 党 日 本 国 憲 法 改 正 草 案 全 文 批 判 ( 案 ) はじめに 2012 年 4 月 27 日 自 民 党 は 主 権 回 復 60 年 に 向 けて 日 本 国 憲 法 改 正 草 案 ( 以 下 改 正 草 案 )を 決 定 発 表 した すでに 自 民 党 は2005 年 11 月 22 日 の 結 党 50 周 年 党 大 会 で 新 憲 法 草 案 ( 以 下 旧 草 案 )を 発 表 していたが 今 回 の 改 正 草 案 は この 旧 草 案 の 再 検 討 や 補 強 の 範 囲 を 大 きく 超 えた 内 容 となっている 天 皇 の 元 首 化 や 国 防 軍 の 設 置 緊 急 権 条 項 国 旗 国 歌 の 尊 重 義 務 化 など 05 年 の 旧 草 案 では 現 実 可 能 性 に 配 慮 し 控 えられとい われる 復 古 的 な 要 素 が 全 面 的 に 取 り 入 れられたのが 特 徴 だ 旧 草 案 は 作 成 時 に 検 討 された 国 柄 国 旗 国 歌 天 皇 の 元 首 化 国 防 の 責 務 家 族 の 保 護 などのあからさまな 表 現 が 抑 えられ 首 相 公 選 制 導 入 二 院 制 の 見 直 し 憲 法 裁 判 所 の 設 置 国 家 緊 急 権 の 創 設 などの 大 きな 改 編 にも 踏 み 込 まなかった 実 現 可 能 性 や 他 党 への 配 慮 を 優 先 させたためと 考 えられた 今 回 の 改 正 草 案 は 自 民 党 が 野 党 時 代 に 政 権 から 離 れた 自 由 な 立 場 で 国 民 同 意 や 他 党 の 同 調 の 得 やすさを 考 慮 せずに 作 られたため むしろ 自 民 党 の 本 音 を 素 直 に 反 映 し た 内 容 となっている 今 回 自 民 党 の 目 指 す 改 憲 の 方 向 性 を 明 らかにするために この 改 正 草 案 の 全 文 を 検 討 することとした なお 改 正 草 案 の 理 解 のため 2012 年 10 月 に 自 民 党 憲 法 改 正 推 進 本 部 が 発 行 した 日 本 国 憲 法 改 正 草 案 Q&A ( 以 下 Q&A )の 解 説 を 参 考 にした 新 憲 法 草 案 ( 旧 草 案 )までの 経 緯 04 年 6 月 に 公 表 された 自 民 党 憲 法 調 査 会 憲 法 改 正 プロジェクトチーム 論 点 整 理 以 降 同 年 11 月 には 同 党 憲 法 調 査 会 憲 法 改 正 案 起 草 委 員 会 憲 法 改 正 草 案 大 綱 (たたき 台 ) ( 中 谷 元 委 員 長 が 自 衛 隊 幕 僚 幹 部 に 協 力 を 依 頼 していたことが 発 覚 するなどして 白 紙 撤 回 ) 05 年 4 月 に 新 憲 法 起 草 委 員 会 各 小 委 員 会 要 綱 05 年 7 月 新 憲 法 起 草 委 員 会 要 綱 第 一 次 素 案 同 8 月 新 憲 法 第 1 次 案 同 10 月 新 憲 法 第 2 次 案 と 積 み 重 ねられてきた 自 民 党 の 改 憲 に 向 けた 取 り 組 みの 一 つの 到 達 点 が 2005 年 11 月 22 日 の 結 党 50 周 年 党 大 会 で 発 表 された 新 憲 法 草 案 である 自 民 党 が 具 体 的 な 条 文 案 としてまとめたのはこれが 初 めて 1999 年 7 月 29 日 憲 法 調 査 会 設 置 のための 国 会 法 改 正 案 が 成 立 2000 年 1 月 20 日 衆 参 両 院 に 憲 法 調 査 会 設 置 2005 年 11 月 22 日 自 民 党 が 新 憲 法 草 案 発 表 2005 年 9 月 22 日 衆 院 に 憲 法 調 査 特 別 委 員 会 設 置 2007 年 1 月 25 日 参 院 に 憲 法 調 査 特 別 委 員 会 設 置 2007 年 5 月 18 日 憲 法 改 正 国 民 投 票 法 の 公 布 2007 年 8 月 7 日 衆 参 両 院 に 憲 法 審 査 会 設 置 2010 年 5 月 18 日 憲 法 改 正 国 民 投 票 法 の 全 面 施 行 2011 年 10 月 20 日 衆 参 両 院 の 本 会 議 において 憲 法 審 査 会 委 員 を 選 任 2012 年 4 月 27 日 自 民 党 が 日 本 国 憲 法 改 正 草 案 発 表 不 戦 の 誓 い から 愛 国 心 へ

日 本 国 憲 法 自 民 党 改 正 草 案 日 本 国 民 は 正 当 に 選 挙 された 国 会 における 代 表 日 本 国 は 長 い 歴 史 と 固 有 の 文 化 を 持 ち 国 民 者 を 通 じて 行 動 し われらとわれらの 子 孫 のために 統 合 の 象 徴 である 天 皇 を 戴 く 国 家 であって 国 民 諸 国 民 との 協 和 による 成 果 と わが 国 全 土 にわたつて 主 権 の 下 立 法 行 政 及 び 司 法 の 三 権 分 立 に 基 自 由 のもたらす 恵 沢 を 確 保 し 政 府 の 行 為 によつて 再 づいて 統 治 される び 戦 争 の 惨 禍 が 起 ることのないやうにすることを 決 意 我 が 国 は 先 の 大 戦 による 荒 廃 や 幾 多 の 大 災 し ここに 主 権 が 国 民 に 存 することを 宣 言 し この 憲 法 害 を 乗 り 越 えて 発 展 し 今 や 国 際 社 会 において 重 を 確 定 する そもそも 国 政 は 国 民 の 厳 粛 な 信 託 によ 要 な 地 位 を 占 めており 平 和 主 義 の 下 諸 外 国 と るものであつて その 権 威 は 国 民 に 由 来 し その 権 力 の 友 好 関 係 を 増 進 し 世 界 の 平 和 と 繁 栄 に 貢 献 す は 国 民 の 代 表 者 がこれを 行 使 し その 福 利 は 国 民 が る これを 享 受 する これは 人 類 普 遍 の 原 理 であり この 日 本 国 民 は 国 と 郷 土 を 誇 りと 気 概 を 持 って 自 ら 憲 法 は かかる 原 理 に 基 くものである われらは これ 守 り 基 本 的 人 権 を 尊 重 するとともに 和 を 尊 び に 反 する 一 切 の 憲 法 法 令 及 び 詔 勅 を 排 除 する 家 族 や 社 会 全 体 が 互 いに 助 け 合 って 国 家 を 形 成 日 本 国 民 は 恒 久 の 平 和 を 念 願 し 人 間 相 互 の 関 する 係 を 支 配 する 崇 高 な 理 想 を 深 く 自 覚 するのであつて 我 々は 自 由 と 規 律 を 重 んじ 美 しい 国 土 と 自 平 和 を 愛 する 諸 国 民 の 公 正 と 信 義 に 信 頼 して われ 然 環 境 を 守 りつつ 教 育 や 科 学 技 術 を 振 興 し 活 らの 安 全 と 生 存 を 保 持 しようと 決 意 した われらは 平 力 ある 経 済 活 動 を 通 じて 国 を 成 長 させる 和 を 維 持 し 専 制 と 隷 従 圧 迫 と 偏 狭 を 地 上 から 永 遠 日 本 国 民 は 良 き 伝 統 と 我 々の 国 家 を 末 永 く 子 に 除 去 しようと 努 めてゐる 国 際 社 会 において 名 誉 あ 孫 に 継 承 するため ここに この 憲 法 を 制 定 する る 地 位 を 占 めたいと 思 ふ われらは 全 世 界 の 国 民 が ひとしく 恐 怖 と 欠 乏 から 免 かれ 平 和 のうちに 生 存 する 権 利 を 有 することを 確 認 する われらは いづれの 国 家 も 自 国 のことのみに 専 念 して 他 国 を 無 視 してはならないのであつて 政 治 道 徳 の 法 則 は 普 遍 的 なものであり この 法 則 に 従 ふこと は 自 国 の 主 権 を 維 持 し 他 国 と 対 等 関 係 に 立 たうと する 各 国 の 責 務 であると 信 ずる 日 本 国 民 は 国 家 の 名 誉 にかけ 全 力 をあげてこ の 崇 高 な 理 想 と 目 的 を 達 成 することを 誓 ふ 社 民 党 政 策 審 議 会 13/05/08 前 文 は 憲 法 の 顔 である そして 国 際 協 調 主 義 平 和 的 生 存 権 など 憲 法 の 根 本 理 念 を 条 文 と 一 体 となって 形 成 している 全 体 の 一 部 であり 前 文 と 本 文 は 不 可 分 な 一 体 をなしてい る 以 前 から 改 憲 論 者 は 憲 法 前 文 を 翻 訳 調 である 正 しい 日 本 語 で 書 き 直 すべき 格 調 が 低 い などと 批 判 してきたが こうした 感 覚 的 非 論 理 的 な 理 由 で すでに 国 民 の 間 に 定 着 している 憲 法 前 文 を 変 える 必 要 はまったくない しかし 今 回 の 改 正 草 案 では 日 本 語 として 違 和 感 があり 内 容 にも 問 題 がある(Q &A)として 前 文 の 全 文 を 完 全 に 書 き 換 えた すでにこの 前 文 に 自 民 党 の 狙 いがにじみで ているのである その 特 徴 の 第 1は 自 主 憲 法 であることの 確 認 である まず 自 主 的 に 新 しい 憲 法 として 制 定 されることを 宣 言 し 現 憲 法 との 継 続 性 を 断 ち 切 ろうとする そもそも 改 正 草 案 前 文 に は 改 正 の 理 由 や 改 正 憲 法 の 由 来 が 示 されておらず なぜ 改 正 するのか 何 を 目 的 とし た 改 正 であるのかもわからない 第 2は 権 力 制 限 規 範 としての 憲 法 の 変 質 をはかり 立 憲 主 義 を 放 棄 しようとしていること だ 日 本 国 憲 法 前 文 の 国 政 は 国 民 の 厳 粛 な 信 託 によるものであつて その 権 威 は 国 民 に - 2 -

由 来 し その 権 力 は 国 民 の 代 表 者 がこれを 行 使 し その 福 利 は 国 民 がこれを 享 受 する とい う 記 述 はあとかたもなくなり 日 本 国 は ( 略 ) 天 皇 を 戴 く 国 家 であって ( 略 ) 三 権 分 立 に 基 づいて 統 治 される と 主 語 が 日 本 国 民 から 天 皇 を 戴 く 国 家 に 変 わる 国 民 を 主 語 にし た 国 民 の 信 託 に 基 づく 権 力 行 使 という 政 治 体 制 から 国 家 が 自 由 に 権 力 を 行 使 する 政 治 体 制 への 変 質 をはかりたいという 本 音 がかいま 見 える 改 正 草 案 は 憲 法 の 目 的 を 良 き 伝 統 と 我 々の 国 家 を 末 永 く 子 孫 に 継 承 する こととしており 近 代 立 憲 主 義 における 権 力 制 限 規 範 としての 憲 法 は 国 民 統 合 規 範 に 転 換 される あわせて 人 類 普 遍 の 原 理 や 政 治 道 徳 の 法 則 を 削 除 することで 社 会 契 約 論 を 否 定 し 近 代 立 憲 主 義 の 系 譜 からの 逸 脱 さえ 宣 言 し ている 第 3は 平 和 主 義 の 破 壊 である 政 府 の 行 為 によつて 再 び 戦 争 の 惨 禍 が 起 こることない やうにすることを 決 意 し た 過 去 の 戦 争 への 深 い 反 省 や 不 戦 を 誓 う 文 言 はすっかり 抜 け 落 ち 戦 争 の 巨 大 な 被 害 と 加 害 の 果 てに 獲 得 した 平 和 憲 法 の 理 念 を 守 ろうという 決 意 は 微 塵 も みられない 日 本 国 憲 法 前 文 の 平 和 を 愛 する 諸 国 民 の 公 正 と 信 義 に 信 頼 して われらの 安 全 と 生 存 を 保 持 しよう という 深 い 決 意 は 平 和 主 義 という 平 板 な 単 語 に 押 し 込 まれた 全 世 界 の 国 民 が ひとしく 恐 怖 と 欠 乏 から 免 かれ 平 和 のうちに 生 存 する 権 利 を 有 することを 確 認 する という 平 和 的 生 存 権 の 規 定 も 削 除 されている 第 4は 自 由 の 後 景 化 である 日 本 国 憲 法 前 文 が わが 国 全 土 にわたって 自 由 のもたら す 恵 沢 を 確 保 し と 絶 対 の 前 提 としている 自 由 が 改 正 草 案 では 自 由 と 規 律 を 重 んじ となり 規 律 と 並 立 する 枕 詞 と 化 している 第 5は 愛 国 心 の 規 定 である 改 正 草 案 は 国 民 が 国 と 郷 土 を 誇 りと 気 概 をもって 自 ら 守 ることを 求 める 第 九 条 の 改 正 とあわせて 国 を 守 る 義 務 と 明 記 すると 徴 兵 制 につい て 問 われることなる (Q&A)ために 明 記 しなかったとのことであるが こうした 本 音 がにじみ 出 ている まさに 語 るに 落 ちる といわざるをえない 一 見 シンプルに 整 理 しただけとも 見 える 改 憲 草 案 前 文 であるが 改 憲 派 の 狙 いが 余 す ことなく 盛 り 込 まれている 自 民 党 の 目 指 す 憲 法 改 正 の 狙 いは 前 文 を 見 るだけで 明 らか なのである 天 皇 制 天 皇 の 元 首 化 と 国 旗 国 歌 の 明 文 規 定 日 本 国 憲 法 自 民 党 改 正 草 案 第 一 章 天 皇 第 一 章 天 皇 ( 天 皇 ) 第 一 条 天 皇 は 日 本 国 の 象 徴 であり 日 本 国 民 統 合 第 一 条 天 皇 は 日 本 国 の 元 首 であり 日 本 国 及 び 日 の 象 徴 であつて この 地 位 は 主 権 の 存 する 日 本 国 民 本 国 民 統 合 の 象 徴 であって その 地 位 は 主 権 の 存 す の 総 意 に 基 く る 日 本 国 民 の 総 意 に 基 づく ( 皇 位 の 継 承 ) 第 二 条 皇 位 は 世 襲 のものであつて 国 会 の 議 決 し 第 二 条 皇 位 は 世 襲 のものであって 国 会 の 議 決 し た 皇 室 典 範 の 定 めるところにより これを 継 承 する た 皇 室 典 範 の 定 めるところにより これを 継 承 する ( 国 旗 及 び 国 歌 ) 新 設 第 三 条 国 旗 は 日 章 旗 とし 国 歌 は 君 が 代 とする 2 日 本 国 民 は 国 旗 及 び 国 歌 を 尊 重 しなければなら ない - 3 -

( 元 号 ) 新 設 第 四 条 元 号 は 法 律 の 定 めるところにより 皇 位 の 継 承 があったときに 制 定 する 第 三 条 天 皇 の 国 事 に 関 するすべての 行 為 には 内 閣 の 助 言 と 承 認 を 必 要 とし 内 閣 が その 責 任 を 負 ふ 新 六 条 4 ( 天 皇 の 権 能 ) 第 四 条 天 皇 は この 憲 法 の 定 める 国 事 に 関 する 行 第 五 条 天 皇 は この 憲 法 の 定 める 国 事 に 関 する 行 為 のみを 行 ひ 国 政 に 関 する 権 能 を 有 しない 為 を 行 い 国 政 に 関 する 権 能 を 有 しない 2 天 皇 は 法 律 の 定 めるところにより その 国 事 に 関 す 削 除 る 行 為 を 委 任 することができる 新 六 条 第 五 条 皇 室 典 範 の 定 めるところにより 摂 政 を 置 くとき は 摂 政 は 天 皇 の 名 でその 国 事 に 関 する 行 為 を 行 削 除 ふ この 場 合 には 前 条 第 一 項 の 規 定 を 準 用 する 新 七 条 第 六 条 天 皇 は 国 会 の 指 名 に 基 いて 内 閣 総 理 大 ( 天 皇 の 国 事 行 為 等 ) 臣 を 任 命 する 第 六 条 天 皇 は 国 民 のために 国 会 の 指 名 に 基 づ 2 天 皇 は 内 閣 の 指 名 に 基 いて 最 高 裁 判 所 の 長 たる いて 内 閣 総 理 大 臣 を 任 命 し 内 閣 の 指 名 に 基 づいて 裁 判 官 を 任 命 する 最 高 裁 判 所 の 長 である 裁 判 官 を 任 命 する 第 七 条 天 皇 は 内 閣 の 助 言 と 承 認 により 国 民 のた めに 左 の 国 事 に 関 する 行 為 を 行 ふ 2 天 皇 は 国 民 のために 次 に 掲 げる 国 事 に 関 する 一 憲 法 改 正 法 律 政 令 及 び 条 約 を 公 布 すること 行 為 を 行 う 二 国 会 を 召 集 すること 一 憲 法 改 正 法 律 政 令 及 び 条 約 を 公 布 すること 三 衆 議 院 を 解 散 すること 二 国 会 を 召 集 すること 三 第 五 十 四 条 第 一 項 の 規 定 による 決 定 に 基 づいて 四 国 会 議 員 の 総 選 挙 の 施 行 を 公 示 すること 衆 議 院 を 解 散 すること 四 衆 議 院 議 員 の 総 選 挙 及 び 参 議 院 議 員 の 通 常 選 五 国 務 大 臣 及 び 法 律 の 定 めるその 他 の 官 吏 の 任 免 挙 の 施 行 を 公 示 すること 並 びに 全 権 委 任 状 及 び 大 使 及 び 公 使 の 信 任 状 を 認 五 国 務 大 臣 及 び 法 律 の 定 めるその 他 の 国 の 公 務 員 証 すること の 任 免 を 認 証 すること 六 大 赦 特 赦 減 刑 刑 の 執 行 の 免 除 及 び 復 権 を 認 証 すること 六 大 赦 特 赦 減 刑 刑 の 執 行 の 免 除 及 び 復 権 を 認 七 栄 典 を 授 与 すること 証 すること 八 批 准 書 及 び 法 律 の 定 めるその 他 の 外 交 文 書 を 認 七 栄 典 を 授 与 すること 証 すること 八 全 権 委 任 状 並 びに 大 使 及 び 公 使 の 信 任 状 並 びに 批 准 書 及 び 法 律 の 定 めるその 他 の 外 交 文 書 九 外 国 の 大 使 及 び 公 使 を 接 受 すること を 認 証 すること 十 儀 式 を 行 ふこと 九 外 国 の 大 使 及 び 公 使 を 接 受 すること 十 儀 式 を 行 うこと 現 四 条 2 3 天 皇 は 法 律 の 定 めるところにより 前 二 項 の 行 為 を 委 任 することができる 現 三 条 社 民 党 政 策 審 議 会 13/05/08-4 -

新 設 4 天 皇 の 国 事 に 関 する 全 ての 行 為 には 内 閣 の 進 言 を 必 要 とし 内 閣 がその 責 任 を 負 う ただし 衆 議 院 の 解 散 については 内 閣 総 理 大 臣 の 進 言 による 5 第 一 項 及 び 第 二 項 に 掲 げるもののほか 天 皇 は 国 又 は 地 方 自 治 体 その 他 の 公 共 団 体 が 主 催 する 式 典 への 出 席 その 他 の 公 的 な 行 為 を 行 う ( 摂 政 ) 現 五 条 第 七 条 皇 室 典 範 の 定 めるところにより 摂 政 を 置 く ときは 摂 政 は 天 皇 の 名 で その 国 事 に 関 する 行 為 を 行 う 現 五 条 2 第 五 条 及 び 前 条 第 四 項 の 規 定 は 摂 政 につ いて 準 用 する ( 皇 室 への 財 産 の 譲 渡 等 の 制 限 ) 第 八 条 皇 室 に 財 産 を 譲 り 渡 し 又 は 皇 室 が 財 産 を 第 八 条 皇 室 に 財 産 を 譲 り 渡 し 又 は 皇 室 が 財 産 を 譲 り 受 け 若 しくは 賜 与 することは 国 会 の 議 決 に 基 か 譲 り 受 け 若 しくは 賜 与 するには 法 律 で 定 める 場 合 を なければならない 除 き 国 会 の 議 決 を 経 なければならない 旧 草 案 の 際 は 天 皇 の 権 能 や 国 事 行 為 について 整 理 した 程 度 で 現 憲 法 の 規 定 をほぼ 踏 襲 するにとどめていたが 今 回 の 改 正 草 案 では 天 皇 を 明 確 に 元 首 として 位 置 づ けた Q&A は 天 皇 が 元 首 であることは 紛 れもない 事 実 であるので それを 明 記 したと 説 明 しているが これは 事 実 ではない 天 皇 には 形 式 的 儀 礼 的 行 為 しか 認 められておら ず 日 本 の 元 首 は 内 閣 または 内 閣 総 理 大 臣 とするのが 憲 法 学 上 の 多 数 説 である 元 首 と 明 記 することは 天 皇 の 権 能 を 実 質 化 拡 大 化 させるおそれがあり ひいては 天 皇 主 権 に 回 帰 し 国 民 主 権 を 弱 めることにつながりかねない 元 首 の 要 件 と 憲 法 学 上 の 多 数 説 元 首 の 要 件 で 特 に 重 要 なものは 外 国 に 対 して 国 家 を 代 表 する 権 能 ( 条 約 締 結 とか 大 使 公 使 の 信 任 状 を 発 受 する 権 能 )であるが 天 皇 は 外 交 関 係 では 形 式 的 儀 礼 的 行 為 しか 憲 法 上 は 認 め られていない したがって 伝 統 的 な 概 念 によれば 日 本 国 の 元 首 は 内 閣 または 内 閣 総 理 大 臣 とい うことになる( 多 数 説 ) ( 芦 部 信 喜 憲 法 ) わが 国 では 元 首 という 概 念 それ 自 体 が 何 らかの 実 質 的 な 権 限 を 含 むものと 一 般 に 考 えられ てきたので 天 皇 を 元 首 と 解 すると 認 証 ないし 接 受 の 意 味 が 実 質 化 し 拡 大 するおそれがあるとこ ろに 問 題 がある ( 同 ) さらに 国 旗 国 歌 について 明 文 の 規 定 が 加 った Q&A によれば 国 旗 国 歌 は 一 般 に 国 家 を 表 象 的 に 示 すいわば シンボル であり また 国 旗 国 歌 を 巡 って 教 育 現 場 で 混 乱 が 起 きていることをふまえ 三 条 に 明 文 の 規 定 を 置 く ことにしたとのことである この 規 定 は 結 果 的 に 国 旗 国 歌 の 尊 重 義 務 を 国 民 に 課 することにつながり 日 の 丸 君 が 代 を 通 じて 国 家 に 対 する 忠 誠 を 求 める 根 拠 となるおそれがある ひいてはかつての 不 敬 罪 のような 刑 罰 をもって 天 皇 や 国 旗 国 歌 の 尊 重 忠 誠 を 強 制 される 可 能 性 すら 否 定 出 来 な - 5 -

い 仮 に 多 くの 国 民 が 日 章 旗 を 国 旗 君 が 代 が 国 歌 と 感 じていたとしても 権 力 制 限 規 範 で あるべき 憲 法 で 規 定 すべきことではない 立 憲 主 義 の 原 理 からして 国 民 に 対 する 義 務 を 明 記 することには 抑 制 的 でなければならないのである かつて 日 の 丸 が 天 皇 のために 戦 う 旗 印 であったことを 否 定 的 に 感 じていたり 君 が 代 は 天 皇 の 世 が 永 く 続 くように 願 う 歌 として 戦 前 の 軍 国 主 義 と 結 びついて 考 える 人 も 少 なくない そのような 考 えを 持 つ 人 が 現 にいる 以 上 その 思 想 信 条 を 尊 重 するためにこそ 憲 法 が 思 想 良 心 の 自 由 を 保 障 する 必 要 がある 人 権 を 保 障 する 真 の 意 義 は 少 数 派 の 自 由 を 守 るこ とにあるのである 教 育 現 場 での 混 乱 は 行 政 の 対 応 によって 収 束 させるべき 問 題 であり 憲 法 に 国 旗 国 家 条 項 を 設 けることによって 解 決 すべき 問 題 ではない また 元 号 に 関 する 規 定 が 新 設 されている Q&A も 述 べているように 内 容 としては 元 号 法 ( 昭 和 54 年 法 律 43 号 )と 同 内 容 であり あえて 憲 法 に 書 き 込 む 必 要 があるとは 思 われな い 現 在 元 号 の 運 用 に 支 障 はなかったにもかかわらず 憲 法 条 項 に 格 上 げした 理 由 は 元 号 と 密 接 に 関 連 する 天 皇 制 を 強 化 し 国 民 主 権 を 後 退 させる 意 図 があるのではないかと 邪 推 もできる そもそも 天 皇 制 を 支 持 したり 元 号 を 用 いるかどうかは 個 々 人 の 内 心 の 問 題 で あり 憲 法 で 一 律 に 定 める 問 題 ではないのである 改 正 草 案 第 五 条 は 現 憲 法 第 四 条 が 国 事 に 関 する 行 為 のみを 行 ひ としているものか ら のみ という 限 定 をはずした わずか2 文 字 削 るだけだが 天 皇 の 行 為 を 限 定 する 思 想 が 後 退 し 天 皇 の 権 能 強 化 と 国 民 主 権 の 後 退 を 志 向 する 改 正 と 言 わざるをえない 同 様 に 現 憲 法 第 七 条 が 天 皇 の 国 事 行 為 について 内 閣 の 助 言 と 承 認 が 必 要 と 定 めて いるものを 改 正 草 案 第 六 条 4 項 は 天 皇 の 国 事 行 為 について 内 閣 の 進 言 を 必 要 と 変 更 した Q&A によれば 従 来 の 助 言 と 承 認 が 一 体 的 に 行 われるもので 違 いはないとしてい るが 進 言 は 本 来 目 上 の 者 に 対 して 意 見 を 述 べることであり 天 皇 と 内 閣 の 間 に 上 下 関 係 を 持 ち 込 むものである さらに 改 正 草 案 第 六 条 5 項 では 天 皇 が 国 事 行 為 以 外 に 公 的 行 為 を 行 なうことが 明 記 された 現 憲 法 には 天 皇 の 公 的 行 為 の 規 定 はないが 解 釈 として 認 めるのが 憲 法 学 上 の 多 数 説 であり 現 状 で 何 ら 不 都 合 は 生 じていない なお 多 数 説 は 公 的 行 為 を 解 釈 上 認 め る 際 に 公 的 行 為 の 名 の 下 に 天 皇 の 権 能 が 拡 大 しないように 国 事 行 為 に 準 じた 内 閣 によ るコントロールを 必 須 としているが 改 正 草 案 は 公 的 行 為 を 明 文 化 する 一 方 で 第 六 条 4 項 と 異 なり 内 閣 の 進 言 を 求 めない 機 能 を 明 文 化 して 確 認 するだけで 内 閣 による 手 続 的 関 与 は 明 記 しないのである 公 的 行 為 が 無 限 定 に 行 なわれるおそれもあり 運 用 次 第 で 天 皇 の 政 治 利 用 につながる 危 険 も 否 定 出 来 ない 最 後 に 現 憲 法 第 八 条 は 皇 室 に 財 産 を 譲 り 渡 し 又 は 皇 室 が 財 産 を 譲 り 受 け 若 しくは 賜 与 する 際 には 国 会 の 議 決 を 求 めているが 改 正 草 案 第 八 条 では 法 律 で 定 める 場 合 をこの 制 限 の 対 象 から 外 している ひとたび 法 律 を 作 れば 国 会 の 議 決 なしに 財 産 譲 渡 が 可 能 となる 社 民 党 政 策 審 議 会 13/05/08 このように 改 正 草 案 の 全 体 を 通 じて 天 皇 の 地 位 を 強 め その 機 能 を 強 化 するトーンで 一 貫 しているのである 改 憲 派 憲 法 学 者 小 林 節 慶 応 大 学 教 授 へのインタビューから 国 旗 国 歌 は 国 の 象 徴 いわば 国 民 の 人 格 の 一 部 なんです 日 の 丸 はともかく 君 が 代 は 天 皇 - 6 -

賛 美 歌 として 用 いられた 記 憶 があり 反 対 論 もある 国 民 的 合 意 がないのに 憲 法 に 書 けば 勝 ち じ ゃない ( 毎 日 新 聞 2013 年 4 月 9 日 夕 刊 特 集 ワイド より) 戦 争 の 放 棄 武 力 の 否 定 から 武 力 による 平 和 に 転 換 日 本 国 憲 法 自 民 党 改 正 草 案 第 二 章 戦 争 の 放 棄 第 二 章 安 全 保 障 ( 平 和 主 義 ) 第 九 条 日 本 国 民 は 正 義 と 秩 序 を 基 調 とする 国 第 九 条 日 本 国 民 は 正 義 と 秩 序 を 基 調 とする 国 際 平 和 を 誠 実 に 希 求 し 国 権 の 発 動 たる 戦 争 と 際 平 和 を 誠 実 に 希 求 し 国 権 の 発 動 としての 戦 争 武 力 による 威 嚇 又 は 武 力 の 行 使 は 国 際 紛 争 を 解 を 放 棄 し 武 力 による 威 嚇 及 び 武 力 の 行 使 は 国 決 する 手 段 としては 永 久 にこれを 放 棄 する 際 紛 争 を 解 決 する 手 段 としては 用 いない 2 前 項 の 目 的 を 達 するため 陸 海 空 軍 その 他 の 戦 2 前 項 の 規 定 は 自 衛 権 の 発 動 を 妨 げるもので 力 は これを 保 持 しない 国 の 交 戦 権 は これを 認 はない めない ( 国 防 軍 ) 第 九 条 の 二 わが 国 の 平 和 と 独 立 並 びに 国 及 び 国 民 の 安 全 を 確 保 するため 内 閣 総 理 大 臣 を 最 高 指 揮 官 とする 国 防 軍 を 保 持 する 2 国 防 軍 は 前 項 の 規 定 による 任 務 を 遂 行 する 際 は 法 律 の 定 めるところにより 国 会 の 承 認 その 他 の 統 制 に 服 する 3 国 防 軍 は 第 一 項 に 規 定 する 任 務 を 遂 行 する ための 活 動 のほか 法 律 の 定 めるところにより 国 際 社 会 の 平 和 と 安 全 を 確 保 するために 国 際 的 に 協 調 して 行 われる 活 動 及 び 公 の 秩 序 を 維 持 し 又 は 国 民 の 生 命 若 しくは 自 由 を 守 るための 活 動 を 行 うことができる 4 前 二 項 に 定 めるもののほか 国 防 軍 の 組 織 及 び 統 制 及 び 機 密 の 保 持 に 関 する 事 項 は 法 律 で 定 める 5 国 防 軍 に 属 する 軍 人 その 他 の 公 務 員 がその 職 務 の 実 施 に 伴 う 罪 又 は 国 防 軍 の 機 密 に 関 する 罪 を 犯 した 場 合 の 裁 判 を 行 うため 法 律 の 定 めるとこ ろにより 国 防 軍 に 審 判 所 を 置 く この 場 合 におい ては 被 告 人 が 裁 判 所 へ 上 訴 する 権 利 は 保 障 さ れなければならない ( 領 土 等 の 保 全 等 ) 第 九 条 の 三 国 は 主 権 と 独 立 を 守 るため 国 民 と 協 力 して 領 土 領 海 及 び 領 空 を 保 全 し その 資 源 を 確 保 しなければならない - 7 -

この 間 の 改 憲 論 議 の 最 大 の 核 心 が 第 九 条 問 題 であり 第 九 条 改 憲 が 本 丸 中 の 本 丸 であ ることは 疑 いようがない 改 正 草 案 は05 年 の 旧 草 案 よりさらに 二 歩 も 三 歩 も 踏 み 込 んだ 内 容 となっている 改 憲 草 案 の 目 指 す 第 9 条 改 憲 の 意 味 について とくに 詳 細 に 検 討 して みたい タイトル: 自 民 党 改 正 草 案 は 現 憲 法 第 2 章 のタイトル 戦 争 の 放 棄 を 安 全 保 障 に 変 えた 一 見 大 差 ないようにも 思 えるが ここには 国 の 安 全 に 関 する 本 質 的 な 発 想 の 転 換 が 示 されている 現 憲 法 は 前 文 で 平 和 を 愛 する 諸 国 民 の 公 正 と 信 義 に 信 頼 して われらの 安 全 と 生 存 を 保 持 しようと 決 意 しているのであり その 具 体 的 な 中 身 が 第 九 条 で 定 めた 戦 力 の 不 保 持 と 交 戦 権 の 否 認 であった 1 宣 戦 布 告 や 講 和 の 規 定 がない 2 国 防 義 務 や 徴 兵 制 の 規 定 がな い 3 国 家 緊 急 権 の 規 定 がない 4 特 別 裁 判 所 = 軍 法 会 議 の 設 置 が 禁 止 されている とい ったことと 第 九 条 が 相 まって 日 本 国 憲 法 は 戦 争 を 前 提 としない 規 範 構 造 となっている 戦 争 を 放 棄 して 国 民 が 平 和 的 に 生 存 する 権 利 を 定 め 平 和 的 手 段 によって 安 全 を 確 保 する 決 意 を 示 した 平 和 憲 法 の 中 心 がこの 第 九 条 である これに 対 して 安 全 保 障 とは 外 部 からの 侵 略 に 対 して 国 家 および 国 民 の 安 全 を 保 障 す ること ( 広 辞 苑 )であり 伝 統 的 な 意 味 ではもっぱら 軍 事 力 の 均 衡 や 軍 事 同 盟 よって 外 敵 を 抑 止 ないし 撃 退 することである 第 九 条 のタイトルの 変 更 は 武 力 の 否 定 から 武 力 行 使 を 当 然 の 前 提 とする 武 力 による 平 和 の 維 持 へと 発 想 を180 度 転 換 することを 示 しているといえる 第 九 条 第 1 項 :そもそも 現 憲 法 第 九 条 第 1 項 は 1928 年 のパリ 不 戦 条 約 の 締 約 国 ハ 国 際 紛 争 解 決 ノ 為 戦 争 ニ 訴 フルコトヲ 非 トシ 且 其 ノ 相 互 関 係 ニ 於 テ 国 家 ノ 政 策 ノ 手 段 トシテノ 戦 争 ヲ 抛 棄 スルコトヲ 其 ノ 各 自 ノ 人 民 ノ 名 ニ 於 テ 厳 粛 ニ 宣 言 スル( 第 1 条 ) という 規 定 や 1945 年 の 国 連 憲 章 の すべての 加 盟 国 は その 国 際 関 係 において 武 力 による 威 嚇 又 は 武 力 の 行 使 を いかなる 国 の 領 土 保 全 又 は 政 治 的 独 立 に 対 するものも また 国 際 連 合 の 目 的 と 両 立 しない 他 のいかなる 方 法 によるものも 慎 まなければならない( 第 2 条 4 項 ) とした 規 定 をなぞっ たものだ 平 和 原 則 についての 国 際 基 準 を 確 認 したものであり 自 民 党 旧 草 案 でもそのまま 残 され たものだ 今 回 の 改 正 草 案 では 基 本 的 には 変 更 しない (Q&A)としながら 現 憲 法 では 並 列 されている 国 権 の 発 動 としての 戦 争 と 武 力 による 威 嚇 武 力 の 行 使 を 文 脈 的 に 切 断 し 放 棄 する が 戦 争 のみに 掛 かり 国 際 紛 争 を 解 決 する 手 段 としては 用 いない が 戦 争 に 至 らない 武 力 による 威 嚇 と 武 力 の 行 使 のみに 掛 かる 形 に 文 章 の 整 理 (Q&A) が 行 なわれている これは 放 棄 する のが 国 権 の 発 動 としての 戦 争 だけであることを 強 調 し 武 力 によ る 威 嚇 や 武 力 の 行 使 を 放 棄 せず 行 使 したいとの 意 思 を 明 確 にしたい 趣 旨 と 考 えられ る 社 民 党 政 策 審 議 会 13/05/08 第 九 条 第 2 項 : 不 戦 条 約 や 国 連 憲 章 第 二 条 第 4 項 が 戦 争 を 違 法 化 し 武 力 による 威 嚇 と 行 使 を 包 括 的 に 禁 じたが 一 方 で この 憲 章 のいかなる 規 定 も 国 際 連 合 加 盟 国 に 対 して 武 力 攻 撃 が 発 生 した 場 合 には 安 全 保 障 理 事 会 が 国 際 の 平 和 及 び 安 全 の 維 持 に 必 要 な 措 置 を とるまでの 間 個 別 的 又 は 集 団 的 自 衛 の 固 有 の 権 利 を 害 するものではない( 国 連 憲 章 第 五 十 一 条 ) と 規 定 し 自 衛 戦 争 を 武 力 の 保 有 を 認 めている 現 代 の 戦 争 や 武 力 紛 争 のほとん どは 自 衛 を 名 目 にして 行 なわれており 自 衛 は 戦 争 違 法 化 の 努 力 の 抜 け 穴 となっている - 8 -

のである 日 本 国 憲 法 第 九 条 第 1 項 の 平 和 原 則 は 国 連 憲 章 第 二 条 第 4 項 同 様 に それだけでは 十 分 な 実 効 性 が 期 待 できない 日 本 国 憲 法 第 九 条 は 第 1 項 の 平 和 原 則 と 陸 海 空 軍 その 他 の 戦 力 はこれを 保 持 しない 国 の 交 戦 権 はこれを 認 めない とした 第 2 項 の 非 武 装 条 項 とが 組 み 合 わさってはじめて 武 力 依 存 への 制 約 原 理 として 機 能 してきたのである 日 本 国 憲 法 第 九 条 第 2 項 があったが 故 に 自 衛 隊 は 戦 力 ではないとされ 攻 撃 的 な 兵 器 の 保 有 を 抑 制 され 専 守 防 衛 という 制 約 を 自 らに 課 した イラクへ 派 遣 された 際 も 武 力 行 使 はしない 非 戦 闘 地 域 でしか 活 動 できない といった 苦 しい 説 明 をしなくてはならなかっ た 日 本 の 平 和 主 義 の 核 心 は 第 九 条 第 2 項 であり 第 2 項 にこそその 独 自 性 と 歴 史 的 意 義 が あるといえるのだ だからこそ 長 年 にわたって 改 憲 派 から 目 の 敵 とされ 自 民 党 旧 草 案 は 第 2 項 を 丸 ごと 削 除 したし 今 回 の 改 憲 草 案 では 逆 に 自 衛 権 の 発 動 を 妨 げるものではな い と 明 記 し 第 1 項 の 平 和 原 則 の 抜 け 穴 の 方 を 確 認 し 押 し 広 げようとしているのである 改 正 草 案 第 九 条 の 二 : 改 正 草 案 は 現 憲 法 の 第 1 項 と 第 2 項 を 骨 抜 きにしたうえで 九 条 の 二 として 新 たに 国 防 軍 に 関 する5 項 目 の 規 定 を 新 設 している 改 正 草 案 第 九 条 の 二 の 第 1 項 は 国 防 軍 の 保 持 を 明 記 した これは 自 衛 隊 の 名 称 を 変 更 し 現 状 を 追 認 するだけの 改 定 と 見 るべきではない 単 に 自 衛 隊 を 憲 法 的 に 認 知 すると いうことであれば 従 来 の 政 府 解 釈 でも 自 衛 隊 は 合 憲 とされているのであり 是 非 は 別 にして そこまでさかのぼった 自 衛 隊 否 定 論 が 障 害 になることはほとんどないのであるから あえて 明 文 改 憲 をすること 自 体 には 実 質 的 な 意 味 はない 形 骸 化 しつつもこれまで 海 外 派 兵 の 禁 止 武 器 輸 出 禁 止 三 原 則 非 核 三 原 則 集 団 的 自 衛 権 不 行 使 専 守 防 衛 といった 軍 事 的 に 抑 制 的 な 政 策 を 維 持 することが 出 来 たのは 自 衛 隊 が 普 通 の 軍 隊 ではなく 自 衛 のための 必 要 最 小 限 度 の 実 力 組 織 であったことが 大 き い さらに 国 防 軍 の 役 割 として 国 及 び 国 民 の 安 全 を 確 保 するため としているが 国 民 より も 国 を 先 に 最 初 に 置 く 表 現 からは 国 民 よりも 国 そのものを 守 ることを 重 視 する 姿 勢 がかい ま 見 える 今 回 改 正 草 案 が 旧 草 案 で 自 衛 軍 としていた 名 称 を 国 防 軍 とした 背 景 には 普 通 の 軍 隊 として 現 憲 法 下 の 政 策 の 縛 りを 取 り 払 いたいという 狙 いがあるだろう 自 民 党 Q&A は 独 立 国 家 としてふさわしい 名 称 (Q&A)とするためとしているが このような 感 覚 的 な 理 由 だけで 憲 法 を 改 正 する 必 要 はない 改 正 草 案 第 九 条 の 二 の 第 2 項 は 文 民 統 制 の 規 定 である しかし 広 範 な 国 防 軍 の 活 動 に 対 する 統 制 の 中 身 があまりにも 漠 然 としている 例 えば ドイツ 基 本 法 では 防 衛 上 の 緊 急 事 態 宣 言 の 権 限 は 連 邦 議 会 にあり その 確 定 には 連 邦 議 会 議 員 の 投 票 数 の3 分 の2の 多 数 少 なくとも 連 邦 議 会 議 院 の 過 半 数 の 同 意 が 必 要 と 定 めている 多 くの 国 の 憲 法 が 開 戦 の 権 限 を 議 会 に 与 えるなど 軍 隊 組 織 に 対 する 議 会 の 統 制 について 詳 細 に 定 めている とこ ろが 改 正 草 案 では 法 律 の 定 めるところにより 国 会 の 承 認 その 他 の 統 制 に 服 する とし て 具 体 的 な 事 項 をすべて 法 律 にゆだねてしまうのである これは 国 会 の 多 数 派 の 意 向 が 大 きく 働 く 余 地 があることを 意 味 しており 憲 法 による 統 制 になっていない 国 会 の 承 認 も 義 務 とはされず 国 会 の 承 認 以 外 に その 他 の 統 制 を 認 めている 点 でも 文 民 統 制 が 不 徹 底 であ る 軍 事 というもっとも 厳 しい 取 り 扱 いが 求 められる 問 題 について 立 憲 主 義 的 な 統 制 を 欠 い - 9 -

ていると 言 わざるをえない 改 正 草 案 第 九 条 の 二 の 第 3 項 は 国 際 協 調 と 治 安 維 持 の 任 務 を 規 定 している ここでい われる 国 際 社 会 の 平 和 と 安 全 を 確 保 するために 国 際 的 に 協 調 して 行 われる 活 動 の 中 身 は 不 明 であるが 国 連 憲 章 に 基 づく 集 団 的 安 全 保 障 活 動 にとどまらず 米 国 が 中 心 になって 行 なう 軍 事 行 動 への 参 加 も 容 認 されることになるだろう これこそが 憲 法 改 正 の 真 の 目 的 とい えるかもしれない さらに 公 の 秩 序 を 維 持 し 又 は 国 民 の 生 命 若 しくは 自 由 を 守 るための 活 動 を 行 うことが できる と 定 め 治 安 維 持 任 務 が 明 記 された 旧 草 案 では 治 安 維 持 任 務 の 規 定 を 緊 急 事 態 における と 限 定 していたがこの 記 述 は 消 えている 例 えば 脱 原 発 を 求 めて 官 邸 を 囲 む デモ 隊 を 暴 動 と 位 置 づければ これを 軍 事 的 に 制 圧 することも 改 正 草 案 では 可 能 となりか ねない これらの 活 動 には 国 会 の 承 認 をはじめ なんの 統 制 も 要 件 とされないのである 改 正 草 案 第 九 条 の 二 の 第 4 項 は 改 正 草 案 第 九 条 の 二 の 第 2 項 を 補 足 し 国 防 軍 の 組 織 統 制 及 び 機 密 の 保 持 に 関 する 事 項 を 法 律 に 委 任 することを 定 めている そもそも 憲 法 が 国 家 権 力 を 制 限 する 規 範 であることを 考 えれば 軍 隊 の 組 織 や 統 制 のあり 方 を 包 括 的 に 法 律 に 委 任 することなど 許 されるはずがない 旧 草 案 にはなかった 機 密 の 保 持 が 加 わ っていることにも 注 意 が 必 要 である 改 正 草 案 第 九 条 二 の 第 5 項 は 軍 事 行 動 や 機 密 保 持 に 係 わる 問 題 を 国 防 軍 に 設 置 し た 特 別 の 審 判 所 で 裁 判 を 行 うことを 定 めている この 審 判 所 は まさに 軍 事 裁 判 所 であり 軍 法 会 議 の 復 活 である 軍 事 機 密 に 関 する 裁 判 において その 機 密 を 保 持 したままで 審 理 が 行 われ 国 民 の 知 る 権 利 が 空 洞 化 しかねない 特 別 裁 判 所 の 設 置 を 禁 じた 日 本 国 憲 法 第 七 十 六 条 2( 改 正 草 案 第 七 十 六 条 第 2 項 にも 同 規 定 がある) 公 開 裁 判 の 原 則 を 定 めた 日 本 国 憲 法 第 八 十 二 条 ( 改 正 草 案 第 八 十 二 条 にも 同 規 定 があり)や 裁 判 を 受 ける 権 利 を 定 めた 日 本 国 憲 法 第 三 十 二 条 ( 改 正 草 案 第 三 十 二 条 にも 同 規 定 あり)に 反 するおそれが 強 く 人 権 保 障 を 大 きく 脅 かすことになる 社 民 党 政 策 審 議 会 13/05/08 改 正 草 案 第 九 条 の 三 : 改 正 草 案 第 九 条 の 三 では 国 と 国 民 に 領 土 領 海 及 び 領 空 を 保 全 し その 資 源 を 確 保 することを 義 務 づけた 旧 草 案 は 前 文 で 帰 属 する 国 や 社 会 を 愛 情 と 責 任 感 と 気 概 をもって 自 ら 支 え 守 る 責 務 を 規 定 したが 改 正 草 案 は 直 接 的 な 表 現 では 国 防 義 務 を 明 記 していない しかし Q&A によれば 党 内 では 国 を 守 る 義 務 を 規 定 すべきではないかという 意 見 が 多 く 出 されたが そ の 具 体 的 内 容 として 徴 兵 制 について 問 われることになるので 憲 法 上 規 定 を 置 くことを 避 け 前 文 で 国 を 自 ら 守 る と 抽 象 的 に 規 定 するとともに 本 条 において 国 が 国 民 と 協 力 して 領 土 等 を 守 ることを 規 定 した と 説 明 している なんのことはない 領 土 領 海 領 空 資 源 の 確 保 を 国 に 義 務 づけ 国 民 にその 協 力 を 求 めた 本 条 の 規 定 は 国 民 に 国 防 を 義 務 づけて いるのと 同 じでなのある 領 土 領 海 領 空 に 加 えて 資 源 の 確 保 を 明 記 したことから 推 測 さ れるのは 近 隣 諸 国 との 覇 権 争 いを 念 頭 にあることも 明 らかだ 改 正 草 案 の 目 指 す 国 防 軍 像 : 自 民 党 の 考 える 国 防 軍 像 は 改 正 草 案 の 文 面 とあ わせて 草 案 に 至 る 過 程 やこの 間 の 議 論 を 見 れば 明 確 である すでに 新 ガイドライン 以 降 周 辺 事 態 法 テロ 対 策 特 措 法 PKO 法 の 改 正 イラク 特 措 法 有 事 関 連 法 制 など 憲 法 - 10 -

第 九 条 の 理 念 に 反 する 立 法 が 積 み 重 ねられ 自 衛 隊 の 活 動 領 域 は 実 質 的 に 専 守 防 衛 の 範 囲 を 大 きく 超 えて 拡 大 しつつある 残 念 ながら 自 衛 隊 はすでに 限 りなく 普 通 の 軍 隊 に 近 づ いているのである ここでさらに 憲 法 を 変 えなくては 出 来 ないことはただ 一 つ 海 外 での 武 力 行 使 にほかならない 自 衛 隊 を 米 軍 と 一 体 となって 海 外 で 武 力 行 使 ができる 本 物 の 軍 隊 とすること 日 本 を 戦 前 のような 普 通 の 国 に 戻 すことこそが 第 九 条 改 憲 勢 力 の 目 的 にほかならない 自 衛 隊 がアメリカの 戦 略 といっそうの 一 体 化 をはかり 米 軍 の 期 待 に 応 え 世 界 中 で 武 力 行 使 を 行 なうためには 武 力 行 使 を 否 定 する 憲 法 第 九 条 第 2 項 がどうしても 邪 魔 なのだ いままさに 進 められている 米 軍 基 地 の 再 編 基 地 の 共 同 使 用 等 による 米 軍 自 衛 隊 の 機 能 の 一 体 化 武 器 輸 出 三 原 則 の 緩 和 海 外 派 遣 のための 恒 久 法 の 制 定 などと 憲 法 第 九 条 改 悪 の 動 きを 一 体 のものとして 認 識 していく 必 要 がある なし 崩 しに 進 められてきた 自 衛 隊 の 普 通 の 軍 隊 化 を 阻 む 最 後 の 防 波 堤 が 憲 法 第 九 条 なのである 許 されない 平 和 主 義 の 破 壊 : 国 際 人 道 法 は 1899 年 のハーグ 平 和 会 議 以 降 戦 争 の ルール 化 から 戦 争 自 体 の 違 法 化 へ 着 実 に 進 んできた 1920 年 の 国 際 連 盟 規 約 1928 年 の 不 戦 条 約 と 歩 んできた 戦 争 違 法 化 の 潮 流 の 一 定 の 到 達 点 が 自 衛 目 的 を 除 く 加 盟 国 の 武 力 行 使 を 全 面 的 に 禁 止 した1945 年 の 国 際 連 合 憲 章 である 日 本 国 憲 法 は 第 九 条 第 1 項 で 国 連 憲 章 が 到 達 した 戦 争 違 法 化 の 原 則 を 確 認 し 第 九 条 第 2 項 が 戦 力 の 不 保 持 を 定 めるこ とで これを 徹 底 させ 具 体 化 させた 憲 法 第 九 条 第 2 項 こそが 自 衛 隊 の 活 動 地 域 や 装 備 を 国 土 防 衛 の 範 囲 に 制 限 し 専 守 防 衛 の 範 囲 に 押 さえ 込 んできた 最 大 の 根 拠 である 前 文 で 全 世 界 の 国 民 が ひとしく 恐 怖 と 欠 乏 から 免 かれ 平 和 のうちに 生 存 する 権 利 を 有 することを 確 認 する と 明 確 にうたい 第 九 条 が 不 戦 戦 力 の 不 保 持 交 戦 権 の 放 棄 を 明 確 に 宣 言 したことを 土 台 にして すべての 国 民 が 個 人 として 尊 重 され 幸 福 を 追 求 する 権 利 をも つことを 規 定 した 第 十 三 条 すべての 国 民 に 健 康 で 文 化 的 な 最 低 限 度 の 生 活 を 営 む 権 利 を 保 障 した 第 二 十 五 条 が 存 在 し これらによって 日 本 国 憲 法 はすべての 国 民 に 平 和 のうちに 生 きる 権 利 = 平 和 的 生 存 権 を 保 障 している これこそが 戦 争 によって 多 くの 命 を 失 った 代 償 として 獲 得 したものであり 過 去 の 歴 史 から 学 び 取 った 日 本 の 叡 智 というべきである 改 正 草 案 が 日 本 国 憲 法 の 核 心 部 分 である 第 九 条 第 2 項 を 破 棄 することは 憲 法 の 同 一 性 を 損 なうものでありまさに 憲 法 の 平 和 主 義 の 破 壊 である 憲 法 の 基 本 原 理 すなわち 国 民 主 権 基 本 的 人 権 平 和 主 義 について その 原 理 そのものを 否 定 するような 変 更 は 憲 法 改 正 限 界 を 超 えるものとして 本 来 憲 法 改 正 手 続 きをもってしても 改 正 し 得 ないものだ 戦 争 は 違 法 であり 紛 争 解 決 の 手 段 として 武 力 に 訴 えることは 主 権 国 家 の 正 当 な 権 利 ではないと いう 国 際 人 道 法 の 到 達 点 = 日 本 国 憲 法 第 九 条 の 理 念 を 後 退 させることがあってはならない のである 社 民 党 と 自 衛 隊 社 民 党 は 村 山 政 権 発 足 後 の 社 会 党 ( 当 時 ) 第 61 回 臨 時 全 国 大 会 (1994 年 9 月 )において 非 武 装 は 党 是 を 超 える 人 類 の 理 想 として 自 衛 のための 必 要 最 小 限 度 の 実 力 組 織 である 自 衛 隊 を 認 める と 自 衛 隊 の 存 在 を 容 認 した しかし その 後 の 自 民 党 政 権 下 で 日 米 新 ガイドライン 周 辺 事 態 法 有 事 法 制 の 制 定 イラクへの 派 兵 など 自 衛 隊 の 活 動 領 域 が 次 々と 拡 大 された 結 果 その 実 態 は 我 が 国 を 防 衛 するための 必 要 最 小 限 度 の 実 力 組 織 と 言 えなくなっていると 評 価 するに 至 ってい る 社 会 民 主 党 宣 言 ( 第 10 回 定 期 全 国 大 会 /2006 年 2 月 )では 現 状 明 らかに 違 憲 状 態 にある 自 衛 隊 は 縮 小 を 図 り 国 境 警 備 災 害 救 助 国 際 協 力 などの 任 務 別 組 織 に 改 編 解 消 して 非 武 装 の 日 本 を 目 指 します としている - 11 -

市 民 の 権 利 公 の 秩 序 が 許 す 範 囲 の 自 由 及 び 権 利 日 本 国 憲 法 自 民 党 改 正 草 案 第 三 章 国 民 の 権 利 及 び 義 務 第 三 章 国 民 の 権 利 及 び 義 務 ( 日 本 国 民 ) 第 十 条 日 本 国 民 たる 要 件 は 法 律 でこれを 定 め 第 十 条 日 本 国 民 の 要 件 は 法 律 で 定 める る ( 基 本 的 人 権 の 享 有 ) 第 十 一 条 国 民 は すべての 基 本 的 人 権 の 享 有 第 十 一 条 国 民 は 全 ての 基 本 的 人 権 を 享 有 す を 妨 げられない この 憲 法 が 国 民 に 保 障 する 基 本 る この 憲 法 が 国 民 に 保 障 する 基 本 的 人 権 は 侵 的 人 権 は 侵 すことのできない 永 久 の 権 利 として すことのできない 永 久 の 権 利 である 現 在 及 び 将 来 の 国 民 に 与 へられる 第 十 二 条 この 憲 法 が 国 民 に 保 障 する 自 由 及 び ( 国 民 の 責 務 ) 権 利 は 国 民 の 不 断 の 努 力 によつて これを 保 持 第 十 二 条 この 憲 法 が 国 民 に 保 障 する 自 由 及 び しなければならない 又 国 民 は これを 濫 用 して 権 利 は 国 民 の 不 断 の 努 力 により 保 持 されなけ はならないのであつて 常 に 公 共 の 福 祉 のために ればならない 国 民 は これを 濫 用 してはならず これを 利 用 する 責 任 を 負 ふ 自 由 及 び 権 利 には 責 任 及 び 義 務 が 伴 うことを 自 覚 し 常 に 公 益 及 び 公 の 秩 序 に 反 してはならない ( 人 としての 尊 重 ) 第 十 三 条 すべて 国 民 は 個 人 として 尊 重 され 第 十 三 条 全 て 国 民 は 人 として 尊 重 される 生 る 生 命 自 由 及 び 幸 福 追 求 に 対 する 国 民 の 権 利 命 自 由 及 び 幸 福 追 求 に 対 する 国 民 の 権 利 につ については 公 共 の 福 祉 に 反 しない 限 り 立 法 そ いては 公 益 及 び 公 の 秩 序 に 反 しない 限 り 立 法 の 他 の 国 政 の 上 で 最 大 の 尊 重 を 必 要 とする その 他 の 国 政 の 上 で 最 大 限 に 尊 重 されなければ ならない 社 民 党 政 策 審 議 会 13/05/08 改 正 草 案 は 現 行 第 十 二 条 に 自 由 及 び 権 利 には 責 任 及 び 義 務 が 伴 うことを 自 覚 し と いう 文 言 を 挿 入 し 自 由 や 権 利 に 責 任 義 務 を 名 目 にして 制 限 を 加 える 根 拠 としようとし ている 日 本 国 憲 法 では 自 由 と 権 利 を 制 約 する 条 件 は 公 共 の 福 祉 のみであるが 改 正 草 案 では 現 十 三 条 二 十 九 条 も 含 めこれが 公 益 及 び 公 の 秩 序 に 置 き 換 えられる ( 二 十 二 条 の 公 共 の 福 祉 は 削 除 ) これは 単 なる 言 葉 の 言 い 換 えではない 公 共 の 福 祉 とは ある 人 権 が 他 人 の 人 権 と 矛 盾 衝 突 する 場 合 の 解 決 をはかるための 調 整 実 質 的 公 平 の 原 理 であり 人 権 に 必 然 的 に 内 在 する 制 約 である これに 対 して 改 正 草 案 のいう 公 益 及 び 公 の 秩 序 は 個 人 の 権 利 を 否 定 し 個 人 を 犠 牲 にしてでも 権 力 体 制 の 維 持 を 優 先 するものであり 外 部 から 人 権 を 制 約 するものと 解 される 日 本 国 憲 法 が 侵 すことの 出 来 ない 永 久 の 権 利 として 保 障 する 基 本 的 人 権 が 明 治 憲 法 下 での 公 共 の 安 寧 秩 序 や 法 律 の 範 囲 内 での 人 権 保 障 のような 統 治 機 構 の 定 める 秩 序 や 法 益 の 下 位 のものと 位 置 づけられ その 許 容 範 囲 でしか 存 在 できないも のに 貶 められることになりかねない 例 えば 国 家 の 安 全 や 軍 事 目 的 といった 公 益 のために 表 現 の 自 由 や 思 想 信 条 の 自 由 等 が 制 限 されることにつながり 戦 争 への 批 判 を 立 法 によって 制 限 する 根 拠 にもなりかねな い 改 正 草 案 第 九 条 の 二 第 3 項 が 自 衛 軍 の 任 務 として 公 の 秩 序 の 維 持 のための 活 動 を - 12 -

規 定 していることからも 公 益 及 び 公 の 秩 序 が 軍 事 的 要 請 をも 含 めた 国 家 の 求 める 秩 序 全 般 を 指 すことは 明 白 である また 現 憲 法 第 十 三 条 後 段 は 国 民 は 個 人 として 尊 重 されるとしているが 改 正 草 案 第 十 三 条 と 小 見 出 しは 人 と 言 い 換 えられている 立 憲 主 義 は 人 権 享 有 の 自 立 的 主 体 である 個 人 の 尊 重 と 強 く 結 びついているが 改 正 草 案 は 個 人 を 重 視 せず それに 代 えて 人 家 族 や 日 本 国 の 構 成 員 としての 国 民 を 尊 重 するだけである そもそも 公 益 及 び 公 の 秩 序 の 内 側 の 従 順 な 国 民 を 尊 重 し 自 立 した 個 人 の 存 在 を 期 待 しない 改 正 草 案 の 本 質 が 現 われているのである ごまかしの 新 しい 人 権 学 説 や 判 例 の 積 み 重 ねを 一 蹴 日 本 国 憲 法 自 民 党 草 案 ( 法 の 下 の 平 等 ) 第 十 四 条 すべて 国 民 は 法 の 下 に 平 等 であつ 第 十 四 条 全 て 国 民 は 法 の 下 に 平 等 であって て 人 種 信 条 性 別 社 会 的 身 分 又 は 門 地 によ 人 種 信 条 性 別 障 害 の 有 無 社 会 的 身 分 又 は り 政 治 的 経 済 的 又 は 社 会 的 関 係 において 差 門 地 により 政 治 的 経 済 的 又 は 社 会 的 関 係 にお 別 されない いて 差 別 されない 2 華 族 その 他 の 貴 族 の 制 度 は これを 認 めない 2 華 族 その 他 の 貴 族 の 制 度 は 認 めない 3 栄 誉 勲 章 その 他 の 栄 典 の 授 与 は いかなる 特 権 も 伴 はない 栄 典 の 授 与 は 現 にこれを 有 し 又 3 栄 誉 勲 章 その 他 の 栄 典 の 授 与 は 現 にこれ は 将 来 これを 受 ける 者 の 一 代 に 限 り その 効 力 を を 有 し 又 は 将 来 これを 受 ける 者 の 一 代 に 限 り そ 有 する の 効 力 を 有 する 第 十 五 条 公 務 員 を 選 定 し 及 びこれを 罷 免 する ( 公 務 員 の 選 定 及 び 罷 免 に 関 する 権 利 等 ) ことは 国 民 固 有 の 権 利 である 第 十 五 条 公 務 員 を 選 定 し 及 び 罷 免 すること 2すべて 公 務 員 は 全 体 の 奉 仕 者 であつて 一 部 は 主 権 の 存 する 国 民 の 権 利 である の 奉 仕 者 ではない 2 全 て 公 務 員 は 全 体 の 奉 仕 者 であって 一 部 3 公 務 員 の 選 挙 については 成 年 者 による 普 通 選 の 奉 仕 者 ではない 挙 を 保 障 する 3 公 務 員 の 選 定 を 選 挙 により 行 う 場 合 は 日 本 国 籍 を 有 する 成 年 者 による 普 通 選 挙 の 方 法 による 4すべて 選 挙 における 投 票 の 秘 密 は これを 侵 し 4 選 挙 における 投 票 の 秘 密 は 侵 されない 選 てはならない 選 挙 人 は その 選 択 に 関 し 公 的 に 挙 人 は その 選 択 に 関 し 公 的 にも 私 的 にも 責 任 も 私 的 にも 責 任 を 問 はれない を 問 われない ( 請 願 をする 権 利 ) 第 十 六 条 何 人 も 損 害 の 救 済 公 務 員 の 罷 免 第 十 六 条 何 人 も 損 害 の 救 済 公 務 員 の 罷 免 法 律 命 令 又 は 規 則 の 制 定 廃 止 又 は 改 正 その 法 律 命 令 又 は 規 則 の 制 定 廃 止 又 は 改 正 その 他 の 事 項 に 関 し 平 穏 に 請 願 する 権 利 を 有 し 何 他 の 事 項 に 関 し 平 穏 に 請 願 をする 権 利 を 有 す 人 も かかる 請 願 をしたためにいかなる 差 別 待 遇 も る 受 けない 2 請 願 をした 者 は そのためにいかなる 差 別 待 遇 も 受 けない ( 国 等 に 対 する 賠 償 請 求 権 ) 第 十 七 条 何 人 も 公 務 員 の 不 法 行 為 により 損 第 十 七 条 何 人 も 公 務 員 の 不 法 行 為 により 損 害 害 を 受 けたときは 法 律 の 定 めるところにより 国 又 を 受 けたときは 法 律 の 定 めるところにより 国 又 は は 公 共 団 体 に その 賠 償 を 求 めることができる 地 方 自 治 体 その 他 の 公 共 団 体 に その 賠 償 を 求 - 13 -

めることができる 第 十 八 条 何 人 も いかなる 奴 隷 的 拘 束 も 受 けな ( 身 体 の 拘 束 及 び 苦 役 からの 自 由 ) い 又 犯 罪 に 因 る 処 罰 の 場 合 を 除 いては その 第 十 八 条 何 人 も その 意 に 反 すると 否 とにかか 意 に 反 する 苦 役 に 服 させられない わらず 社 会 的 又 は 経 済 的 関 係 において 身 体 を 拘 束 されない 2 何 人 も 犯 罪 による 処 罰 の 場 合 を 除 いては そ の 意 に 反 する 苦 役 に 服 させられない 第 十 九 条 思 想 及 び 良 心 の 自 由 は これを 侵 して ( 思 想 及 び 良 心 の 自 由 ) はならない 第 十 九 条 思 想 及 び 良 心 の 自 由 は 保 障 する 新 設 ( 個 人 情 報 の 不 当 取 得 の 禁 止 等 ) 第 十 九 条 の 二 何 人 も 自 己 に 関 する 情 報 を 不 当 に 取 得 し 保 有 し 又 は 利 用 してはならない 改 正 草 案 第 十 四 条 第 3 項 は 日 本 国 憲 法 が 栄 典 の 授 与 がいかなる 特 権 も 伴 はない と しているのに 対 して これを 削 除 し 単 に 栄 誉 勲 章 その 他 の 栄 典 の 授 与 は 現 にこれを 有 し 又 は 将 来 これを 受 ける 者 の 一 代 に 限 り その 効 力 を 有 する とした つまり 一 代 限 りであ れば 特 権 を 認 める 趣 旨 に 転 換 されたともいえる 同 じく 第 十 五 条 第 3 項 は 公 務 員 の 選 定 罷 免 権 限 の 主 体 を 日 本 国 籍 を 有 する 成 年 者 とした 日 本 国 憲 法 にも 旧 草 案 ににもなかった 記 述 である 地 方 参 政 権 の 国 籍 要 件 は 立 法 政 策 の 問 題 であるとするのが 憲 法 学 説 の 多 数 説 であり 最 高 裁 判 所 の 立 場 である 改 正 草 案 の 規 定 は これまでの 学 説 や 判 例 の 積 み 重 ねを 憲 法 改 正 によって 一 蹴 しようとするも のであり 問 題 がある 社 民 党 政 策 審 議 会 13/05/08 さらに 改 正 草 案 第 十 八 条 は 現 憲 法 第 十 八 条 が 定 める 奴 隷 的 拘 束 の 禁 止 規 定 を 外 し 何 人 も その 意 に 反 すると 否 とにかかわらず 社 会 的 又 は 経 済 的 関 係 において 身 体 を 拘 束 されない と 言 い 換 えた 奴 隷 的 拘 束 の 禁 止 と 社 会 的 又 は 経 済 的 関 係 において 身 体 を 拘 束 されない という 規 定 は 意 味 的 には 似 ているが 後 者 の 方 が 対 象 の 幅 が 狭 い 社 会 的 又 は 経 済 的 関 係 と 限 定 しているため 例 えばかつての 予 防 拘 禁 のように 政 治 的 あるい は 軍 事 的 関 係 における 身 体 拘 束 は 禁 止 されないこととなりかねないのである 改 正 草 案 第 十 九 条 の 二 は 何 人 も 個 人 に 関 する 情 報 を 不 当 に 取 得 し 保 有 し 又 は 利 用 してはならない と 定 めた 何 人 にも つまり 私 人 も 含 めて 個 人 情 報 不 当 取 得 禁 止 を 課 する 規 定 であり 立 憲 主 義 の 立 場 から 問 題 である 情 報 の 自 由 な 流 通 は 表 現 の 自 由 の 本 質 部 分 であるが このように 情 報 取 得 が 制 約 されると 表 現 の 自 由 や 報 道 の 自 由 が 抑 制 され るおそれは 強 い 正 当 な 情 報 取 得 や 利 用 以 外 が 禁 じられれば 報 道 も 公 式 の 大 本 営 発 表 の みとなり 政 治 家 や 公 務 員 の 適 格 性 を 判 断 する 材 料 も 得 られなくなる 可 能 性 も 生 まれるだろ う ちなみに 旧 草 案 では 何 人 も 自 己 に 関 する 情 報 を 不 当 に 取 得 され 保 有 され 又 は 利 用 されない として 取 得 されない 権 利 を 規 定 していたが 改 正 草 案 では 情 報 の 取 得 保 有 利 用 を してはならない 義 務 に 転 換 された - 14 -

改 正 草 案 は いくつかのいわゆる 新 しい 権 利 を 導 入 したと 言 われることがある 障 害 者 差 別 の 禁 止 ( 第 一 四 条 第 四 十 四 条 ) 国 の 説 明 責 任 ( 第 二 十 一 条 の 二 ) 環 境 権 ( 第 二 十 五 条 の 二 ) 犯 罪 被 害 者 の 権 利 ( 第 二 十 五 条 の 四 )などである 例 えば 改 正 草 案 第 二 十 一 条 の 二 の 規 定 が 知 る 権 利 などと 称 される 場 合 があるが 実 際 には 一 般 的 な 国 の 説 明 責 任 を 定 めているに 過 ぎないし 環 境 権 といっても 国 の 環 境 保 全 の 努 力 義 務 に 過 ぎない もちろ んこうした 権 利 を 保 障 していくこと 自 体 は 必 要 だが 憲 法 上 に 明 文 の 規 定 が 無 くとも 憲 法 施 行 から65 年 にわたる 運 動 や 訴 訟 の 中 で 解 釈 によってすで 憲 法 上 の 根 拠 が 与 えられてお り あえて 憲 法 に 明 文 規 定 を 設 ける 実 質 的 な 意 味 は 無 いのである これまで 自 民 党 がこうした 新 しい 権 利 の 実 現 に 背 を 向 け 続 けてきたことを 考 えても こうし た 新 しい 権 利 は 世 論 を 引 きつけようとする 方 便 に 過 ぎないことは 明 らかである 政 教 分 離 原 則 靖 国 公 式 参 拝 を 合 憲 化 表 現 結 社 の 自 由 の 前 に 公 益 日 本 国 憲 法 自 民 党 改 正 草 案 ( 信 教 の 自 由 ) 第 二 十 条 信 教 の 自 由 は 何 人 に 対 してもこれを 保 第 二 十 条 信 教 の 自 由 は 保 障 する 国 は いかなる 障 する いかなる 宗 教 団 体 も 国 から 特 権 を 受 け 又 宗 教 団 体 に 対 しても 特 権 を 与 えてはならない は 政 治 上 の 権 力 を 行 使 してはならない 2 何 人 も 宗 教 上 の 行 為 祝 典 儀 式 又 は 行 事 に 参 2 何 人 も 宗 教 上 の 行 為 祝 典 儀 式 又 は 行 事 に 参 加 することを 強 制 されない ( 変 更 なし) 加 することを 強 制 されない 3 国 及 び 地 方 自 治 体 その 他 の 公 共 団 体 は 特 定 の 3 国 及 びその 機 関 は 宗 教 教 育 その 他 いかなる 宗 教 宗 教 のための 教 育 その 他 の 宗 教 的 活 動 をしてはなら 的 活 動 もしてはならない ない ただし 社 会 的 儀 礼 又 は 習 俗 的 行 為 の 範 囲 を 超 えないものについては この 限 りではない ( 表 現 の 自 由 ) 第 二 十 一 条 集 会 結 社 及 び 言 論 出 版 その 他 一 切 の 表 現 の 自 由 は 保 障 する 第 二 十 一 条 集 会 結 社 及 び 言 論 出 版 その 他 一 切 2 前 項 の 規 定 にかかわらず 公 益 及 び 公 の 秩 序 を の 表 現 の 自 由 は これを 保 障 する 害 することを 目 的 とした 活 動 を 行 い 並 びにそれを 目 新 設 的 として 結 社 をすることは 認 められない 3 検 閲 は してはならない 通 信 の 秘 密 は 侵 しては ならない 2 検 閲 は これをしてはならない 通 信 の 秘 密 は こ れを 侵 してはならない ( 国 政 上 の 行 為 に 関 する 説 明 の 責 務 ) 第 二 十 一 条 の 二 国 は 国 政 上 の 行 為 につき 国 民 に 説 明 する 責 務 を 負 う 新 設 ( 居 住 移 転 及 び 職 業 選 択 等 の 自 由 等 ) 第 二 十 二 条 何 人 も 居 住 移 転 及 び 職 業 選 択 の 自 由 を 有 する 第 二 十 二 条 何 人 も 公 共 の 福 祉 に 反 しない 限 り 居 2 全 て 国 民 は 外 国 に 移 住 し 又 は 国 籍 を 離 脱 する 住 移 転 及 び 職 業 選 択 の 自 由 を 有 する 自 由 を 有 する 2 何 人 も 外 国 に 移 住 し 又 は 国 籍 を 離 脱 する 自 由 を 侵 されない ( 学 問 の 自 由 ) 第 二 十 三 条 学 問 の 自 由 は 保 障 する - 15 -

第 二 十 三 条 学 問 の 自 由 は これを 保 障 する 戦 前 国 家 神 道 が 軍 国 主 義 と 一 体 となって 国 民 を 戦 争 に 駆 り 立 ていったことに 対 する 深 い 反 省 にもとづき 日 本 国 憲 法 二 十 条 第 1 項 は 宗 教 団 体 が 政 治 上 の 権 力 を 行 使 してはならな いことを 明 示 しているが 改 正 草 案 二 十 条 第 1 項 はそれを 除 外 した 同 じく 第 二 十 条 第 3 項 で 国 及 びその 機 関 は 宗 教 教 育 その 他 いかなる 宗 教 的 活 動 もし てはならない と 規 定 し 厳 格 に 政 教 分 離 を 定 めている 改 正 草 案 はこれに 社 会 的 儀 礼 の 範 囲 内 にある 場 合 を 除 き と 解 除 規 定 を 加 えることによって 政 教 分 離 規 定 を 大 幅 に 緩 和 している 社 会 的 儀 礼 という 名 目 さえつければ 靖 国 神 社 への 公 式 参 拝 や 各 地 の 護 国 神 社 等 への 首 長 の 参 拝 や 玉 串 料 等 への 公 金 支 出 も 許 されることになるだろう 首 相 の 靖 国 参 拝 等 に 関 して 違 憲 判 決 が 相 次 いでいる 状 況 に 対 して 改 正 草 案 は 現 憲 法 第 二 十 条 第 八 十 九 条 の 政 教 分 離 原 則 そのものを 骨 抜 きにするという 恥 知 らずな 回 答 を 出 したのである 政 教 分 離 原 則 の 換 骨 奪 胎 は 宗 教 的 少 数 派 への 弾 圧 につながりかねず 少 数 派 の 人 権 保 障 という 立 憲 主 義 の 価 値 を 骨 抜 きにするものだ 穿 った 見 方 をすれば 国 防 軍 の 国 際 的 に 協 調 した 軍 事 活 動 によって 生 じるかも 知 れない 戦 死 者 を 新 たな 英 霊 として 合 祀 し 慰 霊 することが 目 指 されているかもしれない また 改 正 草 案 第 二 十 一 条 第 2 項 は 表 現 活 動 集 会 結 社 の 自 由 について 公 益 及 び 公 の 秩 序 を 害 することを 目 的 とした 活 動 を 行 い 並 びにそれを 目 的 として 結 社 をすること は 認 められない として 表 現 活 動 や 集 会 結 社 への 制 限 を 明 文 化 した 目 的 による 歯 止 め は 曖 昧 であり 歯 止 めとして 機 能 しないし 実 際 に 表 現 活 動 や 集 会 結 社 が 制 限 されるに 至 ら なくとも 国 民 の 表 現 行 為 や 結 社 の 自 由 を 萎 縮 させるおそれは 強 い 男 女 平 等 と 生 存 権 個 人 の 前 に 家 族 助 け 合 いの 義 務 日 本 国 憲 法 自 民 党 改 正 草 案 ( 婚 姻 及 び 家 族 に 関 する 基 本 原 則 ) 第 二 十 四 条 家 族 は 社 会 の 自 然 かつ 基 礎 的 な 単 位 として 尊 重 される 家 族 は 互 いに 助 け 合 わなけ ればならない 第 二 十 四 条 婚 姻 は 両 性 の 合 意 のみに 基 いて 成 2 婚 姻 は 両 性 の 合 意 に 基 づいて 成 立 し 夫 婦 が 立 し 夫 婦 が 同 等 の 権 利 を 有 することを 基 本 として 同 等 の 権 利 を 有 することを 基 本 として 相 互 の 協 力 に 相 互 の 協 力 により 維 持 されなければならない より 維 持 されなければならない 2 配 偶 者 の 選 択 財 産 権 相 続 住 居 の 選 定 離 婚 並 びに 婚 姻 及 び 家 族 に 関 するその 他 の 事 項 に 関 して 2 家 族 扶 養 後 見 婚 姻 及 び 離 婚 財 産 権 相 続 は 法 律 は 個 人 の 尊 厳 と 両 性 の 本 質 的 平 等 に 立 脚 並 びに 親 族 に 関 するその 他 の 事 項 に 関 しては 法 律 して 制 定 されなければならない は 個 人 の 尊 厳 と 両 性 の 本 質 的 平 等 に 立 脚 して 制 定 されなければならない 社 民 党 政 策 審 議 会 13/05/08 第 二 十 五 条 すべて 国 民 は 健 康 で 文 化 的 な 最 低 ( 生 存 権 等 ) 限 度 の 生 活 を 営 む 権 利 を 有 する 第 二 十 五 条 全 て 国 民 は 健 康 で 文 化 的 な 最 低 限 2 国 は すべての 生 活 部 面 について 社 会 福 祉 社 度 の 生 活 を 営 む 権 利 を 有 する 会 保 障 及 び 公 衆 衛 生 の 向 上 及 び 増 進 に 努 めなけれ 2 国 は 国 民 生 活 のあらゆる 側 面 において 社 会 福 ばならない 祉 社 会 保 障 及 び 公 衆 衛 生 の 向 上 及 び 増 進 に 努 め なければならない - 16 -

憲 法 第 二 十 四 条 は 婚 姻 家 族 を 平 等 な 個 人 の 自 由 意 思 による 結 合 によって 維 持 される ものと 規 定 し 家 父 長 支 配 のもとで 女 性 を 無 権 利 状 態 においていた 戦 前 の 家 制 度 を 根 本 か ら 否 定 した 非 常 に 重 要 な 条 項 である これに 対 して 改 正 草 案 は 家 族 が 社 会 の 自 然 かつ 基 礎 的 な 単 位 として 尊 重 される 旨 と 家 族 の 助 け 合 い 義 務 を 現 憲 法 第 二 十 四 条 の 前 に 挿 入 した Q&A によれば 家 族 は 社 会 の 極 めて 重 要 な 存 在 だが 昨 今 家 族 の 絆 が 薄 くなってきているので 家 族 を 尊 重 し 互 いに 助 け 合 わなければならないことから 規 定 をおいた としている 家 族 が 助 け 合 うかどうかは 個 人 のライフスタイルや 経 済 状 況 社 会 環 境 の 問 題 であり 憲 法 で 国 民 に 義 務 づける 問 題 ではない 権 力 制 限 規 範 としての 憲 法 にそぐわないだけではな く 人 や 家 族 を 個 人 の 上 位 価 値 として 持 ち 出 すことは 個 人 の 尊 重 を 前 提 とする 近 代 立 憲 主 義 に 反 するからである 立 憲 主 義 の 究 極 の 価 値 は 個 人 の 尊 重 にあるのであり 家 族 団 体 集 団 社 会 ひいては 国 家 が 個 人 よりも 優 位 に 立 つかのような 表 現 は 立 憲 主 義 に 逆 行 するものと 言 わざるをえない 個 人 の 生 き 方 は 多 様 であり あるべき 家 族 の 姿 は 一 律 ではない 最 終 的 には 個 人 の 内 心 に 委 ねられるべき 問 題 であり 国 家 が 介 入 する 問 題 ではないし ましてや 国 家 権 力 を 縛 って 国 民 の 自 由 を 確 保 するための 立 憲 主 義 憲 法 に 定 めるべき 内 容 ではない また この 規 定 を 生 存 権 規 定 ( 第 二 十 五 条 )の 前 に 置 くことは 国 家 による 社 会 福 祉 社 会 保 障 の 充 実 よりも 家 族 による 扶 助 義 務 を 優 先 させる 志 向 を 読 み 取 ることができる 社 会 保 障 改 革 推 進 法 のように 国 の 社 会 保 障 充 実 の 責 務 より 自 己 責 任 自 助 努 力 を 推 進 する 背 景 と なることも 危 惧 される 改 憲 派 憲 法 学 者 小 林 節 慶 応 大 学 教 授 へのインタビューから ( 改 正 草 案 第 24 条 は) 家 族 は 互 いに 助 け 合 わなければならない とある ほんと 余 計 なお 世 話 だ ね 憲 法 が 国 民 の 私 生 活 や 道 徳 に 介 入 すべきじゃないんです ( 毎 日 新 聞 2013 年 4 月 9 日 夕 刊 特 集 ワイド より) その 他 の 国 民 の 権 利 と 義 務 新 しい 権 利 と 公 益 による 制 約 日 本 国 憲 法 自 民 党 改 正 草 案 ( 環 境 保 全 の 責 務 ) 第 二 十 五 条 の 二 国 は 国 民 と 強 力 して 国 民 が 良 好 な 環 境 を 享 受 することができるようにその 保 全 に 努 めなければならない ( 在 外 国 民 の 保 護 ) 第 二 十 五 条 の 三 国 は 国 外 において 緊 急 事 態 が 生 じたときは 在 外 国 民 の 保 護 に 努 めなければならない ( 犯 罪 被 害 者 等 への 配 慮 ) 第 二 十 五 条 の 四 国 は 犯 罪 被 害 者 及 びその 家 族 の 人 権 及 び 処 遇 に 配 慮 しなければならない ( 教 育 に 関 する 権 利 及 び 義 務 等 ) 第 二 十 六 条 全 て 国 民 は 法 律 の 定 めるところにより - 17 -

その 能 力 に 応 じて 等 しく 教 育 を 受 ける 権 利 を 有 する 2 全 て 国 民 は 法 律 の 定 めるところにより その 保 護 する 子 に 普 通 教 育 を 受 けさせる 義 務 を 負 う 義 務 教 育 第 二 十 六 条 すべて 国 民 は 法 律 の 定 めるところによ は これを 無 償 とする り その 能 力 に 応 じて ひとしく 教 育 を 受 ける 権 利 を 有 3 国 は 教 育 が 国 の 未 来 を 切 り 拓 く 上 で 欠 くこと する ができないものであることに 鑑 み 教 育 環 境 の 整 備 2すべて 国 民 は 法 律 の 定 めるところにより その 保 護 に 努 めなければならない する 子 女 に 普 通 教 育 を 受 けさせる 義 務 を 負 ふ 義 務 教 育 は これを 無 償 とする ( 勤 労 の 権 利 及 び 義 務 等 ) 第 二 十 七 条 全 て 国 民 は 勤 労 の 権 利 を 有 し 義 務 を 負 う 第 二 十 七 条 すべて 国 民 は 勤 労 の 権 利 を 有 し 義 2 賃 金 就 業 時 間 休 息 その 他 の 勤 労 条 件 に 関 する 務 を 負 ふ 基 準 は 法 律 で 定 める 2 賃 金 就 業 時 間 休 息 その 他 の 勤 労 条 件 に 関 する 3 何 人 も 児 童 を 酷 使 してはならない 基 準 は 法 律 でこれを 定 める 3 児 童 は これを 酷 使 してはならない ( 勤 労 者 の 団 結 権 等 ) 第 二 十 八 条 勤 労 者 の 団 結 する 権 利 及 び 団 体 交 渉 そ の 他 の 団 体 行 動 をする 権 利 は 保 障 する 第 二 十 八 条 勤 労 者 の 団 結 する 権 利 及 び 団 体 交 渉 そ 2 公 務 員 については 全 体 の 奉 仕 者 であることに 鑑 の 他 の 団 体 行 動 をする 権 利 は これを 保 障 する み 法 律 の 定 めるところにより 前 項 に 規 定 する 権 利 の 全 部 又 は 一 部 を 制 限 することができる この 場 合 におい ては 公 務 員 の 勤 労 条 件 を 改 善 するため 必 要 な 措 置 が 講 じられなければならない ( 財 産 権 ) 第 二 十 九 条 財 産 権 は 保 障 する 2 財 産 権 の 内 容 は 公 益 及 び 公 の 秩 序 に 適 合 するよ 第 二 十 九 条 財 産 権 は これを 侵 してはならない うに 法 律 で 定 める この 場 合 において 知 的 財 産 権 に 2 財 産 権 の 内 容 は 公 共 の 福 祉 に 適 合 するやうに 法 ついては 国 民 の 知 的 創 造 力 の 向 上 に 資 するように 律 でこれを 定 める 配 慮 しなければならない 3 私 有 財 産 は 正 当 な 補 償 の 下 に 公 共 のために 用 いることができる 3 私 有 財 産 は 正 当 な 補 償 の 下 に これを 公 共 のため に 用 ひることができる ( 納 税 の 義 務 ) 第 三 十 条 国 民 は 法 律 の 定 めるところにより 納 税 の 義 務 を 負 う 第 三 十 条 国 民 は 法 律 の 定 めるところにより 納 税 の 義 務 を 負 ふ 社 民 党 政 策 審 議 会 13/05/08 改 正 草 案 二 十 五 条 の 二 から 四 は 前 述 したいわゆる 新 しい 権 利 である 改 正 草 案 第 二 十 五 条 の 二 は いわゆる 環 境 権 である 改 憲 のプラスイメージを 強 調 す る 趣 旨 で 新 しい 権 利 を 盛 り 込 んだといわれるが 大 きな 意 味 があるとはいえない 環 境 権 は 基 本 的 人 権 ではなく 国 の 努 力 義 務 としているに 過 ぎず 国 民 と 協 力 して とあることからわ かるように 国 民 にも 環 境 保 全 義 務 を 課 するものだ すでに 憲 法 解 釈 として 裁 判 実 務 で 認 め られている 環 境 権 が 否 定 されるおそれすらある 改 正 草 案 第 二 十 五 条 の 三 には 国 が 在 外 国 民 の 保 護 に 努 めなければならない 旨 を 規 定 している Q&A によれば グローバル 化 が 進 んだ 現 在 海 外 にいる 日 本 人 の 安 全 を 国 - 18 -

が 担 保 する 責 務 を 憲 法 に 書 き 込 むべきものであるとの 観 点 から 規 定 を 置 いたとしている 国 が 国 民 の 保 護 に 努 めることは 当 然 だが 国 防 軍 を 持 つ 体 制 の 下 では 容 易 に 海 外 派 兵 の 根 拠 規 定 になる 可 能 性 がある 日 本 の 侵 略 戦 争 は 台 湾 出 兵 朝 鮮 出 兵 義 和 団 事 件 シベリア 出 兵 山 東 出 兵 など 多 くが 在 外 国 民 保 護 目 的 で 行 なわれたことを 忘 れてはならな い 改 正 草 案 第 二 十 五 条 の 四 は 犯 罪 被 害 者 等 への 配 慮 を 定 めた これは 被 告 人 被 疑 者 の 人 権 規 定 と 矛 盾 し それらの 人 権 を 実 現 する 妨 げになるおそれがある そもそも 憲 法 が 刑 事 手 続 上 の 人 権 を 定 めたのは 被 疑 者 被 告 人 の 利 害 が 国 家 と 対 立 する 構 造 にある ことが 本 質 的 な 理 由 である このような 規 定 をあえて 憲 法 に 置 くことは 被 疑 者 被 告 人 と 対 立 するのが 国 家 ではなく 被 害 者 であるかのような 誤 解 を 生 じかねない 被 害 者 の 保 護 は 刑 事 手 続 上 の 重 要 な 課 題 ではあるが 立 法 や 行 政 が 対 応 すべき 問 題 であり 憲 法 上 の 規 定 の 問 題 とはいえない 改 正 草 案 第 二 十 六 条 の 第 3 項 には 教 育 環 境 の 整 備 に 関 する 記 述 が 加 えられた 教 育 環 境 の 整 備 はもちろん 必 要 であるが ここにこのような 努 力 義 務 が 規 定 されることに 具 体 的 な 意 味 があるとは 考 えられない 教 育 が 国 の 未 来 を 切 り 拓 く 上 で 欠 くことができないものである ことに 鑑 み とされたことで 子 ども 一 人 一 人 のための 教 育 より 国 家 のための 教 育 が 優 先 されることになりかねない 教 育 環 境 整 備 の 名 の 下 に 教 育 への 介 入 の 手 掛 かりに 使 われ る 危 険 の 方 が 大 きいのではないか 改 正 草 案 第 二 十 八 条 は 第 1 項 で 労 働 三 権 を 保 障 した 後 あらたに 第 2 項 では 公 務 員 について 全 体 の 奉 仕 者 であることに 鑑 み て 前 項 に 規 定 する 権 利 の 全 部 又 は 一 部 を 制 限 することができる ことを 規 定 した 公 務 員 の 人 権 制 限 の 根 拠 を 全 体 の 奉 仕 者 に 求 めること には 憲 法 学 上 も 異 論 が 強 い この 規 定 は 公 務 員 の 労 働 基 本 権 の 制 約 を 合 憲 化 するものに ほかならない 改 正 草 案 第 二 十 九 条 は 第 2 項 で 財 産 権 の 内 容 は 公 益 及 び 公 の 秩 序 に 適 合 するよ うに 法 律 で 定 める この 場 合 において 知 的 財 産 権 については 国 民 の 知 的 創 造 力 の 向 上 に 資 するように 配 慮 しなければならない と 定 めた 財 産 権 に 対 抗 するのはこれまでは 公 共 の 福 祉 であったが これによって 公 益 及 び 公 の 秩 序 が 優 先 されることとなる 財 産 権 が 公 共 事 業 や 原 発 基 地 など 公 益 とされるものと 適 合 することを 求 められることにもつな がりかねない また Q&A によれば 特 許 権 等 の 保 護 が 過 剰 になり かえって 経 済 活 動 の 過 度 の 妨 げにならないよう 配 慮 する とのことであるが 創 造 的 な 活 動 より 経 済 活 動 を 優 先 させる 姿 勢 には 問 題 がある 適 正 手 続 の 保 障 意 味 のない 用 字 用 語 の 整 理 日 本 国 憲 法 自 民 党 改 正 草 案 ( 適 正 手 続 の 保 障 ) 第 三 十 一 条 何 人 も 法 律 の 定 める 手 続 によらなけれ 第 三 十 一 条 何 人 も 法 律 の 定 める 適 正 な 手 続 によら ば その 生 命 若 しくは 自 由 を 奪 はれ 又 はその 他 の 刑 なければ その 生 命 若 しくは 自 由 を 奪 われ 又 はその 罰 を 科 せられない 他 の 刑 罰 を 科 せられない ( 裁 判 を 受 ける 権 利 ) 第 三 十 二 条 何 人 も 裁 判 所 において 裁 判 を 受 ける 第 三 十 二 条 何 人 も 裁 判 所 において 裁 判 を 受 ける - 19 -

権 利 を 奪 はれない 権 利 を 奪 われない ( 逮 捕 に 関 する 手 続 の 保 障 ) 第 三 十 三 条 何 人 も 現 行 犯 として 逮 捕 される 場 合 を 第 三 十 三 条 何 人 も 現 行 犯 として 逮 捕 される 場 合 を 除 いては 権 限 を 有 する 司 法 官 憲 が 発 し 且 つ 理 由 と 除 いては 裁 判 官 が 発 し かつ 理 由 となつている 犯 罪 なつてゐる 犯 罪 を 明 示 する 令 状 によらなければ 逮 捕 を 明 示 する 令 状 によらなければ 逮 捕 されない されない ( 抑 留 及 び 拘 禁 に 関 する 手 続 の 保 障 ) 第 三 十 四 条 何 人 も 正 当 な 理 由 がなく 若 しくは 理 第 三 十 四 条 何 人 も 理 由 を 直 ちに 告 げられ 且 つ 由 を 直 ちに 告 げられることなく 又 は 直 ちに 弁 護 人 に 依 直 ちに 弁 護 人 に 依 頼 する 権 利 を 与 へられなければ 抑 頼 する 権 利 を 与 えらることなく 抑 留 され 又 は 拘 禁 され 留 又 は 拘 禁 されない 又 何 人 も 正 当 な 理 由 がなけ ない れば 拘 禁 されず 要 求 があれば その 理 由 は 直 ち 2 拘 禁 された 者 は 拘 禁 の 理 由 を 直 ちに 本 人 及 びそ に 本 人 及 びその 弁 護 人 の 出 席 する 公 開 の 法 廷 で 示 さ の 弁 護 人 の 出 席 する 公 開 の 法 廷 で 示 すことを 求 める 権 れなければならない 利 を 有 する ( 住 居 等 の 不 可 侵 ) 第 三 十 五 条 何 人 も 正 当 な 理 由 に 基 づいて 発 せら 第 三 十 五 条 何 人 も その 住 居 書 類 及 び 所 持 品 に れ かつ 捜 索 する 場 所 及 び 押 収 する 物 を 明 示 する 令 ついて 侵 入 捜 索 及 び 押 収 を 受 けることのない 権 利 状 によらなければ その 住 居 書 類 及 び 所 持 品 につい は 第 三 十 三 条 の 場 合 を 除 いては 正 当 な 理 由 に 基 い て 侵 入 捜 索 又 は 押 収 を 受 けない ただし 第 三 十 三 て 発 せられ 且 つ 捜 索 する 場 所 及 び 押 収 する 物 を 明 示 条 の 規 定 により 逮 捕 される 場 合 は この 限 りではない する 令 状 がなければ 侵 されない 2 前 項 本 文 の 規 定 による 捜 索 又 は 押 収 は 裁 判 官 が 発 する 各 別 の 令 状 によって 行 う 2 捜 索 又 は 押 収 は 権 限 を 有 する 司 法 官 憲 が 発 する 各 別 の 令 状 により これを 行 ふ ( 拷 問 及 び 残 虐 な 刑 罰 の 禁 止 ) 第 三 十 六 条 公 務 員 による 拷 問 及 び 残 虐 な 刑 罰 は 禁 止 する 第 三 十 六 条 公 務 員 による 拷 問 及 び 残 虐 な 刑 罰 は 絶 対 にこれを 禁 ずる ( 刑 事 被 告 人 の 権 利 ) 第 三 十 七 条 全 て 刑 事 事 件 においては 被 告 人 は 公 平 な 裁 判 所 の 迅 速 な 公 開 裁 判 を 受 ける 権 利 を 有 す 第 三 十 七 条 すべて 刑 事 事 件 においては 被 告 人 る は 公 平 な 裁 判 所 の 迅 速 な 公 開 裁 判 を 受 ける 権 利 を 2 被 告 人 は 全 ての 証 人 に 対 して 審 問 する 機 会 を 十 有 する 分 に 与 えられる 権 利 及 び 公 費 で 自 己 のために 強 制 的 2 刑 事 被 告 人 は すべての 証 人 に 対 して 審 問 する 機 手 続 により 証 人 を 求 める 権 利 を 有 する 会 を 充 分 に 与 へられ 又 公 費 で 自 己 のために 強 制 的 3 被 告 人 は いかなる 場 合 にも 資 格 を 有 する 弁 護 人 手 続 により 証 人 を 求 める 権 利 を 有 する を 依 頼 することができる 被 告 人 が 自 らこれを 依 頼 する 3 刑 事 被 告 人 は いかなる 場 合 にも 資 格 を 有 する 弁 ことができないときは 国 でこれを 付 する 護 人 を 依 頼 することができる 被 告 人 が 自 らこれを 依 頼 することができないときは 国 でこれを 附 する ( 刑 事 事 件 における 自 白 等 ) 第 三 十 八 条 何 人 も 自 己 に 不 利 益 な 供 述 を 強 要 さ れない 第 三 十 八 条 何 人 も 自 己 に 不 利 益 な 供 述 を 強 要 さ 2 拷 問 脅 迫 その 他 の 強 制 による 自 白 又 は 不 当 に 長 れない く 抑 留 され 若 しくは 拘 禁 された 後 の 自 白 は 証 拠 とす 2 強 制 拷 問 若 しくは 脅 迫 による 自 白 又 は 不 当 に 長 く ることができない 社 民 党 政 策 審 議 会 13/05/08-20 -

抑 留 若 しくは 拘 禁 された 後 の 自 白 は これを 証 拠 とする 3 何 人 も 自 己 に 不 利 益 な 唯 一 の 証 拠 が 本 人 の 自 白 ことができない である 場 合 には 有 罪 とされない 3 何 人 も 自 己 に 不 利 益 な 唯 一 の 証 拠 が 本 人 の 自 白 である 場 合 には 有 罪 とされ 又 は 刑 罰 を 科 せられな ( 遡 及 処 罰 等 の 禁 止 ) い 第 三 十 九 条 何 人 も 実 行 の 時 に 違 法 ではなかった 行 為 又 は 既 に 無 罪 とされた 行 為 については 刑 事 上 の 第 三 十 九 条 何 人 も 実 行 の 時 に 適 法 であつた 行 為 責 任 を 問 われない 同 一 の 犯 罪 については 重 ねて 刑 又 は 既 に 無 罪 とされた 行 為 については 刑 事 上 の 責 任 事 上 の 責 任 を 問 われない を 問 はれない 又 同 一 の 犯 罪 について 重 ねて 刑 事 上 の 責 任 を 問 はれない ( 刑 事 補 償 を 求 める 権 利 ) 第 四 十 条 何 人 も 抑 留 され 又 は 拘 禁 された 後 裁 判 の 結 果 無 罪 となったときは 法 律 の 定 めるところによ 第 四 十 条 何 人 も 抑 留 又 は 拘 禁 された 後 無 罪 の 裁 り 国 にその 補 償 を 求 めることができる 判 を 受 けたときは 法 律 の 定 めるところにより 国 にその 補 償 を 求 めることができる この 部 分 は 基 本 的 に 用 字 用 語 の 整 理 が 中 心 の 変 更 だ 改 正 草 案 全 体 を 通 して す べて を 全 て に 変 えるとか 逆 に 旦 し を ただし に 直 したり これを といった 指 示 代 名 詞 をとったりする 修 文 に 熱 中 しているが 実 質 的 な 意 味 がまったくない 改 正 だ 法 文 としての 趣 旨 と 内 容 が 明 確 であればよいのであって こうした 趣 味 的 な 文 章 の 修 文 は 百 害 あって 一 利 無 しと 言 わざるをえない 解 釈 の 議 論 のある 部 分 についても 憲 法 施 行 から65 年 の 運 用 の 中 で 学 説 や 判 例 が 積 み 重 なって 収 斂 してきているのであり 改 正 草 案 のような 全 面 改 正 はこ うした 長 年 の 努 力 を 無 に 帰 すものにほかならないのである なお 改 正 草 案 第 三 十 六 条 は 拷 問 及 び 残 虐 な 刑 罰 を 絶 対 的 に 禁 止 としている 現 憲 法 三 十 六 条 から 絶 対 に をはずし 単 に 禁 止 するにとどめた 絶 対 を 外 せば 規 範 力 が 低 下 するであろう 国 会 首 相 に 恣 意 的 な 解 散 権 を 与 え 答 弁 拒 否 も 可 能 に 日 本 国 憲 法 自 民 党 改 正 草 案 第 四 章 国 会 第 四 章 国 会 ( 国 会 と 立 法 権 ) 第 四 十 一 条 国 会 は 国 権 の 最 高 機 関 であつて 国 第 四 十 一 条 国 会 は 国 権 の 最 高 機 関 であって 国 の 唯 一 の 立 法 機 関 である の 唯 一 の 立 法 機 関 である ( 両 議 院 ) 第 四 十 二 条 国 会 は 衆 議 院 及 び 参 議 院 の 両 議 院 第 四 十 二 条 国 会 は 衆 議 院 及 び 参 議 院 の 両 議 院 でこれを 構 成 する で 構 成 する ( 両 議 院 の 組 織 ) 第 四 十 三 条 両 議 院 は 全 国 民 を 代 表 する 選 挙 され 第 四 十 三 条 両 議 院 は 全 国 民 を 代 表 する 選 挙 され た 議 員 でこれを 組 織 する た 議 員 で 組 織 する 2 両 議 院 の 議 員 の 定 数 は 法 律 でこれを 定 める 2 両 議 院 の 議 員 の 定 数 は 法 律 で 定 める ( 議 員 及 び 選 挙 人 の 資 格 ) - 21 -

第 四 十 四 条 両 議 院 の 議 員 及 びその 選 挙 人 の 資 格 第 四 十 四 条 両 議 院 の 議 員 及 びその 選 挙 人 の 資 格 は 法 律 でこれを 定 める 但 し 人 種 信 条 性 別 社 は 法 律 で 定 める この 場 合 においては 人 種 信 会 的 身 分 門 地 教 育 財 産 又 は 収 入 によつて 差 別 条 性 別 障 害 の 有 無 社 会 的 身 分 門 地 教 育 財 してはならない 産 又 は 収 入 によって 差 別 してはならない ( 衆 議 院 議 員 の 任 期 ) 第 四 十 五 条 衆 議 院 議 員 の 任 期 は 四 年 とする 但 第 四 十 五 条 衆 議 院 議 員 の 任 期 は 四 年 とする た し 衆 議 院 解 散 の 場 合 には その 期 間 満 了 前 に 終 了 だし 衆 議 院 が 解 散 された 場 合 には その 期 間 満 了 する 前 に 終 了 する ( 参 議 院 議 員 の 任 務 ) 第 四 十 六 条 参 議 院 議 員 の 任 期 は 六 年 とし 三 年 第 四 十 六 条 参 議 院 議 員 の 任 期 は 六 年 とし 三 年 ごとに 議 員 の 半 数 を 改 選 する ごとに 議 員 の 半 数 を 改 選 する ( 選 挙 に 関 する 事 項 ) 第 四 十 七 条 選 挙 区 投 票 の 方 法 その 他 両 議 院 の 第 四 十 七 条 選 挙 区 投 票 の 方 法 その 他 両 議 院 の 議 員 の 選 挙 に 関 する 事 項 は 法 律 でこれを 定 める 議 員 の 選 挙 に 関 する 事 項 は 法 律 で 定 める この 場 合 においては 各 選 挙 区 は 人 口 を 基 本 とし 行 政 区 画 地 勢 等 を 総 合 的 に 勘 案 して 定 めなければ ならない ( 両 議 院 議 員 兼 職 の 禁 止 ) 第 四 十 八 条 何 人 も 同 時 に 両 議 院 の 議 員 たること 第 四 十 八 条 何 人 も 同 時 に 両 議 院 の 議 員 となること はできない はできない ( 議 員 の 歳 費 ) 第 四 十 九 条 両 議 院 の 議 員 は 法 律 の 定 めるところ 第 四 十 九 条 両 議 院 の 議 員 は 法 律 の 定 めるところ により 国 庫 から 相 当 額 の 歳 費 を 受 ける により 国 庫 から 相 当 額 の 歳 費 を 受 ける 社 民 党 政 策 審 議 会 13/05/08 ( 議 員 の 不 逮 捕 特 権 ) 第 五 十 条 両 議 院 の 議 員 は 法 律 の 定 める 場 合 を 除 第 五 十 条 両 議 院 の 議 員 は 法 律 の 定 める 場 合 を 除 いては 国 会 の 会 期 中 逮 捕 されず 会 期 前 に 逮 捕 さ いては 国 会 の 会 期 中 逮 捕 されず 会 期 前 に 逮 捕 さ れた 議 員 は その 議 院 の 要 求 があれば 会 期 中 これ れた 議 員 は その 議 院 の 要 求 があるときは 会 期 中 こ を 釈 放 しなければならない れを 釈 放 しなければならない ( 議 員 の 免 責 特 権 ) 第 五 十 一 条 両 議 院 の 議 員 は 議 院 で 行 つた 演 説 第 五 十 一 条 両 議 院 の 議 員 は 議 院 で 行 った 演 説 討 論 又 は 表 決 について 院 外 で 責 任 を 問 はれない 討 論 又 は 表 決 について 院 外 で 責 任 を 問 われない ( 通 常 国 会 ) 第 五 十 二 条 国 会 の 常 会 は 毎 年 一 回 これを 召 集 す 第 五 十 二 条 通 常 国 会 は 毎 年 一 回 召 集 される る 新 設 2 通 常 国 会 の 会 期 は 法 律 で 定 める ( 臨 時 国 会 ) 第 五 十 三 条 内 閣 は 国 会 の 臨 時 会 の 召 集 を 決 定 第 五 十 三 条 内 閣 は 臨 時 国 会 の 召 集 を 決 定 するこ - 22 -

することができる いづれかの 議 院 の 総 議 員 の 四 分 の 一 以 上 の 要 求 があれば 内 閣 は その 召 集 を 決 定 し なければならない とができる いずれかの 議 院 の 総 議 員 の 四 分 の 一 以 上 の 要 求 があったときは 要 求 があった 日 から 二 十 日 以 内 に 臨 時 国 会 が 召 集 されなければならない ( 衆 議 院 の 解 散 と 衆 議 院 議 員 の 総 選 挙 特 別 国 会 及 び 参 議 院 の 緊 急 集 会 ) 第 五 十 四 条 衆 議 院 の 解 散 は 内 閣 総 理 大 臣 が 決 新 設 定 する 2 衆 議 院 が 解 散 されたときは 解 散 の 日 から 四 十 日 第 五 十 四 条 衆 議 院 が 解 散 されたときは 解 散 の 日 以 内 に 衆 議 院 議 員 の 総 選 挙 を 行 い その 選 挙 の 日 から 四 十 日 以 内 に 衆 議 院 議 員 の 総 選 挙 を 行 ひ そ から 三 十 日 以 内 に 特 別 国 会 が 召 集 されなければな の 選 挙 の 日 から 三 十 日 以 内 に 国 会 を 召 集 しなけれ らない ばならない 3 衆 議 院 が 解 散 されたときは 参 議 院 は 同 時 に 閉 2 衆 議 院 が 解 散 されたときは 参 議 院 は 同 時 に 閉 会 となる ただし 内 閣 は 国 に 緊 急 の 必 要 があるとき 会 となる 但 し 内 閣 は 国 に 緊 急 の 必 要 があるとき は 参 議 院 の 緊 急 集 会 を 求 めることができる は 参 議 院 の 緊 急 集 会 を 求 めることができる 4 前 項 ただし 書 の 緊 急 集 会 において 採 られた 措 置 3 前 項 但 書 の 緊 急 集 会 において 採 られた 措 置 は 臨 は 臨 時 のものであって 次 の 国 会 開 会 の 後 十 日 以 内 時 のものであつて 次 の 国 会 開 会 の 後 十 日 以 内 に 衆 に 衆 議 院 の 同 意 がない 場 合 には その 効 力 を 失 う 議 院 の 同 意 がない 場 合 には その 効 力 を 失 ふ ( 議 員 の 資 格 審 査 ) 第 五 十 五 条 両 議 院 は 各 々その 議 員 の 資 格 に 関 し 第 五 十 五 条 両 議 院 は 各 々その 議 員 の 資 格 に 関 争 いがあるときは これについて 審 査 し 議 決 する ただ する 争 訟 を 裁 判 する 但 し 議 員 の 議 席 を 失 はせるに し 議 員 の 議 席 を 失 わせるには 出 席 議 員 の 三 分 の は 出 席 議 員 の 三 分 の 二 以 上 の 多 数 による 議 決 を 必 二 以 上 の 多 数 による 議 決 を 必 要 とする 要 とする ( 表 決 及 び 定 足 数 ) 第 五 十 六 条 両 議 院 の 議 事 は この 憲 法 に 特 別 の 定 のある 場 合 を 除 いては 出 席 議 員 の 過 半 数 で 決 し 第 五 十 六 条 両 議 院 は 各 々その 総 議 員 の 三 分 の 可 否 同 数 のときは 議 長 の 決 するところによる 一 以 上 の 出 席 がなければ 議 事 を 開 き 議 決 することが 2 両 議 員 の 議 決 は 各 々その 総 議 員 の 三 分 の 一 以 できない 上 の 出 席 がなければすることができない 2 両 議 院 の 議 事 は この 憲 法 に 特 別 の 定 のある 場 合 を 除 いては 出 席 議 員 の 過 半 数 でこれを 決 し 可 否 同 ( 会 議 及 び 会 議 録 の 公 開 等 ) 数 のときは 議 長 の 決 するところによる 第 五 十 七 条 両 議 院 の 会 議 は 公 開 しなければなら ない ただし 出 席 議 員 の 三 分 の 二 以 上 の 多 数 で 議 決 したときは 秘 密 会 を 開 くことができる 第 五 十 七 条 両 議 院 の 会 議 は 公 開 とする 但 し 出 2 両 議 院 は 各 々その 会 議 の 記 録 を 保 存 し 秘 密 会 席 議 員 の 三 分 の 二 以 上 の 多 数 で 議 決 したときは 秘 の 記 録 の 中 で 特 に 秘 密 を 要 すると 認 められるものを 除 密 会 を 開 くことができる き これを 公 表 し かつ 一 般 に 頒 布 しなければならな 2 両 議 院 は 各 々その 会 議 の 記 録 を 保 存 し 秘 密 会 い の 記 録 の 中 で 特 に 秘 密 を 要 すると 認 められるもの 以 3 出 席 議 員 の 五 分 の 一 以 上 の 要 求 があるときは 各 外 は これを 公 表 し 且 つ 一 般 に 頒 布 しなければなら 議 員 の 表 決 を 会 議 録 に 記 載 しなければならない ない 3 出 席 議 員 の 五 分 の 一 以 上 の 要 求 があれば 各 議 ( 役 員 の 選 任 並 びに 議 院 規 則 及 び 懲 罰 ) 員 の 表 決 は これを 会 議 録 に 記 載 しなければならな 第 五 十 八 条 両 議 院 は 各 々その 議 長 その 他 の 役 - 23 -

い 員 を 選 任 する 2 両 議 院 は 各 々その 会 議 その 他 の 手 続 及 び 内 部 の 規 律 に 関 する 規 則 を 定 め 並 びに 院 内 の 秩 序 を 乱 第 五 十 八 条 両 議 院 は 各 々その 議 長 その 他 の 役 した 議 員 を 懲 罰 することができる ただし 議 員 を 除 名 員 を 選 任 する するには 出 席 議 員 の 三 分 の 二 以 上 の 多 数 による 議 2 両 議 院 は 各 々その 会 議 その 他 の 手 続 及 び 内 部 決 を 必 要 とする の 規 律 に 関 する 規 則 を 定 め 又 院 内 の 秩 序 をみだ した 議 員 を 懲 罰 することができる 但 し 議 員 を 除 名 す ( 法 律 案 の 議 決 及 び 衆 議 院 の 優 越 ) るには 出 席 議 員 の 三 分 の 二 以 上 の 多 数 による 議 決 第 五 十 九 条 法 律 案 は この 憲 法 に 特 別 の 定 めのあ を 必 要 とする る 場 合 を 除 いては 両 議 院 で 可 決 したとき 法 律 となる 2 衆 議 院 で 可 決 し 参 議 院 でこれと 異 なった 議 決 を した 法 律 案 は 衆 議 院 で 出 席 議 員 の 三 分 の 二 以 上 の 第 五 十 九 条 法 律 案 は この 憲 法 に 特 別 の 定 のある 多 数 で 再 び 可 決 したときは 法 律 となる 場 合 を 除 いては 両 議 院 で 可 決 したとき 法 律 となる 3 前 項 の 規 定 は 法 律 の 定 めるところにより 衆 議 院 2 衆 議 院 で 可 決 し 参 議 院 でこれと 異 なつた 議 決 をし が 両 議 院 の 協 議 会 を 開 くことを 求 めることを 妨 げない た 法 律 案 は 衆 議 院 で 出 席 議 員 の 三 分 の 二 以 上 の 4 参 議 院 が 衆 議 院 の 可 決 した 法 律 案 を 受 け 取 った 多 数 で 再 び 可 決 したときは 法 律 となる 後 国 会 休 会 中 の 期 間 を 除 いて 六 十 日 以 内 に 議 決 3 前 項 の 規 定 は 法 律 の 定 めるところにより 衆 議 院 しないときは 衆 議 院 は 参 議 院 がその 法 律 案 を 否 決 が 両 議 院 の 協 議 会 を 開 くことを 求 めることを 妨 げない したものとみなすことができる 4 参 議 院 が 衆 議 院 の 可 決 した 法 律 案 を 受 け 取 つた 後 国 会 休 会 中 の 期 間 を 除 いて 六 十 日 以 内 に 議 決 ( 予 算 案 の 議 決 等 に 関 する 衆 議 院 の 優 越 ) しないときは 衆 議 院 は 参 議 院 がその 法 律 案 を 否 決 第 六 十 条 予 算 案 は 先 に 衆 議 院 に 提 出 しなければ したものとみなすことができる ならない 2 予 算 案 について 参 議 院 で 衆 議 院 と 異 なった 議 決 をした 場 合 において 法 律 の 定 めるところにより 両 第 六 十 条 予 算 は さきに 衆 議 院 に 提 出 しなければ 議 院 の 協 議 会 を 開 いても 意 見 が 一 致 しないとき 又 は ならない 参 議 院 が 衆 議 院 の 可 決 した 予 算 案 を 受 け 取 った 2 予 算 について 参 議 院 で 衆 議 院 と 異 なつた 議 決 を 後 国 会 休 会 中 の 期 間 を 除 いて 三 十 日 以 内 に 議 決 した 場 合 に 法 律 の 定 めるところにより 両 議 院 の 協 議 しないときは 衆 議 院 の 議 決 を 国 会 の 議 決 とする 会 を 開 いても 意 見 が 一 致 しないとき 又 は 参 議 院 が 衆 議 院 の 可 決 した 予 算 を 受 け 取 つた 後 国 会 休 会 中 ( 条 約 の 承 認 に 関 する 衆 議 院 の 優 越 ) の 期 間 を 除 いて 三 十 日 以 内 に 議 決 しないときは 衆 第 六 十 一 条 条 約 の 締 結 に 必 要 な 国 会 の 承 認 につ 議 院 の 議 決 を 国 会 の 議 決 とする いては 前 条 第 二 項 の 規 定 を 準 用 する 社 民 党 政 策 審 議 会 13/05/08 ( 議 院 の 国 政 調 査 権 ) 第 六 十 一 条 条 約 の 締 結 に 必 要 な 国 会 の 承 認 につ 第 六 十 二 条 両 議 院 は 各 々 国 政 に 関 する 調 査 を 行 いては 前 条 第 二 項 の 規 定 を 準 用 する い これに 関 して 証 人 の 出 頭 及 び 証 言 並 びに 記 録 の 提 出 を 要 求 することができる 第 六 十 二 条 両 議 院 は 各 々 国 政 に 関 する 調 査 を 行 ( 国 務 大 臣 の 議 院 出 席 の 権 利 及 び 義 務 ) ひ これに 関 して 証 人 の 出 頭 及 び 証 言 並 びに 記 録 第 六 十 三 条 内 閣 総 理 大 臣 及 びその 他 の 国 務 大 臣 の 提 出 を 要 求 することができる は 議 案 について 発 言 するため 両 議 院 に 出 席 すること ができる 2 内 閣 総 理 大 臣 その 他 の 国 務 大 臣 は 答 弁 又 は 説 第 六 十 三 条 内 閣 総 理 大 臣 その 他 の 国 務 大 臣 は 明 のため 議 院 から 出 席 を 求 められたときは 出 席 しな 両 議 院 の 一 に 議 席 を 有 すると 有 しないとにかかはら ければならない ただし 職 務 の 遂 行 上 特 に 必 要 がある - 24 -

ず 何 時 でも 議 案 について 発 言 するため 議 院 に 出 席 場 合 は この 限 りでない することができる 又 答 弁 又 は 説 明 のため 出 席 を 求 められたときは 出 席 しなければならない ( 弾 劾 裁 判 所 ) 第 六 十 四 条 国 会 は 罷 免 の 訴 追 を 受 けた 裁 判 官 を 裁 判 するため 両 議 院 の 議 員 で 組 織 する 弾 劾 裁 判 所 を 設 ける 第 六 十 四 条 国 会 は 罷 免 の 訴 追 を 受 けた 裁 判 官 を 2 弾 劾 に 関 する 事 項 は 法 律 で 定 める 裁 判 するため 両 議 院 の 議 員 で 組 織 する 弾 劾 裁 判 所 を 設 ける ( 政 党 ) 2 弾 劾 に 関 する 事 項 は 法 律 でこれを 定 める 第 六 十 四 条 の 二 国 は 政 党 が 議 会 制 民 主 主 義 に 不 可 欠 の 存 在 であることに 鑑 み その 活 動 の 公 正 の 確 保 及 びその 健 全 な 発 展 に 努 めなければならない 新 設 2 政 党 の 政 治 活 動 の 自 由 は 保 障 する 3 前 二 項 に 定 めるもののほか 政 党 に 関 する 事 項 は 法 律 で 定 める 自 民 党 改 正 草 案 第 四 十 七 条 後 段 は 選 挙 区 について 人 口 を 基 本 とし 行 政 区 画 地 勢 等 を 総 合 的 に 勘 案 して 定 めるとしているが これは 小 選 挙 区 制 を 前 提 に 一 票 の 格 差 を 容 認 する 選 挙 制 度 につながりかねない 日 本 国 憲 法 第 五 十 六 条 第 1 項 は 議 事 を 開 き 議 決 する 際 に 総 議 員 の3 分 の1を 定 足 数 と しているが 改 正 草 案 第 五 十 六 条 第 2 項 は 議 決 だけに3 分 の1の 定 足 数 を 求 め 議 事 を 開 く 際 の 定 足 数 をの 規 定 を 削 除 している Q&A は 定 足 数 を 議 決 だけの 要 件 とする 趣 旨 からこのような 規 定 としたと 説 明 しているが なぜこのようなことをする 必 要 があるのか 不 明 で ある 総 議 員 の3 分 1に 満 たない 少 数 の 議 員 で 議 事 を 行 なうことを 可 能 とすることにどのような 意 味 があるのかまったく 不 明 である 日 本 国 憲 法 で 定 められた 衆 院 解 散 は 内 閣 の 助 言 と 承 認 による 天 皇 の 国 事 行 為 としての 解 散 ( 七 条 解 散 )と 衆 院 における 内 閣 不 信 任 決 議 案 の 可 決 信 任 決 議 案 の 否 決 の 場 合 の 解 散 ( 六 十 九 条 解 散 )の2つがある( 第 七 条 に 基 づく 解 散 は 不 当 とする 説 もある) 改 正 草 案 は 第 五 十 四 条 に 衆 議 院 の 解 散 は 内 閣 総 理 大 臣 が 決 定 する という 規 定 を 追 加 し 内 閣 総 理 大 臣 にこれまで 以 上 に 自 由 で 恣 意 的 な 解 散 権 を 与 えている また 日 本 国 憲 法 では 議 院 に 出 席 を 求 められた 首 相 や 閣 僚 は 出 席 しなければならない と 義 務 規 定 となっているが 改 正 草 案 は ただし 職 務 の 遂 行 上 特 に 必 要 がある 場 合 は 出 席 しなくても 良 いこととされ 首 相 閣 僚 が 都 合 の 悪 いとき 出 席 せず 事 実 上 の 答 弁 拒 否 が 可 能 となる 改 正 草 案 で 新 設 された 政 党 条 項 は 公 正 さや 健 全 さというあいまいな 基 準 で 政 党 活 動 を 規 定 しており 政 党 の 活 動 が 国 = 政 府 の 判 断 に 従 属 させられることにつながりかね ない 第 六 十 四 条 の 第 2 項 に 基 づいてつくられることが 予 想 される 政 党 法 の 内 容 次 第 で は 公 認 政 党 の 組 織 党 員 財 政 などの 情 報 が 政 党 の 健 全 な 発 展 に 責 任 を 持 つ 国 が 把 握 することともなりかねない 改 正 草 案 が 導 入 した 公 益 及 び 公 共 の 秩 序 という 制 限 が 政 党 に 対 しても 当 然 に 適 用 されることとなるだろう 運 用 によっては 国 にとって 都 合 の 悪 い 政 治 勢 力 が 圧 殺 されることともなりかねず 注 意 が 必 要 だ 日 本 国 憲 法 が 結 社 の 自 由 を 保 障 す - 25 -