Taro-戦争法制Q&A(150831修正



Similar documents
為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設


(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

岡山県警察用航空機の運用等に関する訓令

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

した 開 示 決 定 等 に 当 たっては, 法 11 条 を 適 用 して, 平 成 23 年 5 月 13 日 まで 開 示 決 定 等 の 期 限 を 延 長 し, 同 年 4 月 11 日 付 け 防 官 文 第 号 により,1 枚 目 を 一 部 開 示 した そして, 同 年

〔自 衛 隊〕

●電力自由化推進法案

Microsoft Word - 公表用答申422号.doc

1

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

Microsoft Word - 19年度(行個)答申第94号.doc

< F2D926E88E6895E977089DB81608E528CFB8CA78C788E4082CC8D71>

Microsoft Word - 19年度(行情)答申第076号.doc

Microsoft Word - 19年度(行情)答申第081号.doc

<4D F736F F D B3817A8E9096E291E D86939A905C>

< F2D C7689E682CC91E58D6A2E6A7464>

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

Microsoft Word - 答申第143号.doc

 三郷市市街化調整区域の整備及び保全の方針(案)

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程

Taro-01 議案概要.jtd

福 山 市 では, 福 山 市 民 の 安 全 に 関 する 条 例 ( 平 成 10 年 条 例 第 12 号 )に 基 づき, 安 全 で 住 みよい 地 域 社 会 の 形 成 を 推 進 しています また, 各 地 域 では, 防 犯 を 始 め 様 々な 安 心 安 全 活 動 に 熱 心

学校安全の推進に関する計画の取組事例

Microsoft Word - 【セット】GL和文(エンバーゴ無し)

<4D F736F F D20365F335F8FF08C8F90DD92E FC92F994C5382D32816A>

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

Microsoft Word 第1章 定款.doc

<4D F736F F D A94BD837D836C B4B92F62E646F6378>

はファクシミリ 装 置 を 用 いて 送 信 し 又 は 訪 問 する 方 法 により 当 該 債 務 を 弁 済 す ることを 要 求 し これに 対 し 債 務 者 等 から 直 接 要 求 しないよう 求 められたにもかか わらず 更 にこれらの 方 法 で 当 該 債 務 を 弁 済 するこ

動 し 法 の 支 配 を 重 視 することにより 紛 争 の 平 和 的 な 解 決 を 図 らなければ ならない さらに 我 が 国 自 身 の 防 衛 力 を 適 切 に 整 備 維 持 運 用 し 同 盟 国 である 米 国 との 相 互 協 力 を 強 化 するとともに 域 内 外 のパー

1 変更の許可等(都市計画法第35条の2)

Taro-データ公安委員会相互協力事

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

(5) 事 業 者 等 自 転 車 及 び 自 動 車 の 製 造 輸 入 販 売 又 は 修 理 を 業 として 行 っている 者 及 びそ れらの 者 の 団 体 並 びにその 他 の 事 業 者 をいう (6) 所 有 者 等 自 動 車 の 所 有 権 占 有 権 若 しくは 使 用 権 を

近畿中部防衛局広報誌

国立大学法人 東京医科歯科大学教職員就業規則


honbu-38H06_kunrei31

Microsoft PowerPoint 資料6 技術基準.ppt [互換モード]

<4D F736F F D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF D6A2E646F6378>

Microsoft Word 役員選挙規程.doc

目 次 第 1 章 総 則 第 1 節 計 画 の 目 的... 1 第 1 計 画 の 目 的 1 第 2 計 画 の 策 定 1 第 3 計 画 の 構 成 2 第 4 用 語 の 意 義 2 第 2 節 計 画 の 前 提 条 件... 3 第 1 自 然 条 件 3 第 2 社 会 条 件

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

弁護士報酬規定(抜粋)

参 考 改 正 災 害 対 策 基 本 法 1 ( 災 害 時 における 車 両 の 移 動 等 ) 第 七 十 六 条 の 六 道 路 管 理 者 は その 管 理 する 道 路 の 存 する 都 道 府 県 又 はこれに 隣 接 し 若 しくは 近 接 する 都 道 府 県 の 地 域 に 係

駐 車 場 管 理 規 程

Microsoft Word  要綱.doc

<4D F736F F D C689D789B582B581698AAE90AC92CA926D816A2E646F63>

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可


ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

Microsoft Word 基本計画.doc

答申書

する 婦 人 相 談 所 その 他 適 切 な 施 設 による 支 援 の 明 記 禁 止 命 令 等 をすることが できる 公 安 委 員 会 等 の 拡 大 等 の 措 置 が 講 じられたものである 第 2 改 正 法 の 概 要 1 電 子 メールを 送 信 する 行 為 の 規 制 ( 法

III. 前 述 の 如 く 医 学 部 新 設 を 容 認 している 訳 ではないが 国 家 戦 略 特 区 による 医 学 部 新 設 については 国 会 答 弁 で 確 約 している 様 に 平 成 27 年 7 月 31 日 付 け 国 の 方 針 に 厳 格 に 従 う 事 を 求 める

(2) 検 体 採 取 に 応 ずること (3) ドーピング 防 止 と 関 連 して 自 己 が 摂 取 し 使 用 するものに 責 任 をもつこと (4) 医 師 に 禁 止 物 質 及 び 禁 止 方 法 を 使 用 してはならないという 自 己 の 義 務 を 伝 え 自 己 に 施 される

- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

< F2D A C5817A C495B6817A>

(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)

●幼児教育振興法案

<4D F736F F D20D8BDB8CFC8BCDED2DDC482A882E682D1BADDCCDFD7B2B1DDBD8B4B92F E646F63>

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

18 国立高等専門学校機構

(4) 運 転 する 学 校 職 員 が 交 通 事 故 を 起 こし 若 しくは 交 通 法 規 に 違 反 したことにより 刑 法 ( 明 治 40 年 法 律 第 45 号 ) 若 しくは 道 路 交 通 法 に 基 づく 刑 罰 を 科 せられてから1 年 を 経 過 していない 場 合 同

航空隊等の内部組織に関する達

いう )は 警 告 をしたときは 速 やかに その 内 容 及 び 日 時 を 当 該 警 告 を 求 める 旨 の 申 出 をした 者 に 通 知 しなければならないこととされ また 警 告 をし なかったときは 速 やかに その 旨 及 び 理 由 を 当 該 警 告 を 求 める 旨 の 申

代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

Microsoft PowerPoint - 基金制度

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に

< 現 在 の 我 が 国 D&O 保 険 の 基 本 的 な 設 計 (イメージ)> < 一 般 的 な 補 償 の 範 囲 の 概 要 > 請 求 の 形 態 会 社 の 役 員 会 社 による 請 求 に 対 する 損 免 責 事 由 の 場 合 に 害 賠 償 請 求 は 補 償 されず(

独立行政法人国立病院機構

(2) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 17 年 4 月 1 日 現 在 ) 初 任 給 2 年 後 の 給 料 初 任 給 2 年 後 の 給 料 一 般 行 政 職 技 能 労 務 職 大 学 卒 171,1 151,5 19,2 164,7 17,7 184,4 中 学 卒 1

慶應義塾利益相反対処規程

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

定款

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

< F2D D D837C815B B8EC08E7B97768D80>

Microsoft Word - ★HP版平成27年度検査の結果

5. 内 閣 が 便 宜 的 意 図 的 な 解 釈 変 更 を 行 うことは 憲 法 第 9 条 において と りわけ 重 大 な 問 題 を 引 き 起 こす 内 閣 の 判 断 次 第 で 我 が 国 の 武 力 行 使 が 許 される 範 囲 が 恣 意 的 に 伸 縮 変 化 し 過 去

<4D F736F F D2091E F18CB48D C481698E7B90DD8F9590AC89DB816A2E646F63>

目     次

(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

航空隊及び教育航空隊の編制に関する訓令

学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う文部科学省関係省令の整備に関する省令等について(通知)

景品の換金行為と「三店方式」について

根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

<837A815B B835789FC90B35F E786C73>

Speed突破!Premium問題集 基本書サンプル

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

答申第585号

Transcription:

戦 争 法 Q& - 安 全 保 障 法 制 は この 国 をどこに 導 くのか- 自 由 法 曹 団 2015 年 7 月 3 日

目 次 Q1 安 倍 内 閣 が 国 会 に 提 出 成 立 させようとしている 安 全 保 障 法 制 は 何 を 決 めようとしているのですか? 安 倍 首 相 は 安 保 法 制 について 戦 争 法 と 呼 ぶことは レッテル 貼 り だといっていますが Q2 備 えあれば 憂 いなし ともいうように 万 が 一 を 想 定 して 準 備 するこ とは 当 然 で 日 本 の 自 衛 力 ( 軍 備 )を 充 実 したり アメリカとの 同 盟 関 係 を 強 めて 北 朝 鮮 や 中 国 に 対 する 抑 止 力 を 強 化 することは 侵 略 を 未 然 に 防 ぐうえで 有 効 ではないでしょうか? Q3 安 倍 首 相 は これまでは 消 極 的 な 平 和 主 義 だったが これからは 積 極 的 平 和 主 義 でいくといいます 受 け 身 で 平 和 を 守 るのではなく よ り 積 極 的 に 能 動 的 に 平 和 を 実 現 するというのは 大 事 なことではないで すか? Q4 自 衛 隊 の 海 外 派 遣 と 海 外 派 兵 とは 違 うのですか?また 政 府 は 戦 闘 目 的 で 自 衛 隊 を 海 外 に 派 遣 することはしないと 言 っていますが 本 当 な のでしょうか? Q5 政 府 は 我 が 国 として 自 主 的 に 判 断 するのであって アメリカの 戦 争 に 巻 き 込 まれることはないといっていますが 本 当 なのでしょうか? Q6 集 団 的 自 衛 権 を 行 使 できる 場 合 は 存 立 危 機 事 態 など 限 られた 場 合 で しかも 厳 格 な 要 件 を 定 めているので 武 力 行 使 の 歯 止 め となるので はありませんか? Q7 専 守 防 衛 とは 何 ですか? 集 団 的 自 衛 権 を 認 めることは 専 守 防 衛 といえるのですか? Q8 今 回 の 法 改 正 によって 自 衛 隊 の 役 割 や 任 務 は 変 わるのでしょうか? Q9 周 辺 事 態 法 を 重 要 影 響 事 態 法 に 代 えるそうですが それはどのような 法 律 ですか?どこが 変 わるのですか? Q10 国 際 平 和 支 援 法 というのはどのような 法 律 ですか これまでの 法 律 とどこが 違 うのですか? Q11 国 際 平 和 支 援 法 に 基 づいて 自 衛 隊 を 海 外 に 派 遣 するには 国 連 総 会 又 は 国 連 安 保 理 決 議 の 存 在 が 要 件 とされていると 聞 きましたが それで 十 分 な 歯 止 めになるのではないですか?

Q12 国 際 平 和 支 援 法 に 基 づいて 自 衛 隊 を 海 外 に 派 遣 するには 例 外 なく 事 前 に 国 会 の 承 認 が 必 要 と 聞 きましたが それで 十 分 な 歯 止 めにはなり ませんか? Q13 重 要 影 響 事 態 に 際 して 実 施 される 後 方 支 援 や 国 際 平 和 共 同 対 処 事 態 に 際 して 実 施 される 協 力 支 援 は 前 線 から 遠 く 離 れた 安 全 な 場 所 で あることを 確 認 して 行 うので 危 険 度 は 高 くなく 自 衛 隊 員 のリスクは これまでと 変 わらない というのは 本 当 ですか? Q14 重 要 影 響 事 態 法 案 と 国 際 平 和 支 援 法 案 には 自 衛 隊 が 海 外 で 捜 索 救 助 活 動 に 従 事 するための 規 定 があると 聞 きました 自 衛 隊 が 海 外 で 捜 索 救 助 活 動 に 従 事 することは 自 衛 隊 の 能 力 を 人 道 支 援 に 活 用 す るものとして 評 価 できるのではないですか? Q15 これまでの 船 舶 検 査 は わが 国 の 平 和 と 安 全 に 関 わる 状 況 でしかで きなかったものを 国 際 社 会 が 一 致 団 結 して 行 う 船 舶 検 査 活 動 にも 参 加 できるようにするためだというのは 本 当 ですか? 国 際 社 会 の 一 員 として の 責 任 を 果 たすためには 必 要 ではありませんか? Q16 国 際 平 和 協 力 法 (PKO 法 )が 改 定 され 保 安 のための 監 視 駐 留 巡 回 検 問 警 護 が 追 加 されますが 自 衛 隊 が 戦 闘 行 為 に 及 んだり 自 衛 隊 員 に 死 傷 者 が 出 たりする 等 のリスクが 高 まることはありません か? Q17 平 和 安 全 法 制 整 備 法 案 では 自 衛 隊 が 米 軍 その 他 の 外 国 の 軍 隊 の 武 器 を 防 護 するために 武 器 使 用 をできるように 自 衛 隊 法 を 改 正 しよう としているようですが どのような 危 険 性 があるのでしょうか? Q18 中 国 の 軍 事 大 国 化 や 覇 権 的 行 為 は 尖 閣 列 島 をめぐる 行 為 や 南 シナ 海 での 行 動 を 見 れば 明 らかで それに 対 抗 するためには 日 本 が 防 衛 力 を 増 強 したりアメリカとの 同 盟 関 係 を 強 化 して 中 国 への 抑 止 力 を 高 める ことは 必 要 な 対 応 措 置 ではないでしょうか? Q19 アメリカの 戦 争 に 日 本 が 参 加 して 死 者 が 出 たという 話 を 聞 いたので すが 本 当 ですか? Q20 国 会 で 3 人 の 憲 法 学 者 がそろって 安 保 法 制 は 違 憲 であると 述 べ ました 多 くの 憲 法 学 者 が 違 憲 であると 言 っています どういう 点 が 違 憲 なのでしょうか?

Q1 安 保 法 制 って 戦 争 法? 安 倍 内 閣 が 国 会 に 提 出 成 立 させようとしている 安 全 保 障 法 制 は 何 を 決 め ようとしているのですか? 安 倍 首 相 は 安 保 法 制 について 戦 争 法 と 呼 ぶことは レッテル 貼 り だといっていますが 現 在 国 会 ( 第 189 回 通 常 国 会 )に 提 出 されている 安 全 保 障 関 連 の 法 案 は 日 本 ( 自 国 )が 攻 撃 された 場 合 だけでなく アメリカ( 他 国 )が 攻 撃 を 受 けた 場 合 であっても アメリカを 攻 撃 した 国 に 対 して 日 本 の 自 衛 隊 が 武 力 行 使 できるとしています( 存 立 危 機 事 態 における 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 ) また 我 が 国 の 平 和 及 び 安 全 に 重 要 な 影 響 を 与 える 事 態 ( 重 要 影 響 事 態 ) や 国 際 社 会 の 平 和 や 安 全 を 脅 かす 事 態 ( 国 際 平 和 共 同 対 処 事 態 )には ア メリカ 軍 やその 他 の 国 の 軍 隊 に 対 し 自 衛 隊 が 後 方 支 援 活 動 や 協 力 支 援 活 動 具 体 的 には 燃 料 や 弾 薬 の 補 給 や 運 搬 などを 行 うとしています これまでは 自 衛 隊 が 海 外 に 出 て 行 ったり 武 器 を 使 うことは できるだけ 避 けるよういろいろな 制 限 が 加 えられてきました 今 回 の 法 改 正 新 法 制 定 は これまでの 制 約 の 多 くを 取 り 払 い より 積 極 的 に 自 衛 隊 が 海 外 で 活 動 できる ようにするものです 日 本 が 直 接 武 力 により 攻 撃 を 受 けた 場 合 に 限 らず ア メリカが 攻 撃 されている 場 合 あるいは 海 外 での 紛 争 に 際 して 平 和 と 安 全 を 実 現 するために 自 衛 隊 の 武 力 を 活 用 しようとするものです あくまでも 非 軍 事 的 な 手 段 で 平 和 と 安 全 を 実 現 しようとするのではな く 平 和 と 安 全 の 実 現 を 名 目 に 自 衛 隊 の 武 力 を 積 極 的 に 使 うことを 正 当 化 しようとする 点 において 戦 争 法 そのものです - 1 -

Q2 目 的 は 戦 争 の 防 止? 備 えあれば 憂 いなし ともいうように 万 が 一 を 想 定 して 準 備 することは 当 然 で 日 本 の 自 衛 力 ( 軍 備 )を 充 実 したり アメリカとの 同 盟 関 係 を 強 め て 北 朝 鮮 や 中 国 に 対 する 抑 止 力 を 強 化 することは 侵 略 を 未 然 に 防 ぐ うえで 有 効 ではないでしょうか? 万 が 一 の 事 態 だとして 相 手 方 との 軍 事 的 衝 突 を 想 定 し そのための 軍 備 増 強 同 盟 強 化 をはかることは 一 見 抑 止 力 の 強 化 に 役 立 つように 見 えます しかし 日 本 の 軍 事 力 を 強 くしたり 世 界 最 強 の 軍 事 大 国 アメリカとの 同 盟 を 強 化 するというのは 武 力 を 誇 示 し 相 手 方 を 威 嚇 することを 意 味 します これは 国 際 紛 争 の 解 決 にあたって 武 力 による 威 嚇 を 禁 じた 憲 法 9 条 の 精 神 に 反 します また この 軍 事 力 で 相 手 方 を 押 さえ 込 むという 考 え 方 には こちらが 軍 備 増 強 を 行 えば 相 手 方 もそれに 対 抗 して 軍 備 を 強 化 するので 無 限 の 軍 拡 競 争 を 起 してしまう( 安 全 保 障 のジレンマ)という 問 題 があります さらには 抑 止 効 果 が 働 かず 失 敗 してしまった 場 合 には 戦 争 に 突 入 し 増 強 した 軍 備 同 士 が 全 面 衝 突 せざるをえません これは 一 か 八 か の 危 険 な 考 え 方 です 現 在 の 兵 器 は 非 常 に 強 力 で 残 虐 なものです これらを 用 いた 全 面 衝 突 が 起 きれば 双 方 に 壊 滅 的 な 被 害 をもたらすことになります そこに 至 らないと しても 軍 備 増 強 は 膨 大 な 支 出 が 必 要 となり 大 増 税 や 財 政 破 綻 の 呼 び 水 に なりかねません そもそも 抑 止 力 論 は 相 手 方 は 思 いとどまるであろうという 仮 定 の 上 に 成 り 立 つ 考 え 方 で その 実 効 性 もよくわかりません 戦 争 がもたらすリスクの 大 きさからすれば とても 備 えあれば 憂 いなし といえるようなものでは ありません - 2 -

Q3 積 極 的 に 平 和 を 実 現 する? 安 倍 首 相 は これまでは 消 極 的 な 平 和 主 義 だったが これからは 積 極 的 平 和 主 義 でいくといいます 受 け 身 で 平 和 を 守 るのではなく より 積 極 的 に 能 動 的 に 平 和 を 実 現 するというのは 大 事 なことではないですか? 安 倍 首 相 の 唱 える 積 極 的 平 和 主 義 というのは 平 和 の 実 現 に 積 極 的 かどうかではなくて 自 衛 隊 など 軍 事 的 組 織 を 使 うことに 積 極 的 という 意 味 です そのため 今 国 会 で 問 題 となっている 安 全 保 障 法 制 では NGOの 活 動 支 援 や 非 軍 事 外 交 について 議 論 しているのではなく 武 器 を 携 えた 自 衛 隊 の 活 動 の 拡 大 が 焦 点 とされているのです いわば 軍 事 積 極 主 義 あるい は 武 力 積 極 主 義 というべきものなのです アメリカは 民 主 主 義 発 展 自 由 市 場 自 由 交 易 の 希 望 を 世 界 の 隅 々に までもたらすために 積 極 的 に 行 動 する (2002 年 ブッシュドクトリン)と して アフガニスタンやイラクで 対 テロ 戦 争 を 積 極 的 に 推 し 進 めてきま した しかし アフガニスタンやイラクでは アメリカの 軍 事 介 入 によって 国 そのものが 破 壊 され 未 だに 平 和 は 実 現 していません これらから 明 らかなように 軍 事 力 で 平 和 が 実 現 されたことなどありませ ん - 3 -

Q4 戦 争 目 的 の 派 兵 では? 自 衛 隊 の 海 外 派 遣 と 海 外 派 兵 とは 違 うのですか?また 政 府 は 戦 闘 目 的 で 自 衛 隊 を 海 外 に 派 遣 することはしないと 言 っていますが 本 当 なのでしょう か? これまで 政 府 は 武 力 行 使 を 目 的 に 自 衛 隊 を 海 外 に 出 すこと( 派 兵 ) は 憲 法 9 条 に 違 反 してできないが 武 力 行 使 を 目 的 としない 場 合 ( 派 遣 )は 禁 止 されていないとしています しかし 派 遣 の 名 のもとに なし 崩 し 的 に 自 衛 隊 を 海 外 に 出 してきました 1991 年 の 湾 岸 戦 争 では 敷 設 機 雷 を 取 り 除 くために 掃 海 艇 を 1992 年 にはカンボジアPKO( 国 連 平 和 維 持 活 動 )に 自 衛 隊 の 部 隊 を 派 遣 しまし た そして 1997 年 に 日 米 間 で 新 防 衛 協 力 のための 指 針 (ガイドラ イン)が 合 意 され 1999 年 には 周 辺 事 態 法 を 制 定 戦 闘 行 為 を 行 う 米 軍 に 対 し 自 衛 隊 が 物 資 の 補 給 輸 送 医 療 通 信 などの 後 方 地 域 支 援 を 行 うことが 定 められました さらに 2001 年 のアメリカのアフガニスタン 戦 争 では テロ 特 措 法 を 制 定 し 海 上 自 衛 隊 がアメリカ 艦 船 への 洋 上 給 油 を 2003 年 のイ ラク 戦 争 では イラク 特 措 法 を 制 定 し 陸 上 自 衛 隊 や 航 空 自 衛 隊 がイラ ク 本 土 で 給 水 活 動 や 空 輸 活 動 を 行 いました これらのなし 崩 し 的 な 海 外 派 兵 においても 海 外 での 自 衛 隊 の 活 動 には 厳 格 な 制 限 が 加 えられてきましたが イラク 戦 争 での 自 衛 隊 の 活 動 は 違 憲 違 法 という 判 断 がなされています( 平 成 20 年 4 月 17 日 名 古 屋 高 裁 判 決 ) ところが 今 回 の 法 案 は それらの 制 約 を 取 り 払 い 戦 地 における 自 衛 隊 の 活 動 範 囲 や 活 動 内 容 を 大 幅 に 拡 大 しようとするものです - 4 -

Q5 自 主 的 判 断 本 当 にできるの? 政 府 は 我 が 国 として 自 主 的 に 判 断 するのであって アメリカの 戦 争 に 巻 き 込 まれることはないといっていますが 本 当 なのでしょうか? もちろんアメリカからの 申 し 入 れに 対 して わが 国 は 自 主 的 に 参 戦 を 決 めたという 形 はとるでしょう しかし これまでアメリカはグレナダ パナマ リビアなどへの 侵 略 行 為 をたびたび 行 い 国 際 社 会 から 厳 しく 非 難 されましたが このような 場 合 であっても 日 本 はいつもアメリカを 支 持 し 擁 護 してきました この 前 科 前 歴 からは 将 来 日 本 がアメリカの 要 求 に 対 して 自 主 的 判 断 ができるとは 思 われません もし 自 主 的 に 判 断 できるというのであれば 今 南 シナ 海 で 米 中 が 繰 り 広 げている 覇 権 争 いとは 明 確 に 一 線 を 画 し 日 米 共 同 の 偵 察 活 動 や 共 同 軍 事 訓 練 の 申 入 れをきっぱりと 断 るべきです しかし 新 ガイドラインを 結 び 偵 察 や 訓 練 を 一 緒 にやろうというのですから これからもアメリカ 追 随 が 続 く でしょう - 5 -

Q6 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 は 一 部 だけの 限 定 されたもの? 集 団 的 自 衛 権 を 行 使 できる 場 合 は 存 立 危 機 事 態 など 限 られた 場 合 で しか も 厳 格 な 要 件 を 定 めその 行 使 を 限 定 しているので 武 力 行 使 に 対 する 歯 止 め となるのではありませんか? 集 団 的 自 衛 権 は 1わが 国 に 対 する 武 力 攻 撃 が 発 生 したこと 又 はわ が 国 と 密 接 な 関 係 にある 他 国 に 対 する 武 力 攻 撃 が 発 生 し これにより 我 が 国 の 存 立 が 脅 かされ 国 民 の 生 命 自 由 及 び 幸 福 追 求 の 権 利 が 根 底 から 覆 され る 明 白 な 危 険 があること 2これを 排 除 し わが 国 の 存 立 を 全 うし 国 民 を 守 るために 他 に 適 当 な 手 段 がないこと 3 必 要 最 小 限 度 の 実 力 を 行 使 するに とどまる 場 合 ( 自 衛 の 措 置 としての 武 力 行 使 の 新 3 要 件 )に 限 定 して 認 めら れるとされています 一 見 存 立 が 脅 かされ や 権 利 が 根 底 から 覆 される であるとか 明 白 な 危 険 などが 要 件 とされているため 武 力 行 使 の 条 件 が 厳 格 に 絞 り 込 ま れ 歯 止 め として 役 立 つように 見 えます しかし 存 立 が 脅 かされる とか 根 底 から 覆 される などといった 判 断 は 何 がそれにあたるのか 一 義 的 に 明 確 ではありません その 結 果 それ を 判 断 する 主 体 の 主 観 や 価 値 観 に 大 きく 左 右 されてしまいます その 判 断 は 政 府 が 行 うことになるので 政 府 が 脅 かされている だとか 明 白 だと 判 断 すれば 要 件 をクリアしてしまうことになります その 意 味 で 歯 止 め になるような 条 件 ではありません また 安 倍 首 相 は どんな 場 合 が 存 立 危 機 事 態 なのかと 国 会 で 質 問 され どういうことでなければ 武 力 を 行 使 しないのか を 一 々すべて 述 べてい る 海 外 のリーダーはいない と 答 弁 を 拒 否 しました 時 の 政 府 に 白 紙 で 委 ね ようというものです - 6 -

Q7 専 守 防 衛 はどこへ? 専 守 防 衛 とは 何 ですか? 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 認 めることは 専 守 防 衛 の 範 囲 内 といえるのですか? 専 守 防 衛 というのは 自 国 が 相 手 国 から 武 力 攻 撃 をうけたときにはじ めて 武 力 ( 防 衛 力 )を 行 使 し その 態 様 も 自 衛 のために 必 要 最 小 限 にとどめ また 保 持 する 防 衛 力 も 自 衛 のための 必 要 最 小 限 のものに 限 るなど 憲 法 の 精 神 に 則 った 受 動 的 な 防 衛 戦 力 の 姿 勢 をいいます 憲 法 9 条 という 他 に 類 をみない 平 和 条 項 を 有 するわが 国 において 政 府 は 戦 後 一 貫 してこの 専 守 防 衛 の 立 場 を 堅 持 するとし 政 府 解 釈 も 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 は わが 国 防 衛 のための 必 要 最 小 限 の 範 囲 を 越 えるもので 認 めら れないとしてきました ところが 安 倍 首 相 は わが 国 の 存 立 が 脅 かされる 事 態 に 国 民 を 防 衛 する のが 専 守 防 衛 で 他 国 が 攻 撃 されてきたときに 反 撃 する 集 団 的 自 衛 権 も 自 衛 の 措 置 の 一 環 だというのです しかし 集 団 的 自 衛 権 は その 国 が わが 国 と 密 接 な 関 係 にある 国 であ ろうとも 他 国 への 攻 撃 に 対 する 反 撃 ですから 自 国 が 相 手 から 武 力 攻 撃 をうけたことを 前 提 とする 専 守 防 衛 と 明 らかに 矛 盾 します 政 府 が 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 として 想 定 する 事 例 をみても 例 えば 中 東 ホル ムズ 海 峡 での 機 雷 掃 海 など 専 守 防 衛 とは 明 らかに 異 なります - 7 -

Q8 変 わる? 自 衛 隊 の 任 務 今 回 の 法 改 正 によって 自 衛 隊 の 役 割 や 任 務 は 変 わるのでしょうか? 自 衛 隊 法 3 条 は 自 衛 隊 の 任 務 が 何 かを 定 める 基 本 的 規 定 です 現 行 の 規 定 では 国 の 安 全 を 保 つため 直 接 侵 略 及 び 間 接 侵 略 に 対 し 我 が 国 を 防 衛 することを 主 たる 任 務 とするとなっています ところが 法 案 では ここから 直 接 侵 略 及 び 間 接 侵 略 に 対 し という 字 句 が 削 除 されようとして います 自 衛 隊 法 3 条 の 直 接 侵 略 及 び 間 接 侵 略 に 対 し との 文 言 は わが 国 が 侵 略 された 場 合 に 初 めて 防 衛 力 を 行 使 する やむにやまれぬ 武 力 行 使 という 意 味 で 専 守 防 衛 の 象 徴 的 な 規 定 です これを 今 回 の 改 正 で 削 除 しようと いうのです 侵 略 があってはじめて 防 衛 という 受 け 身 の 姿 勢 から 国 益 を 口 実 に 積 極 的 に 国 外 に 出 て 行 く 能 動 的 積 極 的 に 海 外 での 軍 事 行 動 に 打 って 出 ることを 宣 言 したものです 2014 年 12 月 の 国 家 安 全 保 障 戦 略 や 今 年 4 月 の 新 ガイドラインで は 自 衛 隊 の 世 界 規 模 での 軍 事 行 動 が 宣 言 されています 直 接 侵 略 及 び 間 接 侵 略 の 削 除 は 専 守 防 衛 の 原 則 を 放 棄 した 上 で 自 衛 隊 を 国 土 国 民 を 守 る 組 織 から 海 外 に 機 動 展 開 していく 外 征 軍 遠 征 軍 へと その 性 質 を 根 本 的 に 変 質 させるものといえます - 8 -

Q9 自 衛 隊 の 活 動 範 囲 は 日 本 近 辺 に 限 られないの? 周 辺 事 態 法 を 重 要 影 響 事 態 法 に 代 えるそうですが それはどのような 法 律 で すか?どこが 変 わるのですか? 周 辺 事 態 法 というのは 朝 鮮 半 島 での 戦 争 の 際 にアメリカ 軍 を 後 方 地 域 から 支 援 する 目 的 で 制 定 された 法 律 で あくまでも 日 本 の 周 辺 で 起 きる 事 態 を 想 定 したものです ところが 今 回 提 出 の 重 要 影 響 事 態 法 案 は 日 本 周 辺 という 地 理 的 制 限 をな くし 南 シナ 海 インド 洋 ホルムズ 海 峡 であっても 政 府 が わが 国 の 平 和 及 び 安 全 に 重 要 な 影 響 を 与 える 事 態 ( 重 要 影 響 事 態 )だと 判 断 すれば そこで 活 動 するアメリカ 軍 やその 他 の 国 の 軍 隊 を 支 援 することができること になります しかも 後 方 地 域 という 限 定 も 削 除 し 戦 闘 現 場 以 外 であ れば いかなる 場 所 時 期 であっても 支 援 活 動 ができるとしています この 法 律 によって 遠 く 離 れた 中 東 でもアメリカ 軍 と 一 緒 に 戦 争 を 行 おうという ものです 現 在 南 シナ 海 について 中 国 は そのほとんどが 中 国 のもので 公 海 は 存 在 しないと 主 張 し(9 断 線 ) 岩 礁 を 基 地 化 するなど 実 効 支 配 を 拡 大 しつつあ ります それに 対 し 周 辺 国 フィリピンやベトナムはそれぞれ 領 海 を 主 張 するとともに アメリカも 中 国 の 主 張 を 認 めておらず 緊 張 関 係 が 高 まって います その 南 シナ 海 で 対 中 国 牽 制 策 として 日 米 による 共 同 監 視 体 制 が 提 唱 され ていますが 地 理 的 制 約 を 撤 廃 した 安 保 法 制 下 では シーレーンの 確 保 が わが 国 の 平 和 及 び 安 全 に 重 要 な 影 響 を 与 える 事 態 ( 重 要 影 響 事 態 )と 判 断 されれば 中 国 と 事 を 構 えるアメリカなど 他 国 軍 に 対 する 自 衛 隊 の 支 援 活 動 が 発 動 されかねません - 9 -

Q10 自 衛 隊 の 派 遣 が 恒 常 化 する? 国 際 平 和 支 援 法 というのはどのような 法 律 ですか これまでの 法 律 とどこが 違 うのですか? アフガン 戦 争 やイラク 戦 争 では それぞれ テロ 特 措 法 や イラク 特 措 法 という 個 別 の 時 限 立 法 でこれまでは 対 応 してきました( 現 在 は 期 限 切 れでいずれも 失 効 ) それでもイラク 戦 争 での 自 衛 隊 の 活 動 は 違 憲 違 法 という 判 断 がなされています( 平 成 20 年 4 月 17 日 名 古 屋 高 裁 判 決 ) こ の 個 別 の 特 措 法 を 一 般 法 化 し かつ 恒 久 法 としたのが 国 際 平 和 支 援 法 です 国 際 社 会 の 平 和 及 び 安 全 を 脅 かす 事 態 で 国 際 社 会 が 国 連 憲 章 の 目 的 に 従 って 共 同 して 対 処 する 活 動 を 行 い 我 が 国 が 国 際 社 会 の 一 員 として 積 極 的 に 寄 与 する 必 要 のある 事 態 ( 国 際 平 和 共 同 対 処 事 態 )だと 政 府 が 認 定 すれ ば 自 衛 隊 が 海 外 に 出 て 他 国 軍 ( 多 国 籍 軍 )に 対 する 協 力 支 援 活 動 ( 弾 薬 の 提 供 を 含 む)が 可 能 となります その 際 には 国 連 総 会 や 安 全 保 障 理 事 会 の 決 議 が 必 要 だとされていますが 国 際 社 会 の 平 和 に 対 する 脅 威 の 認 識 と 加 盟 国 の 取 り 組 みを 求 める 決 議 で 足 り 重 大 な 紛 争 に 関 する 決 議 であればほとんどの 場 合 条 件 を 満 たすことになる でしょう ホルムズ 海 峡 での 機 雷 敷 設 について 自 衛 隊 が 掃 海 行 動 を 行 うことは 機 雷 敷 設 国 との 交 戦 状 態 を 意 味 しますが 封 鎖 によって 原 油 が 来 なくなり 国 内 で 灯 油 がなくなれば 存 立 危 機 事 態 を 認 定 してアメリカ 軍 と 共 同 で 軍 事 行 動 を 行 う( 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 ) あるいはわが 国 の 平 和 及 び 安 全 に 重 要 な 影 響 を 与 えるとして( 重 要 影 響 事 態 )アメリカ 軍 の 軍 事 行 動 を 後 方 支 援 する さらには 対 応 を 求 める 安 保 理 決 議 を 根 拠 に 国 際 平 和 共 同 対 処 事 態 だとして アメリカ 軍 の 協 力 支 援 するなど 自 衛 隊 が 掃 海 行 動 などの 軍 事 行 動 を 行 うこ とが 想 定 されます - 10 -

Q11 国 連 決 議 が 歯 止 めになる? 国 際 平 和 支 援 法 に 基 づいて 自 衛 隊 を 海 外 に 派 遣 するには 国 連 総 会 又 は 国 連 安 保 理 決 議 の 存 在 が 要 件 とされていると 聞 きましたが それで 十 分 に 歯 止 め になるのではないですか? いいえ 全 く 歯 止 めにはなりません 条 件 とされている 決 議 は 当 該 外 国 が 当 該 活 動 を 行 うことを 決 定 し 要 請 し 勧 告 し 又 は 認 める 決 議 だけでなく 当 該 事 態 が 平 和 に 対 する 脅 威 又 は 平 和 の 破 壊 であるとの 認 識 を 示 すとともに 当 該 事 態 に 関 連 して 国 際 連 合 加 盟 国 の 取 組 を 求 める 決 議 でもよいとされています 後 者 の 取 組 を 求 める 決 議 というのは 抽 象 的 で 結 局 その 事 態 について 何 らかの 決 議 があればいいといっているようなものです イラク 戦 争 に 際 して イラクに 対 する 武 力 行 使 を 容 認 する 国 連 決 議 が 否 決 されました それにも 関 わらず アメリカは イラクが 査 察 受 け 入 れに 関 し て 重 大 な 違 反 があった 場 合 に 深 刻 な 結 果 に 直 面 する としたにすぎな い 国 連 安 保 理 決 議 1441に 基 づいてイラク 攻 撃 を 敢 行 しました この 国 連 安 保 理 決 議 1441のような 決 議 でも 国 際 平 和 支 援 法 に 基 づく 海 外 派 遣 の 要 件 とされる 決 議 をみたすことになります つまり 米 国 に よる 先 制 攻 撃 も 支 援 の 対 象 にしてしまうものであり 何 の 歯 止 めにもなりま せん - 11 -

Q12 事 前 の 国 会 承 認 が 歯 止 めになる? 国 際 平 和 支 援 法 に 基 づいて 自 衛 隊 を 海 外 に 派 遣 するには 例 外 なく 事 前 に 国 会 の 承 認 が 必 要 と 聞 きましたが それで 十 分 な 歯 止 めにはなりませんか? いいえ 全 く 歯 止 めにはなりません 確 かに 事 前 に 国 会 の 承 認 は 必 要 とされていますが 内 閣 総 理 大 臣 が 国 会 の 承 認 を 求 めた 場 合 には 先 議 の 議 院 については7 日 以 内 後 議 の 議 院 につ いては 議 案 の 送 付 を 受 けたときから7 日 以 内 に 議 決 する 努 力 規 定 が 設 けられ ています このように 審 議 期 間 は 衆 参 ともにたったの7 日 であり 国 会 で 十 分 な 議 論 が 尽 くされるとは 到 底 考 えられません しかも 秘 密 保 護 法 により 特 定 秘 密 とされた 防 衛 外 交 等 の 情 報 は 国 会 でもほとんど 知 り 得 ることはで きず この 特 定 秘 密 の 存 在 とあいまって 国 会 が 歯 止 めとなることもおよそ 不 可 能 です - 12 -

Q13 前 線 から 離 れて 行 うから 安 全? 重 要 影 響 事 態 に 際 して 実 施 される 後 方 支 援 や 国 際 平 和 共 同 対 処 事 態 に 際 し て 実 施 される 協 力 支 援 は 前 線 から 遠 く 離 れた 安 全 な 場 所 であることを 確 認 して 行 うので 危 険 度 は 高 くなく 自 衛 隊 員 のリスクはこれまでと 変 わら ない というのは 本 当 ですか? 政 府 は 戦 闘 現 場 ( 前 線 )から 離 れていることや 派 遣 期 間 を 通 じて 安 全 な 場 所 を 活 動 区 域 とするのだから 危 険 性 (リスク)は 高 くないと 説 明 しています しかし 後 方 支 援 や 協 力 支 援 つまり 戦 闘 部 隊 への 補 給 や 輸 送 などの 戦 闘 遂 行 に 必 要 とされる 兵 站 活 動 ( ロジスティック といいます)について 区 域 は 危 険 だから 行 えない とか 安 全 な での 補 給 や 輸 送 なら 実 施 する などとアメリカ 軍 に 言 えるでしょうか 現 に 法 案 では 支 援 活 動 を 行 う 場 所 を 後 方 地 域 に 限 るという 限 定 をはずし 戦 闘 現 場 以 外 であれば どこでも 実 施 可 能 となっていて 安 全 な 場 所 でのみ 行 うなどとは 書 かれてい ません また 現 実 の 戦 闘 では 前 線 の 部 隊 を 孤 立 させようとすれば 補 給 輸 送 の 兵 站 ( 後 方 支 援 協 力 支 援 ) 部 隊 を 攻 撃 することになるでしょう 敵 国 に その 意 思 と 実 力 があれば 兵 站 部 隊 を 攻 撃 することは 当 然 ありうる 事 態 です このように 兵 站 ( 後 方 支 援 協 力 支 援 ) 活 動 は 大 きな 危 険 を 伴 う 活 動 であ って 自 衛 隊 員 のリスクは 高 まります - 13 -

Q14 自 衛 隊 の 捜 索 救 助 活 動 は 人 道 支 援? 重 要 影 響 事 態 法 案 と 国 際 平 和 支 援 法 案 には 自 衛 隊 が 海 外 で 捜 索 救 助 活 動 に 従 事 するための 規 定 があると 聞 きました 自 衛 隊 が 海 外 で 捜 索 救 助 活 動 に 従 事 することは 自 衛 隊 の 能 力 を 人 道 支 援 に 活 用 するものとして 評 価 できるのではないですか? 重 要 影 響 事 態 法 案 と 国 際 平 和 支 援 法 案 に 規 定 がおかれている 捜 索 救 助 活 動 というは 災 害 にあった 人 や 戦 闘 行 為 に 巻 き 込 まれた 市 民 を 救 助 す るための 活 動 ではありません 予 定 されている 捜 索 救 助 活 動 は 重 要 影 響 事 態 あるいは 国 際 平 和 共 同 対 処 事 態 において 戦 闘 行 為 に 従 事 している 戦 闘 員 ( 主 として 米 兵 が 想 定 されています)が 負 傷 遭 難 等 した 場 合 に 戦 闘 員 を 捜 索 し 救 助 し 輸 送 することを 主 たる 目 的 とする 活 動 のことです このような 活 動 の 目 的 は 救 護 した 戦 闘 員 を 再 び 戦 闘 地 域 に 送 り 出 すこと を 支 援 する 点 にあり まさに 戦 闘 行 為 と 一 体 化 した 行 為 として 憲 法 第 9 条 に 反 することは 明 らかです また 戦 闘 の 相 手 方 からみれば 捜 索 救 助 活 動 に 従 事 する 自 衛 隊 の 活 動 は 利 敵 行 為 であり 攻 撃 反 撃 の 対 象 とな りかねません しかも 法 案 では 既 に 米 兵 などの 戦 闘 員 が 発 見 され 自 衛 隊 がその 救 助 を 開 始 している 場 合 は そこが 戦 闘 現 場 となっても 活 動 を 継 続 するとしており 自 衛 隊 が 戦 闘 に 巻 き 込 まれる 危 険 の 極 めて 高 い 行 為 です - 14 -

Q15 船 舶 検 査 活 動 は 国 際 社 会 の 責 務? これまでの 船 舶 検 査 は わが 国 の 平 和 と 安 全 に 関 わる 状 況 でしかできなかっ たものを 国 際 社 会 が 一 致 団 結 して 行 う 船 舶 検 査 活 動 にも 参 加 できるように するためだというのは 本 当 ですか? 国 際 社 会 の 一 員 としての 責 任 を 果 たすた めには 必 要 ではありませんか? 今 回 の 法 案 では 重 要 影 響 事 態 や 国 際 平 和 共 同 対 処 事 態 に 伴 う 船 舶 検 査 活 動 の 実 施 が 規 定 されていますが そこにはアメリカ 軍 やその 有 志 連 合 が 武 力 を 行 使 する 場 合 も 念 頭 に 置 かれており 国 際 社 会 が 一 致 して 行 う 活 動 への 参 加 というのはミスリーディングといわざるをえません そもそも ここでいう 船 舶 検 査 活 動 というのは 戦 闘 艦 艇 以 外 のなにもの でもない 護 衛 艦 が 停 船 や 積 荷 検 査 を 要 求 し 応 じなければ 説 得 を 行 うた め 必 要 な 限 度 において 当 該 船 舶 に 対 し 接 近 追 尾 伴 走 および 進 路 前 方 における 待 機 を 行 うというもので 武 力 による 威 嚇 に 他 なりません こう したいわば 海 上 の 憲 兵 活 動 をアメリカ 軍 等 とともに 世 界 規 模 で 行 おうと するもので 平 和 憲 法 を 有 する 日 本 が 国 際 社 会 で 果 たすべき 責 任 とは 程 遠 い ものです - 15 -

Q16 自 衛 隊 員 のリスクは 変 わらない? 国 際 平 和 協 力 法 (PKO 法 )が 改 定 され 保 安 のための 監 視 駐 留 巡 回 検 問 警 護 が 追 加 されますが 自 衛 隊 が 戦 闘 行 為 に 及 んだり 自 衛 隊 員 に 死 傷 者 が 出 たりする 等 のリスクが 高 まることはありませんか? PKO 法 の 改 定 で 保 安 のための 監 視 駐 留 巡 回 検 問 警 備 な どの 治 安 維 持 活 動 が 自 衛 隊 の 業 務 に 追 加 されようとしています しかもそ の 場 合 任 務 遂 行 に 対 する 妨 害 を 排 除 するための 武 器 使 用 が 認 められるとさ れています 治 安 維 持 活 動 については NTOが 行 ったアフガニスタンでの 国 際 治 安 支 援 部 隊 (ISF)の 実 例 があります そこでは 本 来 の 治 安 確 保 から 逸 脱 し 多 数 の 一 般 市 民 を 巻 き 込 んだ 武 装 組 織 の 掃 討 作 戦 と 化 し その 結 果 参 加 部 隊 からは3500 名 もの 戦 死 者 を 出 しています 武 装 勢 力 と 一 般 市 民 を 区 別 することがもともと 困 難 で 検 問 所 での 検 問 や 巡 回 中 の 部 隊 車 列 に 近 づいた 一 般 市 民 を 兵 士 が 武 装 勢 力 と 誤 認 して 銃 撃 することも 後 を 絶 ちません したがって 保 安 のための 監 視 駐 留 巡 回 検 問 警 備 ( 治 安 維 持 活 動 )が 追 加 されたことによって 自 衛 隊 が 戦 闘 行 為 に 及 んだり 死 傷 者 が 出 たりするリスクは 高 まります - 16 -

Q17 米 軍 の 武 器 を 守 るのは 何 故? 平 和 安 全 法 制 整 備 法 案 では 自 衛 隊 が 米 軍 その 他 の 外 国 の 軍 隊 の 武 器 を 防 護 するために 武 器 使 用 をできるように 自 衛 隊 法 を 改 正 しようとしているよ うですが どのような 危 険 性 があるのでしょうか? 現 行 の 自 衛 隊 法 では 武 器 等 防 護 のために 自 衛 隊 の 武 器 使 用 が 認 めら れるのは 自 衛 隊 の 武 器 等 を 防 護 する 場 合 に 限 られています しかし 平 和 安 全 法 制 整 備 法 案 は 米 軍 やその 他 の 外 国 の 軍 隊 等 の 武 器 を 防 護 するためにも 自 衛 隊 が 武 器 を 使 用 できるようにしています しかも 防 護 の 対 象 は 武 器 だけでなく 弾 薬 火 薬 船 舶 航 空 機 車 両 有 線 電 気 通 信 設 備 無 線 設 備 液 体 燃 料 に 至 ります 米 軍 の 艦 艇 を 防 護 するために 自 衛 隊 の 艦 艇 が 防 護 し 米 軍 の 艦 艇 が 攻 撃 を 受 けたら 自 衛 隊 の 艦 艇 も 武 器 を 使 用 し 反 撃 することができることになります 米 軍 とともに 自 衛 隊 が 事 実 上 日 米 共 同 軍 事 行 動 を 展 開 することが 可 能 になるのです 例 えば 南 シナ 海 での 警 戒 監 視 活 動 を 米 軍 とともに 自 衛 隊 が 行 う 際 米 軍 の 艦 艇 を 防 護 する 命 令 を 自 衛 隊 に 出 しておけば 何 らかの 攻 撃 が 米 軍 の 艦 艇 にあった 場 合 自 衛 隊 は 米 軍 の 艦 艇 とともに 武 器 を 使 用 した 反 撃 を 行 うこ とができるようになります 米 軍 と 自 衛 隊 の 武 器 使 用 に 対 し 対 立 国 が 更 なる 反 撃 を 行 った 場 合 米 軍 と 自 衛 隊 は これに 更 に 武 器 使 用 で 対 抗 することは 容 易 に 想 定 できます こ の 武 器 使 用 と 反 撃 が 積 み 重 なることで そのまま 戦 争 になだれ 込 んでしまう 危 険 性 があるのです また 平 和 安 全 法 制 整 備 法 案 は 米 軍 のみならずその 他 の 外 国 の 軍 隊 の 武 器 等 の 防 護 のための 武 器 使 用 も 認 めようとしていますので 自 衛 隊 の 武 器 使 用 の 機 会 とそこから 戦 争 に 突 入 する 危 険 性 が 際 限 なく 拡 大 して 行 くおそ れがあります - 17 -

Q18 中 国 は 危 険? 中 国 の 軍 事 大 国 化 や 覇 権 的 行 為 は 尖 閣 列 島 をめぐる 行 為 や 南 シナ 海 での 行 動 を 見 れば 明 らかで それに 対 抗 するためには 日 本 が 防 衛 力 を 増 強 したり アメリカとの 同 盟 関 係 を 強 化 して 中 国 への 抑 止 力 を 高 めることは 必 要 な 対 応 措 置 ではないでしょうか? 中 国 に 覇 権 的 行 動 が 見 られるとしても それに 対 して 軍 事 力 で 対 抗 す ることが 正 しいことか あるいは 効 果 があるのかについては 冷 静 かつ 理 性 的 に 対 応 する 必 要 があります まず 日 本 国 憲 法 では 武 力 の 行 使 や 武 力 の 威 嚇 での 紛 争 解 決 を 放 棄 して います 少 なくとも 隣 国 が 軍 事 力 を 増 強 しても それに 単 純 に 応 じないの が 憲 法 の 精 神 で 非 軍 事 による 問 題 解 決 が 正 しい 道 です 憲 法 の 規 定 や 精 神 をとりあえず 脇 に 置 くとしても 軍 事 力 や 日 米 同 盟 の 強 化 増 強 で 対 応 するのが 効 果 的 かは はなはだ 疑 問 です それは 中 国 が 脅 威 だとして 日 本 が 軍 備 を 増 強 したり 日 米 同 盟 強 化 と 称 して 軍 事 演 習 を 含 む 威 圧 を 加 えれば 中 国 は ならばそれ 以 上 に といって これまで 以 上 に 軍 備 増 強 に 走 ることが 考 えられます そうすると 結 局 互 いに 相 手 以 上 の 軍 事 力 を 備 えなければ 安 心 できないことになって 際 限 のない 軍 拡 競 争 に 陥 ってし まいます 不 法 な 行 動 に 対 しては 毅 然 とした 態 度 で 臨 みつつ 軍 事 力 によらない 対 応 が 求 められています - 18 -

Q19 戦 後 1 人 も 死 者 を 出 していない? アメリカの 戦 争 に 日 本 が 参 加 して 死 者 が 出 たことがあるという 話 を 聞 いたの ですが 本 当 ですか? 安 倍 首 相 は 日 米 同 盟 というのは 血 の 同 盟 であって 日 本 人 も 血 を 流 さないと 完 全 なイコール パートナーとはいえない といいます 第 2 次 世 界 大 戦 後 日 本 の 戦 争 にアメリカ 人 が 血 を 流 したことはありませ ん 戦 後 日 本 は 一 度 も 戦 争 を 行 っていないから 当 然 です しかし アメリカの 戦 争 で 日 本 人 が 血 を 流 したことはあります 今 から6 0 年 前 朝 鮮 戦 争 の 際 に 秘 密 裏 に 海 上 自 衛 隊 の 前 身 である 海 上 保 安 庁 に 所 属 する 機 雷 掃 海 艇 をアメリカ 軍 に 参 加 させました そのうちの1 隻 が 触 雷 し 1 人 の 隊 員 が 死 亡 しています このことを 日 米 両 政 府 は 最 近 までひた 隠 し にしてきました 掃 海 艇 の 派 遣 によりアメリカの 戦 争 に 参 加 したことが 憲 法 9 条 に 違 反 することが 明 らかだからです ホルムズ 海 峡 などへ 掃 海 艇 を 派 遣 することになれば 憲 法 に 反 する 共 同 軍 事 行 動 となります 朝 鮮 戦 争 の 時 のように 触 雷 等 による 死 傷 者 の 出 る 危 険 が きわめて 高 くなります - 19 -

Q20 安 保 法 制 はやっぱり 違 憲! 国 会 で 3 人 の 憲 法 学 者 がそろって 安 保 法 制 は 違 憲 であると 述 べました 多 くの 憲 法 学 者 が 違 憲 であると 言 っています どういう 点 が 違 憲 なのでし ょうか? 長 年 にわたり 自 民 党 政 権 は 我 が 国 が 武 力 攻 撃 を 受 けたときには 必 要 最 小 限 の 武 力 行 使 ができるのであり そのための 自 衛 隊 は 憲 法 9 条 に 反 し ないが 他 国 から 日 本 に 対 する 武 力 攻 撃 がないのに 武 力 行 使 を 行 う 集 団 的 自 衛 権 は その 範 囲 を 超 えて 違 憲 だとしてきました( 専 守 防 衛 論 ) 憲 法 学 者 には 自 衛 隊 そのものが 違 憲 だとするもの 自 国 防 衛 の 限 度 で 合 憲 とするものなど 様 々な 立 場 がありますが 集 団 的 自 衛 権 を 認 める 今 回 の 法 制 度 が 合 憲 だとする 憲 法 学 者 はごくわずかしかいません 圧 倒 的 多 数 の 憲 法 学 者 が 集 団 的 自 衛 権 は 他 国 防 衛 であり いくら 安 倍 政 権 が 我 が 国 の 存 立 を 脅 かす 事 態 に 限 って 限 定 的 に 行 使 する と 述 べても 他 国 防 衛 という 領 域 に 踏 み 込 んでしまっている 以 上 違 憲 であると 考 えているのです 政 府 は 明 白 な 危 険 を 要 件 にしているといいますが ホルムズ 海 峡 での 機 雷 掃 海 を 認 めるなど 基 準 が 不 明 確 で 政 府 の 恣 意 的 解 釈 を 許 すことになって います 相 手 国 から 見 れば 武 力 攻 撃 していない 日 本 から 攻 められるので 先 制 攻 撃 を 受 けたと 受 け 取 ります また 後 方 支 援 や 協 力 支 援 は 外 国 の 軍 隊 の 武 力 行 使 と 一 体 化 す るので 武 力 行 使 を 禁 じた 憲 法 9 条 1 項 に 違 反 すると 考 えられます 今 回 これまでは 認 められなかった 弾 薬 の 提 供 発 進 準 備 中 の 戦 闘 機 に 対 する 給 油 整 備 も 出 来 ることになりました ( 後 方 支 援 協 力 支 援 と は 政 府 の 造 語 であり 国 際 法 では 兵 站 (ロジィスティック) と 言 われて います )これら 兵 站 は 戦 闘 現 場 ( 前 線 ) 以 外 で 行 われていても 補 給 輸 送 ( 兵 士 武 器 弾 薬 燃 料 食 糧 等 ) 活 動 であり 戦 闘 現 場 ( 前 線 )と 一 体 化 した 武 力 行 使 そのものです 国 際 法 上 武 力 行 使 の 目 標 とされ 自 衛 隊 が 活 動 する 兵 站 活 動 の 場 所 が 戦 闘 現 場 となってしまいます - 20 -

戦 争 法 Q& 2015 年 8 月 31 日 編 集 自 由 法 曹 団 改 憲 阻 止 対 策 本 部 発 行 自 由 法 曹 団 112-0014 東 京 都 文 京 区 関 口 1-8-6 メゾン 文 京 関 口 Ⅱ202 号 Tel 03-5227-8255 Fax 03-5227-8257 URL http://www.jlaf.jp/