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参 考 資 料 配 布 2012 年 12 月 21 日 10 時 独 立 行 政 法 人 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 フリーラジカルを 消 去 する 能 力 を 可 視 化 病 気 になりやすい 体 を 見 つけるイメージングへ 独 立 行 政 法 人 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 ( 理 事 長 : 米 倉 義 晴 ) 分 子 イメージング 研 究 センター 分 子 病 態 イメージング 研 究 プログラム Bakalova, Rumiana 主 任 研 究 員 青 木 伊 知 男 チームリーダー 佐 賀 恒 夫 プログラムリーダー ---- 本 研 究 成 果 のポイント ---- 放 射 線 障 害 がん 動 脈 硬 化 など 多 くの 病 気 の 原 因 となるフリーラ ジカルから 身 を 守 る 能 力 を 造 影 剤 と 高 磁 場 MRI を 使 って 検 出 イ メージングする 手 法 を 開 発 した 加 齢 やストレスによりフリーラジカルの 消 去 能 力 が 弱 くなることが 示 唆 されていたが がんになると がん 組 織 だけでなく 正 常 な 組 織 でも 消 去 能 力 が 弱 くなる 様 子 の 可 視 化 に 成 功 した この 新 手 法 により フリーラジカルへの 抵 抗 性 を 調 べることで 多 様 な 病 気 の 発 症 前 診 断 につながることが 期 待 できる 活 性 酸 素 1 は 放 射 線 被 ばくをした 際 に 最 初 に 生 じる 物 質 で 中 でもフリーラ ジカルは 2 放 射 線 障 害 の 主 要 な 原 因 とされています また 放 射 線 による 影 響 の みならず 活 性 酸 素 は 呼 吸 など 生 命 を 維 持 する 活 動 の 際 にも 常 に 体 内 で 作 られて いて 健 康 な 体 では 活 性 酸 素 やフリーラジカルを 分 解 消 去 する 機 構 が 働 いてい ます しかし このような 機 構 が 障 害 を 受 けフリーラジカルを 分 解 できなくなる と がん 動 脈 硬 化 心 筋 梗 塞 や 脳 梗 塞 などの 生 活 習 慣 病 あるいは 肌 のしみや 色 素 沈 着 などの 加 齢 性 変 化 など 様 々な 病 気 の 発 症 や 悪 化 老 化 につながると 考 えられています 独 立 行 政 法 人 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 分 子 イメージング 研 究 セ ンター 3 のバカロヴァ ルミアナ 主 任 研 究 員 青 木 伊 知 男 チームリーダーらは 高 磁 場 MRI 4 と 造 影 剤 (ニトロキシル ラジカル 化 合 物 ) 5 を 使 って フリー ラジカルを 消 去 する 能 力 がどのくらいあるかを 生 体 イメージングによって 体 を 傷 つけることなく 調 べる 方 法 を 開 発 し 実 験 によって 実 証 しました この 造 影 剤 はフリーラジカルを 消 去 する 能 力 が 高 い 状 態 (つまり 抵 抗 力 がある 状 態 )で は MRI の 信 号 が 消 えるよう 設 計 され 健 康 なマウスに 投 与 すると フリーラジカ ルを 分 解 する 酵 素 等 の 働 きにより 信 号 がすぐに 消 えました 一 方 がん 組 織 では MRI の 信 号 が 長 時 間 消 えずに 残 りました 本 研 究 では がんがあるマウスでは がん 組 織 だけでなく がんとは 関 係 ないと 思 われる 正 常 な 組 織 でも 信 号 が 消 1 / 8

えずに 残 ることを 初 めてイメージングで 確 認 しました つまり この 手 法 を 応 用 すると がんや 病 気 の 部 位 が 特 定 されていなくても フリーラジカルを 消 去 する 能 力 が 弱 くなった 全 身 の 状 態 (つまり 抵 抗 性 が 小 さい 状 態 )を 見 る 技 術 に つながることを 意 味 します フリーラジカルは 放 射 線 が 生 体 に 与 える 影 響 や 放 射 線 治 療 において 重 要 な 役 割 を 果 たしており 本 技 術 は 将 来 例 えば 個 々の 放 射 線 被 ばく 感 受 性 の 推 定 や 放 射 線 治 療 の 効 率 化 につながることや がん 等 フリ ーラジカルと 関 連 する 疾 患 の 超 早 期 診 断 に 向 けての 要 素 技 術 になることが 期 待 できます 本 研 究 は 12 月 20 日 に がん 専 門 誌 European Journal of Cancer の オンライン 版 に 掲 載 されました 要 旨 の 図 フリーラジカルへの 抵 抗 性 を 反 映 する 薬 剤 を 投 与 して 10 分 後 の 信 号 変 化 をカラーで 示 す 健 康 なマウスで は 信 号 がほぼ 消 失 したが がんを 持 つマウスでは がんだけ でなく 全 身 で 信 号 が 持 続 した 研 究 の 背 景 と 目 的 放 射 線 の 生 体 への 作 用 は 放 射 線 が 直 接 DNA を 切 断 する 直 接 作 用 と 放 1 射 線 が 体 内 で 活 性 酸 素 やフリーラジカル 2 を 生 成 し これらの 働 きを 介 して 作 用 する 間 接 作 用 との 2 通 りがあります γ 線 や X 線 などの 放 射 線 において フ リーラジカルは 生 体 を 傷 害 する 主 要 な 原 因 になります 一 方 で 活 性 酸 素 やフ リーラジカルは 呼 吸 など 生 命 を 維 持 する 活 動 の 際 にも 常 に 体 内 で 作 られていて 通 常 の 健 康 体 ではこれらを 分 解 消 去 する 機 構 が 働 いており 多 少 増 加 しても 健 康 は 維 持 されます しかし 分 解 する 機 構 が 傷 害 されて 速 やかに 消 去 できなくな ると がん 動 脈 硬 化 心 筋 梗 塞 や 脳 梗 塞 などの 生 活 習 慣 病 あるいは 肌 のしみ や 色 素 沈 着 などの 加 齢 性 変 化 など 様 々な 病 気 の 発 症 や 悪 化 老 化 につながると 考 えられています つまり フリーラジカルの 発 生 と その 抵 抗 性 (ここでは フリーラジカルを 消 去 する 能 力 以 下 同 じ)のバランス が 健 康 の 維 持 に 重 要 であり 体 内 でそれがどうなっているかを 観 察 することは 多 様 な 生 活 習 慣 病 や 放 射 線 障 害 の 予 兆 を 捉 え これら 疾 病 障 害 の 発 症 前 あるいは 超 早 期 の 診 断 につながる 可 能 性 があります 本 研 究 は 独 立 行 政 法 人 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 ( 以 下 放 医 研 ) 分 子 イメ ージング 研 究 センター 3 のバカロヴァ ルミアナ 主 任 研 究 員 青 木 伊 知 男 チーム リーダー 佐 賀 恒 夫 プログラムリーダーおよびブルガリアのトラキア 大 学 のジェ 2 / 8

レヴ 准 教 授 ガジェバ 教 授 らによる 国 際 的 な 共 同 研 究 の 成 果 で 12 月 20 日 に が ん 専 門 誌 European Journal of Cancer のオンライン 版 に 掲 載 されました 研 究 手 法 と 結 果 本 研 究 では フリーラジカルに 対 する 抵 抗 性 を 非 侵 襲 的 な 断 層 イメージングで 観 察 するために ニトロキシル ラジカル 造 影 剤 ( 信 号 を 出 す 酸 化 型 のもの)を がんのマウスに 投 与 し その 変 化 を 高 磁 場 MRI 4 ( 磁 気 と FM ラジオ 帯 の 電 磁 波 を 使 って 生 体 内 を 高 解 像 度 でイメージングできる 装 置 )を 使 って 観 察 しました この 造 影 剤 は フリーラジカルを 消 去 する 能 力 を 反 映 して 酸 化 型 から 還 元 型 に 移 ることで MRI の 信 号 が 消 えるよう 設 計 されています 図 1 健 康 なマウスの 脳 ( 左 )と 脳 腫 瘍 をもつマウスの 脳 ( 右 )の MRI の 信 号 変 化 上 段 の 図 は MRI による 頭 の 断 面 図 下 段 は その 信 号 変 化 を 経 時 的 にグラフにしたもの グラフの 縦 軸 の MRI の 信 号 変 化 (%) は 投 与 前 の MRI の 信 号 に 対 する 変 化 の 割 合 を 示 す 健 康 なマウス( 左 )では 脳 でも 筋 組 織 でも 投 与 後 信 号 が 上 昇 した( 約 10-14%)が 速 やか に 元 の 信 号 に 戻 った これは 健 康 なマウスでは フリーラジカルを 消 去 する 能 力 を 十 分 に 持 つことを 示 唆 する 一 方 脳 腫 瘍 ( 神 経 芽 細 胞 腫 )を 移 植 されたマウス( 右 )では がん を 含 む 脳 では 上 昇 した 信 号 が 長 い 時 間 低 下 せず 持 続 した( 右 : 赤 約 10%) これは 消 去 能 がうまく 機 能 していないことを 示 唆 する 注 目 すべき 点 は 脳 腫 瘍 移 植 マウスの 正 常 な 筋 組 織 等 で( 右 : 青 ) 投 与 後 大 きく 信 号 が 上 昇 し(50% 程 度 ) 極 めて 長 い 時 間 投 与 前 の 信 号 に 戻 らなかったことである この 部 位 にはがんの 転 移 はなく 顕 微 鏡 や 他 のイメージング 法 では 正 常 であると 観 察 され フリ ーラジカルを 多 く 産 生 する 積 極 的 な 理 由 は 無 いにも 関 わらず 信 号 が 持 続 した これは が んを 移 植 されたマウスでは 全 身 でフリーラジカルを 消 去 する 能 力 が 低 下 していることを 示 唆 する ( 注 : 個 別 の 画 像 同 士 では 比 較 できず 強 度 を 標 準 化 して 比 較 を 試 みている グラフの 減 少 の 仕 方 が 消 去 能 力 を 反 映 する) 3 / 8

まず 健 康 なマウスに 投 与 すると 脳 および 筋 肉 の 両 方 で 5 分 程 度 で 信 号 が 消 えました( 図 1 左 ) これは フリーラジカルを 分 解 する 酵 素 など フリーラジ カルを 消 去 する 能 力 が 正 常 に 働 いて 造 影 効 果 を 消 したことを 意 味 します 一 方 脳 にできるがん( 脳 腫 瘍 神 経 芽 細 胞 腫 )を 持 つマウスに 投 与 したところ がんの 組 織 では 信 号 は 少 なくとも 15 分 以 上 持 続 し 投 与 前 の 状 態 に 戻 るには 極 めて 長 時 間 かかることが 観 察 されました( 図 1 右 ) 腫 瘍 の 組 織 では 活 性 酸 素 やフリーラジカルが 大 きく 増 えることが 知 られていますので この 反 応 は 予 想 通 りでした この 研 究 の 新 しい 発 見 は この 信 号 の 持 続 が がんの 組 織 ではない 正 常 と 思 われる 部 位 ( 転 移 もない 部 位 ) でも 観 察 された 点 です( 図 1 右 青 ) つまり がんを 持 つマウスでは がん 転 移 のない 組 織 ででも フリーラジカルを 消 去 する 能 力 が 低 下 し フリーラジカルが 十 分 に 消 去 できていないということ が 示 唆 されました 見 方 を 変 えると がんが 発 見 されていなくても この 信 号 の 持 続 を 観 察 することで 多 くの 病 気 の 予 兆 となる フリーラジカルを 消 去 する 能 力 の 低 下 を 見 つけ 出 すことができる 可 能 性 を 示 しています この 観 察 結 果 を 確 認 するために 大 腸 がんを 皮 下 に 移 植 したマウスでも 同 様 の 実 験 を 行 ったところ ほぼ 同 じ 結 果 を 得 ました つまり 全 身 で フリーラジカ ルへの 抵 抗 性 の 低 下 を 示 唆 する MRI 信 号 の 持 続 は 脳 腫 瘍 だけでなく 他 のが ん 種 にも 共 通 している 可 能 性 が 高 いことが 判 明 しました さらに がんを 移 植 し てわずか 3 日 後 の 超 早 期 かつ 微 小 ながんのモデルでも 信 号 の 持 続 に 差 があるこ とが 観 察 されました つまり 本 造 影 剤 は 極 めて 鋭 敏 に 微 小 かつ 早 期 のがん による 抵 抗 性 の 低 下 を 検 出 できる 能 力 があることが 示 されました 図 2 にフ リーラジカル 消 去 能 に 関 する 今 回 の 結 果 についての 模 式 図 を 示 します 図 2 健 康 な 個 体 ( 青 )では フリ ーラジカルの 発 生 は 少 なく 消 去 能 も 高 いため 信 号 はすぐに 低 下 する が んの 組 織 ( 赤 )では フリーラジカル の 発 生 が 多 いことが 知 られ 消 去 能 も 低 下 しているため 非 常 に 長 い 時 間 信 号 が 持 続 する がんを 持 っているマ ウスの 正 常 組 織 ( 黄 色 )では 転 移 も ないため フリーラジカルの 発 生 量 が 積 極 的 に 増 える 要 因 はないが 消 去 能 が 低 下 しているために 信 号 が 長 く 持 続 していると 考 えられる 4 / 8

本 研 究 成 果 と 今 後 の 展 望 ニトロキシル ラジカルは 造 影 剤 としての 効 果 に 加 えて 放 射 線 防 護 の 性 質 を 持 つため 米 国 では 放 射 線 治 療 の 前 に 頭 部 に 塗 布 することで 治 療 後 の 脱 毛 を 防 ぐ 薬 品 として 臨 床 研 究 が 進 められています また 当 研 究 所 が 平 成 21 年 1 月 29 日 にプレス 発 表 した 見 える 抗 癌 剤 では 同 造 影 剤 を 用 いて 治 療 と 評 価 が 同 時 に 実 施 できる 技 術 を 開 発 しました 加 えて 平 成 21 年 6 月 3 日 発 表 の 重 粒 子 線 が 生 成 する 活 性 酸 素 の 可 視 化 に 成 功 ( 重 粒 子 医 科 学 センター: 松 本 謙 一 郎 チ ームリーダーら)の 成 果 では 重 粒 子 線 による 治 療 を 観 察 する 技 術 としても 応 用 され 今 後 の 展 開 に 幅 広 い 可 能 性 を 持 っています (これらのプレス 発 表 につい ては 用 語 解 説 の 後 の Web サイトアドレスを 参 照 ) 本 研 究 の 最 も 重 要 な 成 果 は がんの 組 織 だけでなく 全 身 の 正 常 な 組 織 でも フリーラジカルを 消 去 する 能 力 の 低 下 を 観 察 する 手 法 を 提 示 した 点 です こ の 発 見 は 単 に 病 気 の 部 位 を 診 断 するのではなく 病 気 になる 前 の 予 兆 あるい は 超 早 期 の 変 化 を 反 映 する 可 能 性 があることを 示 し 例 えば 放 射 線 被 ばくを 受 けた 後 に 長 い 時 間 を 経 て 病 気 へと 変 化 する 過 程 の 前 兆 を 検 出 できる 可 能 性 があ ります また 個 人 によって 異 なる 放 射 線 被 ばくに 対 する 感 受 性 の 推 定 への 利 用 あるいは 放 射 線 治 療 を 行 う 際 個 人 に 合 わせた 線 量 の 最 適 化 への 応 用 が 期 待 でき ます 加 えて さまざまなストレスや 加 齢 によって 生 じるがん 動 脈 硬 化 心 筋 梗 塞 脳 梗 塞 などの 生 活 習 慣 病 への 抵 抗 性 を 評 価 する 指 標 へと 利 用 できると 考 え られます 本 研 究 を 臨 床 応 用 するためには 近 い 将 来 改 良 開 発 すべきことが 幾 つかあ ります 現 状 の 造 影 剤 を ヒトに 対 して 大 量 に 全 身 に 投 与 した 場 合 どのような 副 作 用 をもたらすのかが 十 分 に 分 かっておらず 慎 重 に 研 究 が 進 められる 必 要 が あります 幸 いなことに 本 手 法 では 必 ずしも 全 身 に 造 影 剤 が 到 達 する 必 要 がな いため 局 所 的 投 与 による 観 察 体 外 診 断 あるいは 薬 剤 送 達 システム(ドラッ グ デリバリー システム) 6 による 効 率 的 な 投 与 法 を 検 討 することにより 解 決 手 段 を 見 い 出 せると 考 えられます 加 えて より 安 全 かつ 検 出 力 の 高 い 化 合 物 の 合 成 を 目 指 し 国 内 外 の 研 究 機 関 と 共 に 探 索 改 良 を 進 め また 放 射 線 治 療 へ の 応 用 については 放 医 研 重 粒 子 医 科 学 センターと 密 接 に 協 力 して 実 施 していま す 本 研 究 は 前 述 のような 改 良 を 経 て 当 研 究 所 の 重 要 な 使 命 である 放 射 線 の 生 体 影 響 を 検 出 評 価 するイメージング 手 段 として また より 広 く 国 民 の 健 康 維 持 に 役 立 つ 生 活 習 慣 病 の 予 兆 を 検 出 する 手 段 の 両 方 に 展 開 が 可 能 であると 考 え られます 放 医 研 分 子 イメージング 研 究 センターでは 今 後 も 臨 床 応 用 を 目 指 し た 革 新 的 なイメージング 技 術 の 開 発 および 前 臨 床 への 応 用 に 精 力 的 に 取 り 組 んで 5 / 8

いきます ( 用 語 解 説 ) 1 活 性 酸 素 酸 素 を 含 む 反 応 性 の 高 い 分 子 種 の 総 称 で 狭 義 にはヒドロキシルラジカル ス ーパーオキシド 過 酸 化 水 素 一 重 項 酸 素 の 4 種 をさす 生 体 内 ではミトコンド リアにおける 酸 素 利 用 の 過 程 でも 活 性 酸 素 は 生 じている 酸 素 分 子 が 不 対 電 子 を 捕 獲 することで スーパーオキシド ヒドロキシルラジカル 過 酸 化 水 素 とい う 順 に 生 成 する 2 フリーラジカル 不 対 電 子 ( 電 子 対 を 成 さない 単 独 で 存 在 する 比 較 的 不 安 定 な 電 子 )をもつ 分 子 または 原 子 団 をフリーラジカル( 古 い 言 葉 では 遊 離 基 )といい 活 性 酸 素 のうち ヒドロキシルラジカルとスーパーオキシドはフリーラジカルである ヒドロキシ ルラジカルは 放 射 線 による 水 の 電 離 および 励 起 などで 生 じ 多 くの 生 体 損 傷 を 引 き 起 こすとされる このような 活 性 酸 素 種 を 消 去 する 酵 素 も 生 体 内 には 存 在 し( 抗 酸 化 酵 素 例 えばスーパーオキシドジスムターゼなど) 生 体 防 御 能 として 働 く がんや 動 脈 硬 化 など 多 様 な 生 活 習 慣 病 の 発 症 あるいは 悪 化 リスクに 関 連 する 多 く の 報 告 があり また 老 化 の 原 因 とする 仮 説 もある 一 方 放 射 線 によるがん 治 療 では フリーラジカルの 産 生 が 治 療 効 果 に 影 響 し また 外 部 から 入 り 込 んできた 異 物 ( 微 生 物 )を 排 除 することができるので 応 用 により 病 気 の 治 療 や 新 薬 の 開 発 にも 利 用 できる 3 分 子 イメージング 研 究 センター 平 成 17 年 度 に 放 医 研 に 創 立 された 分 子 イメージング 研 究 を 行 っている 研 究 セン ター 腫 瘍 や 精 神 疾 患 に 関 する 基 礎 研 究 や 臨 床 研 究 のほか 分 子 プローブの 開 発 や 放 射 薬 剤 製 造 技 術 開 発 PET や MRI の 計 測 技 術 開 発 や 病 態 適 用 など 分 子 イメー ジングの 基 礎 研 究 から 疾 患 診 断 の 臨 床 研 究 まで 幅 広 い 研 究 を 行 う 世 界 屈 指 の 分 子 イメージング 研 究 拠 点 文 部 科 学 省 が 推 進 する 分 子 イメージング 研 究 戦 略 推 進 プログラム の PET 疾 患 診 断 研 究 拠 点 として 選 定 を 受 けている 4 高 磁 場 MRI 磁 気 共 鳴 イメージング(MRI)は 体 内 の 水 素 原 子 ( 主 として 生 体 の 水 )が 核 磁 気 共 鳴 を 起 こして 得 た 情 報 をコンピューターにより 画 像 化 する 手 法 で 国 内 では 5 千 台 以 上 が 稼 働 するなど 非 侵 襲 的 に 生 体 の 断 層 画 像 を 取 得 する 方 法 として 診 断 を 中 心 に 広 く 臨 床 現 場 で 使 用 されている 軟 部 組 織 のコントラストに 優 れ ヒトでも 1 mm 前 後 の 解 像 度 を 取 得 できる MRI では 高 い 磁 場 ほど 強 い 信 号 が 検 出 できるが 安 定 した 画 像 を 得 るためには 高 度 な 技 術 力 が 必 要 となる 6 / 8

通 常 の 医 療 では3テスラ 以 下 の MRI が 使 用 される(1テスラは 10000 ガウス) 本 研 究 では 小 さな 個 体 を 対 象 としたため 7テスラ MRI が 使 用 され 100μm 程 度 の 分 解 能 で 生 体 の 断 層 画 像 を 得 ることができる 7テスラ MRI で 得 られた 研 究 成 果 は 3 テスラ 以 下 の 臨 床 装 置 でも 再 現 が 可 能 であり また 世 界 的 には 30 台 以 上 の 臨 床 用 の 7 テスラ MRI も 稼 働 が 開 始 している 5 ニトロキシル ラジカル ニトロキシド 基 を 含 む 化 合 物 で 古 くは 電 子 スピン 共 鳴 法 (ESR または EPR)を 用 いて フリーラジカル 反 応 を 研 究 するための 分 子 プローブとして 使 用 されてき た ラジカル という 名 称 を 含 むが フリーラジカルとは 違 い 安 定 型 のラジカ ルのため 逆 に 不 安 定 なフリーラジカルと 結 合 して 安 定 化 させる ラジカル 消 去 剤 (スカベンジャー) としての 作 用 を 持 つ MRI でも 酸 化 型 ( 下 図 左 の 赤 ) では 信 号 が 検 出 可 能 で フリーラジカルを 消 去 する 能 力 が 高 い 状 態 では 酸 化 型 から 還 元 型 に 移 るため この 信 号 が 消 える 設 計 となっている 近 年 組 織 の 酸 化 還 元 反 応 (レドックス)を 検 出 する 方 法 として 再 び 注 目 されている 併 せて 米 国 では 放 射 線 治 療 の 際 に 脱 毛 を 防 止 する 放 射 線 防 護 剤 として 注 目 され 臨 床 応 用 が 進 められる 他 脳 梗 塞 を 発 症 した 際 の 保 護 的 効 果 など 造 影 剤 としてだけで なく 薬 剤 としての 有 用 性 もある 6 薬 剤 送 達 システム(ドラッグ デリバリー システム;DDS) 必 要 な 薬 物 を 必 要 な 時 間 に 必 要 な 部 位 で 作 用 させるためのシステム( 工 夫 や 技 術 ) 通 常 使 用 されている 薬 物 が 全 身 に 分 布 するため 副 作 用 の 原 因 となるが DDS により 局 所 に 集 めることができれば 効 果 を 高 めつつ 副 作 用 を 減 らすことが 可 能 となる 最 近 では ナノテクノロジーの 進 展 により 100 nm 前 後 の ナノ 粒 子 を 製 造 し がんなどの 目 標 に 薬 剤 を 運 搬 するシステムが 注 目 を 集 めている 当 研 究 所 分 子 イメージング 研 究 センターは 最 先 端 研 究 開 発 支 援 プログラム( ナノ バイオテクノロジーが 先 導 する 診 断 治 療 イノベーション 代 表 者 : 東 京 大 学 7 / 8

片 岡 一 則 教 授 )に 参 画 し 先 端 的 DDS 技 術 を 分 子 イメージングに 応 用 し 新 しい 価 値 を 創 出 する 取 り 組 みを 行 っている ( 本 文 中 記 載 のプレス 発 表 ) 見 える 抗 癌 剤 の 開 発 に 成 功 ( 平 成 21 年 1 月 29 日 に 発 表 ) http://www.nirs.go.jp/information/press/2008/index.php?01_29.shtml 重 粒 子 線 が 生 成 する 活 性 酸 素 の 可 視 化 に 成 功 ( 平 成 21 年 6 月 3 日 に 発 表 ) http://www.nirs.go.jp/information/press/2009/index.php?06_04.shtml ( 問 い 合 わせ 先 ) 独 立 行 政 法 人 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 企 画 部 広 報 課 TEL:043-206-3026/FAX:043-206-4062 E-mail:info@nirs.go.jp 8 / 8