長 野 式 臨 床 研 究 会 平 成 23 年 第 13 期 マスタークラス 大 阪 セミナーQ&A 第 3 回 23 年 5 月 22 日 テーマ 更 年 期 障 害 講 師 長 野 康 司 1 更 年 期 障 害 更 年 期 とは 卵 巣 機 能 衰 退 消 失 の 時 期 である 生 殖 期 ( 性 成 熟 期 )と 非 生 殖 期 ( 老 年 期 )の 移 行 期 をいう 一 般 的 に 40 代 後 半 から 50 代 後 半 までを 指 すが 子 宮 や 卵 巣 手 術 等 で 早 まる 場 合 もある 原 因 一 般 に 言 う 卵 胞 ホルモンのエストロゲンの 分 泌 低 下 だけではなく 卵 巣 を 中 心 とした 各 内 分 泌 臓 器 の 老 化 現 象 に 随 伴 して 起 る 性 機 能 系 各 内 分 泌 系 の 失 調 に 原 因 があり 全 身 的 な 自 律 神 経 失 調 が 起 ってくる 誘 因 更 年 期 時 期 には 卵 巣 以 外 の 内 分 泌 腺 にも 老 化 が 始 まり 精 神 的 ストレスも 重 なる 時 期 なので 各 種 因 子 が 同 時 に 働 いて 発 症 させる 症 状 による 精 神 神 経 症 状 イライラ 不 眠 不 安 感 抑 うつ 他 分 類 身 体 症 状 のぼせ 頭 痛 めまい 嘔 気 発 汗 腰 痛 肩 こり 他
更 年 期 障 害 の 所 見 パターンと 臨 床 的 意 味 とまとめ 更 年 期 障 害 症 例 12 症 例 1 更 年 期 障 害 による 全 身 倦 怠 2 膀 胱 炎 女 性 44 歳 銀 行 員 ( 三 十 年 の 軌 跡 P263) 女 性 41 歳 主 婦 ( 新 治 療 法 の 探 求 P355) タイプ 更 年 期 に 多 くのストレスが 重 なったもの 心 胆 膀 胱 の 実 胃 虚 主 訴 全 身 倦 怠 排 尿 後 の 不 快 感 残 尿 感 現 病 歴 3~4 年 前 から 月 経 量 減 少 周 期 遅 れ 気 味 全 身 倦 怠 嘔 気 頭 鳴 り 頚 肩 こり 発 症 家 庭 内 トラブル 多 く 精 神 的 にもイライラ 6 ヶ 月 間 排 尿 違 和 感 薬 物 療 法 でも 改 善 なし 既 往 歴 20 年 前 盲 腸 炎 OP その 後 流 産 2 回 10 年 前 4 ヶ 月 の 胎 児 を 人 工 中 絶 卵 管 結 紮 プロセス 早 期 発 症 更 年 期 の 誘 因 銀 行 員 ( 神 経 を 使 う)+ 性 格 的 + 家 庭 内 問 題 それぞれ 重 なり 誘 発 されたのではないか 盲 腸 OP 2 回 の 流 産 中 絶 不 妊 治 療 早 期 更 年 期 になり 免 疫 力 低 下 下 腹 部 の 弱 り 膀 胱 炎 発 症 随 伴 症 状 嘔 気 頭 鳴 り 頚 肩 こり イライラ 全 身 倦 怠 嘔 気 動 悸 食 欲 不 振 顔 面 やや 紅 潮 帯 下 脉 状 細 緊 数 洪 緊 数 所 ( 交 感 神 経 過 緊 張 卵 巣 機 能 低 下 冷 えも 現 す) ( 心 肥 大 もある 更 年 期 の 脉 状 ) 腹 診 腹 部 瘀 血 著 明 腹 動 もある 下 腹 部 全 体 に 筋 性 抵 抗 特 に 膀 胱 部 圧 痛 著 明 見 肝 門 脈 鬱 血 陽 性 小 腹 不 仁 日 月 (+) 心 窩 部 (+) 火 穴 特 記 なし 特 記 なし 局 所 胸 鎖 乳 突 筋 緊 張 T1.L4.5.( 右 に 側 彎 ) T9.( 左 に 側 彎 ) 足 背 部 やや 局 所 的 浮 腫 その 他 激 務 な 家 庭 と 仕 事 脂 肪 過 多 BD140/70 順 証 逆 証 脉 は 実 腹 も 実 共 に 実 で 順 脉 は 実 腹 も 実 共 に 実 で 順 処 置 所 見 に 沿 っ て 1 照 海 兪 府 20 分 ( 自 律 神 経 調 節 ) 2 扁 桃 処 置 ( 基 本 処 置 として) 3 腹 部 瘀 血 処 置 ( 瘀 血 反 応 著 明 ) 4 肝 門 脈 鬱 血 処 置 ( 腹 部 反 応 による) 5 三 陰 交 耳 垂 扁 桃 点 に 皮 内 鍼 復 溜 ( 女 性 H 分 泌 促 進 ) 蠡 溝 ( 膀 胱 炎 の 特 効 穴 ) 胆 のう 点 ( 膀 胱 実 は 胃 虚 になり 易 い 為 胃 を 補 す) 関 元 ( 洪 数 に 対 して) 環 跳 ( 初 期 の 下 垂 処 置 ) 復 溜 蠡 溝 胆 のう 点 と 中 極 ( 膀 胱 経 の 募 穴 )に 半 米 大 5 壮 施 灸 ( 自 宅 施 灸 も 指 示 ) * 著 効 したのは 蠡 溝 中 極 の 膀 胱 炎 処 置 * 胆 のう 点 ( 胃 経 の 解 谿 より 上 4 横 指 の 胃 経 上 ) 経 過 2 回 の 治 療 で 症 状 軽 減 3 ヶ 月 で 消 失 2 回 目 残 尿 感 消 失 4 回 目 数 脉 消 失 洪 ある 関 元 を 小 腸 兪 に 変 更 5 回 目 排 尿 後 の 違 和 感 残 尿 感 消 失 6 回 目 (17 日 目 ) 自 覚 症 全 くないが 暫 く 施 灸 指 示 ポイント 銀 行 員 ( 神 経 を 使 う)+ 性 格 的 + 家 庭 内 問 題 か ら 誘 発 されたのだから 患 者 の 悩 みや 不 満 を 聞 くことでも 自 律 神 経 の 中 枢 である 視 床 下 部 に 影 響 させることができる 洪 数 洪 遅 は 更 年 期 に 度 々 診 られる 洪 数 の 時 は 関 元 洪 遅 に 変 化 小 腸 兪 に 変 更 日 月 (+)は 胆 実 胃 虚 を 伴 いやすい( 木 剋 土 ) 胆 のう 点 は 胃 虚 を 治 し 胆 実 を 瀉 すことになり 胆 汁 分 泌 も 円 滑 になる 2
3 症 例 のポイント12 症 例 1 照 海 兪 府 の 20 分 留 鍼 と 時 間 設 定 をするときは この 処 置 が 優 先 的 になり 他 処 置 の 同 時 進 行 はない 耳 垂 扁 桃 体 は 耳 垂 の 下 方 中 央 部 にあり 判 りにくい 場 合 は 鍼 管 で 押 さえ 圧 痛 を 確 認 するか ノイロメーター 等 で 電 気 抵 抗 の 弱 い 所 を 探 しても 良 い ( 鍼 灸 経 外 奇 穴 図 譜 第 Ⅱ 集 より) 症 例 2 不 妊 治 療 をした 後 に 更 年 期 になっていった 日 月 は 胆 経 の 募 穴 圧 痛 で 胆 実 を 現 す 心 窩 部 の 圧 痛 は 心 実 を 現 す 胆 のう 点 は 胃 虚 を 補 い 胆 実 を 瀉 す 作 用 があるので 刺 方 は 瀉 胆 のう 点 は 胃 経 上 ( 解 谿 の 上 4 横 指 )にあるので 胃 経 を 補 すことになり 間 接 的 に 胆 を 瀉 していることとなる 胆 のう 点 を 鍼 灸 経 外 奇 穴 図 譜 第 Ⅳ 集 には 陽 陵 泉 の 下 1.5 寸 に 取 る 同 名 穴 が あるが 潔 先 生 の 取 る 胆 のう 点 とは 異 なる 肥 満 の 洪 脉 は 簡 単 には 改 善 されない 洪 数 は 陽 なので 陰 の 関 元 を 使 い 洪 遅 は 陰 なので 陽 の 小 腸 兪 を 使 う 質 問 01 更 年 期 のホットフラッシュにもいいですか? 返 答 01 ホットフラッシュも 顔 面 紅 潮 と 同 じです 更 年 期 の 治 療 は 時 間 がかかるので 時 間 をかけて 話 したりして リラックスさ せながらやっていく
4 更 年 期 障 害 症 例 34 症 例 3 血 管 性 頭 痛 4 背 部 肩 腕 痛 全 身 倦 怠 女 性 59 歳 主 婦 ( 新 治 療 法 の 探 求 P332) 女 性 56 歳 養 殖 業 経 営 ( 長 野 康 司 症 例 ) タイプ 肝 虚 肺 実 極 度 なストレスからの 血 流 障 害 主 訴 頭 痛 特 に 頭 頂 部 の 灼 熱 痛 左 背 部 両 肩 ~ 上 腕 にかけて 痛 み 重 だるさ 現 病 歴 2 ヶ 月 前 に 頭 痛 の 為 1 ヶ 月 間 入 院 加 療 効 果 なく 来 院 肩 甲 骨 内 縁 ~ 上 腕 にかけての 痛 み 左 第 3.4. 指 右 第 3.4.5. 指 にかけシビレ 随 伴 症 も 多 く 更 年 期 の 薬 服 用 中 も 効 果 なし 既 往 歴 4 年 前 貧 血 で 20 日 間 入 院 閉 経 48 歳 2 年 前 胃 潰 瘍 で 60 日 間 入 院 プロセス 更 年 期 骨 盤 内 血 流 悪 化 卵 巣 や 子 宮 の 変 調 血 の 道 症 頭 痛 発 症 経 営 者 極 度 に 気 遣 い 更 年 期 も 合 わさり 自 律 神 経 失 調 気 滞 血 流 障 害 疼 痛 倦 怠 随 伴 症 状 特 記 なし 寝 付 き 悪 く 夜 咳 き 込 む 両 下 肢 だるい 坐 骨 神 経 痛 頭 痛 もち 脉 状 細 軟 数 ( 軟 脉 は 慢 性 疼 痛 を 現 す) 弱 短 やや 緊 ( 非 常 に 弱 く 疲 労 困 憊 の 脉 状 ) 所 腹 診 右 寸 口 の 沈 実 ( 肺 実 ) 右 期 門 軽 圧 痛 ( 肝 虚 ) 腹 部 全 体 が 硬 化 ( 抵 抗 がある) 見 腹 壁 全 般 的 に 軟 弱 ( 腹 圧 低 下 内 臓 下 垂 ) 中 注 気 海 右 天 枢 (+) 火 穴 特 記 なし 圧 痛 なし 局 所 T9 やや 左 に 側 彎 右 肩 甲 骨 内 縁 ~T6.7.8.9.まで 筋 緊 張 著 明 肩 甲 骨 上 角 付 近 に 硬 結 やや 頭 部 瘀 血 あり その 他 BD100/50 更 年 期 の 薬 (エストロゲン 製 剤 安 定 剤 自 律 神 経 調 整 剤 加 味 逍 遥 散 等 ) 服 用 順 証 逆 証 脉 状 は 虚 腹 も 虚 共 に 虚 で 順 脉 状 は 虚 腹 は 実 虚 実 違 い 逆 証 処 置 所 見 に 沿 っ て 経 過 上 髎 次 髎 ( 骨 盤 内 血 流 改 善 に 寸 6.3 番 補 鍼 ) 右 大 敦 ( 肝 虚 に 1 寸.1 番 2 分 留 鍼 ) 肩 甲 骨 上 角 付 近 硬 結 部 ( 硬 結 緩 和 に 切 皮 瀉 ) 肩 甲 骨 内 縁 の 筋 緊 張 ( 筋 緊 張 緩 和 に 切 皮 瀉 ) 2 回 目 前 回 で 熟 睡 でき 頭 痛 もない BD110/70 5 回 目 頭 痛 再 発 なし 不 安 感 もない 7 回 目 (20 日 目 ) 自 覚 症 なし 脉 ほぼ 正 常 肩 甲 骨 周 辺 緊 張 消 失 BD130/70 下 垂 処 置 小 野 寺 臀 点 上 次 髎 郄 門 気 戸 手 三 里 に 自 宅 施 灸 1 ヶ 月 指 示 1 年 後 も 頭 痛 再 発 せず 1 強 心 処 置 ( 三 陰 交 労 宮 百 会 ) 留 鍼 ( 最 優 先 ) 2 扁 桃 処 置 ( 右 天 枢 (+)の 為 ) 3 瘀 血 処 置 ( 中 注 (+)に) 4 頭 部 瘀 血 処 置 ( 頭 部 瘀 血 ある 為 ) 2 回 目 大 分 身 体 に 力 入 ってきた やや 弱 短 腹 部 柔 らかい 左 魄 戸 膏 肓 に 皮 内 鍼 追 加 3 回 目 1 ヶ 月 間 があき 症 状 所 見 再 発 4 回 目 大 分 楽 左 肩 痛 あり 沈 遅 になる 5 回 目 4 回 目 以 降 安 定 剤 服 用 せず 右 肩 痛 腰 痛 沈 遅 扁 桃 副 腎 帯 脈 京 門 左 魄 戸 膏 肓 に 皮 内 鍼 8 回 目 (105 日 目 ) 全 体 的 にずっとよい 薬 なし 肩 こり 腰 痛 沈 遅 右 天 枢 (+) 他 は(-) 行 間 (+) 扁 桃 副 腎 肺 実 肝 気 水 帯 脈 遠 方 の 為 頻 繁 に 来 院 できないが 継 続 加 療 中 ポイント 更 年 期 における 頭 痛 骨 盤 部 の 鬱 血 や 虚 血 が 多 いので 先 に 上 次 髎 を 処 置 をする 骨 盤 内 臓 ( 卵 巣 子 宮 付 属 器 等 )の 変 調 が 血 の 道 として 頭 部 疾 患 誘 発 頭 痛 や 知 覚 過 敏 の 部 位 で 各 疾 患 との 関 連 が わかるので 参 考 にすると 便 利 である 弱 短 は 疲 労 困 憊 全 身 倦 怠 虚 血 性 心 疾 患 の 脉 状 この 脉 があれば 最 優 先 で 強 心 処 置 気 は 発 散 と 凝 集 を 繰 り 返 すと 気 体 液 体 固 体 になるといわれる これが 腹 の 塊 になったのではないか 腹 の 塊 瘀 血 処 置 で 緩 解 した 瘀 血 処 置 血 の 流 れ 良 くなり 柔 らかくなっ た 頭 頂 部 疼 痛 は 列 欠 三 陰 交 列 欠 陰 陵 泉 の 補 鍼 で 軽 快 する
5 症 例 のポイント34 症 例 3 軟 脉 は 慢 性 疼 痛 を 現 している 数 脉 があるのに 骨 盤 部 を 先 に 処 置 をしたのは 骨 盤 内 臓 ( 卵 巣 子 宮 付 属 器 等 )の 変 調 が 血 の 道 症 として 頭 部 疾 患 誘 発 したので 先 に 骨 盤 内 の 血 流 を 良 くして 他 の 処 置 をした それだけ 重 要 視 したわけである 頭 痛 部 位 に 関 して 新 治 療 法 の 探 求 P334 に 各 疾 患 と 頭 痛 及 び 知 覚 過 敏 との 関 連 が 出 ている 一 つの 目 安 として 覚 えておくと 便 利 です 小 野 寺 殿 点 は 初 期 の 下 垂 処 置 として 使 っていたが 今 では 生 辺 京 門 大 腸 兪 を 使 って 効 果 を 挙 げている しかし 小 野 寺 殿 点 でも 効 果 は 十 分 にある 右 大 敦 は 肝 虚 の 処 置 である 肝 経 の 木 穴 は 肝 の 自 穴 でもあるのでそれを 補 っていった 列 欠 は 四 総 穴 から 取 っている ( 難 経 等 出 典 ) 吐 腹 は 三 里 に 留 める 頭 項 は 列 欠 に 尋 ねる 腰 背 は 委 中 に 求 める 面 目 は 合 谷 に 求 める 三 陰 交 は 血 の 異 常 を 治 す 血 は 脾 経 に 関 与 している 症 例 4 腹 全 体 の 硬 さは 抵 抗 感 があり 強 い 反 応 を 現 している 強 心 処 置 は 三 陰 交 ( 陰 陵 泉 はなくてもよい) 労 宮 百 会 に 脉 が 強 くなる まで 留 鍼 雀 啄 T3.4. は 気 と 血 にとても 大 事 なツボである 弱 短 の 脉 は 非 常 に 弱 い 脉 で 最 優 先 に 処 置 をしなければならない 脉 を 整 えずに 他 の 処 置 をいくらやっても 効 き 目 がない 脉 が 弱 短 から 沈 遅 に 変 わってきたということは 脉 が 触 れだし 体 力 が 少 しず つ 出 てきたということを 現 しています 後 天 の 気 は 営 気 ( 血 液 )と 衛 気 ( 血 管 外 液 )を 意 味 するが 気 も 液 体 と 関 与 するということである 気 は 発 散 と 凝 集 を 繰 り 返 すと 気 体 液 体 固 体 になるといわれる つまり 腹 の 硬 さは 気 の 流 れが 悪 く 滞 っているということがいえるのではないだろう か
脉 状 腹 診 火 穴 その 他 特 徴 処 置 更 年 期 障 害 の 臨 床 的 パターンとキーポイント 細 緊 数 多 く 診 られる 女 性 H 低 下 し 血 管 収 縮 し 副 腎 皮 質 Hも 低 下 している 細 沈 遅 や 弱 短 全 身 的 な 循 環 障 害 慢 性 的 副 腎 皮 質 H 低 下 慢 性 症 状 も 現 す 洪 ときに 診 られる 自 律 神 経 失 調 が 昴 じたり 心 肥 大 ある 人 瘀 血 や 肝 門 脈 鬱 血 を 呈 していることがある 腹 壁 軟 弱 内 臓 下 垂 を 現 し 腹 圧 が 低 下 している 一 様 ではない 胸 鎖 乳 突 筋 緊 張 や 肩 甲 骨 内 縁 の 凝 り も 診 られる 更 年 期 は 卵 巣 機 能 低 下 と 共 に 全 身 的 にも 内 分 泌 臓 器 の 乱 れが 出 る 特 に 副 腎 皮 質 機 能 低 下 交 感 神 経 緊 張 や 副 腎 髄 質 H 及 び 副 甲 状 腺 Hの 分 泌 亢 進 で 様 々な 症 状 を 発 症 する 更 年 期 症 の 処 置 は エストロゲン の 代 替 分 泌 能 をもつ 副 腎 皮 質 の 刺 激 が 重 要 となる 1 照 海 ( 復 溜 ) 兪 府 天 牖 手 三 里 に 15~20 分 留 鍼 (S U 天 三 ) 2 瘀 血 あれば 瘀 血 処 置 ( 中 封 尺 沢 膈 兪 ) 3 頭 部 瘀 血 あれば 頭 部 瘀 血 処 置 ( 百 会 付 近 のブヨブヨ 部 を 水 平 刺 雀 啄 瀉 ) 4めまいあれば 築 濱 耳 のメマイ 点 に 皮 内 鍼 固 定 6 更 年 期 ~ 老 年 期 以 降 に 起 りやすい 足 腰 の 冷 え 肩 こり 倦 怠 感 目 のかすみ 等 の 更 年 期 障 害 の 原 因 は 骨 盤 虚 血 骨 盤 虚 血 処 置 大 腸 兪 腰 の 腰 関 上 仙 八 髎 穴 の 反 応 点 に 灸 頭 鍼 閉 経 前 の 婦 人 三 陰 交 血 海 内 関 に 補 鍼 施 灸 は 三 陰 交 内 関 閉 経 婦 人 の 施 灸 照 海 を 加 える 更 年 期 におけるのぼせ( 顔 面 紅 潮 )で 洪 緊 数 太 った 人 陽 陵 泉 陰 陵 泉 居 髎 関 元 洪 緊 数 痩 せた 人 帯 脈 気 海 関 元 女 性 ホルモンのエストロゲンは 実 は 全 身 に 影 響 を 及 ぼしている 副 腎 皮 質 Hが 低 下 すると 交 感 神 経 が 緊 張 してくる 更 年 期 にはカルシウムが 減 少 してくるので それを 補 う 為 に 副 甲 状 腺 H ( 上 皮 小 体 ) は 亢 進 してくる これは 交 感 神 経 緊 張 も 現 している 腰 の 腰 関 (L4 下 ) 上 仙 (L5 下 )は 照 海 三 陰 交 内 関 以 外 で 副 腎 を 強 化 する 目 的 で 使 う メマイ 点 は 耳 垂 の 上 方 中 央 部 よりやや 後 ろにあり 判 りにくい 場 合 は 鍼 管 で 押 さ え 圧 痛 を 確 認 するか ノイロメーター 等 で 電 気 抵 抗 の 弱 い 所 を 探 しても 良 い メマイ 点 の 皮 内 鍼 は 3 ミリを 使 い 後 方 に 向 けて 固 定 する のぼせのある 肥 満 者 には 陽 陵 泉 居 髎 痩 せている 場 合 は 帯 脈 気 海 関 元 居 髎 は 上 前 腸 骨 棘 と 大 転 子 隆 起 部 との 中 間 に 取 る ( 鍼 灸 経 外 奇 穴 図 譜 第 Ⅱ 集 より)
7 質 問 02 更 年 期 ののぼせには この 処 置 だけでいいのですか? 返 答 02 自 律 神 経 なのでこの 処 置 でいいです 中 でも 居 髎 は 東 洋 医 学 見 聞 記 にも 追 試 して 更 年 期 症 自 律 神 経 に 効 果 があったと 出 ています 長 野 康 司 治 療 ノート 症 例 5 過 換 気 症 候 群 女 性 31 歳 無 職 6 弾 発 指 女 性 52 歳 OL 主 訴 呼 吸 がしにくく 咳 痰 もでる 右 第 3 指 バネ 指 現 症 3ヶ 月 前 より 呼 吸 がしにくく 頭 がしびれボーッ となる( 職 場 の 上 司 と 折 合 いが 悪 い) 4ヶ 月 前 より 発 症 整 形 外 科 で 注 射 等 も 効 果 なく 来 院 安 定 剤 服 用 ビール1 本 焼 酎 3 合 毎 日 タバコ も 2 箱 既 往 歴 特 記 なし 約 1 年 前 子 宮 筋 腫 OP その 後 閉 経 所 脉 状 弦 やや 数 平 脉 腹 診 左 天 枢 (+) 左 中 注 (+) 右 天 枢 (やや+) 圧 痛 冷 え 張 りは 特 にない 火 穴 右 然 谷 (やや+) 特 記 なし 見 局 所 他 天 牖 (+) アレルギー 体 質 もある 胸 鎖 乳 突 筋 緊 張 が 目 立 つ 順 証 逆 証 脉 腹 共 に 実 で 順 脉 腹 共 に 大 きな 変 調 はなく 順 処 置 所 見 から 扁 桃 瘀 血 肝 実 アレルギー 自 律 神 経 処 置 扁 桃 副 腎 横 V 字 帯 脈 経 過 ポイント 2 回 目 頭 のボーッ 消 失 安 定 剤 なし 左 天 枢 左 中 注 (やや+) 術 後 (-) 3 回 目 弦 数 なし 右 天 枢 (やや+)のみ 身 体 の 反 応 が 多 いが 反 応 の 消 失 も 早 い( 心 身 症 の 特 徴 ) 所 見 が 取 れると 共 に 症 状 もなくなっていった 生 活 の 立 て 直 しの 助 言 も 効 奏 の 一 環 となった 3 回 目 少 し 良 いが 朝 方 悪 い 4 回 目 (10 日 目 )だんだん 屈 伸 スムーズに 更 年 期 のバネ 指 11 カ 月 前 子 宮 筋 腫 摘 出 その 後 閉 経 ま もなくバネ 指 発 症 閉 経 によって 全 身 の 内 分 泌 臓 器 組 織 運 動 器 官 にも 影 響 し 腱 鞘 炎 を 助 長 したのか もしれない 症 例 のポイント56 症 例 5 過 換 気 症 候 群 は 心 身 症 の 症 状 で 息 が 荒 くなって 二 酸 化 炭 素 が 出 すぎてしまう 為 に 起 るもので 口 にビニール 袋 を 当 てて 袋 の 中 の 空 気 を 使 って 呼 吸 すると 落 ち 着 くこと がある 不 摂 生 を 絵 に 描 いたような 生 活 ぶりなので 生 活 指 導 も 重 要 になってくる 症 例 6 更 年 期 の 時 期 に 発 症 しているが 更 年 期 症 の 関 与 は 定 かではない バネ 指 には 横 V 字 帯 脈 は 特 に 効 を 奏 する 発 症 機 序 はどうあれ 我 々はまず 症 状 を 取 って 結 果 を 出 さなければならない 質 問 03 バネ 指 の 横 V 字 は 何 処 にやったのですか? 返 答 03 C3.4.5. 辺 りを 10~15 ミリと 少 し 深 めで 雀 啄 しました また 症 状 が 右 側 なので 患 側 だけにしました 両 側 やっても 構 いません
脉 のイメージトレーニング 8 頭 の 中 で 患 者 さんを 診 ている 様 にイメージしてください 症 例 1 の 細 緊 数 細 くて 緊 張 していて 早 い 脉 状 です 自 律 神 経 失 調 更 年 期 症 冷 えを 現 します 交 感 神 経 が 緊 張 していると 副 腎 皮 質 Hの 分 泌 が 抑 制 され 更 年 期 はカルシウムが 骨 か らとけだしたり 副 甲 状 腺 Hが 亢 進 してしまうので 骨 粗 鬆 症 が 多 いです 症 例 2の 洪 緊 数 洪 脉 は 細 くなく 鉛 筆 みたいに 幅 広 い 脉 状 です 心 肥 大 スポーツ 選 手 は 大 抵 この 脉 状 を 呈 しています また 緊 数 は 緊 張 していて 早 い 脉 で 熱 があることを 現 しています 症 例 3の 細 軟 数 軟 脉 は 緊 脉 の 逆 で 尖 っていなくて 丸 みをおびています 慢 性 症 や 自 覚 しない 扁 桃 の 脉 状 です この 場 合 の 数 脉 も 熱 を 現 すので 症 状 の 灼 熱 痛 も ここに 現 れています 症 例 4の 弱 短 弱 短 は 非 常 に 弱 い 脉 で 沈 遅 より 更 に 悪 い 短 は 短 くポツポツと 途 切 れるような 脉 そして 弱 はかなり 弱 い 脉 である この 脉 状 は 何 よりも まず 最 優 先 にしなければならない 三 陰 交 陰 陵 泉 労 宮 百 会 症 例 5の 弦 やや 数 弦 は 緊 より 浮 中 沈 まで 深 く 尖 っている 脉 状 性 格 的 なものや 目 の 障 害 難 症 疾 患 肝 胆 の 実 を 現 し 同 時 に 脾 虚 もある 症 例 6の 平 脉 早 くもなく(80 拍 以 下 ) 遅 くもなく(60 拍 以 上 ) 浮 でもなく 沈 でもない 浮 中 まで 感 じるのが 浮 脉 中 沈 で 感 じるのが 沈 脉 浮 中 沈 まで 全 てちゃんと 触 れて 平 脉 緊 でも 弦 でもなく 柔 らかい 脉 を 平 脉 といいます