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調査結果の概要

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70 愛媛大学

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

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Transcription:

生 涯 現 役 時 代 における 日 本 型 ワークモデルの 変 革 に 向 けた7つの 提 言 ~プラチナ 社 会 研 究 会 シニア 人 材 マネジメント 分 科 会 提 言 書 ~ 株 式 会 社 三 菱 総 合 研 究 所 2015 年 2 はじめに わが 国 では 企 業 は 新 規 学 卒 者 を 一 括 で 採 用 し 業 務 遂 行 の 過 程 で 職 業 能 力 の 形 成 を 行 い 職 務 を 限 定 せず 仕 事 を 任 せる 傾 向 を 持 つ 企 業 が 多 く このような 場 合 勤 務 場 所 や 労 働 時 間 などに 関 する 企 業 の 裁 量 範 囲 は 広 い その 結 果 大 半 の 企 業 において 社 員 の 主 体 的 なキャリア 選 択 の 余 地 は 小 さく 社 外 にも 通 用 するスキル ノウハウ 経 験 を 自 律 的 に 高 めることが 難 しいため 中 高 年 になった 時 企 業 としては 処 遇 の 仕 方 に 悩 む 局 面 が 生 じ 当 人 にとっては 活 躍 の 場 を 見 つけにくいとい った 問 題 が 生 じる また 高 齢 者 になると 活 躍 の 場 や 機 会 はさらに 少 なくなる 労 働 力 人 口 が 減 少 する 中 で 中 高 年 や 高 齢 の 社 員 ( 以 下 シニア 人 材 とする )の 能 力 と 意 欲 そして 生 産 性 を 高 め 企 業 の 持 続 的 成 長 につなげていくためには 高 齢 期 までを 見 据 えたキャリア 形 成 の 仕 組 みづくりやワークモデルの 変 革 が 望 まれている そこで 以 下 の7つの 提 言 を 行 う その1. 自 律 的 キャリア 形 成 を 図 る キャリア 権 の 活 用 と 普 及 [ 社 員 企 業 ] 大 学 等 を 卒 業 し 就 職 して 少 なくとも 10 年 程 度 の 期 間 に 多 様 な 職 務 を 経 験 することが 基 礎 的 な 職 業 スキルを 積 む 上 で 有 効 と 考 える 場 合 若 年 層 に 職 能 型 の 雇 用 管 理 を 行 うこと には 一 定 の 合 理 性 が 認 められるが 他 方 全 社 員 に 同 様 の 手 法 を 採 用 すると 自 律 的 なキ ャリア 形 成 や 高 度 で 専 門 的 な 人 的 資 本 の 蓄 積 を 阻 害 する 恐 れがあるため ミドル 層 (おお むね 30 代 半 ば~40 代 半 ばとする)やシニア 層 (40 代 半 ば 以 降 とする)に 対 しては 社 員 が 主 体 的 にキャリアを 開 発 形 成 する 取 り 組 みを 企 業 は 社 員 の 権 利 (キャリア 権 )と して 位 置 づけ ミドル 人 材 およびシニア 人 材 のキャリア 開 発 を 支 援 することが 望 ましい また 社 員 に 対 して キャリア を 企 業 から 与 えられるものとして 捉 えるのではなく 自 ら 作 り 上 げていく 自 覚 と 責 任 を 持 つことを 促 していく キャリア 権 : 労 働 者 は 自 身 が 望 む 職 業 生 活 を 準 備 し 主 体 的 にキャリア 開 発 形 成 を 図 ることができ 企 業 や 国 か らそのための 保 障 ないし 支 援 を 受 けられるという 権 利 1

その2.シニア 人 材 の 働 き 方 と 評 価 の 仕 組 みを 変 える 職 務 等 級 制 度 への 転 換 [ 企 業 国 ] 新 人 社 員 や 若 手 社 員 に 対 しては 広 く 多 様 な 職 務 を 経 験 させることを 重 視 し 職 務 の 限 定 をせず 目 標 管 理 等 によるスキル 形 成 を 中 心 とした 人 事 管 理 を 行 うことが 有 効 と 考 えら れるが シニア 層 に 移 行 した 段 階 では 蓄 積 したキャリアを 効 果 的 に 活 用 するため 企 業 は シニア 人 材 に 対 しては 職 務 等 級 制 度 を 導 入 して 年 齢 や 勤 続 と 賃 金 とのつながりをなく し 成 果 や 職 務 に 対 応 した 賃 金 体 系 と 職 務 をベースとした 評 価 の 仕 組 みを 行 うことが 望 ま しい ただし 結 婚 出 産 育 児 を 中 心 とする 家 族 形 成 期 ( 若 年 層 )よりも 家 族 成 長 期 ( 中 高 年 層 )の 方 が 住 居 費 や 教 育 費 などの 負 担 が 増 加 すると 考 えられるため 国 は 職 務 給 への 転 換 に 伴 って 生 ずることが 予 想 される 所 得 の 伸 び 悩 みに 対 応 しうる 勤 労 者 への 支 援 策 を 検 討 することが 求 められる その3. 心 と 身 体 の 健 康 度 を 自 己 評 価 する 日 本 版 ワークアビリティインデックス の 構 築 と 導 入 [ 社 員 企 業 ] シニア 人 材 が 職 業 人 生 を 主 体 的 に 組 み 立 てるきっかけを 提 供 するため 企 業 は 日 本 版 ワークアビリティインデックス( 労 働 適 応 能 力 診 断 ツール) を 開 発 し シニアに 到 達 した 社 員 に 適 用 する 社 員 はこれを 用 いて 身 体 的 精 神 的 健 康 度 を 計 測 し 定 年 まで ないし 生 涯 のキャリアのあり 方 を 考 える 基 礎 的 な 情 報 として 活 用 する なお ワークアビリティインデックス は 主 観 による 評 価 であり 客 観 性 が 低 く 横 並 び に 比 較 しにくいことと 人 事 評 価 に 活 用 してしまうと 評 価 結 果 を 意 図 的 に 高 めるように なると 懸 念 されるため 主 に 社 員 自 身 が 自 分 の 健 康 や 仕 事 への 意 識 を 振 り 返 るためのツー ルとして 活 用 することを 想 定 する ワークアビリティインデックス:1981 年 フィンランドで 開 発 された 中 高 年 齢 労 働 者 の 労 働 能 力 を 評 価 する 指 標 7 種 類 の 事 項 について 労 働 者 の 自 己 評 価 および 産 業 医 との 相 互 評 価 を 行 う 2

その4. 会 社 に 縛 られない 市 場 価 値 を 高 める 相 談 支 援 の 充 実 とポータブルスキルの 向 上 [ 企 業 国 ] 企 業 はシニア 人 材 の 活 躍 の 場 や 用 意 し 得 る 職 務 役 割 の 内 容 を 社 員 に 積 極 的 に 情 報 提 供 することが 大 切 である また それを 踏 まえてシニア 人 材 は 企 業 と 合 意 共 有 したキャリ ア 形 成 の 方 針 に 沿 って 自 らを 高 めるための 取 り 組 みを 行 う 企 業 および 国 はキャリアの 見 直 しや 転 換 を 支 援 するためのキャリア コンサルティングを 社 員 が 受 けられる 環 境 を 整 え るようにする 各 自 が 自 分 の 選 んだキャリアをめざし 人 的 資 本 を 高 められるよう 国 は 職 業 能 力 付 加 訓 練 職 業 能 力 一 般 化 訓 練 有 給 教 育 職 業 訓 練 休 暇 の 付 与 を 行 う その 際 特 定 企 業 に 依 存 しないポータブルスキルの 獲 得 に 主 眼 を 置 き 社 内 外 を 問 わず 発 揮 できる 職 業 能 力 の 獲 得 を 図 れる 支 援 を 行 うことが 望 まれる その5. 心 技 体 の 状 態 を 客 観 的 に 知 る 総 合 的 な 診 断 ツールの 構 築 および 運 用 [ 社 員 企 業 国 ] 人 事 評 価 や 処 遇 にかかる 客 観 性 の 高 い 判 断 材 料 の 一 つとしては 暦 年 齢 があるが 誰 もが 意 欲 と 能 力 のある 限 り 活 躍 し 続 けることができるようにするためには より 多 面 的 に 社 員 の 能 力 等 を 把 握 することが 望 まれる そこで 企 業 は 労 働 意 欲 ( 心 ) 技 能 水 準 ( 技 ) 機 能 年 齢 ( 体 )を 評 価 するシステムを 構 築 し 見 える 化 を 行 うとともに シニア 人 材 の 能 力 開 発 に 活 用 する 社 員 は 診 断 結 果 を 踏 まえ 高 めるべき 技 能 等 を 認 識 し 能 力 向 上 の 取 り 組 みや 健 康 づくりなどを 行 う また 総 合 的 にシニア 人 材 の 活 躍 を 推 進 するため 国 においては 労 働 基 準 行 政 と 職 業 安 定 行 政 の 一 層 の 連 携 強 化 を 図 るとともに 他 省 庁 との 横 断 的 なプロジェクトをつくり 一 体 的 連 続 的 に 施 策 を 推 進 する 3

その6. 仕 事 と 働 き 方 のバリエーションを 増 やす シニアの 職 域 開 発 と 働 き 方 の 多 様 化 [ 企 業 国 ] 高 齢 になっても 高 い 生 産 性 を 維 持 発 揮 し 活 躍 できるよう 企 業 は 職 場 の 労 働 環 境 作 業 環 境 の 改 善 を 図 るとともに シニア 人 材 とくに 60 歳 以 上 の 社 員 に 適 した 職 域 の 開 発 を 行 う 高 齢 になると 身 体 能 力 精 神 能 力 等 の 個 人 差 が 広 がるため 誰 もが 若 い 時 と 同 じ 働 き 方 を 行 えるわけではない また 結 婚 や 出 産 を 契 機 として 離 職 する 女 性 社 員 は 少 なくなる とともに 女 性 の 管 理 職 は 徐 々に 増 えていることから 男 女 の 勤 続 年 数 の 格 差 は 縮 まり シニアの 女 性 社 員 も 増 えてきている そこで 男 女 を 問 わず 加 齢 や 更 年 期 の 心 身 状 態 の 変 化 によって 生 じる 生 産 性 の 低 下 を 極 力 抑 える 必 要 がある また 国 及 び 企 業 は より 責 任 の 範 囲 は 限 定 的 であるが 専 門 性 の 高 い 業 務 経 験 の 蓄 積 が 有 利 に 働 く 業 務 生 きがい 就 労 といった 多 様 な 仕 事 内 容 の 開 発 短 時 間 短 日 勤 務 在 宅 勤 務 などのフレキシブルな 働 き 方 を 用 意 し シニアの 就 労 選 択 の 幅 を 広 げることが 望 ま れる その7. 生 涯 現 役 社 会 を 目 指 して 定 年 制 の 廃 止 [ 企 業 国 ] 年 齢 に 関 わりなく 働 ける 生 涯 現 役 社 会 を 実 現 するため 将 来 的 には 定 年 制 の 廃 止 をめざ していく その 過 程 として 企 業 は 報 酬 比 例 部 分 の 年 金 支 給 開 始 年 齢 の 引 き 上 げ 時 期 にあ わせて 65 歳 定 年 を 定 着 できるように 努 めることが 望 まれる なお 現 状 では 多 くの 企 業 が 60 歳 定 年 制 を 導 入 しており 60 歳 以 上 65 歳 までは 再 雇 用 の 形 式 で 同 一 職 場 で 同 じ 業 務 を 行 うケースが 多 い ところが 再 雇 用 になっても 従 前 と 同 じ 内 容 の 業 務 としてい るケースが 多 いにもかかわらず 賃 金 は 大 幅 に 低 下 するため 社 員 のモチベーション ひい ては 労 働 生 産 性 の 低 下 の 影 響 が 懸 念 される 定 年 の 延 長 や 廃 止 を 行 うことで 社 員 一 人 ひ とりが 生 涯 現 役 の 意 識 を 持 って 活 躍 できる 環 境 が 実 現 することが 期 待 される プラチナ 社 会 研 究 会 では 今 後 も 上 記 提 言 の 実 現 に 向 けた 取 組 みを 進 め 超 高 齢 社 会 に 対 応 した 働 き 方 の 実 現 に 寄 与 していく 4

~プラチナ 社 会 研 究 会 シニア 人 材 マネジメント 分 科 会 提 言 書 ~ [ 参 考 資 料 ] 1. 本 提 言 の 位 置 づけ この 提 言 は プラチナ 社 会 研 究 会 シニア 人 材 マネジメント 分 科 会 における 協 議 の 結 果 を 取 りまとめ 公 表 するものである 2. シニア 人 材 マネジメント 分 科 会 とは プラチナ 社 会 研 究 会 シニア 人 材 マネジメント 分 科 会 の 概 要 は 以 下 のとおりである 2.1 提 案 者 代 表 提 案 者 : 株 式 会 社 三 菱 総 合 研 究 所 2.2 アドバイザー 一 般 財 団 法 人 日 本 予 防 医 学 協 会 理 事 長 神 代 雅 晴 氏 2.3 オブザーバー 厚 生 労 働 省 職 業 安 定 局 2.4 参 加 企 業 数 20 社 2.4 趣 旨 生 産 年 齢 人 口 が 減 少 していく 中 で 労 働 力 の 確 保 及 び 高 年 齢 者 の 活 用 は 企 業 にとって 中 長 期 的 な 課 題 となっている この 分 科 会 では 有 識 者 から 情 報 提 供 をいただきながら 高 年 齢 の 就 業 者 が 生 産 性 を 高 めつつ いきいきと 職 場 で 活 躍 するために 個 々の 会 社 や 国 で はどのような 取 組 が 求 められるかについて 議 論 した 第 1 回 分 科 会 テーマ 企 業 の 成 長 につながるシニア 人 材 の 能 力 発 揮 講 演 : 暦 年 齢 からの 脱 却 そして プロダクティブエイジング 社 会 の 創 出 ( 一 般 財 団 法 人 日 本 予 防 医 学 協 会 理 事 長 神 代 雅 晴 氏 ) ディスカッションテーマ: 高 年 齢 者 雇 用 の 実 態 と 課 題 開 催 :2014 年 8 月 21 日 ( 木 ) 5

第 2 回 分 科 会 テーマ 定 年 延 長 に 対 応 した 先 進 的 な 取 組 事 例 講 演 : 定 年 延 長 に 対 応 した 先 進 的 な 取 組 のご 紹 介 (YKK AP 株 式 会 社 / 富 士 電 機 株 式 会 社 ) ディスカッションテーマ:シニア 人 材 活 用 の 方 策 開 催 :2014 年 9 月 18 日 ( 木 ) 第 3 回 分 科 会 テーマ 定 年 延 長 と 継 続 雇 用 の 制 度 講 演 : 高 年 齢 者 の 雇 用 に 関 する 制 度 の 現 状 と 今 後 ( 厚 生 労 働 省 職 業 安 定 局 担 当 者 ) ディスカッションテーマ:シニア 人 材 活 用 の 方 策 開 催 :2014 年 10 月 23 日 ( 木 ) 第 4 回 分 科 会 テーマ 高 齢 就 労 の 活 性 化 のために 企 業 が 取 り 組 むべきこと 国 に 期 待 すること ディスカッション 提 言 のとりまとめ 開 催 :2014 年 11 月 17 日 ( 月 ) 3 本 分 科 会 における 検 討 の 概 要 3.1 検 討 の 目 的 本 分 科 会 では 高 い 能 力 や 専 門 性 を 有 しあるいは 長 年 ノウハウを 蓄 積 しスキルを 高 め てきたシニア 人 材 が 引 き 続 き 職 場 でいきいきと 活 躍 し 高 い 生 産 性 を 維 持 するため に 企 業 はどのようなことに 取 り 組 むべきか 国 にはどのようなことを 期 待 するか 労 働 者 はどのような 心 構 えや 準 備 が 必 要 かについて 検 討 し 今 後 来 るべき 超 高 齢 社 会 に 向 けた 提 言 を 取 りまとめることを 目 的 とした 3.2 問 題 の 背 景 ~ 社 会 の 動 向 ~ わが 国 の 生 産 年 齢 人 口 は 減 少 傾 向 にある 一 方 高 齢 化 に 伴 いシニア 人 材 が 占 める 割 合 は 高 まっていく 今 後 の 労 働 力 不 足 や 労 働 者 の 高 年 齢 化 が 予 測 される 中 企 業 が 経 営 を 持 続 させるためには シニア 人 材 の 能 力 を 積 極 的 に 活 用 するとともに 一 定 程 度 の 人 材 を 継 続 的 に 確 保 していく 必 要 がある 一 方 現 在 65 歳 以 上 の 高 齢 者 子 育 て 世 代 の 女 性 20 代 の 若 者 の 就 業 率 は 相 対 的 に 低 く これらの 人 々を 潜 在 的 な 労 働 力 として 捉 えることもできる 人 口 が 減 少 する 中 では 就 業 者 一 人 当 たり GDP を 上 昇 させることが 経 済 成 長 にとって 不 可 欠 となるが それとともに 労 働 力 の 減 少 幅 を 少 なくするために 20 代 の 若 者 子 育 て 世 代 の 女 性 高 齢 者 の 就 業 率 を 上 昇 させることは わが 国 の 経 済 成 長 を 実 現 する 6

ための 重 要 なポイントとなる また 高 齢 者 の 就 労 や 社 会 参 加 を 促 進 することは 国 民 医 療 費 や 介 護 費 の 削 減 につな がる 可 能 性 がある 生 産 年 齢 人 口 の 減 少 に 伴 う 労 働 力 不 足 と 労 働 者 の 高 年 齢 化 わが 国 の 生 産 年 齢 人 口 は 減 少 傾 向 にあり 今 後 の 労 働 力 不 足 が 予 測 される 一 方 高 齢 化 率 は 上 昇 の 一 途 にあり 2030 年 には 約 3 人 に 1 人 が 高 齢 者 という 時 代 になる( 図 表 1) さらに 生 産 年 齢 人 口 に 占 める 45 歳 ~64 歳 の 占 める 割 合 は 2010 年 時 点 で 42.4%で あるのに 対 し 2030 年 には 48.7%と 約 半 数 にまで 上 昇 する ( 図 表 1) 今 後 の 労 働 力 不 足 や 労 働 者 の 高 年 齢 化 が 予 測 される 中 企 業 がその 経 営 を 持 続 させる ためには シニア 人 材 の 能 力 を 積 極 的 に 活 用 するとともに 一 定 程 度 の 人 材 を 継 続 的 に 確 保 していく 必 要 がある < 図 表 1 日 本 の 将 来 人 口 の 推 移 > 人 口 ( 万 人 ) (%) 14,000 100 12,000 10,000 8,000 6,000 63.8% (2010 58.1% (2030 年 ) 50.9% (2060 年 ) 90 80 70 60 50 40 65 歳 以 上 45~64 歳 15~44 歳 0~14 歳 生 産 年 齢 人 口 割 合 4,000 2,000 23.0% (2010 年 ) 31.6% (2030 年 ) 39.9% (2060 年 ) 30 20 10 高 齢 化 率 0 0 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060 ( 出 典 ) 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 日 本 の 将 来 推 計 人 口 ( 平 成 24 年 1 月 推 計 ) に 基 づき 三 菱 総 合 研 究 所 作 成 高 齢 者 女 性 若 者 の 潜 在 労 働 力 としての 可 能 性 男 性 では 20 代 後 半 から 50 代 にかけて 9 割 以 上 の 就 業 率 を 維 持 しているが 20 代 前 半 の 若 者 や 60 代 以 上 の 高 齢 者 の 就 業 率 は 低 い 状 況 にある ( 図 表 2) 一 方 どの 年 代 においても 男 性 に 比 べ 女 性 の 就 業 率 は 低 い さらに 女 性 の 場 合 30 代 の 結 婚 出 産 期 に 一 度 就 業 率 が 低 下 し 育 児 が 落 ち 着 いた 時 期 に 再 び 上 昇 するという いわゆる M 字 カーブを 描 くという 特 徴 がある 年 々M 字 の 谷 の 部 分 が 浅 くなってきて いるものの 依 然 として 20 代 後 半 から 30 代 にかけての 就 業 率 は 7 割 前 後 と 男 性 に 比 べて 低 い 傾 向 にある( 図 表 2) 7

就 業 率 については 社 会 制 度 的 な 背 景 や 景 気 などの 経 済 的 要 因 が 影 響 すると 考 えられる ものの 現 時 点 で 比 較 的 就 業 率 が 低 い 高 齢 者 子 育 て 世 代 の 女 性 および 20 代 の 若 者 を 今 後 の 労 働 力 不 足 を 補 う 潜 在 的 労 働 力 として 捉 えることもできる < 図 表 2 男 女 別 年 齢 階 級 別 の 労 働 力 人 口 比 率 の 推 移 > 男 性 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 93.8 95.6 96.5 96.3 96.2 95.3 92.7 76.0 67.7 15.5 50.7 20.1 1983 年 1993 年 2003 年 2013 年 0 女 性 100 90 80 70 70.3 79.0 70.1 69.6 73.1 76.1 74.9 66.5 60 50 40 30 20 10 15.6 47.4 29.8 8.6 1983 年 1993 年 2003 年 2013 年 0 ( 出 典 ) 総 務 省 労 働 力 調 査 に 基 づき 三 菱 総 合 研 究 所 作 成 高 齢 者 女 性 若 者 の 就 業 率 向 上 による 経 済 効 果 人 口 が 減 少 する 中 で 経 済 成 長 を 維 持 するためには 労 働 参 加 をさらに 進 めるとともに 就 業 者 一 人 ひとりの 能 力 向 上 及 び 能 力 発 揮 を 促 すことで 人 的 資 本 の 蓄 積 と 質 の 向 上 を 図 ることが 不 可 欠 となる こうした 観 点 から 20 代 の 若 者 子 育 て 世 代 の 女 性 高 8

齢 者 の 就 業 率 を 上 昇 させることは わが 国 の 経 済 成 長 を 実 現 するための 重 要 なポイン トとなる 男 女 共 同 参 画 会 議 基 本 問 題 影 響 調 査 専 門 調 査 会 報 告 書 ( 平 成 24 年 2 月 )によると 342 万 人 の 女 性 の 潜 在 労 働 力 ( 就 業 希 望 者 )の 就 労 により 雇 用 者 報 酬 総 額 が7 兆 円 程 度 (GDP の 約 1.5%) 増 加 するとの 試 算 結 果 が 示 されている その 他 IMF Working Paper(2012)では 日 本 の 女 性 労 働 力 率 が 他 の G7( 伊 を 除 く) 並 みになれば1 人 当 た りの GDP が 4% 上 昇 し 北 欧 並 みになれば 8% 上 昇 するとの 試 算 結 果 も 示 されている 女 性 のみならず 高 齢 者 や 若 者 の 労 働 力 率 が 向 上 すれば より 大 きな 経 済 効 果 が 見 込 まれる 雇 用 政 策 研 究 会 が 実 施 した 労 働 力 需 給 推 計 によると 全 員 参 加 の 社 会 の 実 現 による 高 齢 者 女 性 若 者 等 の 労 働 市 場 への 参 加 と 経 済 成 長 が 適 切 に 進 む 場 合 2030 年 の 就 業 者 数 は 6103 万 人 と 2012 年 の 就 業 者 数 (6270 万 人 )と 比 較 して 167 万 人 の 減 少 に 留 まるとの 試 算 結 果 が 示 されている( 図 表 3) このシナリオの 通 りに 進 めば 日 本 再 興 戦 略 ( 平 成 25 年 6 月 14 日 閣 議 決 定 )で 掲 げられた 数 値 目 標 (2% 以 上 の 労 働 生 産 性 の 向 上 今 後 10 年 間 の 平 均 で 名 目 GDP 成 長 率 3% 程 度 実 質 GDP 成 長 率 2% 程 度 の 成 長 )が 達 成 されることとなる < 図 表 3 2013 年 までの 就 業 者 シミュレーション 結 果 > 2030 年 までの 就 業 者 シミュレーション( 男 女 計 ) 60 歳 以 上 30 歳 ~ 59 歳 6270 万 人 5947 万 人 ( 323 万 人 ) 6291 万 人 (21 万 人 ) 約 340 万 人 増 1,193 1,086 約 120 万 人 増 1,203 4,034 3,896 約 190 万 人 増 4,083 5449 万 人 ( 821 万 人 ) 1,077 3,497 約 650 万 人 増 約 250 万 人 増 約 320 万 人 増 6103 万 人 ( 167 万 人 ) 1,327 3,812 15 歳 ~ 29 歳 1,044 966 約 40 万 人 増 1,005 876 約 90 万 人 増 964 ( 実 績 値 ) 経 済 成 長 と 労 働 参 加 が 適 切 に 進 まないケース 経 済 成 長 と 労 働 参 加 が 適 切 に 進 むケース 経 済 成 長 と 労 働 参 加 が 適 切 に 進 まないケース 経 済 成 長 と 労 働 参 加 が 適 切 に 進 むケース 2012 年 2020 年 2030 年 ( 出 典 ) 雇 用 政 策 研 究 会 雇 用 政 策 研 究 会 報 告 書 (2014 年 2 月 ) 高 齢 者 の 就 労 社 会 参 加 促 進 による 医 療 介 護 費 削 減 効 果 平 成 24 年 度 の 国 民 医 療 費 をみると 50 代 頃 から 総 医 療 費 が 高 まり また 一 人 当 たり 医 療 費 も 年 齢 が 上 がるほど 上 昇 する 傾 向 にある( 図 表 4) 健 康 状 態 が 就 業 状 態 に 負 の 影 9

響 を 及 ぼすことが 先 行 研 究 1において 示 されており 今 後 増 加 するシニア 人 材 の 健 康 を 維 持 増 進 することは 限 られた 労 働 力 を 有 効 に 活 用 するという 観 点 からも 重 要 である 上 述 のように 健 康 状 態 が 中 高 齢 労 働 者 の 就 業 に 影 響 を 及 ぼすことは 知 られて いるが 近 年 その 逆 向 きの 関 係 すなわち 就 労 継 続 が 健 康 に 及 ぼす 影 響 に 関 する 研 究 がなされはじめている 先 行 研 究 2によると 特 に 男 性 では 認 知 機 能 や 精 神 的 健 康 が 引 退 により 悪 化 し 復 職 することでそれらが 改 善 することが 示 されている さ らに 引 退 後 に 社 会 参 加 が 進 むことで その 分 認 知 機 能 や 精 神 的 健 康 の 改 善 が 見 られ たとの 結 果 が 得 られている すなわち 中 高 年 齢 の 男 性 における 認 知 機 能 の 低 下 やう つ 病 による 引 きこもり それに 伴 う 生 活 機 能 の 低 下 を 防 止 するうえで なんらかの 社 会 的 役 割 を 有 していることが 重 要 であることが 示 唆 された また 介 護 予 防 の 観 点 からは スポーツ 関 係 ボランティア 趣 味 関 係 へのグループ 等 への 社 会 参 加 の 割 合 が 高 い 地 域 ほど 転 倒 や 認 知 症 うつのリスクが 低 いとの 調 査 結 果 も 示 されている 3 以 上 のことから 今 後 増 加 するシニア 人 材 の 健 康 維 持 増 進 が 就 業 状 況 に 好 影 響 を 及 ぼすだけでなく 高 齢 者 の 就 労 や 社 会 参 加 を 促 進 することで 健 康 状 態 を 改 善 させ 国 民 医 療 費 や 介 護 費 を 抑 制 できる 可 能 性 がある < 図 表 4 年 齢 階 級 別 国 民 医 療 費 > ( 億 円 ) ( 千 円 ) 60000 1200 50000 1000 40000 800 30000 600 20000 400 10000 200 0 0 国 民 医 療 費 総 額 一 人 当 たり 国 民 医 療 費 ( 出 典 ) 厚 生 労 働 省 平 成 24 年 度 国 民 医 療 費 に 基 づき 三 菱 総 合 研 究 所 作 成 1 濱 秋 純 哉 野 口 晴 子 中 高 齢 者 の 健 康 状 態 と 労 働 参 加 ( 日 本 労 働 研 究 雑 誌 2010 年 ) 2 橋 本 英 樹 ( 東 京 大 学 ) 引 退 および 社 会 参 加 が 及 ぼす 健 康 影 響 JSTAR パネルデータによる 検 討 RIETI ディスカッションペーパー(2013 年 9 月 ) 3 厚 生 労 働 省 公 表 資 料 http://www.mhlw.go.jp/file/06-seisakujouhou-12600000-seisakutoukatsukan/0000035939.pdf 10

3.3. シニアの 就 労 に 関 わる 現 状 と 課 題 年 金 支 給 開 始 年 齢 が 年 々 引 き 上 げられる 中 生 活 保 障 的 な 側 面 からも 高 齢 者 の 就 労 を 促 すことは 重 要 となってきている 一 方 わが 国 の 高 齢 者 の 就 業 意 欲 は 国 際 的 に 見 ても 高 く また 高 齢 者 のうちいわゆる 元 気 高 齢 者 の 占 める 割 合 も 高 い 状 況 にある 政 府 の 方 針 として 日 本 再 興 戦 略 の 中 で 女 性 若 者 高 齢 者 の 活 躍 促 進 が 掲 げられ ており それを 受 けて 高 年 齢 者 雇 用 に 関 する 様 々な 施 策 が 講 じられている また 高 年 齢 者 雇 用 安 定 法 が 一 部 改 正 され 希 望 者 全 員 の 65 歳 までの 雇 用 確 保 措 置 が 法 的 義 務 化 された 上 記 を 踏 まえ 企 業 においても 高 年 齢 者 の 雇 用 促 進 のための 取 り 組 みがなされはじめた ところであるが 従 来 の 雇 用 慣 行 に 付 随 する 課 題 や 総 額 人 件 費 の 増 大 や 社 員 の 健 康 面 で の 配 慮 といった 課 題 も 挙 げられている 高 齢 者 を 取 り 巻 く 状 況 年 金 支 給 開 始 年 齢 が 年 々 引 き 上 げられる 中 定 年 退 職 後 から 年 金 支 給 開 始 までの 数 年 間 無 収 入 となる 者 が 生 じる 可 能 性 がある 定 年 後 の 高 齢 者 の 就 労 を 促 すことは 生 活 保 障 的 な 観 点 からも 重 要 である 一 方 わが 国 の 高 齢 者 の 就 業 への 意 識 は 高 い 全 国 の 60 歳 以 上 の 男 女 を 対 象 とした 内 閣 府 の 調 査 によると 仕 事 をしたいと 思 う 年 齢 は 働 けるうちはいつまでも が 最 も 多 く 約 3 割 を 占 めており その 割 合 は 年 代 が 上 がるほど 大 きくなっている( 図 表 5) 国 際 的 にもわが 国 の 高 齢 者 の 就 業 意 欲 は 高 い 60 歳 以 上 の 男 女 を 対 象 とした 調 査 では 望 ましい 退 職 年 齢 が 60 歳 くらい と 回 答 した 人 の 割 合 は 日 本 が 7.4%と 欧 米 諸 国 に 比 べ 低 く 70 歳 くらい と 回 答 した 人 の 割 合 が 3 割 以 上 と 欧 米 諸 国 に 比 べ 高 いという 結 果 が 得 られている( 図 表 6) また いわゆる 元 気 高 齢 者 の 数 は 多 い 60 歳 以 上 の 高 齢 者 に 日 常 生 活 における 介 助 等 の 必 要 性 について 尋 ねた 2010 年 の 調 査 では まったく 不 自 由 なく 過 ごせる と 回 答 した 人 の 割 合 が 約 9 割 であり 2005 年 調 査 に 比 べ 4.8% 上 昇 している( 図 表 7) 要 介 護 等 認 定 の 状 況 を 見 ても 65 歳 ~74 歳 では 要 支 援 認 定 者 は 1.4% 要 介 護 認 定 者 は 3.0% 程 度 であり 75 歳 以 上 であっても 要 支 援 認 定 者 が 8.4% 要 介 護 認 定 者 が 23.0% と 少 数 派 である 4 4 厚 生 労 働 省 平 成 24 年 度 介 護 保 険 事 業 状 況 報 告 ( 年 報 ) より 算 出 11

< 図 表 5 就 労 希 望 年 齢 > ( 時 系 列 総 数 ) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 平 成 25 年 (n=1999) 11.8 21.4 23.6 10.1 2.7 29.5 1.0 平 成 20 年 (n=3293) 9.7 19.2 23.0 8.9 2.4 36.8 60 歳 ぐらいまで 65 歳 ぐらいまで 70 歳 ぐらいまで 75 歳 ぐらいまで 76 歳 以 上 働 けるうちはいつまでも 無 回 答 ( 平 成 25 年 度 年 齢 層 別 ) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 総 数 (n=1999) 11.8 21.4 23.6 10.1 2.7 29.5 1.0 60 代 (n=958) 11.4 27.6 27.6 7.7 1.0 24.4 0.3 70 代 (n=746) 13.0 16.8 18.9 13.3 3.6 33.0 1.5 80 代 以 上 (n=295) 9.8 12.9 22.7 9.5 5.8 37.3 2.0 60 歳 ぐらいまで 65 歳 ぐらいまで 70 歳 ぐらいまで 75 歳 ぐらいまで 76 歳 以 上 働 けるうちはいつまでも 無 回 答 ( 出 典 ) 内 閣 府 平 成 25 年 度 高 齢 者 の 地 域 社 会 への 参 加 に 関 する 意 識 調 査 結 果 ( 概 要 版 ) 12

< 図 表 6 望 ましい 退 職 年 齢 > ( 出 典 )( 独 ) 労 働 政 策 研 究 研 修 機 構 データブック 国 際 労 働 比 較 2014 < 図 表 7 日 常 生 活 における 介 助 等 の 必 要 度 > (%) 100 80 60 40 20 2.9 2.2 11.5 7.4 3.1 9.7 12.3 28.9 23.8 24.6 85.0 89.8 67.2 63.3 60.6 3.7 6.9 87.0 不 自 由 で 全 面 的 にほ かの 人 の 世 話 や 介 護 を 受 けている 不 自 由 で 一 部 ほかの 人 の 世 話 や 介 護 を 受 け ている 少 し 不 自 由 だが 何 とか 自 分 でできる 0 日 本 日 本 韓 国 アメリカ ドイツ スウェーデン ( 平 成 17 年 ) ( 平 成 22 年 ) まったく 不 自 由 なく 過 ご せる ( 出 典 ) 内 閣 府 平 成 24 年 度 版 高 齢 社 会 白 書 ( 全 体 版 ) に 基 づき 三 菱 総 合 研 究 所 作 成 13

高 年 齢 者 雇 用 に 関 する 施 策 日 本 再 興 戦 略 では 雇 用 制 度 改 革 人 材 力 の 強 化 の 一 環 として 女 性 若 者 高 齢 者 等 の 活 躍 促 進 を 掲 げている 高 齢 者 の 活 躍 に 関 しては 誰 もが 生 涯 現 役 で 活 躍 でき る 社 会 を 構 築 するため 65 歳 を 過 ぎても 働 ける 企 業 の 普 及 促 進 を 行 うとともに 高 齢 者 が 身 近 な 地 域 や 人 材 を 必 要 としている 他 の 地 域 での 就 労 ボランティアなどの 社 会 参 加 活 動 への 参 加 を 積 極 的 にしやすい 環 境 を 整 備 するとしている 上 記 目 標 を 受 け 生 涯 現 役 社 会 の 実 現 に 向 けた 高 年 齢 者 の 就 労 促 進 高 年 齢 者 の 再 就 職 支 援 の 充 実 強 化 知 識 経 験 を 活 用 した 企 業 企 業 グループ 内 での 65 歳 までの 雇 用 の 確 保 のための 各 種 施 策 が 講 じられている 一 方 年 金 受 給 開 始 年 齢 までの 高 齢 者 の 労 働 環 境 を 整 備 することを 目 的 とした 高 年 齢 者 雇 用 安 定 法 が 一 部 改 正 され 希 望 者 全 員 の 65 歳 までの 雇 用 確 保 措 置 が 法 的 義 務 化 さ れた( 平 成 25 年 4 月 1 日 施 行 )( 図 表 8) この 改 正 により 65 歳 未 満 の 定 年 を 定 め ている 事 業 主 は 希 望 者 全 員 に 対 し 65 歳 までの 雇 用 を 確 保 するため 1 定 年 の 引 き 上 げ 2 継 続 雇 用 制 度 の 導 入 3 定 年 の 定 めの 廃 止 のいずれかの 措 置 を 導 入 することが 求 められることとなった < 図 表 8 高 年 齢 者 雇 用 安 定 法 改 正 内 容 の 概 要 > ( 出 典 ) 厚 生 労 働 省 HP 公 表 資 料 14

高 年 齢 者 雇 用 に 関 する 企 業 側 の 動 向 と 課 題 ( 独 ) 労 働 政 策 研 究 研 修 機 構 の 高 年 齢 社 員 や 有 期 契 約 社 員 の 法 改 正 後 の 活 用 状 況 に 関 する 調 査 ( 平 成 25 年 )によると 改 正 高 年 齢 者 雇 用 安 定 法 が 施 行 された 後 の 企 業 側 の 対 応 として 定 年 の 定 めの 廃 止 を 導 入 した 企 業 は 1.8% 65 歳 以 上 への 定 年 の 引 き 上 げ が 12.9%であるのに 対 し 60 歳 ~64 歳 までのいずれかの 年 齢 による 定 年 と 定 年 後 の 継 続 雇 用 制 度 が 83.0%と 大 多 数 を 占 めている( 図 表 9) 企 業 の 規 模 別 に 見 ると 規 模 が 小 さいほど 定 年 の 定 めの 廃 止 65 歳 以 上 への 定 年 の 引 き 上 げ の 回 答 割 合 が 高 まる 傾 向 にあり 500 人 以 上 の 企 業 規 模 では 60 歳 ~64 歳 までのいずれかの 年 齢 による 定 年 と 定 年 後 の 継 続 雇 用 制 度 が 90% 以 上 を 占 める ( 図 表 9) < 図 表 9 法 改 正 への 対 応 後 の 高 年 齢 者 雇 用 確 保 措 置 の 状 況 > 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 計 (n=7179) 1.8 12.9 83.0 0.8 1.4 50 人 未 満 (n=463) 7.1 20.7 67.6 1.7 2.8 50~100 人 未 満 (n=2648) 2.0 14.7 80.8 0.9 1.6 100~300 人 未 満 (n=2504) 1.1 11.8 85.4 0.7 1.0 300~500 人 未 満 (n=492) 1.4 11.2 86.4 0.4 0.6 500~1000 人 未 満 (n=419) 0.2 9.1 88.3 1.4 1.0 1000 人 以 上 (n=577) 0.5 7.1 91.5 0.5 0.3 定 年 の 定 めの 廃 止 ( 定 年 がない) 65 歳 以 上 への 定 年 の 引 上 げ 60 歳 ~64 歳 までの 定 年 と 定 年 後 の 継 続 雇 用 制 度 その 他 無 回 答 ( 出 典 )( 独 ) 労 働 政 策 研 究 研 修 機 構 高 年 齢 社 員 や 有 期 契 約 社 員 の 法 改 正 後 の 活 用 状 況 に 関 する 調 査 ( 平 成 25 年 ) また 定 年 後 の 継 続 雇 用 制 度 を 持 っている 企 業 に 継 続 雇 用 者 の 雇 用 形 態 を 尋 ねたとこ ろ 自 社 の 正 社 員 あるいは 自 社 の 正 社 員 以 外 ( 嘱 託 契 約 社 員 パート 等 ) を 選 んだ 企 業 の 割 合 は 92.2%であり 継 続 雇 用 者 の 多 くがそのまま 定 年 前 に 勤 めていた 企 業 に 留 まっていることが 示 唆 されている また 継 続 雇 用 者 の 仕 事 内 容 については 90.9%の 企 業 が 定 年 到 達 時 と 同 じ 仕 事 内 容 を 挙 げており また 勤 務 日 数 や 時 間 についても 86.0%の 企 業 が フルタイム( 日 数 も 時 間 も 定 年 前 から 変 わらない) を 選 んでいる すなわち 継 続 雇 用 者 のほとんどが 定 年 前 と 変 わらない 就 業 形 態 であることが 示 唆 された 15

一 方 人 事 評 価 については 基 本 的 に 定 年 前 の 評 価 方 法 と 変 わらない と 回 答 した 企 業 は 46.5%と 半 数 以 下 であり 評 価 を 実 施 していない との 回 答 も 30.4% 得 られて いた また 年 間 給 与 については 定 年 到 達 時 に 比 べ 平 均 約 7 割 の 水 準 であり 企 業 規 模 が 大 きいほど 減 額 率 が 大 きい 傾 向 にあった( 図 表 10) < 図 表 10 継 続 雇 用 者 の 年 間 給 与 の 水 準 > 0% 20% 40% 60% 80% 100% 計 (n=6487) 16.1 21.7 22.9 17.0 15.3 7.0 ( 雇 用 者 規 模 別 ) 50 人 未 満 (n=370) 8.6 16.2 18.1 21.6 22.7 12.7 50~100 人 未 満 (n=2349) 12.1 19.8 24.4 18.5 17.1 8.2 100~300 人 未 満 (n=2320) 14.6 23.2 24.1 17.8 14.7 5.6 300~500 人 未 満 (n=452) 23.2 23.2 20.1 13.9 13.9 5.5 500~1000 人 未 満 (n=390) 20.3 26.9 24.6 10.0 12.1 6.2 1000 人 以 上 (n=550) 37.1 22.7 15.8 10.9 8.0 5.5 50 歳 以 下 51~60 歳 61~70 歳 71~80 歳 81 歳 以 上 無 回 答 ( 出 典 )( 独 ) 労 働 政 策 研 究 研 修 機 構 高 年 齢 社 員 や 有 期 契 約 社 員 の 法 改 正 後 の 活 用 状 況 に 関 する 調 査 ( 平 成 25 年 ) 16

< 図 表 11 法 対 応 や 人 事 制 度 等 変 更 による 影 響 > (n=7,179 単 位 :%) 0 10 20 30 総 額 人 件 費 の 増 大 社 員 に 対 する 健 康 面 での 配 慮 の 責 任 の 増 大 ベテラン 社 員 の 残 留 による 現 場 力 の 強 化 高 年 齢 社 員 から 若 中 年 層 への 技 能 継 承 の 円 滑 化 ベテラン 社 員 への 依 存 度 の 上 昇 社 員 の 滞 留 感 の 増 大 高 年 齢 層 のモラール(やる 気 )の 向 上 高 年 齢 層 のモラール(やる 気 )の 低 下 人 事 異 動 人 材 配 置 の 硬 直 化 若 中 年 層 のモラール(やる 気 )の 低 下 労 働 災 害 の 増 加 生 産 性 の 低 下 人 事 異 動 人 材 配 置 の 柔 軟 化 若 中 年 層 のモラール(やる 気 )の 向 上 管 理 職 の 負 担 軽 減 生 産 性 の 向 上 社 員 の 一 体 感 の 醸 成 労 働 組 合 等 との 調 整 負 担 の 増 大 その 他 7.6 7.3 5.6 4.9 4.6 4.5 4.2 2.1 2.0 12.0 10.3 10.0 26.9 23.9 23.8 19.3 18.2 16.9 15.3 ( 複 数 回 答 ) ( 出 典 )( 独 ) 労 働 政 策 研 究 研 修 機 構 高 年 齢 社 員 や 有 期 契 約 社 員 の 法 改 正 後 の 活 用 状 況 に 関 する 調 査 ( 平 成 25 年 ) 改 正 高 年 齢 雇 用 安 定 法 への 対 応 およびそれに 伴 う 社 内 組 織 や 人 事 処 遇 制 度 等 の 変 更 によりどのような 影 響 があったか あるいか 今 後 どのような 影 響 が 出 ると 思 うか 尋 ね た 設 問 では ベテラン 社 員 の 残 留 による 現 場 力 の 強 化 (23.8%) 高 年 齢 者 から 若 中 年 層 への 技 術 継 承 の 円 滑 化 (19.3%) といったプラス 面 での 影 響 も 挙 げられている 一 方 総 人 件 費 の 増 大 (26.9% や 社 員 に 対 する 健 康 面 での 配 慮 の 責 任 の 増 大 (23.9%) といった 課 題 も 挙 げられていた( 図 表 11) 本 分 科 会 への 参 加 企 業 からは シニア 人 材 活 用 の 必 要 性 について スキル ノウハウ を 若 手 に 伝 える 役 割 がある 知 識 や 経 験 が 豊 富 な 人 材 もおり 活 用 次 第 では 若 い 社 員 以 上 の 成 果 を 発 揮 する 即 戦 力 となるため 教 育 コストが 小 さくて 済 み 同 時 に 採 用 コストも 削 減 できる 勤 勉 さや 帰 属 意 識 等 の 信 頼 性 地 域 密 着 型 の 営 業 特 定 の 技 術 などは 企 業 にとっても 活 用 すべき 資 源 である との 意 見 が 挙 げられた 一 方 シニア 人 材 の 雇 用 上 の 障 害 や 課 題 については マネジメントを 主 としていた 従 業 員 の 定 年 後 の 処 遇 定 年 前 のグレード 制 との 関 係 性 や 定 年 後 の 職 務 価 値 との 関 係 性 が 弱 く シニア 人 材 の 処 遇 への 納 得 性 が 高 くない パフォーマンスと 賃 金 のアン バランス 職 務 内 容 と 給 料 との 関 連 が 不 明 瞭 なことに 端 を 発 する 不 平 不 満 ポス 17

トオフした 際 に 給 料 が 下 がることによる 就 労 意 欲 の 低 下 といった 処 遇 面 での 課 題 や それに 伴 う 就 労 意 欲 の 低 下 の 問 題 が 多 く 挙 げられた また 現 状 は 継 続 雇 用 者 の 大 部 分 は 雇 用 延 長 前 の 業 務 の 継 続 であり 雇 用 延 長 の 受 け 皿 及 びシニア 人 材 を 活 用 できる 新 たな 業 務 等 の 検 討 が 必 要 職 務 開 発 が 不 十 分 であ り 結 果 として 単 線 型 人 事 制 度 になっている シニア 層 の 適 材 部 署 の 選 定 ないし 創 出 が 今 後 の 課 題 出 向 先 等 の 受 け 皿 が 十 分 でない 等 の 高 年 齢 雇 用 者 の 受 け 皿 とな る 新 職 場 職 務 の 創 出 等 に 関 する 課 題 も 挙 げられている その 他 社 員 のスキルを 客 観 的 に 測 定 する 制 度 がないため 処 遇 差 がつけにくい 会 社 への 依 存 度 が 高 く 自 分 のキャリアを 客 観 視 する 風 土 がない ポストオフされる ことに 対 する 抵 抗 感 といったこれまでの 日 本 の 雇 用 慣 行 ( 職 能 型 人 事 制 度 )に 伴 う 課 題 も 指 摘 されている 以 上 を 踏 まえ 本 分 科 会 では 生 涯 現 役 時 代 における 日 本 型 ワークモデルの 変 革 と して 7つの 提 言 をとりまとめた お 問 い 合 わせ 先 株 式 会 社 三 菱 総 合 研 究 所 プラチナ 社 会 研 究 会 シニア 人 材 マネジメント 分 科 会 事 務 局 E-mail: p47-smm@mri.co.jp TEL: 03-6705-6022 18